JP2891898B2 - 制御装置 - Google Patents

制御装置

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JP2891898B2
JP2891898B2 JP7117214A JP11721495A JP2891898B2 JP 2891898 B2 JP2891898 B2 JP 2891898B2 JP 7117214 A JP7117214 A JP 7117214A JP 11721495 A JP11721495 A JP 11721495A JP 2891898 B2 JP2891898 B2 JP 2891898B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高さや位置の制御を行
うフィードバック制御系の制御装置に係り,例えば連続
圧延機において圧延材料のスタンド間張力およびルーパ
位置を制御するルーパ高さの制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高さや位置の制御を行うフィードバック
制御系の制御装置は広範囲な分野に応用されている。例
えば,図17に示すような連続圧延機においては,各ス
タンド間の被圧延材張力は製品,板厚,板幅,板形状精
度に及ぼす影響が大きく,種々の圧延外乱に対してこの
張力値を一定に制御することが要求される。このため,
各スタンド間にルーパが設置されている。瞬間的な張力
変動はこのルーパが動いて吸収するが,定常時の張力は
ルーパ高さ(ルーパ角度)で決まる。従って,圧延外乱
のもとで,いかにルーパ高さを設定位置の近傍に制御す
るかが重要な課題となる。従来の連続圧延機の制御装置
0’を図18に示す。図18において,各スタンド1,
1間の被圧延材2の張力が適切な値となるように,ルー
パ3にはルーパモータ4により適当なトルクが与えられ
ている。ルーパ高さは,ルーパ角度検出器5により検出
したルーパ位置とルーパ位置設定器6により設定された
ルーパ設定位置との偏差に基づき,ルーパ位置制御装置
7’におけるPIコントローラ7b’によって隣接スタ
ンドの圧延速度を修正するように制御される。即ち,P
Iコントローラ7b’によりミルモータ8の速度制御器
9に信号が送られ,各スタンド1,1間の被圧延材2の
長さを介してルーパ3の位置が安定にその設定位置に復
帰保持するようにフィードバック制御が実施されてい
る。この制御系のブロック線図を図19に示す。高さや
位置の制御を行うフィードバック制御系の制御装置には
同様の構成をとるものが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
連続圧延機の制御装置0’では,以下のような問題点が
あった。ルーパ系の応答特性はその周波数特性で一般に
表すことができるが,実際の操業状態,すなわち多種多
様な圧延材料や圧延中にも変化する圧延条件の下では,
ルーパ系の周波数特性は変動している。例えば,圧延材
料の特性によりルーパ系の共振周波数でのゲインピーク
値が変動したり,観測雑音の影響により高周波域でのゲ
インが大きくなったりする。従来装置0’におけるPI
制御では,比例動作要素(P)や積分動作要素(I)に
よるフィードバックゲインは,制御系(ルーパ高さ系)
の周波数特性の変動は考慮せずに,全周波数域において
一定の値であった。このため,制御系の周波数特性が変
動したときに,ルーパ高さが不安定になることがあっ
た。この問題点は同様の構成をとる高さや位置の制御を
行うフィードバック制御系の制御装置全般に共通するも
のであった。第1及び第の発明は,このような従来の
技術における課題を解決するために,制御装置を改良
し,制御系の周波数特性の変動の中で特に変動が大き
く,制御系の安定性に影響を与える減衰係数の変動を考
慮することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも優
れたルーパ高さ等の高さや位置制御を実現し得る制御装
置を提供することを目的(第1の目的)とするものであ
る。また,第の発明は,周波数特性の変動にあわせて
制御ゲインを自動調整することにより,応答特性がよ
く,且つ安定性にも優れたルーパ高さ等の高さや位置制
御を実現し得る制御装置を提供することを目的(第2の
目的)とするものである。一方,従来装置の制御ゲイン
チューニングは,トラブル(不安定現象)を恐れるあま
り,ゲインを下げることが中心となっていた。そのた
め,安定性の確保と引き換えに,速応性が犠牲になる場
合があった。第の発明は,安定性を確保できる範囲内
で制御ゲインをその増加をも含めて自動調整することに
より,応答特性がよく,且つ安定性にも優れた高さや位
置の制御を実現し得る制御装置を提供することを目的
(第3の目的)とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために第1の発明は,タンデム配置されたローラスタ
ンドにより圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの
位置を検出し,該検出データに基づいて上記スタンドの
ローラ速度を修正する制御系を具備した連続圧延機の制
御装置において,上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ
位置の検出データとに基づいて上記制御系の周波数特性
を表す伝達関数の減衰係数のみを演算する演算手段と,
上記演算手段により演算された減衰係数と,予め記憶さ
れた減衰係数の最大及び最小値とに基づいて補間演算を
行うことにより,上記制御系の制御ゲインを設定する制
御ゲイン設定手段とを具備してなることを特徴とする連
続圧延機の制御装置として構成されている。さらには,
上記伝達関数が2次遅れ要素とむだ時間要素とからなる
連続圧延機の制御装置である。さらには,上記制御系の
制御ゲインが比例動作要素と積分動作要素とからなる連
続圧延機の制御装置である。さらには,上記演算手段に
よる減衰係数の演算に逐次型最小二乗法を用いる連続圧
延機の制御装置である。また,第2の発明はタンデム配
置されたローラスタンドにより圧延される被圧延材に張
力を与えるルーパの位置を検出し,該検出データに基づ
いて上記スタンドのローラ速度を修正する制御系を具備
した連続圧延機の制御装置において,上記ルーパ位置の
検出データ中の加速度情報に基づいて該ルーパ位置の安
定度を演算する安定度演算手段と,上記ローラ速度の修
正量と上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上記制
御系の周波数特性を表す伝達関数の減衰係数のみを演算
るパラメータ演算手段と,上記安定度演算手段により
演算された安定度がしきい値を越えたときに,上記パ
メータ演算手段により演算された減衰係数と,予め記憶
された減衰係数と制御ゲインとの対応関係とに基づいて
補間演算を行うことにより,上記制御系の制御ゲインを
設定する制御ゲイン設定手段とを具備してなることを特
徴とする連続圧延機の制御装置である。
【0005】さらには,上記伝達関数が2次遅れ要素と
むだ時間要素とからなる連続圧延機の制御装置である。
さらには,上記制御系の制御ゲインが比例動作要素と積
分動作要素とからなる連続圧延機の制御装置である。さ
らには,上記パラメータ演算手段による減衰係数の演算
に逐次型最小二乗法を用いる連続圧延機の制御装置であ
記第2の目的を達成するために第の発明は,タ
