JP2001241495A - 車両用制振装置およびその製造方法 - Google Patents
車両用制振装置およびその製造方法Info
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- B60G2202/00—Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
- B60G2202/20—Type of damper
- B60G2202/25—Dynamic damper
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- Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ハウジング内の収容空所に独立マス部材が収
容配置されて、独立マス部材のハウジングへの打ち当た
り当接に基づいて制振効果を発揮する車両用制振装置に
おいて、その生産性と制振性能の向上を図ること。 【解決手段】 ハウジングの内周面に第一の弾性体層2
4を被着せしめて、かかるハウジング内に第一の弾性体
層24で囲まれた内部空間26を形成する一方、内部空
間26に対して独立マス部材16を非接着で変位可能に
収容配置せしめて、独立マス部材16がハウジング14
の内周面に対して、第一の弾性体層24を介して振動入
力方向の対向面間で当接せしめられるようにした。
容配置されて、独立マス部材のハウジングへの打ち当た
り当接に基づいて制振効果を発揮する車両用制振装置に
おいて、その生産性と制振性能の向上を図ること。 【解決手段】 ハウジングの内周面に第一の弾性体層2
4を被着せしめて、かかるハウジング内に第一の弾性体
層24で囲まれた内部空間26を形成する一方、内部空
間26に対して独立マス部材16を非接着で変位可能に
収容配置せしめて、独立マス部材16がハウジング14
の内周面に対して、第一の弾性体層24を介して振動入
力方向の対向面間で当接せしめられるようにした。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、車両の振動部材における振動を
低減する車両用制振装置に係り、例えば、自動車のサス
ペンションアーム,サブフレーム,ボデーパネル,エン
ジンユニット,マウントブラケット,排気系部材などの
振動部材に適用されることにより有効な制振効果を発揮
し得る、新規な構造の車両用制振装置と、その製造方法
に関するものである。
低減する車両用制振装置に係り、例えば、自動車のサス
ペンションアーム,サブフレーム,ボデーパネル,エン
ジンユニット,マウントブラケット,排気系部材などの
振動部材に適用されることにより有効な制振効果を発揮
し得る、新規な構造の車両用制振装置と、その製造方法
に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車等の車両において問題と
なる振動を低減する手法としては、振動部材にマス材
を固設するマスダンパや、振動部材にバネ材を介して
マス材を連結支持せしめるダイナミックダンパ、更に、
振動部材の表面にシート状弾性材を貼着した制振材
が、知られている。ところが、上記マスダンパとダ
イナミックダンパは、何れも、大きなマス材の質量が必
要になることに加えて、有効な制振効果の発揮される周
波数域が狭いという問題があった。また、上記制振材
は、広い貼着面積が必要になると共に、重量が嵩むとい
う問題があった。更に、上記ダイナミックダンパと
制振材は、制振効果の温度依存性が高いために、目的と
する制振効果を安定して得ることが難しいという問題も
あったのである。
なる振動を低減する手法としては、振動部材にマス材
を固設するマスダンパや、振動部材にバネ材を介して
マス材を連結支持せしめるダイナミックダンパ、更に、
振動部材の表面にシート状弾性材を貼着した制振材
が、知られている。ところが、上記マスダンパとダ
イナミックダンパは、何れも、大きなマス材の質量が必
要になることに加えて、有効な制振効果の発揮される周
波数域が狭いという問題があった。また、上記制振材
は、広い貼着面積が必要になると共に、重量が嵩むとい
う問題があった。更に、上記ダイナミックダンパと
制振材は、制振効果の温度依存性が高いために、目的と
する制振効果を安定して得ることが難しいという問題も
あったのである。
【0003】そこで、本出願人は、先の国際出願(PC
T/JP98/05530)において、振動部材に固定
されるハウジングに対して、隙間を隔てて非接着で相対
変位可能に独立マス部材を配設せしめて、振動入力時
に、かかる独立マス部材を、ゴム等の弾性材からなる当
接面によって、ハウジングに当接させることにより、当
接時における滑り摩擦と衝突によるエネルギ損失を利用
して制振効果を得るようにした、新規な構造の車両用制
振装置を提案した。このような構造の車両用制振装置に
おいては、小さなマス質量によって、広い周波数域に亘
る振動に対して有効な制振効果を得ることが出来るので
ある。
T/JP98/05530)において、振動部材に固定
されるハウジングに対して、隙間を隔てて非接着で相対
変位可能に独立マス部材を配設せしめて、振動入力時
に、かかる独立マス部材を、ゴム等の弾性材からなる当
接面によって、ハウジングに当接させることにより、当
接時における滑り摩擦と衝突によるエネルギ損失を利用
して制振効果を得るようにした、新規な構造の車両用制
振装置を提案した。このような構造の車両用制振装置に
おいては、小さなマス質量によって、広い周波数域に亘
る振動に対して有効な制振効果を得ることが出来るので
ある。
【0004】ところで、かかる先の国際出願に記載され
た車両用制振装置において、目的とする制振効果を安定
して得るためには、独立マス部材の質量を確保すること
に加えて、独立マス部材とハウジングの当接面間の隙間
寸法を高精度に管理することが要求される。
た車両用制振装置において、目的とする制振効果を安定
して得るためには、独立マス部材の質量を確保すること
に加えて、独立マス部材とハウジングの当接面間の隙間
寸法を高精度に管理することが要求される。
【0005】また、そのような車両用制振装置を実際に
量産化して自動車等に装着する場合には、設計および製
作の容易化による生産性の向上を図ることも重要とな
る。
量産化して自動車等に装着する場合には、設計および製
作の容易化による生産性の向上を図ることも重要とな
る。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は上述の如き事情を
背景として為されたものであって、その解決課題とする
ところは、先の国際出願に係る車両用制振装置に比し
て、更なる制振性能の向上乃至は安定化や、生産性の向
上等が図られ得る、改良された構造の車両用制振装置
と、そのような車両用制振装置の新規な製造方法を提供
することにある。
背景として為されたものであって、その解決課題とする
ところは、先の国際出願に係る車両用制振装置に比し
て、更なる制振性能の向上乃至は安定化や、生産性の向
上等が図られ得る、改良された構造の車両用制振装置
と、そのような車両用制振装置の新規な製造方法を提供
することにある。
【0007】より詳しくは、請求項1乃至6に記載の発
明は、ハウジング側と独立マス部材側との当接面間にお
ける隙間寸法を、より高精度に且つ安定して設定するこ
とが出来る、改良された構造の車両用制振装置を提供す
ることを目的とする。
明は、ハウジング側と独立マス部材側との当接面間にお
ける隙間寸法を、より高精度に且つ安定して設定するこ
とが出来る、改良された構造の車両用制振装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、ハウジン
グの形状や構造等の設計自由度が向上される、改良され
た構造の車両用制振装置を提供することを目的とする。
グの形状や構造等の設計自由度が向上される、改良され
た構造の車両用制振装置を提供することを目的とする。
【0009】更にまた、請求項3に記載の発明は、製作
が容易とされて生産性が向上されると共に、車両への装
着作業が容易となる、改良された構造の車両用制振装置
を提供することを、目的とする。
が容易とされて生産性が向上されると共に、車両への装
着作業が容易となる、改良された構造の車両用制振装置
を提供することを、目的とする。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、ハウジン
グ側と独立マス部材側との当接面間における隙間寸法を
高精度に維持しつつ、制振特性を低周波数域にまで容易
にチューニングすることの出来る、改良された構造の車
両用制振装置を提供することを、目的とする。
グ側と独立マス部材側との当接面間における隙間寸法を
高精度に維持しつつ、制振特性を低周波数域にまで容易
にチューニングすることの出来る、改良された構造の車
両用制振装置を提供することを、目的とする。
【0011】さらに、請求項7に記載の発明は、請求項
1乃至6の何れかに記載の車両用制振装置を製造するに
際して、ハウジング側に形成されて独立マス部材の当接
面を構成する第一の弾性体層の内面を、高い面精度で成
形することが可能であり、それによって、目的とする制
振効果をより安定して得ることの出来る、車両用制振装
置の新規な製造方法を提供することを、目的とする。
1乃至6の何れかに記載の車両用制振装置を製造するに
際して、ハウジング側に形成されて独立マス部材の当接
面を構成する第一の弾性体層の内面を、高い面精度で成
形することが可能であり、それによって、目的とする制
振効果をより安定して得ることの出来る、車両用制振装
置の新規な製造方法を提供することを、目的とする。
【0012】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様で採用される各構成要素は、何れも、可能な限り任
意の組み合わせで採用することが出来る。また、本発明
の態様および技術的特徴は、以下に記載のものに限定さ
れることなく、明細書全体および図面に記載され、或い
はそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明
思想に基づいて認識されるものであることが理解される
べきである。
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様で採用される各構成要素は、何れも、可能な限り任
意の組み合わせで採用することが出来る。また、本発明
の態様および技術的特徴は、以下に記載のものに限定さ
れることなく、明細書全体および図面に記載され、或い
はそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明
思想に基づいて認識されるものであることが理解される
べきである。
【0013】すなわち、請求項1に記載の発明は、振動
部材に対して固定的に設けられた剛性のハウジングに収
容空所を形成すると共に、該収容空所の内面に第一の弾
性体層を被着する一方、該収容空所に対して独立マス部
材を非接着で変位可能に収容配置せしめて、該独立マス
部材が該ハウジングに対して、該第一の弾性体層を介し
て、防振すべき振動入力方向の対向面で当接せしめられ
るようにした車両用制振装置を、特徴とする。
部材に対して固定的に設けられた剛性のハウジングに収
容空所を形成すると共に、該収容空所の内面に第一の弾
性体層を被着する一方、該収容空所に対して独立マス部
材を非接着で変位可能に収容配置せしめて、該独立マス
部材が該ハウジングに対して、該第一の弾性体層を介し
て、防振すべき振動入力方向の対向面で当接せしめられ
