JP2001249482A

JP2001249482A - カラー電子写真用受像材料

Info

Publication number: JP2001249482A
Application number: JP2000062440A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Fujimoto; 央藤本
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 2000-03-07
Filing date: 2000-03-07
Publication date: 2001-09-14
Also published as: US20010028944A1; US6387478B2

Abstract

(57)【要約】【課題】トナーの転写性が良好で色再現性に優れ、ト
ナー受像面の光沢が高くて写真ライクな画像を得ること
ができるとともに、環境変化に強いカラー電子写真用受
像材料を提供すること。【解決手段】支持体と該支持体の少なくとも一方の面
上にトナーの受像層を有するカラー電子写真用受像材料
において、該支持体が原紙の両面に厚みが５〜３０μｍ
で水蒸気透過速度が３０ｇ／（ｍ²・２４ｈｒ)以下であ
る樹脂層を有しており、該受像層の厚みが３〜５０μｍ
であり、かつ該受像層の流動開始温度Ｔ_F（受像層）と
該トナーの流動開始温度Ｔ_F（トナー）が以下の関係式
を満たすことを特徴とするカラー電子写真用受像材料。Ｔ_F（受像層） ≦ Ｔ_F（トナー）＋５℃

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法を用い
たレーザープリンター等のカラー画像出力用の受像材料
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カラー電子写真方法はドライ処理で、印
字スピードが速く、汎用紙（普通紙や上質紙）に出力で
きることから、コピー機やパソコンの出力機として有用
されている。しかし、顔や風景等の画像情報を写真用途
として出力した場合、汎用紙等では、特に光沢が劣るた
め、十分な性能を得ることができない。電子写真の画像
形成プロセスにおいては定着工程で温度と圧力をかけて
トナーを受像紙に定着するが、受像面に光沢を持たせる
ためには該定着項においてトナーを受像層に埋め込ませ
表面を平滑にする必要がある。特開昭６３−９２９６５
号公報にはトナーを受像層に埋め込むためにポリマー層
を表面に設けることが開示されている。また特開平４−
２１２１６８号公報においては、ポリマーの流動開始温
度を規定した受像層を設けることが開示されている。

【０００３】しかしながらこれらの技術を用いても、原
紙の地合による凹凸が現れる等により写真プリントライ
クな平滑な表面を与えるには十分とはいえない。更に温
度や湿度の変化によってシート状の受像材料がカールし
たり、トナー画像にひび割れが発生したりすることが分
かった。受像材料のカール対策として、例えば米国特許
第５６９１０３９号明細書には、原紙の一方の面上にト
ナーの受像層を設け、反対面上に融点が１１５℃以上の
カール防止層を設けることが開示されている。しかしな
がら、この方法ではカールのバランスが取れたとして
も、例えばプリント後の受像材料を高湿条件下にさらす
と紙が伸縮を起こしトナー画像がその伸縮に耐え切れず
にひび割れを起こす場合がある。

【０００４】上記トナー画像のひび割れを防止する有効
な手段の一つとして、上記支持体の環境変化に伴う伸縮
を防止することが考えられる。一般に銀塩写真の業界で
は原紙の両面にポリエチレンをラミネートすることで紙
の吸湿を抑制することが知られている。しかしながら両
面にポリエチレンをラミネートしたこれらの支持体は、
電子写真用途にそのまま転用すると、トナーが定着時に
オフセットを起こす等の弊害が発生することがわかっ
た。そこでこの支持体にトナーの受像層を設けることが
考えられる。例えば特開平８−２１１６４５号公報にお
いては原紙の両面に熱可塑性樹脂層を設けその上にトナ
ー受像層を設けることが記載されている。しかし、この
構成では、トナー転写工程においてトナー転写空間に十
分な電圧を与えることができず転写不良が起こる場合が
あるうえ、定着工程においては十分な熱が受像層及びト
ナーに供給できず、写真ライクな高い光沢性が得られな
いことがわかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術の問
題点を考慮して、本発明は、トナーの転写性が良好で色
再現性に優れ、トナー受像面の光沢が高く写真ライクな
画像を得ることができるカラー電子写真用受像材料を提
供することを課題とした。更に本発明は、環境温湿度が
変化してもカールを起こしたり、トナー画像にひび割れ
が発生したりすることのない環境変化に強いカラー電子
写真用受像材料を提供することも課題とした。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題は、支持体と
該支持体の少なくとも一方の面上にトナーの受像層を有
するカラー電子写真用受像材料において、該支持体が原
紙の両面に厚みが５〜３０μｍで水蒸気透過速度が３０
ｇ／（ｍ²・２４ｈｒ)以下である樹脂層を有しており、
該受像層の厚みが３〜５０μｍであり、かつ該受像層の
流動開始温度Ｔ _F（受像層）と該トナーの流動開始温度
Ｔ_F（トナー）が以下の関係式を満たすことを特徴とす
る本発明のカラー電子写真用受像材料により解決され
た。

