JP2001236102A - 制御装置および制御方法 - Google Patents

制御装置および制御方法

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JP2001236102A JP2000052120A JP2000052120A JP2001236102A JP 2001236102 A JP2001236102 A JP 2001236102A JP 2000052120 A JP2000052120 A JP 2000052120A JP 2000052120 A JP2000052120 A JP 2000052120A JP 2001236102 A JP2001236102 A JP 2001236102A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御仕様や条件が変動する制御対象に対して
モデルベースの制御を行う場合に、モデルの精度が悪い
と制御結果が悪くなる問題を解決し、制御精度を向上さ
せることにある。 【解決手段】 所望の制御量に対応した第1の制御指令
150に対して、これを適切に補正するための補正量算
出手段120を設け、補正量算出手段120は直近の第
1の誤差(制御誤差)152と第2の誤差(モデル誤
差)を分離して算出し、それぞれに対応した第1の補正
量156と第2の補正量157をそれぞれ第1のゲイン
155と第2のゲイン154を介して計算し、第1と第
2の補正量を加算した補正量157’によって第1の制
御指令を補正して第2の制御指令151を求め、この第
2の制御指令と制御モデル140を用いて操作量算出手
段130によって操作量153を算出し、制御対象17
0を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御モデルを用い
て制御対象を制御する制御装置及び制御方法に係り、特
に、前回以前の制御結果を用いて次回の制御指令を適切
化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種技術として以下の手法があ
った。第1として、特開平8−63203号公報には、
モデルを用いて制御指令を算出するとともに、このモデ
ルで計算した制御対象の出力の推定値と実際の出力の差
分を用いて、モデルを制御対象の直近の特性に合わせ込
むことにより、モデル精度を維持し、制御指令を適切化
する手法が記載されている。さらに、ニューラルネット
により制御誤差と修正量の関係を精度良く確保すること
により、高精度で追従性の良い適応制御を行う方法が示
されている。第2として、制御指令と実測された値の偏
差を算出し、この値を用いて次回の制御に用いる制御指
令を補正する方法がある。さらに、制御モデルを用いた
演算で偏差から補正量を算出することにより、補正量の
精度を向上させる手法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来手法には、以
下の問題があった。まず、第1の方法では、誤差の情報
をモデルに蓄積することにより、モデルを制御対象に合
わせ込むため、制御対象の特性が一定の普遍性を有して
おり、修正されたモデルが制御対象の特性に漸近する場
合には制御精度向上に効果を発揮する。しかしながら、
制御対象特性が短期的要因で大きく変化する場合には、
変化前の不必要な誤差情報がモデルに蓄積されているた
め、モデルが変化後の制御対象状態に追従する速度に限
界があり、制御精度が高まらない問題がある。モデルの
修正量の比率を大きくすることにより、追従速度を高め
ることも考えられるが、制御誤差に対応した適切なモデ
ルの修正量を求めるのが困難な問題があり、モデルを修
正した結果、逆に制御精度が悪化する場合がある。第2
の方法では、同一の制御仕様が連続しており、毎回の制
御誤差に十分な相関がある場合には、これを補償できる
ため、有効な制御が行えるが、制御仕様や制御条件、制
御対象特性がその都度変化する場合には、それぞれの制
御誤差の対応が希薄なため、有効な指令値の補正が行え
ない場合がある。
【0004】本発明の課題は、制御仕様や条件が変動す
る制御対象に対してモデルベースの制御を行う場合に、
制御精度を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、所望の制御量と実績値の差分である第1の誤差(制
