JP2001252096A - トリグリセリド測定試薬 - Google Patents

トリグリセリド測定試薬

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体試料中のトリグリセリド含量を測定する
ための測定試薬においてその保存安定性を確保するこ
と、及びより正確なトリグリセリド測定方法を提供する
こと。 【解決手段】 生体試料中のトリグリセリド含量を測定
するための測定試薬において、1)グリセロールキナー
ゼ(GK)、2)ATP、3)グルコース、のうち1つ
を測定に影響しない段階まで他の2つの試薬とは反応系
が開始しない状況に保持することを特徴とするトリグリ
セリドを測定するための測定試薬、及び該測定試薬を用
いるトリグリセリド測定方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は臨床化学、薬物化
学、生化学及び食品化学において、酵素又は基質濃度を
酵素反応を利用して測定するための改良法及び改良され
た試料測定用組成物に関するものである。更に詳しく
は、本発明は生体試料中のトリグリセリド含量を測定す
るための測定試薬における改良及び改良された測定試薬
を用いる測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査に用いられる多くの試薬は、液
状あるいは凍結乾燥した状態で供給されている。凍結乾
燥試薬は使用に際し、一定の溶解液で溶解する必要があ
る。そして測定後の残余試薬は冷所に保存され、次の測
定に使用される。従ってこの保存期間中の試薬の安定
性、液状製品の安定性、及び液状製品の使用時の安定性
は十分確保されなくてはならないが、現状では必ずしも
十分なものではなかった。保存期間の長さに伴って経時
的に、測定値や感度の低下、試薬ブランクの上昇、及び
/又は酵素、補酵素、基質等の試薬組成分の失活、分
解、変性等がしばしば起こり、その結果測定試薬として
最も重要な正確性や精密性などが経時的に低下すること
が問題となっている。
【0003】これらの問題に対しては、製品及びその溶
解後の使用期限の短縮や安定化物質の添加等により対応
しているのが現状であるが、十分とは言い難い。それ
故、測定に用いる試薬の、製品での安定性、及び開封後
又は溶解後における効果的な安定化方法、が望まれてい
た。
【0004】生体試料中のトリグリセリド(TG)は、
グリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合したもの
である。血中TGは外因性と内因性とがあり、前者はカ
イロミクロン中に、後者は超低比重リポタンパク質(V
LDL)、低比重リポタンパク質(LDL)、又は高比
重リポタンパク質(HDL)、中に組み込まれて血中を
運搬される。血中のTGは、食後は主としてカイロミク
ロン中に、空腹時は主としてVLDL中に、含まれてい
る。肝は脂肪組織から放出された遊離脂肪酸を摂取し、
また糖質から脂肪酸合成を行い、これらの脂肪酸を素材
としてTGを合成し、VLDLに組み込んで血中に分泌
している。血中カイロミクロン、VLDL中のTGは、
末梢組織のリポタンパク質リパーゼ(LPL)によって
加水分解されて脂肪酸を遊離し、その脂肪酸は組織内に
取り込まれて代謝される。従って、血中TG濃度は主と
して肝におけるTG及びVLDL合成とその分泌、並び
に末梢におけるVLDL分解とのバランスによって左右
される。すなわち、血中TG濃度の上昇は、脂肪組織か
らの脂肪酸放出の増大、肝における合成拮抗、末梢組織
のLPL活性低下などによって起こり、その測定はコレ
ステロールやリポタンパク質の測定とともに脂質代謝異
常の解明に重要である。
【0005】生体試料中のTGの測定は、酵素を用いた
方法が臨床化学の分野で広く用いられている。その方法
は、生体試料中のTGをLPLの作用によりグリセロー
ルに加水分解し、生じたグリセロールにグリセロールキ
ナーゼ(GK)、グリセロ−3−リン酸オキシダーゼを
作用させてHを生成させ、この生成されたH
をPODを用いて測定するものである。この方法で
は、生体試料中にもともと含まれている遊離グリセロー
ル、グリセロール−3−リン酸が測定系に影響を及ぼす
ので、これらを予め消去する必要がある。更にこの方法
