JP2001233010A - トーンホイール付回転伝達装置 - Google Patents

トーンホイール付回転伝達装置

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JP2001233010A
JP2001233010A JP2000047537A JP2000047537A JP2001233010A JP 2001233010 A JP2001233010 A JP 2001233010A JP 2000047537 A JP2000047537 A JP 2000047537A JP 2000047537 A JP2000047537 A JP 2000047537A JP 2001233010 A JP2001233010 A JP 2001233010A
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tone wheel
outer peripheral
sensor
rotating member
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Kaoru Katano
薫 片野
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストを低減して、しかもトーンホイール3
9にその検知部を対向させたセンサ34aの検出の信頼
性或は精度の向上を図る。又、トーンホイール39及び
センサ34aの取付位置及び取付角度の設計の自由度を
大きくする。 【解決手段】 駆動軸部材2の内端部外周面と駆動軸3
の中間部外周面との間に設けるブーツ37の嵌合部11
aの外周面にトーンホイール39を、一体的に固設す
る。上記駆動軸部材2の外周面にトーンホイールを直接
嵌合固定する必要がなくなり、このトーンホイール39
を大径化できる為、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトーンホイー
ル付回転伝達装置は、例えば自動車の懸架装置に支持さ
れた駆動輪{FF車(前置エンジン前輪駆動車)の前
輪、FR車(前置エンジン後輪駆動車)及びRR車(後
置エンジン後輪駆動車)の後輪、4WD車(四輪駆動
車)の全輪}を回転駆動すると共に、この駆動輪の回転
速度を検出する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】懸架装置等の固定部分に回転自在に支持
された、車輪等の回転体を回転駆動する為に、互いに非
直線上にある、この回転体を固定した回転部材と、別の
回転部材とを、回転伝達機構により連結して、両回転部
材同士の間で回転を伝達する回転伝達装置が、従来から
各種使用されている。特に、自動車の車輪(駆動輪)を
駆動する為に用いる回転伝達装置は、デファレンシャル
ギヤと駆動輪との相対変位やこの駆動輪に付与された舵
角に拘らず、駆動軸の回転を上記駆動輪に対して円滑に
(等速性を確保して)伝達する必要がある。一方、自動
車のアンチロックブレーキシステム(ABS)やトラク
ションコントロールシステム(TCS)を制御する為に
は、車輪の回転速度を検出する必要がある。この為、回
転伝達装置の一部に回転速度検出装置を構成するトーン
ホイールを設けたトーンホイール付回転伝達装置と、固
定部分に支持した回転速度検出用のセンサとを組み合わ
せて、上記駆動輪の回転速度を検出する事が、従来から
行なわれている。
【0003】図10は、この様に従来から使用されてい
るトーンホイール付回転伝達装置の1例を示している。
このトーンホイール付回転伝達装置1は、駆動軸部材2
と、駆動軸3と、等速ジョイント用内輪4と、複数のボ
ール5、5と、弾性材製のブーツ6と、トーンホイール
32とを備える。このうち、外側回転部材である、駆動
軸部材2は、スプライン軸7と、このスプライン軸7の
基端部に一体的に結合した、ツェッパ型の等速ジョイン
トの外輪となるハウジング部8とから成る。このハウジ
ング部8の内周面には、それぞれが等速ジョイントの軌
