JP2001252358A - キセノンを使用した麻酔方法及び装置 - Google Patents

キセノンを使用した麻酔方法及び装置

Info

Publication number
JP2001252358A
JP2001252358A JP2000066149A JP2000066149A JP2001252358A JP 2001252358 A JP2001252358 A JP 2001252358A JP 2000066149 A JP2000066149 A JP 2000066149A JP 2000066149 A JP2000066149 A JP 2000066149A JP 2001252358 A JP2001252358 A JP 2001252358A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitrogen
gas
xenon
anesthesia
path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000066149A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4084523B2 (ja
Inventor
Naoko Takeuchi
直子 竹内
Saburo Hayakawa
三郎 早川
Akihiro Nakamura
章寛 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Oxygen Co Ltd, Nippon Sanso Corp filed Critical Japan Oxygen Co Ltd
Priority to JP2000066149A priority Critical patent/JP4084523B2/ja
Publication of JP2001252358A publication Critical patent/JP2001252358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4084523B2 publication Critical patent/JP4084523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 循環経路内の窒素を除去することによってキ
セノンを効果的に使用できる麻酔方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 麻酔剤としてキセノンを使用した麻酔方
法であって、キセノンと酸素とを含む麻酔用ガスを閉鎖
循環経路に供給して患者に供給するとともに、呼気中に
混入する窒素を閉鎖循環経路内から除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、麻酔剤としてキセ
ノンを使用した麻酔方法及び装置に関し、詳しくは、患
者の呼気中に放出される窒素を除去することによってキ
セノンの消費量を低減することができる麻酔方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】手術時に患者に麻酔を施すための麻酔器
として、図14の系統図に示すような循環回路を有する
半閉鎖式の麻酔器が広く使用されている。この半閉鎖式
の麻酔器は、亜酸化窒素等の麻酔剤を供給する麻酔剤供
給容器11、酸素を供給する酸素供給容器12、麻酔剤
及び酸素の流量を調節するニードル弁13、流量を表示
する流量計14、揮発性麻酔薬を気化させるための気化
器15等を備えたガス供給部10と、患者に装着される
マスク21に蛇管22a,22bを介して接続した吸気
弁23及び呼気弁24、呼気中に含まれる炭酸ガスを除
去するための炭酸ガス吸収器25、呼吸バッグ26等を
備えた麻酔回路20とにより形成されている。
【0003】患者に麻酔を施す際には、麻酔剤及び酸素
を所定の割合で混合した新たな麻酔ガス(フレッシュガ
ス)がガス供給部10から麻酔回路20に供給され、呼
気弁24から炭酸ガス吸収器25を通って循環する呼気
ガスと共に吸気弁23を通過してマスク21から患者に
供給される。麻酔回路20内の麻酔ガスの循環は呼吸バ
ッグ26により行われており、麻酔回路20内の余剰の
ガスは半閉鎖弁27から排出されている。
【0004】このような半閉鎖式の麻酔器では、毎分5
〜10リットルのフレッシュガスを常時供給し、麻酔回
路20から余剰ガスを排出することによって麻酔回路2
0内の麻酔ガスの組成を維持するようにしている。
【0005】一方、近年は、従来から麻酔剤として用い
られてきた亜酸化窒素が、環境汚染の懸念等を有してい
るため、亜酸化窒素に代わる麻酔剤としてキセノンが注
目されている。キセノンが麻酔作用を有していることは
古くから知られており、キセノンは、血液/ガス溶解係
数が低いので麻酔からの回復が早いという利点も有して
いる。このキセノンを麻酔剤として用いる場合の必要濃
度は、60〜70%以上であり、患者の呼吸に必要な酸
素分25〜35%を確保したキセノン・酸素混合状態で
麻酔ガスとして供給される。
【0006】しかしながら、キセノンは、その希少さ故
に高価であり、従来の亜酸化窒素のように半閉鎖式の麻
酔器で使用するにはコスト的な問題があった。このた
め、排出された余剰ガス中のキセノンを回収、精製して
再利用する方法や、麻酔回路を完全閉鎖循環式として麻
酔ガスを経路外に排出せずに循環使用する方法等、キセ
ノンの消費量を低く抑えるための方式が種々検討されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、余剰ガス中
のキセノンを回収、精製する方法としては、低温蒸留を
利用したものや、冷却面にキセノンを固化させるもの
や、シリカゲルのようにキセノンを選択的に吸着する吸
着剤を使用したものなどが知られているが、これらの方
法は、いずれも−170℃程度の極低温を必要とするた
め、キセノンを回収、精製するために特別の低温設備が
必要となる。
【0008】一方、麻酔器を完全閉鎖循環式にした場
合、呼気中に含まれる炭酸ガスは、従来と同様に、ソー
ダライムを使用した炭酸ガス吸収器によって容易に麻酔
ガス中から分離除去することができるが、呼気中に含ま
れている窒素の除去は行われていなかった。すなわち、
麻酔を行う患者の体組織中には、麻酔前に、大気中の窒
素分圧に見合った窒素が溶解しており、この窒素が麻酔
中の呼気に放出されるため、また、開腹手術では、麻酔
中も腹膜を通して体内に空気中の窒素が侵入してこれが
呼気に放出されるため、完全閉鎖循環式の麻酔器では、
循環する麻酔ガス中の窒素濃度が次第に上昇することに
なる。
【0009】麻酔ガス中の窒素濃度は、数%未満の場合
はほとんど問題にならないが、例えば5%を超えると、
麻酔剤としてのキセノンの濃度や、呼吸用の酸素の濃度
を維持することが困難になってしまう。このため、循環
