JP2007022068A - 射出成形方法および射出成形機 - Google Patents

射出成形方法および射出成形機 Download PDF

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Abstract

【課題】成形樹脂の溶融時に黄変が発生することを可及的に少なくするための成形材料の供給装置を提供する。
【解決手段】ホッパー24の下方に位置しバレル10に形成された成形材料供給口20の上部へホッパー台14を介して窒素ガスを導き、さらに成形材料供給口内の所定深さにてスクリュ軸12の外周に向け窒素ガスを放出する窒素ガスの管路P1からなる窒素ガス供給手段を有し、また、前記放出された窒素ガスおよび残留している空気をバレル内周面およびスクリュ軸外周面との間隙を介して導き、さらにバレル支持台16およびバレル押え18の内部を通ってバレル支持台およびバレル押えに設けた外部接続口16B、18Bへ導くように形成した排出通路と同排出通路から前記窒素ガス等を吸引する真空発生器とを備え、前記成形材料供給口から可塑化ゾーンへの空気の混入を防ぎ、溶融樹脂の酸化に起因する黄変の発生を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は導光板、光学レンズ等の光学用成形品を成形するための射出成形方法および射出成形機に関する。
射出成形機を用いて光学用成形品を成形する場合、その成形品には一般に高透明度が要求される。しかしながら、光学用成形材料として現在、多用されるシクロオレフィン系樹脂ペレットは、射出成形機の可塑化装置内において、加熱下での混練・溶融時に当該ペレットと共にホッパーから可塑化装置内へ巻き込まれた空気中の酸素による酸化によって黄変が発生しやすい。その対策としてシクロオレフィン系樹脂ペレット製造メーカでは、その酸化を防止する目的で可塑化装置への材料供給口すなわち、ホッパー口へ窒素ガスを供給しペレット周辺に存在する空気を窒素ガスに置換するよう基本的に推奨している。(特許文献1)
本発明者等は前記の推奨にしたがい、種々の条件下にて窒素ガスをホッパー口へ供給して光学用成形品を成形し、その黄変防止効果を確認している。しかしながら、光の低波長領域における高光線透過率が要求される光学系レンズ、例えば波長が400nm近傍のブルーレーザを用いる光学系にて使用される成形レンズにおいては、当該成形レンズの成形材料であるシクロオレフィン系樹脂ペレットの加熱下での溶融・混練時に、そこに残留している少量の空気による酸化で起こる微小な黄変のため必ずしも当該成形レンズが良品とはならないという問題がある。ここで良品の一つの目安としては、例えば、波長が400nm近傍(380nm〜430nmの青紫レーザ)での当該成形レンズの光線透過率を反射防止膜用のARコートなしの状態で91%以上に到達することが当該成形レンズを成形する射出成形機ユーザに要求されているが、本発明者等の知見によっても、ARコート(Anti- Reflection Coating)なしの状態で、現状では90%に達していない状況にある。
特開2004−230728(図10)
本発明者等は、こうした微小な黄変の生成を防止するべく鋭意検討、実験を行い、その結果、通常、ホッパー内には窒素ガス供給前に空気が存在しており、窒素ガスを供給していても空気が外部からホッパー内部に補給されていること、さらにペレットの隙間に残留している空気がホッパー口を介してペレットと共に可塑化装置内へ供給される点に着眼し、こうした残留空気を、供給した窒素ガスで必要十分に置換するためには、推奨されている窒素ガスの供給のみでなく当該残留空気をも積極的に外部へ排出することが必要であることを見出した。
さらに、供給される不活性ガスの温度が、ホッパー内の成形材料およびその近傍雰囲気の温度に比べて低いと、供給された不活性ガスとホッパー内に存在している不活性ガスを含む気体との飽和蒸気圧の差異により、ホッパー内では僅かではあるが結露が生じ、その水滴が成形材料に付着したまま可塑化ゾーンに供給されると銀条が生じ、結果として成形品の品質を低下させる恐れがあることを見出した。
したがって、本発明の目的は、射出成形機において成形材料を可塑化装置内へ供給するに際し、空気中の酸素がペレットと共に当該可塑化装置内へ混入し、結果として成形品に黄変が生成されることを可及的に少なくするための射出成形方法および射出成形機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記ホッパー内にペレットと共に投入されるかまたはホッパー内で生成されるペレット微小粉末が前記可塑化装置内へ混入し、結果として成形品に銀条や白化点(以下銀条等という)が生成されることを可及的に少なくする射出成形方法および射出成形機を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の目的は、ホッパー内に供給された不活性ガスに起因して成形材料の表面に結露を生じることのないように、予め不活性ガスを、所定の温度、好適にはバレル内への成形材料供給口近傍の温度に加熱して供給するようにした、射出成形方法および射出成形機を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る射出成形方法は、
内部にスクリュ軸を回転および進退可能に挿入してなるバレルに、ホッパーから成形材料を供給する工程と、
前記ホッパーからバレルに成形材料を供給する工程において、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを、前記ホッパー内からバレルに供給される成形材料を通って前記バレル内に導く不活性ガス供給工程と、
少なくとも不活性ガス供給工程をおこなう際に、前記バレル内を吸引排気する吸引排気工程とを備えて前記バレル内の空気を不活性ガスで置換することを特徴とする。