は、生体試料中の還元性物質の影響を受ける、発色が安
定しない、などの欠点を有していた。
【0006】また、ADP−HK(ADP依存性ヘキソ
キナーゼ)を利用した測定法が特開平10−26269
7号公報に開示されている。この方法において、生体試
料中のTGは、LPLによりグリセロールに分解され、
更にATPの存在下でグリセロールキナーゼ(GK)に
より、グリセロール−3−リン酸になる。このとき、A
TPはADPへと変換される。この変換されて生じたA
DP存在下で、グルコースにADP−HKを作用させ、
グルコース−6−リン酸を生成させる。更にグルコース
−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH)を作用させるこ
とによりNADPHが生成する。この生成したNADP
H量より生体試料中のTG量を測定する。
【0007】この公開公報に開示されている方法は、従
前の方法が有する問題点のうち還元物質の影響を受ける
といった問題点を解決した。しかし、該公開公報に開示
されている試薬の組成によれば、ATP、ホスホエノー
ルピルビン酸(PEP)、及びβ−NADPが同一試薬
中に保存されている。この試薬の保存pHは7.0であ
り、このpHではこれらいずれの試薬成分も不安定であ
る。また、反応最終pHも7.0なので、生成した反応
指示物質であるNADPHも不安定であり、退色が起こ
る。また、グルコース、ATP及びグリセロールキナー
ゼを同一試薬中に保存しているので、後述するように試
薬の保存中に反応が進行してPEPが消費されてしま
い、正確なTGの測定には望ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、測定
試薬の製品での安定性、開封後あるいは溶解後における
効果的な安定化方法を提供することである。更に詳しく
は、生体試料中のトリグリセリド含量を測定するための
測定試薬の、安定性、開封後又は溶解後における効果的
な安定化方法、及び安定化された測定試薬を用いた正確
なTG測定方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは精度の高い
測定に必要である安定な試薬を得るべく検討し、「共存
できない試薬成分の組合せ」と「共存できる試薬成分の
組合せ」及びその保存pH、シグナルを発生させる反応
生成物と反応pHの適合性、更には、試薬成分の一であ
る酵素と他の試薬成分との組合せ、測定妨害物質の消
去、も考慮に入れた試薬組成を構築した。
【0010】本発明において測定試薬とは、1つ以上の
試薬よりなり、生体試料中の特定の物質の存在又はその
含量を測定するために使用されるものである。また、本
発明において試薬とは1つ又は複数の試薬成分よりな
る。更に、本発明において試薬成分とは、試薬を構成す
る成分である物質を意味する。
【0011】安定な試薬を得るためには、pH安定域が
異なる試薬成分が同一試薬中に含まれているか否かを、
更に共役酵素に含まれている又は酵素自身が持っている
及び/又は混在している夾雑酵素様活性を、考慮する必
要がある。
【0012】すなわち、共役酵素に含まれている夾雑酵
素様活性、又はその酵素がもっている基質特異性に由来
して、試薬保存中に試薬成分と酵素反応が生じ、試薬ブ
ランクを上昇させたり、試薬成分を消費したりすること
がある。
【0013】また、例えば、酸性域で安定な試薬成分と
アルカリ性域で安定な試薬成分が同一試薬中に含まれる
ことにより、どちらか一方の試薬成分が不安定となる、
又は選択するpHによっては両試薬成分がともに不安定
となる、ことがある。
【0014】更に、一般に基質濃度若しくは酵素活性量
の測定は、反応により生じた生成物である反応指示物質
のシグナルを検出することにより行われるが、この場
合、酵素活性の反応至適pHのみならず反応生成物の安
定性も考慮する必要がある。つまり、特に生体試料の測
定は、生体試料に一種又は二種以上の試薬を添加するこ
とにより行われるが、これら試薬を添加した後のpHが
シグナルを発生する反応生成物の安定域から外れている
とその反応生成物の分解又は変性が起こり、正確なシグ
ナルの検出が行われず、ひいては正確な測定結果が得ら
れない。
【0015】そこで試薬の安定化及びシグナルを発生す
る反応生成物の安定化の研究を重ねた結果、同じpH安