御誤差)と、操作量を算出するために制御モデルへ入力
した制御指令と実績値の差分である第2の誤差(モデル
誤差)を独立して算出し、さらに、次回の制御指令を第
1の誤差と第2の誤差を用いて補正する補正量算出手段
を設ける。第1の誤差は、要求される制御対象の仕様と
実際に得られた値の偏差に相当する。したがって、制御
条件が変化して大きな制御偏差が生じた場合でも、次回
以降の制御ではこの偏差を低減する方向に制御指令を補
償する。一方、第2の誤差は、制御モデルと実際の制御
対象の乖離度(モデル誤差)に相当する。次回の制御指
令を第2の制御誤差を低減する方向に修正することによ
り、モデル誤差を指令値の補正で補償する。このため、
モデルは一定水準の精度を備えているのと等価となり、
これに基づいて制御を行うことにより、制御仕様が変化
し、制御誤差の相関が希薄になる場合でも、制御精度が
向上する。また、誤差の情報は、制御モデルを含めた制
御系に蓄積されないため、直近の誤差のみに着目した指
令値を補正する。したがって、制御対象特性が種々の要
因で短期的に変化する場合でも、直近以外の偏差の情報
の影響を受けず、制御精度に悪影響を与えない制御とな
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。本発明の実施形態では、熱間圧延制
御対象を例に、その板幅方向の厚みの変化を制御する場
合を説明する。以下、板幅方向の厚みの変化量をクラウ
ンと称する。図1は、本発明の第1の実施形態を示す。
制御装置110は、操作量158により制御対象170
を制御し、制御結果として制御対象170に備えられた
クラウン計172からクラウンの実測値159を観測す
る。まず、制御対象170の構成を説明する。制御対象
170はステッケルミルの例であり、鋼板171をワー
クロール175により圧延して2mm〜10mm程度の
薄板を生産する。鋼板171は左右のコイラ174に巻
き取られつつ、数回往復することにより、厚板の状態か
ら徐々に薄くされる。鋼板171の板幅方向の厚み分布
は、バックアップロール176に与えられる曲げ力(以
下、ベンディング力と称する。)によって制御される。
本実施形態では、制御装置110から出力される操作量
158はベンディング力の目標値である。また、クラウ
ン計172は制御の結果得られた厚み分布(クラウン)
を検出し、実測値159として制御装置110に帰還さ
れる。ステッケルミルは鋼板171を順に次々と圧延す
るバッチプロセスである。
【0007】次に、制御装置110の構成を説明する。
制御装置110は、目標値(所望のクラウン量)に対応
した第1の制御指令150に対する補正量を算出し、ま
た、第1の制御指令150に補正量を加算した第2の制
御指令151を算出する補正量算出手段120と、第2
の制御指令151と制御モデル140から操作量を算出
する操作量算出手段130を備える。制御モデル140
は、ベンディング力とこの結果得られるクラウン量の関
係を記述しており、一例として下式のような代数式とな
る。 εh=B1・εH+B2・F+B3・P +B4CRW+B5CRB+B6 (数1) εh=Ch/hc (数2) εH=CH/Hc (数3) ただし CH:入側クラウン量,Ch:出側クラウン
量 Hc:入側板厚,hc:出側板厚 εh:出側クラウン比率,F:ベンディング量 P:ロールの圧下荷重,CRW:ワークロールクラウン CRB:バックアップロールクラウン B1〜B6:板厚,板幅,張力等により決定される変数 操作量算出手段130は、εH,P,CRW,CRBを
推定した上で、(数1)〜(数3)で与えられる値と出
側のクラウン量の関係から、所望のクラウンを実現する
ベンディング力Fの値を算出し、操作量158として出
力する。制御モデル140は、圧延仕様や条件、環境等
を考慮しているが、実際にはかなりの誤差を持ってい
る。制御モデル140に誤差があると、算出された操作
量158が不適切となり、所望のクラウンを実現できな
くなる。すなわち、クラウンの制御精度が低下する。補
正量算出手段120は、制御結果の不適切さと制御モデ
ルの不適切さに着目して、第1の制御指令150を適切
に補正することにより、第2の制御指令151を算出す
る。すなわち、補正量算出手段120は、制御対象17
0から観測した実測値159を用い、第1の制御指令1
