JP2001237189A - 結晶質シリコン系半導体薄膜の製造方法 - Google Patents

結晶質シリコン系半導体薄膜の製造方法

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JP2001237189A JP2000047186A JP2000047186A JP2001237189A JP 2001237189 A JP2001237189 A JP 2001237189A JP 2000047186 A JP2000047186 A JP 2000047186A JP 2000047186 A JP2000047186 A JP 2000047186A JP 2001237189 A JP2001237189 A JP 2001237189A
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Keiji Okamoto
圭史 岡本
Masashi Yoshimi
雅士 吉見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質の結晶質シリコン系半導体薄膜を低コ
ストで製造することを可能ならしめる。 【解決手段】 結晶質シリコン系半導体薄膜の製造方法
において、基板上でそのシリコン系薄膜4をプラズマC
VD法で堆積する条件として、プラズマ反応室内に導入
されるガスの主成分としてシラン系ガスと水素ガスを含
み、その水素ガスの純度は99.9999%以上で9
9.99999%未満であり、反応室内の圧力が400
Pa以上に設定されていてシラン系ガスの分圧に対して
水素ガスの分圧が50倍以上であることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体薄膜の製造方
法に関し、特に、結晶質シリコン系(シリコン合金を含
む)半導体薄膜の低コスト化を可能にする製造方法に関
するものである。
【0002】なお、本願明細書において「多結晶質」と
「微結晶」と「結晶質」の用語は、シリコン系薄膜の技
術分野で一般に用いられているように、部分的に非晶質
状態を含むものをも意味するものとする。
【0003】
【従来の技術】現在では、プラズマCVD法が、種々の
半導体薄膜を形成するためにしばしば利用されている。
代表的な例としては、薄膜太陽電池、電子写真コピー機
の感光ドラム、液晶ディスプレイのTFTアレイなどに
必要とされるシリコン系薄膜がプラズマCVD法を利用
して形成されている。
【0004】ここで太陽電池を例にとれば、単結晶半導
体ウェハを利用する単結晶系太陽電池と半導体薄膜を利
用する薄膜系太陽電池とがある。そして、薄膜系太陽電
池は、単結晶系太陽電池に比べて、大面積化が容易であ
りかつ低コストで製造し得るという利点を有している。
【0005】図1は、薄膜系太陽電池の典型的な一例を
模式的な断面図で示している。なお、本願の各図におい
て、図示されている層の厚さなどの寸法関係は図面の明
瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸
法関係を反映してはいない。
【0006】図1に示されているような薄膜系太陽電池
においては、基板1上に、第1電極層2、p型またはn
型の1導電型層3、実質的にi型の光電変換層4、n型
またはp型の逆導電型層5、および第2電極層6が順に
積層されている。すなわち、一般に薄膜系太陽電池にお
いては、光電変換ユニット10はp型層3または5とn
型層5または3との間に挟まれたi型層4を含んでい
る。比較的大きな厚さを有するi型層4が主として光電
変換作用を生じ、i型層4よりはるかに薄いp型層3ま
たは5とn型層5または3は電界を生じるように作用す
る。そして、p型層、i型光電変換層およびn型層を含
む薄膜光電変換ユニット10に関して、p型層とn型層
が結晶質か非晶質かにかかわらず、i型光電変換層4が
結晶質のものを結晶質ユニットと称し、i型光電変換層
4が非晶質のものを非晶質ユニットと称する。
【0007】ここで、結晶質シリコン系半導体層は非晶
質シリコン系半導体層に比べて長波長の光まで吸収する
ことができ、結晶質薄膜光電変換ユニットは非晶質薄膜
光電変換ユニットに比べて長波長の光をも光電変換に有
効利用し得るという利点を有している。
【0008】しかし、非晶質薄膜光電変換ユニットに含
まれる非晶質シリコン光電変換層の厚さは一般に約0.
