JP2001235904A - 電子写真用球形トナーおよびその製造方法 - Google Patents

電子写真用球形トナーおよびその製造方法

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JP2001235904A
JP2001235904A JP2000313435A JP2000313435A JP2001235904A JP 2001235904 A JP2001235904 A JP 2001235904A JP 2000313435 A JP2000313435 A JP 2000313435A JP 2000313435 A JP2000313435 A JP 2000313435A JP 2001235904 A JP2001235904 A JP 2001235904A
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polyester resin
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spherical toner
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Hideki Watanabe
英樹 渡邉
Ichiro Muramatsu
一郎 村松
Masatoshi Motomura
雅俊 本村
Hajime Suganuma
肇 菅沼
Seiichi Uno
誠一 宇野
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性、耐オフセット性、流動性、
耐久性に優れ、狭い粒度分布を有するポリエステル球形
トナーを提供する。 【解決手段】 アルキル基等の非極性基を有するポリエ
ステル樹脂(A)を結着樹脂とする電子写真用球形トナ
ー、および、該ポリエステル樹脂(A)と着色剤との混
合物からなる着色樹脂加熱溶融体を、該ポリエステル樹
脂(A)の溶融状態を維持しながら、該着色樹脂加熱溶
融体を有機溶剤を含まない水性媒体中に分散し、次いで
乾燥する電子写真用球形トナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真法、静電記
録、静電印刷等の技術分野において用いられる電子写真
用球形トナーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ポリエステル樹脂を主成分とするト
ナーは、ポリエステル樹脂固体を顔料等と熱溶融混練し
た後、粉砕して製造するいわゆる粉砕法によって製造さ
れてきた。
【0003】近年の電子写真技術の動向として、解像
度、階調性など画質向上の要請からトナーの粒子径は益
々小粒径化の傾向にある。
【0004】しかしながらこの従来の粉砕法では第1の
問題として、得られるトナーの形状が不定形にならざる
を得ず、特に体積平均粒子径が7ミクロン以下のいわゆ
る小粒径トナーの場合には粉体としての流動性が極端に
悪化することが挙げられる。
【0005】また、第2の問題点としては、その形状が
不定形であるため、現像ボックス内での撹拌による剪断
力により、トナー粒子の一部が砕け、発生した微粉がキ
ャリアーの表面を汚染し、トナーの帯電に悪影響を及ぼ
すということが挙げられる。
【0006】これらの問題点を解消する手段として、転
相乳化法による小粒径球形トナーの製造方法(特開平8
−211655号公報)が提案されているが、この技術
は揮発性の有機溶剤を使用するため環境衛生上好ましく
なく、また転相乳化後に溶剤を除去回収する工程や、転
相の際に生じる乳化ロスの回収処理をする工程が必要で
あって、プロセス全体が複雑なものとなる等の難点があ
った。
【0007】また、有機溶剤を用いずに機械的剪断力に
より、主としてポリエステル系のトナー用着色微粒子の
水分散液を製造する方法が特開平9−311502号公
報に開示されているが、かかる製造法によっても得られ
る水分散液の濃度は低く、かつその微粒子の粒度分布も
トナー用として実用に供する為には、さらに分級が必要
である程広いものであり、いずれも上記のトナーとして
の流動性等の問題点を解消するものとなっていないのが
現状である。
【0008】一方、近年、複写機またはプリンターの機
能として低エネルギー化、低ロール圧力化等が望まれて
おり、従って使用される電子写真用トナーには、定着温
度が低く、かつ耐オフセット性に優れることが要求され
ている。上記の要求に対しては、次のように結着樹脂の
分子量や分子量分布を改良した技術等の提案がなされて
いる。
【0009】具体的には、結着樹脂を低分子量化し、定
着温度を低くしようとする試みがなされているが、低分
子量化する事により、融点が低下し、定着ロールへのオ
フセット現象が発生する問題が生じていた。
【0010】このオフセット現象を防ぐ為、該結着樹脂
の分子量分布を広くする方法や、結着樹脂を部分的に架
橋させる方法が行われていたが、かかる方法では、トナ
ーの最低定着温度も上昇し、低温定着性と耐ホットオフ
セット性の両立を図ることは困難であった。
【0011】そこで、特公平4−44265号公報,特
開平7−175263号公報,特開平7−333891
号公報,特開平7−333892号公報,特開平8−4
4107号公報,特開平9−80815号公報等記載の
