JP2001232814A - インクジェットヘッド用基板、インクジェットヘッド、インクジェットカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド用基板、インクジェットヘッド、インクジェットカートリッジおよびインクジェット記録装置

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JP2001232814A
JP2001232814A JP2000042078A JP2000042078A JP2001232814A JP 2001232814 A JP2001232814 A JP 2001232814A JP 2000042078 A JP2000042078 A JP 2000042078A JP 2000042078 A JP2000042078 A JP 2000042078A JP 2001232814 A JP2001232814 A JP 2001232814A
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driving
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nozzle
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Toru Kubokawa
亨 久保川
Ichiro Saito
一郎 斉藤
Yoshiyuki Imanaka
良行 今仲
Muga Mochizuki
無我 望月
Shinji Takagi
真二 高木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットヘッドにおいて、簡易な構成
で、ノズル内のインク量、特にインクの有無をノズル単
位で精度よく検出する。 【解決手段】 ノズル内のヒータ101をドライバ10
2によって駆動したときに、これらヒータなどの上層で
絶縁層をなす保護膜を介して保護膜上のインクに生じる
電位の変化を、その存在が検出される箇所のインクを介
して電極118によって検出する構成において、リファ
レンスとしてインクが必ず存在する箇所に上記と同様の
検出構成(401、402、418)を設け、その検出信
号と上記検出対象の電極118を介した検出信号との差
分(407)をとり、それに基づいてインクの有無等を判
断する。これにより、上記検出におけるノイズの影響を
排除することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを吐出する
ためのノズルを有したインクジェットヘッド、そのイン
クジェットヘッドに用いられるヘッド用基板、インクジ
ェットヘッドとインクタンクとを一体に構成したインク
ジェットカートリッジ、およびそれらのインクジェット
ヘッドまたはインクジェットカートリッジを用いて記録
を行うインクジェット記録装置に関し、詳しくは、イン
クジェットヘッドにおけるノズル内のインク量、特にイ
ンクの有無を検出する構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等にお
いて記録出力機構として用いられる記録装置、或いはコ
ンピューターやワードプロセッサ等を含む複合機やワー
クステーションの出力機器として用いられる記録装置
は、画像記録情報に基づいて用紙やプラスチック薄板
(例えば、OHP等に用いる)等の被記録媒体に画像を
記録するように構成されている。このような記録装置
は、用いる記録方式によりインクジェット方式、ワイヤ
ドット方式、感熱方式、熱転写方式、レーザービームを
用いた電子写真方式等に分けられる。
【0003】このうち、インクジェット方式の記録装置
(以下、「インクジェット記録装置」という)は、インク
ジェット記録ヘッド(以下、単に「記録ヘッド」ともい
う)から記録シートなどの被記録媒体にインクを吐出し
て記録を行うものであり、記録ヘッドやこれを用いる記
録装置のコンパクト化が容易であり、また、高精細な画
像を高速で記録することができる。さらに、普通紙に対
して特別の処理を必要とせずに記録を行うことができる
ためランニングコストが低く、また、ノンインパクト方
式であることから記録動作時の騒音が少なく、しかも多
色のインクを使用してカラー画像を記録することが容易
である等の利点を有している。
【0004】このようなインクジェット記録方式の中に
はいくつか吐出方式があり、そのひとつとして、記録ヘ
ッドにおけるノズル内に気泡を発生させてその圧力によ
ってインクを吐出する方式、すなわち、バブルジェット
方式が広く用いられている。これは、ノズル内に熱エネ
ルギーを発生する発熱素子を設け、その発熱素子が発生
した熱エネルギーをインクに与えることによりこれにバ
ブルを発生させるものである。
【0005】この方式の記録ヘッドは、一般にはその主
要部分を半導体製造製造プロセスと同様のプロセスによ
って製造できるものである。すなわち、通常シリコン材
料からなる素子基板上に記録素子としての発熱素子やこ
れを駆動する駆動回路等を形成し、その基板上にインク
流路等を構成するための溝が形成された天板を接合する
ことによて記録ヘッドが製造される。この天板としてポ
リサルフォン等の樹脂やガラス等の材料が用いられる。
また、上記記録素子や駆動回路の他、素子基板上には温
度センサやその温度センサの駆動制御部等を形成するこ
ともできる。
【0006】特開平7−256883号公報には、上述
した記録ヘッド用の基板の一例が開示されている。この
公報に開示された従来の記録ヘッド用基板の構成を図1
に示す。
【0007】図1において、記録ヘッド用基板である素
子基板100には、記録素子としての発熱素子(以下、
「ヒータ」ともいう)101が複数のノズルのそれぞれに
対応して形成されている。また、複数のヒータ101そ
れぞれに対応して、そのヒータ101への電圧の印加を
切替えるためのパワートランジスタ(以下、単に「ドラ
イバ」ともいう)102が形成されている。さらに、素
子基板100上には、シフトレジスタ104、ラッチ回
路103、各発熱素子に対応したANDゲート115が
形成される。シフトレジスタ104は、端子105介し
て入力するクロック信号に同期して、端子106を介し
て外部から記録ヘッドのノズル数に対応した1コラム分
の吐出データをシリアルに入力するとともに、この1コ
ラム分の吐出データを保持する。ラッチ回路103は、
端子107を介して入力されるラッチ用のクロック(ラ
ッチ信号)に同期し、シフトレジスタ104からパラレ
ルに出力される1コラム分の吐出データをラッチし、そ
れを各ドライバ102に対してパラレルに出力する。A
NDゲート115は、ラッチ回路103の出力信号と端
子108を介して外部から入力するイネーブル信号とに
応じてドライバ102に信号を出力し、これにより、上
記吐出データに応じてヒータ101への電圧パルスの印
加を行うことができる。なお、端子109は、ラッチ回
路103やシフトレジスタ104等のロジック回路の駆
動電源(5V)を入力するための端子であり、その他、
接地端子110やセンサ114の駆動及びモニタ用の端
子112等が設けられている。