定域を持つ試薬成分を同一の試薬として調製し、異なる
pH安定域を持つ試薬成分を別の試薬をして調製し、更
に、測定対象物とこれら試薬とを混合した後のpHを、
シグナルを発生させる反応生成物のpH安定域に調整す
ることにより、試薬が安定に保持できかつ正確なシグナ
ルの検出が可能となる。
【0016】更に、正確な測定のためには、上記各試薬
成分及び反応生成物特に反応指示物質のpH安定性や夾
雑酵素様活性の他に、測定妨害物質の消去等の方法も考
慮して試薬を構築する必要がある。
【0017】以下、生体試料中のトリグリセリドの測定
法を例にとり、本発明を詳細に説明する。ADP−HK
を用いたTG測定法は、例えば図1に示した反応原理に
基づく。生体試料中のTGは、LPLによりグリセロー
ルに分解され、その後GK、ADP−HK、G6PDH
を作用させることによりβ−NADPHを生成する。こ
の生成されるβ−NADPHを検出することにより、T
Gの測定を行うことができる。このとき、β−NADH
により検出を行ってもよい。
【0018】本発明者らは、上記反応原理に基づく反応
系に係る酵素であるGKが、ATPase(アデノシン
トリホスファターゼ;ATPをADPに変換させる酵
素)様活性とヘキソキナーゼ様活性を有することを発見
した。つまり、グリセロールキナーゼ(GK)、AT
P、及びグルコースを一体として同一液状状態で保存す
ると、保存中に酵素反応が開始し、PEPの減少がおき
て正確な測定を達成できないことを見出した。この発見
に基づき、本発明の一である、1)グリセロールキナー
ゼ(GK)、2)ATP、3)グルコースを、TG測定
試薬において、そのうち1つを測定に影響しない段階ま
で他の2つとは反応が開始しない状況に保持することを
特徴とする測定試薬を得ることを達成した。
【0019】ここで、測定に影響しない段階とは、測定
対象物との接触までを一般的には意味する。しかし、測
定対象物との接触が生じたとしても、更に何らかの手
段、例えば阻害剤等の添加により測定に影響する反応を
制御し、目的とする反応時に当該阻害剤による制御をは
ずす手段等をとっていればよく、ここで測定に影響しな
い段階を具体的に限定することは適当でない。
【0020】また、上記1)〜3)等の試薬成分を反応
が開始しない状況におくには、分別して保存あるいは保
持することが最も簡便な手段であり、好ましい態様であ
るが、分別でなくとも乾燥状態、凍結状態、阻害剤によ
る制御下におく等の手段によっても、本発明の目的を達
成することができる。
【0021】更に、生体試料中にもともと含まれており
TGの測定誤差の原因の1つとなる遊離グリセロール等
の消去を行えば、TGのより正確な測定を達成すること
ができる。グリセロール等の消去は、図1の反応原理に
示すように、生成したADPをPKの作用によりATP
に戻すことにより行われる。このとき、目的とする本反
応では、PKの反応を止める必要がある。PKの反応を
止める物質は、PKの反応を止めるものであれば特に限
定されないが、塩化カルシウム、シュウ酸が例示され
る。
【0022】また、上記反応原理に基づく反応系におい
て、アルカリ性域で安定な物質としては、ATP、PE
Pなどを例示することができる。本発明のTGを測定す
るための測定試薬において、これらは、アルカリ性域で
あるpH7.5〜10.0、好ましくはpH8.0〜1
0.0、より好ましくはpH8.0〜9.0に単独で又
は組合せて調整される。その他、アルカリ性域で安定な
物質としてADP、β−NADH、β−NADPHを示
すことができる。また、酸性域において安定な物質とし
ては、β−NADPを例示することができる。その他、
酸性域で安定な物質としてβ−NADを示すことができ
る。そのため本発明において、これらは、酸性域である
pH5.0〜7.0、好ましくはpH6.0〜7.0に
調整される。
【0023】更にTGの測定系において、シグナルを発
生する反応生成物として検出に用いられているβ−NA
DHやβ−NADPHはpH7.3以上で安定である。
そこで酸性域で安定な物質を同一試薬として、アルカリ
性域で安定な物質を別の同一試薬として調製し、測定対
象物とこれら試薬とを混合したときのpHは、例えばβ
−NADPHを用いてシグナルを検出する場合、pH
7.0〜10.0、好ましくはpH7.3〜9.0とす
