JP2001248735A - フローティングシール及び該フローティングシールを備えた減速装置 - Google Patents

フローティングシール及び該フローティングシールを備えた減速装置

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JP2001248735A
JP2001248735A JP2000058400A JP2000058400A JP2001248735A JP 2001248735 A JP2001248735 A JP 2001248735A JP 2000058400 A JP2000058400 A JP 2000058400A JP 2000058400 A JP2000058400 A JP 2000058400A JP 2001248735 A JP2001248735 A JP 2001248735A
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casing
ring
seal rings
floating seal
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Yuji Igawa
裕二 井川
Nobuo Uzawa
信夫 鵜沢
Shinobu Yamamoto
忍 山本
Takeshi Kurihara
猛 栗原
Soushi Shibukawa
壮史 澁川
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールリングの摺接面間に異物が侵入するの
を防止し、シールリングの耐摩耗性を高め、シール性能
を長期に亘って良好に維持する。 【解決手段】 走行用の減速装置を構成する固定側のケ
ーシング1と回転側のケーシング3との間にはフローテ
ィングシール22を設ける。そして、フローティングシ
ール22を構成する一対のシールリング23は、ケーシ
ング1,3の環状突起1B,4B内周側に対向して配置
する。また、これら各シールリング23をOリング24
により軸方向に押圧し、各シールリング23の軸方向の
対向面を互いに摺接させる。さらに、シールリング23
の対向面のうち径方向外側に位置する部位を摺接面23
Bとして形成し、径方向内側に位置する部位をテーパ面
23Cとして形成する。そして、各シールリング23の
テーパ面23C間には、潤滑油を含有した高分子材から
なる樹脂リング25を嵌合して設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル、油圧クレーン等の建設機械に用いられるフローティ
ングシール及び該フローティングシールを備えた減速装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の装軌式車両に
装備される走行用の減速装置は、車両のフレームに固定
され内周側に回転源となる走行用モータが設けられる固
定側のケーシングと、該固定側のケーシングの外周側に
回転可能に設けられ走行用モータにより駆動される回転
側のケーシングと、該回転側のケーシング内に設けられ
走行用モータの回転を減速する減速歯車機構とによって
大略構成されている。
【0003】そして、この種の従来技術による減速装置
は、油圧モータの出力軸を回転すると、この回転出力は
減速歯車機構によって減速され、大トルクとなって回転
側のケーシングに伝達される。そして、この回転側のケ
ーシングに伝達された回転出力により該ケーシングと一
体となった駆動輪を回転駆動し、装軌式車両の履帯を周
回動作させ、走行を行なう。
【0004】また、この従来技術による減速装置にあっ
ては、固定側,回転側のケーシング内には、減速歯車機
構を構成する各歯車等の潤滑を行なうための潤滑油を封
入している。そして、固定側のケーシングと回転側のケ
ーシングとの間にはフローティングシールを装着し、こ
れらのケーシングの間から潤滑油が外部に漏洩するのを
防止している。
【0005】ここで、前記フローティングシールは、固
定側,回転側のケーシングの内周側に軸方向で対向して
配置された一対のシールリングと、これら各ケーシング
の内周面と各シールリングの外周面との間にそれぞれ挟
持された一対のOリングとによって構成されている。
【0006】そして、このフローティングシールは、O
リングにより各シールリングに対してそれぞれ軸方向の
押圧力を付与し、これにより各シールリングの軸方向の
対向面を互いに摺接させ、固定側のケーシングと回転側
のケーシングとの間を液密にシールする構成となってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、減速装置の作動時には、減速歯車機構を構
成する各歯車が互いに噛み合いながら回転することによ
り、減速歯車機構を潤滑する潤滑油中には、摩耗粉また
はごみ等の異物が混入する。そして、この異物はフロー
ティングシールの摺接面間に向けて径方向の内側から侵
入し、これらの摺接面を摩耗、損傷させ、長期に亘って