【0008】また、素子基板100には、その素子基板
100の温度を測定するための温度センサあるいはヒー
タ101の抵抗値を測定するための抵抗センサ等のセン
サ114が形成されている。以上のようにドライバ、温
度センサ、及びその駆動制御部等を素子基板上に構成し
たヘッドは実用に供されており、記録ヘッドの信頼性の
向上及び装置の小型化に寄与している。
【0009】以上の構成において、シリアル信号として
入力された吐出データは、シフトレジスタ104によっ
てパラレルな信号に変換され、ラッチ用のクロックに同
期してラッチ回路103に保持される。これとともに、
入力端子107を介してヒータ101の駆動パルス信号
(ANDゲート115に対するイネーブル信号)が入力
されることにより、吐出データに応じてドライバ102
がオンとされ、対応する発熱体101に電圧パルスが印
可される。これにより、ヒータ101に電流が流れて熱
エネルギーが発生する。そして、素子基板100と天板
とによって形成されるインク流路(以下、「ノズル」とも
いう)のインクはノズル先端のインク吐出口から吐出さ
れ、これとともに、このインク吐出に伴って共通液室か
ら各ノズルにインクが供給される。
【0010】ところで、上述したバブルジェット方式に
限らず、インクジェット記録方式において安定した記録
を行なうための最も重要な点の一つとして、記録時に記
録ヘッドの各ノズル内や共通液室に安定してインクが存
在することが挙げられる。つまり、インクタンク内のイ
ンク量が少なくなった場合、あるいはノズル先端部から
ノズル内への空気の混入や共通液室内に存在する気泡の
ノズル内への移動等が生じた場合には、ノズル内や共通
液室内にインクが充分に存在せずインクを安定して吐出
することが困難となることがある。例えば、インクジェ
ット記録ヘッドに設けられている複数のノズルの内、特
定のノズルにインクの安定吐出が困難な状況が発生する
場合そのノズルによる吐出が行われなくなるかもしくは
吐出が不充分となり、記録される画像中にスジ状のムラ
が発生する。また、共通液室内のインクが少なくなった
場合には、一部のノズルに対してのみインクが供給され
ることがあり得るため、上述のような不良ノズルの発生
による部分的なインクの不吐出と同様、記録品位を劣化
させてしまうこととなる。
【0011】これに対し、吐出不良ノズルによる部分的
なインクの吐出不良の発生を検出するため、従来、共通
液室やノズル内のインク量の状態、特にインクの有無を
検出する方法が提案されている。
【0012】例えば、特開昭58−118267号公報
には、インクジェットヘッドに配説された複数のノズル
について、ノズル毎にインクの有無を検出する方法が提
案されている。すなわち、この方法の場合、各ノズル内
に記録素子とは別に熱によってその抵抗が変化する温度
検出用の素子が配置される。そして、ノズル内のインク
が無くなった場合には発熱素子が発する熱によってノズ
ル内の温度上昇変化の割合が大きくなることを利用し、
その温度上昇変化を温度検出用の素子によって検出する
ことにより、インクの有無を検知するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示される
構成は、ノズル内の温度を直接検出するため、各ノズル
毎に温度検出用の素子またはセンサーを配置したり、さ
らには、それらの温度検出用の素子やセンサーを駆動す
るための駆動素子についてもノズル内もしくはヘッド用
基板上に配置する必要がある。このような構成は、ノズ
ルのサイズが比較的大きく、また、低い密度でノズルが
配列される記録ヘッドに対しては有効に適用することが
できる。
【0014】しかしながら、近年においては、より高速
かつ高精細な記録の達成が要求されており、このような
要求に応えるべくインクジェットヘッドにおいて配列す
るノズル数を多くしたり高密度に配列することにより、
記録の高速化、高密度化を図っている。そして、このよ
うな、高密度にノズルを配列した記録ヘッドでは、ノズ
ル内部やその近傍に各記録素子に対応させて温度検出用
の素子やセンサーを配置したり、その素子やセンサーを
駆動するための駆動素子を基板上に配置することは困難
である。また、ノズル数を多くする場合も同様であり、
基板上に配置する素子数が増え、記録ヘッドサイズの大
型化、あるいはセンサー素子とその他の回路等を電気的
に接続するための配線層の多層化を招き、その結果、装
置の大型化とともに基板上の構造の複雑化や記録ヘッド
製造コストの上昇を招くことにもなる。
【0015】また、上記公報においては、温度検出用の
素子をヘッドの外部に対して電気的に接続するための検
出用端子の構成については明記されておらず、記録素子
毎に対応した検出用端子を基板上に設けるとすれば、ヘ
ッドに必要な端子の数が増大する。さらには、記録ヘッ
ドと記録装置本体とを電気的に接続するためのフレキシ
ブル基板等の配線数の増大や、それらの配線における信
号を個別に制御するための記録装置本体上の素子の増大
など、さまざまな部分において装置の大型化を招くこと
となり、コストアップを避けることが困難となる。
【0016】加えて、上記公報に開示される構成は、温
度変化を検知する方式であるため、その検知方式を適用
可能な記録方式は熱エネルギーを発生する発熱体を記録
素子として用いた記録方式に限定されるという制約もあ
る。
【0017】本発明は、上述の従来の問題を解消するた
めになされたものであり、その目的とするところは、簡
易な構成で、ノズル内のインク量、特にインクの有無を
ノズル単位で精度よく検出することを可能とするインク
ジェットヘッド、ヘッド用基板、インクジェットカート
リッジおよびインクジェット記録装置を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクを吐出するためのインクジェットヘッドを構成す
るインクジェットヘッド用基板において、インクを吐出
するためのエネルギーを発生する記録素子およびそれを
駆動する駆動素子と、該記録素子および駆動素子と絶縁
層を介し、かつこれら素子から所定の離れた箇所に設け
られる検出電極と、前記記録素子、前記駆動素子および
前記検出電極と同一の関係を有した素子群であって、該
記録素子、駆動素子および検出電極とは別に設けられた
リファレンス素子群と、を具えたことを特徴とする。
【0019】また、別の形態では、インクを吐出するた
めのノズルを有したインクジェットヘッドにおいて、ノ
ズル内に配され、インクを吐出するためのエネルギーを
発生する記録素子およびそれを駆動する駆動素子と、前
記記録素子を前記駆動素子によって駆動したとき、該駆
動によって当該記録素子および/または駆動素子に発生
する電圧変化をインクを介して検出する検出手段と、前
記記録素子および前記駆動素子と同一の関係を有したリ
ファレンス素子群および該素子群において同様の駆動に
よって生じる電圧変動を検出する検出手段を有したリフ
ァレンスユニットと、を具えたことを特徴とする。
【0020】さらに、別の形態では、インクを吐出する
ためのノズルを有したインクジェットヘッドを用い被記
録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記