その場合、前記ホッパーは、第1のホッパー領域とバレルに接続された供給領域とを上下に配置し、前記成形材料供給工程は、成形材料を一旦第1のホッパー領域に貯溜する工程と、成形材料を第1のホッパー領域からバレルに接続された供給領域に供給し、該バレルに接続された供給領域からバレル内に供給する工程とを備え、
前記不活性ガス供給工程は、成形材料を貯溜している前記第1のホッパー領域内部に不活性ガスを供給して、前記第1のホッパー領域内の空気を不活性ガスで置換する工程と、少なくとも成形材料を前記バレルに接続された供給領域からバレルに供給する際に、不活性ガスをこの成形材料を通って前記バレルに接続された供給領域から前記バレル内に導く工程とを備えて構成することができる。
さらにその場合、前記不活性ガス供給工程において供給される不活性ガスは所定の温度または温度範囲に温度制御されて供給されることができる。
その場合、前記所定の温度または温度範囲はバレルに接続された供給領域の温度に基づいて定められることができる。
また、その場合、前記吸引排気工程は、成形材料を貯溜している第1のホッパー領域内部を吸引して、第1のホッパー領域内部の空気を不活性ガスで置換する工程と、少なくとも成形材料を前記バレルに接続された供給領域からバレルに供給する際に、バレル内を吸引排気する工程とを備えて構成することができる。
その場合、前記ホッパーは、第1のホッパー領域とバレルに接続された供給領域とを上下に配置すると共に前記供給領域とは反対側にて前記第1のホッパー領域に接続された第2のホッパー領域を有し、
前記成形材料供給工程は、成形材料を一旦第2のホッパー領域に貯溜する工程と、第2のホッパー領域に貯溜された成形材料を第1のホッパー領域に再貯溜する工程と、成形材料を第1のホッパー領域からバレルに接続された供給領域に投下し、該バレルに接続された供給領域からバレル内に供給する工程とを備え、
前記不活性ガス供給工程は、成形材料を貯溜している前記第1のホッパー領域内部に不活性ガスを供給して、前記第1のホッパー領域内の空気を不活性ガスで置換する工程と、成形材料を貯溜している前記第2のホッパー領域内部に不活性ガスを供給して、前記第2のホッパー領域内の空気を不活性ガスで置換する工程と、成形材料を前記バレルに接続された供給領域からバレルに供給する際に、不活性ガスをこの成形材料を通って前記バレルに接続された供給領域から前記バレル内に導く工程とを備えて構成することができる。
またその場合、前記吸引排気工程は、成形材料を貯溜している第1のホッパー領域内部を吸引して、第1のホッパー領域内部の空気を不活性ガスで置換する工程と、成形材料を貯溜している第2のホッパー領域内部を吸引して、第2のホッパー領域内部の空気を不活性ガスで置換する工程と、少なくとも成形材料を前記バレルに接続された供給領域からバレルに供給する際に、バレル内を吸引排気する工程と
を備えて構成することができる。
さらにその場合、前記不活性ガスは窒素ガスであることが好ましい。
さらにその場合、前記成形材料はシクロオレフィン系樹脂であることが好ましい。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る射出成形機は、
内部にスクリュ軸を回転および進退可能に挿入してなるバレルと、成形材料を供給し、供給された成形材料を前記バレル内に供給するホッパーと、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを、該ホッパー内に供給された成形材料を通って前記バレル内に導く不活性ガス供給経路と、前記バレル内を吸引排気する吸引排気経路とを備えて構成される。
その場合、前記不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを所定の温度または温度範囲となるよう加熱制御する加熱制御手段を、さらに備えて構成することができる。
その場合、前記加熱制御手段は、前記バレルに接続された供給領域の温度を検出する温度検出装置と、前記不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを加熱する加熱装置と、同加熱装置を通過した前記不活性ガスの温度を検出する温度検出装置と、前記各温度検出装置により検出された供給領域の温度と前記加熱装置を通過した前記不活性ガスの温度との差が予め設定した範囲となるように前記加熱装置への供給熱量を制御する温度制御装置とを備えて構成することができる。
またその場合、ホッパーは、成形材料のホッパー内への保留及びバレルヘの落下を制御するシャッターを開閉可能に装着し、且つ、このシャッターと成形材料を受入れるホッパー端部との間を密閉する蓋を装着しており、
不活性ガス供給経路は、該シャッターと蓋との間に不活性ガスを導く供給経路と、ホッパー内の該シャッターよりも下方に不活性ガスを導く供給経路とを備えて構成することができる。
またその場合、該シャッターと蓋との間を吸引排気する吸引排気経路を更に備えて構成することができる。
さらにその場合、ホッパーは、第1のホッパー領域とバレルに接続された供給領域とを上下に配置すると共に前記供給領域とは反対側にて前記第1のホッパー領域に接続された第2のホッパー領域を有し、さらに、成形材料の、前記第2のホッパー領域内への保留および第2のホッパー領域から前記第1のホッパー領域への供給を制御する第1シャッターならびに、前記第1のホッパー領域内への保留およびバレルヘの落下を制御する第2シャッターを装着し、且つ、前記第1シャッターと成形材料を受入れるホッパー端部との間を密閉する蓋を装着しており、
不活性ガス供給経路は、第1シャッターと蓋との間に不活性ガスを導く第1不活性ガス供給経路と、第1シャッターと第2シャッターとの間に不活性ガスを導く第2不活性ガス供給経路と、前記第2シャッターよりも下方に位置する前記バレルに接続された供給領域に不活性ガスを導く第3不活性ガス供給経路とを備えて構成することができる。
その場合、第1シャッターと蓋との間を吸引排気する吸引排気経路と、第1シャッターと第2シャッターとの間を吸引排気する吸引排気経路とを更に備えて構成することができる。
