JP2001240718A - 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法 - Google Patents

共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001240718A
JP2001240718A JP2000052727A JP2000052727A JP2001240718A JP 2001240718 A JP2001240718 A JP 2001240718A JP 2000052727 A JP2000052727 A JP 2000052727A JP 2000052727 A JP2000052727 A JP 2000052727A JP 2001240718 A JP2001240718 A JP 2001240718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
resin
meth
resin composite
active energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000052727A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutaka Murata
一高 村田
Takanori Anazawa
孝典 穴澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawamura Institute of Chemical Research
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawamura Institute of Chemical Research filed Critical Kawamura Institute of Chemical Research
Priority to JP2000052727A priority Critical patent/JP2001240718A/ja
Publication of JP2001240718A publication Critical patent/JP2001240718A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (a)一分子中に2個の(メタ)アクリル
基を有するビスフェノール系(メタ)アクリレートの硬
化物である架橋重合体と、(b)ポリカーボネート系重合
体、ポリエステル系重合体、フェノキシ樹脂、ビニルア
セタール系重合体、塩素含有重合体、酢酸ビニル系重合
体、スチレン系重合体、ウレタン系重合体、未架橋ゴ
ム、及びセルロース誘導体からなる群から選ばれる1以
上の熱可塑性樹脂とからなる共連続構造を有する樹脂複
合体。 【効果】 活性エネルギー線架橋重合性化合物からなる
重合体と比較して、力学特性を改良されたものであり、
しかも、光学的に透明なものもあり、さらに、1つのガ
ラス転移温度を示す樹脂複合体と比較しても、力学的特
性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保護フィルム、保
護膜、各種コーティング材、封止材などとして各種分野
で使用される樹脂複合体であって、破断強度、破断伸
度、弾性率、耐衝撃性、耐摩耗性などの力学特性に優れ
ると共に光学的透明性を有する樹脂複合体及びその製造
方法に関し、更に詳しくは、熱可塑性樹脂と架橋重合体
から成る、共連続ミクロ相分離構造を有する樹脂複合体
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】活性エネルギー線硬化型組成物は、極め
て短時間で硬化し、作業効率が高く、溶剤の揮発による
環境汚染がないので、塗料、封止剤などに広く利用され
ている。しかしながら、該組成物からなる硬化物は、軟
質系で、表面硬度、耐熱性及び強度が不十分なものであ
るか、或いは、硬質系で、堅くて脆いために、クラック
が発生し易いものであるか、のどちらかの範疇に属し、
同程度の剛性を有する熱可塑性樹脂に比べて強靱性に劣
っていた。このような欠点を改良するために、活性エネ
ルギー線硬化型組成物を熱可塑性樹脂との樹脂複合体と
することにより、活性エネルギー線硬化型組成物を改良
する試みがなされている。
【0003】例えば、特開平11−80556号公報に
は、ビスフェノール型(メタ)アクリレートをアクリル
樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂によって改良
する方法が開示されている。また、特開平7−3399
1号公報には、感光性組成物の硬化物と熱可塑性樹脂と
からなり、この両者が疑似的均一相溶構造を形成して成
る樹脂複合体及びその製造方法が開示されている。特開
平7−102175号公報には、感光性組成物と熱可塑
性樹脂とを溶剤に溶解し、冷却・相分離させた後に光照
射して感光性組成物を硬化させることからなる樹脂複合
体の製造方法、及びそれにより得られる共連続又は球状
ドメイン構造を有する樹脂複合体が開示されている。
【0004】また、1998年度川村理化学研究所報告
には、エチレンオキサイド変性ビスフェノール型アクリ
レートをポリカーボネートによって改良する方法、及
び、エチレンオキサイド変性ビスフェノール型アクリレ
ートとポリサルホンとからなり、この両者が共連続構造
を形成して成る樹脂複合体及びその製造方法が開示され
ている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平11−80556号公報に記載の方法では、樹脂の
親和性を向上させるためにN,N−ジメチルアクリルア
ミドなどのアミド系の重合性化合物の併用が必須である
ため、雰囲気湿度により樹脂の水分吸収度が変化し、特
性が大きく変化するという問題があった。
【0005】また、上記特開平7−33991号公報に
記載の樹脂複合体は、疑似相溶系であるため、力学的特
性の向上の程度は、せいぜい感光性樹脂の硬化物と熱可
塑性樹脂との両者の特性の、組成の重み付き相加平均の
程度であり、構成素材の特性を十分に生かしたものとは
言えなかった。更に、当該公報に記載の樹脂複合体は、
塗料として重要な特性である表面硬度が低下しがちであ
るなどの問題もあった。
【0006】さらに、上記特開平7−102175号公
報に記載の方法は、熱可塑性樹脂として、一般的に感光
性組成物との親和性に乏しいポリスルホン系樹脂を使用
するために、感光性組成物が、ポリスルホンとの親和性
が良い部分アクリル化エポキシ系樹脂に限られるという
問題があった。また、その他の樹脂を用いる場合、熱可
塑性樹脂と感光性組成物とを均一な混合状態とするため
に、有機溶媒を添加して均一混合溶液とし、該均一混合
溶液の賦形物を急速に冷却したり、或いは溶媒を揮発さ
せる方法でミクロ相分離を発生させ、その状態で光照射
して急速に感光性樹脂を硬化させて該相分離構造を固定
する方法を採っている。このため、僅かな製造条件の違
いによって特性が大きく低下しがちであり、製造安定性
や製品の均一性に欠ける上、得られる樹脂複合体もボイ
ドが発生するなどの原因で特性向上の程度も十分なもの
ではなかった。
【0007】さらにまた、1998年度川村理化学研究
所報告に記載のエチレンオキサイド変性ビスフェノール
型アクリレートとポリカーボネートとから成る樹脂組成
物は、共連続構造を示していないものであって、力学的
特性の向上の程度は、せいぜい紫外線硬化樹脂の硬化物
とポリカーボネートとの両者の特性の、組成の重み付き
相加平均の程度であり、構成素材の特性が十分に生かさ
れたものとは言えなかった。また、1998年度川村理
化学研究所報告に記載の、エチレンオキサイド変性ビス
フェノール型アクリレートとポリサルホンをからなる樹
脂複合体は、本発明と同様の共連続構造を有するもので
はある。しかしながら、ポリサルホンはエチレンオキサ
イド変性ビスフェノール型アクリレート以外のアクリレ
ートとは相溶性が悪く、エチレンオキサイド変性ビスフ
ェノール型アクリレートとポリサルホンとの組み合わせ
に限り適応可能な極めて限定された方法であった。例え
ば、プロピレンオキサイド変性のビスフェノール型アク
リレートのようなエチレンオキサイド変性ビスフェノー
ル型アクリレートと極めて似かよった樹脂系ですら、相
溶性が悪く、共連続構造を有する複合体は得られない
(本明細書の比較例5参照)。つまり、ポリサルホンに
よって物性を改良できるエネルギー線硬化性樹脂は、エ
チレンオキサイド変性ビスフェノール型アクリレートに
限られていた。一方、エチレンオキサイド変性ビスフェ
ノール型アクリレートに対して、ポリサルホンの代わり
に、ポリサルホンと極めて類似した構造を有するポリエ
ーテルサルホンを使用しても、相溶性が悪いために共連
続構造を持つ複合体は得られず、海島構造の相分離体と
なる(本明細書の比較例6参照)。つまり、エチレンオ
キサイド変性ビスフェノール型アクリレートの物性を改
良できるのは、ポリサルホンに限られていた。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、1つの
ガラス転移温度を示す樹脂複合体に比べて力学的特性に
優れた活性エネルギー線架橋重合体の樹脂複合体、望ま
しくは、光学的に透明な樹脂複合体を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、特定の活性エネルギー
線架橋重合性化合物と特定の熱可塑性樹脂との均一混合
液を任意の形状に賦形し、活性エネルギー線を照射する
ことによって硬化させると同時に相分離を生じせしめる
ことにより、力学的特性の向上した樹脂複合体を安定し
て製造できること見いだし、本発明に到った。
【0010】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(I)(a)活性エネルギー線架橋重合性化合物の硬
化物である架橋重合体と、(b)熱可塑性樹脂)とからな
る共連続構造を有する樹脂複合体であって、(1) 活性エ
ネルギー線架橋重合性化合物が、一分子中に2個の(メ
タ)アクリル基を有するビスフェノール系(メタ)アク
リレートであり、(2) 熱可塑性樹脂が、ポリカーボネー
ト系重合体、ポリエステル系重合体、フェノキシ樹脂、
ビニルアセタール系重合体、塩素含有重合体、酢酸ビニ
ル系重合体、スチレン系重合体、ウレタン系重合体、未
架橋ゴム、及びセルロース誘導体からなる群から選ばれ
る1以上の熱可塑性樹脂である樹脂複合体を提供する。
【0011】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(II)共連続構造を有する樹脂複合体が、0.02
〜0.1μm の範囲にある大きさの網目状構造の熱可塑
性樹脂相を有するものである上記(I)項に記載の樹脂
複合体を提供する。
【0012】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(III)共連続構造を有する樹脂複合体が、2つの
ガラス転移温度(Tg)を有するものである上記(I)
又は(II)項に記載の樹脂複合体を提供する。
【0013】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(IV)一分子中に2個の(メタ)アクリル基を有す
るビスフェノール系(メタ)アクリレートが、エチレン
オキサイド変性ビスフェノール−A型ジ(メタ)アクリ
レートである上記(I)、(II)又は(III)項に記載
の共連続構造を有する樹脂複合体を提供する。
【0014】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(V)(1)一分子中に2個の(メタ)アクリル基
を有するビスフェノール系(メタ)アクリレートが、プ
ロピレンオキサイド変性ビスフェノール−A型ジ(メ
タ)アクリレートであり、(2)熱可塑性樹脂が、 ポ
リカーボネート系重合体、ポリエステル系重合体、ビニ
ルアセタール系重合体、塩素含有重合体、酢酸ビニル系
重合体、スチレン系重合体、ウレタン系重合体及び未架
橋ゴムからなる群から選ばれる1以上の熱可塑性樹脂で
ある上記(I)、(II)又は(III)項に記載の共連続
構造を有する樹脂複合体を提供する。
【0015】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(VI)(1)一分子中に2個の(メタ)アクリル基
を有するビスフェノール系(メタ)アクリレートが、エ
チレンオキサイド変性ビスフェノール−F型ジ(メタ)
アクリレートであり、(2)熱可塑性樹脂が、ポリエス
テル系重合体、フェノキシ樹脂、ビニルアセタール系重
合体、塩素含有重合体、酢酸ビニル系重合体、スチレン
