JP2003249666A - 太陽電池及びそれを用いた表示パネル、窓材 - Google Patents

太陽電池及びそれを用いた表示パネル、窓材

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JP2003249666A
JP2003249666A JP2002046833A JP2002046833A JP2003249666A JP 2003249666 A JP2003249666 A JP 2003249666A JP 2002046833 A JP2002046833 A JP 2002046833A JP 2002046833 A JP2002046833 A JP 2002046833A JP 2003249666 A JP2003249666 A JP 2003249666A
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electrode
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JP2002046833A
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Shigeru Yagi
茂 八木
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害で不要な紫外光を有効利用して発電を行
うことができ、表示素子等に重ねて使用しても太陽電池
の存在を意識させない本質的に透明で高効率の太陽電
池、及びこの太陽電池を用いた表示パネル、窓材を提供
することである。 【解決手段】 透明導電層が形成された透明な基板表面
に、少なくともIIIA族元素から選択される1以上の元
素とVA族元素から選択される1以上の元素とを含む光
半導体層、IIIA族元素から選択される1以上の元素と
VA族元素から選択される1以上の元素とIVA族元素か
ら選択される1以上の元素とを含む光半導体層、及び電
極をこの順に有してなることを特徴とする太陽電池であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明な太陽電池、
及びそれを用いた表示パネル、窓材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境に対するCO2の影響が
大きな問題となっており、CO2を増加させないような
クリーンなエネルギーが求められている。中でも太陽電
池は、無尽蔵とも言える太陽のエネルギーを利用でき
る、最も期待されるエネルギー源である。この太陽電池
に関しては、これまでに結晶・非晶質シリコン系太陽電
池や、GaAsやInPなどのIII−V族化合物半導体
による高効率太陽電池等が実用化されているが、太陽電
池がエネルギー全体のクリーン化に寄与するためには、
できるだけ現在の使用電力が太陽電池に置き換えられる
ことが必要である。このため、今後の太陽電池の広範な
実用化には素子自体の高効率化とともに、使用できる場
所を広げることも重要である。
【0003】このような観点から見ると、太陽電池の適
用領域として、家庭用の電力等の比較的大電力の発電と
ともに注目されるのが、携帯電子機器や携帯用パーソナ
ルコンピューターなどの戸外で使用する機器の駆動電力
を太陽電池で供給することである。しかしながら、これ
らの機器は、現在表示部とインプット部分がその構成の
大部分を占め,これらの機器に太陽電池を設置するスペ
ースがなく、また、デザイン的な点からも、太陽電池に
着色があるなどの理由から、これらの機器には適用困難
であった。
【0004】また、自動車やビルの大きな部分を占める
窓を利用することも考えられるが、現状の太陽電池で
は、可視光を利用するため有色であり可視光が不透過で
あるため、採光と両立できない。さらに、前記携帯機器
の画面や窓以外の全ての部分を太陽電池に置き換えるこ
とも考えられるが、デザイン的な問題から現在では困難
である。
【0005】これらの問題は、太陽電池が透明であれば
解決されるものである。すなわち、現在の太陽電池は、
可視光を利用するため有色であるが、この可視光を透過
し、紫外光に対して高効率の太陽電池が透明基板表面に
形成できれば、前記種々の部分に太陽電池が使用できる
こととなる。
【0006】上記に関連して、従来、太陽電池の高効率
化のために短波長域での効率向上を目指して研究が行わ
れてきた。しかしながら、例えば非晶質Si1-xx膜で
は、C組成が増加すると光導電特性が急速に劣化してし
まうなど、短波長域で感度のあるワイドな光学ギャップ
を有する光起電力材料として好適なものがないため、透
明な高効率大面積の太陽電池は存在しなかった。
【0007】一方、太陽電池を通して向こう側が見える
ようにしたシースルー型の太陽電池が提案されている。
これは、太陽電池に穴を開けたものなどが多く、簾を通
して向こう側を見るようになり、ディスプレーのように
高精細かつ低電力で、十分な明るさを得る必要があるも
のや、自動車の窓のように採光と同時に安全性が要求さ
れるものには適さなかった。
【0008】近年、ワイドな光学ギャップを有する半導
体材料として、窒化物系化合物半導体(以下、単に「窒
化物半導体」という場合がある。)が注目されている。
しかしながら、GaNに代表される窒化物半導体は、8
00〜1000℃で結晶成長されており、また基板には
サファイアが多く用いられており、コストと共に大きさ
においても太陽電池への適用は困難であった。
