JP2001247655A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2001247655A
JP2001247655A JP2000058408A JP2000058408A JP2001247655A JP 2001247655 A JP2001247655 A JP 2001247655A JP 2000058408 A JP2000058408 A JP 2000058408A JP 2000058408 A JP2000058408 A JP 2000058408A JP 2001247655 A JP2001247655 A JP 2001247655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
curing agent
curable resin
amine
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000058408A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Okudaira
浩之 奥平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2000058408A priority Critical patent/JP2001247655A/ja
Publication of JP2001247655A publication Critical patent/JP2001247655A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】可使時間が長く、硬化時間が短く、低温での硬
化が可能であり、深部硬化性に優れる硬化性樹脂組成物
の提供。 【解決手段】保存時にはアミン系潜在性硬化剤と水とを
非接触状態で保持し、使用に際してアミン系潜在性硬化
剤と水とを接触して、アミン系潜在性硬化剤を積極的に
加水分解して樹脂組成物を硬化する、エポキシ樹脂、ア
ミン系潜在性硬化剤および水を含むことを特徴とする硬
化性樹脂組成物。但し、エポキシ樹脂とアミン系潜在性
硬化剤とは、両者が混合されている一液型であってもよ
いし、別々に製造・販売・保存され、使用時に混合され
る二液型であってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂組成
物に関し、より詳しくは、可使時間が充分取れ、かつ、
硬化時間の短い硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、二液型エポキシ樹脂系接着剤等の
二液型樹脂組成物は、硬化時間と可使時間のバランスが
困難であった。即ち、樹脂組成物の硬化速度を早める
と、可使時間が非常に短くなってしまうことになる。一
方で、可使時間の長い樹脂組成物を使用すると、どうし
ても硬化時間が長くなってしまうという問題があった。
そこで、塗料といった厚い硬化膜厚をそれほど必要とし
ないものとしては、可使時間を長く取る手段として、一
部ケチミン化したジアミンを用いる手法が従来使用され
ている。しかし、従来使用されているケチミンを含有し
た樹脂組成物は、表面硬化速度が早いことから、表面硬
化膜内部にケチミンの加水分解に必要な水分を浸透させ
にくく、深部硬化性が非常に悪いという問題があった。
このため、例えば、接着剤やシーラントといったある程
度厚めの硬化膜厚を必要とする樹脂組成物には、ケチミ
ンはほとんど使われていなかった。このため、可使時間
が長く、かつ、硬化時間が短い硬化性樹脂組成物が求め
られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】表面硬化膜内部の硬化
反応を促進する湿気硬化型エポキシ樹脂組成物として、
例えば、特開平7−330873号明細書には、エポキ
シ樹脂にケチミン化合物を配合した湿気硬化型エポキシ
樹脂組成物に水和物を添加した組成物が開示されてい
る。これは加熱することにより水和物から水分を放出
し、この水分によって湿気硬化反応を促進するというも
のである。しかし、この組成物によると、水分を所定温
度で放出する水和物の製造という煩雑な工程が必要であ
り、水和物が水分を充分に放出する温度まで組成物を加
温する必要があるため、加温装置が必要となる、水和水
を放出した化合物が塗膜内に残留して不純物となる、貯
蔵安定性が悪い等の問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記課題を解決すること
にあり、安価かつ簡便に製造できる硬化性樹脂組成物で
あって、可使時間が長く、かつ、硬化時間が短く、低温
での硬化が可能であり、深部硬化性に優れる硬化性樹脂
組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、硬化剤と
して潜在性硬化剤を使用する硬化性樹脂組成物に、従
来、接着性を悪くするものとして敬遠されていた水自体
を意図的に添加したところ、意外にも、接着性を良好に
維持したまま、可使時間が長く、かつ硬化時間が短く、
硬化させるのに特に加温する必要のない硬化性樹脂組成
物を安価かつ簡便に得ることができることを知見し、本
発明に至った。
【0006】即ち、本発明の硬化性樹脂組成物は、エポ
キシ樹脂、アミン系潜在性硬化剤および水を含むことを
特徴とするものである。
【0007】また、本発明の硬化性樹脂組成物は、少な
くとも2つの成分に分かれており、使用時に各成分を混
合して使用する硬化性樹脂組成物であって、1の成分が
エポキシ樹脂および水を含有し、他の1の成分がアミン
系潜在性硬化剤を含有することを特徴とするものであっ
てもよい。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、少なく
とも2つの成分に分かれており、使用時に各成分を混合