ンデム配置されたローラスタンドにより圧延される被圧
延材に張力を与えるルーパの位置を検出し,該検出デー
タに基づいて上記スタンドのローラ速度を修正する制御
系を具備した連続圧延機の制御装置において,上記ルー
パ位置の検出データ中の加速度情報に基づいて該ルーパ
位置の安定度を演算する安定度演算手段と,上記ローラ
速度の修正量と上記ルーパ位置の検出データとに基づい
て上記制御系の周波数特性を表す伝達関数のパラメータ
を演算するパラメータ演算手段と,上記安定度演算手段
により演算された安定度がしきい値を越えたときに,上
記パラメータ演算手段により演算されたパラメータを用
いた上記伝達関数の動特性に基づいて上記制御系を適応
制御するように制御ゲインをオンラインで設定する制
ゲイン設定手段とを具備してなることを特徴とする連続
圧延機の制御装置として構成されている。
【0006】さらには,上記伝達関数の動特性が2次遅
れ要素とむだ時間要素とからなる連続圧延機の制御装置
である。さらには,上記制御系の制御ゲインが比例動作
要素と積分動作要素とからなる連続圧延機の制御装置で
ある。さらには,上記制御系がI−P制御系である連続
圧延機の制御装置である。さらには,上記パラメータ演
算手段による伝達関数のパラメータの演算に逐次型最小
二乗法を用いる連続圧延機の制御装置である。さらに
は,上記制御ゲイン設定手段による制御ゲインの設定に
部分的モデルマッチング法を用いる連続圧延機の制御装
置である。上記第3の目的を達成するために第の発明
は,制御対象に対する入出力データに基づいて該制御対
象を含む制御系の周波数特性を表す伝達関数のパラメー
タを演算するパラメータ演算手段と,上記パラメータ演
算手段により演算されたパラメータと,予め記憶された
パラメータと制御ゲインの対応関係に基づいて補間演算
を行うことによって,上記制御系の制御ゲインを設定す
る制御ゲイン設定手段と,上記制御ゲイン設定手段によ
り制御ゲインを設定する際の上記制御系のハンチング発
生による補間演算の頻度を演算する補間頻度演算手段
と,ハンチング発生前は作動せず,ハンチング発生後に
作動して上記補間頻度演算手段により演算された補間演
算の頻度に応じて上記パラメータと制御ゲインとの対応
関係を変化させる対応関係変化手段とを具備してなる制
御装置として構成されている。さらには,上記補間頻度
演算手段により演算された補間演算の頻度が所定の上限
値よりも小さいときは制御ゲインを大きくとり,該頻度
が所定の下限値よりも大きいときは制御ゲインを小さく
とるように,上記制御ゲイン設定手段による制御ゲイン
の設定を行う制御装置である。さらには,上記パラメー
タと制御ゲインとの対応関係を上記制御対象の種類ごと
に予めメモリに記憶しておく制御装置である。
【0007】
【作用】第1発明によれば,タンデム配置されたロー
ラスタンドにより圧延される被圧延材に張力を与えるル
ーパの位置を検出し,該検出データに基づいて上記スタ
ンドのローラ速度を修正する制御系により連続圧延機の
制御を行うに際し,上記ローラ速度の修正量と上記ルー
パ位置の検出データとに基づいて,上記制御系の周波数
特性を表す伝達関数の減衰係数のみが演算手段により
される。上記演算手段により演算された減衰係数と,
予め記憶された減衰係数の最大及び最小値とに基づいて
補間演算を行うことにより,上記制御系の制御ゲインが
制御ゲイン設定手段により設定される。このように,制
御系の周波数特性の変動の中で,特に変動が大きく,制
御系の安定制御に影響を与える減衰係数の変動を考慮す
ることにより,応答特性がよく,且つ安定性にも優れた
ルーパ高さ制御を実現することができる。第2の発明に
よれば,タンデム配置されたローラスタンドにより圧延
される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を検出し,
該検出データに基づいて上記スタンドのローラ速度を修
正する制御系により連続圧延機の制御を行うに際し,上
記ルーパ位置の検出データ中の加速度情報に基づいて,
該ルーパ位置の安定度が安定度演算手段により演算され
る。上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出デ
ータとに基づいて,上記制御系の周波数特性を表す伝達
関数の減衰係数のみがパラメータ演算手段により演算さ
れる。上記安定度演算手段により演算された安定度がし
きい値を越えたときに,上記パラメータ演算手段により
演算された減衰係数と,予め記憶された減衰係数と制御
ゲインとの対応関係とに基づいて補間演算を行うことに
より,上記制御系の制御ゲインが制御ゲイン設定手段に
より設定される。尚,上記安定度演算手段により演算さ
れた安定度が上記制御ゲイン設定手段により設定され
る。このように,制御系の周波数特性の変動により,制
御系の安定性が崩れた場合に,制御系の安定性に影響を
与える減衰係数の変動を考慮することにより,応答特性
がよく,且つ安定性にも優れたルーパ高さ制御を実現す
ることができる。
【0008】第3の発明によれば,タンデム配置された
ローラスタンドにより圧延される被圧延材に張力を与え
るルーパの位置を検出し,該検出データに基づいて上記
スタンドのローラ速度を修正する制御系により連続圧延
機の制御を行うに際し,上記ルーパ位置の検出データ
の加速度情報に基づいて,該ルーパ位置の安定度が安
度演算手段により演算される。上記ローラ速度の修正量
と上記ルーパ位置の検出データとに基づいて,上記制御
系の周波数特性を表す伝達関数のパラメータがパラメー
タ演算手段により演算される。上記安定度演算手段によ
り演算された安定度がしきい値を越えたときに,上記パ
ラメータ演算手段により演算されたパラメータを用いた
上記伝達関数の動特性に基づいて,上記制御系を適応制
御するように制御ゲインが制御ゲイン設定手段によりオ
ンラインで設定さる。尚,上記安定度演算手段により
演算された安定度がしきい値を超えないときは,予め記
憶された制御ゲインが上記制御ゲイン設定手段により設
定される。
【0009】このように,周波数特性の変動にあわせて
制御ゲインを自動調整することにより,応答特性がよ
く,且つ安定性にも優れたルーパ高さ等の高さや位置の
制御を実現することができるの発明によれば,制
御対象に対する入出力データに基づいて該制御対象を含
む制御系の周波数特性を表す伝達関数のパラメータがパ
ラメータ演算手段により演算される。上記パラメータ演
算手段により演算されたパラメータと,予め記憶された
パラメータと制御ゲインの対応関係に基づいて補間演算
することによって,上記制御系の制御ゲインが制御ゲイ
ン設定手段により設定される。上記制御ゲイン設定手段
により制御ゲインが設定される際の上記制御のハンチ
ング発生による補間演算の頻度が補間頻度演算手段によ
り演算される。ハンチング発生前は作動せず,ハンチン
グ発生後に作動して上記補間頻度演算手段により演算さ
れた補間演算の頻度に応じて上記パラメータと制御ゲイ
ンとの対応関係が対応関係変化手段により変化させられ
る。このように,安定性を確保できる範囲内で制御ゲイ
ンをその増加をも含めて自動調整することにより,応答
特性がよく,且つ安定性にも優れた高さや位置の制御を
実現することができる。
【0010】
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発明
の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここに,
図1は第1の発明の一実施例(第1の実施例)に係る連