道となる、複数の外側係合溝9、9を、それぞれこのハ
ウジング部8の円周方向に対し直角方向に形成してい
る。
【0004】又、このハウジング部8の内側には、エン
ジンによりトランスミッションを介して回転駆動され
る、内側回転部材である、上記駆動軸3の外端(自動車
への組み付け状態で幅方向外側となる端で、各図の左
端)部を支持している。この駆動軸3の内端(自動車へ
の組み付け状態で幅方向内側となる端で、各図の右端)
部は、デファレンシャルギヤ側に設けたトリポード型の
等速ジョイント(図示せず)を構成するトリポードの基
端部に結合固定する。そして、上記駆動軸3の外端部外
周面に、それぞれが上記等速ジョイントの軌道となる複
数の内側係合溝10、10を形成した、上記等速ジョイ
ント用内輪4をスプライン係合させている。
【0005】そして、上記ハウジング部8とこの等速ジ
ョイント用内輪4との間に、それぞれが回転伝達部材で
ある前記複数のボール5、5を、上記各外側係合溝9、
9と各内側係合溝10、10とに沿う転動を自在に設け
ている。そして、これら複数のボール5、5と、上記ハ
ウジング部8と、上記等速ジョイント用内輪4とによ
り、上記ツェッパ型の等速ジョイントを構成している。
【0006】又、上記ハウジング部8の外端部外周面と
上記駆動軸3の中間部外周面との間に、前記弾性材製の
ブーツ6を設けている。このブーツ6は、全体を筒状に
形成したものであり、中間部を蛇腹状にする事で、曲げ
変形並びに伸縮を自在としている。又、このブーツ6の
両端部に短円筒状の嵌合部11を、それぞれ設けてい
る。そして、これら各嵌合部11のうち、一方(図10
の左方)の嵌合部11を上記ハウジング部8の内端部外
周面に、他方の嵌合部(図示せず)を上記駆動軸3の中
間部外周面に、それぞれ嵌合固定する事で、上記ブーツ
6を上記ハウジング部8の外端部と駆動軸3の中間部と
の間に設けている。この様なブーツ6を設けた事によ
り、上記等速ジョイントを構成する複数のボール5、5
が存在する空間12内に異物が進入する事を防止すると
共に、この空間12内に封入したグリースが外部に漏れ
出る事を防止できる。
【0007】尚、図示の例の場合には、上記ブーツ6に
設ける1対の嵌合部11のうち、一方の嵌合部11の内
周面の一部に係止凸部13を、全周に亙り設けている。
そして、この係止凸部13を上記ハウジング部8の内端
部外周面に全周に亙り形成した係止凹溝14に係合さ
せ、更に、上記一方の嵌合部11の外周面で上記係止凸
部13の周囲部分に抑えリング15を装着している。こ
の構成により、上記係止凸部13が上記係止凹溝14内
から外れる事を防止して、上記ブーツ6と上記ハウジン
グ部8とを不離に結合している。
【0008】更に、上記ハウジング部8の外周面の一部
で、後述する内輪19の内端面よりも軸方向内側に位置
する部分に、やはり後述するセンサ34と共に回転速度
検出装置を構成する、前記トーンホイール32を固定し
ている。このトーンホイール32は、軟鋼等の磁性金属
製で、全体を円環状に形成している。そして、このトー
ンホイール32の外周面に、それぞれがこのトーンホイ
ール32の軸方向に長い多数の凹溝33、33を、円周
方向に亙って等間隔で形成する事により、このトーンホ
イール32の外周面の磁気特性を、円周方向に亙って交
互に且つ等間隔に変化させている。
【0009】上述の様に構成するトーンホイール付回転
伝達装置1は、懸架装置に車輪を支持する為の軸受ユニ
ット16と組み合わせている。この軸受ユニット16
は、外輪17と、ハブ18と、内輪19と、複数個の転
動体20、20とから成る。このうち、外輪17は、上
記懸架装置の一部を構成するナックル21に支持する為
の第一の取付フランジ22を外周面に、複列の外輪軌道
23、23を内周面に、それぞれ有する。上記外輪17
の内側には上記ハブ18を、この外輪17と同心に支持
している。このハブ18は、外周面の外端寄り部分に車
輪を支持する為の第二の取付フランジ24を、同じく中
間部に第一の内輪軌道25を、それぞれ形成している。
