JP4289447B2 - ロボット装置及び関節軸駆動装置 - Google Patents

ロボット装置及び関節軸駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脚式ロボットのように多数の関節自由度を持つロボット装置及び関節軸駆動装置に係り、特に、各関節の自由度がアクチュエータ・モータにより構成される多関節型のロボット装置及び関節軸駆動装置に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、例えば股関節や足首、肩関節などのように1つの関節において2以上の回転自由度を持つロボット装置及び関節軸駆動装置に係り、特に、関節自由度を構成するアクチュエータ・モータの少なくとも一部は関節軸から離間して配置され伝達機構により関節軸に駆動力が伝達されるロボット装置及び関節軸駆動装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボット」という。ロボットの語源は、スラブ語の"ROBOTA(奴隷機械)"に由来すると言われている。わが国では、ロボットが普及し始めたのは1960年代末からであるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなどの産業用ロボット(industrial robot)であった。
【0004】
最近では、イヌやネコのように4足歩行の動物の身体メカニズムやその動作を模したペット型ロボット、あるいは、ヒトのような2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた「人間形」若しくは「人間型」と呼ばれるロボット(humanoid robot)など、脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている。
【0005】
脚式移動ロボットは、一般に、多数の関節自由度を備え、関節の動きをアクチュエータ・モータで実現するようになっている。このようなアクチュエータ・モータとしては、取扱いが容易で、小型・高トルクで、しかも応答性に優れているからである。特に、ACサーボ・モータは、ブラシがなく、メンテナンス・フリーであることから、自ら行動計画を立案して自由歩行を行う脚式ロボットの関節アクチュエータなどに適用することができる。ACサーボ・モータは、回転子(ロータ)側に永久磁石を、固定子(ステータ)側にコイルを配置して、正弦波磁束分布と正弦波電流により回転子に対して回転トルクを発生させるようになっている。そして、エンコーダや回転センサなどにより各関節モータの回転位置、回転量などを取り出して、サーボ制御を行うことにより、所望の動作パターンを再現するとともに、姿勢制御を行うようになっている。
【0006】
通常のロボット構成では、1つの関節自由度を1つのアクチュエータ・モータで実現する。一方、犬や猫、熊などの4足歩行の動物、あるいは人間のように2足歩行の動物の動作メカニズムに近似したリアリステッィクな脚式ロボットを構成するためには、可能な限り生体に近似した関節自由度を供えていることが好ましい。
【0007】
例えば、足首や股関節、肩関節など、主要な関節部位において生体モデルはロール軸とピッチ軸など、2軸以上の回転自由度を備えている。このように1つの関節において2軸以上の自由度を実現するためには、2以上のアクチュエータ・モータを組み合わせなければならない。このような場合、少なくとも1つの関節自由度に関しては、アクチュエータ・モータの回転軸と関節の回転軸とを一致させることはできるが、それ以外の関節自由度に関しては、アクチュエータ・モータの回転軸を現実の関節の回転軸とは離間して配置しなければならない。勿論、1軸自由度のみの関節においても、筐体内の他の部品との配置すなわちスペース効率のため、アクチュエータ・モータの回転軸を関節軸から離間することもある。このため、モータの駆動力を関節の回転軸まで伝達するための駆動力伝達機構が必要となる。
【0008】
ロボットなどの自動化機械における駆動力伝達は例えばタイミング・ベルトを使用するのが一般的である。この場合、関節自由度における能動駆動性を考慮して、例えばアクチュエータ、ベルト、高減速器の順で接続して構成される。
【0009】
ところが、エンターテインメント系のロボットのように、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボットの場合、関節には高い能動駆動性に加え、駆動系自身の受動的特性を備えていることが好ましいと思料される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、各関節の自由度がアクチュエータ・モータにより構成される多関節型の優れたロボット装置及び関節軸駆動装置を提供することにある。
【0011】
本発明のさらなる目的は、例えば股関節や足首、肩関節などのように1つの関節において2以上の回転自由度を持つ、優れたロボット装置及び関節軸駆動装置を提供することにある。
【0012】
本発明のさらなる目的は、関節自由度を構成するアクチュエータ・モータの少なくとも一部は関節軸から離間して配置され伝達機構により関節軸に駆動力が好適に伝達することができる、優れたロボット装置及び関節軸駆動装置を提供することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的は、関節に対して高い能動駆動性に加えてより高い受動駆動性能を付与することができる、優れたロボット装置及び関節軸駆動装置を提供することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的は、人間との物理的インタラクションを考慮して、関節本来の高い能動駆動特性を確保しつつ受動駆動特性を得ることができる、優れたロボット装置及び関節軸駆動装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、複数の関節自由度を備えたロボット装置であって、
少なくとも一部の関節は、関節軸駆動用アクチュエータと、前記関節軸駆動用アクチュエータと関節軸とを接続する駆動力伝達部で構成され、
前記駆動力伝達部は、印加される駆動力が比較的低い期間中において比較的低い弾性定数にて作動する受動駆動域と、印加される駆動力が比較的高い期間中において比較的高い弾性定数にて作動する能動駆動域を備えた非線形ばね特性を有する、
