JP2001252946A - 成形方法及び成形装置及び成形品 - Google Patents

成形方法及び成形装置及び成形品

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JP2001252946A
JP2001252946A JP2000069320A JP2000069320A JP2001252946A JP 2001252946 A JP2001252946 A JP 2001252946A JP 2000069320 A JP2000069320 A JP 2000069320A JP 2000069320 A JP2000069320 A JP 2000069320A JP 2001252946 A JP2001252946 A JP 2001252946A
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heating cylinder
molding material
inert gas
molding
injection
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Hiroshi Nakanishi
弘 中西
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の射出成形品には、「焼け」と呼ばれる
酸化劣化現象や、ガスの発生に起因した「ボイド」また
は「シルバー」と呼ばれる不良現象による品質不良があ
る。 【解決手段】 成形材料13が供給され、この形成材料
13を溶融して成形金型に射出する加熱シリンダ11を
有する射出成形装置であって、成形材料13の少なくと
も可塑化計量中に加熱シリンダ11内を減圧するための
減圧手段18と、加熱シリンダ11内に不活性ガスを供
給するための不活性ガス供給手段31と、これら減圧手
段18および不活性ガス供給手段31の作動を交互に切
り換える手段とを具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、「焼け」や「ボイ
ド」あるいは「シルバー」などの成形不良を有効に減少
させることが可能な射出成形方法およびその装置、なら
びにこれによって成形される射出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】成形材料を所定形状に成形する場合、例
えばこの成形材料を溶融するために加熱すると、成形材
料に含まれる水分中の酸素や、あるいは形成材料内また
は成形材料の周囲に介在する空気中の酸素により、この
成形材料が酸化して変色する場合がある。また、酸素の
量が少なくても長期間高熱にさらされることによっても
変色が起こる。例えば、射出成形に使用する射出装置の
加熱シリンダの内壁や、この加熱シリンダの中に挿入さ
れるスクリュの表面に成形材料が長期間滞留する箇所が
存在すると、加熱シリンダの内部は高温であるので、そ
の滞留した場所で成形材料が酸化劣化(熱劣化)し、光
学部品の場合には透明であったものが黄色などに変色す
る。
【0003】また、成形材料が酸化劣化すると、極性を
持つことによって金属製である加熱シリンダの内壁やス
クリュの表面に付着しやすくなり、さらに長期間高熱に
さらされることになる。最初は、黄色に変色する程度で
あるが、そのうち、炭化が進んで行き、茶色,黒色と変
化して行く。
【0004】このような成形材料の変色、すなわち、酸
化劣化現象を総称して「焼け」と呼んでいる。また、変
色した材料が加熱シリンダの内壁やスクリュの表面から
剥離し、射出成形品の中に混入したものが「黒点」と呼
ばれる不良現象である。
【0005】光学的に透明な材料を使用する必要がある
光学部品などにおいては、「焼け」が発生すると、短波
長側での透過率の低下が起きて黄色っぽくなり、この光
学部品を通過した光の色バランスがくずれてしまうた
め、撮像系のレンズなどで使用することができないとい
う問題が起きる。また、「黒点」が光学部品内に混入す
ると、例えばこれがファインダー系のレンズやプリズム
の場合には、「黒点」が直接見えてしまい、撮像系のレ
ンズなどでは「黒点」が写ってしまい、レーザープリン
タのf−θレンズの場合には、「黒点」の部分によって
プリントされない領域が発生する。
【0006】射出成形品がこのような光学部品ではない
場合、例えばプリンタやファクシミリなどの電子機器の
外装部材として、ライトグレーなどの明度の高い白っぽ
い色の各種カバーやハウジングなどにおいても、「黒
点」が見えてしまうことにより、射出成形品としての品