経路に大容量のバッファタンクを設けて窒素濃度の上昇
を相対的に小さくすることも考えられるが、麻酔時にお
ける全体的なキセノンの使用量が増大するという問題が
ある。
【0010】そこで本発明は、キセノンを使用した完全
閉鎖循環式麻酔器における循環経路内の窒素濃度の上昇
を防止してキセノン消費量の低減を図り、また、麻酔終
了後に経路内に残存するキセノンや患者の呼気中に含ま
れるキセノンの回収も行うことができるキセノンを使用
した麻酔方法及び装置を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のキセノンを使用した麻酔方法は、麻酔剤と
してキセノンを使用した麻酔方法であって、キセノンと
酸素とを含む麻酔用ガスを閉鎖循環経路に供給して患者
に供給するとともに、呼気中に混入する窒素を閉鎖循環
経路内から除去することを特徴とし、窒素の除去を、分
子ふるい炭素,ゼオライト等の吸着剤又はゲッター又は
ガス分離膜により行うことを特徴としている。
【0012】また、本発明のキセノンを使用した麻酔装
置は、キセノンと酸素とを含む麻酔用ガスを患者に循環
供給するための閉鎖循環経路内に、呼気中に混入した窒
素を除去するための窒素除去手段を設けたことを特徴と
している。
【0013】さらに、本発明の麻酔装置は、前記窒素除
去手段が、キセノンを吸着せず、窒素を吸着する分子ふ
るい炭素を充填した吸着器であることを特徴とし、この
ような窒素除去手段が、前記閉鎖循環経路の呼気側経路
から分岐し、窒素除去手段を介して吸気側経路に合流す
る窒素除去経路に設けられていることを特徴としてい
る。また、この窒素除去経路に、閉鎖循環経路内のガス
を窒素除去経路に導くための圧縮機又は送風機を設けた
こと、閉鎖循環経路から窒素除去経路に流入したガス中
の水分を除去する乾燥器を設けたこと、窒素除去後に閉
鎖循環経路に戻されるガスを加湿する加湿器を設けたこ
とを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明のキセノンを使用し
た麻酔装置の第1形態例を示す概略系統図である。な
お、以下の説明において、各形態例における同一の構成
要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0015】この麻酔装置は、吸気弁23、マスク2
1,呼気弁24等を備えた閉鎖循環経路31の途中に窒
素を除去するための窒素除去手段32を設けたものであ
る。キセノン及び酸素を所定量含む麻酔ガスは、この閉
鎖循環経路31を循環して患者に供給され、患者から麻
酔ガス中に放出された窒素は、閉鎖循環経路31を循環
する途中で窒素除去手段32を通過する際に除去され
る。これにより、麻酔ガス中に窒素が蓄積することを防
止でき、キセノン及び酸素を所定濃度に維持することが
できる。
【0016】前記窒素除去手段32としては、キセノン
を吸着せずに窒素を吸着する吸着剤や、キセノンと窒素
とを分離できる分離膜や、窒素を吸収するゲッター等を
単独であるいは適宜に組合わせて使用することが可能で
ある。
【0017】例えば吸着剤の場合、キセノンの分子径が
4.34A(オングストローム)、酸素が2.8×3.
9A、窒素が3.0×4.1Aであるから、細孔径を調
整した分子ふるい炭素(MSC)を用いることにより、
窒素及び酸素を吸着してキセノンから分離することが可
能となる。この場合、窒素と同時に酸素も麻酔ガス中か
ら除去されてしまうが、キセノンに比べて酸素は低価格
で入手も容易であるから、窒素と共に酸素も閉鎖循環経
路31から除去して新たな酸素を閉鎖循環経路31に補
給するようにしてもよい。また、酸素も有効利用しよう
とする場合は、MSCから脱着したガスを、酸素と窒素
とを分離可能な吸着剤や分離膜により処理して酸素を回
収し、回収した酸素を閉鎖循環経路31に戻すようにす
ればよい。逆に、酸素を優先的に吸着する吸着剤を使用
して麻酔ガスから酸素を分離した後、キセノンと窒素と
を吸着剤で分離するようにしてもよい。これは、MSC
以外の吸着剤、例えばゼオライトを用いた場合も同様で
ある。
【0018】また、分離膜の場合、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン系の分離膜のガス透過係数比は、キセノ
ン:窒素:酸素:炭酸ガス=0.30:1.0:3.
2:7.5であるからキセノン以外を透過させて分離す
ることが可能である。さらに、ポリシロキサン系の分離
膜のガス透過係数比は、炭酸ガス:キセノン:酸素:窒
素=2430:1910:367:170であるから、
窒素を分離除去することが可能であり、キセノンより透
過しやすい炭酸ガスは、ソーダライム等で別途に除去す
ればよい。
【0019】ゲッターの場合は、チタン系やジルコニア
系の合金をベースとした、例えばモノトールPS4−M
T3−R(サエス・ゲッターズ社製)を使用することに
より、麻酔ガス中の窒素を除去することが可能である。
なお、ゲッターを使用する場合、麻酔ガス中に含まれる
炭酸ガス、酸素、水分がゲッターの寿命に悪影響を及ぼ
すことがあるため、ゲッターの前段に適宜な除去手段を
設けてこれらを%オーダー未満まで除去しておくことが
望ましい。
【0020】このような窒素除去手段32における窒素
の除去は、窒素を完全に分離除去する必要はなく、麻酔
ガス中のキセノン濃度と酸素濃度とを所定濃度に維持で
きるようにすればよい。すなわち、通常の麻酔ガスにお
けるキセノンは60〜70%、酸素は25〜35%であ
るから、窒素濃度として最大5%程度まで許容できるの
で、窒素濃度が5%以下になるように窒素を除去できれ
ばよいことになる。すなわち、窒素の除去は不完全であ
っても、キセノンの放出を最小限に抑えることができる
分離手段を選択することが好ましい。
【0021】また、炭酸ガスについては、窒素除去手段
32で窒素と共に除去することができれば、従来の炭酸
ガス吸収器を省略することができるが、窒素除去手段3
2で炭酸ガスを除去できない場合や、窒素除去手段32
での窒素の分離除去効率や寿命に悪影響を与える場合
は、窒素除去手段32の前段に、従来と同様のソーダラ
イムを使用した炭酸ガス吸収器を設けておけばよい。さ
らに、水分が窒素除去手段32に悪影響を与える場合
は、窒素除去手段32の前段にシリカゲル等を用いた乾
燥器を設け、後段に加湿器を設けておけばよい。
【0022】図2は、麻酔装置の第2形態例を示す概略
系統図である。この麻酔装置は、閉鎖循環経路31に複
数の窒素除去手段32を並列に設けたものである。この
ように形成することにより、各窒素除去手段32を通過
する麻酔ガスの流速を低くすることができるので、前記
吸着剤や分離膜等における窒素除去を効果的に行うこと
ができる。例えば、吸着剤を充填した吸着器の場合、ガ
スの流速を低くするために吸着器の断面積を大きくする
と、充填した吸着剤の全体に均一にガスを流すことが困
難になり、処理性能が損なわれることがあるが、適度な