50と実測値159の差分である第1の誤差152(制
御誤差)に第1のゲイン155を乗じて第1の補正量1
56を算出するとともに、第2の制御指令151と実測
値159の差分である第2の誤差153(モデル誤差)
に第2のゲイン154を乗じて第2の補正量157を算
出する機能を備える。ここで、Z演算子は前回の実測値
に変換する機能を有する。この場合の補正量157’で
あるΔは、例えば(数4)により記述される。 Δ=α・(Ce)n-1+η・(Cm)n-1 (数4) ただし (Ce)n-1:前回のコイルで観測された第1
の誤差 (Cm)n-1:前回のコイルで観測された第2の誤差 α:第1のゲイン,η:第2のゲイン 第2の制御指令151は、第1の制御指令150に補正
量Δ157’を加算した値となる。これまで述べたよう
に(数4)の右辺第1項(第1の補正量)は制御誤差と
対応し、第2項(第2の補正量)はモデル誤差と対応す
る。補正量算出手段120は、これらを分離して算出
し、次回の制御指令を所望の制御量に対応した指令に対
して制御誤差とモデル誤差を共に低減する方向に補正す
る。これにより、次回の制御において制御誤差を低減す
るとともに、制御仕様や制御条件が大きく変化した場合
でも、モデル誤差を補正した上でこれをベースにした第
2の制御指令151を算出し、制御結果が大きな偏差を
有している場合でも、次回以降は、この偏差を低減する
方向に第1の制御指令150を補正するので、制御精度
が大きく低下することはない。
【0008】図2は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態では、第2の誤差を前回の制御で算出された
値だけでなく、前々回以前の制御の結果も用いて算出す
る構成とする。すなわち、誤差ベクトル253は、前回
の第2の制御指令と対応する実測値の偏差に加え、同様
の演算により算出された前々回の第2の制御指令と実測
値の偏差、必要に応じてそれ以前の偏差も加味された情
報となっている。ベクトルは(数5)で表される。 ((Cm)n-1,(Cm)n-2,・・・) (数5) ただし、(Cm)n-i:iコイル前のコイルで観測され
た第2の誤差これとゲインベクトル254を用いて算出
される第2の補正量157であるCMは、 CM=ηn-1・(Cm)n-1+ηn-2・(Cm)n-2+・・・ (数6) により記述される。CMを第2の補正量157として用
いることにより、第1の実施形態では単一の制御機会で
得られたモデル誤差を用いて次回の制御に用いる指令値
を補正していたのに対し、本実施形態では、直近の複数
の制御で得られたモデル誤差を綜合した値で指令値を補
正する。算出されたモデル誤差にバラツキがある場合、
本実施形態に示した方式により、安定した指令値の補正
を行うことができる。ここで、本実施形態では、第2の
誤差253について前回の制御で算出された値だけでな
く、前々回以前の制御の結果も用いて算出する構成とし
たが、第1の誤差152についても同様の構成とし、第
1の補正量156を安定化できる。また、両者を並行し
て実施し、第1の補正量156と第2の補正量157を
共に安定化することもできる。
【0009】図3は、本発明の第3の実施形態を示す。
本実施形態では、ゲイン決定手段301を用いてゲイン
ベクトル254をオンラインで自動的に最適化する構成
とする。ゲインベクトル決定手段301は、誤差ベクト
ル253を取り込み、補正量算出に用いるゲインベクト
ル254を算出する。
【0010】図4に、ゲイン決定手段301が実行する
アルゴリズムを示す。本実施形態ではベクトルの要素数
が2の場合を例に説明するが、3以上の場合も同様の手
順で計算可能である。また、第1の実施形態で示した構
成においても、要素が1の場合と考えることにより、同
様の手順で第2のゲイン154を決定できる。まず、S
4−1で、誤差ベクトル(Cm)n−1,(Cm)n−
2,・・・を取り込み、その都度取り込んだ値を蓄積す
る。これによりゲイン決定手段301には、過去の誤差
ベクトル(Cm)n−1,(Cm)n−2,・・・が蓄
積されていることになる。次に、S4−2で,(Cm)
iをXi,(Cm)i−1をY1iとし、XiとY1i
のデータ列を生成する。これにより隣接したコイルで得
られた第2の制御誤差がデータ列として対応づけられた
ことになる。同様に、(Cm)iをXi,(Cm)i−
2をY2iとし、XiとY2iのデータ列を生成する。