録装置において、前記用いられるインクジェットヘッド
は、当該ノズル内に配され、インクを吐出するためのエ
ネルギーを発生する記録素子およびそれを駆動する駆動
素子と、前記記録素子を前記駆動素子によって駆動した
とき、該駆動によって当該記録素子および/または駆動
素子に発生する電圧変化をインクを介して検出する検出
手段と、前記記録素子および前記駆動素子と同一の関係
を有したリファレンス素子群および該素子群において同
様の駆動によって生じる電圧変動を検出する検出手段を
有したリファレンスユニットと、を有し、前記インクジ
ェット記録装置は、前記検出手段によって検出された検
出信号と前記リファレンスユニットの検出手段からの検
出信号との比較に基づいて、当該ノズル内のインクの存
在について検出を行う手段を具えたことを特徴とする。
【0021】さらに、別の形態では、インクを吐出する
ためのノズルを有したインクジェットヘッドと該インク
ジェットへッドに供給するインクを貯留したインクタン
クとを一体に構成したインクジェットカートリッジにお
いて、ノズル内に配され、インクを吐出するためのエネ
ルギーを発生する記録素子およびそれを駆動する駆動素
子と、前記記録素子を前記駆動素子によって駆動したと
き、該駆動によって当該記録素子および/または駆動素
子に発生する電圧変化をインクを介して検出する検出手
段と、前記記録素子および前記駆動素子と同一の関係を
有したリファレンス素子群および該素子群において同様
の駆動によって生じる電圧変動を検出する検出手段を有
したリファレンスユニットと、を具えたことを特徴とす
る。
【0022】以上の構成によれば、ノズル内の記録素子
を駆動素子によって駆動したときに、例えば、これら記
録素子などの上層で絶縁層をなす保護膜を介して保護膜
上のインクに生じる電位の変化を、その存在が検出され
る箇所のインクを介して電極等の検出手段によって検出
する構成において、リファレンスとして上記と同様のリ
ファレンス素子群もしくはリファレンスユニットを設
け、その検出構成を上記検出箇所のインクの所定の状態
とした検出を行うものとし、上記検出手段によって検出
される検出信号と上記リファレンスの検出信号との差を
とり、それに基づいて上記検出箇所のインクの有無等を
判断することができる。これにより、上記検出における
ノイズの影響は上記差によって除去され、インクの有無
等の検出においてノイズの影響を排除することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0024】最初に、本発明のいくつかの実施形態を説
明する前にそれらの実施形態に係る記録ヘッド用基板の
基本的形態について説明する。
【0025】図2は、この基本的形態に係る記録ヘッド
用基板の構成を示す図である。なお、同図は基本的形態
の説明に必要な要部構成を示したものであり、本発明
は、この図に示す素子や端子の構成及びその数について
も限定されるものではないことは勿論である。
【0026】図2に示す記録ヘッド用基板の基本的な構
成は、従来技術として図1を参照して説明した記録ヘッ
ド用基板100と基本的に同様のものであり、異なる点
は、ノズル毎にインクの検出に用いる検出電極118に
係る構成を追加した点である。すなわち、インク吐出方
式としてバブルジェット方式を採用し、そのためのヒー
タ(記録素子としての発熱素子)101が各ノズルに対応
して形成されている。同図から明らかなように、本実施
形態のヘッド用基板の基本形態は、図1に示した従来の
構成と比較して大幅に複雑化させることなく実施できる
ものである。
【0027】検出電極118は、後述するように、ヒー
タ101を駆動する際の、各ノズル内においてこのヒー
タやその駆動系と交流的に結合するインクの電位の変化
を検出するものであり、本実施形態ではその検出状態に
応じてノズル内のインクの有無などインク量を判断する
ものである。図2において、参照符号116によって示
す部位は、上述の交流的な結合部を模式的に示してお
り、この部位は各ノズルにおいて、ヒータ101および
その駆動系であるドライバ102等をインクに対し電気
的に絶縁する保護膜、その上層部に形成される耐キャビ
テーション膜およびこれら層の上部のインクからなる。
【0028】図3は、上記結合部を中心としたノズル内
のインク量検出に係る等価回路を示す図である。ヒータ
101上およびドライバ102上の保護膜は耐キャビテ
ーション膜やインクに対して電気的絶縁層をなすことか
らコンデンサとして機能し、これが同図においてコンデ
ンサとして示されている。そして、この回路においてヒ
ータ101の駆動が行れると、その際のこれらヒータお
よびその駆動系を構成するドライバ102等における電
位の変化は、上述のコンデンサを介して交流的に耐キャ
ビテーション膜やインクにおける電位の変化として表れ
ることになる。
【0029】そして、同図中、破線Bによって囲まれた
部分は通常の状態ではインクが存在する部位、すなわ
ち、後述するようにインクの存在量に応じて電気抵抗が
変化する部分である。なお、図3におけるDは、AND
ゲート115(図2参照)からの駆動信号を表す。
【0030】以下、本基本形態に係る記録ヘッド構成お
よびノズル毎にインク検出が可能である原理について、
図4〜図7を参照してさらに詳細に説明する。
【0031】図4は、図2に示す記録ヘッド用基板の概
略構成を示す平面図であり、基板上に設けられる素子、
電極、端子等のレイアウトの概略が示されている。図5
は、図2および図4に示す記録ヘッド用基板に、吐出口
およびノズルを構成するための天板を接合した状態を示
す概略斜視図である。また、図6は、記録ヘッド用基板
に天板を接合した状態において、基板およびノズルの構
成を示す断面図である。なお、この図6は、図5中の矢
印a−a線に沿う断面図である。また、図7は、本基本
形態において、ヒータを駆動した時の記録ヘッド用基板
上における(上記等価回路における)各部の電圧の状態を
示す図である。
【0032】図4は、本基本形態に係る記録ヘッド用基
板をを示す平面図であり、主に、本基本形態の特徴的な
構成を示している。図2と同様に、図4に示す101は
記録素子として用いられるヒータであり、駆動素子であ
るドライバ102によって駆動される。203はヒータ
101の一端部とドライバ102との間を接続する配線
であり、111はヒータ101の他方の端部に接続し電
源電圧を供給するための配線である。また、ヒータ10
1上には、図6に示すように電気的に絶縁された保護膜
405(保護層)が形成されており、この保護膜405
を介してヒータ101の上方に耐キャビテーション膜2
05が形成されている。なお、図4においては、ヒータ
101、ドライバ102等の配置を説明するために、保
護膜405の図示は省略している。また、本基本形態で
説明するインクジェットヘッドは前述したように、ヒー
タ101が駆動されたときに発生する熱エネルギーによ
って、ノズル内のインクに気泡を生成しその気泡の成長
圧力によってインクを吐出口310(図5および図6参
照)から吐出する、いわゆるバブルジェット方式を採用
するものである。耐キャビテーション膜205は、イン
クを吐出する際に発生した気泡が収縮したときの衝撃が