るようにした車両用制振装置を、特徴とする。
【0014】このような請求項1に記載の発明に従う構
造とされた車両用制振装置においては、独立マス部材と
ハウジングの当接部位に介在せしめられる第一の弾性体
層がハウジング側において、収容空所の内面に形成され
ることとなる。それ故、ハウジングの外周面等を固定的
に位置決め支持した状態下で、ハウジングの内部、即ち
収容空所内に第一の弾性体層を形成することが出来るの
であり、例えば、独立マス部材の外周面に弾性体層を被
覆形成する場合に比して、弾性体層を容易に且つ高精度
に形成することが可能となる。
造とされた車両用制振装置においては、独立マス部材と
ハウジングの当接部位に介在せしめられる第一の弾性体
層がハウジング側において、収容空所の内面に形成され
ることとなる。それ故、ハウジングの外周面等を固定的
に位置決め支持した状態下で、ハウジングの内部、即ち
収容空所内に第一の弾性体層を形成することが出来るの
であり、例えば、独立マス部材の外周面に弾性体層を被
覆形成する場合に比して、弾性体層を容易に且つ高精度
に形成することが可能となる。
【0015】しかも、独立マス部材とハウジングの当接
部位に介在せしめられる第一の弾性体層が、独立マス部
材とハウジングの当接面間の隙間に対して外周側に配設
されることから、特にかかる当接面が円筒形状等の場合
に、内周側に弾性体層を配設した場合に比して、独立マ
ス部材とハウジングの当接時における弾性体層の受圧面
積が大きくなって、耐久性が向上される等といった効果
もある。
部位に介在せしめられる第一の弾性体層が、独立マス部
材とハウジングの当接面間の隙間に対して外周側に配設
されることから、特にかかる当接面が円筒形状等の場合
に、内周側に弾性体層を配設した場合に比して、独立マ
ス部材とハウジングの当接時における弾性体層の受圧面
積が大きくなって、耐久性が向上される等といった効果
もある。
【0016】なお、本態様において、ハウジングは、例
えば鉄,アルミニウム合金等の金属材や合成樹脂材等で
形成することが可能であり、独立マス部材を支持するた
めの剛性と制振効果を有利に確保するために、弾性率が
5×104 MPa以上の剛性材が好適に採用される。ま
た、独立マス部材は、その全体をゴム弾性体や合成樹脂
材、或いはそれらの発泡材で形成したり、補強的に金属
等の剛性材を固着することも可能であるが、その他、独
立マス部材を金属や石等の高比重の剛性材で形成するこ
とも可能である。さらに、独立マス部材の質量は、振動
部材の質量の5〜10%とされることが望ましい。蓋
し、独立マス部材の合計質量が振動部材の5%に満たな
いと有効な制振効果を得ることが難しい場合があり、一
方、10%を超えると装置全体の重量化や独立マス部材
の飛び跳ね易さの低下等が問題となる場合があるからで
ある。
えば鉄,アルミニウム合金等の金属材や合成樹脂材等で
形成することが可能であり、独立マス部材を支持するた
めの剛性と制振効果を有利に確保するために、弾性率が
5×104 MPa以上の剛性材が好適に採用される。ま
た、独立マス部材は、その全体をゴム弾性体や合成樹脂
材、或いはそれらの発泡材で形成したり、補強的に金属
等の剛性材を固着することも可能であるが、その他、独
立マス部材を金属や石等の高比重の剛性材で形成するこ
とも可能である。さらに、独立マス部材の質量は、振動
部材の質量の5〜10%とされることが望ましい。蓋
し、独立マス部材の合計質量が振動部材の5%に満たな
いと有効な制振効果を得ることが難しい場合があり、一
方、10%を超えると装置全体の重量化や独立マス部材
の飛び跳ね易さの低下等が問題となる場合があるからで
ある。
【0017】一方、ハウジングに形成される第一の弾性
体層は、マス部材の当接時における当接音の軽減と制振
効果を有利に得るために、好ましくはASTM規格D2
240のショアD硬さ80以下、より好ましくは20〜
40とされる。また、かかる第一の弾性体層は、打音の
低減と制振効果の向上のために、圧縮弾性率が好ましく
は1〜104MPa、より好ましくは1〜103MPa
で、損失正接(tanδ)が好ましくは10-3以上、よ
り好ましくは0.01〜10とされる。また、独立マス
部材とハウジング側の第一の弾性体層の当接面間におけ
る隙間寸法は、有効な制振効果を得るために、0.1〜
0.8mmとすることが望ましい。なお、ハウジングを、
弾性率が5×103 〜5×104 MPaである合成樹脂
材等の剛性材によって形成することも可能であり、例え
ば、打音の低減や制振特性のチューニングなどに有効で
ある。また、そのような比較的剛性が低いハウジングを
採用する場合には、独立マス部材とハウジングの弾性的
な当接面を構成する例えば独立マス部材における第一の
弾性体層の弾性率を、ハウジングの弾性率よりも低くす
ることが望ましく、より好適には、かかる当接面の弾性
率が1〜102 MPaとされることとなり、それによっ
て、ハウジングの強度や耐久性が有利に確保されると共
に、例えば低周波数域の制振効果の向上等も可能とな
る。
体層は、マス部材の当接時における当接音の軽減と制振
効果を有利に得るために、好ましくはASTM規格D2
240のショアD硬さ80以下、より好ましくは20〜
40とされる。また、かかる第一の弾性体層は、打音の
低減と制振効果の向上のために、圧縮弾性率が好ましく
は1〜104MPa、より好ましくは1〜103MPa
で、損失正接(tanδ)が好ましくは10-3以上、よ
り好ましくは0.01〜10とされる。また、独立マス
部材とハウジング側の第一の弾性体層の当接面間におけ
る隙間寸法は、有効な制振効果を得るために、0.1〜
0.8mmとすることが望ましい。なお、ハウジングを、
弾性率が5×103 〜5×104 MPaである合成樹脂
材等の剛性材によって形成することも可能であり、例え
ば、打音の低減や制振特性のチューニングなどに有効で
ある。また、そのような比較的剛性が低いハウジングを
採用する場合には、独立マス部材とハウジングの弾性的
な当接面を構成する例えば独立マス部材における第一の
弾性体層の弾性率を、ハウジングの弾性率よりも低くす
ることが望ましく、より好適には、かかる当接面の弾性
率が1〜102 MPaとされることとなり、それによっ
て、ハウジングの強度や耐久性が有利に確保されると共
に、例えば低周波数域の制振効果の向上等も可能とな
る。
【0018】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明に従う構造とされた車両用制振装置におい
て、防振すべき振動入力方向で対向位置せしめられた前
記ハウジングにおける収容空所の内面形状と前記独立マ
ス部材の外面形状が異なっており、該収容空所の内面に
被着された前記第一の弾性体層の肉厚寸法が変化せしめ
られていることによって、防振すべき振動入力方向で対
向位置せしめられた、それら独立マス部材の外面と第一
のゴム弾性体層の表面の当接面間の全体に亘って一定寸
法の隙間が形成されていることを、特徴とする。
に記載の発明に従う構造とされた車両用制振装置におい
て、防振すべき振動入力方向で対向位置せしめられた前
記ハウジングにおける収容空所の内面形状と前記独立マ
ス部材の外面形状が異なっており、該収容空所の内面に
被着された前記第一の弾性体層の肉厚寸法が変化せしめ
られていることによって、防振すべき振動入力方向で対
向位置せしめられた、それら独立マス部材の外面と第一
のゴム弾性体層の表面の当接面間の全体に亘って一定寸
法の隙間が形成されていることを、特徴とする。
【0019】このような請求項2に記載の発明に従う構
造とされた車両用制振装置においては、ハウジング側に
形成される第一の弾性体層によって、ハウジング側の当
接面形状を独立マス部材側の当接面形状に合わせること
が出来るのであり、ハウジングの形状や構造を、独立マ
ス部材の形状を考慮することなく、自由に設計、製作す
ることが出来ることから、ハウジングの設計自由度が向
上され得ると共に、各種のハウジング形状や構造をもっ
て、請求項1に記載の発明に従う構造とされた車両用制
振装置が実現可能となるのである。しかも、独立マス部
材とハウジングの当接面間の隙間寸法は、ハウジングに
形成される第一のゴム弾性体層によって設定可能である
ことから、ハウジング自体の寸法精度に拘わらず、独立
マス部材とハウジングの当接面間の隙間寸法を精度良く
設定することも可能となる。
造とされた車両用制振装置においては、ハウジング側に
形成される第一の弾性体層によって、ハウジング側の当
接面形状を独立マス部材側の当接面形状に合わせること
が出来るのであり、ハウジングの形状や構造を、独立マ
ス部材の形状を考慮することなく、自由に設計、製作す
ることが出来ることから、ハウジングの設計自由度が向
上され得ると共に、各種のハウジング形状や構造をもっ
て、請求項1に記載の発明に従う構造とされた車両用制
振装置が実現可能となるのである。しかも、独立マス部
材とハウジングの当接面間の隙間寸法は、ハウジングに
形成される第一のゴム弾性体層によって設定可能である
ことから、ハウジング自体の寸法精度に拘わらず、独立
マス部材とハウジングの当接面間の隙間寸法を精度良く
設定することも可能となる。
【0020】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
又は2に記載の発明に従う構造とされた車両用制振装置
において、前記ハウジングの外周側に、該ハウジングを
他部材に対して弾性的に連結するための弾性連結体が設
けられていると共に、該弾性連結体によって、該ハウジ
ングの内周側に前記第一の弾性体層が一体形成されてい
ることを、特徴とする。
又は2に記載の発明に従う構造とされた車両用制振装置
において、前記ハウジングの外周側に、該ハウジングを
他部材に対して弾性的に連結するための弾性連結体が設
けられていると共に、該弾性連結体によって、該ハウジ
ングの内周側に前記第一の弾性体層が一体形成されてい
ることを、特徴とする。
【0021】このような請求項3に記載の発明に従う構
造とされた車両用制振装置においては、防振連結装置や
防振支持装置等の防振装置を構成する部材を利用して、
請求項1又は2に記載の発明に従う構造とされた車両用
制振装置が実現され得るのである。そして、そのような
防振装置を構成する弾性連結体と第一の弾性体層を一体
成形することが出来ることから、優れた製作性が発揮さ
れると共に、防振装置に一体的に組み込まれた構造で、
目的とする車両用制振装置が実現されることから、優れ
た車両への装着作業性や装着スペース性が達成されるの
である。
造とされた車両用制振装置においては、防振連結装置や
防振支持装置等の防振装置を構成する部材を利用して、
請求項1又は2に記載の発明に従う構造とされた車両用
制振装置が実現され得るのである。そして、そのような
防振装置を構成する弾性連結体と第一の弾性体層を一体
成形することが出来ることから、優れた製作性が発揮さ
れると共に、防振装置に一体的に組み込まれた構造で、
目的とする車両用制振装置が実現されることから、優れ
た車両への装着作業性や装着スペース性が達成されるの
である。
【0022】なお、かかる請求項3に記載の発明に係る
車両用制振装置は、具体的には、例えば、防振連結され
る一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、防振
連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材
を、振動入力方向で離間配置すると共に、それら第一の
取付部材と第二の取付部材をゴム弾性体等からなる弾性
