JP2001250604A - 導電性シート及びプリント基板の製造方法 - Google Patents

導電性シート及びプリント基板の製造方法

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JP2001250604A
JP2001250604A JP2000061293A JP2000061293A JP2001250604A JP 2001250604 A JP2001250604 A JP 2001250604A JP 2000061293 A JP2000061293 A JP 2000061293A JP 2000061293 A JP2000061293 A JP 2000061293A JP 2001250604 A JP2001250604 A JP 2001250604A
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conductive
sheet
layer
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circuit board
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JP2000061293A
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Akifumi Kimura
聡文 木村
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な材料に限定されることなくリサイクル
が可能であると共に、製造工程において廃棄物がでるの
を防ぐことができる導電性シート及びプリント基板の製
造方法を提供する。 【解決手段】 導電性シート10は熱可塑性樹脂から成
る第1層12及び第2層14で構成され、第1層12内
には厚み方向及び第1層12の面全体に亘って導電性を
有するように導電性粒子16が互いに連鎖した形で多数
含まれている。第2層14内には導電性粒子16が多数
分散され、導電性粒子16は所定の加圧力で加圧される
ことにより厚み方向にのみ連鎖する。第1層12、第2
層14の軟化点以上の温度に加熱した加圧部材18で所
望のパターンに沿って第1層12側から加圧していくこ
とで加圧部分の第1層12が押しつぶされて非加圧部分
の第1層12と分離され、導電パターン17が形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性シート及びプ
リント基板の製造方法に係り、特に、リサイクル可能な
導電性シート及びプリント基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業廃棄物処分場の逼迫などを背
景として、家電リサイクル法等により電気機器に対する
リサイクル要求が高まってきている。電子回路を構成す
るプリント基板の材料は、従来からはんだ付け時の耐熱
性、耐溶剤性の要求等からエポキシ樹脂やイミド樹脂等
の熱硬化性樹脂が用いられてきた。
【0003】しかしながら、この熱硬化性樹脂は、熱溶
融しないため再利用することが困難であり、破砕して路
面等の敷設材に用いる等の限定的な用途で利用されるに
過ぎなかった。また、単純に熱硬化性樹脂を用いた場
合、はんだ付けやエッチング時における耐熱性及び耐溶
剤性を確保することが困難である。
【0004】従来のはんだ付け工法では、図10(A)
に示すような銅張り積層板に図10(B)に示すように
所望の回路パターンに従ってパターニング(エッチン
グ)する。そして、パターニングした基板を図10
(C)に示すように積層し、図10(D)に示すように
スルーホールを設けるためにドリル加工等により穴開け
する。この穴開けされた部分は、図10(E)に示すよ
うにメッキされる。これにより層間接続される。そし
て、最後に、図10(F)に示すように、多層基板の表
面を所望の回路パターンに従ってパターニング(エッチ
ング)する。
【0005】このような従来のはんだ付け工法では、上
記の工程のうち、図10(B)、(F)のパターニング
工程においてはエッチング廃液が、図10(D)に示す
穴開け工程では切削屑が、図10(E)に示すメッキ工
程ではメッキ廃液がそれぞれ大量に発生する、という問
題があった。
【0006】また、特開平5−110218号公報に
は、ガラス転移点が260°C以上で溶媒に可溶な合成
樹脂を用いた積層板を用いることでリサイクル可能なプ
リント配線板が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、銅張り積層板を用いているため、基板製造
工程においてメッキ、エッチング処理が不可欠であり、
メッキ液、エッチング液等に対する耐溶剤性や部品実装
時のフラックスに対する耐溶剤性を両立させることが困
難であると共に、廃棄物や廃液が発生するのを防ぐこと
ができない。また、ガラス転移点が260°C以上とい
う極めて特殊な材料に限定されてしまう、という問題が
ある。
【0008】また、特開平8−139425号公報に
は、貫通穴を形成した絶縁層を銅箔を張り合わせた異方
導電シートで挟み込み、貫通穴の箇所を加圧することで
層間接続した回路基板が開示されている。
【0009】しかしながら、この技術においても通常の
プリント基板と同様の銅箔パーニングプロセス、すなわ
ちエッチングによりパターニングするため、廃液が発生
するのを防ぐことができない。また、絶縁層に硬化性の
材料を用いるため、リサイクルが困難である、という問
題がある。
【0010】本発明は、上記問題を解決すべく成された
ものであり、特殊な材料に限定されることなくリサイク
ルが可能であると共に、製造工程において廃棄物がでる
のを防ぐことができる導電性シート及びプリント基板の
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明の導電性シートは、絶縁性の熱