質を低下させてしまうことがある。
【0007】一方、加熱シリンダでの成形材料の可塑化
計量時に空気の巻き込みがあったりすると、成形品に
「ボイド」とよばれる気泡が生じたり、「シルバー」と
呼ばれる形状不良が発生することがある。このような
「ボイド」や「シルバー」が発生すると、光学部品で
は、その混入した箇所の光学性能が著しく低下するとい
う不具合が起き、光学部品以外の一般の成形品に関して
も、「ボイド」や「シルバー」が発生した部分で膨出が
起き、成形品の品位が低下してしまうという結果を招
く。
【0008】このような不具合を解決する方法として、
特開平1−154713号公報には不活性ガスを加熱シ
リンダ内に導入することが記載され、また特開平2−2
52513号公報には加熱シリンダ内を減圧することが
記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平1−15471
3号公報に開示された不活性ガスを加熱シリンダ内に導
入する方法では、成形材料の酸化による「焼け」に対し
ては効果があるものの、「ボイド」や「シルバー」など
の不良に関する効果は得られない。
【0010】逆に、特開平2−252513号公報に開
示された加熱シリンダ内を減圧する方法では、「ボイ
ド」や「シルバー」などの不良に関しては効果があるも
のの、「焼け」に対しては、多少の効果があるものの、
充分な効果を得ることができない。その理由としては、
スクリュと加熱シリンダの間や、成形材料が加熱シリン
ダに供給される個所などには、摺動部分やシャッタなど
が介在しているため、気密牲をあげることができず、高
い真空度を得ることが構造的に難しいからである。実際
に加熱シリンダ内を減圧しようとしても、100〜20
0Torr程度の真空度にしかならず、この程度の真空度で
は、加熱シリンダ11の中の酸素濃度を2.75〜5.5
%程度にまでしか低減することができない。「焼け」と
呼ばれる酸化劣化現象に対しては、加熱シリンダ11内
の酸素濃度を2%以下にすることが特に有用である。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、「焼け」と呼ばれる酸
化劣化現象や、ガスの発生に起因した「ボイド」または
「シルバー」と呼ばれる不良現象を効果的に減少させ得
る射出成形方法を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、このような射出成形
方法を実現し得る射出成形装置を提供することにある。
【0013】本発明の別な目的は、このような射出成形
方法により製造される品質の良好な射出成形品を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述したように、「ボイ
ド」や「シルバー」などの不良に対しては、加熱シリン
ダ内を減圧する方法が優れており、特に可塑化計量中に
加熱シリンダ内を減圧することによって、「ボイド」や
「シルバー」の不良を有効に減少させることができる。
一方、「焼け」と呼ばれる酸化(熱)劣化現象に対して
は、加熱シリンダ内の減圧よりも、不活性ガスを供給す
る方が優れており、成形機に本質的に存在する機械的な
隙間があったとしても、加熱シリンダ内の酸素濃度を容
易に2%以下にすることが可能である。
【0015】また、光学部品の射出成形に際しては、そ
の要求精度の高さから長時間の冷却時間を必要とする
が、その冷却中での酸化の程度を考慮した場合、加熱シ
リンダ内を減圧状態よりも不活性ガス雰囲気下に保持し
ておくことが有効である。
【0016】本発明はこのような知見に鑑みてなされた
ものであり、その第1の形態は、加熱シリンダに供給さ
れた成形材料を溶融して成形金型に射出する射出成形方
法であって、1成形サイクル毎に前記加熱シリンダ内を
減圧するステップと、減圧後の前記加熱シリンダ内に不
活性ガスを前記1成形サイクル毎に供給するステップと
を具え、前記加熱シリンダ内を減圧するステップは、前
記加熱シリンダに供給される前記成形材料の少なくとも
可塑化計量中に行われることを特徴とするものである。
【0017】本発明の第2の形態は、成形材料が供給さ
れ、この形成材料を溶融して成形金型に射出する加熱シ
リンダを有する射出成形装置であって、前記成形材料の
少なくとも可塑化計量中に前記加熱シリンダ内を減圧す
るための減圧手段と、前記加熱シリンダ内に不活性ガス
を供給するための不活性ガス供給手段と、これら減圧手
段および不活性ガス供給手段の作動を交互に切り換える
手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0018】本発明の第3の形態は、加熱シリンダに供
