JP2001239818A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2001239818A
JP2001239818A JP2000056052A JP2000056052A JP2001239818A JP 2001239818 A JP2001239818 A JP 2001239818A JP 2000056052 A JP2000056052 A JP 2000056052A JP 2000056052 A JP2000056052 A JP 2000056052A JP 2001239818 A JP2001239818 A JP 2001239818A
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hot water
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heat exchanger
door
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JP2000056052A
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Haruhiko Akagawa
春彦 赤川
Takeshi Suzuki
鈴木  剛
Satoshi Sumiya
聡 角谷
Tomohiro Kamiya
知宏 神谷
Tokihiko Mizushima
祝彦 水島
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Mitsubishi Motors Corp
Denso Corp
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Mitsubishi Motors Corp
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェイス吹出開口部と並列にバイパス通路を
設けた車両用空調装置において、冷風量を増大可能にす
る。 【解決手段】 暖房用熱交換器25に循環する温水流量
を温水弁27により調整して吹出空気温度を調整する温
水流量調整方式とし、最低温度状態が設定されたときに
は、温水弁27を全閉させる。最低温度設定時には温水
弁27が全閉するため、暖房用熱交換器25側の空気通
路を利用して冷風を流すことができる。従って、最低温
度状態が設定されたときには、エアミックスドアにより
暖房用熱交換器側の空気通路を全閉するようにした従来
装置に比べ、暖房用熱交換器25を通過する冷風の分、
風量を増加させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェイス吹出開口
部と並列に冷風バイパス通路を設けて冷房時の冷風量を
確保するようにした車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置の吹出空気の温度
調整方式として、暖房用熱交換器をバイパスする冷風と
暖房用熱交換器を通過する温風との風量割合をエアミッ
クスドアにより調整して、吹出空気温度を調整するエア
ミックス方式が知られている。
【0003】そして、実開平2−61705号公報には
上記のエアミックス方式を採用した車両用空調装置が記
載されており、この公報に記載の従来装置では、乗員頭
部側に向けて空調空気を吹き出すフェイス吹出開口部と
並列に冷風バイパス通路を設け、最大冷房時には、吹出
モード切替ドアにより全開されたフェイス吹出開口部と
冷風バイパス通路の両方から冷風を流すことにより、冷
風量を確保するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エアミ
ックス方式の上記の従来装置では、最大冷房時にはエア
ミックスドアにより暖房用熱交換器側の空気通路を全閉
にするので、最大冷房時には暖房用熱交換器側の空気通
路に冷風を流すことができない。従って、フェイス吹出
開口部からの冷風量が減少し、最大冷房時の冷風量を十
分に確保できないという問題があった。
【0005】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
フェイス吹出開口部と並列に冷風のバイパス通路を設け
た車両用空調装置において、冷風量を増大可能にするこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、車室内の乗員頭部側に
向けて空調空気を吹き出すフェイス吹出開口部(22
1)を、暖房用熱交換器(25)よりも空気流れ下流側
