JP2001250966A - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

Info

Publication number
JP2001250966A
JP2001250966A JP2000063073A JP2000063073A JP2001250966A JP 2001250966 A JP2001250966 A JP 2001250966A JP 2000063073 A JP2000063073 A JP 2000063073A JP 2000063073 A JP2000063073 A JP 2000063073A JP 2001250966 A JP2001250966 A JP 2001250966A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent
semiconductor layer
solar cell
optical semiconductor
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000063073A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Torigoe
誠之 鳥越
Shigeru Yagi
茂 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2000063073A priority Critical patent/JP2001250966A/ja
Publication of JP2001250966A publication Critical patent/JP2001250966A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/544Solar cells from Group III-V materials

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電極間に電気的なリークが発生せず、有害で
不要な紫外光を有効利用して安定に発電を行うことがで
き、また、表示素子に重ねて使用することにより表示機
能を使用中でも発電ができ、太陽電池の存在を意識させ
ない本質的に透明で高効率の太陽電池の提供。 【解決手段】 少なくとも、透明導電性基板20上に、
可視光に透明な光半導体層21、透明誘電体層22、及
び透明導電性電極23をこの順に有し、該光半導体層が
周期律表におけるIIIA族元素から選択される1以上の
元素と、VA族元素から選択される1以上の元素とを含
むことを特徴とする太陽電池である。光半導体層と透明
誘電体層との界面、及び透明誘電体層と透明導電性電極
との界面の少なくとも一方に、金属薄膜層を有する態様
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電性基板上
に新規な光半導体層を設けた透明な太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境へのCO2の影響に見ら
れるようにクリーンなエネルギーが求められている。中
でも太陽電池は無尽蔵とも言える太陽のエネルギーを利
用できる最も期待されるエネルギー源である。これまで
に結晶・非晶質シリコン系太陽電池やGaAsやInP
等のIII-V族化合物半導体による高効率太陽電池等が実
用化されている。エネルギー全体のクリーン化に寄与す
るためには、できるだけ使用電力を太陽電池に置き換え
ることが必要である。今後の太陽電池の広範な実用化に
は素子自体の高効率化と共に、使用できる場所を広げる
ことも重要である。このような観点から見ると、太陽電
池の適用領域として家庭用の電力等の比較的大電力の発
電と共に注目されるのが、携帯電子機器や携帯用パーソ
ナルコンピューター等の戸外で使用する機器の駆動電力
を太陽電池で供給することである。
【0003】しかしながら、これらの機器は構成として
は現在表示部とインプット部分が大部分を占め、これら
の機器に太陽電池を設置するスペースが無く、またデザ
イン的な点からも太陽電池には着色がある等からこれら
の機器には適用困難であった。また、自動車やビルの大
きな部分を占める窓を利用することも考えられるが、現
状の太陽電池では可視光を利用するため着色不透過であ
り採光と両立できない。更に画面や窓以外の全ての部分
を太陽電池に置き換えることも考えられるが、デザイン
的な問題から現在では困難である。これらの問題は透明
な太陽電池、つまり高効率の紫外光用の太陽電池が透明
基板上に形成できれば解決できる。
【0004】従来、太陽電池の高感度化のために短波長
域での効率向上を目指して研究が行われてきた。しかし
ながら、例えば非晶質Si1-xx膜ではC組成が増加す
ると光導電特性が急速に劣化することが知られている。
このように短波長域で感度のあるワイドバンドギャップ
の光起電力材料として好適なものが無いため透明な高効
率大面積の太陽電池は存在しなかった。一方、太陽電池
を通して向こうを見えるようにしたシースルー型の太陽
電池が提案されている。これは太陽電池に穴を開けたも
のが多く、簾を通して見るようになり、ディスプレーの
ように高精細でかつ低電力で十分な明るさを得る必要が
あるものや、自動車の窓のように採光と同時に安全性が
要求されるものには適さなかった。
【0005】近年、ワイドバンドギャップの半導体材料
として窒化物系化合物半導体が注目されている。しかし
ながらGaNに代表される半導体は800〜1000℃
で結晶成長されており、また基板にはサファイアが多く
用いられており、コストと共に大きさにおいても太陽電
池への適用は困難であった。また、半導体と電極を全て
薄膜とした場合、ピンホール等の欠陥や表面粗さ等の理
由で、電極間に電気的なリークが起こり、光照射により
半導体で生じた電流を安定に取り出せないことがあっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、電極間に電気的なリークが発
生せず、有害で不要な紫外光を有効利用して安定に発電
を行うことができ、また、表示素子に重ねて使用するこ
とにより表示機能を使用中でも発電ができ、太陽電池の