【0009】また、特開2000−208800号公報
には、透明導電性基板上に、可視光に透明な光半導体
層、透明導電性電極を積層した太陽電池が提案されてい
るが、このような太陽電池を用いた場合でも透明性が十
分でなく、透明性を高めるために電極を細線で形成した
場合には、光半導体層表面の電荷を十分に集めることが
できず、効率の低い太陽電池となってしまう場合があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。すなわち、本発明の目的は、有害で不要な紫外
光を有効利用して発電を行うことができ、表示素子等に
重ねて使用しても太陽電池の存在を意識させない本質的
に透明で高効率の太陽電池、及びこの太陽電池を用いた
表示パネル、窓材を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明により達成される。すなわち本発明は、 <1> 透明導電層が形成された透明な基板表面に、少
なくともIIIA族元素から選択される1以上の元素とV
A族元素から選択される1以上の元素とを含む半導体
層、IIIA族元素から選択される1以上の元素とVA族
元素から選択される1以上の元素とIVA族元素から選択
される1以上の元素とを含む半導体層、及び電極をこの
順に有してなることを特徴とする太陽電池である。
【0012】<2> 前記電極が、細線で形成されるこ
とを特徴とする<1>に記載の太陽電池である。
【0013】<3> 前記電極が金属であることを特徴
とする<1>または<2>に記載の太陽電池である。
【0014】<4> 前記電極が金属酸化物であること
を特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の太陽電
池である。
【0015】<5> <1>〜<4>のいずれかに記載
の太陽電池を、表面、及び/または、内部に設けたこと
を特徴とする表示パネルである。
【0016】<6> <1>〜<4>のいずれかに記載
の太陽電池を、表面、及び/または、内部に設けたこと
を特徴とする窓材である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 <太陽電池>図1は本発明の太陽電池の構成を示したも
のである。本発明の太陽電池は、透明導電層21を形成
した透明な基板20の表面に、少なくともIIIA族元素
から選択される1以上の元素とVA族元素から選択され
る1以上の元素とを含む半導体層22、IIIA族元素か
ら選択される1以上の元素とVA族元素から選択される
1以上の元素とIVA族元素から選択される1以上の元素
とを含む半導体層23、及び電極24をこの順に有して
なる。
【0018】−基板− 本発明で使用する基板20としては、導電性でも絶縁性
でもよく、結晶あるいは非晶質でもよい。但し、前記の
ように、本発明の太陽電池は透明である必要があるた
め、基板20は、少なくとも可視光領域で透明な基板で
ある必要がある。ここで、基板20が透明であるとは、
400nm以上800nm以下における光透過率が、5
0%以上であることをいう。また、基板20は着色基板
でもよい。
【0019】前記基板20としては、ガラス、石英、サ
ファイア、MgO、SiC、ZnO、LiF、CaF2
等の透明な無機材料;また、フッ素樹脂、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、エポキシ等の透明な有機樹脂のフィルム
または板状体;さらにまた、オプチカルファイバー、セ
ルフォック光学プレート等;を挙げることができる。
【0020】−透明導電層― 上記基板20は一般に絶縁性であるため、基板20の表
面に透明導電層21が設けられる。該透明導電層21に
ついても、前記と同様の理由から、可視光領域で吸収の
ない透明な導電層である必要がある。
【0021】上記基板20の表面に形成される透明導電
層21としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化
亜鉛、酸化スズ、酸化鉛、酸化インジウム、酸化ガリウ
ムスズ、ヨウ化銅等の透明導電性材料を用い、蒸着、イ
オンプレーティング、スパッタリング等の方法により形
成したもの、あるいはAl、Ni、Au、Ag、Pt、
Pd等の金属を蒸着やスパッタリングにより半透明にな
る程度に薄く形成したものが用いられる。前記透明導電
層21は、受光面全体にあっても、ストライプ状であっ
てもよい。
【0022】なお、上記のようにして基板20の表面に
形成された導電層が、本発明における透明導電層21と
して用いられるためには、当該透明導電層21の400
nm以上800nm以下における光透過率が、60%以
上であることが必要である。このため、透明導電層21
の層厚としては0.05〜10μmの範囲であることが
好ましい。
【0023】−半導体層− 本発明の太陽電池においては、透明導電層21を形成し
た基板20の表面に、少なくともIIIA族元素から選択
される1以上の元素とVA族元素から選択される1以上
の元素とを含む半導体層22、IIIA族元素から選択さ
れる1以上の元素とVA族元素から選択される1以上の
元素とIVA族元素から選択される1以上の元素とを含む
半導体層23が、この順に重ねて形成される。
【0024】したがって、前記半導体層は少なくとも二
つの層に分かれており、光半導体層としての半導体層2
2の表面に半導体層23が形成される。電極24が形成
される側の前記半導体層23には、少なくともIVA元素