【数２】Ｔ_F（受像層） ≦ Ｔ_F（トナー）＋５℃ （１）

【０００７】本発明のカラー電子写真用受像材料におい
て、前記受像層の流動開始温度が前記樹脂層の融点より
も低いことが好ましい。また、前記樹脂層は両面共に、
密度が０．９４〜０．９７ｇ／ｃｍ³のポリエチレンを
含み、厚みが５〜２０μｍであることが好ましい。さら
に、前記樹脂層と前記受像層の間に、前記樹脂層と前記
受像層の双方に接着可能な中間層を有することが好まし
い。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載さ
れる数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を
意味する。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下において、本発明のカラー電
子写真用受像材料について詳細に説明する。本発明のカ
ラー電子写真用受像材料は、支持体の少なくとも一方の
面上にトナーの受像層を有するものである。その特徴
は、支持体が原紙の両面に厚みが５〜３０μｍで水蒸気
透過速度が３０ｇ／（ｍ²・２４ｈｒ)以下である樹脂層
を形成してなるものであること、受像層の厚みが３〜５
０μｍであること、受像層の流動開始温度Ｔ_F（受像
層）と該トナーの流動開始温度Ｔ_F（トナー）が上記式
（１）の関係を満たすことにある。

【０００９】本発明のカラー電子写真用受像材料の支持
体を構成する原紙は、定着温度に耐えることができ、平
滑性、白色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、定着後の
へこみ等の点で実用性を損なわないものならばどの様な
ものでも使用できる。一般的には、日本写真学会編「写
真工学の基礎−銀塩写真編−」株式会社コロナ社刊（昭
和５４年）(223) 〜(240) 頁記載の紙、合成高分子（フ
ィルム）等の写真用支持体が挙げられる。具体的には、
合成紙（ポリオレフィン系、ポリスチレン系等の合成
紙）、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート
紙、ポリエチレン等の合成樹脂パルプと天然パルプとか
ら作られる混抄紙、ヤンキー紙、バライタ紙、壁紙、裏
打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴム
ラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース
繊維紙等が用いられる。写真プリントの質感の点から、
原紙の厚みは１００〜２００μｍであることが好まし
く、密度は０．９〜１．２ｇ／ｃｍ³であることが好ま
しい。

【００１０】本発明では、原紙の両面に少なくとも樹脂
層を形成した支持体を使用する。原紙の上に樹脂層を形
成せずに直接受像層を設けると、紙の地合が受像層表面
に現れ、カラー電子写真用受像材料の表面が凹凸になっ
てトナー画像の光沢の低下を招く原因になる。本発明の
構成に従って、原紙と受像層の間に樹脂層を形成するこ
とにより、表面がより平滑になり、高い光沢を得ること
ができる。ただし、樹脂層の厚みが５μｍより薄い場合
はその効果が十分に得られず、逆に厚みが３０μｍより
厚い場合は種々の弊害がでる。例えば転写工程において
トナーの転写不良が発生し、色再現性が低下したり濃度
が低下したりする。更に定着工程において樹脂層あるい
はトナーに十分な熱が伝わらないために表面の光沢が著
しく低下する。このため、本発明では樹脂層の厚みを５
〜３０μｍに設定する。

【００１１】樹脂層は、原紙の水分量の変化を抑制する
ことを重要な役割としている。樹脂層の厚みは水分の透
過を抑制するという点からは厚いほうが好ましいが、厚
くし過ぎると上述のような種々の弊害が発生する。従っ
て、樹脂層はできるだけ薄くて水分の透過が少ないもの
が好ましい。樹脂層の水分の透過速度は３０ｇ／（ｍ ²
・２４ｈｒ)以下であることが必要とされ、２０ｇ／
（ｍ²・２４ｈｒ)以下であることが好ましい。本明細書
において水蒸気透過速度とは、４０℃、相対湿度９０％
の条件下で、２５μｍ厚みの樹脂層１ｍ²あたり２４時
間で透過する水蒸気の質量を求め、各受像材料の樹脂層
厚みの場合に換算したものである。

【００１２】樹脂層を構成する材料は、このような条件
を満たすものであればその種類は特に制限されない。ま
た、樹脂層を構成する樹脂は必ずしも熱可塑性樹脂であ
る必要はない。好ましい材料は、ポリエチレンやポリプ
ロピレンのようなポリオレフィンである。特に樹脂層の
厚みを薄くするためには密度が０．９４〜０．９７ｇ／
ｃｍ³の高密度ポリエチレン、あるいは、密度が０．８
５〜０．９５ｇ／ｃｍ³のポリプロピレンを用いること
が好ましく、これらは原紙の両面共に被覆することが最
も好ましい。

【００１３】更に定着時に十分な熱をトナーの受像表面
に与えるためには、樹脂層の融点が受像層の流動開始温
度以上であることが好ましい。樹脂層の融点が低いと、
受像層が軟化する前に樹脂層の溶融潜熱によって熱が奪
われてしまい、その結果、受像層が軟化してトナーを埋
め込むのに十分な熱を得ることができなくなってしまう
傾向がある。

【００１４】本発明では、原紙の両面に樹脂層が形成さ
れた支持体を使用するが、形成される樹脂層の材料、厚
さ、水蒸気透過速度などは両面とも同一であっても各面
で異なっていてもよい。また、樹脂層は各面に１層ずつ
形成されていてもよいし、２層以上形成されていてもよ
い。さらに、原紙上には樹脂層のほかに、本発明の目的
を該しない範囲内において、さらに別の層を設けること
もできる。これらの支持体の構成層中には、本発明の目
的を害しない範囲内において、適宜選択した各種の添加
剤を添加させることができる。例えば、増白剤や、導電
剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラックなどの
顔料や染料などを必要に応じて含有させておくことがで
きる。