系重合体、ウレタン系重合体、及び未架橋ゴムからなる
群から選ばれる1以上の熱可塑性樹脂である上記
(I)、(II)又は(III)項に記載の共連続構造を有
する樹脂複合体を提供する。
【0016】さらに、本発明は上記課題を解決するため
に、(VII)(1)一分子中に2個の(メタ)アクリル
基を有するビスフェノール系(メタ)アクリレート、及
び(2)ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重
合体、フェノキシ樹脂、ビニルアセタール系重合体、塩
素含有重合体、酢酸ビニル系重合体、スチレン系重合
体、ウレタン系重合体、未架橋ゴム、及びセルロース誘
導体からなる群から選ばれる1以上の熱可塑性樹脂から
なる均一混合液を賦形した後、活性エネルギー線を照射
して均一混合液の賦形物を硬化させ、相分離を誘発させ
るとともに、共連続構造を固定化することを特徴とする
上記(I)〜(VI)項のいずれか1項に記載の樹脂複合
体の製造方法を提供する。
【0017】さらにまた、本発明は上記課題を解決する
ために、(VIII)(1)活性エネルギー線硬化性ビスフ
ェノール系(メタ)アクリレート、(2)熱可塑性樹
脂、及び(3)これらを溶解する溶剤とからなる均一混
合液を賦形した後、溶剤を乾燥除去し、しかる後に活性
エネルギー線を照射する上記(VII)項に記載の樹脂複
合体の製造方法を提供する。
【0018】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(IX)均一混合液が光重合開始剤を含有し、活性エ
ネルギー線が紫外線である上記(VII)又は(VIII)項
に記載の樹脂複合体の製造方法を提供する。
【0019】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(X)活性エネルギー線照射温度が50〜200℃
である上記(VII) 、(VIII)又は(IX)項に記載の樹
脂複合体の製造方法を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂複合体は、熱可塑性
樹脂と、活性エネルギー線架橋重合性化合物の硬化物で
ある架橋重合体(以下、「活性エネルギー線架橋重合性
化合物の硬化物である架橋重合体」を「活性エネルギー
線架橋重合体」と称する場合がある)で構成される樹脂
複合体である。本発明の樹脂複合体は、相対的に熱可塑
性樹脂濃度の高い相(以下、熱可塑性樹脂相と称する)
と、相対的に活性エネルギー線架橋重合体濃度の高い相
(以下、架橋重合体相と称する)にミクロ相分離した樹
脂複合体であり、それぞれの相が3次元的に連続してい
る相分離構造、即ち、共連続構造を採っている。透過型
電子顕微鏡で観察した本発明の樹脂複合体の任意の方向
の断面には、網目状に連続した熱可塑性樹脂相が観察さ
れる。この網目は、部分的に途切れた箇所を有していて
もよい。また、本発明の樹脂複合体を、熱可塑性樹脂を
溶解する溶剤に浸漬しても、活性エネルギー線架橋重合
体相は、粉末に分解することはない。
【0021】これらのことから、本発明の樹脂複合体
は、活性エネルギー線架橋重合体相で構成された微小な
球形に近い細胞が、3次元網目状の連続相である熱可塑
性樹脂相によってほとんど包まれているが完全には包ま
れておらず、細胞同士が互いに接続している構造を採っ
ていると考えられる。
【0022】樹脂複合体中における熱可塑性樹脂相の網
目寸法は、0.01〜10μm の範囲が好ましく、0.
02〜5μm の範囲が特に好ましい。熱可塑性樹脂相の
網目寸法が0.01μm 未満であると、力学特性の向上
の程度が不十分となりがちであり、熱可塑性樹脂相の網
目寸法が10μm を超えると、力学特性の向上の程度が
不十分となるか、かえって低下しがちであるので、好ま
しくない。光学的に透明で、かつ、十分な力学特性を有
する樹脂複合体を得るためには、樹脂複合体中における
熱可塑性樹脂相の網目寸法は、0.02〜0.1μm の
範囲にあることが好ましい。熱可塑性樹脂相の網目寸法
は、透過型電子顕微鏡にて測定することができる。網目
寸法は、電子顕微鏡像における、網目で囲まれている相
の中心間距離の平均値として求めることができる。
【0023】本発明の樹脂複合体は、樹脂複合体を構成
する架橋重合体のガラス転移温度TgCと樹脂複合体を
構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度TgLとそれぞ
れ一致して又は一致せずに、2つのガラス転移温度Tg
1及びTg2(但し、Tg1<Tg2とする)を有する
ことが好ましい。2つのガラス転移温度を有すること
で、本樹脂複合体を構成する架橋重合体と熱可塑性樹脂
の特性の、組成の重み付き相加平均以上の特性を示すこ
とができる。このとき、TgC<TgLであっても良い
し、TgC>TgLであってもよい。しかしながら、T
gC=TgL(TgC≒TgLを含む)の場合には、2
つのガラス転移温度は縮退し、本発明になる樹脂複合体
であっても、Tgが2つ存在することは判別できない。
また、樹脂組成比に大きな差がある非対称組成の場合
や、熱可塑性樹脂が結晶性樹脂である場合にも2つのガ
ラス転移温度の存在が判別できなくなる場合がある。
【0024】ガラス転移温度(Tg)は、任意の測定方
法、例えば、動的粘弾性、示差熱量分析(DSC)など
で測定することができるが、高感度であることから動的
粘弾性測定によることが好ましい。動的粘弾性の測定周
波数や昇温速度は、試料の特性に合わせて任意に設定す
ることができる。動的粘弾性測定によるTgは、tan
δ(=損失弾性率/貯蔵弾性率)の温度依存性のグラフ
におけるピークとして与えられる。
【0025】一般に、架橋重合体のガラス転移温度Tg
Cと熱可塑性樹脂のガラス転移温度TgLとの間にTg
が1つ存在する場合には、この樹脂複合体は、(疑似)
相溶状態であることを示しており、力学特性は、一般的
に、それを構成する重合体の特性の、組成の重み付き相
加平均を示す。また、構成する重合体が、光学的に透明
である場合には、樹脂複合体も、通常、透明となる。
【0026】TgCとTgLとの間に、もしくはこれら
のTgとそれぞれ一致して、2つのTgを有する場合に
は、一般に樹脂複合体を構成する重合体が相分離してい
ることを示しており、この樹脂複合体の力学特性は、
(疑似)相溶系に比べてより高くなる場合もあり、より
低い場合もあり、相分離の形状によって大きく変わりう
ることが知られている。また、光学的には、通常、不透
明である。
【0027】本発明の樹脂複合体の場合、(疑似)相溶
状態の樹脂複合体の力学特性を上回る特性を得ることが
可能である。また、透明性についても、本発明の樹脂複
合体は、相分離していながら、光学的に透明な成形物と
することができる。透明な成型物の場合、可視光域の平
行光透過率が70%以上であることが好ましく、80%
以上であることがさらに好ましい。
【0028】本発明の樹脂複合体は、任意の形状の成形
物に成形することができる。本発明の樹脂複合体からな
る成形物が取りうる形状としては、例えば、塗膜、フィ
ルム(シート、リボンなどを含む)、薄膜、繊維、注型
物、含浸物、その他複雑な形状でありうる。しかし、架
橋重合体として活性エネルギー線架橋重合体を使用する
都合上、活性エネルギー線が到達しうる厚みである必要
があり、厚みは5mm未満であることが好ましく、厚みは
薄く、一定であることが好ましい。従って、用途にもよ
るが、厚みが好ましくは300μm 以下、さらに好まし
くは200μm以下のフィルム状又は塗膜状であること
が好ましい。また、特に高い透明度を必要とする場合に
は、膜厚10μm 以下のフィルム状又は塗膜状が好まし
い。
【0029】本発明の樹脂複合体を構成する架橋重合体
は、活性エネルギー線架橋重合性化合物を活性エネルギ
ー線照射により硬化させた架橋重合体、即ち、活性エネ
ルギー線架橋重合体である。
【0030】本発明で使用する活性エネルギー線架橋重
合性化合物は、一分子中に2個の(メタ)アクリル基を
有するビスフェノール系(メタ)アクリレートである。
該ビスフェノール系(メタ)アクリレートは光重合開始
剤の存在下でのみ活性エネルギー線により硬化するもの
であっても良い。活性エネルギー線架橋硬化性化合物
は、単独で用いることもでき、ビスフェノール系(メ
タ)アクリレート同士あるいは他の種の活性エネルギー
線架橋重合性化合物と2種類以上を混合して用いること
もできる。
【0031】一分子中に2個の(メタ)アクリル基を有
するビスフェノール系(メタ)アクリレートは、ビスフ
ェノールアルカンを骨格に有するジオールの(メタ)ア
クリル酸エステルであり、ビスフェノールアルカンは置
換ビスフェノールアルカンであってよく、例えば、(置
換)ビスフェノールA、(置換)ビスフェノールF、
(置換)ビスフェノールZなどが挙げられる。活性エネ
ルギー線架橋重合性化合物としてこのような(メタ)ア
クリレートを使用することにより、容易に共連続構造を
有する樹脂複合体を得ることができ、高く、かつ、バラ
ンスのとれた力学特性を実現することができる。
【0032】一分子中に2個の(メタ)アクリル基を有
するビスフェノール系(メタ)アクリレートは、例え
ば、一般式(1)
【0033】
【化1】
【0034】(式中、Xは、水素原子又はメチル基を表
わし、φは、p−フェニレン基を表わし、R1 は、メチ
レン基、プロパン−2,2−ジイル基、−S−、シクロ
ヘキサン又はその置換体を表わし、R2 は、オキシアル
キレン基又はその置換体を表わす。また、i及びjは、
それぞれ独立的に、正の整数を表わすが、i+jは2〜
20の範囲にある。)で表わされる化合物が挙げられ
る。
【0035】上記一般式(1)において、R2 は、オキ
シエチレン基であることが好ましく、その場合には、i
は2〜12の整数であることが好ましく、iは2、4、
6又は10であることが特に好ましい。また、上記一般
式(1)において、R2 は、1−メチルオキシエチレン
基であることが好ましく、その場合には、iは2〜10
の整数であることが好ましく、iは4〜6の整数である
ことが特に好ましい。
【0036】一般式(1)で表わされる化合物の中で
も、特に好ましい化合物としては、例えば、エチレンオ
キサイド変性(i+j=2)ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、エチレンオキサイド変性(i+j=
4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレ
ンオキサイド変性(i+j=6)ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性(i+
j=10)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、
及びエチレンオキサイド変性(i+j=4)ビスフェノ
ールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド
変性(i+j=4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリ
レートが挙げられる。
【0037】樹脂複合体の特性を制御するために、活性
エネルギー線架橋重合体は、活性エネルギー線架橋重合
性化合物と、単独では架橋重合体を与えない、一分子中
に1個の活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物
(以下、単官能の活性エネルギー線重合性化合物とい
う。)との共重合体とすることも可能である。
【0038】単官能の活性エネルギー線重合性化合物と
して使用することができる単官能(メタ)アクリル系単
量体としては、例えば、メチルメタクリレート、アルキ
ル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリ
レート、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、フェノキシジアルキル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、アルキルフェノキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメ
タクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレ
ート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、エチレンオキサイド変性フタル
酸アクリレート、ω−アルコキシカプロラクトンモノア
クリレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロ
ジェンフタレート、2−アクリロイルオキシエチルコハ
