JP2001246208A - フィルター - Google Patents

フィルター

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JP2001246208A
JP2001246208A JP2000060255A JP2000060255A JP2001246208A JP 2001246208 A JP2001246208 A JP 2001246208A JP 2000060255 A JP2000060255 A JP 2000060255A JP 2000060255 A JP2000060255 A JP 2000060255A JP 2001246208 A JP2001246208 A JP 2001246208A
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filter
weight
odor
fiber
resin
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JP2000060255A
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English (en)
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Shinji Sano
眞二 佐野
Masao Kano
正雄 加納
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性のある着臭防止消臭性、抗菌性、防カビ
性および防汚性を同時に有する優れた機能性を有するフ
ィルターを提供すること。 【解決手段】繊維を主たる構成材としてなる帽子材料で
あり、該繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シリ
コーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくと
も1種のバインダーと、光触媒剤を有することを特徴と
するフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルターに関す
る。
【0002】更に詳しくは、従来なかった耐久性のある
着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性な
どの優れた機能性を有するフィルターに関する。
【0003】
【従来の技術】近年、生活水準の向上に伴い、健康およ
び衛生に関する意識も高まっており、関連する各分野に
おいて、消臭、抗菌、防カビおよび防汚加工を施した製
品や技術が実用化されている。
【0004】特に、産業資材分野および家庭資材分野で
幅広く使用されている空調用フィルター類では、本来の
気体と個体との分離する効果を期待されているが、その
ほかにも、フィルター自体に消臭、抗菌、防汚性の高い
ニーズがある。
【0005】たとえば、ビル空調用では、室内の埃や浮
遊する有機物、たばこの煙、人体からの汗臭などがフィ
ルターに捕集され、悪臭を発する場合がある。
【0006】また、長期間にわたり使用している間に、
捕集物にカビや雑菌が発生したりして衛生上も問題とな
る場合がある。従来、このように汚れたフィルターは定
期的に交換され産業廃棄物として廃棄されてきた。しか
しながら、昨今、産業廃棄物として廃棄することが規制
されてきており、フィルターの寿命延長、または洗浄も
含めリサイクルできる技術が期待されている。
【0007】このような問題に対して、これまでの解決
方法は、ほとんどないと言っても過言ではないものであ
り、強いて挙げれば、消臭スプレーを吹きかける等の方
法しかなかったのが現実である。
【0008】しかし、このような消臭スプレーを用いる
方法では臭いは完全には消えないし、繰返し使用したと
しても、根本的な解決にはつながらないものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のとおり、従来の
技術では、フィルターにしみこんだ臭いは消臭できない
のであって、着臭防止は不可能であった。
【0010】本発明は、かかる従来技術の問題点や従来
のフィルターを使用する人達の要請に鑑み、使用に際し
て持続性のある着臭防止効果や消臭効果があり、更に抗
菌、防カビおよび防汚性も同時に満足できるという、優
れた機能を有するフィルターを提供せんとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決する本
発明のフィルターは、以下の(1)〜(10)の構成か
らなる。 (1)繊維を主たる構成材料としてなるフィルターであ
り、該繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シリコ
ーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも
1種のバインダーと、光触媒剤を有することを特徴とす
るフィルター。 (2)該バインダーが、繊維重量に対して0.05〜1
00重量%含まれていることを特徴とする上記(1) 記載
のフィルター。 (3)該光触媒剤が、チタンとケイ素からなる複合酸化
物であることを特徴とする上記(1) または(2) 記載のフ