さらにその場合、吸引排気経路は、真空ポンプまたは圧縮空気を用いて真空を発生するタイプの真空発生器を備えて構成することができる。
請求項1記載の本発明による射出成形方法によれば、バレル内の空気は不活性ガスで置換され、さらに、バレル内を吸引排気するようにしたので、バレル内に残留する空気は不活性ガスとともに強制的に吸引され外部に排出されるので、バレルの可塑化領域への空気の混入がほとんどなくなり、結果として成形材料の溶融・混練時に空気中の酸素による成形材料の黄変を防止することできるという効果を奏する。また、ホッパー内のペレット微小粉末も同様に不活性ガスとともに強制的に吸引され外部に排出されるので、前記可塑化領域へ混入し、結果として成形品に銀条等が生成されることを可及的に少なくするという効果を奏する。
また、請求項2記載の本発明による射出成形方法によれば、前述の効果に加え、第1のホッパー領域に貯溜された成形材料を貯溜した第1のホッパー領域内に不活性ガスを供給して、第1のホッパー領域内の空気を不活性ガスで置換するようにしたので、該第1のホッパー領域内に残留する空気すなわち、酸素の量を可及的に少なくした状態で成形材料がバレルに供給され、前記黄変の発生や銀条等の生成をさらに一層少なくする効果を奏する。
また、請求項3記載の本発明による射出成形方法によれば、不活性ガス供給工程において供給される不活性ガスは所定の温度または温度範囲に温度制御されて供給されるので、ホッパー内に供給されたとき成形材料に結露するのを防止するという効果を奏する。
また、請求項4記載の本発明による射出成形方法によれば、所定の温度または温度範囲はバレルに接続された供給領域の温度に基づいて定められようになっているので、当該供給領域の温度が変化してもその変化に追従した温度の不活性ガスをホッパーへ供給することができ、それにより成形材料に結露するのを防止することが可能となる。
また、請求項5記載の本発明による射出成形方法によれば、成形材料を一旦第1のホッパー領域に貯溜し、同貯溜した第1のホッパー領域内に不活性ガスを供給するとともに該第1のホッパー領域内を吸引排気して、第1のホッパー領域内の空気を不活性ガスで置換するようにしたので、より短時間で置換を達成することができる。
また、請求項6記載の本発明による射出成形方法によれば、ホッパーは、第1のホッパー領域とバレルに接続された供給領域とを上下に配置すると共に前記供給領域とは反対側にて前記第1のホッパー領域に接続された第2のホッパー領域を有し、
前記成形材料供給工程は、成形材料を一旦第2のホッパー領域に貯溜する工程と、第2のホッパー領域に貯溜された成形材料を第1のホッパー領域に再貯溜する工程と、成形材料を第1のホッパー領域からバレルに接続された供給領域に投下し、該バレルに接続された供給領域からバレル内に供給する工程とを備え、
前記不活性ガス供給工程は、成形材料を貯溜している前記第1のホッパー領域内部に不活性ガスを供給して、前記第1のホッパー領域内の空気を不活性ガスで置換する工程と、成形材料を貯溜している前記第2のホッパー領域内部に不活性ガスを供給して、前記第2のホッパー領域内の空気を不活性ガスで置換する工程と、成形材料を前記バレルに接続された供給領域からバレルに供給する際に、不活性ガスをこの成形材料を通って前記バレルに接続された供給領域から前記バレル内に導く工程と
を備えているので、ホッパーからバレル内への成形材料の供給は、該ホッパーへの成形材料の供給動作に影響されず連続的に遂行することができるという効果を奏する。
また、請求項7記載の本発明による射出成形方法によれば、前記請求項6に記載の効果に加え、第1および第2のホッパー領域に不活性ガスを供給するとともに吸引排気を行うようにしたので、より短時間で置換を達成することができる。
また、請求項8記載の本発明による射出成形方法によれば、不活性ガスとして窒素ガスを用いるので比較的安価である。
また、請求項9記載の本発明による射出成形方法によれば、成形材料はシクロオレフィン系樹脂であり、その成形品は光学的な透明性があるばかりでなく、とくに吸水性がアクリル樹脂に比べ非常に低いので、光学レンズとして使用される場合でも組成が変質しないという利点がある。
さらに、請求項10記載の本発明による射出成形機によれば、内部にスクリュ軸を回転および進退可能に挿入してなるバレルと、成形材料を供給し、供給された成形材料を前記バレル内に供給するホッパーと、不活性ガスを、該ホッパー内に供給された成形材料を通って前記バレル内に導く不活性ガス供給経路と、前記バレル内を吸引排気する吸引排気経路とを備えているので、前述した請求項1記載の効果と同様な効果を奏する。
さらに、請求項11記載の本発明による射出成形機によれば、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを所定の温度または温度範囲となるよう加熱制御する加熱制御手段を備えているので、請求項10による効果に加え、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスの温度がバレルに接続される供給領域の温度より低い場合であっても加熱制御手段により所定の温度まで加熱された状態でホッパーへ供給されるので、成形材料に結露することを防止することが可能となる。
さらに、請求項12記載の本発明による射出成形機によれば、加熱制御手段は、バレルに接続された供給領域の温度を検出する温度検出装置と、前記不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを加熱する加熱装置と、同加熱装置を通過した前記不活性ガスの温度を検出する温度検出装置と、前記各温度検出装置により検出された供給領域の温度と前記加熱装置を通過した前記不活性ガスの温度との差が予め設定した範囲となるように前記加熱装置への供給熱量を制御する温度制御装置とを備えているので、前記バレルに接続された供給領域の温度が射出成形機の運転中に変化しても、前記加熱装置を通過した不活性ガスの温度がそれに追従して制御され、したがって、前記供給領域からバレルへ供給される成形材料に結露するのを防止することが可能となる。
