JP2001246584A - 脚式移動ロボット - Google Patents

脚式移動ロボット

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JP2001246584A
JP2001246584A JP2000054544A JP2000054544A JP2001246584A JP 2001246584 A JP2001246584 A JP 2001246584A JP 2000054544 A JP2000054544 A JP 2000054544A JP 2000054544 A JP2000054544 A JP 2000054544A JP 2001246584 A JP2001246584 A JP 2001246584A
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leg
joint
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robot
legged
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JP2000054544A
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Takashi Yamamoto
隆司 山本
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動脚が前脚と後脚に区分される脚式移動ロ
ボットを提供する。 【解決手段】 自然界のすべての動物は前後で脚構造が
相違する。これは、動物の動作が前後方向を基調とし、
脚の機構を用いた運動が前後での対称性を持たないよう
にしなければならないからである。そこで、本発明で
は、イヌやネコなどの実在する動物のメカニズムを参考
にして、走行など所望の重要な動作を実現するために、
脚構造を前後で相違するようにした4脚の脚式ロボット
を採用した。この結果、同一構造の脚ユニットのみから
なるロボット装置では充分に満足できないような運動制
御の機能を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも胴体ユ
ニットと2以上の可動脚ユニットとを備え可動脚による
移動作業が可能な脚式移動ロボットに係り、特に、可動
脚が前脚と後脚に区分されるタイプの脚式移動ロボット
に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、歩行やその他の
動作パターンを実現する際に前脚と後脚に位置付けられ
る各可動脚の機能又は役割が相違するタイプの脚式移動
ロボットに係り、特に、動作パターン実現時における機
能や役割の相違に従い前脚と後脚とで構造が異なる脚式
移動ロボットに関する。
【0003】
【従来の技術】電気的若しくは磁気的な作用を用いて人
間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボッ
ト」という。ロボットの語源は、スラブ語のROBOT
A(奴隷機械)に由来すると言われている。わが国では、
ロボットが普及し始めたのは1960年代末からである
が、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人
化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなど
の産業用ロボット(industrial robot)であった。
【0004】最近では、イヌやネコのように4足歩行の
動物の身体メカニズムやその動作を模したペット型ロボ
ット、あるいは、ヒトやサルなどの2足直立歩行を行う
動物の身体メカニズムや動作を模した「人間形」若しく
は「人間型」のロボットなど、脚式移動ロボットやその
安定歩行制御に関する研究開発が進展し、実用化への期
待も高まってきている。これら脚式移動ロボットは、ク
ローラ式やタイヤ式のロボットに比し不安定で姿勢制御
や歩行制御が難しくなるが、階段の昇降や障害物の乗り
越え等、柔軟な歩行・走行動作を実現できるという点で
優れている。
【0005】アーム式ロボットのように、ある特定の場
所に植設して用いるような据置きタイプのロボットは、
部品の組立・選別作業など固定的・局所的な作業空間で
のみ活動する。これに対し、移動式のロボットは、作業
空間は非限定的であり、所定の経路上または無経路上を
自在に移動して、所定の若しくは任意の人的作業を代行
したり、ヒトやイヌあるいはその他の生命体に置き換わ
る種々のサービスを提供することができる。
【0006】脚式移動ロボットは、産業活動・生産活動