が含まれる。また、光起電力素子としての活性部は、二
つの半導体層の界面で形成されてもよいし、電極21あ
るいは24との間で形成されてもよい。
【0025】本発明に用いられる半導体層22は、III
A族元素(IUPACの1989年無機化学命名法改訂
版による族番号は13)から選択される1以上の元素と
VA族元素(IUPACの1989年無機化学命名法改
訂版による族番号は15)から選択される1以上の元素
とを含有し、必要に応じてその他の成分を含有する。ま
た、半導体層23には、上記元素に加えて、IVA族元素
(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版による
族番号は14)から選択される1以上の元素が含まれ
る。
【0026】前記IIIA族元素としては、具体的には
B、Al、Ga、In、Tlが挙げられるが、これらの
中ではAl、Ga、Inが好ましい。また、前記VA族
元素としては、N、P、As、Sb、Biが挙げられる
が、窒素(N)であることが特に好ましい。前記IVA族
元素としては、C、Si、Ge、Sn、Pbが挙げられ
るが、これらの中では、Si、Geが好ましい。
【0027】前記半導体層22、23において、IIIA
族元素の原子数mと、VA族元素の原子数nとの関係と
しては、下記式(1)を満たすことが望ましい。 0.5/1.0≦m/n≦1.0/0.5 式(1) 上記m/nが、この範囲を外れると、IIIA族元素と窒
素との結合において四面体型結合を取る部分が少なくな
るため、欠陥が多くなり、良好な半導体として機能しな
くなる場合がある。
【0028】また、前記半導体層23に含まれる、IVA
族元素の原子数は、IIIA族元素の原子数とVA族元素
の原子数とを併せた数に対し、100ppm〜30%の
範囲であることが好ましい。
【0029】前記半導体層22、23の光学ギャップ
は、IIIA族元素の混合比によって任意に変えることが
できる。GaN:Hを基準にすると3.2〜3.5eV
より大きくする場合には、Alを加えることによって3
00nmから330nmより短波長のみの吸収が可能な
バンドギャップ程度から、250nm以下の吸収のみ可
能なバンドギャップ(6.0〜6.5eV程度)まで、
変化させることができる。また、AlとInを加えるこ
とによってもバンドギヤップを調整することができる。
【0030】前記半導体層22、23中の各元素組成
は、X線光電子分光(XPS)、エレクトロンマイクロ
プローブ、ラザフォードバックスキャタリング(RB
S)、二次イオン質量分析計等の方法で測定することが
できる。
【0031】前記光半導体層22、23は、水素濃度
0.1atom%以上50atom%以下の水素を含む
ことが好ましい。また、一配位のハロゲン元素が含まれ
ていてもよい。前記半導体層22、23に含まれる水素
が0.1atom%未満では、結晶粒界での結合欠陥、
あるいは非晶質相内部での結合欠陥や未結合手を、水素
との結合によってなくし、バンド内に形成する欠陥準位
を不活性化するのに不十分であり、結合欠陥や構造欠陥
が増大し、暗抵抗が低下し光感度がなくなるため実用的
な光導電体として機能することができない。
【0032】これに対し、前記半導体層22、23中の
水素が50atom%を超えると、水素がIIIA族元素
及び窒素に2つ以上結合する確率が増え、これらの元素
が3次元構造を保たず、2次元および鎖状のネットワー
クを形成するようになり、特に結晶粒界でボイドを多量
に発生するため、結果としてバンド内に新たな準位を形
成し、電気的な特性が劣化すると共に、硬度などの機械
的性質が低下する。さらに半導体層22が酸化されやす
くなり、耐候性が悪くなる結果として、半導体層22中
に不純物欠陥が多量に発生することとになり、良好な光
電気特性が得られなくなる。
【0033】また、前記半導体層22、23中の水素が
50atom%を超えると、電気的特性を制御するため
にドープするドーパントを水素が不活性化するようにな
るため、結果として電気的に活性な非晶質あるいは微結
晶からなる半導体層が得られない。
【0034】水素量についてはハイドロジェンフォワー
ドスキャタリング(HFS)により絶対値を測定するこ
とができる。また加熱による水素放出量の測定あるいは
IRスペクトルの測定によっても推定することができ
る。また、これらの水素結合状態は、シリコン、サファ
イア等の赤外で透明な基板表面に、半導体層作製時に同
時に製膜することにより、赤外吸収スペクトルによって
容易に測定することできる。
【0035】前記半導体層22、23は、単結晶でも非
単結晶でもよい。さらに当該半導体層22は、非晶質相
であっても微結晶相からなっていても、また微結晶相と
非晶質相の混合状態であってもよく、単結晶状の膜であ
ってもよい。結晶系は立方晶系あるいは6方晶系のいず
れか一つであっても、複数の結晶系が混合された状態で
もよい。
【0036】微結晶の大きさは5nmから5μmであ
り、X線回折や電子線回折および断面の電子顕微鏡写真
を用いた形状測定などによって測定することができる。
また柱状成長したものでもよいし、X線回折スペクトル
で単一ピークであり、結晶面方位が高度に配向した膜で
もよいし、また単結晶でもよい。
【0037】ここで使用できる水素を含む半導体層は、
例えば透過電子線回折パターンにおいて、全くリング状
の回折パターンがなくぼんやりしたハローパターンの完
全に長距離秩序の欠如しているものから、ハローパター
ンの中にリング状の回折パターンが見られるもの、さら