安定したシール性能を発揮できないという問題がある。
【0008】一方、他の従来技術によるフローティング
シールとして、各シールリングの摺接面のうち一方の摺
接面側にリップ部を有する環状の弾性体を設け、該リッ
プ部を相手方の摺接面に摺接させる構成としたものが知
られている(例えば、実開昭48−87447号公報
等)。
【0009】しかし、この他の従来技術は、弾性体のリ
ップ部を相手方のシールリングの摺接面に線接触させる
ことにより、各シールリングの摺接面間に作用する面圧
を小さく抑える構成としているに過ぎず、各摺接面間へ
の異物の侵入防止を考慮した構成とはなっていない。
【0010】しかも、シールリングの摺接面側には弾性
体を取付けるための環状溝を設ける構成としているた
め、シールリングの加工時には、シールリングの摺接面
側に溝加工等を施す必要があり、シールリングの加工性
が低下するという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、各シールリングの摺接
面間に異物が侵入するのを防止でき、長期に亘ってシー
ル性能を良好に維持できると共に、シールリングの加工
性等を向上できるようにしたフローティングシール及び
3該フローティングシールを備えた減速装置を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明によるフローティングシール
は、相対回転するケーシングの内周側にそれぞれ対向し
て配置され、軸方向の対向面が互いに摺接することによ
りシールを行なう一対のシールリングと、該各シールリ
ングの外周面と前記各ケーシングの内周面との間にそれ
ぞれ挟持され、該各シールリングに対して軸方向の押圧
力を付与する一対のOリングとにより構成している。
【0013】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記各シールリングの対向面間には潤滑油を含
有した高分子材からなる樹脂リングを設ける構成とした
ことにある。
【0014】このように構成したことにより、各シール
リングの対向面間には高分子材からなる樹脂リングを介
在して設けることができ、異物等が各シールリングの対
向面間に侵入するのを樹脂リングによって防止できる。
また、高分子材からなる樹脂リングは潤滑油を含有して
いるため、各シールリングを互いに摺動させるときに
は、内部に含有した潤滑油を各シールリングの対向面間
に円滑に供給でき、該対向面を常時潤滑状態に保持する
ことができる。
【0015】また、請求項2の発明は、各シールリング
の対向面は、径方向外側部位が互いに摺接する摺接面と
なり、径方向内側部位は略V字状に拡開するテーパ面と
して形成し、樹脂リングは該各シールリングのテーパ面
側に装着する構成としている。
【0016】これにより、樹脂リングを各シールリング
の径方向内側部位であるテーパ面側に嵌合状態で安定し
て取付けることができる。そして、このように樹脂リン
グをシールリングの径方向内側のテーパ面側に取付ける
ことにより、該テーパ面よりも径方向の外側に位置する
摺接面側に異物が侵入するのを遮断することができる。
【0017】また、請求項3の発明は、樹脂リングには
各シールリングとの接触面側に凹凸部を形成する構成と
している。これにより、樹脂リングの凹凸部側をシール
リングのテーパ面側に弾性変形状態で接触させることが
でき、シール性を高めることができる。
【0018】一方、請求項4の発明によるフローティン
グシールを備えた減速装置は、回転源が設けられる固定
側のケーシングと、該固定側のケーシングに対して相対
回転可能に設けられ前記回転源により駆動される回転側
のケーシングと、該回転側のケーシング内に設けられ前
記回転源の回転を減速する減速歯車機構と、前記固定側
のケーシングと回転側のケーシングとの間に設けられた
フローティングシールとにより構成している。
【0019】そして、請求項4に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記フローティングシールは、前記固定
側,回転側のケーシングの内周側にそれぞれ対向して配
置され、軸方向の対向面が互いに摺接することによりシ
ールを行なう一対のシールリングと、該各シールリング
の外周面と前記固定側,回転側のケーシングの内周面と
の間にそれぞれ挟持され、該各シールリングに対して軸
方向の押圧力を付与する一対のOリングとを備え、前記
各シールリングの対向面間には潤滑油を含有した高分子
材からなる樹脂リングを設ける構成としたことにある。
【0020】このように構成したことにより、例えば減
速歯車機構で発生する摩耗粉等の異物が各シールリング
の対向面間に侵入するのを、高分子材からなる樹脂リン
グを用いて防止できると共に、樹脂リング内の潤滑油を
各シールリングの対向面間に円滑に供給でき、該対向面
を常時潤滑状態に保持することができる。
【0021】また、請求項5の発明は、各シールリング