給された成形材料を溶融して成形金型に射出することに
より成形される射出成形品であって、前記成形材料の少
なくとも可塑化計量中に前記加熱シリンダ内を減圧し、
前記加熱シリンダ内に不活性ガスを供給して得られるも
のである。
【0019】本発明によると、可塑化計量中に加熱シリ
ンダ内を減圧することにより、空気や成形材料から発生
するガスの巻き込みが抑制され、「ボイド」や「シルバ
ー」などの不良が抑制される。
【0020】また、加熱シリンダ内に不活性ガスを供給
することにより、成形機に本質的に存在する機械的な隙
間があったとしても、加熱シリンダ内の酸素濃度が2%
以下となり、「焼け」と呼ばれる酸化劣化現象が抑制さ
れる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の第1の形態による射出成
形方法において、不活性ガスとして窒素を用いることが
可能であり、成形材料としてノルボルネン系またはオレ
フィン系の樹脂を採用するようにしてもよい。
【0022】本発明の第2の形態による射出成形装置に
おいて、一端側が加熱シリンダに接続して成形材料を加
熱シリンダに導く通路と、この通路の他端側に位置して
通路内を開閉し得るシャッタとをさらに設け、減圧手段
および不活性ガス供給手段をこの通路に接続するようし
てもよい。
【0023】本発明の第3の形態による射出成形品にお
いて、光学部品を射出成形品としてもよく、成形材料と
してノルボルネン系またはオレフィン系の樹脂を採用す
るようにしてもよい。
【0024】
【実施例】本発明による射出成形方法を実現し得る射出
成形装置の一実施例について、その概略断面構造を表す
図1を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのよ
うな実施例に限らず、同様な課題を内包する他の分野の
技術にも応用することができる。
【0025】すなわち、射出装置の加熱シリンダ11の
外周には、バンドヒータ12が巻回されており、加熱シ
リンダ11内を成形材料13のガラス転移点温度Tg以
上の所定の温度に加熱するようになっている。スクリュ
14は加熱シリンダ11内において、回転及び図1中、
左右方向に前後進できるようになっている。加熱シリン
ダ11の後端部にはスクリュ14と加熱シリンダ11と
の間の隙間をシールするOリングなどのシール部材15
が取り付けられている。加熱シリンダ11の基端部の外
周には、図示しない冷却水を通水するための通路が形成
された水冷ジャケット16が嵌着されており、これらが
射出装置の一部を構成している。
【0026】水冷ジャケット16の上部には接続プレー
ト17が取り付けられており、この接続プレート17に
は空気抜き配管18と不活性ガス供給配管31とが設け
られている。空気抜き配管18には図示しない真空ポン
プが接続し、これらで本発明の減圧手段を構成してい
る。また、不活性ガス供給配管31には窒素ガスなどの
不活性ガスを供給する図示しない不活性ガス供給源が接
続し、これらで本発明の不活性ガス供給手段を構成して
いる。これら真空ポンプおよび不活性ガス供給源によ
り、加熱シリンダ11およびこの加熱シリンダ11に下
端が連通する下部連絡通路19およびこれに接続する加
熱シリンダ11内を減圧および不活性ガス雰囲気にす
る。
【0027】スクリーン20は、下部連絡通路19内を
流下する成形材料13が空気抜き配管18から吸い出さ
れないように、空気抜き配管18と下部連絡通路19と
の接続部分に設けられている。
【0028】下部連絡通路19の外側には、成形材料1
3の貯蔵状態を検知するためのセンサ21が設けられて
おり、このセンサ21からの検出信号に基づき、この下
部連絡通路19と上部連絡通路22との間に配置された
ロータリーシャッタ23が回転し、このロータリーシャ
ッタ23に形成されている溝部24内に収容された成形
材料13を加熱シリンダ11に向けて落下させるように
なっている。
【0029】ロータリーシャッタ23を介して下部連絡
通路19に接続する上部連絡通路22にも、不活性ガス
供給配管25が接続されており、この不活性ガス供給配
管25も上述した図示しない不活性ガス供給源に接続さ
れている。
【0030】成形材料13を一時的に貯蔵しておくホッ
パ26に上端が連通する上部連絡通路22の上端部外周
には、上述したセンサ21と同様なセンサ27が設置さ
れて成形材料13の貯蔵状態を検知できるようになって
おり、このセンサ27は不活性ガス供給配管25よりも
上方に位置している。
【0031】前記ホッパ26には、ホッパ26内を成形