又、上記ハブ18の外周面の内端寄り部分には小径段部
26を形成し、この小径段部26に、その外周面に第二
の内輪軌道27を形成した上記内輪19を外嵌してい
る。
【0010】そして、上記各外輪軌道23、23と上記
第一、第二の内輪軌道25、27との間に上記転動体2
0、20を、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けて、上
記外輪17の内側に上記ハブ18を回転自在に支持して
いる。又、上記外輪17の外端部内周面と上記ハブ18
の中間部外周面との間にシールリング28を、上記外輪
17の内端部内周面と上記内輪19の内端部外周面との
間に組み合わせシールリング42を、それぞれ設けてい
る。そして、これらシールリング28及び組み合わせシ
ールリング42により、上記複数の転動体20、20を
設置した空間の両端開口部を塞いでいる。
【0011】又、上記ハブ18の中心部にはスプライン
孔29を形成している。そして、このスプライン孔29
に前記駆動軸部材2を構成するスプライン軸7をスプラ
イン係合させている。このスプライン軸7の先端部(図
10の左端部)には雄ねじ部30を形成しており、この
雄ねじ部30に螺合・緊締した抑えナット31により、
上記ハブ18の外端面中心寄り部分を抑え付けている。
この状態で、このハブ18の内端部に外嵌した前記内輪
19の内端面は、前記ハウジング部8の外端面に押し付
けられて、上記トーンホイール付回転伝達装置1と軸受
ユニット16とが組み合わされる。
【0012】一方、前記ナックル21の一部には、セン
サ34を支持固定している。この為、上記ナックル21
の一部で、上記トーンホイール32の外周面と対向する
部分には貫通孔35を、このトーンホイール32の直径
方向に貫通する状態で形成している。そして、上記セン
サ34の検知部を、上記貫通孔35を通じて上記ナック
ル21の一部に設けた支持孔36の内周面から内側に突
出させた状態で、上記センサ34を上記ナックル21の
一部に支持固定している。又、上述の様に、軸受ユニッ
ト16と組み合わせたトーンホイール付回転伝達装置1
は、外輪17に設けた第一の取付フランジ22によりナ
ックル21に支持している。そして、この状態で、上記
ナックル21の一部に支持したセンサ34の検知部を、
前記トーンホイール32の外周面に微小隙間を介して対
向させる。トーンホイール付回転伝達装置1の使用時に
は、ハブ18に設けた第二の取付フランジ24により、
車輪をこのハブ18に固定する。
【0013】上述の様なトーンホイール付回転伝達装置
1によれば、エンジンにより駆動軸3に与えられた回転
を、等速ジョイント用内輪4及び複数のボール5、5を
介して上記駆動軸部材2に伝達できる。そして、上記ハ
ブ18に固定した車輪を回転駆動できる。
【0014】更に、上記ハウジング部8が回転すると、
上記センサ34の検知部の近傍を、上記トーンホイール
32の外周面に設けた凹溝33、33と、円周方向に隣
り合う凹溝33、33同士の間に存在する凸部とが交互
に通過する。この結果、上記センサ34内を流れる磁束
の密度が変化し、このセンサ34の出力が変化する。こ
の様にしてセンサ34の出力が変化する周波数は、上記
車輪の回転数に比例する。従って、上記センサ34の出
力を、ハーネス40により図示しない制御器に送れば、
ABSやTCSを適切に制御できる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の様な従来構造の
場合には、車輪の回転速度を検出する為に設けるトーン
ホイール32を、駆動軸部材2の中間部外周面に、直接
嵌合固定している。この様なトーンホイール32として
従来は、軟鋼等の硬質材料製のものを使用していた。従
って、このトーンホイール32を上記駆動軸部材2の一
部に外嵌固定する為には、予めこのトーンホイール32
の内周面の形状精度を確保すると共に、このトーンホイ
ール32を外嵌すべき上記駆動軸部材2の外周面の一部
に仕上げ加工を施して、この部分の形状精度も確保する