【００１５】また、支持体の片面または両面には、その
上に設けられる層との密着性を改良する目的で種々の表
面処理や下塗りを施すことができる。表面処理としては
例えば、光沢面、又は特開昭５５−２６５０７号公報記
載の微細面、マット面又は絹目面の型付けの処理や、コ
ロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、又はプラズ
マ処理などの活性化処理などが挙げられる。下塗りとし
ては、例えば、特開昭６１−８４６４４３号公報に記載
の方法を用いることができる。また、これらは単独に用
いてもよく、また、型付けなどを行った後に活性化処理
を施したり、更に活性化処理などの表面処理後に下塗り
を行うなど、任意の組み合わせで併用して用いることも
できる。

【００１６】これらの支持体の構成中や表面や裏面、及
びそれらの組み合わせ中には、親水性バインダーとアル
ミナゾルや酸化スズのような半導性金属酸化物、カーボ
ンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよい。具体
的には、特開昭６３−２２０２４６号公報などに記載の
支持体を使用することができる。

【００１７】本発明のカラー電子写真用受像材料は、支
持体の少なくとも一方の面上にトナーの受像層を有す
る。受像層は支持体の片面、両面のいずれに設けてもよ
い。両面に設ける場合はカードやハガキ、パンフレッ
ト、チラシなどの用途に用いることができるので好まし
く、受像層を片面のみ設けると、片面のみの用途、例え
ば、ポスターや写真、シールプリント（バック面に粘着
層を設ける）などに適するので好ましい。また受像層は
２層以上の層で構成してもよい。

【００１８】受像層の熱特性としては定着時間内に十分
に可塑化し、トナーを包み込むように流動する必要があ
る。即ち、受像層の流動はトナー粒子が熱と圧力によっ
て潰れて押し広げられてしまう前に開始することが必要
であり、この状態を満たすためには受像層の流動開始温
度とトナーの流動開始温度が上記式（１）の関係を満た
す必要があることが本発明者らにより明らかにされた。
本明細書において流動開始温度とは、島津製作所製フロ
ーテスターＣＦＴ−５００を用い、昇温速度５℃／分、
荷重４．９ｘ１０⁶Ｐａ、ダイ穴径０．５ｍｍの条件に
て測定した流動開始温度である。なお、定着温度は、受
像層又はトナーの流動開始温度のどちらか高い温度より
もさらに高いことが必要である。

【００１９】受像層の厚みはトナーを十分に埋め込むた
めには重要である。受像層の厚みは３〜５０μｍの範囲
であることが必要であり、好ましくは５〜３０μｍ、よ
り好ましくは７〜２０μｍである。受像層の厚みが３μ
ｍ未満であると、定着時に受像層がトナーを十分に包み
込むことができず高い光沢が得られない。また受像層の
厚みが５０μｍを超えると、転写不良を起こしたり写真
としての質感が劣るため好ましくない。

【００２０】受像層は、トナー受容性物質を含有する。
トナー受容性物質の種類は特に制限されないが、代表的
なものとして、エステル結合を有するもの；ポリウレタ
ン樹脂；尿素樹脂等のポリアミド樹脂；ポリスルホン樹
脂；ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロ
ビオン酸ビニル共重合体樹脂；ポリビニルブチラール等
のポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロ
ース樹脂等のセルロース樹脂；ポリカプロラクトン樹
脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニト
リル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂；ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポ
リオレフィン樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィ
ンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂、アクリル樹
脂等を例示することができる。受容性物質は単独で用い
てもよいし、２種以上を組み合わせて混合物や共重合体
等として用いてもよい。

【００２１】受容性物質としてはポリエステル樹脂を含
むものが好ましい。特に好ましいのは、ポリエステル樹
脂を２０質量％以上含有するものである。エステル結合
を有する樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、
マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸等のジカ
ルボン酸成分（これらのジカルボン酸成分にはスルホン
酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい）と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ビスフェノールＡ、ビスフェノールＳ、２
−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグ
リコール等のアルコール成分（これらのアルコール成分
には水酸基等が置換されていてもよい）との縮合により
得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレー
ト、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステ
ル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレ
ート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹
脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等を例示すること
ができる。具体的には特開昭５９−１０１３９５号、特
開昭６３−７９７１号、特開昭６３−７９７２号、特開
昭６３−７９７３号、特開昭６０−２９４８６２号の各
公報に記載されるものを挙げることができる。また、市
販品としては東洋紡製のバイロン２９０、バイロン２０
０、バイロン２８０、バイロン３００、バイロン１０
３、バイロンＧＫ−１４０、バイロンＧＫ−１３０、花
王製のタフトンＮＥ−３８２、タフトンＵ−５、ＡＴＲ
−２００９、ＡＴＲ−２０１０、ユニチカ製のエリーテ
ルＵＥ３５００、ＵＥ３２１０、ＸＡ−８１５３、日本
合成化学製のポリエスターＴＰ−２２０、Ｒ−１８８等
を使用することができる。