可塑性材料中に、押圧されたときに該押圧部位が導電性
を有するように導電性材料が封入されたことを特徴とし
ている。
【0012】導電性シートは、絶縁性の熱可塑性材料、
すなわち熱が与えられることにより軟化すると共に接着
性、粘着性が発生し、所定の圧力を加えることで所望の
形状にすることができる例えばポリエチレン等の樹脂な
どから成る。そして、この熱可塑性材料中には、導電性
材料が封入されている。導電性材料は、例えば金や銀な
どの金属粒子を用いることができる。
【0013】この導電性材料は、通常の状態、すなわち
熱や圧力が加えられない状態では例えば分散された状態
で熱可塑性材料中に封入されている。そして、例えば熱
可塑性材料の軟化温度以上の温度で加熱されながら所定
の圧力で押圧されたときには、その圧力により熱可塑性
材料中に分散された複数の導電性材料が接触しあって上
下方向や左右方向を含む多方向、例えば導電性シートの
厚み方向や厚み方向と垂直方向などに互いに連鎖して多
方向へ導電性を有すると共に、押圧部分の熱可塑性材料
が溶融することにより流動して除去されることで押圧部
位が連続して導電性を有するようになる。
【0014】このような導電性シートは、例えば電子機
器に用いられる電子部品を搭載するためのプリント基板
やアンテナなどとして用いることができる。例えば、回
路パターンに従って熱可塑性材料の軟化温度以上の温度
で加熱しながら所定の圧力で押圧することにより、該押
圧部位が多方向へ導電性を有するため、この押圧部位を
回路パターンとすることができる。
【0015】そして、所定位置に電子部品を載置し、該
電子部品の端子が載置された位置を加熱することにより
端子の位置の熱可塑性材料を溶融させることで電子部品
を接着することができる。このように、従来のプリント
基板で必要であったメッキやエッチングが一切不要であ
り、部品の実装に際してもはんだ付けが不要となること
から廃棄物を一切出すことなくプリント基板を作製でき
る。
【0016】また、電子部品の実装にはんだ付けを用い
る必要がないためフラックスによる耐溶剤性、はんだ付
けに必要な約260°C程度の耐熱性が必要ないため、
一般的な熱可塑性樹脂をプリント基板に用いることがで
きる。このため、熱や溶剤により熱可塑性樹脂を溶かす
ことで容易に導電部材と分離することができ、容易にリ
サイクルすることができる。
【0017】また、導電性材料は、請求項2にも記載し
たように、熱可塑性材料と軟化温度が異なる被覆用熱可
塑性材料で被覆されていることが好ましい。このように
導電性材料が熱可塑性材料と軟化温度が異なる被覆用熱
可塑性材料で被覆されていることにより、押圧された部
位の導電性材料と非押圧部位の導電性材料との絶縁性を
確実に保つことができる。
【0018】また、被覆用熱可塑性材料の軟化温度は、
熱可塑性材料の軟化温度よりも高いことが好ましい。従
って、被覆用熱可塑性材料の軟化温度以上の温度で加熱
しながら押圧することにより、押圧部位の導電性材料を
被覆する被覆用熱可塑性材料が溶融してはがれ、押圧部
位のみ導電性を確保することができる。また、単に導電
性シートを加熱して変形させたり、加熱することで複数
の導電性シートを積層したいような場合には、被覆用熱
可塑性材料の軟化温度でなく、それよりも低い熱可塑性
材料の軟化温度で加熱する。このように、熱可塑性材料
の軟化温度で加熱しただけでは、被覆用熱可塑性材料が
溶融して導電性粒子からはがれることはないため、絶縁
性が保たれる。
【0019】また、導電性を確保するため、絶縁性成
分、すなわち熱可塑性材料100重量部に対して、導電
性成分、すなわち導電性材料が少なくとも20〜300
0重量部、好ましくは30〜2000重量部となるよう
に導電性材料を熱可塑性材料中に封入することが好まし
い。
【0020】請求項3記載の発明の導電性シートは、絶
縁性の熱可塑性材料中に導電性材料を封入して少なくと
も一方向に導電性を有する第1シートと、前記第1シー
トに張り合わせかつ、絶縁性の熱可塑性材料から成る第
2シートと、から構成されたことを特徴としている。
【0021】第1シートは絶縁性の熱可塑性材料、すな
わち熱が与えられることにより軟化すると共に接着性、
粘着性が発生し、所定の力を加えることで所望の形状に
することができる例えばポリエチレン等の樹脂から成
る。そして、この熱可塑性材料中には、導電性材料が封
入されている。この導電性材料は、少なくとも一方向、
例えば第1シートの厚み方向と垂直な方向、すなわち第
1シートの面に対して平行な方向に導電性を有するよう
に封入されている。第2シートは、例えば第1シートと
同じ絶縁性の熱可塑性材料から成り、第1シートと張り
合わされる。この張り合わせは、第1シート及び第2シ
ートを熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で加熱して粘着
性を発生させることで容易に実現することができる。
【0022】このように、第1シート、第2シートが熱
可塑性のため、加熱しながら第1シート側から第2シー
ト側へ向けて導電性シートの面に対して略垂直な方向に
所定の圧力で加圧することにより、第1シートの加圧部
位の熱可塑性材料が溶融して除去されると共に、第1シ
ートの加圧部位の導電性材料が第2シート側へ押し込ま
れる。これにより、第1シートの非加圧部位の導電性材
料とが分離されると共に導電性材料が露出され導電部を
形成することができる。従って、所望のパターンに沿っ
て第1シート側から加熱しながら加圧していくことによ
り、導電パターンを形成することができる。
【0023】このような導電性シートは例えば電子機器
に用いられる電子部品を搭載するためのプリント基板に
用いることができる。電子部品は、該電子部品を搭載す
る部位を加熱することで容易に接着することができる。
このように、従来のプリント基板で必要であったメッキ