技術の如く、定着温度が低く耐オフセット性に優れたト
ナーを提供する方法として、結着樹脂中に長鎖アルキル
基等を導入する提案がなされているが、これらのトナー
は全て粉砕法により製造された異形粒子であるため、ト
ナーの流動性および耐久性等に問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
従来の技術が有する課題を解決し、低温定着性に優れ、
かつ耐オフセット性において実用上なんら問題を発生せ
ず、さらに流動性、耐久性に優れ、狭い粒度分布を有す
るポリエステル球形トナーを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため鋭意研究を行った結果、非極性基を有
するポリエステル樹脂を結着樹脂とする電子写真用球形
トナーが、低温定着性等のトナーとしての適性に優れる
ことを見い出し、本発明を完成するに到った。
【0014】すなわち本発明は、 1.非極性基を有するポリエステル樹脂(A)を結着樹
脂とする電子写真用球形トナーを提供するものであり、 2.非極性基が、アルキル基である、上記1に記載の電
子写真用球形トナーを提供するものであり、 3.アルキル基が、炭素数4以上のアルキル基である、
上記2に記載の電子写真用球形トナーを提供するもので
あり、 4.分子中に非極性基を有するポリエステル樹脂(A)
と着色剤との混合物からなる着色樹脂加熱溶融体を、該
ポリエステル樹脂(A)の溶融状態を維持しながら、該
着色樹脂加熱溶融体を有機溶剤を含まない水性媒体中に
分散し、次いで乾燥することを特徴とする、電子写真用
球形トナーの製造方法を提供するものであり、 5.分子中に非極性基を有するポリエステル樹脂(A)
が、多価アルコールと多塩基酸類と非極性基を有するモ
ノエポキシ化合物とを重合したポリエステルである、上
記4記載の電子写真用球形トナーの製造方法を提供する
ものであり、 6.ポリエステル樹脂(A)の重合成分としてさらに2
個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物を含
む、上記5記載の電子写真用球形トナーの製造方法を提
供するものであり、 7.非極性基が、アルキル基である、上記4〜6のいず
れか1つに記載の電子写真用球形トナーの製造方法を提
供するものであり、 8.アルキル基が、炭素数4以上のアルキル基である、
上記7記載の電子写真用球形トナーの製造方法を提供す
るものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。
【0016】本発明に用いられる非極性基を有するポリ
エステル樹脂(A)における非極性基としては、アルキ
ル基、アルケニル基、アリール基が挙げられ、直鎖状で
あるか、分岐状であるかを問わない。これらのうち球形
粒子化の容易性及び低温定着性の発現の点で非極性基は
アルキル基であることが好ましく、より好ましくは炭素
数が4以上のアルキル基である。
【0017】また、本発明のポリエステル樹脂は、非極
性基のほかに、極性基を有するが、この極性基として
は、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基
等のアニオン形成性の基や、アルキルアミノ基、ピリジ
ン基のようなカチオン形成性の基が挙げられるが、球形
粒子化の容易性の点でカルボキシル基、水酸基であるこ
とが好ましい。
【0018】本発明に用いられるポリエステル樹脂
(A)に使用される原料としては、ポリエステル樹脂を
構成する公知慣用の原料であれば、特に制限なく使用す
ることができる。使用される原料で代表的なものは、
(a)ジカルボン酸等の多塩基酸およびその無水物ある
いはその低級アルキルエステルの如き多塩基酸化合物
と、(b)ジオール等の多価アルコール等が挙げられ
る。本発明のポリエステル樹脂は分子中に非極性基を有
するので、原料として(a)と(b)のみを使用する場
合には、これらの(a)および/または(b)は非極性
基を有する化合物であることが必要である。またポリエ
ステル樹脂に非極性基を導入するため、非極性基を有す
る他の原料を使用することができる。この原料として
は、(c)上記多塩基酸化合物のカルボキシル基及び/
または上記多価アルコールの水酸基等と反応する基を有
し、かつ非極性基を有する化合物が挙げられる。
【0019】原料として(a)、(b)の他に、(c)
を使用する場合、化合物(c)が非極性基を有すれば、
(a)多塩基酸化合物および(b)多価アルコールは非
極性基を有しても有さなくともよい。上記のうち、原料
として(c)非極性基を有する化合物を使用し、ポリエ
ステル樹脂に非極性基を導入するのが、球形粒子化の容
易性の点から好ましい。
【0020】(a)成分となる非極性基を有さないジカ
ルボン酸および非極性基を有するカルボン酸としては、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン
酸、無水イタコン酸、修酸、マロン酸、コハク酸、無水
コハク酸、n−ドデセニルコハク酸およびその無水物、
イソドデセニルコハク酸およびその無水物、n−ドデシ
ルコハク酸およびその無水物等、イソドデシルコハク酸
およびその無水物、n−オクチルコハク酸およびその無
水物、n−オクチニルコハク酸およびその無水物、n−
ブチルコハク酸およびその無水物、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸、デカン−1,10−ジカルボン酸