必要がある。この様に各部の形状精度を確保するのは、
トーンホイール付回転伝達装置1全体のコストが嵩む原
因になる。又、組み付け時には、上記トーンホイール3
2を、他の部材とは別個に、上記駆動軸部材2に固定す
る作業が必要となる為、この面からも、上記トーンホイ
ール付回転伝達装置1全体のコストが嵩む原因になる。
本発明のトーンホイール付回転伝達装置は、上述の様な
事情に鑑みて発明したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のトーンホイール
付回転伝達装置は、端部内周面に係合溝又は係合凹部が
形成された外側回転部材と、この外側回転部材の端部内
側にその端部が設けられた内側回転部材と、この内側回
転部材の端部外周面と上記外側回転部材の端部内周面と
の間に、上記係合溝又は係合凹部に係合する状態で設け
られて、上記内側、外側両回転部材同士の間で回転を伝
達する回転伝達部材と、両端部にそれぞれ嵌合部を有
し、これら1対の嵌合部のうち、一方の嵌合部を上記外
側回転部材の端部外周面に、他方の嵌合部を上記内側回
転部材の中間部外周面に、それぞれ嵌合固定する事によ
り、上記外側回転部材の端部外周面と上記内側回転部材
の中間部外周面との間に設けられた、少なくとも中間部
が弾性材製である筒状のブーツと、上記一方の嵌合部の
外周面に固設され、その外周面又は片側面の円周方向に
亙る特性が交互に変化している円環状のトーンホイール
とを備える。
【0017】
【作用】上述の様に構成する本発明のトーンホイール付
回転伝達装置によれば、固定部分に支持したセンサの検
知部と、ブーツの一部に固定したトーンホイールの外周
面又は片側面とを対向させる事により、外側回転部材に
支持した回転体の回転速度を検出する事ができる。しか
も本発明によれば、上記トーンホイールとブーツとを一
体的に取り扱える為、組み付け作業に要するコストを低
減できる。更に、弾性体のブーツを上記外側回転部材の
外周面に嵌合固定する為、ブーツ及び外側回転部材の嵌
合面の形状及び寸法精度を、金属と金属との嵌合であっ
た従来程には厳しく確保する必要がなくなる。この結
果、本発明によればトーンホイール付回転伝達装置全体
のコスト低減を図れる。更に、本発明によれば、上記ト
ーンホイール自体の直径方向の厚さを大きくする事な
く、このトーンホイールの外径を大きくできる為、コス
トを上昇させる事なく上記センサの検出精度の向上を図
れる。更に、本発明の場合には、上記外側回転部材に対
して上記トーンホイールを固定する部分の軸方向位置を
適宜変更できて、回転速度検出装置と組み合わせた構造
を設ける空間の有効活用を図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、コスト低
減と、回転速度検出装置を構成するセンサの検出精度向
上とを図るべく、このトーンホイール39自体を固定す
る部材を工夫した点にある。本例に於いてその他の部分
の構成及び作用は、軸受ユニット16と組み合わせる事
により懸架装置の一部に支持する点も含めて、前述の図
10に示した従来構造とほぼ同様である為、同等部分に
は同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略に
し、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0019】本発明のトーンホイール付回転伝達部材1
aは、前述した従来構造と同様に、外側回転部材である
駆動軸部材2と、内側回転部材である駆動軸3と、等速
ジョイント用内輪4と、それぞれが回転伝達部材である
複数のボール5、5と、ブーツ37とを備える。特に、
本発明のトーンホイール付回転伝達部材1aの場合、上
記駆動軸部材2の内端部外周面と上記駆動軸3の中間部
外周面との間に設ける上記ブーツ37の一部に、円環状
のトーンホイール39を固定している。即ち、このブー
ツ37は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製の本体