等における各種作業の代行に適用することができる。例
えば、原子力発電プラントや火力発電プラント、石油化
学プラントにおけるメンテナンス作業、製造工場におけ
る部品の搬送・組立作業、高層ビルにおける清掃、火災
現場その他における救助といったような、人間が容易に
踏み込むことができない現場での危険作業・難作業の代
行である。
【0007】また、脚式移動ロボットの他の用途とし
て、生活密着型、すなわち人間との「共生」という用途
が挙げられる。例えば、イヌやネコなどの愛玩動物を模
したエンターティンメント向けの脚式ロボットは、生体
に近い動作メカニズムを備えることによって、ユーザは
ロボットに親しみや愛着・愛情を感じながら接すること
ができる。
【0008】ペット型ロボットは、実際の動物を扱うよ
りも手軽であるだけでなく、従来の玩具に比し、高機能
・高付加価値を有する。
【0009】従来の玩具機械は、ユーザ操作と応答動作
との関係が固定的であり、玩具の動作をユーザの好みに
合わせて変更することはできない。この結果、ユーザは
同じ動作しか繰り返さない玩具をやがては飽きてしまう
ことになる。これに対し、ペット型ロボットは、動作生
成の時系列モデルに従って動作を実行するが、ユーザ操
作などの外部からの刺激を検出したことに応答してこの
時系列モデルを変更する、すなわち「学習効果」を付与
することによって、ユーザにとって飽きない又は好みに
適応した動作パターンを提供することができる。
【0010】この種のペット型ロボットは、飼い主とし
てのユーザによる「褒める」、「遊んであげる(可愛が
る)」、「撫でる」、あるいは「叱る」、「叩く」など
のユーザ入力に対して動的に反応して、「喜ぶ」、「甘
える」、「すねる」、「叱る」、「吠える」、「尻尾を
振る」などの感情的動作を実行するようにプログラムす
ることによって、育成シミュレーションを享受すること
ができる。ペット型ロボットは、一般家庭内の部屋など
を作業空間として、2足又は4足歩行により、障害物を
好適に乗り越えたり迂回しながら、無経路上を自由且つ
自動的に自律的に探索する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ヒトやサルのような2
足直立歩行の動物の場合、左右の脚が交互に遊脚及び立
脚となる動作を繰り返すことで、前進歩行など各種の脚
式動作パターンを実現することができる。このような場
合、両足は、左右対称である以外は、基本的には機能や
役割はほとんど同じである。したがって、ヒトやサルを
モデルにした2足直立歩行タイプのロボットの場合、左
右の可動脚は、左右対称であることを除いては、機能や
構造、駆動力などの仕様が同じとなるように設計・製作
すればよい。
【0012】これに対し、イヌやネコのような4足歩行
の動物の場合、前脚と後脚とでは基本的に機能や構造が
相違する。特に、走行や躍動などの比較的動きが激しく
且つ駆動力を要する動作を行うような場合には、必要と
される特性が前脚と後脚とでは大きく異なる。
【0013】例えば、ネコの「ギャロップ」や、イヌの
「バウンズ」などの高速な脚式動作においては、前脚
は、基本的には着地の際における「スタビライザ」や
「ショック・アブゾルバ」として機能している。これに
対し、後脚は、高速な脚式動作時において、「躍動」を
主な機能としている。
【0014】図1には、ネコがギャロップするときの一
連の動作を図解している(http://runbot_www.ctrl.tit
ech.ac.jp/animal/neko.jpeg)。同図を参照しても判る
ように、左右の前脚は、着地位置や着地のタイミングを
決めたり、さらには、着地位置や着地タイミングに基づ
いて運動モーメントの調整を行うような機能・役割を備
えている。
【0015】他方、後脚は、左右の脚がほぼ同時に蹴り
だしを行うことによって、高い推進力を得るようにして
いる。言い換えれば、後脚は、前脚に比し、大きなトル
クが要求される。
【0016】また、図2には、実際のネコの骨格を図解
している(http://runbot_www.ctrl.titech.ac.jp/anim
al/neko.jpeg)。同図を参照しても判るように、前脚と
後脚とでは、リンクの長さや関節の方向などは大いに相
違する。
【0017】以上を総括すれば、ネコやイヌなどの現実
の生体においては、前後の脚は、機能や役割、構造上ま
ったく異なる。したがって、前後脚の機能や役割の相違
を考慮するならば、これら4足動物をモデルにした脚式
移動ロボットにおいては、脚構造が前後で異なった4脚
を設計・製作することが好ましいと言えよう。
【0018】ところが、これまで研究・開発されてきた
4脚式ロボット装置の多くは、設計効率やコスト面など
の理由により、同一構造を持つ脚ユニットを前後すべて