にて空調ケース(20)に形成した車両用空調装置にお
いて、暖房用熱交換器(25)に循環する温水流量を調
整する温水弁(27)と、フェイス吹出開口部(22
1)をバイパスして空調空気が流れるバイパス通路(2
27)と、このバイパス通路(227)を開閉するバイ
パスドア(31)とを備え、最低温度状態が設定された
ときに、温水弁(27)が全閉するとともに、バイパス
ドア(31)が全開することを特徴とする。
【0007】これにより、最低温度状態が設定されたと
きには、温水弁が全閉するため、暖房用熱交換器側の空
気通路を利用して冷風を流すことができる。従って、最
低温度状態が設定されたときには、エアミックスドアに
より暖房用熱交換器側の空気通路を全閉するようにした
従来装置に比べ、暖房用熱交換器を通過する冷風の分、
風量を増加させることができる。
【0008】請求項3に記載の発明では、暖房用熱交換
器(25)をバイパスして空調空気が流れる熱交換器バ
イパス通路(225)と、この熱交換器バイパス通路
(225)を通過する空気量を調整する風量調整ドア
(30)とを備え、温水弁(27)の温水流量調整作用
に、風量調整ドア(30)の冷風量調整作用を加えて、
吹出空気温度を調整すると共に、最低温度状態が設定さ
れたときに、風量調整ドア(30)が全開することを特
徴とする。
【0009】ところで、温水の微小流量調整のために、
温水弁の開度を微小開度に絞ると、温水弁の前後での差
圧が大きくなって、温水弁の絞り部を通過する温水の流
速が速くなり、流水音が増大するという不具合がある。
【0010】これに対し、請求項3に記載の発明によれ
ば、例えば吹出空気の低温側領域では、風量調整ドアの
冷風量調整作用を加えて吹出空気温度を調整することに
より、温水弁にて温水流量を微小に調整しなくても、熱
交換器バイパス通路からの冷風を温風中に混合して所定
温度を得ることができる。
【0011】その結果、温水弁の微小開度設定の必要が
なくなり、温水の流水音を大幅に低減できる。しかも、
吹出空気温度を低温側に調整する際に、熱交換器バイパ
ス通路からの冷風量の増加により直ぐ吹出空気温度を低
下できるので、吹出空気温度変化の応答性を大幅に向上
できる。
【0012】また、上記のように温水流量調整作用に冷
風量調整作用を加えて吹出空気温度を調整する方式の装
置においても、最低温度状態が設定されたときには、温
水弁を全閉すると共に、冷風バイパスドアおよび風量調
整ドアを全開することにより、請求項1に記載の発明と
同様の効果が得られる。
【0013】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1〜図5は本
発明の第1実施形態を示すもので、図1は車両用空調装
置の全体構成を示す正面図、図2は空調ユニットを図1
の左側から見た側面図、図3は空調ユニットを図1の左
側から見た側面断面図、図4は温水弁の流量調整特性の
グラフ、図5は第1、第2バイパスドアの開度特性のグ
ラフである。
【0015】車両用空調装置は、送風機ユニット1と空
調ユニット2の2つの部分に大別され、送風機ユニット
1は、車室内前部の計器盤の中央部から助手席側にオフ
セット(右ハンドル車では車両幅方向の左側にオフセッ
ト)した位置に配置されている。これに対し、空調ユニ
ット2は、計器盤の車両幅方向の中央部に配置されてい
る。
【0016】上記送風機ユニット1は、その上方部に車
室内空気と車室外空気とを切替導入する内外気切替箱1
1を備え、この内外気切替箱11には外気導入口12と
内気導入口13が開口しており、その内部にはこれら両
導入口12、13を開閉する内外気切替ドア(図示せ
ず)が設置されている。
【0017】内外気切替箱11の下方には送風機14が
配置されており、この送風機14は遠心式多翼ファン
(シロッコファン)からなる送風ファン15とファン駆
動用モータ16とから構成されて、樹脂製のスクロール
ケーシング(送風機ケース)17内に収納されている。
【0018】ファン15の回転軸は略上下方向に向くよ
うに配置され、このファン15の回転により内外気切替
箱11からスクロールケーシング17上部のベルマウス
状吸入口(図示せず)を通して吸入された空気は、スク
ロールケーシング17の出口に向かって略水平方向に
(車室の左側から右側へ向かって)送風されるようにな
っている。
【0019】一方、空調ユニット2は空気通路を形成す
る樹脂製の空調ケース20を有する。この空調ケース2
0は全体形状が概略箱状に成形され、また、以下説明す
る機器を収納するために複数のケース(本例では3つ)
に分割されており、それらのケースを結合して構成され
る。具体的には、空調ケース20は、上下分割部Aにて