3μm以下でも十分であるのに対して、結晶質シリコン
の光吸収係数を考えれば、結晶質薄膜光電変換ユニット
に含まれる結晶質シリコン光電変換層は一般に約3μm
以上の厚さが必要とされる。すなわち、結晶質薄膜光電
変換ユニットに含まれる結晶質シリコン光電変換層は、
非晶質薄膜光電変換ユニットに含まれる非晶質シリコン
光電変換層の約10倍以上の厚さが必要とされる。
【0009】そこで、特開平11−145499は、従
来133Pa(1Torr)以下の圧力下で行なわれて
いたプラズマCVDによる結晶質シリコン光電変換層の
堆積を400Pa(3Torr)以上の高い圧力下でシ
ラン系ガスに対する水素ガスの流量比を50倍以上に大
きくした状態で行なうことによって、高品質の結晶質シ
リコン光電変換層が約1μm/hr以上の高速度で堆積
され得ることを開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来から、
薄膜光電変換ユニットを形成する場合、それが非晶質ユ
ニットと結晶質ユニットのいずれであるかにかかわら
ず、プラズマCVDに用いられる水素の純度が99.9
9999%(7N)未満であれば、実用的な光電変換特
性を得ることができなかった。したがって、薄膜光電変
換ユニットをプラズマCVDを利用して形成する場合に
は7N以上の純度の水素を用いるのが当該技術分野にお
ける常識であり、7N未満の純度の水素を用いて薄膜光
電変換ユニットを形成することは行なわれていない。し
たがって、本願明細書において、水素の純度について特
に言及していない場合には、7N以上の純度の水素が用
いられていることを意味する。7N未満の純度の水素を
用いて薄膜光電変換ユニットを形成できないという理由
としては、その水素ガス中から半導体層内へ取込まれた
不純物が光電変換によって生じたキャリアに対するトラ
ップとして作用し、光電変換効率を著しく低下させるか
らであると考えられている。
【0011】しかし、7N以上の高純度の水素ガスは非
常に高価なものである。したがって、特開平11−14
5499に開示されているように高品質の結晶質シリコ
ン光電変換層を迅速に形成するためにプラズマCVD法
において400Pa以上の高圧下でシラン系ガスの流量
に対して50倍以上の流量の水素ガスを使用すること
は、高価な高純度水素ガスの大量消費を意味し、すなわ
ち結晶質シリコン光電変換層の製造コストの著しい上昇
を意味する。
【0012】かかる先行技術の課題に鑑み、本発明は、
高品質の結晶質シリコン系半導体薄膜を迅速に形成する
ことを低コストで実現させることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の結晶質シリコン
系半導体薄膜の製造方法において、基板上でそのシリコ
ン系薄膜をプラズマCVD法で堆積する条件として、プ
ラズマ反応室内に導入されるガスの主成分としてシラン
系ガスと水素ガスを含み、その水素ガスの純度は99.
9999%以上で99.99999%未満であり、反応
室内の圧力は400Pa以上に設定されていてシラン系
ガスの分圧に対して水素ガスの分圧が50倍以上である
ことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】図1を参照しつつ、本発明の実施
の形態の一例として、1つの結晶質光電変換ユニットの
みを含む薄膜系太陽電池の製造方法を説明する。このよ
うな薄膜系太陽電池の基板1として安価な低融点のガラ
ス板などを用いることができ、ステンレスシートなども
用いられ得る。結晶質光電変換ユニットのための基板と
して安価な低融点のガラス板を用いることができるの
は、本発明の製造方法では基板を550℃以上に加熱す
る必要がなく、通常は400℃以下で十分だからであ
る。
【0015】ガラス基板1上には、たとえばSnO2
ZnO、またはITO(インジウム・錫酸化物)のよう
な透明導電性酸化物(TCO)からなる第1電極層2が
熱CVD法やスパッタリング法によって形成され得る。
第1電極層2上には光電変換ユニット10に含まれる1
導電型層3がプラズマCVD法によって堆積される。こ
のような1導電型層3は一般にp型またはn型のシリコ
ン層として形成されるが、シリコンカーバイドやシリコ
ンゲルマニウムなどのシリコン合金材料として形成され
てもよい。また、1導電型層3は多結晶、微結晶、また
は非晶質のいずれであってもよく、その膜厚は一般的に
は2〜30nmの範囲内に設定されることが好ましい。