やエッチングが一切不要であり、部品の実装に際しても
はんだ付けが不要となることから廃棄物を一切出すこと
なくプリント基板を作製できる。
【0024】また、部品の実装にはんだ付けを用いる必
要がないためフラックスによる耐溶剤性、はんだ付けに
必要な約260°C程度の耐熱性が必要ないため、一般
的な熱可塑性樹脂をプリント基板に用いることができ
る。このため、熱や溶剤により熱可塑性樹脂を溶かすこ
とで容易に導電部材と分離することができ、容易にリサ
イクルすることができる。
【0025】なお、第1シートに含まれる導電性材料
は、請求項6にも記載したように、互いに接触した複数
の導電性粒子とすることが好ましい。この導電性粒子に
は、例えば金や銀などの金属粒子を用いることができ
る。このように導電性材料を導電性粒子とすることによ
り、加圧した際に容易に加圧部位の導電性粒子と非加圧
部位の導電性粒子とを分離させることができると共に、
リサイクルがさらに容易となる。
【0026】請求項4記載の発明の導電性シートは、絶
縁性の熱可塑性材料中に導電性材料を封入して少なくと
も二方向に導電性を有する第1シートと、前記第1シー
トに張り合わせかつ、絶縁性の熱可塑性材料中に、押圧
されたときに該押圧部位が一方向に導電性を有するよう
に導電性材料を封入した第2シートと、から構成された
ことを特徴としている。
【0027】第1シートは、絶縁性の熱可塑性材料から
成り、この熱可塑性材料中には、導電性材料が封入され
ている。この導電性材料は、少なくとも二方向、例えば
第1シートの厚み方向及び該厚み方向と垂直な方向に導
電性を有するように封入されている。第2シートは、例
えば第1シートと同じ絶縁性の熱可塑性材料に、押圧さ
れたときに該押圧部位が一方向に導電性を有するよう
に、例えば第2シートの厚み方向に導電性材料が封入さ
れた構成であり、第1シートと張り合わされる。
【0028】この第2シートには導電性材料が、例えば
加圧されることで厚み方向に導電性を有するように封入
されている。すなわち、第2シートは通常は絶縁性であ
るが、加圧されることで厚み方向にのみ導電性を有す
る。ここで、第1シートに封入された導電性材料は、厚
み方向にも導電性を有しているため、第1シート側から
所望のパターンに沿って加熱しながら加圧されることに
より、加圧部位の熱可塑性材料が溶融すると共に第1シ
ートに封入された導電性材料と第2シートに封入された
導電性材料とを容易に接触させることができ、厚み方向
の導電性を容易に確保することができる。
【0029】なお、第2シートに含まれる導電性材料
は、請求項5にも記載したように、互いに離間した複数
の導電性粒子とすることができる。
【0030】このような導電性シートは、例えばプリン
ト基板として使用することができ、請求項7にも記載し
たように、前記請求項1記載の導電性シートを前記熱可
塑性材料の軟化温度で加熱しながら回路パターンに一致
した領域を押圧することにより前記回路パターンを形成
してプリント基板を製造することがでできる。
【0031】すなわち、所望の回路パターンに従って熱
可塑性材料の軟化温度で加熱しながら押圧することで、
該押圧部分の熱可塑性材料が溶融することにより流動し
て除去され、回路パターンに従って導電性材料が露出
し、回路パターンが形成される。
【0032】また、請求項8にも記載したように、前記
請求項2記載の導電性シートを前記被覆用熱可塑性材料
の軟化温度で加熱しながら回路パターンに一致した領域
を押圧することにより前記回路パターンを形成してプリ
ント基板を製造することができる。
【0033】このように、被覆用熱可塑性材料の軟化温
度で加熱しながら押圧することにより、押圧部位の導電
性材料を被覆する被覆用熱可塑性材料が溶融してはが
れ、押圧部位のみ導電性を確保することができ、これを
回路パターンとすることができる。また、非押圧部分の
導電性材料を被覆する被覆用熱可塑性材料は除去されな
いため、押圧部位の導電性材料と非押圧部位の導電性材
料との絶縁性を確実に保つことができる。
【0034】また、請求項9にも記載したように、請求
項3乃至請求項6記載の何れか1項に記載の導電性シー
トを、前記第1シートの表面側から前記熱可塑性材料の
軟化温度で加熱しながら前記導電性シートの厚みが前記
第2シートの厚みよりも小さくなるように回路パターン
に一致した領域を押圧することにより回路パターンを形
成してプリント基板を製造することができる。
【0035】このように、第1シートの表面側から例え
ば第1シートの厚み方向と略垂直な方向に向けて、熱可
塑性材料の軟化温度で加熱しながら前記導電性シートの
厚みが第2シートの厚みよりも小さくなるように、すな
わち、第1シートの厚み以上に押圧することにより回路
パターンを形成することができる。
【0036】また、請求項10にも記載したように、請
求項1乃至請求項6記載の何れか1項に記載の導電性シ
ートを、絶縁性の熱可塑性材料中に導電性材料を封入し
て少なくとも一方向に導電性を有する異方導電層の両側
へ、前記熱可塑性材料の軟化温度で加熱しながら積層圧
着し、その両側の各々について、前記熱可塑性材料の軟
化温度で加熱しながら回路パターンに一致した領域を押
圧することにより前記回路パターンを形成してプリント
基板を製造することができる。
【0037】このように、導電性シートを異方導電層を
介して積層圧着することにより多層構造としたプリント
基板とすることもできる。このとき、厚み方向に導電性
を有する異方導電層を介してプリント基板を積層するた
め、表面側のプリント基板の所定部位と裏面側のプリン
ト基板の所定部位とを導通させることが可能であり、所
謂スルーホールを形成することができる。
【0038】例えば、請求項11にも記載したように、
前記熱可塑性材料の軟化温度で加熱しながら表面側の回
路パターン上の第1所定部位及び該第1所定部位に対応
する裏面側の回路パターン上の第2所定部位の少なくと
も一方から押圧することにより、前記第1所定部位と第