るのが望ましい。
【0024】試薬を酸性域又はアルカリ性域に保つには
適宜緩衝液を用いるのが好ましく、酸性域に用いられる
緩衝液としてはグリシン−塩酸、酢酸、MES、Bis
−Tris、ADA等、アルカリ性域に用いられる緩衝
液としてはTris−塩酸、Bicine、グリシルグ
リシン、TAPS、CHAPS等を例示することができ
る。これら緩衝液の種類、pH、及び濃度は、成分の安
定性及び反応最終pHにより適宜選択することができ
る。更に目的に応じ、本発明では、例えば酸性域、中性
域、アルカリ性域等に試薬を分けることも可能である。
【0025】また、上記反応原理に基づく反応系に係る
酵素であるG6PDHには、グルコース脱水素酵素活性
が夾雑している。そのため、G6PDHをβ−NAD
P、グルコースとともに同一の試薬中で保存すると、酵
素反応が開始し試薬ブランクが上昇する。従って、G6
PDHに夾雑するグルコース脱水素酵素の作用によるN
ADH又はNADPHの生成を制御することを目的と
し、G6PDH、β−NADP、グルコースから選ばれ
る少なくとも1つを、その保存時において反応が開始し
ない状況に調製することも本発明の別の態様である。
【0026】以上のような要件分析によって、本発明の
別の一である、トリグリセリドを測定するための測定試
薬において、1)グリセロールキナーゼ(GK)、2)
ATP、3)グルコース、のうち1つを測定に影響しな
い段階まで他の2つとは反応が開始しない状況に保持
し、更に次の4)〜9)の処理から選ばれる少なくとも
1つの処理を施すことを特徴とする、トリグリセリドを
測定するための測定試薬を完成した。 4)ピルビン酸キナーゼ(PK)の活性を制御する。 5)少なくとも一の試薬がpH7.5〜10.0、他の
一の試薬がpH5.0〜7.0になるように調製する。 6)反応時の反応液pHが7.3以上になるように試薬
を調製する。 7)ATP及び/又はPEP(ホスホエノールピルビン
酸)の保存時のpHをアルカリ性になるように試薬を調
製する。 8)β−NADPの保存時のpHを酸性になるように試
薬を調製する。 9)G6PDH(グルコース−6−リン酸脱水素酵
素)、β−NADP、グルコースから選ばれる少なくと
も1つを、その保存時において反応が開始しない状況の
試薬として調製する。
【0027】また、本発明の別の一は、生体試料中のト
リグリセリド含量を測定するための測定試薬において、
上記4)〜9)の処理から選ばれる少なくとも2つの処
理を施すことを特徴とするトリグリセリドを測定するた
めの測定試薬である。
【0028】反応が開始しない状況の試薬に調製するに
は、分別して調製することが最も簡便な手段であり、好
ましい態様である。分別調製の例として、上記のように
各試薬成分のpHによる安定性及び反応の至適pHを考
慮して、各試薬成分を、安定でかつ反応が生じないpH
で、個別にあるいは組合せて調製することがあげられ
る。なお、分別調製する試薬は溶液であってもよいし、
用時溶解して用いる乾燥あるいは凍結製剤として調製し
てもよい。また、分別でなくとも乾燥状態、凍結状態、
阻害剤による制御下におく等の手段によっても、本発明
の目的は達成することができる。
【0029】本発明の測定試薬の実施の態様としては、
第一試薬にATP、PEP等を含有させ、アルカリ性域
のpH7.5〜10.0より好ましくは、pH8.0〜
9.0に調整し、第二試薬にβ−NADP等を含有させ
弱酸性のpH5.0〜7.0より好ましくはpH6.0
〜7.0に調整し、生体試料、第一試薬、第二試薬を混
合したときのpHは、pH7.0〜10.0より好まし
くは、pH7.3〜9.0となるのが好ましい。
【0030】これら第一試薬、第二試薬の緩衝液の種
類、濃度は試薬成分の安定性、反応最終pHにより適宜
選択することができるが、より好ましくは、第一試薬の
緩衝液はBicineを用いるのが好ましい。また、濃
度は0.01〜2M、より好ましくは20〜100mM
の濃度が好ましい。また、第二試薬の緩衝液はMESを
用いるのが好ましい。また、濃度は0.01〜2M、よ
り好ましくは20〜100mMの濃度が好ましい。
【0031】更に本発明は、上記本発明の測定試薬を利
用して行うトリグリセリド測定方法をも含有する。本発
明のトリグリセリド測定方法で測定する対象となる生体