【0016】1導電型層3上には、プラズマCVD法に
よって結晶質シリコン系薄膜光電変換層4が形成され
る。このとき、プラズマ反応室の圧力は400Pa以上
で、より好ましくは666Pa(5Torr)以上に設
定される。また、そのときの高周波パワー密度は20m
W/cm2以上であることが好ましく、50mW/cm2
以上であることがより好ましい。反応室内に導入される
ガスの主成分としてはシラン系ガスと水素ガスを含み、
シラン系ガスに対する水素ガスの分圧は50倍以上にさ
れる。シラン系ガスとしてはモノシラン、ジシラン等が
好ましいが、これらに加えて四フッ化ケイ素、四塩化ケ
イ素、ジクロールシラン等のハロゲン化ケイ素ガスを用
いてもよい。また、これらに加えて希ガス等の不活性ガ
ス、好ましくはヘリウム、ネオン、アルゴン等を用いて
もよい。このようなCVD条件の下において、結晶質シ
リコン系光電変換層4は1μm/hr以上の成膜速度で
堆積することができる。
【0017】ここで、本発明に関して最も重要なこと
は、シラン系ガスに対して50倍以上の分圧で消費され
る水素ガスとして、従来の高価な7N以上の高純度水素
ガスではなく、6Nすなわち99.9999%以上で9
9.99999%未満の安価な水素ガスが用いられるこ
とである。これによって非晶質シリコン光電変換層に比
べて約10倍以上の厚さの結晶質シリコン光電変換層が
低コストで形成され得ることになる。
【0018】上述のようなCVD条件の下で高速度で堆
積された結晶質シリコン系半導体薄膜4は、その膜厚方
向にほぼ平行に<110>の優先結晶配向を有する柱状
晶が厚さ方向に延びて成長する。
【0019】結晶質光電変換層4上には、1導電型層3
とは逆タイプの導電型層5としてのn型またはp型のシ
リコン系薄膜がプラズマCVD法によって堆積される。
しかし、この逆導電型層5も、シリコンの代わりにシリ
コンカーバイドやシリコンゲルマニウム等のシリコン合
金材料として形成されてもよい。また、逆導電型層5
は、多結晶、微結晶、または非晶質のいずれでもよく、
その膜厚は一般に5〜50nmの範囲内に設定されるこ
とが好ましい。
【0020】逆導電型層5上には、TCO層もしくは金
属層またはそれらの積層が第2電極層6としてスパッタ
リング法や蒸着法によって形成される。これによって、
図1に示されているように、結晶質シリコン系i型光電
変換層4を含む薄膜系太陽電池が完成する。
【0021】以上のように本発明の実施の形態としての
製造方法によって得られる結晶質薄膜太陽電池は、従来
の高価な7N以上の高純度水素を用いたCVD法で得ら
れる太陽電池に比べて、はるかに安価な6N純度の水素
ガスを用いて低コストで得られるにもかかわらず、その
光電変換特性は従来の高コストのものに比べてほとんど
低下することがない。ただし、6N未満の純度である5
N(99.999%)純度以下の水素ガスを用いて得ら
れる太陽電池では、著しく光電変換特性が低下し、実用
に耐え得ないものとなる。このように6N純度の水素ガ
スを用いても太陽電池の光電変換特性が低下しないこと
については、現時点においてはその理由は必ずしも明ら
かではないが、本発明者の理解によれば以下のような理
由を考えることができる。
【0022】まず、400Pa以上の高圧下では結晶質
シリコン光電変換層4が133Pa以下の圧力下の場合
に比べてはるかに高速度で成長し得るので、水素ガス中
に多少の不純物原子が含まれていてもシリコン光電変換
層中4に取込まれる不純物原子の絶対量が減少すると考
えられる。したがって、結晶質シリコン光電変換層4を
比較的高い圧力の下で高速度で成長させる場合には、水
素ガスの純度が7Nから6Nに低下しても従来のように
低速度で成長させる場合に比べて水素ガスから膜中に取
込まれる不純物原子の絶対量がそれほど増大しないもの
と考えられる。その結果として、得られる薄膜太陽電池
の光電変換特性に悪影響を及ぼすことなくコストの低下
を図ることができるのであろうと考えられる。他方、い
かに400Pa以上の高圧力下でシリコン光電変換層4
が高速で成長させられるとしても、6Nよりもさらに低
純度である5N純度以下の水素ガスを用いた場合には、
それに含まれる不純物原子の絶対量が大幅に増大し、得
られる太陽電池の光電変換特性に明らかな悪影響を及ぼ
すのであろうと考えられる。
【0023】また、本発明による製造方法で6N純度の
水素ガスを用いても得られる太陽電池の光電変換特性が
ほとんど低下しないさらに重要な理由として考えられる