にその中に輝点が見られるものである。このような層
は、透過電子線回折より広範囲を観測するX線回折測定
においてはほとんどなにもピークは得られないことが多
い。また、透過電子線回折パターンにおいてリング状の
回折パターンとともに輝点が多数見られるもの、さらに
ほとんどスポット状の輝点のみであっても、X線回折測
定において多結晶あるいはもっとも強いピーク強度が単
結晶に比べると弱く、かつ他に弱い他の面方位のピーク
が混在している場合もある。また、ほとんど一つの面方
位からなるX線回折スペクトルを示す場合もある。さら
に、赤外吸収スペクトルでは水素との結合ピークが存在
するとともに、IIIA族原子と窒素原子の結合の振動吸
収ピークの半値幅が、非晶質構造が主体の場合には15
0cm-1以上であり、微結晶性の場合には100cm -1
以下である。なお、ここでいう半値幅とは、IIIA族原
子と窒素原子との結合を主体とする吸収域での複数のピ
ークからなる吸収帯の最高強度からバックグランドを除
いた強度を1/2とした位置での幅である。
【0038】前記半導体層22、23は、次のように製
造することができる。しかし、製造方法はこれに限定さ
れるものではない。なお、以下の製造方法においては、
IIIA族元素として、Al、Ga、Inから選ばれる少
なくとも一つ以上の元素を用い、VA族元素として、窒
素を用いた例で説明する。
【0039】図4は、本発明における半導体層22の形
成装置の概略構成図であり、プラズマを活性化手段とす
るものである。図4中、1は排気して真空にしうる容
器、2は排気口、3は基板ホルダー、4は基板加熱用の
ヒーター、5及び6は容器1に接続された石英管であ
り、それぞれガス導入管9、10に連通している。ま
た、石英管5にはガス導入管11が接続され、石英管6
にはガス導入管12が接続されている。
【0040】この装置においては、窒素源として、例え
ばN2ガスを用い、ガス導入管9から石英管5に導入す
る。次に、例えば、マグネトロンを用いたマイクロ波発
振器(図示せず)に接続されたマイクロ波導波管8に
2.45GHzのマイクロ波が供給され、石英管5内を
放電させる。一方、別のガス導入管10から、例えばH
2ガスを石英管6に導入する。次いで、高周波発振器
(図示せず)から高周波コイル7に13.56MHzの
高周波を供給し、石英管6内を放電させる。さらに、放
電空間の下流側に配されたガス導入管12より、例えば
トリメチルガリウムを導入することによって、基板ホル
ダー3にセットされた基板表面に、非晶質あるいは微結
晶の非単結晶窒化ガリウム半導体を成膜することができ
る。
【0041】非晶質、微結晶、高度に配向した柱状成長
した多結晶、及び単結晶のいずれになるかは、基板の種
類、基板温度、ガスの流量圧力、放電条件に依存する。
基板温度は100℃〜600℃であることが好ましい。
基板温度が高い場合、及び/または、IIIA族元素の原
料ガスの流量が少ない場合には、微結晶あるいは単結晶
になりやすい。例えば、基板温度が300℃より低くく
てもIIIA族元素の原料ガスの流量が少ない場合には、
結晶性となりやすく、基板温度が300℃より高いと、
低温条件よりもIIIA族元素の原料ガスの流量が多い場
合でも結晶性となりやすい。また、例えばH2放電を行
った場合には、行わない場合よりも結晶化を進めること
ができる。前記トリメチルガリウムの代わりにインジウ
ム、アルミニウムを含む有機金属化合物を用いることも
できるし、またこれらを混合することもできる。また、
これらの有機金属化合物は、ガス導入管11から別々に
導入してもよい。
【0042】前記半導体層22、23における、前記II
IA族元素の原料としては、Al、Ga、Inのなかか
ら選ばれる一つ以上の元素を含む有機金属化合物を用い
ることができる。これらの有機金属化合物としてはトリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ターシ
ャリーブチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリ
エチルガリウム、ターシャリーブチルガリウム、トリメ
チルインジウム、トリエチルインジウム、ターシャリー
ブチルインジウムなどの液体や固体を、気化して単独に
あるいはキャリアガスでバブリングすることによって混
合状態で使用することができる。キャリアガスとして
は、He、Ar等の希ガス、H2、N2等の単元素ガス、
メタン、エタンなどの炭化水素、CF4、C26などの
ハロゲン化炭素等を用いることができる。
【0043】窒素原料としては、N2、NH3、NF3
24、メチルヒドラジンなどの気体、液体を気化ある
いはキャリアガスでバブリングすることによって使用す
ることができる。
【0044】また、前記半導体層22、23では、p、
n制御のために元素を膜中にドープすることができる。
ドープし得るn型用の元素としては、IA族(IUPA
Cの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は
1)のLi;IB族(IUPACの1989年無機化学
命名法改訂版による族番号は11)のCu、Ag、A
u;IIA族(IUPACの1989年無機化学命名法改
訂版による族番号は2)のMg;IIB族(IUPACの
1989年無機化学命名法改訂版による族番号は12)
のZn;IVA族(IUPACの1989年無機化学命名
法改訂版による族番号は14)のSi、Ge、Sn、P
b;VIA族(IUPACの1989年無機化学命名法改