ク酸、アクリル酸ダイマー、2−アクリロイルオキシプ
ロピルヘキサヒドロハイドロジェンフタレート、フッ素
置換アルキル(メタ)アクリレート、塩素置換アルキル
(メタ)アクリレート、スルホン酸ソーダエトキシ(メ
タ)アクリレート、燐酸エステル基を有する(メタ)ア
クリレート、シラノ基を有する(メタ)アクリレート、
((ジ)アルキル)アミノ基を有する(メタ)アクリレ
ート、などが挙げられる。
【0039】単官能の活性エネルギー線重合性化合物と
して使用できる単官能マレイミド系単量体としては、例
えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、
N−ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、の如
きN−アルキルマレイミド;N−シクロヘキシルマレイ
ミドの如きN−脂環族マレイミド;N−ベンジルマレイ
ミド;N−フェニルマレイミド、N−(アルキルフェニ
ル)マレイミド、N−ジアルコキシフェニルマレイミ
ド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、2,3−
ジクロロ−N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミ
ド、2,3−ジクロロ−N−(2−エチル−6−メチル
フェニル)マレイミドの如きN−(置換又は非置換フェ
ニル)マレイミド;N−ベンジル−2,3−ジクロロマ
レイミド、N−(4’−フルオロフェニル)−2,3−
ジクロロマレイミドの如きハロゲンを有するマレイミ
ド;ヒドロキシフェニルマレイミドの如き水酸基を有す
るマレイミド;N−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシ
フェニル)マレイミドの如きカルボキシ基を有するマレ
イミド;N−メトキシフェニルマレイミドの如きアルコ
キシ基を有するマレイミド;N−[3−(ジエチルアミ
ノ)プロピル]マレイミドの如きアミノ基を有するマレ
イミド;N−(1−ピレニル)マレイミドの如き多環芳
香族マレイミド;N−(ジメチルアミノ−4−メチル−
3−クマリニル)マレイミド、N−(4−アニリノ−1
−ナフチル)マレイミドの如き複素環を有するマレイミ
ド、などが挙げられる。
【0040】更に、樹脂複合体の特性を制御するため
に、活性エネルギー線架橋重合性化合物は、架橋重合性
の重合性オリゴマー(プレポリマーとも呼ばれる)と共
重合体とすることも可能である。プレポリマーとして
は、例えば、重量平均分子量が500〜50000のも
のが挙げられ、例えば、エポキシ樹脂の(メタ)アクリ
ル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸
エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エ
ステル、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するポ
リウレタン樹脂、などが挙げられる。
【0041】本発明で使用する熱可塑性樹脂は、好まし
くは200℃以下の温度で、本発明で使用する活性エネ
ルギー線架橋重合性化合物と均一に混合するものであ
り、ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重合
体、フェノキシ樹脂、ビニルアセタール系重合体、塩化
ビニル系重合体、酢酸ビニル系重合体、スチレン系重合
体、ウレタン系重合体、未架橋ゴム及びセルロース誘導
体からなる群から選ばれる熱可塑性樹脂である。これら
の熱可塑性樹脂は、本発明で使用する活性エネルギー線
架橋重合性化合物と組み合わせて使用すると、良好な共
連続構造を形成しやすく、特性を向上させやすい。勿
論、熱可塑性樹脂は単独で用いることもできるし、二種
類以上を混合使用することもできる。
【0042】なお、本発明で言う熱可塑性樹脂は、架橋
重合体でない重合体をいい、直鎖状重合体と枝別れ重合
体を含む。従って、軟化点が分解温度より高く、熱可塑
性を示さない重合体も含む。本発明で使用する熱可塑性
樹脂は、非晶性であっても結晶性であってもよい。結晶
性重合体の場合には、その融点が200℃以下のものが
好ましく、融点が150℃以下のものが特に好ましい。
熱可塑性樹脂として用いる結晶性重合体の融点が高いも
のは、200℃以下の温度では活性エネルギー線架橋重
合性化合物との相溶性に劣る傾向にあるので、好ましく
ない。
【0043】本発明で使用できるポリカーボネート系重
合体としては、例えば、ビスフェノール-A型、ビスフ
ェノール-F型、ビスフェノール−Z型のポリカーボネ
ート及びその共重合体やこれらの置換体、などが挙げら
れる。
【0044】本発明で使用できるポリエステル系重合体
としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの
縮合重合体、その共重合体やそれらの置換体が挙げられ
る。
【0045】本発明で使用できるポリエステル系重合体
を構成する多価アルコールとしては、例えば、ビスフェ
ノール-A、ビスフェノール-F、ビスフェノール−Z、
テトラメチルビフェノール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオ
ール、ヘキサメチレンジオール、オクタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトタメチレングリコールなどが
挙げられる。これらの多価アルコールは2種類以上を併
用することもできる。これらの多価アルコールの中で
も、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、ヘキサメチレンジオール、ネオペンチルグリコー
ルが特に好ましい。
【0046】本発明で使用できるポリエステル系重合体
を構成する多価カルボン酸としては、例えば、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の如き芳
香族カルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ブラシル酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸の如き炭素原子数4〜14の脂肪族ジカルボン酸;
ダイマー酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ト
リメリット酸、無水ピロメリット酸、などが挙げられ
る。これらの多価カルボン酸は2種類以上を併用するこ
ともできる。これらの多価カルボン酸の中でも、テレフ
タル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が特に好ましい。
【0047】これらの他、本発明で使用できるポリエス
テル系重合体として、ポリε−カプロラクトン、ポリブ
チロラクトンの如きラクトン系ポリエステルも使用する
ことができる。
【0048】本発明で使用できるフェノキシ樹脂は、エ
ピクロルヒドリンとビスフェノール系化合物の反応物で
あり、末端にエポキシ基を有しないものである。そのよ
うなフェノキシ樹脂の中でも、エピクロルヒドリンとビ
スフェノールAから得られるフェノキシ樹脂が特に好ま
しい。
【0049】本発明で使用できるビニルアセタール系重
合体としては、ポリビニルフォルマール、ポリビニルア
セタール及びその共重合体やこれらの置換体が挙げられ
る。これらのビニルアセタール系重合体の中でも、ポリ
ビニルフォルマール、ポリビニルアセタールが特に好ま
しい。
【0050】本発明で使用できる塩化ビニル系重合体と
しては、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリ
プロピレンを挙げることができる。塩素化ポリエチレン
及び塩素化ポリプロピレンは、その塩素含有量が50%
以上の高塩素化タイプの重合体が好ましい。
【0051】本発明で使用できる酢酸ビニル系重合体と
しては、酢酸ビニル及びその共重合体やこれらの置換体
が挙げられる。これらの酢酸ビニル系重合体の中でも、
ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)が特に好ましい。
【0052】本発明で使用できるスチレン系重合体とし
ては、ポリスチレン、その共重合体やこれらの置換体が
挙げられる。これらのスチレン系重合体の中でも、ポリ
スチレン(PS)、ポリα−メチルスチレン、スチレン
−メチルメタクリレート共重合体(MS)、スチレン−
アクリロニトリル共重合体(AS)、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体(SMAA)、スチレン−マレイン酸
共重合体が特に好ましい。
【0053】本発明で使用できるウレタン系重合体とし
ては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシ
アネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソアネート、キシリレンジイソシアネート、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどのイソシ
アネートと、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンア
ジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリカプロ
ラクトンなどのポリエステルポリオールやポリオキシプ
ロピレンジオール、ポリテトラメチレングリコールエー
テル、ポリオキシエチレンジオールなどのポリエーテル
ポリオールの重合物である熱可塑性ポリウレタン、など
が挙げられる。これらのウレタン系重合体の中でも、イ
ソシアネートとして、トリレンジイソシアネート又はジ
フェニルメタンジイソシアネートを用い、ポリオールと
して、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコールとアジピン酸のポリエス
テルポリオールを用いたウレタン系重合体が好ましい。
【0054】本発明で使用できる未架橋ゴムとしては、
ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)などのジエン系ゴム;クロロプレンゴム、イソプレ
ンゴムなどのイソプレン系ゴム;及びアクリルゴム(A
R)が挙げられる。これらの未架橋ゴムの中でも、NB
R、SBR、ARが特に好ましい。
【0055】本発明で使用できるセルロース誘導体とし
ては、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロ
ピオン酸セルロースなどの有機酸セルロース;メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチ
ルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロ
ースなどのセルロースエーテル類;ニトロセルロース、
硫酸セルロース、リン酸セルロースなどの無機セルロー
スが挙げられる。これらのセルロース誘導体の中でも、
エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース
が特に好ましい。
【0056】なお、熱可塑性樹脂の中でも、ポリエーテ
ルスルホンは、本発明で使用する活性エネルギー線架橋
重合性化合物との相溶性が過度に低く、共連続構造を有
する樹脂複合体を得ることが相当に困難であるため、好
ましいものとはいえない。
【0057】これら熱可塑性樹脂は、本発明で使用する
活性エネルギー線架橋重合性化合物と組み合わせて使用
すると、良好な共連続構造を形成しやすく、特性を向上
させるが、特に好ましい組み合わせとしては、例えば、 (1)(1-a) エチレンオキサイド変性ビスフェノール−
A型ジ(メタ)アクリレートと、(1-b) ポリカーボネー
ト系重合体、ポリエステル系重合体、フェノキシ樹脂、
ビニルアセタール系重合体、塩化ビニル系重合体、酢酸
ビニル系重合体、スチレン系重合体、ウレタン系重合
体、未架橋ゴム及びセルロース誘導体からなる群から選
ばれる熱可塑性樹脂との組み合わせ、
【0058】(2)(2-a) プロピレンオキサイド変性ビ
スフェノール−A型ジ(メタ)アクリレートと、(2-b)
ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重合体、ビ
ニルアセタール系重合体、塩化ビニル系重合体、酢酸ビ
ニル系重合体、スチレン系重合体、ウレタン系重合体及
び未架橋ゴムからなる群から選ばれる熱可塑性樹脂との
組み合わせ、
【0059】(3)(3-a) エチレンオキサイド変性ビス
