JP2001247666A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP2001247666A JP2000059126A JP2000059126A JP2001247666A JP 2001247666 A JP2001247666 A JP 2001247666A JP 2000059126 A JP2000059126 A JP 2000059126A JP 2000059126 A JP2000059126 A JP 2000059126A JP 2001247666 A JP2001247666 A JP 2001247666A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体の透明性に優れ、成形体に異味、異臭
が発生しにくく、かつ成形時に金型汚れが発生しにくい
ポリエステルの経済的に有利な、また環境への悪影響が
少ない製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリエステルチップを処理槽中において
水処理槽より排出される処理水を繰返し水処理に再利用
しながら水処理するポリエステルの製造方法において、
水処理槽のオ−バ−フロ−口から排出された処理水と処
理槽よりポリエステルチップと共に排出され次いで該チ
ップから分離された処理水の合計量の80%以上を水処
理として再度処理槽に供給することを特徴とするポリエ
ステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボトルをはじめと
して、フィルム、シート成形用などに用いられるポリエ
ステルの製造方法に関し、さらに詳しくは、成形体の透
明性に優れ、成形体に異味、異臭が発生しにくく、かつ
成形時に金型汚れが発生しにくいポリエステルの経済的
に有利な、また環境への悪影響が少ない製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの
容器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用
目的に応じて種々の樹脂が採用されている。
【0003】これらのうちでポリエステルは機械的強
度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性に優れている
ので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充
填用容器の素材として最適である。
【0004】このようなポリエステルは射出成形機械な
どの成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形
し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブ
ロー成形した後ボトルの胴部を熱処理(ヒートセット)
して中空成形容器に成形され、さらには必要に応じてボ
トルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)させるのが一般
的である。
【0005】ところが、従来のポリエステルには、環状
三量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリゴ
マー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付着
することによる金型汚れが発生しやすかった。
【0006】このような金型汚れは、得られるボトルの
表面肌荒れや白化の原因となる。もしボトルが白化して
しまうと、そのボトルは廃棄しなければならない。この
ため金型汚れを頻繁に除去しなければならず、ボトルの
生産性が低下してしまうという問題点があった。
【0007】これらの解決方法として、特開平3−17
4441号公報にはポリエステルを水処理する方法が開
示されている。
【0008】しかし、この方法を工業的に実施する場合
には、処理用の水として蒸留水を用いるとコストの面か
ら不利であるため、河川からの水や地下水、排水等を簡
易処理した工業用水を用いることが一般的である。しか
しながら、工業用水を用いて水処理をした場合、しばし
ば成型時での結晶化が早過ぎ、透明性の悪いボトルにな
ってしまうという問題があった。また口栓部結晶化によ
る口栓部の収縮が規格内に納まらずにキャッピング不良
となる問題もあった。
【0009】本発明者らの検討によると、これは水処理
の段階において、工業用水に含まれているナトリウムや
マグネシウム、カルシウム、珪素等の金属含有物質の含
有量が一定値より多い場合、これらの金属の酸化物や水
酸化物等の金属含有物質が処理水中に浮遊、沈殿、さら
には処理槽壁や配管壁に付着したりし、これがポリエス
テルチップに付着、浸透して、成形時での結晶化が促進
され、透明性の悪いボトルとなることがわかった。さら
には金属含有物質が配管を詰まらせたり、処理槽や配管
の洗浄を困難にさせる等の問題が生じた。特にナトリウ
ムの含有はスケ−ルの発生は起こらないものの、ナトリ
ウムイオンがチップ表面層に浸透し、このナトリウムイ
オンを核として結晶化が進むため、ボトルを白化させる
大きな要因となっていた。これらの金属含有物質の含有
量は雨の後に増加したり、季節により変動し、しばしば
非常に大きな値となることもあった。さらには、工業用
水の水源をどこに求めるかでも大きく異なるものであっ
た。
【0010】また、水処理槽から排出した水は、ポリエ
ステルのファイン(ポリエステルの微粉末)やポリエス
テル中のアセトアルデヒド等の低分子化合物を含有して
いる。この排出水を未処理のままで水処理に再利用する
と、処理後のポリエステルのファインや前記の低分子化
合物の含有量が増加するので、得られたポリエステルの
結晶化速度が早くなり、透明性が悪く、また異味・異臭
のあるポリエステル成形体しか得られない。したがっ
て、水処理槽より排出される水はそのままでは少量しか
再利用できないので、熱量的に経済性が悪く、また廃棄
による環境への悪影響が生じ問題となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解決することにあり、成形体の透明性に優れ、
成形体に異味、異臭が発生しにくく、かつ成形時に金型
汚れが発生しにくい、経済的に有利な、また環境への悪
影響が少ないポリエステルの製造方法を提供することを
目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、ポリエステルチップを処理槽中において
水処理槽より排出される処理水を繰返し水処理に再利用
しながら水処理するポリエステルの製造方法において、
水処理槽のオ−バ−フロ−口から排出された処理水と処
理槽よりポリエステルチップと共に排出され次いで該チ
ップから分離された処理水の合計量の80%以上を水処
理として再度処理槽に供給することを特徴とするポリエ
ステルの製造方法である。
【0013】この場合において、水処理に再利用される
水中に存在する粒径が1〜40μmの粒子を10000
0個/10ml以下に維持しながら処理槽から排出され
た処理水を水処理に再利用することができる。
【0014】この場合において、水処理に再利用される
水中に存在する該ポリエステルに由来するグリコ−ルの
含有量および芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとからな
るモノマ−の含有量をそれぞれ100ppm以下に維持
しながら処理槽から排出された処理水を水処理に再利用
することができる。
【0015】この場合において、系外より導入した新し
い水を、水処理に再利用される水に混合して水処理に供
することができる。
【0016】この場合において、ポリエステルチップ
を、処理槽に継続的に、または間欠的に供給することが
できる。この場合において、ポリエステルチップの全量
を処理槽に充填し、水処理終了後ポリエステルチップの
全量を抜き出すことができる。この場合において、処理
槽からの処理水の排出と、排出した処理水の処理槽への
戻りが継続的、または間欠的であることができる。
【0017】この場合において、処理槽から排出された
処理水を、濾過装置により濾過することにより水中の粒
子を除去した後、水処理に再利用することができる。ま
たこの場合において、処理槽から排出された処理水を、
活性炭吸着方式の処理装置により吸着処理することによ
り水に溶解したグリコ−ル等の低分子化合物等を除去し
た後、水処理に再利用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられるポリエステルは、好ましく
は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコ−ル成分
とから得られる結晶性ポリエステルであり、さらに好ま
しくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の85モル%
以上含むポリエステルであり、特に好ましくは、芳香族
ジカルボン酸単位が酸成分の95モル%以上含むポリエ
ステルである。
【0019】本発明に用いられるポリエステルを構成す
る芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、