部分38と、トーンホイール39とから成る。このうち
の本体部分38は、全体を筒状に形成したものであり、
中間部を蛇腹状にする事で、曲げ変形並びに伸縮を自在
としている。又、この本体部分38の両端部に短円筒状
の嵌合部11aを、それぞれ設けている。そして、これ
ら1対の嵌合部11aのうち、一方(図1の左方)の嵌
合部11aを上記駆動軸部材2の内端部に設けたハウジ
ング部8の内端部外周面に嵌合自在とする共に、上記1
対の嵌合部11aのうち、他方の嵌合部(図示せず)を
上記駆動軸3の中間部外周面に嵌合自在としている。
【0020】そして、上記一方の嵌合部11aの先半部
(図1の左半部)外周面に、上記トーンホイール39を
固定している。本例の場合、このトーンホイール39
は、例えばフェライト等の強磁性材の粉末をゴムに混入
して成る。そして、このトーンホイール39の外周面に
図示しない着磁ヨークを対向させる事により、このトー
ンホイール39を直径方向に亙って着磁すると共に、着
磁方向を円周方向に亙り交互に且つ等間隔で変化させて
いる。従って、このトーンホイール39の外周面には、
S極とN極とが、円周方向に亙り交互に且つ等間隔で配
置される。そして、この様なトーンホイール39を、上
記一方の嵌合部11aの先半部外周面に形成した小径段
部41の外周面に、接着等により固定している。
【0021】上述の様にトーンホイール39をその一部
に固定して成るブーツ37は、上記1対の嵌合部11a
のうち、一方の嵌合部11aの内周面に設けた係止凸部
13をハウジング部8の外周面に形成した係止凹溝14
に係合させた状態で、この一方の嵌合部11aを上記ハ
ウジング部8の内端部に、締まり嵌めで外嵌固定してい
る。そして、この状態で、上記トーンホイール39の外
周面で上記係止凸部13の周囲部分に抑えリング15を
装着する事により、上記係止凸部13が上記係止凹溝1
4内から抜け出る事を防止している。又、上記1対の嵌
合部11aのうち、他方の嵌合部(図示せず)は、駆動
軸3の中間部外周面に、やはり締り嵌め等により外嵌固
定している。この結果、上記ハウジング部8内で複数の
ボール5、5を設置した空間は、上記ブーツ37により
外部から遮断される。
【0022】一方、懸架装置の一部を構成するナックル
21の一部に、前記トーンホイール39と共に回転速度
検出装置を構成する、センサ34aを固定している。こ
の為、上記ナックル21の一部で上記トーンホイール3
9の外周面と対向する部分に貫通孔35を、このトーン
ホイール39の直径方向に貫通する状態で形成してい
る。そして、上記センサ34aの検知部を、上記貫通孔
35を通じて上記ナックル21の内側に突出させた状態
で、上記センサ34aを上記ナックル21の一部に支持
固定している。このセンサ34aは、ホール素子、磁気
抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性
を変化させる磁気検出素子、並びにこの磁気検出素子の
出力波形を整える為の波形整形回路を組み込んだIC等
から成る検出手段を、合成樹脂中に包埋して成る。又、
この検出手段から取り出した出力信号を図示しない制御
器に送る為のハーネス40の端部を、(コネクタ等を介
する事なく)直接上記センサ34aに接続している。
【0023】上述の様に構成する本発明のトーンホイー
ル付回転伝達装置1aは、前記駆動軸部材2を、軸受ユ
ニット16を構成するハブ18及び内輪19と結合固定
する事で、上記軸受ユニット16と組み合わせている。
又、このトーンホイール付回転伝達装置1aは、外輪1
7の外周面に設けた第一の取付フランジ22によりナッ
クル21の一部に固定している。そして、この状態で、
上記センサ34aの検知部を、前記ブーツ37の本体部
分38の一部に固定したトーンホイール39の外周面に
微小隙間を介して対向させる。上記トーンホイール付回
転伝達装置1aの使用時には、上記ハブ18の外周面に
設けた第二の取付フランジ24により車輪をこのハブ1
8に固定する。
【0024】上述の様に構成し、懸架装置に組み付ける