存在を意識させない本質的に透明で高効率の太陽電池を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 少なくとも、透明導電性基板上に、可視光に透
明な光半導体層、透明誘電体層、及び透明導電性電極を
この順に有し、該光半導体層が周期律表におけるIIIA
族元素から選択される1以上の元素と、VA族元素から
選択される1以上の元素とを含むことを特徴とする太陽
電池である。 <2> 前記VA族元素が、窒素である前記<1>に記
載の太陽電池である。 <3> 前記IIIA族元素が、Al、Ga及びInから
なる群である前記<1>又は<2>に記載の太陽電池で
ある。 <4> 前記光半導体層が、更に水素を含む前記<1>
から<3>のいずれかに記載の太陽電池である。 <5> 前記光半導体層が、C、Si、Ge、Snから
選択される1以上の元素及び/又はBe、Mg、Ca、
Zn、Srから選択される1以上の元素を更に含む前記
<1>から<4>のいずれかに記載の太陽電池である。 <6> 光半導体層と透明誘電体層との界面、及び透明
誘電体層と透明導電性電極との界面の少なくとも一方
に、金属薄膜層を有する前記<1>から<5>のいずれ
かに記載の太陽電池である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の太陽電池は、少なくとも、透明導電性基板上
に、可視光に透明な光半導体層、透明誘電体層、及び透
明導電性電極をこの順に有し、更に必要に応じて、その
他の層等を有してなる。
【0009】[光半導体層]前記光半導体層は、周期律
表におけるIIIA族元素から選択される1以上の元素
と、VA族元素から選択される1以上の元素とを含有し
てなるIII-V族化合物半導体を含み、更に必要に応じ
て、その他の成分を含んでなる。
【0010】(III-V族化合物半導体) −IIIA族元素− IIIA族元素としては、Al、Ga及びInが好ましく
挙げられる。本発明においては、これらの元素を含む有
機金属化合物が好ましく使用されるが、具体的には、例
えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、t-ブチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリ
エチルガリウム、t-ブチルガリウム、トリメチルインジ
ウム、トリエチルインジウム、t-ブチルインジウム等の
液体や固体を気化して単独に又はキャリアガスでバブリ
ングされた混合状態のガスを使用することができる。こ
れらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。前記キャリアガスとしては、He,Ar等の希
ガス、H2,N2等の単元素ガス、メタンやエタン等の炭
化水素、CF4,C26等のハロゲン化炭素等を用いる
ことができる。
【0011】−VA族元素− VA族元素としては、窒素が特に好ましく挙げられる。
窒素原料としては、N2、NH3、NF3、N24、モノ
メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン等の気体又はこ
れらをキャリアガスでバブリングした混合ガスを使用す
ることができる。ここで使用されるキャリアガスは、先
に例示したものを使用することができる。
【0012】IIIA族元素とVA族元素との原子数比は
0.5:1.0〜1.0:0.5が好ましい。この範囲
外の場合には、IIIA族元素とVA族元素との結合にお
いて閃亜鉛鉱(Zincblende)型を取る部分が
少なくなるため欠陥が多くなり、良好な太陽電池として
機能しなくなることがある。
【0013】(その他の成分) −水素− 前記光半導体層は、水素が含まれることが好ましい。水
素濃度は50atom%以下が好ましい。層(以下、
「膜」と呼ぶことがある)中の水素濃度が50atom
%を超えると、電気的な特性が劣化すると共に硬度等の
機械的性質が低下したり、更に膜が酸化されやすくな
り、耐候性が悪くなることがある。水素濃度は、ハイド
ジェンフォワードスキャタリング(HFS)により絶対
値を測定することができる。また、シリコン、サファイ
ア等の赤外透明な基板に膜作製時に同時に成膜すること
によって、水素の含有状態を赤外吸収スペクトルによっ
て容易に測定することできる。
【0014】−p、n制御元素− 前記光半導体層には、p、n制御のための元素を含む化
合物を導入して、膜中にドープすることができる。ドー
ピング用ガスはIIIA族元素を含む有機金属化合物と混
合してもよいし別々に導入してもよい。また前記有機金
属化合物と同時に導入してもよいし、連続導入でもよ
い。
【0015】n型用の元素としては、IA族(IUPA
Cの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は1)の
Li、IB族(IUPACの1989年無機化学命名法改訂
版による族番号は11) のCu,Ag及びAu、IIA族
(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版による族番
号は2)のMg、IIB族(IUPACの1989年無機化学
命名法改訂版による族番号は12) のZn、IVA族(I
UPACの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は
14) のC,Si,Ge,Sn及びPb、VIA族(IU
PACの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は1
6) のS,Se及びTeを用いることができる。中でも
C,Si,Ge及びSnが電荷担体の制御性の点から好
ましい。
【0016】p型用の元素としては、IA族のLi,N
a及びK、IB族のCu,Ag及びAu、IIA族のB
e,Mg,Ca,Sr,Ba及びRa、IIB族のZn,
Cd及びHg、IVA族のC,Si,Ge,Sn及びP
b、VIA族(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版
による族番号は16)のS,Se及びTe、VIB族(I
UPACの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は
6)のCr,Mo及びW、VIII族のFe(IUPACの
1989年無機化学命名法改訂版による族番号は8)、Co