上ケースと下ケース21とに上下に分割され、さらに上
ケースは左右分割部Bにて車両幅方向(左右)に第1上
ケース22aと第2上ケース22bとに分割されてい
る。
【0020】この下ケース21のうちスクロールケーシ
ング17と対向する側面の下部には空気入口部211が
設けられており、この空気入口部211は樹脂製の中問
ダクト18によってスクロールケーシング17の空気出
口部171と接続されている。そして、送風機ユニット
1の送風空気が、中問ダクト18を介して下ケース21
内の空気流入空問212に導入される。この空気流入空
間212は、下ケース21内部において、最も下方側の
部位に車両幅方向の全長にわたって形成されている。
【0021】下ケース21内部において空気流入空間2
12の上方に、冷凍サイクルの蒸発器(冷房用熱交換
器)23が略水平状態にして設置されている。ただし、
蒸発器23は、空気入口部211側(車両幅方向の左
側)が若干上方になるように傾けて設置されている。こ
のため、蒸発器23に対して、その下方より送風機ユニ
ット1からの送風空気が導入され、上方に導出される。
この蒸発器23は、アルミニウム製の偏平状のチューブ
を多数積層し、チューブ間にアルミニウム製のコルゲー
トフィンを配置し、チューブの長手方向(本例では車両
左右方向)の両端にアルミニウム製のタンク部を配置し
た周知のもので、全体が薄型矩形状になっている。
【0022】下ケース21の底面部でかつ車両前方側の
部位には、排水パイプ213が一体成形され、蒸発器2
3部で発生した凝縮水は排水パイプ213を介して車外
へ排出されるようになっている。また、下ケース21の
車両前方側の面でかつ車両幅方向の左端側に、冷凍サイ
クルの膨張弁24が収納され、この膨張弁24は蒸発器
23のタンク部に組み付けられる。
【0023】第1、第2上ケース22a、22b内部に
おいて蒸発器23の空気下流側(車室内上方)に、エン
ジン冷却水(温水)を熱源として送風空気を加熱するヒ
ータコア(暖房用熱交換器)25が、水平状態にして設
置されている。このヒータコア25は、アルミニウム製
の偏平状のチューブを多数積層し、チューブ間にアルミ
ニウム製のコルゲートフィンを配置したコア部25a
と、チューブの長手方向の両端(本例では車両前後方
向)に配置したアルミニウム製のタンク部25b、25
cとを有し、全体が薄型矩形状になっている。
【0024】本例のヒータコア25では、入口側タンク
25bが第2バイパス通路225と隣接するように車両
後方側に位置し、出口側タンク25cが車両前方側に位
置している。従って、ヒータコア25は入口側タンク2
5bからの温水がコア部25aの全部の偏平チューブを
車両後方側から車両前方側に一方向に流れる一方向流れ
タイプ(全パスタイプ)として構成されている。
【0025】そして、このヒータコア25の一端(車両
幅方向の左側)は第2上ケース22bを貫通して外部に
露出しており、ケース外部で温水配管を接続するように
している。そして、エンジン冷却水(温水)は、第1温
水入口配管26aを介して温水弁27に流入し、この温
水弁27から第2温水入口配管26bを介してヒータコ
ア25の入口側タンク25bに流入する。ヒータコア2
5のコア部25a内を通過した温水は、出口側タンク2
5cから第1温水出口配管26cを介して温水弁27に
流入し、この温水弁27から第2温水出口配管26dを
介してウォーターポンプ(図示せず)に戻される。
【0026】温水弁27は、ヒータコア25に流入する
温水の流量を調整することにより車室内への吹出空気温
度を調整するもので、サーボモータ28によって駆動さ
れる。具体的には、図示しない車室内の空調操作パネル
に吹出空気温度設定レバー(温度調整用操作部材)3が
設けられ、この吹出空気温度設定レバー3を乗員が手動
操作して希望の温度を設定し、その設定温度に対応した
電気信号に基づいてサーボモータ28の作動量を制御
し、これにより、温水弁27開度を調整する。
【0027】第1、第2上ケース22a、22bにおい
てヒータコア25よりも空気下流側(車室内上方)の部
位には、空調空気の車室内への吹出部位(吹出モード)
を切り替える樹脂製のロータリドア(吹出モード切替ド
ア)29が回動自在に設置されている。ロータリドア2
9は略180°の円弧範囲を持つ半円筒状の円周壁29
1を有し、円周壁291の内部は常時ヒータコア25の
空気下流側と連通し、円周壁291には円周壁291の
内外を連通する連通孔292が形成されている。
【0028】ロータリドア29の両端部に一体に形成さ
れた回転軸293が第1、第2上ケース22a、22b
に回動可能に支持されており、この回転軸293には第
1、第2上ケース22a、22bの外側でリンク機構
