JP2001234448A - 抗菌性衣料およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性衣料およびその製造方法

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JP2001234448A
JP2001234448A JP2000040729A JP2000040729A JP2001234448A JP 2001234448 A JP2001234448 A JP 2001234448A JP 2000040729 A JP2000040729 A JP 2000040729A JP 2000040729 A JP2000040729 A JP 2000040729A JP 2001234448 A JP2001234448 A JP 2001234448A
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yarn
garment
clothing
polyester filament
cross
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JP2000040729A
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Noriko Nagai
典子 長井
Tetsuya Kanetsuna
哲也 金綱
Takashi Shiotani
隆 塩谷
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば法衣としての風合いを損なうことなく、
自然な表面ムラ感による涼しさ、高発色性を有した防シ
ワ性、速乾性に優れ、ドライなハリのある着心地のよ
い、かつ洗濯耐久性に優れた抗菌性の高いポリエステル
繊維の衣料を提供する。 【解決手段】凹部を有する断面形状をもったポリエステ
ルフィラメント糸と、糸の長さ方向に太さ斑を有するポ
リエステルフィラメント糸を含む織物で構成された衣料
であって、該衣料にはピリジン系抗菌剤が施されている
ことを特徴とする衣料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライなタッチ
で、着心地のよいポリエステル繊維使いの衣料に関する
ものであり、さらに詳しくは従来のポリエステルフィラ
メント織物では得られない自然なムラ感による涼しさお
よび色の鮮明さによる高発色性を有し、防シワ性・速乾
性に優れ、ドライなハリを持った着心地のよい、洗濯耐
久性に優れた抗菌性能を有するポリエステル繊維使いの
衣料に関するものである。さらに詳しくは、例えば用途
として法衣、浴衣、白衣などに好適な衣料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば法衣に使用される織物は、
絹100%の天然繊維からなるもの、天然繊維と合繊繊
維の混紡糸からなるものがあるが、いずれの法衣も吸汗
性、乾燥性が劣り気持ちよく着用できないという問題が
あり、また着用時のシワが著しく問題であった。さらに
近年の病原菌の繁殖状況等から法衣にも洗濯耐久性に優
れた抗菌性が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決し、例えば法衣としての風合いを損なうこ
となく、自然な表面ムラ感による涼しさ、高発色性を有
した防シワ性、速乾性に優れ、ドライなハリのある着心
地のよい、かつ洗濯耐久性に優れた抗菌性の高いポリエ
ステル繊維の衣料を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため次の構成からなる、すなわち、凹部を有する
断面形状をもったポリエステルフィラメント糸と、糸の
長さ方向に太さ斑を有するポリエステルフィラメント糸
を含む織物を用いて構成された衣料であって、該衣料に
はピリジン系抗菌剤が施されていることを特徴とする衣
料である。
【0005】上記の衣料において、凹部を有する断面形
状をもったポリエステルフィラメント糸の凹部の深さ
(U)が5μm以上75μm以下の範囲にあること、あ
るいは凹部を有する断面形状をもったポリエステルフィ
ラメント糸が、下記式における撚係数αが4,500以
上17,000以下の範囲に追撚されていることは好ま
しい態様である。
【0006】T=1.1α・D-1/2 ただし、T:追撚数(T/M) α:撚係数 dTex:糸の繊度 また、上記の衣料において、糸の長さ方向に太さ斑を有
するポリエステルフィラメント糸が、鞘糸が芯糸に対し