ヒータ101や保護膜405に伝わるのを抑える役割を
果たすために設けられるものであり、タンタル等の高融
点金属で形成されている。
【0033】118は上述したインク検出のために設け
た電極配線であり、117は電極配線118の端部に設
けられて、その電極配線118を基板外部へ電気的に接
続するための外部端子である。
【0034】本基本形態係る記録ヘッド用基板の構成に
おいて、図4に示すように耐キャビテーション膜205
を各ヒータ101毎に分割して形成することはノズル毎
のインク検出に関して好ましい構成である。また、ドラ
イバ102から離れかつヒータ101とドライバ102
間の配線203から離れた位置、すなわち、これらドラ
イバ等と、検出対象であるインクの部位を挟むように検
出電極118を配置することは本実施形態の特徴的構成
である。この検出電極118は他の電極と同様、ヘッド
用基板上の配線パターンとして形成することができる。
【0035】次に、図4に示した記録ヘッド用基板の構
成において、どのようにしてノズル内のインクの有無
等、インク量を検出するかについて、図5および図6を
参照して説明する。
【0036】上述したように、図5は、天板314を記
録ヘッド用基板100と接合した状態を示す概略斜視図
であり、それらの天板314と基板100とを接合する
ことにより、ノズル部408(図6参照)と共通液室3
11が構成される。なお、この図5では、ノズル部40
8および共通液室311の構成を説明するために、天板
314の上方の壁部材の構成については破線で示してい
る。また、図4に示したように、205は耐キャビテー
ション膜である。さらに、前述したように、記録素子で
あるヒータ101が耐キャビテーション膜205の下層
に位置し、かつヒータ101の上層には絶縁保護膜40
5が形成されているため、図5においては、ヒータ10
1は図示されていない。また、ヒータ101を駆動する
ためのドライバ102についても同様であり、それも図
5において図示されていない。
【0037】図6で参照されるように、本基本形態に係
るノズル毎のインク検出において、各ノズル毎に分離し
て配置された耐キャビテーション膜205を含むヒータ
ー101の位置と、ドライバ102の位置と、ノズル壁
312で形成されるノズル部408のうちインクを検出
しよとする位置と、検出電極118の位置と、の関係が
重要である。
【0038】すなわち、電源部から電源配線111を介
して供給される駆動電力はドライバ102におけるスイ
ッチングがオンとされるのしたがってヒータ101へ与
えられ、これにより、ヒータ101は熱エネルギーを発
生する。そして、この熱エネルギーによりノズル内に気
泡が発生し吐出口310からインクが吐出される。
【0039】ここで、ドライバ102スイッチングがオ
ンとされてヒータ101が駆動される前の段階、つまり
ドライバ102がオフの時点では、そのヒータ101の
電位と、ヒータ101とドライバ102との間の配線2
03の電位と、ドライバ102上の一部配線(ドライバ
102内のスイッチとして作用する部分からヒータ10
1側の部分)の電位は、それぞれヒータ電源配線111
の電位と同電位である。一方、インク(一般的にインク
成分中にはイオンが含まれているため、導電性がある)
が電気的に浮いたヘッド構成である場合、つまりインク
がグラウンド(GND)に対して直流的にハイインピーダ
ンスの状態であるようなヘッド構成の場合、電気的に絶
縁膜となる保護膜405上の耐キャビテーション膜20
5も、インクと同様に電気的に浮いた状態となる。本基
本形態では、このような構成においてノズル内の保護膜
上に検出電極118を形成する。したがって、この検出
電極も基本的には電気的に浮いた状態となり、その電位
は検出するために接続される装置の入力インピーダンス
によってほぼ決定される。本基本形態の場合、図6に示
すように検出電極118とGNDとの間に電圧モニタM
と1M〜10MΩの抵抗を並列に接続する構成であるこ
とから、ヒータ101を駆動しない状態では検出電位は
略0Vとなる。
【0040】一方、ヒータ101を駆動した場合、すな
わち、ドライバ102のスイッチングがオンとされて配
線203およびその先に接続するヒータ101、電源配
線111の一連の回路がGNDに接続し、これにより、
ヒータ101を含むこの回路に電流が流れる場合、これ
らの回路の電位が変化する。詳細には、ヒータ101で
はドライバ102側に近いほど電位が下がり、ヒータ1
01とドライバ102との間の配線203およびドライ
バ102における一部配線の電位は、ほぼGNDレベル
に急激に降下する。
【0041】図6において、破線Aによって囲まれた部
分は、この電圧が急激に下がる部分の概略を示してい
る。このように電圧が降下したとき、直流的には絶縁膜
として作用していた保護膜405がコンデンサの誘電膜
として作用し、これにより、保護膜405を介して、ヒ
ータ101からドライバ102に渡ってそれらの上部に
形成された耐キャビテーション膜205やそれに接して
上部に位置するインクに、交流的に電位変化が伝達され
る。本発明者等はこの点に着目し、記録ヘッドにおいて
ノズルや共通液室など通常インクが存在する箇所に検出
電極を設けインクを介して上記電位の変化を検出し、こ
の変化に応じてインクの有無等、インク量を検出しよう
とするものである。
【0042】具体的には、図6中Bで示す部位に存在す
るインクを介して上記電位変化は検出電極118に伝達
され、その電位の変化が検出されることとなる。例え
ば、ノズル部408および共通液室部311における部
位Bにインクが存在しない場合、耐キャビテーション膜
205の部分には電位変化が伝達されるものの、部位B
の電気抵抗が著しく大きくなるため、結果的に、検出電
極118に伝達される電位変化が著しく小さくなった
り、あるいは検出電極118に電位変化が伝達されなく
なる。このように、ノズル部408や共通液室部311
内におけるインクの有無等、インクが存在する量に応じ
て、検出電極118の電位変化が異なることから、上記
部位Bにおけるインクの存在量を検出することができ
る。
【0043】図7は、以上の説明した検出原理を利用し
たインクの検出動作を説明するためのタイミングチャー
トである。
【0044】同図において、701はヒータ101を駆
動するタイミングと駆動時間を決定するイネーブル信号
である。ヒータ101は、ドライバ駆動制御用の信号
(図示せず)に基づいてイネーブル信号に同期して順次
個別に駆動される。703は、上記イネーブル信号によ
るヒータ駆動時の、ヒータ101とドライバ102との
間の配線203における電位の変化を示する。ドライバ
102側に近いヒータ101の部分の電位やドライバ1
02上の一部配線(ドライバ102内のスイッチとして
作用する部分からヒータ101側の部分)の電位も、こ
の電位変化703と同様に変化する。これらの部分を含
み、上記ヒータ駆動によって電圧が変化する部分を電圧
変化領域ともいう。なお、ヒータ101上においては、
その位置によって電位の変化の大きさが異なり、ドライ
バ102側に近いほど大きくなる。また、絶縁保護膜4
05の表面電位は、その下の電圧変化領域の電位とほぼ
同一となっていると考えられる。