等の脂肪族二塩基酸;
【0021】フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフ
タル酸およびその無水物、ヘキサヒドロフタル酸および
その無水物、テトラブロムフタル酸およびその無水物、
テトラクロルフタル酸およびその無水物、ヘット酸およ
びその無水物、ハイミック酸およびその無水物、イソフ
タル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族または脂環
族の二塩基酸類;が挙げられる。
【0022】さらに、3官能以上の原料成分の一つとし
て、1分子中に3個以上のカルボキシル基を有するカル
ボン酸およびその反応性誘導体も使用することができ
る。これらの代表的なものを挙げると、トリメリット
酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカ
ルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられ
る。
【0023】これらの多塩基酸類または酸無水物類はそ
れぞれ単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用
してもよい。
【0024】さらに、上記した多塩基酸類は、そのカル
ボキシル基の一部または全部がアルキルエステル、アル
ケニルエステルまたはアリ−ルエステルとなっているも
のも使用できる。
【0025】次に、(b)成分となる非極性基を有する
多価アルコ−ルおよび非極性基を有さない多価アルコー
ル代表的なものを挙げると、エチレングリコ−ル、1,
2−プロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、
1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−
ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、
トリエチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の
脂肪族ジオ−ル類;
【0026】ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルF等の
ビスフェノ−ル類;ビスフェノ−ルAのエチレンオキサ
イド付加物、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド
付加物等のビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付
加物;キシリレンジグリコ−ル、シクロヘキサンジメタ
ノ−ル、水添ビスフェノ−ルA等のアラルキレングリコ
−ルまたは脂環族のジオ−ル類;がある。
【0027】3官能以上の原料成分の一つとして、3個
以上の水酸基を有する化合物も使用することができ、そ
の代表的なものとして、グリセリン、トリメチロ−ルエ
タン、トリメチロ−ルプロパン、ソルビト−ル、1,
2,3,6−ヘキサンテトロ−ル、1,4−ソルビタ
ン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリト−ル、
2−メチルプロパントリオ−ル、1,3,5−トリヒド
ロキシベンゼン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアヌレ−ト等がある。
【0028】また、たとえばジメチロ−ルプロピオン酸
あるいはジメチロ−ルブタン酸の如き3官能の原料成分
としてのヒドロキシ酸あるいは6−ヒドロキシヘキサン
酸のような、1分子中に水酸基とカルボキシル基を併有
する化合物あるいはそれらの反応性誘導体も多価アルコ
ールとして使用できる。
【0029】これら上記した多価アルコールは、単独で
使用してもよいし2種以上のものを併用することもでき
る。
【0030】(c)成分である該多塩基酸化合物のカル
ボキシル基及び/または該多価アルコールの水酸基等と
反応する化合物としては、非極性基を有するモノカルボ
ン酸、非極性基を有するモノアルコール、非極性基を有
するモノイソシアネート化合物、非極性基を有するモノ
エポキシ化合物等が挙げられる。これらのうち、球形粒
子化の容易性の点でモノカルボン酸、モノアルコール、
モノエポキシ化合物が好ましく、モノエポキシ化合物が
より好ましい。
【0031】非極性基を有するモノカルボン酸として
は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪
酸、パーム油脂肪酸等の脂肪族モノカルボン酸類;
【0032】安息香酸、p−tert−ブチル安息香
酸、シクロヘキサンカルボン酸等の芳香族または脂環族
モノカルボン酸類;が挙げられる。
【0033】非極性基を有するモノアルコールとして
は、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチル
アルコール、p−tert−ブチルアルコール、n−ド
デシルアルコール、n−オクタデシルアルコール等の脂
肪族モノアルコール類;
【0034】ベンジルアルコール、シクロヘキサノール
等の芳香族または脂環族モノアルコール類;が挙げられ
る。