【００２２】但しこれらのポリマーは、使用するトナー
との熱特性や樹脂層との熱特性の関係が、本発明の条件
を満たすように調整される必要がある。調製の具体的な
方法としては、例えば樹脂層と受像層に使用されるポリ
マーの熱特性そのもので調整する方法や、無機粒子や可
塑剤のような添加剤及びポリマー同士のブレンドによっ
て本発明の熱特性になるように調整する方法などがあ
る。

【００２３】本発明のカラー電子写真用受像材料を構成
する受像層あるいは樹脂層には、可塑剤を使用すること
ができる。使用する可塑剤の熱物理特性は、構成する層
のバインダーや他の成分に併せて適宜選択する。可塑剤
の添加量は、層を構成するバインダーと他の成分と可塑
剤を全て加算した質量を１００質量％とした時に、０．
００１〜９０質量％が好ましく、更に０．１〜６０質量
％が好ましく、特に１〜４０質量％が好ましい。可塑剤
としては、「化学便覧」（日本化学会編、丸善）、「可
塑剤−その理論と応用−」（村井孝一編著、幸書房）、
「可塑剤の研究上」「可塑剤の研究下」（高分子化学
協会編）、「便覧ゴム・プラスチック配合薬品」（ラ
バーダイジェスト社編）等を参考にして選択することが
できる。

【００２４】また、可塑剤として、高沸点有機溶剤や熱
溶剤などという名前で記載しているものを使用すること
もできる。例えば、特開昭５９−８３１５４号公報、同
５９−１７８４５１号公報、同５９−１７８４５３号公
報、同５９−１７８４５４号公報、同５９−１７８４５
５号公報、同５９−１７８４５７号公報、同６２−１７
４７５４号公報、同６２−２４５２５３号公報、同６１
−２０９４４４号公報、同６１−２００５３８号公報、
同６２−８１４５号公報、同６２−９３４８号公報、同
６２−３０２４７号公報、同６２−１３６６４６号公
報、同６２−１７４７５４号公報、同６２−２４５２５
３号公報、同６１−２０９４４４号公報、同６１−２０
０５３８号公報、同６２−８１４５号公報、同６２−９
３４８号公報、同６２−３０２４７号公報、同６２−１
３６６４６号公報、特開平２−２３５６９４号公報等に
記載されているようなエステル類（例えばフタル酸エス
テル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル類、アビエ
チン酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸
エステル類、アゼライン酸エステル類、安息香酸エステ
ル類、酪酸エステル類、エポキシ化脂肪酸エステル類、
グリコール酸エステル類、プロピオン酸エステル類、ト
リメリット酸エステル類、クエン酸エステル類、スルホ
ン酸エステル類、カルボン酸エステル類、コハク酸エス
テル類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、
フタル酸エステル類、ステアリン酸エステル類など）、
アミド類（例えば脂肪酸アミド類、スルホアミド類な
ど）、エーテル類、アルコール類、パラフィンル類、ラ
クトン類、ポリエチレンオキシ類、シリコーンオイル
類、フッ素化合物類などの化合物が挙げられる。

【００２５】また、後述するようなポリマーの低分子量
品も用いることができる。市販品として、旭電化工業製
アデカサイザーＰＮ−１７０、ＰＮ−１４３０や、Ｃ．
Ｐ．ＨＡＬＬ社製品ＰＡＲＡＰＬＥＸ−Ｇ−２５、Ｇ−
３０、Ｇ−４０、理化ハーキュレス製品エステルガム８
Ｌ−ＪＡ、エステルＲ−９５、ペンタリン４８５１、Ｆ
Ｋ１１５、４８２０、８３０、ルイゾール２８−ＪＡ、
ピコラスチックＡ７５、ピコテックスＬＣ、クリスタレ
ックス３０８５等を挙げることができる。これらは、ス
ベリ性（摩擦力低下による搬送性向上）の調整や、定着
部オフセット（定着部へのトナーや層の剥離）の改良、
カールバランスの調整、帯電調整（トナー静電像の形
成）等の目的で使用してもよい。

【００２６】本発明では、受像層と樹脂層の中間に、樹
脂層と受像層の双方に接着可能な中間層を設けることが
好ましい。例えばゼラチンやポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等を
主成分として用いるのが好ましく。特にゼラチンが好ま
しい。中間層の厚みは０．０５〜５μｍ程度で、このま
しくは０．１〜２μｍである。該中間層は特に定着時の
膜剥がれや、泡状の膜破れ（いわゆる発泡）の防止に有
効である。また受像材料を折り曲げたりした場合に受像
層と樹脂層の界面からの剥離を防止したり、受像材料に
テープを貼り付けたりそれを剥がしたりした場合の膜剥
がれに有効であり、本発明の構成においては該中間層を
設けることは特に好ましい。

【００２７】本発明の電子写真用受像材料を構成する層
の少なくとも１つには、トナーの転写や付着を調整する
目的で帯電調整剤を含有させることができる。帯電調整
剤としては、従来公知の帯電防止剤がいずれも使用可能
であり、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性
剤、両性界面活性剤、非イオン系界面活性剤等の界面活
性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等も使用
できる。例えば、第４級アンモニウム塩、ポリアミン誘
導体等のカチオン系帯電防止剤、カチオン変性ポリメチ
ルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン、アルキ
ルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、アニオン系
ポリマー、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。