の脚としてそのまま利用していた。
【0019】後脚に求められる大トルクのアクチュエー
タを、蹴り上げ動作を行わない前脚にもそのまま搭載す
ると、オーバー・スペックとなるのみならず、ロボット
装置全体の重量や消費電力を徒に増大させてしまうこと
になる。また、大トルクのアクチュエータを装備するこ
とと、スタビライジングヤショック・アブソルビングな
どの機能を実現することとは一致しないので、設計上の
無駄が生ずることになる。また、前後すべての脚に対し
てすべての機能を満足させようとすると、冗長な仕様を
持つ脚になってしまう。
【0020】ロボットの前後の脚が同一構造であると、
特に走行時など急激な動作を実現する際には、機能的と
は言い難い。
【0021】本発明は、上記のような技術的課題を勘案
したものであり、その目的は、可動脚が前脚と後脚とに
区分されるタイプの優れた脚式ロボットを提供すること
にある。
【0022】本発明の更なる目的は、歩行やその他の動
作パターンを実現する際に前脚と後脚に位置付けられる
各可動脚の機能又は役割が相違するタイプの、優れた脚
式ロボットを提供することにある。
【0023】本発明の更なる目的は、動作パターン実現
時における機能や役割の相違に応じて前脚と後脚とで構
造や仕様が異なる、優れた脚式ロボットを提供すること
にある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を参
酌してなされたものであり、少なくとも前後方向に脚式
移動可能なタイプの脚式移動ロボットであって、胴体ユ
ニットと、前記胴体ユニットの略前方に取り付けられ
た、路面着床時における衝撃吸収機能部及び/又は高速
応答機能部を含む1以上の第1の可動脚ユニットと、前
記胴体ユニットの略後方に取り付けられた、前記第1の
可動脚ユニットよりも大きな駆動力を有する1以上の第
2の可動脚ユニットと、を具備することを特徴とする脚
式移動ロボットである。
【0025】前記第1の可動脚ユニットは、例えば、少
なくとも1つの能動関節と少なくとも1つの受動関節と
で構成することができる。このような場合、前記受動関
節は、ばね要素及び/又はダンパ要素で構成することが
でき、脚式移動ロボットが前脚としての第1の可動脚ユ
ニットで着地するときには衝撃吸収機能部として作用す
ることができる。
【0026】あるいは、前記第1の可動脚ユニットは、
少なくとも1つの能動関節と、該能動関節に印加される
力、角度、速度のうち少なくとも1つを検出する検出手
段と、 該検出手段による検出出力に基づいて該能動関
節をインピーダンス制御する制御手段とで構成すること
ができる。このような場合、脚式移動ロボットが前脚と
しての第1の可動脚ユニットで着地するときにおいて、
該能動関節は衝撃吸収機能部として作用することができ
る。
【0027】あるいは、前記第1の可動脚ユニットは、
少なくとも1つの関節と、前記胴体ユニットに搭載され
た該関節を駆動するための駆動手段と、該駆動手段によ
る駆動力を該関節に伝達する伝達手段とで構成すること
ができる。このような場合、脚の回転モーメントの影響
を抑制することができるので、前脚としての第1の可動
脚ユニットは応答性が高まる。この結果、脚式移動ロボ
ットが第1の可動脚ユニットで着地するときにおいて、
俊敏なスタビライズ効果を実現することができる。
【0028】また、前記第2の可動脚ユニットは、少な
くとも1つの関節と、該関節に印加される動力を蓄積す
る動力蓄積手段とで構成することができる。動力蓄積手
段は、例えば、ばね(ゼンマイなど)やフライホイール
などで構成される。このような場合、動力蓄積手段にあ
らかじめ動力を蓄積しておくことができるとともに、蓄
積されたエネルギを運動エネルギに変換して瞬時に放出
することによって、後脚としての第2の可動脚ユニット
に強力な躍動力を与えることができる。
【0029】
【作用】従来研究開発されてきた4脚式ロボット装置の
多くは、設計効率やコスト面などの理由から、同一構造
の脚ユニットをそのまま各脚部に適用していた。しかし
ながら、ロボット装置が動的な運動、とりわけ走行など
のような脚に求められる機能や特性が前後において大い
に相違するような動作パターンを実現する上では、同一
構造の脚ユニットを利用することは、必ずしも機能的で
はなかった。
【0030】また、同一の脚ユニットで前後双方の脚の
機能を満足しようとすれば、前後の各脚において冗長な
機能を持つか、又は、機能の実現をある程度見切りを付
けなければならず、合理的ではなかった。
【0031】他方、自然界においては、すべての動物の
脚構造は、一般に、前後で相違するものである。これ
は、動物の動作が前後方向を基調としており、その脚の
