JP2001248637A - 転動体の潤滑機能を備えた直線案内装置 - Google Patents

転動体の潤滑機能を備えた直線案内装置

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JP2001248637A
JP2001248637A JP2000060231A JP2000060231A JP2001248637A JP 2001248637 A JP2001248637 A JP 2001248637A JP 2000060231 A JP2000060231 A JP 2000060231A JP 2000060231 A JP2000060231 A JP 2000060231A JP 2001248637 A JP2001248637 A JP 2001248637A
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ball
ball return
groove
linear guide
lubricant
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JP2000060231A
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Katsuko Kodama
華都子 児玉
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THK Co Ltd
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THK Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】摺動台内で無限循環しているボールを確実に潤
滑することが可能であると共に、外部から容易に潤滑剤
を補給することができ、面倒な保守作業を行うことなく
長期にわたって安定した性能を発揮することが可能な直
線案内装置を提供する。 【解決手段】無限循環するボール列を介して軌道レール
1と摺動台2とが係合した直線案内装置において、上記
摺動台2を、ボール戻し孔24を備えたスライドブロッ
ク21と、このスライドブロック21の前後両端面に固
定されてボール3の無限循環路を形成する一対のエンド
キャップ22とから構成し、更に、上記ボール戻し孔2
4の内周面にはその長手方向に沿って潤滑剤の拡散溝4
0を形成すると共にこの拡散溝40を覆うようにして潤
滑剤の塗布体41を設け、上記エンドキャップ22には
上記拡散溝40に潤滑剤を供給するための供給通路30
を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば工作機械等
の直線案内部においてテーブル等の可動体をベッド等の
固定部上で案内する目的で使用され、無限循環する多数
のボールを備えた摺動台が軌道レールに沿って自在に往
復動可能な直線案内装置に係り、詳細には、摺動台内に
おいて無限循環するボールを確実に且つ長期にわたって
潤滑するための構成の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の直線案内装置としては、
ベッド等の固定部に配設されると共にボールの転走溝が
形成された軌道レールと、多数のボールを介してこの軌
道レールに組み付けられ、テーブル等の可動体を支持し
ながら上記軌道レールに沿って移動する摺動台とから構
成されるものが知られている。
【0003】また、上記摺動台は、ボールを介して軌道
レールの転走溝と対向する負荷転走溝及びこの負荷転走
溝と平行なボール戻し孔を有し、上記ボールの転動に伴
い軌道レールに沿って移動自在なスライドブロックと、
このスライドブロックの前後両端面に夫々固定されると
共に、該スライドブロックの負荷転走溝と軌道レールの
転走溝との間から抜け出たボールを上記ボール戻し孔に
向けて案内するU字型の方向転換路を有する一対のエン
ドキャップとから構成されており、上記エンドキャップ
をスライドブロックの前後両端面に固定することで上記
負荷転走溝とボール戻し孔の端部間とが方向転換路で連
結され、ボールの無限循環路が摺動台内に完成するよう
になっている。
【0004】この直線案内装置を使用するに当たって
は、ボールそれ自体の摩耗やこれが転走する軌道レール
の転走溝あるいは摺動台の負荷転走溝の摩耗を抑え、該
摺動台の高精度の運動を長期にわたって維持する観点か
ら、かかるボールや上記負荷転走溝等に対して定期的あ
るいは連続的に潤滑剤を供給する必要がある。
【0005】このため、特開平10−78032号公報
に開示される直線案内装置では、ボールの潤滑機能を備
えた循環チューブを上記ボール戻し孔に対して組み込
み、ボールがこの循環チューブ内を無負荷状態で転走す
る際に、かかるボールの表面に対して潤滑剤が塗布され
るように構成している。上記チューブは円筒状の補強体
及びこの補強体に組み込まれた含油樹脂から構成されて
おり、この補強体には含油樹脂を固定するための長孔が
円周方向に所定の間隔をおいて複数形成されている。上
記含油樹脂は潤滑剤としてのパラフィン系鉱油をポリエ
チレン樹脂と混合したものであり、射出成形によって補
強体の長孔内に注入され該補強体と一体化されている。
従って、この含油樹脂からは潤滑剤が経時的に循環チュ
ーブ内に滲み出し、かかる循環チューブ内を通って無限
循環するボールの表面に対して潤滑剤が塗布されるよう
になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この循環チュ
ーブ内に固定された含油樹脂は潤滑剤を練り込むんだ状
態で成形されたものであり、含油樹脂に対して後から潤
滑剤を補給することは不可能である。このため、軌道レ
ールに対する摺動台の累積走行距離が大きくなり、含油
樹脂内に保持されていた潤滑剤が消尽してしまうと、潤
滑剤を補給することはできず、循環チューブそのものを
交換しなければならない。従って、かかる循環チューブ
は一定期間毎に交換しなければならず、かかる交換に当
たってはエンドキャップをスライドブロックから取り外
す等、摺動台の分解が必要とされることから、その交換
作業が大変面倒で且つ時間のかかるものとなってしま
う。また、循環チューブのみを交換せずに、かかる循環
チューブが組み込まれた摺動台そのものを交換してしま
うことも可能であるが、その場合でも摺動台に取り付け
られていたテーブル等の可動体は一時的に撤去する必要
が生じ、やはり交換作業に労力及び時間が必要とされ
る。
【0007】また、循環チューブに固定されている含油
樹脂を大型化すれば、かかる含油樹脂に多量の潤滑剤を
保持させることができ、循環チューブの交換サイクルを
長期化することも可能であるが、その場合にはスライド
ブロックに形成されているボール戻し孔の内径を大きく
する必要が生じ、スライドブロックの大型化や外力に対
する剛性の低下が懸念される。
【0008】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、摺動台内で無限
循環しているボールを確実に潤滑することが可能である
と共に、外部から容易に潤滑剤を補給することができ、
面倒な保守作業を行うことなく長期にわたって安定した
性能を発揮することが可能な直線案内装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の直線案内装置は、長手方向に沿ってボール
転走溝が形成された軌道レールと、上記ボール転走溝と
の間でボールが荷重を負荷しながら転走する負荷転走溝
が形成されると共にこの負荷転走溝に平行にボールが無
負荷状態で転走するボール戻し孔が形成されたスライド
ブロックと、上記負荷転走溝を転走し終えたボールを上
記ボール戻し孔に送り込むU字型の方向転換路を備える
と共にかかるスライドブロックの前後両端面に固定され
てボールの無限循環路を形成するエンドキャップとから
構成され、上記ボール戻し孔の内周面にはその長手方向
に沿って潤滑剤の拡散溝を形成すると共にこの拡散溝を
覆うようにして潤滑剤の塗布体を設ける一方、上記エン
ドキャップには上記拡散溝に潤滑剤を供給するための供
給通路を形成したことを特徴とするものである。
【0010】このような技術的手段によれば、エンドキ
ャップに形成された供給通路に対して外部から潤滑剤を
供給してやると、かかる潤滑剤がスライドブロックのボ
ール戻し孔に形成された拡散溝に流入し、潤滑剤は拡散
溝に沿ってボール戻し孔の長手方向に拡がる。この拡散
溝は潤滑剤の塗布体によって覆われていることから、拡
散溝内の潤滑剤は塗布体に吸収され、ボール戻し孔の内
部を転走するボールが塗布体に摺接すると、かかる塗布
体からボールに対して潤滑剤が供給される。これによ
り、無限循環するボール列、ひいてはボールが転走する
スライドブロックの負荷転走溝及び軌道レールのボール
転走溝を確実に循環することができる。このとき、上記
拡散溝はボール戻し孔の長手方向に沿って形成されてい
ることから、供給通路から拡散溝に流れ込んだ潤滑剤は
ボール戻し孔の端部から長手方向の中央にまで拡がり、
ボール戻し孔の長手方向の全長にわたってボールの潤滑
が行われることになる。このように、本発明の直線案内
装置では、外部から供給した潤滑剤がボール戻し孔内に
設けられた塗布体に吸収され、かかる塗布体を介してボ
ールに潤滑剤を供給しているので、定期的に外部から潤
滑剤を補給しさえすれば、部品交換等の面倒な作業を行
うことなく、長期にわたって直線案内装置の使用を続け
ることができるものである。
【0011】本発明においては、上記拡散溝をボール戻
し孔の内周面に対して直接形成しても良いが、かかるボ
ール戻し孔の長手方向に沿って溝を刻設する加工には手
間がかかることから、内径がボール直径よりも僅かに大
きなパイプの長手方向に沿ってスリットを形成すると共
に、かかるパイプの内周面にはスリットに重なるように
して潤滑剤の塗布体を固定し、このパイプをボール戻し
パイプとしてボール戻し孔の内部に嵌合させるのが好ま
しい。このようにすれば、ボール戻しパイプに形成され
たスリットが拡散溝として機能するので、上記拡散溝を
具備したボール戻し孔を容易に形成することができる。
【0012】また、このようにボール戻しパイプを用い
る場合には、ボール戻し孔内に嵌合させたボール戻しパ
イプの両端をスライドブロックの両端から僅かに突出さ
せ、かかる突出部位をエンドキャップに形成された方向
転換路の一端開口に嵌合させるのが好ましい。このよう
に構成すれば、エンドキャップに対するボール戻しパイ
プの位置決めが正確となり、エンドキャップ側に形成さ
れた潤滑剤の供給通路とボール戻しパイプのスリットと
を確実に連結して、これらの間における潤滑油の漏出を
防止することが可能となる。
【0013】更に、上記ボール戻し孔の内周面に対して
塗布体を装着する作業も困難であることから、前述の如
くボール戻しパイプの内周面に対して塗布体を装着し、
この後にボール戻しパイプをスライドブロックに嵌合さ
せるようにすれば、ボール戻し孔に対する塗布体の装着
作業を容易化する上でも効果的である。このとき、ボー
ル戻しパイプに対する塗布体の装着作業を容易化すると
いう観点からすれば、かかるボール戻しパイプは上記ス
リット及びこのスリットと対向する位置で一対のパイプ
半体に分割されているのが好ましく、このようにボール
戻しパイプが周方向に二分割されていれば、これらパイ
プ半体を互いに拡開させることにより、塗布体をボール
戻しパイプの内周面に容易に固定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の直線案内装置を詳細に説明する。図1は本発明を適用
した直線案内装置の一例を示す切り欠き斜視図である。
この直線案内装置は、長手方向に沿ってボールの転走面
11a,11bが形成された軌道レール1と、転動体と
しての多数のボール3を介してこの軌道レール1に係合
すると共に内部に該ボール3の無限循環路を備えた摺動
台2と、この摺動台2の移動方向の前後両端面に装着さ
れると共に軌道レール1の上面及び両側面に密着するシ
ール部材5とから構成されており、かかるボール3の循
環に伴って上記摺動台2が軌道レール1上を往復運動す
るように構成されている。
【0015】上記軌道レール1は長手方向に垂直な縦断
面が略矩形状に形成されており、固定ボルトを挿通させ
るための取り付け孔10が長手方向に適宜間隔をおいて
貫通形成されている。また、軌道レール1の上面には上
記取り付け孔10を挟むようにして2条のボール転走溝
11aが形成される一方、両側面にも1条のボール転走
溝11bが夫々形成されており、これら4条のボール転
走溝はボール3の球面の曲率よりも僅かに大きな曲率で
深溝状に形成されている。
【0016】図1及び図2に示すように、上記摺動台2
は、テーブル等の可動体(図示せず)の取付け面20を
備えたスライドブロック21と、このスライドブロック
21の前後両端面に固定された一対のエンドキャップ2
2,22とから構成されており、軌道レール1の上部が
遊嵌する凹所を下面側に備えて断面略サドル状に形成さ
れている。尚、図2はスライドブロックからエンドキャ
ップを取り外した状態を示す分解斜視図である。
【0017】図3は上記スライドブロック21の正面断
面図である。この図に示すように、上記スライドブロッ
ク21は、上記取り付け面20が形成された基部21a
及びこの基部21aの両端から垂下する一対のスカート
部21b,21bを備えて断面略サドル状に形成されて
おり、各スカート部21bの内側面及び基部21aの下
面側には軌道レール1のボール転走溝11a,11bと
夫々対向する4条の負荷転走溝23が形成されている。
ボール3はこれら負荷転走溝23と軌道レールのボール
転走溝11a,11bとの間で荷重を負荷しながら転走
し、これによって摺動台2が軌道レール1上を移動する
ことになる。
【0018】また、スライドブロック21の基部21a
及び各スカート部21bには各負荷転走溝23に対応す
るボール戻し孔24が夫々穿設されており、これらボー
ル戻し孔24は上記エンドキャップ22に形成された略
U字型の方向転換路25によって負荷転走溝23と連通
連結されている。すなわち、この方向転換路25はスラ
イドブロック21の負荷転走溝23を転走し終えたボー
ル3を掬い上げて上記ボール戻し孔24へ送り込む一
方、このボール戻し孔24から負荷転走溝23へボール
3を送り出すように構成されている。従って、これらエ
ンドキャップ22を取付ボルト27を用いてスライドブ
ロック21に固定することにより、上記摺動台2にボー
ル3の無限循環路が形成されるようになっている。尚、
エンドキャップ22は硬質合成樹脂の射出成形によって
製作されており、かかる射出成形によって略U字型の方
向転換路25をエンドキャップ22に具備させることは
困難であることから、射出成形時には半円型の溝のみを
エンドキャップ22に形成し、この溝の中央に対して別
途成形した半円状のRピース26を嵌合させることによ
ってU字型の方向転換路25を完成させている。
【0019】更に、図4は上記エンドキャップ22のス
ライドブロツクに接する裏面側を示した背面図である。
このエンドキャップ22の中央には潤滑剤を供給するた
めの貫通孔29が形成されており、この貫通孔29に対
してエンドキャップ22の正面側から供給ニップル28
が装着されている(図1参照)。また、エンドキャップ
22の裏面側には上記貫通孔29から連続する複数の油
送溝30が形成されており、各油送溝30は方向転換路
25の一端開口、すなわちスライドブロック21のボー
ル戻し孔24と接続される開口に向けて伸びている。こ
のエンドキャップ22をスライドブロック21に対して
固定した状態では、上記貫通孔29及び油送溝30はス
ライドブロック21の端面によって覆われてしまうこと
から、供給ニップル28を介して貫通孔29に供給した
潤滑剤は該貫通孔29に連結された油送溝30に流れ込
み、これらの油送溝30を介して各方向転換路25の開
口へ送り込まれる。つまり、これら貫通孔29及び油送
溝30が本発明の供給通路を構成している。
【0020】一方、上記スライドブロック21のボール
戻し孔24には図5及び図6に示すような円筒状のボー
ル戻しパイプ4が嵌合しており、ボール3はこのボール
戻しパイプ4内を無負荷状態で転走するように構成され
ている。このボール戻しパイプ4には長手方向に沿って
一条のスリット40が形成されており、ボール戻しパイ
プ4をスライドブロック21のボール戻し孔24に嵌合
させると、かかるボール戻し孔24の内周面の長手方向
に沿って溝を形成したのと同じ効果が得られるようにな
っている。すなわち、ボール戻しパイプ4に形成された
スリット40が本発明における拡散溝に相当する。ま
た、ボール戻しパイプ4の内周面には上記スリット40
を覆うようにして潤滑剤の塗布体41が設けられてい
る。この塗布体41は潤滑剤を吸収して保持すると共に
ボール戻しパイプ4内を転走するボール3に対して潤滑
剤を塗布する目的で設けられており、例えばフェルト等
の繊維交絡体から形成されている。塗布体41が設けら
れたボール戻しパイプ4の内径dはボール3の直径と同
一又は該直径よりも僅かに大きく形成されており、パイ
プ4内に転がり込んだボール3が軽く塗布体41に触れ
る程度で転走し得るようになっている。
【0021】また、このボール戻しパイプ4は上記スリ
ット40及びこのスリット40と対向する位置で一対の
パイプ半体42,42に分割されており、上記塗布体4
1をボール戻しパイプ4内に組み込み易いように配慮さ
れている。図7に示すように、各パイプ半体42の周方
向の一端には塗布体41の端部を固定するための差し込
み溝43が形成されており、一枚の塗布体41の両端を
一対のパイプ半体42の差し込み溝43に対して夫々固
定することにより、これらパイプ半体42が相互に結合
されるようになっている。図8は塗布体41をパイプ半
体42に固定した様子を示すものであり、この状態から
矢線方向にパイプ半体42を閉じることによってボール
戻しパイプ4が完成し、そのままボール戻し孔24に挿
入することが可能となる。
【0022】ボール戻しパイプ4はスライドブロック2
1の全長よりも僅かに長く形成されており、かかるボー
ル戻しパイプ4をスライドブロック21のボール戻し孔
24内に挿入した状態では、図9に示すように、ボール
戻しパイプ4の端部がスライドブロック21の端面から
僅かに突出するようになっている。一方、図4に示すよ
うに、エンドキャップ22の裏面側には方向転換路25
の開口を囲むようにして環状溝31が形成されており、
エンドキャップ22をスライドブロック21に固定する
と、図10に示すように、スライドブロック21の端面
から突出したボール戻しパイプ4の端部が上記環状溝3
1に嵌まり込むようになっている。
【0023】また、図11に示すように、エンドキャッ
プ22側の環状溝31にはボール戻しパイプ4のスリッ
ト40に嵌合する位置決め突起32が形成されており、
環状溝31に嵌まり込んだボール戻しパイプ4が周方向
に回転し得ないように構成されている。エンドキャップ
22に形成された油送溝30はこの位置決め突起32を
介して方向転換路25に開放されており、ボール戻しパ
イプ4の端部を環状溝31に嵌め込んだ状態では、油送
溝30の端部がボール戻しパイプ4の塗布体に突き当た
ると共に、上記スリット40に開放されるようになって
いる。尚、図11中における一点鎖線はスライドブロッ
ク21のボール戻し孔24の内周面を示しており、ボー
ル戻し孔24の内周面と塗布体41との間には上記スリ
ット40に対応したトンネル状の通路が形成されている
ことになる。
【0024】以上のように構成された本実施例の直線案
内装置では、前述の供給ニップル28からエンドキャッ
プ22の貫通孔29に潤滑剤を送り込むと、かかる潤滑
剤は貫通孔29から各油送溝30を介してボール戻しパ
イプ4のスリット40、すなわち本発明の拡散溝へと流
れ込む。このスリット(拡散溝)40は塗布体41に覆
われていることから、スリット40に流れ込んだ潤滑剤
は塗布体41に吸収され、かかる塗布体41はある程度
の量の潤滑剤を含浸した状態で保持する。また、上記ス
リット(拡散溝)40はボール戻し孔24の全長にわた
って形成されていることから、潤滑剤は該スリット40
を通じてボール戻し孔24の奥まで流入することにな
り、ボール戻し孔24内の塗布体41は略均一に潤滑剤
を含浸することになる。
【0025】このため、摺動台2が軌道レール1上を移
動し、ボール3がエンドキャップ22の方向転換路25
及びスライドブロック21のボール戻し孔24を介して
無限循環すると、かかるボール3はボール戻し孔24の
内部を無負荷状態で転走する際に、上記塗布体41によ
って潤滑剤を塗布されることになり、潤滑剤が付着した
ボール3が軌道レール1のボール転走溝11a,11b
及びスライドブロック21の負荷転走溝23を転走する
ことによって、これらボール転走溝11a,11b及び
負荷転走溝23をも潤滑することが可能となる。
【0026】そして、軌道レールに対する摺動台の累積
走行距離が増加し、当初から塗布体に含浸されていた潤
滑剤が消尽してしまっても、エンドキャップに装着され
た供給ニップルから潤滑剤を注入することにより、塗布
体に対して潤滑剤を再含浸させてやることが可能とな
る。従って、一定期間毎に潤滑剤の注入を行いさえすれ
ば、ボールや転走溝に対する潤滑が途切れることはな
く、摺動台からテーブルを取り外したり、摺動台そのも
のを分解する等の面倒な作業を行うことなく、長期にわ
たって良好な状態で直線案内装置を使い続けることがで
きるものである。
【0027】図12は上記ボール戻しパイプの他の例を
示すものである。同図に示すボール戻しパイプ6では、
その一端の外周面上に位置決め突起60が形成されてお
り、この位置決め突起60がスライドブロック21のボ
ール戻し孔24の一方の開口縁部に形成された位置決め
溝に嵌まり込むように構成されている。このため、スラ
イドブロック21のボール戻し孔24に挿入されたボー
ル戻しパイプ6は、エンドキャップ22をスライドブロ
ック21に対して固定せずとも、その周方向及び長手方
向の双方に関して位置決めされるので、図5に示したボ
ール戻しパイプ4を用いる場合と比較して、スライドブ
ロック21に対するエンドキャップ22の装着を容易に
行うことができるものである。尚、その他の構成は図5
に示したボール戻しパイプ4と同じなので、図12中に
同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の直線
案内装置によれば、エンドキャップに形成された供給通
路に対して外部から潤滑剤を供給してやると、かかる潤
滑剤がスライドブロックのボール戻し孔に形成された拡
散溝に流入し、潤滑剤は拡散溝に沿ってボール戻し孔の
長手方向に拡がる。この拡散溝は潤滑剤の塗布体によっ
て覆われていることから、拡散溝内の潤滑剤は塗布体に
吸収され、ボール戻し孔の内部を転走するボールが塗布
体に摺接すると、かかる塗布体からボールに対して潤滑
剤が供給される。これにより、無限循環するボール列、
ひいてはボールが転走するスライドブロックの負荷転走
溝及び軌道レールのボール転走溝を確実に循環すること
ができる。このとき、上記拡散溝はボール戻し孔の長手
方向に沿って形成されていることから、供給通路から拡
散溝に流れ込んだ潤滑剤はボール戻し孔の端部から長手
方向の中央にまで拡がり、ボール戻し孔の長手方向の全
長にわたってボールの潤滑が行われることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の直線案内装置の実施例を示す一部切
り欠き斜視図である。
【図2】 実施例に係る摺動台をスライドブロックとエ
ンドキャップに分解した斜視図である。
【図3】 実施例に係るスライドブロックを示す正面図
である。
【図4】 実施例に係るエンドキャップを示す背面図で
ある。
【図5】 実施例に係るボール戻しパイプを示す斜視図
である。
【図6】 実施例に係るボール戻しパイプを示す正面図
である。
【図7】 実施例に係るボール戻しパイプを構成するパ
イプ半体を示す正面図である。
【図8】 実施例に係るボール戻しパイプを拡開した状
態を示す正面図である。
【図9】 実施例に係るボール戻しパイプをスライドブ
ロックのボール戻し孔に挿入した状態を示す斜視図であ
る。
【図10】 スライドブロックを取り除いて実施例に係
るボール戻しパイプとエンドキャップとの結合状態を示
した斜視図である。
【図11】 実施例に係るボール戻しパイプのスリット
とエンドキャップの油送溝との接続状態を示す拡大断面
図である。
【図12】 ボール戻しパイプの他の例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1…軌道レール、2…摺動台、3…ボール、4…ボール
戻しパイプ、11a,11b…ボール転走溝、21…ス
ライドブロック、22…エンドキャップ、23…負荷転
走溝、24…ボール戻し孔、25…方向転換路、29…
貫通孔(供給通路)、30…油送溝(供給通路)、40
…スリット(嵌合溝)、41…塗布体、

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に沿ってボール転走溝が形成さ
    れた軌道レールと、上記ボール転走溝との間でボールが
    荷重を負荷しながら転走する負荷転走溝が形成されると
    共にこの負荷転走溝に平行にボールが無負荷状態で転走
    するボール戻し孔が形成されたスライドブロックと、上
    記負荷転走溝を転走し終えたボールを上記ボール戻し孔
    に送り込むU字型の方向転換路を備えると共にかかるス
    ライドブロックの前後両端面に固定されてボールの無限
    循環路を形成するエンドキャップと、から構成された直
    線案内装置において、 上記ボール戻し孔の内周面にはその長手方向に沿って潤
    滑剤の拡散溝を形成すると共にこの拡散溝を覆うように
    して潤滑剤の塗布体を設ける一方、上記エンドキャップ
    には上記拡散溝に潤滑剤を供給するための供給通路を形
    成したことを特徴とする直線案内装置。
  2. 【請求項2】 上記嵌合溝として機能するスリットが長
    手方向に沿って形成されると共に上記ボールが無負荷状
    態で通過するボール戻しパイプを上記ボール戻し孔に嵌
    合させると共に、このパイプの内周面には上記スリット
    に重なるようにして潤滑剤の塗布体を固定したことを特
    徴とする請求項1記載の直線案内装置。
  3. 【請求項3】 上記ボール戻し孔に嵌合させたボール戻
    しバイプの両端がスライドブロックの両端面から僅かに
    突出し、かかる突出部位がエンドキャップの方向転換路
    の一端開口の周囲に嵌合することにより、ボール戻しパ
    イプのスリットとエンドキャップの供給通路とが連結さ
    れることを特徴とする請求項2記載の直線案内装置。
  4. 【請求項4】 上記ボール戻しパイプはスリット及びこ
    のスリットと対向する位置で一対のパイプ半体に分割さ
    れており、これらパイプ半体は上記スリットを覆うよう
    にして各パイプ半体に固定された塗布体によって結合さ
    れていることを特徴とする請求項2記載の直線案内装
    置。
  5. 【請求項5】 上記ボール戻しパイプの一方の端部には
    位置決め突起が形成される一方、上記スライドブロック
    のボール戻し孔の一方の開口縁部には上記位置決め突起
    が嵌合する位置決め溝が形成されていることを特徴とす
    る請求項2記載の直線案内装置。
  6. 【請求項6】 上記供給通路がエンドキャップのスライ
    ドブロック側の端面に形成された油送溝であり、かかる
    油送溝の一端がエンドキャップを貫通する供給孔に、他
    端がボール戻し孔の拡散溝に開放されていることを特徴
    とする請求項1又は2記載の直線案内装置。
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