2所定部位とを導通させることができる。
【0039】すなわち、所謂スルーホールを形成したい
部位である、表面側の回路パターン上の第1所定部位
と、該第1所定部位に対応する裏面側の回路パターン上
の第2所定部位と、の少なくとも一方から押圧する。こ
のとき、断線を防止するため、押圧により減る厚みの合
計が厚み方向に導電性を有する異方導電層の厚み以下と
なるように押圧する。これにより、第1所定部位と第2
所定部位とを層間接続することができる。
【0040】また、例えばプリント基板を積層する前に
それぞれのプリント基板の積層面側から層間接続したい
部位に穴をドリル加工などにより開けて導電部材を詰め
ておき、その後に積層するようにすることで層間接続す
るようにしてもよい。
【0041】また、導電性シートを絶縁層を介して積層
するようにしてもよい。この絶縁層は、例えばシート状
の熱可塑性樹脂やインク状のに溶かした熱可塑性樹脂を
用いることができる。
【0042】このようなプリント基板は、熱可塑性材料
の軟化温度で加熱しながら電子部品を実装することがで
きる。すなわち、回路パターン上の所定位置に電子部品
を載置し、該電子部品の端子が載置された位置を加熱す
ることにより端子の位置の熱可塑性材料を溶融させるこ
とで電子部品を接着することができる。このように、従
来のプリント基板で必要であったメッキやエッチングが
一切不要であり、部品の実装に際してもはんだ付けが不
要となることから廃棄物を一切出すことなくプリント基
板を作製できる。
【0043】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、図面を参
照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0044】図1には、本発明を適用した導電性シート
10が示されている。導電性シート10は、図1(A)
に示すように、例えば熱可塑性樹脂から成る第1シート
としての第1層12及び第2シートとしての第2層14
で構成され、第2層14の上に第1層12が積層されて
いる。
【0045】第1層12内には、第1層12の厚み方向
及び該厚み方向と略直交する方向を含む面方向(すなわ
ち第1層12の面全体に亘って)導電性を有するよう
に、例えば図1においてP方向及びQ方向に導電性粒子
16が互いに接触した形で多数含まれている。すなわち
第1層12は等方導電性を有した構成となっている。
【0046】一方、第2層14内には、導電性粒子16
が多数分散されている。この導電性粒子16は、所定の
加圧力で加圧されることにより厚み方向(図1(C)に
おいてP方向)に接触する。すなわち、第2層14は、
加圧されることで厚み方向にのみ導電性を有する所謂異
方導電性を有した構成となっている。
【0047】なお、第1層12、第2層14に用いられ
る熱可塑性樹脂は、例えばポリエチレン、フェノール樹
脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリアセタール、フッ素樹脂等から成
る。これらは、軟化温度が概ね100°C以下であり、
この軟化温度程度まで加熱することで軟化して接着性、
粘着性が生じる。このため、第1層12、第2層14を
熱可塑性樹脂の軟化温度程度まで加熱することで容易に
張り合わせることができる。
【0048】また、導電性粒子16は、例えば直径が1
0μm程度の球状の導電性材料から成り、Au(金)、
Ag(銀)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)等の金属粒
子の他、プラスチック粒子の表面に金属メッキを施した
もの等を用いることができる。 なお、リサイクルが容
易、すなわち分離が容易な金属粒子単体から成るものを
用いることが好ましい。プラスチック粒子を用いる場合
には、第2層14、14の軟化点よりも高い軟化点を有
するものを用いる必要がある。
【0049】上記のような導電性シート10は、図1
(B)に示すように、第1層12、第2層14の軟化点
以上の温度に加熱した加圧部材18で所望のパターンに
沿って第1層12側から加圧していくことにより、パタ
ーニングすることができる。
【0050】ここで、図1(C)に示すように、第1層
12、第2層14の厚さをそれぞれA,B、押し込み量
(加圧により減少する厚み)をCとした場合、A<Bか
つA<C<(A+B)の関係を満たすことが好ましい。
【0051】すなわち、押し込み量Cが第1層12の厚
さA以上になるように加圧することで加圧部分の第1層
12が押しつぶされて非加圧部分の第1層12と分離さ
れる。これにより、加圧部分の第1層12に含まれる導
電性粒子16と非加圧部分の第1層12内に含まれる導
電性粒子16との接触が解かれるため、加圧部分と非加
圧部分とが絶縁される。また、加熱及び加圧により加圧
部分の第1層12が溶融されて除去されるため導電性粒
子16が露出し、この露出部分が導電パターン17とな
る。
【0052】また、第2層14の厚さBが第1層12の
厚さAよりも大きくなるようにし、押し込み量Cが導電
性シート10の厚さ(A+B)以下となるように加圧す
ることで、加圧部分の厚さ、すなわち、(A+B−C)
の範囲内に第2層14内の導電性粒子と第1層12内の
導電性粒子16が図1(C)に示すように密集すると共
に、非加圧部分への導電性粒子16の流出を最小限に防
ぐことができる。これにより、加圧部分のみ導電性が確
保され、所望のパターンにパターニングすることができ
る。
【0053】なお、導電性シート10は例えばプリント
基板などに用いることができるが、片面基板として使用
する場合には、導電性シート10の表側、すなわち加圧
側のみ導電性粒子16が露出するように加圧すればよ
い。
【0054】また、導電性シート10をスルーホールを
使用する両面基板に使用する場合には、スルーホールに
対応する部位の表側及び裏側の双方に導電性粒子16が