さらに、請求項13記載の本発明による射出成形機によれば、ホッパーは、成形材料のホッパー内への保留及びバレルヘの落下を制御するシャッターを開閉可能に装着し、且つ、このシャッターと成形材料を受入れるホッパー端部との間を密閉する蓋を装着しており、
不活性ガス供給経路は、該シャッターと蓋との間に不活性ガスを導く供給経路と、ホッパー内の該シャッターよりも下方に不活性ガスを導く供給経路とを備えるよう構成したので、前述した請求項2記載の効果と同様な効果を奏する。
さらに、請求項14記載の本発明による射出成形機によれば、シャッターと蓋との間を吸引排気する吸引排気経路を更に備えているので、前述した請求項5記載の効果と同様な効果を奏する。
さらに、請求項15記載の本発明による射出成形機によれば、ホッパーは、第1のホッパー領域とバレルに接続された供給領域とを上下に配置すると共に前記供給領域とは反対側にて前記第1のホッパー領域に接続された第2のホッパー領域を有し、さらに、成形材料の、前記第2のホッパー領域内への保留および第2のホッパー領域から前記第1のホッパー領域への供給を制御する第1シャッターならびに、前記第1のホッパー領域内への保留およびバレルヘの落下を制御する第2シャッターを装着し、且つ、前記第1シャッターと成形材料を受入れるホッパー端部との間を密閉する蓋を装着しており、
不活性ガス供給経路は、第1シャッターと蓋との間に不活性ガスを導く第1不活性ガス供給経路と、第1シャッターと第2シャッターとの間に不活性ガスを導く第2不活性ガス供給経路と、前記第2シャッターよりも下方に位置する前記バレルに接続された供給領域に不活性ガスを導く第3不活性ガス供給経路とを備えているので、前述した請求項6記載の効果と同様な効果を奏するとともに、前記各第1乃至3の不活性ガス供給経路をそれぞれ設けることにより、それぞれの不活性ガス供給経路における不活性ガスの流量、圧力を個別に設定することが可能となる。
さらに、請求項16記載の本発明による射出成形機によれば、第1シャッターと蓋との間を吸引排気する吸引排気経路と、第1シャッターと第2シャッターとの間を吸引排気する吸引排気経路とを更に備えているので、請求項15記載の効果に加え、バレルに供給される成形材料の近傍にある空気は可及的に酸素を少なくすることができる。
さらに、請求項17記載の本発明による射出成形機によれば、吸引排気経路は、真空ポンプまたは圧縮空気を用いて真空を発生するタイプの真空発生器を備えているので請求項1記載の効果と同様な効果を奏するとともに、特に市販されている吸引手段としての真空発生器は比較的小型、安価であり且つ、工場内に通常設備されている圧縮空気を利用することが可能であるので射出成形機ユーザのコスト負担を極力少なくできる。
さらに、請求項18記載の本発明による光学用途成形品は、成形材料の溶融・混練時に空気中の酸素の混入や成形材料の微粉末の混入を防止しているので黄変の発生や銀条等の生成を可及的に少なくすることができる。
さらに、請求項19記載の本発明による光学用途成形品としての導光板は、黄変や銀条等がないので、パソコン等の液晶表示画面へ光を導く光路の品質を向上させることができる。
さらに、請求項20記載の本発明による光学用途成形品としての光学レンズは、黄変や銀条等がないので、低波長領域での高光線透過率を実現することが可能である。
さらに、請求項21記載の本発明による光学用途成形品としてのレンズは、黄変や銀条等がないので、次世代DVD装置等で使用を期待されるブルーレーザに対して高光線透過率を達成できる。
以下、本発明の好適実施例について、添付図面を参照し詳細に説明する。
図1は、本発明による射出成形機における成形材料の供給装置の要部を示すバレル軸方向縦断面図である。同図において、参照符号10はその内部にて成形材料を加熱、溶融・混練する加熱筒(以下バレルと称する)であって、同図の右端側に配置されたバレル支持台16により支持固定されている。参照符号18はバレル支持台16の側面に取付けられたバレル押えである。前記バレル10の内部を貫通する孔には、スクリュ部12Aおよび軸部12Bからなるスクリュ軸12が回転および進退可能に配置されており、軸部12Bの右方側は当該スクリュ軸12の回転および進退用駆動機構32と結合されている。
参照符号14は、バレル10の外周部に取付けられたホッパー台であって、その上端部には、ペレット状をした成形材料MTを外部から受入れる投入口24Bを有するホッパー24の下端部を保持固定するプレート26が取付けられている。前記ホッパー台14およびバレル10には図示のようにホッパー24の下端部から落下する成形材料MTをバレル10内部へ導く孔がそれぞれ形成されている。参照符号20はバレル10に形成された前記孔であって、成形材料の材料供給口を構成している。
なお、材料供給口20を含む、前記ホッパー台14およびバレル10に形成され成形材料MTをバレル10内部へ導く孔は、本発明における「バレルに接続された供給領域」を構成する。
参照符号14Aは、ホッパー台14の側面に設けられた置換用の不活性ガスの導入口であって、置換用ガスとして使用する不活性ガスである窒素ガスは太い実線で示される管路P1により窒素ガス供給源22から導入口14Aを介して側方からホッパー台14内部の孔へ導かれ、さらにバレル10に形成された前記材料供給口20内を下方へ所定深さまで導かれている。この所定深さ位置の放出口から前記窒素ガスがスクリュ部12Aの外周に向けて放出されるようになっている。その場合、管路P1は材料供給口20の領域において複数に分岐されていてもよい。また、図示しないが、ホッパー24の側壁には、ホッパー24内に貯溜されている成形材料MTであるペレットの残量が目視できるよう上下方向に透明な窓を設けることもある。前記所定深さすなわち、管路P1の放出口はバレルの内周面からみて数ミリ〜10ミリ程度離れた位置に配置される。