ィルター。 (4)該光触媒剤が、100〜300m2 /gの比表面
積を有する粒子であることを特徴とする上記(1) 〜(3)
のいずれかに記載のフィルター。 (5)該光触媒剤の平均一次粒子径が、1〜20nmの
範囲にあることを特徴とする上記(1) 〜(4) のいずれか
に記載のフィルター。 (6)該光触媒剤が、繊維重量に対して0.05〜30
重量%含まれていることを特徴とする上記(1) 〜(5) の
いずれかに記載のフィルター。 (7)該バインダーが、ゼオライトを含有するものであ
ることを特徴とする上記(1) 〜(6) のいずれかに記載の
フィルター。 (8)該ゼオライトが、繊維重量に対して0.01〜1
0重量%含まれていることを特徴とする上記(7) 記載の
フィルター。 (9)該バインダーが、シランカップリング剤を含有す
るものであることを特徴とする上記(1) 〜(8) のいずれ
かに記載のフィルター。 (10)該シランカップリング剤が、繊維重量に対して
0.01〜30重量%含まれていることを特徴とする上
記(9) 記載のフィルター。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明のフィル
ターについて説明をする。
【0013】本発明のフィルターは、繊維を主たる構成
材料としてなるものであり、該繊維表面に、アルキルシ
リケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂
から選ばれた少なくとも1種のバインダーと、光触媒剤
を有するものである。
【0014】本発明において、光触媒剤とは、紫外線に
より励起され、強い酸化力によって有機物を酸化分解す
る特性を有するものであり、具体的には、アナターゼ
型、ルチル型と呼ばれる結晶型の構造をもつものが含ま
れる。
【0015】本発明のフィルターにおいては、かかる光
触媒剤が、消臭性、着色物分解除去性(防汚性)、殺菌
性(抗菌、防カビ)を有するということに着目し、これ
をフィルター構成材料に付与して生かしたものである。
【0016】かかる光触媒の作用は、皮膚下のエクリン
腺、アポクリン腺から出た水分に、皮膚の周囲にある常
在菌により、汗の臭い(主成分:アンモニアやイソ吉草
酸)が発生し、この臭いに光触媒で励起された・OH基
(水酸基ラジカル)が汗の主成分に触れ、これをCO2
(炭酸ガス)とH2 0(水)に分解して消臭すると考え
られる。
【0017】また、例えば、加齢臭(中高年臭)と呼ば
れる臭いでは、主成分のノネナールが、老人臭(中高年
臭)では、主成分のインドール、スカトールが 、糞尿
臭では、主成分のアンモニアが、他の体臭では、主成分
のアセトアルデヒド、メチルメルカプタンが、タバコ臭
では、主成分のニコチンが、それぞれ同様に光触媒剤で
分解することができるものである。
【0018】本発明においては、かかる光触媒剤の中で
も、チタンとケイ素からなる複合酸化物を使用するのが
好ましい。
【0019】かかる複合酸化物は、例えば、特公平5−
55184号公報に記載された方法で製造した触媒剤を
用いればよい。一般に、チタンとケイ素からなる二元系
複合酸化物は、例えば、「触媒」(第17巻、No.3、
72頁(1975年、触媒学会発行))に記載されてい
るように、固体酸として知られており、チタンとケイ素
の割合は、酸化物に換算して、酸化チタンが20〜95
モル%、酸化ケイ素が5〜80モル%の範囲にあること
が好ましい。
【0020】かかる光触媒の粒子径は、大きすぎたり、
比表面積が小さすぎたりすると、有機物、特に細菌に対
する分解速度が低下する傾向がある。また、消臭反応
は、上述したように悪臭成分が触媒に吸着し、その後、
紫外線酸化分解を受ける過程を経ると考えられ、悪臭成
分の吸着の良し悪しが、消臭効率に大きく影響を与える
と考えられる。本発明者らの知見によれば、一次粒子径
としては、好ましくは20nm以下、より好ましくは1
〜20nmの範囲内であり、比表面積は100〜300
2 /gであるものが好ましく使用される。
【0021】かかる光触媒剤の繊維構造物に対する付着
量は、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましく
は0.05〜20重量%である。かかる付着量は、プリ
ントやグラビアによる布地に塗布する方法で容易に達成
することができる。この光触媒剤をパディングで含浸す
る方法では、風合いのソフトさの点から、0.08〜1
0重量%の付着量に制御するのが好ましい。
【0022】本発明においては、たとえば上述のように
チタンとケイ素の複合酸化物などからなる光触媒剤をフ
ィルターを構成する繊維構造物に付着させるため、アル
キルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素
系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーを用い
ることにより、有機系樹脂特有の光触媒剤の酸化による
分解、着色、臭気の発生を防止することができる。
【0023】この組合せであれば、繊維と光触媒剤を含
むバインダーとの間に過酸化チタン等の無機物の中間層
は不要となり、光触媒剤の洗濯耐久性、製品の風合い、
コスト等が中間層のあるものに比べ飛躍的に改善され
る。
【0024】本発明に用いられるアルキルシリケート
は、主にSi−Oの結合部分と、直鎖または分岐のある
