JP2001236658A - シーク方法および光ディスク装置 - Google Patents

シーク方法および光ディスク装置

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JP2001236658A
JP2001236658A JP2000039173A JP2000039173A JP2001236658A JP 2001236658 A JP2001236658 A JP 2001236658A JP 2000039173 A JP2000039173 A JP 2000039173A JP 2000039173 A JP2000039173 A JP 2000039173A JP 2001236658 A JP2001236658 A JP 2001236658A
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track
optical disk
signal
mode
pickup unit
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JP2000039173A
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Shinichi Hasegawa
真一 長谷川
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスク装置や光ディスクにかかる問題に
より、シーク動作が不安定になる可能性がある場合に
も、確実にシーク動作を行うことができるようにする。 【解決手段】 シーク動作が所定時間内に終了しないと
きには、反射光の光量が十分でなく、RF信号の振幅が
十分に取れないために、クロストラック信号が適正な振
幅の信号として得られていないことが考えられるので、
このクロストラック信号を使用しない、VCM1相モー
ドとOTJモードとを用いたシーク動作の再試行を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、光ディ
スクや光磁気ディスクを記録媒体として用いる光ディス
ク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータなどに接続して
用いる記録装置として、光磁気ディスク(MOディス
ク)を記録媒体として用いる光磁気ディスク装置(MO
ディスクドライブ装置)が利用されるようになってきて
いる。
【0003】光磁気ディスクは、熱磁気薄膜の光−磁気
効果と熱−磁気効果を用いた光ディスクであり、比較的
に大きな記憶容量を有するものである。例えば、直径が
3.5インチの光磁気ディスクで、128メガバイト、
230メガバイト、540メガバイト、640メガバイ
トなどの記憶容量を有するものが提供されており、最近
では、さらに大きな記憶容量を有する光磁気ディスクも
開発されている。
【0004】そして、光磁気ディスク装置において、記
録や再生を開始するに当たり、光磁気ディスクにレーザ
光(レーザビーム)を照射してデータの記録や再生を行
うようにするための光ピックアップ部(光ブロック部)
を、光磁気ディスクの半径方向に移動させることによっ
て、目的とするトラックのセクタに迅速に位置付けるシ
ーク動作が行われる。
【0005】データの記録や再生を迅速に開始させるた
めには、シーク動作を迅速かつ正確に行うことが極めて
基本的でかつ重要なことである。このため、光磁気ディ
スク装置においては、光ピックアップ部から照射された
レーザ光が、現在、走査している光磁気ディスク上のト
ラック(現在トラック位置)から、目的とするセクタが
属するトラック(目的トラック位置)までの光磁気ディ
スクの半径方向のトラック数(目的トラック数)に応じ
たモードでシーク動作を行うようにしている。
【0006】シーク動作時において、目的トラック数に
応じて用いられるモードには、例えば、VCM(Voi
ce Coil Motor)1相モード、VCM4相
モード、MTJ(Multi Track Jump)
モード、OTJ(One Track Jump)モー
ドなどがある。
【0007】VCM1相モードは、目的トラック数が例
えば64トラックを越えるような、比較的に大きく光ピ
ックアップ部を移動させなければならない場合に用いら
れる。このVCM1相モードの場合には、光ピックアッ
プ部を光磁気ディスクの半径方向に移動させるための駆
動源であるVCMの能力(推力)を十分に引き出すた
め、 x ∝ √X …(1) のような、位置Xの平方根で表される目標速度xに追従
するように、VCMに対して速度サーボをかける。
【0008】このVCM1相モードの場合には、VCM
の速度は、トラッキングエラー信号TESの2値化信号
から求めている。そして、VCM1相モードの場合に
は、光ピックアップ部を高速で移動させるため、速度の
検出遅れやメディアの偏心によるトラック数の誤カウン
トの影響がでにくい。このため、VCM1相モードにお
いては、光ピックアップ部からのレーザ光が横切ったト
ラック数のカウントは、トラッキングエラー信号TES
のみを用いるようにしている。
【0009】次に、VCM4相モードは、目的トラック
数が、例えば、32トラックを越え、64トラック以下
の場合に用いられる。光ピックアップ部が目標トラック
にある程度近い場合には、光ピックアップ部からの光ビ
ームが横切る光磁気ディスク上のトラックに応じて得ら
れるトラバース(Traverse)信号の周波数も低
くなる。
【0010】トラバース信号の周波数が、例えば、数1
0kHz程度以下である場合には、トラッキングエラー
信号TESに加え、再生RF信号から形成されるクロス
トラック信号CTSをも併用する4相カウントによるシ
ークが可能となる。そして、VCM4相モードの場合、
VCMに対しては、前述したVCM1相モードと同様の
速度サーボをかける。
【0011】しかし、このVCM4相モードの場合に
は、互いに90度の位相差を有するトラッキングエラー
信号TESと、クロストラック信号CTSとのそれぞれ
を2値化した信号をアップ・ダウンカウンタでカウント
して、光ピックアップ部からのレーザ光が横切るトラッ
クの横切り方向の検出をも行う。また、このVCM4相
モードの場合には、レーザ光が横切ったトラック数(ク
ロストラック数)を4逓倍することで、VCMの速度を
求めている。このようにすることによって、VCMの速
度の検出遅れ低減させている。
【0012】次に、MTJモードは、目的トラック数
が、例えば、8トラックを越え、32トラック以下の場
合に用いられる。光ピックアップ部の目的トラックまで
の距離がさらに近くなると、VCMの速度サーボでは帯
域がとれずに、細かなトラックジャンプに追従できない
領域に入ってくる。このため、トラッキングアクチュエ
ータを制御することが必要になってくる。
【0013】このMTJモードでは、トラッキングアク
チュエータに対して、前述した(1)式で表される目標
速度xに追従するような速度サーボをかける。すなわ
ち、VCM1相モード、VCM4相モードのときには、
VCMに対してかけた速度サーボと同様の速度サーボ
を、このMTJモードの場合には、トラッキングアクチ
ュエータに対してかけることになる。
【0014】また、MTJモードの場合には、前述した
VCM4相モードの場合と同様に、トラッキングエラー
信号TESと、クロストラック信号CTSとを用いた4
相カウントにより速度を計算している。
【0015】次に、OTJモードは、目標トラック数が
8トラック以下の場合に用いられる。このOTJモード
は、1トラックづつ光ピックアップ部からのレーザ光の
走査トラックを光磁気ディスクの半径方向にジャンプさ
せるものであり、カウンタを使用せず、いわゆるオープ
ン制御を行う。
【0016】このOJTモード時の光磁気ディスク装置
においての制御の流れをまとめると、以下のように、
〜の段階を経ることになる。すなわち、.トラッキ
ングサーボをオフにする。.トラッキングアクチュエ
ータを振る加速に相当する電流で、トラッキングアクチ
ュエータを一定時間駆動する。.トラッキングアクチ
ュエータに加える電流を一定時間おきに指数関数的に減
少させていく。.を行いながらトラッキングエラー
信号TESがゼロクロス(1/2トラック横切るのを)
待つ。.ゼロクロス検出後、トラッキングアクチュエ
ータを一定時間フル減速する。.トラッキングサーボ
をオンにする。
【0017】このように、VCM1相モード、VCM4
相モード、MTJモード、OTJモードを、光ピックア
ップ部を光磁気ディスクの半径方向に移動させる距離で
ある目標トラック数に応じて使い分けることによって、
目的とするトラックのセクタ位置に光ピックアップ部を
迅速かつ正確に位置付けて、データの記録や再生を開始
させることができるようにされている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光磁気ディ
スク装置と、光磁気ディスクとが共に正常な状態であれ
ば、前述した4つのモードを目的トラック数に応じて使
い分けることにより、迅速かつ正確に、データの記録や
読み出しを行うセクタが属するトラック(目的トラック