続圧延機の制御装置0の概略構成を示す模式図,図2は
ルーパ位置制御装置7への入出力関係を示す説明図,図
3は制御装置0′及び0による各ルーパ角度の制御性能
を示す比較図,図4は第2の発明の一実施例(第2の実
施例)に係る連続圧延機の制御装置0x の概略構成を示
す模式図,図5はルーパ位置制御装置7x への入出力関
係を示す説明図,図6は制御装置0′及び0x による各
ルーパ角度の制御性能を示す比較図,図7は参考例(第
3の実施例)に係る制御装置10の概略構成を示す模式
図,図8は第の発明の一実施例(第4の実施例)に係
る連続圧延機の制御装置0y の概略構成を示す模式図,
図9はルーパ位置制御装置7y への入出力関係を示す説
明図,図10はI−P制御系のブロック線図,図11は
制御装置0y による動作手順を示すフロー図,図12は
制御装置0′及び0y による各ルーパ角度の制御性能を
示す比較図,図13は第の発明の一実施例(第5の実
施例)に係る制御装置20の概略構成を示す模式図,図
14はハンチング例を示す説明図,図15は補間制御の
効果を示す説明図,図16は変形例におけるパラメータ
の補間方法を示す説明図である。尚,前記図18に示し
た従来の連続圧延機の制御装置0′の一例における概略
構成を示す模式図と共通する要素には同一の符号を使用
する。
【0011】〈第1の発明〉 図1に示す如く,第1の発明の一実施例(第1の実施
例)に係る連続圧延機の制御装置0は,タンデム配置さ
れたロールスタンド1,1により圧延される被圧延材2
に張力を与えるルーパ3の位置をルーパ角度検出器5に
より検出し,この検出データに基づいてスタンド1,1
のローラ速度を修正する信号をミルモータ速度制御器9
に発する制御系を具備している点で従来例と同様であ
る。しかし,本第1の実施例では,上記ローラ速度の修
正量と上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上記制
御系の周波数特性を表す伝達関数の減衰係数のみを演算
するパラメータ推定装置7a(演算手段に相当)と,こ
のパラメータ推定装置7aにより演算された減衰係数と
予め記憶された減衰係数の最大及び最小値とに基づいて
補間演算を行うことにより,上記制御の制御ゲインを
設定する補間型PIコントローラ7b(制御ゲイン設定
手段に相当)とを具備している点で従来例と異なる。図
2は本第1の実施例の部分構成を示すブロック図であ
り,ルーパ位置を設定位置に制御する制御信号の流れを
示している。
【0012】以下,本第1の実施例装置0の動作とその
基本原理について図1,2 を参照しつつ説明する。図1
において,各スタンド1,1間の被圧延材2の張力が適
切な値となるように,ルーパ3にはルーパモータ4によ
り適当なトルクが与えられている。ルーパ高さは,ルー
パ角度検出器5により検出したルーパ位置とルーパ位置
設定器6により設定されたルーパ設定位置との偏差に基
づき,ルーパ位置制御装置7におけるパラメータ推定装
置7a及び補間型PIコントローラ7bによって隣接ス
タンドの圧延速度(ローラ速度に相当)を修正するよう
に制御される。ここで,本第1の発明の特徴をなすパラ
メータ推定装置7a及び補間型PIコントローラ7bに
ついて詳述する。 〔パラメータ推定装置7a〕 パラメータ推定装置7aでは,逐次型最小二乗法を用い
て,ミルモータ8の速度修正量とルーパ角度のオンライ
ンデータより減衰係数を演算する。例えば,鉄鋼の熱間
仕上げ圧延機の場合,実機データの解析により,上記制
御系(ルーパ高さ系)は2次遅れ+むだ時間という伝達
関数でモデル化できることがわかっている。この解析に
は周知のARMA解析を用いる。
【0013】ここに,ARMA解析とは,以下のような
手法をいう(相良 節夫ら著「システム同定」,計測自
動制御学会編参照)。即ち,制御対象を次式のような形
で表現し, y(k)+a1 y(k−1)+…+an y(k−n) =b1 u(k−1)+…+bm u(k−m)+e(k) 係数a1 ,〜an ,b1 〜bm を最小2乗法により算出
するモデル同定法のことである。ただし,y(・)は出
力,u(・)は入力,e(・)は白色ノイズ,kはステ
ップ数,n,mは任意の自然数である。
【0014】この解析を行うため,まずその伝達関数を
離散化して得られる次式で表す3つのパラメータを推定
した後,その推定値を用いて減衰係数を演算する。
【数1】
【数2】 ここに,p1,p2,p3は推定するパラメータ,y
〔・〕はルーパ角度,u〔・〕はミルモータの速度修正
量,kはステップ数,Lはむだ時間,Tはサンプリング
間隔,{・}はガウス記号,ζは減衰係数である。被圧
延材2が連続圧延機に達する前にあらかじめ,このパラ
メータ推定装置7aにより上記減衰係数の変動範囲を把
握し,減衰係数が最大および最小値をとった場合の上記
制御系の比例動作要素および積分動作要素のゲインを計
算し,図示しないメモリに記憶しておく。
【0015】〔補間型PIコントローラ7b〕 圧延中に上記パラメータ推定装置7aにより演算された
減衰係数と上記メモリに予め記憶しておいた減衰係数の
最大及び最小値に対応した比例動作要素および積分動作
要素のゲインを基に制御に用いる比例動作要素および積
分動作要素のゲインを演算し,ルーパ3の位置が設定位
置となるように必要なミルモータ8の速度修正量を演算
する。減衰係数が最大のときに対応する比例動作要素お
よび積分動作要素のゲインをKpmax,Kimax,
減衰係数が最小のときに対応する比例動作要素および積
分動作要素のゲインをそれぞれKpmin,Kimi
n,減衰係数の最大値をζmax,最小値ζmin,減
衰係数の推定値をζestとし,補間型PIコントロー
ラ7bの伝達関数を次式のように表す。
【数3】 この補間型PIコントローラ7bによりミルモータ8の
速度制御器9に修正信号が送られ,各スタンド1,1間
の被圧延材2の長さを介してルーパ3の位置が安定にそ
の設定位置に復帰保持するようにフィードバック制御が
実施される。以上の本第1の実施例装置0を用いてシミ
ュレーションを行った結果を次に示す。
【0016】図3は鉄鋼の熱間仕上げ連続圧延機を想定
したシミュレーション結果である。図中(a),(b)
は従来の制御装置0′によるものであるが,(c),
(d)は本第1の実施例装置0による制御性能を示して
いる。このように,本第1の実施例では,従来例に比べ
て制御系の特性が変動しても,安定性,応答性に優れた
制御性能が保たれることがわかる。その結果,本第1の
実施例によれば,圧延プロセスの動特性の変化に関係な
く常に制御系を安定に保ちかつ高速応答可能なルーパ制
御を実現しうる連続圧延機の制御装置を提供することが
でき,それにより製品の品質と歩留りを一層向上させる
ことができる。
【0017】〈第2の発明〉 上記第1の実施例では,安定な圧延状態でのルーパ位置
制御装置7への入出力信号のパワー不足による減衰係数
の推定精度への影響が考えられる。第2の発明(及び後
述する第の発明)はこの影響をなくすべく開発された
ものであり,以下第2の発明について述べる。図4に示
す如く,第2の発明の一実施例(第2実施例)に係る連
続圧延機の制御装置0x は,タンデム配置されたローラ
スタンド1,1により圧延される被圧延材2に張力を与
えるルーパ3の位置をルーパ角度検出器5により検出
し,この検出データに基づいてスタンド1,1のローラ
速度を修正する信号をミルモータ8の速度制御器9に発
する制御系を具備している点で従来例と同様である。し
かし,本第2の実施例では,上記ルーパ位置の検出デー