(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版による族番
号は9)、Ni(IUPACの1989年無機化学命名法改
訂版による族番号は10) 等を用いることができる。中
でもBe,Mg,Ca,Zn及びSrが電荷担体の制御
性の点から好ましい。
【0017】i型用の元素としては、p型用の元素と同
じものを低濃度で使用することができる。
【0018】また、膜中の水素が、ドーパントに結合し
不活性化しないようにする必要があり、欠陥準位をパッ
シベーションするための水素をドーパントよりもIIIA
族元素及びVA元素に選択的に結合させる観点から、n
型用の元素としては、特に、C,Si,Ge及びSnが
好ましく、p型用の元素としては、特に、Be,Mg,
Ca,Zn及びSrが好ましく、i型用の元素として
は、特に、Be,Mg,Ca,Zn及びSrが好まし
い。
【0019】ドーピングにはn型用としては、Si
4、Si26、GeH4、GeF4、SnH4を、p型用
としては、BeH2、BeCl2、BeCl4、シクロペ
ンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメ
チルストロンチウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛等
を、i型用としては、p型用の元素と同じ化合物を、ガ
ス状態で使用することができる。また、ドーピング元素
を元素のまま膜中に拡散させたり、イオンとして膜中に
取り込ませることもできる。
【0020】前記光半導体層の厚みは、目的に応じて適
宜選択することができ、特に制限されるものではない。
また、光半導体層が単層構造をとる場合と、pin構成
等の積層構造をとる場合とで異なってくる。通常、単層
構造における該光半導体層の厚みは、0.01〜5μm
であり、積層構造の場合には、積層される層の数にもよ
るが、各層の厚みは単層構造よりは薄く形成される。
【0021】(積層構造)本発明の透明太陽電池は、導
電性あるいは導電処理した透明基材上に、光半導体層を
形成することにより作製される。この時、単層構造の光
半導体層を形成することによってショットキー型の太陽
電池とすることができ、また、pnダイオード構成やp
in構成等の積層構造を形成することによって更に高効
率化を図ることができる。透明とするためには紫外線や
紫の短波長光を利用することになり、光量自体は余り多
くないため、有効に利用するために、光学ギャップの異
なる膜を積層させることもできる。
【0022】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
太陽電池の概略構成図である。この太陽電池は、透明導
電性基板20上に、光半導体層21、透明誘電体層2
2、及び透明導電性電極23がこの順に設けられてお
り、光半導体層21は単層構造を成している。図2は、
本発明の第2の実施の形態に係る太陽電池の概略構成図
である。この太陽電池も、透明導電性基板20上に、光
半導体層21、透明誘電体層22、及び透明導電性電極
23がこの順に設けられているが、光半導体層21は積
層構造を成している。即ち、光半導体層21は、透明導
電性基板20側からn型光半導体層26、i型光半導体
層25、p型光半導体層24の順に積層された構造を成
している。尚、光半導体層が積層構造を成す場合に、該
光半導体層は、透明導電性基板側からp型光半導体層、
i型光半導体層、n型光半導体層の順に積層されていて
もよい。
【0023】光学ギャップの異なるAl、Ga及びIn
から選択される1以上の元素と窒素と水素とを含む光半
導体層の組成や膜厚の制御は、原料ガスとキャリアガス
との濃度を変えてもよく、流量を変えてもよく、放電の
エネルギーを変えてもよい。膜厚の制御に対しては、成
膜時間を制御することが好ましい。前記光半導体層は、
Al、Ga及びInから選択される1以上の元素と窒素
と水素とを含むn型あるいはp型の光半導体からなるも
のでもよく、更に高濃度のドーピングを行った膜p+
るいはn+層を挿入してもよく、低濃度のドーピングを
行った膜p-あるいはn-層を挿入してもよい。
【0024】更に透明性や障壁の形成のために、p型、
i型、n型の各層は各々異なるAl xGayInz(x=
0〜1.0、y=0〜1.0、z=0〜1.0)で表さ
れるAl、Ga、InとNとの組成を持っていてもよ
く、p型、i型、n型それぞれの膜が複数のAlxGay
InzN:H(x=0〜1.0、y=0〜1.0、z=
0〜1.0)の組成から成っていてもよい。
【0025】(光学ギャップ等)光半導体層の光学ギャ
ップは、可視光の主な部分を透過し実質的に無色あるい
は淡色の透明にするために、2.8eV以上であること
が好ましい。膜の光学ギャップは、IIIA族元素の混合
比によって任意にかえることができる。GaN:Hを基
準にすると3.5eVより大きくする場合には、Alを
加えることによって6.5eV程度にまで大きくするこ
とができ、3.2eVより小さくする場合には、Inを
加えることによって透明のまま測定波長域を変化させる
ことができる。光学ギャップは、波長(eV)と吸収係
数(αe)の2乗のプロットより、低エネルギーの直線
部分を外挿した点から求められる。あるいは吸収係数が
10,000cm-1の波長(eV)としてもよい。吸収
係数はバックグランドを除外した吸光度を用いるか膜厚
依存性を測定して求められる。
【0026】前記光半導体層は、例えば透過電子線回折
パターンにおいて全くリング状の回折パターンがなく、
ぼんやりしたハローパターンの完全に長距離秩序の欠如
しているものから、ハローパターンの中にリング状の回
折パターンが見られるもの更にその中に輝点が見られる
もの、更に輝点のみが見られるものである。このような
層は透過電子線回折より広範囲を観測するX線回折測定
においては、ほとんど何もピークは得られないことが多
い。また、透過電子線回折パターンにおいてリング状の
回折パターンと共に輝点が多数見られるもの、更にほと
んどスポット状の輝点のみであってもX線回折測定にお
いて多結晶あるいは最も強いピーク強度が単結晶に比べ
ると弱く、かつ他に弱い他の面方位のピークが混在して
いる場合もある。また、完全に輝点であり、ほとんど一
つの面方位からなるX線回折スペクトルを示す場合もあ
る。
【0027】前記III-V族化合物半導体の結晶の大きさ