参照符号EXは、太い破線で示されるように、前記材料供給口20の底部からバレル10内周面とスクリュ軸12との間隙を通り、さらにリング状溝16A、18Aを介してバレル支持台16およびバレル押え18のそれぞれ内部に形成した通路から接続口16B、18Bを経て真空発生器28、30に到る窒素ガスの排出通路である。この排出通路EXには材料供給口20内の放出口から放出される窒素ガスによって放出口近傍にあるペレットの隙間に残留している空気が引き込まれ、窒素ガスと共に真空発生器28、30によって強制的に吸引され、適宜の回収装置を介してあるいは直接大気中へ放出されるようになっている。
前記真空発生器28、30としては、例えばシーケーディー(株)社製のVPE(商品名)シリーズを使用することができる。この種の真空発生器は、工場内で通常設備されている圧縮空気を利用して吸引力を発生させるものであり、比較的コンパクトであって射出成形機の適宜位置に取付けることが可能である。なお、参照符号Lは、バレル押え18と前記回転および進退用駆動機構32とのバレル軸方向の間隔であって、排出通路EXが上方へ導かれるよう形成されることにより、真空発生器28、30を当該間隔の近傍に配置し、結果としてスクリュ軸12の全長が長くなるのを回避することができる。
次に図1に示す装置の作動について説明する。
図1において、射出成形機のスクリュ軸12が回転および進退駆動装置32により図の左方へ射出動作を行った後、計量工程に入ると、スクリュ軸12はバレル10内で回転し、それに伴って材料供給口20からスクリュ部12Aの溝部分へ成形材料MTのペレットが供給される。スクリュ軸20の回転によりペレットは可塑化ゾーンの方へ送られそこで加熱溶融されると共に混練されながらバレル先端部(図示しない)に可塑化された溶融樹脂として蓄積され、その蓄積量の増大に対応して、スクリュ軸20は回転されつつ右方へ後退する。
この計量動作中、前記材料供給口20では大気圧より若干高い(例えば10%程度)圧力で窒素ガスが管路P1を介してバレル内へ供給されるとともに、材料供給口20およびバレル10内と連通している排出通路EXを真空発生器28、30により吸引している。したがって、前述したように、材料供給口20内に配置されている管路P1の放出口から放出される窒素ガスによって放出口近傍にあるペレットの隙間に残留している空気やペレット微粉末が引き込まれ、窒素ガスと共に排出通路EXを通って強制的に吸引される。
その結果、前記可塑化ゾーンの方へは、窒素ガスおよび空気、微粉末の混入が妨げられるので、バレル先端部に蓄積される可塑化された溶融樹脂には黄変が発生せず、また銀条等の生成を抑制する。
なお、置換用ガスとしての不活性ガスは窒素ガス以外にもアルゴンガス等を使用することは可能であるが、実用的にはコストの点から窒素ガスの方が好ましい。
なお、図4に示すグラフは、反射防止膜用のコーティングであるARコートを施す前の状態に対応しており、そのうちのグラフaは、バレル後部から真空発生器で吸引はせず、窒素ガスのみを供給する従来方式の実際の結果を示す。破線で示されるグラフbは、図1に示される本発明の実施例に対応し、窒素ガスを供給しながらバレル後部からの吸引を行う場合の推定値を示す。さらに破線で示されるグラフcは、図2に示される本発明の実施例に対応し、窒素ガスを供給しながらバレル後部からの吸引を行うことに加え、ホッパー内での窒素ガスによる置換を行う場合の推定値をそれぞれ示す。特に、グラフcでは低波長領域である400nm近傍での光線透過率が向上することを推定値として示す。前記グラフbは、グラフaに比べ吸引排気による効果が期待できることを示す。また、グラフcは、グラフbに比べ密閉したホッパー内での置換による効果がさらに加わることによるものである。
図2は、図1と同様な構成を有する、本発明による射出成形機における成形材料の供給装置の要部を示すバレル軸方向縦断面図である。同図2中の各参照符号のうち、図1と同一参照符号は同一の構成部分を示しておりしたがって、それらの説明は重複するので省略する。図2において図1と相違する点は、プレート26にシャッター42を設けたこと、投入口から空気が混入するのを防ぐためホッパー24の成形材料投入口に密閉用の蓋40を設けたこと、ならびに、窒素ガス供給源22からホッパー24の側壁部に設けた導入口44を介してホッパー24の内側へ窒素ガスを導きさらに下方の所定深さ位置にて窒素ガスを下方に向け放出するようにしていること、さらに前記導入口44と異なる側壁部に排気口46を設けたことである。なお、前記排気口46に等価なものとして蓋40自体に排気口を設けてもよい。
前述したように、窒素ガスは太い実線で示される管路P2により窒素ガス供給源22から導入口44を介してホッパー24内部下方に導かれ放出される。管路P2により供給される窒素ガスの圧力および流量は管路P1のそれと必ずしも同一である必要はない。また、排気通路EXはバレル支持台16には形成されておらず、バレル押え18のみに形成され真空発生器30にて吸引されるようになっているが、これは排気通路を単純化した例を示すものである。
次に、図2に示す装置の作動について図1の場合と相違する点を中心に説明する。
図2に示す例においては、蓋40を開いてペレットを投入後、同蓋40を密閉した状態において管路P2から供給される窒素ガスによりホッパー24内の空気が排気口46から窒素ガスと共に放出されるので、所定時間経過後にはホッパー24内に残存する空気量は極めて少なくなり、そのような状態下でシャッター42を適宜開くことによりホッパー台14の孔および材料供給口20内部に与えられるペレットの隙間にある残留空気の量は図1の場合と比べ格段に少なくなっており、その上さらに管路P1からの窒素ガスにより図1のような排気通路EXを介して真空発生器30により吸引される。
その結果、ペレットと共に可塑化ゾーンへ混入する残留空気はさらに一層少なくなる。
なお、図2においては、ホッパー24の蓋40を密閉した状態において管路P2から供給される窒素ガスによりホッパー24内の空気が排気口46から窒素ガスと共に放出される状態を例示しているが、図示しない吸引排気手段を排気口46に接続して、ホッパー24に窒素ガスを供給しながらさらに吸引排気を同時に行うことにより、置換の効率を高めることができる。