連結体によって弾性的に連結せしめてなる防振装置にお
いて、前記第二の取付部材をハウジングとして利用し
て、例えば該第二の取付部材を筒体構造等の中空構造と
すること等によって、該第二の取付部材によって囲まれ
た収容空所を形成し、この収容空所に弾性連結体を一体
的に回り込ませて第一の弾性体層を形成した構造などに
よって、有利に実現され得る。
車両用制振装置は、具体的には、例えば、防振連結され
る一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、防振
連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材
を、振動入力方向で離間配置すると共に、それら第一の
取付部材と第二の取付部材をゴム弾性体等からなる弾性
連結体によって弾性的に連結せしめてなる防振装置にお
いて、前記第二の取付部材をハウジングとして利用し
て、例えば該第二の取付部材を筒体構造等の中空構造と
すること等によって、該第二の取付部材によって囲まれ
た収容空所を形成し、この収容空所に弾性連結体を一体
的に回り込ませて第一の弾性体層を形成した構造などに
よって、有利に実現され得る。
【0023】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至3の何れかに記載の発明に従う構造とされた車両
用制振装置において、前記独立マス部材が、剛性材によ
って形成された独立マス本体と、該独立マス本体の外面
に被着形成された第二の弾性体層によって構成されてお
り、該独立マス部材が、該第二の弾性体層によって、前
記ハウジングに被着形成された前記第一の弾性体層に当
接されるようになっていることを、特徴とする。
1乃至3の何れかに記載の発明に従う構造とされた車両
用制振装置において、前記独立マス部材が、剛性材によ
って形成された独立マス本体と、該独立マス本体の外面
に被着形成された第二の弾性体層によって構成されてお
り、該独立マス部材が、該第二の弾性体層によって、前
記ハウジングに被着形成された前記第一の弾性体層に当
接されるようになっていることを、特徴とする。
【0024】このような請求項4に記載の発明に従う構
造とされた車両用制振装置においては、独立マス部材側
とハウジング側の各当接面に対して、それぞれ弾性体層
が形成されることから、各一方の弾性体層の肉厚寸法を
小さく抑えつつ、全体として当接面における弾性特性を
柔らかく設定することが可能となる。それによって、第
一及び第二の弾性体層におけるそれぞれの厚さ寸法を小
さく抑えつつ、それら両弾性体層によって全体として柔
らかい当接面の弾性特性を付与することが出来るのであ
り、以て、第一及び第二の弾性体層の厚肉化に伴う成形
収縮量の増大等に起因する寸法精度の低下を軽減乃至は
回避しつつ、独立マス部材のハウジング側への当接に基
づいて発揮される制振効果の周波数特性を低周波数域に
までチューニングすることが可能となり、チューニング
自由度が向上され得るのである。
造とされた車両用制振装置においては、独立マス部材側
とハウジング側の各当接面に対して、それぞれ弾性体層
が形成されることから、各一方の弾性体層の肉厚寸法を
小さく抑えつつ、全体として当接面における弾性特性を
柔らかく設定することが可能となる。それによって、第
一及び第二の弾性体層におけるそれぞれの厚さ寸法を小
さく抑えつつ、それら両弾性体層によって全体として柔
らかい当接面の弾性特性を付与することが出来るのであ
り、以て、第一及び第二の弾性体層の厚肉化に伴う成形
収縮量の増大等に起因する寸法精度の低下を軽減乃至は
回避しつつ、独立マス部材のハウジング側への当接に基
づいて発揮される制振効果の周波数特性を低周波数域に
までチューニングすることが可能となり、チューニング
自由度が向上され得るのである。
【0025】また、車両用制振装置の製造方法に関する
本発明の第一の態様は、上述の如き本発明に従う構造と
された車両用制振装置を製造するに際して、前記第一の
弾性体層の成形型によって前記ハウジングを固定的に支
持せしめると共に、該ハウジング内にコアピンを挿通配
置せしめて、該コアピンによって、かかる第一の弾性体
層の表面を前記マス部材に対する当接面の全長に亘って
連続して延びる筒状内周面形状をもって形成するように
した、車両用制振装置の製造方法を、特徴とする。
本発明の第一の態様は、上述の如き本発明に従う構造と
された車両用制振装置を製造するに際して、前記第一の
弾性体層の成形型によって前記ハウジングを固定的に支
持せしめると共に、該ハウジング内にコアピンを挿通配
置せしめて、該コアピンによって、かかる第一の弾性体
層の表面を前記マス部材に対する当接面の全長に亘って
連続して延びる筒状内周面形状をもって形成するように
した、車両用制振装置の製造方法を、特徴とする。
【0026】このような本発明方法に従えば、第一の弾
性体層の表面を、単一の連続した外周面を備えたコアピ
ンによって成形することが出来るのであり、それによっ
て、第一の弾性体層の表面によって構成される独立マス
部材の当接面を高精度に安定して成形することが可能と
なって、そこにおけるバリ等の発生も完全に防止され
る。それ故、独立マス部材と第一の弾性体層の当接面間
の隙間を、高精度な寸法精度で形成して、目的とする制
振効果を安定して得ることが可能となるのである。
性体層の表面を、単一の連続した外周面を備えたコアピ
ンによって成形することが出来るのであり、それによっ
て、第一の弾性体層の表面によって構成される独立マス
部材の当接面を高精度に安定して成形することが可能と
なって、そこにおけるバリ等の発生も完全に防止され
る。それ故、独立マス部材と第一の弾性体層の当接面間
の隙間を、高精度な寸法精度で形成して、目的とする制
振効果を安定して得ることが可能となるのである。
【0027】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0028】先ず、図1〜2には、本発明の第一の実施
形態としての自動車用制振装置10が示されている。こ
の制振装置10は、中空の収容空所12を備えた円筒構
造をを有するハウジング部材14に対して、その収容空
所12にマス部材としてのマス金具30を収容配置せし
めた構造とされている。そして、かかる制振装置10
は、自動車のボデー等の防振すべき振動部材に対して、
ハウジング部材14が固着されることによって、装着さ
れるようになっている。なお、以下の説明において、上
下方向とは、原則として、図1中の上下方向を言うもの
とする。
形態としての自動車用制振装置10が示されている。こ
の制振装置10は、中空の収容空所12を備えた円筒構
造をを有するハウジング部材14に対して、その収容空
所12にマス部材としてのマス金具30を収容配置せし
めた構造とされている。そして、かかる制振装置10
は、自動車のボデー等の防振すべき振動部材に対して、
ハウジング部材14が固着されることによって、装着さ
れるようになっている。なお、以下の説明において、上
下方向とは、原則として、図1中の上下方向を言うもの
とする。
【0029】より詳細には、ハウジング部材14は、ハ
ウジング本体18と蓋体20, 20によって構成されて
いる。ハウジング本体18は、全体として略一定の内外
径寸法で延びる円筒形状とされており、例えば、弾性率
5×104 MPa以上のアルミニウム合金等の金属系材
料を押し出し成形した押出成形品を適当な長さ寸法で切
断することによって有利に製造され得る。このハウジン
グ本体18の軸方向両端の開口部には、該開口部を覆蓋
する蓋体20,20がそれぞれ固着されており、これに
よって、ハウジング本体18の内部に、ハウジング本体
18と蓋体20,20によって画成されて、外部空間か
ら遮断された収容空所12が形成されている。なお、各
蓋体20は、ハウジング本体18の開口部内周面形状と
略同一の矩形外周面形状を有する挿入部22を有してお
り、かかる挿入部22がハウジング本体18の端部開口
部に圧入固定されることによってハウジング本体に装着
されている。また、各蓋体20は、配設箇所の温度や、
入力振動の大きさ等の使用環境を考慮して適宜に選択さ
れた合成樹脂材で形成されている。
ウジング本体18と蓋体20, 20によって構成されて
いる。ハウジング本体18は、全体として略一定の内外
径寸法で延びる円筒形状とされており、例えば、弾性率
5×104 MPa以上のアルミニウム合金等の金属系材
料を押し出し成形した押出成形品を適当な長さ寸法で切
断することによって有利に製造され得る。このハウジン
グ本体18の軸方向両端の開口部には、該開口部を覆蓋
する蓋体20,20がそれぞれ固着されており、これに
よって、ハウジング本体18の内部に、ハウジング本体
18と蓋体20,20によって画成されて、外部空間か
ら遮断された収容空所12が形成されている。なお、各
蓋体20は、ハウジング本体18の開口部内周面形状と
略同一の矩形外周面形状を有する挿入部22を有してお
り、かかる挿入部22がハウジング本体18の端部開口
部に圧入固定されることによってハウジング本体に装着
されている。また、各蓋体20は、配設箇所の温度や、
入力振動の大きさ等の使用環境を考慮して適宜に選択さ
れた合成樹脂材で形成されている。
【0030】さらに、ハウジング部材14には、図示は
されていないが、ハウジング本体18の外周面に巻着さ
れたΩ形状等の適当な取付ブラケットが装着されるよう
になっており、かかる取付ブラケットを介して、ハウジ
ング部材14が、図示しない振動部材の所定位置に対し
てボルト固定されるようになっている。
されていないが、ハウジング本体18の外周面に巻着さ
れたΩ形状等の適当な取付ブラケットが装着されるよう
になっており、かかる取付ブラケットを介して、ハウジ
ング部材14が、図示しない振動部材の所定位置に対し
てボルト固定されるようになっている。
【0031】また、ハウジング部材14における内部空
所12の内周面には、その軸方向両端部分を除く中間部
の全長に亘って、第一のゴム弾性体層24が、略一定の
肉厚寸法をもって被着されている。これによって、ハウ
ジング部材14内に第一のゴム弾性体層24で囲まれた
内部空間26が形成されている。
所12の内周面には、その軸方向両端部分を除く中間部
の全長に亘って、第一のゴム弾性体層24が、略一定の
肉厚寸法をもって被着されている。これによって、ハウ
ジング部材14内に第一のゴム弾性体層24で囲まれた
内部空間26が形成されている。
【0032】なお、この第一のゴム弾性体層24は、例
えば、図3に示されている如き成形金型を用いて形成さ
れる。かかる成形金型は、中央型80の軸方向両側に端
部金型82,84が型合わせされる構造とされている。
中央型80には、中心軸上を直線的に延びる円形の支持
孔86が形成されている一方、第一及び第二の端部金型
82,84には、各中心軸上で内方に突出する円形の嵌
合凸部88,90が一体形成されている。また、第一の
端部金型82には、嵌合凸部88の突出先端面から、嵌
合凸部88より小径の円形断面で、第二の端部金具84
に向かって中心軸上を延びるコアピン92が一体形成さ
れている。また一方、第二の端部金型84には、嵌合凸
部90の突出先端面に開口する円形の嵌着穴94が形成
されており、第一及び第二の端部金型82,84が中央
型80の軸方向両端面に密接状態で重ね合わされた型閉
状態下で、この嵌着穴94に対して、第一の端部金型8
2のコアピン92の先端部が嵌入されて位置決め固定さ
れるようになっている。
えば、図3に示されている如き成形金型を用いて形成さ
れる。かかる成形金型は、中央型80の軸方向両側に端
部金型82,84が型合わせされる構造とされている。