訂版による族番号は16)のS、Se、Te;を挙げる
ことができる。
【0045】ドープし得るp型用の元素としては、IA
族のLi、Na、K;IB族のCu、Ag、Au;IIA
族のBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra;IIB族のZ
n、Cd、Hg;IVA族のC、Si、Ge、Sn、P
b;VIA族(IUPACの1989年無機化学命名法改
訂版による族番号は16)のS、Se、Te;VIB族
(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版による
族番号は6)のCr、Mo、W;VIII族のFe(IUP
ACの1989年無機化学命名法改訂版による族番号は
8)、Co(IUPACの1989年無機化学命名法改
訂版による族番号は9)、Ni(IUPACの1989
年無機化学命名法改訂版による族番号は10);などを
挙げることができる。
【0046】ドーピングするに際しては、n型用として
はSiH4、Si26、GeH4、GeF4、SnH4
を、i型化及びp型用としてはBeH2、BeCl2、B
eCl 4、シクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチ
ルカルシウム、ジメチルストロンチウム、ジメチル亜
鉛、ジエチル亜鉛等を、ガス状態で使用できる。またこ
れらの元素を膜中にドーピングするには、熱拡散法、イ
オン注入法等の公知の方法を採用することができる。
【0047】具体的には、例えばC、Si、Ge、Sn
から選ばれた少なくとも一つ以上の元素を含むガス、あ
るいはBe、Mg、Ca、Zn、Srから選ばれた少な
くとも一つ以上の元素を含むガスを、放電空間の下流側
(ガス導入管11またはガス導入管12)から導入する
ことによってn型、p型等任意の伝導型の非晶質、微結
晶の窒化物半導体を得ることができる。前記元素のうち
Cの場合には、条件によっては有機金属化合物の炭素を
使用してもよい。
【0048】上述のような装置においては、放電エネル
ギーにより形成される活性窒素あるいは活性水素を独立
に制御してもよいし、NH3ガスのような窒素原子と水
素原子を同時に含むガスを用いてもよい。さらに、水素
ガスを加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水
素が遊離生成する条件を用いることもできる。このよう
にすることによって、基板表面には、活性化されたIII
A族原子、窒素原子が、制御された状態で存在し、かつ
水素原子が、メチル基やエチル基をメタンやエタン等の
不活性分子にするため、低温にも拘わらず、炭素がほと
んど入らないか、全く入らない、膜欠陥が抑えられた非
晶質あるいは結晶性の膜を形成することができる。
【0049】上述の装置において、活性化手段として
は、高周波放電、マイクロ波放電の他、エレクトロンサ
イクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式であって
もよいし、これらを一つ用いてもよいし、二つ以上を用
いてもよい。また、図4においては高周波放電とマイク
ロ波放電とを用いたが、二つともマイクロ波放電、ある
いは高周波放電であってもよい。さらに、二つともエレ
クトロンサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方
式であってもよい。高周波放電により放電する場合、高
周波発振器としては、誘導型であっても容量型であって
もよい。このときの周波数としては、50kHzから1
00MHzが好ましい。
【0050】異なる活性化手段(励起手段)を用いる場
合には、同じ圧力で同時に放電が生起できるようにする
必要があり、放電領域内と成膜部(容器1内)に圧力差
を設けてもよい。また、同一圧力で行う場合、異なる活
性化手段(励起手段)、例えば、マイクロ波と高周波放
電を用いると、励起種の励起エネルギーを大きく変える
ことができ、膜質制御に有効である。また、本発明に用
いられる半導体層22、23は、反応性蒸着法やイオン
プレーイング、リアクティブスパッターなど、少なくと
も水素が活性化された雰囲気で形成することも可能であ
る。なお、半導体層22の厚さは、0.01〜10μm
の範囲であることが好ましく、半導体層23の厚さは、
0.001〜1μmの範囲であることが好ましい。
【0051】本発明の透明な太陽電池とするためには、
透明導電層を形成した透明な基板表面に前述した方法に
よって半導体層22、23をこの順に形成する。この
時、簡単には半導体層22を単層の半導体層として形成
することによってショットキー型の太陽電池とすること
もできるし、pnダイオード構成やpin構成などを作
製することによって、さらに高効率化することもでき
る。本発明の太陽電池においては、透明とすることによ
り、紫外線や紫の短波長光を利用することになり、光量
自体はあまり多くないため、このような光を有効に利用
するために、光学ギャップの異なる半導体層を積層させ
ることもできる。
【0052】上記光学ギャップの異なる、IIIA族元素
から選択される1以上の元素とVA族元素から選択され
る1以上の元素と水素とを含む半導体層22の組成や膜
厚の制御は、原料ガスとキャリアガスとの濃度を変えて
もよいし、また流量を変えてもよい。また、放電のエネ
ルギーを変えてもよい。層厚の制御に対しては成膜時間
の制御によるものが好ましい。
【0053】半導体層22は、IIIA族元素から選択さ