2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,
4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げ
られる。
【0020】また本発明に用いられるポリエステルを構
成するグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が
挙げられる。
【0021】前記ポリエステル中に共重合して使用され
る酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレン
ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニ−ル−4,4'
−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、オキシカプ
ロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン
酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマ−酸等
の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその
機能的誘導体などが挙げられる。
【0022】前記ポリエステル中に共重合して使用され
るグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族
グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのア
ルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、シク
ロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ポリエ
チレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ル等のポリア
ルキレングリコ−ルなどが挙げられる。
【0023】さらにポリエステルが実質的に線状である
範囲内で多官能化合物、例えばトリメリット酸、トリメ
シン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、トリメチロ−ルプロパン等
を共重合してもよく、また単官能化合物、例えば安息香
酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
【0024】本発明に用いられるポリエステルの好まし
い一例は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレー
トから構成されるポリエステルであり、さらに好ましく
はエチレンテレフタレート単位を85モル%以上含む線
状ポリエステルであり、特に好ましいのはエチレンテレ
フタレート単位を95モル%以上含む線状ポリエステ
ル、即ち、ポリエチレンテレフタレ−ト(以下、PET
と略称)である。
【0025】また本発明に用いられるポリエステルの好
ましい他の一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−
2、6−ナフタレートから構成されるポリエステルであ
り、さらに好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート
単位を85モル%以上含む線状ポリエステルであり、特
に好ましいのは、エチレン−2、6−ナフタレート単位
を95モル%以上含む線状ポリエステル、即ち、ポリエ
チレンナフタレ−トである。
【0026】上記のポリエステルは、従来公知の製造方
法によって製造することが出来る。即ち、PETの場合
には、テレフタール酸とエチレングリコール及び必要に
より他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエステ
ル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、
または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及
び必要により他の共重合成分を反応させてメチルアルコ
ールを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を
行うエステル交換法により製造される。さらに極限粘度
を増大させ、アセトアルデヒド含有量等を低下させる為
に固相重合を行ってもよい。
【0027】前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で
行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良い。こ
れらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階
で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。
固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や
連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合
は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
【0028】直接エステル化法による場合は、重縮合触
媒としてGe、Sb、Tiの化合物が用いられるが、特
にGe化合物またはこれとTi化合物の混合使用が好都
合である。
【0029】Ge化合物としては、無定形二酸化ゲルマ
ニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉末またはエチレン
グリコールのスラリー、結晶性二酸化ゲルマニウムを水
に加熱溶解した溶液またはこれにエチレングリコールを
添加加熱処理した溶液等が使用されるが、特に本発明で
用いるポリエステルを得るには二酸化ゲルマニウムを水
に加熱溶解した溶液、またはこれにエチレングリコール
を添加加熱した溶液を使用するのが好ましい。これらの
重縮合触媒はエステル化工程中に添加することができ
る。Ge化合物を使用する場合、その使用量はポリエス
テル樹脂中のGe残存量として10〜150ppm、好
ましくは13〜100ppm、更に好ましくは15〜7
0ppmである。
【0030】Ti化合物としては、テトラエチルチタネ
−ト、テトライソプロピルチタネ−ト、テトラ−n−プ
ロピルチタネ−ト、テトラ−n−ブチルチタネ−ト等の
テトラアルキルチタネ−トおよびそれらの部分加水分解
物、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チ
タニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニ
ルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チ
タニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩
化チタン等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマ−
中のTi残存量として0.1〜10ppmの範囲になる
ように添加する。
【0031】Sb化合物としては、三酸化アンチモン、
酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモン
カリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレ−
ト、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙
げられる。Sb化合物は、生成ポリマ−中のSb残存量
として50〜250ppmの範囲になるように添加す
る。
【0032】また、安定剤として、燐酸、ポリ燐酸やト
リメチルフォスフェート等の燐酸エステル類等を使用す
るのが好ましい。これらの安定剤はテレフタル酸とエチ
レングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工
程中に添加することができる。P化合物は、生成ポリマ
−中のP残存量として5〜100ppmの範囲になるよ
うに添加する。
【0033】また、ポリエステルに共重合されたジエチ
レングリコ−ル含量を制御するためにエステル化工程に
塩基性化合物、たとえば、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルアミン等の第3級アミン、水酸化テトラエチル
アンモニウム等の第4級アンモニウム塩等を加えること
が出来る。
【0034】本発明に用いられるポリエステル、特に、
主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成
されるポリエステルの極限粘度は0.50〜1.30デ
シリットル/グラム、好ましくは0.55〜1.20デ
シリットル/グラム、さらに好ましくは0.60〜0.