ことを特徴とするロボット装置である。
【0016】
ここで言う関節とは、例えば足首や股関節、肩関節などのように、ロール軸とピッチ軸の組み合わせなど2軸以上の回転自由度を備えている部位を指す。1つの関節において2軸以上の自由度を実現するためには、2以上のアクチュエータ・モータを組み合わせなければならない。このため、少なくとも1つの関節自由度に関しては、関節アクチュエータの回転軸を現実の関節の回転軸とは離間して配置しなければならない。このため、アクチュエータの駆動力を関節の回転軸まで伝達するための駆動力伝達部が必要となる。
【0017】
従来は、関節自由度における能動駆動性を考慮して、例えばアクチュエータ、ベルト、高減速器の順で接続して構成されていた。エンターテインメント系のロボットのように、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボットの場合、関節には高い能動駆動性に加え、駆動系自身の受動的特性が必要となる

【0018】
そこで、本発明においては、高減速器の使用をやめて、その代わりに、アクチュエータ、低減速器、駆動力伝達機構という順の接続により関節駆動機構を構成して、低減速器により関節の受動駆動性を確保した。
【0019】
また、駆動力伝達機構としてとしてベルトを利用した場合、高い能動駆動性能を確保するためにベルトに高い張力を加えなければならない。このような場合、能動駆動性確保のためには高い精度でベルト張力を管理する必要があり、また、高いベルト張力に耐えうる機体剛性を確保しなければならなくなることから、筐体の肥大化、高重量化、大型化を伴う。
【0020】
そこで、本発明では、駆動力伝達部として、ベルトの使用をやめて、リンク機構を採用した。そして、このリンクに対して非線形ばね特性を付与することにした。
【0021】
ここで言う非線形ばね特性とは、印加される駆動力が比較的低い期間中において比較的低い弾性定数にて作動する受動駆動域と、印加される駆動力が比較的高い期間中において比較的高い弾性定数にて作動する能動駆動域という、駆動力に応じてばね特性が切り替わることを意味する。
【0022】
受動駆動域は、減速ギアなどで構成される低減速器のバックラッシュ特性を吸収するために設けられる。したがって、受動駆動域から能動駆動域に切り替わる臨界駆動力は低減速器が持つバックラッシュ特性に応じて決定することができる。例えば、低減速器がバックラッシュを持たない場合には、受動駆動域を省略することができる。
【0023】
また、この非線形ばね特性を持つ駆動力伝達機構は、印加される駆動力が所定の閾値を越えたときに極めて低い弾性定数で作動する機体保護域をさらに備えていてもよい。例えばロボットの機体が転倒などにより床面に落下したときや、障害物と衝突したときなどに、極めて高い外力が印加され、駆動力伝達機構がこのままアクチュエータに外力を伝えてしまうとハードウェアの破壊を招きかねない。そこで、駆動力伝達機構が機体保護域にて作動して、アクチュエータや関節軸から高い衝撃力を遮断することにより、機体内部の損傷を防ぎ、耐久性を向上することができる。
【0024】
前記駆動力伝達部は、例えば、前記関節軸駆動用アクチュエータ側に連結された第1の接続部と、前記関節軸側に連結された第2の接続部と、前記第1及び第2の接続部の間に挿入されて、前記駆動力伝達部に対して印加された圧縮力又は引張力に応じて所定の弾性特性により圧縮又は伸張する弾性部と、前記弾性部の圧縮又は伸張による最大変位量を設定する最大変位量設定部とで構成することができる。
【0025】
このような場合、前記駆動力伝達部は、印加される駆動力が比較的低い期間中においては、前記弾性部の作用により比較的低い弾性定数にて変位して、受動駆動域を形成することができる。
【0026】
また、前記駆動力伝達部は、前記関節軸駆動用アクチュエータ側に連結された第3の接続部と、前記関節軸側に連結された第4の接続部と、前記第3及び第4の接続部の間に挿入されて、前記駆動力伝達部に対して印加された圧縮力又は引張力に応じて所定の弾性特性により圧縮又は伸張する第2の弾性部と、圧縮力又は引張力が所定以上になるまで前記第2の弾性部の変位を規制する変位規制部とで構成することができる。このような場合、前記駆動力伝達部は、印加される駆動力が所定の閾値を越えるまでは変位規制部の作用により前記第2の弾性部の変位が規制されて、能動駆動域を確保することができる。そして、印加される駆動力が所定の閾値を越えたときに、変位規制部による規制が解除されて、前記第2の弾性部の作用により極めて低い弾性定数で作動して、機体保護域を形成することができる。
【0027】
例えば、ロボットの機体が転倒などにより床面に落下したときや、障害物と衝突したときなどに、極めて高い外力が印加されるが、前記変位規制部が解除されて機体保護域にて作動することにより、アクチュエータや関節軸から高い衝撃力を遮断することにより、機体内部の損傷を防ぎ、耐久性を向上することができる。
【0028】
また、前記駆動力伝達部を前記ロボット装置の機体の外側に配置することにより、機体のZMP位置がZMP安定領域の略中央に向かうように機体の変形量又は運動量が生成されるという、安定性の高いZMP挙動空間を形成することができる。このような場合、例えば歩行時における機体の姿勢安定制御のための計算機負荷を軽減することができる。
【0029】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0031】
図1及び図2には本発明の実施に供される「人間形」又は「人間型」の脚式移動ロボットが直立している様子を前方及び後方の各々から眺望した様子を示している。図示の通り、脚式移動ロボットは、胴体部と、頭部と、左右の上肢部と、脚式移動を行う左右2足の下肢部とで構成され、例えば胴体に内蔵されている制御部(図示しない)により機体の動作を統括的にコントロールするようになっている。
【0032】
左右各々の下肢は、大腿部と、膝関節と、脛部と、足首と、足平とで構成され、股関節によって体幹部の略最下端にて連結されている。また、左右各々の上肢は、上腕と、肘関節と、前腕とで構成され、肩関節によって体幹部の上方の左右各側縁にて連結されている。また、頭部は、首関節によって体幹部の略最上端中央に連結されている。
【0033】
制御部は、この脚式移動ロボットを構成する各関節アクチュエータの駆動制御や各センサ(後述)などからの外部入力を処理するコントローラ(主制御部)や、電源回路その他の周辺機器類を搭載した筐体である。制御部は、その他、遠隔操作用の通信インターフェースや通信装置を含んでいてもよい。