て一重に巻き付いた部分と3重に巻き付いた部分とが交
互に形成されてなる複合仮撚り加工糸からなるもの、あ
るいは未延伸糸や半未延伸糸を低倍率延伸することによ
って得られるシック部とシン部で複屈折率が異なるシッ
クアンドシン糸であることも好ましい態様である。
【0007】上記のシックアンドシン糸は、ウースター
斑U%値が1〜20%であり、仮撚り加工が施された仮
撚加工糸であることが好ましく、また、この仮撚加工糸
は、仮撚加工する前に予め先撚を付与しておくか、もし
くは仮撚加工後追撚がほおどこされたものであることが
好ましい。
【0008】さらにまた、本発明の衣料は、洗濯耐久性
に優れた抗菌性能を有しているところにも特徴を有す
る。従来から抗菌性を付与した布帛は一般衣料用布帛な
どにおいて、種々の検討がなされており、家庭における
水洗濯性はかなりのレベルに到達しているが、通常60
〜85℃の工業用洗濯を多数繰り返す方法下で十分な耐
久性を示すものは見出されていない。本発明では、かか
る工業用洗濯を多数繰り返す条件下でも、十分な耐久性
を示すものを提供し得たものである。
【0009】かかる洗濯耐久性に優れた抗菌性能を付与
するために、ピリジン系抗菌剤という特定な抗菌剤と太
繊度繊維とを有効に利用したものである。ポリエスエテ
ル系繊維に吸尽される抗菌剤は、該繊維が太い程吸尽さ
れ易く、それだけ耐久性に寄与するものである。その
上、上述のピリジン系抗菌剤は、ポリエスエテルとの親
和性が著しく優れており、かつ、その耐久性は抜群のも
のである。
【0010】かかるピリジン系抗菌剤の中でも、好まし
く2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛が特に優れ
ており、ポリエステル系繊維に飛躍的耐久性のもとに吸
尽される性質を有するものである。
【0011】かかるピリジン系抗菌剤は、平均粒径の小
さいものが、吸尽性の上から好ましく使用され、さらに
好ましくは2μm以下の平均粒径を有するものが用いら
れる。なお、平均粒径はレーザー分析法による、粒度分
布から求められる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。
【0013】本発明は、ポリエステル織物からなる衣料
に関するものであり、衣料を構成する織物の特徴は、横
断面形状が凹部を有するポリエステルフィラメント糸
と、糸の長さ方向に太さ斑を有するポリエステルフィラ
メント糸とを含む構成とすることにあり、新しいドライ
タッチと、見た目に自然な糸ムラ感による涼しさ、およ
び色の鮮明な発色性が得られることにある。
【0014】横断面形状が凹部を有するポリエステルフ
ィラメント糸は、織物の経糸および/または緯糸のいず
れかに使用されてもよく、また、糸の長さ方向に太さ斑
を有するポリエステルフィラメント糸も、織物の経糸お
よび/または緯糸のいずれかに使用されてもよい。
【0015】本発明の凹部を有する断面形状で構成され
たポリエステルフィラメント糸は、その断面に複数個の
凹部を有することに特徴がある。
【0016】図1(イ)〜(ニ)、図2(ホ)〜(ト)
は繊維断面形状の説明図である。図1は好ましい例であ
り、図2は好ましくない例である。
【0017】凹部を有する断面形状とは、同一断面にお
いて断面輪郭に接点を引いたとき、複数の接点を断面形
状の具体例を挙げると、図1(イ)〜(ニ)の例に示す
ごとく、断面輪郭に接点(L1)を引いたとき、複数の
接点を有する断面形状を原則としていう。上記の凹部を
有する断面形状の具体例を挙げると、図1(イ)〜
(ニ)の例に示すごとく、断面輪郭に接線(L1)を引
いたとき、複数の接点(S1,S2)を有し、その接点
間に凹部(U)を形成しており、その凹部と凹部の間に
凸部を有しているものである。
【0018】一方、凹部を有さない断面形状とは、図2
(ホ)〜(ト)の例に示すごとく、上記と同様、断面形
状の輪郭に接点(L2)を引いたとき、複数の接点を有
さず、1つの接点(S3)のみを有するものである。
【0019】本発明においては、凹部を有する断面形状
の凹は、一断面2個以上有し、凹部の深さ(U)は、5
μm以上75μm以下の範囲にあることが好ましく、さ
らに好ましくは10μm以上75μm以下の深さのある
ものがよい。この凹部の深さは、仮撚加工やアルカリ減
量処理により、紡糸段階において付与したものと多少深
さが変化するが、衣料の状態において、上記の凹部の深
さの範囲にあることが好ましい。この凹部の深さは、衣
料の風合いをドライにし、毛細管現象による吸水性に寄
与する効果として、および着用時の肘、膝、尻部などと