露出するように加圧する。そして、同じように作製した
導電性シート10を張り合わせることにより、加圧部分
をスルーホールとした両面基板として使用することが可
能となる(詳細は後述)。このとき、第2層14は厚み
方向にのみ導電性を有するため、加圧部分のみの導電性
が確保される。
【0055】加圧方法としては、所望のパターンの型を
第1層12、第2層14の軟化点以上の温度で加熱しな
がら導電性シート10に押し当てる方法や、プローブを
第1層12、第2層14の軟化点以上の温度で加熱しな
がらプログラム制御により所望のパターンに沿って加圧
する方法を採用することができる。
【0056】なお、プローブによりパターニングする場
合には、加圧した際に導電性粒子16が周囲に逃げない
ようにするため、図1(B)に占めすようにプローブの
先端の形状を、導電性粒子16の半径よりも大きな曲率
半径を有する凹部を有した形状とすることが好ましい。
【0057】なお、図1では、第2層14が異方導電性
を有する場合について説明したが、図2(C)に示すよ
うに第2層14内に導電性粒子16を含ませず絶縁性と
してもよい。ただし、両面基板として使用する場合に
は、加圧部分の裏側の樹脂が十分に除去されるように、
加熱温度、加圧時間、加圧力を調整することが必要とな
る。
【0058】[第2実施形態]次に、本発明の第2実施
形態について説明する。
【0059】第2実施形態では、第1実施形態で説明し
た導電性シート10を用いたプリント基板の例について
説明する。
【0060】図3には、図1に示すような導電性シート
10を2つ用いた両面基板としてのプリント基板20が
示されている。
【0061】プリント基板20は、図3(A)、(B)
に示すように、第1実施形態で説明した導電性シート1
0A、10Bを層間接続層22を挟んで張り合わせた構
成となっている。
【0062】層間接続層22は、第1実施形態で説明し
た第2層14と同様の構成である。すなわち、層間接続
層22は熱可塑性樹脂から成り、該熱可塑性樹脂内に導
電性粒子16が多数分散されており、所定の加圧力で加
圧されることにより導電性粒子16が厚み方向に連鎖す
ることで厚み方向にのみ導電性を有する(異方導電性)
構成となっている。
【0063】このように、全て同じ熱可塑性樹脂から構
成されるため、導電性シート10A,10B,層間接続
層22を積層した後、熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度
で加熱することで容易に各層を接着させることができ
る。
【0064】なお、層間の接続については、図3(C)
に示すように、第1実施形態と同様に加圧部材18によ
り行う。本実施形成では、両面基板のため、導電性シー
ト10A側及び導電性シート10B側の双方から加圧部
材18により加圧することにより層間接続を行う。
【0065】このようにプリント基板20の両側から加
圧することにより層間接続層22も両側から押し込ま
れ、これにより層間接続層22内の導電粒子16が厚み
方向にのみ連鎖する。これにより、導電性シート10
A、10Bの加圧部分が導通することとなる。なお、加
圧する際には、層間接続を行う箇所の断線を防止するた
め、両側からの押し込み量の合計が層間接続層22の厚
み以下となるように加圧することが好ましい。
【0066】プリント基板20への部品、例えばICの
実装は、例えば図3(D)に示すようにIC24を所定
位置に載置する。これと同時又は載置した後に熱可塑性
樹脂の軟化点以上の温度で加熱する。これにより熱可塑
性樹脂が軟化して接着性、粘着性が発生し、IC24の
端子がプリント基板20の導電パターン17に接着され
る。
【0067】なお、プリント基板20を作製した後にI
C24を搭載するのではなく、導電性シート10AにI
C24を上記と同様にして実装し、その後導電性シート
10A,10B、層間接続層22を積層し、層間接続を
行うようにしてもよい。
【0068】このように、プリント基板を作製する際
に、従来のプリント基板で必要であったメッキやエッチ
ング、層間接続におけるドリル加工が一切不要であり、
部品の実装に際してもはんだ付けが不要となることから
廃棄物を一切出すことなくプリント基板を作製できる。
【0069】また、部品の実装にはんだ付けを用いる必
要がないためフラックスによる耐溶剤性、はんだ付けに
必要な約260°C程度の耐熱性が必要ないため、一般
的な熱可塑性樹脂を用いることができる。このため、熱
や溶剤により熱可塑性樹脂を溶かすことで容易に導電性
粒子と分離することができ、容易にリサイクルすること
ができる。
【0070】リサイクル方法としては、例えば熱可塑性
樹脂の軟化点以上に加熱して搭載された電子部穂インを
取り外した後、熱可塑性樹脂の融点まで加熱することに
より、又は溶剤により熱可塑性樹脂を溶融させる。そし
て、導電性粒子16の直径よりも小さい径の穴を有する
メッシュ状の部材を用いて導電性粒子16と熱可塑性樹
脂とを分離する。このように、電子部品、熱可塑性樹
脂、導電性粒子の各素材を容易に回収、再利用すること
ができる。
【0071】なお、上記ではシート状の層間接続層を用
いた場合を例に説明したが、シート状ではなく、溶剤に
溶かしたものを導電性シート10A、10Bの少なくと
も一方の裏側に塗布して接着させ乾燥させてもよい。
【0072】また、加圧により層間接続するのではな
く、図4(C)に示すように、導電性を有する部材から
成るダミーリード26を挿入することにより層間接続し
てもよい。この場合、ダミーリード26を挿入する部位
を熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で加熱しながらダミ
ーリード26を挿入し、自然冷却又は強制的に冷却する
ことで層間接続することができる。
【0073】また、図4(C)に示すようにリード付き
の電子部品28についても上記と同様に実装することが
できる。すなわち、電子部品28を挿入する部位を熱可