飽和アルキルから成り、その両端にOH基をもつことを
特徴とするものである。すなわち、下記に示される構造
を含むものである。
【0025】OH−(Si−O)n −R−OH 式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のある飽
和アルキル基であり、nは1以上の整数を意味し、好ま
しくは無機性を高めるために1000〜10000の範
囲である。
【0026】かかるアルキル基は、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル等の直鎖または分岐のある飽和ア
ルキルである。
【0027】かかるバインダーの付着量は、繊維に対し
て、塗布法では、好ましくは、0.05〜100重量%
であり、より好ましくは0.05〜30重量%であり、
また、含浸法では、風合いの点から、好ましくは0.0
5〜10重量%の範囲に制御するのがよい。
【0028】また、シリコーン系樹脂としては、シリコ
ーンレジンもしくはシリコーンワニスという分類に属す
る縮合架橋型樹脂を使用することができ、かかる樹脂
は、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン
などの縮合架橋型樹脂を、単独または数種の配合物を縮
合して得ることができるものが含まれる。これらは、3
次元構造の樹脂を形成し、シリコーン樹脂の中でも、最
も耐熱性や耐薬品性に優れたものである。かかる樹脂の
付着量は、繊維に対して、塗布法では、好ましくは0.
05〜100重量%であり、また、含浸法では風合いの
点から、好ましくは0.05〜30重量%の範囲に制御
するのがよい。
【0029】また、フッ素系樹脂としては、ビニルエー
テルおよび/またはビニルエステルとフルオロオレフィ
ン重合性化合物が、非常に優れた特性を持っていて好ま
しく使用される。例えば、ポリフッ化ビニルやポリ四フ
ッ化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエステルやビニルエステル−フルオロオレフィ
ンなどが分解、劣化が少ないので好ましく使用される。
かかる樹脂の付着量はシリコーン系樹脂と同量で好まし
く使用される。
【0030】また、かかるバインダーにゼオライトをさ
らに添加することは、抗菌性能を更に高める効果がある
ので好ましい。
【0031】すなわち、臭い成分の吸着力の向上と構造
物中の無機系成分比を増加させ、光触媒による分解を抑
制する作用がある。かかるゼオライトは、金、白金、
銀、パラジウム等の貴金属を好ましくは0.01〜5重
量%の範囲で担持したものを用いることもでき、これに
より更に抗菌効果が向上する。かかるゼオライトの付着
量は、風合いの点から、繊維に対して、塗布法では好ま
しくは0.01〜10重量%であり、また、含浸法では
好ましくは0.01〜5重量%の範囲に制御するのがよ
い。
【0032】次に、上述のバインダーにカップリング剤
をさらに添加することは、無機物と有機物の接着力を向
上させることができるので好ましい。これにより繊維、
バインダー、光触媒の相互間に化学的結合力が働き、洗
濯耐久性の向上につながる。かかるカップリング剤の付
着量は、繊維に対して、塗布法では好ましくは0.01
〜30重量%であり、また、含浸法では、風合いの点か
ら、好ましくは0.01〜10重量%の範囲に制御する
のがよい。かかるカップリング剤としては、例えば、シ
ランカップリング剤を好ましく用いることができる。
【0033】次いで、かかる光触媒剤とバインダーを含
む加工液をフィルター材中の繊維表面に固着させるもの
であるが、その方法については、特に限定されるもので
ないが、該加工液を布地等に含浸させて、マングルロー
ルで絞り、ドライ−キュアの工程を経る、いわゆる通常
の布地の樹脂加工に準じて行うのが好ましい。
【0034】ドライ−キュアのそれぞれの温度×時間条
件は、例えば、 ドライ:110〜135℃×1〜3分、 キュア:160〜190℃×1〜3分、 が好ましい条件である。
【0035】なお、プリント、グラビアなどの塗布工程
では、この加工液を糊剤で適当な粘度に調整して、ナイ
フコーターやグラビアロールコーター、印捺などで塗布
した後、170〜200℃×5〜30分の温度条件で固
定する、いわゆる通常のプリント加工、グラビア加工を
好ましく採用することができる。いずれにしても、かか
る加工においては、布帛の有する通気性等の諸特性を保
持させる方向で各種条件が選択されるのがよい。
【0036】本発明のフィルターは、構成する繊維とし
ては、合成繊維、天然繊維、あるいはそれらの混合等に
より使用することができる。
【0037】特に限定されるものではないが、好ましく
は、フィルターとしての軽量性、高強力性等の点から、
ポリエステル系繊維またはポリアミド繊維、ポリプロピ
レン繊維、ポリエチレン繊維を主体とした繊維から構成
されているものがよい。
【0038】ここで、ポリエステル系繊維としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレ
ンテレフタレートなどが好ましく使用できる。また、ポ
リアミド繊維としては、ナイロン6、ナイロン66など
が本発明の効果を大きく発揮できるので好ましい。
【0039】また、耐熱性、耐薬品性などが必要な用途
においてはアラミド繊維またはポリフェニレンサルファ