【0035】非極性基を有するモノイソシアネート化合
物としては、オクタデシルイソシアネート、トシルイソ
シアネート等が挙げられる。
【0036】非極性基を有するモノエポキシ化合物とし
ては、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニル
グリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、ア
ルキルグリシジルエステル、アルキルフェノールアルキ
レンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、α−オレ
フィンオキサイド、モノエポキシ脂肪酸アルキルエステ
ル等が挙げられる。
【0037】アルキルフェニルグリシジルエーテルとし
ては、例えばフェニルグリシジルエーテル、クレジルグ
リシジルエーテル、ノニルフェノールグリシジルエーテ
ル、ブチルフェノールグリシジルエーテルなどが挙げら
れる。またアルキルグリシジルエーテルとしては、例え
ばブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリ
シジルエーテルなどが挙げられる。アルキルグリシジル
エステルの市販製品としては、「カージュラE10」
(シェルケミカル社製分岐脂肪酸のモノグリシジルエス
テル)が挙げられる。
【0038】アルキルフェノールアルキレンオキサイド
付加物のグリシジルエーテルとしては、例えばブチルフ
ェノールなどの低級アルキルフェノールにエチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイドなどを付加したアルキレ
ンオキサイド付加物のグリシジルエーテルであり、エチ
レングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルの
グリシジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニ
ルエーテルのグリシジルエーテル、ポリプロピレングリ
コールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、プ
ロピレングリコールモノ(p−t−ブチル)フェニルエ
ーテルのグリシジルエーテル、エチレングリゴールモノ
ノニルフェニルエーテルのグリシジルエーテルなどが挙
げられる。α−オレフィンオキサイドとしては、例えば
アルファオレフィンオキサイド−168[アデカアーガ
ス化学(株)製品、オキシラン酸素含有量5.9重量
%]、アルファオレフィンオキサイド−124[アデカ
アーガス化学(株)製品、オキシラン酸素含有量7.7
重量%]などの市販のオレフィン類をオキシ化した化合
物が挙げられる。
【0039】モノエポキシ脂肪酸エステルとしては、不
飽和脂肪酸のアルコールエステルの不飽和基をエポキシ
化した化合物で、例えばエポキシ化オレイン酸ブチルエ
ステル、エポキシ化オレイン酸オクチルエステルなどが
挙げられる。
【0040】これら上記した非極性基を有する化合物
は、単独で使用してもよいし2種以上のものを併用する
こともできる。
【0041】また、電子写真球形トナーの耐オフセット
性を良好にするという観点より、ポリエステル樹脂
(A)の原料として、上記の(c)非極性基を有するモ
ノエポキシ化合物と共に、2個以上のエポキシ基を有す
るポリエポキシ化合物を使用することが好ましい。
【0042】この2個以上のエポキシ基を有するポリエ
ポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル、ペンタエリスルトールテトラグリシジルエーテ
ル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、半乾性もし
くは乾性脂肪酸エステルエポキシ化合物などが挙げられ
る。
【0043】化合物(c)の含有量は、特に制限はない
が、製造の容易性等を考慮するとポリエステル樹脂
(A)中0.1〜50重量%が好ましく、さらには1〜
40重量%がより好ましい。
【0044】本発明にて用いられるポリエステル樹脂
(A)を調製するには公知慣用の方法が使用できる。
【0045】すなわち、上記した原料成分である多塩基
酸化合物類、多価アルコ−ル類および非極性基を有する
化合物を窒素雰囲気中で加熱下に重合させてポリエステ
ル樹脂を調製する方法を使用することができる。重合の
際使用される装置としては、窒素導入口、温度計、攪拌
装置、精留塔等を備えた反応容器の如き回分式の製造装
置が好適に使用できるほか、脱気口を備えた押し出し機
や連続式の反応装置、混練機等も使用できる。また、必
要に応じて反応系を適度に減圧することによって、エス
テル化反応を促進することもできる。さらに、エステル
化反応の促進のために、公知慣用の触媒を添加すること
もできる。
【0046】次に、本発明のポリエステル樹脂(A)の
性状について説明する。
【0047】本発明に用いられるポリエステル樹脂
(A)の重量平均分子量は、製造の容易性とトナー用バ
インダーとしての定着特性等を考慮すると、2,000
〜400,000であることが好ましい。この範囲の
中、特にカラー用トナーとしては5,000〜20,0
00であることがより好ましい。
【0048】ポリエステル樹脂(A)の水酸基価は、ト
ナーバインダーとしての帯電特性及び球形粒子化の容易