位置)に光ピックアップを位置付けることができる。
【0019】しかしながら、長年使用された光磁気ディ
スク装置においては、光ピックアップ部のレーザ光源か
ら出射されるレーザ光の劣化が生じたり、光ピックアッ
プ部周辺に塵や埃が蓄積するなどして、光ピックアップ
部への光磁気ディスクからのレーザ光の反射光の光量が
相対的に減少する傾向がある。
【0020】光磁気ディスクからの反射光が減少する
と、光ピックアップ部に設けられた2分割あるいは4分
割のフォトディテクタ(光電気変換素子)からの受光出
力を合算することにより生成されるRF信号の振幅が小
さくなる。このため、RF信号から生成されるクロスト
ラック信号CTSの振幅も小さくなり、2値化が困難に
なる。
【0021】この場合、前述したシーク動作時において
は、トラッキングエラー信号TESに加え、クロストラ
ック信号CTSをも用いることによって、光ピックアッ
プ部からのレーザ光が横切るトラックの横切り方向をも
検出するVCM4相モード時の動作と、MTJモード時
の動作とが不安定になり、最悪の場合、目的とするセク
タに到達できない可能性がある。
【0022】この場合には、レーザ光の劣化がその復旧
ができないほどひどく、また、塵や埃もその除去が困難
なほど付着してしまっているような致命的な場合を除
き、光磁気ディスク装置の再調整や塵や埃を除去するこ
とによって、光磁気ディスク装置を元の状態に戻すこと
が可能である。
【0023】しかし、このようなレーザ光の再調整や光
磁気ディスク装置の細部の清掃は、ユーザ自身が行うこ
とはできず、販売店やサービスセンターなどを通じてメ
ーカに戻し、調整や清掃などを行ってもらう必要があ
る。この場合には、修理費用などがかかることになり、
ユーザにとっては負担がかかる。
【0024】また、光磁気ディスク装置に問題がなくて
も、記録媒体である光磁気ディスク自体に問題があるた
めに十分な反射光を光磁気ディスク装置が得られない場
合もあると考えられる。例えば、光磁気ディスクに形成
されるグルーブ(溝)部分の深さが充分に取られていな
ために、レーザ光の反射率が弱い光磁気ディスクが存在
する可能性もあると考えられる。
【0025】ISO(International O
rganization forStandariza
tion:国際標準化機構)において定められた光磁気
ディスクの規格において、クロストラック信号CTSの
振幅は、光磁気ディスクのデータ部と、SFP(Sta
ndard Formated Part ofthe
Control Tracks)部とのクロストラッ
ク信号CTSの比によって定められている。
【0026】SFP部は、フォーマット情報やメディア
情報、システム情報などが、ピットと呼ばれる微細な孔
によって予め記録されている(プリピットされている)
部分である。このため、SFP部は、データが光磁気記
録されるピットの存在しないデータ部に比較して、RF
信号の振幅が小さくなる部分である。
【0027】このため、図12Aに示すように、クロス
トラック信号CNCの振幅が、データ部においても、ま
た、SFP部においても、2値化時に用いるスレッショ
ールドthよりも高い良好なクロストラック信号CTS
が得られる光磁気ディスクの場合には、図12Bに示す
ように、何ら問題なく2値化処理を行うことができる。
したがって、クロストラック信号CTSの2値化信号を
用いるVCM4相モード、MTJモードを用いたシーク
動作も適正に行うことができる。
【0028】ところが、図13Aに示すように、データ
部におけるクロストラックCTSの振幅DTと、SFP
部におけるクロストラック信号CTSの振幅CTとが共
に低い光磁気ディスクであっても、前述したように、デ
ータ部におけるクロストラックCTSの振幅DTと、S
FP部におけるクロストラック信号CTSの振幅CTと
の比が、予め決められた値以上であれば、その光磁気デ
ィスクは、規格を満足するものとして広く市場に出回る
ことになる。
【0029】このように、規格は満足するが、例えば、
図13に示すように、SFP部からのクロストラック信
号CTSの振幅が、2値化時のスレッショールドthよ
りも低くなってしまっている場合には、図13Bに示す
ように、SFP部からのクロストラック信号CTSを2
値化することはできない。
【0030】この場合、少なくとも目的トラックがSF
P部である場合には、クロストラック信号CTSの2値
化が正常に行えないので、VCM4相モード、MTJモ
ードを用いたシーク動作は不安定になる可能性がある。
このように、光磁気ディスク自体に問題がある場合に
は、光磁気ディスクに何ら問題がなくても、その光磁気
ディスクを使用することができない。
【0031】以上のことにかんがみ、この発明は、光デ
ィスク装置や光ディスクにかかる問題により、シーク動
作が不安定になる可能性がある場合にも、確実にシーク
動作を行うことが可能なシーク方法、このシーク方法が
適用された光ディスク装置を提供することを目的とす
る。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明のシーク方法は、光ピックア
ップ部から光ディスクに照射されるレーザ光の走査位置
を、前記光ディスク上の目的トラック位置に移動させる
シーク方法であって、トラッキングエラー信号のみを用
いて、前記レーザ光の走査位置を移動させる第1のモー
ドと、前記トラッキングエラー信号と、RF信号から生
成され、前記光ビームが横切ったトラック数をカウント
するクロストラック信号とを用いて、前記レーザ光の走
査位置を移動させる第2のモードとを備え、現在トラッ
ク位置から前記目的トラック位置までのトラック数に応
じて、前記第1のモードと、前記第2のモードとのうち
のいづれかを選択し、所定時間内にシーク動作が終了し
なかった場合に、前記第1のモードのみを用いて、再度
のシーク動作を行うことを特徴とする。
【0033】この請求項1に記載のシーク方法によれ
ば、シーク動作が所定時間内に終了しないときには、反
射光の光量が十分でなく、RF信号の振幅が十分に取れ
ないために、クロストラック信号が適正な振幅の信号と
して得られていないことが考えられるので、このクロス
トラック信号を使用しない、第1のモードのみを使って
シーク動作の再試行を行う。
【0034】これにより、例え、クロストラック信号の
振幅が小さいために、第2のモードによるシーク動作が
不安定になったときでも、第1のモードにより、シーク
動作を正常におこなって、光ディスク上の目的とするセ
クタに光ピックアップ部を位置付けることができる。
【0035】また、請求項2に記載の発明のシーク方法
は、光ピックアップ部から光ディスクに照射されるレー
ザ光の走査位置を、前記光ディスク上の目的トラック位
置に移動させるシーク方法であって、トラッキングエラ
ー信号のみを用いて、前記レーザ光の走査位置を移動さ
せる第1のモードと、前記トラッキングエラー信号と、
RF信号から生成され、前記光ビームが横切ったトラッ
ク数をカウントするクロストラック信号とを用いて、前
記レーザ光の走査位置を移動させる第2のモードとを備
え、前記目的トラック位置が、光ディスク上の予め決め
られた領域である場合に、前記第1のモードのみを用い
て、シーク動作を行うことを特徴とする。
【0036】この請求項2に記載の発明のシーク方法に
よれば、目的トラック位置が、データ部よりもRF信号
の振幅が低くなるような予めきめられた領域である場合
には、反射光の光量が十分になく、RF信号の振幅が十
分に取れないために、クロストラック信号が適正な振幅
の信号として得られていない可能性が高くなるので、こ
のクロストラック信号を使用しない、第1のモードのみ
を使ってシーク動作を行う。
【0037】これにより、例え、クロストラック信号の
振幅が小さいために、第2のモードによるシーク動作が
不安定になる領域に光ピックアップ部を位置付ける場合
にも、第1のモードにより、シーク動作を正常におこな
って、光ディスク上の目的とするセクタに光ピックアッ
プ部を位置付けることができる。
【0038】また、請求項3に記載の発明のシーク方法
は、請求項1に記載のシーク方法であって、所定時間内
にシーク動作が終了せず、かつ、前記目的トラック位置
が、光ディスク上の予め決められた領域である場合に、
前記第1のモードのみを用いて、シーク動作を行うこと
を特徴とする。
【0039】この請求項3に記載の発明のシーク方法に
よれば、シーク動作が所定時間内に終了しない場合であ
って、データ部よりもRF信号の振幅が小さくなる予め
決められた領域に目的トラック位置が属する場合に、第
1のモードのみを用いたシーク動作の再試行を行う。
【0040】これにより、例えば、イレギュラー的に発
生した反射光の減少のためにシーク動作が失敗した場合
には、初めから、第1のモード、あるいは、第2のモー
ドによりシーク動作を行うことによって、迅速かつ正確
なシーク動作を行うことができる。
【0041】また、クロストラック信号の振幅が小さい
ために、第2のモードによるシーク動作が不安定になる
領域に光ピックアップ部を位置付けようとした場合であ
って、シーク動作が正常に終了しなかった場合には、第
1のモードにより、シーク動作を正常におこなって、光