機構を用いて行う運動が前後での対称性を持たないよう
にすべき、という理由にも依拠する。
【0032】そこで、本発明では、イヌやネコなどの実
在する動物のメカニズムを参考にして、走行など所望の
重要な動作を実現するために、脚構造を前後で相違する
ようにした4脚の脚式ロボットを採用した。
【0033】本発明によれば、従来の同一構造の脚ユニ
ットのみからなるロボット装置では充分に満足できない
ような運動制御の機能を実現することができる。
【0034】機能の違いを考慮して前後の脚を別の構造
とすることは、設計工数の面などでデメリットがあるこ
とは否めないが、自然界における4脚動物に近い走行運
動を実現する上で良好な機械装置となることは間違いな
い。
【0035】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳
細な説明によって明らかになるであろう。
【0036】
【発明の実施の形態】自然界においては、一部の特異な
例を除けば、すべての動物は左右対称の構造体として構
成される。これは、動物の動きが前後方向を基調として
おり、左右対称的な形状及び構造の方が機能的に優位で
あるということにも依拠する。
【0037】そこで、後述する本発明の実施例において
も、基本的にはロボット装置は左右対称的に構成されて
いるものとして説明する。また、図面上において左右い
ずれかの側面しか表示しない場合には、特に言及しない
限り、他方の側面は対称的な構造を持つものと理解され
たい。
【0038】1.前脚 図1に示すようなギャロップ運動を実行する場合、4脚
ロボット装置の前脚では、着地時の「ショック・アブソ
ーブ」と「スタビライズ」が特に重要な機能となる。す
なわち、着地という一種の衝突運動に対する衝撃吸収機
能と、俊敏なスタビライズのための高速応答性が要求さ
れる。前脚の構造として要求される主な仕様を以下に列
挙しておく。
【0039】
【数1】衝突運動に対する衝撃吸収機能 (1)ばね構造及びダンパ構造を備えた脚構造。受動関
節など。 (2)インピーダンス制御を行うことができるアクチュ
エータとセンサ機能とを搭載した脚構造。
【0040】
【数2】高速応答性 (1)アクチュエータを胴体ユニット側に内蔵し、ワイ
ヤなどの伝達機構を用いて関節を遠隔的に駆動すること
で、脚部ユニットにおける回転モーメントを抑制する。 (2)応答性のよいアクチュエータ(減速機構を含む)
を持つ脚構造
【0041】図3には、4脚ロボット装置1における前
脚構造の一例を図解している。但し、図面の錯綜を防止
するために、後脚ユニットやその他の部材の図示を省略
している。
【0042】同図に示すように、前脚ユニット10は、
肩関節11と、大腿フレーム12と、膝関節13と、下
腿フレーム14と、足首関節15と、足平16とで構成
される。各関節11,13,15は、ロボット装置1の
円滑な前後方向の動作を実現するために、少なくともピ
ッチ軸まわりの関節自由度を備えていることが好まし
い。
【0043】この例では、肩関節11及び膝関節13
は、能動関節であり、関節に連結されたアクチュエータ
によって直接的に駆動することができる。
【0044】これに対し、足首関節15は、自ら駆動す
るアクチュエータを含まない受動関節であり、例えば、
ばね要素やダンパ要素で構成される。足首関節15は、
ロボット装置1の走行や、前脚の遊脚期間を含むその他
の動作パターン実行時には、前脚が着床するときの衝撃
吸収効果を実現することができる。
【0045】図4には、受動関節15の構成例を模式的
に図解している。ばね要素15Aのばね定数やダンパ要
素15Bのダンパ定数を調整することで、受動関節とし
ての足首関節15に対して適切なコンプライアンスを与
えることができる。
【0046】図5には、4脚ロボット装置1における前
脚構造の他の例を図解している。但し、図面の錯綜を防
止するために、後脚ユニットやその他の部材の図示を省
略している。
【0047】同図に示すように、前脚ユニット10−2
は、肩関節11と、大腿フレーム12と、膝関節13
と、下腿フレーム14と、足首関節15と、足平16と
で構成される。各関節11,13,15は、ロボット装
置1の円滑な前後方向の動作を実現するために、少なく
ともピッチ軸まわりの関節自由度を備えていることが好
ましい。
【0048】肩関節11及び膝関節13は、能動関節で
あり、関節に連結されたアクチュエータによって直接的
に駆動することができる。
【0049】また、足首関節15も能動関節である。本
実施例では、足首関節15は、力センサ、角度センサ、
各速度センサのうち少なくとも1つのセンサを内蔵して
おり、インピーダンス制御を行えるようになっている。
この結果、脚部ユニット10−2は、走行動作に前脚が