90デシリットル/グラムの範囲である。極限粘度が
0.50デシリットル/グラム未満では、得られた成形
体等の機械的特性が悪い。また、1.30デシリットル
/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時に樹脂
温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響を
及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が黄
色に着色する等の問題が起こる。
【0035】また本発明に用いられるポリエステル、特
に、主たる繰り返し単位がエチレン−2、6−ナフタレ
ートから構成されるポリエステルの極限粘度は0.40
〜1.00デシリットル/グラム、好ましくは0.42
〜0.95デシリットル/グラム、さらに好ましくは
0.45〜0.90デシリットル/グラムの範囲であ
る。極限粘度が0.40デシリットル/グラム未満で
は、得られた成形体等の機械的特性が悪い。また、1.
00デシリットル/グラムを越える場合は、成型機等に
よる溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくな
り、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加
したり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
【0036】ポリエステルのチップの形状は、シリンダ
−型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、その
大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.6〜3.5
mm、好ましくは1.8〜3.5mmの範囲である。例
えばシリンダ−型の場合は、長さは1.8〜3.5m
m、径は1.8〜3.5mm程度であるのが実用的であ
る。また、チップの重量は15〜30mg/個の範囲が
実用的である。
【0037】また、本発明に用いられるポリエステルの
アセトアルデヒド含量は10ppm以下、好ましくは8
ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、ホルムアル
デヒド含量は7ppm以下、好ましくは6ppm以下、
更に好ましくは4ppm以下である。本発明で用いられ
るポリエステルのアセトアルデヒド含有量を10ppm
以下、またホルムアルデヒド含有量を7ppm以下にす
る方法は特に限定されるものではないが、例えば低分子
量のポリエステルを減圧下または不活性ガス雰囲気下に
おいて170〜230℃の温度で固相重合する方法を挙
げることが出来る。
【0038】また、本発明に用いられるポリエステルに
共重合されたジエチレングリコール量は該ポリエステル
を構成するグリコール成分の1.0〜5.0モル%、好
ましくは1.3〜4.5モル%、更に好ましくは1.5
〜4.0モル%である。ジエチレングリコール量が5.
0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、成型時
に分子量低下が大きくなったり、またアセトアルデヒド
含量やホルムアルデヒド含量の増加量が大となり好まし
くない。またジエチレングリコ−ル含量が1.0モル%
未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪くなる。
【0039】また、本発明に用いられるポリエステルの
環状3量体の含有量は0.50重量%以下、好ましくは
0.45重量%以下、さらに好ましくは0.40重量%
以下である。本発明のポリエステルから耐熱性の中空成
形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、
環状3量体の含有量が0.50重量%以上含有する場合
には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加
し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
【0040】ポリエステルは、環状三量体などのオリゴ
マー類が成形時に金型内面や金型のガスの排気口、排気
管等に付着することによる金型汚れ等を防止するため
に、前記の溶融重縮合または固相重合の後に水との接触
処理を行なう。水との接触処理の方法としては、水中に
浸ける方法が挙げられる。水との接触処理を行う時間と
しては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さら
に好ましくは30分〜10時間であり、水の温度として
は20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに
好ましくは50〜120℃である。
【0041】ポリエステルのチップを連続的に水処理す
る場合は、塔型の処理槽に継続、あるいは断続的にポリ
エステルのチップを上部より受け入れ、並流又は向流で
水を連続供給して水処理させることができる。処理され
たポリエステルチップは処理層の下部から継続、あるい
は断続的に抜き出す。水処理されたポリエステルチップ
は、振動篩機、シモンカ−タ−等の水切り装置で水切り
し、処理水と分離する。ポリエステルチップをバッチ方
式で水処理をする場合は、サイロタイプの処理槽が挙げ
られる。すなわち、バッチ方式でポリエステルのチップ
をサイロへ受け入れ水処理を行なう。あるいは回転筒型
の処理槽にポリエステルのチップを受け入れ、回転させ
ながら水処理を行ない水との接触をさらに効率的にする
こともできる。
【0042】この場合、ポリエステルチップは全量を処
理槽内に投入、充填すると共に処理水を満たし、処理水
は必要により継続的又は断続的(総称して連続的という
ことがある)に循環し、また、継続的又は断続的に一部
の処理水を排出して新しい処理水を追加供給する。水処
理後はポリエステルチップの全量を処理層から抜き出
す。この場合も、水処理されたポリエステルチップは、
振動篩機、シモンカ−タ−等の水切り装置で水切りし、
処理水と分離する。
【0043】水処理の方法が連続的に、又はバッチ的の
いずれの場合であっても、処理槽から排出した処理水の