ディスク上の目的とするセクタに光ピックアップ部を位
置付けることができる。
【0042】また、請求項4に記載の発明のシーク方法
は、請求項2または請求項3に記載のシーク方法であっ
て、前記光ディスク上の前記予め決められた領域は、所
定の情報がピットにより予め記録された領域であること
を特徴とする。
【0043】この請求項4に記載のシーク方法によれ
ば、光ディスク上の予め決められた領域は、光磁気ディ
スクにおけるSFP部分のように、ピットが形成される
ことによって、データ部よりもRF信号の振幅が低下す
る領域である。
【0044】これにより、光ディスクが光磁気ディスク
の場合などにおいて、目的トラック位置がSFP部分に
属する場合であっても、確実にシーク動作を行って、光
ピックアップ部を目的トラック位置に位置付けることが
できる。
【0045】また、請求項5に記載の発明のシーク方法
は、請求項1または請求項2に記載のシーク方法であっ
て、前記第1のモードは、前記レーザ光の走査位置を、
前記光ディスクの半径方向の1トラック毎に移動させる
1トラックジャンプモードと、前記レーザ光の走査位置
を、前記光ディスクの半径方向に多数トラック分移動さ
せる多数トラックジャンプモードとを備え、前記第1の
モードによるシーク動作を行うときには、現在トラック
位置から前記目的トラック位置までのトラック数に応じ
て、前記1トラックジャンプモードと、前記多数トラッ
クジャンプモードとのうちのいずれを選択することを特
徴とする。
【0046】この請求項5に記載の発明のシーク方法に
よれば、第1のモードを用いる場合であっも、現在トラ
ック位置から目的トラック位置までのトラック数に応じ
て、1トラックジャンプモードと、多数トラックジャン
プモードとが使い分けられる。これにより、1トラック
ジャンプモードと、多数トラックジャンプモードとのう
ち、より時速かつ確実なシークが可能なモードによって
シークを行うことができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、この発
明によるシーク方法および光ディスク装置の一実施の形
態について説明する。以下に説明する実施の形態におい
ては、例えば、パーソナルコンピュータなどに接続され
て用いられる記録装置であって、光磁気ディスクを記録
媒体として用いる光磁気ディスク装置に、この発明によ
るシーク方法および光ディスク装置を適用した場合を例
にして説明する。
【0048】図1は、この実施の形態の光磁気ディスク
装置を説明するためのブロック図である。図1におい
て、参照符号1は、この実施の形態の光磁気ディスク装
置に装填された光磁気ディスク(MOディスク)を示し
ている。そして、この実施の形態の光磁気ディスク装置
は、図1に示すように、スピンドルモータ2、光ピック
アップ部3、バイアスマグネット(外部磁界発生手段)
4、コントローラ5、LPC6、リードチャンネル部
7、DSP8、フォーカスドライバ9、トラッキングド
ライバ10、スライドドライバ11、マグネットドライ
バ12、スピンドルドライバ13、リニアエンコーダ1
4を備えている。
【0049】この実施の形態の光磁気ディスク装置にお
いては、光ピックアップ部3およびLPC6がレーザ系
を構成し、フォーカスドライバ9と、トラッキングドラ
イバ10と、スライドドライバ11と、マグネットドラ
イバ12とがサーボ系を構成する。また、スピンドルモ
ータ2と、スピンドルドライバ13とがスピンドル系を
構成する。これら、レーザ系、サーボ系、スピンドル系
とも、後述もするが、DSP8により制御される。
【0050】まず、スピンドル系について説明する。ス
ピンドルモータ2は、この光磁気ディスク装置に装填さ
れた光磁気ディスクを回転駆動させるものであり、スピ
ンドルドライバ13によって駆動される。スピンドルド
ライバ13は、コントローラ5により制御されるDSP
8からのスピンドル・スタート/ストップ信号(SPS
B信号)に応じて、スピンドルモータ2の回転開始/回
転停止を制御する。SPSB信号は、回転開始指示と回
転停止指示とでは信号の極性が反転するものである。
【0051】そして、スピンドルドライバ13は、スピ
ンドルモータ2の単位時間当たりの回転数が、所定の回
転数に達すると、DSP8に対して、スピンドル・ロッ
ク信号(SPLK信号)を送信する。このSPLK信号
により、DSP8は、スピンドルモータ2の単位時間当
たりの回転数が所定の回転数に達したことを知り、コン
トローラ5に通知するなどして、データの記録処理や再
生処理を開始させることができるようにされている。
【0052】また、スピンドルドライバ13は、スピン
ドルモータ2の1回転につき4個の矩形波を出力するス
ピンドル・フリークエンシ・ジェネレータ信号(SPF
G信号)を、DSP8に供給する。DSP8は、スピン
ドルドライバ13からのSPFG信号の時間幅によっ
て、スピンドルモータ2のおおよその回転数を知ること
ができる。また、スピンドルモータ2が停止しているか
否かの判断は、SPFG信号の時間幅が所定の閾値を越
えた段階で行うようにしている。
【0053】このように、スピンドルモータ2は、DS
P8とスピンドルドライバ13とにより、回転開始/回
転停止が制御されるとともに、回転開始が指示されたと
きには、所定の回転数で回転するように制御される。
【0054】次に、レーザ系およびサーボ系について説
明する。光ピックアップ部(光ブロック部)3は、図示
しないが、レーザ光源、対物レンズ、検光子、フォトデ
ィテクタ、中点センサなどを備えるとともに、VCM
(Voice Coil Motor)を備えたスライ
ド機構によって、光ピックアップ部3を光磁気ディスク
の半径方向にスライド移動することができるようにされ
ている。また、この実施の形態において、光ピックアッ
プ部3は、後述もするように、RF信号生成部や各種サ
ーボ信号の生成部を備えたものである。
【0055】光ピックアップ部3から光磁気ディスクに
照射されるレーザ光のパワーは、LPC6の制御信号C
Tにより、常時一定になるように制御される。通常、光
磁気ディスクの場合、データ再生時のレーザ光のパワー
(READ Power)は、1.5mW前後、消去/
記録時のレーザ光のパワー(Erase/WriteP
ower)は、11mW前後である。なお、LPC6
は、DSP8により、レーザ光の消灯/点灯、再生処理
/記録処理の別などについても制御される。
【0056】そして、この実施の形態の光磁気ディスク
装置においては、光ピックアップ部3は、前述したよう
に、RF信号生成部や各種サーボ信号の生成部をも備え
たものである。図2は、この実施の形態において、光ピ
ックアップ部3に設けられたRF信号生成部および各種
サーボ信号の生成部を説明するためのブロック図であ
る。
【0057】図2に示すように、この実施の形態の光ピ
ックアップ部3は、RF信号生成部31、クロストラッ
ク信号生成部32、トラッキングエラー信号生成部3
3、フォーカスエラー信号生成部34を備えたものであ
る。これらの各信号生成部31〜34は、光ピックアッ
プ部3が備えるフォトディテクタ3PDからの受光出力
(電気信号)に基づいて、目的とする信号を形成する。
【0058】この実施の形態においては、説明を簡単に
するため、光ピックアップ部3に設けられたフォトディ
テクタ3PDは、図3に示すように、4分割フォトディ
テクタである場合を例にして、RF信号生成部31、ク
ロストラック信号生成部32、トラッキングエラー信号
生成部33、フォーカスエラー信号生成部34の各部の
動作について説明する。
【0059】図3に示すように、この実施の形態の光ピ
ックアップ部3が備えるフォトディテクタ3PDの各フ
ォトディテクタA、B、C、Dから、受光出力SA、S
B、SC、SDは、RF信号生成部31、トラッキング
エラー信号生成部33、フォーカスエラー信号生成部3
4に供給される。
【0060】RF信号生成部31は、フォトディテクタ
3PDからの受光出力SA、SB、SC、SDについ
て、SA+SB+SC+SDなる演算を行って再生RF
信号RFを形成する。また、クロストラック信号生成部
32は、RF信号生成部31からの再生RF信号のエン
ベロープ検波を行い、再生RF信号RFのエンベロープ
からクロストラック信号CTSを形成する。
【0061】クロストラック信号生成部32において生
成されるクロストラック信号CTSは、光ピックアップ
部3から出射されたレーザ光のビームスポットが、トラ
ックを適正に捕らえているジャストトラック位置にある
時に最大になる。そして、クロストラック信号CTS
は、ビームスポットが、ジャストトラック位置からずれ
るに従って、そのレベルは低下し、ビームスポットが、
ジャストトラック位置近付くに従って、そのレベルは増
加するものである。
【0062】従って、このクロストラック信号CTSを
2値化すれば、光ピックアップ部3から出射された光ビ
ームが横切ったトラック数に応じたパルスの信号とな
る。このように、クロストラック信号は、光ピックアッ
プ部3から出射された光ビームが、横切った光磁気ディ
スク上のトラック数をカウントすることが可能な信号で
ある。
【0063】また、クロストラック信号CTSは、トラ