して使用する硬化性樹脂組成物であって、1の成分がエ
ポキシ樹脂およびアミン系潜在性硬化剤を含有し、他の
1の成分が水を含有することを特徴とするものであって
もよい。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、少なくと
も3つの成分に分かれており、使用時に各成分を混合し
て使用する硬化性樹脂組成物であって、1の成分がエポ
キシ樹脂を含有し、他の1の成分がアミン系潜在性硬化
剤を含有し、さらにその他の1の成分が水を含有するこ
とを特徴とするものであってもよい。
【0008】また、前記硬化性樹脂組成物が、前記水
を、前記アミン系潜在性硬化剤の加水分解に必要な当量
の0.1倍以上含有することが好ましい。また、前記ア
ミン系潜在性硬化剤が、ケチミン及び/又はオキサゾリ
ジンであることが好ましい。また、前記ケチミンまたは
前記オキサゾリジンの原料が、下記式(1)で表される
カルボニル化合物であることが好ましい。
【化2】 ただし、R1 は、水素原子またはメチル基を表し、R2
は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R3 は、メチル
基またはエチル基を表し、R4 は、水素原子、メチル基
またはエチル基を表す。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の硬化性樹脂組成物につい
て、説明する。本発明の硬化性樹脂組成物では、保存時
にはアミン系潜在性硬化剤と水とを非接触状態で保持
し、使用に際してアミン系潜在性硬化剤と水とを接触し
て、アミン系潜在性硬化剤を積極的に加水分解して樹脂
組成物を硬化する方法が用いられる。エポキシ樹脂とア
ミン系潜在性硬化剤とは、両者が混合されている一液型
であってもよいし、別々に製造・販売・保存され、使用
時に混合される二液型であってもよい。本明細書におい
て、本発明の硬化性樹脂組成物が含有する水とは、エポ
キシ樹脂やその他の添加物等の中に不純物として含まれ
ている水や、アミン系潜在性硬化剤の加水分解を起こす
ように系外、特に大気中から取り入れられる水を指すの
ではなく、意図的に用いられる水のことをいうものとす
る。また、エポキシ樹脂が水性エマルジョン等である場
合の水は、アミン系潜在性硬化剤が存在すれば、本発明
の意図的に加える水と同様の方法で同様の機能を果た
し、同様の効果を生ずるので本発明の水に含まれる。
【0010】従来、アミン系潜在性硬化剤を用いるエポ
キシ樹脂組成物は多数知られている。しかし、アミン系
潜在性硬化剤と水とが存在するとアミン系潜在性硬化剤
が加水分解されて貯蔵安定性を損なうので、水分を極力
排除してきた。一方、エポキシ樹脂中に不純物として存
在する水も反応性の障害になるので、極力排除されてき
た。本発明ではこのような技術常識に反して、アミン系
潜在性硬化剤を用いるエポキシ樹脂組成物の硬化時に意
図的に水を加えることができる組成物を提供することが
特徴である。
【0011】本発明に用いられるエポキシ樹脂として
は、従来公知のものを特に制限なく使用することがで
き、例えば、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂及びその誘導体、グリセリンのグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂、ポリアルキレンオキサイドの
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ックのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸
のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビスフェノール
Fのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等のポリエーテ
ル構造を有し、分子内にエポキシ基を少なくとも2個有
するポリエポキシ化合物;ウレタン変性エポキシ化合物
等のグリシジルエステル型エポキシ化合物等のポリエス
テル構造を有するポリエポキシ化合物;主鎖が−(R−
X )−を繰り返し単位として含み分子末端にエポキシ
基を有する化合物で、前記Rが酸素原子を主鎖に含む、
あるいは含まない炭素数2〜8のアルキレン基、xが1
〜3であるポリスルフィド構造を有するポリエポキシ化
合物等を挙げることができる。必要により、フェノール
グリシジルエーテル等の単官能のエポキシ化合物を併用
してもよい。これらのうち、ビスフェノールAのグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂を汎用エポキシ樹脂として
好適に用いることができる。
【0012】本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化剤とし
てアミン系潜在性硬化剤を使用する。アミン系潜在性硬
化剤は、水による加水分解反応でアミノ基が再生される
までの間は硬化剤として機能しないため、後述するよう
に、空気中の水分や樹脂組成物に含有される水により、
アミン系潜在性硬化剤が加水分解され、アミノ基が再生
するまでの時間を樹脂組成物の可使時間として稼ぐこと
ができるとともに、アミノ基が再生した後は、硬化速度
の早い硬化剤として機能するため、硬化時間の短い樹脂
組成物とすることができる。
【0013】本発明で使用するアミン系潜在性硬化剤と
しては、加水分解反応によりアミノ基を生成し、エポキ
シ樹脂組成物の潜在性硬化剤として使用可能である従来
公知のすべての潜在性硬化剤を使用することができる。
例えば、ポリアミンとカルボニル化合物との反応物であ
るケチミン類、エナミン類;アミノアルコールとカルボ
ニル化合物との反応物であるオキサゾリジン類を挙げる
ことができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0014】本発明で使用されるアミン系潜在性硬化剤
としては、中でも、より硬化速度が早いという観点か
ら、ケチミン類、あるいはオキサゾリジン類を好ましく
挙げることができる。
【0015】潜在性硬化剤として使用されるケチミン類
としては、ポリアミンとカルボニル化合物との反応物で
あれば、特に制限なく使用することができる。ケチミン
類の合成に使用されるカルボニル化合物としては、特
に、エポキシ樹脂とケチミン類とが同一系内にある場合
は、その系に良好な貯蔵安定性を与え、かつ、可使時間
を長くできるので、他の硬化速度の早い硬化剤を併用す
る時に硬化速度の調整用として有効であるという観点か
ら、α位に置換基を有する立体障害の大きなカルボニル
化合物が好ましく挙げることができる。α位に置換基を
もつカルボニル化合物とは、カルボニル基から数えてα
位に置換基を有するカルボニル化合物のことである。こ
のようなカルボニル化合物としては、例えば、上記式
(1)で表される化合物を挙げることができる。ここ
で、R2 を表す炭素数1〜6のアルキル基としては、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。また、
2 とR3 とが結合し、シクロヘキシル環を形成しても
よい。上記カルボニル化合物としては、具体的にはメチ
ルイソプロピルケトン、メチルt−ブチルケトン、メチ
ルシクロヘキシルケトンを好ましく挙げることができ
る。
【0016】また、ケチミン類の合成に用いられるポリ
アミンとしては、特に限定はないが、硬化速度が速いと
いう点で脂肪族系ポリアミンが好ましい。例えば、2,
5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メン
センジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチル
プロピル)ピペラジン、分子両末端のプロピレン分岐炭
素にアミノ基が結合したポリプロピレングリコール(P
PG)(たとえばサンテクノケミカル社製ジェファーミ
ンD230、ジェファーミンD400など)、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキ
サメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプ
ロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビス
プロピルアミン、H2 N(CH2 CH 2 O)2 (C
2 2 NH2 (商品名サンテクノケミカル社製ジェフ
ァーミンEDR148)などのアミン窒素にメチレン基
が結合したポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジア
ミノ−2−メチルペンタン(商品名デュポン・ジャパン
社製MPMD)、メタキシリレンジアミン(MXD
A)、ポリアミドアミン(三和化学社製X2000)、
イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロ
ヘキサン(三菱ガス化学社製1,3BAC)、1−シク
ロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメ
チル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミ
ン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン(三井化学社
製NBDA)等を挙げることができる。これらの中で
も、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3
BAC)、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン(NB
DA)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ジェフ
ァーミンEDR148(商品名)、ポリアミドアミンが
好ましい。
【0017】好適に用いられるケチミン類としては、ケ
チミン類を使用することにより本発明の樹脂組成物の貯
蔵安定性および硬化性を高める観点から、メチルイソプ
ロピルケトン(MIPK)またはメチルt−ブチルケト
ン(MTBK)と、ジェファーミンEDR148(商品
名:ポリエーテル骨格のジメチレンアミン)とから得ら
れるもの、MIPKまたはMTBKと、1,3−ビスア
ミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)とから得ら
れるもの、MIPKまたはMTBKと、ノルボルナン骨
格のジメチレンアミン(商品名:NBDA)とから得ら
れるもの、MIPKまたはMTBKと、メタキシリレン
ジアミン(MXDA)とから得られるもの、MIPKま
たはMTBKと、ポリアミドアミン(商品名:X200
0)とから得られるものなどを挙げることができる。こ
れらの中でも、特にMIPKまたはMTBKと、NBD
Aとから得られるもの、MIPKと1,3BACとから
得られるものは、優れた硬化性を発現する。またMIP
KまたはMTBKと、X2000とから得られるもの
は、湿潤面に対し優れた接着性を発現する。
【0018】上述のケチミン類は、上記カルボニル化合
物とポリアミンを無溶媒下、あるいはベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の溶媒存在下で加熱還流させ、脱離して
くる水を共沸により除きながら反応させることにより得
られる。
【0019】潜在性硬化剤として使用されるオキサゾリ
ジン類としては、アミノアルコールとカルボニル化合物
との反応物であれば、特に制限なく使用することができ
る。オキサゾリジン類の合成に使用されるカルボニル化