本発明のトーンホイール付回転伝達装置によれば、エン
ジンにより駆動軸3に与えられた回転を、等速ジョイン
ト用内輪4及び複数のボール5、5を介して、駆動軸部
材2に伝達できる。そして、前記ハブ18に固定した車
輪を回転駆動する事ができる。特に、本発明のトーンホ
イール付回転伝達装置によれば、ブーツ37の一部に固
定したトーンホイール39の外周面にその検知部を対向
させたセンサ34aにより、上記ハブ18に固定した車
輪の回転速度を検出できる。しかも本発明によれば、上
記トーンホイール39とブーツ37とを一体的に取り扱
える為、このトーンホイール39をブーツと独立して設
ける場合に比べて組み付け作業に要するコストを低減で
きる。更に、弾性材製のブーツ37を上記駆動軸部材2
の外周面に嵌合固定する為、このブーツ37及び駆動軸
部材2の嵌合面の形状及び寸法精度を、金属と金属との
嵌合であった従来程には確保する必要がなくなる。この
結果、本発明によればトーンホイール付回転伝達装置1
a全体のコスト低減を図れる。
【0025】更に、本発明の場合には、上記トーンホイ
ール39を、ブーツ37を構成する一方の嵌合部11a
の外周面の一部に固定している為、このトーンホイール
39自体の直径方向厚さを大きくする事なく、このトー
ンホイール39の外径を大きくできる。従って、本発明
の場合には、上記トーンホイール39の製造コストを高
くしたり重量を増大させたりする事なく、上記トーンホ
イール39の各磁極の円周方向に亙る幅を大きくする
か、或は磁極の数を増やす事ができる。この結果、この
トーンホイール39の外周面と対向させた、上記センサ
34aによる回転速度検出の信頼性の向上、或は検出精
度の向上を図れる。しかも、本例の場合には、上記ブー
ツ37を構成する一方の嵌合部11aを、ハウジング部
8の内端部外周面に締り嵌めにより嵌合している為、上
記トーンホイール39が上記ハウジング部8に対しずれ
動く事が防止されて、上記センサ34aの検出の信頼性
及び精度の向上を図れる。更に、本発明の場合には、ハ
ウジング部8に対して上記トーンホイール39を固定す
る部分の軸方向位置を適宜変更できて、自動車の狭い空
間の有効活用を図れる。
【0026】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合は、ブーツ37の端部に固
定するトーンホイール39aを、SPCCの如き軟鋼板
等の磁性材から成る円環状部材43の外周面に、上述し
た第1例の場合に用いるトーンホイール39(図1、
2)と同様の構造を有する円環状の弾性マグネット44
の内周面を、焼き付け、接着等により結合する事で構成
している。この様に構成する本例の場合には、上記弾性
マグネット44の外周に存在する磁束の密度を大きくす
る事ができて、上記トーンホイール39aの外周面にそ
の検知部を対向させたセンサ34aによる検出の信頼性
を向上する事ができる。その他の構成及び作用に就いて
は、上述した第1例の場合と同様である為、重複する図
示並びに説明は省略する。
【0027】次に、図4〜5は、本発明の実施の形態の
第3例を示している。本例の場合には、上述した各例の
場合と異なり、トーンホイール39bを軸方向に着磁さ
せている。即ち、このトーンホイール39bは、前述し
た第1例の場合と同様に、例えばフェライト等の強磁性
材の粉末をゴムに混入して成る。そして、このトーンホ
イール39bの片側面(図4、5の左側面)に図示しな
い着磁ヨークを、このトーンホイール39bの軸方向に
対向させる事により、このトーンホイール39bを軸方
向に亙って着磁すると共に、着磁方向を円周方向に亙り
交互に且つ等間隔で変化させている。従って、このトー
ンホイール39bの片側面には、S極とN極とが、円周
方向に亙り交互に且つ等間隔で配置されている。
【0028】そして、このトーンホイール39bを、ブ
ーツ37を構成する一方の嵌合部11aの先半部外周面
に形成した小径段部41の外周面に固定している。又、
ナックル21の一部に固定したセンサ34bの検知部
を、上記トーンホイール39bの片側面に微小隙間を介