材料13のガラス転移点温度Tg以下の所定温度に加熱
保持するためのバンドヒーター28が装着されており、
同様に上部連絡通路22および下部連絡通路19をそれ
ぞれ囲む一対のバンドヒータ29,30は、上部連絡通
路22および下部連絡通路19内を成形材料13のガラ
ス転移点温度Tg以下の所定温度に加熱保持している。
【0032】上述した上部連絡通路22およびホッパ2
6は、図示しない材料乾燥部にて予め乾燥された成形材
料13を加熱シリンダ11にて溶融する前に、一時的に
貯蔵しておく手段として機能するが、この部分では、乾
燥された成形材料13が再び水分などを吸収しないよう
にバンドヒーター28,29によって加熱保持され、ま
た、ロータリーシャッタ23より下の下部連絡通路19
内は減圧下または不活性ガス雰囲気下にあるが、ロータ
リーシャッタ23より上の上部連絡通路22は減圧下ま
たは不活性ガス雰囲気下にはないので、乾燥状態の成形
材料13が酸素を吸着しないように、不活性ガス供給配
管25から窒素ガスなどの不活性ガスを供給している。
【0033】なお、これらのバンドヒーター28〜30
および不活性ガス供給配管25は、成形品の要求品質に
応じて省略することも可能である。
【0034】実際の成形作業に際し、成形材料13は図
示しない材料乾燥機内で予め乾燥処理される。具体的に
は、成形材料13のガラス転移点温度Tg以下で、かつ
ガラス転移点温度Tgより60℃低い温度以上、好まし
くはガラス転移点温度Tgから20〜40℃低い温度に
設定される。
【0035】材料乾燥機内で乾燥された成形材料13
は、図示しないローダーなどの材料移送手段によって材
料移送管32内を通り、ホッパ26に送られる。そし
て、ホッパ26に連通する上部連絡通路22と下部連絡
通路19との間に設けられたロータリーシャッタ23が
回転することにより、その溝部24内に収容されていた
成形材料13が下部連絡通路19を介して加熱シリンダ
11内に投入される。このロータリーシャッタ23と加
熱シリンダ11との間に位置する下部連絡通路19内
は、空気抜き配管18を介して図示しない真空ポンプに
より200Torr以下に減圧脱気され、さらに不活性ガス
供給配管31を介して図示しない不活性ガス供給源から
供給される窒素などの不活性ガスにより、不活性ガス雰
囲気にされるため、この下部連絡通路19に連通してい
る加熱シリンダ11内も同様の雰囲気となる。
【0036】このようにして加熱シリンダ11に投入さ
れた成形材料13は、加熱シリンダ11内で加熱されて
溶融し、同時にスクリュ14の回転後退によって混練計
量され、その後、スクリュ14の前進によってノズル3
3から図示しない成形金型内に射出され、所定形状の成
形品に射出成形される。
【0037】この場合、成形材料13は、射出装置によ
る混練計量および射出が行われるたびに、次々と加熱シ
リンダ11内に送られる。当初はセンサ21が設置され
た位置の上方にまで成形材料13が下部連絡通路19内
に堆積しているが、成形作業の進行に伴って、堆積状態
にある成形材料13の上面がセンサ21が配置されてい
る位置よりも下方にずれると、センサ21からの検出信
号によってロータリーシャッタ23が回転し、ロータリ
ーシャッタ23の溝部24内に貯留されている成形材料
13が下部連絡通路19内に落下堆積する。この場合、
下部連絡通路19内に堆積している成形材料13の上面
がセンサ21の配置位置に上昇するまでロータリーシャ
ッタ23が回転を続け、溝部24内に収容される成形材
料13を間欠的に落下させる。下部連絡通路19内に堆
積している成形材料13の上面がセンサ21の側方まで
達したことを検知すると、ロータリーシャッタ23は回
転を停止する。また、このようにしてロータリーシャッ
タ23が回転を続けているとホッパ26内に貯留された
成形材料13が少なくなってくる。ここで、上部連絡通
路22内に堆積する成形材料13の上面がセンサ27の
配置位置よりも下方にずれると、材料乾燥機(図示せ
ず)から成形材料13が材料移送管32を通して送られ
てくる。
【0038】成形機における射出成形サイクルは、型締
め−射出−保圧−冷却−可塑化計量−型開き−成形品取
り出し−を繰り返すものであり、これら一連のステップ
の内の少なくとも可塑化計量中に加熱シリンダ11内を
減圧することにより、「ボイド」や「シルバー」の不良
を有効に減少させることができる。
【0039】具体的には、可塑化計量が始まると、可塑
化計量開始信号が成形機から出力され、不活性ガス供給
配管31に組み込まれた図示しない電磁弁が閉弁して不
活性ガス供給配管31内が塞がれると同時に、空気抜き
