JP2001243983A - 固体電解質電池 - Google Patents

固体電解質電池

Info

Publication number
JP2001243983A
JP2001243983A JP2000050980A JP2000050980A JP2001243983A JP 2001243983 A JP2001243983 A JP 2001243983A JP 2000050980 A JP2000050980 A JP 2000050980A JP 2000050980 A JP2000050980 A JP 2000050980A JP 2001243983 A JP2001243983 A JP 2001243983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolyte
polymer
active material
particles
electrolyte battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000050980A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Hara
亨 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2000050980A priority Critical patent/JP2001243983A/ja
Publication of JP2001243983A publication Critical patent/JP2001243983A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Primary Cells (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 活物質および固体電解質の粒子を結着剤で結
着した固体電解質電池において、イオン伝導度が高い上
に、エネルギー密度低下の原因となる保持体を用いる必
要のない固体電解質電池を提供する。 【解決手段】 リチウムイオンの可逆的な吸蔵放出が可
能な活物質からなる正負電極間にリチウムイオン伝導性
を有する固体電解質を配設してなる固体電解質電池にお
いて、前記活物質および固体電解質の粒子を、三次元構
造をとるモノアルキルトリアルコキシシラン重合体から
なる高分子、またはモノアルキルトリアルコキシシラン
重合体とテトラアルコキシシランモノマーとを共重合さ
せた高分子で結着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はノートパソコンや携
帯電話等のモバイル機器に使用される固体電解質電池に
関し、特に固体電解質および活物質の粒子を結着する結
着剤を用いる固体電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モバイル機器の電源として用いら
れるリチウム二次電池の電解質には、リチウム塩を有機
電溶媒に溶解した有機電解液が用いられており、漏液が
問題となっていた。そこで、有機電解液の代わりに固体
電解質を用いる試みが多数なされてきた。
【0003】固体電解質の一つに、ポリエチレンオキサ
イドやポリプロピレンオキサイドに代表されるポリエー
テルにLiClO4やLiBF4などのリチウム塩を溶解
させた高分子固体電解質がある。このような高分子固体
電解質においては、ホッピングサイトである酸素原子の
間をリチウムイオンがホッピングすることによってイオ
ン伝導が可能となる。
【0004】しかしながら、ポリエーテルの分子運動が
室温では十分に活性化されていないため、80℃以上の
温度で分子運動を活性化しないとホッピングが起きにく
く、電解質として十分な特性が得られないという問題が
ある。また、リチウム塩を溶解することによってガラス
転移点が高くなるため、分子運動が不活性化するという
問題がある。さらに、リチウム塩を溶解すると対イオン
のイオン伝導があるため、リチウムイオン伝導に対する
輸率が低くなるという問題がある。このため、例えばL
iClO4を溶解させたポリエチレンオキサイドからな
る高分子固体電解質の室温でのイオン伝導度は1×10
-7S/cmと低く、有機電解液のイオン伝導度が1×1
-3〜10-2S/cmであるのに比べて大幅に劣り、実
用化されていない。
【0005】高分子の分子運動を活性化するために、ポ
リエチレンオキサイドの分子骨格にシロキサン結合を導
入したり、ポリフォスファゼンにポリエチレンオキサイ
ドの側鎖を結合することによって結晶化を抑制すること
が検討されてきたが、それでも有機電解液に匹敵するも
のは現れていない。さらに、1×103オーダーと低分
子量のポリエチレンオキサイドを用いることで室温での
イオン伝導度が1×10-4〜10-3S/cmに達するも
のも提案されているが、60℃以下では融解して流動し
てしまうため、実用化には問題があった。
【0006】低分子量のポリエチレンオキサイドと高融
点の高分子とのポリマーアロイを使うことで高温での使
用を可能にしようとする試みもある。例えば特開平10
−21962号公報では、分子量が1000程度のポリ
エチレンオキサイドにリチウム塩を溶解した高分子固体
電解質とポリフッ化ビニリデンのような高融点の高分子