【0034】
このように構成された脚式移動ロボットは、制御部による全身協調的な動作制御により、2足歩行を実現することができる。かかる2足歩行は、一般に、以下に示す各動作期間に分割される歩行周期を繰り返すことによって行われる。すなわち、
【0035】
(1)右脚を持ち上げた、左脚による単脚支持期
(2)右足が接地した両脚支持期
(3)左脚を持ち上げた、右脚による単脚支持期
(4)左足が接地した両脚支持期
【0036】
脚式移動ロボットにおける歩行制御は、あらかじめ下肢の目標軌道を計画し、上記の各期間において計画軌道の修正を行うことによって実現される。すなわち、両脚支持期では、下肢軌道の修正を停止して、計画軌道に対する総修正量を用いて腰の高さを一定値で修正する。また、単脚支持期では、修正を受けた脚の足首と腰との相対位置関係を計画軌道に復帰させるように修正軌道を生成する。
【0037】
歩行動作の軌道修正を始めとして、機体の姿勢安定制御には、一般に、ZMPに対する偏差を小さくするための位置、速度、及び加速度が連続となるように、5次多項式を用いた補間計算により行う。ZMP(Zero Moment Point)を歩行の安定度判別の規範として用いている。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが路面から歩行系への反作用としての床反力並びに床反力モーメントとバランスするという「ダランベールの原理」に基づく。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形(すなわちZMP安定領域)の辺上あるいはその内側にピッチ軸及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわち「ZMP(Zero Moment Point)」が存在する。
【0038】
図3には、この脚式移動ロボットが具備する関節自由度構成を模式的に示している。同図に示すように、脚式移動ロボットは、2本の腕部と頭部1を含む上肢と、移動動作を実現する2本の脚部からなる下肢と、上肢と下肢とを連結する体幹部とで構成された、複数の肢を備えた構造体である。
【0039】
頭部を支持する首関節(Neck)は、首関節ヨー軸1と、首関節ピッチ軸2と、首関節ロール軸3という3自由度を有している。
【0040】
また、各腕部は、その自由度として、肩(Shoulder)における肩関節ピッチ軸4と、肩関節ロール軸5と、上腕ヨー軸6、肘(Elbow)における肘関節ピッチ軸7と、手首(Wrist)における手首関節ヨー軸8と、手部とで構成される。手部は、実際には、複数本の指を含む多関節・多自由度構造体である。
【0041】
また、体幹部(Trunk)は、体幹ピッチ軸9と、体幹ロール軸10という2自由度を有する。
【0042】
また、下肢を構成する各々の脚部は、股関節(Hip)における股関節ヨー軸11と、股関節ピッチ軸12と、股関節ロール軸13と、膝(Knee)における膝関節ピッチ軸14と、足首(Ankle)における足首関節ピッチ軸15と、足首関節ロール軸16と、足部とで構成される。
【0043】
但し、エンターティンメント向けの脚式移動ロボットが上述したすべての自由度を装備しなければならない訳でも、あるいはこれに限定される訳でもない。設計・製作上の制約条件や要求仕様などに応じて、自由度すなわち関節数を適宜増減することができることは言うまでもない。
【0044】
上述したような脚式移動ロボットが持つ各自由度は、実際にはアクチュエータを用いて実装される。外観上で余分な膨らみを排してヒトの自然体形状に近似させること、2足歩行という不安定構造体に対して姿勢制御を行うことなどの要請から、アクチュエータは小型且つ軽量であることが好ましい。本実施形態では、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニットに内蔵したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータを搭載することとした(この種のACサーボ・アクチュエータに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特開2000−299970号公報に開示されている)。本実施形態では、直結ギアとして低減速ギアを採用することにより、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボットに求められている駆動系自身の受動的特性を得ている。
【0045】
図3からも分かるように、脚式移動ロボットの関節の中には、一箇所で2軸以上の回転自由度を備えている部位が幾つか存在する。例えば、機体の首はロール、ピッチ、ヨーの3軸回りの関節自由度を備えている。また、肩はロール及びピッチの2軸回りの関節自由度を備えている。また、胴体部の体幹はロール及びピッチの2軸回りの関節自由度を備えている。また、胴体部と脚部を連結する股関節においては、ピッチ及びヨーの2軸回りの関節自由度を備えている。また、膝はロール及びピッチの2軸回りの関節自由度を備えている。また、足首はロール及びピッチの2軸回りの関節自由度を備えている。
【0046】
このような多自由度の関節においては、2以上のアクチュエータ・モータを組み合わせなければならない。このような場合、少なくとも1つの関節自由度に関しては、アクチュエータ・モータの回転軸と関節の回転軸とを一致させることはできるが、それ以外の関節自由度に関しては、アクチュエータ・モータの回転軸を現実の関節の回転軸とは離間して配置しなければならない。勿論、1軸自由度のみの関節においても、筐体内の他の部品との配置すなわちスペース効率のため、アクチュエータ・モータの回転軸を関節軸から離間することもある。このため、モータの駆動力を関節の回転軸まで伝達するための駆動力伝達機構が必要となる。
【0047】
ロボットなどの自動化機械における駆動力伝達は例えばタイミング・ベルトを使用するのが一般的である。従来は、関節自由度における能動駆動性を考慮して、例えばアクチュエータ、ベルト、高減速器の順で接続して構成されていた。
【0048】
ところが、エンターテインメント系のロボットのように、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボットの場合、関節には高い能動駆動性に加え、駆動系自身の受動的特性が必要となる。