中の加速度情報に基づいて上記ルーパ位置の安定度を
演算する安定度演算装置7ax (安定度演算手段に相
当)と,上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検
出データとに基づいて上記制御系の周波数特性を表す
達関数の減衰係数のみを演算するパラメータ推定装置7
x (パラメータ演算手段に相当)と,上記安定度演算
装置7ax により演算された安定度がしきい値を超えた
ときに上記パラメータ推定装置7bx により演算された
減衰係数と,予め記憶された複数個の減衰係数に対応す
る複数個の制御ゲインのテーブル(減衰係数と制御ゲイ
ンとの対応関係に相当)とに基づいて補正演算を行うこ
とにより,上記制御系の制御ゲインを設定する補間型P
Iコントローラ7cx (制御ゲイン設定手段に相当)と
を具備している点で従来例と異なる。
【0018】図5は本第2の実施例の部分構成を示すブ
ロック図であり,ルーパ位置を設定位置に制御する制御
信号の流れを示している。以下,本第2の実施例装置0
x の動作とその基本原理について図4,5を参照しつつ
説明する。図4において,各スタンド1,1間の被圧延
材2の張力が適切な値となるように,ルーパ3にはルー
パモータ4により適当なトルクが与えられている。ルー
パ高さは,ルーパ角度検出器5により検出したルーパ位
置と,ルーパ位置設定器6により設定されたルーパ設定
位置との偏差に基づき,ルーパ位置制御装置7x におけ
る安定度演算装置7ax ,パラメータ推定装置7bx
び補間型PIコントローラ7cx によって隣接スタンド
の圧延速度(ローラ速度に相当)を修正するように制御
される。ここで,本第2の発明の特徴をなす安定度演算
装置7ax ,パラメータ推定装置7bx 及び補間型PI
コントローラ7cx について詳述する。
【0019】[安定度演算装置7ax ] 安定度演算装置7ax では,次式を用いて上記ルーパ角
度(ルーパ位置に相当)の安定度を演算する。
【数4】 ここに,J〔・〕はルーパ角度の安定度,y〔・〕はル
ーパ角度,kはステップ数,λは忘却係数,‖・‖は絶
対値である。この指標は,ルーパ角度の加速度の大きさ
の積分に相当する。このように加速度情報を用いるの
は,ルーパ角度の変動の中からバイアス及び緩やかなト
レンドを無視し,振動的な成分のみを抽出するためであ
る。上記安定度演算装置7ax の演算結果がしきい値よ
りも小さければ,制御系は安定であるとみなし,予め記
憶された静的な制御ゲインが設定され,しきい値以上な
らば,上記パラメータ推定装置7bx により演算された
減衰係数と,予め記憶された複数個の減衰係数に対応す
る複数個の制御ゲインのテーブルとに基づいて上記制御
系の制御ゲインが動的に設定される。
【0020】[パラメータ推定装置7bx ] パラメータ推定装置7bx では,逐次型最小二乗法を用
いて,ミルモータ8の速度修正量とルーパ角度のオンラ
インデータとより減衰係数を演算する。例えば,鉄鋼の
熱間仕上圧延機の場合,実機データの解析により,上記
制御系(ルーパ高さ系)は2次遅れ+むだ時間という伝
達関数でモデル化できることが判っている。この解析に
は前記ARMA解析を用いる。このため,先ずその伝達
関数を離散化して得られる次式で表す3つのパラメータ
を推定した後,その推定値を用いて減衰係数を演算す
る。
【数5】
【数6】
【0021】ここに,p1 ,p2 ,p3 は推定するパラ
メータy〔・〕はルーパ角度,u〔・〕はミルモータの
速度修正量,kはステップ数,Lは無駄時間,Tはサン
プリング間隔,{・}はガウス記号,ζは減衰係数であ
る。被圧延材2が連続圧延機に達する前に予め,このパ
ラメータ推定装置7bx により上記減衰係数の変動範囲
を把握し,減衰係数がその変動範囲内のいくつかの値を
とった場合の上記制御系の比例動作要素及び積分動作要
素の制御ゲインを計算しテーブルとして,図示しないメ
モリに記憶しておく。 [補間型PIコントローラ7cx ] 圧延中に上記安定度演算装置7ax により演算された安
定度がしきい値未満ならば,予め記憶しておいた静的な
比例動作要素及び積分動作要素の制御ゲインを制御に用
い,ルーパ3の位置が設定位置となるように必要なミル
モータ8の速度修正量を演算する。また,上記安定度が
しきい値以上ならば,上記パラメータメータ推定装置7
x により演算された減衰係数と,上記メモリに予め記
憶しておいたテーブルの比例動作要素及び積分動作要素
の制御ゲインを基にして制御に用いる比例動作要素及び
積分動作要素の動作を線形補間により演算し,ルーパ3
の位置が設定位置となるように必要なミルモータ8の速
度修正量を演算する。この補間型PIコントローラ7c
x によりミルモータ8の速度制御器9に修正信号が送ら
れ,各スタンド1,1間の被圧延材2の長さを介してル
ーパ3の位置が安定にその設定位置に復帰保持するよう
にフィードバック制御が実施される。
【0022】以上のような本第2の実施例装置0x を用
いてシミュレーションを行った結果を次に示す。図6は
鉄鋼の熱間仕上げ連続圧延機を想定したシミュレーショ
ン結果である。同図中,(b),(d)は従来の制御装
置0′によるものであるが,(a),(c)は本第2の
実施例装置0x による制御性能を示している。このよう
に本第2の実施例では,従来例に比べて制御系の特性が
変動しても,安定性,応答性に優れた制御性能が保たれ
ることがわかる。即ち,本第2の実施例では,安定度を
計算し,この安定度に応じて制御法を切り替えるため,
入出力信号の安定な圧延で起こる減衰係数の精度不良
(安定な圧延では,信号のパワー不足のため正確なパラ
メータ推定ができないことがある。)による不安定化を
回避できると共に,複数個の減衰係数に対応するゲイン
テーブルを持つことにより,制御ゲインをきめ細かく設
定できる。その結果,本第2の実施例によれば,圧延プ
ロセスの動特性の変化に関係なく,常に制御系を安定に
保ち,かつ高速応答可能なルーパ制御を実現しうる連続
圧延機の制御装置を提供することができ,それにより製
品の品質と歩留りを一層向上させることができる。
【0023】〈参考例〉 上記第1,第2の実施例はいずれも連続圧延機の制御装
置についての例示であるが,さらに高さや位置の制御を
行うフィードバック制御装置には同様の構成をとるもの
が多い。参考例はそのような制御装置についてなされた
ものであり,以下この参考例について述べる。図7に示
す如く,参考例(第3の実施例)に係る制御装置10
は,制御対象11を含む制御系の周波数特性を表す伝達
関数のパラメータを演算するパラメータ推定装置1
,上記パラメータ推定装置12により演算されたパラ
メータと,予め記憶された減衰係数等のパラメータと制
御ゲインとの対応関係を表すテーブルとに基づいて補間
演算を行うことにより,上記制御系の制御ゲインを設定
する補間型PIコントローラ13とより構成されてい
る。本第3の実施例装置10の動作とその基本原理につ
いては上記第1,第2の実施例装置0,0x と同様であ
る。従って,本第3の実施例によれば制御系の周波数特
性の変動の中で特に変動が大きく,制御系の安定性に影
響を与えるパラメータの変動を考慮することにより,応
答特性がよく,且つ安定性にも優れたルーパ高さ等の高
さや位置の制御を実現することができる。
【0024】〈第の発明〉 上記第1〜第3の実施例では,いずれも予め記憶された
複数個の減衰係数を線形補間することにより,制御ゲイ
ンを設定するいわゆる補間制御を行っている。これに対
し,第の発明では,周知の適応制御技術を応用して制