とのポリマーアロイを用いることを提案している。この
構成では、低分子量のポリエチレンオキサイドは60℃
で融解するものの、ポリフッ化ビニリデンに保持されて
いるために流動しにくいという利点がある。ただし、融
解した状態にあることに違いはないので、応力が加わっ
た場合には融解成分が流出する危険性がある。
【0007】また、リチウムイオン伝導に対する輸率を
改善するため、特開平5−36441号公報では、リチ
ウムカルボキシレート基を含有するポリオルガノシロキ
サン鎖とポリオキシアルキレン鎖とから構成された高分
子共重合体を固体電解質に用いることを提唱している。
これによるとリチウムイオンの輸率が1になってシング
ルイオントランスファーが達成されるため、充放電時に
リチウムイオンの対イオンが移動することによる電極/
電解質界面構造の経時的変化が起こらず、定常電流が流
れるという利点がある。
【0008】しかしながら、特開平5−36441号公
報で提案された構成では、リチウムカルボキシル基が増
えると、擬架橋構造の形成によって高分子鎖の分子運動
が不活性化されるためにイオン伝導度が低下するという
問題がある。逆にカルボキシレート基を減らすと固体電
解質中のリチウムイオン濃度が低下するため、イオン伝
導度が低下するという問題がある。そのために、特開平
5−36441号の実施例においては、室温でのイオン
伝導度が1×10-7S/cmと低く、4μA/cm2
度の低電流密度における充放電を行なっても、正極活物
質として用いたスピネル型マンガン酸リチウムの理論容
量に対して2.4%程度の利用率しか得られていない。
【0009】その他にもシングルイオントランスファー
を達成するために、ポリアクリル酸、ポリスチレンスル
ホン酸、ポリビニルスルホン酸などのポリアニオン高分
子を用いた例があるが、擬架橋構造の形成によって高分
子鎖の分子運動が不活性化されるために、固体のままで
は室温でのイオン伝導度が1×10-7S/cmと低いこ
とから、例えば特開平10−54345号公報でも記述
されているように、電解液を含浸させてゲル化しないと
満足な特性を示すものが得られていない。
【0010】一方、低分子量のポリエチレンオキサイド
に比べて高温でも安定な無機固体電解質で、室温でのイ
オン伝導度が1×10-3S/cmに達するものがある。
そのような無機固体電解質としては、例えば0.01L
3PO4−0.63Li2S−0.36SiS2であらわ
される非晶質硫化物や、Li1+xxTi2-x(PO43
[MはAlなどの3価の陽イオン]であらわされる結晶
質酸化物が知られている。このような無機固体電解質で
は、シングルイオントランスファーが達成されている。
【0011】しかしながら、これら無機固体電解質は固
く脆いものであるため、これを焼結して固体電解質を形
成した場合、加工性に乏しく、薄型化が困難であるとい
う問題がある。
【0012】そこで、リチウムイオン伝導性無機固体電
解質の粒子をリチウムイオン伝導性高分子と混合するこ
とで、高いイオン伝導度を有し、加工性にも優れたもの
とすることが提案されている。
【0013】例えば特開平6−76828号公報では、
リチウムイオン伝導性非晶質硫化物のような無機固体電
解質とポリテトラフルオロエチレンのような高分子弾性
体とを混合した固体電解質成形体を用いることを提案し
ている。
【0014】しかしながら、特開平6−76828号公
報の構成では、加工性は向上するものの、無機固体電解
質の粒子を結着しているポリテトラフルオロエチレンが
リチウムイオン伝導に寄与しないため、無機固体電解質
の粒子間におけるイオン伝導は粒子の接触点に依存す
る。したがって、粒子間の接触面積が小さく、リチウム
イオン伝導に対する抵抗が高くなるという問題がある。
この結果、室温でのイオン伝導度は1×10-5〜10-4
S/cm程度の低い値しか得られていない。
【0015】そこで結着剤となる高分子にもホッピング
サイトを設けることが提案されている。
【0016】例えば特開平10−3818号公報では、
炭素−炭素二重結合をスルホン化させてなる重合体と、
リチウムイオン伝導性非晶質硫化物の粒子またはリチウ
ムイオン伝導性結晶質酸化物の粒子とを混合した固体電
解質を提案している。このような固体電解質では、無機
固体電解質の粒子同士が接触している接触点の周囲にリ
チウムイオンに電気的に緩い配位をする−SO3 -基が存
在し、これが分子運動によってリチウムイオンを運ぶた
めに粒子間のイオン伝導を妨げることがなく、したがっ
て無機固体電解質の高いイオン伝導度を維持したまま、
加工性にも優れたものとすることができる。なおホッピ
ングサイトとなる−SO3 -基は活物質や固体電解質と混
合して熱処理することによって開環するものであるた
め、始めからリチウムイオンを配位したものではなく、
リチウムイオンはあくまで固体電解質の粒子から供給さ
れる。特開平10−3818号公報では、0.9×10
-3S/cmと高いイオン伝導度を有するものも報告され
ている。また、特開平10−3926号公報では、同様
にスルホン化した重合体を用いて電極を形成することが
提案されており、先の特開平10−3818号公報の固
体電解質と組み合わせることで、全固体電池を形成する
ことが可能である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような固体電解質電池においては、スルホン化率が低い