【0045】704および705は、それぞれ検出電極
118によって検出される電位変化に基づいて得られる
インクの検出信号であり、検出信号704は部位B(図
6参照)にインクがある場合の検出信号、検出信号70
5はその部位Bにインクがない場合の検出信号である。
部位Bにインクがある場合は、その部位Bの電気抵抗が
小さいため検出電極118によって検出される電位変化
は部位Aの変化703の大きさが比較的そのまま維持さ
れ、その結果、検出信号704の変化も大きくなる。一
方、部位Bにインクがない場合は、電気抵抗が大きくな
るため、検出電極118によって検出される電位変化は
小さなものとなり、その結果、検出信号704の変化も
小さくなる。上例のようにインクがまったく無いかある
いは十分にあるときに限らず、その存在量によって検出
電極が検出する電位変化も異なる。このように、部位B
に存在するインクの量に応じて検出電極118によって
検出される検出信号が変化することになる。
【0046】検出電極118からの検出信号は、ヒータ
101の駆動タイミングに応じて時分割することによ
り、駆動ノズル毎に、インクの存在量、例えばインクの
有無を検出することができる。従って、例えば、あるノ
ズルの上記部位Bのような所定箇所にインクが存在しな
い場合には、そのノズルに対応する検出信号のみが変化
の小さい検出信号705として現れ、他のノズルに対応
する検出信号は変化の大きい検出信号705として現
れ、これにより、ノズル毎に吐出不良ノズルを検出する
ことができることになる。
【0047】なお、本基本形態では、上述のように耐キ
ャビテーション膜205をヒータ101に対応させてノ
ズルごとに分離することにより、隣接するノズルの影響
を受けることなく、インクの存在量に応じたノズル毎の
電位変化を確実に検出することができる。また、本基本
形態では検出のための電極118を全ノズルに対して共
通に用い各ノズルを順次時分割で駆動することにより、
配列された複数のノズルの各々におけるインクの有無を
1つの検出電極118からの検出信号によって検出する
ことができ、簡易な構成で検出を行うことができる。
【0048】また、インクの検出信号の信号源として、
吐出に用いるヒーター101そのものを用いることがで
きるため、各ノズル単位のインクの有無の検出は、シフ
トレジスタ等を構成すべく記録ヘッドに設けられている
ロジック回路を用いて行なうことができ、構造を複雑化
することなく、極めて簡易な構成でインクの有無の検出
を行うことが可能となる。
【0049】図8は、上記述した基本形態に基づく後述
の各実施形態に係る記録ヘッド用基板をもしくは記録ヘ
ッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置IJR
Aの概観を示す斜視図である。
【0050】同図において、リードスクリュー84は、
駆動モータ81の正逆回転により、駆動力伝達ギア8
2,83を介して正逆転される。キャリッジHCは、リ
ードスクリュー84の螺旋溝に対して係合するピン(不
図示)を有し、リードスクリュー84の回転方向に応じ
て、図中の矢印a,b方向に往復移動される。このキャ
リッジHCには、インクジェット記録ヘッド85とイン
クタンク86とから構成されるヘッドカートリッジIJ
Hが搭載されている。この図8に示すインクジェット記
録装置IJRAは、一般的にシリアルプリンタと称され
る記録装置であり、キャリッジHCの矢印a,b方向に
沿った主走査と、被記録媒体である記録シート87の副
走査とを繰り返すことにより、記録シート87の全面に
対する記録動作が行われる。
【0051】図9は、図8に示した記録装置の記録制御
等を実行するための制御部の主要な構成を示すブロック
図である。
【0052】図9において、1000は制御回路、11
00は記録信号を入力するインターフェースであり、イ
ンターフェース1100は、記録装置IJRAの外部に
接続されるホスト機器等から転送されるデータの受信を
行う。1001はMPU、1002はMPU1001が
実行する制御プログラムを格納するプログラムROM、
1003は各種データ(上記の記録信号やヘッドに供給
される記録データ等)を保存しておくダイナミック型の
RAMである。1004は、ヘッドカートリッジIJH
に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイであ
り、インターフェース1100、MPU1001、RA
M1003の間のデータ転送制御も行う。1009は、
ヘッドカートリッジIJHを搭載したキャリッジHC
(図8)を走査するためのキャリアモータ、1008
は、被記録媒体である記録紙87を搬送するための搬送
モータである。また、1006、1007は、それぞれ
搬送モータ1008、キャリアモータ1009を駆動す
るためのモータドライバである。
【0053】1117は、図2,図4に示す端子117
に接続される信号線であり、その端子117を介して、
インクジェット記録ヘッド用基板100の検出電極11
8と電気的に接続される。インクの検出時には、インク
量に応じた電圧変化が、端子117から信号線1117
を介して装置本体の制御回路1000へ入力される。1
012は、記録素子であるヒータ101を駆動するため
のイネーブル信号、素子基板100上のロジック回路に
入力するクロック信号、およびラッチ信号等を含む、種
々の信号を出力するための信号線である。また、101
6は、不図示の電源部よりヘッドカートリッジIJHに
対して、記録素子としてのヒータ101を駆動するため
の駆動電力を供給する信号線である。1017は、ヘッ
ドカートリッジIJHに搭載される記録ヘッド用素子基
板100のロジック回路に対して、電力を供給するため
の信号線である。
【0054】このような制御部の構成により、本実施形
態のインク検出を行うことができる。すなわち、所定の
タイミングでヒータ101の駆動を行うとともに、信号
線1117と端子117を介して素子基板100上の検
出電極118によって得られる検出信号を入力し、それ
をモニタすることにより、ノズル内のインクの有無を検
出することができる。なお、このようなインクの存在に
ついて検出を行うタイミングについては、例えば、非記
録動作時に所定の箇所で各ノズル毎の駆動を順次行うこ
とにより、各ノズル毎のインクの存在を検出することが
できる。一般に、インクジェット記録装置においては、
インクジェット記録ヘッドの吐出状態を良好に維持する
等の目的で、予備的にインクを吐出させる予備吐出動
作、つまり記録に関与しない吐出動作を行われ、これを
利用することによって各ノズルのインクの存在に関する
検出を行うことも可能である。また、上述の検出電極を
ノズル毎の個別のものとすれば記録動作中に上記検出を
行うこともできる。さらに、いわゆる複数個のノズルご
との駆動を順次に行う、いわゆるブロック駆動を行う場
合はノズルは特定できないものの、ブロック毎の検出を
行うこともできる。
【0055】検出電極118によって得られる信号のモ
ニタについては、制御回路上に設けた制御手段であるM
PU1001によって行うことができる。すなわち、駆
動したヒータ101と検出電極118の電位の変化とを
対応付けることにより、記録ヘッドにおけるノズルのそ