合物としては、特に、エポキシ樹脂とオキサゾリジン類
とが同一系内にある場合、その系に良好な貯蔵安定性を
与える、可使時間を長くできるので、他の硬化速度の早
い硬化剤を併用する時に硬化速度の調整用として有効で
あるという観点から、上述したケチミン類の合成に好適
に使用されるカルボニル化合物を挙げることができる。
【0020】また、オキサゾリジン類の合成に用いられ
るアミノアルコールとしては、特に限定はないが、N−
メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミ
ン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノ
ールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、2−ヒ
ドロキシエチルアミン,1−アミノ−2−プロパノー
ル、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−ヒドロ
キシプロピル)アミン、ビス−N−(2−ヒドロキシエ
チル)アミン、N−(2−アミノエチル)エタノールア
ミン、N−(2−アミノエチル)イソプロパノールアミ
ン等を好ましく挙げることができ、N−メチルエタノー
ルアミン、N−エチルエタノールアミン、ビス−N−2
−ヒドロキシエチルアミン等が硬化速度および価格の面
から好適である。
【0021】好適に用いられるオキサゾリジン類として
は、オキサゾリジン類を使用することにより本発明の樹
脂組成物の貯蔵安定性および硬化性を高める観点から、
MIPKまたはMTBKと、N−メチルエタノールアミ
ンまたはN−エチルエタノールアミンとから得られるも
のを挙げることができる。
【0022】オキサゾリジン類は、カルボニル化合物と
アミノアルコールを無溶媒下、あるいはベンゼン、トル
エン、キシレン等の溶媒存在下で加熱還流させ、脱離し
てくる水を共沸により除きながら反応させることにより
得られる。
【0023】本発明において、アミン系潜在性硬化剤の
含有量は、エポキシ基/加水分解により再生するアミノ
基の当量比が0.1〜50であることが好ましく、0.
5〜10であることがより好ましい。この範囲であれ
ば、硬化性が良好であり、また、エポキシ樹脂とアミン
系潜在性硬化剤とが同一系内にある場合、特に、エポキ
シ樹脂と、ケチミン類および/またはオキサゾリジン類
とが同一系内にある場合に、その系の貯蔵安定性が良好
となるからである。
【0024】本発明の硬化性樹脂組成物は、水を含有す
る。本発明において、この水により、硬化剤として使用
されるアミン系潜在性硬化剤は加水分解されてアミノ基
を再生する。この加水分解が起こるまでは硬化反応は進
行しないため、充分な可使時間を取ることができる。加
水分解が起こると、それにより生成するアミノ基は反応
性が高いため、これにより、樹脂組成物の硬化が迅速に
進むことになる。このため、本発明の樹脂組成物は、塗
布後に、表面に硬い硬化膜ができる場合でも、硬化膜内
部に含有される水により、硬化膜内部におけるアミン系
潜在性硬化剤の加水分解反応が可能となり、深部硬化性
に優れたものとなる。また、本発明の組成物は水自体を
添加するため、樹脂組成物を硬化させるに際して特に加
温する必要もなく、また、水は非常に安価で添加工程も
簡易なので硬化性樹脂組成物を安価なものとすることが
できる。本発明において、長期貯蔵安定性を確保するた
め、使用するに際して、水とアミン系潜在性硬化剤とを
混合するようにさえすればよい。本発明の樹脂組成物が
一液型の場合は、使用するに際して水を混合し、二液型
の場合は、予め主剤(アミン系潜在性硬化剤の存在しな
い)に水を含有させても良く、また、使用するに際し
て、主剤と硬化剤とを混合する際に、あるいは主剤と硬
化剤とを混合した後に、水を添加してもよい。なお、こ
れらの混合方法については、後述する。
【0025】本発明で、樹脂組成物の良好な深部硬化性
を確保するという観点から、水の含有量(意図的な添加
量)は、アミン系潜在性硬化剤の加水分解に必要な当量
の0.1倍以上であることが好ましく、さらに好ましく
は0.1倍〜500倍であり、最も好ましくは0.5倍
〜100倍である。
【0026】本発明の硬化性樹脂組成物は、上記成分の
他に、他の公知の添加剤を含めることができる。添加剤
は、本発明の樹脂組成物が2液型の場合は、それぞれ主
剤側に含有しても、硬化剤側に含有してもよい。また水
側に含有させもよい。任意成分としては、例えば、充填
剤、可塑剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老
化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付
与剤、分散剤、溶剤等を配合することができる。
【0027】充填剤としては、各種形状のものを使用す
ることができ、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリ
カ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう
土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸
化マグレシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレ
ー;カーボンブラックなどの有機または無機充填剤が挙
げられ、またこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル
処理物等が挙げられる。
【0028】可塑剤としては、ジオクチルフタレート(D
OP) 、ジブチルフタレート(DBP) ;アジピン酸ジオクチ
ル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベン
ゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸
ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレ
ジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリ
コールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポ
リエステル等が挙げられる。
【0029】チクソトロピー性付与剤としては、例え
ば、エアロジル(日本エアロジル(株)製)、ディスパ
ロン(楠本化成(株)製)、炭酸カルシウム、テフロン
等を、また帯電防止剤としては、一般的に、第4級アン
モニウム塩、あるいはポリグリコールやエチレンオキサ
イド誘導体などの親水性化合物を挙げることができる。
【0030】顔料としては、無機顔料と有機顔料とがあ
り、無機顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、群
青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバル
ト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等を挙げることがで
きる。有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン
顔料等を挙げることができる。
【0031】老化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系等の化合物が挙げられる。酸化防止剤としては、ブ
チルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシ
アニソール(BHA)等を挙げることができる。難燃剤
としては、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メ
チルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポ
リホスフェート、ネンペンチルブロマイド−ポリエーテ
ル、臭素化ポリエーテル等を挙げることができる。接着
付与剤としては、テレペン樹脂、フェノール樹脂、テル
ペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等を
挙げることができる。
【0032】分散剤としては、水の分散を良くするため
に、アルキルアリールエーテル型、アルキルエーテル
型、アルキルエステル型、アルキルアミン型、ソルビタ
ン誘導体、多環フェニルエーテル型、非イオン型、スル
ホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型、ベタイ
ン型等の界面活性剤を挙げることができる。具体的に
は、日本乳化剤社のニューコールシリーズ、パラコール
シリーズ、ディスロールシリーズ等を挙げることができ
る。
【0033】本発明の硬化性樹脂組成物は、一液型の場
合は、容器中で主剤、潜在性硬化剤と各種任意成分と
を、減圧下で混合ミキサー等の攪拌装置を用いて充分混
練し、均一に分散させて保存しておき、使用時に、この
混合物に水を入れ、常温常圧下で混合ミキサー等の攪拌
装置等を用いて、均一に分散するように混合させればよ
い。また、本発明の硬化性樹脂組成物が、二液型の場合
は、主剤および硬化剤をそれぞれ別々の容器中で、必要
に応じて適宜添加剤を加えて、常圧下または減圧下で混
合ミキサー等の攪拌装置を用いて充分混練し、均一に分
散させて保存しておき、使用時に混合して使用すればよ
い。この場合、水は主剤側に含ませて、上記と同様の方
法で均一に分散させてもよく、また、使用時に主剤およ
び硬化剤を混合する際に、または混合した後に含ませ
て、均一に分散させてもよい。
【0034】本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化剤とし
て潜在性硬化剤を使用しているため、可使時間を長く取
ることができ、かつ、潜在性硬化剤としてアミン系の潜
在性硬化剤を使用しているため、硬化時間を短くするこ
とができる。また、本発明の樹脂組成物は、水を含有す
るため、上述したように深部硬化性がよく、特に加熱を
することなく硬化させることができる。硬化時間をさら
に短くするという観点から、加熱硬化させてもよい。ま
た、本発明の硬化性樹脂組成物は、水自体を含有してい
るため、安価かつ簡便に硬化性樹脂組成物を製造するこ
とが可能である。本発明の硬化性樹脂組成物は、以上か
ら、接着剤、シーラント、塗料、コーティング剤等に最
適に使用することができる。
【0035】
【実施例】<硬化性樹脂組成物の調製>以下に示される
原料を第1表に示される量用いて、主剤と硬化剤とをそ
れぞれ調整し、別々の容器中に保存した。 ポリアミドアミン1:サンマイド328A(三和化学工
業社製) ポリアミドアミン2:サンマイド335E(三和化学工
業社製) ジアミン:NBDA(三井化学社製) ケチミン1:H−3(油化シェル社製) ケチミン2:NBDA(三井化学社製)とメチルイソプ
ロピルケトン(MIPK)から合成 オキサゾリジン:N−メチルエタノールアミンとMIP
Kから合成 なお、実施例1〜5において、分散剤不存在下で、主剤
中の水を充分に分散させた状態とすることができた。
【0036】
【表1】
【0037】<可使時間と硬化時間>このようにして調
整した主剤および硬化剤を混合し均一に分散させた。こ
の混合後の各硬化性樹脂組成物の温度25℃における可
使時間を測定し、測定結果を第2表に示した。また、各
硬化性樹脂組成物を25℃下で、モルタルに塗布し、硬
化時間を測定し、深部硬化性を評価した。深部硬化性
は、塗布してから5日後の塗布表面から5mm下の硬化
状態を評価することにより行い、良好に硬化しているも