これにより1つのコイルを間において隣接したコイルの
第2の制御誤差が対応したデータ列として構築できる。
次に、S4−3で、それぞれのデータ列を用いてXiと
Y1iおよびXiとY2iの相互相関係数Cov1,C
ov2を下式により算出する。 Cov1=Cov(X,Y1)/σX・σY1 (数7) Cov2=Cov(X,Y2)/σX・σY1 (数8) ただし、Cov(x,y)は、  ̄  ̄ Cov(x,y)=(1/n)Σ(xi−x)(yi−y) (数9) で表される。ここで、Cov1は、隣接したコイルの第
2の誤差の関連性の大きさを表し、Cov1が大きいこ
とは誤差の相関が大きいことを意味している。同様に、
Cov2の値が大きいことは、1本間をおいたコイルの
間にも第2の誤差に大きな相関があることを意味してい
る。相関が大きい場合には、第2の誤差と第2の補正量
を直接対応づけられる。逆に、相関が小さい場合には、
第2の誤差間の関連性は小さく、ゲインの値を大きくで
きないことを意味している。以上から、S4−4では、
Cov1,Cov2の値にしたがって、これに適当な定
数a1,a2を乗じた値をゲインベクトルの値に設定す
る。
【0011】図5に、実際のステッケルミルのクラウン
を制御する場合を例に、本発明を適用した制御系の構成
を示す。通常、ワークロール175を交換するタイミン
グに挟まれた複数の圧延をキャンペーンと称し、1つの
キャンペーンでコイル10本から20本程度の圧延が行
われる。第1の制御指令(所望のクラウン量)は上位制
御装置501から送られる。図5では、第2の補正量1
57であるΔが Δ=αn-1・(Ce)n-1+ηn-1・(Cm)n-1 +ηn-2・(Cm)n-2 (数10) とした場合を例に説明する。1本目のコイルに関しては
前回コイルの実績を利用して第1の制御指令を補正でき
ないので、制御装置110は制御指令値を受け取ると、
そのまま操作量算出手段130で操作量を算出し、制御
対象170に出力する。制御対象170から制御結果を
実測値として観測し、上位制御装置170から2本目の
制御指令を受信すると、制御装置110は2本目のコイ
ルのための第2の制御指令を(Ce)n−1と(Cm)
n−1を算出した上でそれぞれにαn−1とηn−1を
乗じて計算し、これにしたがって操作量であるベンディ
ング力を算出する。ただし、1本目のコイルの第1の制
御指令と第2の制御指令が同一のため、第1の誤差と第
2の誤差も同一となる。したがって、2本目のコイルに
関しては、(Ce)n−1と(Cm)n−1は同一とな
る。κ,γは補正量が過大になることを防止するための
リミッタである。3本目からは(数10)にしたがった
補正が可能になり、以下この補正演算がキャンペーン終
了まで繰り返される。ここで、3本目コイルの第1の制
御指令は現在の制御指令、2本目コイルの第1の制御指
令は前回の制御指令、1本目コイルの第1の制御指令は
前々回の制御指令に相当する。
【0012】図6に、本発明による制御結果の一例を示
す。本発明ではキャンペーンは10本のコイル(コイル
番号1〜10)で構成され、(a)には第1の制御指令
と第2の制御指令および実績値の関係を示す。また、
(b)には対応した制御誤差(第1の誤差)を示す。
(a)から実績値(40〜70μm程度)のクラウンが
第1の制御指令に対してやや大き目のため、全体的に第
1の制御指令を減じる方向に補正を加えて第2の制御指
令を構築する。この結果、(b)から明らかなように、
実績値は所望のクラウン値である第1の制御指令に対し
て、±10μm程度で制御され、良好な制御が行えてい
ることが確認できる。
【0013】図7は、本発明の第4の実施形態として、
制御指令値の補正処理を制御モデルのチューニングと共
存させた構成を示す。本実施形態において、新たに追加
されたモデルチューニング手段702は制御モデル14
0をモデル誤差が低減される方向にチューニングする。
また、モデル構築データ層別蓄積手段701は、操作量
と実測値を取り込み、これらをモデルチューニングの層
別毎に分類できる形態で蓄積する。前述した制御指令の
補正と本実施形態で示す制御モデル140のチューニン
グは、実行タイミング等を互いに関連づける必要はな
く、独立して実行する。本実施形態では、モデルチュー
ニングを蓄積された長期間のデータを用いて制御対象の
普遍的な特性変化を制御モデル140に反映させる働き