は5nmから5μmであり、X線回折や電子線回折及び
断面の電子顕微鏡写真を用いた形状測定等によって測定
できることができる。また、光導電部材の吸光度は40
0nmで0.8以下、500nmで0.5以下が、無色
透明か淡色透明のために好ましい。また、吸光係数は分
光光度計で吸収量を測定し、膜厚で除したものを自然対
数系で現したものであり、400nmの光透過量は透明
とみなせるためには50,000cm-1以下が好まし
く、30,000cm-1以下がより好ましい。これらの
値はほぼ光学ギャップとしては2.8eV以下に相当す
る。
【0028】[透明導電性基板]本発明で使用される基
板は透明であり、かつ導電性を有するものであるが、基
板を構成する基材が導電性又は半導性であれば、導電化
処理を施すことなく使用することができ、前記基材が絶
縁性であれば、絶縁性基材に導電化処理を施すことによ
って基板として使用することができる。また、本発明で
使用される基板は、結晶又は非晶質でもよい。透明導電
性基板を構成する透光性基材としては、透明な材料、例
えば、ガラス、石英、サファイア、MgO、SiC、Z
nO、TiO2、LiF、CaF2等の透明な無機材料;
フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエ
チレン、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ樹脂等
の透明な有機樹脂のフィルム又は板状体; オプティカル
ファイバー、セルフォック光学プレート等を使用するこ
とができる。前記透光性基材が絶縁性の場合には、例え
ば、ITO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウ
ム、ヨウ化銅等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオン
プレーティング、スパッタリング等の方法により成膜し
導電化処理が施され、又は、アルミニウム、ステンレス
スチール、ニッケル、クロム等の金属又は金、銀、銅等
あるいはそれらの合金を、蒸着法、スパッタ法、イオン
プレーティング法等により半透明になる程度に成膜し導
電化処理が施される。このように導電化処理を施した部
分は、透明電極として機能する。
【0029】[透明誘電体層]前記光半導体層の上に設
けられる透明誘電体層は、紫外光を透過し、光照射によ
り前記光半導体層で生じる電流が流れるよう薄く形成さ
れた金属酸化物あるいは金属窒化物等からなり、例え
ば、SiO2、Al23、Ta25、Si43等の材料
を用い、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング
等の方法により形成したものが用いられる。該透明誘電
体層の厚さは5〜1000nmである。該厚さが5nm
未満では、大面積化に伴って生じる電気的なリークを抑
えることが困難となり、一方、該厚さが1000nmを
超えると、電流が流れ難くなる。前記透明誘電体層に
は、半導電性の透明な膜を使用することもできる。
【0030】この透明誘電体層の上に設けられる透明導
電性電極には、より透明性が高く、同時に導電性の高い
ものが求められるが、そのためには、より緻密で付着力
の強い材料と作製法が必要である。例えば、蒸着温度を
高くしたり、高密度ターゲットを用いたスパッター法等
があるが、これらの方法を用いた場合、光半導体層の上
に直接透明導電性電極を設けると、ピンホール等の欠陥
や表面粗さ等の理由により、電極間に電気的なリークが
起こり易くなる。ここで、上記透明誘電体層を光半導体
層と透明導電性電極との間に設けると、電気的なリーク
の原因となる欠陥が被覆され、高透明性で低抵抗の透明
導電性電極作製法を用いても、電気的なリークを防止す
ることが可能となる。
【0031】[透明導電性電極]前記透明誘電体層の上
に設けられる透明導電性電極としては、例えば、IT
O、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ
化銅等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーテ
ィング、スパッタリング等の方法により形成したもの、
又はアルミニウム、ニッケル、クロム、金、銀、銅等の
金属あるいはそれらの合金を蒸着やスパッタリングによ
り半透明になる程度に薄く形成したものが用いられる。
本発明では、高透明性で低抵抗の透明導電性電極を作製
する観点から、蒸着温度を高くしたり、高密度ターゲッ
トを用いたスパッター法が、特に好ましく用いられる。
高密度ターゲットの具体例としては、かさ密度が90%
以上、好ましくは99%以上のInSnO2ターゲット
等が挙げられる。
【0032】[その他の層]本発明の太陽電池には、更
に、透明性と導電性を両立させるために、透明導電性電
極を積層構造としてもよい。例えば、透明誘電体層と透
明導電性電極との界面に金属薄膜層を設け、接触抵抗を
低減し、その上にITO等の金属酸化物による透明導電
性材料を積層して、耐摩耗性・耐酸化性等の耐久性を付
与しつつ、透明性と導電性を両立することができる。ま
た、光半導体層と透明誘電体層との界面に金属薄膜層を
設けることによっても、両層の接触抵抗を低減すること
が可能であり、透明導電性電極の透明性と導電性の両立
に寄与する。
【0033】−太陽電池の製造方法− 次に、本発明の太陽電池の製造方法について、図を用い
て説明する。図3には、本発明の太陽電池の製造装置の
一例の概略構成が示されている。この製造装置によれ
ば、III-V族化合物半導体を含む光半導体層を好適に作
製することができる。この太陽電池製造装置は、円筒状
の反応器1と、反応器1と上部開口を介して連続する第
1及び第2の原料活性化−供給部13、14と、反応器
1と下部開口を介して連続し、且つ反応器1内のガスを
排気するための排気管2と、反応器1内に配置され、且
つ基板を支持するための基板ホルダー3と、基板ホルダ
ー3の基板設置面側とは反対側に配置されたヒーター4
と、を備える。
【0034】第1及び第2の原料活性化−供給部13、
14は、それぞれ、反応器1と連通し且つ反応器1の径
方向外側に配置された円筒状の石英管5、6と、これら
石英管5、6の反応器1とは反対側と連通するガス導入
管9、10とを備える。第1の原料活性化−供給部13
