JP2001247849A - サイディングボード用シーリング材組成物 - Google Patents

サイディングボード用シーリング材組成物

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JP2001247849A
JP2001247849A JP2000060905A JP2000060905A JP2001247849A JP 2001247849 A JP2001247849 A JP 2001247849A JP 2000060905 A JP2000060905 A JP 2000060905A JP 2000060905 A JP2000060905 A JP 2000060905A JP 2001247849 A JP2001247849 A JP 2001247849A
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group
sealing material
compound
siding board
material composition
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Application number
JP2000060905A
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English (en)
Inventor
Yasushi Ito
裕史 伊藤
Tomoka Kanamori
友香 金盛
Kazuo Hagiwara
一男 萩原
Junji Takase
純治 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の応力緩和性を保持しつつ、低温硬化性
に優れる特徴を持つサイディングボード用シーリング材
組成物を提供すること。 【解決手段】 (I)分子中に少なくとも1個の反応性
ケイ素基を含有する有機重合体100重量部、(II)
2価の有機錫化合物0.001〜10重量部、(II
I)4価の有機錫化合物0.1〜10重量部、及び(I
V)酸性物質及び/又は塩基性化合物0〜10重量部を
含有するサイディングボード用シーリング材組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイディングボー
ド用シーリング材組成物に関する。更に詳しくは、特に
低温硬化性が改善されたサイディングボード用シーリン
グ材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】サイディングボードは、建物の外壁等に
用いられる種々の材料でできている板である。サイディ
ングボードが取り付けられると、サイディングボードと
建物の他の部材との間やサイディングボードと他のサイ
ディングボードとの間に必ず隙間(目地)が生じる。こ
の目地にはシーリング材が充填され、防水及び外気との
遮断がなされる。
【0003】通常の建築目地は温度変化、建物の動き等
によりその幅が変動する。従って、シーリング材は幅の
変動に追随できるようにゴムとしての性質すなわち復元
性に優れたものである必要がある。すなわち、一度目地
が広がったり、狭くなったりした後、元の幅に戻った
際、シーリング材も元の状態に復元する必要があり、シ
ーリング材が復元せず広がったまま、あるいは収縮した
ままの状態では外観が損なわれたり、シーリング材が接
着面から剥離するという問題が生じる。特に剥離はシー
リング材にとって致命的である。
【0004】サイディングボードの目地は特異的な動
き、すなわち一定目地幅を中心としての伸長ではなく、
サイディングボードの乾燥に伴う収縮により一定方向
(広がる方向)へ動く。このような一定方向への動きに
対する追随は、復元性の良いシーリング材より、復元性
が悪く変形が固定され界面に応力のかからないシーリン
グ材の使用が適切であり、市販シーリング材のほとんど
がこのような応力緩和タイプの材料設計となっている。
【0005】このような応力緩和タイプのシーリング材
組成物には4価の有機錫化合物(特公平1−58219
号、特公平5−40782号)が多く用いられている
が、年間を通しての温度範囲での硬化性は十分でない。
特に低温での硬化性は十分でなく、サイディングボード
施工上解決しなければならない課題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、適度
な応力緩和性と低温硬化性とをあわせもつサイディング
ボード用シーリング材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、鋭
意検討を行ったところ、(I)分子中に少なくとも1個
の反応性ケイ素基を含有する有機重合体100重量部、
(II)2価の有機錫化合物0.01〜10重量部、
(III)4価の有機錫化合物0.01〜10重量部、
及び(IV)酸性物質及び/又は塩基性化合物10重量
部以下を含有するサイディングボード用シーリング材組
成物を用いることにより、上記課題を解決できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(I)分子中に少なくと
も1個の反応性ケイ素基を含有する有機重合体100重
量部、(II)2価の有機錫化合物0.01〜10重量
部、(III)4価の有機錫化合物0.01〜10重量
部、及び(IV)酸性物質及び/又は塩基性化合物10
重量部以下を含有するサイディングボード用シーリング
材組成物に関する。
【0009】好ましい実施態様としては、(I)成分の
反応性ケイ素基が一般式(1): −(Si(R1 2-b)(Xb)O)mSi(R2 3-a)Xa (1) (式中R1およびR2は同一または異なった炭素数1から
20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭
素数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO
−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1また
はR2が二個以上存在するとき、それらは同一であって
もよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1か
ら20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一であ
ってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加
水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それらは
同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、
1、2または3を、bは0、1、または2をそれぞれ示
す。またm個の−Si(R1 2-b)(Xb)−O−基にお
けるbについて、それらは同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。mは0から19の整数を示す。但し、a
+Σb≧1を満足するものとする)で表わさる化合物で
ある前記記載のサイディングボード用シーリング材組成
物に関する。
【0010】更に好ましい実施態様としては、4価の有
機錫化合物がジアルキル錫誘導体である前記いずれか記
載のサイディングボード用シーリング材組成物に関す
る。
【0011】更に好ましい実施態様としては、2価の有
機錫化合物が有機カルボン酸錫である前記いずれか記載
のサイディングボード用シーリング材組成物に関する。
【0012】更に好ましい実施態様としては、酸性化合
物及び/又は塩基性化合物を0.001〜10重量部含
有する前記いずれか記載のサイディングボード用シーリ
ング材組成物に関する。
【0013】更に好ましい実施態様としては、酸性化合
物が有機カルボン酸化合物である前記いずれか記載のサ
イディングボード用シーリング材組成物に関する。
【0014】更に好ましい実施態様としては、塩基性化
合物が炭素数1〜20の有機アミン化合物である前記い
ずれか記載のサイディングボード用シーリング材組成物
に関する。
【0015】更に好ましい実施態様としては、有機重合
体の主鎖が、ポリエーテルである前記いずれか記載のサ
イディングボード用シーリング材組成物に関する。
【0016】更に好ましい実施態様としては、有機重合
体の主鎖が、ポリイソブテンである前記いずれか記載の
サイディングボード用シーリング材組成物に関する。
【0017】更に好ましい実施態様としては、有機重合
体の主鎖が、ビニル重合体である前記いずれか記載のサ
イディングボード用シーリング材組成物に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において用いる分子中に少
なくとも一つの反応性ケイ素基を有する有機重合体は、
分子中の末端又は側鎖に反応性ケイ素含有基を一分子あ
たり少なくとも1個有する有機重合体である。
【0019】該有機重合体の主鎖としては、例えばポリ
エーテル等のアルキレンオキシド重合体、ポリイソブテ
ン等のイソブテン重合体、ビニル重合体等のビニル系重
合体、エーテル・エステルブロック共重合体、ビニル系
共重合体、ジエン系共重合体等に含まれるものが例示で
きる。アルキレンオキシド重合体は例えば特公昭55−
125121号、同55−131021号、同55−1
31022号、同55−135135号、同55−13
7129号等の公報に提案されている方法で得ることが
できる。またイソブテン重合体は例えば特公平6−51
752号や登録第2539445号等に含まれるものが
例示できる。更に主鎖としてビニル系重合体又はビニル
系共重合体を有する有機重合体は例えば特公昭51−2
8301号、特開昭57−179210号、特開平11
−5815号、特開平11−80250公報等で提案さ
れている方法で得ることができる。更に主鎖としてジエ
ン系共重合体を有する有機重合体は、例えば特公昭45
−17553号、特開昭47−1389号公報等で提案
されている方法で得ることができる。
【0020】本発明に用いる有機重合体は単独であって
もよく、2種以上の重合体の混合物であっても良い。例
えば前記アルキレンオキシド系重合体とアクリル酸アル
キルエステル系重合体などの反応性ケイ素基を有するビ
ニル系重合体とを併用しても良いし、また前記アルキレ
ンオキシド系重合体の存在下でアクリル酸アルキルエス
テル等のビニル系モノマーを重合して得られる反応性ケ
イ素基を有する重合体であっても良い。
【0021】本発明において使用される、(I)成分の
反応性ケイ素基は一般式(1) −(Si(R1 2-b)(Xb)O)mSi(R2 3-a)Xa (1) (式中R1およびR2は同一または異なった炭素数1から
20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭
素数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO
−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1また
はR2が二個以上存在するとき、それらは同一であって
もよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1か
ら20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一であ
ってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加
水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それらは
同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、
1、2または3を、bは0、1、または2をそれぞれ示
す。またm個の−Si(R1 2-b)(Xb)−O−基にお
けるbについて、それらは同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。mは0から19の整数を示す。但し、a
+Σb≧1を満足するものとする)で表わさる化合物で
ある。上記Xのうちの加水分解性基は特に限定されず、
従来公知の加水分解性基であれば良い。具体的には例え