イト繊維、フッ素系繊維などを用いることができる。
【0040】本発明のフィルターの形態としては、不織
布の形態が好ましく、また織物、編物も使用できる。
【0041】さらに、該不織布の種類としては、特に限
定されるものではないが、レジンボンド不織布、サーマ
ルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、ステッチボン
ド不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織
布、スパンボンド不織布、あるいは湿式不織布などを使
用することができる。生産性やコスト、取り扱い性の面
から、好ましくはレジンボンド不織布、サーマルボンド
不織布、ニードルパンチ不織布、スパンボンド不織布、
湿式不織布である。また、必要に応じて不織布と織物あ
るいは編物とが複合されたものであってもよい。不織布
は、エレクトレット加工されたものでもよい。
【0042】本発明のフィルターを構成する繊維の繊度
は、特に限定されるものではないが、要求されるフィル
ター性能に合わせて、たとえば0.01〜500デシテ
ックスのもの等が使用できる。
【0043】また、本発明のフィルターの繊維目付は、
特に限定されるものではないが、要求されるフィルター
性能に合わせて、例えば、10〜2000g/m2 のも
のなどを用いることができる。
【0044】本発明においてフィルターとは、繊維で構
成されるものであれば、特に限定されるものでなく、気
体と固体を分離する用途のもの、液体と固体を分離する
もの、液体を浸透させ揮発させるものなどがあり、カー
フィルターなどの車両用、ビルなどの空調用からクリー
ンルームの超高性能な性能を要求させるもの、エアコン
や空気清浄機などの家庭製品内のフィルターなどをい
う。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0046】なお、実施例中での品質評価は次の方法を
用いた。また、試料はフィルター生地から採取したもの
である。 [A]洗濯 サンプルを洗濯ネットに入れ、自動反転渦巻き式電気洗
濯機VH−3410((株)東芝製)を用い、JIS
L 0217 103号に準じて洗濯し、これを1回と
した。 [B]検知管法による消臭性評価 試料を10g入れた500mlの容器に初期濃度が20
0ppmになるようにアンモニアガスをいれて密閉し、
1時間放置後、ガス検知管で残留アンモニア濃度を測定
した。
【0047】そして、下記の式に従い、消臭率(%)と
して算出した(臭気A)。
【0048】消臭率(%)=〔1−(ガス検知管測定濃
度)/(初期濃度)〕×100 同様な方法で、アセトアルデヒド200ppm−1時間
後(臭気B)と、メチルメルカプタン60ppm−3時
間後(臭気C)、の残留ガス濃度をそれぞれ測定し、各
気体の消臭率を算出した。 [C]タバコ臭に対する消臭性の臭覚評価 500mlのガラス製三角フラスコを入り口を下にし
て、入り口の直下に発煙している紙巻きタバコを5秒間
置いた後、すばやく三角フラスコを横にして試料3gを
投入し、ガラス栓で密閉した。1時間放置後、ガラス栓
を開け、10人の人に残臭を嗅いでもらい官能評価し
た。そのときの臭気を下記評価点数で評価し、平均値を
算出した。
【0049】 5:強烈な臭い 4:強い臭い 3:楽に感知できる 2:何の臭いかわかる弱い臭い 1:無臭 [D]イソ吉草酸臭による着臭防止性の臭覚評価 0.01%のイソ吉草酸水溶液をマイクロシリンジにて
5μl秤量し、これを10cm×10cmの大きさに切
り取った布帛中央部に5点滴下する。滴下の方法は布帛
中央部に1点、続いて中央部の1点を取り囲むようにち
ょうどサイコロの五の目をなすがごとく4点滴下する。
この布帛を蛍光灯下に3時間放置後、10人の人に布帛
の臭いを嗅いで官能評価した。そのときの臭気を下記評
価点数で評価し、平均値を算出した。
【0050】 5:強烈な臭い 4:強い臭い 3:楽に感知できる 2:何の臭いかわかる弱い臭い 1:無臭 [E]抗菌性評価方法 評価方法は、統一試験法を採用し、試験菌体は黄色ブド
ウ状球菌臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試験布
に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測
し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準にしたがっ
た。log(B/A)>1.5の条件下、log(B/
C)を菌数増減値差とし、2.2以上を合格とした。
【0051】ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収
した菌数であり、Bは無加工品の18時間培養後、分散
回収した菌数であり、Cは加工品の18時間培養後分散
回収した菌数をそれぞれ表す。
【0052】実施例1 ポリエステル短繊維(繊度3.3dtex、繊維長51
mm)を用いて、アクリル樹脂により接着した目付10
0g/m2 のレジンボンド不織布を作成した。
【0053】次いで、下記の加工剤、使用量で加工液を