中央型80には、中心軸上を直線的に延びる円形の支持
孔86が形成されている一方、第一及び第二の端部金型
82,84には、各中心軸上で内方に突出する円形の嵌
合凸部88,90が一体形成されている。また、第一の
端部金型82には、嵌合凸部88の突出先端面から、嵌
合凸部88より小径の円形断面で、第二の端部金具84
に向かって中心軸上を延びるコアピン92が一体形成さ
れている。また一方、第二の端部金型84には、嵌合凸
部90の突出先端面に開口する円形の嵌着穴94が形成
されており、第一及び第二の端部金型82,84が中央
型80の軸方向両端面に密接状態で重ね合わされた型閉
状態下で、この嵌着穴94に対して、第一の端部金型8
2のコアピン92の先端部が嵌入されて位置決め固定さ
れるようになっている。
【0033】このような成形金型によって第一のゴム弾
性体層24を形成するに際しては、先ず、図3に示され
ているように、中央型80の支持孔86にハウジング本
体18を内挿して嵌め合わせると共に、中央型80の軸
方向両側に第一の端部金型82と第二の端部金型84を
型合わせする。そして、第一の端部金型82と第二の端
部金型84の各嵌合凸部88,90を、ハウジング本体
18の内孔(収容空所)12に対して、軸方向両側開口
部から嵌め込む。これにより、ハウジング本体18を成
形金型内に組み込んで、その外周面と軸方向両端部にお
いて、中央型80と第一及び第二の端部金型82,84
により、径方向および軸方向に位置決め支持せしめる。
また、かくの如くハウジング本体18を組み込んで型合
わせすることにより、ハウジング本体18の内孔19に
対して、第一の端部金型82のコアピン92を同軸的に
挿通配置せしめて、コアピン92の外周面とハウジング
本体18の内周面の間に、略一定の隙間:γをもって周
方向および軸方向に連続して広がる成形キャビティ96
を画成する。なお、この成形キャビティ96の軸方向両
端は、第一及び第二の端部金型82,84における嵌合
凸部88,90によって画成されており、成形キャビテ
ィ96の軸方向長さが、ハウジング本体18の軸方向長
さよりも両端部金型82,84の突出高さ分だけ、短く
なっている。
性体層24を形成するに際しては、先ず、図3に示され
ているように、中央型80の支持孔86にハウジング本
体18を内挿して嵌め合わせると共に、中央型80の軸
方向両側に第一の端部金型82と第二の端部金型84を
型合わせする。そして、第一の端部金型82と第二の端
部金型84の各嵌合凸部88,90を、ハウジング本体
18の内孔(収容空所)12に対して、軸方向両側開口
部から嵌め込む。これにより、ハウジング本体18を成
形金型内に組み込んで、その外周面と軸方向両端部にお
いて、中央型80と第一及び第二の端部金型82,84
により、径方向および軸方向に位置決め支持せしめる。
また、かくの如くハウジング本体18を組み込んで型合
わせすることにより、ハウジング本体18の内孔19に
対して、第一の端部金型82のコアピン92を同軸的に
挿通配置せしめて、コアピン92の外周面とハウジング
本体18の内周面の間に、略一定の隙間:γをもって周
方向および軸方向に連続して広がる成形キャビティ96
を画成する。なお、この成形キャビティ96の軸方向両
端は、第一及び第二の端部金型82,84における嵌合
凸部88,90によって画成されており、成形キャビテ
ィ96の軸方向長さが、ハウジング本体18の軸方向長
さよりも両端部金型82,84の突出高さ分だけ、短く
なっている。
【0034】そうして、このようにして成形金型内に形
成された成形キャビティ96内に所定のゴム材料を射出
等によって注入充填し、加硫等の処理を施すことによっ
て、ハウジング本体18の内周面に、目的とする第一の
ゴム弾性体層24を形成することが出来るのである。な
お、ハウジング本体18には、第一のゴム弾性体層24
の成形に先立って、化成皮膜処理や接着処理等が、必要
に応じて施されて、第一のゴム弾性体24が、その成形
と同時にハウジング本体18に対して加硫接着される。
なお、第一のゴム弾性体層24を成形するゴム材料とし
ては、例えば、天然ゴム等のジエン系ゴムや、塩素系ゴ
ムなど、公知のものが適宜に採用可能である。
成された成形キャビティ96内に所定のゴム材料を射出
等によって注入充填し、加硫等の処理を施すことによっ
て、ハウジング本体18の内周面に、目的とする第一の
ゴム弾性体層24を形成することが出来るのである。な
お、ハウジング本体18には、第一のゴム弾性体層24
の成形に先立って、化成皮膜処理や接着処理等が、必要
に応じて施されて、第一のゴム弾性体24が、その成形
と同時にハウジング本体18に対して加硫接着される。
なお、第一のゴム弾性体層24を成形するゴム材料とし
ては、例えば、天然ゴム等のジエン系ゴムや、塩素系ゴ
ムなど、公知のものが適宜に採用可能である。
【0035】すなわち、上述の如くして得られた第一の
ゴム弾性体層24は、コアピンの外周面形状に対応し
て、ハウジング本体18の軸方向両端部を除く中間部の
全長に亘って一定の円形断面で連続して延びる円筒形の
内周面28をもって形成されている。そして、このよう
にして成形された第一のゴム弾性体層24の内周面28
にあっては、その全面が単一のコアピン92の外周面に
よって成形されることから、かかる内周面28上への成
形バリの発生が完全に防止され得ると共に、内部空間2
6の寸法精度が高精度に実現され得るのである。また、
成形キャビティ96にゴム材料を注入するためのゲート
孔は、図示はされていないが、第一又は第二の端部金型
82,84に形成されており、第一のゴム弾性体層24
の軸方向端面に開口する位置(例えば、図3中のA点)
に設定されている。これにより、第一のゴム弾性体層2
4の内周面28を避けてゲート孔が設けられており、ゲ
ート孔で形成される突部による内周面28の面精度の低
下も、回避されているのである。
ゴム弾性体層24は、コアピンの外周面形状に対応し
て、ハウジング本体18の軸方向両端部を除く中間部の
全長に亘って一定の円形断面で連続して延びる円筒形の
内周面28をもって形成されている。そして、このよう
にして成形された第一のゴム弾性体層24の内周面28
にあっては、その全面が単一のコアピン92の外周面に
よって成形されることから、かかる内周面28上への成
形バリの発生が完全に防止され得ると共に、内部空間2
6の寸法精度が高精度に実現され得るのである。また、
成形キャビティ96にゴム材料を注入するためのゲート
孔は、図示はされていないが、第一又は第二の端部金型
82,84に形成されており、第一のゴム弾性体層24
の軸方向端面に開口する位置(例えば、図3中のA点)
に設定されている。これにより、第一のゴム弾性体層2
4の内周面28を避けてゲート孔が設けられており、ゲ
ート孔で形成される突部による内周面28の面精度の低
下も、回避されているのである。
【0036】一方、マス金具30は、図1に示されてい
る如く、略一定の円形断面で直線的に延びる中実の円形
ブロック形状を有しており、例えば鉄鋼等の金属材料を
押出成形した押出成形品を所定長さで分断することによ
って有利に製造され得る。なお、マス金具30の質量
は、図示しない振動部剤の質量の5〜10%に設定され
ている。また、マス金具30の軸方向および径方向寸法
は、内部空間24の軸方向および径方向寸法よりも所定
寸法だけ小さく設定されている。
る如く、略一定の円形断面で直線的に延びる中実の円形
ブロック形状を有しており、例えば鉄鋼等の金属材料を
押出成形した押出成形品を所定長さで分断することによ
って有利に製造され得る。なお、マス金具30の質量
は、図示しない振動部剤の質量の5〜10%に設定され
ている。また、マス金具30の軸方向および径方向寸法
は、内部空間24の軸方向および径方向寸法よりも所定
寸法だけ小さく設定されている。
【0037】そして、かかるマス金具30は、ハウジン
グ本体18の開口部から内部空間24内に挿入されて、
ハウジング部材14に対して振動入力方向に隙間を隔て
て相対変位可能に非接着で対向配置されている。ここに
おいて、マス金具30とハウジング部材14の対向面間
における隙間寸法:2δが、2δ=0.1〜0.8mm、
より好ましくは0.1〜0.5mmに設定されており、マ
ス金具30を変位方向(図1中上下方向)の中央に位置
せしめた状態下で、マス金具30と第一のゴム弾性体層
24の内周面28との間に半分の隙間:δ(δ=0.0
5〜0.4mm、より好ましくは0.05〜0.25mm)
が生ぜしめられるようになっている。なお、制振装置1
0の静置状態下では、マス金具30が重力によって、ハ
ウジング部材14の第一のゴム弾性体層24の底面部上
に重ね合わされて支持されることとなり、従って、図1
に示されているように、マス金具30の上方だけに隙間
32が、隙間寸法:2δで形成される。
グ本体18の開口部から内部空間24内に挿入されて、
ハウジング部材14に対して振動入力方向に隙間を隔て
て相対変位可能に非接着で対向配置されている。ここに
おいて、マス金具30とハウジング部材14の対向面間
における隙間寸法:2δが、2δ=0.1〜0.8mm、
より好ましくは0.1〜0.5mmに設定されており、マ
ス金具30を変位方向(図1中上下方向)の中央に位置
せしめた状態下で、マス金具30と第一のゴム弾性体層
24の内周面28との間に半分の隙間:δ(δ=0.0
5〜0.4mm、より好ましくは0.05〜0.25mm)
が生ぜしめられるようになっている。なお、制振装置1
0の静置状態下では、マス金具30が重力によって、ハ
ウジング部材14の第一のゴム弾性体層24の底面部上
に重ね合わされて支持されることとなり、従って、図1
に示されているように、マス金具30の上方だけに隙間
32が、隙間寸法:2δで形成される。
【0038】このような構成とされた自動車用制振装置
10は、自動車のボデー等の防振すべき振動部材に対し
て、図1中の上下方向が防振すべき主たる振動入力方向
となる状態で、前述の如く、ハウジング部材14が振動
部材に固着されることによって装着されることとなり、
かかる状態下、自動車用制振装置10に振動が入力され
ると、マス金具30がハウジング部材14に対して振動
入力方向に飛び跳ねるように相対変位せしめられて、マ
ス金具30が第一のゴム弾性体層24の内周面28に打
ち当たることとなる。換言すれば、マス金具30が第一
のゴム弾性体層24を介して、弾性的にハウジング部材
14に当接されることとなる。
10は、自動車のボデー等の防振すべき振動部材に対し
て、図1中の上下方向が防振すべき主たる振動入力方向
となる状態で、前述の如く、ハウジング部材14が振動
部材に固着されることによって装着されることとなり、
かかる状態下、自動車用制振装置10に振動が入力され
ると、マス金具30がハウジング部材14に対して振動
入力方向に飛び跳ねるように相対変位せしめられて、マ
ス金具30が第一のゴム弾性体層24の内周面28に打
ち当たることとなる。換言すれば、マス金具30が第一
のゴム弾性体層24を介して、弾性的にハウジング部材
14に当接されることとなる。
【0039】なお、自動車用制振装置10の振動部材に
対する取付位置は、特に限定されるものではないが、有
効な防振効果を得るために、好ましくは振動部材が振動
した際の最大振幅となる位置(振動の腹となる位置)に
最大振幅の方向に合わせて取り付けられる。
対する取付位置は、特に限定されるものではないが、有
効な防振効果を得るために、好ましくは振動部材が振動
した際の最大振幅となる位置(振動の腹となる位置)に
最大振幅の方向に合わせて取り付けられる。
【0040】そして、マス金具30のハウジング本体1