の対向面は、径方向外側部位が互いに摺接する摺接面と
なり、径方向内側部位は略V字状に拡開するテーパ面と
して形成し、樹脂リングは該各シールリングのテーパ面
側に装着する構成としている。
【0022】また、請求項6の発明は、樹脂リングには
各シールリングとの接触面側に凹凸部を形成する構成と
している。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
フローティングシール及び該フローティングシールを備
えた減速装置を、油圧ショベルの走行用の減速装置に適
用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明す
る。
【0024】ここで、図1ないし図3は本発明の第1の
実施の形態を示し、1は油圧ショベルのサイドフレーム
(図示せず)に固定して設けられる固定側のケーシング
で、該ケーシング1は、基端側がフランジ部1Aとなっ
て前記サイドフレームに固定され、先端側には後述のケ
ーシング3が設けられている。
【0025】また、このケーシング1の基端側には、ケ
ーシング3に向けて軸方向に突出する環状突起1Bが設
けられ、該環状突起1Bの内周面1Cには後述のフロー
ティングシール22が装着されている。そして、ケーシ
ング1の内周側には走行用の油圧モータ2が一体に設け
られ、該油圧モータ2の出力軸2A先端側には後述の太
陽歯車11が設けられている。
【0026】3はケーシング1の外周側に回転可能に設
けられた回転側のケーシングで、該ケーシング3内に
は、後述の減速歯車機構10,14,18等を潤滑する
ための潤滑油が封入されている。
【0027】また、ケーシング3は、基端側にフランジ
部4Aが設けられた円筒状のドラム4と、該ドラム4の
先端側に設けられ内周側が内歯5Aとなったリングギア
5と、該リングギア5の端部に設けられ内周側が内歯6
Aとなった他のリングギア6と、該リングギア6の端部
を施蓋する蓋体7とによって大略構成されている。そし
て、このケーシング3は、ドラム4が軸受8,8を介し
てケーシング1の外周側に回転可能に支持されている。
【0028】また、ドラム4のフランジ部4Aには駆動
輪9が設けられ、該駆動輪9には油圧ショベルの履帯
(図示せず)が巻回される。さらに、ドラム4の基端側
には、ケーシング1の環状突起1Bと軸方向で対向して
環状突起4Bが突設され、該環状突起4Bの内周面4C
には後述のフローティングシール22が装着されてい
る。
【0029】10はケーシング3のリングギア6内に設
けられた1段目の減速歯車機構で、該減速歯車機構10
は、油圧モータ2の出力軸2A先端側に一体形成された
太陽歯車11と、該太陽歯車11とリングギア6の内歯
6Aとに噛合し、該太陽歯車11の周囲を自転しつつ公
転する例えば3個の遊星歯車12(1個のみ図示)と、
内周側が後述の太陽歯車15に噛合した状態で該遊星歯
車12をピン13Aを介して回転可能に支持するキャリ
ア13とによって構成されている。
【0030】14は減速歯車機構10と一緒にリングギ
ア6内に設けられた2段目の減速歯車機構で、該減速歯
車機構14は、キャリア13に歯合する太陽歯車15
と、該太陽歯車15とリングギア6の内歯6Aとに噛合
する例えば3個の遊星歯車16(1個のみ図示)と、内
周側が後述の太陽歯車19に噛合した状態で該遊星歯車
16をピン17Aを介して回転可能に支持するキャリア
17とによって構成されている。
【0031】18はケーシング3のリングギア5内に設
けられた3段目の減速歯車機構で、該減速歯車機構18
は、キャリア17に歯合する太陽歯車19と、該太陽歯
車19とリングギア5の内歯5Aとに噛合する例えば3
個の遊星歯車20(1個のみ図示)と、ケーシング1の
内周側に固定され該遊星歯車20をピン21Aを介して
回転可能に支持するキャリア21とによって構成されて
いる。
【0032】22はケーシング1とケーシング3との間
に設けられたフローティングシールで、該フローティン
グシール22は ケーシング1,3の内部に収容した潤
滑油が外部に漏洩するのを防止すると共に、土砂、雨水
等がケーシング1,3内に侵入するのを防止するもので
ある。
【0033】また、フローティングシール22は、ケー
シング1,3の環状突起1B,4B内周側にそれぞれ軸
方向で対向して配置された一対のシールリング23,2
3と、該各シールリング23の外周面23Aとケーシン
グ1,3の内周面1C,4Cとの間にそれぞれ挟持され
た一対のOリング24,24と、後述の樹脂リング25
とによって構成されている。
【0034】ここで、各シールリング23は、軸方向で
対向した互いの対向面のうち、径方向の外側部位が摺接
面23B,23Bとなり、径方向の内側部位はテーパ面
23C,23Cとなっている。そして、これら各テーパ
面23Cは、径方向の内側に向けV字状をなして拡開す
るV字状溝を構成している。
【0035】そして、フローティングシール22は、O
リング24の弾性力によりシールリング23に対して軸
方向の押圧力を付与し、これにより各シールリング23
