JP2001249335A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JP2001249335A
JP2001249335A JP2000062893A JP2000062893A JP2001249335A JP 2001249335 A JP2001249335 A JP 2001249335A JP 2000062893 A JP2000062893 A JP 2000062893A JP 2000062893 A JP2000062893 A JP 2000062893A JP 2001249335 A JP2001249335 A JP 2001249335A
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film
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polymer
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JP2000062893A
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English (en)
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Koichi Sato
公一 佐藤
Shinjiro Okada
伸二郎 岡田
Akira Tsuboyama
明 坪山
Hirohide Munakata
博英 棟方
Yukio Haniyu
由紀夫 羽生
Yasushi Asao
恭史 浅尾
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベンド配向モードを利用した液晶素子におい
て、大面積で均一な位相差板を配置し、コントラストと
視野角特性の向上を図る。 【解決手段】 ベンド配向状態を利用する液晶パネル
に、該液晶パネルの正面からの視野の位相差Rxyを補償
する位相差板と[(nx+ny)/2−nz]×dが正の
位相差板を配置した液晶素子であり、上記Rxyを補償す
る位相差板が、アクリル主鎖或いはメタクリル主鎖を有
する高分子液晶からなる一軸配向高分子液晶膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンタ
ー等に用いられるライトバルブとして使用される液晶素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から最も広範に用いられてきている
ディスプレイとしては、CRTが、テレビやVTRなど
の動画出力、或いはパーソナルコンピュータ等のモニタ
ーとして広く用いられている。しかしながら、CRTは
その特性上、静止画像に対してはフリッカや解像度不足
による走査縞等が視認性を低下させたり、焼き付きによ
る蛍光体の劣化が起こったりする。また、最近では、C
RTが発生する電磁波が人体に悪影響を与えることがわ
かり、VDT作業者の健康を害することが懸念されてい
る。そして、CRTはその構造上、画面後方に広く体積
を有することが必須であることから、情報機器の利便性
を著しく阻害し、オフィス、家庭の省スペース化を阻害
している。
【0003】このようなCRTの問題点を解決するもの
として、液晶素子がある。例えば、M.シャット(M.
Schadt)とW.ヘルフリッヒ(W.Helfri
ch)著、アプライド・フィジックス・レターズ(Ap
plied PhysicsLetters)第18
巻、第4号(1971年2月15日発行)、第127頁
〜128頁において示されたツイステッドネマチック
(Twisted Nematic)液晶(TN液晶)
を用いたものが知られている。
【0004】近年、このTN液晶と薄膜トランジスタ
(TFT)を用いたいわゆるTFTタイプと呼ばれる液
晶素子の開発、製品化が行われている。このタイプは、
画素毎にTFTを作製するものであり、クロストークの
問題がなく、また、近年の急速な生産技術の進歩によっ
て、10〜12インチクラスのディスプレイがよい生産
性で作られつつある。しかしながら、更に大きなサイズ
或いは動画を問題なく再現できるという点の60Hz以
上のフレーム周波数という点では、未だ生産性、液晶の
応答速度、視野角に問題がある。
【0005】高速ネマチック液晶の配向方法としては、
一般には液晶セルの上下基板のラビング方向を90°回
転させたTNタイプが一般的であるが、同一方向にラビ
ング処理を行った基板(πセル)にネマチック液晶を狭
持したスプレイ配向方式も従来から知られており、この
ようなスプレイ配向状態の液晶に電圧を印加してベンド
配向に変化させることで応答速度を改善した方式が19
83年にボス(Bos)らによって発表されている。ま
た、このようなベンド配向セルに位相補償を行うことで
視野角特性を改善した素子が1992年に内田等によっ
て発表されている(OCBセル)。
【0006】上記のようなベンド配向を利用したネマチ
ック液晶素子は、液晶の応答におけるバックフロー現象
を抑制することによって応答性を改善、高速化したもの
であるが、液晶素子としての実用化に際してはいくつか
の問題があった。その一つは、上記のスプレイ配向状態
をベンド配向状態に転移させるための電界処理が必要な
ことであった。スプレイ−ベンド間の配向転移は連続的
ではなく、その二つの配向状態間にはディスクリネーシ
ョンラインが存在するために、核発生(nucleat
ion)及びその成長(growth)というプロセス
が必要である。このようなプロセスは全ての領域で核発
生させることが困難であると同時に、核発生しきい値の
制御が難しく、高電圧を印加する必要があった。また、
核発生によって形成されたベンド配向領域が成長する速
度も、印加電圧が高いほど速いが、低電圧では数秒から