大きさの吸着器をこのように複数個並列に設けておくこ
とにより、吸着剤の性能を有効に利用することができ
る。また、窒素除去手段32の前後に弁を設けておくこ
とにより、一方で除去処理を行っている間に他方の交換
や再生を行うことができる。
【0023】図3は、麻酔装置の第3形態例を示す概略
系統図である。この麻酔装置は、閉鎖循環経路31に複
数の窒素除去手段32を直列に設けたものである。この
ように形成することにより、各窒素除去手段32におけ
る窒素除去能力が低い場合でも、全体として十分な窒素
除去を行うことができる。
【0024】図4は、麻酔装置の第4形態例を示す概略
系統図である。この麻酔装置は、閉鎖循環経路31に、
窒素除去手段32を設置した窒素除去経路33を加えた
ものである。このように閉鎖循環経路31の呼気側経路
から分岐し、窒素除去手段32を介して吸気側経路に合
流する窒素除去経路33を設けることにより、閉鎖循環
経路31を循環する麻酔ガスの内の適当量を窒素除去手
段32で処理することができる。
【0025】図5は、麻酔装置の第5形態例を示す概略
系統図である。この麻酔装置は、前記第4形態例の窒素
除去経路33における窒素除去手段32の前後に弁34
a,34bを設け、窒素除去が必要となったときに、窒
素除去手段32に麻酔ガスの一部を流すことができるよ
うにしたものである。なお、想像線で示すように、弁3
4a,34bと同時に、窒素除去経路33の両接続部間
の閉鎖循環経路31にも弁35を設け、必要に応じてこ
れらの弁を切換開閉して麻酔ガスの全量を窒素除去手段
32に流すようにしたり、開度を調節して窒素除去手段
32に流すガス量を調節したりすることもできる。
【0026】さらに、閉鎖循環経路31に、想像線で示
すようなバッファ36を設けておくことにより、弁の切
換開閉等により発生する圧力変動を緩和することがで
き、また、弁34a,34bを閉じて窒素除去手段32
内に所定量の麻酔ガスを所定時間封じ込めておくことが
できるので、窒素の除去処理を流通処理ではなくバッチ
処理で行うことができる。
【0027】図6は、麻酔装置の第6形態例を示す概略
系統図である。この麻酔装置は、閉鎖循環経路31に、
窒素除去手段32とバッファ36とを並列に設けるとと
もに、窒素除去手段32の流入側(閉鎖循環経路31の
呼気側)に麻酔ガスを窒素除去手段32に導くための圧
縮機37又は送風機を、流出側(閉鎖循環経路31の吸
気側)に逆止弁38を、それぞれ設けて窒素除去経路3
3を形成したものである。
【0028】このように形成した麻酔装置は、循環する
麻酔ガス中の窒素濃度が上昇したときに圧縮機37を作
動させることにより、窒素除去手段32とバッファ36
との間で麻酔ガスを循環させて窒素を除去することがで
きる。これにより、閉鎖循環経路31内を循環するガス
量に比べて大量の麻酔ガスを窒素除去手段32で処理す
ることが可能となる。また、圧縮機37を間欠的に作動
させることにより、バッチ処理で窒素を除去することも
できる。
【0029】なお、バッファ36には、ベローやガスバ
ッグのように略大気圧で圧力緩衝を行えるものを用いる
ことが好ましい。また、バッファ36は、閉鎖循環経路
31内の圧力緩衝を行うことができれば任意の位置に設
置することが可能であり、例えば、想像線で示すよう
に、窒素除去経路33よりも上流側の閉鎖循環経路31
にバッファ36を設けるようにしてもよい。
【0030】図7は、麻酔装置の第7形態例を示す概略
系統図である。この麻酔装置は、窒素除去手段32とし
て前記MSCのような物理的吸着剤を使用するのに適し
た構造を有するものであって、窒素除去手段32の吸着
剤に吸着した窒素を、酸素ガスによって系外に排出(パ
ージ)する経路を設けたものである。
【0031】すなわち、窒素除去経路33に設置された
窒素除去手段32は、窒素を物理的に吸着する吸着剤を
充填した吸着器40と、該吸着器40の前後にそれぞれ
設けられた吸着器入口弁41及び吸着器出口弁42と、
吸着器40にパージガスとしての酸素を導入するための
パージガス導入弁43を有するパージガス導入経路44
及び吸着剤から脱着した窒素をパージガスに同伴させて
吸着器40から導出するためのパージガス導出弁45を
有するパージガス導出経路46とにより形成されてお
り、この窒素除去手段32の上流側で、閉鎖循環経路3
1の呼気側から分岐した部分には、麻酔ガスを窒素除去
経路33に導くための圧縮機37が設けられ、窒素除去
手段32の下流側には、処理ガス用のバッファ47、窒
素除去経路出口弁48及び逆止弁38が設けられてお
り、窒素除去経路33は、逆止弁38の下流で閉鎖循環
経路31の吸気側に合流している。また、閉鎖循環経路
31には、圧力変動を緩和するためのバッファ36が設
けられている。
【0032】この麻酔装置では、窒素の除去を連続方式
で行うこともでき、バッチ方式で行うこともできる。例
えば、連続方式で窒素の除去処理を行う場合には、吸着
器入口弁41、吸着器出口弁42及び窒素除去経路出口
弁48を開き、パージガス導入弁43及びパージガス導
出弁45を閉じた状態で、圧縮機37を作動させればよ
い。これにより、閉鎖循環経路31を循環する麻酔ガス
の一部が圧縮機37の作用で窒素除去経路33に導か
れ、吸着器40内の吸着剤に窒素を吸着させて麻酔ガス
中から分離除去した後、逆止弁38を経て閉鎖循環経路
31に合流する。このとき、吸着器出口弁42を適当に
絞り、あるいは、吸着器出口弁42と保圧弁を併用し、
吸着器40内の圧力を高めて処理することにより、窒素
の除去効果を向上させることができる。この窒素除去操
作は、吸着器入口弁41を閉じるとともに圧縮機37を
停止させることにより終了する。
【0033】窒素除去をバッチ方式で行う場合は、最初
に、吸着器入口弁41のみを開いた状態で圧縮機37を
作動させ、所定量の麻酔ガスが吸着器40内に流入した
時点で、吸着器入口弁41を閉じて圧縮機37を停止さ
せる。これにより、閉鎖循環経路31を循環する麻酔ガ
スの一部が吸着器40内に所定圧力で保持された状態に
なり、麻酔ガス中に存在する窒素が吸着剤に吸着されて
麻酔ガス中から取り除かれる。このとき、吸着器40内
の圧力を、圧縮機37での圧縮で閉鎖循環経路31の圧
力より高い圧力にすることにより、吸着剤への窒素の吸
着を効果的に行うことができる。また、吸着器40内で
ガスを保持することにより、分圧の低い窒素を吸着剤に
十分に吸着させることができる。
【0034】吸着器40内に麻酔ガスを所定時間保持し
てから吸着器出口弁42を開くと、吸着器40内の吸着
剤に吸着しないキセノンは、吸着器40から流出して処
理ガス用のバッファ47に一時貯留された状態になる。
このとき、吸着剤に対して窒素よりも酸素が吸脱着しや
すい場合は、吸着器40内の圧力低下に伴って酸素が先
に脱着するので、この酸素によって吸着器40内に残存
するキセノンをバッファ47に向けて押し出すことがで
きる。また、パージガス導入弁43を開いてパージガス