【0049】
そこで、本発明者らは、まず第一に、アクチュエータ、低減速器、駆動力伝達機構という順の接続により関節駆動機構を構成して、低減速器により関節の受動駆動性を確保した。
【0050】
この場合、関節自体の高い能動駆動性を併せて確保しなければならない。もし駆動力伝達機構としてベルトを利用した場合、高い能動駆動性能を確保するためにベルトに高い張力を加えなければならない。このような場合、以下のような問題を招来する。
【0051】
(1)能動駆動性確保のためには高い精度でベルト張力を管理する必要があり、組み立てやメンテナンス作業が困難である。
(2)歩行に必要な剛性に加えて、高いベルト張力に耐えうる機体剛性を確保する必要があり、この結果、筐体の肥大化、高重量化、大型化を伴う。また、筐体の経時的な変化が発生し易くなる。
(3)高駆動力および高ベルト張力に耐えうるベルト幅が必要となり、機体の駆動力伝達系のスペース効率が低下する。
(4)ベルトの経時変化(伸び、破損、屈曲疲労など)のために、耐久性が低い。
(5)ベルト伸縮によるばね特性がある。
(6)ベルトの滑りやバックラッシュが発生する。
(7)高トルクの伝達ができない。
【0052】
そこで、本発明者らは、関節本来の能動駆動性能を確保するために、駆動力伝達機構としてベルトではなくリンクを用いるとともに、このリンクに対して非線形ばね特性を付与することにした。
【0053】
ここで言う非線形ばね特性とは、印加される駆動力が比較的低い期間中において比較的低い弾性定数にて作動する受動駆動域と、印加される駆動力が比較的高い期間中において比較的高い弾性定数にて作動する能動駆動域という、駆動力に応じてばね特性が切り替わることを意味する。
【0054】
受動駆動域は、減速ギアなどで構成される低減速器のバックラッシュ特性を吸収するために設けられる。したがって、受動駆動域から能動駆動域に切り替わる臨界駆動力は低減速器が持つバックラッシュ特性に応じて決定することができる。例えば、低減速器がバックラッシュを持たない場合には、受動駆動域を省略することができる。
【0055】
また、この非線形ばね特性を持つ駆動力伝達機構は、印加される駆動力が所定の閾値を越えたときに極めて低い弾性定数で作動する機体保護域をさらに有している。例えばロボットの機体が転倒などにより床面に落下したときや、障害物と衝突したときなどに、極めて高い外力が印加され、駆動力伝達機構がこのままアクチュエータに外力を伝えてしまうとハードウェアの破壊を招きかねない。本実施形態では、このような場合、駆動力伝達機構は機体保護域にて作動することにより、アクチュエータに高い衝撃力を伝えることがないので、機体内部の損傷を防ぎ、耐久性を向上することができる。
【0056】
また、人やイヌ、クマなどの生体をモデルにしたロボットの場合、機体は生体メカニズムに合わせて左右均等となるように構成される。このような場合、加工誤差や組立て誤差により機体の左右で不均一が生じると、静的な状態でも駆動系に対して余分なトルクが発生してしまい、機体の姿勢安定制御に重大な影響することがある。例えば、駆動力伝達のためにベルトを用いた場合、左右でベルトの張力が相違するため張力管理が複雑になる。これに対し、本実施形態に係る駆動力伝達機構によれば、受動駆動域によりこのような不均一性を自然に吸収することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る駆動力伝達機構を用いると、機体保護領域によりアクチュエータが過度の負荷から保護されることから、関節の可動角を拡大させることができる。
【0058】
また、このような駆動力伝達機構を、脚式移動ロボットの機体の外側に配置することにより、機体のZMP位置がZMP安定領域の略中央に向かうように機体の変形量又は運動量が生成されるような安定性の高いZMP挙動空間を形成することができる。このような場合、例えば歩行時における機体の姿勢安定制御のための計算機負荷を軽減することができる。
【0059】
図4〜図6には、本実施形態に係る駆動力伝達機構の非線形ばね特性の構成例を示している。
【0060】
各図に示すように、駆動力伝達機構は、印加される駆動力が比較的低い期間中において比較的低い弾性定数にて作動する受動駆動域と、印加される駆動力が比較的高い期間中において比較的高い弾性定数にて作動する能動駆動域、さらに、印加される駆動力が所定の閾値を越えたときに極めて低い弾性定数で作動する機体保護域を備えている。
【0061】
図4には、アクチュエータ、低減速器、駆動力伝達機構という順の接続により関節駆動機構を構成した場合における、駆動力伝達機構の理想的な非線形ばね特性を示している。
【0062】
この場合、受動駆動域では、駆動力伝達機構は、低いばね弾性定数にて略線形的に作動して、低減速器が持つギアのバックラッシュを吸収する。そして、アクチュエータがバックラッシュ分だけ駆動すると、能動駆動域に到達して、ばね弾性定数が限りなく高くなり、すなわち剛体として作動して、減速されたアクチュエータの駆動をほぼそのまま関節軸に伝達する。さらに印加される力が所定の限界値に到達すると、駆動力伝達機構は、機体保護域に遷移してばね弾性定数がほぼゼロとなり駆動力をまったく伝達しなくなる。例えば、転倒などの機体の落下、あるいは障害物との衝突により、駆動力伝達機構に過度の外力が印加されても、駆動力伝達機構はこれをまったく伝播しない。したがって、その一端に接続されている関節軸駆動アクチュエータや、他端に接続されている関節軸は外力から遮られるので損傷を免れることができる。
【0063】
図4に示すように、受動駆動域、能動駆動域、機体保護域において、駆動力伝達機構にそれぞれ線形的なばね弾性定数を与え、全体として非線形ばね弾性を形成することは、機構学的には理想であるが、各領域間の接続点においてばね弾性定数が不連続的に変化するので、機体の姿勢安定制御システムがこの機構システムにおける不連続性に適応的に追従することが困難となる。例えば、ばね性定数の不連続な変化により制御信号の振動成分が発生して、制御の安定動作に悪影響を及ぼしかねない。そこで、図5に示す例では、このような姿勢制御系の安定動作を考慮して、各領域間の接続点において、駆動力伝達機構のばね弾性定数を連続的に滑らかに変化させるようにした。これは、制御系の安定動作を考慮した、駆動力伝達機構の理想的な非線形ばね特性と言える。
【0064】