とリチウムイオンのホッピングサイトが減るためにイオ
ン伝導度が低下し、逆にスルホン化率を高くすると、重
合体のゴム弾性が失われるために加工性が低下するとい
う問題があった。特開平10−3818号公報では、イ
オン伝導度を確保するためにスルホン化率を増やす一方
で、ポリエチレンメッシュやガラスメッシュなどの保持
体を用いることで加工性の低下を補うが、それによって
充放電反応に寄与しない部材を入れた分は活物質や固体
電解質の充填量を減らすことになり、エネルギー密度の
低下をもたらすという問題があった。
【0018】また、スルホン化物の開環反応を行なって
無機固体電解質の粒子との接触面において−SO3 -基を
生成させるために、スルホン化した重合体と無機固体電
解質との密着性を向上させるために、および収縮によっ
て無機固体電解質の粒子同士の接触を良くするために
は、無機固体電解質粒子とスルホン化した重合体との混
合物を150℃前後の温度で熱処理することとなり、こ
の際に未反応物が残っていると、副反応を起こして重合
物が炭化するという問題があった。
【0019】このような従来技術の問題点を勘案する
と、固体電解質粒子のマトリックスとなる高分子の分子
設計に対する指針が見えてくる。すなわち、(1)高分
子鎖の分子運動を活性化することが望ましく、(2)高
温でも融解しないよう耐熱性のある高分子を用いること
が望ましく、(3)好ましくない副反応を抑えるために
は、系の温度が上昇しすぎて熱暴走を起こすことのない
マイルドな重合反応を用いることが望ましいと考えられ
る。しかしながら、今までに種々検討されたハイドロカ
ーボンを主骨格とする高分子では、上記の条件を満たす
ものは見当らなかった。
【0020】本発明はこのような背景のもとになされた
ものであり、その目的は、固体電解質電池のイオン伝導
性と加工性を改善して、高性能でかつ製造の際に取り扱
いの容易な電池を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
固体電解質電池は、リチウムイオンの可逆的な吸蔵放出
が可能な活物質からなる正負電極間にリチウムイオン伝
導性を有する固体電解質を配設した固体電解質電池にお
いて、前記活物質および固体電解質の粒子を、モノアル
キルトリアルコキシシラン重合体からなる高分子、また
はモノアルキルトリアルコキシシラン重合体とテトラア
ルコキシシランモノマーとを共重合させた高分子で結着
したことを特徴とするものである。
【0022】本発明の固体電解質電池によれば、活物質
および固体電解質の粒子を、モノアルキルトリアルコキ
シシラン重合体からなる高分子、またはモノアルキルト
リアルコキシシラン重合体とテトラアルコキシシランモ
ノマーとを共重合させた高分子で結着したことから、ホ
ッピングサイトが高密度に存在し、しかも分子運動が活
性化された可撓性の高いマトリックスを活物質および固
体電解質の粒子同士の接触点近傍に配置することができ
るため、粒子間のイオン伝導に対する抵抗を低減でき
る。
【0023】また、上記高分子は、従来技術とは異な
り、リチウム塩、高分子鎖に結合したイオン交換基によ
って配位されたリチウムイオン、およびリチウムイオン
に配位し得る高分子鎖に結合したイオン交換基のいずれ
をも含まないため、擬架橋構造の形成による可撓性の劣
化が起こらない。したがって、ポリエチレンメッシュや
ガラスメッシュなどの保持体を用いる必要がないため、
活物質の充填量を多くすることができる。
【0024】その結果、高エネルギー密度となるので、
例えばモバイル機器の電源として使用される場合には、
機器を長時間駆動させることができる固体電解質電池と
なる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳
細に説明する。図1は本発明の固体電解質電池の例を示
す断面図である。図1において、1は正極側集電体、2
は正極、3は固体電解質、4は負極、5は負極側集電
体、6は電槽である。
【0026】正極2および負極4に用いる活物質として
は、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物、スピネル
型リチウムマグネシウムマンガン複合酸化物、スピネル
型リチウムニッケルマンガン複合酸化物、スピネル型リ
チウムチタン複合酸化物、スピネル型リチウムニオブチ
タン複合酸化物、およびスピネル型リチウム鉄チタン複
合酸化物のうちの少なくとも1種類が用いられる。これ
らはリチウムイオンのチャネルが3次元構造をとるため
に異方性が無く、したがって結晶のどの面が固体電解質
と接していようとリチウムイオンの脱挿入に影響はない
ことから、固体電解質電池に用いられる活物質としてふ
さわしい。また、これら活物質は充放電に伴う体積変化
が小さく、したがって充放電に伴う結晶崩壊が起こりに
くいため、固体電解質電池に用いられる活物質としてふ
さわしい。
【0027】固体電解質3に用いられるリチウムイオン
伝導性結晶質酸化物としては、Li 1+xxTi2-x(P
43[MはAlまたはGa]、Li1+x+yxTi2-x
Siy3-y12[MはAlまたはGa]、Li1+(4-n)x
xTi2-x(PO43[Mは1価または2価の陽イオ
ン、Mが1価のときn=1、Mが2価のときn=2、x
は0.1〜0.5]、LixyTiO3[Dは3価の金
属原子。0<x≦0.5、0.5≦y≦0.67、0.