を吸着器40内に供給し、このパージガスによってキセ
ノンを押し出すこともできる。
【0035】このとき、バッファ47に貯留するガスの
圧力は、バッファ36と同様に略大気圧としておくこと
が好ましい。窒素を除去したバッファ47内のガスは、
窒素除去経路出口弁48を開くことにより、逆止弁38
を通って閉鎖循環経路31を循環する麻酔ガスに合す
る。なお、バッファ47内のガスを閉鎖循環経路31に
導入するための送風機を設けておいてもよい。
【0036】上述のバッチ処理において、閉鎖循環経路
31から吸着器40への麻酔ガスの導入や、バッファ4
7から閉鎖循環経路31への処理ガスの合流の際の閉鎖
循環経路31内のガス量の変化(圧力変動)は、前記バ
ッファ36の圧力緩衝作用によって緩和される。
【0037】一方、吸着器40内の吸着剤に吸着した窒
素は、吸着器40内の圧力低下により徐々に吸着剤から
脱着し、吸着器40から流出する。したがって、吸着器
40から窒素が流出する前に吸着器出口弁42を閉じ、
パージガス導出弁45を開くことにより、吸着剤から脱
着した窒素をパージガス導出経路46から系外に排出す
ることができる。さらに、吸着器40のパージ処理(吸
着剤の再生)を行うことにより、次回の窒素吸着を効果
的に行うことができる。このパージ処理は、吸着器入口
弁41及び吸着器出口弁42を閉じた状態でパージガス
導入弁43及び吸着器出口弁42を開き、パージガス導
入経路44からパージガス、通常は酸素を吸着器40に
導入し、吸着器40内の吸着剤から窒素を積極的に脱着
する。
【0038】さらに、パージガス導出経路46に真空ポ
ンプを接続し、吸着器40内のガスを吸引排気して吸着
器40内を減圧することにより、吸着剤に吸着している
窒素をより効率よく脱着させることができ、この減圧状
態でパージガス導入経路44からパージガスを導入して
吸着器40内を流通させることにより、吸着剤から脱着
した窒素をパージガスに同伴させて吸着器40から効果
的に排出することができる。
【0039】吸着剤がMSCで窒素除去がバッチ処理の
場合、前記窒素除去操作で窒素と共に酸素もMSCに吸
着して麻酔ガス中から取除かれてしまうが、吸着器40
内のガスをバッファ47に流出させるための圧力低下の
際に、窒素よりも酸素が先にMSCから脱着するので、
MSCに吸着された酸素を再び麻酔ガスの一部として利
用することができる。また、パージガスとして酸素を使
用することにより、MSCに吸着されて窒素と共に排出
される酸素分をこの経路から補給することもでき、バッ
ファ47に回収したガスの組成を所定濃度に調整するこ
ともできる。
【0040】図8は、麻酔装置の第8形態例を示す概略
系統図である。この麻酔装置は、窒素除去経路33に循
環処理用のバッファ50を設けたものである。このバッ
ファ50は、閉鎖循環経路31に対して分岐弁51と合
流弁52とを介して接続しており、また、閉鎖循環経路
31には、分岐弁51と合流弁52との接続部間に弁5
3を設けている。
【0041】この麻酔装置での窒素除去は、最初に、分
岐弁51及び合流弁52を開くとともに、弁53を閉じ
状態、あるいは絞った状態とし、閉鎖循環経路31を流
れる麻酔ガスをバッファ50内に流入させ、前回の処理
で窒素を除去した麻酔ガスをバッファ50から押し出し
て合流弁52から閉鎖循環経路31に送り出す。なお、
この状態を定常状態として、閉鎖循環経路31を循環す
る麻酔ガスが常時バッファ50を流れるようにしておい
てもよい。
【0042】窒素除去は、弁53を開いて分岐弁51及
び合流弁52を閉じ、閉鎖循環経路31と窒素除去経路
33とを切り離した状態で行い、圧縮機37を運転して
バッファ50内のガスを吸着器40内に送り込み、窒素
の除去処理及び吸着器40からの窒素の排出(パージ)
を行う。この窒素の除去処理及び吸着器40からの窒素
の排出は、連続方式で行うこともでき、バッチ方式で行
うこともできる。窒素が除去されたバッファ50内のガ
スは、次の処理開始時に閉鎖循環経路31からバッファ
50に流入するガスによりバッファ50から押し出され
て閉鎖循環経路31に戻される。
【0043】図9は、麻酔装置の第9形態例を示す概略
系統図である。この麻酔装置は、閉鎖循環経路31と窒
素除去経路33とを一体の循環経路として形成するとと
もに、窒素除去手段32の前後に比較的大容量のバッフ
ァ36,47をそれぞれ設けることにより、窒素の除去
処理を吸着剤によるバッチ方式で行えるようにしたもの
である。
【0044】すなわち、患者からの呼気をバッファ36
に貯留し、この貯留したガスを圧縮機37によって間欠
的に吸着器40に送り込み、前記同様のバッチ方式によ
る窒素除去を行う。そして、吸着器40から間欠的に流
出する窒素除去後のガスは、バッファ47に貯留した
後、所定流量で窒素除去経路出口弁48及び逆止弁38
を経て閉鎖循環経路31の吸気側に供給するようにして
いる。
【0045】図10は、窒素除去手段32に2個の吸着
器40a,40bを並列に設けるとともに、各吸着器4
0a,40bに、前記同様の吸着器入口弁41a,41
b、吸着器出口弁42a,42b、パージガス導入弁4
3a,43b、パージガス導入経路44a,44b、パ
ージガス導出弁45a,45b、パージガス導出経路4
6a,46bをそれぞれ設けて吸着器40a,40bを
切換運転可能に形成したものである。
【0046】吸着剤の量が同じ場合、一つの吸着器に吸
着剤全量を充填したものに比べて、このように複数の吸
着器に分割充填して切換え使用することにより、吸着器
に導入する一回のガス量を少なくすることができるの
で、窒素除去を行う際に閉鎖循環経路31から分岐させ
て抜き取るガス量が少なくなり、閉鎖循環経路31内を
循環するガス量の変動を小さくすることができ、安定し
た状態で麻酔ガスを循環させることができるとともに、
バッファの小型化も図ることができる。
【0047】さらに、一方の吸着器で窒素除去を行って
いる間に他方の吸着器の再生操作を行うことができる。
このとき、再生開始前の吸着器内に存在するキセノンを
回収するため、出口弁42a,42bを同時に開く均圧
操作を行って他方の吸着器内に回収することもできる。
また、吸着器に代えて化学吸着剤やゲッター等を使用し
た場合でも、他方を運転中にこれらの交換を行うことも
できる。
【0048】図11は、麻酔装置の第10形態例を示す
系統図である。この麻酔装置は、前記第7形態例で示し
た麻酔装置を基本とした具体的装置構成を示すものであ
って、閉鎖循環経路31は、従来と同様の、マスク2
1、吸気弁23、呼気弁24、炭酸ガス吸収器25、呼
吸バッグ26を有するとともに、バッファ36,逆止弁
61を有する麻酔ガス補給経路62、循環ガスと補給ガ
スとを混合する混合器63、循環ガスの組成を分析する
分析計64が設けられ、さらに、必要に応じて、湿度を
調節するための加湿器65、呼気中の水分を除去する乾
燥器66、再使用のためにガスを消毒する消毒器67を
設けることができる。