すべて、あるいは殆どを工業排水としてしまうと、新し
い水が多量に入用であるばかりでなく、排出した処理水
の熱量の損失および排水量増大による環境への影響が懸
念される。このような問題点を解決するために種々検討
した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、ポリエ
ステルチップを処理槽中において水処理槽より排出され
る処理水を繰返し水処理に再利用しながら水処理するポ
リエステルの製造方法において、水処理槽のオ−バ−フ
ロ−口から排出された処理水と処理槽よりポリエステル
チップと共に排出され次いで該チップから分離された処
理水の合計量の80%以上を、好ましくは、90%以
上、よりに好ましくは95%以上を処理水として再度処
理槽に供給することにより前記の問題点を解決するもの
である。
【0044】なお、本発明においての最も好ましい形態
としては水処理槽から排出された処理水の実質的に全量
を利用するが、水処理槽での水の蒸発、水切り後のポリ
エステルチップへの付着、あるいは水処理槽から再利用
されるまでの工程での漏れ等のため、系外から導入され
た水の全量を再利用することは不可能である。このよう
な現象によって系外へ飛散したり、漏洩したりする水を
除いて水処理槽から排出される水を再利用することを、
本発明では実質的に全量の処理水を水処理に再利用する
という。
【0045】したがって、水処理を問題なく実施するた
めには、若干の廃棄した水や前記のような原因によって
減少する水量を系外より新しい水を補給することによっ
て補うことが必要である。本発明においては、このよう
な系外からの補給水量は循環水量の約20%未満であ
る。なお、系外から補給のために導入される水は後記の
通りである。
【0046】水処理槽からの排水としては、水処理槽か
らポリエステルチップと共に排出された処理水および水
処理槽のオ−バ−フロ−口から排出された処理水の2種
が挙げられるが、水処理槽から排出したこれらの処理水
の実質的に全量を水処理槽へ戻して再利用したり、また
次バッチの水処理に再利用することにより、水処理に必
要な新しく補給する水量を低減し、また排水量増大によ
る環境への影響を低減することが出来、さらには水処理
槽へ返される排水がある程度温度を保持していれば、処
理水の加熱量も小さく出来るため、処理層から排出され
た処理水は水処理層へ戻して再利用できる。ここでは、
このようにして処理槽から排出された処理水を処理槽に
戻して再利用される処理水をリサイクル水と称する。
【0047】水処理において処理槽から排出される処理
水には、処理槽にポリエステルチップを受け入れる段階
で既にポリエステルチップに付着しているファインや、
水処理時にポリエステルチップ同士あるいは処理槽壁と
の摩擦で発生するポリエステルのファインが含まれてい
る。従って、処理槽から排出した処理水を再度処理槽へ
戻して再利用すると、処理槽内の処理水に含まれるファ
イン量は次第に増えていく。そのため、処理水中に含ま
れているファインが処理槽壁や配管壁に付着して、配管
を詰まらせることがある。また処理水中に含まれている
ファインが再びポリエステルチップに付着し、この後、
水分を乾燥除去する段階でポリエステルチップにファイ
ンが静電効果により付着するため、ポリエステルのファ
イン含有量が非常に多くなる。
【0048】ポリエステル製造工程において発生するフ
ァインには結晶化促進効果があるが、水処理工程を経た
ポリエステルチップから前記のような工程で発生したフ
ァインの結晶化促進効果は非常に高いことが判明した。
このようなファイン、特に非常に微細なファインにより
ポリエステルの結晶性が促進されて、得られたボトルの
透明性は悪くなり、またボトル口栓部結晶化時の結晶化
度が過大となって口栓部の寸法が規格に入らなくなり、
そのため口栓部のキャッピング不良、したがって内容物
の漏れの原因になる。
【0049】したがって、本発明において、リサイクル
水中に存在する粒径が1〜40μmの粒子を100、0
00個/10ml以下、好ましくは80、000個/1
0ml以下、さらに好ましくは50、000個/10m
l以下に維持しながら処理槽に戻して繰り返し使用する
のが望ましい。なお下限は生産性の観点から10個/1
0ml以上、さらには100個/10ml以上が好まし
い。
【0050】リサイクル水の粒子量の増加を抑えるため
に、処理槽から排出した処理水が再び処理槽に返される
までの工程で少なくとも1ヶ所以上にファインを除去す
る装置を設置する。ファインを除去する装置としてはフ
ィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離器、
泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルター濾過
装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、バグ
フィルター方式、カートリッジフィルター方式、スクリ
−ンフィルタ−方式、遠心濾過方式等の濾過装置が挙げ
られる。中でも連続的に行うにはベルトフィルター方
式、遠心濾過方式、バグフィルター方式、スクリ−ンフ
ィルタ−方式の濾過装置が適している。またベルトフィ
ルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金
属、布等が挙げられる。またファインの除去と処理水の
流れを効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは
5〜100μm、好ましくは5〜70μm、さらに好ま
しくは5〜40μmがよい。
【0051】またポリエステルチップは、ポリエステル
製造中に生成したアセトアルデヒドやホルムアルデヒド
等のアルデヒド化合物、原料であるグリコ−ル、反応生
成物である芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから成る
モノマ−や芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから成る
ダイマ−等の低分子化合物を含んでおり、水処理時にこ
れらのアルデヒド化合物、グリコ−ル、芳香族ジカルボ
ン酸とグリコ−ルとから成るモノマ−やダイマ−等が処
理水中に溶出する。