しかしながら、コイルばねや板ばねなどの機械ばねを用いてばね特性を得ることから、図4や図5に示すような理想的な非線形的なばね特性を自在に製作することは物理的に困難である。このため、実際には、図6に示すような具合となる。
【0065】
次いで、図1〜図3に示した脚式移動ロボットの脚部を例にとって、本発明に係る駆動力伝達機構の具体的な実装形態について説明する。
【0066】
図7には、脚式移動ロボットの脚部構造を図解している。また、図8及び図9には、この脚部を正面及び側面から眺めた様子をそれぞれ示している。
【0067】
既に述べたように、脚部は、股関節における股関節ヨー軸11と、股関節ピッチ軸12と、股関節ロール軸13と、膝における膝関節ピッチ軸14と、足首における足首関節ピッチ軸15と、足首関節ロール軸16と、足部とで構成される。
【0068】
図7に示す例では、股関節ロール軸駆動用モータ121は、その出力軸が股関節ロール軸13に一致するように配設されている。
【0069】
また、股関節ピッチ軸駆動用モータ122は、股関節ロール軸駆動用モータ121との筐体同士の干渉により、その出力軸が股関節ピッチ軸12に一致する場所に配置することはできない。図示の例では、回転リンク103を股関節ピッチ軸12に取り付ける一方、回転リンク104を股関節ピッチ軸駆動用モータ122の出力軸102に取り付けている。
【0070】
股関節ロール軸駆動用モータ121及び股関節ピッチ軸駆動用モータ122は、ギア直結型のモータ・ユニットであり、内蔵式の低減速ギア(図示しない)が出力軸に取り付けられている。低減速ギアを使用することにより、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボットに求められている駆動系自身の受動的特性が付与されている。
【0071】
そして、これら一対の回転リンク103と104の間は、四節平行リンク機構105及び106によって連結されており、股関節ピッチ軸12と股関節ピッチ軸駆動用モータ122の出力軸102は、一対の回転リンク103及び104の回転に伴い、左右のリンク105及び106を上下方向に作動させる。図10〜図12には、この四節平行リンク機構についての正面図、側面図、並びに謝し図をそれぞれ示している。
【0072】
このような四節平行リンク機構の作用により、股関節ピッチ軸駆動用モータ122の出力軸102が定量回転するのに伴い、股関節ピッチ軸12もこれに応じた角度だけ回転する。本実施形態では、平行リンク機構であることから、股関節ピッチ軸12と股関節ピッチ軸駆動用モータ122の出力軸102は、同一角度だけ回転することになる。
【0073】
左右のリンク105及び106は、関節自体の高い能動駆動性と、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボットに求められている駆動系自身の受動的特性を併せて確保するために、非線形ばね特性が与えられている。すなわち、各リンク105及び106は、印加される駆動力が比較的低い期間中において比較的低い弾性定数にて作動する受動駆動域と、印加される駆動力が比較的高い期間中において比較的高い弾性定数にて作動する能動駆動域と、印加される駆動力が所定の閾値を越えたときに極めて低い弾性定数で作動する機体保護域を備えており、駆動力に応じてばね特性が切り替わる。
【0074】
受動駆動域は、減速ギアなどで構成される低減速器のバックラッシュ特性を吸収することができる。また、能動駆動域を設けることにより、股関節ピッチ駆動用軸モータ122の駆動力を股関節ピッチ軸12に伝達して通常の関節動作を実現することができる。また、機体保護域を設けることにより、例えばロボットの機体が転倒などにより床面に落下したときや、障害物と衝突したときに、股関節ピッチ軸モータ122や股関節ピッチ軸12に高い衝撃力を伝えることがないので、機体内部の損傷を防ぎ、耐久性を向上することができる。
【0075】
加工誤差や組立て誤差により、左右のリンク105及び106間で不均一が生じて、静的な状態でも駆動系に対して余分なトルクが発生してしまう可能性があるが、各リンク105及び106が持つ受動駆動域により、このような不均一性を吸収することができるので、機体の姿勢安定制御に悪影響を及ぼさない。
【0076】
また、各リンク105及び106が持つ機体保護領域によりアクチュエータが過度の負荷から保護されることから、股関節ピッチ軸12回りの可動角を機構の限界ぎりぎりまで拡大させることができる。
【0077】
また、図7にように、リンク105及び106からなる四節リンク機構をロボットの機体の外側に配置することにより、機体のZMP位置がZMP安定領域の略中央に向かうように機体の変形量又は運動量が生成されるような安定性の高いZMP挙動空間を形成することができる。このような場合、例えば歩行時における機体の姿勢安定制御のための計算機負荷を軽減することができる。
【0078】
また、図7に示す例では、股関節ロール軸駆動用モータ121の出力軸を股関節ロール軸12に直結させる一方、このモータ121の筐体によって排除される結果として、股関節ピッチ軸駆動用モータ122の出力軸102は股関節ピッチ軸12から離間して配置されて両者間を四節リンク機構によって連結される構成となっている。勿論、この変形例として、股関節ピッチ軸駆動用モータ122の出力軸を股関節ピッチ軸11に直結させる一方、股関節ロール軸駆動用モータ121の出力軸が股関節ロール軸13から離間して配置されて両者間を四節リンク機構によって連結するようにしてもよい。但し、機体の姿勢安定性を考慮した場合、機体の前後方向の揺動よりも左右方向の揺動の原因を排除することを優先するべきであると思料される。したがって、図7に示した構成例のように、股関節ロール軸駆動用モータ121の出力軸を股関節ロール軸13に一致させて、股関節ロール軸回りの回転精度をより厳密にする方が、より好ましい実施形態であろう。
【0079】
なお、四節リンク機構の各節に、比率や機素を設定すると、四節リンク機構は平行リンク機構、交差リンク機構、二重レバー機構、クランク・レバー機構、クランク・スライダ機構などを挙げることができる。図7に示す四節リンク機構は本発明の1つの実施形態に過ぎず、他のリンク機構に置き換えても同様に本発明の作用効果を得ることができる。
【0080】
また、図7に示す例では、足首関節ロール軸駆動用モータ125は、その出力軸が足首関節ロール軸16に一致するように配置されている。
【0081】