試料としては、血清、血漿、尿、髄液等が例示される。
また、本発明のトリグリセリド測定方法において、測定
手法は特に限定されずエンドポイントアッセイ法、レー
トアッセイ法等の手法を適宜用いることができる。
【0032】なお本発明は、生体試料中の物質を、特に
TGを、測定する系の試薬並びに測定方法に関する発明
であり、最も好ましくは本発明で開示した改良の手段を
全て組合せて利用することが好適である。しかし、各改
良手段を完全に組合せなくとも、従前の技術に比して格
段の効果を達成するものであれば、当業者が所望により
適宜組合せて、その要求する効果の程度に合わせ試薬の
キット化や調製、及び測定方法に利用すればよい。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0034】実施例1 本発明の測定試薬を調製した。 (1)第一試薬の組成 Bicine 50mM 塩化カリウム 100mM 塩化マグネシウム 10mM ノニオンA−10R 0.5% トリトンX−100 0.2% アジ化ナトリウム 0.1% PEP 4.0mM ATP 3.0mM G6PDH 4.5U/mL PK 3.0U/mL GK 3.0U/mL pH 8.5
【0035】 (2)第二試薬の組成 MES 50mM シュウ酸 100mM グルコース 80mM トリトンX−100 0.25% β−NADP 6.0mM アジ化ナトリウム 0.1% ADP−HK 10.0U/mL リパーゼ 1500U/mL pH 6.5
【0036】比較例1 特開平10−262697号公報に開示された測定試薬
を、本発明の測定試薬との比較検討のために調製した。 (1)第一試薬の組成 PIPES 50mM 塩化マグネシウム 5mM アデカノールB−795 0.3% トリトンX−100 0.3% PEP 0.5mM ATP 2mM PK 5U/mL GK 5U/mL グルコース 20mM NADP 1mM pH 7.0
【0037】 (2)第二試薬の組成 PIPES 50mM G6PDH 20U/mL ADP−HK 20U/mL リパーゼ 2000U/mL MGLP(モノグリセリドリパーゼ) 5U/mL コレステロールエステラーゼ 50U/mL アデカノールB−795 0.1% pH 7.0
【0038】実験例1 実施例1で調製した試薬を用いて、試薬の製造後1ヶ月
保存後の試薬ブランクの変動を表1に示した。比較例と
して、特開平10−262697号公報の実施例に開示
された組成の試薬(比較例1)、すなわち塩化マグネシ
ウム、ATP、PEP、グルコース、GK及びPKを第
一試薬組成に配置した試薬を用いて同様に製造後1ヶ月
保存後の試薬ブランクの変動を調べた。表1に示すとお
り、特開平10−262697号公報の実施例に開示さ
れた組成の試薬を用いると、経時的並びに温度依存的に
試薬ブランクが上昇してしまうが、本発明の試薬では試
薬ブランクの上昇が抑えられることが判明した。
【0039】
【表1】
【0040】
【実験例2】実施例1及び比較例1で調製した試薬を用
いて、各試薬の製造後1ヶ月保存した後のATP、PE
Pの残存率、並びにグルコース−6−リン酸の生成量に
ついて比較検討した。表2〜4に示すように、本発明に
より、ATPの安定化が図られ、グルコース−6−リン
酸の生成も抑制されていることが示された。実験例1で
示された比較例の試薬ブランクの変動は、ATP加水分
解によるADPの生成とグルコース−6−リン酸の生成
が原因であると考えられる。また、特開平10−262
697号公報に開示された試薬組成は、PKとPEPと
によるATP再生反応により保存中並びにグリセロール
消去反応により生成するADPの消去を目的としている
が、試薬組成の組合せによる問題のために、PEPの枯
渇が生じている。すなわち、既報の試薬組成では長期間
の保存により試薬ブランクの変動のみならず、十分なグ
リセロール消去を行うことができなくなる。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】本発明は、トリグリセリド(TG)を測
定するための測定試薬であって、混在する酵素、基質、
触媒等に影響されない、極めて安定性に優れた測定試薬
を提供する。更に本発明は、該測定試薬を用いたTG測
定方法をも提供する。本発明により、測定試薬の保存期