数分かかることが問題である。実際のマトリクス構造セ
ルでは、画素電極間を経由してベンド配向領域が成長し
にくい点も問題であった。TFTセルにおける電圧の印
加法に関してもいくつかの検討がなされている(IB
M,IDW1996,p.133”Initializ
ation of Optically Compen
sated Bend−mode LCD’s”,富士
通株式会社、特開平9−185032号公報)。また、
一度電圧を切ると、ベンド配向もスプレイ配向に戻って
しまうため、使用時には再度ベンド化処理が必要という
問題点もあった。本発明者等は、最近、このような問題
に対して、ベンド化処理を簡易化或いは不要にすること
ができる、生産性の良い素子の製造方法を提案した。
【0007】一方、ベンド配向を利用した液晶素子にお
いては、コントラストを上げるため、また視野角を広げ
るため、位相差補償フィルムがしばしば用いられる。例
えば、特開平9−211444号公報或いは特開平9−
230334号公報に記載されているような、ディスコ
ティック液晶を用いて構成した位相差補償板を備えた液
晶素子が開示されている。しかしながら、このような液
晶素子は、高価なディスコティック液晶材料を使用する
上、該液晶材料は非常に粘性が高く、その塗布膜を大面
積で均一にハイブリッド配向させる必要性から、生産性
については大きな問題を抱えており、コスト的に高くな
らざるをえない。また、広い面積でモノドメインを作る
ことが難しいため、透過率が低く、バックライトの消費
電力を多く必要としていたり、反射型であれば、輝度が
低下するという問題もある。更に、ディスコティック液
晶の屈折率と補償しようとする液晶の屈折率の波長分散
が異なるため、黒表示が十分に暗くならなかったり、色
味がついたりといった問題点も有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術に鑑みてなされたものであり、その課題とするところ
は、高コントラスト、高速応答、高精細、高生産性の液
晶素子を実現し、提供することにある。より具体的に
は、大面積で均一な位相差板を安価に構成し、該位相差
板を用いて、高コントラストで視野角特性に優れたベン
ド配向方式の液晶素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、一対の
基板間にベンド配向状態を呈する液晶を狭持し、該液晶
を駆動するための電極を備えた液晶パネルと、正面から
の視野の位相差を補償する位相差板として一軸配向高分
子液晶膜と、[(nx+ny)/2−nz]×dが正であ
る位相差を有する位相差板(但し、dは当該位相差板の
厚さ)を有することを特徴とする液晶素子である。
【0010】上記本発明においては、上記[(nx
y)/2−nz]×dが正である位相差を有する位相差
板としては、高分子フィルムを好ましく用いることがで
きる。
【0011】また、本発明の第二は、一対の基板間にベ
ンド配向状態を呈する液晶を狭持し、該液晶を駆動する
ための電極を備えた液晶パネルと、位相差が互いに異な
る2層の一軸配向高分子液晶膜を互いに光軸が直交する
ように配置した、[(nx+ny)/2−nz]×dが正
である位相差を有する位相差板(但し、dは当該位相差
板の厚さ)と、を備え、該位相差板によって正面からの
視野の位相差も補償することを特徴とする液晶素子であ
る。
【0012】上記本発明の第一及び第二の液晶素子にお
いてはいずれも、ノーマリーホワイトで使用されるベン
ド配向状態を用いる液晶パネルを用いること、液晶パネ
ルに用いた液晶と、一軸配向高分子液晶膜を構成する高
分子液晶の、屈折率異方性(Δn)の差が10%以内で
あること、液晶パネルに用いた液晶の屈折率異方性(Δ
n)がΔn>0.15であり、一軸配向高分子液晶膜を
構成する高分子液晶の屈折率異方性(Δn)がΔn≧
0.15であること、一軸配向高分子液晶膜を構成する
高分子液晶がアクリル主鎖またはメタクリル主鎖を有す
ること、液晶層に部分的にハイブリッド配向領域を形成
し、該ハイブリッド配向領域に隣接した画素内のツイス
ト配向領域を安定化したこと、一軸配向高分子液晶膜
が、液晶パネルの外側に形成されている、一軸配向高分
子液晶膜が、液晶パネルの内側に形成されていること、
液晶パネルが、画素毎にアクティブ素子、特に薄膜トラ
ンジスタを備え、各画素の液晶をアクティブマトリクス
駆動すること、を好ましい態様として含むものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の液晶素子を実施形態を挙
げて説明する。
【0014】図1は、本発明第一の液晶素子の一実施形
態の基本構成を示す断面模式図である。図中、1は液
晶、2a,2bはガラスやプラスチック等からなる基
板、3a,3bはITO等透明導電材からなる電極、4
a,4bは配向膜、6は正面からの視野の位相差を補償
する位相差板としての一軸配向高分子液晶膜、7は
[(n x+ny)/2−nz]×d=R(xy-z)が正の位相
差板である。
【0015】本発明の第一の液晶素子の特徴は、一軸配
向高分子液晶膜6を正面からの視野の位相差を補償する
位相差板として用いること、及び、R(xy-z)が正の位相
差板7を用いたことにある。本発明にかかる一軸配向高
分子液晶膜6の高分子液晶の光軸は、ベンド配向状態の
液晶の持つ正面方向からの視野の位相差を補償するため
の液晶の光軸と直交するような光学軸を持つように配置
され、液晶の正の位相差nx−ny=Rxyを補償する。補
償する位相差Rxyは、0nm<Rxy<500nmが好ま
しい。
【0016】上記位相差板としての一軸配向高分子液晶
膜6を構成するべく、高分子液晶に一軸性を付与する方
法としては、一軸延伸、シェアリング等の方法がある。
また、光学的に無視できる厚みのポリイミド等ラビング
膜に高分子液晶膜を形成し、アニーリングすることで得