御ゲインを設定する。以下第の発明について述べる。
図8に示す如く,第の発明の一実施例(第4の実施
例)に係る連続圧延機の制御装置0y は,タンデム配置
されたローラスタンド1,1により圧延される被圧延材
2に張力を与えるルーパ3の位置をルーパ角度検出器5
により検出し,この検出データに基づいてスタンド1,
1のローラ速度を修正する信号をミルモータ8の速度制
御器9に発する制御系を具備している点で従来例と同様
である。しかし,本第4の実施例では,上記ルーパ位置
の検出データ中の加速度情報に基づいて上記ルーパ位置
の安定度を演算する安定度演算装置7ay (安定度演算
手段に相当)と,上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ
位置の検出データとに基づいて上記制御系の周波数特性
を表す伝達関数のパラメータを演算するパラメータ推定
装置7by (パラメータ演算手段に相当)と,上記安定
度演算装置7ax により演算された安定度がしきい値を
超えたときに,上記パラメータ推定装置7byにより演
算されたパラメータを用いた伝達関数の動特性に基づい
て上記制御系の制御ゲインをオンラインで設定する適応
コントローラ7cy (制御ゲイン設定手段に相当)とを
具備している点で従来例と異なる。さらに,制御ゲイン
の設定にはいわゆる部分的モデルマッチング法を用いる
こととしてもよく,この点でも従来例と異なる。
【0025】図9は本第4の実施例の部分構成を示すブ
ロック図であり,ルーパ位置を設定位置に制御する制御
信号の流れを示している。以下,本第4の実施例装置0
y の動作とその基本原理について図8,9を参照しつつ
説明する。図8において,各スタンド1,1間の被圧延
材2の張力が適切な値となるように,ルーパ3にはルー
パモータ4により適当なトルクが与えられている。ルー
パ高さは,ルーパ角度検出器5により検出したルーパ位
置とルーパ位置設定器6により設定されたルーパ設定位
置との偏差に基づき,ルーパ位置制御装置7y における
安定度演算装置7ay ,パラメータ推定装置7by 及び
適応コントローラ7cy によって隣接スタンドの圧延速
度(ローラ速度に相当)を修正するように制御される。
ここで,本第の発明の特徴をなす安定度演算装置7a
y ,パラメータ推定装置7by 及び適応コントローラ7
y について詳述する。
【0026】[安定度演算装置7ay ] 安定度演算装置7ay では,次式を用いて上記ルーパ角
度(ルーパ位置に相当)の安定度を演算する。
【数7】 ここに,J〔・〕はルーパ角度の安定度,y〔・〕はル
ーパ角度,kはステップ数,λは忘却関数‖・‖は絶対
値である。この指標は,ルーパ角度の加速度の大きさの
積分に相当する。このように加速度情報を用いるのは,
ルーパ角度の変動の中からバイアス及び緩やかなトレン
ドを無視し,振動的な成分のみを抽出するためである。
上記安定度演算装置7ay の演算結果がしきい値より小
さければ,制御系は安定であるとみなし,予め記憶され
た静的な制御ゲインが設定され,しきい値以上ならば,
上記パラメータ推定装置7by により演算された伝達関
数に基づいて上記制御系の制御ゲインが動的に設定され
る。即ち,安定度演算装置7ay は上記第2の実施例に
おける安定度演算装置7ax と同様の動作を行う。
【0027】[パラメータ推定装置7by ] パラメータ推定装置7by では,逐次型最小二乗法を用
いて,ミルモータ8の速度修正量とルーパ角度のオンラ
インデータとよりこれらのデータ間の伝達関数のパラメ
ータを演算する。例えば,鉄鋼の熱間仕上げ圧延機の場
合,実機データの解析により,上記制御系(ルーパ高さ
系)は2次遅れ+むだ時間という伝達関数でモデル化で
きることがわかっており,むだ時間は一定と考えてよい
ので2次遅れ部分のパラメータである減衰係数,共振周
波数及び定常ゲインを推定することになる。この解析に
も前記ARMA解析を用いる。このため,まずその伝達
関数を離散化して得られる次式で表す3つのパラメータ
を推定し,その後それらの推定値を用いて減衰係数,共
振周波数及び定常ゲインを演算する。
【数8】
【数9】
【0028】
【数10】
【数11】 ここに,p1,p2,p3は推定するパラメータ,y
〔・〕はルーパ角度,u〔・〕はミルモータの速度修正
量,kはステップ数,Lはむだ時間,Tはサンプリング
間隔,{・}はガウス記号,ζは減衰係数,wn は共振
周波数,k1 は定常ゲインである。 [適応コントローラ7cy ] 圧延中に上記安定度演算装置7ay により演算された安
定度がしきい値未満ならば,予め記憶しておいた静的な
比例動作要素及び積分要素の制御ゲインを制御に用い,
ルーパ3の位置が設定位置となるように必要なミルモー
タ8の速度修正量を演算する。また,上記安定度がしき
い値以上ならば上記パラメータ推定装置7by により演
算された伝達関数のパラメータと周知の部分的モデルマ
ッチング法を用いて決定したI−Pコントローラの比例
動作要素及び積分動作要素の制御ゲインを制御に用い,
ルーパ3の位置が設定位置となるように必要なミルモー
タ8の速度修正量を演算する。
【0029】ここに,部分的モデルマッチング法とは以
下の手法をいう(北森 俊行著「制御系の設計」,オー
ム社出版参照)。 (1)制御対象をインパルス応答のモーメント系列で表
現した時,低次のモーメントは応答曲線の形状を決める
のに支配的な役割を果たしている。 (2)制御対象の伝達関数の逆数を演算子S=0まわり
で Maclaurin展開して次式で表すと,i次までのモーメ
ントに含まれる情報は全てパラメータC0 ,…Ci に含
まれる。
【数12】 (3)部分的モデルマッチング法は上記性質を利用し,
対象とする制御系のパラメータC0 ,…Ci を望ましい
値(例えば{1,1,0.5,0.15,…}が望まし
いといわれている。)にマッチングさせる。つまり低次
モーメントだけを望ましい値に調整しようというもので
ある。 (4)この部分的モデルマッチング法によれば,制御対
象の完全な知識を使っているわけではないので,モデル
化に失敗することもあるが,制御対象の次数に依存せ
ず,制御ゲインを解析的に求めることができる。
【0030】上記適応コントローラ7cy の構造は常に
図10に示すような形となり,制御ゲインだけが変化す
る。この適応コントローラ7cy によりミルモータ8の
速度制御器9に修正信号が送られ,各スタンド1,1間
の被圧延材2の長さを介してルーパ3の位置が安定にそ
の設定位置に復帰保持するようにフィードバック制御が
実施される。この動作のフローを図11に示した。以上
のような本第4の実施例装置0y を用いてシミュレーシ
ョンを行った結果を図12に示す。図12は鉄鋼の熱間
仕上げ連続圧延機を想定したシミュレーション結果であ
る。同図中,(a)は従来の制御装置0′によるもので
あるが,(b)は本第4の実施例装置0y による制御性
能を示している。このように本第4の実施例では,従来
例に比べて制御系の特性が変動しても,安定性,応答性
に優れた制御性能が保たれることがわかる。
【0031】即ち,本第4の実施例では,安定度を計算
し,安定度に応じて制御法を切り替えるため,入出力信
号の安定な圧延で起こる伝達関数のパラメータの精度不
良(安定な圧延では,信号のパワー不足のため正確なパ
ラメータ推定ができないことがある。)による不安定化
を回避できる。この点は上記第2の実施例と同様であ
る。また,制御系の周波数特性の変動により,制御系の
安定性が崩れた場合に,制御系の伝達関数を動的に考慮