フェノール−F型ジ(メタ)アクリレートと、(3-b) ポ
リエステル系重合体、フェノキシ樹脂、ビニルアセター
ル系重合体、塩化ビニル系重合体、酢酸ビニル系重合
体、スチレン系重合体、ウレタン系重合体、及び未架橋
ゴムからなる群から選ばれる熱可塑性樹脂との組み合わ
せ、が特に好ましい。
【0060】活性エネルギー線架橋重合性化合物と熱可
塑性樹脂との配合の割合は、用いる樹脂の種類により異
なるが、通常、(活性エネルギー線架橋重合体:熱可塑
性樹脂)の混合重量比が(98:2)〜(10:90)
の範囲が好ましく、(95:5)〜(20:80)の範
囲が特に好ましい。
【0061】本発明の樹脂複合体では、熱可塑性樹脂の
特徴である靭性が付与された力学特性に優れた複合体を
得ることが可能となるが、それに加えて、使用する熱可
塑性樹脂の種類に依存して、それぞれの樹脂が有する特
徴が付与される。例えば、熱可塑性樹脂として芳香族ポ
リエステル系重合体や塩化ビニル系重合体を用いた場合
には、高弾性率や表面硬度を樹脂複合体に効果的に付与
することができ、また、熱可塑性樹脂として、ポリカー
ボネート、ウレタン系重合体、酢酸ビニル系重合体或い
は未架橋ゴムを用いた場合には、破断伸度や耐衝撃性を
樹脂複合体に効果的に付与することができ、さらに、熱
可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂やセルロース誘導体
を用いた場合には、高い表面親和性を樹脂複合体に効果
的に付与することができる。
【0062】本発明の樹脂複合体には、その他の成分、
例えば、フッ素系化合物、シリコーンなどの滑剤;色
素、顔料、蛍光色素などの着色剤や紫外線吸収剤;酸化
防止剤;防黴剤;抗菌剤;無機や有機の粉末;強化繊維
等を混合あるいは共重合の形で含有することができる。
また、繊維強化プラスチック、ラミネートシートなどの
複合体とすることも可能である。
【0063】本発明の樹脂複合体は、例えば、以下に示
す製造方法により製造することができる。
【0064】即ち、活性エネルギー線架橋重合性化合物
と熱可塑性樹脂とを混合し、相溶した均一混合液(以
下、この均一混合液を単に「均一混合液」と称する場合
がある)を調製する。この均一混合液を賦形した後、活
性エネルギー線を照射して、均一混合液の賦形物を硬化
させ、相分離を誘発させるとともに、共連続構造を固定
化する方法。
【0065】本発明の製造方法で使用する活性エネルギ
ー線架橋重合性化合物は、一分子中に2〜6個の(メ
タ)アクリル基を有するアルキル(メタ)アクリレート
であり、本発明の製造方法で使用する熱可塑性樹脂と均
一混合液を形成することが可能なものである。本発明の
製造方法で使用する活性エネルギー線架橋重合性化合物
については、本発明の樹脂複合体における活性エネルギ
ー線架橋重合性化合物の説明と同様である。
【0066】活性エネルギー線架橋重合性化合物と熱可
塑性樹脂の相溶性を増したり、均一混合液の反応性を制
御するなどの目的で、均一混合液に、単独では架橋重合
体を与えない単官能の活性エネルギー線重合性化合物を
併用することもできる。単官能の活性エネルギー線重合
性化合物は、活性エネルギー線の照射により活性エネル
ギー線架橋重合性化合物と共重合して架橋重合体を与え
るものであれば、任意である。単官能の活性エネルギー
線重合性化合物についても、本発明の樹脂複合体におけ
る単官能の活性エネルギー線重合性化合物組成物の説明
と同様である。
【0067】本発明の製造方法で使用する熱可塑性樹脂
は、ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重合
体、フェノキシ樹脂、ビニルアセタール系重合体、塩素
含有重合体、酢酸ビニル系重合体、スチレン系重合体、
ウレタン系重合体、未架橋ゴム、及びセルロース誘導体
からなる群から選ばれる熱可塑性樹脂であり、好ましく
は200℃以下の温度で、使用する活性エネルギー線架
橋重合性化合物と均一混合液を形成することが可能なも
のである。本発明の製造方法で使用する熱可塑性樹脂
は、本発明の樹脂複合体に使用可能な熱可塑性樹脂とし
て例示したものの中から選択使用できる。勿論、熱可塑
性樹脂は、単独で用いることもでき、2種類以上を混合
して用いることもできる。
【0068】本発明の製造方法で使用する均一混合液
は、活性エネルギー線架橋重合性化合物と熱可塑性樹脂
が均一に混合した混合液である。但し、例えば、鎖状高
分子の分子量分布などに起因する極少量の不溶部分が存
在することは許容される。
【0069】本発明の製造方法で使用する均一混合液の
粘度は、本発明の相分離構造を得るための製造条件に影
響する重要な要因と考えられるが、活性エネルギー線架
橋重合性化合物と熱可塑性樹脂との組み合わせ、これら
の組成比、活性エネルギー線強度、反応温度などの違い
により最適な粘度範囲が大きく異なる。そのため、均一
混合液の粘度は一概には規定できないが、活性エネルギ
ー線照射温度における粘度は1〜1000000cps
(10-3〜102 Pa・s)の範囲が好ましく、5〜1
0000cps(5×10-3〜10Pa・s)の範囲が
さらに好ましい。
【0070】本発明の製造方法で使用する均一混合液に
は、活性エネルギー線架橋重合性化合物と熱可塑性樹脂
の他に、例えば、光重合開始剤;色素、顔料、蛍光色素
などの着色剤や紫外線吸収剤;酸化防止剤;無機や有機
の粉末;強化繊維等を含有させることもできる。
【0071】本発明の製造方法で使用する活性エネルギ
ー線として、紫外線、可視光、赤外線などの光線を用い
る場合には、重合速度を速める目的で、均一混合液に光
重合開始剤を添加することが好ましい。
【0072】均一混合液に必要に応じて添加することが
できる光重合開始剤は、本発明で使用する光線に対して
活性であり、活性エネルギー線架橋重合性化合物を架橋
重合させることが可能なものであれば、特に制限がな
く、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始
剤、カチオン重合開始剤であって良い。
【0073】そのような光重合開始剤としては、例え
ば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,
2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの如きアセ
トフェノン類;ベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチ
ルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、
2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサント
ン、2−イソプロピルチオキサントンの如きケトン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの
如きベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケター
ル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きベ
ンジルケタール類、マレイミド類、などが挙げられる。
【0074】光重合開始剤は、均一混合液に溶解あるい
は分散した状態で用いることができるが、均一混合液に
溶解するものであることが好ましい。光重合開始剤を用
いる場合の均一混合液中の光重合開始剤濃度は、0.0
1〜20重量%の範囲が好ましく、0.5〜10重量%
の範囲が特に好ましい。但し、活性エネルギー線架橋重
合性化合物が光重合開始剤を兼ねる場合や、活性エネル
ギー線架橋重合性化合物と共重合する光重合開始剤であ
る場合にはこの限りではない。
【0075】均一混合液は、好ましくは0〜200℃、
さらに好ましくは10〜180℃の温度範囲で調製され
る。均一混合液の調製は、加熱などの方法で熱可塑性樹
脂を架橋重合性化合物に溶解させる方法が可能である
が、熱可塑性樹脂及び架橋重合性化合物を両者が可溶な
溶媒に溶解させた後、溶媒を除去し、均一混合液を得る
ことも好ましい。溶剤を使用することで、熱可塑性樹脂
と架橋重合性化合物の混合に要する時間時間を大幅に短
縮することができ、また、粘度の高い均一混合液を得る
ことができる。
【0076】均一混合液を調製する際に溶剤を用いる場
合には、使用する溶剤は、蒸発、抽出など、何らかの方
法で除去可能なものであれば任意であるが、揮発性溶剤
であることが好ましい。N−メチルピロリドンやジメチ
ルスルホキシドのような高沸点溶剤を用いることも可能
であるが、溶剤の沸点は150℃以下であることが好ま
しく、120℃以下であることがさらに好ましい。
【0077】そのような溶剤としては、例えば、塩化メ
チレン、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロ
ロエタン等のような塩素系溶剤;アセトン、2−ブタノ
ンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの
エステル系溶剤;ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;トルエ
ン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶
剤;蟻酸などの酸;クロロフェノールなどのフェノール
類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどの、1分
子中に2種類以上の官能基を有する溶剤;液化二酸化炭
素、液化アンモニアなどの液化ガス;超臨界二酸化炭素
等の超臨界流体、等が挙げられる。
【0078】溶剤除去方法も任意であるが、揮発による
除去が好ましい。揮発方法も任意であり、例えば、風
乾、熱風乾燥、赤外線乾燥、真空乾燥等であり得る。溶
剤は、その後の賦形及び活性エネルギー線照射よって形
成される相分離構造に大きな影響を与えない程度である
ならば、残存していても良い。多少の粘度変化や相溶性
の変化は、活性エネルギー線照射条件で補正可能であ
る。
【0079】均一混合液は、塗膜状、フィルム状(シー
ト状、リボン状などを含む)、繊維状、注型物、含浸物
などの任意の形状に賦形される。但し、活性エネルギー
線により硬化可能な形状であることが必要である。例え
ば、活性エネルギー線が到達可能な厚みである必要があ
り、賦形物が被覆物で被われている場合には、被覆物は
使用する活性エネルギー線を透過させるものである必要
がある。賦形方法も任意であり、例えば、塗布、流延、
浸漬、スプレー、注型、含浸、押し出し等であり得る。
均一混合液の調製が溶媒を使用する方法である場合に
は、賦形は溶媒除去の前であっても後であっても、一部
除去の後であっても良い。均一混合液の粘度が高い場合
や、賦形物が塗膜やフィルムのような厚みの小さいもの
である場合には、賦形後に溶剤除去を行なうことも好ま
しい。
【0080】次いで、均一混合液の賦形物に、所定温度
において活性エネルギー線を照射する。活性エネルギー
線の照射温度は、均一混合液が相溶状態を保っている温
度、即ち、照射前に相分離しない温度である必要があ
る。この時、均一混合液が過冷却状態であっても良い。
混合液の相溶状態の判別は、目視による透明性の確認、
或いは、光学顕微鏡観察により行なうことができる。
【0081】均一混合液に活性エネルギー線を照射する
と架橋重合性化合物の重合の進行に伴ってミクロ相分離
が進行するが、活性エネルギー線架橋重合性化合物が重
合により架橋構造を形成するため、相分離の進行過程の
いずれかの段階で構造が固定化される。本発明の樹脂複
合体は、均一混合液成分の相溶性の良否、均一混合液の
粘度、活性エネルギー線照射温度、活性エネルギー線強
度を制御することにより得られる。本発明の樹脂複合体
の形成条件は、活性エネルギー線架橋重合性化合物体と
熱可塑性樹脂の組み合わせにより異なり、一概には規定
できない。しかしながら、良相溶性、高粘度、低照射温
度、高活性エネルギー線強度の条件が過剰であると、相
分離が進行する前に構造が固体化されてしまい、共連続
構造が観察されず、1つのTgを示す(疑似)相溶構造
となる。反対に、貧相溶性、低粘度、高温、低強度の条
件が過剰であると、相分離が過度に進行して海島型の相
分離構造となり、力学的特性の低下をもたらす。通常、
相溶性と粘度は系により決定されるから、系が固定され
た場合には、主として制御するパラメーターは照射温度
と活性エネルギー線強度、及びこれらの時間プログラム
である。これらを適宜調節することで、目的の構造や特
性に最適化することができる。樹脂複合体の構造に変化
を与えずに完全硬化するまでの時間を短縮するために、
硬化工程の後半の段階で温度を上昇させることも好まし
い。
【0082】本発明の製造方法で使用する活性エネルギ