に用いる場合を説明する。本実施形態において、制御モ
デル140の定常偏差をロングレンジで低減させること
により、制御指令値の補正の効果を高めることができ
る。モデルチューニングを行うための、(数1)で記述
した制御モデル140は、例えば、(数11)の形に書
き直される。 εh=B1・εH+B2・F+B3・P +B4CRW+B5CRB+B6+δc (数11) ただし、δcは層別cのチューニング量
【0014】図8に、データ層別蓄積手段701の構成
例を示す。図8には、鋼種、製造板厚、板幅で制御モデ
ルを合わせ込むためのチューニング量を層別した例を示
すが、板長やスラブ厚、張力等を必要に応じて層別項目
にすることもできる。データとしては、(数11)で用
いる必要のある情報を蓄積すれば良い。
【0015】図9に、モデルチューニングのアルゴリズ
ムを示す。S9−1で、誤差の大きくなった層別を特定
する。誤差はデータ層別蓄積手段701で蓄積されたデ
ータのうち、実績クラウン以外をモデルに入力し、出力
クラウンを推定した上で実績クラウンと値を比較すれば
良い。特定の符号(同一符号の値)の誤差がある期間に
渡って連続する場合に、該当層別のモデル誤差が大きく
なったと判定し、モデルチューニングの演算を開始(起
動)する。次に、S9−2で、該当層別の誤差が大きく
なってから以後のデータを対象に、再度、実績クラウン
以外の情報をモデルに入力し、出力クラウンを推定す
る。S9−3で、出力クラウンの推定値と実測値の差分
のデータ列から、チューニング量δcを最尤推定する。
最尤推定法として最も簡単なのは、データ列を平均して
δcと対応づける手法であるが、精度を高めるために、
層別情報以外のデータの関数にすることもある。例え
ば、キャンペーン開始からの圧延長や圧延時間の関数に
することでδcの尤度を高め、この結果、モデルの合わ
せ込みの精度を高める手法である。S9−4では、得ら
れたδcの最尤値を用いてモデルを補正する。すなわ
ち、(数11)のδcを新たに算出された値に更新する
ことにより、モデルを現在の制御対象の特性に合わせ込
む処理を行う。本実施形態によれば、制御指令の補正に
加え、モデルの長期的な変化(例えば経年変化)に対し
てモデルそのもののチューニングにより追従できるの
で、制御モデルを長期間有効化できる。また、その都度
発生するモデル誤差については、制御指令の補正により
補償できる。以上により高精度な制御を長期間維持する
ことが可能となる。ここで、制御モデルのチューニング
手法としては、モデル誤差を平均する等の単純な手法の
ほかに、カルマンフィルタを用いる手法、ニューラルネ
ットを用いる手法等種々あり、その都度適切な手法を選
択すれば良い。
【0016】本発明の実施形態として、熱間圧延におけ
るステッケルミルを例に説明したが、モデルを用いて制
御指令を算出するバッチプラントであれば、同様の考え
方が広く適用できる。
【0017】本実施形態によれば、制御誤差とモデル誤
差を独立して算出し、これを共に低減する方向に次回の
制御指令値を補正する。このため、制御誤差に基づいた
補正により、偏差を低減する方向に次回の制御指令を補
正でき、上記偏差を低減した制御を行うことができる。
さらに、偏差の情報は制御モデルを含めた制御系に蓄積
されず、直近の偏差のみに着目した補正が可能となるた
め、制御対象特性が種々の要因で短期的に変化する場合
でも、直近以外の偏差情報の影響を受けず、制御精度に
悪影響を受けない制御が行うことができる。また、第2
の制御誤差は、制御モデルと実際の制御対象の乖離度
(モデル誤差)に相当する。そこで、次回の制御指令を
第2の制御誤差を低減する方向に修正することにより、
モデル誤差を補償した指令値の算出が可能になり、した
がって、モデルは一定水準の精度を備えているのと等価
となり、これに基づいた制御が可能となり、制御仕様が
変化し、制御誤差の相関が希薄になる場合でも、制御精
度を向上させることができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
制御仕様や条件が変動する制御対称に対してモデルベー
スの制御を行う場合に、制御精度が向上するという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す構成図
【図2】本発明の第2の実施形態を示す構成図
【図3】本発明の第3の実施形態を示す構成図