8への打ち当たり(当接)に伴う滑り摩擦や衝突の作用
に基づいて、振動部材における振動エネルギーの損失乃
至は消失が生起されることとなり、これにより、振動部
材に対して制振効果が発揮されるのである。また特に、
かかる制振装置10にあっては、制振効果が共振作用の
みに基づくものでないことから、従来のダイナミックダ
ンパに比して、小さな質量のマス金具によって、広い周
波数域の振動に対して、有効な制振効果を発揮し得るの
であり、温度変化による制振特性が影響を受け難く、安
定した制振効果を発揮し得るという利点もある。
8への打ち当たり(当接)に伴う滑り摩擦や衝突の作用
に基づいて、振動部材における振動エネルギーの損失乃
至は消失が生起されることとなり、これにより、振動部
材に対して制振効果が発揮されるのである。また特に、
かかる制振装置10にあっては、制振効果が共振作用の
みに基づくものでないことから、従来のダイナミックダ
ンパに比して、小さな質量のマス金具によって、広い周
波数域の振動に対して、有効な制振効果を発揮し得るの
であり、温度変化による制振特性が影響を受け難く、安
定した制振効果を発揮し得るという利点もある。
【0041】また、本実施形態の制振装置10において
は、マス金具30とハウジング14を弾性的に当接せし
める弾性材としての第一のゴム弾性体層24が、ハウジ
ング部材14側、即ち、ハウジング本体18の内周面側
に形成されていることから、ハウジング本体18の外部
を固定的に位置決め支持すると共に、ハウジング本体1
8の内部に円形ロッド形状のコアピン92を挿通して外
部から位置決め指示した状態下で、ハウジングの内部に
第一のゴム弾性体層24を加硫成形することが出来る。
それ故、例えば、マス金具30とハウジング14を弾性
的に当接せしめる弾性材を、マス金具30の外周面に被
着形成する場合に比して、第一のゴム弾性体層24を、
容易に且つ高い寸法精度をもって成形することが可能と
なる。従って、作業性の向上が図られると共に、マス金
具30と第一のゴム弾性体層24の内周面28の振動入
力方向における隙間寸法を、所望の範囲内:0.1〜
0.8 mmに有利に保持することが可能となって、優れた
防振効果を安定して発揮することが可能となる。
は、マス金具30とハウジング14を弾性的に当接せし
める弾性材としての第一のゴム弾性体層24が、ハウジ
ング部材14側、即ち、ハウジング本体18の内周面側
に形成されていることから、ハウジング本体18の外部
を固定的に位置決め支持すると共に、ハウジング本体1
8の内部に円形ロッド形状のコアピン92を挿通して外
部から位置決め指示した状態下で、ハウジングの内部に
第一のゴム弾性体層24を加硫成形することが出来る。
それ故、例えば、マス金具30とハウジング14を弾性
的に当接せしめる弾性材を、マス金具30の外周面に被
着形成する場合に比して、第一のゴム弾性体層24を、
容易に且つ高い寸法精度をもって成形することが可能と
なる。従って、作業性の向上が図られると共に、マス金
具30と第一のゴム弾性体層24の内周面28の振動入
力方向における隙間寸法を、所望の範囲内:0.1〜
0.8 mmに有利に保持することが可能となって、優れた
防振効果を安定して発揮することが可能となる。
【0042】また、第一のゴム弾性体層24をハウジン
グ部材14側に成形することによって、マス金具30側
に成形する場合に比して、第一のゴム弾性体層24の配
設領域を大きく確保することが出来る。これにより、マ
ス金具30とハウジング部材14の当接時における第一
のゴム弾性体層24の受圧面積を大きくすることが可能
となって、第一のゴム弾性体層24ひいては制振装置1
0の耐久性が向上され得る。
グ部材14側に成形することによって、マス金具30側
に成形する場合に比して、第一のゴム弾性体層24の配
設領域を大きく確保することが出来る。これにより、マ
ス金具30とハウジング部材14の当接時における第一
のゴム弾性体層24の受圧面積を大きくすることが可能
となって、第一のゴム弾性体層24ひいては制振装置1
0の耐久性が向上され得る。
【0043】また、第一のゴム弾性体層24の内周面形
状が、コアピン92の外形形状に対応して形成されるこ
とから、軸方向および径方向に連続した円筒形の内周面
28を高度な寸法精度をもって容易に成形することが出
来ると共に、内周面28での成形バリの発生が完全に防
止されて、マス金具30と円筒形内周面28の当接面間
の隙間寸法が高精度に保持することが可能となり、以
て、目的とする制振効果を安定して得ることが可能とな
る。なお、第一の弾性体層24の軸方向端部では、例え
ば第一の端部金型82のコアピン92と第二の端部金型
84の嵌着穴94の嵌合部分に型合わせ面が形成される
こととなるが、この型合わせ面に入り込むゴム材料で成
形バリが発生したとしても、かかる成形バリは、軸方向
に突出せしめられることから、マス金具30への当接面
を構成する第一のゴム弾性体層24の内周面28の面精
度に、何等の悪影響を及ぼすことがないのである。
状が、コアピン92の外形形状に対応して形成されるこ
とから、軸方向および径方向に連続した円筒形の内周面
28を高度な寸法精度をもって容易に成形することが出
来ると共に、内周面28での成形バリの発生が完全に防
止されて、マス金具30と円筒形内周面28の当接面間
の隙間寸法が高精度に保持することが可能となり、以
て、目的とする制振効果を安定して得ることが可能とな
る。なお、第一の弾性体層24の軸方向端部では、例え
ば第一の端部金型82のコアピン92と第二の端部金型
84の嵌着穴94の嵌合部分に型合わせ面が形成される
こととなるが、この型合わせ面に入り込むゴム材料で成
形バリが発生したとしても、かかる成形バリは、軸方向
に突出せしめられることから、マス金具30への当接面
を構成する第一のゴム弾性体層24の内周面28の面精
度に、何等の悪影響を及ぼすことがないのである。
【0044】また、本実施形態の制振装置10において
は、第一のゴム弾性体層24の内周面28によってハウ
ジング側の当接面が規定されることから、プレス成形等
に起因する、ハウジング部材14の寸法誤差が、第一の
ゴム弾性体層24によって吸収されて、ハウジング部材
14内の収容空所12の寸法誤差等に関係無く、マス金
具30とハウジング部材14との振動入力方向における
隙間寸法を高精度に設定することが可能となる。
は、第一のゴム弾性体層24の内周面28によってハウ
ジング側の当接面が規定されることから、プレス成形等
に起因する、ハウジング部材14の寸法誤差が、第一の
ゴム弾性体層24によって吸収されて、ハウジング部材
14内の収容空所12の寸法誤差等に関係無く、マス金
具30とハウジング部材14との振動入力方向における
隙間寸法を高精度に設定することが可能となる。
【0045】更にまた、マス金具30に対して第一のゴ
ム弾性体層24を設ける必要がないことから、マス金具
30全体を鉄鋼等の高比重材によって構成することが可
能となって、マス金具30の質量の確保が容易となる。
ム弾性体層24を設ける必要がないことから、マス金具
30全体を鉄鋼等の高比重材によって構成することが可
能となって、マス金具30の質量の確保が容易となる。
【0046】さらに、本実施形態の自動車用制振装置1
0においては、ハウジング本体18の長手方向両側開口
部が、蓋体20,20によって閉塞されて、内部空間2
4が外部から仕切られていることから、内部空間24内
へのごみやチリ、水等の異物の混入が防止されて、異物
の混入に起因する防振特性の低下等の不具合が可及的に
回避されて、目的とする防振特性を長期間に亘って安定
して発揮することが可能となる。
0においては、ハウジング本体18の長手方向両側開口
部が、蓋体20,20によって閉塞されて、内部空間2
4が外部から仕切られていることから、内部空間24内
へのごみやチリ、水等の異物の混入が防止されて、異物
の混入に起因する防振特性の低下等の不具合が可及的に
回避されて、目的とする防振特性を長期間に亘って安定
して発揮することが可能となる。
【0047】次に、図4には、本発明の第二の実施形態
としての自動車用制振装置34の長手直角方向の断面図
が示されている。なお、第一の実施形態と同様な構造と
された部材および部位については、それぞれ、図中に、
第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それ
らの詳細な説明を省略する。
としての自動車用制振装置34の長手直角方向の断面図
が示されている。なお、第一の実施形態と同様な構造と
された部材および部位については、それぞれ、図中に、
第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それ
らの詳細な説明を省略する。
【0048】本実施形態の制振装置34にあっては、ハ
ウジング部材14が全体として中空の角筒形状とされて
いること以外は、前記第一の実施形態と略同様の構造と
されている。即ち、本実施形態のハウジング部材14
は、前記第一の実施形態と同様の材料から形成されて、
略矩形枠体断面を有する直管形状のハウジング本体38
を有しており、かかるハウジング本体36の内壁面に対
して、前記第一の実施形態と同様、第一のゴム弾性体層
24が加硫接着されることによって、ハウジング部材1
4の内部に第一のゴム弾性体層24の円筒形内周面28
によって画成される内部空間26が形成されている。そ
して、マス金具30が、内部空間26内に挿入配置され
て、第一のゴム弾性体層24の内周面28に対して振動
入力方向に隙間を隔てて相対変位可能に非接着で対向配
置されることによって、本実施形態の制振装置34が構
成されている。なお、図3に示される制振装置34の静
置状態下では、第一の実施形態と同様、重力の作用によ
って、マス金具30の上方だけに、隙間38が隙間寸
法:2δで形成される。
ウジング部材14が全体として中空の角筒形状とされて
いること以外は、前記第一の実施形態と略同様の構造と
されている。即ち、本実施形態のハウジング部材14
は、前記第一の実施形態と同様の材料から形成されて、
略矩形枠体断面を有する直管形状のハウジング本体38
を有しており、かかるハウジング本体36の内壁面に対
して、前記第一の実施形態と同様、第一のゴム弾性体層
24が加硫接着されることによって、ハウジング部材1
4の内部に第一のゴム弾性体層24の円筒形内周面28
によって画成される内部空間26が形成されている。そ
して、マス金具30が、内部空間26内に挿入配置され
て、第一のゴム弾性体層24の内周面28に対して振動
入力方向に隙間を隔てて相対変位可能に非接着で対向配
置されることによって、本実施形態の制振装置34が構
成されている。なお、図3に示される制振装置34の静
置状態下では、第一の実施形態と同様、重力の作用によ
って、マス金具30の上方だけに、隙間38が隙間寸
法:2δで形成される。
【0049】このような構造とされた本実施形態の制振
装置34においても、第一の実施形態と同様な効果が、
何れも、有効に発揮され得る。
装置34においても、第一の実施形態と同様な効果が、
何れも、有効に発揮され得る。
【0050】それに加えて、本実施形態の成形装置34
にあっては、マス金具30の外形形状と、ハウジング本
体36の外形形状が異なる場合においても、かかるマス
金具30の外形形状に相似した形状の内周面28を有す
る第一のゴム弾性体層24を容易に成形することが出来
ることから、マス金具30の外形形状を考慮することな
く、ハウジング部材14の形状を設計することができ
る。これにより、ハウジング部材14の設計自由度が向
上されると共に、各種の部材をハウジング部材14とし
て利用して、本実施形態に従う制振装置34を構成する