の摩擦により、フロスティング(白化)現象として品質
上の問題が発生しにくい効果として重要な条件である。
【0020】また、この凹部を有する断面形状マルチフ
ィラメントの構成は、凹部の存在数が異なるフィラメン
トを複数種混合したものでもなく、また凹部を有する断
面形状のフィラメントと凹部を有さない断面形状のフィ
ラメントとを混在させたもので7割以下が好ましく、さ
らに5割以下がドライな風合いを保持するためより好ま
しい。
【0021】次に緯糸および/または経糸を構成する糸
の長さ方向に太さ斑を有するポリエステルマルチフィラ
メント糸について説明する。
【0022】糸の長さ方向に太さ斑のないポリエステル
マルチフィラメント糸によって得られる織物は、表面が
スムースで、見た目の表情に貧しく、非常に味気のない
ものである。昔から例えば法衣に使用される織物は、通
常、絹100%であるが、それは風合いとともに、織物
の表面が紡績糸独特の糸ムラ感による自然な安らぎのあ
る表情をもっているため広く好まれている。このような
法衣には表面の糸ムラ感による表情を付与する要素とし
て、長さ方向に太さ斑を有するポリエステルマルチフィ
ラメント糸を緯糸および/または経糸にしようすること
で達成される。
【0023】この長さ方向に太さ斑を有するポリエステ
ルマルチフィラメント糸としては、例えば、未延伸糸や
半未延伸糸を低倍率延伸することによって得られるシッ
ク部とシン部で複屈伸率が異なるシックアンドシン糸
や、特公昭59−29689号公報、特公昭61−31
219号公報などに記載されているような、2種以上の
フィラメントの給糸速度に差をもたせ、芯糸となるべき
フィラメントの加燃区域で、サヤ糸をオーバーフィード
せしめて得られる、一重巻付き部と3重巻付き部を有す
る芯・鞘捲回構造加工糸が好ましい。これらの加工糸を
使用することによってムラ感の表現が達成される。ま
た、特開平9−87913号公報では繊維断面形状や撚
り数を規定した浴衣が提案されているが、耐久性のある
抗菌性能を有する衣料は得られていない。
【0024】ここで使用されるシックアンドシン糸は、
長さ方向の太さ斑を表すウースター斑U%値が1〜20
%、好ましくは3〜15%レベルが上品な表面感を得る
ため好ましい。このシックアンドシン糸は生糸の状態で
使用してもよいし、仮撚加工などを施した加工糸であっ
てもよい。さらに仮撚加工を実施する際に、前もって先
撚りが付与されたものであってもよく、あるいは通常の
仮撚加工を実施した後、追撚を施したものであってもよ
い。先撚の撚数は300〜700T/Mの範囲が好まし
く、また、追撚は、300〜1,500T/Mの範囲が
好ましい。
【0025】また、先撚りを付与して仮撚り加工した後
さらにまた、仮撚を施すことなく、生糸に撚を施したも
のであってもよい。この先撚や、仮撚加工後の追撚は、
シックアンドシンの太さ斑部の異なる撚数によって、太
さ斑の強調や、形態変化による染着差で視覚的太さ斑を
与え、また実感によって織物の曲げ反発性を高めて法衣
着用時シワになりにくい効果を与える。
【0026】長さ方向に太さ斑を有するポリエステルマ
ルチフィラメント糸としては、芯・鞘複合仮撚加工によ
る加工糸が好ましい。
【0027】特公昭59−29689号公報に示される
ように、この芯・鞘仮撚複合仮撚加工糸は、芯糸に鞘糸
がからまった仮撚複合糸であって、鞘糸が芯糸に対して
一方向の撚を一重に300〜1500T/M有して巻き
付いた部分と、3重に巻き付いて撚られた部分とを糸の
長さ方向に交互に形成してなるものである。
【0028】この仮撚複合糸は、通常の仮撚加工機のフ
ィードローラとして2重以上の異フィールド可能な装置
を有する機械で得られる芯側を構成するマルチフィラメ
ントに対して、鞘側を構成するマルチフラメントが通常
一重部を形成する部分と、三重部を形成してスラブ状の
巻付き構造を有する構造加工糸で、芯側マルチフラメン
トに対して40%以上、好ましくは50%以上のオーバ
ーフィードで供給し、ヒーターを通り仮撚スピンドルで
加撚されるとき、加撚・解撚の張力の変動によってオー
バーフィードされたマルチフィラメント糸が芯側マルチ
フラメントに巻き付き状態を変化して巻付き、スラブ状
の太さ斑構造加工糸が得られるものである。
【0029】該加工糸は芯側に対して鞘側が一重で巻付
いた部分に実撚が存在することによって織物表面に三重
巻付構造部分との差によって生ずる上品なムラ感と、実
撚による織物の曲げ剛性、反発効果によるシワの発生を
防ぐ点で特に優れている。
【0030】この太さ斑を有するポリエステルマルチフ
ィラメント糸は、前記凹部を有する断面形状で構成され
るマルチフィラメント糸の経糸もしくは緯糸にたいし