着地する場合など、床面との衝突運動を伴うような各動
作パターンを実行する際に、衝撃吸収効果を実現するこ
とができる。
【0050】図6には、4脚ロボット装置1における前
脚構造の他の例を図解している。但し、図面の錯綜を防
止するために、後脚ユニットやその他の部材の図示を省
略している。
【0051】同図に示すように、前脚ユニット10−3
は、肩関節11と、大腿フレーム12と、膝関節13
と、下腿フレーム14と、足首関節15と、足平16と
で構成される。各関節11,13,15は、ロボット装
置1の円滑な前後方向の動作を実現するために、少なく
ともピッチ軸まわりの関節自由度を備えていることが好
ましい。
【0052】肩関節11、膝関節13、並びに足首関節
15は、いずれも能動関節である。但し、この実施例で
は、アクチュエータは各関節には直結されず、胴体ユニ
ット側に搭載された各アクチュエータ21、22、23
をワイヤやチェーンなどの伝達機構を用いて連結して、
駆動するようになっている。
【0053】図6に示すような脚部構造によれば、脚部
ユニット上における回転モーメントを抑制して、高速応
答性を確保することができる。この結果、前脚ユニット
10−3は、走行動作など激しい動作パターンを実行し
て姿勢の安定性を保つことが困難な状況下において、ス
タビライザとして機能することができる。
【0054】2.後脚 図1に示すようなギャロップ運動を実行する場合、4脚
ロボット装置の後脚は、「躍動」を主な機能としてお
り、前脚に比し、より大きな出力トルクが要求される。
図1に示す例の場合には、左右の後脚がほぼ同時に蹴り
だしを行うことによって、さらに高い推進力を得るよう
にしている(前述)。後脚の構造として要求される主な
仕様を以下に列挙しておく。
【0055】
【数3】 (1)躍動方向に強大な出力トルクのアクチュエータを
持つ脚構造。 (2)瞬間的な躍動エネルギを蓄積するとともに瞬時に
放出することができる脚構造。例えば、ばねなどの弾性
エネルギを利用すること。 (3)強大な出力トルクのアクチュエータを胴体ユニッ
ト側に搭載し、ワイヤなどの伝達機構で脚部ユニット側
の関節を駆動する脚構造。
【0056】図7には、4脚ロボット装置1における後
脚構造の一例を図解している。但し、図面の錯綜を防止
するために、前脚ユニットやその他の部材の図示を省略
している。
【0057】同図に示すように、後脚ユニット30は、
肩関節31と、大腿フレーム32と、膝関節33と、下
腿フレーム34と、足首関節35と、足平36とで構成
される。各関節31,33,35は、ロボット装置1の
円滑な前後方向の動作を実現するために、少なくともピ
ッチ軸まわりの関節自由度を備えていることが好まし
い。
【0058】走行や躍動動作時に大きな駆動力を得るた
めには、肩関節31、膝関節33、並びに足首関節35
はすべて能動関節であることが好ましい。
【0059】また、図7に示す例では、瞬間的な躍動エ
ネルギを得るために、肩関節31にはエネルギ蓄積装置
40が装備されている。
【0060】このエネルギ蓄積装置40は、例えば、ば
ね(ゼンマイなど)やフライホイールなどのように、あ
らかじめ動力を蓄積しておくことができるとともに、蓄
積されたエネルギを運動エネルギに変換して瞬時に放出
することができる機構部品で構成することができる。
【0061】直立不動状態や通常の歩行動作期間などの
消費電力が比較的低い動作モードのときに、あらかじめ
エネルギ蓄積装置40に動力を蓄積しておく。そして、
走行や躍動動作の開始とともに、エネルギ蓄積装置40
は蓄積された動力を一気に放出する。この結果、肩関節
31には関節アクチュエータによる駆動力とこの放出エ
ネルギが印加されるので、強力な躍動力を得ることがで
きる。
【0062】[追補]以上、特定の実施例を参照しなが
ら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や
代用を成し得ることは自明である。
【0063】上述した本発明の実施例では、ロボット装
置が左右対称的に構成されることを前提として説明して
きた。但し、ロボット装置の運動が左右いずれかの方向
に特化した動作を実現するように設計・製作されるよう
な場合には、左右非対称に構成されることや、前後対称
的に構成されることが優位であることも想定される。か
かる場合であっても、本発明を柔軟に適用し得るという
ことを充分理解されたい。
【0064】要するに、例示という形態で本発明を開示
してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。
本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許