塑性樹脂の軟化点以上の温度で加熱しながら電子部品2
8を挿入し、自然冷却又は強制的に冷却することで部品
実装することができる。
【0074】[第3実施形態]次に、本発明の第3実施
形態について説明する。
【0075】第3実施形態では、第1実施形態で説明し
た導電性シートと従来の工法により製造された通常の多
層構造のプリント基板とを組み合わせたプリント基板に
ついて説明する。
【0076】図5に示すように、プリント基板20’
は、導電性シート10Aと導電性シート10Bとの間に
異方導電性を有する異方導電層36を介して通常のプリ
ント基板30を挟みこんだ構成となっている。プリント
基板30は、絶縁基板32に導電パターン34が形成さ
れた基板が複数個積層された多層基板となっており、ス
ルーホール38を有している。
【0077】異方導電層36は第2実施形態で説明した
層間接続層22のようなシート状でもよいし、インク状
の異方導電材料で構成してもよい。
【0078】このようなプリント基板20’は、以下の
ようにして作製する。すなわち、まず熱可塑性樹脂の軟
化点以上の温度で導電性シート10A,10Bを加熱し
て、導電性シート10A,10B、異方導電層36、プ
リント基板30を張り合わせる。
【0079】そして、層間接続したい部位、すなわちス
ルーホール38に対応する部位を第2実施形態で説明し
たように熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で加熱しなが
ら加圧部材18で加圧し、導電パターン17とスルーホ
ール38とを接続する。これにより層間接続することが
できる。
【0080】[第4実施形態]次に、本発明の第4実施
形態について説明する。
【0081】第4実施形態では、第2実施形態で説明し
たプリント基板を用いた多層基板について説明する。
【0082】本実施形態に係る多層基板は、図6に示す
ようなプリント基板20A、20Bを用いて以下のよう
にして作製される。すなわち、図7(A)に示すよう
に、まずプリント基板20Aとプリント基板20Bとを
張り合わせる面に、溶剤などに溶かしてインク状にした
絶縁性の熱可塑性樹脂40を塗布する。
【0083】その後、図7(B)に示すように、層間接
続したい部位にドリル加工やレーザ加工等により熱可塑
性樹脂40を削り、穴42を作る。
【0084】そして、図7(C)に示すように、溶剤な
どにより溶かしてインク状にした導電性を有する熱可塑
性導電樹脂44を穴42に埋め込む。これは、例えばス
クリーン印刷やディスペンスなどの方法を用いて行うこ
とができる。
【0085】最後に、図7(D)に示すように、熱可塑
性樹脂40及び熱可塑性導電樹脂44の軟化点以上の温
度で加熱してプリント基板20A,20Bを張り合わせ
る。これにより導電パターン17と熱可塑性導電樹脂4
4とにより層間接続されると共に多層基板46が完成す
る。
【0086】なお、上記では、プリント基板20A,2
0Bのそれぞれに対して予め層間接続させたい部位の穴
あけを行い、これに熱可塑性導電樹脂44を埋め込む場
合を例に説明したが、穴あけ及び熱可塑性導電樹脂44
の埋め込みを行わずに、まずプリント基板20A、20
Bw張り合わせておいてから、層間接続したい部位にド
リル加工やレーザ加工等により貫通孔を空け、これに熱
可塑性導電樹脂44を埋め込むようにしてもよい。
【0087】このように、従来のプリント基板で必要で
あったメッキやエッチング、層間接続におけるドリル加
工が一切不要であり、部品の実装に際してもはんだ付け
が不要となることから廃棄物を一切出すことなく多層基
板を作製できると共に、熱可塑性樹脂を用いるため、容
易にリサイクルすることができる。
【0088】[第5実施形態]次に、本発明の第5実施
形態について説明する。第5実施形態では、1層構造の
導電性シートについて説明する。
【0089】図8には、本発明を適用した導電性シート
10が示されている。導電性シート10は、図8(A)
に示すように、例えば熱可塑性樹脂50中に粒子52が
分散された形で多数含まれている。
【0090】粒子52は、導電性粒子16を熱可塑性樹
脂50の軟化温度よりも高い軟化温度を有する被覆用熱
可塑性樹脂54で被覆された構成となっている。このた
め、導電性シート10は、熱や圧力を加えない状態で
は、絶縁性が確保されている。
【0091】熱可塑性樹脂50は、例えば軟化温度が約
77〜100°Cであるポリエチレン等から成る。ま
た、被覆用熱可塑性樹脂54は、例えば軟化温度が14
8°Cであるナイロン(ポリイアミド)等から成る。こ
れらの熱可塑性樹脂は、軟化温度まで加熱することで軟
化して接着性、粘着性が生じる。
【0092】また、導電性粒子16は、例えば直径が1
0μm程度の球状の導電性材料から成り、Au(金)、
Ag(銀)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)等の金属粒
子の他、プラスチック粒子の表面に金属メッキを施した
もの等を用いることができる。 なお、リサイクルが容
易、すなわち分離が容易な金属粒子単体から成るものを
用いることが好ましい。
【0093】上記のような導電性シート10は、図8
(B)に示すように、熱可塑性樹脂52の軟化点以上の
温度に加熱した加圧部材18で所望のパターンに沿って
矢印Y方向へ加圧していくことにより、パターニングす
ることができる。
【0094】すなわち、熱可塑性樹脂52の軟化点以上
の温度に加熱した加圧部材により矢印Y方向へ押し込む
ことにより、加圧部分の熱可塑性樹脂50が溶融して流
動すると共に、導電性粒子16を被覆している被覆用熱
可塑性樹脂54が溶融する。
【0095】これにより、加圧部分の導電性粒子16が
互いに接触しあうと共に導電性粒子16が露出し、この
露出部分が導電パターン17となる。
【0096】また、導電性シート10の厚み方向と略垂
直な方向、すなわち、導電性シート10と平行な方向の