ッキングエラー信号TESとは、後述もするが、90度
の位相差を有する信号であり、例えば、トラッキングエ
ラー信号TESの立ち上がりにおいて、クロストラック
信号CTSを調べることにより、光ビームのトラックの
横切り方向を正確に検知することができる。
【0064】トラッキングエラー信号生成部33は、フ
ォトディテクタ3PDからの受光出力SA、SB、S
C、SDについて、(SA+SD)−(SB+SC)な
る演算を行って、トラッキングエラー信号TESを生成
する。このトラッキングエラー信号TESは、後述もす
るが、光ピックアップ部3から出射されたレーザ光のビ
ームスポットが、トラックを最も適正に捕らえているジ
ャストトラック位置にある時に0(零)にる。
【0065】そして、トラッキングエラー信号TES
は、ビームスポットが、ジャストトラック位置からずれ
るに従って、そのレベルは低下、あるいは、増加し、ビ
ームスポットが、ジャストトラック位置近付くに従っ
て、そのレベルは0に近くづく。このことからも分かる
ように、トラッキングエラー信号TESは、ビームスポ
ットがジャストトラック位置にある時に最大になるクロ
ストラック信号CTSとは、90度の位相差を有するも
のである。
【0066】フォーカスエラー信号生成部34は、フォ
トディテクタ3PDからの受光出力SA、SB、SC、
SDについて、(SA+SC)−(SB+SD)なる演
算を行ってフォーカスエラー信号FESを生成する。こ
のようにして、光ピックアップ部3において生成された
クロストラック信号CTS、トラッキングエラー信号T
ES、フォーカスエラー信号FESが、DSP8に供給
される。
【0067】また、光ピックアップ部3においては、光
ピックアップ部3のフォトディテクタ3PDが十分な光
量の反射光を得ているか否かを示す、インテンシティ・
サム信号(ISUM信号)を形成し、これをDSP8に
供給する。また、光ピックアップ部3は、前述したよう
に中点センサを備えており、この中点センサによって検
出される対物レンズのトラック方向のセンター位置から
のずれを示すスライドエラー信号SES信号をDSP8
に供給する。
【0068】このようにして、DSP8には、光ピック
アップ部3において生成された各種のサーボ信号が供給
される。なお、光ピックアップ部3において生成された
再生RF信号RFは、図1に示すように、リードチャン
ネル部7に供給される。このリードチャンネルについて
は後述する。
【0069】そして、DSP8は、光ピックアップ部3
からのフォーカスエラー信号FESに基づいて、フォー
カスドライバ9を制御する制御信号を形成し、これをフ
ォーカスドライバ9に供給する。フォーカスドライバ9
は、DSP8からの制御信号に応じて、光ピックアップ
部3のフォーカス機構を動作させるためのフォーカスド
ライブ信号を形成し、これを光ピックアップ部3のフォ
ーカス機構に供給する。光ピックアップ部3のフォーカ
ス機構は、レーザ光の焦点を光磁気ディスクの記録面に
結ぶようにするために、例えば、光ピックアップ部3の
光磁気ディスク1に直交する方向の位置などを調整する
ものである。
【0070】この場合、DSP8は、光ピックアップ部
3からのフォーカスエラー信号FESが常に0(零)に
なるように、フォーカスドライバ9を制御してフォーカ
スドライブ信号を形成する。光ピックアップ部3のフォ
ーカス機構は、フォーカスドライバ9からのフォーカス
ドライブ信号により駆動され、光ピックアップ部3から
出射されるレーザ光が、スピンドルモータ2によって回
転駆動される光磁気ディスク1上の記録面に焦点を結ぶ
ようにする。
【0071】また、DSP8は、光ピックアップ部3か
らのトラッキングエラー信号TESに基づいて、トラッ
キングドライバ10を制御する制御信号を形成し、これ
をトラッキングドライバ10に供給する。トラッキング
ドライバ10は、DSP8からの制御信号に応じて、光
ピックアップ部3のトラッキング機構を動作させるため
のトラッキングドライブ信号を形成し、これを光ピック
アップ部3のトラッキング機構に供給する。光ピックア
ップ部3のトラッキング機構は、光ピックアップ部3か
ら出射されるレーザ光の光磁気ディスクの半径方向の走
査位置を調整するものである。
【0072】この場合、DSP8は、光ピックアップ部
3からのトラッキングエラー信号TESが常に0(零)
になるように、トラッキングドライバ10を制御してト
ラッキングドライブ信号を形成する。光ピックアップ部
3のトラッキング機構は、トラッキングドライバ10か
らのトラッキングドライブ信号により駆動され、光ピッ
クアップ部3から出射されるレーザ光が、目的とするト
ラックを正確に走査するようにする。
【0073】また、DSP8は、光ピックアップ部3か
らのスライドエラー信号SESに基づいて、スライドド
ライバ11を制御する制御信号を形成し、これをスライ
ドドライバ11に供給する。スライドドライバ11は、
DSP8からの制御信号に応じて、対物レンズの位置を
調整するスライド機構を動作させるためのスライドドラ
イブ信号を形成し、これを光ピックアップ部3のスライ
ド機構に供給する。
【0074】この場合、DSP8は、光ピックアップ部
3からのスライドエラー信号SESが常に0(零)にな
るように、スライドドライバ11を制御してスライドド
ライブ信号を形成する。光ピックアップ部3のスライド
機構は、スライドドライバ11からのスライドドライブ
信号により駆動され、光ピックアップ部3から対物レン
ズのトラック方向のセンター位置からのずれが0となる
ようにされる。
【0075】これら3つのドライバの機能によって、光
ピックアップ部3から光磁気ディスク1に照射されるレ
ーザ光は、回転する光磁気ディスク1の目的とするトラ
ックを合焦状態で正確に走査する。なお、DSP8にお
いては、光ピックアップ部3のフォトディテクタ3PD
全体が、十分な光量を得ているか否かは、前述のISU
M信号によって認識することができる。
【0076】また、マグネットドライバ12は、バイア
スマグネット4に供給するドライブ信号を形成するもの
であり、DSP8の制御により、光磁気ディスクに記録
されたデータを消去する場合、あるいは、光磁気ディス
クにデータを記録する場合に、バイアスマグネットを駆
動させ、光磁気ディスクに対して与える外部磁界を発生
させるように構成されている。
【0077】なお、前述したフォーカスエラー信号FE
Sが0になるポイントと、最も効率良く光磁気ディスク
からデータが取り出せるポイント(再生RF信号の振幅
が最大となるポイント)とは、理想的には同一であるは
ずである。しかしながら、実際には、これらのポイント
は同一ではなくずれている。これは、フォーカスバイア
スと呼ばれるものである。
【0078】また、トラッキングエラー信号TESが、
0になるポイントと、再生RF信号の振幅が最大となる
ポイントの間にもずれがある。これは、トラッキングバ
イアスと呼ばれるものである。この実施の形態の光磁気
ディスク装置は、これら、フォーカスバイアスおよびト
ラッキングバイアスをも考慮して、フォーカスサーボ、
トラッキングサーボを行うことができるように構成され
ている。
【0079】このように、DSP8、LPC6、各ドラ
イバ9〜13の機能により、単位時間当たりの回転数が
所定の回転数となるようにスピンドルモータ2が制御さ
れるとともに、光ピックアップ部3から光磁気ディスク
1に照射されるレーザ光が、光磁気ディスクの目的とす
るトラックを正確に走査することができるようにしてい
る。
【0080】また、光磁気ディスク1に記録されたデー
タを消去する場合や、光磁気ディスクにデータを記録す
る場合には、バイアスマグネット4によって、光磁気デ
ィスクに外部磁界(バイアス磁界)が与えられ、データ
の消去やデータの記録を行うことができるようにしてい
る。
【0081】次に、この実施の形態の光磁気ディスク装
置においての、光磁気ディスクへのデータの消去処理、
記録処理、再生処理について説明する。まず、消去処理
および記録処理について説明する。
【0082】消去処理時においては、DSP8は、マグ
ネットドライバ12を制御して、バイアスマグネット4
を駆動し、光磁気ディスク1上に外部磁界を発生させ
る。このとき、磁界の方向は、図1において、上方向が
S極、下方向がN極となるようにする。
【0083】次に、DSP8は、LPC6を制御して、
再生用のパワーで、レーザ光を光磁気ディスク1に照射
するようにし、トラッキングドライバ11、スライドド
ライバ12を制御して、光ピックアップ部3を移動させ
て、光ピックアップ部3からのレーザ光が光磁気ディス
ク1の目的とするトラックを走査するようにする。
【0084】そして、DSP8は、LPC6を制御し
て、光ピックアップ部3から光磁気ディスク1に照射す
るレーザ光のパワーを消去/記録用のパワーに切り換
え、レーザ光を光磁気ディスク1に連続照射することに
より、光磁気ディスクの記録層の磁区の極性方向を一定
方向にそろえて全面着磁する。これにより、光磁気ディ
スク1に記録されているデータが消去される。
【0085】図4は、光磁気ディスクに記録されている
データを消去する場合の消去原理について説明するため
の図である。図4にも示すように、図4の上方向をS