調合した。 A、チタンとケイ素の複合酸化物 (濃度20%) 0.7重量% 平均一次粒子径が7nm、平均比表面積が150m2 /gであるチタンとケイ 素の複合酸化物を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.3μmとしたものを用 いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 0.4重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 1.8重量% C、貴金属担持型ゼオライト(濃度20%) 0.15重量% D、シランカップリング剤(濃度100%) 0.15重量% これに上記不織布を浸し、マングルロールでピックアッ
プ80重量%で絞り、130℃で1.5分乾燥した後、
175℃で2分間熱処理し、繊維表面に光触媒を含む不
織布を得、本体に用いてフィルターを作成した。この不
織布について、着臭防止性(消臭性)、抗菌性、防汚性
などの評価をして、結果を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】実施例2 ポリエステル短繊維(繊度3.3dtex、繊維長51
mm)を用いて、目付50g/m2のスパンレース不織
布を作成した。 次いで、下記の加工剤、使用量で加工
液を調合した。
【0056】この不織布を下記の加工液を不織布重量に
対して、15%塗布し120℃で2分間乾燥した後、1
60℃で5分間熱処理した。
【0057】なお、加工液は次の通り調合した。 A、チタンとケイ素の複合酸化物 (濃度20%) 4.3重量% 平均一次粒子径が7nm、平均比表面積が150m2 /gであるチタンとケイ 素の複合酸化物を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.3μmとしたものを用 いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 2.7重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 10.7重量% C、貴金属担持型ゼオライト(濃度20%) 1.1重量% D、シランカップリング剤(濃度100%) 1.1重量% このようにして、繊維表面に光触媒を含む不織布を得、
本体に用いてフィルターを作成した。この不織布につい
て、着臭防止性(消臭性)、抗菌性などの評価をして、
結果を表1に併記した。
【0058】比較例1、比較例2 実施例1、実施例2で用いた、光触媒加工前の不織布に
ついて(それぞれ比較例1、2とした)、着臭防止消臭
性、抗菌性、防汚性などを比較、評価をして、結果を表
1に示した。
【0059】表1から明らかなように、実施例1、2の
ものは、比較例1、2のものに比較して、着臭防止性、
消臭性については、極めて優れたレベルの機能を発揮し
ており、しかも、抗菌性、防汚性および耐久性に優れて
いることがわかる。
【0060】さらに、この生地を使用しフィルターを作
成し、実用した結果、フィルター生地評価と同様に、極
めて優れた着臭防止、抗菌効果があることを確認でき
た。
【0061】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によれば、耐久性
のある着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ性および防
汚性を同時に有する優れた機能性を有するフィルター材
料を提供することができる。
【0062】請求項2に係る本発明によれば、特に、本
来の繊維構造体の風合いのソフトさを損なうことなく、
耐久性のある着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ性お
よび防汚性を同時に有する優れた機能性を有するフィル
ターを提供することができる。
【0063】請求項3に係る本発明によれば、特に、ア
ルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ
素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーを用
いることにより、有機系樹脂特有の光触媒剤の酸化によ
る分解、着色、臭気の発生を防止することができて、か
つ、耐久性のある着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ
性および防汚性を同時に有する優れた機能性を有するフ
ィルターを提供することができる。
【0064】請求項4に係る本発明によれば、特に、悪
臭成分の吸着が良く、かつ、耐久性のある着臭防止性、
消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有する
優れた機能性を有するフィルターを提供することができ
る。
【0065】請求項5に係る本発明によれば、特に、悪
臭成分の吸着が良く、かつ、耐久性のある着臭防止性、
消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有する
優れた機能性を有するフィルターを提供することができ
る。
【0066】請求項6に係る本発明によれば、特に、本
来の繊維製品の風合いのソフトさを損なうことなく、耐
久性のある着臭防止性、消臭性、抗菌性、防カビ性およ
び防汚性を同時に有する優れた機能性を有するフィルタ
ーを提供することができる。
【0067】請求項7に係る本発明によれば、特に、抗