ことが可能となるのである。
にあっては、マス金具30の外形形状と、ハウジング本
体36の外形形状が異なる場合においても、かかるマス
金具30の外形形状に相似した形状の内周面28を有す
る第一のゴム弾性体層24を容易に成形することが出来
ることから、マス金具30の外形形状を考慮することな
く、ハウジング部材14の形状を設計することができ
る。これにより、ハウジング部材14の設計自由度が向
上されると共に、各種の部材をハウジング部材14とし
て利用して、本実施形態に従う制振装置34を構成する
ことが可能となるのである。
【0051】次に、図5には、本発明の第三の実施形態
としての自動車用制振装置40における長手直角方向の
断面図が示されている。なお、本実施形態において、第
一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位につ
いては、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符
号を付することにより、それらの詳細な説明を省略す
る。
としての自動車用制振装置40における長手直角方向の
断面図が示されている。なお、本実施形態において、第
一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位につ
いては、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符
号を付することにより、それらの詳細な説明を省略す
る。
【0052】すなわち、本実施形態の制振装置40にあ
っては、ハウジング部材14が第二の実施形態と同様、
全体として中空の角筒形状とされていると共に、マス部
材16が、マス金具30とその外周面の全体に亘って一
定の肉厚寸法で被着された第二の弾性体層としての、第
二のゴム弾性体層42から構成されている。即ち、本実
施形態のハウジング部材14は、略矩形枠体断面を有す
る直管形状のハウジング本体44を有して構成されてお
り、かかるハウジング本体44の内壁面にゴム弾性体層
24が加硫接着されることによって、ハウジング部材1
4の内部に第一のゴム弾性体層24の円筒形内周面28
によって画成された内部空間26が形成されている。ま
た、マス部材16の外径寸法、即ちマス金具30の外周
面に被着形成された第二のゴム弾性体層42の外径寸法
は、ハウジング本体44のゴム弾性体層24によって形
成された円筒形内周面28の内径寸法よりも所定寸法小
さく設定されている。
っては、ハウジング部材14が第二の実施形態と同様、
全体として中空の角筒形状とされていると共に、マス部
材16が、マス金具30とその外周面の全体に亘って一
定の肉厚寸法で被着された第二の弾性体層としての、第
二のゴム弾性体層42から構成されている。即ち、本実
施形態のハウジング部材14は、略矩形枠体断面を有す
る直管形状のハウジング本体44を有して構成されてお
り、かかるハウジング本体44の内壁面にゴム弾性体層
24が加硫接着されることによって、ハウジング部材1
4の内部に第一のゴム弾性体層24の円筒形内周面28
によって画成された内部空間26が形成されている。ま
た、マス部材16の外径寸法、即ちマス金具30の外周
面に被着形成された第二のゴム弾性体層42の外径寸法
は、ハウジング本体44のゴム弾性体層24によって形
成された円筒形内周面28の内径寸法よりも所定寸法小
さく設定されている。
【0053】そして、マス部材16が、内部空間26内
に挿入配置されており、第一のゴム弾性体層24の内周
面28に対して振動入力方向に隙間を隔てて相対変位可
能に非接着で対向配置されることによって、本実施形態
の制振装置40が構成されている。なお、本実施形態に
おいても、マス部材16とハウジング部材14の振動入
力方向における当接面間の隙間寸法:2δが0.1〜
0.5mmとされており、マス部材16を変位方向(図4
中上下方向)の中央に位置せしめた状態下で、第一のゴ
ム弾性体層24と振動入力方向で対向位置する第二のゴ
ム弾性体層42の外表面の間に形成される半分の隙間寸
法:δは、0.05〜0.25mmとされている。また、
図4に示される制振装置40の静置状態下では、第一の
実施形態と同様、重力の作用によって、マス部材16の
上方だけに、隙間46が隙間寸法:2δで形成される。
に挿入配置されており、第一のゴム弾性体層24の内周
面28に対して振動入力方向に隙間を隔てて相対変位可
能に非接着で対向配置されることによって、本実施形態
の制振装置40が構成されている。なお、本実施形態に
おいても、マス部材16とハウジング部材14の振動入
力方向における当接面間の隙間寸法:2δが0.1〜
0.5mmとされており、マス部材16を変位方向(図4
中上下方向)の中央に位置せしめた状態下で、第一のゴ
ム弾性体層24と振動入力方向で対向位置する第二のゴ
ム弾性体層42の外表面の間に形成される半分の隙間寸
法:δは、0.05〜0.25mmとされている。また、
図4に示される制振装置40の静置状態下では、第一の
実施形態と同様、重力の作用によって、マス部材16の
上方だけに、隙間46が隙間寸法:2δで形成される。
【0054】上述の如き構造とされた本実施形態の制振
装置40においては、ハウジング部材14とマス部材1
6の振動入力方向における当接面に対して第一のゴム弾
性体層24及び第二のゴム弾性体層42がそれぞれ成形
されていることから、何れか一方に第一のゴム弾性体層
24を被着した場合に比して、各ゴム弾性体層24,4
2の肉厚を小さく抑えながら、柔らかい弾性特性を実現
することが可能となる。これにより、マス部材16の振
動入力方向における飛び跳ね共振を、低周波数域にま
で、チューニングすることが可能となり、チューニング
自由度が向上する。また、第一のゴム弾性体層の肉厚を
薄く設定できることから、成形収縮量を低く抑えること
が可能となって、第一及び第二のゴム弾性体層24, 4
2の振動入力方向における隙間寸法:2δを高精度に設
定できる。
装置40においては、ハウジング部材14とマス部材1
6の振動入力方向における当接面に対して第一のゴム弾
性体層24及び第二のゴム弾性体層42がそれぞれ成形
されていることから、何れか一方に第一のゴム弾性体層
24を被着した場合に比して、各ゴム弾性体層24,4
2の肉厚を小さく抑えながら、柔らかい弾性特性を実現
することが可能となる。これにより、マス部材16の振
動入力方向における飛び跳ね共振を、低周波数域にま
で、チューニングすることが可能となり、チューニング
自由度が向上する。また、第一のゴム弾性体層の肉厚を
薄く設定できることから、成形収縮量を低く抑えること
が可能となって、第一及び第二のゴム弾性体層24, 4
2の振動入力方向における隙間寸法:2δを高精度に設
定できる。
【0055】次に、本発明の第四の実施形態として、エ
ンジンマウント等として用いられる防振支持体50に本
発明を適用した一具体例を、図6に示す。かかる防振支
持体50は、第一の取付部材としての第一の取付金具5
2と、第二の取付部材としての第二の取付金具54が連
結ゴム弾性体56によって弾性的に連結された構成とさ
れている。そして、第一の取付金具52が、パワーユニ
ット等の図示しない振動部材に固定的に取り付けられる
一方、第二の取付金具54が、ボデー等の図示しない支
持部材に固定的に取り付けられることにより、振動部材
が支持部材に対して防振連結されるようになっている。
なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図6
中の上下方向を言うものとする。
ンジンマウント等として用いられる防振支持体50に本
発明を適用した一具体例を、図6に示す。かかる防振支
持体50は、第一の取付部材としての第一の取付金具5
2と、第二の取付部材としての第二の取付金具54が連
結ゴム弾性体56によって弾性的に連結された構成とさ
れている。そして、第一の取付金具52が、パワーユニ
ット等の図示しない振動部材に固定的に取り付けられる
一方、第二の取付金具54が、ボデー等の図示しない支
持部材に固定的に取り付けられることにより、振動部材
が支持部材に対して防振連結されるようになっている。
なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図6
中の上下方向を言うものとする。
【0056】より詳細には、第一の取付金具52は、平
板形状を有しており、その中央部分には、上方に向かっ
て突出する取付ボルト58が固設されている。また、第
二の取付金具54は、ストッパ金具60とハウジング金
具62が互いに重ね合わせられて、相互に溶接等で固着
されることによって形成されている。かかるストッパ金
具60は矩形平板形状を有しており、その幅方向両側部
分において、第一の取付金具52に向かって上方に突出
するストッパ部64, 64が折曲形成されている。また
これらのストッパ部64, 64の外表面には、連結ゴム
弾性体と一体形成されたストッパゴム66, 66が被着
されており、図5中に仮想線で示された第一の取付金具
12に装着されるストッパ突起68, 68に対して弾性
的に当接せしめられることによって、第一および第二の
取付金具52, 54の軸直角方向(図6中の左右方向)
における相対変位量、即ち連結ゴム弾性体56の弾性変
形量が緩衝的に制限されるようになっている。
板形状を有しており、その中央部分には、上方に向かっ
て突出する取付ボルト58が固設されている。また、第
二の取付金具54は、ストッパ金具60とハウジング金
具62が互いに重ね合わせられて、相互に溶接等で固着
されることによって形成されている。かかるストッパ金
具60は矩形平板形状を有しており、その幅方向両側部
分において、第一の取付金具52に向かって上方に突出
するストッパ部64, 64が折曲形成されている。また
これらのストッパ部64, 64の外表面には、連結ゴム
弾性体と一体形成されたストッパゴム66, 66が被着
されており、図5中に仮想線で示された第一の取付金具
12に装着されるストッパ突起68, 68に対して弾性
的に当接せしめられることによって、第一および第二の
取付金具52, 54の軸直角方向(図6中の左右方向)
における相対変位量、即ち連結ゴム弾性体56の弾性変
形量が緩衝的に制限されるようになっている。
【0057】また、ハウジング金具62は、ベース金具
70と、下方に向かって開口する溝型断面形状を有する
周壁金具72とから構成されており、ベース金具70の
上面に周壁金具72の開口部が重ね合わされて、溶着等
により一体的に固着されることによって、それらベース
金具70と周壁金具72の重ね合わせ面間をマウント軸
直角方向に延びる収容空所12が形成されている。ま
た、かかる収容空所12におけるハウジング金具62の
長手方向開口端部が、図示しない蓋体によって覆蓋され
ることによって、ハウジング金具62の内部において、
実質的に閉塞されて外部空間から仕切られた収容空所1
2が形成されている。なお、ベース金具24の中央部分
には、下方に向かって突出する取付ボルト74が固設さ
れており、該取付ボルト74によって、ハウジング金具
62が、図示しない支持部材に固定的に取り付けられる
ようになっている。即ち、本実施形態では、ストッパ金
具60, ベース金具70および周壁金具72が、相互に
鉛直方向に重ね合わされて、互いに溶着されることによ
り、一体的な第二の取付金具54が構成されているので
ある。
70と、下方に向かって開口する溝型断面形状を有する
周壁金具72とから構成されており、ベース金具70の
上面に周壁金具72の開口部が重ね合わされて、溶着等