(図示せず)が組み付けられ、さらにケーブル(図示せ
ず)を介して、空調操作パネルに設けられた吹出モード
切替レバー(吹出モード切替用操作部材)4に連結され
ている。これにより、ロータリドア29は、吹出モード
切替レバー4の手動操作に基づいて回動するようになっ
ている。なお、ロータリドア29は、サーボモータによ
って駆動することもできる。
【0029】第1、第2上ケース22a、22bにおい
てロータリドア29の回動する領域内には、3つの吹出
開口部221、222、223がロータリドア29の回
動方向(円周方向)に沿って隣接して形成されており、
3つの吹出開口部221、222、223を形成する第
1、第2上ケース22a、22bの仕切り壁の先端部
を、ロータリドア29の円周壁291が摺動するように
なっている。
【0030】3つの吹出開口部221、222、223
のうち、最も車両後方側に位置するフェイス吹出開口部
221は、車室内の上方側(乗員頭部側)に向けて空気
を吹出すフェイス吹出口(図示せず)に連通している。
また、3つの吹出開口部221、222、223のうち
車両前後方向の中問に位置するデフロスタ吹出開口部2
22は、車両フロントガラス内面に向けて空気を吹出す
デフロスタ吹出口(図示せず)に連通している。
【0031】3つの吹出開口部221、222、223
のうち最も車両前方側に位置するフット吹出開口部22
3は、第1、第2上ケース22a、22bに一体に形成
した上側フット空気通路224、および下ケース21に
一体に形成した下側フット空気通路215を介して、フ
ットダクト40に接続されている。そして、そのフット
ダクト40により空気を下ケース21の下方まで導き、
フット吹出口40aから前席乗員足元に向けて空気を吹
き出すようにしている。
【0032】そして、ロータリドア29の回動位置に応
じて、5つの吹出モードを選択することができるように
なっている。具体的には、吹出モードとして、フェイス
吹出開口部221のみを開口するフェイスモード、フェ
イス吹出開口部221とフット吹出開口部223の両方
を略半開するバイレベルモード、フット吹出開口部22
3を全開しデフロスタ吹出開口部222を少量開口する
フットモード、デフロスタ吹出開口部222およびフッ
ト開口部223の両方を略半開するフットデフモード、
デフロスタ吹出開口部222のみを開口するデフロスタ
モードを選択できる。
【0033】ヒータコア25は第1、第2上ケース22
a、22b内で車両前方側に位置しており、ヒータコア
25の側方(車両後方側)には、ヒータコア25をバイ
パスして空気を流す第1バイパス通路(熱交換器バイパ
ス通路)225と、この第1バイパス通路225を囲む
第1シール面226が形成されている。この第1バイパ
ス通路225の部位には、第1バイパス通路225を通
過する冷風量を調整する回動自在な板状の第1バイパス
ドア(風量調整ドア)30が設置されている。
【0034】この第1バイパスドア30は、一体に形成
された回転軸301が第1、第2上ケース22a、22
bに回動可能に支持されており、回転軸301には第
1、第2上ケース22a、22bの外側でリンク機構
(図示せず)が組み付けられている。そして、このリン
ク機構はサーボモータ28に連結されている。
【0035】また、ロータリドア29は第1、第2上ケ
ース22a、22b内で車両前方側に位置しており、ロ
ータリドア29の側方(車両後方側)で、かつ第1バイ
パス通路225の空気下流側(車室内上方)の部位に
は、フェイス吹出開口部221をバイパスしてフェイス
吹出口に空気を流す第2バイパス通路(冷風バイパス通
路)227と、この第2バイパス通路227を囲む第2
シール面228が形成されている。この第2バイパス通
路227の部位には、第2シール面228に接離して第
2バイパス通路227を開閉する回動自在な板状の第2
バイパスドア(冷風バイパスドア)31が設置されてい
る。
【0036】この第2バイパスドア31は、一体に形成
された回転軸311が第1、第2上ケース22a、22
bに回動可能に支持されており、回転軸311には第
1、第2上ケース22a、22bの外側でリンク機構
(図示せず)が組み付けられている。そして、このリン
ク機構はサーボモータ28に連結されている。つまり、
本例では、温水弁27と第1、第2バイパスドア30、
31は、吹出空気温度設定レバー3の操作位置に対応し
て、1つのサーボモータ28によって連動操作される。
【0037】次に、上記構成に基づき、本実施形態の作
動を説明する。エアコンスイッチ(図示せず)を投入す
ると、内外気切替箱11から流入した空気は、送風機1
4によってスクロールケーシング17内を略水平方向に
流れ、中問ダクト18へ流れる。そして、中問ダクト1