ことは、結晶質シリコン光電変換層4が400Pa以上
の高圧下において高速度で形成されればそれに含まれる
多くの結晶粒が膜厚方向にほぼ平行に沿った<110>
の優先結晶配向を有する柱状晶として成長することが考
えられる。このような柱状晶を含む結晶質シリコン光電
変換層4内に水素ガスから多少の不純物原子が混入した
としても、それらの不純物原子の多くは膜厚方向にほぼ
平行に延びる結晶粒界に偏在しているものと考えられ
る。したがって、光電変換作用によって生じたキャリア
は膜厚方向に延びる粒界に沿って偏在している不純物原
子にトラップされることが少なく、キャリアの膜厚方向
の移動に対してほとんど障害の増大とはならないものと
考えられる。このような理由によって、133Pa以下
の低圧下で低速で成長させられた等方的な結晶粒を含む
結晶質シリコン光電変換層を含む太陽電池では、7N未
満の純度の水素ガスを用いた場合に著しく光電変換特性
が低下するのに対して、本願発明が適用されるような膜
厚方向に柱状晶が成長している結晶質シリコン光電変換
層を含む太陽電池では、水素ガスの純度が6N程度に低
下してもほとんど光電変換特性の劣化を生じないものと
考えられる。しかし、水素ガスの純度が6N未満の5N
程度まで低下した場合には、もはや厚さ方向に平行に延
びる結晶粒界近傍だけでは不純物原子を偏在させること
ができず、柱状晶内にも不純物原子が分散することにな
り、これによって太陽電池の光電変換特性が急激に低下
するものと考えられる。
【0024】以上のことから、本発明による結晶質シリ
コン系半導体薄膜の安価な製造方法は、薄膜太陽電池に
含まれる結晶質シリコン系半導体薄膜に限られず、膜厚
方向に良好なキャリアの移動度を有する結晶質シリコン
系薄膜を含むべき種々の半導体装置の製造に利用するこ
とができると考えられる。
【0025】
【実施例】以下において、図2の模式的な断面図を参照
しつつ、本発明の実施例について比較例とともに説明す
る。
【0026】(比較例1)比較例1においては、図2に
示されているようなタンデム型薄膜太陽電池が作製され
た。まず、ガラス基板11上に、透明電極層12とし
て、厚さ約600nmのSnO2膜が熱CVD法で形成
された。透明電極層12上には、p型層13、非晶質i
型シリコン光電変換層14、およびn型層15を含むp
in型非晶質光電変換ユニット20が積層された。この
非晶質光電変換ユニット20はプラズマCVDを利用し
て周知慣用的方法と条件の下で形成され、非晶質i型シ
リコン光電変換層14は約0.25μmの厚さに設定さ
れた。
【0027】非晶質光電変換ユニット20上には、さら
に、p型層16、結晶質i型シリコン光電変換層17、
およびn型層18を含む結晶質光電変換ユニット30が
積層された。この結晶質光電変換ユニット30は、プラ
ズマCVDにおいて7N純度の水素ガスが用いられたこ
とを除けば実施の形態で説明されたのと同様の方法で形
成された。ただし、結晶質光電変換ユニット30に含ま
れる結晶質i型シリコン光電変換層17は、約3μmの
厚さに形成された。
【0028】結晶質光電変換ユニット30上には、積層
されたITO膜とAg膜を含む裏面電極層19が形成さ
れた。
【0029】こうして形成された比較例1のタンデム型
薄膜光電変換装置に基板11側からの入射光としてAM
1.5の光を100mW/cm2の光量で照射したとき
の光電変換特性は、開放端電圧が1.328V、短絡電
流密度が10.36mA/cm2、曲線因子が74.8
2%、そして変換効率が10.3%であった。
【0030】(比較例2)結晶質i型シリコン光電変換
層17が5N純度の水素を用いたプラズマCVD法で形
成されたことを除けば比較例1と同じ条件で、比較例2
としてのタンデム型薄膜太陽電池が作製された。
【0031】この比較例2のタンデム型太陽電池に比較
例1の場合と同様の条件で光照射したときの光電変換特
性は、開放端電圧が1.296V、短絡電流密度が8.
63mA/cm2、曲線因子が68.43%、そして変
換効率が7.65%であった。
【0032】(実施例)結晶質i型シリコン光電変換層
17が6N純度の水素ガスを用いたプラズマCVD法で
形成されたことを除けば比較例1と同じ条件で、実施例
としてのタンデム型薄膜太陽電池が作製された。
【0033】この実施例のタンデム型太陽電池に比較例
1の場合と同じの条件で光照射したときの光電変換特性
は、開放端電圧が1.283V、短絡電流密度が11.