により一体的に固着されることによって、それらベース
金具70と周壁金具72の重ね合わせ面間をマウント軸
直角方向に延びる収容空所12が形成されている。ま
た、かかる収容空所12におけるハウジング金具62の
長手方向開口端部が、図示しない蓋体によって覆蓋され
ることによって、ハウジング金具62の内部において、
実質的に閉塞されて外部空間から仕切られた収容空所1
2が形成されている。なお、ベース金具24の中央部分
には、下方に向かって突出する取付ボルト74が固設さ
れており、該取付ボルト74によって、ハウジング金具
62が、図示しない支持部材に固定的に取り付けられる
ようになっている。即ち、本実施形態では、ストッパ金
具60, ベース金具70および周壁金具72が、相互に
鉛直方向に重ね合わされて、互いに溶着されることによ
り、一体的な第二の取付金具54が構成されているので
ある。
【0058】さらに、このような構成とされた第一およ
び第二の取付金具52, 54は、連結ゴム弾性体56を
介して相互に弾性的に連結されることとなるが、そのよ
うな連結ゴム弾性体56を加硫成形するに際して、ハウ
ジング金具62内に形成された収容空所12内にも、連
結ゴム弾性体56を回し込んで充填せしめることによ
り、ハウジング金具62の内周面に対して、第一のゴム
弾性体層24が被着形成されている。要するに、本実施
形態では、連結ゴム弾性体56が、第一のゴム弾性体層
24を一体的に含み、第一及び第二の取付金具52,5
4に対して加硫接着された一体加硫成形品として形成さ
れているのである。
び第二の取付金具52, 54は、連結ゴム弾性体56を
介して相互に弾性的に連結されることとなるが、そのよ
うな連結ゴム弾性体56を加硫成形するに際して、ハウ
ジング金具62内に形成された収容空所12内にも、連
結ゴム弾性体56を回し込んで充填せしめることによ
り、ハウジング金具62の内周面に対して、第一のゴム
弾性体層24が被着形成されている。要するに、本実施
形態では、連結ゴム弾性体56が、第一のゴム弾性体層
24を一体的に含み、第一及び第二の取付金具52,5
4に対して加硫接着された一体加硫成形品として形成さ
れているのである。
【0059】そして、この第一のゴム弾性体層24の内
部には、長手方向に貫通する複数の貫通孔76, 76,
76(本実施形態においては3つ)が、相互に所定距離
を隔てて位置して形成されていると共に、それらの貫通
孔76, 76, 76に対して、マス金具30, 30, 3
0がそれぞれ配設されている。これによって、第一及び
第二の取付金具52,54からなるハウジング金具62
と第一のゴム弾性体層24、更に三つのマス金具30,
30,30を含んで、自動車用制振装置48が構成され
ているのである。なお、第一のゴム弾性体層24におけ
る貫通孔76,76, 76は、例えば、前記第一の実施
形態と同様に、第一のゴム弾性体層24の成形金型にお
いて、ハウジング金具62の収容空所内に予めセットし
ておいた複数本の円形ロッド形状のコアピンによって、
第一のゴム弾性体24の成形と同時に、有利に形成され
得る。
部には、長手方向に貫通する複数の貫通孔76, 76,
76(本実施形態においては3つ)が、相互に所定距離
を隔てて位置して形成されていると共に、それらの貫通
孔76, 76, 76に対して、マス金具30, 30, 3
0がそれぞれ配設されている。これによって、第一及び
第二の取付金具52,54からなるハウジング金具62
と第一のゴム弾性体層24、更に三つのマス金具30,
30,30を含んで、自動車用制振装置48が構成され
ているのである。なお、第一のゴム弾性体層24におけ
る貫通孔76,76, 76は、例えば、前記第一の実施
形態と同様に、第一のゴム弾性体層24の成形金型にお
いて、ハウジング金具62の収容空所内に予めセットし
ておいた複数本の円形ロッド形状のコアピンによって、
第一のゴム弾性体24の成形と同時に、有利に形成され
得る。
【0060】また、かかる制振装置48においては、前
記第一の実施形態と同様、各貫通孔76の内周面形状
が、収容される各マス金具30の外周面形状と相似とさ
れると共に、各貫通孔76の内径寸法が各マス金具30
の外径寸法よりも所定寸法だけ大きく設定されており、
各マス金具30が、各貫通孔76の内周面に対して、振
動入力方向に隙間を隔てて相対変位可能に非接着で対向
配置されている。なお、本実施形態においても、第一の
実施形態と同様、マス金具30を変位方向(図5中上下
方向)の中央に位置せしめた状態下で、マス金具30の
外周面と、振動入力方向で対向位置する第一のゴム弾性
体層24の内周面の間に、当接面間の隙間寸法:2δの
半分の大きさの隙間:δが形成されるようになってい
る。また、図6に示された制振装置48、即ち、防振支
持体50の静置状態下では、第一の実施形態と同様、重
力の作用によって、マス金具30の上方だけに、隙間7
8が隙間寸法:2δで形成されている。なお、本実施形
態の制振装置48においては、全マス金具30, 30,
30の合計質量が、振動部材の質量の5〜10%となる
ように設定されている。
記第一の実施形態と同様、各貫通孔76の内周面形状
が、収容される各マス金具30の外周面形状と相似とさ
れると共に、各貫通孔76の内径寸法が各マス金具30
の外径寸法よりも所定寸法だけ大きく設定されており、
各マス金具30が、各貫通孔76の内周面に対して、振
動入力方向に隙間を隔てて相対変位可能に非接着で対向
配置されている。なお、本実施形態においても、第一の
実施形態と同様、マス金具30を変位方向(図5中上下
方向)の中央に位置せしめた状態下で、マス金具30の
外周面と、振動入力方向で対向位置する第一のゴム弾性
体層24の内周面の間に、当接面間の隙間寸法:2δの
半分の大きさの隙間:δが形成されるようになってい
る。また、図6に示された制振装置48、即ち、防振支
持体50の静置状態下では、第一の実施形態と同様、重
力の作用によって、マス金具30の上方だけに、隙間7
8が隙間寸法:2δで形成されている。なお、本実施形
態の制振装置48においては、全マス金具30, 30,
30の合計質量が、振動部材の質量の5〜10%となる
ように設定されている。
【0061】このような構成とされた本実施形態の制振
装置48が組み込まれた防振支持体50にあっては、第
一の実施形態と同様な効果が有効に発揮されるのであ
り、また、それに加えて、特に、防振支持体50の第二
の取付金具54を構成するハウジング金具62を上手く
利用することによって、制振装置48のハウジング部材
が構成されていることから、部品点数の減少が図られ得
て、製作性とコスト性に優れている。また、防振支持体
50の連結ゴム弾性体と、第一のゴム弾性体層を同時に
成形することが出来ることから、優れた生産性が発揮さ
れる。
装置48が組み込まれた防振支持体50にあっては、第
一の実施形態と同様な効果が有効に発揮されるのであ
り、また、それに加えて、特に、防振支持体50の第二
の取付金具54を構成するハウジング金具62を上手く
利用することによって、制振装置48のハウジング部材
が構成されていることから、部品点数の減少が図られ得
て、製作性とコスト性に優れている。また、防振支持体
50の連結ゴム弾性体と、第一のゴム弾性体層を同時に
成形することが出来ることから、優れた生産性が発揮さ
れる。
【0062】また、ハウジング金具62内に被着される
第一のゴム弾性体層24の厚さ寸法を、貫通孔76の周
方向で変化させることにより、ハウジング金具62の内
周面形状と全く異なる外周面形状を有するマス金具30
を採用して、該マス金具30の外面と貫通孔76の内面
の間に、周方向および軸方向で略一定寸法:δの隙間を
形成することが出来るのであり、それによって、前記第
二の実施形態と同様に、有効な制振効果が発揮され得る
のである。
第一のゴム弾性体層24の厚さ寸法を、貫通孔76の周
方向で変化させることにより、ハウジング金具62の内
周面形状と全く異なる外周面形状を有するマス金具30
を採用して、該マス金具30の外面と貫通孔76の内面
の間に、周方向および軸方向で略一定寸法:δの隙間を
形成することが出来るのであり、それによって、前記第
二の実施形態と同様に、有効な制振効果が発揮され得る
のである。
【0063】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これは、あくまでも例示であって、本発明はか
かる実施形態における具体的な記載によって何等限定的
に解釈されるものではない。
きたが、これは、あくまでも例示であって、本発明はか
かる実施形態における具体的な記載によって何等限定的
に解釈されるものではない。
【0064】例えば、前記実施形態においては、何れも
中実の円形ブロック形状のマス部材を採用していたが、
特に限定されるものではなく、中実の矩形ブロック形状
や、多角形ブロック形状、或いは球形状や、湾曲ロッド
形状等の種々異なる形状のマス部材が採用可能である。
また、その場合、第一のゴム弾性体層24の内周面28
の形状を採用されるマス部材の外形形状に相似させるこ
とで、ハウジング部材14の内周面形状に拘わらず、マ
ス部材の外面と第一のゴム段位体層24の内面との当接
面間に目的とする隙間を形成することが出来ることか
ら、そのようなマス部材を、各種の形状のハウジング部
材14と組み合わせることが可能である。
中実の円形ブロック形状のマス部材を採用していたが、
特に限定されるものではなく、中実の矩形ブロック形状
や、多角形ブロック形状、或いは球形状や、湾曲ロッド
形状等の種々異なる形状のマス部材が採用可能である。
また、その場合、第一のゴム弾性体層24の内周面28
の形状を採用されるマス部材の外形形状に相似させるこ
とで、ハウジング部材14の内周面形状に拘わらず、マ
ス部材の外面と第一のゴム段位体層24の内面との当接
面間に目的とする隙間を形成することが出来ることか
ら、そのようなマス部材を、各種の形状のハウジング部
材14と組み合わせることが可能である。
【0065】また、前記第四の実施形態の如く、本発明
を防振支持体50に適用する場合は、防振支持体50を
構成する連結ゴム弾性体56と制振装置48を構成する
第一のゴム弾性体層24は、必ずしも一体的に形成され
る必要はなく、それぞれ別体で形成しても良い。
を防振支持体50に適用する場合は、防振支持体50を
構成する連結ゴム弾性体56と制振装置48を構成する
第一のゴム弾性体層24は、必ずしも一体的に形成され
る必要はなく、それぞれ別体で形成しても良い。
【0066】さらに、前記第四の実施形態の如く、複数
のマス部材を採用する場合には、各マス部材に異なる質
量を設定して、各マス部材ごとに異なるチューニングを
施すようにしてもよい。
のマス部材を採用する場合には、各マス部材に異なる質
量を設定して、各マス部材ごとに異なるチューニングを
施すようにしてもよい。
【0067】加えて、振動部材自体が中空構造とされる
場合は、振動部材をハウジングとして利用して、その内
部にゴム弾性体層を被着せしめて本発明の制振装置を構
成することも可能である。その場合においても、振動部
材の形状を考慮することなく、採用されるマス部材に相
似する内部空間26を第一のゴム弾性体層24によって
形成することが出来る。
場合は、振動部材をハウジングとして利用して、その内
部にゴム弾性体層を被着せしめて本発明の制振装置を構
成することも可能である。その場合においても、振動部
材の形状を考慮することなく、採用されるマス部材に相
似する内部空間26を第一のゴム弾性体層24によって
形成することが出来る。
【0068】また、前記実施形態においては、第一のゴ
ム弾性体層24が、ハウジング部材の内周面の径方向及