請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0065】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
可動脚が前脚と後脚に区分されるタイプの優れた脚式移
動ロボットを提供することができる。
【0066】また、本発明によれば、歩行やその他の動
作パターンを実現する際に前脚と後脚に位置付けられる
各可動脚の機能又は役割が相違するタイプの、優れた脚
式移動ロボットを提供することができる。
【0067】また、本発明によれば、動作パターン実現
時における機能や役割の相違に従い前脚と後脚とで構造
や仕様が異なる、優れた脚式移動ロボットを提供するこ
とができる。
【0068】本発明では、イヌやネコなどの実在する動
物のメカニズムを参考にして、走行など所望の重要な動
作を実現するために、脚構造を前後で相違するようにし
た4脚の脚式ロボットを採用した。本発明によれば、従
来の同一構造の脚ユニットのみからなるロボット装置で
は充分に満足できないような運動制御の機能を実現する
ことができる。
【0069】機能の違いを考慮して前後の脚を別の構造
とすることは、設計工数の面などでデメリットがあるこ
とは否めないが、自然界における4脚動物に近い走行運
動を実現する上で良好な機械装置となることは間違いな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ネコがギャロップするときの一連の動作を描写
した図である。
【図2】実際のネコの骨格を描写した図である。
【図3】本発明の実施例に係る4脚ロボット装置1にお
ける前脚構造の一例を示した図である。
【図4】受動関節15の構成例を模式的に示した図であ
る。
【図5】本発明の実施例に係る4脚ロボット装置1にお
ける前脚構造の他の例を示した図である。
【図6】本発明の実施例に係る4脚ロボット装置1にお
ける前脚構造の他の例を示した図である。
【図7】本発明の実施例に係る4脚ロボット装置1にお
ける後脚構造の一例を示した図である。
【符号の説明】
1…4脚ロボット装置 10…前脚ユニット 11…肩関節 12…大腿フレーム 13…膝関節 14…下腿フレーム 15…足首関節 16…足平 21…肩関節用アクチュエータ 23…膝関節用アクチュエータ 25…足首関節用アクチュエータ 30…後脚ユニット 31…肩関節 32…大腿フレーム 33…膝関節 34…下腿フレーム 35…足首関節 36…足平 40…エネルギ蓄積装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも前後方向に脚式移動可能なタイ
    プの脚式移動ロボットであって、 胴体ユニットと、 前記胴体ユニットの略前方に取り付けられた、路面着床
    時における衝撃吸収機能部及び/又は高速応答機能部を
    含む1以上の第1の可動脚ユニットと、 前記胴体ユニットの略後方に取り付けられた、前記第1
    の可動脚ユニットよりも大きな駆動力を有する1以上の
    第2の可動脚ユニットと、を具備することを特徴とする
    脚式移動ロボット。
  2. 【請求項2】前記第1の可動脚ユニットは、少なくとも
    1つの能動関節と少なくとも1つの受動関節を含み、 前記受動関節はばね要素及び又はダンパ要素を含んで衝
    撃吸収機能部を構成することを特徴とする請求項1に記
    載の脚式移動ロボット。
  3. 【請求項3】前記第1の可動脚ユニットは、 少なくとも1つの能動関節と、 該能動関節に印加される力、角度、速度のうち少なくと
    も1つを検出する検出手段と、 該検出手段による検出出力に基づいて該能動関節をイン
    ピーダンス制御する制御手段と、を備えることを特徴と
    する請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  4. 【請求項4】前記第1の可動脚ユニットは、少なくとも
    1つの関節と、前記胴体ユニットに搭載されて該関節を
    駆動するための駆動手段と、該駆動手段による駆動力を
    該関節に伝達する伝達手段とを備えることを特徴とする
    請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  5. 【請求項5】前記第2の可動脚ユニットは、少なくとも
    1つの関節と、該関節に印加される動力を蓄積する動力
    蓄積手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の
    脚式移動ロボット。
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