【0049】一方、窒素除去経路33には、前記同様の
圧縮機37、窒素除去手段32を構成する吸着器40及
び該吸着器前後の弁41,42,43,45及び経路4
4,46、バッファ47、窒素除去経路出口弁48、逆
止弁38を有するとともに、窒素除去経路33に流入す
るガスの除湿を行う乾燥器71、バッファ47内の窒素
除去ガスを閉鎖循環経路31に送り込むための送風機7
2、窒素除去ガスを加湿する加湿器73、窒素除去ガス
の消毒・除菌を行う消毒器74が設けられている。さら
に、バッファ47には、バッファ47内のガス量を検出
する検出器75が設けられており、必要に応じて弁76
を介して外部タンク(図示せず)を接続しておくことが
できる。また、窒素除去経路33の入口部及び出口部に
は、経路を遮断するための弁77,78がそれぞれ設け
られている。
【0050】この麻酔装置は、以下のように運転して患
者に麻酔を施し、麻酔中の麻酔ガスから窒素を除去し、
また、麻酔後にキセノンの回収を行う。
【0051】まず、系内の空気(窒素)を除去して麻酔
ガスに置換する操作を行う。すなわち、弁76,77,
78を閉じた状態で弁43を開き、パージガス導入経路
44から酸素を供給し、窒素除去経路33内にガスを適
当な圧力で充満させた後、弁76を開いて略大気圧まで
経路内のガスを系外に放出する操作を数回、例えば3回
繰り返して経路内から窒素を追い出す操作を行い、次
に、弁43を閉じて弁76,77を開いた状態で、麻酔
ガス補給経路62から酸素を系内に供給し、圧縮機37
を作動させて閉鎖循環経路31内の空気及び患者の肺内
の空気をパージする。
【0052】そして、系内の窒素濃度が所定量以下、例
えば0.2%以下になったことを確認してから、各弁を
定常状態の開閉位置とし、キセノンの供給を開始する。
麻酔中は、系内の酸素濃度が所定濃度以上、例えば25
%以上であること、及び、循環するガス中のキセノン濃
度が所定濃度以上、例えば60%以上であることを確認
しながら閉鎖循環経路31内を循環させ、呼吸によって
失われた分は、麻酔ガス補給経路62から適宜供給す
る。
【0053】麻酔中の窒素の除去は、炭酸ガス吸収器2
5を通過した麻酔ガスの一部を、連続方式あるいはバッ
チ方式で閉鎖循環経路31から窒素除去経路33に抜き
取り、前述のように、吸着器40に充填したMSC等の
吸着剤に窒素を吸着させて麻酔ガス中から除去する。こ
の窒素除去操作は、閉鎖循環経路31内を循環する麻酔
ガス中の窒素濃度が5%以下を維持するように行う。例
えば、閉鎖循環経路31内の窒素濃度が5%になったと
きに、吸着器出口弁42を閉じたままで吸着器入口弁4
1を開くとともに圧縮機37を作動させ、閉鎖循環経路
31内の麻酔ガスを所定量所定圧力で吸着器40に送り
込んで一定時間吸着処理を行った後、窒素除去経路出口
弁48を閉じたままで吸着器出口弁42を開き、窒素除
去を行ったガスをバッファ47に回収する。バッファ4
7内のガスは、窒素除去経路出口弁48を開き、送風機
72を作動させることによって閉鎖循環経路31内に戻
すことができる。また、閉鎖循環経路31内の窒素濃度
が所定時間以上、所定濃度以下、例えば、1%を10秒
間下回ったときには、閉鎖循環経路31内のみで麻酔ガ
スを循環させるようにする。
【0054】なお、窒素除去手段32の能力が小さい場
合は、麻酔ガスの一部を窒素除去経路33へ連続的に抜
出し、窒素除去を連続して行うようにしてもよい。ま
た、窒素の除去と共に酸素が失われてしまう場合は、麻
酔ガス補給経路62や、別途設けた酸素補給経路から必
要量の酸素を補給すればよい。
【0055】麻酔終了後は、系内に酸素を供給し、系内
の麻酔ガス(キセノン)をバッファ47を経由して弁7
6から外部タンクに抜き取りる。さらに、キセノン濃度
が低くなった麻酔ガスを閉鎖循環経路31内で10分程
度循環させてから外部タンクに抜き取れば、患者の体内
から呼気中に放出されるキセノンも回収することができ
る。外部タンクに回収されたガスは、キセノンと酸素と
を主成分とするものであるから、適宜な消毒処理や精製
処理を施すことにより、ガス源として再利用することが
できる。
【0056】なお、本形態例も含めて、前記各形態例に
用いられている前記逆止弁38は、必要に応じて設けれ
ばよく、省略することもできる。また、窒素の除去操作
は、窒素除去手段の種類や能力、麻酔ガスの全量や麻酔
時間に応じて適宜な操作を選択することができる。
【0057】
【実験例】図12に示す実験装置を使用して麻酔ガス中
の窒素を除去する実験を行った。この実験装置は、窒素
が蓄積した循環ガスを想定したキセノン65%、酸素3
0%、窒素5%の混合ガスを0.9MPaで充填した混
合ガス容器81と、MSCを充填した吸着器82と、吸
着器82で窒素除去を行ったガスを回収する回収容器8
3と、パージガスの酸素を供給する酸素供給経路84
と、吸着器82からの脱着ガス及びパージガスを回収す
る脱着ガス容器85とを有しており、これらを接続する
配管に、手動弁86〜93、流量調節弁94、圧力調節
弁95〜97、流量計98及び圧力計99をそれぞれ設
けたものである。
【0058】吸着器82は、内径76.3mm、筒長2
50mm、容量1リットルの円筒体を使用し、この中に
MSCを700g充填した。吸着器82に充填したMS
Cは、キセノンを平衡吸着せず、窒素を吸着するように
細孔調整したものであり、空隙率は0.56L/Lであ
る。このMSCの大気圧、15℃における吸着曲線を測
定した結果を図13に示す。また、容器83,85は、
ガスバリア性フィルム(アルミ蒸着フィルム)からなる
バッグであり、このバッグは、手で絞ることによって内
部のガスを放出できるように形成されている。
【0059】まず、系内の空気を排出するため、弁8
6,89,90を閉じ、その他の弁を開いた状態として
酸素供給経路84から酸素を供給し、流路内の窒素の洗
い出しを十分に行った。次に、弁92を閉じた後、回収
容器83のバッグを絞ることにより内部のガスを十分に
排出してから弁93を閉じた。また、弁90を開いて脱
着ガス容器85内の空気も十分にパージした後、弁87
を閉じて吸着器82内が略大気圧になってから弁90を
閉じ、バッグを絞って脱着ガス容器85内のガスを十分
に排出して弁91を閉じた。
【0060】弁88を閉じてから弁86を開き、混合ガ
ス容器81内の混合ガスを弁88の手前まで供給した。
圧力調節弁95の調整圧力は、締切り圧が吸着処理を行
う0.7MPaになるように調整した。この状態で弁8
8をゆっくりと開き、混合ガスを吸着器82内に0.7
MPaで充填してから弁88を閉じ、120秒放置して
吸着処理を行った。
【0061】次に、弁92をゆっくりと開き、吸着器8
2内の非吸着ガス(キセノン)を回収容器83に回収し
た。2秒後に吸着器82内の圧力が略大気圧となった
が、MSCから脱着する酸素も回収するため、15秒経
過後に弁92を閉じた。その後、弁90を105秒間開
き、MSCから脱着するガスを脱着ガス容器85に回収