は、更に石英管5と交差するように配置されたマイクロ
波導波管8と、石英管5とマイクロ波導波管8との交差
位置より反応器1側で石英管5と連続するガス導入管1
1とを備える。マイクロ波導波管8は筐体状であり、そ
の中を石英管5が貫通している。また、第2の原料活性
化−供給部14では、マイクロ波放電管8の代わりに高
周波コイル7が使用され、高周波コイル7は石英管6の
外周に巻き付けられ、図示しない高周波発振器に接続さ
れている。
【0035】そして、第1及び第2の原料活性化−供給
部13、14のガス導入管9、10、11、12は原料
ガスを供給する図示しない原料供給手段としてのボンベ
等にそれぞれ接続されている。更にガス導入管11、1
2には原料ガスを間欠的に供給するための流量調節器
(マスフローコントローラ)(図示せず)が接続されて
いる。また、マイクロ波導波管8は図示しないマグネト
ロンを用いたマイクロ波発振器に接続されており、石英
管5内で放電させる。更に、排気管2は図示しない排気
手段としてのポンプに接続されており、反応器1内を略
真空まで排気可能とする。
【0036】この装置において、窒素元素源として、例
えば、N2を用いガス導入管9から石英管5に導入す
る。マグネトロンを用いたマイクロ波発振器(図示せ
ず)に接続されたマイクロ波導波管8にマイクロ波が供
給され、石英管5内に放電を発生させる。別のガス導入
管10から、例えばH2を石英管6に導入する。高周波
発振器(図示せず)から高周波コイル7に高周波を供給
し、石英管6内に放電を発生させる。放電空間の下流側
より例えばトリメチルガリウムをガス導入管12より導
入することによって、透明導電性基板上に窒化ガリウム
光半導体を成膜することができる。
【0037】基板温度は100〜600℃程度である。
基板温度が高い場合及び/又はIIIA族元素の原料ガス
の流量が少ない場合には微結晶になりやすい。基板温度
が300℃より低い場合にはIIIA族原料ガスの流量が
少ない場合に微結晶となりやすく、基板温度が300℃
より高い場合にはIIIA族元素の原料ガスの流量が低温
条件よりも多くても微結晶となりやすい。また、例えば
2放電を行った場合には行わない場合よりも微結晶化
を進めることができる。トリメチルガリウムの代わり
に、例えば、インジウム、アルミニウムを含む有機金属
化合物を用いることもでき、また混合することもでき
る。また、これらの有機金属化合物は、ガス導入管11
から別々に導入してもよい。
【0038】また、C、Si、Ge、Snから選択され
る1以上の元素を含むガス、あるいはBe、Mg、C
a、Zn、Srから選択される1以上の元素を含むガス
を放電空間の下流側(ガス導入管11又はガス導入管1
2)から導入することによってn型、p型等の任意の伝
導型の非晶質又は微結晶若しくは結晶の光半導体層を得
ることができる。Cの場合には条件によっては有機金属
化合物の炭素を使用してもよい。
【0039】上記装置において放電エネルギーにより形
成される活性窒素あるいは活性水素を独立に制御しても
よく、NH3のような窒素原子と水素原子とを同時に含
むガスを用いてもよい。更にH2を加えてもよい。ま
た、前記有機金属化合物から活性水素が遊離生成する条
件を用いることもできる。このようにすることによっ
て、透明導電性基板上には活性化されたIIIA族元素の
原子、窒素原子が制御された状態で存在し、かつ水素原
子がメチル基やエチル基をメタンやエタン等の不活性分
子にするため低温にも拘わらず炭素が入らず、膜欠陥が
抑えられた非晶質膜又は微結晶膜若しくは結晶膜を生成
することができる。
【0040】上記装置における原料活性化−供給部の活
性化方法としては、直流放電、低周波放電、高周波放
電、マイクロ波放電、エレクトロンサイクロトロン共鳴
方式、ヘリコンプラズマ方式のいずれであってもよく、
また加熱フィラメントによるものでもよい。これらは1
種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、高周波放電の場合、誘導結合形でも、容量形でも
よい。1 つの空間において、2種以上の活性化方法を用
いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起できるよう
にする必要があり、マイクロ波導波管内(又は高周波導
波管内)と石英管内(又は反応器内) とに圧力差を設け
てもよい。またこれらの圧力を同一とする場合、異なる
原料活性化手段、例えば、マイクロ波放電と高周波放電
とを用いることによって活性種の励起エネルギーを大き
く変えることができ、これによって膜質を制御すること
ができる。本発明においては、反応性蒸着法やイオンプ
レーイング、リアクティブスパッター等、少なくとも水
素が活性化された雰囲気で成膜を行うことも可能であ
る。
【0041】本発明の太陽電池は、透明導電性電極間か
ら電流を取り出すことができる。前記構成の本発明の太
陽電池は、完全に透明であり、光学ギャップが大きいた
め、取り出せる電圧が従来の太陽電池に比較して2倍か
ら3倍大きく、結果として同じ面積でも利用できる電気
量は大きい。また耐光性、耐熱性、耐酸化性に優れてい
るため長寿命であるという利点を有する。
【0042】本発明の太陽電池は、透明なため表示素子
と直接組み合わせることにより、自己電力供給型表示素
子とすることができる。例えば、携帯電子機器や携帯用
パーソナルコンピューター等の戸外で使用する機器の駆
動電力とすることもできる。本発明の太陽電池は、表示
素子の上に重ねて使用することができ、何ら表示素子の
機能を損なうことが無いという利点を有する。表示素子
を使用している時も使用していない時も画面が光に照ら
されている時は常に充電することができる。また、光学
ギャップの小さい光半導体層を全体の透過光量の10%
以下になるようにすることによって、表示素子の画面に
色をつけることができると共に、起電流を増加させるこ
ともできる。表示素子としては液晶を用いたものや、陰
極線管、フィールドエミッションを用いたもの、またプ
ラズマを用いたもの等を使用することができる。太陽電
池により全電力を供給することもでき、また、一部をま
かなうことによって、電池の連続使用時間を延長した
り、電池の小型軽量化を達成することもできる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。 (実施例1) [太陽電池の作製]ITOをスパッター法でコーニング