【００２８】導電性金属酸化物としては、ＺｎＯ、Ｔｉ
Ｏ₂、ＳｎＯ₂、Ａｌ₂Ｏ₃、Ｉｎ₂Ｏ₃、ＳｉＯ₂、Ｍｇ
Ｏ、ＢａＯ及びＭｏＯ₃を挙げることができる。これら
は、単独で使用しても良く、これらの複合酸化物を使用
しても良い。また、金属酸化物は、異種元素をさらに含
有させてもよく、例えば、ＺｎＯに対してＡｌ、Ｉｎ
等、ＴｉＯ₂に対してＮｂ、Ｔａ等、ＳｎＯ₂に対して
は、Ｓｂ、Ｎｂ、ハロゲン元素等を含有（ドーピング）
させることができる。

【００２９】トナーの受像層は、１×１０⁶ 〜１×１０
¹⁵の範囲（２５℃、相対湿度６５％の条件にて）の表面
電気抵抗を有することが好ましい。１×１０⁶ Ω未満の
場合は、受像層にトナーが転写される際のトナー量が充
分でなく得られるトナー画像の濃度が低く、一方、１×
１０¹⁵Ωを超える場合は、転写時に必要以上の電荷が発
生しトナーが充分に転写されず、画像の濃度が低くなる
傾向がある。電子写真用受像材料の取り扱い中に静電気
を帯びて塵埃が付着し易く、また複写時にミスフィー
ド、重送、放電マーク、トナー転写ヌケなどが発生し易
くなるので好ましくない。また、水溶性ポリマーを含有
する耐熱層は必ずしも帯電調整する必要はない。

【００３０】本発明の電子写真用受像材料を構成する原
紙、耐水層、原紙被覆層、保護層、受像層、クッション
層、下塗層、断熱層、多孔層、耐熱層、接着層、カール
調整層等には、写真用添加剤を用いることができる。例
えば、写真用添加剤としては、リサーチ・ディスクロー
ジャー誌（以下ＲＤと略記）No. １７６４３（１９７８
年１２月）、同No. １８７１６（１９７９年１１月）お
よび同No. ３０７１０５（１９８９年１１月）に記載さ
れており、その該当箇所を下記にまとめる。

【００３１】

【表１】

【００３２】本発明の電子写真用受像材料には、ブロッ
キング防止や、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良、
白地やカール、受像材料全体の水分調整など目的で、構
成層中に有機及び／又は無機の微粒子（以下マット剤と
略す）を添加することができる。マット剤の粒径は０．
００１〜５０μｍであることが好ましく、０．０５〜３
０μｍであることがより好ましい。マット剤の平均粒径
は、耐熱層の厚みを１０とすると、０．０１〜５００が
好ましく、更に０．１〜３００が好ましく、特に０．５
〜１００が好ましい。マット剤は、耐熱層の表面に出て
いても内部に入っていてもよい。マット剤の塗布量は、
０．００１〜２０ｇ／ｍ²が好ましく、更に０．００３
〜１０ｇ／ｍ²が好ましく、特に０．００５〜５ｇ／ｍ²
が好ましい。

【００３３】マット剤としては、従来公知のものが使用
できる。例えば、特開平５−２６２０５５号公報記載の
有機及び／または無機の微粒子をマット剤として用いる
ことができる。具体的には、有機のマット剤として、例
えば、ベンゾグアナミン樹脂粒子、ポリカーボネート樹
脂粒子、ＡＢＳ樹脂粒子などの特開昭６３−２７４９４
４号公報、同６３−２７４９５２号公報記載の化合物の
他に、メラミン樹脂粒子、メラミン−ホルムアルデヒド
共重合粒子、特開昭６１−８８２５６号公報（２９）頁
記載の化合物のポリメチルメタクリレート粒子、ポリエ
チレン粒子などのポリオレフィン樹脂粒子や、スチレン
樹脂粒子、架橋して耐熱性や耐磨耗性を向上した架橋ポ
リメチルメタクリレート粒子、架橋ポリスチレン粒子な
どを挙げることができる。無機のマット剤としては、例
えば、酸化物（二酸化チタン、ニ酸化ケイ素など）、ア
ルカリ土類金属塩（例えば硫酸塩や炭酸塩であり、具体
的には硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど）、画像を形
成しないハロゲン化銀粒子（塩化銀や臭化銀等）やガラ
ス等を挙げることができる。

【００３４】本発明の電子写真用受像材料を構成する層
は硬膜剤によって硬化されていてもよい。有機溶剤系の
ポリマーを硬化する場合には、特開昭６１−１９９９９
７号公報、同５８−２１５３９８号公報等に記載されて
いる硬膜剤が使用できる。ポリエステル樹脂に対しては
特にイソシアネート系の硬膜剤を使用することが好まし
い。水溶性ポリマーの場合は、表１の硬膜剤として挙げ
た化合物が使用できる。