して対向させている。尚、図示の例の場合、このトーン
ホイール39bの外径側半部を上記一方の嵌合部11a
の外周面の一部でこのトーンホイール39bの他側面
(図4、5の右側面)と対向する部分よりも直径方向外
方に突出させている。従って、このトーンホイール39
bの片側面で上記センサ34bの検知部と対向する被検
知部の外径を大きくする事ができて、このセンサ34b
の検出能力の向上を図れる。尚、図示は省略するが、上
記トーンホイール39bの他側面(図4、5の左側面)
に接する状態で磁性材製の円板状部材を添設すれば、上
記トーンホイール39bの被検知面である他側面に存在
する磁束の密度を大きくする事ができて、上記センサ3
4bの検出能力を更に向上できる。その他の構成及び作
用に就いては、前述した第1例の場合と同様である為、
同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略す
る。
【0029】次に、図6〜7は、本発明の実施の形態の
第4例を示している。本例の場合には、ブーツ37を構
成する一方の嵌合部11aの先半部(図6の左半部)外
周面に、この一方の嵌合部11aの先端に向かう程直径
が小さくなる方向に傾斜した、傾斜円筒面部45を設け
ている。そして、この傾斜円筒面部45の外周面に、そ
の内、外両周面をこの傾斜円筒面部45と同じ方向に傾
斜させたトーンホイール39cを、接着等により固定し
ている。このトーンホイール39cは、前述した第1例
及び上述した第3例の場合と同様に、例えばフェライト
等の強磁性材の粉末をゴムに混入して成る。そして、こ
のトーンホイール39cを、この内、外両周面と直角な
方向に着磁させている。又、ナックル21の一部に支持
したセンサ34aの検知部を、上記トーンホイール39
cの外周面に微小隙間を介して対向させている。
【0030】上述の様に構成する本例の場合には、セン
サ34aのハーネス40を、比較的広い空間である、車
輪に近い側の空間に取り出す事ができる為、回転速度検
出装置と組み合わせた装置を組み込む空間の有効活用を
図れる。更に、作業者が上記センサ34aの着脱作業を
上記車輪に近い位置から行なえる為、この着脱作業が容
易になる。その他の構成及び作用に就いては、前述した
第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を
付して重複する説明は省略する。
【0031】次に、図8〜9は、本発明の実施の形態の
第5例を示している。本例の場合、ブーツ37を構成す
る一方の嵌合部11aの先半部(図8の左半部)外周面
に固定するトーンホイール39dを、軟鋼板等の磁性金
属板を短円筒状に形成する事により構成している。そし
て、このトーンホイール39dの円周方向複数個所等間
隔位置に、それぞれがこのトーンホイール39dの軸方
向に長いスリット状の透孔46、46を形成して、この
トーンホイール39dの外周面の磁気特性を、円周方向
に亙って交互に且つ等間隔に変化させている。そして、
ナックル21の一部に支持したセンサ34の検知部を、
上記トーンホイール39dの外周面に、直径方向に亙り
微小隙間を介して対向させている。本例に使用するセン
サ34は、前述の図10に示した従来構造の場合と同様
に、永久磁石とポールピースとコイルとを備えたものと
する。そして、このうちのポールピース内を流れる磁束
の量が、このポールピースの端面が上記透孔46に対向
する瞬間とそれ以外の瞬間とで変化するので、この変化
に伴って上記コイルに惹起される電圧を、検出信号とし
て利用する。その他の構成及び作用に就いては、前述し
た第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号
を付して重複する説明は省略する。
【0032】尚、上述した各例は、回転伝達機構にツェ
ッパ型の等速ジョイントを用いた構造に、本発明を適用
した場合に就いて説明したが、本発明はこの様な構造に
限定するものではない。例えば、回転伝達機構として、
回転伝達部材が、内側回転部材の端部外周面に固設した