【0052】経済的な観点および環境上の観点より、バ
ッチ方式の水処理の場合は処理水を繰り返し使用し、ま
た連続式水処理の場合は水処理槽から排出した処理水を
再度処理槽へ戻して再利用するが、いずれの場合も処理
槽中のアセトアルデヒド含有量、グリコ−ル含有量、芳
香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから成るモノマ−含有
量やダイマ−含有量が経時的に増加していく。これらの
化合物が多くなると、水処理乾燥後のチップ中の該含有
量が高くなり、このようなポリエステルチップを用いた
中空成形容器等中の内容物の風味や香りが非常に悪くな
る。また、水処理装置の処理槽や配管の汚れも激しくな
る。
【0053】本発明においては、連続方式の場合はリサ
イクル水中の該ポリエステルに由来するグリコ−ルの含
有量および芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから成る
モノマ−の含有量をそれぞれ100ppm以下、好まし
くは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以
下、またリサイクル水中のアセトアルデヒド含有量を1
0ppm以下、好ましくは5ppm以下、さらに好まし
くは1ppm以下に維持することによって上記の問題点
を解決する。またバッチ方式の場合は水処理終了時の処
理槽中の処理水の該ポリエステルに由来するグリコ−ル
の含有量および芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから
成るモノマ−の含有量をそれぞれ100ppm以下、好
ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm
以下、またリサイクル水中のアセトアルデヒド含有量を
10ppm以下、好ましくは5ppm以下、さらに好ま
しくは1ppm以下に維持することによって上記の問題
点を解決する。
【0054】ここで、ポリエステルがポリエチレンテレ
フタレ−トの場合は、前記のグリコ−ルはエチレングリ
コ−ルであり、芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから
成る前記のモノマ−はモノヒドロキシエチルテレフタレ
−トおよびビスヒドロキシエチルテレフタレ−トであ
る。
【0055】またポリエステルがポリエチレン−2、6
−ナフタレ−トの場合は、前記のグリコ−ルはエチレン
グリコ−ルであり、芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルと
から成る前記のモノマ−は2、6−モノヒドロキシエチ
ルナフタレ−トおよび2、6−ビスヒドロキシエチルナ
フタレ−トである。
【0056】以下にリサイクル水中のグリコ−ル等の含
有量を100ppm以下、またアセトアルデド含有量を
10ppm以下にする方法を例示するが、本発明はこれ
に限定するものではない。
【0057】さらに以下の方法を用いると、リサイクル
水の中のグリコ−ルやアセトアルデヒドだけでなく、ホ
ルムアルデヒド、酢酸、蟻酸等の微量の臭気成分も除去
でき、処理水の中のこれらの含有量を一定値以下にする
ことができる。
【0058】水処理槽に供給するリサイクル水中のグリ
コ−ルや芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとからなるモ
ノマ−やアセトアルデヒドの含有量の増加を抑えるため
に、水処理槽から処理水が排出して、再び水処理槽に循
環水が戻されるまでの工程中の少なくとも1カ所以上に
グリコ−ル等を除去する装置を設置する。
【0059】グリコ−ル等を除去する方法としては、蒸
留装置による蒸留処理、活性炭吸着処理、水中への不活
性気体のバブリング処理、加熱脱気処理等、公知の方法
が挙げられる。また、リサイクル水に新しいイオン交換
水等を追加する方法も挙げられる。
【0060】また、リサイクル水中の粒子個数や前記の
ポリエステル由来の低分子化合物の濃度を自動的に測定
する機器をリサイクル水の送り配管等に設置して自動的
にこれらの濃度を測定し、これらの濃度値によって濾過
装置のフィルタ−を交換したり、また吸着装置の吸着材
を交換したりすることが出来る。
【0061】つぎに、主として前記のリサイクル水の不
足分を補うために系外より導入される水について説明す
る。ポリエステルチップを工業的に水処理する場合、処
理に用いる水が大量であることから天然水(工業用水)
や排水を再利用して使用することが多い。通常この天然
水は、河川水、地下水などから採取したもので、水(液
体)の形状を変えないまま、殺菌、異物除去等の処理を
したものを言う。また、一般的に工業用に用いられる天
然水には、自然界由来の、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩
等の粘土鉱物を代表とする無機粒子や細菌、バクテリア
等や、腐敗した植物、動物に起源を有する有機粒子や有
機化合物等を多く含有している。これらの無機粒子は、
ナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素等の金属
含有物質から構成されている。
【0062】そして、水処理方法が連続方式の場合であ
ってもバッチ方式の場合であっても、系外から導入する
水の中に存在する粒径が1〜25μmの粒子の個数を
X、ナトリウムの含有量をN、マグネシウムの含有量を
M、カルシウムの含有量Cを、珪素の含有量をSとした
場合、下記(1)〜(5)の少なくとも一つを満足させ
て水処理を行うのが望ましい。 1 ≦ X ≦ 50000 (個/10ml) (1) 0.001 ≦ N ≦ 1.0 (ppm) (2) 0.001 ≦ M ≦ 0.5 (ppm) (3) 0.001 ≦ C ≦ 0.5 (ppm) (4) 0.01 ≦ S ≦ 2.0 (ppm) (5)
【0063】水処理槽に導入する水中の粒子個数、ナト
リウム、マグネシウム、カルシウム、珪素の含有量のい
ずれかを上記範囲に設定することにより、スケールと呼
ばれる酸化物や水酸化物等の金属含有物質が処理水中に
浮遊、沈殿、さらには処理槽壁や配管壁に付着したり
し、これがポリエステルチップに付着、浸透して、成形