5<x+y≦1、1.6≦x+3y≦2.2]、Lix
yMg0.50.53[Dは3価の金属原子。0<x≦
0.5、0.5≦y≦0.67、0.5<x+y≦1、
1.6≦x+3y≦2.2]のうちの少なくとも1種類
が用いられる。
【0028】正極活物質、負極活物質、および固体電解
質の粒子を結着する結着剤としては三次元構造をとるモ
ノアルキルトリアルコキシシラン重合体からなる高分
子、またはモノアルキルトリアルコキシシラン重合体と
テトラアルコキシシランモノマーとを共重合させた高分
子が用いられる。
【0029】モノアルキルトリアルコキシシラン重合体
から成る高分子はリチウムイオン伝導のためのホッピン
グサイトとなる酸素原子が高密度に存在しており、しか
も可撓性のある材料である。そのため、この結着剤が粒
子の接触点近傍に存在することにより、粒子間のイオン
伝導に対する抵抗が低減される上に、加工性にも優れた
電池となる。加えて、このような含シラン高分子は加水
分解重合によって熱暴走反応が起こることもなく簡易に
合成することができ、合成した重合体はシランを含まな
い高分子よりも耐熱性に優れている。本件の重合体は2
00℃の高温でも融解して流動したり、分解反応を起こ
すこともない。
【0030】なお、より高度な三次元構造を達成するた
め、およびホッピングサイトを増やすために、テトラア
ルコキシシランとの共重合体としても良い。ただし、テ
トラアルコキシシランの混合量が多いと可撓性が低下す
るため、その混合量が多すぎることは望ましくない。
【0031】正極2または負極4を作製するには、活物
質と導電性炭素材料などの導電剤と三次元構造をとるモ
ノアルキルトリアルコキシシラン重合体からなる高分
子、またはモノアルキルトリアルコキシシラン重合体と
テトラアルコキシシランモノマーとを共重合させた高分
子を粘度1ポイズ以上に調整したものとを混合してスラ
リーを調整し、このスラリーを正極側集電体1または負
極側集電体5に塗布し、150〜200℃で硬化する方
法が用いられる。
【0032】ここでモノアルキルトリアルコキシシラン
重合体からなる高分子、またはモノアルキルトリアルコ
キシシラン重合体とテトラアルコキシシランモノマーと
を共重合させた高分子の粘度を1ポイズ以上とするの
は、塗布した後のスラリーが硬化するまでの保形性を考
慮したためである。粘度が低いと膜厚を薄くするのに適
しているが、乾燥するまでにスラリーが流れやすいため
に取り扱いにくいという問題が発生する。
【0033】固体電解質3を作製するには、リチウムイ
オン伝導性結晶質酸化物と三次元構造をとるモノアルキ
ルトリアルコキシシラン重合体からなる高分子、または
モノアルキルトリアルコキシシラン重合体とテトラアル
コキシシランモノマーとを共重合させた高分子を粘度1
ポイズ以上に調整したものとを混合してスラリーを調整
し、このスラリーを正極2および/または負極4に塗布
し、150〜200℃で硬化する方法が用いられる。
【0034】正極側集電体1および負極側集電体5は、
それぞれ正極2または負極4からの集電のために配置さ
れる。材質としてはアルミニウム、銅、ステンレスなど
が用いられるが、価格の低いこと、電子伝導性の高いこ
と、軽量であることを総合的に考慮するとアルミニウム
が好ましい。
【0035】電槽6としては、例えばアルミニウム箔と
ポリエチレンとを積層したラミネートフィルムなどが用
いられる。
【0036】
【実施例】次に、本発明の固体電解質電池について具体
例を説明する。
【0037】〔例1〕まず、モノメチルトリメトキシシ
ラン重合体を結着剤とすることによって、本発明の固体
電解質電池Aを作製した。
【0038】正極活物質であるLi1.1Mn1.94を7
2wt%、導電剤であるアセチレンブラックを8wt
%、粘度1ポイズに調整したモノメチルトリメトキシシ
ラン重合体(平均分子量7000)を20wt%秤量
し、これらを混合してスラリーを調整した。このスラリ
ーをアルミニウム箔上に塗布し、200℃で1時間熱処
理することによって硬化させて正極を形成した。
【0039】負極活物質であるLi1.33Mn1.674
72wt%、導電剤であるアセチレンブラックを8wt
%、粘度1ポイズに調整したモノメチルトリメトキシシ
ラン重合体(平均分子量7000)を20wt%秤量
し、これらを混合してスラリーを調整した。
【0040】このスラリーをアルミニウム箔上に塗布
し、200℃で1時間熱処理することによって硬化させ
て負極を形成した。
【0041】固体電解質であるLi1.3Al0.3Ti1.7
(PO43を80wt%、粘度1ポイズに調整したモノ
メチルトリメトキシシラン重合体(平均分子量700
0)を20wt%秤量し、これらを混合してスラリーを
調整した。
【0042】このスラリーを正極および負極に塗布し
て、これらを張り合わせた後、200℃で1時間熱処理
することによって硬化させ、固体電解質電池を形成し
た。寸法は50×50mm、厚さは正極が50μm、固
体電解質が10μm、負極が50μmの、計110μm
とした。
【0043】固体電解質電池をアルミニウム−ポリエチ