する適応制御を行うことにより,応答特性がよく,且つ
安定性にも優れたルーパ高さ制御を実現することができ
る。その結果,本第4の実施例によれば,圧延プロセス
の動特性の変化に関係なく,常に制御系を安定に保ち,
かつ高速応答可能なルーパ制御を実現しうる連続圧延機
の制御装置を提供することができ,それにより製品の品
質と歩留りを一層向上させることができる。 〈第の発明〉 上記第1〜第3の実施例では補間制御を用い,上記第4
の実施例では適応制御を用いている。この内,適応制御
は,システムの特性をオンラインで正確に把握すること
が前提になっているが,オンライン化が困難な場合は,
制御性能がかえって悪化するため,そのような場合に
は,補間制御の方が望ましい。
【0032】即ち,補間制御は理論的な完全さを多少犠
牲にして実施の簡便さをはかったものである。ただし,
「理論的完全さの犠牲」とはいっても、それは実用に耐
えうる程度である。通常,この補間制御は制御の基準的
なゲインは予め与えられているものとの前提にたってい
る。しかし,制御対象の特性変化等を考慮すれば,制御
ゲインは定期的に調整する必要がある。この点に着目し
てなされたのが第の発明であり,以下第の発明につ
いて述べる。図13に示す如く,第の発明の一実施例
(第5の実施例)に係る制御装置20は,制御対象21
に対する入出力データに基づいて該制御対象21を含む
制御系の周波数特性を表す伝達関数のパラメータを演算
するパラメータ推定装置22(パラメータ演算手段に相
当)と,上記パラメータ推定装置22により演算された
パラメータと,予め記憶されたパラメータと制御ゲイン
との対応関係を表すテーブルとに基づいて補間演算する
ことによって上記制御系の制御ゲインを設定する補間型
PIコントローラ23(制御ゲイン設定手段に相当)
と,上記補間型PIコントローラ23により制御ゲイン
を設定する際の上記制御系のハンチング発生による補間
演算の頻度を演算する補間頻度演算装置24(補間頻度
演算手段に相当)と,ハンチング発生前は作動せず,ハ
ンチング発生後に作動して上記補間頻度演算算装置24
により演算された補間演算の頻度に応じて上記テーブル
の記憶内容を変化させるテーブル記憶内容変更装置25
(対応関係変化手段に相当)とから構成されている。
【0033】以下,本第5の実施例装置の動作とその基
本原理について詳述する。尚,ここでは連続圧延機の制
御を例にとって説明するが,前述の如く,本第5の実施
例装置は高さや位置の制御を行うフィードバック制御系
の制御装置であれば連続圧延機の制御以外にも適用可能
である。一般にPIコントローラの制御ゲインは,
(1)応答の即応性の観点からは高い方が好ましい。
(2)制御ゲインを高くすると安定性がそこなわれる。
という二つの競合する基準を考慮して決定する必要があ
る。ルーパ位置の制御系の制御ゲイン決定で難しいの
は,被圧延材である一本のコイルの圧延中であっても,
材料性質,環境条件(板温度,板成分,圧延速度など)
によってプロセスの特性が変動することである。そのた
め,圧延最中で,コントローラの制御ゲインが相対的に
高くなりすぎ,突然ルーパ位置の制御系が不安定とな
り,図14(a)に示すようにルーパがハンチングと呼
ばれる振動的を挙動を始めることがある。このハンチン
グ発生により,図14(b)に示すようにパラメータ推
定値も変動する。同図中のJは前記(4)式の安定度,
1 ,p2,p3 は前記(1),(5)式の推定パラメ
ータである。このような不安定現象が生じると,一般的
にはコントローラの制御ゲインを下げることになる。し
かし,かかるゲイン調整は,制御ゲインを下げる方向に
のみ行われるため,全体的に制御ゲインが小さくなる一
方であり,速応性が劣化するという問題が生じる。
【0034】ここで制御ゲインの適切なューニングに
は以下の二点が必須である。 (1)対象プロセスの正確なモデル (2)ゲイン調整のための規範そしてゲインチューニン
グ方法として従来,例えば,次のような方法が用いられ
ていた。 (1)ゲイン調整規範として,予め好ましい規範モデル
を設定する(例えば,極の位置など)。 (2)制御対象のモデルをオンラインで同定し,制御系
が規範モデルに一致する(例えば,極が予め決められた
位置になる)ように制御系のパラメータを調整する。こ
のような方法は,実用的には,以下のような問題点があ
る。 (1)対象プロセスのモデルを同定するには,十分なパ
ワーを持った周波数を十分な数だけ含む信号を制御系に
入力する必要がある(sufficient rich 条件)。しか
し,実際の操業において,定常状態ではsufficient ric
h な入力信号を得られず,同定用にわざわざ入力するこ
ともできない。操業の外乱になるからである。従って,
精度のよいプロセスモデルを常時確保するのは難しい。
【0035】(2)制御系に加わる外乱は,システム同
定にとっても外乱となる。システム同定の安定性と速応
性もまたトレードオフの関係にあり,制御ゲインの調整
に加え,新たな調整問題が生じる。 (3)システム同定の過渡状態において,制御ゲインも
過渡的に変化するが,そのような過渡状態における安定
性の確保の保証が難しい。過渡状態は,操業にとっては
外乱となるからである。 (4)規範モデルの選び方によっては,制御器の次数が
高くなり,設計,調整が難しくなり,計算における安定
性の確保が難しくなる。例えば,よりrichな入力信号が
必要になる,外乱に弱くなるなどとなる。このような問
題点を考慮し,実現しやすさと適応機能のバランスをと
った手法が上記第1〜第3の実施例におけるような補間
制御である。ここでは, (1)予め代表的な制御パラメータを複数の状況に対し
てテーブルとして用意しておく。 (2)現在の状況が,上記テーブル中のどの状況に類似
しているかを判断し,適切な制御パラメータを選択す
る。あるいは,複数の制御パラメータを,類似度合いに
応じて補間する。
【0036】従って,これらの方法には,以下のような
利点がある。 (1)システム同定誤差により,制御パラメータが過剰
に乱れるのを防げる(予め用意された制御パラメータの
範囲内でのみ決定される)。 (2)対象モデルの全てのパラメータを同定するわけで
はないので,同定すべき変数の数がへり,従って推定精
度,推定の安定性も向上する。しかし,問題点として
は, (3)過渡状態(制御パラメータが変化している最中)
における,制御系全体の特性は一定ではない。ただし,
この問題点は,過渡状態は時間的に短いため,それほど
重要なものではない。また,上記補間制御の効果は,
「ハンチングが起こる初期の段階で,制御ゲインを自動
的に弱くし,ハンチングを押さえる」ことにある。その
効果を図15に示す。補間PI制御では,図15(a)
に示すように,ほぼハンチングを初期段階で押さえてい
るため,人間の目にはほとんどハンチングとは気付かな
い程度になっている。これに対し,従来のPI制御で
は,図15(b)に示すように,大きなハンチングが見
られる。
【0037】このようなゲインを下げる一方のゲイン調
整方法を改善すべく,上記補間制御をベースにゲインを
高めていく点が,本第の発明の特徴をなす。本第
発明の概要は,直観的には,以下のように説明できる。 (1)制御ゲインが高すぎてハンチングが起こりかける
と補間制御が作動し,それを押さえてくれるので,安心
して制御ゲインをあげられる。 (2)しかし,頻繁に補間制御が作動するのは,制御ゲ
インが高すぎるということである。 (3)そこで,各鋼種(例えば,仕上げ厚み,幅,強度