れぞれについてインクの存在を検出することができる。
これにより、例えば気泡が存在し、また、インクの供給
が行われずに所定のインク検出箇所にインクが存在せ
ず、吐出が行えない状態が発生しているノズル、あるい
は、不吐出の可能性があるノズルを特定することができ
る。
【0056】以上説明した基本形態によれば、基本的に
は、ノズルもしくは共通液室に検出用の電極を設けると
いう、簡易な構成によってノズル毎のインクの有無等、
インクの存在を検出することができる。
【0057】これとともに、耐キャビテーション膜20
5をヒータ101に対応させて分離していることによ
り、隣接するノズルの影響を受けることなく、上記ノズ
ル毎の電位変化を確実に検出することができる。また、
検出電極118を全ノズルに対して共通に用いて、その
検出電極118からの検出信号を各ノズルの駆動タイミ
ングに対応付けることにより、複数のノズルの各々にお
けるインクの有無を1つの検出電極118からの検出信
号によって検出することができる。さらに、インクの検
出信号の信号源として、ヒーター101そのものを用い
ることにより、各ノズル単位のインクの有無の検出は、
シフトレジスタ等を構成すべく本来的に記録ヘッドに設
けられているロジック回路を用いて行なうことができ、
構造を複雑化することなく、非常に簡易な構成でインク
の有無の検出を行うことが可能となる。
【0058】なお、耐キャビテーション膜205は、所
定数のノズルの間においては分離せずに設けてもよく、
例えば、ブロック駆動する場合には、同じブロック内の
複数のノズル、または異なるブロック内における所定数
ずつのノズルに関しては、耐キャビテーション膜205
を分離せずに設けてもよい。また、検出電極118は、
基板100上に構成される複数のノズルの全てに対して
共通するように1つ設ける他、所定数ずつのノズルに対
応するように複数設けてもよい。
【0059】さらに、基板100と天板314は、記録
素子毎あるいは複数の記録素子毎にノズルを形成するも
のであればよい。また、インクジェット記録装置は、イ
ンクの検出信号に応じて記録動作を制限する等、そのイ
ンク検出信号を記録動作の制御に利用することができ
る。
【0060】以下では、上述した本発明の位実施形態に
係る記録ヘッド用基板もしくは記録ヘッドの基本形態に
基づくいくつかの実施形態について説明する。以下で説
明する実施形態は、上述した検出電極による電位変化の
検出精度の向上を図るものである。
【0061】(実施形態1)本実施形態は、基本形態につ
いて説明した、ヒータ101、ドライバ102等の信号
出力系と検出電極118等の信号検出系からなる検出ユ
ニットの他に、参照用のリファレンスユニットを設け、
それぞれのユニットからの検出信号の差分をとりこれを
検出信号とするものである。これにより、検出の際のノ
イズの影響を排除し検出の精度を増すことが可能とな
る。
【0062】図10は本実施形態のリファレンスユニッ
トを設けた記録ヘッドの構造を示す図である。同図は、
基本形態に関して示した図6と同様の図であり、図10
に示す構成が図6に示す構成と異なる点は、共通液室の
後端部にリファレンスユニットを設けた点である。な
お、この共通液室の後端部は、インクが消費されてノズ
ル内のインクが無くなったとしても比較的インクが残り
やすい位置である。また、特に後端部の壁面近傍の隅に
位置する部位は、インクが無くなってノズルからインク
が吐出できない状態であってもインクが存在する部位で
あるため、このような位置にリファレンスユニットを設
けてもよい。本実施形態においては、ノズルに不吐出状
態が発生してもインクが極力存在する部位にリファレン
スユニットを設けるものであるが、必ずインクが存在す
る部位であればさおの位置にリファレンスユニットを設
けることが好ましい。なお、共通液室内の形状を変更
し、ノズルに不吐出が発生してもインクが存在する部位
を設け、その位置にリファレンスユニットを設けてもよ
い。
【0063】共通液室の後端部における保護膜405の
下側にはリファレンス抵抗素子401、リファレンスド
ライバ402およびそれらを上述の検出ユニットのヒー
タ101と同様に駆動するための電極配線等が形成され
ている。また、これ等の上部から一定の距離離れた部位
には保護膜405を介してリファレンス用検出電極41
8が形成される。なお、同図では、図の紙面と垂直な方
向に沿って上記抵抗素子等と検出電極が配置されるため
図では同じ位置に示されている。本実施形態のリファレ
ンス抵抗素子402はは,検出用の上述した記録素子で
あるヒータとは異なり、その駆動がなされてもインクを
加熱して気泡を生成する能力持たない素子、例えば,発
熱体の面積の小さいヒータや発熱体でない抵抗体であ
る。
【0064】図11は上述した構成を有する本実施形態
の記録ヘッドにおけるインク検出に関わる等価回路を示
す図であり、基本形態に関して示した図3と同様の図で
ある。
【0065】以下、同図を参照して本実施形態のインク
検出における差動検出について説明する。
【0066】まず、検出に係るノズルのヒータ101を
駆動して上述したように検出信号を得る。これととも
に、リファレンスドライバ402のスイッチングにより
リファレンス抵抗素子401素子を駆動する。この駆動
により、基本形態に関して説明したのと同様の原理で共
通液室後端部のインクに電位変化を生じる。このとき、
これ等のリファレンス抵抗素子やリファレンスドライバ
402などとリファレンス検出電極418との間には必
ずインクが存在することから、検出電極418は図7に
示した検出信号704と同様の信号を検出する。なお、
この検出信号を得る際、抵抗素子401の抵抗値などに
よっては、出力される信号が大きくなってしまう場合が
あるため、検出用ヒータ101に比べて抵抗体の面積を
小さくするか、もしくは保護膜405の厚みをその部分
のみ厚くする等の方法により、リファレンスユニットか
らの出力信号の大きさを調節することができる。
【0067】以上のようにして得られる検出用ユニット
およびリファレンスユニットからのそれぞれの出力信号
は、差動回路407によって差分がとられる。この差分
による検出信号は、次に示す2通りの場合に分けられ
る。
【0068】(1−a) 検出対象ノズルの検出対象部位
にインクが存在場合、差分による電圧差はほとんど出力
されない。
【0069】すなわち、リファレンスユニットの検出信
号(検出信号+ノイズ)−検出ユニットの検出信号(検出
信号+ノイズ)=0となる。
【0070】(2-a) 検出対象ノズルの検出対象部位
にインクが存在しない場合、差分による電圧差はリファ
レンスユニットの分が出力される。
【0071】すなわち、リファレンスユニットの検出信
号(検出信号+ノイズ)−検出ユニットの検出信号(ノイ
ズ)=検出信号となる。
【0072】(1−a)および(2-a)の場合のいずれに
おいても、差分をとることにより、それらの検出からノ
イズの影響が排除されていることがわかる。これによ
り、例えば、検出信号に対するノイズの影響によってイ
ンクが存在するときとインクが存在しないときの電圧変
化の差が小さくなって両検出信号の区別がつかず、結果
としてインクが存在しないにも関わらずインクが存在す