時での結晶化が促進され、透明性の悪いボトルになるこ
とを防ぐことができる。
【0064】以下に水処理に用いる、粒径1〜25μm
の粒子を1〜50000個/10ml含む水を得る方法
を例示する。水中の粒子数を50000個/10ml以
下にする方法としては、工業用水等の自然水を処理槽に
供給するまでの工程の少なくとも1ヶ所以上に粒子を除
去する装置を設置する。好ましくは自然界の水の採取口
から、前記した処理槽、処理槽から排水した水を再度処
理槽に戻す配管、ファイン除去装置等、水処理に必要な
付帯設備を含めた処理装置に至るまでの間に粒子を除去
する装置を設置し、処理装置に供給する水中の、粒径1
〜25μmの粒子の含有量を1〜50000個/10m
lにすることが好ましい。粒子を除去する装置としては
フィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離
器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルター
濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、
バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、ス
クリ−ンフィルタ−方式、遠心濾過方式等の濾過装置が
挙げられる。中でも連続的に行うにはベルトフィルター
方式、遠心濾過方式、バグフィルター方式、スクリ−ン
フィルタ−方式の濾過装置が適している。またベルトフ
ィルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金
属、布等が挙げられる。また粒子の除去と処理水の流れ
を効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは5〜
100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好まし
くは15〜40μmがよい。
【0065】また系外からの水中のナトリウムやマグネ
シウム、カルシウム、珪素を低減させるために、処理槽
に工業用水が送られるまでの工程で少なくとも1ヶ所以
上にナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除
去する装置を設置する。また、粒子状になった二酸化珪
素やアルミノ珪酸塩等の粘土鉱物を除去するためにはフ
ィルターを設置する。ナトリウムやマグネシウム、カル
シウム、珪素を除去する装置としては、イオン交換装
置、限外濾過装置などが挙げられる。
【0066】系外から導入される水は、水処理槽に直接
導入してもよいし、またリサイクル水の貯槽やリサイク
ル水の送りの配管中においてリサイクル水と混合後水処
理槽に導入してもよい。
【0067】水処理後、水切り装置で水切りしたポリエ
ステルチップは、次に乾燥工程へ移送される。ポリエス
テルチップの乾燥は通常用いられるポリエステルチップ
の乾燥処理を用いることができる。連続的に乾燥する方
法としては上部よりポリエステルチップを供給し、下部
より乾燥ガスを通気するホッパー型の通気乾燥機が通常
使用される。乾燥ガス量を減らし、効率的に乾燥する方
法としては回転ディスク型加熱方式の連続乾燥機が選ば
れ、少量の乾燥ガスを通気しながら、回転ディスクや外
部ジャケットに加熱蒸気、加熱媒体などを供給した粒状
ポリエステルチップを間接的に乾燥することができる。
【0068】バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブ
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えない
が、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量
低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。
【0069】本発明におけるポリエステルには、必要に
応じて他の添加剤、例えば、公知の紫外線吸収剤、外部
より添加する滑剤や反応中に内部析出させた滑剤、離型
剤、核剤、安定剤、帯電防止剤、顔料などの各種の添加
剤を配合してもよい。
【0070】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以
下に説明する。
【0071】(1)ポリエステルの極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
【0072】(2)ポリエステルのジエチレングリコ−
ル含有量(以下[DEG含有量」という) メタノ−ルにより分解し、ガスクロマトグラフィ−によ
りDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合
(モル%)で表した。
【0073】(3)密度 硝酸カルシュウム/水混合溶液の密度勾配管で30℃で
測定した。
【0074】(4)ポリエステルの環状3量体の含有量 試料をヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォル
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈
する。これにメタノールを加えてポリマ−を沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテ
レフタレ−ト単位から構成される環状3量体を定量し
た。
【0075】(5)ポリエステルのファインの含有量測
定 試料約0.5kgをJIS−Z−8801による呼び寸
法1.7mmの金網を張った篩(直径30cm)の上に
乗せ、上から0.1%のカチオン系界面活性剤(アルキ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)水溶液を2L/
分の流量でシャワ−状にかけながら、全振幅幅約7c
m、60往復/1分で1分間篩った。この操作を繰り返
し、試料を合計10〜30kg篩った。篩い落とされた
ファインは界面活性剤水溶液と共に岩城硝子社製1G1
ガラスフィルタ−(細孔100〜120μm)で濾過し
て集め、イオン交換水で洗った。これをガラスフィルタ