レンラミネートフィルムで包んで加熱融着することで電
槽を形成した。
【0044】また、比較例として、上記と同じ活物質材
料、上記と同じ固体電解質材料において、結着剤をモノ
メチルトリメトキシシラン重合体ではなく、炭素−炭素
二重結合をスルホン化させてなる重合体を用いてポリエ
チレンメッシュで保持して形成した従来の固体電解質電
池Bを作製した。
【0045】そして、これら固体電解質電池A及びBに
ついて正極活物質基準の充放電容量特性を充放電測定装
置を用いて100μA/cm2の電流密度で求めた。こ
れらの充放電容量特性の結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1は固体電解質電池Aと固体電解質電池
Bの正極活物質および負極活物質の充填量と、充放電容
量特性を示すものである。これらから分かるように、固
体電解質電池Aのほうが固体電解質電池Bよりも活物質
の充填量が多くなっており、良好な充放電容量特性を有
している。
【0048】これにより、本発明の活物質および固体電
解質の粒子を、三次元構造をとるモノアルキルトリアル
コキシシラン重合体からなる高分子、またはモノアルキ
ルトリアルコキシシラン重合体とテトラアルコキシシラ
ンモノマーとを共重合させた高分子で結着した固体電解
質電池は、ホッピングサイトが高密度に存在し、しかも
分子運動が活性化された可撓性の高いマトリックスを活
物質および固体電解質の粒子同士の接触点近傍に配置す
ることができるため、粒子間のイオン伝導に対する抵抗
を低減できる上に、擬架橋構造の形成による可撓性の劣
化が起こらないため、従来のようにポリエチレンメッシ
ュやガラスメッシュなどの保持体を用いて加工性の低下
を補う必要がなく、活物質の充填量を多くすることがで
き、良好な充放電容量特性を有する固体電解質電池とな
ることが確認できた。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、活物質
および固体電解質の粒子を、モノアルキルトリアルコキ
シシラン重合体からなる高分子、またはモノアルキルト
リアルコキシシラン重合体とテトラアルコキシシランモ
ノマーとを共重合させた高分子で結着したことから、ホ
ッピングサイトが高密度に存在し、しかも分子運動が活
性化された可撓性の高いマトリックスを活物質および固
体電解質の粒子同士の接触点近傍に配置することができ
るため、粒子間のイオン伝導に対する抵抗を低減できる
上に、擬架橋構造の形成による可撓性の劣化が起こらな
いため、従来のようにポリエチレンメッシュやガラスメ
ッシュなどの保持体を用いて加工性の低下を補う必要が
なく、活物質の充填量を多くすることができ、高エネル
ギー密度となる、良好な電池特性を有する固体電解質電
池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質電池の実施の形態の一例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1:正極側集電体、2:正極、3:固体電解質、4:負
極、5:負極側集電体、6:電槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 6/18 H01M 6/18 Z 10/36 10/36 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオンの可逆的な吸蔵放出が可
    能な活物質からなる正負電極間にリチウムイオン伝導性
    を有する固体電解質を配設してなる固体電解質電池にお
    いて、前記活物質および固体電解質の粒子を、モノアル
    キルトリアルコキシシラン重合体からなる高分子、また
    はモノアルキルトリアルコキシシラン重合体とテトラア
    ルコキシシランモノマーとを共重合させた高分子で結着
    したことを特徴とする固体電解質電池。
JP2000050980A 2000-02-28 2000-02-28 固体電解質電池 Pending JP2001243983A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000050980A JP2001243983A (ja) 2000-02-28 2000-02-28 固体電解質電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000050980A JP2001243983A (ja) 2000-02-28 2000-02-28 固体電解質電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001243983A true JP2001243983A (ja) 2001-09-07

Family