性等を考慮すると5〜100mgKOH/gの範囲、さ
らには8〜70mgKOH/gの範囲であることが望ま
しい。また、同様の観点から、ポリエステル樹脂(A)
は、その酸価が5〜100mgKOH/gの範囲、さら
には8〜70mgKOH/gの範囲であることが望まし
い。
【0049】また本発明に用いられるポリエステル樹脂
(A)は、トナーの耐熱保存性を考慮すると示差走査熱
量計(DSC)で測定したガラス転移温度が50〜80
℃の範囲であるのが好ましく、より好ましくは55〜7
5℃の範囲である。また、同様の観点からポリエステル
樹脂(A)の軟化温度は、70〜170℃の範囲、さら
には80〜150℃の範囲であることが望ましい。
【0050】本発明に係る電子写真用球形トナ−は、上
記のポリエステル樹脂(A)を必須の成分として含有す
るものであり、必要に応じて、以下に例示する他の成分
を含有することができる。
【0051】他の成分としては、着色剤、磁性材料、帯
電制御剤、離型剤、流動調整剤等が挙げられる。
【0052】着色剤としては、すべての顔料を挙げるこ
とができる。顔料としては、例えばハンザイエロー10
G、ハンザイエローG、ベンジジンイエローG、ベンジ
ジンイエローGR、パーマネントオレンジ、リソールフ
ァーストオレンジ3GR、パーマネントオレンジGT
R、バルカンファストオレンジGG、パーマネントレッ
ド4R、ファイヤーレッド、p−クロル−oーニトロア
ニリンレッド、ブリリアントファストスカーレット、ブ
リリアントカーミンBS、ピラゾロンレッド、リソール
レッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアン
トスカーレットG、パーマネントレッドF5R、ブリリ
アントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ロ
ーダミンレーキ(ファナルカラー)、アリザリンレー
キ、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2
R、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルー
ンライト、ボンマルーンメジアム、チオインジゴマルー
ン、ペリレンレッド、パーマネントレッドBL、キナク
リドン系顔料であるパーマネントピンクE(FH)、フ
タロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダ
ンスレンブルーRS、ピグメントグリーンB、ナフトー
ルグリーンB、グリーンゴールド、フタロシアニングリ
ーン、ナフトールイエローSレーキ、キノリンイエロー
レーキ、ペルシアンオレンジ、ピーコックブルーレー
キ、アシッドグリーンレーキ、パラレッド、ボルドー5
B、アルカリブルートーナーアニリンブラック、カーボ
ンブラック等の顔料を挙げることができる。
【0053】磁性材料としては、四三酸化鉄、γ酸化
鉄、各種フェライト粉、鉄粉等を挙げることができる。
【0054】帯電制御剤としては、帯電特性をコントロ
ールすることができるものであれば低分子量化合物ある
か高分子量化合物であるかを問わないが、代表的なもの
を挙げると、ニグロシン染料、4級アンモニウム化合
物、アミノ基化合物の単独重合体あるいは共重合体や、
有機金属錯体、キレ−ト化合物等がある。
【0055】離型剤としては、耐オフセット性を向上さ
せる公知の種々のワックスが挙げられる。例えばポリプ
ロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリアミド
系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、合成エ
ステル系ワックス、各種天然ワックス等が挙げられる
が、これらの中でもカルナウバワックス、モンタン系エ
ステルワックス、ライスワックス及び/又はカイガラム
シワックスを用いることが特に好ましい。
【0056】流動調整剤は、トナ−の流動性を向上させ
るために添加されるが、フッ化ビニリデン微粉末、ポリ
テトラフルオロエチレン微粉末、湿式法若しくは乾式法
のシリカ微粉末等を使用することができる。
【0057】本発明の電子写真用トナーは、球形である
ことに特徴を有する。球形であることにより、粉砕法と
比較しキャリヤ汚染を起こしにくい極めて耐久性の良
く、流動性が良いという効果が発揮される。球形は、真
球状、楕円状等を含むが、耐久性の向上の点から真球状
が好ましい。
【0058】また本発明の電子写真用球形トナーの粒子
径は、体積平均粒子径で通常2〜20μmであるが、画
像の解像力の点で3〜13μmが好ましく、より好まし
くは3〜8μmである。
【0059】本発明における球形トナーの平均粒子径と
は、粒度分布測定機であるコールターマルチサイザー2
(ベックマン・コールター社製)で測定した50%体積
平均粒子径の値をいう。
【0060】また本発明の電子写真用球形トナーの粒度
分布は、コールターマルチサイザー2を用いた体積粒子
径の分布測定において、1.36以下であり、1.34
以下が好ましく、より好ましくは1.32以下である。
本発明における球形トナーの粒度分布とは、コールター
マルチサイザー2を用いた体積粒子径の分布測定におい
て、16%径と84%径の比の平方根で表される値「√
(D16/D84)」をいうが、ここで16%径とは体
積粒子径の大きい側から粒子の重量を積算したときの重