図2において、ホッパー24内部での置換の効果のみを確認するため、真空発生器30を作動させていない状態で、ホッパー24に窒素ガスを供給し排気口46から空気と共に排出するようにしたテストを行ったところ、1%以上の光線透過率向上を確認した。そのときのテスト条件として、電動型射出成形機EC40N(東芝機械(株)製)を用い、サイクルタイムが約2分、供給窒素ガスの流量は3リットル/分、樹脂はシクロオレフィン、成形品は光学レンズである。なお、窒素ガスを供給するための元圧として工場エアーを用いた。
上記のテストからも、前記図4に示される破線グラフb、cのように推定したことには合理性があると考えられる。
図3は、図2と同様な構成を有する、本発明による射出成形機における成形材料の供給装置の要部を示すバレル軸方向縦断面図である。同図3では、図2においてホッパー24の上にさらにもう一つのホッパー24Aを配置した例を示す。すなわち、ホッパー24の上部にシャッター42Aを有するプレート26Aが搭載され、同プレート26Aにもう一つのホッパー24Aが取付けられている。ホッパー24Aには窒素ガスの導入口44Aおよび排気口46Aが設けられており、さらにその投入口には密閉用の蓋40Aが配置されている。窒素ガス供給源22からは管路P3により窒素ガスがホッパー24A内部に導かれさらに下方の所定深さ位置にて放出されるようになっている。
なお、シャッター42Aは本発明における第1シャッターを構成し、シャッター42は本発明における第2シャッターを構成している。また、前記管路P3は本発明における第1不活性ガス供給経路を構成し、前記管路P2は本発明における第2不活性ガス供給経路を構成し、さらに、前記管路P1は本発明における第3不活性ガス供給経路を構成している。
次に、図3に示す装置の作動について図1、図2の場合と相違する点を中心に説明する。
図3に示される構成の場合は、最上部のホッパー24Aにペレットが投入された後、蓋40Aが閉じられた状態で管路P3により窒素ガスが供給される。したがって、ホッパー24A内の空気は窒素ガスにより置換され排気口46Aから排出されるので所定時間後にはホッパー24A内の残存空気量は図2における場合と同様に極めて少なくなり、その状態でシャッター42Aを開いてホッパー24へ与えられるようになっている。そしてこの間すなわち、ホッパー24Aへのペレットの投入動作時間およびその後の前記所定時間のあいだシャッター42Aは遮断した状態に保持されているので、ホッパー24内のペレットの材料供給口20への供給は前記ホッパー24Aへの投入動作に影響されることなく連続的に行うことが可能である。
なお、図3においては、ホッパー24Aはホッパー24の真上に配置されており、射出成形機の高さがそれだけ高くなる。これを避けるため、ホッパー24Aを別の例えば低い場所に配置し、同配置されたホッパー24Aとプレート26Aとを管路で接続するようにしてもよい。この場合にはホッパー24Aからホッパー24への成形材料の供給に重力を利用できないので窒素ガスを成形材料の搬送に利用することが可能である。
なお、本発明におけるホッパーとは、図1、図2において例示された単体としてのホッパー24、24だけでなく、図3に例示した2つのホッパー24、24Aを1つのホッパーとみなしており、したがって、図3のホッパー24および24Aは、本発明におけるホッパーの第1のホッパー領域および第2のホッパー領域を構成している。
バレルの可塑化ゾーンでは、一般に、バレル外周にバンドヒータが巻かれ、バレルを250〜340℃程度に加熱している。また、成形材料のバレルへの供給部は、バレルの端部に設けられているため、この供給部はバレルの可塑化ゾーンからの伝熱により徐々に暖められる。一例として成形運転開始時には40℃位であっても、2〜3時間連続して成形運転を行なうと60℃位まで温度上昇する。そのため本発明では、ホッパー下部の成形材料供給部に温度センサを設置し、供給される不活性ガスの温度が前記センサの検出温度とほぼ同一となるように、制御する加熱装置を備えるようにしている。
図5は、供給される不活性ガスに起因して、すなわち、ホッパー内へ供給された不活性ガスとホッパー内に存在している不活性ガスを含む気体との飽和蒸気圧の差異により、ホッパー内の成形材料の表面に結露が生じることを防止するため、ホッパーに供給される不活性ガスの温度を制御する加熱制御手段を備えた構成を例示し、図5の(a)は、図2において、窒素ガス供給用の管路にヒータを配置した構成を示し、(b)は、当該ヒータの加熱制御のブロック図である。
同図(a)において、内部を模式的に示したヒータHT2の右端部出口側には温度センサTS2が配設され、ヒータHT2で加熱制御された管路P2を流れる窒素ガスの温度θ2を検出するようになっている。また、バレルに接続された供給領域すなわち、成形材料供給口20内の温度θを検出する温度センサTSが図示のように配設されている。
同様に、ヒータHT1の右端部出口側には温度センサTS1が配設され、ヒータHT1で加熱制御された管路P1を流れる窒素ガスの温度θ1を検出するようになっている。
同図(b)において、温度制御装置50には、成形材料供給口20近傍の温度θに対応する信号と、ヒータHT2の出口側における窒素ガスの温度θ2に対応する信号がそれぞれ入力されている。さらに、温度制御装置50はヒータHT2への通電指令信号CMDによってヒータHT2の電気抵抗Rへの電力供給、すなわち、供給熱量が制御される。
温度制御装置50では、射出成形機の運転中は、通常、θはθ2より大きい値であり、一例として、両検出温度θとθ2との差が所定値δ以下となるように、前記通電指令信号CMDが形成される。ここで、所定値δを極く小さい値に設定すれば温度θ2は温度θの変化に対し追従することとなる。
また、図示しないが、ヒータHT1に対しても図(b)と同様な制御ブロックにより加熱制御が行われるようになっている。その場合、ヒータHT1における所定値δとヒータHT2における所定値δは同一であってもよいし、異なる値であってもよい。