ば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキ
シ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミ
ド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキ
シ基等が挙げられる。これらの内では、加水分解性が穏
やかで取扱やすいという点でメトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基が好
ましい。
【0022】この水酸基や加水分解性基は1個のケイ素
原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は1
から5であるのが好ましい。水酸基や加水分解性基が反
応性ケイ素基中に2個以上存在する場合には、それらは
同一であっても良く、異なっていてもよい。
【0023】反応性ケイ素基中のケイ素原子の数は1個
でもよく2個以上でもよいが、シロキサン結合等により
ケイ素原子の連結された反応性ケイ素基の場合には20
個程度でもよい。
【0024】なお、下記一般式(2)で表される反応性
ケイ素基が入手が容易であるため好ましい。 −Si(R2 3-a)Xa (2) (式中R2、X、aは前記と同じ。)。
【0025】また上記一般式(1)におけるR1、およ
びR2の具体例としては、例えばメチル基、エチル基等
のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル
基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラル
キル基、R’がメチル基やフェニル基等である(R’)
3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基などが挙
げられる。R1、R2,R’としてはメチル基が特に好ま
しい。
【0026】反応性ケイ素基を有する有機重合体は、例
えば一般式(3)で示される水素化シリコン化合物とオ
レフィンを有する有機重合体とを白金、ロジウム、コバ
ルト、パラジウム、及びニッケル等のVIII族遷移金
属元素から選ばれた金属錯体触媒等を用い付加反応(ヒ
ドロシリル化)させることにより製造できる。 H−(Si(R1 2-b)(Xb)O)mSi(R2 3-a)Xa (3) (式中R1、R2、X、a、b、及びmは、上記一般式
(1)で記載した基と同様のものである。)。
【0027】具体的には、トリクロルシラン、メチルジ
クロルシラン、ジメチルクロルシラン、フェニルジクロ
ルシラン、トリメチルシロキシメチルクロルシラン、1,
1,3,3-テトラメチル-1-ブロモジシロキサンの如きハロ
ゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシ
ラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラ
ン、フェニルジメトキシシラン、トリメチルシロキシメ
チルメトキシシラン、トリメチルシロキシジエトキシシ
ランの如きアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシ
ラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシ
ラン、トリメチルシロキシメチルアセトキシシラン、ト
リメチルシロキシジアセトキシシランの如きアシロキシ
シラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラ
ン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシラ
ン、ビス(ジエチルケトキシメート)トリメチルシロキ
シシラン、ビス(メチルエチルケトキシメート)メチル
シラン、トリス(アセトキシメート)シランの如きケト
キシメートシラン類;メチルイソプロペニルオキシシラ
ンの如きアルケニルオキシシラン類などが挙げられる。
これらの内、特にアルコキシシラン類が好ましく、アル
コキシ基の中でもメトキシ基が特に好ましい。
【0028】更に本発明においては、得られる末端シリ
ル基中の加水分解性基Xを他の加水分解性基Yに変換す
ることができる。特にX基がハロゲンである場合には水
分による硬化に際し刺激臭の強いハロゲン化水素を発生
させるので他の加水分解性基に変換することが好まし
い。変換しうる加水分解性官能基としてはアルコキシ
基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸
アミド基、アミノオキシ基およびメルカプト基などが挙
げられる。ハロゲン官能基をこれら加水分解性官能基に
変換する方法としては種々の方法が挙げられる。例えば
アルコキシ基に変換する方法としては、メタノール、
エタノール、2-メトキシエタノール、sec-ブタノール、
tert-ブタノールおよびフェノールなどの如きアルコー
ル類およびフェノール類、アルコール類およびフェノ
ール類のナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルコ
キシド類、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチルなど
の如きオルトギ酸エステル類、エチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、アリルグリシジルエーテルなどの如
きエポキシ化合物類などをハロゲン官能基と反応させる
方法が具体例に挙げられる。特にとを組み合わせた
アルコール類およびフェノール類とオルトギ酸エステル
類とからなる反応系、とを組み合わせたアルコール
類およびフェノール類とエポキシ化合物類とからなる反
応系を使用すれば容易に反応を行うことができ好ましい
結果が得られる。同様にアシルオキシ基に変換する方法
としては、酢酸およびプロピオン酸の如きカルボン酸
類、無水酢酸のような酸無水物、カルボン酸類のナ
トリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩;等をハロゲン