量が全重量の16%となる位置にある粒子の体積粒子径
をいい、同様に84%径とは粒子の重量を積算したとき
の重量が全重量の84%となる位置にある粒子の体積粒
子径をいう。この数値が大きいほど粒度分布の広がりが
大きく、小さいほど粒度分布の広がりは小さいことを示
す。この数値が1.36以下であることは、トナーとし
て実用上問題のないレベルにまで分級されたことを表
す。本発明の電子写真用球形トナーは、上記の粒度分布
の数値から分布がシャープであり、分級工程を必要とし
ないものである。
【0061】本発明のポリエステル樹脂(A)に上記の
他の成分を含めた電子写真用球形トナーの製造方法は、
特に制限されないが、例えば以下の方法により好適に調
製することができる。
【0062】すなわち(1)まずポリエステル樹脂
(A)と顔料とその他必要な添加剤、例えば帯電制御
剤、離型剤などを粉砕法トナーの製造の場合と同様にし
て、加圧ニーダー、加熱3本ロール、2軸押し出し混練
機などを用いて溶融混練し、着色樹脂溶融体を製造す
る。(2)次にこの着色樹脂溶融体と、ポリエステル樹
脂の極性基を中和する物質を含むとともに、加熱し必要
に応じてさらに加圧することにより該合成樹脂の軟化点
以上の温度に加熱した水性媒体とを混合し、(3)該混
合物の温度を該合成樹脂の溶融状態を維持しながら、前
記着色樹脂溶融体を水性媒体中に機械的手段により微分
散させ、(4)その後直ちに急速冷却することにより着
色樹脂微粒子の水分散液を製造し、(5)該分散液から
該着色樹脂微粒子を分離し、(6)分離された着色樹脂
微粒子を乾燥し、その後従来の粉砕法トナーと同様に、
この着色樹脂微粒子を分級し、疎水性シリカなどの外添
剤を添加してトナーとするものである。
【0063】前記ポリエステル樹脂の極性基の中和剤と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウムなどのアルカリ化合物、それらの炭酸塩、それら
の酢酸塩などおよびアンモニア水、メチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミン類、
ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類などを
使用することができる。これらの中でも、上記の乾燥工
程で大部分が除去され、トナーとしての特性に影響を与
えない点で、アンモニア水を用いるのが好ましい。
【0064】前記機械的手段により微分散させるための
装置としては、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴ
−リン社)、連続式超音波ホモジナイザー(日本精機株
式会社)、ナノマイザー(ナノマイザー社)、マイクロ
フルイダイザー(みずほ工業株式会社)、ハレル型ホモ
ジナイザー、スラッシャ(三井鉱山株式会社)、キャビ
トロン(株式会社ユーロテック)などが挙げられる。
【0065】上記で得られた電子写真用球形トナーにキ
ャリヤを配合し混合することにより現像剤を調製するこ
とができる。
【0066】
【実施例】以下本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らの実施例によって制限されるものではない。また実施
例中の部、%はすべて重量基準によるものとする。
【0067】実施例1 攪拌機、温度制御装置、N2ガス導入管を有する反応装
置に、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物64
9.9部、テレフタル酸350.1部、カージュラE1
0(シェルケミカル社製分岐脂肪酸のモノグリシジルエ
ステル)40.0部、ジブチル錫オキシド0.3部を入
れ、窒素気流下にて240℃で攪拌した。反応はJIS
K−2207に準拠した軟化点試験法(環球法)によ
り追跡し、軟化点が114℃に達したとき反応を終了し
て、ポリエステル樹脂(R−1)を得た。得られたポリ
エステル樹脂(R−1)は薄黄色の固体であり、酸価
7.7mgKOH/g、DSC測定法によるガラス転移
温度64℃、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー法)測定法によるポリスチレン換算の重量平均
分子量16,000であった。
【0068】この樹脂90部とカーボンブラック(エル
フテックス8:キャボット社製)10部を2軸連続混練
機を用いて着色樹脂混練物とし、これを180℃に加熱
して着色樹脂溶融体としキャビトロンCD1010に毎
分100gの速度で移送した。
【0069】別途準備した水性媒体タンクには試薬アン
モニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度
の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱し
ながら毎分0.1リットルの速度で、上記着色樹脂溶融
体と同時にキャビトロンに移送した。(中和率160
%) 回転子の回転速度が7500rpm、圧力が5Kg/c
2の運転条件で製造した温度135℃のスラリーを1
0秒間で温度35℃まで冷却して出口から取り出した。
このスラリー中のトナー粒子は球形であり、分散液の濃
度は固形分が50%であった。コールターマルチサイザ
ー2による測定により、トナー粒子の平均粒子径は5.