配管18に組み込まれた図示しない電磁弁が開弁して空
気抜き配管18を開き、真空ポンプによって下部連絡通
路19および加熱シリンダ11内の吸引を開始する。つ
まり、これら一対の電磁弁が本発明の開閉弁として機能
し、減圧手段および不活性ガス供給手段の作動を交互に
切り換える手段を構成する。
【0040】可塑化計量が終了すると、同様にして成形
機から可塑化計量終了信号が出力され、空気抜き配管1
8に組み込まれた電磁弁が閉弁すると同時に、不活性ガ
ス供給配管31に組み込まれた電磁弁が開弁状態とな
り、不活性ガス供給源から不活性ガスを下部連絡通路1
9および加熱シリンダ11内に噴射する。この不活性ガ
スの供給は、型開き−成形品取り出し−型締め−射出−
保圧−冷却中まで引き続き行われ、可塑化計量の開始に
伴って再び減圧状態に切り替えられる。
【0041】本実施例では、成形機からの電気的信号に
よって電磁弁の開閉を切り換えるようにしたが、タイマ
ーなどを用いて電磁弁の開閉を切り換えるようにしても
良い。また、可塑化計量以外のステップにて減圧処理を
行うことも可能であるが、何れにしろ、少なくとも可塑
化計量中に加熱シリンダ11内を減圧状態にすることに
より、「ボイド」や「シルバー」を減少させることがで
きる。
【0042】成形材料13としてオレフィン系やノルボ
ルネン系の樹脂、例えばポリエチレンやポリプロピレ
ン、日本ゼオン株式会社のゼオネックス、三井化学工業
株式会社のアペル,TPX、JSR株式会社のアートン
などを使用した場合、これらのオレフィン系およびノル
ボルネン系の樹脂は、その分子構造上から酸化しやすい
性質を持っており、また、シクロヘキサンやキシレンな
どの残留溶剤成分が多く残っているので、加熱シリンダ
内で溶融したときに、それらの溶剤成分がガスとして脱
離し易い。
【0043】しかしながら、上述したような不活性ガス
雰囲気下および減圧下で加熱シリンダ内を操作すること
により、オレフィン系やノルボルネン系の樹脂を成形材
料13として使用しても、成形品に「焼け」や「ボイ
ド」,「シルバー」といった不良を発生させないように
することが可能である。
【0044】次に、加熱シリンダ11内を継続的に不活
性ガス雰囲気に保持して成形を行った場合と、加熱シリ
ンダ内を継続的に減圧状態に保持して成形を行った場合
と、本実施例のように可塑化計量中のみ減圧下に保持
し、その他のステップでは不活性ガス雰囲気に保持して
成形した場合と、不活性ガスを供給せず、かつ減圧もせ
ずに成形した場合において、得られる成形品13に発生
する「焼け」,「黒点」の不良および「ボイド」,「シ
ルバー」の不良の発生割合を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】この表1に示すように、加熱シリンダ11
内を継続的に不活性ガス雰中気に保持して成形した場
合、「焼け」や「黒点」の不良が少ないものの、「ボイ
ド」や「シルバー」の不良は多いことが判る。逆に、加
熱シリンダ11内を継続的に減圧状態に保持して成形し
た場合は、「ボイド」や「シルバー」の不良は少ないも
のの、「焼け」や「黒点」の不良が多少多めとなる。こ
れに対し、本実施例のように可塑化計量中のみ減圧下に
保持し、その他のステップでは不活性ガス雰囲気に保持
して成形した場合、「焼け」や「黒点」の不良、並びに
「ボイド」や「シルバー」の不良が両方とも少ないとい
う良好な結果を得ることができた。
【0047】なお、本実施例では成形材料13の溶融と
射出とを1本のシリンダにて可能なインラインスクリュ
タイプの加熱シリンダ11について説明したが、成形材
料13の溶融と射出とを別々のシリンダで行う、いわゆ
るプリプラタイプの加熱シリンダを用いた射出成形装置
に対しても本発明は有効である。この場合、少なくとも
成形材料を溶融する加熱シリンダに本発明の減圧手段と
不活性ガス供給手段を設けることが必要である。
【0048】
【発明の効果】本発明によると、成形材料を少なくとも
可塑化計量中に減圧状態に保持して空気や成形材料から
発生するガスの巻き込みを抑制する一方、それ以外は加
熱シリンダ内を不活性ガス雰囲気に保持するようにした
ので、成形材料がオレフィン系やノルボルネン系の樹脂
であっても「ボイド」や「シルバー」あるいは「焼け」
や「黒点」といった不良を減少させることができ、特に
要求される外観の品質が厳しいレンズ,プリズム,ミラ
ー,回折格子などの光学部品を歩留り良く射出成形する
ことができる。
【0049】また、このような利点は、光学部品のみな
らず一般的な射出成形品に関しても有用である。例え
ば、ライトグレーなどの白っぽい色のカバーやハウジン