官能基と反応させる方法が具体的に挙げられる。同様に
アミノオキシ基に変換する方法としては、N,N-ジメチ
ルヒドロキシルアミン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミ
ン、N,N-メチルフェニルヒドロキシルアミン及びN-ヒド
ロキシルピロリジンのようなヒドロキシルアミン類、
ヒドロキシルアミン類のナトリウム塩、カリウム塩及び
リチウム塩;等をハロゲン官能基と反応させる方法が具
体的に挙げられる。同様にアミド基に変換する方法とし
ては、 N,N-ジメチルアミン、N,N-ジエチルアミン、N
-メチルフェニルアミン及びピロリジンの如き1級およ
び2級アミン類、1級及び2級アミン類のナトリウム
塩、カリウム塩及びリチウム塩;等をハロゲン官能基と
反応させる方法が具体的に挙げられる。同様に酸アミド
に変換する方法としては、アセトアミド、ホルムアミ
ド及びプロピオンアミドの如き窒素原子上に少なくとも
1個の水素原子を有する酸アミド類、該酸アミド類の
ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩;等をハロゲ
ン官能基と反応させる方法が具体的に挙げられる。;ア
セトキシム、メチルエチルケトキシムの如きケトキシム
類;N-オクチルメルカプタン、t-ブチルメルカプタンの
如きメルカプタン類とオルトギ酸エステル類又はエポキ
シ化合物類とを組み合わせた反応系を使用すれば、それ
ぞれケトキシメート基およびメルカプト基に一部変換さ
せることができ、他の部分はオルトギ酸エステル又はエ
ポキシ化合物から誘導されるアルコキシル基に変換させ
ることができる。上述した如くハロゲン官能基の場合だ
け、他の加水分解性官能基に変換するのではなく、種々
の加水分解性官能基を別の加水分解性官能基に変換し使
用することも可能である。
【0029】前記ヒドロシリル化の触媒としてVIII
族遷移金属元素から選ばれた金属錯体触媒、例えば、H
2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白
金−オレフィン錯体、Ptメタル、RhCl(PP
33、RhCl3、Rh/Al23、RuCl3、Ir
Cl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、N
iCl2、TiCl4等のような化合物が使用できるが、
ヒドロシリル化の反応性の点から、白金−ビニルシロキ
サン錯体、白金−オレフィン錯体のいずれかであること
が特に好ましい。ここでいう白金−ビニルシロキサン錯
体とは、白金原子に対し、配位子として分子内にビニル
基を有する、シロキサン、ポリシロキサン、環状シロキ
サンが配位している化合物の総称であり、上記配位子の
具体例としては、1,1,3,3−テトラメチル1,3
−ジビニルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチ
ル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキ
サン等が挙げられる。白金−オレフィン錯体のオレフィ
ン配位子の具体例としては1,5-ヘキサジエン、1,7-オク
タジエン、1,9-デカジエン、1,11-ドデカジエン、1,5-
シクロオクタジエン等が挙げられる。上記配位子の中で
も1,9-デカジエンが特に好ましい。
【0030】本発明に使用する(II)2価の有機錫化
合物としてはステアリン酸錫、オクチル酸錫などの有機
カルボン酸錫が好ましい。
【0031】2価の有機錫化合物の使用量は、反応性ケ
イ素基含有有機重合体100重量部に対し0.01〜1
0重量部、好ましくは0.1〜8重量部、更に好ましく
は0.5〜5重量部の範囲で使用される。0.01重量
部未満だと低温での硬化性に問題があり、10重量部を
超えると硬化性のコントロールの点で不都合である。
【0032】本発明に使用する(III)4価の有機錫
化合物としては反応性の面からジアルキル錫誘導体が好
ましい。ジアルキル錫誘導体としては、ブチル錫ジオク
トエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセ
テート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル
錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドとエステル化合物
の反応物、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジ
ブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ジオレート、ジオ
クチル錫ジステアレート、ジオクチル錫オキサイド、ジ
オクチル錫オキサイドとエステル化合物の反応物、ジオ
クチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジ
オクチル錫ジバーサテート等が例示される。
【0033】4価の有機錫化合物の使用量は、反応性ケ
イ素基含有有機重合体100重量部に対し0.01〜1
0重量部、好ましくは0.1〜8重量部、更に好ましく
は0.5〜5重量部の範囲で使用される。0.01重量
部未満だと応力緩和性が悪く、サイディングボード用シ
ーリング材として好ましくない。10重量部を超えると
硬化性が速すぎてコントロールが困難となる。
【0034】酸性物質としては有機酸又は無機酸が使用
できるが特に有機カルボン酸化合物が好ましく、例え
ば、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、カプリル酸、ス
テアリン酸、シュウ酸、クエン酸、アクリル酸、メタク
リル酸、安息香酸、2−エチルヘキサン酸など通常炭素
数1〜20の有機カルボン酸が使用できる。
【0035】また無機酸としてはクレイやケイ酸アルミ
ニウム等の固体酸が好適に使用できる。
【0036】塩基性物質としては特に有機アミン化合物
が好ましく、例えばジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、
ラウリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエタノ
ールアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、
N,N,N’,N’−テトラメチル1,3−ブタンジア
ミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、ドデカ
メチレンジアミン、ジメチルエチレンジアミン、ジメチ
ルアミノエタノール、N,N,N’,N’−テトラメチ
ルエチレンジアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメ
チルアニリン、ジメチルベンジルアニリン等が使用でき
る。
【0037】これら酸性物質及び塩基性物質は単独で使
用することもできるし、2種以上を併用して使用するこ
ともできる。
【0038】酸性物質及び/又は塩基性物質の使用量
は、反応性ケイ素基含有有機重合体100重量部に対し
10重量部未満、好ましくは0.001〜10重量部、
更に好ましくは0.01〜5重量部の範囲で使用され
る。10重量部を越えると、硬化性が速すぎてシーラン
ト使用上不都合である。
【0039】またシーラントとして用いる場合、1液
型、2液型どちらでも用いることができ、1液型の場合
は無水状態で混合調整し、水分を遮断できる容器に詰め
て製造する。2液型とする場合、硬化剤として別途硬化
触媒、充填剤、可塑剤等の成分をあらかじめ配合してお
き、該配合材と重合体組成物とを使用前に混合、調整す
る。
【0040】本発明の組成物には更に種々の充填剤、可
塑剤、物性調整剤、接着付与剤等を含むことができる。
【0041】前記充填剤としては木粉、クルミ殻粉、も
み殻粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、グラファイト、
けいそう土、白土、カオリン、クレー、タルク、無水ケ
イ酸、石英粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、アスベ
スト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、カーボン
ブラック、溶融シリカや沈降性シリカ等のシリカ、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミ
ナ、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルー
ン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等
の無機充填剤や粉末ゴム、再生ゴム、熱可塑性あるいは
熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレン等の中空体等の有
機充填剤があげられる。これらの充填剤は、単独で用い
てもよく、2種以上併用してもよい。
【0042】前記可塑剤の具体的な例としては、ジブチ
ルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2-エチルヘ
キシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチ
ルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル類
やジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非
芳香族2塩基酸エステル類やトリクレジルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル等が挙
げられ、比較的高分子量タイプの可塑剤としては、例え
ば2塩基酸と2価アルコールとのポリエステル類等のポ
リエステル系可塑剤やポリプロピレングリコールやその
誘導体等のポリエーテル類やポリ−α−メチルスチレ
ン、ポリスチレン類やプロセスオイル類、アルキルベン
ゼン類、トリメリット酸類等のポリスチレン類等が挙げ
られる。
【0043】これら可塑剤は単独もしくは混合して使用
できる。好ましくは相溶性が良好なものを選ぶ必要があ
る。
【0044】これらの可塑剤は反応性ケイ素基含有ポリ
エーテルオリゴマー100重量部に対して20〜400
重量部程度使用する。
【0045】前記物性調整剤の具体例としては各種シラ
ンカップリング剤、例えばメチルトリメトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラ
ン、n−プロピルトリメトキシシランなどのアルキルア
ルコキシシラン類;ジメチルジイシプロペノキシシラ
ン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジイソプロペノキシシランなどのア
ルキルイソプロペノキシシラン類;γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチル
ジメトキシシランなどの官能基を有するアルコキシシラ
ン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が必要
により添加される。これら物性調整剤を用いることによ
り本発明の組成物を硬化させた時の硬度を上げたり、伸
びを出したりすることができる。
【0046】前記接着付与剤の具体例としてはエポキシ
樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、各種シランカ
ップリング剤、アルキルチタネート類、ポリイソシアネ
ート化合物等があげられ、これらを1種または2種以上
用いることによりさらに接着性を改善することができ
る。
【0047】その他、耐候性改良剤、チクソ性付与剤や
貯蔵安定性改良剤を必要に応じて添加することができ
る。
【0048】
【実施例】本発明をより一層明らかにするために、以下
具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。 製造例1 全末端の80%に(CH3O)2Si(CH3)−基を有
する数平均分子量19000のオキシプロピレン重合体
を表1に示す配合組成にて混練りし、得られた混合組成
物に、日本ユニカー(株)製、A1120(3−(2−ア
ミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を1
重量部添加し、シーリング材組成物を作成した。 製造例2 全末端の80%に(CH3O)2Si(CH3)−基を有
する数平均分子量18000のイソブテン重合体を表1
に示す配合組成にて混練りし、得られた混合組成物に、
日本ユニカー(株)製、A1120(3−(2−アミノエ
チルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を1重量部
添加し、シーリング材組成物を作成した。
【0049】
【表1】 実施例1及び2 製造例1及び2で得たシーリング材組成物を上面開放の
容器に充填し、−10℃、10℃、23℃の雰囲気下で
硬化させ組成物表面での糸引き現象の消失する時間(皮
ばり時間)を測定した。
【0050】さらに硬化物の3号ダンベル型を作製し、
標線間(20mm)を100%伸長して24時間固定
し、その後開放して1時間後の標線間を測定し復元率を
測定した。結果を表2に示す。 比較例1〜4 実施例1及び2と同様、表1のシーリング材組成物の−
10℃、10℃、23℃での皮張り時間と復元率を測定
した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明のサイディングボード用シーリン
グ材組成物は4価の有機錫化合物と2価の有機錫化合物
を含み、従来の応力緩和性を保持しつつ、低温硬化性に
優れる特徴を持つ。施工温度への硬化性依存が少ないた
め、種々の環境条件におけるシーリング材の施工に好適
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/57 C08K 5/57 C08L 101/10 C08L 101/10 E04B 1/682 E04B 1/68 L Fターム(参考) 2E001 DA01 FA04 FA51 GA07 HB01 HD13 MA02 MA06 4H017 AA03 AA31 AB15 AC01 AC05 AD05 AE03 4J002 AA011 BB201 BB231 CH051 CP171 CP181 EF037 EN027 EN037 EN047 EN067 EN107 EZ036 EZ046 FD146 FD157 4J035 BA06 CA02U CA021 GA02 GA03 GA08 GB05 LA03 LB03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)分子中に少なくとも1個の反応性
    ケイ素基を含有する有機重合体100重量部、(II)
    2価の有機錫化合物0.01〜10重量部、(III)
    4価の有機錫化合物0.01〜10重量部、及び(I
    V)酸性物質及び/又は塩基性化合物10重量部以下を
    含有するサイディングボード用シーリング材組成物。
  2. 【請求項2】 (I)成分の反応性ケイ素基が一般式
    (1): −(Si(R1 2-b)(Xb)O)mSi(R2 3-a)Xa (1) (式中R1およびR2は同一または異なった炭素数1から
    20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭
    素数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO
    −で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1また
    はR2が二個以上存在するとき、それらは同一であって
    もよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1か
    ら20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一であ
    ってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加
    水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それらは
    同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、
    1、2または3を、bは0、1、または2をそれぞれ示
    す。またm個の−Si(R1 2-b)(Xb)−O−基にお
    けるbについて、それらは同一であってもよく、異なっ
    ていてもよい。mは0から19の整数を示す。但し、a
    +Σb≧1を満足するものとする)で表わさる化合物で
    ある請求項1記載のサイディングボード用シーリング材
    組成物。
  3. 【請求項3】 4価の有機錫化合物がジアルキル錫誘導
    体である請求項1又は2記載のサイディングボード用シ
    ーリング材組成物。
  4. 【請求項4】 2価の有機錫化合物が有機カルボン酸錫
    である請求項1〜3記載のサイディングボード用シーリ
    ング剤組成物。
  5. 【請求項5】 酸性化合物及び/又は塩基性化合物を
    0.001〜10重量部含有する請求項1〜4記載のサ
    イディングボード用シーリング材組成物。
  6. 【請求項6】 酸性化合物が有機カルボン酸化合物であ
    る請求項5記載のサイディングボード用シーリング材組
    成物。
  7. 【請求項7】 塩基性化合物が炭素数1〜20の有機ア
    ミン化合物である請求項5記載のサイディングボード用
    シーリング材組成物。
  8. 【請求項8】 有機重合体の主鎖が、ポリエーテルであ
    る請求項1〜7記載のサイディングボード用シーリング
    材組成物。
  9. 【請求項9】 有機重合体の主鎖が、ポリイソブテンで
    ある請求項1〜7記載のサイディングボード用シーリン
    グ剤組成物。
  10. 【請求項10】有機重合体の主鎖が、ビニル重合体であ
    る請求項1〜7記載のサイディングボード用シーリング
    剤組成物。
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