8内を流れて蒸発器23の下面へ流れた送風空気は、蒸
発器23により冷却、除湿され、その後、ヒータコア2
5にて加熱され、ロータリドア29により選択された吹
出開口部221〜223を通過して車室内へ吹き出され
る。
【0038】図4、図5は本実施形態の温度調整作用を
説明するもので、図4、図5の横軸はいずれも空調操作
パネルに設けられた吹出空気温度設定レバー3の操作位
置である。そして、温水弁27は吹出空気温度設定レバ
ー3の最大冷房位置(最低温度位置)にて全閉し、最大
暖房位置(最高温度位置)にて全開する。また、吹出空
気温度設定レバー3を最大冷房位置から最大暖房位置に
向かって操作すると、温水弁27の開度(開口面積)が
増加して、温水弁27を通過する温水流量が図4に実線
で示すように増加する特性にしてある。
【0039】図5は第1、第2バイパスドア30、31
の開度特性であり、第1バイパスドア30は吹出空気温
度設定レバー3の最大暖房位置では全閉状態となり、吹
出空気温度設定レバー3を最大暖房位置から所定の第1
中間位置Cに操作するまでは、第1バイパスドア30の
全閉状態を保持する。吹出空気温度設定レバー3が第1
中間位置Cに到達すると、第1バイパスドア30が開き
始め、この第1中問位置Cから最大冷房側に吹出空気温
度設定レバー3を操作すると、第1バイパスドア30の
開度(第1バイバス通路225の開口面積)が直線的に
増加する。そして、吹出空気温度設定レバー3の最大冷
房位置近傍にて第1バイパスドア30が全開する開度特
性となっている。
【0040】一方、第2バイパスドア31は吹出空気温
度設定レバー3の最大暖房位置では全閉状態となり、吹
出空気温度設定レバー3を最大暖房位置から所定の第2
中間位置Dに操作するまでは、第2バイパスドア31の
全閉状態を保持する。吹出空気温度設定レバー3が第2
中間位置Dに到達すると、第2バイパスドア31が開き
始め、この第2中問位置Dから最大冷房側に吹出空気温
度設定レバー3を操作すると、第2バイパスドア31の
開度(第2バイバス通路227の開口面積)が直線的に
かつ急激に増加する。そして、吹出空気温度設定レバー
3の最大冷房位置にて第2バイパスドア31が全開する
開度特性となっている。
【0041】従って、吹出空気温度設定レバー3の最大
冷房位置では、温水弁27が全閉するとともに、両バイ
パスドア30、31が両バイパス通路225、227を
全開する。そして、最大冷房時には、通常ロータリドア
29の連通孔292とフェイス吹出開口部221が連通
するフェイスモードが選定されるため、蒸発器23で冷
却された冷風の一部は、ヒータコア25およびフェイス
吹出開口部221を通過して車室内の乗員頭部側に向け
て吹き出される。また、蒸発器23で冷却された冷風の
残部は、第1、第2バイパス通路225、227を通過
して車室内の乗員頭部側に向けて吹き出される。
【0042】このように、ヒータコア25への温水流量
を調整して吹出空気温度を調整する温水流量調整方式を
採用し、吹出空気温度設定レバー3の最大冷房位置では
温水弁27が全閉するようにしているため、最大冷房時
に、ヒータコア25側に冷風を流すことができる。従っ
て、最大冷房時にはエアミックスドアによりヒータコア
25の空気通路を全閉するようにした従来装置に比べ、
ヒータコア25を通過する冷風の分、風量を増加させる
ことができる。
【0043】そして、ヒータコア25およびフェイス吹
出開口部221を通過する冷風と、第1、第2バイパス
通路225、227を通過する冷風とにより、最大冷房
時の冷風量を十分に確保することができる。
【0044】次に、吹出空気温度設定レバー3の最大暖
房位置では、温水弁27が全開するとともに、両バイパ
スドア30、31が全閉して、送風空気の全量がヒータ
コア25を通過するので、暖房能力を最大限に発揮でき
る。
【0045】そして、吹出空気温度設定レバー3を最大
暖房位置から第1中問位置Cに操作する間は、第1バイ
パスドア30が全閉状態を保持するので、この間は温水
弁27の流量調整作用のみによりヒータコア25の吹出
温度を調整する。また、吹出空気温度設定レバー3を上
記第1中問位置Cから最大冷房側へ向かって操作する
と、第1バイパスドア30が開いて、第1バイパス通路
225を冷風が通過する。従って、上記第1中間位置C
と最大冷房位置の間では、冷風がヒータコア25を通過
した温風と混合して所望温度の空調風となる。
【0046】すなわち、第1中間位置Cと最大冷房位置
の間では、ヒータコア25への温水流量が図4の特性に
従って温水弁27により調整されることに加えて、第1
バイパスドア30の開度特性(図5)により第1バイパ
ス通路225の冷風量が調整され、この温水流量調整と