て、緯糸もしくは経糸の一部に使用されることが好まし
く。さらにこの太さ斑を有するポリエステル加工糸を使
用するにあたり、経糸または緯糸において、通常の仮撚
加工捲縮加工糸(例えばウーリー加工糸)と交互に配列
させたものとすることがふくらみのあるソフトさを合わ
せもった太さ斑を有する加工糸の糸ムラを織物表面で自
然なムラ感(やわらげる)にする効果として推奨され
る。この場合は、例えば緯糸として太さ斑加工糸と通常
の仮撚加工糸を用いる場合、太さ斑加工糸と通常の仮撚
加工糸との交織率の比は2:1ないし1:2が好まし
い。
【0031】また、次に、織物の染色加工仕上げの要件
について述べる。
【0032】基本的には、染色加工の工程条件は、通常
のポリエステル加工糸織物に使用される方法でよいが、
使用する太さ斑加工糸の糸種、条件によって解撚トルク
の発現による織物表面のムラ感、アルカリ減量によるド
レープ性やシワ発生のしにくい織物を得る点で重要であ
る。また、通常ポリエステルフィラメントは疎水性であ
るため、吸水性に貧しく、絹に比較して着心地感に劣る
が、凹部を有する断面形状で横成されるマルチフィラメ
ント糸と、太さ斑を有するポリエステルフィラメント糸
を使用するため、織物表面の凹凸によって吸水性は改善
される。
【0033】さらに、織物の染色仕上げ工程で、例え
ば、特公昭51−2559号公報に記載されているよう
な親水性物質の付与加工を実施することによって、この
凹部を有する断面形状マルチフィラメントによる毛細管
現象や、太さ斑を有するポリエステルフィラメント糸に
よる表面拡散性により、吸水効果が向上し、衣料とし
て、着用性面で洗濯による防シワ性、乾燥速度の速さが
優れたドライなハリのある着心地が得られる点で優れた
ものが提供される。
【0034】ピリジン系抗菌剤は、ポリエステル系繊維
の通常の仕上時に仕上剤と同時に付与する方法により付
与することができる。すなわちパディング浴等で抗菌剤
を含む液を繊維構造物に含浸された後、テンター等で1
60℃〜200℃で30秒〜10分間、より好ましくは
170℃〜190℃で2〜5分間、乾熱処理および湿熱
処理から選ばれた少なくとも1種の加熱処理をする。1
60℃未満の加熱条件では抗菌剤は繊維に強固に付着ま
たは吸尽しない。また、200℃を超える条件の場合、
繊維材料の黄変や脆課化、さらに染料や抗菌剤の昇華も
しくは熱分解ならびにエネルギー消費量の増加などが生
じるため好ましくない。
【0035】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。
【0036】かかる構造の繊維からなる布帛を形成した
後、該抗菌剤を付与することによって繊維断面の凹部に
抗菌剤が選択的に吸着し、耐久性のある抗菌性能が得ら
れるばかりでなく、保管時においても、凹部を有する布
帛のため、通気性に優れていることから、より耐久性の
ある抗菌性能が得られるのである。
【0037】なお、実施例中の各特性値の測定は次の方
法で行った。
【0038】吸水性(mm)はJIS l096(一般
紙物試験方法)で毛細管現象による水の上昇した高さを
求めた。
【0039】乾燥速度は、20℃×65%調湿、20分
侵せき後脱水10秒した後の乾燥速度(乾燥率)この乾
燥率とは、含水率から求めた逆数である。
【0040】 乾燥率(%)={(A−B)/A}×100 A:水に漠透した布の重量. B:乾燥時間での布の重量 防シワ率は、JIS l059(織物の防しわ性試験方
法)で測定した。
【0041】洗濯収縮率および外観変化は、JIS 0
217(繊維製品の取扱いに関する表示記号およびその
表示方法)を参考に処理したサンプルで判定した。
【0042】 洗濯収縮率(%)={(L0−/L)}×100 L:元長(cm) L0:洗濯後のたてまたはよこの印間の長さの平均(c
m) 外観変化は、洗濯後の試験片を平らな台の上に広げ、北
窓光線またはこれに相当する光源が試験片表面に45度
であたる台の上で、試準片の表面に対して直角になるよ
うにして、試験片のしわを判定標準見本と対比して等級
区分する。
【0043】本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の%および部とは、断らない限
り重量基準である。また、実施例中での品質評価は次の
方法に従った。 (1)洗濯方法 ドラム染色機を用い、花王(株)製洗剤“ザブ”2g/
l、過酸化水素水(35%工業用)3cc/l、過炭酸
ナトリウム1.5g/l、温度85±2℃、浴比1:2
0で15分間洗濯し、その後排液、脱水後、オーバーフ
ロー水洗を10分間実施した。水洗後タンブラー・ドラ