−ごと乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤
量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を
繰り返し、恒量になったことを確認し、この重量からガ
ラスフィルタ−の重量を引き、ファイン重量を求めた。
ファイン含有量は、ファイン量/篩にかけた全試料量重
量、である。
【0076】(6)ポリエステルのアセトアルデヒド含
有量(以下「AA含有量」という) 試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラス
アンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出
処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感
度ガスクロマトグラフィ−で測定し、濃度をppmで表
示した。
【0077】(7)金型汚れの評価 ポリエステルを窒素ガスを用いた乾燥機で乾燥し、名機
製作所製M−150C(DM)射出成型機により樹脂温
度295℃でプリフォームを成形した。このプリフォー
ムの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化さ
せた後、コ−ポプラスト社製LB−01延伸ブロー成型
機を用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き約155℃
に設定した金型内で10秒間熱固定し、500ccの中
空成形容器を得た。同様の条件で連続的に延伸ブロー成
形し、目視で判断して容器の透明性が損なわれるまでの
成形回数で金型汚れを評価した。また、ヘイズ測定用試
料としては、5000回連続成形後の容器の胴部を供し
た。
【0078】(8)ヘイズ(霞度%) 上記(7)の中空成形容器の胴部(肉厚約0.4mm)
より試料を切り取り、東洋製作所製ヘイズメ−タ−で測
定。
【0079】(9)官能試験 上記(7)で得た中空容器に90℃の蒸留水を入れ密栓
後30分保持し、室温へ冷却し室温で1ヶ月間放置し、
開栓後風味、臭い等の試験を行った。比較用のブランク
として、蒸留水を使用。官能試験は10人のパネラーに
より次の基準により実施し、平均値で比較した。 (評価基準) 0:異味、臭いを感じない 1:ブランクとの差をわずかに感じる 2:ブランクとの差を感じる 3:ブランクとのかなりの差を感じる 4:ブランクとの非常に大きな差を感じる
【0080】(10)導入水中およびリサイクル水中の
粒子数の測定 粒子除去およびイオン交換済みの導入水、または濾過装
置(5)および吸着塔(8)で処理したリサイクル水を
光遮断法による粒子測定器である株式会社セイシン企業
製のPAC 150を用いて測定し、粒子数を個/10
mlで表示した。
【0081】(11)リサイクル水中のグリコ−ル含有
量(エチレングリコ−ルの場合は、以下「水中EG含
量」という) 前記のリサイクル水中のグリコ−ルを高感度ガスクロマ
トグラフ法で測定し、濃度をppmで表示した。
【0082】(12)リサイクル水中の芳香族ジカルボ
ン酸とグリコ−ルとからなるモノマ−含有量(PETの
場合は、水中 モノヒドロキシエチルテレフタレ−ト含
有量は「水中MHET含量」、水中ビスヒドロキシエチ
ルテレフタレ−ト含有量は「水中BHET含量」とい
う) 前記のリサイクル水を高速液体クロマトグラフ法で測定
し、濃度をppmで表示した。
【0083】(13)リサイクル水中のアセトアルデヒ
ド含有量(以下「水中AA含量」という) 前記のリサイクル水中のアセトアルデヒドを高感度ガス
クロマトグラフィーで測定し濃度をppmで表示した。
【0084】(14)導入水中のNa含有量、Ca含有
量、Mg含有量およびSi含有量 粒子除去およびイオン交換済みの導入水を採取し、岩城
硝子社製1G1ガラスフィルターで濾過後、濾液を島津
製作所製誘導結合プラズマ発光分析装置で測定。
【0085】(実施例1)処理槽上部の原料チップ供給
口(1)、処理槽の処理水上限レベルに位置するオーバ
ーフロー排出口(2)、処理槽下部のポリエステルチッ
プと処理水の混合物の排出口(3)、オーバーフロー排
出口から排出された処理水と、処理槽下部の排出口から
排出されたポリエステルチップの水切り装置(4)を経
由した処理水が、濾材が紙の連続式フィルターであるフ
ァイン濾過除去装置(5)および吸着塔(8)を経由し
て再び水処理槽へ送られる配管(6)、ISP社製のG
AFフィルターバッグPE−1P2S(ポリエステルフ
ェルト、濾過精度1μm)である水中の粒子除去装置と
イオン交換装置を経由した、系外からの新しいイオン交
換水をこの配管(6)の途中の導入口(9)に導入して
得た水の導入口(7)を備えた内容量50m3の塔型
の、図1に示す処理槽を使用してポリエチレンテレフタ
レート(以下、PETと略称)チップを連続的に水処理
した。なお、この装置において、水処理槽での水の蒸
発、水切り後のポリエステルチップへの付着、あるいは
水処理槽から再利用されるまでの工程での漏れ等以外で
積極的に系外に排水として水を廃棄することはなく処理
を行った。
【0086】極限粘度が0.74デシリットル/グラム
であり、DEG含有量が2.0モル%、密度が1.43
0グラム/cm3、環状3量体含量が0.30重量%で
あるPETチップを処理水温度95℃にコントロールさ
れた処理槽の上部の供給口(1)から連続投入し、水処
理時間5時間で水処理槽下部の排出口(3)からPET
チップを処理水と共に連続的に抜出しながら水処理を行
った。上記処理装置のイオン交換水導入口(9)の手前
で採取した導入水中のナトリウム含有量が0.02pp
m、マグネシウム含有量が0.01ppm、カルシウム
含有量が0.02ppm、珪素含有量が0.09ppm
であり、また濾過装置(5)および吸着塔(8)で処理
後のリサイクル水の粒径1〜40μmの粒子数は約20
000個/10ml、水中AA含有量は約0.5pp
m、水中EG含量は2.1ppm、水中BHET含量は
0.3ppm、及び水中MHET含量は0.7ppmで
あった。
【0087】定常状態において、導入口(7)を経由し
て水処理槽に供給される処理水の時間当たりの合計量に
対して、水処理槽から排出されたあと前記の処理を受け
て再び再利用される水(水温、約80℃)の時間当たり