ー線としては、均一混合液を硬化させることが可能なも
のであれば任意であり、例えば、紫外線、可視光線、赤
外線の如き光線;エックス線、ガンマ線の如き電離放射
線;電子線、ベータ線、中性子線、重粒子線の如き粒子
線が挙げられる。これらの中でも、取り扱い性や装置価
格の面から光線が好ましく、紫外線が特に好ましい。全
面照射の場合、紫外線強度は0.1〜1000mW/cm2
であることが好ましい。紫外線はレーザー光であること
も好ましい。照射は、必要に応じ、パターニング照射で
あって良い。
【0083】また、硬化速度を速め、硬化を完全に行う
目的で、活性エネルギー線の照射を低酸素濃度雰囲気で
行うことが好ましい。低酸素濃度雰囲気としては、窒素
気流中、二酸化炭素気流中、アルゴン気流中、真空又は
減圧雰囲気が好ましい。
【0084】硬化した本発明の樹脂複合体は、必要に応
じて熱処理することも可能である。熱処理により、特性
をさらに向上させたり、熱安定性を増すことができる。
【0085】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明は以下の実施例の範囲に
限定されるものではない。
【0086】なお、以下の実施例において、紫外線源と
して、160Wのメタルハライドランプ(アイグラフィ
ックス製)を用いた。紫外線照射強度は約70mW/cm
2 であった。また、紫外線照射時間は90秒間とした。
【0087】次に、以下の実施例におけるガラス転移温
度の測定方法、引張破壊試験方法、光透過率の測定方
法、相分離構造の観察方法について説明する。
【0088】(ガラス転移温度の測定)ガラス転移温度
(Tg)は、動的粘弾性測定法で1Hzでの複素弾性率
の温度変化を測定し、tanδ (損失弾性率/貯蔵弾性
率)のピーク温度で評価した。動的粘弾性測定は、レオ
メトリックス株式会社製の「RSA−II」を使用し
た。昇温速度は毎分2℃とした。サンプルが塗膜の場合
には、基材から剥離したフィルム状のものを測定した。
【0089】(引張破壊試験)引張破壊試験は、島津製
作所製の引張試験機(オートグラフAGS−H)を使用
した。サンプルが塗膜の場合には、基材から剥離したフ
ィルム状のものを用いた。幅3mm、厚み約0.1mmの試
験片として、サンプル長10mm、引張速度を毎分5mmで
試験を行った。
【0090】(光透過率の測定)日本電色工業株式会社
製の濁度計「NDH−300A」を用いて、塗膜又はフ
ィルムの平行光透過率を測定した。フィルムの厚みは1
00±20μm とした。
【0091】(相分離構造の観察)相分離構造の観察
は、透過型電子顕微鏡(日本電子工業株式会社製の「J
EM−200」;以下、「TEM」と省略する。)を用
いた。フィルム断面及び塗膜断面の超薄切片(約50n
m)を作成しサンプルとした。使用する樹脂によって、
コントラストを上げるために、四酸化ルテニウム、四酸
化オスミウム、ヨウ素などで染色を施した。
【0092】[実施例1]活性エネルギー線架橋重合性
化合物として、「ニューフロンティア BPP4」(第
一工業製薬株式会社製のプロピレンオキサイド変性ビス
フェノールAジアクリレート;以下、「BPP4」と省
略する。)5g、光重合開始剤として、「イルガキュア
184」(チバ・ガイギー社製の1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン)0.1g及び熱可塑性樹脂と
して、「ユーピロン Z−200」(三菱瓦斯化学株式
会社製のビスフェノール−Z型ポリカーボネート;以
下、「PCz」と省略する。)5gを塩化メチレン50
gに溶解させて均質混合溶液(1)を得た。
【0093】このようにして得た均質混合溶液(1)を
ガラス板上に塗布した後、溶媒を揮発させ、均一混合液
の未硬化の塗膜を得た。次いで、この塗膜にガラス板の
カバーを密着装着して、未硬化の賦形物を2枚のガラス
板に挟まれた状態とした。
【0094】該賦形物をガラス板ごと温度調節したステ
ージ上で昇温したところ、賦形物は室温(25℃)〜1
00℃で無色透明であった。賦形物を100℃に保持し
た状態で紫外線を照射して架橋重合性化合物を重合させ
て、賦形物を硬化させた。
【0095】得られた硬化物をガラス板から剥離して得
たフィルム(膜厚=約100μm )は、室温で無色透明
で、塗膜の光透過率は90%であった。このフィルム
は、約℃と約℃に2つのTgを観察することができた。
フィルム断面のTEMを用いて観察したところ、径の大
きさが40〜60nmの網目状の相分離構造を観察するこ
とができた。また、フィルムを塩化メチレンに1時間浸
漬したが、若干膨潤したこと以外は、フィルムの形状に
変化は見られなかった。更に、フィルムを1時間浸漬し
た塩化メチレンをガラス板に塗布し、乾燥物を走査型電
子顕微鏡(SEM:日立製作所株式会社製、S−800
型)で観察したが、粒子は実質的に認められなかった。
【0096】このフィルム状硬化物の強度、破断伸度、
弾性率、破断エネルギーの測定結果を表1に示した。そ
の結果、実施例1で得た樹脂複合体からなるフィルム状
硬化物は、後述する参考例1及び比較例1の硬化物と比
較して、破断伸度が低下するが、強度、弾性率、破断エ
ネルギーが大きく向上していることが分かる。
【0097】[比較例1]実施例1で調製した、未硬化
の賦形物を2枚のガラス板に挟まれた状態のものを室温
(25℃)で紫外線を照射して架橋重合性化合物を重合
させて、賦形物を硬化させた。
【0098】得られた硬化物をガラス板から剥離して得
たフィルム(膜厚=約100μm )は、室温で無色透明
であった。このフィルムのTgを測定したところ、70
℃付近にtanδピークを1つ観察することができた。
また、TEMを用いてフィルム断面を観察したが、均質
であり相分離構造を観察することができなかった。(疑
似)相溶状態であると推測される。比較例1で得たフィ
ルム状硬化物の強度、破断伸度、弾性率、破断エネルギ
ーの測定結果を表1に示した。
【0099】[参考例1]実施例1において、熱可塑性
樹脂を使用しなかったこと、溶剤を使用しなかったこ
と、ガラス板のカバーを装着しなかったこと、及び、照
射温度を25℃としたこと、以外は、実施例1と同様に
して、フィルム状の「BPP4」の単独硬化物(膜厚=
約110μm )を得た。参考例1で得たフィルム状硬化
物の強度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結
果を表1に示した。参考例1で得たフィルム状の「BP
P4」の単独硬化物は、非常に高い破断伸度を示すが、
強度、弾性率が極めて小さく、材料として非常に弱いこ
とが分ける。
【0100】[実施例2]実施例1において、「BPP
4」、「イルガキュア184」及びPCzの使用量をそ
れぞれ8g、0.16g及び2gに変更し、かつ、紫外
線照射温度を80℃とした以外は、実施例1と同様にし
てフィルムを作製した。紫外線照射温度における未硬化
の賦形物は、透明であったが、硬化後のフィルムは、乳
白濁していた。
【0101】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.4〜0.6μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0102】実施例2で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表1に
示した。その結果、実施例2で得た樹脂複合体からなる
フィルム状硬化物は、「BPP4」の単独硬化物(参考
例1)及び後述する比較例2と比較して、破断伸度が低
下するが、強度、弾性率、破断エネルギーが大きく向上
していることが分かる。
【0103】[実施例3]実施例1において、BPP
4、「イルガキュア184」及びPCzの使用量をそれ
ぞれ3g、0.06g及び7gに変更し、かつ、紫外線
照射温度を150℃とした以外は、実施例1と同様にし
てフィルムを作製した。紫外線照射温度における未硬化
の賦形物は、透明であったが、硬化後のフィルムは、無
色透明であり、光透過率は90%であった。
【0104】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが30〜50nmの網目状の相分離
構造を観察することができた。また、実施例1と同様に
実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様であっ
た。
【0105】実施例3で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表1に
示した。その結果、実施例3で得た樹脂複合体からなる
フィルム状硬化物は、「BPP4」の単独硬化物(参考
例1)と比較して、破断伸度が低下するが、強度、弾性
率、破断エネルギーが大きく向上していることが分か
る。
【0106】[比較例2]実施例2で調製した、未硬化
の賦形物を2枚のガラス板に挟まれた状態のものを室温
で紫外線を照射して架橋重合性化合物を重合させて、賦
形物を硬化させた。
【0107】得られたフィルムは無色透明であった。こ
のフィルムについて、TEM観察を行ったが、均質で、
相分離構造を観察することができなかった。
【0108】比較例2で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表1に
まとめて示した。その結果、比較例2のフィルム状硬化
物は、「BPP4」の単独硬化物(参考例1)と比較し
て、特性は多少向上しているが、実施例2のような大幅
な向上は見られなかった。
【0109】[実施例4]活性エネルギー線架橋重合性
化合物として、BPP4 8g、光重合開始剤として、
「イルガキュア184」0.16g及び熱可塑性樹脂と
して、ポリ塩化ビニル(和光純薬工業株式会社製)2g
をテトラヒドロフラン(THF)50gに溶解させて均
質混合溶液(4)を得た。
【0110】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(4)を使用し、かつ、紫外線照
射温度を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてフ
ィルムを作製した。未硬化の賦形物は、室温〜80℃で
無色透明であったが、硬化後のフィルムは、乳白濁して
おり、フィルムの光透過率は78%であった。
【0111】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.2〜0.5μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1に
おいて、塩化メチレンに代えて、THFを用いた以外
は、実施例1と同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実
施例1と同様であった。
【0112】実施例4で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表1に
示した。その結果、「BPP4」の単独硬化物(参考例
1)と比較して、破断伸度が低下するが、強度、弾性
率、破断エネルギーが大きく向上していることが分か
る。
【0113】[実施例5]活性エネルギー線架橋重合性
化合物として、BPP4 8g、光重合開始剤として、
「イルガキュア184」0.16g及び熱可塑性樹脂と
して、ポリ酢酸ビニル(Mw=約26万;サイエンテフ
ィック・ポリマー株式会社製)を塩化メチレン50gに
溶解させて均質混合溶液(5)を得た。
【0114】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(5)を使用し、かつ、紫外線照
射温度を70℃とした以外は、実施例1と同様にしてフ
ィルムを作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色
透明であったが、硬化後のフィルムは、乳白濁してい
た。
【0115】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.2〜0.6μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0116】実施例5で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表1に
示した。その結果、実施例5で得た樹脂複合体からなる
フィルム状硬化物は、BPP4単独硬化物(参考例1)
と比較して、破断伸度が低下するが、強度、弾性率、破
断エネルギーが大きく向上していることが分かる。
【0117】[実施例6]実施例5において、ポリ酢酸
ビニルに代えて、「クリアパクト−TS50」(大日本
インキ化学工業株式会社製のスチレン−メチルメタクリ
レート共重合体;以下、「MS」と省略する。)を用い
た以外は、実施例5と同様にして、均質混合溶液(6)