イヤーを用いて20分間で乾燥させた。これを洗濯1回
とした。 (2)抗菌試験方法 試験方法は統一試験法を採用し、試験菌体はMRSA臨
床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試料布に上記試験
菌のブイヨン懸濁液を注加し、密栓容器中で37℃、1
8時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を
求め、次の基準に従った。
【0044】log(B/A)>1.5の条件下、lo
g(B/C)を菌数増減値差とし、2.2以上を合格レ
ベルとした。ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収
した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した
菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を
示す。
【0045】実施例1 縫糸が、6個の凹部を有する断面形状を有するポリエス
テルマルチフィラメント(83.3dtex×24フィ
ラメント)と、凹部を有しない丸断面のポリエステルマ
ルチフィラメント(83.3dtex×24フィラメン
ト)との混繊糸(トータルデニール:166.7dte
x、トータルフィラメント数:48本)で構成された、
撚係数α=9,200のポリエステルマルチフィラメン
ト糸で、緯糸が長さ方向に太さ斑のないポリエステルマ
ルチフィラメント糸と長さ方向に太さ斑を有する2糸条
複合仮撚によって得られる鞘糸が芯糸に対して一方向の
撚を一重に300T/Mを有する部分と鞘糸が芯糸に対
して三重に撚られた部分が交互に形成されているポリエ
ステルマルチフィラメント糸を1本交互に打込み、生機
密度タテ90本/2.54cmXヨコ53本/2.54
cmの平織物を製織した。
【0046】得られた生機を通常の染色加工工程におい
て120℃の液流リラックス処理、180℃の中間セッ
ト、アルカリ減量処理(減量率13%)、130℃の液
流染色処理、パッド法による抗菌剤付与、160℃での
仕上げセットを行い、得られた密度96本/2.54c
m×65本/2.54cmの織物で実施した。次に抗菌
剤として2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛の
0.6%液にパディングし、180℃で3分間処理し
た。織物の特性値を表1に示したごとく吸水性に優れシ
ワのよりにくい乾き易いい布帛であり、抗菌性も5.5
と優れたものであった。
【0047】なお、得られた織物断面のSEM写真よ
り、経糸のマルチフィラメント糸からフィラメント2本
の凹部の深さを測定したところ、凹部の深さは10μm
〜46μmの範囲であり、大部分の凹部は深さが16μ
m〜26μmの範囲にあった。
【0048】実施例2 実施例1の平織物を染色処理後、該織物に次のAからE
の吸水加工を順次実施したのち、実施例1と同様の抗菌
加工をした。吸水加工条件は下記のとおりであり、その
結果、吸水性、防シワ性に優れ、乾き易い抗菌性の優れ
たものであった。
【0049】A.パッデイング:(1)分子量1000
のポリオキシエチレングリコールジメタクリエート…1
5g/l (2)過酸化アンモニウム(触媒)…1.5g/l (3)Pick up…100% B.スチーミング:飯和スチーム…100〜105℃×
3分 C.洗浄:通常の洗浄 D.乾燥:通常の乾燥・・・120℃ F.仕上げセット:通常の仕上げセット・・・160℃
×30秒 得られた特性値を表1に示す。
【0050】比較例1 市販の絹100%衣料で分解糸の見掛け番手がタテ42
番×ヨコ32番で、仕上がり密度タテ85本/2.54
cm×ヨコ62本/2.54cmの平織物で実施し、抗
菌剤として1,4−(1−ジョ−ドメチルスルファニ
ル)ベンゼンを0.6%を用いて、実施例と同様のパデ
ィング加工を実施した。織物の特性値を表1に示すごと
く、乾き難く、シワになり易い織物であり、抗菌性も洗
濯50回で0.1と劣るものであった。。
【0051】比較例2 ポリエステル100%のフィラメント織物で、分解糸の
見掛繊度がタテ85デニール×ヨコ81デニール、密度
がタテ126本/2.54cm×ヨコ92本/2.54cm
の平織物で実施し、抗菌剤として6−(2−チオフェン
カルボニル)−1H−2−ベンズイシダゾールカルバミ
ン酸メチルを0.6%用いて実施例1と同様の方法でパ
ッド加工した。織物の特性値を表1に示すごとく吸水性
が劣り抗菌性も洗濯50回後で0.1と劣るものであっ