また、図5(a)、(b)においては、ヒータHT1、HT2を窒素ガス供給用の管路P1、P2にそれぞれ対応して設けるようにしたが、温度θ1、温度θ2を同一温度に制御する場合は、窒素ガス供給源22内で、あるいは、管路P1、P2上で、それぞれ単一のヒータ内を通過するようにして窒素ガスを所定温度に加熱制御するようにしてもよい。そうすることによりヒータおよび温度制御装置は1つで対応させることができる。
なお、図5(b)に示した窒素ガスの加熱制御の構成では、成形材料供給口20近傍の温度θに対してそれぞれの管路P1、P2から供給される窒素ガスの温度θ1、温度θ2が所定値δを超えないよう制御するものである。しかし、本実施例の趣旨は結露を防止することにあり、また、射出成形機が定常運転状態に達したときの成形材料供給口20近傍の温度は前述したようにほぼ60℃前後であることが予め分かっている場合には、前記窒素ガスの温度θ1、θ2が当該一定値60℃となるように温度制御装置50を操作することも可能である。この場合は、温度センサTSの検出信号θを制御用として利用していない。
また、図5(b)において、温度制御装置50中の所定値δの演算式は、θとθ2の差の絶対値として示される。射出成形機の運転開始直後は、特に冬季において、バレルの温度も低く、従って温度θが温度θ2より低い場合があり得る。そのような状態では、温度制御装置50からのヒータHT2への通電指令信号CMDを供給しないように制御することも可能である。
上述した実施例は射出成形機に関するものとして説明したが、特に図1に示す材料供給の下端近傍に窒素ガスを供給すると共にそこから真空発生器のような減圧手段により残留空気を窒素ガスと共に排出するという本発明の主要部分は押出機にも適用できることは明らかである。
以上、本発明の好適実施例について説明したが、本発明はこれら例示したものに限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、排出通路EXをバレル支持台側にのみ配置すること、バレル内周面とスクリュ軸外周との間隙による排出通路部分の空気抵抗を少なくするためその部分にペレットが進入しない範囲で適宜深溝等の通路を形成すること、さらに吸引力を強くするため複数の真空発生器を配置すること、ホッパー内のペレット残量を自動的に検出しそれに関連させて各シャッターの開閉動作を自動的に制御すること、具体的には、成形材料の供給をローダにて自動供給する場合シャッター開はホッパー内が十分窒素ガスで置換されたことをタイマーで確認して行うこと、また、真空発生器の吸引力を調整可能とし、および/または管路P1による窒素ガスの供給圧および流量を調整可能とし、さらに前記吸引力と窒素ガス供給圧または供給量とを関連させて最も効率のよい吸引状態を設定すること、可塑化ゾーン側の適宜バレル位置にベント口を設け可塑化ゾーン側に混入した微量の残留空気をさらに排出するようにすることなどは当業者であれば容易に採用することが可能である。
本発明による射出成形機における成形材料の供給装置の要部を示すバレル軸方向縦断面図である。 図1と同様な構成を有する、本発明による射出成形機における成形材料の他の供給装置の要部を示すバレル軸方向縦断面図である。 2つのホッパーを備えた本発明による射出成形機における成形材料のさらに他の供給装置の要部を示すバレル軸方向縦断面図である。 従来方式と本発明による方式による光学用途成形品における光線透過率の光波長に対する関係を示すグラフである。 ホッパーに供給される不活性ガスの温度を制御する加熱制御手段を備えた構成を例示し、(a)は、図2において窒素ガス供給用の管路にそれぞれヒータを配置した構成を示し、(b)は、当該ヒータの加熱制御の構成を示す制御ブロック図である。
符号の説明
10 バレル
12 スクリュ軸
14 ホッパー台
16 バレル支持台
18 バレル押え
20 成形材料供給口
22 窒素ガス供給源
24 ホッパー
26 プレート
28 真空発生器
30 真空発生器
32 回転および進退用駆動機構
40 蓋
42 シャッター
44 導入口
46 排気口
50 温度制御装置
CMD 通電指令信号
EX 排気通路
HT1、HT2 ヒータ
P1 管路
P2 管路
P3 管路
R 電気抵抗
TS、TS1、TS2 温度センサ

Claims (21)

  1. 内部にスクリュ軸を回転および進退可能に挿入してなるバレルに、ホッパーから成形材料を供給する工程と、
    前記ホッパーからバレルに成形材料を供給する工程において、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを、前記ホッパー内からバレルに供給される成形材料を通って前記バレル内に導く不活性ガス供給工程と、
    少なくとも不活性ガス供給工程をおこなう際に、前記バレル内を吸引排気する吸引排気工程と、
    を備えて前記バレル内の空気を不活性ガスで置換することを特徴とする射出成形方法。
  2. 前記ホッパーは、第1のホッパー領域とバレルに接続された供給領域とを上下に配置し、
    前記成形材料供給工程は、成形材料を一旦第1のホッパー領域に貯溜する工程と、成形材料を第1のホッパー領域からバレルに接続された供給領域に供給し、該バレルに接続された供給領域からバレルに供給する工程とを備え、
    前記不活性ガス供給工程は、成形材料を貯溜している前記第1のホッパー領域内部に不活性ガスを供給して、前記ホッパー内の空気を不活性ガスで置換する工程と、少なくとも成形材料を前記バレルに接続された供給領域からバレルに供給する際に、不活性ガスをこの成形材料を通って前記バレルに接続された供給領域から前記バレル内に導く工程と
    を備えている、
    請求項1記載の射出成形方法。
  3. 前記不活性ガス供給工程において供給される不活性ガスは所定の温度または温度範囲に温度制御されて供給される請求項1または2記載の射出成形方法。
  4. 前記所定の温度または温度範囲はバレルに接続された供給領域の温度に基づいて定められる請求項3に記載の射出成形方法。