を得た。
【0118】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(6)を使用し、紫外線照射温度
を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィルム
を作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色透明で
あった。また、硬化後のフィルムは、乳白濁していた。
【0119】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.3〜0.5μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0120】実施例6で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表1に
示した。その結果、実施例6で得た樹脂複合体からなる
フィルム状硬化物は、「BPP4」の単独硬化物(参考
例1)と比較して、破断伸度が低下するが、強度、弾性
率、破断エネルギーが大きく向上していることが分か
る。
【0121】
【表1】
【0122】[実施例7]活性エネルギー線架橋重合性
化合物として、「カヤラッド R712」(日本化薬株
式会社製のエチレンオキサイド変性ビスフェノールF
ジアクリレート;以下、「R712」と省略する。)8
g、光重合開始剤として「イルガキュア184」0.1
6g及び熱可塑性樹脂として、「パンデックス T52
05」(大日本インキ化学工業株式会社製のポリウレタ
ン;以下、「T5205」と省略する。)2gを塩化メ
チレン60gに溶解させて、均質混合溶液(7)を得
た。
【0123】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(7)を使用し、紫外線照射温度
を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィルム
を作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色透明で
あった。また、硬化後のフィルムは、乳白濁していた。
【0124】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.3〜0.6μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0125】実施例7で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表2に
示した。その結果、実施例2で得た樹脂複合体からなる
フィルム状硬化物は、後述する「R712」の単独硬化
物(参考例2)と比較して、弾性率が若干低下し、強度
がほぼ同じであるが、破断伸度と破断エネルギーが著し
く向上している。また、後述する比較例3と比較して、
いずれの評価項目においても、大きく向上していること
が分かる。
【0126】[比較例3]実施例7で調製した、未硬化
の賦形物を2枚のガラス板に挟まれた状態のものを室温
で紫外線を照射して架橋重合性化合物を重合させて、賦
形物を硬化させた。
【0127】得られたフィルムは無色透明であった。こ
のフィルムについて、TEM観察を行ったが、均質で相
分離構造を観察することができなかった。
【0128】比較例3で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表2に
まとめて示した。その結果、比較例3のフィルム状硬化
物は、後述する「R712」の単独硬化物(参考例2)
と比較して、破断伸度と破断エネルギーが多少向上して
いるが、強度と弾性率が大きく低下しており、実施例7
のような大幅な特性向上は見られなかった。
【0129】[参考例2]実施例7において、熱可塑性
樹脂を使用しなかったこと、溶剤を使用しなかったこ
と、ガラス板のカバーを装着しなかったこと、及び、照
射温度を25℃としたこと、以外は、実施例7と同様に
して、フィルム状の「R712」の単独硬化物(膜厚=
約150μm )を得た。参考例2で得たフィルム状硬化
物の強度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結
果を表2に示した。
【0130】[実施例8]活性エネルギー線架橋重合性
化合物として、R712 8g、光重合開始剤として、
「イルガキュア184」0.16g及び熱可塑性樹脂と
して、「PKHH」(ユニオン・カーバイド株式会社製
のフェノキシ樹脂)2gをテトラヒドロフラン(TH
F)60gに溶解させて均質混合溶液(8)を得た。
【0131】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(8)を使用し、紫外線照射温度
を60℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィルム
を作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色透明で
あった。また、硬化後のフィルムは、乳白濁していた。
【0132】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.3〜0.5μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1に
おいて、塩化メチレンに代えて、THFを用いた以外
は、実施例1と同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実
施例1と同様であった。
【0133】実施例8で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表2に
示した。その結果、実施例8で得た樹脂複合体からなる
フィルム状硬化物は、「R712」の単独硬化物(参考
例2)と比較して、いずれの評価項目においても、大き
く向上していることが分かる。
【0134】[実施例9]実施例7において、「T52
05」に代えて、ポリ酢酸ビニル(Mw=約26万;サ
イエンテフィック・ポリマー株式会社製)を用いた以外
は、実施例7と同様にして、均質混合溶液(9)を得
た。
【0135】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(9)を使用し、かつ、紫外線照
射温度を60℃とした以外は、実施例1と同様にしてフ
ィルムを作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色
透明であったが、硬化後のフィルムは、乳白濁してい
た。
【0136】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.3〜0.6μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0137】実施例9で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表2に
示した。その結果、実施例9で得た樹脂複合体からなる
フィルム状硬化物は、「R712」の単独硬化物(参考
例2)と比較して、いずれの評価項目においても、大き
く向上していることが分かる。
【0138】[実施例10]実施例7において、「T5
205」に代えて、「バイロン500」(東洋紡株式会
社製の芳香族ポリエステル)を用いた以外は、実施例7
と同様にして、均質混合溶液(10)を得た。
【0139】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(10)を使用し、かつ、紫外線
照射温度を80℃とした以外は、実施例1と同様にして
フィルムを作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無
色透明であったが、硬化後のフィルムは、乳白濁してい
た。
【0140】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.3〜0.7μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、溶剤抽出試
験の結果も実施例1と同様であった。
【0141】実施例10で得たフィルム状硬化物の強
度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表
2に示した。その結果、実施例10で得た樹脂複合体か
らなるフィルム状硬化物は、「R712」の単独硬化物
(参考例2)と比較して、弾性率が若干低下するが、強
度、破断伸度、破断エネルギーが大きく向上しているこ
とが分かる。
【0142】[実施例11]活性エネルギー線架橋重合
性化合物として、「R712」9g、光重合開始剤とし
て、「イルガキュア184」0.18g及び熱可塑性樹
脂として、「ニッポール AR71」(日本ゼオン株式
会社製のアクリルゴム;以下、「AR71」と省略す
る。)1gを塩化メチレン70gに溶解させて均質混合
溶液(11)を得た。
【0143】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(11)を使用し、紫外線照射温
度を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィル
ムを作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色透明
であった。また、硬化後のフィルムは、乳白濁してい
た。
【0144】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.5〜0.8μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0145】実施例11で得たフィルム状硬化物の強
度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表
2に示した。その結果、実施例11で得た樹脂複合体か
らなるフィルム状硬化物は、「R712」の単独硬化物
(参考例2)と比較して、強度はほぼ同じで、弾性率が
若干低下するが、破断伸度、破断エネルギーが大きく向
上していることが分かる。
【0146】[実施例12]実施例8において、「PK
HH」の代わりに、ポリ塩化ビニル(和光純薬工業株式
会社製)を用いた以外は、実施例8と同様にして、均質
混合溶液(12)を得た。
【0147】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(12)を使用し、紫外線照射温
度を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィル
ムを作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色透明
であった。また、硬化後のフィルムは、乳白濁してい
た。
【0148】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.3〜0.5μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1に
おいて、塩化メチレンに代えて、THFを用いた以外
は、実施例1と同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実
施例1と同様であった。
【0149】実施例12で得たフィルム状硬化物の強
度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表
2に示した。その結果、実施例12で得た樹脂複合体か
らなるフィルム状硬化物は、「R712」の単独硬化物
(参考例2)と比較して、いずれの評価項目において
も、大きく向上していることが分かる。
【0150】
【表2】
【0151】[実施例13]活性エネルギー線架橋重合
性化合物として、「ニューフロンティア BPE−4」
(第一製薬工業株式会社製のエチレンオキサイド変性ビ
スフェノールA ジアクリレート;以下、「BPE4」
と省略する。) 8g、光重合開始剤として「イルガキ
ュア184」0.16g及び熱可塑性樹脂として、「T
5205」(大日本インキ化学工業株式会社製のポリウ
レタン)2gを塩化メチレン50gに溶解させて、均質
混合溶液(13)を得た。
【0152】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(13)を使用した以外は、実施
例1と同様にしてフィルムを作製した。未硬化の賦形物
は、室温以上で無色透明であった。また、硬化後のフィ
ルムは、乳白濁していた。