7059ガラス表面上に形成した透明導電性基板を基板
ホルダー3に載せ、排気管2を介して反応器1内を真空
排気後、ヒーター4により各基板を300℃に加熱し
た。N2ガスを第1の原料活性化−供給部13のガス導
入管9より直径25mmの石英管5内に1000scc
m導入し、マイクロ波導波管8を介して2.45GHz
のマイクロ波を出力250Wにセットしチューナでマッ
チングを取り、放電を行った。この時の反射波は0Wで
あった。一方、H2ガスを第2の原料活性化−供給部1
4のガス導入管10より直径30mmの石英管6内に1
000sccm導入し、13.56MHzの高周波放電
を行った。高周波電力の出力は100Wであり、反射波
は0Wであった。この状態で第1の原料活性化−供給部
13のガス導入管11より0℃で保持されたトリメチル
ガリウム(TMGa)の蒸気を水素をキャリアガスとし
て用い、バブリングしながらマスフローコントローラー
を通して1sccm導入した。トリメチルガリウム(T
MGa)は、10秒間導入後、供給を10秒間停止する
サイクルを繰り返した。更に水素をキャリアガスとした
シクロペンタジエニルマグネシウムを1sccm導入し
た。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力は6
5.5Paであった。成膜を60分行い、0.2μmの
i型のGaN:H(Mg)膜を作製した。以上により、
III-V族化合物半導体を含む光半導体層を形成した。
【0044】上記光半導体層上に、Ta25膜を100
Åの厚さに基板温度100℃で、スパッター法で作製
し、更にこの上に、ITO膜をカサ密度99%以上の高
密度InSnO2ターゲットを用いてスパッター法で作
製し、透明誘電体層及び透明導電性電極をこの順に設け
た。以上により、太陽電池を作製した。
【0045】<評価>このGaN膜と同条件で作製した
膜の組成をRBS(ラザフォード・バックースキャタリ
ング)により測定したところ、Ga/N比は0.9でほ
ぼ化学量論化となっていた。また、HFS測定による水
素は5atom%以下であった。電子線回折スペクトル
ではスポットパターンであり、X線回折スペクトルでは
(0002)ピークが主であった。光学ギャップは3.
5eVであり、400nmでの光吸収係数は5000c
-1であり、完全に透明であった。He−Cdレーザの
325nmの紫外光を照射したところ、0Vで光電流
(Isc)は3mA/cm2流れた。また、10個のセ
ルのうちショートしたものはなく、高透明性で低抵抗の
透明導電性電極を作製しても、電極間に電気的なリーク
が発生しなかった。この太陽電池をTFT液晶表示素子
に重ねたところ全く視認性には影響なかった。また着色
した板に重ねることによって自由に着色した太陽電池と
することができた。
【0046】(実施例2) [太陽電池の作製]ITOをスパッター法でコーニング
7059ガラス表面上に形成した透明導電性基板を基板
ホルダー3に載せ、排気管2を介して反応器1内を真空
排気後、ヒーター4により各基板を300℃に加熱し
た。N2ガスを第1の原料活性化−供給部13のガス導
入管9より直径25mmの石英管5内に1000scc
m導入し、マイクロ波導波管8を介して2.45GHz
のマイクロ波を出力250Wにセットしチューナでマッ
チングを取り、放電を行った。この時の反射波は0Wで
あった。一方、H2ガスを第2の原料活性化−供給部1
4のガス導入管10より直径30mmの石英管6内に1
000sccm導入し、13.56MHzの高周波放電
を行った。高周波電力の出力は100Wであり、反射波
は0Wであった。この状態で第1の原料活性化−供給部
13のガス導入管11より0℃で保持されたトリメチル
ガリウム(TMGa)の蒸気を水素をキャリアガスとし
て用い、バブリングしながらマスフローコントローラー
を通して1sccm導入した。トリメチルガリウム(T
MGa)は、5秒間導入後、供給を5秒間停止するサイ
クルを繰り返した。更に水素をキャリアガスとしたシラ
ンを2sccm導入した。ガス中の濃度は500ppm
であった。この時バラトロン真空計で測定した反応圧力
は65.5Paであった。成膜を30分行い、0.1μ
mのn型のGaN:H(Si)膜を作製した。この上に
更にトリメチルガリウム(TMGa)と水素をキャリア
ガスとしたシクロペンタジエニルマグネシウムとを1s
ccm導入し、0.1μmのi型のGaN:H(Mg)
膜を作製した。以上により、III-V族化合物半導体を含
む光半導体層を積層した。
【0047】上記光半導体層上に、実施例1と同様の方
法により、透明誘電体層及び透明導電性電極をこの順に
設けた。以上により、太陽電池を作製した。
【0048】<評価>このGaN膜と同時に作製した膜
のHFS測定による水素は5atom%以下であった。
電子線回折ではスポットパターンであり、X線回折スペ
クトルでは(0002)ピークが主であった。光学ギャ
ップは3.5eVであった。400nmでの光吸収係数
は4500cm-1であり、完全に透明であった。He−
Cdレーザの325nmの紫外光を照射したところ、0
Vで光電流(Isc)は8mA/cm2流れた。また、
10個のセルのうちショートしたものはなく、高透明性
で低抵抗の透明導電性電極を作製しても、電極間に電気
的なリークが発生しなかった。この太陽電池をTFT液
晶表示素子に重ねたところ全く視認性には影響なかっ
た。また着色した板に重ねることによって、自由に着色
した太陽電池とすることができた。
【0049】(実施例3) [太陽電池の作製]ITOをスパッター法でコーニング
7059ガラス表面上に形成した透明導電性基板を基板
ホルダー3に載せ、排気管2を介して反応器1内を真空
排気後、ヒーター4により各基板を300℃に加熱し
た。N2ガスを第1の原料活性化−供給部13のガス導
入管9より直径25mmの石英管5内に1000scc
m導入し、マイクロ波導波管8を介して2.45GHz
のマイクロ波を出力250Wにセットしチューナでマッ
チングを取り、放電を行った。この時の反射波は0Wで
あった。一方、H2ガスを第2の原料活性化−供給部1
4のガス導入管10より直径30mmの石英管6内に1
000sccm導入し、13.56MHzの高周波放電
を行った。高周波電力の出力は100Wであり、反射波
は0Wであった。この状態で第1の原料活性化−供給部