でコイルを分類している)毎に,どれくらいの頻度で補
間制御が作動したかを監視する。 (4)もし,現時点で作動頻度が,所定のしきい値より
低ければ,ある比率で制御ゲインをあげる。逆に,作動
頻度が,所定のしきい値より高ければ,ある頻度で制御
ゲインを下げる。ここで,コントローラの伝達関数が, Kp(1+(1/Ti)(1/s)) で与えられるとする(PI制御)。ここで,Kp,Ti
は制御パラメータである。ここでのゲインチューニング
は,Kpにある定数g,hを乗じることにより決定す
る。
【0038】(1)今,鋼種毎の基準ゲイン(通常時に
用いるゲイン)Kp,Tiが与えられているとする。 (2)また, g=1.05 h=1/g と決められているとする。 (3)過去1か月(パラメータx1)における補間動作
の作動頻度をrとする。この作動頻度rの値は,自動的
に計算される。この時,以下のロジックで制御ゲインを
チューニングする。 (1)もし,作動頻度rが5%(パラメータX2)以下
であれば,基準ゲインKpに定数gを乗じる。 (2)もし,作動頻度rが10%(パラメータX3)以
上であれば,基準ゲインKpに定数hを乗じる。このよ
うなチューニングを一週間(パラメータX4)に一度行
う。ここで,以下のパラメータは,状況に応じてユーザ
が調整するものとする。 (1)制御ゲインの増加・現象を行う定数g,h (2)補間制御の作動を計算するデータの範囲を決定す
るパラメータX1 (3)制御ゲインの増加,現象のトリガーとなる作動頻
度rのしきい値パラメータX2,X3 (4)調整の間隔を決定するパラメータX4
【0039】このように,本第5の実施例よれば,安定
性を確保できる範囲内で制御ゲインをその増加をも含め
て自動調整することにより,応答特性がよく,且つ安定
性にも優れた高さや位置の制御を実現することができ
る。 〈変形例〉 上記第1,2,3及び5の実施例では,いずれもベース
となるコントローラはPI型のコントローラを用いてい
るが,この代わりにPID型のコントローラを用いても
よい。以下,そのような変形例について略述する。今,
コントローラの伝達関数が, Kp(1+(1/Ti)(1/s)+Tds) で与えられるとする(PID制御)。ここで,KpはP
IDゲイン,Tiは積分時定数,Tdは微分時定数であ
り,それらを複数組用意する。例えば,ここでは次の2
組を用意する。 セット1:PS1=(Kp1 ,Ti1 ,Td1 ) セット2:PS2=(Kp2 ,Ti2 ,Td2 ) このうち,セット1(PS1)を通常使用する制御ゲイ
ンとし,セット2(PS2)はセット1(PS1)のP
IDゲインを50%減じたもの(Kp2 =0.5K
1 )とする。
【0040】そして,ハンチング発生時には制御ゲイン
をセット1(PS1)からセット2(PS2)に切り替
えればよい。また補間制御は次のように行うこととすれ
ばよい。このときは,PIDゲインを,次式で与える。 Kp^=(1−γ)Kp1 +γKp2 ,(0<γ<1) …(8) ここに,Kp^はPIDゲインの補間演算値,γは正常
状態とハンチング状態への移行度合を表すパラメータで
ある。上記1,2,3及び5の実施例では,制御パラメ
ータをシステム同定結果に基づいて決定していたが,こ
のパラメータγの決定においては必ずしもその必要はな
い。例えば,このパラメータγは前記(4)式の安定度
Jに基づいて決定することもできる。即ち,図16に示
すように安定度Jの値に対してパラメータγを決定し,
それにより上記(8)式を用いてPIDゲインを補間演
算することができる。以上のように,いずれの実施例に
おいても,制御系の動特性の変化に関係なく,常に該制
御系を安定に保ち,かつ高速応答可能な高さや位置の制
御を実現することができる。
【0041】
【発明の効果】第1〜第の発明に係る制御装置は,上
記したように構成されているため,いずれも制御系の動
特性の変化に関係なく,常に該制御系を安定に保ち,か
つ高速応答可能な高さや位置の制御を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の発明の一実施例(第1の実施例)に係
る連続圧延機の制御装置0の概略構成を示す模式図。
【図2】 ルーパ位置制御装置7への入出力関係を示す
説明図。
【図3】 制御装置0′及び0による各ルーパ角度の制
御性能を示す比較図。
【図4】 第2の発明の一実施例(第2の実施例)に係
る連続圧延機の制御装置0x の概略構成を示す模式図。
【図5】 ルーパ位置制御装置7x への入出力関係を示
す説明図。
【図6】 制御装置0′及び0x による各ルーパ角度の
制御性能を示す比較図。
【図7】 参考例(第3の実施例)に係る制御装置10
の概略構成を示す模式図。
【図8】 第の発明の一実施例(第4の実施例)に係
る連続圧延機の制御装置0y の概略構成を示す模式図。
【図9】 ルーパ位置制御装置7y への入出力関係を示
す説明図。
【図10】 I−P制御系のブロック線図。
【図11】 制御装置0y による動作手順を示すフロー
図。
【図12】 制御装置0′及び0y による各ルーパ角度
の制御性能を示す比較図。
【図13】 第の発明の一実施例(第5の実施例)に
係る制御装置20の概略構成を示す模式図。
【図14】 ハンチング例を示す説明図。
【図15】 補間制御の効果を示す説明図。
【図16】 変形例におけるパラメータ補間方法を示す
説明図。
【図17】 ルーパ設備の概略構成図。
【図18】 従来の連続圧延機の制御装置0′の一例に
おける概略構成を示す模式図。
【図19】 PIコントローラのブロック線図。
【符号の説明】
0…第1の発明に係る連続圧延機の制御装置 1…ロールスタンド 2…被圧延材 3…ルーパ 7a…パラメータ推定装置(演算手段に相当) 7b…補間型PIコントローラ(制御ゲイン設定手段に
相当) 0x …第2の発明に係る連続圧延機の制御装置 7ax …安定度演算装置(安定度演算手段に相当) 7bx …パラメータ推定装置(パラメータ演算手段に相
当) 7cx …補間型PIコントローラ(制御ゲイン設定手段
に相当) 0x …第2の発明に係る連続圧延機の制御装置 7ax …安定度演算装置(安定度演算手段に相当) 7bx …パラメータ推定装置(パラメータ演算手段に相
当) 7cx …補間型PIコントローラ(制御ゲイン設定手段
に相当) 10…参考例に係る制御装置 11…制御対象 12…パラメータ推定装 3…補間型PIコントロー y …第の発明に係る連続圧延機の制御装 y …安定度演算装置(安定度演算手段に相当) 7by …パラメータ推定装置(パラメータ演算手段に相
当) 7cy …補間型PIコントローラ(制御ゲイン設定手段
に相当) 20…第の発明に係る制御装置 21…制御対象 22…パラメータ推定装置(パラメータ演算手段に相
当) 23…補間型PIコントローラ(制御ゲイン設定手段に
相当) 24…補間頻度演算装置(補間頻度演算手段に相当) 25…テーブル記憶内容変更装置(対応関係変化手段に
相当)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 章 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (56)参考文献 特開 昭61−165102(JP,A) 特開 平4−55008(JP,A) 特開 平1−162507(JP,A) 特開 平4−84304(JP,A) 特開 昭63−100501(JP,A) 特開 昭62−210503(JP,A) 特開 昭61−74003(JP,A) 特開 平4−16357(JP,A) 特開 昭54−16357(JP,A) 相良節夫、外3名著、「システム同 定」、第3版、社団法人計測自動制御学 会、昭和62年11月10日、P.116−121、 5.2節「逐次形最小2乗推定」を参照 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05B 13/00 - 13/04 G05B 11/36 501 B21B 37/48 - 37/52