極、下方向をN極とする外部磁界を光磁気ディスク1に
与えた状態で、光ピックアップ部3から光磁気ディスク
1に対して、消去/記録パワーとしたレーザ光を照射す
る。これにより、前述したように、光磁気ディスク1の
記録層の磁区の極性方向が一定方向にされることによ
り、磁区の極性方向によって記録するようにされている
データが消去される。
【0086】そして、光磁気ディスク1に記録されてい
るデータの消去後、データを記録する場合には、消去時
とは逆方向の外部磁界を光磁気ディスク1に与えた状態
で、極性を反転させたい磁区(ピット)の部分のみにレ
ーザ光を照射する。これにより、レーザを照射した磁区
部分のみが、外部磁界の極性に着時される。
【0087】このとき、レーザ光源の駆動制御は、コン
トローラ5からの記録データ(ライトデータ)に基づき
いてLPC6からの信号DTにより行うようにされる。
すなわち、この実施の形態において、データの記録時に
おけるレーザ光は、記録データによって変調される。
【0088】図5は、光磁気ディスク1にデータを記録
する場合の記録原理について説明するための図である。
図5にも示すように、消去処理時とは逆に、図3の上方
向をN極、下方向をS極とする外部磁界を光磁気ディス
ク1に与えた状態で、光磁気ディスク1の極性を反転さ
せる磁区にのみ光ピックアップ部3からのレーザ光を照
射する。これにより、光磁気ディスク1に、磁区の極性
方向の変化によって、データが記録される。
【0089】次に、前述のように、磁区の極性変化によ
り光磁気ディスク1に記録されたデータの再生処理につ
いて説明する。光磁気ディスク1からのデータの再生
は、カー効果(Kerr Effect)を利用するこ
とにより行う。カー効果は、垂直磁化膜に直線偏光を入
射すると、垂直磁化膜の磁化方向によって反射光の偏向
方向がプラス(+)/マイナス(−)方向に回転すると
いうものである。
【0090】そして、この実施の形態の光磁気ディスク
装置においては、DSP8は、LPC6を制御して、光
ピックアップ部3から再生用のパワーでレーザ光を光磁
気ディスク1に照射し、その反射光を光ピックアップ部
3により受光することによって、再生RF信号を得る。
【0091】図6、図7は、光磁気ディスク1に記録さ
れているデータを再生する場合の再生原理について説明
するための図である。光ピックアップ部3から光磁気デ
ィスク1にレーザ光を照射し、このレーザ光の光磁気デ
ィスク1からの反射光を光ピックアップ部3により受光
する。
【0092】そして、この反射光を光ピックアップ部3
が有する検光子3Kに通して、フォトディテクタ3PD
により受光して光の強弱に変換することにより再生RF
信号を得る。すなわち、図7Aに示すように、検光子3
K前の反射光の光強度は一定である。しかし、検光子3
Kを通すことによって、図7Bに示すように、磁区の極
性方向によって光磁気ディスクに記録されているデータ
を反射光の光強度の変化(強弱)として取り出すことが
できる。
【0093】このようにして、光ピックアップ部3によ
って、光磁気ディスクから読み出されたデータは、再生
RF信号としてリードチャンネル部7に供給される。リ
ードチャンネル部7は、再生RF信号をデジタル信号に
変換する。また、リードチャンネル部7は、再生RF信
号からデジタル信号への変換を正確に行うことができる
ように、再生RF信号のゲイン(MOVGA)やオフセ
ット(MOOST)を最適に保つようにするなどの各種
の処理をも行う。再生RF信号のゲインやオフセットの
最適値からのずれが大きい場合には、ジッターが増大
し、再生RF信号のデジタル信号への変換が不正確にな
る可能性があるためである。
【0094】そして、再生RF信号からデジタル信号に
変換された再生データは、コントローラ5に供給され、
図示しないがコントローラ5を通じて接続されたパーソ
ナルコンピュータなどのホスト装置に供給される。
【0095】なお、この実施の形態の光磁気ディスク装
置においては、図1に示すように、光磁気ディスクの半
径方向の光ピックアップ部3の可動域のスピンドルモー
タ2側(装填された光磁気ディスクの内周側)には、リ
ニアエンコーダ14が取り付けられている。また、光ピ
ックアップ部3の可動部のVCMコイル上には、図示し
ないが、リニアエンコーダ14に対して平行にリニアス
ケールが取り付けられる。
【0096】この結果、光ピックアップ部3が、光磁気
ディスクの半径方向に移動すると、リニアエンコーダ1
4のA層およびB層から位相が互いに90度ずれた矩形
波が出力され、DSP8に供給される。DSP8は、こ
の矩形波の周波数と位相とにより、光ピックアップ部の
移動量と、移動方向を認識することができる。
【0097】また、同様に、リニアエンコーダ14から
の矩形波を用いて、光ピックアップ部3を、光磁気ディ
スク上の目的とする位置、例えば、PEP(Phase
Encoded Part of the cont
rol tracks)エリアに静止させることもでき
る。
【0098】PEPは、反射率の異なる領域が交互に現
れることによって、光ピックアップ部3によって読み出
される信号の振幅に変化をもたらす。この変化をリード
チャンネル部7において、ハイ(high)/ロー(L
ow)のデジタル信号に変更し、DSP8のPULSE
Width Counter(PWC)に入力する。
【0099】DSP8は、リードチャンネル部7からの
PEPエリアの信号に応じたデジタル信号のハイ(hi
gh)の時間幅、あるいは、ロー(Low)の時間幅を
測定し、この測定結果をデコードして18バイトのメデ
ィア情報を得る。このメディア情報は、光磁気ディスク
の種別やデータの記憶容量などを示す情報であり、この
光磁気ディスク装置に装填された光磁気ディスクがどの
ようなものであるかを判別し、それに応じた処理を行う
ことができるようにされる。
【0100】このようにして、この実施の形態の光磁気
ディスク装置は、光磁気ディスクに記録されているデー
タを消去したり、あるいは、光磁気ディスクにデータを
記録したり、さらには、光磁気ディスクに記録されてい
るデータを再生することができるように構成されてい
る。
【0101】そして、この実施の形態の光磁気ディスク
装置においても、シーク動作時においては、光ピックア
ップ部3からのレーザ光が走査しているトラック(現在
トラック)から目的とするトラック(目的トラック)ま
でのトラック数である目的トラック数に応じて、前述し
たVCM1相モード、VCM4相モード、MTJモー
ド、OTJモードの4つのモードを使い分けることがで
きるようにされている。
【0102】そして、これら4つのモードを使い分ける
シーク動作を行った場合に、ランディングが所定時間内
に終了しなかった場合、すなわち、シーク動作が所定時
間内に終了しなかった場合には、前述したように、クロ
ストラック信号CTSの振幅が十分に得られていないと
考えられる。
【0103】そこで、この実施の形態の光磁気ディスク
装置においては、所定時間内にシーク動作が終了しない
場合には、クロストラック信号CTSを用いないVCM
1相モードまたはOTJモードによるシーク動作の再試
行(リトライ)動作を行うようにしている。
【0104】図8は、この実施の形態の光磁気ディスク
装置において行われるシーク動作を説明するためのフロ
ーチャートである。この図8に示す処理は、この光磁気
ディスク装置が接続されたホストコンピュータを通じ
て、使用者から光磁気ディスク1へのデータの記録や光
磁気ディスクからのデータの再生が指示された場合に、
この実施の形態においては、光磁気ディスク装置のコン
トローラ5とDSP8とが協働することにより行われ
る。
【0105】この実施の形態の光磁気ディスク装置に対
して、ホストコンピュータから記録指示や再生指示が与
えられると、光ピックアップ部3の現在のトラックから
目的トラックまでの光磁気ディスクの半径方向の距離で
ある目的トラック数を計算し、この計算して求めた目的
トラック数と、シーク動作の開始指示とをDSP8に供
給する(ステップS101)。
【0106】この場合、光磁気ディスク装置のコントロ
ーラ5は、光ピックアップ部3から出射しているレーザ
光が、現在走査している光磁気ディスク1上のトラック
の位置(現在トラック位置)と、コントローラ5が保持
する光磁気ディスク1についての情報から定まる記録や
再生を開始するセクタが属するトラックの位置(目的ト
ラック位置)とに基づいて、目的トラック数を計算す
る。
【0107】そして、DSP8は、まず、コントローラ
5からの目的トラック数が、8より大きいか否かを判断
する(ステップS102)。ステップS102の判断処
理において、目的トラック数が、8以下であると判断し
たときには、DSP8は、前述もしたように、光ピック
アップ部3からのトラッキングエラー信号TESのみに
基づいて、1トラックづつ光ピックアップ部3からのレ
ーザ光の走査位置をジャンプさせるOTJモードによる
トラックジャンプを行う(ステップS103)。
【0108】このOTJモードによる1トラックジャン
プが終了すると、DSP8は、コントローラ5を通じて
光磁気ディスク1上の現在トラック位置のアドレスを読
み出し(ステップS111)、読み出したアドレスが、