間を延長することができ、更にTGの測定をより正確に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ADP−HK(ADP依存性ヘキソキナー
ゼ)を用いたトリグリセリド(TG)測定法の反応原理
を示した図である。図中、LPLはリポタンパク質リパ
ーゼ、GKはグリセロールキナーゼ、PKはピルビン酸
キナーゼ、G6PDHはグルコース−6−リン酸脱水素
酵素を意味する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/92 G01N 33/92 C Fターム(参考) 2G045 AA13 BB51 BB52 BB54 CA25 DA70 FB01 4B050 CC07 KK06 KK08 KK13 LL03 4B063 QA01 QA19 QQ03 QQ64 QQ70 QR04 QR07 QR12 QR41 QR42 QR44 QS28 QX01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体試料中のトリグリセリド含量を測定
    するための測定試薬において、次の1つを測定に影響し
    ない段階まで他の2つとは反応が開始しない状況に保持
    することを特徴とするトリグリセリド測定のための測定
    試薬; 1)グリセロールキナーゼ(GK) 2)アデノシン5’−三リン酸(ATP) 3)グルコース。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の測定試薬であって、グル
    コースを他の2つとは別個の試薬として保持するトリグ
    リセリド測定のための測定試薬。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の測定試薬であっ
    て、次の処理から選ばれる少なくとも1つの処理を施す
    ことを特徴とするトリグリセリド測定のための測定試
    薬; 4)ピルビン酸キナーゼ(PK)の活性を制御する、 5)少なくとも一の試薬がpH7.5〜10.0、他の
    一の試薬がpH5.0〜7.0になるように調製する、 6)反応時の反応液pHが7.3以上になるように試薬
    を調製する、 7)ATP及び/又はPEP(ホスホエノールピルビン
    酸)の保存時のpHをアルカリ性になるように試薬を調
    製する、 8)β−NADPの保存時のpHを酸性になるように試
    薬を調製する、 9)G6PDH(グルコース−6−リン酸脱水素酵
    素)、β−NADP、グルコースから選ばれる少なくと
    も1つを、その保存時において反応が開始しない状況の
    試薬に調製する。
  4. 【請求項4】 生体試料中のトリグリセリド含量を測定
    するための測定試薬において、次の処理から選ばれる少
    なくとも2つの処理を施すことを特徴とするトリグリセ
    リド測定のための測定試薬; 4)ピルビン酸キナーゼ(PK)の活性を制御する、 5)少なくとも一の試薬がpH7.5〜10.0、他の
    一の試薬がpH5.0〜7.0になるように調製する、 6)反応時の反応液pHが7.3以上になるように試薬
    を調製する、 7)ATP及び/又はPEP(ホスホエノールピルビン
    酸)の保存時のpHをアルカリ性になるように試薬を調
    製する、 8)β−NADPの保存時のpHを酸性になるように試
    薬を調製する、 9)G6PDH(グルコース−6−リン酸脱水素酵
    素)、β−NADP、グルコースから選ばれる少なくと
    も1つを、その保存時において反応が開始しない状況の
    試薬に調製する。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の測
    定試薬を用いるトリグリセリド測定方法。
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WO2004087945A1 (ja) * 2003-03-28 2004-10-14 Denka Seiken Co., Ltd. 低密度リポ蛋白中のトリグリセリドの定量方法

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