る旨の判断がなされることを防止できる。
【0073】なお、上述の差分を取ってから,アンプを
用いて増幅することによって,さらに検出感度を上げる
ことも可能である。
【0074】また、ノイズの例としては、検出信号が記
録装置本体に伝達されるまでに、基板と記録装置本体と
の電気的接続部でノイズを拾ってしまったり、配線が密
接している、例えばフレキシブル基板で配線の電圧や電
流の変化による結合容量によるノイズや誘導ノイズが発
生し、これによって伝達される検出信号に影響を及ぼす
ことがある。さらに、検出信号は駆動に関連する信号に
よっても影響を受ける。例えば、イネーブル信号は検出
信号の電圧の変化を検出する時に、電圧のノイズとヒー
ターが駆動される時の電流のノイズの両方を発生させる
ので影響が大きいと考えられる。
【0075】(実施形態2)本実施形態は、リファレンス
ユニットを必ずインクが無い箇所に設けるものである。
すなわち、インクが存在しない場合の電圧変化を基準の
検出信号とするものである。必ずインクが存在しない場
所としては、例えば記録ヘッドの基板と天板とを接合す
る接合部の壁部材のある個所に設ける構成が考えられ
る。具体的には、複数色のインクを吐出する記録ヘッド
でそれら複数の色のノズルを同一の基板上に構成する場
合、通常、異なる色のインク間を隔てる壁部材はノズル
間の壁部材よりも厚くなっているため、この部分にリフ
ァレンスユニットを構成する抵抗素子やドライバ等、さ
らには検出電極を設けることが可能である。この場合、
絶縁層となる保護膜もしくはそれと同等の膜を介して、
上記抵抗素子、ドライバ等と検出電極とが設けられ、検
出用のユニットと同様の原理で電位変化が検出されるこ
とは勿論である。
【0076】図12は、本実施形態のインク検出に係る
記録ヘッドの等価回路を示す図である。
【0077】この回路においても実施形態1と同様の原
理で、ノイズが適切に除去された精度の高い検出を行う
ことができる。すなわち、図12において、検出用のヒ
ータ101を駆動して検出電極118により検出信号を
得るとともに、リファレンス抵抗素子401をリファレ
ンスドライバ402のスイッチングによって駆動する。
このとき、上述したようにリファレンスユニットが設け
られている箇所ではインクが存在しない状態で検出が行
われることから、図7に示す検出信号705と同様の検
出信号が出力される。そして、検出用ユニットとリファ
レンスユニットそれぞれからの検出信号の差分の結果
は、次に示す2通りの場合となる。
【0078】(1-a) 検出の対象となるノズルにインク
がある場合、差分による電圧差は検出用ユニットの分が
出力される。すなわち、リファレンスユニットの検出信
号(ノイズ)−検出用ユニットの検出信号(検出信号+ノ
イズ)=−検出用素子の検出信号となる。
【0079】(2-a) 検出の対象となるノズルにインク
がない場合、差分による電圧差はほとんど出力されな
い。すなわち、リファレンスユニットの検出信号(ノイ
ズ)−検出用ユニットの検出信号(ノイズ)=0となる。
【0080】この差分の結果から明らかなように、実施
形態1と同様、差分として得られる検出信号にはノイズ
が除去されたものであり、これにより、ノズルにおける
インクの有無が良好に反映された検出信号を得ることが
できる。
【0081】なお、差分を取リこれをアンプを用いて増
幅することによって,さらに検出感度を上げることがで
きることも実施形態1と同様である。
【0082】(実施形態3)図13は、本実施形態のイン
ク検出に関わる記録ヘッドにおける等価回路を示す図で
ある。本実施形態は実施形態1と同様、リファレンスユ
ニットからの検出信号をインクが存在する状態で検出し
たものとするものである。但し、本実施形態では、検出
ユニットを必ずインクが存在する箇所に設けるものでは
なく、検出電極418を、インクを介さずに直接、例え
ば保護膜上の導電体に接続する。
【0083】同図に示す等価回路では、リファレンス抵
抗素子401をを駆動すると、常に、検出信号704
(図7参照)と同様の検出信号が得られる。なお、本実施
形態においても、リファレンスユニットからの検出信号
が検出用ユニットからの検出信号に比べて大きいことが
予想されるため、適切な差分を得るべく、電極のサイズ
を小さくしたり、インクを介していることに相当する抵
抗体を組み込んだり、保護膜の厚みを厚くする等、検出
信号の調整を行うことが望ましい。
【0084】(実施形態4)本実施形態は、他のノズルの
検出用ユニットをリファレンスユニットとして用いるも
のである。図14は本実施形態のインク検出に係る記録
ヘッドの等価回路を示す図である。
【0085】本実施形態では、まず、リファレンスとす
るノズルを定める処理を行い、その後、上述の各実施形
態と同様に各検出信号の差分によるインクの有無等の検
出を行う。
【0086】本実施形態のリファレンスとなるノズル
は、実施形態1と同様インクが必ず存在する状態で検出
信号を出力するものとする。このため、リファレンスノ
ズルを定める場合、このインクが必ず存在するノズルを
定める必要がある。例えば、リファレンスノズルを定め
る処理は以下の原理に基づいて行うことができる。
【0087】まず、特開平8−80619号公報に開示
されるように、ノズルにインクが存在している場合に
は、同時に複数ノズルで吐出が行なわれたときに検出さ
れる所定の信号レベルが、単独のノズルによる吐出の場
合よりも大きな信号のレベルとなる。この原理を用いる
と、吐出するノズルの全てにインクが存在するという前
提のもとで3つのノズルを選択し、そのうちの2つのノ
ズルから同時に吐出したときの出力信号と、これら2つ
のノズルとは異なる1つのノズルから吐出したときの出
力信号を比較したときに出力差が検出されることから、
ノズルにインクが存在することが確認できる。なお、こ
の検出は上述してきた本発明の各実施形態の検出の構成
とは異なることは勿論であり、また、この上記公報にお
ける検出が上記各実施形態のように個々のノズルについ
てインクの存在する量を精度よく検出するものとは相違
することは勿論である。
【0088】本実施形態においては、リファレンスノズ
ルを定めるのに使用する3つのノズル全てにインクが存
在しているとは限らないため、3つのノズルを、それぞ
れノズルA、ノズルB、リファレンス候補ノズルとして
区別することにより、同時に吐出する2つのノズルの組
合せを変え、同時吐出される2つのノズルと単独で吐出
されるノズルの出力信号を比較することにより、その単
独で吐出が行なわれるリファレンス候補ノズルにインク
があるか否かを調べる。具体的には以下のような手順で
行う。
【0089】ステップ1: ノズルAとノズルBを同時
駆動し、また、他の単独で吐出するリファレンス候補ノ
ズルを駆動する。 ステップ2: 上記リファレンス候補ノズルの出力−
(ノズルA+Bの出力)を求める。
【0090】この結果は、4通りの出力パターンが存在
し、それら4つを比較して、 出力差ありの場合; 「リファレンス候補ノズルにイ
ンク有り、ノズルA、Bにインクなし」に相当 出力差なしの場合; 「リファレンス候補ノズル、ノ
ズルA、Bの全てにインクなし」に相当、または「リフ
ァレンス候補ノズル、ノズルAにインク有り、ノズルB