これに対し、足首関節ピッチ軸駆動用モータ124は、足首関節ピッチ軸15からは離間して配置されている。すなわち、足首関節ピッチ軸駆動用モータ124の出力軸107に取り付けられた回転リンク110と足首関節ピッチ軸15に取り付けられた回転リンク110、並びに左右一対のリンク111及び112によって構成される四節平行リンクによって連結されており、足首関節ピッチ軸駆動用モータ124の出力軸107が定量回転するのに伴い、足首関節ピッチ軸15もこれに応じた角度だけ回転する。ここで使用される四節平行リンクの構成は、図10〜図12に示したものと略同一である。
【0082】
足首関節ロール軸駆動用モータ125及び足首関節ピッチ軸駆動用モータ124は、低減速ギアを使用することにより、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボットに求められている駆動系自身の受動的特性が付与されている(同上)。
【0083】
左右のリンク111及び112は、関節自体の高い能動駆動性と、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボットに求められている駆動系自身の受動的特性を併せて確保するために、非線形ばね特性が与えられている。すなわち、各リンク111及び112は、印加される駆動力が比較的低い期間中において比較的低い弾性定数にて作動する受動駆動域と、印加される駆動力が比較的高い期間中において比較的高い弾性定数にて作動する能動駆動域と、印加される駆動力が所定の閾値を越えたときに極めて低い弾性定数で作動する機体保護域を備えており、駆動力に応じてばね特性が切り替わる。
【0084】
受動駆動域は、減速ギアなどで構成される低減速器のバックラッシュ特性を吸収することができる。また、能動駆動域を設けることにより、足首関節ピッチ軸駆動用モータ124の駆動力を足首関節ピッチ軸15に伝達して通常の関節動作を実現することができる。また、機体保護域を設けることにより、例えばロボットの機体が転倒などにより床面に落下したときや、障害物と衝突したときに、足首関節ピッチ軸モータ124や足首関節ピッチ軸15に高い衝撃力を伝えることがないので、機体内部の損傷を防ぎ、耐久性を向上することができる。
【0085】
加工誤差や組立て誤差により、左右のリンク111及び112間で不均一が生じて、静的な状態でも駆動系に対して余分なトルクが発生してしまう可能性があるが、各リンク111及び112が持つ受動駆動域により、このような不均一性を吸収することができるので、機体の姿勢安定制御に悪影響を及ぼさない。
【0086】
また、各リンク111及び112が持つ機体保護領域によりアクチュエータが過度の負荷から保護されることから、足首関節ピッチ軸15回りの可動角を機構の限界ぎりぎりまで拡大させることができる。
【0087】
また、図7にように、リンク111及び112からなる四節リンク機構をロボットの機体の外側に配置することにより、機体のZMP位置がZMP安定領域の略中央に向かうように機体の変形量又は運動量が生成されるような安定性の高いZMP挙動空間を形成することができる。このような場合、例えば歩行時における機体の姿勢安定制御のための計算機負荷を軽減することができる。
【0088】
また、図7に示す例では、足首関節ロール軸駆動用モータ125の出力軸を足首関節ロール軸16に直結させる一方、足首関節ピッチ軸駆動用モータ124の出力軸107は足首関節ピッチ軸15から離間して配置されて両者間を四節リンク機構によって連結される構成となっているが、逆に、足首関節ピッチ軸駆動用モータ124の出力軸を足首関節ピッチ軸15に直結させる一方、足首関節ロール軸駆動用モータ125の出力軸が足首関節ロール軸16から離間して配置されて両者間を四節リンク機構によって連結するようにしてもよい。但し、機体の姿勢安定性を考慮した場合、機体の前後方向の揺動よりも左右方向の揺動の原因を排除することを優先するべきであると思料される。したがって、図7に示した構成例のように、足首関節ロール軸駆動用モータ125の出力軸を足首関節ロール軸16に一致させて、足首関節ロール軸回りの回転精度をより厳密にする方が、より好ましい実施形態であろう。
【0089】
上述したように、四節平行リンクにおいてモータの出力軸から得られた駆動力を回転軸側に伝達するための左右一対のリンク105及び106、並びにリンク111及び112には、関節自体の高い能動駆動性と、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボットに求められている駆動系自身の受動的特性を併せて確保するために、非線形ばね特性が与えられている。
【0090】
すなわち、各リンク105…は、印加される駆動力が比較的低い期間中において比較的低い弾性定数にて作動する受動駆動域と、印加される駆動力が比較的高い期間中において比較的高い弾性定数にて作動する能動駆動域と、印加される駆動力が所定の閾値を越えたときに極めて低い弾性定数で作動する機体保護域を備え、駆動力に応じてばね特性が切り替わる。
【0091】
以下では、このような非線形ばね特性を持つリンクの具体的構成例について説明する。
【0092】
図13には、リンクの非線形ばね特性のうち受動的駆動特性を実現するための構成例を示している。
【0093】
同図に示す例では、リンクは、関節軸駆動用アクチュエータ側に連結される第1の接続部501と、関節軸側に連結される第2の接続部502と、これら第1及び第2の接続部の間に挿入されて、リンクに対して印加された圧縮力に応じて所定の弾性特性により圧縮する弾性部503とで構成されている。
【0094】
第1の接続部501及び第2の接続部502は、それぞれリンク両端において回転リンクなど他の部材と連結するための連結部501A並びに502Aが形設されている。
【0095】
第1の接続部501の一端には、突起505が形設されている。一方、第2の接続部502の一端には、第1の接続部501側の突起505を挿入するための穴部504が穿設されている。図13に示すように、穴部504の内壁に突起505が案内されながら出没し、この結果、リンク全体としてはその長手方向に伸縮自在となっている。
【0096】
この穴部504の中には、例えばΣ形状の板ばねからなる弾性部503がΣの口が上を向くように埋没されている。また、板ばねの底側には、突起505の先端に当接する受容部506が配設されている。
【0097】