び周方向に連続して設けられていたが、当接面におい
て、連続して設けられていれば、特に限定されるもので
なく、例えば、当接面を外れた部分で欠落部が設けらた
周方向及び/又は周方向に不連続で設けらた第一のゴム
弾性体層も採用可能である。
ム弾性体層24が、ハウジング部材の内周面の径方向及
び周方向に連続して設けられていたが、当接面におい
て、連続して設けられていれば、特に限定されるもので
なく、例えば、当接面を外れた部分で欠落部が設けらた
周方向及び/又は周方向に不連続で設けらた第一のゴム
弾性体層も採用可能である。
【0069】また、第一のゴム弾性体層をハウジング部
材に対して非接着とし、更には、ハウジング部材に対し
て取り外し可能とすることも可能である。なお、第一の
ゴム弾性体層とハウジング部材の間に、例えば、凹凸状
の機械的な係止構造を設けても良い。
材に対して非接着とし、更には、ハウジング部材に対し
て取り外し可能とすることも可能である。なお、第一の
ゴム弾性体層とハウジング部材の間に、例えば、凹凸状
の機械的な係止構造を設けても良い。
【0070】更にまた、前記実施形態では、第一の弾性
体層および第二の弾性体層として、何れも、ゴム弾性体
が採用されていたが、それらをエラストマ樹脂等の適当
な弾性を有する合成樹脂材で形成したり、ゴムや合成樹
脂の発泡材等で形成することも、勿論、可能である。
体層および第二の弾性体層として、何れも、ゴム弾性体
が採用されていたが、それらをエラストマ樹脂等の適当
な弾性を有する合成樹脂材で形成したり、ゴムや合成樹
脂の発泡材等で形成することも、勿論、可能である。
【0071】本発明において、独立マス部材とハウジン
グの間の隙間寸法は、打音低減のためには、独立マス部
材の全周囲で0.1〜0.8mmに設定されることが望ま
しいが、防振すべき振動入力方向以外における独立マス
部材とハウジングの間の隙間寸法は、0.8mm以上であ
っても、特に問題ない。
グの間の隙間寸法は、打音低減のためには、独立マス部
材の全周囲で0.1〜0.8mmに設定されることが望ま
しいが、防振すべき振動入力方向以外における独立マス
部材とハウジングの間の隙間寸法は、0.8mm以上であ
っても、特に問題ない。
【0072】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更, 修正, 改良等を
加えた態様において、実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
当業者の知識に基づいて種々なる変更, 修正, 改良等を
加えた態様において、実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【0073】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた車両用制振装置においては、独立マ
ス部材とハウジングの当接部位に介在せしめられる弾性
体層がハウジング側に形成されていることから、独立マ
ス部材の外表面に金型等を利用して弾性体層を設ける場
合に比して、容易且つ高精度に弾性体層を形成すること
が出来る。また、独立マス部材とハウジングの当接時に
おける弾性体層の受圧面積も有利に確保することが可能
となる。
に従う構造とされた車両用制振装置においては、独立マ
ス部材とハウジングの当接部位に介在せしめられる弾性
体層がハウジング側に形成されていることから、独立マ
ス部材の外表面に金型等を利用して弾性体層を設ける場
合に比して、容易且つ高精度に弾性体層を形成すること
が出来る。また、独立マス部材とハウジングの当接時に
おける弾性体層の受圧面積も有利に確保することが可能
となる。
【0074】また、本発明方法に従えば、単一の連続し
た外周面を備えたコアピンによって第一の弾性体層の表
面が成形されることから、独立マス部材の当接面として
の第一の弾性体層の内周面におけるバリの発生が完全に
防止されて、独立マス部材と内部空間の当接面間の隙間
を高精度な寸法精度で形成することが出来るのであり、
それによって、目的とする制振効果を安定して得ること
が可能となる。
た外周面を備えたコアピンによって第一の弾性体層の表
面が成形されることから、独立マス部材の当接面として
の第一の弾性体層の内周面におけるバリの発生が完全に
防止されて、独立マス部材と内部空間の当接面間の隙間
を高精度な寸法精度で形成することが出来るのであり、
それによって、目的とする制振効果を安定して得ること
が可能となる。
【図1】本発明の第一の実施形態としての自動車用制振
装置を示す縦断面図である。
装置を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII‐II断面図である。
【図3】図1に示された制振装置を構成する第一のゴム
弾性体層の成形金型の一具体例を示す縦断面説明図であ
る。
弾性体層の成形金型の一具体例を示す縦断面説明図であ
る。
【図4】本発明の第二の実施形態としての自動車用制振
装置を示す図2に対応する断面図ある。
装置を示す図2に対応する断面図ある。
【図5】本発明の第三の実施形態としての自動車用制振
装置を示す図2に対応する断面図である。
装置を示す図2に対応する断面図である。
【図6】本発明の第四の実施形態としての自動車用制振
装置を適用した防振支持体の縦断面図である。
装置を適用した防振支持体の縦断面図である。
10:自動車用制振装置 12:収容空所 14:ハウジング部材 16:マス部材 24:第一のゴム弾性体層 26:内部空間 28:内周面
Claims (8)
- 【請求項1】 振動部材に対して固定的に設けられた剛
性のハウジングに収容空所を形成すると共に、該収容空
所の内面に第一の弾性体層を被着する一方、該収容空所
に対して独立マス部材を非接着で変位可能に収容配置せ
しめて、該独立マス部材が該ハウジングに対して、該第
一の弾性体層を介して、防振すべき振動入力方向の対向
面で当接せしめられるようにしたことを特徴とする車両
用制振装置。 - 【請求項2】 防振すべき振動入力方向で対向位置せし
められた前記ハウジングにおける収容空所の内面形状と
前記独立マス部材の外面形状が異なっており、該収容空
所の内面に被着された前記第一の弾性体層の肉厚寸法が
変化せしめられていることによって、防振すべき振動入
力方向で対向位置せしめられた、それら独立マス部材の
外面と第一のゴム弾性体層の表面の当接面間の全体に亘
って一定寸法の隙間が形成されている請求項1に記載の
車両用制振装置。 - 【請求項3】 前記ハウジングの外周側に、該ハウジン
グを他部材に対して弾性的に連結するための弾性連結体
が設けられていると共に、該弾性連結体によって、該ハ
ウジングの内周側に前記第一の弾性体層が一体形成され
ている請求項1又は2に記載の車両用制振装置。 - 【請求項4】 前記独立マス部材が、剛性材によって形
成された独立マス本体と、該独立マス本体の外面に被着
形成された第二の弾性体層によって構成されており、該
独立マス部材が、該第二の弾性体層によって、前記ハウ
ジングに被着形成された前記第一の弾性体層に当接され
るようになっている請求項1乃至3の何れかに記載の車
両用制振装置。 - 【請求項5】 前記第一の弾性体層が、ショアD硬さ8
0以下である請求項1乃至4の何れかに記載の車両用制
振装置。 - 【請求項6】 前記独立マス部材の外面と前記ハウジン
グにおける第一の弾性体層の当接面間における隙間寸法
が、0.1〜0.8mmである請求項1乃至5の何れかに
記載の車両用制振装置。 - 【請求項7】前記独立マス部材の質量が、前記振動部材
の質量の5〜10%である請求項1乃至6の何れかに記
載の車両用制振装置。 - 【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載の車両用
制振装置を製造するに際して、 前記第一の弾性体層の成形型によって前記ハウジングを
固定的に支持せしめると共に、該ハウジング内にコアピ
ンを挿通配置せしめて、該コアピンによって、かかる第
一の弾性体層の表面を前記マス部材に対する当接面の全
長に亘って連続して延びる筒状内周面形状をもって形成
することを特徴とする車両用制振装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000055467A JP2001241495A (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | 車両用制振装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000055467A JP2001241495A (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | 車両用制振装置およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001241495A true JP2001241495A (ja) | 2001-09-07 |
Family
ID=18576581
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000055467A Pending JP2001241495A (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | 車両用制振装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001241495A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7267740B2 (en) | 2004-05-14 | 2007-09-11 | Tokai Rubber Industries, Ltd. | Vibration-damping device for vehicles and method of manufacturing the same |
CN112815172A (zh) * | 2021-03-29 | 2021-05-18 | 青岛甬青科技有限公司 | 压缩机用减震装置 |
CN113864386A (zh) * | 2021-10-14 | 2021-12-31 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种阻尼结构、减振器及设置其的机械设备 |
-
2000
- 2000-03-01 JP JP2000055467A patent/JP2001241495A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7267740B2 (en) | 2004-05-14 | 2007-09-11 | Tokai Rubber Industries, Ltd. | Vibration-damping device for vehicles and method of manufacturing the same |
CN112815172A (zh) * | 2021-03-29 | 2021-05-18 | 青岛甬青科技有限公司 | 压缩机用减震装置 |
CN113864386A (zh) * | 2021-10-14 | 2021-12-31 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种阻尼结构、减振器及设置其的机械设备 |
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