【００３５】また、本発明の電子写真用受像材料には、
塗布助剤、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目
的で、有機フルオロ化合物を含有させてもよい。有機フ
ルオロ化合物の代表例としては、特公昭５７−９０５３
号公報第８〜１７欄、特開昭６１−２０９４４号公報、
同６２−１３５８２６号公報等に記載されているフッ素
系界面活性剤、又はフッ素油等のオイル状フッ素化合
物、もしくは四フッ化エチレン樹脂等の固体状フッ素化
合物樹脂等の疎水性フッ素化合物が挙げられる。

【００３６】本発明の電子写真用受像材料の裏面には、
耐熱層を設けてもよい。耐熱層の素材としては、定着温
度に耐えることができればどの様なものでも使用できる
が、水溶性ポリマーを含有するものが好ましく、特に水
溶性ポリマーを１０質量％以上含有するものが好まし
い。耐熱層を構成するバインダーや主成分としては、前
述した受像層用ポリマーや水溶性ポリマー、他の有機溶
剤可溶性ポリマーや水溶性ポリマーを用いることができ
る。水溶性ポリマーとしては、硬膜剤により架橋反応し
うる基を有する水溶性のポリマーが好ましく、中でもポ
リビニルアルコールやゼラチン類が好ましく用いられ
る。耐熱層は２層以上の層からなるものであってもよ
い。耐熱層の厚みは全体で０．０１〜５０μｍ、特に
０．０５〜２０μｍの範囲が好ましい。

【００３７】本発明において、電子写真用受像材料を構
成する層は、前述の材料を用い、更に必要に応じて各種
助剤を添加し、あるいは適当な溶剤に溶解や分散を行っ
て調整した素材を、ブレード塗布法、エアナイフ塗布
法、グラビア塗布法、スクイズ塗布法、ロールコーティ
ング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗
布法、等の従来より公知の塗布方法を利用して行うこと
ができる。

【００３８】本発明のカラー電子写真用受像材料の形状
は、電子写真方法による記録に用いうる形状であれば特
に制限されない。シート状または帯状であってもよく、
ロール状の長巻きであってもよい。プリントの効率の観
点からは、ロール状の長巻きであることが好ましい。ロ
ール状の長巻きである場合は、プリンター内部で最終商
品の長さに裁断することが好ましく、その機能を有した
プリンターを用いることが好ましい。

【００３９】本発明のカラー電子写真用受像材料の他の
具体例としては、Ｌサイズや２Ｌサイズの写真プリン
ト、写真や絵柄入り名詞、チケット、カレンダー、縁飾
りのついた写真プリント等が挙げられ、いずれも好適で
ある。また、本発明のカラー電子写真用受像材料を使用
すると、縁にプリントされていない白紙部分が存在しな
いプリントを電子写真プリント方式で作成することがで
きる。

【００４０】カラー電子写真方法に用いられるトナーと
しては、公知のものが使用できる。イエロー、マゼン
タ、シアン、または黒の３色または４色でカラー画像を
形成することが好ましい。さらには、各色濃度の異なる
２つ以上のトナーを用いてもよい。また、透明または白
色のトナーを用いることもできる。

【００４１】また、ＵＶ吸収を持つトナーや、受像層の
添加剤としてあげた各種添加剤を含有するトナーを用い
てもよい。例えば、退色防止剤を含有したトナーを用い
れば、画像保存性に優れたトナー画像を形成することが
できる。また、２種以上のトナーが反応して特定の機能
を発現するものであってもよい。さらに、他のトナーよ
り軟化点の高いものを併用し、いわゆるマット剤として
用いてもよい。また、溶融状態での受像層との接触角が
異なるトナーを用いて、各トナーの定着時の広がりをコ
ントロールすることで実効濃度を変え、階調の一部を形
成するようにしてもよい。本発明に用いることのできる
電子写真方法は、特に限定されない。例えば、コロナ社
出版の電子写真学会編集の「電子写真技術の基礎と応
用」及び「電子写真技術の基礎と応用続」に記載の方
法を挙げることができ、トナーの種類や方式等は限定さ
れない。

【００４２】

【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使
用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨か
ら逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるもの
ではない。

【００４３】（実施例１）化学パルプよりなる厚さ１４
０μｍ、坪量１５０ｇ／ｍ²の原紙の両面に、樹脂層と
して密度０．９５ｇ／ｃｍ³、融点１３０℃の高密度ポ
リエチレンを両面が同じ厚みになるようにラミネートし
た。樹脂層の厚みは各試料ごとに表２に記載されるとお
りに設定した。このとき、各樹脂層の水蒸気透過速度は
表２に示すとおりであった。その後、樹脂層の上に下記
中間層組成物を厚み０．２μｍとなるように両面共に塗
工した。次に、一方の中間層の上に下記受像層用組成物
を塗工し、更に反対面の中間層の上に下記組成のマット
層を厚みが２μｍとなるように設けてシート状のカラー
電子写真用受像材料を作成した。このとき、各試料の受
像層を構成する樹脂の種類、受像層の厚みは表２に記載
されるとおりに設定した。また、各試料の受像層の流動
開始温度は表２に記載されるとおりであった。