ることもでき、この方法では薄膜を得やすい点、良好な
一軸性が付与できる点で好ましい。また、この方法で
は、液晶パネルを構成するガラス基板の表面に簡単に塗
布膜を形成することができるので、生産性が高い。この
ように一軸配向高分子液晶膜6は簡単に薄膜で形成する
ことができるので、液晶パネル内に形成することも可能
である。また、液晶パネル内に一軸配向高分子液晶膜6
を液晶パネル内に配置した場合、光学的に補償を行う液
晶(図1の1)とも近接の位置にあることから、見る方
向による差を非常に抑制できる点でより好ましい。
【0017】本発明にかかる一軸配向高分子液晶膜6
は、液晶パネルの液晶1の位相差Rxyを全部または部分
的に補償するが、ノーマリーホワイトで使用される液晶
の黒状態の位相差全部を補償することが好ましい。即
ち、ベンド配向状態から電圧を増加させ、ホメオトロピ
ックに近い状態で残ったわずかの位相差を補償すること
になるが、通常、この状態で残った位相差Rxyは200
nm以下であり、場合によっては100nm以下、さら
には50nm以下となる場合もある。このように、補償
する位相差が非常に小さい場合、通常用いられる高分子
の一軸延伸フィルムでは補償することが難しい。また、
補償する位相差は液晶に応じて波長依存性を有してお
り、この位相差の波長依存性と大きくずれる波長依存性
を有した高分子一軸延伸フィルム或いはディスコティッ
ク液晶を用いた位相差板では、黒状態の表示特性が淡く
なったり、色味が付いたりしやすい。これに対し、高分
子液晶膜の場合には、使用する液晶とほとんど同じ波長
依存性を有するため、非常に良好な表示特性を発現する
ことができる。この波長依存性は、液晶の屈折率異方性
Δnに応じて依存性を持っており、Δnが大きければ依
存性も大きく、Δnが小さければ依存性も小さい。従っ
て、液晶のΔnと一軸配向高分子液晶膜6を構成する高
分子液晶のΔnの差は小さいことが望ましく、好ましく
はその差が10%以内、さらには5%以内が望ましい。
【0018】本発明で用いる一軸配向高分子液晶膜6を
構成する高分子液晶で現出する位相差が小さい場合、該
高分子液晶膜6を薄くすることができ、現実には、可視
光の波長と同程度もしくはそれ以下の膜厚となることか
ら、膜表面の凹凸も可視光の波長以下と考えられること
から、膜自身が薄いことによる低光損失と散乱等による
高分子液晶部分での可視光の低光損失という2つの点か
ら、透過率の面で優位性が高い。
【0019】上記一軸配向高分子液晶膜6を構成する高
分子液晶材料としては、主鎖型高分子液晶、側鎖型高分
子液晶等が用いられ得る。例えば、主鎖型高分子液晶と
しては、ポリエステルタイプ、ポリアミドタイプのもの
があり、側鎖型高分子液晶としては、シロキサン主鎖、
アクリル主鎖、メタクリル主鎖、ポリオキシアルキレン
主鎖、ポリビニルオキシ主鎖等が挙げられる。これらの
うち、アクリル主鎖、メタクリル主鎖の高分子液晶は、
ガラス転移温度が室温近傍からそれ以上に材料設計する
ことが容易であるため、一軸配向の安定性と素子の作製
が容易である点で好ましく用いられる。また、それらア
クリル主鎖、メタクリル主鎖の高分子液晶は、ラジカル
重合で合成され得るため、金属触媒等を残存させないこ
とが可能であり、色づき等を抑制することができる点で
好ましく用いられる。
【0020】次に、本発明にかかるR(xy-z)が正の位相
差板7について説明する。本発明第一の液晶素子の特徴
の一つが、R(xy-z)が正、即ち位相差板7の屈折率楕円
体の、該位相差板に垂直な方向の屈折率をnz、それに
直行する方向の屈折率をnx、nxとnzに直行する方向
の屈折率をny、位相差板の厚さをdとしたとき、
[(nx+ny)/2−nz]×dで示されるR(xy-z)
正の位相差板7を用いることにある。具体的には下記の
構成が挙げられる。
【0021】高分子一軸延伸フィルムを2枚、互いに
光軸が直交するように配置した膜 薄膜高分子フィルムをアニーリングして、フィルム面
内の複屈折を抑制した膜 一軸性の位相差フィルムと一軸配向高分子液晶膜とを
互いに光軸が直交するように配置した膜
【0022】また、互いに位相差が異なる一軸配向高分
子液晶膜を2層、互いに光軸が直交するように配置し、
さらに、R(xy-z)が正となるように構成した位相差板
を、図1の一軸配向高分子液晶膜6とR(xy-z)が正の位
相差板7とを兼ね備えた位相差板として用い、本発明第
二の液晶素子を構成することもできる。この素子の場
合、及び、上記に挙げた位相差板の場合に用いられる
一軸配向高分子液晶膜は、上記図1の説明において示し
た一軸配向高分子液晶膜6を用いることができる。尚、
通常、一軸配向膜の配向処理軸と光軸とは一致するた
め、素子の構成の際には配向処理軸を光軸として扱うと
製造が容易になる。
【0023】本発明において、R(xy-z)が正である位相
差板を用いることにより、液晶のホメオトロピック方向
の位相差を全部もしくは部分的に補償することになり、
視野角の特性を改善することができる。具体的には、0
<R(xy-z)<1000nmが好ましい。
【0024】本発明で用いられる液晶1としては、ベン
ド配向状態を利用するモードである。図2に、ベンド配
向状態の液晶の構造例を示す。図中、11a,11bは
基板、12は液晶分子であり、矢印はラビング処理方向
である。本図は基板11a,11bの法線を含む面での
断面模式図である。この状態で、ラビング軸と一軸配向
の光軸は一致しており、この光軸は偏光板と45°の角
度をなす位置に配置されることが透過率の点から好まし
い。ここに挙げたセル構成は、いわゆるπセルであり、
図1の構成と組み合わせた素子はベンド配向を利用した
光学的補償システムであり、OCBモードであるが、本
発明はこれに限定されず、いわゆるHAN液晶モードや
反射型液晶モード等においても活用できる。