目的トラック上のアドレスか否かを判断する(ステップ
S112)。
【0109】ステップS112の判断処理において、ス
テップS111において読み出した光磁気ディスク1上
のアドレスが、目的トラック上のアドレスでないと判断
したときには、DSP8は、さらにOTJモードによる
トラックジャンプ(1トラックジャンプ)を行って(ス
テップS113)、ステップS111からの処理を繰り
返す。
【0110】従って、目的トラック数が8以下の場合に
は、最大でも1トラックジャンプを8回行うことによっ
て、光ピックアップ部3から出射される光ビームの走査
位置を目的とするセクタが存在する目的トラック上に移
動させることができる。
【0111】また、ステップS102の判断処理におい
て、目的トラック数が、8より大きいと判断したときに
は、DSP8は、目的トラック数は、32より大きいか
否かを判断する(ステップS104)。ステップS10
4の判断処理において、目的トラック数が、32以下で
あると判断したときには、DSP8は、MTJモードに
よりシーク動作を行うように決定する(ステップS10
5)。
【0112】また、ステップS104の判断処理におい
て、目的トラック数が32より大きいと判断したときに
は、DSP8は、目的トラック数は、63より大きいか
否かを判断する(ステップS106)。ステップS10
4の判断処理において、目的トラック数が、64以下で
あると判断したときには、DSP8は、VCM4相モー
ドによりシークを行うように決定する(ステップS10
7)。
【0113】また、ステップS106の判断処理におい
て、目標トラック数が64より大きいと判断したときに
は、DSP8は、VCM1相モードによりシーク動作を
行うことを決定する(ステップS108)。
【0114】そして、ステップS105、または、ステ
ップS107、または、ステップS108において決定
したモードでシーク動作を開始する(ステップS10
9)。次に、DSP8は、光ピックアップ部3のディス
クの半径方向の移動(横切り)を止めて、光ピックアッ
プ部3から光磁気ディスク1に照射されたレーザ光をト
ラックに追従させるようにするいわゆるランディングが
終了したか否かを判断する(ステップS110)。
【0115】ステップS110の判断処理において、ラ
ンディングが終了したと判断したときには、前述もした
ように、DSP8は、コントローラ5を通じて光磁気デ
ィスク1上の現在トラック位置のアドレスを読み出し
(ステップS111)、読み出したアドレスが、目的ト
ラック上のアドレスか否かを判断する(ステップS11
2)。
【0116】ステップS112の判断処理において、ス
テップS111において読み出した光磁気ディスク1上
のアドレスが、目的トラック上のアドレスでないと判断
したときには、DSP8は、さらにOTJモードによる
トラックジャンプ(1トラックジャンプ)を行って(ス
テップS113)、ステップS111からの処理を繰り
返す。
【0117】また、ステップS112の判断処理におい
て、ステップS111において読み出した光磁気ディス
ク1上のアドレスが、目的トラック上のアドレスである
と判断したときには、シーク動作の正常終了であり、こ
の図8に示す処理は終了する。
【0118】これにより、MTJモード、VCM4相モ
ード、VCM1相モードを用いて、光ピックアップ部3
を移動させ、光ピックアップ部3から出射されるレーザ
光の照射位置を目的トラックの近隣にまで急速に移動さ
せた後においては、OTJモードを用いることによっ
て、迅速かつ正確に、光ピックアップ部3から出射され
るレーザ光の照射位置を目的トラックに位置付けること
ができる。
【0119】そして、ステップS110の判断処理にお
いて、ランディングが終了していないと判断したときに
は、DSP8は、予め決められた所定時間が経過したか
否か(タイムアウトになったか否か)を判断する(ステ
ップS114)。換言すれば、このステップS114の
判断処理は、所定時間内にシーク動作が終了したか否か
を判断するものである。
【0120】ステップS114の判断処理において、ま
だ、タイムアウトになっていないと判断したときには、
DSP8は、ステップS110からの処理を繰り返す。
ステップS114の判断処理において、タイムアウトに
なったと判断したときには、後述もするように、DSP
8は、VCM1相モードと、OTJモードとのいづれか
を用いるシーク動作のリトライ処理を実行し、光ピック
アップ部3からのレーザ光の走査位置を目的トラックに
位置付けることによって、シーク動作が終了する。
【0121】ステップS115のシーク動作のリトライ
処理において、VCM1相モードと、OTJモードとし
か用いないようにするのは、これらのモードは、MTJ
モードやVCM4相モードとは異なり、トラッキングエ
ラー信号TESしか用いないためである。
【0122】すなわち、前述もしたように、MTJモー
ドと、VCM4相モードとにおいては、共にトラッキン
グエラー信号TESとクロストラック信号CTSとを用
いることによって、光ピックアップ部3から出射される
レーザのトラックの横切り方向をも検出できるようにし
ている。
【0123】図9、図10は、トラッキングエラー信号
TESとクロストラック信号CTSとを用いることによ
り可能となる光ピックアップ部3から出射されるレーザ
光のトラックの横切り方向の検出について説明するため
の図である。図9は、光ピックアップ部3が光磁気ディ
スク1の内周側から外周側に移動している場合に得られ
るクロストラック信号CTS、トラッキングエラー信号
TES、および、これらの信号の2値化信号を示す図で
ある。
【0124】クロストラック信号CTSは、図9Aに示
すように、光ピックアップ部3からのレーザ光が、トラ
ックTRをジャストトラック位置で走査している場合に
その振幅が最大になるのに対して、トラッキングエラー
信号TESは、図9Aに示すように、トラックTRをジ
ャストトラック位置で走査している場合にその振幅が0
になる。
【0125】そして、光ピックアップ部3が、光磁気デ
ィスク1の内周側から外周側に移動している場合、すな
わち、光ピックアップ部3からのレーザ光が、トラック
TRを横切る方向が光磁気ディスクの内周側から外周側
の場合には、トラッキングエラー信号TESは、図9B
に示すような位相の信号となる。
【0126】これらクロストラック信号CTSとトラッ
キングエラー信号TESとを2値化し、クロストラック
信号CTSの2値化信号(図9C)と、トラッキングエ
ラー信号TESの2値化信号(図9D)とを得る。そし
て、トラッキングエラー信号TESの2値化信号の立ち
上がりのタイミングで、クロストラック信号CTSの2
値化信号を見ると、いづれの立ち上がりタイミングにお
いても、クロストラック信号CTSの2値化信号は、ハ
イレベルの信号になっている。
【0127】これに対し、図10は、光ピックアップ部
3が光磁気ディスク1の外周側から内周側に移動してい
る場合に得られるクロストラック信号CTS、トラッキ
ングエラー信号TES、および、これらの信号の2値化
信号を示す図である。光ピックアップ部3が、外周側か
ら内周側に移動する場合であっても、クロストラック信
号CTSは、図10Aに示すように、光ピックアップ部
3が、内周側から外周側に移動する場合と同じ信号が得
られる。
【0128】しかし、トラッキングエラー信号TES
は、外周側から内周側に移動する場合には、図10Bに
示すように、光ピックアップ部3が、内周側から外周側
に移動する場合のトラッキングエラー信号TESとは位
相が180度ずれることになる。
【0129】このため、光ピックアップ部3が外周側か
ら内周側に移動している場合のクロストラック信号CT
Sの2値化信号(図10C)と、トラッキングエラー信
号TESの2値化信号(図10D)とを得て、トラッキ
ングエラー信号TESの2値化信号の立ち上がりのタイ
ミングで、クロストラック信号CTSの2値化信号を見
ると、いづれの立ち上がりタイミングにおいても、クロ
ストラック信号CTSの2値化信号は、ローレベルの信
号になっている。
【0130】この図9、図10の波形からも分かるよう
に、例えば、トラッキングエラー信号TESの2値化信
号の立ち上がりのタイミングで、クロストラック信号C
TSの2値化信号がハイレベルかローレベルかを調べる
ことにより、光ピックアップ部3から出射されたレーザ
光のトラックの横切り方向を正確に検知することができ
る。
【0131】従って、MTJモードとVCM4相モード
とを用いた場合には、光磁気ディスク1に偏心が生じい
たり、あるいは、光磁気ディスク装置に対して外乱が加
えられるなどして、光ピックアップ部3から出射された
レーザ光が、目的トラックとは反対方向にトラックを横
切った場合にも、カウントしたトラック数を減算するこ
とが可能となる。
【0132】従って、光ピックアップ部3から光磁気デ
ィスクに照射されているレーザ光の移動距離に相当する
横切ったトラックのカウントを正確に行って、光ピック
アップ部3から出射されるレーザ光の照射位置を迅速か
つ正確に目的トラックに位置付けることが可能となる。
【0133】しかし、前述もしたように、シーク動作が
所定時間内に終わらないのは、光磁気ディスク装置のレ