13のガス導入管11より0℃で保持されたトリメチル
ガリウム(TMGa)の蒸気を水素をキャリアガスとし
て用いバブリングしながらマスフローコントローラーを
通して1sccm導入した。トリメチルガリウム(TM
Ga)は、7秒間導入後、供給を7秒間停止するサイク
ルを繰り返した。更に水素をキャリアガスとしたシラン
を2sccm導入した。成膜を60分行い、0.1μm
のn型のGaN:H(Si)膜を作製した。更に水素を
キャリアガスとしたシクロペンタジエニルマグネシウム
を1sccm導入し、0.05μmのi型のGaN:H
(Mg)膜を作製した。更に水素をキャリアガスとした
シクロペンタジエニルマグネシウムを4sccm導入
し、0.1μmのp型のGaN:H(Mg)膜を作製し
た。以上により、III-V族化合物半導体を含む光半導体
層を積層した。
【0050】上記光半導体層上に、SiNx膜を100
Åの厚さに基板温度100℃で、スパッター法で作製
し、更にこの上に、ITO膜をカサ密度99%以上の高
密度InSnO2ターゲットを用いてスパッター法で作
製し、透明誘電体層及び透明導電性電極をこの順に設け
た。以上により、太陽電池を作製した。
【0051】<評価>積層での光学ギャップは3.5e
Vであった。400nmでの光吸収係数は5200cm
-1であり、完全に透明であった。He−Cdレーザの3
25nmの紫外光を照射したところ、0Vで光電流(I
sc)は10mA/cm2流れた。また、10個のセル
のうちショートしたものはなく、高透明性で低抵抗の透
明導電性電極を作製しても、電極間に電気的なリークが
発生しなかった。この太陽電池をTFT液晶表示素子に
重ねたところ全く視認性には影響なかった。また、着色
した板に重ねることによって自由に着色した太陽電池と
することができた。
【0052】(比較例1)実施例1において、透明誘電
体層であるTa25膜を設けないこと以外は、実施例1
と同様の方法により太陽電池を作製した。この太陽電池
に、He−Cdレーザの325nmの紫外光を照射した
ところ、10個のセルのすべてがショートし、光電流は
測定できなかった。これは、高透明性で低抵抗の透明導
電性電極を、高密度InSnO2ターゲットを用いてス
パッター法により、光半導体層の上に直接設けたため、
電極間に電気的なリークが発生したと考えられる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、電極間に電気的なリー
クが発生せず、有害で不要な紫外光を有効利用して安定
に発電を行うことができ、また、表示素子に重ねて使用
することにより表示機能を使用中でも発電ができ、太陽
電池の存在を意識させない本質的に透明で高効率の太陽
電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る太陽電池を
示す概略構成図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係る太陽電池を
示す概略構成図である。
【図3】 本発明の太陽電池の製造装置の一例を示す概
略構成図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 排気管 3 基板ホルダー 4 ヒーター 5,6 石英管 7 高周波コイル 8 マイクロ波導波管 9〜12 ガス導入管 13 第1の原料活性化−供給部 14 第2の原料活性化−供給部 20 透明導電性基板 21 光半導体層 22 透明誘電体層 23 透明導電性電極 24 p型光半導体層 25 i型光半導体層 26 n型光半導体層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、透明導電性基板上に、可視
    光に透明な光半導体層、透明誘電体層、及び透明導電性
    電極をこの順に有し、該光半導体層が周期律表における
    IIIA族元素から選択される1以上の元素と、VA族元
    素から選択される1以上の元素とを含むことを特徴とす
    る太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記VA族元素が、窒素である請求項1
    に記載の太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記IIIA族元素が、Al、Ga及びI
    nからなる群である請求項1又は2に記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記光半導体層が、更に水素を含む請求
    項1から3のいずれかに記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記光半導体層が、C、Si、Ge、S
    nから選択される1以上の元素及び/又はBe、Mg、
    Ca、Zn、Srから選択される1以上の元素を更に含
    む請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池。
  6. 【請求項6】 光半導体層と透明誘電体層との界面、及
    び透明誘電体層と透明導電性電極との界面の少なくとも
    一方に、金属薄膜層を有する請求項1から5のいずれか
    に記載の太陽電池。
JP2000063073A 2000-03-08 2000-03-08 太陽電池 Pending JP2001250966A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000063073A JP2001250966A (ja) 2000-03-08 2000-03-08 太陽電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000063073A JP2001250966A (ja) 2000-03-08 2000-03-08 太陽電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001250966A true JP2001250966A (ja) 2001-09-14

Family