のを○、未硬化のものを×とした。測定結果および評価
結果を第2表に示す。
【0038】
【表2】
【0039】第2表に示すように、可使時間に関して
は、潜在性硬化剤を使用していない比較例1〜3はいず
れも1時間以内と短く、使用するのが困難である一方、
本実施例はすべて可使時間が3時間以上と充分に長いこ
とがわかる。また、硬化時間については、硬化剤として
潜在性硬化剤を使用しているが、樹脂組成物に水を含ん
でいない比較例4〜5と比較して、本実施例はすべて、
硬化時間が短いことがわかる。例えば、実施例2〜3と
比較例4、実施例5と比較例5のように、同じ潜在性硬
化剤を使用しているもの同士を比べても、硬化時間が非
常に短くなっていることがわかる。また、深部硬化性に
関しても、同様に、本実施例はすべて良好な深部硬化性
を呈しており、特に、実施例2〜3と比較例4、実施例
5と比較例5のように、同じ潜在性硬化剤を使用してい
るもの同士を比較すると、樹脂組成物に水を含む本実施
例は、深部硬化性にも全く問題がないことがわかる。
【0040】以上、本発明の硬化性樹脂組成物について
説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明
の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変
更を行ってもよいのはもちろんである。
【0041】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物によれば、可
使時間を充分に取ることができ、かつ硬化時間を短くす
ることができ、硬化するに際し、特に加熱する必要がな
く、また、深部硬化性に優れているため、所望の膜厚を
得ることができる。このような硬化性樹脂組成物は、安
価に、かつ簡便に製造することが可能であり、接着剤、
シーラント、塗料等に好適に使用することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂、アミン系潜在性硬化剤およ
    び水を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】少なくとも2つの成分に分かれており、使
    用時に各成分を混合して使用する硬化性樹脂組成物であ
    って、1の成分がエポキシ樹脂および水を含有し、他の
    1の成分がアミン系潜在性硬化剤を含有することを特徴
    とする硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】少なくとも2つの成分に分かれており、使
    用時に各成分を混合して使用する硬化性樹脂組成物であ
    って、1の成分がエポキシ樹脂およびアミン系潜在性硬
    化剤を含有し、他の1の成分が水を含有することを特徴
    とする硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】少なくとも3つの成分に分かれており、使
    用時に各成分を混合して使用する硬化性樹脂組成物であ
    って、1の成分がエポキシ樹脂を含有し、他の1の成分
    がアミン系潜在性硬化剤を含有し、さらにその他の1の
    成分が水を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】前記硬化性樹脂組成物が、前記水を、前記
    アミン系潜在性硬化剤の加水分解に必要な当量の0.1
    倍以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記アミン系潜在性硬化剤が、ケチミン及
    び/又はオキサゾリジンであることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記ケチミンまたは前記オキサゾリジンの
    原料が、下記式(1)で表されるカルボニル化合物であ
    ることを特徴とする請求項6に記載の硬化性樹脂組成
    物。 【化1】 1 は、水素原子またはメチル基を表し、 R2 は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、 R3 は、メチル基またはエチル基を表し、R4 は、水素
    原子、メチル基またはエチル基を表す。
JP2000058408A 2000-03-03 2000-03-03 硬化性樹脂組成物 Withdrawn JP2001247655A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000058408A JP2001247655A (ja) 2000-03-03 2000-03-03 硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000058408A JP2001247655A (ja) 2000-03-03 2000-03-03 硬化性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001247655A true JP2001247655A (ja) 2001-09-11

Family

ID=18579005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000058408A Withdrawn JP2001247655A (ja) 2000-03-03 2000-03-03 硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001247655A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20120136305A (ko) * 2011-06-08 2012-12-18 시카 테크놀러지 아게 접착제 및 밀봉제, 및 결합제를 포함하는 접착제 시스템