【0153】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.3〜0.6μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0154】実施例13で得たフィルム状硬化物の強
度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表
2に示した。その結果、実施例13で得た樹脂複合体か
らなるフィルム状硬化物は、後述する「BPE4」の単
独硬化物(参考例3)及び比較例4と比較して、いずれ
の評価項目においても、大きく向上していることが分か
る。
【0155】[比較例4]実施例13で調製した、未硬
化の賦形物を2枚のガラス板に挟まれた状態のものを室
温で紫外線を照射して架橋重合性化合物を重合させて、
賦形物を硬化させた。
【0156】得られたフィルムは無色透明であった。こ
のフィルムについて、TEM観察を行ったが、均質で相
分離構造は観察されなかった。
【0157】比較例4で得たフィルム状硬化物の強度、
破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表3に
まとめて示した。その結果、比較例4のフィルム状硬化
物は、後述する「BPE4」の単独硬化物(参考例3)
と比較して、破断伸度と破断エネルギーが向上している
が、強度と弾性率が大きく低下しており、実施例13の
ような大幅な特性向上は見られなかった。
【0158】[参考例3]実施例13において、熱可塑
性樹脂を使用しなかったこと、溶剤を使用しなかったこ
と、ガラス板のカバーを装着しなかったこと、及び、照
射温度を25℃としたこと、以外は、実施例13と同様
にして、フィルム状のBPE4単独硬化物(膜厚=約1
50μm )を得た。参考例3で得たフィルム状硬化物の
強度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を
表3に示した。
【0159】[実施例14]実施例13において、「T
5205」に代えて、ポリ酢酸ビニル(Mw=約26
万;サイエンテフィック・ポリマー株式会社製)を用い
た以外は、実施例13と同様にして、均質混合溶液(1
4)を得た。
【0160】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(14)を使用し、紫外線照射温
度を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィル
ムを作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色透明
であった。また、硬化後のフィルムは、乳白濁してい
た。
【0161】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.3〜0.6μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0162】実施例14で得たフィルム状硬化物の強
度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表
2に示した。その結果、実施例14で得た樹脂複合体か
らなるフィルム状硬化物は、「BPE4」の単独硬化物
(参考例3)と比較して、いずれの評価項目において
も、大きく向上していることが分かる。
【0163】[実施例15]活性エネルギー線架橋重合
性化合物として、BPE4 9g、光重合開始剤とし
て、「イルガキュア184」0.18g及び熱可塑性樹
脂として、「ニッポール NBR 1042」(日本ゼ
オン株式会社製のアクリルニトリル−ブタジエンゴム;
以下、「NBR」と省略する。)1gを塩化メチレン7
0gに溶解させて均質混合溶液(15)を得た。
【0164】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(15)を使用し、紫外線照射温
度を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィル
ムを作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色透明
であった。また、硬化後のフィルムは、乳白濁してい
た。
【0165】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.5〜0.8μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0166】実施例15で得たフィルム状硬化物の強
度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表
3に示した。その結果、実施例15で得た樹脂複合体か
らなるフィルム状硬化物は、「BPE4」の単独硬化物
(参考例3)と比較して、弾性率はほぼ同じであるが、
強度、破断伸度、破断エネルギーが大きく向上している
ことが分かる。
【0167】[実施例16]活性エネルギー線架橋重合
性化合物として、「BPE4」5g、光重合開始剤とし
て、「イルガキュア184」0.1g及び熱可塑性樹脂
として、「PKHH」(ユニオン・カーバイド株式会社
製のフェノキシ樹脂)5gをTHF60gに溶解させて
均質混合溶液(16)を得た。
【0168】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(16)を使用し、紫外線照射温
度を120℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィ
ルムを作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色透
明であった。また、硬化後のフィルムは、無色透明であ
り、光透過率は90%であった。
【0169】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが50〜80nm の網目状の相分
離構造を観察することができた。また、塩化メチレンに
代えて、THFを使用した以外は実施例1と同様に実施
した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様であった。
【0170】実施例16で得たフィルム状硬化物の強
度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表
3に示した。その結果、実施例16で得た樹脂複合体か
らなるフィルム状硬化物は、「BPE4」の単独硬化物
(参考例3)と比較して、いずれの評価項目において
も、大きく向上していることが分かる。
【0171】[実施例17]実施例13において、「T
5205」の代わりに、「バイロン500」(東洋紡株
式会社製の芳香族ポリエステル)を用いた以外は、実施
例13と同様にして、均質混合溶液(17)を得た。
【0172】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(17)を使用し、紫外線照射温
度を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィル
ムを作製した。未硬化の賦形物は、室温以上で無色透明
であった。また、硬化後のフィルムは、乳白濁してい
た。
【0173】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.2〜0.5μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0174】実施例17で得たフィルム状硬化物の強
度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表
3に示した。その結果、実施例17で得た樹脂複合体か
らなるフィルム状硬化物は、「BPE4」の単独硬化物
(参考例3)と比較して、強度はほぼ同じで、弾性率が
若干低下しているが、破断伸度と破断エネルギーが大き
く向上していることが分かる。
【0175】
【表3】
【0176】[実施例18]活性エネルギー線架橋重合
性化合物として、「ニューフロンティア BPE−1
0」(第一製薬工業株式会社製のエチレンオキサイド変
性ビスフェノールAジアクリレート;以下、「BPE1
0」と省略する。)8g、光重合開始剤として「イルガ
キュア184」0.16g及び熱可塑性樹脂として、
「MS」(大日本インキ化学工業株式会社製のスチレン
−メチルメタクリレート共重合体;商品名「クリアパク
ト−TS50」)2gを塩化メチレン 50gに溶解さ
せて、均質混合溶液(18)を得た。
【0177】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(18)を使用し、紫外線照射温
度を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィル
ムを作製した。未硬化の賦形物は、室温では白濁してい
たが、50以上で無色透明であった。また、硬化後のフ
ィルムは、乳白濁していた。
【0178】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.4〜0.7μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1と
同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同様で
あった。
【0179】実施例18で得たフィルム状硬化物の強
度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表
4に示した。その結果、実施例18で得た樹脂複合体か
らなるフィルム状硬化物は、後述する「BPE10」の
単独硬化物(参考例4)と比較して、いずれの評価項目
においても、大きく向上していることが分かる。
【0180】[参考例4]実施例18において、熱可塑
性樹脂を使用しなかったこと、溶剤を使用しなかったこ
と、ガラス板のカバーを装着しなかったこと、及び、照
射温度を25℃としたこと、以外は、実施例と同様にし
て、フィルム状の「BPE10」の単独硬化物(膜厚=
約150μm )を得た。参考例4で得たフィルム状硬化
物の強度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結
果を表4に示した。
【0181】
【表4】
【0182】[実施例19]活性エネルギー線架橋重合
性化合物として、「NK−エステル BPE−100」
(共栄社化学株式会社製のエチレンオキサイド変性ビス
フェノールA ジメタクリレート;以下、「BPE10
0」と省略する。)8g、光重合開始剤として「イルガ
キュア184」0.16g及び熱可塑性樹脂として、
「N200」(ハーキェレス社製のエチルセルロース)
2gを塩化メチレン及びアセトンからなる混合溶媒(容
量比=3:7)70gに溶解させて、均質混合溶液(1
9)を得た。
【0183】実施例1において、均質混合溶液(1)に
代えて、均質混合溶液(19)を使用し、紫外線照射温
度を80℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィル
ムを作製した。未硬化の賦形物は、室温では白濁してい
たが、60以上で無色透明であった。また、硬化後のフ
ィルムは、乳白濁していた。
【0184】このフィルムについて、TEM観察を行っ
たところ、径の大きさが0.4〜0.7μm の網目状の
相分離構造を観察することができた。また、実施例1に
おいて、塩化メチレンに代えて、塩化メチレン及びアセ
トンからなる混合溶媒(容量比=を用いた以外は実施例
1と同様に実施した溶剤抽出試験の結果も実施例1と同
様であった。
【0185】実施例19で得たフィルム状硬化物の強
度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定結果を表
5に示した。その結果、実施例19で得た樹脂複合体か
らなるフィルム状硬化物は、後述する「BPE100」
の単独硬化物(参考例5)と比較して、いずれの評価項
目においても、大きく向上していることが分かる。
【0186】[参考例5]実施例19において、熱可塑
性樹脂を使用しなかったこと、溶剤を使用しなかったこ
と、ガラス板のカバーを装着しなかったこと、及び、照
射温度を25℃としたこと、以外は、実施例と同様にし
て、フィルム状の「BPE100」の単独硬化物(膜厚
=約150μm )を得た。参考例5で得たフィルム状硬
化物の強度、破断伸度、弾性率、破断エネルギーの測定
結果を表5に示した。
【0187】
【表5】
【0188】[比較例5]活性エネルギー線架橋重合性
化合物として、「BPP4」8g、光重合開始剤として
「イルガキュア184」0.16g及び熱可塑性樹脂と