れる1以上の元素とVA族元素から選択される1以上の
元素と水素を含むn型あるいはp型の半導体からなるも
のでもよく、さらに高濃度のドーピングを行ったp+層
あるいはn+層を挿入してもよいし、低濃度のドーピン
グを行ったp-層あるいはn-層を挿入してもよい。
【0054】さらに、透明性や障壁の形成のために、こ
れらのp型、i型、n型の層は、例えば、各々異なるA
xGayInz(x=0〜1.0、y=0〜1.0、z
=0〜1.0)で表せるAl、Ga、InとNの組成を
持っていてもよいし、p型、i型、n型それぞれの層
が、複数のAlxGayInzN:H(x=0〜1.0、
y=0〜1.0、z=0〜1.0)の組成からなってい
てもよい。
【0055】一方、上記半導体層22の表面に形成され
る半導体層23は、IIIA族元素から選択される1以上
の元素とVA族元素から選択される1以上の元素と水素
の加えて、IVA族元素から選択される1以上の元素を含
むものである。このようにすることにより、半導体層2
3を例えばn型の低抵抗の半導体層とし、後述する細線
で形成される電極24が半導体層23の表面に設けられ
た場合でも、半導体層22で発生した電荷を集めやすく
して、太陽電池としての効率を高めることができる。
【0056】−電極− 前記半導体層23の表面に設けられる電極24の形状
は、特に制限されるものではないが、透明な太陽電池と
するためには、前記電極24は、短冊をストライプ状に
したものや細線で形成されることが好ましい。
【0057】上記短冊や細線で形成される電極(以下、
単に「細線の電極」という場合がある。)24は、例え
ば図1に示すように、半導体層23の表面に形成される
が、前記細線の電極24は、図2のような格子状でもあ
ってもよく、また図3のような井桁状であってもよい。
【0058】前記細線の電極24は集電電極としての機
能を果たす。当該電極24は透明であることが好ましい
が、電極24が金属である場合は半透明であってもよ
い。前記細線の電極24の太さと密度は、電極24の電
気伝導度によって決定される。例えば、細線の電極24
が金属である場合には、電気伝導度が高いため電極24
である細線の太さを細くすることができ、これにより透
明性を保つことができる。このような観点から、前記電
極24は金属、金属酸化物であることが好ましい。
【0059】この場合、当該細線の電極24の太さは2
μm〜5mmの範囲であることが好ましく、厚さは0.
05μm〜50μmの範囲であることが好ましい。さら
に、電極24の透明性を確保するため厚さを薄くする場
合には、電極24の電気伝導度が低くなるため電極24
の密度を高くすればよい。例えば、厚さを5nm〜20
0nmの範囲とする場合には、太さは50μm〜5mm
の範囲で電極細線の単位面積あたりの数を増加すること
が好ましい。
【0060】電極24として金属酸化物を用いた場合に
も可視光には透明であるが、350nm以下の紫外光に
は吸収が多く、かつ電気伝導度は前記半透明の金属の電
極24と同等であるので、当該電極24の厚さは5nm
〜200nmの範囲であることが好ましく、太さは50
μm〜5mmの範囲であることが好ましい。
【0061】上記電極24の材料としては、酸化インジ
ウムスズ(ITO)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉛、酸
化インジウム、酸化ガリウムスズ、ヨウ化銅等の透明導
電性材料や、Al、Ni、Au、Ag、Pt、Pd等の
金属を蒸着やスパッタリングしたものや半透明になる程
度に薄く形成したものが用いられる。前記細線の電極2
4は、蒸着時にマスクを使用して形成してもよいし、エ
ッチングにて形成してもよい。複雑な形状の場合には多
数回上記工程を繰り返して形成してもよい。
【0062】以上のような構成の太陽電池は、透明導電
層及び電極間から光電流を取り出すことができる。そし
て、少なくともIIIA族元素から選択される1以上の元
素とVA族元素から選択される1以上の元素とを含む半
導体層と、IIIA族元素から選択される1以上の元素と
VA族元素から選択される1以上の元素とIVA族元素か
ら選択される1以上の元素とを含む半導体層とを積層さ
せた構造の本発明の太陽電池は、完全に透明でありバン
ドギャップが大きいため、取り出せる電圧が従来の太陽
電池に比較して2倍から3倍大きく、結果として同じ面
積でも利用できる電気量を大きくすることができる。
【0063】また、透明性を確保するため表面に細線の
電極を設けた場合でも、半導体層の表面が低抵抗である
ため電流を取り出しやすく、高い変換効率の太陽電池を
得ることができる。さらに、耐光性、耐熱性、耐酸化性
にすぐれているため、長寿命であるという利点を有す
る。
【0064】<表示パネル>本発明の太陽電池は透明で
あるため、表示素子を有する表示機器と直接組み合わせ
ることにより、当該機器を自己電力供給型表示機器とす
ることができる。例えば、携帯電子機器や携帯用パーソ
ナルコンピューター等の戸外で使用する機器の表示パネ
ルとして用いることにより、駆動電力源とすることがで
きる。
【0065】本発明の太陽電池は、表示素子の表面に重
ねて表示パネルとして使用することができ、何ら表示素
子の機能を損なうことがないという利点を有する。そし
て、表示素子を使用している時も使用していない時も、
画面(表示パネル)が光に照らされている時は常に充電
することができる。また、光学ギャップの小さい半導体
層を素子全体の可視光透過光量の30%以下になるよう