ID=18572698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000050980A Pending JP2001243983A (ja) 2000-02-28 2000-02-28 固体電解質電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001243983A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002042889A (ja) * 2000-07-21 2002-02-08 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
JP2006086102A (ja) * 2004-08-17 2006-03-30 Ohara Inc リチウムイオン二次電池および固体電解質
JP2007005279A (ja) * 2004-12-13 2007-01-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 活物質層と固体電解質層とを含む積層体およびこれを用いた全固体リチウム二次電池
JP2016031868A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 富士フイルム株式会社 全固体二次電池、電池用電極シート、電池用電極シートの製造方法、固体電解質組成物、固体電解質組成物の製造方法、および全固体二次電池の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002042889A (ja) * 2000-07-21 2002-02-08 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
JP2006086102A (ja) * 2004-08-17 2006-03-30 Ohara Inc リチウムイオン二次電池および固体電解質
JP2007005279A (ja) * 2004-12-13 2007-01-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 活物質層と固体電解質層とを含む積層体およびこれを用いた全固体リチウム二次電池
JP2016031868A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 富士フイルム株式会社 全固体二次電池、電池用電極シート、電池用電極シートの製造方法、固体電解質組成物、固体電解質組成物の製造方法、および全固体二次電池の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3736045B2 (ja) 全固体リチウム電池
JP6005633B2 (ja) 電気化学素子用電解質、その製造方法、及びそれを備える電気化学素子
JP6005632B2 (ja) 電気化学素子用電解質、その製造方法、及びそれを備える電気化学素子
JP3948838B2 (ja) ハイブリッドポリマー電解質、その製造方法及びこれを用いて製造したリチウム電池
KR101847035B1 (ko) 전도성 고분자를 포함하는 전고체 리튬이차전지 및 그의 제조방법
JP4541432B2 (ja) リチウム二次電池
CN113728482B (zh) 固体电解质复合材料和包括其的全固态电池电极
JP2012164571A (ja) 負極体及びリチウムイオン電池
KR20190113606A (ko) 리튬 금속 전지
CN101630728A (zh) 一种高能量密度锂二次电池电极及其制备方法
KR20200122904A (ko) 전고체 전지용 전해질막 및 이를 포함하는 전고체 전지
CN112602208B (zh) 全固态电池的电极和制造包括该电极的电极组件的方法
KR102122878B1 (ko) 전고상 리튬이차전지용 바인더, 이를 포함하는 전극 및 전고상 리튬이차전지
JP6748909B2 (ja) 全固体電池
KR102268183B1 (ko) 고분자 전해질 및 이의 제조방법
JP4258711B2 (ja) 非水電解質電池
WO2001011706A1 (fr) Polyelectrolyte solide et pile secondaire au lithium
JP2001243983A (ja) 固体電解質電池
JP2004071405A (ja) バイポーラー電池
JP4058753B2 (ja) ポリマー固体電解質およびポリマー固体電解質電池
JP2001243974A (ja) リチウム二次電池
JP2001283922A (ja) リチウム二次電池の製造方法
JP6413988B2 (ja) 全固体電池
JPH08124597A (ja) 固体電解質二次電池
Smirnova et al. Green Sustainable Process for Chemical and Environmental Engineering and Science: Solid-State Energy Storage-A Path to Environmental Sustainability