【0025】本発明の液晶素子においてスイッチングを
司る液晶については、無電界状態でスプレイ配向よりベ
ンド配向が安定である配向状態とすることにより、初期
ベンド化処理が不要になる点で好ましく用いられる。こ
のようなベンド化処理不要の液晶素子の構成例として
は、1998年のSIDにおいて、P.J.ボス等がプ
レチルト角が50〜51°のπセルを発表しているが、
プレチルトの大きいセル形成初期からのベンド配向セル
は、1979年の第5回日本液晶討論会の工学院大学の
発表においてもなされている(予稿集第166頁以
下)。また、2枚の基板間に液晶を狭持してなる液晶素
子において、電圧無印加状態における液晶配向状態がス
プレイ配向よりもベンド配向が安定になるように、該液
晶を垂直配向させる配向膜と、該液晶を略水平配向させ
る配向膜とを混合することによって形成された配向膜を
用いた液晶素子を、本発明者等が先に提案している。本
発明においては、当該提案の構成を用いることが好まし
く、図1の配向膜4a,4bとして、上記垂直配向膜と
水平配向膜とを混合したものを用いる。具体的には、高
いプレチルト角を誘起するために、垂直配向膜として下
記の繰り返し単位構造を有する高分子化合物を使用す
る。垂直配向膜は下記繰り返し単位構造を有する共重合
体でも良い。
【0026】
【化1】
【0027】上記式中、Xは高分子鎖の繰り返し単位を
表し、Yは(CH2m−Cn2n+1と高分子鎖との結合
ユニットを表し、mは0から20の整数を表し、nは0
から50の整数を表す。
【0028】好ましくは、Xは、ポリアルキレン鎖、ポ
リアクリル酸鎖、ポリメタクリル酸鎖、ポリハロゲノア
クリル酸鎖、ポリアルキルアクリル酸鎖、ポリオキシア
ルキレン鎖、ポリイミド鎖、ポリアミド鎖、ポリエステ
ル鎖、ポリフッ化アルキル鎖、ポリカーボネート鎖のい
ずれかの繰り返し単位を表し、Yはどちら向きでも良
い、単結合、−O−、−COO−、−OCOO−、−C
ON(R1)−、−(O)r−R1(NR2s−(SO2
p−(O)q−を表し(R1、R2は異なっていても良いア
ルキル基または水素、r、s、p、qはそれぞれ異なっ
ていても良い0または1)、mは0から20の整数を表
し、nは0から30の整数を表す。
【0029】上記繰り返し単位を有する高分子化合物
は、大きいプレチルトを誘起するために用いられるが、
プレチルトの異なる他の高分子化合物とのブレンドで用
いることによって、プレチルトの大きさを調整すること
ができる。また、高プレチルトによって位相差が相対的
に小さくなるため、液晶自身は屈折率異方性Δnが大き
いことが好ましく、具体的には0.15以上が好まし
く、これに対応して、前記一軸配向高分子液晶膜を構成
する高分子液晶のΔnも0.15以上が好ましい。
【0030】水平配向膜としては、従来の一軸配向膜を
用いることができる。一軸配向膜の形成方法としては、
例えば基板上に溶液塗工または蒸着、或いはスパッタリ
ング等により、一酸化ケイ素、二酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、ジルコニア、フッ化マグネシウム、酸化セリウ
ム、フッ化セリウム、シリコン窒化物、シリコン炭化
物、ホウ素窒化物などの無機物やポリビニルアルコー
ル、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリエステルイミド、ポリパラキシレン、ポ
リカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリビニルク
ロライド、ポリスチレン、ポリシロキサン、セルロース
樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂などの
有機物を用いて被膜形成した後、表面をビロード、布或
いは紙等の繊維状のもので摺擦(ラビング)する事によ
り得られる。また、SiO等の酸化物或いは窒化物など
を基板の斜方から蒸着する斜方蒸着法なども用いられ得
る。
【0031】より良好な一軸配向性を得るためには、ポ
リイミドラビング膜を用いることが好ましい。また、通
常、ポリイミドはポリアミック酸の形で塗膜し、焼成す
ることで得られる。ポリアミック酸は溶剤に易溶解性で
あるため生産性に優れる。また、最近では溶剤に可溶な
ポリイミドも生産されており、そのようなポリイミドが
電圧保持率の観点から望ましい。
【0032】また、本発明においては、ハイブリッド配
向を利用して、ツイスト配向領域を安定化することがで
きる。具体的には、表示に係る画素領域の配向膜につい
ては、一軸配向膜とし、該画素領域に隣接してハイブリ
ッド配向領域を形成する。この構成の液晶素子にベンド
化電圧を印加し、上記画素領域をベンド配向状態とした
後に印加電圧を0とすると、当該画素領域はツイスト配
向に変化する。ツイスト配向とベンド配向との間の変化
は連続的に行われるため、低電圧印加でベンド配向を得
ることができる。このようにハイブリッド配向を利用す
る場合には、ハイブリッド配向領域を、一方が一軸配向
膜、他方が垂直配向膜となるように、それぞれの配向膜
を構成する。
【0033】本発明の液晶素子は、図1に示すように、
透過型の場合には一対の偏光板8a,8b間に狭持し、
別途配置した光源より光を照射(図1の5)して用い
る。尚、上記図1、図2を用いた実施形態においては、
本発明第一の液晶素子を例に挙げたが、位相差板以外の
構成については、本発明第二の液晶素子も同様であり、
その説明を省略する。
【0034】本発明の液晶素子は、液晶パネルが、画素
毎にアクティブ素子を備え、各画素の液晶をアクティブ
マトリクス駆動する、いわゆるアクティブマトリクスタ
イプの液晶素子として用いることができ、上記アクティ
ブ素子としてはトランジスタ、特にTFTが好ましく用
いられる。図3、図4にその一実施形態を示す。当該実
施形態は、図1の構成を1画素として構成した例であ