ーザ光の劣化や塵や埃の付着などを原因とする光ピック
アップ部3が受光する光磁気ディスクからのレーザ光の
反射光量の減少や、光磁気ディスクがクロストラック信
号の振幅が小さいタイプのものであるために、クロスト
ラック信号CTSの振幅を十分にとることができないた
めであると考えられる。
【0134】これに対し、トラッキングエラー信号は、
光ピックアップ部3の分割フォトディテクタの出力信号
の差分として求められるものであり、小さくてもその差
分が求めらる限り、正常なトラッキングエラー信号を生
成することがである。そこで、所定時間内にシーク動作
が終了しなかった場合には、この実施の形態の光磁気デ
ィスク装置においては、OTJモードとVCM1相モー
ドとの2つのモードしか使用しないいシーク動作の再試
行を行うようにしている。
【0135】図11は、図8に示した処理のステップS
115において行われるシーク動作の再試行処理(リト
ライ処理)を説明するためのフローチャートである。こ
の実施の形態の光磁気ディスク装置のコントローラ5
は、シーク動作を開始したものの、当該シーク動作が所
定時間内に終了しなかったときには、図11に示すシー
ク動作のリトライ処理(シークリトライ処理)を実行す
る。
【0136】まず、コントローラ5は、図8に示したシ
ーク動作のステップS101の処理と同様に、光ピック
アップ部3からの再生RF信号から得られる光ピックア
ップ部3から照射されているレーザ光の光磁気ディスク
上の現在トラック位置と、目的トラック位置とから目的
トラック数を算出し、この目的トラック数と、シーク動
作のリトライ処理の開始指示をDSP8に供給する(ス
テップS201)。
【0137】そして、DSP8は、この実施の形態にお
いては、目的トラック数が、64より大きいか否かを判
断する(ステップS202)。ステップS202の判断
処理において、目的トラック数が、64より大きいと判
断したときには、DSP8は、VCM1相モードにより
シークを行うことを決定し(ステップS203)、VC
M1相モードによるシーク動作を開始する(ステップS
204)。
【0138】次に、DSP8は、ランディングが終了し
たか否かを判断し、ランディングが終了したと判断した
ときには、コントローラ5を通じて、光磁気ディスク上
の現在トラック位置を示すアドレスを光磁気ディスク1
から読み出す(ステップS206)。
【0139】そして、DSP8は、現在トラック位置を
示す読み出した光磁気ディスク1上のアドレスは、目的
トラックに含まれるか否かを判断する(ステップS20
7)。このステップS207の判断処理において、現在
トラック位置を示すアドレスが目的トラックに含まれる
と判断したときには、光ピックアップ部3から出射され
るレーザ光が目的トラック上に位置付けられたので、こ
の図11に示す処理を終了する。
【0140】また、ステップS202の判断処理におい
て、目的トラック数が64本以下であると判断したとき
には、DSP8は、OTJモードにより、光ピックアッ
プ部3から出射されるレーザ光の光磁気ディスク上の走
査位置を、1トラックジャンプさせる(ステップS20
9)。このステップS209においての1トラックジャ
ンプさせた後、前述したステップS206の処理が行わ
れることになる。
【0141】このように、この実施の形態においては、
シーク動作が所定時間内に終了しなかった場合には、図
11のフローチャートに示した処理により、OTJモー
ド、または、VCM1相モードにより、光ピックアップ
部3から出射されるレーザ光の走査位置を目的とするセ
クタに確実に位置付けることができる。
【0142】OTJモードとVCM1モードとは、トラ
ッキングエラー信号TESしか使用しないので、例え、
クロストラック信号CTSの振幅が低すぎて、MTJモ
ードやVCM4相モードによっては、正常なシーク動作
を行うことができない場合であっても、光ピックアップ
部3を光磁気ディスクの半径方向に移動させことによ
り、光ピックアップ部3から照射されるレーザ光の走査
位置を目的とするトラックに確実に位置付けることがで
きる。
【0143】なお、シーク動作が所定時間内に正常に終
了しない場合には、光ピックアップ部から出射するレー
ザのパワーを上げて、光磁気ディスクからの反射光量を
増やすことが考えられる。しかし、レーザパワーを上げ
るにしても、例えば、ISOで規定されている以上のパ
ワーにすることはできないし、しかも、レーザパワーを
上げた場合には、光磁気ディスクに記録されているデー
タの破壊を招くということにもなりかねない。
【0144】また、クロストラック信号の利得を電気的
に上げるようにすることも考えられる。しかし、無理に
クロストラック信号の利得を上げても、クロストラック
信号が歪んだりノイズが多くなるだけで、正常な2値化
は望めない。このように、レーザパワーを上げたり、ク
ロストラック信号の利得を増加させることによっては、
データを破壊することなく、かつ、正確なシーク動作を
行うことは難しい。
【0145】しかし、この発明の場合には、レーザパワ
ーやクロストラックの利得を無理に上げることなく、確
実にシーク動作を行うことができる。
【0146】なお、ここでは、シーク動作が所定時間内
に終了しない場合に、図11に示したシーク動作のリト
ライ処理を行うようにした。しかし、これに限るもので
はない。
【0147】例えば、目的とするセクタが属するトラッ
ク(目的トラック位置)が、光磁気ディスクにプリピッ
トによりデータが記録されているSFP部である場合に
は、SFP部からは十分な振幅が得られない可能性が高
いので、この場合には、初めから図11に示した処理を
行うようにしてもよい。また、シーク動作が所定時間内
に終了せず、かつ、目的とするセクタが、SFP部であ
る場合に、図11を用いて前述したシーク動作のリトラ
イ処理を行うようにしてもよい。
【0148】また、VCM1層モード、VCM4層モー
ド、MTJモード、OTJモードの4つのモードのすべ
てが使用可能になっている必要はなく、例えば、VCM
1層モード、VCM4層モード、OTJモードの3つの
モードだけが使用可能な場合や、VCM1層モード、M
TJモード、OTJモードの3つのモードだけが使用可
能な場合などにおいても、この発明によるシーク方法、
光ディスク方法を用いるようにすることができる。つま
り、シーク動作のリトライ処理じには、クロストラック
信号CTSを用いないモードのみによりシーク動作を行
うようにすればよい。
【0149】また、この実施の形態においては、光磁気
ディスクを記録媒体として用いる光磁気ディスク装置
に、この発明によるシーク方法および光ディスク装置を
適用した場合を例にして説明した。しかし、この発明に
よるシーク方法および光ディスクは、CD(コンパクト
ディスク)などの光ディスクを記録媒体として用いる光
ディスク装置にも適用できる。つまり、この発明による
シーク方法および光ディスク装置は、様々なタイプの光
ディスク装置、光磁気ディスクに適用することができ
る。
【0150】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、RF信号から生成され、トラックの横切りに応じて
変化するクロストラック信号の振幅が小さいタイプの記
録媒体に対しても、確実なシーク動作を行うようにする
ことができる。
【0151】また、レーザの劣化や塵埃の蓄積が進んだ
光ディスク装置であっても、光ディスク装置の再調整を
行うことなく、確実にシーク動作をさせることができ
る。また、光ディスク装置の再調整を行うことによっ
て、レーザなどを購入投射の状態に戻してもシーク動作
のリトライ処理が悪影響を及ぼすこともない。
【0152】光ディスク装置、記録媒体である光ディス
クとも市場不良率を低下させ、顧客満足度を上昇させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による光ディスク装置を適用した光磁
気ディスク装置の一実施の形態を説明するためのブロッ
ク図である。
【図2】図1の光磁気ディスク装置の光ピックアップ部
の信号生成部を説明するためのブロック図である。
【図3】図1の光磁気ディスク装置の光ピックアップ部
に搭載されたフォトディテクタの一例を説明するための
図である。
【図4】図1の光磁気ディスク装置において行われる消
去処理の原理について説明するための図である。
【図5】図1の光磁気ディスク装置において行われる記
録処理の原理について説明するための図である。
【図6】図1の光磁気ディスク装置において行われる再
生処理の原理について説明するための図である。
【図7】図1の光磁気ディスク装置において行われる再
生処理の原理について説明するための図である。
【図8】図1の光磁気ディスク装置において行われるシ
ーク動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1の光磁気ディスク装置においてMTJモー
ド時とVCM4相モード時において行われるレーザ光の
横切り方向の検出について説明するための図である。
【図10】図1の光磁気ディスク装置においてMTJモ
ード時とVCM4相モード時において行われるレーザ光
の横切り方向の検出について説明するための図である。