8ミクロンであり、その粒度分布は1.32であった。
このトナー原体粒子は、トナーとして実用的に使用する
ための粒度調整を必要としないものであった。トナー原
体粒子を濾別した後に水洗を行い、乾燥して粉体のトナ
ー原体を得た。
【0070】このトナー原体粒子に、0.2%の疎水性
シリカ(日本アエロジル社製R−972)をドライブレ
ンドして平均粒径5.8ミクロンの球形の黒色トナーを
得た。
【0071】応用例1 実施例1で得られたトナー5部と平均粒径80ミクロン
のフェライトキャリヤ(電気抵抗が107オームセン
チ)95部とを1リットルポリビン中で100rpmの
回転数で1時間混合して現像剤を調整した。ブローオフ
粉体帯電量測定装置TB−200〔東芝ケミカル(株)
製〕で帯電量を測定したところ、−30μC/gであっ
た。前記現像剤を市販複写機の現像ボックスに充填し、
外部モーターで駆動して200時間の強制撹拌試験(現
像は行わない耐久性シミュレーションテスト)を行っ
た。200時間後に帯電量を測定したところ−30μC
/gであった。トナーをブローオフで分離した後のキャ
リヤの電気抵抗を測定したところ107オームセンチで
あった。またこの分離したトナーの平均粒子径を測定し
たところ5.8ミクロンであった。このトナーは球形で
あるため、キャリヤ汚染を起こしにくい極めて耐久性の
良いトナーであることが判った。
【0072】次にホソカワミクロン製パウダーテスター
を用いて静かさ密度を測定した。
【0073】この静かさ密度は、流動性の良好なトナー
ほど大きい。このトナーの静かさ密度は0.38であっ
た。
【0074】上記現像剤を用いて、セレン感光ドラムを
使用した市販の複写機で未定着画像を撮像した後、定着
ローラーの表面温度を任意に設定できるように改造した
市販のプリンター(キャノン製:LASER SHOT 406B)の
定着装置を用い、定着ローラーの表面温度を段階的に変
化させて定着画像を撮像し、各表面温度におけるオフセ
ット現像の発生を、定着画像に対してセロハンテープに
よる剥離試験を行うことにより、非オフセット温度領域
を評価したところ、このトナーの定着開始温度は100
℃であり、150℃でオフセットが発生した。
【0075】比較例1 実施例1のカージュラE10を使用しない以外は実施例
1と同様にしてポリエステル樹脂を合成した。得られた
ポリエステル樹脂(R−2)は無色透明の固体であり、
軟化点114C、酸価8.5mgKOH/g、DSC測
定法によるガラス転移温度65℃、GPC測定法による
ポリスチレン換算の重量平均分子量20,000であっ
た。この樹脂90部とカーボンブラック(エルフテック
ス8:キャボット社製)10部を2軸連続混練機を用い
て着色樹脂混練物とし、これを180℃に加熱して着色
樹脂溶融体としキャビトロンCD1010に毎分100
gの速度で移送した。
【0076】別途準備した水性媒体タンクには試薬アン
モニア水をイオン交換水で希釈した0.20重量%濃度
の希アンモニア水と0.3重量%濃度のポリエステル系
分散剤を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分
0.5リットルの速度で、上記着色樹脂溶融体と同時に
キャビトロンに移送した。(中和率400%)回転子の
回転速度は7500rpm、圧力は5Kg/cm2で運
転し製造した温度135℃のスラリーを10秒間で温度
35℃まで冷却して出口から取り出した。このスラリー
中のトナー粒子は球形であり、分散液の濃度は固形分で
16%であった。コールターマルチサイザー2による測
定により、トナー粒子の平均粒子径は6.2ミクロンで
あり、その粒度分布は1.39であった。このトナー原
体粒子は、トナーとして実用的に使用するための粒度調
整を必要とするものであった。そこで、トナー原体粒子
を濾別した後に水洗を行い、乾燥、分級して粉体のトナ
ー原体を得た。
【0077】このトナー原体粒子に、0.2%の疎水性
シリカ(日本アエロジル社製R−972)をドライブレ
ンドして平均粒径6.2ミクロンの球形の黒色トナーを
得た。
【0078】比較応用例1 比較例1で得られたトナー5部と平均粒径80ミクロン
のフェライトキャリヤ(電気抵抗が107オームセン
チ)95部とを1リットルポリビン中で100rpmの
回転数で1時間混合して現像剤を調整した。ブローオフ
粉体帯電量測定装置TB−200で帯電量を測定したと
ころ、−29μC/gであった。前記現像剤を市販複写
機の現像ボックスに充填し、外部モーターで駆動して2
00時間の強制撹拌試験(現像は行わない耐久性シミュ
レーションテスト)を行った。200時間後に帯電量を
測定したところ−29μC/gとであった。トナーをブ
ローオフで分離した後のキャリヤの電気抵抗を測定した
ところ107オームセンチであった。またこの分離した
トナーの平均粒子径を測定したところ6.2ミクロンで
あった。
【0079】次にホソカワミクロン製パウダーテスター
を用いて静かさ密度を測定した。このトナーの静かさ密
度は0.37であった。
【0080】上記現像剤を用いて、セレン感光ドラムを
使用した市販の複写機で未定着画像を撮像した後、定着
ローラーの表面温度を任意に設定できるように改造した
市販のプリンター(キャノン製:LASER SHOT 406B)の
定着装置を用い、定着ローラーの表面温度を段階的に変
化させて定着画像を撮像し、各表面温度におけるオフセ
ット現像の発生を、定着画像に対してセロハンテープに