導電性を確保するため、絶縁性成分100重量部に対し
て、導電性成分が少なくとも20〜3000部、好まし
くは30〜2000部とすることが好ましい。
【0097】なお、導電性シート10は例えばプリント
基板などに用いることができるが、片面基板として使用
する場合には、図9(A)に示すような導電性シート1
0上に、図9(B)に示すように電子部品28を載置し
て、熱可塑性樹脂50の軟化温度以上の温度で加熱しな
がら電子部品28を導電性シート10の厚み方向に加圧
する。これにより、電子部品28の端子28Aを導電パ
ターン17に接着させることができ、電子部品28を半
田付けによらずに実装することができる。
【0098】また、図9(C)、(D)には、図9
(B)に示すような導電性シート10を2つ用いた両面
基板としてのプリント基板20が示されている。
【0099】プリント基板20は、図9(C)に示すよ
うに、図9(B)に示した電子部品28が搭載された導
電性シート10A、10Bを層間接続層22を挟んで張
り合わせた構成となっている。
【0100】層間接続層22は、第1実施形態で説明し
た第2層14と同様の構成である。すなわち、層間接続
層22は熱可塑性樹脂から成り、該熱可塑性樹脂内に導
電性粒子16が多数分散されており、所定の加圧力で加
圧されることにより導電性粒子16が厚み方向に連鎖す
ることで厚み方向にのみ導電性を有する(異方導電性)
構成となっている。
【0101】このように、全て同じ熱可塑性樹脂から構
成されるため、導電性シート10A,10B,層間接続
層22を積層した後、熱可塑性樹脂50の軟化点以上の
温度で加熱することで容易に各層を接着させることがで
きる。
【0102】なお、層間の接続については、図9(D)
に示すように、第1実施形態と同様に加圧部材18によ
り行う。本実施形成では、両面基板のため、導電性シー
ト10A側及び導電性シート10B側の双方から図9
(D)において矢印Y方向に加圧部材18により加圧す
ることにで層間接続を行う。
【0103】このようにプリント基板20の両側から加
圧することにより層間接続層22も両側から押し込ま
れ、これにより層間接続層22内の導電粒子16が厚み
方向にのみ連鎖する。これにより、導電性シート10
A、10Bの加圧部分が導通することとなる。なお、加
圧する際には、層間接続を行う箇所の断線を防止するた
め、両側からの押し込み量の合計が層間接続層22の厚
み以下となるように加圧することが好ましい。
【0104】プリント基板20への部品、例えばICの
実装は、例えば図3(D)に示すようにIC24を所定
位置に載置する。これと同時又は載置した後に熱可塑性
樹脂の軟化点以上の温度で加熱する。これにより熱可塑
性樹脂が軟化して接着性、粘着性が発生し、IC24の
端子がプリント基板20の導電パターン17に接着され
る。
【0105】なお、電子部品28を搭載した導電性シー
ト10A,10B、層間接続層22を積層するのではな
く、導電性シート10A,10B、層間接続層22を積
層した後に電子部品28を実装するようにしてもよい。
【0106】このように、プリント基板を作製する際
に、従来のプリント基板で必要であったメッキやエッチ
ング、層間接続におけるドリル加工が一切不要であり、
部品の実装に際してもはんだ付けが不要となることから
廃棄物を一切出すことなくプリント基板を作製できる。
【0107】また、部品の実装にはんだ付けを用いる必
要がないためフラックスによる耐溶剤性、はんだ付けに
必要な約260°C程度の耐熱性が必要ないため、一般
的な熱可塑性樹脂を用いることができる。このため、熱
や溶剤により熱可塑性樹脂を溶かすことで容易に導電性
粒子と分離することができ、容易にリサイクルすること
ができる。
【0108】リサイクル方法としては、例えば熱可塑性
樹脂の軟化点以上に加熱して搭載された電子部穂インを
取り外した後、熱可塑性樹脂の融点まで加熱することに
より、又は溶剤により熱可塑性樹脂を溶融させる。そし
て、導電性粒子16の直径よりも小さい径の穴を有する
メッシュ状の部材を用いて導電性粒子16と熱可塑性樹
脂とを分離する。このように、電子部品、熱可塑性樹
脂、導電性粒子の各素材を容易に回収、再利用すること
ができる。
【0109】なお、上記ではシート状の層間接続層を用
いた場合を例に説明したが、シート状ではなく、溶剤に
溶かしたものを導電性シート10A、10Bの少なくと
も一方の裏側に塗布して接着させ乾燥させてもよい。
【0110】なお、加圧方法としては、所望のパターン
の型を熱可塑性樹脂54の軟化温度以上の温度で加熱し
ながら導電性シート10に押し当てる方法や、プローブ
を熱可塑性樹脂54の軟化温度以上の温度で加熱しなが
らプログラム制御により所望のパターンに沿って加圧す
る方法を採用することができる。
【0111】なお、プローブによりパターニングする場
合には、加圧した際に導電性粒子16が周囲に逃げない
ようにするため、図8(B)に占めすようにプローブの
先端の形状を、導電性粒子16の半径よりも大きな曲率
半径を有する凹部を有した形状とすることが好ましい。
これにより、加圧部分に導電性粒子16を密集させるこ
とができる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導電パターンの形成にメッキやエッチング、ドリル加工
が一切不要であり、部品の実装に際してもはんだ付けが
不要となるため、廃棄物が一切出ることがなく容易にリ
サイクルすることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る導電性シートの断面図で
ある。
【図2】 第1実施形態に係る導電性シートの断面図で
ある。
【図3】 第2実施形態に係るプリント基板の断面図で
ある。
【図4】 第2実施形態に係るプリント基板の断面図で
ある。
【図5】 第3実施形態に係るプリント基板の断面図で
ある。