にすることによって、表示素子の画面に色をつけること
ができると共に、光起電流を増加させることもできる。
【0066】前記表示素子としては液晶を用いたもの
や、陰極線管、フィールドエミッションを用いたもの、
またプラズマを用いたもの等を使用することができる。
本発明の透明な太陽電池は、表示素子(表示装置)等の
表示面に表示パネルとして重ねて使用することにより、
当該表示装置の全電力を供給することもでき、また、一
部をまかなうことによって、電池の連続使用時間を延長
したり、電池の小型軽量化を達成することができる。
【0067】また、本発明の太陽電池は、紫外域の光を
主に吸収し、光起電力を発生するため、前記太陽電池を
表示パネルとして用いれば、表示素子まで紫外線が届か
ず、紫外線によって破壊されやすい有機物からなる液晶
等を利用した表示素子に対して、紫外線による劣化を防
止することができ、表示素子に紫外線防止膜等の紫外線
防止機能を有する部材を設けること等を省略することが
できる。
【0068】前記表示パネルとしては、例えば樹脂フィ
ルムの表面に、前記本発明の太陽電池で述べた方法と同
様にして導電層、半導体層、電極を形成し、このフィル
ム形状の太陽電池を前記表示素子の表面に直接、または
表示画面として設けられた樹脂板等の表面に重ねて設置
することができる。また、前記フィルム形状の太陽電池
を樹脂板、ガラス等で挟んだ構造とし、太陽電池を内部
に設けた表示パネルとしてもよい。
【0069】本発明の表示パネルの大きさは、5×5m
m〜500×500mmの範囲のものが好ましく用いら
れる。また、前記電極の表面には必要に応じて、保護層
を設けてもよい。さらに、基板としてアクリルやポリカ
ーボネートなどの樹脂板を用いてもよい。なお、上記導
電層、半導体層、電極の材料、層厚等は、前記本発明の
太陽電池のものと同様な材料、層厚等を用いることがで
きる。
【0070】<窓材>本発明の透明な太陽電池は、ま
た、建物の窓ガラスや自動車の窓ガラス等の窓材として
用いることにより、有害な紫外線をカットするとともに
電気を発生させることもできる。本発明の太陽電池は、
前記シースルー型太陽電池と異なり完全に透明であるた
め、採光と同時に安全性が要求される自動車の窓材とし
ても使用可能である。したがって、このような使用によ
り、例えば電気自動車を長期放置した場合等のバッテリ
ーの補充電源とすることができる。また、建物の窓材と
しての用途も広がるため、例えば、窓面積が広い高層ビ
ルの窓材として用いることにより、大電力を得ることも
できる。また、着色塗装壁に外観を損なわずに設けるこ
とができる。
【0071】一方、最近研究が進んでいる、外部からの
電場によって調光できるエレクトロクロミック素子や液
晶、あるいは同様に外部からの電場によって光の散乱を
制御するセラミックス等調光素子を利用した調光機能を
有する窓ガラスについても、本発明の太陽電池を窓材と
して組み合わせて用いることにより、自己電力供給で
き、かつ高速応答等の性能向上を図ることができる。
【0072】前記窓材としては、例えば窓材として用い
られるガラス等の表面に、前記本発明の太陽電池で述べ
た方法と同様にして導電層、半導体層、電極を形成し、
この太陽電池表面に保護層等を設けて直接窓材としても
よい。また、前記と同様に樹脂フィルムの表面に半導体
層等を形成して太陽電池とし、このフィルム形状の太陽
電池を、前記窓材として用いられるガラス等の表面に重
ねて設置することもできる。さらに、前記フィルム状の
太陽電池を2枚のガラス等で挟んだ合せガラス構造と
し、太陽電池を内部に設けた窓材としてもよい。
【0073】本発明の窓材の大きさは、5×5mm〜1
00×100cmの範囲であることが好ましい。また、
大きさによっては本発明の太陽電池が前記窓材の一部を
占めるものであってもよい。また、複数の素子を組み合
わせてもよい。前記基板としては、ガラス以外にアクリ
ルやポリカーボネートなどの樹脂板を用いてもよい。な
お、上記導電層、半導体層、電極の材料、層厚等は、前
記本発明の太陽電池のものと同様な材料、層厚等を用い
ることができる。
【0074】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1) −太陽電池の作製− 洗浄したコーニング7059ガラス表面にITOをスパ
ッター法で2000Å形成した基板(10×10mm、
400nmにおける光透過率:90%)を、図4に示す
層形成装置の基板ホルダー3に載せ、排気口2を介して
容器1内を真空に排気後、ヒーター4により基板を30
0℃に加熱した。N2ガスをガス導入管9より、直径2
5mmの石英管5内に1000sccm導入し、マイク
ロ波導波管8を介して2.45GHzのマイクロ波を出
力250Wにセットし、チューナでマッチングを取りな
がら放電を行った。この時の反射波は0Wであった。H
2ガスは、ガス導入管10より直径30mmの石英管6
内に1000sccm導入した。13.56MHzの高
周波電力の出力を100Wにセットしたところ、反射波
は0Wであった。
【0075】この状態でガス導入管12より0℃で保持
されたトリメチルガリウム(TMGa)の蒸気を、水素
をキャリアガスとして用い、圧力106Paでバブリン
グしながら、マスフローコントローラーを通して1sc
cm導入した。さらに、ガス導入管12より、水素をキ
ャリアガスとしたシクロペンタジエニルマグネシウムを
1sccm導入した。この時バラトロン真空計で測定し
た反応圧力は66.7Paであった。