よる剥離試験を行うことにより、非オフセット温度領域
を評価したところ、このトナーの定着開始温度は130
℃であり、150℃でオフセットが発生した。
【0081】比較例2 実施例1で合成したポリエステル樹脂(R−1)90部
とカーボンブラック(エルフテックス8:キャボット社
製)10部を2軸連続混練機を用いて着色樹脂混練物と
し、これをジェットミルを用いて粉砕しトナー粒子を得
た。コールターマルチサイザー2による測定により、ト
ナー粒子の平均粒子径は7.3ミクロンであり、その粒
度分布は1.40であった。このトナー粒子は、トナー
として実用的に使用するための粒度調整を必要とするも
のであったので分級することによりトナー原体を得た。
このトナー原体粒子に、0.2%の疎水性シリカ(日本
アエロジル社製R−972)をドライブレンドして平均
粒径7.3ミクロンの黒色トナーを得た。
【0082】比較応用例2 比較例2で得られたトナー5部と平均粒径80ミクロン
のフェライトキャリヤ(電気抵抗が107オームセン
チ)95部とを1リットルポリビン中で100rpmの
回転数で1時間混合して現像剤を調整した。ブローオフ
粉体帯電量測定装置TB−200で帯電量を測定したと
ころ、−32μC/gであった。前記現像剤を市販複写
機の現像ボックスに充填し、外部モーターで駆動して2
00時間の強制撹拌試験(現像は行わない耐久性シミュ
レーションテスト)を行った。200時間後に帯電量を
測定したところ−42μC/gに変化していた。トナー
をブローオフで分離した後のキャリヤの電気抵抗を測定
したところ108オームセンチに上昇していた。またこ
の分離したトナーの平均粒子径を測定したところ5.9
ミクロンに変化していた。このトナーは不定形であるた
め耐久性に劣り、過粉砕されやすくキャリヤ汚染を起こ
し易いトナーであることが判った。
【0083】次にホソカワミクロン製パウダーテスター
を用いて静かさ密度を測定した。このトナーの静かさ密
度は0.28であった。このトナーは不定形であるた
め、球形トナーに比べて粉体流動性に劣ることがわか
る。
【0084】上記現像剤を用いて、セレン感光ドラムを
使用した市販の複写機で未定着画像を撮像した後、定着
ローラーの表面温度を任意に設定できるように改造した
市販のプリンター(キャノン製:LASER SHOT 406B)の
定着装置を用い、定着ローラーの表面温度を段階的に変
化させて定着画像を撮像し、各表面温度におけるオフセ
ット現像の発生を、定着画像に対してセロハンテープに
よる剥離試験を行う事により、非オフセット温度領域を
評価したところ、このトナーの定着開始温度は105℃
であり、150℃でオフセットが発生した。
【0085】
【発明の効果】本発明の電子写真用球形トナーは、従来
技術によるトナーに比べて、粉体流動性、耐久性、耐オ
フセット性および低温定着性に優れる。また本発明のト
ナー粒子の粒度分布は、乾燥後の分級操作が必要ない程
シャープであり、流動性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 誠一 千葉県市原市五井2085−506 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA15 AB03 CA08 DA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非極性基を有するポリエステル樹脂
    (A)を結着樹脂とする電子写真用球形トナー。
  2. 【請求項2】 非極性基が、アルキル基である、請求項
    1記載の電子写真用球形トナー。
  3. 【請求項3】 アルキル基が、炭素数4以上のアルキル
    基である、請求項2記載の電子写真用球形トナー。
  4. 【請求項4】 分子中に非極性基を有するポリエステル
    樹脂(A)と着色剤との混合物からなる着色樹脂加熱溶
    融体を、該ポリエステル樹脂(A)の溶融状態を維持し
    ながら、該着色樹脂加熱溶融体を有機溶剤を含まない水
    性媒体中に分散し、次いで乾燥することを特徴とする、
    電子写真用球形トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 分子中に非極性基を有するポリエステル
    樹脂(A)が、多価アルコールと多塩基酸類と非極性基
    を有するモノエポキシ化合物とを重合したポリエステル
    である、請求項4記載の電子写真用球形トナーの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 ポリエステル樹脂(A)の重合成分とし
    てさらに2個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化
    合物を含む、請求項5記載の電子写真用球形トナーの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 非極性基が、アルキル基である、請求項
    4〜6のいずれか1項記載の電子写真用球形トナーの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 アルキル基が、炭素数4以上のアルキル
    基である、請求項7記載の電子写真用球形トナーの製造
    方法。
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