0mA/cm2、曲線因子が74.61%、そして変換
効率が10.5%であった。
【0034】以上のような比較例と実施例によるタンデ
ム型薄膜光電変換装置の変換効率からわかるように、結
晶質i型シリコン光電変換層17の形成のために7N純
度の水素を用いた比較例1の薄膜太陽電池に比べて、5
N純度の水素を用いた比較例2の太陽電池では光電変換
効率が著しく低下していることが明らかである。しか
し、実施例による太陽電池では比較例1の7N純度より
低い6N純度の水素を用いているのにもかかわらず、そ
の変換効率は比較例1に比べても決して低下していない
ことがわかる。
【0035】
【発明の効果】当然のことながら、単位量当り水素ガス
の価格は、その純度の上昇とともに急激に上昇する。た
とえば、ボンベで市販されている5N純度以下の水素ガ
スは1気圧で0℃の標準状態において500円/m3以下
の価格であるのに対して、7N純度以上の水素ガスは約
5000円/m3のように桁違いに高価である。
【0036】5N純度以下の水素ガスはメタノールや都
市ガスなどの熱分解によって安価かつ大量に得ることが
でき、金属工業用の高純度水素ガスとしてボンベに詰め
て市販されている。他方、7N以上の高純度水素ガス
は、たとえばパラジウム合金膜を拡散透過させる水素精
製器を通すことによって得られる。7N純度以上の水素
もボンベに詰めて市販されており、薄膜太陽電池工業に
多く利用されている。
【0037】他方、6N純度の水素ガスは固体高分子電
解質膜を利用した純水の電気分解によって得ることがで
きる。そして、このような純水電気分解装置から得られ
る水素ガスは、ボンベに詰めて輸送などの手間を省いて
直接に使用すれば、そのランニングコストとしての単価
は100〜150円/m3であり、7N純度以上の水素
ガスボンベに比べて桁違いに安価である。また、純水電
気分解装置からは、必要なときに必要な量だけの6N純
度水素を安定的に得ることが可能である。
【0038】特に、近年では大面積の薄膜太陽電池が大
量に実用化されようとしている状況に鑑みれば、高価な
7N以上の高純度水素の大量消費は薄膜太陽電池の一般
への普及に対する障害となり、薄膜太陽電池の工業的大
量生産における重要な問題となる。
【0039】ところが、以上のような本発明による結晶
質シリコン系半導体薄膜の製造方法によれば、7N純度
以上の水素よりはるかに安価でかつ安定的に大量に入手
することができる6N純度の水素を用いることによっ
て、高い光電変換特性を維持しつつ薄膜太陽電池を大量
かつ安価に提供することが可能となる。
【0040】なお、前述のように、本発明の製造方法は
膜厚方向にキャリアの良好な移動度を有する結晶質シリ
コン系半導体膜を安価に提供することができるので、薄
膜太陽電池に限られることなく、そのような結晶質シリ
コン系半導体薄膜を含む種々の半導体装置の製造にも利
用され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 薄膜系太陽電池の一例を説明するための模式
的な断面図である。
【図2】 タンデム型薄膜太陽電池を説明するための模
式的な断面図である。
【符号の説明】
1,11 基板、2,12 第1電極層、3,13,1
6 1導電型層、4,14,17 i型光電変換層、
5,15,18 逆導電型層、6,19 第2電極層、
10 薄膜光電変換ユニット、20 非晶質光電変換ユ
ニット、30 結晶質光電変換ユニット。
フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA06 AA18 BA30 BA45 BB12 CA06 CA17 EA01 FA01 FA10 JA06 JA09 JA20 LA16 LA17 5F045 AA08 AB04 AC00 AC01 AE25 CA13 CA15 EE12 EE13 EE17 5F051 AA03 AA04 CB12 CB29 GA03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶質シリコン系半導体薄膜の製造方法
    であって、 基板上で前記シリコン系薄膜をプラズマCVD法で堆積
    する条件として、 プラズマ反応室内に導入されるガスの主成分としてシラ
    ン系ガスと水素ガスを含み、その水素ガスの純度は9
    9.9999%以上で99.99999%未満であり、 前記反応室内の圧力は400Pa以上に設定されていて
    前記シラン系ガスの分圧に対して前記水素ガスの分圧が
    50倍以上であることを特徴とする結晶質シリコン系半
    導体薄膜の製造方法。
JP2000047186A 2000-02-24 2000-02-24 結晶質シリコン系半導体薄膜の製造方法 Withdrawn JP2001237189A (ja)

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