【図6】 第4実施形態に係るプリント基板の断面図で
ある。
【図7】 第4実施形態に係るプリント基板の断面図で
ある。
【図8】 第5実施形態に係る導電性シートの断面図で
ある。
【図9】 第5実施形態に係るプリント基板の断面図で
ある。
【図10】 従来におけるプリント基板の製造方法につ
いて説明するための図である。
【符号の説明】
10 導電性シート 12 第1層 14 第2層 16 導電性粒子 17 導電パターン 18 加圧部材 20 プリント基板 22 層間接続層 24 IC 26 ダミーリード 28 電子部品 30 プリント基板 32 絶縁基板 34 導電パターン 36 異方導電層 38 スルーホール 40 熱可塑性樹脂 42 穴 44 熱可塑性導電樹脂 46 多層基板 50 熱可塑性樹脂 54 被覆用熱可塑性樹脂
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610T 5E346 1/09 1/09 D 5G307 3/20 3/20 Z 3/46 ZAB 3/46 ZABS // H05K 3/40 H05K 3/40 G C08L 23:00 C08L 23:00 Fターム(参考) 4E351 AA02 BB01 BB30 BB49 CC19 DD02 DD52 DD54 GG20 4F071 AA15 AA20 AA22 AA26 AA40 AA50 AA54 AB07 AB08 AF37 AH13 BC01 5E051 CA03 5E317 AA27 BB01 BB11 BB22 CC11 GG20 5E343 AA02 AA12 BB15 BB22 BB67 DD55 GG20 5E346 CC31 CC32 CC37 CC38 CC39 DD11 EE02 FF18 5G307 GA02 GB01 GC02 HA01 HB03 HC01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の熱可塑性材料中に、押圧された
    ときに該押圧部位が導電性を有するように導電性材料が
    封入された導電性シート。
  2. 【請求項2】 前記導電性材料は、前記熱可塑性材料と
    軟化温度が異なる被覆用熱可塑性材料で被覆されている
    ことを特徴とする請求項1記載の導電性シート。
  3. 【請求項3】 絶縁性の熱可塑性材料中に導電性材料を
    封入して少なくとも一方向に導電性を有する第1シート
    と、 前記第1シートに張り合わせかつ、絶縁性の熱可塑性材
    料から成る第2シートと、 から構成された導電性シート。
  4. 【請求項4】 絶縁性の熱可塑性材料中に導電性材料を
    封入して少なくとも二方向に導電性を有する第1シート
    と、 前記第1シートに張り合わせかつ、絶縁性の熱可塑性材
    料中に、押圧されたときに該押圧部位が一方向に導電性
    を有するように導電性材料を封入した第2シートと、 から構成された導電性シート。
  5. 【請求項5】 前記第2シートに含まれる導電性材料
    は、互いに離間した複数の導電性粒子から成ることを特
    徴とする請求項4記載の導電性シート。
  6. 【請求項6】 前記第1シートに含まれる導電性材料
    は、互いに接触した複数の導電性粒子から成ることを特
    徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の導
    電性シート。
  7. 【請求項7】 前記請求項1記載の導電性シートを前記
    熱可塑性材料の軟化温度で加熱しながら回路パターンに
    一致した領域を押圧することにより前記回路パターンを
    形成してプリント基板を製造することを特徴とするプリ
    ント基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記請求項2記載の導電性シートを前記
    被覆用熱可塑性材料の軟化温度で加熱しながら回路パタ
    ーンに一致した領域を押圧することにより前記回路パタ
    ーンを形成してプリント基板を製造することを特徴とす
    るプリント基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項3乃至請求項6記載の何れか1項
    に記載の導電性シートを、前記第1シートの表面側から
    前記熱可塑性材料の軟化温度で加熱しながら前記導電性
    シートの厚みが前記第2シートの厚みよりも小さくなる
    ように回路パターンに一致した領域を押圧することによ
    り回路パターンを形成してプリント基板を製造すること
    を特徴とするプリント基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項6記載の何れか1
    項に記載の導電性シートを、絶縁性の熱可塑性材料中に
    導電性材料を封入して少なくとも一方向に導電性を有す
    る異方導電層の両側へ、前記熱可塑性材料の軟化温度で
    加熱しながら積層圧着し、その両側の各々について、前
    記熱可塑性材料の軟化温度で加熱しながら回路パターン
    に一致した領域を押圧することにより前記回路パターン
    を形成してプリント基板を製造することを特徴とするプ
    リント基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記熱可塑性材料の軟化温度で加熱し
    ながら表面側の回路パターン上の第1所定部位及び該第
    1所定部位に対応する裏面側の回路パターン上の第2所
    定部位の少なくとも一方から押圧することにより、前記
    第1所定部位と第2所定部位とを導通させることを特徴
    とする請求項10記載のプリント基板の製造方法。
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