関節軸駆動用モータの作動により、図示のリンクの長手方向に対して圧縮力が印加されると、第1の接続部側の突起505は、第2の接続部側の穴部504内で、Σ形状の板ばね503の復元力に抗しながら、駆動用モータによる圧縮力に応じて徐々に埋没していく。これによってリンクの受動駆動作用が得られる。
【0098】
そして、リンクに対する圧縮力が増大して板ばね503の変位量が所定値に到達すると、突起505の先端が受容部506に当接して、最大の反発力を受ける結果として、突起505の埋没すなわちリンクの収縮が停止する。以後、リンク全体としての弾性定数が著しく増大して、能動駆動域に切り替わる。
【0099】
また、図14には、リンクの非線形ばね特性のうち機体保護域を実現するための構成例を示している。
【0100】
同図に示す例では、リンクは、関節軸駆動用アクチュエータ側に連結される第3の接続部601と、関節軸側に連結される第の接続部602と、これら接続部601及び602の各一端をリンクの長手方向に案内する中空状の案内部603と、この案内部603内に収容されて、リンクに対して印加された圧縮力に応じて所定の弾性特性により圧縮する弾性部604とで構成されている。
【0101】
第3の接続部601及び第4の接続部602は、それぞれリンク両端において回転リンクなど他の部材と連結するための連結部601A並びに602Aが形設されている。
【0102】
接続部601及び602の各一端には、それぞれ小突起601B及び602Bが突設されている。また、案内部603の側面にはこれら小突起601B及び602Bを貫挿させるための線条の案内溝603Aがリンクの長手方向に穿設されており、接続部601及び602間の伸縮運動の方向を長手方向に規制している。
【0103】
接続部601及び602の各一端面はテーパ状に形設されている。また、弾性部604は、例えばトーション・バネで構成され、その両端が各接続部601及び602の端面に当接している。
【0104】
トーション・バネ60は、初期状態では略直線状をなしており、この状態ではリンクに印加された圧縮力に対して、棒材の圧縮応力として対抗することができる。すなわち、この状態では弾性部60として持つ弾性定数は極めて高く、これによってリンクの能動駆動作用を提供することができる。
【0105】
また、リンクに対する圧縮がさらに増大して所定値に到達すると、トーション・バネ60は座屈を開始する。この場合、トーション・バネ60は、図示のように略V字形状となり、その両端は接続部601及び602の各一端面のテーパを滑り落ちていき、さらに座屈が進行する。このような状態では、トーション・バネ60は、リンクに印加された圧縮力に対して、棒材の曲げ応力として対抗することになる。曲げ応力は圧縮応力に比較して極めて低い。したがって、リンク全体としての弾性定数は、圧縮力が増大して所定値に到達すると、格段に低下する。この結果、リンクの機体保護域を得ることができる。
【0106】
例えば、図13及び図14にそれぞれ示したリンクを直列的に接続して用いることにより、受動駆動域、能動駆動域、並びに機体保護域をすべて備えたリンクを実現することができる。
【0107】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0108】
本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と称される製品には限定されない。すなわち、電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置であるならば、例えば玩具等のような他の産業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用することができる。
【0109】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0110】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、関節自由度を構成するアクチュエータ・モータの少なくとも一部は関節軸から離間して配置され伝達機構により関節軸に駆動力が好適に伝達することができる、優れたロボット装置及び関節軸駆動装置を提供することができる。
【0111】
また、本発明によれば、関節に対して高い能動駆動性に加えてより高い受動駆動性能を付与することができる、優れたロボット装置及び関節軸駆動装置を提供することができる。
【0112】
また、本発明によれば、人間との物理的インタラクションを考慮して、関節本来の高い能動駆動特性を確保しつつ受動駆動特性を得ることができる、優れたロボット装置及び関節軸駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直立している様子を前方から眺望した様子を示した図である。
【図2】本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直立している様子を後方から眺望した様子を示した図である。
【図3】脚式移動ロボットが具備する関節自由度構成を模式的に示した図である。
【図4】本実施形態に係る駆動力伝達機構の非線形ばね特性の構成例を示した図である。
【図5】本実施形態に係る駆動力伝達機構の非線形ばね特性の構成例を示した図である。
【図6】本実施形態に係る駆動力伝達機構の非線形ばね特性の構成例を示した図である。
【図7】脚式移動ロボットの脚部構造を示した図である。
【図8】脚式移動ロボットの脚部構造を示した図である。
【図9】脚式移動ロボットの脚部構造を示した図である。
【図10】関節軸への駆動力伝達のために使用される四節平行リンク機構についての正面図である。
【図11】関節軸への駆動力伝達のために使用される四節平行リンク機構についての側面図である。
【図12】関節軸への駆動力伝達のために使用される四節平行リンク機構を斜視した図である。
【図13】リンクの非線形ばね特性のうち受動的駆動特性を実現するための構成例を示した図である。
【図14】リンクの非線形ばね特性のうち受動的駆動特性を実現するための構成例を示した図である。
【符号の説明】
1…首関節ヨー軸
2…首関節ピッチ軸
3…首関節ロール軸
4…肩関節ピッチ軸
5…肩関節ロール軸
6…上腕ヨー軸
7…肘関節ピッチ軸
8…手首関節ヨー軸
9…体幹ピッチ軸
10…体幹ロール軸
11…股関節ヨー軸
12…股関節ピッチ軸
13…膝関節ロール軸
14…膝関節ピッチ軸
15…足首関節ピッチ軸
16…足首関節ロール軸
102…股関節ピッチ軸駆動用モータの出力軸
103,104…回転リンク