【００４４】＜中間層用組成物＞ゼラチン５０質量部サリチル酸５０質量部水１０００質量部メタノール１５００質量部＜受像層用組成物＞ポリエステル樹脂（表２参照）１００質量部二酸化チタン（タイペーク^TMＡ−２２０、石原産業製）１５質量部（Ｃ₆Ｈ₅Ｏ）₃−Ｐ＝Ｏ９質量部メチルエチルケトン４００質量部＜マット層用組成物＞バイロナールMD1200（東洋紡製）１００質量部エポスターＬ１５（日本触媒製）３０質量部水４５０質量部

【００４５】次に作成したカラー電子写真用受像材料を
Ａ４に裁断し、カラーレーザープリンター（富士ゼロッ
クス製、Docucolor 1250）に予めスキャナーで取り込ん
でおいた写真画像を２５℃、相対湿度５０％の環境下で
プリントアウトした。このとき、トナーは流動開始温度
が９６℃のものを用いた。上記プリントされたカラー電
子写真用受像材料のトナー黒部の４５度光沢度を光沢度
計により測定した。更に上記カラー電子写真用受像材料
を２８℃、相対湿度８５％の環境下で１日放置した。そ
の後、２５℃、相対湿度５０％の環境下に戻してトナー
画像部のひび割れを目視観察し、以下の基準で評価し
た。 ○：ひび割れが目視で見つからない △：僅かに発生が観察される ×：明らかにひび割れの発生が認められる

【００４６】

【表２】

【００４７】表２から明らかなように、樹脂層の厚みが
５μｍより薄いと表面の平滑性が低下して光沢度が下が
り、また高湿条件下で保存すると画像部にヒビ割れが発
生する（受像材料Ｎｏ．１）。また、樹脂層の厚みが５
μｍ以上であっても、水蒸気透過速度が３０ｇ／（ｍ²
・２４ｈｒ)を超える場合はやはりトナー画像部にひび
割れが発生する(受像材料Ｎｏ．２)。逆に、樹脂層の厚
みが３０μｍを超える場合は、定着時の熱が十分に伝わ
らずトナーの溶融と受像層への埋め込みが悪くなり光沢
度が悪化する（受像材料Ｎｏ．１３、１４）。樹脂層の
厚みは、特に１０〜２０μｍが好ましい。

【００４８】また、受像層の流動開始温度がトナーの流
動開始温度より５℃以上高い場合は、トナーの埋め込み
が不十分で光沢度が低くなる（受像材料Ｎｏ．１１）。
一方で本発明の構成に従えば、良好な光沢と、環境変化
にさらされてもトナー画像にひび割れもなく良好な性能
が得られる（受像材料Ｎｏ．３〜５、７、９、１０、１
２）。

【００４９】（実施例２）実施例１の樹脂層に使用した
高密度ポリエチレン層の代わりに、表３に示す水蒸気透
過速度と融点を有する樹脂を用いて厚み２０μｍの樹脂
層を設け、さらにポリエステルＡを用いて厚み１０μｍ
の受像層を設けたこと以外は、実施例１と同様にしてカ
ラー電子写真用受像材料を作成した。実施例１と同様の
評価を行った結果を表３に示す。

【００５０】

【表３】

【００５１】表３から明らかなように、樹脂層の水蒸気
透過速度が３０ｇ／（ｍ²・２４ｈｒ)より大きい場合
は、画像形成後の環境変化によってトナー画像部にひび
割れが発生する（受像材料Ｎｏ．２３、２４）。一方、
水蒸気透過速度が３０ｇ／（ｍ²・２４ｈｒ)以下である
場合は、トナー画像部にひび割れは発生しない（受像材
料Ｎｏ．２１、２２）。また、樹脂層の融点が受像層の
流動開始温度（９３℃）より高い場合は良好な光沢度が
得られ、特に融点が１１０℃以上であれば優れた光沢が
得られる（受像材料Ｎｏ．２１、２２）。

【００５２】（実施例３）実施例２の受像材料Ｎｏ．２
１〜２３の中間層を設けないこと以外は実施例２と同様
にしてシート状のカラー電子写真用受像材料を作成した
（受像材料Ｎｏ．３１〜３３）。上記各カラー電子写真
用受像材料を１０℃、相対湿度１５％の環境下に１日間
さらした後、２８℃、相対湿度８５％の環境下にさらに
１日さらした。その後、受像層表面にセロテープ（登録
商標）を貼り付けて剥がし、膜の密着強度を調べて以下
の基準で評価した。結果を表４に示す。 ○：テープに受像層及び樹脂層はつかない △：テープ面に少し白く粉状のものがつき、受像面に
接着跡が残る ×：テープ面に明らかに付着物があり、受像面が剥が
れる

【００５３】

【表４】

【００５４】表４から明らかなように、中間層がある場
合に比べ中間層がない場合は膜が剥がれやすいことがわ
かった。特に樹脂層の融点が１１０℃以上の場合に中間
層の効果が顕著に現れることがわかった（受像材料Ｎ
ｏ．２１、２２）。