  5. 前記吸引排気工程は、成形材料を貯溜している第1のホッパー領域内部を吸引して、第1のホッパー領域内部の空気を不活性ガスで置換する工程と、少なくとも成形材料を前記バレルに接続された供給領域からバレルに供給する際に、バレル内を吸引排気する工程と
    を備えている請求項2記載の射出成形方法。
  6. 前記ホッパーは、第1のホッパー領域とバレルに接続された供給領域とを上下に配置すると共に前記供給領域とは反対側にて前記第1のホッパー領域に接続された第2のホッパー領域を有し、
    前記成形材料供給工程は、成形材料を一旦第2のホッパー領域に貯溜する工程と、第2のホッパー領域に貯溜された成形材料を第1のホッパー領域に再貯溜する工程と、成形材料を第1のホッパー領域からバレルに接続された供給領域に投下し、該バレルに接続された供給領域からバレル内に供給する工程とを備え、
    前記不活性ガス供給工程は、成形材料を貯溜している前記第1のホッパー領域内部に不活性ガスを供給して、前記第1のホッパー領域内の空気を不活性ガスで置換する工程と、成形材料を貯溜している前記第2のホッパー領域内部に不活性ガスを供給して、前記第2のホッパー領域内の空気を不活性ガスで置換する工程と、成形材料を前記バレルに接続された供給領域からバレルに供給する際に、不活性ガスをこの成形材料を通って前記バレルに接続された供給領域から前記バレル内に導く工程と
    を備えている、
    請求項1記載の射出成形方法。
  7. 前記吸引排気工程は、成形材料を貯溜している第1のホッパー領域内部を吸引して、第1のホッパー領域内部の空気を不活性ガスで置換する工程と、成形材料を貯溜している第2のホッパー領域内部を吸引して、第2のホッパー領域内部の空気を不活性ガスで置換する工程と、少なくとも成形材料を前記バレルに接続された供給領域からバレルに供給する際に、バレル内を吸引排気する工程と
    を備えている請求項6記載の射出成形方法。
  8. 前記不活性ガスは窒素ガスである請求項1乃至7のいずれかに記載の射出成形方法。
  9. 前記成形材料はシクロオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の射出成形方法。
  10. 内部にスクリュ軸を回転および進退可能に挿入してなるバレルと、
    成形材料を供給し、供給された成形材料を前記バレル内に供給するホッパーと、
    不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを、該ホッパー内に供給された成形材料を通って前記バレル内に導く不活性ガス供給経路と、
    前記バレル内を吸引排気する吸引排気経路と、
    を備えた射出成形機。
  11. 前記不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを所定の温度または温度範囲となるよう加熱制御する加熱制御手段を、さらに備えた請求項10記載の射出成形機。
  12. 前記加熱制御手段は、前記バレルに接続された供給領域の温度を検出する温度検出装置と、前記不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを加熱する加熱装置と、同加熱装置を通過した前記不活性ガスの温度を検出する温度検出装置と、前記各温度検出装置により検出された供給領域の温度と前記加熱装置を通過した前記不活性ガスの温度との差が予め設定した範囲となるように前記加熱装置への供給熱量を制御する温度制御装置と、を備えた請求項11記載の射出成形機。
  13. ホッパーは、成形材料のホッパー内への保留及びバレルヘの落下を制御するシャッターを開閉可能に装着し、且つ、このシャッターと成形材料を受入れるホッパー端部との間を密閉する蓋を装着しており、
    不活性ガス供給経路は、該シャッターと蓋との間に不活性ガスを導く供給経路と、ホッパー内の該シャッターよりも下方に不活性ガスを導く供給経路と、を備えた請求項10乃至12のいずれかに記載の射出成形機。
  14. 該シャッターと蓋との間を吸引排気する吸引排気経路を更に備えた、請求項13記載の射出成形機。
  15. ホッパーは、第1のホッパー領域とバレルに接続された供給領域とを上下に配置すると共に前記供給領域とは反対側にて前記第1のホッパー領域に接続された第2のホッパー領域を有し、さらに、成形材料の、前記第2のホッパー領域内への保留および第2のホッパー領域から前記第1のホッパー領域への供給を制御する第1シャッターならびに、前記第1のホッパー領域内への保留およびバレルヘの落下を制御する第2シャッターを装着し、且つ、前記第1シャッターと成形材料を受入れるホッパー端部との間を密閉する蓋を装着しており、
    不活性ガス供給経路は、第1シャッターと蓋との間に不活性ガスを導く第1不活性ガス供給経路と、第1シャッターと第2シャッターとの間に不活性ガスを導く第2不活性ガス供給経路と、前記第2シャッターよりも下方に位置する前記バレルに接続された供給領域に不活性ガスを導く第3不活性ガス供給経路と、を備えた、
    請求項10記載の射出成形機。
  16. 第1シャッターと蓋との間を吸引排気する吸引排気経路と、第1シャッターと第2シャッターとの間を吸引排気する吸引排気経路とを更に備えた、請求項15記載の射出成形機。
  17. 吸引排気経路は、真空ポンプまたは圧縮空気を用いて真空を発生するタイプの真空発生器を備えている請求項10乃至16のいずれかに記載の射出成形機。
  18. 請求項1乃至9のいずれかに記載の方法を用いて成形された光学用途成形品。
  19. 光学用途成形品は導光板である請求項18記載の光学用途成形品。
  20. 前記光学用途成形品は低波長領域での高光線透過率が要求される光学レンズである請求項18記載の光学用途成形品。
  21. 前記光学用途成形品はブルーレーザを用いる光学系にて使用されるレンズである請求項18記載の光学用途成形品。
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