する脱着処理を行った。続いて、MSCの再生処理を行
うため、弁89を開いて吸着器82に酸素を毎分2リッ
トルで30秒流し、吸着器82から流出するガスを脱着
ガス容器85に回収した。
【0062】弁90を閉じた後、回収容器83及び脱着
ガス容器85内のガスの回収量を測定し、四重極質量分
析計(バルザス社製QME200)で組成分析を行っ
た。さらに、容器83,85内のガスを全て排気後、混
合ガス容器81内の混合ガスを吸着器82に導入し、上
記同様にして吸着処理、脱着処理及び再生処理を行い、
容器83,85内に回収したガスの回収量測定と組成分
析とを行った。
【0063】結果を表1に示す。なお、括弧内は、回収
容器83に回収したガスに酸素を補給し、ガス量を混合
ガス処理量(3.36リットル)と同量にした場合の組
成である。この結果から明らかなように、キセノンの全
量を回収しながら窒素濃度を1%程度までに低減するこ
とができ、酸素を補給するだけで麻酔ガスとして循環再
利用できることがわかる。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
患者の呼気から麻酔ガス中に混入する窒素を除去して麻
酔ガスを循環させるので、キセノンの所要量を最小に抑
えたキセノン麻酔を実施することができる。また、窒素
の除去も、吸着剤等で行うことにより、低温や高温を使
用せずに常温付近で行えるので、窒素の除去処理も低コ
ストで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のキセノンを使用した麻酔装置の第1
形態例を示す概略系統図である。
【図2】 本発明の麻酔装置の第2形態例を示す概略系
統図である。
【図3】 本発明の麻酔装置の第3形態例を示す概略系
統図である。
【図4】 本発明の麻酔装置の第4形態例を示す概略系
統図である。
【図5】 本発明の麻酔装置の第5形態例を示す概略系
統図である。
【図6】 本発明の麻酔装置の第6形態例を示す概略系
統図である。
【図7】 本発明の麻酔装置の第7形態例を示す概略系
統図である。
【図8】 本発明の麻酔装置の第8形態例を示す概略系
統図である。
【図9】 本発明の麻酔装置の第9形態例を示す概略系
統図である。
【図10】 窒素除去手段の他の形態例を示す系統図で
ある。
【図11】 本発明の麻酔装置の第10形態例を示す系
統図である。
【図12】 実験装置の系統図である。
【図13】 実験で使用したMSCの大気圧、15℃に
おける吸着曲線を示す図である。
【図14】 従来の麻酔器の一例を示す系統図である。
【符号の説明】
21…マスク、23…吸気弁、24…呼気弁、25…炭
酸ガス吸収器、26…呼吸バッグ、31…閉鎖循環経
路、32…窒素除去手段、33…窒素除去経路、34
a,34b、35…弁、36…バッファ、37…圧縮
機、38…逆止弁、40,40a,40b…吸着器、4
1,41a,41b…吸着器入口弁、42,42a,4
2b…吸着器出口弁、43,43a,43b…パージガ
ス導入弁、44,44a,44b…パージガス導入経
路、45,45a,45b…パージガス導出弁、46,
46a,46b…パージガス導出経路、47…バッフ
ァ、48…窒素除去経路出口弁、50…バッファ、51
…分岐弁、52…合流弁、53…弁、61…逆止弁、6
2…麻酔ガス補給経路、63…混合器、64…分析計、
65…加湿器、66…乾燥器、67…消毒器、71…乾
燥器、72…送風機、73…加湿器、74…消毒器、7
5…検出器、76…弁、81…混合ガス容器、82…吸
着器、83…回収容器、84…酸素供給経路、85…脱
着ガス容器、86〜93…手動弁、94…流量調節弁、
95〜97…圧力調節弁、98…流量計、99…圧力計

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麻酔剤としてキセノンを使用した麻酔方
    法であって、キセノンと酸素とを含む麻酔用ガスを閉鎖
    循環経路に供給して患者に供給するとともに、呼気中に
    混入する窒素を閉鎖循環経路内から除去することを特徴
    とするキセノンを使用した麻酔方法。
  2. 【請求項2】 前記窒素の除去は、分子ふるい炭素,ゼ
    オライト等の吸着剤又はゲッター又はガス分離膜により
    行うことを特徴とする請求項1記載のキセノンを使用し
    た麻酔方法。
  3. 【請求項3】 キセノンと酸素とを含む麻酔用ガスを患
    者に循環供給するための閉鎖循環経路内に、呼気中に混
    入した窒素を除去するための窒素除去手段を設けたこと
    を特徴とするキセノンを使用した麻酔装置。
  4. 【請求項4】 前記窒素除去手段は、キセノンを吸着せ
    ず、窒素を吸着する分子ふるい炭素を充填した吸着器で
    あることを特徴とする請求項3記載のキセノンを使用し
    た麻酔装置。
  5. 【請求項5】 前記窒素除去手段は、前記閉鎖循環経路
    の呼気側経路から分岐し、窒素除去手段を介して吸気側
    経路に合流する窒素除去経路に設けられていることを特
    徴とする請求項3記載のキセノンを使用した麻酔装置。
  6. 【請求項6】 前記窒素除去経路は、閉鎖循環経路内の
    ガスを窒素除去経路に導くための圧縮機又は送風機を備
    えていることを特徴とする請求項5記載のキセノンを使
    用した麻酔装置。
  7. 【請求項7】 前記窒素除去経路は、閉鎖循環経路から
    窒素除去経路に流入したガス中の水分を除去する乾燥器
    を備えていることを特徴とする請求項5記載のキセノン
    を使用した麻酔装置。
  8. 【請求項8】 前記窒素除去経路は、窒素除去後に前記
    閉鎖循環経路に戻されるガスを加湿する加湿器を備えて
    いることを特徴とする請求項7記載のキセノンを使用し
    た麻酔装置。
JP2000066149A 2000-03-10 2000-03-10 キセノンを使用した麻酔装置 Expired - Fee Related JP4084523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000066149A JP4084523B2 (ja) 2000-03-10 2000-03-10 キセノンを使用した麻酔装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000066149A JP4084523B2 (ja) 2000-03-10 2000-03-10 キセノンを使用した麻酔装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001252358A true JP2001252358A (ja) 2001-09-18