【図11】図1の光磁気ディスク装置において行われる
シーク動作のリトライ処理について説明するためのフロ
ーチャートである。
【図12】光磁気ディスクにおけるクロストラック信号
の規格について説明するための図である。
【図13】光磁気ディスクにおけるクロストラック信号
の規格について説明するための図である。
【符号の説明】
1…光磁気ディスク(MOメディア)、2…スピンドル
モータ、3…光ピックアップ部、4…バイアスマグネッ
ト(外部磁界発生手段)、5…コントローラ、6…LP
C(レーザパワーコントローラ)、7…リードチャンネ
ル部、8…DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、9
…フォーカスドライバ、10…トラッキングドライバ、
11…スライドドライバ、12…マグネットドライバ、
13…スピンドルドライバ、14…リニアエンコーダ、
31…RF信号生成部、32…クロストラック信号生成
部、33…トラッキングエラー信号生成部、34…フォ
ーカスエラー信号生成部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ピックアップ部から光ディスクに照射さ
    れるレーザ光の走査位置を、前記光ディスク上の目的ト
    ラック位置に移動させるシーク方法であって、 トラッキングエラー信号のみを用いて、前記レーザ光の
    走査位置を移動させる第1のモードと、 前記トラッキングエラー信号と、RF信号から生成さ
    れ、前記光ビームが横切ったトラック数をカウントする
    クロストラック信号とを用いて、前記レーザ光の走査位
    置を移動させる第2のモードとを備え、 現在トラック位置から前記目的トラック位置までのトラ
    ック数に応じて、前記第1のモードと、前記第2のモー
    ドとのうちのいづれかを選択し、 所定時間内にシーク動作が終了しなかった場合に、前記
    第1のモードのみを用いて、再度のシーク動作を行うこ
    とを特徴とするシーク方法。
  2. 【請求項2】光ピックアップ部から光ディスクに照射さ
    れるレーザ光の走査位置を、前記光ディスク上の目的ト
    ラック位置に移動させるシーク方法であって、 トラッキングエラー信号のみを用いて、前記レーザ光の
    走査位置を移動させる第1のモードと、 前記トラッキングエラー信号と、RF信号から生成さ
    れ、前記光ビームが横切ったトラック数をカウントする
    クロストラック信号とを用いて、前記レーザ光の走査位
    置を移動させる第2のモードとを備え、 前記目的トラック位置が、光ディスク上の予め決められ
    た領域である場合に、前記第1のモードのみを用いて、
    シーク動作を行うことを特徴とするシーク方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のシーク方法であって、 所定時間内にシーク動作が終了せず、かつ、前記目的ト
    ラック位置が、光ディスク上の予め決められた領域であ
    る場合に、前記第1のモードのみを用いて、シーク動作
    を行うことを特徴とするシーク方法。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3に記載のシーク方
    法であって、 前記光ディスク上の前記予め決められた領域は、所定の
    情報がピットにより予め記録された領域であることを特
    徴とするシーク方法。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2に記載のシーク方
    法であって、 前記第1のモードは、 前記レーザ光の走査位置を、前記光ディスクの半径方向
    の1トラック毎に移動させる1トラックジャンプモード
    と、 前記レーザ光の走査位置を、前記光ディスクの半径方向
    に多数トラック分移動させる多数トラックジャンプモー
    ドとを備え、 前記第1のモードによるシーク動作を行うときには、現
    在トラック位置から前記目的トラック位置までのトラッ
    ク数に応じて、前記1トラックジャンプモードと、前記
    多数トラックジャンプモードとのうちのいずれを選択す
    ることを特徴とするシーク方法。
  6. 【請求項6】光ディスクにレーザ光を照射し、その反射
    光を受光して前記反射光に応じた出力信号を出力する光
    ピックアップ部と、 前記光ピックアップ部からの前記出力信号からトラッキ
    ングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成
    手段と、 前記光ピックアップ部からの前記出力信号から生成され
    るRF信号から生成され、前記光ビームが横切ったトラ
    ック数をカウントするクロストラック信号を生成するク
    ロストラック信号生成手段と、 前記トラッキングエラー信号生成部からの前記トラッキ
    ングエラー信号に基づいて、前記光ピックアップ部を前
    記光ディスクの半径方向に移動させる移動機構を制御し
    て、前記レーザ光の走査位置を、前記光ディスク上の目
    的トラック位置に移動させるための第1の制御手段と、 前記トラッキングエラー信号生成部からの前記トラッキ
    ングエラー信号と、前記クロストラック信号生成手段か
    らの前記クロストラック信号とに基づいて、前記光ピッ
    クアップ部を前記光ディスクの半径方向に移動させる移
    動機構を制御して、前記レーザ光の走査位置を、前記光
    ディスク上の目的トラック位置に移動させるための第2
    の制御手段と、 現在トラック位置から前記目的トラック位置までのトラ
    ック数に応じて、前記第1の制御手段により、あるい
    は、前記第2の制御手段によりシーク動作を行うように
    制御するとともに、所定時間内にシーク動作が終了しな
    かった場合には、前記第1の制御手段モードのみにより
    再度のシーク動作を行うように制御するシーク制御手段
    とを備えることを特徴とする光ディスク装置。
  7. 【請求項7】光ディスクにレーザ光を照射し、その反射
    光を受光して前記反射光に応じた出力信号を出力する光
    ピックアップ部と、 前記光ピックアップ部からの前記出力信号からトラッキ
    ングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成
    手段と、 前記光ピックアップ部からの前記出力信号から生成され
    るRF信号から生成され、前記光ビームが横切ったトラ
    ック数をカウントするクロストラック信号を生成するク
    ロストラック信号生成手段と、 前記トラッキングエラー信号生成部からの前記トラッキ
    ングエラー信号に基づいて、前記光ピックアップ部を前
    記光ディスクの半径方向に移動させる移動機構を制御し
    て、前記レーザ光の走査位置を、前記光ディスク上の目
    的トラック位置に移動させるための第1の制御手段と、 前記トラッキングエラー信号生成部からの前記トラッキ
    ングエラー信号と、前記クロストラック信号生成手段か
    らの前記クロストラック信号とに基づいて、前記光ピッ
    クアップ部を前記光ディスクの半径方向に移動させる移
    動機構を制御して、前記レーザ光の走査位置を、前記光
    ディスク上の目的トラック位置に移動させるための第2
    の制御手段と、 前記目的トラック位置が、光ディスク上の予め決められ
    た領域である場合に、前記第1の制御手段モードのみに
    よりシーク動作を行うように制御するシーク制御手段と
    を備えることを特徴とする光ディスク装置。
  8. 【請求項8】請求項6に記載の光ディスク装置であっ
    て、 前記シーク制御手段は、所定時間内にシーク動作が終了
    せず、かつ、前記目的トラック位置が、光ディスク上の
    予め決められた領域である場合に、前記第1の制御手段
    モードのみによりシーク動作を行うようにすることを特
    徴とする光ディスク装置。
  9. 【請求項9】請求項7または請求項8に記載の光ディス
    ク装置であって、 前記光ディスク上の前記予め決められた領域は、所定の
    情報がピットにより予め記録された領域であることを特
    徴とする光ディスク装置。
  10. 【請求項10】請求項6または請求項7に記載の光ディ
    スク装置であって、 前記第1の制御手段は、 前記レーザ光の走査位置を、前記光ディスクの半径方向
    の1トラック毎に移動させる1トラックジャンプ動作
    と、 前記レーザ光の走査位置を、前記光ディスクの半径方向
    に多数トラック分移動させる多数トラックジャンプ動作
    とを備え、 現在トラック位置から前記目的トラック位置までのトラ
    ック数に応じて、前記1トラックジャンプ動作と、前記
    多数トラックジャンプ動作とのうちのいずれかを選択す
    ることを特徴とする光ディスク装置。
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