の摺接面23Bを互いに摺接させ、両者の間を液密にシ
ールする構成となっている。
【0036】25はフローティングシール22の各シー
ルリング23内周側に嵌合して設けられた高分子材から
なる樹脂リングで、該樹脂リング25は、潤滑油と親和
性のある例えばポリオレフィン樹脂等の高分子材料中
に、潤滑油を含有させることにより、図2、図3に示す
如く環状をなすリング体として形成されている。
【0037】なお、前記高分子材料としては、ポリオレ
フィン樹脂等の替わりにポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂等を用いてもよい。また、高分子材料中に含有
する潤滑油は、ケーシング3内に封入した潤滑油と同一
種類のもの(例えば、鉱油系の潤滑油)を用いるのが好
ましい。
【0038】ここで、樹脂リング25は、各シールリン
グ23の内周面に締代をもって摺接する短尺の円筒部2
5Aと、該円筒部25Aの軸方向中間から径方向外向き
に略三角形状(略V字状)をなして突出し、各シールリ
ング23のテーパ面23C間に嵌合状態で締代をもって
摺接する環状突部25Bとにより構成されている。
【0039】そして、樹脂リング25は、各シールリン
グ23のテーパ面23C間で形成されるV字状溝内を隙
間なく塞ぎ、後述するようにケーシング3内に封入した
潤滑油中に含まれる異物がテーパ面23C側から摺接面
23B側へと径方向の内側に侵入するのを防止する遮蔽
リングを構成している。
【0040】また、当該減速装置の作動時に各シールリ
ング23が互いに摺動するときには、両者の間で発生す
る摩擦熱等により、樹脂リング25に含有した潤滑油が
外部にしみ出してシールリング23等に供給され、各摺
接面23B間を潤滑状態に保つと共に、テーパ面23C
と樹脂リング25との間も潤滑状態に保つものである。
【0041】本実施の形態による油圧ショベルの走行用
の減速装置は、上述の如き構成を有するもので、油圧モ
ータ2に外部から圧油を給排して出力軸2Aを回転駆動
すると、この回転はケーシング3内で減速歯車機構1
0,14,18により3段階に減速され、ケーシング3
に高いトルクの回転力が伝達される。そして、ケーシン
グ3に伝達された回転出力により履帯を駆動し、これに
より油圧ショベルを走行させる。
【0042】そして、このときにフローティングシール
22は、ケーシング3に設けたシールリング23の摺接
面23Bが、相手方となるケーシング1に設けたシール
リング23の摺接面23Bに対して摺動することによ
り、ケーシング1とケーシング3との間を液密にシール
する。これにより、ケーシング1,3の間から潤滑油が
外部に漏洩するのを防止できると共に、土砂等が両者の
間に侵入するのを防止できる。
【0043】ところで、前述した減速装置の作動時に
は、減速歯車機構10,14,18を構成する各歯車が
互いに噛み合いながら回転するから、これらを潤滑する
潤滑油中には、摩耗粉またはごみ等の異物が混入する。
そして、この異物がフローティングシール22の各シー
ルリング23間に侵入すると、摺接面23Bが摩耗、損
傷する可能性がある。
【0044】そこで、本実施の形態では、フローティン
グシール22を構成する各シールリング23の対向面の
うち、径方向内側に位置するテーパ面23C間に高分子
材からなる樹脂リング25を設ける構成としている。
【0045】このため、減速装置の作動時には、樹脂リ
ング25によりケーシング3内の潤滑油中に含まれる異
物が、シールリング23のうちテーパ面23Cよりも径
方向外側となる摺接面23Bに侵入するのを遮断でき、
該摺接面23Bの摩耗、損傷を防止することができる。
【0046】そして、このときには各シールリング23
間等で発生する摩擦熱が樹脂リング25に伝わり、該樹
脂リング25内に含有した潤滑油が外部にしみ出すこと
により、この潤滑油をシールリング23の摺接面23
B、テーパ面23C等に供給できる。これにより、各摺
接面23B間を常時潤滑状態に保つことができると共
に、テーパ面23Cと樹脂リング25との間も常時潤滑
状態に保つことができ、これらの間に摩耗、焼付き等が
発生するのを防止できる。
【0047】かくして、本実施の形態では、潤滑油を含
有した高分子材からなる樹脂リング25を用いることに
より、フローティングシール22の耐摩耗性、耐久性等
を高め、ケーシング1とケーシング3との間をフローテ
ィングシール22により長期に亘って良好にシールし続
けることができ、当該減速装置の性能、信頼性等を向上
することができる。
【0048】また、樹脂リング25は、各シールリング
23のテーパ面23C間で形成されるV字状溝内に取付
ける構成としたので、該樹脂リング25の環状突部25
Bを各テーパ面23C間に嵌合状態で安定して取付ける
ことができ、樹脂リング25の組付性を高めることがで
きる。
【0049】さらに、現行品のフローティングシール
(例えば、特開平9ー280378号公報等に従来技術
として記載)にあっても、各シールリングの対向面側に