JP4084523B2 JP4084523B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=18585557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000066149A Expired - Fee Related JP4084523B2 (ja) 2000-03-10 2000-03-10 キセノンを使用した麻酔装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4084523B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009501031A (ja) * 2005-07-14 2009-01-15 クラウス シュミット ガス混合物を提供する装置及び方法
JP2009544382A (ja) * 2006-07-26 2009-12-17 クラウス シュミット 人工呼吸器をつけている患者の呼気中の希ガスの膜分離による保持
JP2011514833A (ja) * 2007-05-23 2011-05-12 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード ベンチレータからキセノンの回収および再利用のためのシステムおよび方法
JP2014519928A (ja) * 2011-06-20 2014-08-21 ディエムエフ・メディカル・インコーポレーテッド 麻酔回路およびこの麻酔回路を使用するための方法
US10076620B2 (en) 2012-12-22 2018-09-18 Dmf Medical Incorporated Anesthetic circuit having a hollow fiber membrane
RU2718530C2 (ru) * 2017-03-15 2020-04-08 федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Санкт-Петербургский государственный университет" Способ проведения общей комбинированной анестезии по закрытому контуру у пациентов высокого анестезиологического риска
JP2021194542A (ja) * 2020-06-12 2021-12-27 ドレーゲルヴェルク アクチェンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト アウフ アクチェンDraegerwerk AG & Co.KGaA 医療用の機器からのガスを受容するフィルタユニットを備える受容装置および方法

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61107941A (ja) * 1984-10-08 1986-05-26 Toyo Soda Mfg Co Ltd 吸着分離剤
JPS62240072A (ja) * 1986-04-10 1987-10-20 安西総業株式会社 キセノンガス吸入装置
JPS6364901A (ja) * 1986-09-04 1988-03-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 希ガス精製装置
JPS63264076A (ja) * 1987-04-14 1988-10-31 シーメンス、アクチエンゲゼルシヤフト 吸入麻酔装置
JPS6449541A (en) * 1987-08-19 1989-02-27 Anzai Sogyo Co Ltd Xenon gas inhalation system
JPH026814A (ja) * 1988-02-11 1990-01-11 L'air Liquide ガス分離法
JPH02502430A (ja) * 1987-03-09 1990-08-09 ウェルナー,オロフ 患者に供給される少なくとも2つのガスの管理を行なう装置
JPH02284619A (ja) * 1989-04-06 1990-11-22 Air Prod And Chem Inc 選択吸着法
JPH0352640A (ja) * 1989-07-20 1991-03-06 Air Prod And Chem Inc ガス混合物の分離法、窒素の選択的吸着剤、および斜方沸石押出し物調製法
JPH105338A (ja) * 1996-03-20 1998-01-13 Siemens Elema Ab 麻酔装置
WO1999010034A1 (en) * 1997-08-21 1999-03-04 Instrumentarium Corp. Device and method for determining gas volume and volumetric changes in an anaesthesia system
JPH11513271A (ja) * 1995-09-12 1999-11-16 デイテックス−イングストローム アーベー 麻酔システムのための装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61107941A (ja) * 1984-10-08 1986-05-26 Toyo Soda Mfg Co Ltd 吸着分離剤
JPS62240072A (ja) * 1986-04-10 1987-10-20 安西総業株式会社 キセノンガス吸入装置
JPS6364901A (ja) * 1986-09-04 1988-03-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 希ガス精製装置
JPH02502430A (ja) * 1987-03-09 1990-08-09 ウェルナー,オロフ 患者に供給される少なくとも2つのガスの管理を行なう装置
JPS63264076A (ja) * 1987-04-14 1988-10-31 シーメンス、アクチエンゲゼルシヤフト 吸入麻酔装置
JPS6449541A (en) * 1987-08-19 1989-02-27 Anzai Sogyo Co Ltd Xenon gas inhalation system
JPH026814A (ja) * 1988-02-11 1990-01-11 L'air Liquide ガス分離法
JPH02284619A (ja) * 1989-04-06 1990-11-22 Air Prod And Chem Inc 選択吸着法
JPH0352640A (ja) * 1989-07-20 1991-03-06 Air Prod And Chem Inc ガス混合物の分離法、窒素の選択的吸着剤、および斜方沸石押出し物調製法
JPH11513271A (ja) * 1995-09-12 1999-11-16 デイテックス−イングストローム アーベー 麻酔システムのための装置