冷風量調整との組み合わせで吹出温度を調整する。従っ
て、第1バイパスドア30は温度調整ドアとしての役割
を果たしている。
【0047】ところで、温水流量調整方式においては、
吹出温度の低温領域(冷房側領域)において、使用者
(乗員)が吹出空気温度設定レバー3をさらに低温側へ
操作した場合に、温水弁27の開度減少により温水流量
が減少しても、ヒータコア25の熱容量の影響で吹出温
度は直ちに低下せず、ある程度の時間が経過してから始
めて低下する。つまり、車室内への実際の吹出温度の変
化が使用者の温度変更操作よりかなり遅れることにな
り、温度変化の応答遅れという印象を使用者に与えてし
まう。
【0048】また、ヒータコア25の放熱特性は、温水
弁27の開弁後、小流量域で温水流量が増加するときに
吹出温度が急激に立ち上がって、その後、温水流量の増
加に対して吹出温度の上昇割合が緩慢となる特性である
ことが知られている。
【0049】そのため、車室内への吹出温度を低温域か
ら高温域にわたって連続的に良好に調整するためには、
吹出空気温度設定レバー3の操作ストロークに対して温
水流量を小流量域で微細に調整できる温水弁27が必要
となる。しかし、温水の微小流量調整のために、温水弁
27の開度を微小開度に絞ると、温水弁27の前後での
差圧が大きくなって、温水弁27の絞り部を通過する温
水の流速が速くなり、流水音が増大するという不具合が
ある。
【0050】これに対し、本実施形態では、吹出空気の
高温側領域では従来通り温水弁27の温水流量調整作用
により吹出空気温度を調整できる。そして、吹出空気の
低温側領域では、温水弁27の温水流量調整作用に、第
1バイパスドア30の冷風量調整作用を加えて、吹出空
気温度を調整しているから、温水弁27により温水流量
を微小に調整しなくても、第1バイパス通路225から
の冷風を温風中に混合して所定温度を得ることができ
る。
【0051】その結果、温水弁27の微小開度設定の必
要がなくなり、温水の流水音を大幅に低減できる。しか
も、吹出空気温度を低温側に調整する際に、第1バイパ
ス通路225からの冷風量の増加により直ぐ吹出空気温
度を低下できるので、吹出空気温度変化の応答性を大幅
に向上できる。従って、従来の温水流量調整方式の問題
点を一掃することができる。
【0052】(第2実施形態)図6は本発明の第2実施
形態を示すもので、第1実施形態では温水流量調整と冷
風量調整との組み合わせで吹出温度を調整したのに対
し、この第2実施形態では温水流量調整のみで吹出温度
を調整する。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部
分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0053】本実施形態においては、図6に示すよう
に、冷風量調整用の第1バイパスドア30を廃止してい
る。これに伴い、ヒータコア25の空気下流側(車室内
上方)空間と、第2バイパス通路227との間を、第
1、第2上ケース22a、22bの隔壁部229によっ
て隔てている。従って、第2バイパス通路227は、ヒ
ータコア25およびフェイス吹出開口部221をバイパ
スしてフェイス吹出口に空気を流す通路となる。
【0054】また、第1バイパスドア30による冷風量
調整作用がないため、温水弁27を通過する温水流量の
特性を、図4に破線で示すような特性に変更している。
なお、第2バイパスドア31の開度特性は第1実施形態
と同じである。
【0055】上記構成において、吹出空気温度設定レバ
ー3の最大冷房位置では、温水弁27が全閉するととも
に、第2バイパスドア31が第2バイパス通路227を
全開し、蒸発器23で冷却された冷風の一部は、ヒータ
コア25およびフェイス吹出開口部221を通過して車
室内の乗員頭部側に向けて吹き出され、蒸発器23で冷
却された冷風の残部は、第2バイパス通路227を通過
して車室内の乗員頭部側に向けて吹き出される。これに
より、最大冷房時の冷風量を十分に確保することができ
る。
【0056】次に、吹出空気温度設定レバー3の最大暖
房位置では、温水弁27が全開するとともに、第2バイ
パスドア31が全閉して、送風空気の全量がヒータコア
25を通過するので、暖房能力を最大限に発揮できる。
【0057】そして、吹出空気温度設定レバー3を最大
暖房位置と最大冷房位置との間で操作すると、温水弁2
7の流量調整作用のみによりヒータコア25の吹出温度
が調整される。
【0058】(他の実施形態)上記の第1実施形態で
は、温水弁27と第1、第2バイパスドア30、31と
をサーボモータ28にて駆動し、吹出空気温度設定レバ
ー3の操作位置に応じた電気信号に基づいてサーボモー