して、「ユーデルP−3707」(アムコ株式会社製の
ポリサルホン)2gを塩化メチレン50gに溶解させ
て、均質混合溶液(20)を得た。
【0189】実施例1の均質混合溶液(1)に代えて、
均質混合溶液(20)を用いて、均一混合液の調製を試
みたが、均質混合溶液(20)は溶媒が揮発するとマク
ロに相分離してしまい均一混合液は得られなかった。こ
のマクロに相分離した液を220℃まで加熱したが均一
混合液は得られなかった。マクロに相分離した液に紫外
線を照射し硬化させた後、相構造を観察したが、ミクロ
ンオーダー以上の海島構造と成っており、網目状の構造
は全く見られなかった。得られたフィルムは部分的に白
濁した状態で、ムラのある外観不良なものあった。
【0190】[比較例6]活性エネルギー線架橋重合性
化合物として、「BPE−4」、熱可塑性樹脂として、
「PES3600」(アイ・シー・アイ株式会社製のポ
リエーテルサルホン)を用いて、比較例5と同様な検討
を行ったところ、同じ結果が得られた。
【0191】
【発明の効果】本発明の樹脂複合体は、活性エネルギー
線架橋重合性化合物からなる重合体と比較して、力学特
性を改良されたものであり、しかも、光学的に透明なも
のもある。また、本発明の樹脂複合体は、1つのガラス
転移温度を示す樹脂複合体と比較して、力学的特性に優
れている。また、本発明の樹脂複合体の製造方法は、製
造安定性が高く、特性の制御が容易で、製品の品質変動
が少ない上、生産性が高い、という利点を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25/04 C08L 25/04 27/04 27/04 29/14 29/14 31/04 31/04 C 67/00 67/00 69/00 69/00 71/00 71/00 Z 75/04 75/04 101/04 101/04 Fターム(参考) 4J002 AB01X AC00X BC04X BD02X BD03X BE06X BF02X BG07W CF00X CG00X CH08X CK02X ED086 EE036 EU026 EV316 FD156 4J011 PA53 PA54 PA65 PA66 PA67 PA68 PA88 PA89 PA94 PA95 PB22 PC02 PC08 PC11 PC13 QA12 QB15 RA01 RA02 RA07 RA08 RA09 RA10 SA01 SA21 SA31 SA51 SA64 SA78 UA01 VA01 WA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)活性エネルギー線架橋重合性化合物
    の硬化物である架橋重合体と、(b)熱可塑性樹脂)とか
    らなる共連続構造を有する樹脂複合体であって、 (1) 活性エネルギー線架橋重合性化合物が、一分子中に
    2個の(メタ)アクリル基を有するビスフェノール系
    (メタ)アクリレートであり、 (2) 熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート系重合体、ポリ
    エステル系重合体、フェノキシ樹脂、ビニルアセタール
    系重合体、塩素含有重合体、酢酸ビニル系重合体、スチ
    レン系重合体、ウレタン系重合体、未架橋ゴム、及びセ
    ルロース誘導体からなる群から選ばれる1以上の熱可塑
    性樹脂であることを特徴とする樹脂複合体。
  2. 【請求項2】 共連続構造を有する樹脂複合体が、0.
    02〜0.1μm の範囲にある大きさの網目状構造の熱
    可塑性樹脂相を有するものである請求項1記載の樹脂複
    合体。
  3. 【請求項3】 共連続構造を有する樹脂複合体が、2つ
    のガラス転移温度(Tg)を有するものである請求項1
    又は2記載の樹脂複合体。
  4. 【請求項4】 一分子中に2個の(メタ)アクリル基を
    有するビスフェノール系(メタ)アクリレートが、エチ
    レンオキサイド変性ビスフェノール−A型ジ(メタ)ア
    クリレートである請求項1、2又は3記載の共連続構造
    を有する樹脂複合体。
  5. 【請求項5】 (1)一分子中に2個の(メタ)アクリ
    ル基を有するビスフェノール系(メタ)アクリレート
    が、プロピレンオキサイド変性ビスフェノール−A型ジ
    (メタ)アクリレートであり、(2)熱可塑性樹脂が、
    ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重合体、
    ビニルアセタール系重合体、塩素含有重合体、酢酸ビニ
    ル系重合体、スチレン系重合体、ウレタン系重合体及び
    未架橋ゴムからなる群から選ばれる1以上の熱可塑性樹
    脂である請求項1、2又は3記載の共連続構造を有する
    樹脂複合体。
  6. 【請求項6】 (1)一分子中に2個の(メタ)アクリ
    ル基を有するビスフェノール系(メタ)アクリレート
    が、エチレンオキサイド変性ビスフェノール−F型ジ
    (メタ)アクリレートであり、(2)熱可塑性樹脂が、
    ポリエステル系重合体、フェノキシ樹脂、ビニルアセタ
    ール系重合体、塩素含有重合体、酢酸ビニル系重合体、
    スチレン系重合体、ウレタン系重合体、及び未架橋ゴム
    からなる群から選ばれる1以上の熱可塑性樹脂である請
    求項1、2又は3記載の共連続構造を有する樹脂複合
    体。
  7. 【請求項7】 (1)一分子中に2個の(メタ)アクリ
    ル基を有するビスフェノール系(メタ)アクリレート、
    及び(2)ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系
    重合体、フェノキシ樹脂、ビニルアセタール系重合体、
    塩素含有重合体、酢酸ビニル系重合体、スチレン系重合
    体、ウレタン系重合体、未架橋ゴム、及びセルロース誘
    導体からなる群から選ばれる1以上の熱可塑性樹脂から
    なる均一混合液を賦形した後、活性エネルギー線を照射
    して均一混合液の賦形物を硬化させ、相分離を誘発させ
    るとともに、共連続構造を固定化することを特徴とする
    請求項1〜6のいずれか1記載の樹脂複合体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 (1)活性エネルギー線硬化性ビスフェ
    ノール系(メタ)アクリレート、(2)熱可塑性樹脂、
    及び(3)これらを溶解する溶剤とからなる均一混合液
    を賦形した後、溶剤を乾燥除去し、しかる後に活性エネ
    ルギー線を照射する請求項7記載の樹脂複合体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 均一混合液が光重合開始剤を含有し、活
    性エネルギー線が紫外線である請求項7又は8記載の樹
    脂複合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 活性エネルギー線照射温度が50〜2
    00℃である請求項7、8又は9記載の樹脂複合体の製
    造方法。
JP2000052727A 2000-02-29 2000-02-29 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法 Withdrawn JP2001240718A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000052727A JP2001240718A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000052727A JP2001240718A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001240718A true JP2001240718A (ja) 2001-09-04

Family

ID=18574196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000052727A Withdrawn JP2001240718A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001240718A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009091434A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Sekisui Chem Co Ltd 中間膜用重合性組成物、中間膜及び透明積層体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009091434A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Sekisui Chem Co Ltd 中間膜用重合性組成物、中間膜及び透明積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1411073B1 (en) Surface-treating agent composition and process for producing the same
CN104592703B (zh) (甲基)丙烯酸系树脂组合物及使用该组合物的(甲基)丙烯酸系树脂膜
KR101318093B1 (ko) 에폭시 수지 조성물, 프리프레그 및 섬유 강화 복합 재료
KR101330443B1 (ko) 전사 시트 및 그의 제조 방법
JP2001261758A (ja) 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法
EP1495061A1 (en) Photochromic compositions, preparation thereof and articles made therefrom or coated therewith
US8012596B2 (en) Photochromic lens substrate
CN109982829A (zh) 热固性组合物以及由其形成三维物体
CN107108924A (zh) 功能性膜、其贴合于玻璃的隔音玻璃、夹层玻璃、装饰膜用基材及功能性膜的制造方法
JP5781406B2 (ja) フィルムコーティング剤
JP2001220515A (ja) 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法
JP2001207010A (ja) 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法
JP2001240718A (ja) 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法
JP2001261916A (ja) 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造方法
JPS6061258A (ja) 導電性プラスチックシ−ト
JP2001214070A (ja) 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造法
JP2004244618A (ja) 光ファイバー用被覆組成物および被覆光ファイバー
JP2002200623A (ja) 樹脂複合体の製造法
JP2001234074A (ja) 共連続構造を有する樹脂複合体及びその製造法
JP2001247774A (ja) ポリマーアロイ及びその製造方法
Fu et al. All‐Organic Superhydrophobic Coating Comprising Raspberry‐Like Particles and Fluorinated Polyurethane Prepared via Thiol‐Click Reaction
CN110402258A (zh) 活性能量射线固化性组合物、固化物及薄膜
JP2001329133A (ja) 樹脂複合体、組成物及びその製造方法
JP2001329027A (ja) 樹脂複合体、組成物及びその製造法
JP2784339B2 (ja) 光ファイバー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070122

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070122

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090525