はテーパ面が形成されているので、このようなシールリ
ングにも樹脂リング25を簡単に装着でき、前述した他
の従来技術のようにシールリングに溝加工等を特別に施
す必要がなくなり、シールリング23の加工性を高める
ことができる。
【0050】次に、図4および図5は本発明の第2の実
施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の
形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を
省略するものとする。然るに、本実施の形態では、樹脂
リング31のうち、シールリング23のテーパ面23C
に接触する接触面側に凹凸部31Cを形成したことにあ
る。
【0051】ここで、樹脂リング31は、第1の実施の
形態による樹脂リング25とほぼ同様に、潤滑油を含有
したポリオレフィン樹脂等の高分子材を用いて形成さ
れ、円筒部31Aと環状突部31Bを有している。
【0052】しかし、この樹脂リング31の環状突部3
1Bは、シールリング23のテーパ面23Cに接触する
表面側を凹凸部31C,31Cとして形成している点
で、第1の実施の形態のものとは異なっている。
【0053】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。特に、本実施の形態では、樹脂リング
31のうちシールリング23のテーパ面23Cに接触す
る部分に凹凸部31Cを形成したので、この樹脂リング
31の凹凸部31Cを、シールリング23のテーパ面2
3Cに対し弾性変形状態で締代をもって接触させること
ができ、樹脂リング31とシールリング23との間のシ
ール性をより高めることができる。
【0054】なお、各実施の形態では、油圧ショベルの
走行用の減速装置に用いられるフローティングシールを
例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば
油圧ショベルの上部旋回体を下部走行体上で旋回させる
ための旋回用の減速装置に適用してもよい。また、油圧
ショベルの履帯を案内する上,下の案内ローラ、遊動輪
等に適用してもよいし、さらに各種の産業機械の軸受装
置にも広く適用できるものである。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
るフローティングシールは、一対のシールリングを相対
回転するケーシングの内周側にそれぞれ対向して配置
し、これら各シールリングをOリングにより軸方向に押
圧することにより、各シールリングの軸方向の対向面を
互いに摺接させると共に、該各シールリングの対向面間
には潤滑油を含有した高分子材からなる樹脂リングを設
ける構成としたので、ケーシング内の異物等が各シール
リングの対向面間に侵入するのを樹脂リングによって遮
断できる上に、樹脂リング内の潤滑油を各シールリング
の対向面間に円滑に供給でき、該各対向面間を常時潤滑
状態に保持することができる。
【0056】これにより、シールリングの耐摩耗性、耐
久性等を高めることができ、各ケーシング間をフローテ
ィングシールにより長期に亘って良好にシールし続ける
ことができ、フローティングシールのシール性能、信頼
性等を高めることができる。
【0057】また、請求項2の発明は、各シールリング
の対向面のうち径方向外側部位を摺接面とし、径方向内
側部位は略V字状に拡開するテーパ面として形成し、該
テーパ面側には樹脂リングを装着する構成としたので、
シールリングのテーパ面よりも径方向の外側に位置する
摺接面側に異物が侵入するのを樹脂リングにより遮断で
き、フローティングシールの耐久性、寿命等を一層延ば
すことができる。また、樹脂リングを各シールリングの
テーパ面間に嵌合状態で安定して取付けることができ、
樹脂リングの組付性を高めることができる。そして、シ
ールリングには樹脂リングを取付けるための溝加工等を
特別に施す必要がなくなり、シールリングの加工性を高
めることができる。
【0058】また、請求項3の発明のように、樹脂リン
グのうち各シールリングとの接触面側に凹凸部を形成す
る構成とした場合には、樹脂リングの凹凸部側をシール
リングのテーパ面側に締代をもって接触させることが可
能となり、樹脂リングのシール性を高めることができ
る。
【0059】一方、請求項4の発明によるフローティン
グシールを備えた減速装置にあっても、例えば回転側ケ
ーシング内の減速歯車機構で発生する摩耗粉等の異物等
が、各シールリングの対向面間に侵入するのを高分子材
からなる樹脂リングによって遮断できる。そして、樹脂
リングは高分子材中に含有した潤滑油を各シールリング
の対向面間に円滑に供給でき、該各対向面間を常時潤滑
状態に保持することができる。これにより、シールリン
グの耐摩耗性、耐久性等を高め、各ケーシング間をフロ
ーティングシールにより長期に亘って良好にシールし続
けることができ、当該減速装置の性能、信頼性等を高め
ることができる。
【0060】また、請求項5の発明では、樹脂リングに