ID=18582993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000063073A Pending JP2001250966A (ja) 2000-03-08 2000-03-08 太陽電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001250966A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009140097A2 (en) * 2008-05-10 2009-11-19 Solfocus, Inc. Solar cell with current blocking layer
WO2011041267A2 (en) * 2009-09-29 2011-04-07 Applied Materials, Inc. Laser system for processing solar wafers in a carrier
US8258426B2 (en) 2008-08-26 2012-09-04 Applied Materials, Inc. Laser material removal methods and apparatus

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009140097A2 (en) * 2008-05-10 2009-11-19 Solfocus, Inc. Solar cell with current blocking layer
WO2009140097A3 (en) * 2008-05-10 2010-02-25 Solfocus, Inc. Solar cell with current blocking layer
US8258426B2 (en) 2008-08-26 2012-09-04 Applied Materials, Inc. Laser material removal methods and apparatus
US8569650B2 (en) 2008-08-26 2013-10-29 Applied Materials, Inc. Laser material removal methods and apparatus
WO2011041267A2 (en) * 2009-09-29 2011-04-07 Applied Materials, Inc. Laser system for processing solar wafers in a carrier
WO2011041267A3 (en) * 2009-09-29 2011-08-04 Applied Materials, Inc. Laser system for processing solar wafers in a carrier
US8173473B2 (en) 2009-09-29 2012-05-08 Applied Materials, Inc. Laser system for processing solar wafers in a carrier

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Park et al. Transparent and photo‐stable ZnO thin‐film transistors to drive an active matrix organic‐light‐emitting‐diode display panel
JP4214585B2 (ja) 半導体デバイス、半導体デバイスの製造方法及び製造装置
US6713785B2 (en) Thin film transistor and display device having the same
US6297442B1 (en) Solar cell, self-power-supply display device using same, and process for producing solar cell
JP2994812B2 (ja) 太陽電池
Coutancier et al. ALD of ZnO: Ti: growth mechanism and application as an efficient transparent conductive oxide in silicon nanowire solar cells
JP4126812B2 (ja) 光半導体素子
JP2001250966A (ja) 太陽電池
JP2001133814A (ja) 自己電力供給型調光素子
JP3695049B2 (ja) 微結晶化合物光半導体の製造方法
JPH11195808A (ja) 光半導体素子およびその製造方法
US20110088766A1 (en) Thin-Film Photovoltaic Device and Method for Manufacturing the Same
JP2003249666A (ja) 太陽電池及びそれを用いた表示パネル、窓材
JP4106849B2 (ja) 太陽電池
JP2722115B2 (ja) マイクロ波プラズマcvd法により大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法及び装置
JP4182648B2 (ja) 半導体紫外線受光素子およびその製造方法
JPH11214737A (ja) 半導体受光素子とその製造方法、およびそれを用いた光センサ
JP4111145B2 (ja) 光半導体素子
JP4103346B2 (ja) 半導体素子の製造方法
JPH1045404A (ja) 非晶質光半導体及びその製造方法並びに光半導体素子
JP3915817B2 (ja) 微結晶化合物光半導体、それを用いた微結晶化合物光半導体膜及び光半導体素子
JP2004111876A (ja) 光電変換素子
CN110867490B (zh) 用于半导体薄膜晶体管的保护层及其实现和应用方法
JP3838121B2 (ja) 紫外線受光素子及び紫外線光量測定装置
JP2001258184A (ja) 自己電力供給型カード型情報記録媒体、カード型情報記録媒体入出力装置、電力供給方法、及び通信方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080826

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100202