り、図3はそのアクティブマトリクス基板に周辺駆動回
路を組み込んだ構成の平面模式図、図4は断面模式図で
ある。
【0035】図3、図4において、21は基板、22は
情報信号線駆動回路、23は走査信号線駆動回路、24
は画素電極、25はTFT、26は走査信号線、27は
走査信号線端部、28は情報信号線、29は情報信号線
端部、31は対向側の基板、32は共通電極、33a,
33bは配向膜、34はスペーサー、35は封止材、3
6は液晶である。
【0036】図3、図4の液晶パネルにおいて、アクテ
ィブマトリクス回路を設ける基板1には、透明な画素電
極24と該画素電極24に接続されたアクティブ素子と
してのTFT25がマトリクス状に形成されている。ア
クティブ素子として用いられるトランジスタとしては、
アモルファスシリコン(a−Si)、多結晶シリコン
(p−Si)、微結晶Si(μc−Si)、単結晶Si
のいずれのタイプのものも用いることができる。TFT
25は、基板1上に形成されたゲート電極と、該ゲート
電極を覆うゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜上に形成さ
れた半導体層と、該半導体層上に形成されたソース電極
及びドレイン電極とから構成される。
【0037】さらに、基板21には、画素電極24の行
間に走査信号線(ゲートライン)26が配線され、画素
電極24の列間に情報信号線(データライン)28が配
線されている。各TFT25のゲート電極は対応する走
査信号線26に接続され、ソース電極は対応する情報信
号線28に接続されている。走査信号線26は、端部2
7を介して走査信号線駆動回路23に接続され、情報信
号線28は端部29を介して情報信号線駆動回路22に
接続されている。走査信号線駆動回路23は走査信号を
印加して走査信号線26を順次走査する。情報信号線駆
動回路22は表示データに対応する信号を各情報信号線
28に印加する。
【0038】走査信号線26は端部27を除いてTFT
25のゲート絶縁膜で覆われており、情報信号線28は
上記ゲート絶縁膜上に形成されている。画素電極25は
該ゲート絶縁膜上に形成され、その一端部において、T
FT25のドレイン電極に接続されている。
【0039】また、図4において、基板31の内側には
各画素電極24と対向する共通電極(透明電極)32が
形成されている。共通電極32は、表示領域全体にわた
る面積の1枚の電極から構成され、基準電圧が印加され
ている。配向膜33a,33bはそれぞれ、図1の配向
膜4a,4bに、液晶36は図1の液晶1に相当する。
【0040】図3、図4の構成においては、情報信号電
圧に応じて液晶36の透過率が変化し、階調表現を行う
ことができる。また、画素毎に補助容量となるコンデン
サが配置されるのが一般的である。
【0041】図3、図4に示した液晶パネルは、透過型
で用いられたり、反射型で用いられたりする。透過型の
場合には、通常外部に光源が使用される。また、反射型
であれば、反射層が素子中に構成される。また、当該液
晶パネルは直視型にも投写型にも応用される。
【0042】
【実施例】(実施例1) 〔液晶セルの作製〕図3に示した平面構造と、図5に示
す断面構造を有するアクティブマトリクスタイプの液晶
セルを作製した。図5中、41はゲート電極、42はゲ
ート絶縁膜、43はa−Si層、44はn+a−Si
層、45はソース電極、46はドレイン電極、47は絶
縁膜、48はパッシベーション膜、49は補助容量電
極、50は絶縁膜(Ta25)であり、図3、図4と同
じ部材には同じ符号を付した。矢印は配向膜33a、3
3bのラビング処理方向である。
【0043】a−Si層43は、水素希釈のモノシラン
(SiH4)をグロー放電分解法(プラズマCVD)
で、約300℃の基板上に約200nmの厚みで堆積さ
せた。ゲート絶縁膜42は窒化シリコン(SiNx)等
をグロー放電分解法(プラズマCVD)で形成して用い
た。オーミック接触のための、n+a−Si層44はり
んのドーピングにより形成した。また、補助用容量電極
49とゲート絶縁膜42と画素電極25からなる補助容
量は約9pfに設定した。
【0044】配向膜33a、33bとしては、ネマチッ
ク液晶を垂直配向させる第一の配向膜素材として日産化
学社製「SE1211」のNMP(N−メチル−2−ピ
ロリドン)溶液と、該液晶を略水平配向させる第二の配
向膜素材として日本合成ゴム社製「AL−0656」の
NMP溶液とを混合し、上記第一の配向膜の重量割合が
3%となるように、膜厚80nmに塗布して、200℃
で1時間焼成した。プレチルトは36〜45°になるよ
うに設定した。この膜に、コットン植毛布を直径が80
mmのラビングローラーに巻き付け、1000rpm、
基板表面への毛先の押し込み長さを0.3mm、基板の
送り速度を50mm/sとしてラビング処理を施した。
ラビング処理方向は上下基板で平行とした。両基板を直
径6μmのスペーサーを介して貼り合わせて液晶セルを
構成した。
【0045】〔位相差板の作製〕上述の液晶セルの外側
の観察側に、下記繰り返し単位を有するポリイミドの前
駆体であるポリアミック酸の1重量%溶液を、1回目は
500rpmで5秒間、2回目は1500rpmで30
秒間の条件で回転塗布した。
【0046】
【化2】
【0047】その後、80℃で5分間の前乾燥を行った
後、230℃で1時間加熱焼成を施した。このポリイミ
ド膜に一軸配向処理としてナイロン布によるラビング処
理を施した後、このポリイミド膜上に下記構造を有する
高分子液晶の10重量%ジメチルセロソルブ溶液を、5
00rpmで30秒間の条件で回転塗布した。100℃
で3時間乾燥した後、130℃から0.1℃/minで
徐冷し、一軸配向させて一軸配向高分子液晶膜を得た。
別の基板に同様の条件で作製した当該一軸配向高分子液
晶膜の位相差を偏光顕微鏡下ベレックのコンペンセータ