グなどの成形品では「黒点」が見えてしまうことによ
り、成形品としての品位を落とすことになり、「ボイ
ド」や「シルバー」が成形品の表面近傍に発生すると、
この成形品が膨れたようになってしまい、外観の品質を
落とす結果を招くが、本発明によると、これらの問題点
を一挙に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出成形装置の一実施例の概略構
造を表す断面図である。
【符号の説明】
11 加熱シリンダ 12 バンドヒータ 13 成形材料 14 スクリュ 15 シール部材 16 水冷ジャケット 17 接続プレート 18 空気抜き配管 19 下部連絡通路 20 スクリーン 21 センサ 22 上部連絡通路 23 ロータリーシャッタ 24 溝部 25 不活性ガス供給配管 26 ホッパ 27 センサ 28〜30 バンドヒータ 31 不活性ガス供給配管 32 材料移送管 33 ノズル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱シリンダに供給された成形材料を溶
    融して成形金型に射出する射出成形方法であって、 1成形サイクル毎に前記加熱シリンダ内を減圧するステ
    ップと、 減圧後の前記加熱シリンダ内に不活性ガスを前記1成形
    サイクル毎に供給するステップと を具え、前記加熱シリンダ内を減圧するステップは、前
    記加熱シリンダに供給される前記成形材料の少なくとも
    可塑化計量中に行われることを特徴とする射出成形方
    法。
  2. 【請求項2】 前記不活性ガスが窒素であることを特徴
    とする請求項1に記載の射出成形方法。
  3. 【請求項3】 前記成形材料がノルボルネン系またはオ
    レフィン系の樹脂であることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の射出成形方法。
  4. 【請求項4】 成形材料が供給され、この形成材料を溶
    融して成形金型に射出する加熱シリンダを有する射出成
    形装置であって、 前記成形材料の少なくとも可塑化計量中に前記加熱シリ
    ンダ内を減圧するための減圧手段と、 前記加熱シリンダ内に不活性ガスを供給するための不活
    性ガス供給手段と、 これら減圧手段および不活性ガス供給手段の作動を交互
    に切り換える手段とを具えたことを特徴とする射出成形
    装置。
  5. 【請求項5】 一端側が前記加熱シリンダに接続して前
    記成形材料を前記加熱シリンダに導く通路と、この通路
    の他端側に設けられて当該通路を開閉し得るシャッタと
    をさらに具え、前記減圧手段および前記不活性ガス供給
    手段が前記通路に接続していることを特徴とする請求項
    4に記載の射出成形装置。
  6. 【請求項6】 前記減圧手段および前記不活性ガス供給
    手段の作動を交互に切り換える手段は、一対の開閉弁を
    有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載
    の射出成形装置。
  7. 【請求項7】 加熱シリンダに供給された成形材料を溶
    融して成形金型に射出することにより成形される射出成
    形品であって、 前記成形材料の少なくとも可塑化計量中に前記加熱シリ
    ンダ内を減圧し、 前記加熱シリンダ内に不活性ガスを供給して得られる射
    出成形品。
  8. 【請求項8】 前記射出成形品が光学部品であることを
    特徴とする請求項7に記載の射出成形品。
  9. 【請求項9】 前記成形材料がノルボルネン系またはオ
    レフィン系の樹脂であることを特徴とする請求項7また
    は請求項8に記載の射出成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007022068A (ja) * 2005-06-14 2007-02-01 Toshiba Mach Co Ltd 射出成形方法および射出成形機
JP2007038587A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Dainippon Printing Co Ltd 樹脂成形機の樹脂押出し装置及び押出し方法
JP2009226652A (ja) * 2008-03-20 2009-10-08 Meiki Co Ltd 可塑化装置および可塑化方法

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