の水量は約96%であり、新たに系外より導入されたイ
オン交換水(水温、約20℃)の時間当たりの水量は約
4%と非常に少量で済み、系外からの導入水のイオン交
換装置および粒子除去装置や水処理後の排水の処理装置
の投資額や運転費用も安価であった。
【0088】水処理されたPETのAA含有量は2.5
ppm、ファイン含有量は約3ppmで、(7)の方法
で得られたPET容器のヘイズは0.9%と良好であっ
た。また、金型汚れまでの成形回数は16000回と問
題がなかった。官能試験の結果は0.8と良好で、本発
明の製造方法によると内容物の味覚に影響を与えない中
空成形容器、フィルム、シート等用のPETチップを製
造可能であることが分かる。
【0089】(比較例1)実施例1で使用した処理設備
において、実施例1のPETを使用し、オ−バフロ−水
および水切り装置(4)から排出されチップと分離され
た水の全てを水処理槽に戻さずに廃棄し、実施例1の品
質の新しいイオン交換水を導入して実施例1と同じ温
度、時間で連続的に処理を行った。得られたPETの品
質およびPET容器の品質は、実施例1と同程度で問題
なかったが、水処理に使用される水が全量系外からの導
入水(水温、約20℃)のため、運転費用が非常に高く
なり商業生産は不可能であった。また、処理槽から排出
される排水の処理装置の投資見積り額も非常に高く非現
実的であった。
【0090】
【発明の効果】ポリエステルチップを処理槽中において
水処理槽より排出される処理水を繰返し水処理に再利用
しながら水処理するポリエステルの製造方法であって、
水処理槽のオ−バ−フロ−口から排出された処理水と処
理槽よりポリエステルチップと共に排出され、次いで該
チップから分離された処理水との実質的に全量を水処理
に再利用しても、成形体の透明性に優れ、成形体に異
味、異臭が発生しにくく、かつ成形時に金型汚れが発生
しにくいポリエステルの経済的に有利な、また環境への
悪影響が少ない製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリエステルの製造方法(水処理方
法)に用いられる装置の略図である。
【符号の説明】
1 原料チップ供給口 2 オーバーフロー排出口 3 ポリエステルチップと処理水との排出口 4 水切り装置 5 ファイン除去装置 6 配管 7 リサイクル水または/およびイオン交換水の導入
口 8 吸着塔 9 イオン交換水導入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 衛藤 嘉孝 滋賀県滋賀郡志賀町高城248番の20 Fターム(参考) 4F201 AA24 AC01 AM30 AR13 BA02 BC01 BC07 BC09 BC10 BL50 BQ04 BQ05 BQ21 BQ53 BQ60 4J029 AA01 AB04 BA03 CB06A KE02 KE03 KH05 KH08 LB05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルチップを処理槽中において
    水処理槽より排出される処理水を繰返し水処理に再利用
    しながら水処理するポリエステルの製造方法において、
    水処理槽のオ−バ−フロ−口から排出された処理水と処
    理槽よりポリエステルチップと共に排出され次いで該チ
    ップから分離された処理水の合計量の80%以上を水処
    理として再度処理槽に供給することを特徴とするポリエ
    ステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 水処理に再利用される水中に存在する粒
    径が1〜40μmの粒子を100000個/10ml以
    下に維持しながら処理槽から排出された処理水を水処理
    に再利用することを特徴とする請求項1に記載のポリエ
    ステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 水処理に再利用される水中に存在する該
    ポリエステルに由来するグリコ−ルの含有量および芳香
    族ジカルボン酸とグリコ−ルとからなるモノマ−の含有
    量をそれぞれ100ppm以下に維持しながら処理槽か
    ら排出された処理水を水処理に再利用することを特徴と
    する請求項1または2のいずれかに記載のポリエステル
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 系外より導入した新しい水を、水処理に
    再利用される水に混合して水処理に供することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステルチップを、処理槽に継続的
    に、または間欠的に供給することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリエステルチップの全量を処理槽に充
    填し、水処理終了後ポリエステルチップの全量を抜き出
    すことを特徴とする請求項1〜4記載のポリエステルの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 処理槽からの処理水の排出と、排出した
    処理水の処理槽への戻りが継続的、または間欠的である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリ
    エステルの製造方法。
  8. 【請求項8】 処理槽から排出された処理水を、濾過装
    置により濾過することにより水中の粒子を除去した後、
    水処理に再利用することを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】 処理槽から排出された処理水を、活性炭
    吸着方式の処理装置により吸着処理することにより水に
    溶解したグリコ−ル等の低分子化合物等を除去した後、
    水処理に再利用することを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれかに記載のポリエステルの製造方法。
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