トラニオンの周囲に回転自在に支持した複数のローラで
ある、トリポード型の等速ジョイントを用いた構造に
も、本発明を適用する事ができる。但し、その場合に
は、外側回転部材の一端部の内周面の円周方向複数個所
に軸方向に長い係合凹部を、それぞれ設け、これら各係
合凹部に沿って上記各ローラを転動自在とする。又、本
発明を実施する場合に、センサ及びトーンホイールの構
造は、特に限定しない。例えば、上述した各例で用いる
磁気式のものに限らず、光電式、渦電流式のものとする
事もできる。要は、トーンホイールが、ブーツの嵌合部
の外周面に固定できるものであれば良い。
【0033】
【発明の効果】本発明のトーンホイール付回転伝達装置
は、上述の様に構成され作用する為、コストの低減を図
れて、しかもトーンホイールにその検知部を対向させる
センサによる回転検出の信頼性或は精度の向上を図れ
る。又、回転伝達装置のハウジング部に対して、トーン
ホイールの軸方向位置及び取付角度を適宜変更できるの
で、センサの取付位置及び取付角度の設計の自由度を大
きくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を、軸受ユニット
及びセンサと組み合わせた状態で示す断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同
様の図。
【図4】同じく第3例を示す、図1と同様の図。
【図5】図4のB部拡大図。
【図6】本発明の実施の形態の第4例を示す、図1と同
様の図。
【図7】図6のC部拡大図。
【図8】本発明の実施の形態の第5例を示す、図1と同
様の図。
【図9】図8のD部拡大図。
【図10】従来構造の1例を、軸受ユニット及びセンサ
と組み合わせた状態で示す断面図。
【符号の説明】
1、1a トーンホイール付回転伝達装置 2 駆動軸部材 3 駆動軸 4 等速ジョイント用内輪 5 ボール 6 ブーツ 7 スプライン軸 8 ハウジング部 9 外側係合溝 10 内側係合溝 11、11a 嵌合部 12 空間 13 係止凸部 14 係止凹溝 15 抑えリング 16 軸受ユニット 17 外輪 18 ハブ 19 内輪 20 転動体 21 ナックル 22 第一の取付フランジ 23 外輪軌道 24 第二の取付フランジ 25 第一の内輪軌道 26 小径段部 27 第二の内輪軌道 28 シールリング 29 スプライン孔 30 雄ねじ部 31 抑えナット 32 トーンホイール 33 凹溝 34、34a、34b センサ 35 貫通孔 36 支持孔 37 ブーツ 38 本体部分 39、39a〜39d トーンホイール 40 ハーネス 41 小径段部 42 組み合わせシールリング 43 円環状部材 44 弾性マグネット 45 傾斜円筒面部 46 透孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部内周面に係合溝又は係合凹部が形成
    された外側回転部材と、この外側回転部材の端部内側に
    その端部が配置された内側回転部材と、この内側回転部
    材の端部外周面と上記外側回転部材の端部内周面との間
    に、上記係合溝又は係合凹部に係合する状態で設けられ
    て、上記内側、外側両回転部材同士の間で回転を伝達す
    る回転伝達部材と、両端部にそれぞれ嵌合部を有し、こ
    れら1対の嵌合部のうち、一方の嵌合部を上記外側回転
    部材の端部外周面に、他方の嵌合部を上記内側回転部材
    の中間部外周面に、それぞれ嵌合固定する事により、上
    記外側回転部材の端部外周面と上記内側回転部材の中間
    部外周面との間に設けられた、少なくとも中間部が弾性
    材製である筒状のブーツと、上記一方の嵌合部の外周面
    に固設された、その外周面又は片側面の円周方向に亙る
    特性が交互に変化している円環状のトーンホイールとを
    備えたトーンホイール付回転伝達装置。
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