菌性能が高く、かつ、耐久性のある着臭防止性、消臭
性、抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有する優れ
た機能性を有するフィルターを提供することができる。
【0068】請求項8に係る本発明によれば、特に、本
来の繊維製品の風合いのソフトさを損なうことなく、特
に、抗菌性能が高く、かつ、耐久性のある着臭防止性、
消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有する
優れた機能性を有するフィルターを提供することができ
る。
【0069】請求項9に係る本発明によれば、無機物と
有機物の接着力を向上させることができ、繊維、バイン
ダー、光触媒の相互間に化学的結合力が働き、特に、洗
濯耐久性が良好な、耐久性のある着臭防止性、消臭性、
抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有する優れた機
能性を有するフィルターを提供することができる。
【0070】請求項10に係る本発明によれば、特に、
本来の繊維製品の風合いのソフトさを損なうことなく、
無機物と有機物の接着力を向上させることができ、繊
維、バインダー、光触媒の相互間に化学的結合力が働く
ことにより洗濯耐久性が良好な、耐久性のある着臭防止
性、消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性を同時に有
する優れた機能性を有するフィルターを提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/36 J Fターム(参考) 4D019 AA01 BA13 BA18 BB03 BC05 BC06 BC07 BC10 DA01 4D048 AA22 AB01 AB03 BA06X BA07X BA11X BA30X BA31X BA32X BA33X BA34X BB08 CD05 EA01 4G069 AA01 AA03 AA04 AA08 AA09 BA02A BA02B BA02C BA04A BA04B BA04C BA07A BA07B BA22A BA22B BA22C BA48A BA48C BC32B BC33B BC69B CA07 CA10 CA17 EA03X EA07 EA13 EB18X EC03X FB15 ZA01B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維を主たる構成材としてなるフィルター
    であり、該繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シ
    リコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なく
    とも1種のバインダーと、光触媒剤を有することを特徴
    とするフィルター。
  2. 【請求項2】該バインダーが、繊維重量に対して0.0
    5〜100重量%含まれていることを特徴とする請求項
    1記載のフィルター。
  3. 【請求項3】該光触媒剤が、チタンとケイ素からなる複
    合酸化物であることを特徴とする請求項1または2記載
    のフィルター。
  4. 【請求項4】該光触媒剤が、100〜300m2 /gの
    比表面積を有する粒子であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載のフィルター。
  5. 【請求項5】該光触媒剤の平均一次粒子径が、1〜20
    nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のフィルター。
  6. 【請求項6】該光触媒剤が、繊維重量に対して0.05
    〜30重量%含まれていることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載のフィルター。
  7. 【請求項7】該バインダーが、ゼオライトを含有するも
    のであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載のフィルター。
  8. 【請求項8】該ゼオライトが、繊維重量に対して0.0
    1〜10重量%含まれていることを特徴とする請求項7
    記載のフィルター。
  9. 【請求項9】該バインダーが、シランカップリング剤を
    含有するものであることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかに記載のフィルター。
  10. 【請求項10】該シランカップリング剤が、繊維重量に
    対して0.01〜30重量%含まれていることを特徴と
    する請求項9記載のフィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11090632B2 (en) 2018-09-05 2021-08-17 Fujifilm Business Innovation Corp. Filter containing photocatalyst particles and resin particles

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