より各シールリングの摺接面間に異物が侵入するのを遮
断でき、フローティングシールの耐久性、寿命等を一層
延ばすことができると共に、樹脂リングの組付性、加工
性等を高めることができる。
【0061】さらに、請求項6の発明では、樹脂リング
の凹凸部側をシールリングのテーパ面側に締代をもって
接触させることができ、樹脂リングのシール性を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による走行用の減速
装置を示す縦断面図である。
【図2】図1中のフローティングシール等を拡大して示
す要部拡大断面図である。
【図3】図2中の樹脂リングを単体で示す斜視図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるフローティン
グシールを図2と同様位置からみた要部拡大断面図であ
る。
【図5】図4中の樹脂リングの一部を単体で示す拡大断
面図である。
【符号の説明】
1,3 ケーシング 1C,4C 内周面 2 油圧モータ(回転源) 10 第1の減速歯車機構 14 第2の減速歯車機構 18 第3の減速歯車機構 22 フローティングシール 23 シールリング 23A 外周面 23B 摺接面(対向面) 23C テーパ面(対向面) 24 Oリング 25,31 樹脂リング 31C 凹凸部
フロントページの続き (72)発明者 山本 忍 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 栗原 猛 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 澁川 壮史 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 3J027 FA37 FB40 HB02 HB07 HC30 3J041 AA07 BA09 BC02 BD01 DA11 DA12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転するケーシングの内周側にそれ
    ぞれ対向して配置され、軸方向の対向面が互いに摺接す
    ることによりシールを行なう一対のシールリングと、該
    各シールリングの外周面と前記各ケーシングの内周面と
    の間にそれぞれ挟持され、該各シールリングに対して軸
    方向の押圧力を付与する一対のOリングとからなるフロ
    ーティングシールにおいて、 前記各シールリングの対向面間には潤滑油を含有した高
    分子材からなる樹脂リングを設ける構成としたことを特
    徴とするフローティングシール。
  2. 【請求項2】 前記各シールリングの対向面は、径方向
    外側部位が互いに摺接する摺接面となり、径方向内側部
    位は略V字状に拡開するテーパ面として形成し、前記樹
    脂リングは該各シールリングのテーパ面側に装着する構
    成としてなる請求項1に記載のフローティングシール。
  3. 【請求項3】 前記樹脂リングには前記各シールリング
    との接触面側に凹凸部を形成してなる請求項1または2
    に記載のフローティングシール。
  4. 【請求項4】 回転源が設けられる固定側のケーシング
    と、該固定側のケーシングに対して相対回転可能に設け
    られ前記回転源により駆動される回転側のケーシング
    と、該回転側のケーシング内に設けられ前記回転源の回
    転を減速する減速歯車機構と、前記固定側のケーシング
    と回転側のケーシングとの間に設けられたフローティン
    グシールとからなるフローティングシールを備えた減速
    装置において、 前記フローティングシールは、前記固定側,回転側のケ
    ーシングの内周側にそれぞれ対向して配置され、軸方向
    の対向面が互いに摺接することによりシールを行なう一
    対のシールリングと、該各シールリングの外周面と前記
    固定側,回転側のケーシングの内周面との間にそれぞれ
    挟持され、該各シールリングに対して軸方向の押圧力を
    付与する一対のOリングとを備え、 前記各シールリングの対向面間には潤滑油を含有した高
    分子材からなる樹脂リングを設ける構成としたことを特
    徴とするフローティングシールを備えた減速装置。
  5. 【請求項5】 前記各シールリングの対向面は、径方向
    外側部位が互いに摺接する摺接面となり、径方向内側部
    位は略V字状に拡開するテーパ面として形成し、前記樹
    脂リングは該各シールリングのテーパ面側に装着する構
    成としてなる請求項4に記載のフローティングシールを
    備えた減速装置。
  6. 【請求項6】 前記樹脂リングには前記各シールリング
    との接触面側に凹凸部を形成してなる請求項4または5
    に記載のフローティングシールを備えた減速装置。
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