105,106…非線形ばね特性を持たせたリンク
107…足首関節ピッチ軸駆動用モータの出力軸
109,110…回転リンク
111,112…非線形ばね特性を持たせたリンク
121…股関節ロール軸駆動用モータ
122…股関節ピッチ軸駆動用モータ
124…足首関節ピッチ軸駆動用モータ
125…足首関節ロール軸駆動用モータ
501…第1の接続部,501A…連結部
502…第2の接続部,502A…連結部
503…弾性部(板ばね)
504…穴部
505…突起
506…受容部
601…第3の接続部,601A…連結部,601B…小突起
602…第4の接続部,602A…連結部,602B…小突起
603…案内部,603A…案内溝
604…弾性部(トーション・バネ)

Claims (6)

  1. 複数の関節自由度を備えたロボット装置であって、
    少なくとも一部の関節は、関節軸駆動用アクチュエータ、減速器、駆動力伝達部の順の接続により構成され、
    前記駆動力伝達部は、リンクと、前記リンクの一端において前記関節軸駆動用アクチュエータ側に連結する第1の接続部と、前記リンクの他端において前記関節軸側に連結する第2の接続部と、前記第1及び第2の接続部の間に挿入される弾性部と、前記弾性部の弾性変形による最大変位量を設定する最大変位量設定部を備え、前記減速器により減速された前記関節軸駆動用アクチュエータの駆動力を関節に伝達し、
    前記弾性部は、前記駆動力が前記減速器が持つバックラッシュ特性に応じて決定される所定の臨界駆動力以下となるときには前記減速器のバックラッシュ特性を吸収できる低い第1の弾性定数で弾性変形する受動駆動域と、前記駆動力が前記臨界駆動力を越えるときには前記駆動力の増加に伴って前記第1の弾性定数よりも増加する第2の弾性定数で弾性変形する能動駆動域を有する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  2. 第2のリンクと、前記第2のリンクの一端において前記関節軸駆動用アクチュエータ側に連結する第3の接続部と、前記第2のリンクの他端において前記関節軸側に連結する第4の接続部と、前記第3及び第4の接続部の間に挿入される第2の弾性部と、前記第2の弾性部の変位を規制する変位規制部を有し、前記駆動力伝達部に直列接続された第2の駆動力伝達部をさらに備え、
    前記第2の弾性部は、前記駆動力が前記臨界駆動力より大きく前記アクチュエータに伝わると破壊を招きかねない所定の閾値を越えたときに前記駆動力の増加に伴って弾性定数を低下させながら弾性変形する機体保護域を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  3. 複数の関節自由度を備えたロボット装置であって、
    少なくとも一部の関節は、関節軸駆動用アクチュエータ、減速器、駆動力伝達部の順の接続により構成され、
    前記駆動力伝達部は、リンクと、前記リンクの一端において前記関節軸駆動用アクチュエータ側に連結する第3の接続部と、前記リンクの他端において前記関節軸側に連結する第4の接続部と、前記第3及び第4の接続部の間に挿入される第2の弾性部と、前記第2の弾性部の変位を規制する変位規制部を備え、前記減速器により減速された前記関節軸駆動用アクチュエータの駆動力を関節に伝達し、
    前記第2の弾性部は、前記駆動力が前記臨界駆動力より大きく前記アクチュエータに伝わると破壊を招きかねない所定の閾値を越えたときに前記駆動力の増加に伴って弾性定数を低下させながら弾性変形する機体保護域を有する、
    ことを特徴とするロボット装置。
  4. 1以上の関節自由度を供えた機械装置のための関節軸駆動装置であって、
    関節軸駆動用アクチュエータ、減速器、駆動力伝達部の順の接続により構成され、
    前記駆動力伝達部は、リンクと、前記リンクの一端において前記関節軸駆動用アクチュエータ側に連結する第1の接続部と、前記リンクの他端において前記関節軸側に連結する第2の接続部と、前記第1及び第2の接続部の間に挿入される弾性部と、前記弾性部の弾性変形による最大変位量を設定する最大変位量設定部を備え、前記減速器により減速された前記関節軸駆動用アクチュエータの駆動力を関節に伝達し、
    前記弾性部は、前記駆動力が前記減速器が持つバックラッシュ特性に応じて決定される所定の臨界駆動力以下となるときには前記減速器のバックラッシュ特性を吸収できる低い第1の弾性定数で弾性変形する受動駆動域と、前記駆動力が前記臨界駆動力を越えるときには前記駆動力の増加に伴って前記第1の弾性定数よりも増加する第2の弾性定数で弾性変形する能動駆動域を有する、
    ことを特徴とする関節軸駆動装置
  5. 第2のリンクと、前記第2のリンクの一端において前記関節軸駆動用アクチュエータ側に連結する第3の接続部と、前記第2のリンクの他端において前記関節軸側に連結する第4の接続部と、前記第3及び第4の接続部の間に挿入される第2の弾性部と、前記第2の弾性部の変位を規制する変位規制部を有し、前記駆動力伝達部に直列接続された第2の駆動力伝達部をさらに備え、
    前記第2の弾性部は、前記駆動力が前記臨界駆動力より大きく前記アクチュエータに伝わると破壊を招きかねない所定の閾値を越えたときに前記駆動力の増加に伴って弾性定数を低下させながら弾性変形する機体保護域を有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の関節軸駆動装置
  6. 1以上の関節自由度を供えた機械装置のための関節軸駆動装置であって、
    関節軸駆動用アクチュエータ、減速器、駆動力伝達部の順の接続により構成され、
    前記駆動力伝達部は、リンクと、前記リンクの一端において前記関節軸駆動用アクチュエータ側に連結する第3の接続部と、前記リンクの他端において前記関節軸側に連結する第4の接続部と、前記第3及び第4の接続部の間に挿入される第2の弾性部と、前記第2の弾性部の変位を規制する変位規制部を備え、前記減速器により減速された前記関節軸駆動用アクチュエータの駆動力を関節に伝達し、
    前記第2の弾性部は、前記駆動力が前記臨界駆動力より大きく前記アクチュエータに伝わると破壊を招きかねない所定の閾値を越えたときに前記駆動力の増加に伴って弾性定数を低下させながら弾性変形する機体保護域を有する、
    ことを特徴とする関節軸駆動装置
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