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンデム配置されたローラスタンドによ
    り圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を検
    出し,該検出データに基づいて上記スタンドのローラ速
    度を修正する制御系を具備した連続圧延機の制御装置に
    おいて, 上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出データ
    とに基づいて上記制御系の周波数特性を表す伝達関数の
    減衰係数のみを演算する演算手段と, 上記演算手段により演算された減衰係数と,予め記憶さ
    れた減衰係数の最大及び最小値とに基づいて補間演算を
    行うことにより,上記制御系の制御ゲインを設定する制
    御ゲイン設定手段とを具備してなることを特徴とする連
    続圧延機の制御装置。
  2. 【請求項2】 上記伝達関数が2次遅れ要素とむだ時間
    要素とからなる請求項1記載の連続圧延機の制御装置。
  3. 【請求項3】 上記制御系の制御ゲインが比例動作要素
    と積分動作要素とからなる請求項1記載の連続圧延機の
    制御装置。
  4. 【請求項4】 上記演算手段による減衰係数の演算に逐
    次型最小二乗法を用いる請求項1〜3のいずれかに記載
    の連続圧延機の制御装置。
  5. 【請求項5】 タンデム配置されたローラスタンドによ
    り圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を検
    出し,該検出データに基づいて上記スタンドのローラ速
    度を修正する制御系を具備した連続圧延機の制御装置に
    おいて, 上記ルーパ位置の検出データ中の加速度情報に基づいて
    該ルーパ位置の安定度を演算する安定度演算手段と, 上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出データ
    とに基づいて上記制御系の周波数特性を表す伝達関数の
    減衰係数のみを演算するパラメータ演算手段と,上記安
    定度演算手段により演算された安定度がしきい値を越え
    たときに,上記パラメータ演算手段により演算された減
    衰係数と,予め記憶された減衰係数と制御ゲインとの対
    応関係とに基づいて補間演算を行うことにより,上記制
    御系の制御ゲインを設定する制御ゲイン設定手段とを具
    備してなることを特徴とする連続圧延機の制御装置。
  6. 【請求項6】 上記伝達関数が2次遅れ要素とむだ時間
    要素とからなる請求項5記載の連続圧延機の制御装置。
  7. 【請求項7】 上記制御系の制御ゲインが比例動作要素
    と積分動作要素とからなる請求項5記載の連続圧延機の
    制御装置。
  8. 【請求項8】 上記パラメータ演算手段による減衰係数
    の演算に逐次型最小二乗法を用いる請求項5〜7のいず
    れかに記載の連続圧延機の制御装置。
  9. 【請求項9】 タンデム配置されたローラスタンドによ
    り圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を検
    出し,該検出データに基づいて上記スタンドのローラ速
    度を修正する制御系を具備した連続圧延機の制御装置に
    おいて, 上記ルーパ位置の検出データ中の加速度情報に基づいて
    該ルーパ位置の安定度を演算する安定度演算手段と, 上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出データ
    とに基づいて上記制御系の周波数特性を表す伝達関数の
    パラメータを演算するパラメータ演算手段と, 上記安定度演算手段により演算された安定度がしきい値
    を越えたときに,上記パラメータ演算手段により演算さ
    れたパラメータを用いた上記伝達関数の動特性に基づい
    て上記制御系を適応制御するように制御ゲインをオンラ
    インで設定する制御ゲイン設定手段とを具備してなるこ
    とを特徴とする連続圧延機の制御装置。
  10. 【請求項10】 上記伝達関数の動特性が2次遅れ要素
    とむだ時間要素とからなる請求項記載の連続圧延機の
    制御装置。
  11. 【請求項11】 上記制御系の制御ゲインが比例動作要
    素と積分動作要素とからなる請求項記載の連続圧延機
    の制御装置。
  12. 【請求項12】 上記制御系がI−P制御系である請求
    〜1のいずれかに記載の連続圧延機の制御装置。
  13. 【請求項13】 上記パラメータ演算手段による伝達関
    数のパラメータの演算に逐次型最小二乗法を用いる請求
    〜1のいずれかに記載の連続圧延機の制御装置。
  14. 【請求項14】 上記制御ゲイン設定手段による制御ゲ
    インの設定に部分的モデルマッチング法を用いる請求項
    〜1のいずれかに記載の連続圧延機の制御装置。
  15. 【請求項15】 制御対象に対する入出力データに基づ
    いて該制御対象を含む制御系の周波数特性を表す伝達関
    数のパラメータを演算するパラメータ演算手段と, 上記パラメータ演算手段により演算されたパラメータ
    と,予め記憶されたパラメータと制御ゲインの対応関係
    に基づいて補間演算を行うことによって,上記制御系の
    制御ゲインを設定する制御ゲイン設定手段と, 上記制御ゲイン設定手段により制御ゲインを設定する際
    の上記制御系のハンチング発生による補間演算の頻度を
    演算する補間頻度演算手段と,ハンチング発生前は作動せず,ハンチング発生後に作動
    して 上記補間頻度演算手段により演算された補間演算の
    頻度に応じて上記パラメータと制御ゲインとの対応関係
    を変化させる対応関係変化手段とを具備してなる制御装
    置。
  16. 【請求項16】 上記補間頻度演算手段により演算され
    た補間演算の頻度が所定の上限値よりも小さいときは制
    御ゲインを大きくとり,該頻度が所定の下限値よりも大
    きいときは制御ゲインを小さくとるように,上記制御ゲ
    イン設定手段による制御ゲインの設定を行う請求項1
    記載の制御装置。
  17. 【請求項17】 上記パラメータと制御ゲインとの対応
    関係を上記制御対象の種類ごとに予めメモリに記憶して
    おく請求項1又は1記載の制御装置。
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相良節夫、外3名著、「システム同定」、第3版、社団法人計測自動制御学会、昭和62年11月10日、P.116−121、5.2節「逐次形最小2乗推定」を参照

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