ーを用いて測定したところ、53nmであった。
【0048】
【化3】
【0049】上記高分子液晶の重量平均分子量は180
00、ネマチック相→等方性液体相への相転移温度が1
18℃、ガラス転移点が99℃、Δnが0.14であっ
た。
【0050】〔液晶素子の作製〕上記一軸配向高分子液
晶膜を備えた液晶セルに、チッソ社製の液晶「KN−5
030」(コレステリック含有フッ素系ネマチック液
晶、Δn=0.13)を注入することによって、液晶パ
ネルを構成した。液晶セルへの液晶の注入工程と配向の
様子を図6に示す。図中、61は液晶セルの液晶注入
口、62はスプレイ配向領域、63はベンド配向領域で
ある。
【0051】液晶の注入課程においては、液晶の流れ
(図6(a)の矢印方向)の存在の影響で、図6(a)
に示すように、液晶はスプレイ配向62を示すが、注入
終了部分から図6(b)に示すようにベンド配向63が
生成した。
【0052】本実施例では、フッ素系非カイラルネマチ
ック液晶を垂直配向させる第一の配向膜と、該液晶を略
水平配向させる第二の配向膜とを混合した膜を配向膜と
して用いることによって、初期状態で少なくとも一部分
の液晶をベンド配向状態とすることができ、従来、ベン
ド配向状態を保持するために必要であったバイアス電圧
を不要或いは著しく低電圧化し、初期時のベンド配向化
処理を不要にすることができた。
【0053】さらに、R(xy-z)が正の位相差板として、
ポリカーボネート一軸延伸フィルム2枚を互いに光軸が
直交するように重ねて用い、本発明の液晶素子とした。
この位相差板のR(xy-z)は200nmであった。さら
に、上記一軸配向高分子液晶膜を形成した液晶パネルと
位相差板からなる液晶素子を、直交ニコルとした一対の
偏光板間に狭持し、液晶パネルの配向膜のラビング軸が
偏光板の偏光軸に対して45°となるように配置した。
【0054】本実施例の断面構成を図7に示す。図中、
70は上述の液晶パネル、71は上述の一軸配向高分子
液晶膜、72は上記位相差板、73a,73bは偏光子
である。
【0055】本例の液晶素子を、ノーマリーホワイト表
示で駆動した。駆動波形を図8に示す。図8中、G1
2、Gnはそれぞれ1行目、2行目、n行目の走査信号
線に印加される走査信号、S1は1列目の画素の情報信
号線に印加される情報信号、Vpixは1行目で1列目の
画素の液晶に印加される電圧を示す。TFTの駆動電圧
は、ゲート選択電圧(V+g)を+10V、オフ電圧(V
-g)を−10Vに設定し、ゲート選択期間は(ΔT)1
6μs、情報信号(ソース電圧;V+s、V-s)は−7V
から+7Vまで設定し、その中間電位Vcは画素への印
加電圧が対称となるような値に設定し、0Vにゲートオ
フ時の変動量を加味した。
【0056】本例の液晶素子の応答スピードは、τ
on(0Vから±7Vを印加した場合に、透過率が100
%から10%に達する時間)が0.72ms、τ
off(±7Vから0Vとした場合に、透過率が0%から
90%に達する時間)は10.2msであった。
【0057】黒表示状態と白表示状態のコントラスト比
は150であった。また、いずれの斜め方向から見た場
合においても黒白反転はなく、良好なコントラストで目
視された。
【0058】(実施例2)実施例1で用いた一軸配向高
分子液晶膜の高分子液晶を、下記構造を有する高分子液
晶(Δn=0.16)に代え、位相差が50nmの位相
差板を形成した以外は、実施例1と同様にして液晶素子
を作製し、偏光板を配置してノーマリーホワイトで表示
を行った。その結果、良好なコントラストと視野角特性
を有することを確認した。
【0059】
【化4】
【0060】(実施例3)本実施例は、画素電極の周囲
にハイブリッド配向領域を形成することで、画素内のツ
イスト配向を安定化させた例である。このような配向を
実現するために、図9に示す工程で対向基板側の配向膜
33aを形成した。
【0061】即ち、図9(a)に示すように、ガラス基
板31上に共通電極32として厚さ150nmのITO
膜を真空成膜法により形成し、その上に絶縁膜32とし
てTa25を厚さ100nmに真空成膜し、さらにその
上に、配向膜材料として日立化成社製「LQ1800」
を厚さ20nmになるようにスピンナー法によって塗布
形成し、該塗布膜90を270℃で20分間ホットプレ
ート上で焼成した。
【0062】次いで、図9(b)に示すように、ハイブ
リッド配向領域とする領域にフォトレジスト91を形成
した。レジストとしては東京応化社製「TPAR」を用
いた。
【0063】引き続き、レジスト91の上からラビング
ローラー92を用いたラビング処理を施した(図9
(c))。ラビング強度はプレチルトが10°になる条
件に設定した。この後、レジスト91を除去することに
より、レジスト91で保護されていた垂直配向領域93
とラビング処理された水平配向領域94とを有する配向
膜33aを得た。
【0064】アクティブマトリクス基板側の配向膜は、
全面水平配向処理として、上下基板をラビング方向が平
行となるように配置して、直径6μmのスペーサーを介
して貼り合わせ、液晶セルを構成し、チッソ社製の液晶
「KN−5027」(コレステリック非含有ネマチック
液晶、Δn=0.16)を注入することによって液晶パ
ネルを作製した。
【0065】本実施例の液晶パネルの配向状態を図10
を用いて説明する。図中、100はスプレイ配向領域、
101aはベンド配向のドメイン、101はベンド配向
領域、102はハイブリッド配向領域、103はツイス
ト配向領域である。
【0066】図10(a−1)〜(a−3)は従来のベ
ンド配向モードの配向状態であり、電圧無印加の初期状
態では全面がスプレイ配向100となっており(a−
1)、この状態にベンド化電圧Vbを印加するとベンド
配向のドメイン101aが発生し(a−2)、さらに、
電圧を上げることにより該ドメイン101aが成長して