【0076】上記状態で成膜を60分間行い、基板表面
に膜厚0.2μmのi型のMgドープGaN:H膜を形
成した。次いで、ガス導入管12より0℃で保持された
トリメチルガリウム(TMGa)の蒸気を、水素をキャ
リアガスとして用い、バブリングしながらマスフローコ
ントローラーを通して1sccm導入した。さらに水素
をキャリアガスとしたシランを2sccm導入し、前記
i型のMgドープGaN:H膜の表面に、膜厚0.01
μmのn型のSiドープGaN膜を積層した。なお、こ
の時のガス中のシラン濃度は500ppmであった。
【0077】このn型GaN膜の表面に、幅1mm、間
隔1mmの櫛型マスクを用いてInSnO2膜を、10
00Åの厚さにスパッター法で形成することにより、透
明な細線の電極を設け、太陽電池を作製した。この太陽
電池は、完全に透明であった。
【0078】−評価− 前記太陽電池の細線の電極側から、紫外線を含むXeラ
ンプの白色光を照射したところ、0Vで短絡電流(Is
c)は0.1mA/cm2流れた。また、開放電圧(V
oc)は1.0Vであり、太陽電池として十分使用可能
であることがわかった。
【0079】前記太陽電池をTFT液晶表示素子に重ね
たところ、まったく視認性には影響なかった。また、着
色した板に重ねることによっても、着色に影響すること
はなく、自由に着色した太陽電池とすることができた。
この結果から、この太陽電池は、表示パネルとして問題
なく使用できることがわかった。
【0080】(実施例2) −太陽電池の作製− 実施例1と同様にして、光半導体層までを形成した。こ
の光半導体層の表面に、幅0.2mm、間隔2mmの櫛
型マスクを用いてAu膜を、100Åの厚さに蒸着法で
作製し、透明な細線の電極を設けることにより、太陽電
池を作製した。この太陽電池は、Au電極の部分が僅か
に着色するものの、ほぼ完全に透明であった。
【0081】−評価− 前記太陽電池の細線の電極側から、紫外線を含むXeラ
ンプの白色光を照射したところ、0Vで短絡電流(Is
c)は0.2mA/cm2流れた。また、開放電圧(V
o)は1.1Vであり、太陽電池として十分使用可能で
あることがわかった。
【0082】前記太陽電池をTFT液晶表示素子に重ね
たところ、まったく視認性には影響なかった。また、着
色した板に重ねることによっても、着色に影響すること
はなく、自由に着色した太陽電池とすることができた。
この結果から、この太陽電池も表示パネルとして問題な
く使用できることがわかった。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、透明で、紫外線による
光起電力を発生させることができ、かつ経時安定性に優
れ、耐環境特性や耐高温度特性を備えた太陽電池を得る
ことができる。また、本発明の太陽電池は完全に透明で
あるため、視界と発電を両立することができるため、安
全性を損なうことなく車の窓材などにも使用することが
できる。さらに、本発明の太陽電池を表示素子の表面に
積層することにより、表示機能を損なうことなく、使用
時も非使用時も太陽光で蓄電することができる、表示パ
ネルとしても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の太陽電池の構成の一例を示す拡大断
面図である。
【図2】 本発明に用いられる電極の一例を示す概略構
成図である。
【図3】 本発明に用いられる電極の他の一例を示す概
略構成図である。
【図4】 本発明に用いられる光半導体層を形成するた
めの装置の好ましい一例を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 排気口 3 基板ホルダー 4 ヒーター 5、6 石英管 7 高周波コイル 8 マイクロ導波管 9〜12 ガス導入管 20 基板 21 透明導電層 22、23 光半導体層 24 電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明導電層が形成された透明な基板表面
    に、少なくともIIIA族元素から選択される1以上の元
    素とVA族元素から選択される1以上の元素とを含む半
    導体層、IIIA族元素から選択される1以上の元素とV
    A族元素から選択される1以上の元素とIVA族元素から
    選択される1以上の元素とを含む半導体層、及び電極を
    この順に有してなることを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記電極が、細線で形成されることを特
    徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記電極が金属であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記電極が金属酸化物であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電
    池を、表面、及び/または、内部に設けたことを特徴と
    する表示パネル。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電
    池を、表面、及び/または、内部に設けたことを特徴と
    する窓材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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