KR20140033074A (ko) * 2011-06-08 2014-03-17 시카 테크놀러지 아게 에폭시수지를 기반으로 하는 수성 접착 촉진제 조성물
US11613656B2 (en) * 2015-12-09 2023-03-28 Wisespray International Ltd Method for preventing hardener compounds to be formed from hardener precursors in an aerosol formulation and a two-component aerosol formulation

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20120136305A (ko) * 2011-06-08 2012-12-18 시카 테크놀러지 아게 접착제 및 밀봉제, 및 결합제를 포함하는 접착제 시스템
KR20140033074A (ko) * 2011-06-08 2014-03-17 시카 테크놀러지 아게 에폭시수지를 기반으로 하는 수성 접착 촉진제 조성물
JP2014517117A (ja) * 2011-06-08 2014-07-17 ジーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト エポキシ樹脂をベースとする水性接着促進剤組成物
KR101939422B1 (ko) * 2011-06-08 2019-01-16 시카 테크놀러지 아게 에폭시수지를 기반으로 하는 수성 접착 촉진제 조성물
KR101982881B1 (ko) * 2011-06-08 2019-05-27 시카 테크놀러지 아게 접착제 및 밀봉제, 및 결합제를 포함하는 접착제 시스템
US11613656B2 (en) * 2015-12-09 2023-03-28 Wisespray International Ltd Method for preventing hardener compounds to be formed from hardener precursors in an aerosol formulation and a two-component aerosol formulation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970002521B1 (ko) 수(水)-분산성 폴리아민-에폭시 첨가생성물 및 에폭시 코우팅 조성물
GB2052513A (en) Storage table homogeneous mixture containing epoxide resin curing agent and curing accelerator and the use of the mixture for producing cured products
EP0890594B1 (en) One-pack cold moisture curable resin compositions
JP2015514824A (ja) 水媒性エポキシ樹脂分散物およびエポキシ硬化剤組成物
US6794479B2 (en) Composition of polyepoxide and oxazolidine latent curing agent
EP0238058A2 (en) Sag resistant two-component epoxy structural adhesive
JP2001247655A (ja) 硬化性樹脂組成物
CA2192639A1 (en) Mannich base curing agents
JPH05132541A (ja) 一液可撓性エポキシ樹脂組成物
US3718618A (en) Epoxy resin compositions containing a partial acid-addition salt of aromatic polyamine and water soluable amine
JP3973266B2 (ja) 湿気硬化型1液エポキシ樹脂接着剤組成物
JP3954202B2 (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物
JP4036971B2 (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物
JP4043608B2 (ja) 一液エポキシ樹脂接着剤組成物
JP3404390B2 (ja) 一液湿気硬化型エポキシ樹脂組成物
JP4171160B2 (ja) 速硬化1液樹脂組成物
JP2000169673A (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物および一液型防食塗料組成物
JP2002179766A (ja) 一液湿気硬化型エポキシ樹脂組成物
JP4373603B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2001261661A (ja) 新規潜在性硬化剤及びそれを含有する硬化性樹脂組成物
JP2003147167A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP3911093B2 (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物
JPH0778111B2 (ja) 一液系可撓性エポキシ樹脂組成物
JP2001192374A (ja) 新規潜在性硬化剤及びそれを含有する硬化性樹脂組成物
JP2003213200A (ja) 塗料用樹脂及びこれを用いた塗料

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605