全面がベンド配向となる。この後、印加電圧を0とする
と全面がスプレイ配向100に戻ってしまうため、保持
電圧Ve2を印加してベンド配向101を維持する(a−
3)。一方、(b−1)〜(b−3)は本実施例のベン
ド配向モードの配向状態であり、ベンド化電圧Vbを印
加してベンド配向のドメイン101aを発生(b−
1)、成長させる点は従来のモードと同様であるが、一
旦ベンド配向101とした後に印加電圧を除去すると、
ハイブリッド配向102で囲まれた領域ではツイスト配
向103にとどまり、安定化される(b−2)。ツイス
ト配向103とベンド配向101とは連続しているた
め、再度、ベンド化する際の電圧V e1は低電圧で実施で
きる(b−3)。
【0067】本実施例においては、液晶注入直後は全面
スプレイ配向状態であり、Vb=1.8Vでスプレイ配
向中にベンド配向のドメインを発生させることができ、
さらに4.1Vまで昇圧することで全面をベンド配向と
することができた。次いで印加電圧を0Vとすると、ハ
イブリッド配向で囲まれた画素内がツイスト配向に変化
した。次に、再度電圧を印加してゆくと、Ve1=0.7
Vでベンド配向に変化した。
【0068】上記液晶パネルを、2.0Vと5.6Vを
駆動電圧で駆動した。ベンド化処理には、5.6Vの6
0Hz矩形信号と0Vとを交互に印加した。2.0V印
加時と5.6V印加時の間のリタデーション差は190
nmであり、5.6Vで黒表示するために、実施例1で
一軸配向高分子液晶膜を形成する際に用いた高分子液晶
溶液の濃度を調製することにより、位相差が130nm
の一軸配向高分子液晶膜を形成した。また、R(xy-z)
正の位相差板としては実施例1で用いたR(xy- z)が正の
位相差板を用いた。また、実施例1と同様に一対の偏光
板を用いた。
【0069】本例においては、TFTの駆動電圧は、ゲ
ート選択電圧を+10V、オフ電圧を−10Vに設定
し、情報信号は画像表示時に2.0Vから5.6Vを用
いた。共通電極は基準電位に設定した。本例の液晶素子
は、電圧を2.0V印加している状態から5.6Vへの
応答時間が0.5msであり、5.6V印加状態から
2.0Vへの応答時間が5.0msであった。また、画
像表示時に0Vから4.0Vを用いると、ツイスト−ベ
ンド間のスイッチングを行うことができた。
【0070】また、本例でも、実施例1と同様に良好な
コントラストと視野角特性が観測された。
【0071】(実施例4)実施例2で用いた高分子液晶
を用いて、位相差340nmと210nmの2枚の膜を
作製し、これらの膜の光軸を直交状態にして、正面から
の視野の位相差を補償する位相差板とR(xy-z)が正の位
相差板とを兼ね備えた位相差板とした。この位相差板の
(xy-z)は510nmであった。当該位相差板を実施例
3の液晶パネルに組み合わせて用いたところ、良好なコ
ントラストと視野角特性が得られた。
【0072】(比較例)下記の構造を有するディスコテ
ィック液晶1.8gとトリメチロールプロパンEO(エ
チレンオキサイド)変成トリアクリレート(大阪有機化
学工業社製「V#360」)0.2g、セルロースアセ
テートブチレート(イーストマンケミカル社製「CAB
551−0.2」)0.04g、光重合開始剤(チバガ
イギー社製「イルガキュア−907」)0.02g、増
感剤(日本化薬社製「カヤキュア−DETX」)0.0
2gを3.43gのメチルエチルケトンに溶解した溶液
を、実施例1の液晶パネルに塗布し、高温で保持し、デ
ィスコティック液晶を配向させた後、UV照射して液晶
素子を得た。
【0073】
【化5】
【0074】上記液晶素子を一対の偏光板間に狭持し、
実施例1と同様に駆動して評価したところ、コントラス
トは30以下で、色つきが見られた。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大面積で均一な位相差板を容易に構成し、該位相差板を
ベンド配向モードの液晶素子に組み合わせて、高速応
答、高精細で、且つ、高コントラストで視野角特性に優
れた液晶素子を生産性よく提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の液晶素子の一実施形態の基本構
成を示す断面模式図である。
【図2】ベンド配向状態の液晶の構造例を示す断面模式
図である。
【図3】本発明の液晶素子をアクティブマトリクスタイ
プとした構成例のアクティブマトリクス基板に周辺駆動
回路を組み込んだ平面模式図である。
【図4】本発明の液晶素子をアクティブマトリクスタイ
プとした構成例の断面模式図である。
【図5】本発明の実施例で構成した液晶素子の構造を示
す断面模式図である。
【図6】本発明の実施例における液晶セルへの液晶の注
入工程と配向の様子を示す図である。
【図7】本発明の実施例の液晶素子の構成を示す断面模
式図である。
【図8】本発明の実施例の液晶素子の駆動波形を示す図
である。
【図9】本発明の実施例においてハイブリッド配向を形
成するための配向膜の形成工程を示す図である。
【図10】本発明の液晶素子においてハイブリッド配向
によりツイスト配向を安定化させた場合の配向の様子を