JPH105338A (ja) * 1996-03-20 1998-01-13 Siemens Elema Ab 麻酔装置
WO1999010034A1 (en) * 1997-08-21 1999-03-04 Instrumentarium Corp. Device and method for determining gas volume and volumetric changes in an anaesthesia system

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009501031A (ja) * 2005-07-14 2009-01-15 クラウス シュミット ガス混合物を提供する装置及び方法
JP2009544382A (ja) * 2006-07-26 2009-12-17 クラウス シュミット 人工呼吸器をつけている患者の呼気中の希ガスの膜分離による保持
JP2011514833A (ja) * 2007-05-23 2011-05-12 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード ベンチレータからキセノンの回収および再利用のためのシステムおよび方法
JP2014519928A (ja) * 2011-06-20 2014-08-21 ディエムエフ・メディカル・インコーポレーテッド 麻酔回路およびこの麻酔回路を使用するための方法
US10076620B2 (en) 2012-12-22 2018-09-18 Dmf Medical Incorporated Anesthetic circuit having a hollow fiber membrane
US10960160B2 (en) 2012-12-22 2021-03-30 Dmf Medical Incorporated Anesthetic circuit having a hollow fiber membrane
RU2718530C2 (ru) * 2017-03-15 2020-04-08 федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Санкт-Петербургский государственный университет" Способ проведения общей комбинированной анестезии по закрытому контуру у пациентов высокого анестезиологического риска
JP2021194542A (ja) * 2020-06-12 2021-12-27 ドレーゲルヴェルク アクチェンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト アウフ アクチェンDraegerwerk AG & Co.KGaA 医療用の機器からのガスを受容するフィルタユニットを備える受容装置および方法
JP7234297B2 (ja) 2020-06-12 2023-03-07 ドレーゲルヴェルク アクチェンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト アウフ アクチェン 医療用の機器からのガスを受容するフィルタユニットを備える受容装置および方法
US11844904B2 (en) 2020-06-12 2023-12-19 Drägerwerk AG & Co. KGaA Taking up system and process with a filter unit for the receiving of gas from a medical apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP4084523B2 (ja) 2008-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7442236B2 (en) Xenon external recycling unit for recovery, purification and reuse of xenon in anaesthesia circuits
JP3194731U (ja) 呼吸器及び呼吸器用選択素子
JP3934885B2 (ja) 余剰麻酔ガスの処理装置
US9242065B2 (en) Apparatus, systems and method for collecting and reclaiming anaesthetic agents and for removing nitrous oxide from exhaust gases
EP3888785A2 (en) Systems and methods for gas treatment
TW200824735A (en) Oxygen concentrator
JP2007530111A (ja) キセノン投与方法及び装置
WO2000078398A1 (en) Method and apparatus for delivering and recovering gasses
JP4084523B2 (ja) キセノンを使用した麻酔装置
US8246721B2 (en) Method for removing N2O from a gaseous flow
JP2010538688A (ja) 麻酔用呼吸システム
Jänchen et al. Adsorption of desflurane from the scavenging system during high-flow and minimal-flow anaesthesia by zeolites
JP2006263475A (ja) 余剰麻酔ガスの処理方法及び処理装置
JP3654658B2 (ja) 圧力変動吸着式酸素製造方法及び装置
JP2857045B2 (ja) 酸素濃縮装置
RU2183476C2 (ru) Способ ингаляционной анестезии и оборудование для его осуществления
EP1797942A1 (en) Process and device for the reuse of fluranes
JP2004344735A (ja) 酸素濃縮装置
JP2003180838A (ja) 医療用酸素濃縮装置
JP2776997B2 (ja) 酸素濃縮装置
JP5112839B2 (ja) 酸素濃縮装置
JP2002047003A (ja) 吸着型酸素発生装置
JP2000237317A (ja) 圧力変動吸着型酸素濃縮装置
JP2008178795A (ja) 酸素濃縮装置
JPH11271302A (ja) 呼気採取方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees