JP2001248032A - 織機における綜絖枠の高さ設定装置と、それを使用する綜絖枠の高さ設定方法 - Google Patents

織機における綜絖枠の高さ設定装置と、それを使用する綜絖枠の高さ設定方法

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JP2001248032A
JP2001248032A JP2000052603A JP2000052603A JP2001248032A JP 2001248032 A JP2001248032 A JP 2001248032A JP 2000052603 A JP2000052603 A JP 2000052603A JP 2000052603 A JP2000052603 A JP 2000052603A JP 2001248032 A JP2001248032 A JP 2001248032A
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Yuichi Sasaki
裕一 佐々木
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Tsudakoma Corp
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Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 綜絖枠を高さ設定する際の作業内容を簡便に
する。 【解決手段】 昇降機構10と、昇降機構10により上
下に駆動する係合部材21、21とを組み合わせる。昇
降機構10は、係合部材21、21を介して綜絖枠を保
持し、目標高さにまで駆動して高さ設定することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、綜絖枠の高さを
変更し、ワープラインに対する経糸開口の上下の開口比
を変更する際に好適に使用することができる織機におけ
る綜絖枠の高さ設定装置と、それを使用する綜絖枠の高
さ設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】織物の風合いを向上させるために、織機
の綜絖枠の高さを変え、ワープライン(送出し側、巻取
り側の各拘束点を結ぶ経糸、織布の走行経路をいう、以
下同じ)に対する経糸開口の上下の開口比を変更するこ
とがある。
【0003】綜絖枠の高さを変えるときは、織機を所定
のクランク角度に停止させ、作業者により綜絖枠を水平
に支持するとともに、綜絖枠を上下に駆動する左右の駆
動ロッドを長さ調節自在に解放し、スケールを見ながら
綜絖枠の高さを目標高さに変更した上、左右の駆動ロッ
ドをロックすることにより綜絖枠を目標高さに高さ設定
する。このとき、綜絖枠は、経糸開口用の昇降ストロー
クの位置が上下に移動し、ワープラインの上下における
開口比を変更することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、綜絖枠は、高さ設定するに際し、作業者が水平
に支持して左右の駆動ロッドを解放し、ロックしなけれ
ばならないため、複数の作業者による共同作業が必要で
あり、作業効率が極めて悪いという問題があった。
【0005】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、昇降機構と係合部材とを設けることに
よって、綜絖枠を高さ設定する際の作業内容を簡便にし
て作業効率を向上させることができる織機における綜絖
枠の高さ設定装置と、それを使用する綜絖枠の高さ設定
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの出願に係る第1発明の構成は、昇降機構と、昇
降機構により上下に駆動する係合部材とを備えてなり、
昇降機構は、係合部材の係合面を綜絖枠に係合させて綜
絖枠を高さ設定することをその要旨とする。
【0007】なお、係合部材は、係合面の高さを微調節
可能とすることができ、綜絖枠の左右に対応する一対を
設けることができる。
【0008】また、係合部材は、係合面を複数の綜絖枠
に対応可能に形成してもよい。
【0009】さらに、係合部材は、係合面を複数の綜絖
枠の配列方向に斜めに形成してもよく、綜絖枠の配列方
向の傾き角度を調節可能としてもよい。
【0010】また、昇降機構は、係合部材を設定高さに
ロック可能であってもよく、係合部材は、綜絖枠の配列
方向に移動可能であってもよい。
【0011】第2発明の構成は、第1発明に係る高さ設
定装置により綜絖枠を保持し、綜絖枠の駆動ロッドを長
さ調節自在に解放し、高さ設定装置の昇降機構、係合部
材を介して綜絖枠を目標高さに設定し、駆動ロッドをロ
ックすることをその要旨とする。
【0012】なお、高さ設定装置により綜絖枠を保持す
るに先き立って、綜絖枠をレベリング状態にセットして
もよい。
【0013】第3発明の構成は、織機を回転させて綜絖
枠を目標高さに駆動し、第1発明に係る高さ設定装置に
より綜絖枠を保持し、保持中の綜絖枠の駆動ロッドを長
さ調節自在に解放し、目標クランク角まで織機を回転さ
せて駆動ロッドを保持中の綜絖枠の目標高さ相当に移動
させ、駆動ロッドをロックすることをその要旨とする。
【0014】
【作用】かかる第1発明の構成によるときは、昇降機構
は、係合部材の係合面を介して綜絖枠を水平に保持し、
係合部材を上下に駆動して綜絖枠を高さ設定することが
できる。すなわち、綜絖枠は、昇降機構を操作すること
により、1人の作業者によって所定の目標高さに簡単
に、しかも速やかに高さ設定することができる。なお、
係合部材は、綜絖枠の自重により綜絖枠に下向きの荷重
が作用している場合、綜絖枠の下方に配置し、上向きの
係合面を綜絖枠の下面に係合させて綜絖枠を下から支持
して保持し、ばねによって綜絖枠に上向きの付勢力が作
用している場合、綜絖枠の上方に配置し、下向きの係合
面を綜絖枠の上面に係合させて綜絖枠を上から押さえ込
むようにして保持するものとする。
【0015】係合部材は、係合面の高さを微調節可能と
することにより、綜絖枠を一層正確に目標高さに高さ設
定することができる。なお、係合面の高さを微調節する
手段は、係合部材の上面または下面に係合面を形成する
場合、たとえば係合部材を上下に揺動させればよく、係
合部材に立設するボルトの上面または下面に係合面を形
成する場合、ボルトを上下に移動させればよい。また、
後者の場合、係合部材の揺動、ボルトの移動の双方を併
用してもよい。
【0016】係合部材は、綜絖枠の左右に対応する一対
を設けることにより、綜絖枠を一層容易に水平に保持す
ることができる。ただし、左右の係合部材は、昇降機構
を介し、同時に同量だけ上下に駆動するものとする。
【0017】係合部材は、係合面を複数の綜絖枠に対応
可能に形成することにより、複数の綜絖枠をそれぞれの
目標高さに一挙に高さ設定することができる。なお、こ
のときの係合面は、所定のクランク角における各綜絖枠
の目標高さに対応させるものとし、綜絖枠の配列方向に
水平または水平以外の斜めに形成してもよく、綜絖枠の
配列方向に同一高さまたは異なる高さの段違いに形成し
てもよい。
【0018】係合部材に斜めの係合面を形成するとき
は、織機を回転させて経糸開口の下口ライン、中口ライ
ン、上口ライン、ワープライン等のいずれかにすべての
綜絖枠の糸メールを揃えてレベリング状態にセットし、
各綜絖枠の駆動ロッドを解放した上、昇降機構を介して
係合部材を上下動させることにより、係合部材の係合面
を介してすべての綜絖枠を所定の目標ライン上の目標高
さに一挙に高さ設定することができる。なお、このと
き、係合部材の係合面は、高さ設定後の各綜絖枠が位置
すべき目標ラインに平行に、綜絖枠の配列方向に斜めに
形成するものとする。
【0019】綜絖枠の配列方向の傾き角度が調節可能な
係合部材は、たとえば斜めの係合面を目標ラインの傾き
に簡単に合わせることができ、ワープラインに対して任
意の角度に傾く目標ライン上に複数の綜絖枠を一挙に揃
えることができる。
【0020】昇降機構は、係合部材を設定高さにロック
することにより、係合部材の係合面を介して綜絖枠を目
標高さに固定して保持することができ、したがって、保
持中の綜絖枠の駆動ロッドを簡単にロックすることがで
きる。
【0021】綜絖枠の配列方向に前後に移動可能な係合
部材は、任意の綜絖枠に個別に対応させ、綜絖枠を1枚
ずつ容易に高さ設定することができる。なお、係合部材
は、昇降機構とともに一体に前後動させてもよく、係合
部材のみを前後動させてもよい。前者によるとき、昇降
機構、係合部材は、一体にして織機から切り離し、複数
台の織機に共通に使用することができる。
【0022】第2発明の構成によるときは、第1発明に
係る高さ設定装置により綜絖枠を保持し、駆動ロッドを
長さ調節自在に解放し、高さ設定装置の昇降機構、係合
部材を介して綜絖枠を目標高さに駆動し、駆動ロッドを
ロックすることによって、織機を全く回転させることな
く綜絖枠を目標高さに高さ設定することができる。な
お、高さ設定装置は、綜絖枠を1枚ずつ保持して高さ設
定してもよく、1枚の綜絖枠を保持し、その後、各綜絖
枠の駆動ロッドを解放してすべての綜絖枠を保持させ、
すべての綜絖枠を一挙に高さ設定してもよい。
【0023】綜絖枠をレベリング状態にセットすれば、
すべての綜絖枠を一挙に高さ設定することができ、所要
工数を最少にすることができる。
【0024】第3発明の構成によるときは、織機を回転
させて綜絖枠を目標高さに駆動し、高さ設定装置により
綜絖枠を保持し、駆動ロッドを解放し、目標クランク角
まで織機を回転させて駆動ロッドを保持中の綜絖枠の目
標高さ相当に移動させ、駆動ロッドをロックすることに
より、綜絖枠を上下動させずに高さ設定することができ
る。なお、このときの高さ設定装置は、係合部材を前後
動させて綜絖枠を1枚ずつ保持して高さ設定するものと
する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の
形態を説明する。
【0026】織機における綜絖枠の高さ設定装置は、昇
降機構10と、昇降機構10により上下に駆動する左右
一対の係合部材21、21とを備えてなる(図1、図
2)。
【0027】昇降機構10は、左右のサイドフレーム1
1、11に架設する支持ロッド12に対し、駆動アーム
13を上下に揺動自在に組み合わせて形成されている。
サイドフレーム11、11は、それぞれ図示しない織機
のフレームの後方に向けて上部が突出し、上下の連結材
18、14を介して連結されている。なお、連結材1
4、18は、それぞれボルト14a、14a…、18
d、18d…を介し、サイドフレーム11、11に対し
てねじ止めされており、下部の連結材14は、織機の中
間部のベースフレームBの後面にねじ止めされている
(図2、図3)。また、上部の連結材18には、ロック
ナット付きのストッパボルト18a、18a、ストッパ
ピン18cが下向きに立設されている(図3、図4)。
【0028】サイドフレーム11、11の上面には、左
右のガイド部材17b、17bを介し、一対の昇降部材
17、17が上下動自在に搭載されている(図1、図
2)。各ガイド部材17bは、止めねじ17c、17c
を介し、サイドフレーム11の後方への突出部分に上向
きに固定されており、対応する昇降部材17の係合溝1
7aに摺動自在に係合している。昇降部材17、17
は、連結ロッド17dを介して連結されており、連結ロ
ッド17dには、リンク16、16が相対回転自在に付
設されている。なお、リンク16、16は、連結ロッド
17dに対し、図示しないボスを介して軸方向の移動が
規制されている。
【0029】係合部材21、21の上面には、それぞれ
織機の複数の綜絖枠F、F…に対応する斜めの係合面2
1aが形成されている。各係合部材21は、止めねじ2
1b、21b…を介し、昇降部材17、17上に架設す
る支持材22、22の両端に固定されている。また、各
係合部材21には、係合面21aを延長する補助ブロッ
ク21cが付属しており、各係合部材21は、補助ブロ
ック21cとともに、所定枚数の綜絖枠F、F…に対応
する一連の斜めの係合面21aを形成することができ
る。
【0030】板状の駆動アーム13には、弾性変形可能
なブッシュ13aを介して支持ロッド12が摺動自在に
貫通しており(図1、図3)、支持ロッド12は、図示
しないセットねじを介し、サイドフレーム11、11に
対して回り止めされている。また、支持ロッド12に
は、駆動アーム13を一方のサイドフレーム11に向け
て付勢する圧縮ばね12aが装着されており、圧縮ばね
12aは、支持ロッド12上のボス12bを介して外れ
止めされている。駆動アーム13には、延長片13bが
付設され、延長片13bに対し、操作レバー15を着脱
自在に連結することができる。なお、操作レバー15に
は、延長片13bに適合するソケット15aが形成され
ている。
【0031】駆動アーム13の先端には、同軸に組み合
わせる連結ピン16a、カラー16bを介し、リンク1
6、16が相対回転自在に連結されている。連結ピン1
6a、カラー16bは、弾性変形可能なブッシュ13c
を介して駆動アーム13を摺動自在に貫通しており、連
結ピン16aは、ナット16cを介して抜け止めされて
いる。また、リンク16、16間には、駆動アーム13
をカラー16bの中間に位置決めする圧縮ばね16d、
16dが介装されている。
【0032】そこで、昇降機構10は、操作レバー15
を駆動アーム13に連結して上下に揺動操作することに
より(図2の実線、二点鎖線)、駆動アーム13を支持
ロッド12のまわりに上下に揺動させ、リンク16、1
6を介して昇降部材17、17、係合部材21、21を
上下に同量だけ駆動することができる(図2の矢印K1
方向)。なお、昇降部材17、17は、サイドフレーム
11、11の上端面により下降限が規定されている。
【0033】駆動アーム13は、圧縮ばね12aを介
し、ブッシュ13aを弾性変形させながら一方のサイド
フレーム11側に傾け、各ストッパボルト18aの下方
に個別に位置させることができる(図3の二点鎖線、図
4の一点鎖線、二点鎖線)。このとき、ストッパピン1
8cは、駆動アーム13の横方向の傾き限界を規定し、
ストッパボルト18a、18aは、それぞれ駆動アーム
13の上下の揺動角度を規定して係合部材21、21の
設定高さを規定する。なお、ストッパボルト18a、1
8aは、それぞれ連結材18からの下向きの突出量が個
別に設定されている。また、駆動アーム13は、圧縮ば
ね12aに抗して他方のサイドフレーム11側に傾ける
ことにより(図3、図4の各実線)、ストッパボルト1
8a、18aからフリーとなる。
【0034】かかる高さ設定装置は、たとえば次のよう
にして、綜絖枠F、F…の高さ設定に使用する(図5、
図6)。なお、図6には、4枚の綜絖枠F、F…による
織前Fa 以降の経糸開口の下口ラインUL、上口ライン
OLがワープラインWLに対して対称であり、ワープラ
インWLに対する上下の開口比が等しい場合、綜絖枠
F、F…を上方に移動させてワープラインWLの上方の
開口比を大きくするときの一連の手順が図示されてい
る。
【0035】各綜絖枠Fは、駆動ロッドR、Rを介し、
織機の主軸に同期して回転する図示しない専用の駆動モ
ータに連結され、上下に往復駆動される(図5)。ま
た、駆動ロッドR、Rには、それぞれ長さ調節用のコネ
クタCが組み込まれており、コネクタCは、ボルトC1
、C1 を締め付けて駆動ロッドRを所定長さにロック
し、ボルトC1 、C1 を緩めて駆動ロッドRを長さ調節
自在に解放することができる。ただし、現状の各綜絖枠
Fは、ワープラインWLに対する織前Wa 以後の上下の
開口比が等しくなるように駆動ロッドR、Rの長さが設
定されている(図6(A)の実線)。なお、図6(A)
において、綜絖枠F、F…は、織機を所定のクランク角
に停止させた状態が図示されており、このとき、織前W
a から最も離れた綜絖枠Fが最下降位置にあり、その綜
絖枠Fの糸メールF1 が下口ラインUL上にあるものと
する。
【0036】一方、昇降機構10は、係合部材21、2
1を綜絖枠F、F…の昇降ストロークの下方に退避させ
(図6(A)の実線)、ストッパボルト18a、18a
は、それぞれ連結材18からの下向きの突出量が適切に
設定されている。すなわち、駆動アーム13側のストッ
パボルト18aの突出量は、駆動アーム13を介し、係
合部材21、21の係合面21a、21aを織前Wa か
ら最も遠い位置の綜絖枠Fに係合させ得る高さに位置決
めするように設定されており(図4の一点鎖線)、サイ
ドフレーム11側のストッパボルト18aの突出量は、
駆動アーム13、係合部材21、21の係合面21a、
21aを介して綜絖枠F、F…を所定の目標高さに位置
決めし得るように設定されている(同図の二点鎖線)。
【0037】織機を所定のクランク角に停止させ(図6
(A)の実線)、レベリング動作に移行させると、各綜
絖枠Fの糸メールF1 、F1 …を下口ラインUL上に揃
えるように綜絖枠F、F…がレベリング状態にセットさ
れる(同図(A)の一点鎖線)。ただし、綜絖枠F、F
…をレベリング状態にセットするとき、各綜絖枠Fの移
動量が記憶されるものとする。
【0038】つづいて、昇降機構10の操作レバー15
を下向きに操作して係合部材21、21を上昇させ、織
前Wa から最も遠い位置の綜絖枠Fに対して係合部材2
1、21の係合面21a、21aを下から係合させて綜
絖枠Fを保持し(図5、図6(A)の二点鎖線)、各綜
絖枠FのコネクタC、CのボルトC1 、C1 …を緩めて
駆動ロッドR、R…を長さ調節自在に解放する。なお、
このとき、操作レバー15を介して駆動アーム13を横
向きに傾け(図4の一点鎖線)、駆動アーム13側のス
トッパボルト18aを介して係合部材21、21を設定
高さにロックしておく。そこで、織前Wa から最も遠い
綜絖枠Fを含むすべての綜絖枠F、F…は、係合部材2
1、21の係合面21a、21a上に着地し(図6
(B)の実線)、昇降機構10は、係合部材21、21
を介してすべての綜絖枠F、F…を下から支持するよう
にして保持することができる。
【0039】つづいて、昇降機構10の操作レバー15
をさらに下向きに操作して綜絖枠F、F…を目標高さに
まで駆動し(同図(B)の二点鎖線)、駆動アーム13
をサイドフレーム11側のストッパボルト18aに係合
させ(図4の二点鎖線)、係合部材21、21を設定高
さにロックして綜絖枠F、F…を目標高さに保持させ
る。ただし、このときの綜絖枠F、F…の目標高さと
は、糸メールF1 、F1 …が目標の下口ラインULa 上
に一致する高さであり、係合部材21、21の係合面2
1a、21aは、目標の下口ラインULa と平行に形成
されているものとする。
【0040】その後、コネクタC、C…のボルトC1 、
C1 …を締め付けて駆動ロッドR、R…をロックし、係
合部材21、21を綜絖枠F、F…の下方に退避させ
(図6(C))、綜絖枠F、F…のレベリング状態を解
除して先きに記憶された移動量だけ綜絖枠F、F…を逆
方向に戻して(同図)、綜絖枠F、F…の高さ設定を完
了する。高さ設定後の綜絖枠F、F…は、昇降ストロー
クの位置が上方にシフトするため、下口ラインULa が
ワープラインWLに接近し、上口ラインOLa がワープ
ラインWLから上方に離れて中口ラインCLa がワープ
ラインWLの上方に斜めに傾く結果、経糸開口の開口比
をワープラインWLの上側に大きく設定することができ
る。
【0041】なお、高さ設定装置は、全く同様にして、
綜絖枠F、F…を下方に移動させ、経糸開口の開口比を
ワープラインWLの下側に大きく設定することができ
る。
【0042】以上の説明において、綜絖枠F、F…を高
さ設定する際の目標ラインは、下口ラインULa に代え
て、上口ラインOLa 、中口ラインCLa のいずれであ
ってもよい。また、下口ラインULa 、上口ラインOL
a 、中口ラインCLa 等の目標ラインは、ワープライン
WLに一致させてもよい。ただし、このときの綜絖枠
F、F…は、下口ラインULa 、上口ラインOLa 、中
口ラインCLa のいずれを目標ラインとするかにより、
それぞれ下口ラインUL、上口ラインOL、中口ライン
CLのいずれかにレベリング動作させるものとし、各係
合部材21の係合面21aは、目標ラインと平行に形成
するものとする。
【0043】また、係合部材21、21は、支持材2
2、22の先端面にねじ止めするに代えて、支持材2
2、22に対して左右に摺動自在に搭載し、綜絖枠F、
F…を保持する際の位置を左右に移動調節可能としても
よい。
【0044】
【他の実施の形態】昇降機構10は、駆動アーム13に
係合ピン13eを突設し(図7)、係合ピン13eに対
応する上下の係合孔11e、11eを一方のサイドフレ
ーム11に形成することができる。ただし、図7(A)
は、正面説明図であり、同図(B)は、同図(A)のA
−A線矢視相当断面説明図である。
【0045】昇降機構10は、係合ピン13eを上下の
係合孔11e、11eに挿入して係合させることによ
り、駆動アーム13を介して係合部材21、21を下降
限にロックし(同図(A)、(B)の各実線)、係合部
材21、21を所定の設定高さにロックすることができ
る(同図(A)、(B)の各二点鎖線)。なお、図7に
おいて、駆動アーム13の先端は、昇降部材17、17
間に架設する連結ロッド17dに相対回転自在に連結さ
れており、係合部材21、21は、昇降部材17、17
上の単一の支持材22に搭載されている。
【0046】各係合部材21は、綜絖枠F、F…の配列
方向の傾き角度を調節可能としてもよい(図8)。係合
部材21は、止めねじ23a、23aを介して昇降部材
17、17上の支持材22の先端に上下に揺動可能に装
着されている。なお、係合部材21には、止めねじ23
a、23aに対応する円弧状の長孔21d1 、取付孔2
1d2 が形成されている。そこで、係合部材21は、長
孔21d1 を介して上下に揺動させ、支持材22に対す
る固定角度を調節することにより、係合面21aの傾き
角度を任意に変更することができ、ワープラインWLに
対して傾きが異なる任意の目標ラインに係合面21aを
平行にセットすることができる。なお、係合部材21
は、係合面21aの傾き角度を調節することにより、係
合面21aの前後の各部分の高さを微調節し、綜絖枠
F、F…の配列方向に係合面21aを斜めにし、または
水平にすることも可能である。また、このとき、たとえ
ば長孔21d1 に沿って適当な目盛を刻設することによ
り、係合面21aの傾き角度の調節が一層容易である。
【0047】各係合部材21は、複数の綜絖枠F、F…
に個別に対応する係合面21a、21a…を段違いに形
成することができる(図9)。ただし、同図(A)、
(B)は、それぞれ高さ設定前、高さ設定後の綜絖枠
F、F…を図示している。各係合部材21の係合面21
a、21a…は、目標高さの各綜絖枠Fに対応するよう
に形成されている。
【0048】そこで、各係合部材21は、織前Wa から
最も遠い綜絖枠Fを保持させた上(同図(A))、駆動
ロッドR、R…を解放してすべての綜絖枠F、F…を保
持させ、昇降機構10を介してすべての綜絖枠F、F…
を目標高さに駆動して一挙に高さ設定することができる
(同図(B))。すなわち、係合部材21は、レベリン
グ機能がない織機、たとえば主軸に連動するカムによっ
て綜絖枠F、F…を駆動する普通の織機にも好適に使用
することができる。なお、図9の係合部材21も、綜絖
枠F、F…の配列方向の傾き角度を調節可能にすること
が好ましい。また、係合面21a、21a…は、全部ま
たは一部を異なる高さにする他、全部を同一高さに形成
してもよい。
【0049】係合部材21は、係合面21a、21a…
の高さを個別に変更可能としてもよい(図10)。係合
面21a、21a…は、それぞれ係合部材21を下から
上に貫通するボルト21eの上端面に形成され、各ボル
ト21eは、ロックナット21e1 を介して緩み止めさ
れている。そこで、係合部材21は、各ボルト21eの
上向きの突出量を変更し、段違いの係合面21a、21
a…の高さを個別に設定するとともに、任意に微調節す
ることができる。なお、各ボルト21eの上端には、係
合面21aを拡大するために、適当な受板21a1 を付
設することができる(同図の二点鎖線)。
【0050】各係合部材21は、上下に揺動させて係合
面21aの高さを微調節可能としてもよい(図11)。
ただし、係合部材21は、綜絖枠Fに向けて屈曲する板
材として形成され、上面に係合面21aが形成されてい
る。また、係合部材21は、基部の止めねじ23aを介
し、昇降部材17に対して上下に揺動自在に装着されて
いる。また、昇降部材17には、係合部材21の下方に
ストッパブロック17eが固定され、ストッパブロック
17eには、ストッパボルト17fが下から上に貫通し
ている。そこで、係合部材21は、ストッパボルト17
fを介して下方の揺動限が規定され、ストッパボルト1
7fにより係合面21aの高さを微調節することができ
る。
【0051】昇降機構10、係合部材21、21は、綜
絖枠F、F…の配列方向に前後に移動可能な台車31に
搭載してもよい(図12)。昇降機構10は、車輪31
a、31a…付きの台車31上に立設する支柱19a
と、支柱19aに上下動自在に組み合わせる昇降ベース
19bと、昇降ベース19bとともに昇降する昇降部材
17とを備えて構成されており、昇降ベース19bに
は、支柱19aの側面のラック19cに噛合するピニオ
ン19dが付設されている。なお、ピニオン19dは、
昇降ベース19bに搭載する図示しないブレーキ付きモ
ータに連結されており、昇降ベース19bには、昇降部
材17を介し、前方に突出する係合部材21、21が搭
載されている。
【0052】昇降機構10は、台車31を介して係合部
材21、21の先端を綜絖枠Fの下方に進入させ、ラッ
ク19c、ピニオン19dを介して昇降ベース19bを
上昇させることにより、各係合部材21の上面の係合面
21aを介して綜絖枠Fを保持し、各駆動ロッドRを解
放して綜絖枠Fを目標高さにまで駆動することができ
る。なお、昇降機構10、係合部材21、21は、前後
に移動して1枚の綜絖枠Fごとに高さ設定し、すべての
綜絖枠F、F…の高さ設定が完了すると、台車31を介
して織機の外部に退出させ、他の織機に共通に使用する
ことができる。ただし、台車31は、図示しないガイド
レール上をスライドさせて移動させてもよい。また、図
12において、台車31を設けることなく、支柱19a
を織機のフレームに組み付け、係合部材21、21のみ
を前後に移動可能としてもよい。
【0053】昇降機構10、係合部材21、21は、ば
ねS、S…を介して綜絖枠Fに上向きの付勢力が作用す
るとき、綜絖枠Fの上方に配置してもよい(図13)。
なお、各ばねSは、綜絖枠Fの上方に上下に揺動可能に
配設するトップレバーS1 とワイヤロープS2 とを介し
て綜絖枠Fに連結されている。また、駆動ロッドR、R
は、それぞれ図示しないワイヤロープを介して織機のカ
ムに連結されている。そこで、綜絖枠Fは、駆動ロッド
R、Rを介し、ばねS、Sに抗して下向きに駆動し、ば
ねS、Sを介して上向きに駆動することができる。ま
た、昇降機構10は、駆動ロッドR、Rを解放し、係合
部材21、21の下向きの係合面21a、21aを介し
て綜絖枠Fを上から押え込むようにして保持し、綜絖枠
Fを目標高さに移動させることができる。
【0054】昇降機構10、係合部材21、21は、織
機を回転させて綜絖枠Fを高さ設定するときにも使用す
ることができる(図14、図15)。ただし、図15の
二点鎖線は、特定の綜絖枠Fの高さ設定前における糸メ
ールF1 の開口曲線を示し、同図の実線は、高さ設定後
の糸メールF1 の開口曲線を示している。また、図14
の昇降機構10、係合部材21、21、台車31は、た
とえば図12の昇降機構10、係合部材21、21、台
車31と同一構造であり、昇降機構10、係合部材2
1、21は、台車31を介して前後に移動して所定の綜
絖枠Fを保持するものとする。
【0055】いま、織機を制動運転させて停止位置(図
15のクランク角θ=θ1 =180°、以下、単に(θ
=θ1 =180°)のように記す)に停止させると、綜
絖枠Fの糸メールF1 は、ほぼ下口ラインUL上に位置
している(図14(A))。また、このとき、係合部材
21、21は、台車31、昇降機構10によって綜絖枠
Fの後下方に待避している。
【0056】つづいて、織機を変更位置(θ=θ2 >θ
1 )まで正転させて綜絖枠Fの糸メールF1 を目標高
さ、すなわち目標の下口ラインULa 上にまで駆動し
(図14(B))、台車31を介して係合部材21を綜
絖枠Fの下に前進させ、昇降機構10を駆動することに
より係合部材21、21を介して目標高さの綜絖枠Fを
保持し、保持中の綜絖枠Fの各駆動ロッドRを長さ調節
自在に解放する。
【0057】つづいて、織機を設定位置(θ=θ3 <θ
1 )、すなわち目標クランク角θ3まで逆転させる。こ
のとき、各駆動ロッドRは、保持中の綜絖枠Fの目標高
さ相当に伸長するように移動する。そこで、コネクタC
のボルトC1 、C1 を締め付けて各駆動ロッドRをロッ
クすると、綜絖枠Fを目標高さに高さ設定し、糸メール
F1 を目標の下口ラインULa 上に設定して(図14
(C))、綜絖枠Fを実質的に変更量Δhだけ高さ変更
することができる。その後、織機を停止位置まで正転さ
せ(θ=θ1 )、以後、他の綜絖枠Fについても同様に
して高さ設定すればよい。
【0058】なお、図15において、変更位置(θ=θ
2 <θ1 )に設定してもよい。また、変更位置(θ=θ
2 )において係合部材21、21により綜絖枠Fを保持
することができないとき、綜絖枠Fを保持し得るクラン
ク角θまで織機を回転させ、そのクランク角θを変更位
置として、その後の一連の綜絖枠Fの高さ設定動作を実
行してもよい。
【0059】以上の説明において、昇降機構10は、係
合部材21、21を上下に駆動可能であればよく、図1
ないし図14に拘らず、たとえばパンタグラフ形式等の
任意の形式に変更することができる。また、係合部材2
1は、綜絖枠Fを水平に保持することができる限り、左
右一対を設けるに代えて、1個のみを設けてもよい。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、この出願に係る第
1発明によれば、昇降機構と、昇降機構により上下に駆
動する係合部材とを設けることによって、昇降機構は、
1人の作業者により係合部材を介して綜絖枠を水平に保
持し、係合部材を上下に駆動して綜絖枠を高さ設定する
ことができるから、作業内容を簡便にして作業効率を向
上させることができるという優れた効果がある。
【0061】第2発明によれば、第1発明に係る高さ設
定装置により綜絖枠を保持し、駆動ロッドを長さ調節自
在に解放して綜絖枠を目標高さに設定し、駆動ロッドを
ロックすることによって、織機を全く回転させることな
く綜絖枠を目標高さに設定することができ、綜絖枠の高
さ設定作業が容易である。
【0062】第3発明によれば、織機を回転させて綜絖
枠を目標高さに駆動し、第1発明に係る高さ設定装置に
より目標高さの綜絖枠を保持し、駆動ロッドを解放し、
目標クランク角まで織機を回転させて保持中の綜絖枠の
目標高さ相当に駆動ロッドを移動させてロックすること
によって、綜絖枠を上下動させずに高さ設定することが
でき、高さ設定の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体構成分解斜視図
【図2】 図1のX−X線矢視相当拡大断面説明図
【図3】 図2のY−Y線矢視相当断面図
【図4】 図3のZ−Z線矢視相当断面図
【図5】 使用状態説明図
【図6】 動作説明図
【図7】 他の実施の形態を示す模式説明図
【図8】 他の実施の形態を示す要部分解斜視図
【図9】 他の実施の形態を示す動作説明図(1)
【図10】 他の実施の形態を示す要部拡大斜視図
【図11】 他の実施の形態を示す要部分解斜視説明図
【図12】 他の実施の形態を示す側面説明図
【図13】 他の実施の形態を示す正面説明図
【図14】 他の実施の形態を示す動作説明図(2)
【図15】 図14の動作説明図
【符号の説明】
F…綜絖枠 R…駆動ロッド θ3 …目標クランク角 10…昇降機構 21…係合部材 21a…係合面

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇降機構と、該昇降機構により上下に駆
    動する係合部材とを備えてなり、前記昇降機構は、前記
    係合部材の係合面を綜絖枠に係合させて綜絖枠を高さ設
    定することを特徴とする織機における綜絖枠の高さ設定
    装置。
  2. 【請求項2】 前記係合部材は、前記係合面の高さが微
    調節可能であることを特徴とする請求項1記載の織機に
    おける綜絖枠の高さ設定装置。
  3. 【請求項3】 前記係合部材は、綜絖枠の左右に対応す
    る一対を設けることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の織機における綜絖枠の高さ設定装置。
  4. 【請求項4】 前記係合部材は、前記係合面を複数の綜
    絖枠に対応可能に形成することを特徴とする請求項1な
    いし請求項3のいずれか記載の織機における綜絖枠の高
    さ設定装置。
  5. 【請求項5】 前記係合部材は、前記係合面を複数の綜
    絖枠の配列方向に斜めに形成することを特徴とする請求
    項4記載の織機における綜絖枠の高さ設定装置。
  6. 【請求項6】 前記係合部材は、綜絖枠の配列方向の傾
    き角度が調節可能であることを特徴とする請求項4また
    は請求項5記載の織機における綜絖枠の高さ設定装置。
  7. 【請求項7】 前記昇降機構は、前記係合部材を設定高
    さにロック可能であることを特徴とする請求項1ないし
    請求項6のいずれか記載の織機における綜絖枠の高さ設
    定装置。
  8. 【請求項8】 前記係合部材は、綜絖枠の配列方向に移
    動可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項7
    のいずれか記載の織機における綜絖枠の高さ設定装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれか記載
    の高さ設定装置により綜絖枠を保持し、綜絖枠の駆動ロ
    ッドを長さ調節自在に解放し、高さ設定装置の昇降機
    構、係合部材を介して綜絖枠を目標高さに設定し、駆動
    ロッドをロックすることを特徴とする織機における綜絖
    枠の高さ設定方法。
  10. 【請求項10】 高さ設定装置により綜絖枠を保持する
    に先き立って、綜絖枠をレベリング状態にセットするこ
    とを特徴とする請求項9記載の織機における綜絖枠の高
    さ設定方法。
  11. 【請求項11】 織機を回転させて綜絖枠を目標高さに
    駆動し、請求項8記載の高さ設定装置により綜絖枠を保
    持し、保持中の綜絖枠の駆動ロッドを長さ調節自在に解
    放し、目標クランク角まで織機を回転させて駆動ロッド
    を保持中の綜絖枠の目標高さ相当に移動させ、駆動ロッ
    ドをロックすることを特徴とする織機における綜絖枠の
    高さ設定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009293154A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Tsudakoma Corp 綜絖枠高さ調節装置
JP2013108209A (ja) * 2013-02-06 2013-06-06 Tsudakoma Corp 綜絖枠高さ調節装置
JP2017014634A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 津田駒工業株式会社 織機用の綜絖枠高さ位置調節装置

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