た。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、衣料としての風合いを
損なうことなく、自然な表面ムラ感による涼しさ、およ
び色の鮮明さによる高発色性を有した、防シワ性、速乾
性に優れ、ドライなハリのある着心地のよい抗菌性能を
有するポリエステル衣料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)〜(ニ)は好適な凹部を有する断面形状
の一例を示す繊維断面図である。
【図2】(ホ)〜(ト)は不適な凹部を有さない断面形
状の一例を示す繊維断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AA07 AB03 AB05 AC01 AC07 AC10 BA57 BA98 BA99 DA07 4L036 MA05 MA20 PA21 PA46 RA25 4L048 AA36 AA37 AB07 AB09 AB12 AB19 AB21 AC12 BA01 BA02 CA00 CA07 CA08 CA11 CA15 DA01 DA02 DA22 EB00 EB04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹部を有する断面形状をもったポリエステ
    ルフィラメント糸と、糸の長さ方向に太さ斑を有するポ
    リエステルフィラメント糸を含む織物を用いて構成され
    た衣料であって、該衣料にはピリジン系抗菌剤が施され
    ていることを特徴とする衣料。
  2. 【請求項2】凹部を有する断面形状をもったポリエステ
    ルフィラメント糸の凹部の深さ(U)が5μm以上75
    μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載
    の衣料。
  3. 【請求項3】凹部を有する断面形状をもったポリエステ
    ルフィラメント糸が、下記式における撚り係数αが4,
    500以上17,000以下の範囲に追撚されているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の衣料。 T=1.1α・D-1/2 ただし、T:追撚数(T/M) α:撚係数 dTex:糸の繊度
  4. 【請求項4】糸の長さ方向に太さ斑を有するポリエステ
    ルフィラメント糸が、鞘糸が芯糸に対して一重に巻き付
    いた部分と3重に巻き付いた部分とが交互に形成されて
    なる複合仮撚加工糸であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の衣料。
  5. 【請求項5】糸の長さ方向に太さ斑を有するポリエステ
    ルフィラメント糸が、シック部とシン部で複屈折率が異
    なるシックアンドシン糸であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の衣料。
  6. 【請求項6】シックアンドシン糸が、ウースター斑U%
    値が1〜20%であり、仮撚加工が施された仮撚加工糸
    であることを特徴とする請求項5に記載の衣料。
  7. 【請求項7】仮撚加工糸が、先撚もしくは追撚が施され
    たものであることを特徴とする請求項6に記載の衣料。
  8. 【請求項8】前記ピリジン系抗菌剤が、2−ピリジルチ
    オール−1−オキシド亜鉛であることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載の衣料。
  9. 【請求項9】前記衣料が、工業洗濯50回前後の抗菌性
    がともに2.5以上であるものであることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載の衣料。
  10. 【請求項10】前記衣料が、法衣、浴衣、または白衣か
    ら選ばれたものであることを特徴とする請求項1〜9の
    いずれかに記載の衣料。
  11. 【請求項11】前記請求項1〜10のいずれかに記載の
    織物におけるピリジン系抗菌剤の付与が、該抗菌剤を含
    む液中に織物を浸漬し、100℃〜150℃の条件で乾
    燥処理するものであることを特徴とする衣料の製造方
    法。
  12. 【請求項12】ピリジン系抗菌剤が、2−ピリジルチオ
    ール−1−オキシド亜鉛であることを特徴とする請求項
    11に記載の衣料の製造方法。
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