説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 液晶 2a,2b 基板 3a,3b 電極 4a,4b 配向膜 5 入射光 6 一軸配向高分子液晶膜 7 位相差板 8a,8b 偏光板 11a,11b 基板 12 液晶分子 21 基板 22 情報信号線駆動回路 23 走査信号線駆動回路 24 画素電極 25 TFT 26 走査信号線 27 走査信号線端部 28 情報信号線 29 情報信号線端部 31 基板 32 共通電極 33a,33b 配向膜 34 スペーサー 35 封止材 36 液晶 41 ゲート電極 42ゲート絶縁膜 43 a−Si層 44 n+a−Si層 45 ソース電極 46 ドレイン電極 47 絶縁膜 48 パッシベーション膜 49 補助容量電極 50 絶縁膜 61 液晶注入口 62 スプレイ配向領域 63 ベンド配向領域 70 液晶パネル 71 一軸配向高分子液晶膜 72 位相差板 73a,73b 偏光板 90 塗布膜 91 レジスト 92 ラビングローラー 93 垂直配向領域 94 水平配向領域 100 スプレイ配向領域 101a ベンド配向ドメイン 101 ベンド配向領域 102 ハイブリッド配向領域 103 ツイスト配向領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪山 明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 棟方 博英 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 羽生 由紀夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浅尾 恭史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB07Y HC05 HC08 HD14 LA04 LA06 MA01 MA03 MA06 MA11 MB02 MB03 2H091 FA08X FA08Z FA11X FB02 FC08 FC22 GA06 GA13 JA01 JA10 KA02 LA19 2H092 HA04 JA24 JA28 JA34 JA41 JA47 KA03 KA04 KA05 KA12 RA05 4H027 BA13 BC04 BD07 BD08 BD20 BD21

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間にベンド配向状態を呈する
    液晶を狭持し、該液晶を駆動するための電極を備えた液
    晶パネルと、正面からの視野の位相差を補償する位相差
    板として一軸配向高分子液晶膜と、[(nx+ny)/2
    −nz]×dが正である位相差を有する位相差板(但
    し、dは当該位相差板の厚さ)を有することを特徴とす
    る液晶素子。
  2. 【請求項2】 上記[(nx+ny)/2−nz]×dが
    正である位相差を有する位相差板が、高分子フィルムで
    ある請求項1に記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 一対の基板間にベンド配向状態を呈する
    液晶を狭持し、該液晶を駆動するための電極を備えた液
    晶パネルと、位相差が互いに異なる2層の一軸配向高分
    子液晶膜を互いに光軸が直交するように配置した、
    [(nx+ny)/2−nz]×dが正である位相差を有
    する位相差板(但し、dは当該位相差板の厚さ)と、を
    備え、該位相差板によって正面からの視野の位相差も補
    償することを特徴とする液晶素子。
  4. 【請求項4】 液晶パネルが、ノーマリーホワイトで使
    用されるベンド配向状態を用いる請求項1〜3のいずれ
    かに記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 液晶パネルに用いた液晶と、一軸配向高
    分子液晶膜を構成する高分子液晶の、屈折率異方性(Δ
    n)の差が10%以内である請求項1〜4のいずれかに
    記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 液晶パネルに用いた液晶の屈折率異方性
    (Δn)がΔn>0.15であり、一軸配向高分子液晶
    膜を構成する高分子液晶の屈折率異方性(Δn)がΔn
    ≧0.15である請求項1〜5のいずれかに記載の液晶
    素子。
  7. 【請求項7】 一軸配向高分子液晶膜を構成する高分子
    液晶がアクリル主鎖またはメタクリル主鎖を有する請求
    項1〜6のいずれかに記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 液晶パネルの液晶が、電界無印加状態で
    スプレイ配向よりもベンド配向が安定である請求項1〜
    7のいずれかに記載の液晶素子。
  9. 【請求項9】 液晶層に部分的にハイブリッド配向領域
    を形成し、該ハイブリッド配向領域に隣接した画素内の
    ツイスト配向領域を安定化した請求項1〜8のいずれか
    に記載の液晶素子。
  10. 【請求項10】 一軸配向高分子液晶膜が、液晶パネル
    の外側に形成されている請求項1〜9のいずれかに記載
    の液晶素子。
  11. 【請求項11】 一軸配向高分子液晶膜が、液晶パネル
    の内側に形成されている請求項1〜9のいずれかに記載
    の液晶素子。
  12. 【請求項12】 液晶パネルが、画素毎にアクティブ素
    子を備え、各画素の液晶をアクティブマトリクス駆動す
    る請求項1〜11のいずれかに記載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 アクティブ素子が薄膜トランジスタで
    ある請求項12に記載の液晶素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007212560A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd 液晶表示装置
JP2007298967A (ja) * 2006-04-03 2007-11-15 Sumitomo Chemical Co Ltd フィルムおよびフィルムの製造方法、並びにその利用

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