【００５５】（実施例４）漂白された硬木硫酸塩パルプ
７０質量部の混合物を、４％のコンシステンシーで叩解
し、３５°ＳＲの叩解度とした。続いて、カチオン性澱
粉０．５質量部、両性ポリアクリルアミド１．０質量
部、アルキルケテン二量体０．６質量部、ポリアミド−
ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂１．０質量部、エ
ポキシ化脂肪酸アミド０．１質量部の各々を上記木材パ
ルプ懸濁液に添加した。この懸濁液を抄紙機中で秤量１
７０ｇ／ｍ²となるように原紙を作成し、その両面にそ
れぞれ下記の組成を有する層を形成した。表面のラミネ
ート量は３０ｇ／ｍ²にし、裏面のラミネート量は２６
ｇ／ｍ²になるようにした。下記組成中の低密度ポリエ
チレンの密度ａ〜ｄは、各試料によって表５に記載され
るとおりに設定した。＜表面＞密度ａの低密度ポリエチレン５８質量部密度ｂの低密度ポリエチレン２７．７３質量部ルチル型二酸化チタン１７．７３質量部ウルトラマリーンブルー０．２質量部酸化防止剤０．２質量部ステリアリン酸金属塩０．０７質量部コバルトバイオレット０．０７質量部＜裏面＞密度ｃの高密度ポリエチレン７０質量部密度ｄの低密度ポリエチレン３０質量部

【００５６】次いで、表面の樹脂層上に受像層を形成し
た。受像層に用いたポリマー（１ｇ／ｍ²）と受像層の
厚みは表５に記載されるとおりに設定した。作成した各
カラー電子写真用受像材料を２５℃、相対湿度５０％の
環境下に２日保管した後、３２℃、相対湿度８５％の環
境下でカラーレーザープリンター（富士ゼロックス製、
Docucolor 1250）を用いてプリントした。

【００５７】プリント後のカラー電子写真用受像材料を
平らな机の上にのせて、カール状態を評価した。カール
は、カールの凸面を下にしたときのＡ４サイズシートの
４隅の持ち上がり量の平均値とした。また、トナー画像
のひび割れを目視観察した。さらに、黒部の濃度を測定
し、トナーの転写状態を確認した。また、別のカラー電
子写真用受像材料を２５℃、相対湿度５０％の環境下に
２日保管した後、１０℃の低温環境下でカラーレーザー
プリンター（富士ゼロックス製、Docucolor 1250）用い
てプリントした。プリント後のトナー部の４５度の光沢
度を光沢度計で測定した。結果を表５に示す。

【００５８】

【表５】

【００５９】表５から明らかなように、表面のポリエチ
レンの密度が低いと水蒸気透過速度が大きく、トナー画
像部のひび割れが大きくなる（受像材料Ｎｏ．４１）。
また受像層の厚みが薄いと光沢度が低くなる。また、表
面のポリエチレン密度が高いものを使用しても受像層の
厚みが薄い場合は高い光沢が得られない（受像材料Ｎ
ｏ．４２、４４）。また、受像層の厚みが８μｍある場
合でも、ポリエチレン層の水蒸気透過速度が大きい場合
にはトナー像がひび割れてしまう（受像材料Ｎｏ．４
３）。一方、ポリエチレン層の水蒸気透過速度が小さ
く、受像層の厚みが本発明の範囲にある場合のみ良好な
性能が得られる（受像材料Ｎｏ．４５、４６）。

【００６０】（実施例５）実施例４の受像材料Ｎｏ．４
５の裏面に、下記組成のマット層を厚みが１０μｍにな
るように塗工した。実施例４と同様に評価を行ったとこ
ろ良好な性能が得られた。＜マット層用組成物＞バイロナールＭＤ１９３０（東洋紡製）９０質量部サイリシア４４０（富士シリシア製）１４質量部エポスターＬ１５（日本触媒製）９質量部水５７質量部エタノール３０質量部

【００６１】

【発明の効果】本発明のカラー電子写真用受像材料は、
トナーの転写性が良好で色再現性に優れ、トナー受像面
の光沢が高くて写真ライクな画像を得ることができる。
また、本発明のカラー電子写真用受像材料は、環境温湿
度が変化してもカールを起こしたり、トナー画像にひび
割れが発生したりすることのない。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】支持体と該支持体の少なくとも一方の面
上にトナーの受像層を有するカラー電子写真用受像材料
において、該支持体が原紙の両面に厚みが５〜３０μｍ
で水蒸気透過速度が３０ｇ／（ｍ²・２４ｈｒ)以下であ
る樹脂層を有しており、該受像層の厚みが３〜５０μｍ
であり、かつ該受像層の流動開始温度Ｔ_F（受像層）と
該トナーの流動開始温度Ｔ_F（トナー）が以下の関係式
を満たすことを特徴とするカラー電子写真用受像材料。【数１】Ｔ_F（受像層） ≦ Ｔ_F（トナー）＋５℃ （１）
【請求項２】前記受像層の流動開始温度が前記樹脂層
の融点よりも低いことを特徴とする請求項１に記載のカ
ラー電子写真用受像材料。
【請求項３】前記樹脂層は両面共に、密度が０．９４
〜０．９７ｇ／ｃｍ³のポリエチレンを含み、厚みが５
〜２０μｍであることを特徴とする請求項１または２に
記載のカラー電子写真用受像材料。
【請求項４】前記樹脂層と前記受像層の間に、前記樹
脂層と前記受像層の双方に接着可能な中間層を有するこ
とを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載のカラー
電子写真用受像材料。