【図4】本発明のゲインをオンラインで算出する手法を
説明する図
【図5】本発明を実際のステッケルミル制御に適用した
場合の構成図
【図6】本発明を実際のステッケルミル制御に適用した
場合の制御結果を説明する図
【図7】本発明の第4の実施形態を示す構成図
【図8】モデルチューニング用のデータの蓄積形態を示
す図
【図9】モデルチューニングのアルゴリズムを説明する
【符号の説明】
110…制御装置、120…補正量算出手段、130…
操作量算出手段、140…制御モデル、170…制御対
象、158…操作量、159…実測値、301…ゲイン
決定手段、701…データ層別蓄積手段、702…モデ
ルチューニング手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21B 37/38 B21B 37/00 117B (72)発明者 井上 源樹 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか事業所内 (72)発明者 斎藤 裕 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか事業所内 Fターム(参考) 4E024 AA03 AA07 DD02 DD18 GG01 5H004 GA14 GB15 HA06 HB06 JA01 KC35 KD31 KD62 9A001 HH34 JJ49 KK32 KK54

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の入力と出力の関係を記述した
    制御モデルと、所望の制御量に対応した第1の制御指令
    に対してこれを適切化するための補正量を算出する補正
    量算出手段と、補正後の制御指令である第2の制御指令
    と制御モデルを用いて制御対象に出力するための操作量
    を算出する操作量算出手段を備えた制御装置において、
    前記補正量算出手段は、前記第1の制御指令と前記制御
    対象が現実に制御された結果として観測される実測値の
    差分を用いて第1の誤差を算出するとともに、前記第2
    の制御指令と前記実測値の差分を用いて第2の誤差を算
    出し、前記第1の誤差と前記第2の誤差から前記第1の
    制御指令の補正量を算出することを特徴とする制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第2の誤差と前
    記補正量の利得である補正ゲインの値を前記第2の誤差
    の時系列を用いて算出した相互相関係数の大きさを基に
    決定するゲイン決定手段を備えることを特徴とする制御
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
    制御モデルを前記制御対象に合わせ込む処理を行うモデ
    ルチューニング手段を備え、前記補正量算出手段の演算
    とモデルチューニング手段の演算を独立して実行すると
    ともに、前記第2の誤差が同一符号の値を連続して示し
    たことを起動タイミングにしてモデルチューニング手段
    の演算を実行することを特徴とする制御装置。
  4. 【請求項4】 制御対象の入力と出力の関係を記述した
    制御モデルを用いて制御対象を制御する制御方法におい
    て、所望の制御量に対応した第1の制御指令に補正量を
    加算することによつて第2の制御指令を算出し、実際の
    制御に用いる場合に、前記第1の制御指令と前記制御対
    象が現実に制御された結果として観測される実測値の差
    分を基に第1の制御誤差を算出し、前記第2の制御指令
    と前記実測値の差分を基に第2の制御誤差を算出し、前
    記第1の制御誤差と前記第2の制御誤差を用いて次回の
    前記第1の制御指令の補正量を算出することを特徴とす
    る制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、直近の第1の誤差と
    第2の誤差の両方もしくはどちらか一方を時系列に蓄
    え、前記補正量を蓄えられた誤差の値の関数として算出
    することを特徴とする制御方法。
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