タ28を制御するようにしたが、温水弁27と第1、第
2バイパスドア30、31とをリンク機構等による純機
械的な連結機構により吹出空気温度設定レバー3に連結
して、この吹出空気温度設定レバー3の操作により温水
弁27と第1、第2バイパスドア30、31を機械的に
連動させてもよい。
【0059】また、第2実施形態における温水弁27と
第2バイパスドア31を、リンク機構等による純機械的
な連結機構により吹出空気温度設定レバー3に連結し
て、この吹出空気温度設定レバー3の操作により温水弁
27と第2バイパスドア31を機械的に連動させてもよ
い。
【0060】また、上記実施形態では、吹出モード切替
ドアとしてロータリドア29を用いた例を示したが、吹
出モード切替ドアとしてロータリドア29以外(例えば
板ドア)を用いた車両用空調装置にも本発明は適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す車両用空調装置の
全体構成の正面図である。
【図2】図1の空調ユニットの側面図である。
【図3】図1の空調ユニットの側面断面図である。
【図4】図1の温水弁の流量特性のグラフである。
【図5】図3のバイパスドアの開度特性のグラフであ
る。
【図6】本発明の第2実施形態を示す空調ユニットの側
面断面図である。
【符号の説明】
20…空調ケース、25…ヒータコア(暖房用熱交換
器)、27…温水弁、31…バイパスドア、221…フ
ェイス吹出開口部、227…バイパス通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 剛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 角谷 聡 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 神谷 知宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 水島 祝彦 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調空気が流れる空気通路を形成する空
    調ケース(20)内に、空調空気を加熱する暖房用熱交
    換器(25)を配置し、 車室内の乗員頭部側に向けて空調空気を吹き出すフェイ
    ス吹出開口部(221)を、前記暖房用熱交換器(2
    5)よりも空気流れ下流側にて前記空調ケース(20)
    に形成した車両用空調装置において、 前記暖房用熱交換器(25)に循環する温水流量を調整
    する温水弁(27)と、 前記フェイス吹出開口部(221)をバイパスして空調
    空気が流れるバイパス通路(227)と、 このバイパス通路(227)を開閉するバイパスドア
    (31)とを備え、 最低温度状態が設定されたときに、前記温水弁(27)
    が全閉するとともに、前記バイパスドア(31)が全開
    することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記バイパス通路(227)を流れる空
    調空気は、前記フェイス吹出開口部(221)を通過し
    た空調空気と合流して、前記車室内の乗員頭部側に向け
    て吹き出されることを特徴とする請求項1に記載の車両
    用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記暖房用熱交換器(25)をバイパス
    して空調空気が流れる熱交換器バイパス通路(225)
    と、 この熱交換器バイパス通路(225)を通過する空気量
    を調整する風量調整ドア(30)とを備え、 前記温水弁(27)の温水流量調整作用に、前記風量調
    整ドア(30)の冷風量調整作用を加えて、吹出空気温
    度を調整すると共に、 前記最低温度状態が設定されたときに、前記風量調整ド
    ア(30)が全開することを特徴とする請求項1または
    2に記載の車両用空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004359228A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Valeo Climatisation 自動車用の小型の暖房換気または空調装置
JP4677204B2 (ja) * 2003-06-02 2011-04-27 ヴァレオ クリマチザション 自動車用の小型の暖房換気または空調装置

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