にインクなし」に相当、または「リファレンス候補ノズ
ル、ノズルBインク有り、ノズルAにインクなし」に相
当 符号の逆転した出力差ありの場合; 「リファレンス
候補ノズル、ノズルA、Bにインク有り」に相当、また
は「ノズルAにインク有り、リファレンス候補ノズル、
ノズルBにインクなし」に相当、または「ノズルBにイン
ク有り、リファレンス候補ノズル、ノズルAにインクな
し」に相当 符号の逆転した、相対的にレベルの大きな出力の場
合; ノズルA、Bにインク有り、リファレンス候補部
ノズルにインクなし 以上において、の場合、リファレンス候補ノズルを、
リファレンスノズルとして採用する。の場合、リファ
レンス候補ノズルを代える/回復動作を行う。の場
合、次のステップ3を行い、3−1で判定する。の場
合、次のステップ3を行い、3−2で判定する。
【0091】ステップ3: ノズルAとリファレンス候
補のノズルを同時駆動し、また、ノズルBを駆動する。
【0092】3−1; ノズルA+リファレンス候補ノ
ズルの出力−ノズルBの出力を求めると、次の2通りの
出力パターンが存在する。 出力差ありの場合; 「ノズルA、リファレンス候補
ノズルにインク有り」に相当 出力差なしの場合; 「リファレンス候補ノズル、ノ
ズルBにインク有り」に相当、または「リファレンス候補
ノズル、ノズルA、Bにインクなし」に相当 以上において、の場合、リファレンス候補ノズルを、
リファレンスノズルとして採用する。の場合、次のス
テップ4を行い、4−1でで判定する。
【0093】3−2; ノズル A+リファレンス候補
ノズルの出力−ノズルBの出力を求めると、次の2通り
の出力パターンが存在する。 符号の逆転した出力差ありの場合; 「ノズルBにイ
ンク有り」に相当 出力差ありの場合; 「リファレンス候補ノズルにイ
ンク有り」に相当、または「ノズルAにインク有り」に相
当 以上において、の場合、リファレンス候補ノズルを代
える/回復動作を行う。の場合、次のステップ4を行
い、その4−2で判定する。
【0094】ステップ4: ノズルBとリファレンス候
補ノズルを同時駆動し、また、ノズルAを駆動する。
【0095】4−1; ノズルB+リファレンス候補ノ
ズル−ノズルAの出力を求めると、次の2通りの出力パ
ターンが存在する。 出力差ありの場合; 「リファレンス候補ノズル、ノ
ズルBにインク有り」に相当 出力差なしの場合; 「リファレンス候補ノズル、ノ
ズルA、Bにインクなし」に相当 以上において、の場合、リファレンス候補ノズルを,
リファレンスノズルとして採用する。の場合、リファ
レンス候補ノズルを代える/回復動作を行う。
【0096】4−2; ノズルB+リファレンス候補ノ
ズル−ノズルAの出力を求めると、次の2通りの出力パ
ターンが存在する。 出力差ありの場合; 「リファレンス候補ノズル、ノ
ズルA、Bにインク有り」に相当 符号の逆転した出力差ありの場合; 「ノズルB、リ
ファレンス候補ノズルにインクなし」に相当 以上において、の場合、リファレンス候補ノズルをリ
ファレンスノズルとして採用する。の場合、リファレ
ンス候補ノズルを代える/回復動作を行う。
【0097】ステップ5: リファレンス候補ノズルを
代える場合は、代えたノズルをリファレンス候補ノズル
として、以上のステップ1〜4処理を繰り返す。
【0098】以上の処理手順によって、リファレンスノ
ズルが定められ、このノズルのヒータ101を駆動した
ときは、上述したように図7に示した検出信号704と
同様の検出信号を得る。これをリファレンスの検出信号
として検出用ノズルのヒータ101を駆動した時の検出
信号との差分をとり、ノイズ成分が除去された最終的な
検出信号を得ることができる。
【0099】詳細には、図14に示すように、リファレ
ンスノズルのヒータ101を駆動しそのときの検出信号
の電位変化をA/Dコンバータ403でA/D変換しメモ
リ405に記憶しておく。なお、このメモリは、記憶し
たデータが出力されるまではメモリ制御ロジック404
によって、他のデータを記憶しないように制御されてい
る。
【0100】次に、検出用ノズルのヒータ101を駆動
し、その出力信号を得る。このノズルからの検出信号が
差動回路に伝達されるとき、この信号伝達に同期して、
メモリ405に記憶されたリファレンスノズルの検出信
号はD/Aコンバータ406によりD/A変換され、差動回
路407に出力される。
【0101】以上のようにしてリファレンスノズルと検
出用ノズルからのそれぞれの検出信号の差分を得ること
ができる。この差分を得た後は、上述した実施形態1等
と同様であるので、その説明は省略する。
【0102】なお、本実施形態について示す図14で
は、リファレンスユニットにのみA/Dコンバータ以降
の構成が接続されるように記載されているが、この構成
はいずれのノズルにも接続可能であり、これは、例えば
不図示のスイッチの構成によって接続するノズルの切替
えを行うことによって可能となる。これにより、上述の
ように、リファレンスノズル候補を変更したときに適切
に対応できる。
【0103】(実施形態5)上記実施形態4では、リファ
レンスノズルのヒータ101を先に駆動するものとした
が、これに限られないことは勿論である。図15に示す
ように、先に検出用ノズルのヒータ101を駆動し、そ
の検出信号をメモリ405に記憶する用にしても良い。
【0104】(実施形態6)さらに、上記実施形態4およ
び5の別の形態として、検出用とリファレンスのノズル
を同一のものとする形態が考えられる。この場合、実施
形態5で説明したように、その用いるノズルにはインク
が存在することはある程度の確実さで推定されている
が、本発明を適用することにより比較的細かな部位の単
位でインクの存在について検出することができる。本実
施形態の等価回路の該略構成を図16に示す。
【0105】(その他の実施形態)上述の各実施形態にお
いて、検出用ユニットからの検出信号とリファレンスユ
ニットからの検出信号との差分(または、その増幅した
もの)をとることによって差動検知をおこなったが、ノ
ズルの配置してある場所によって検出信号の振幅が異な
る場合がある。その場合は差分を取る前に出力レベルを
補正するなどの回路等を組込むことで対応することがで
きる。
【0106】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0107】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0108】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0109】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0110】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0111】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0112】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0113】さらに加えて、以上説明した本発明実施形
態においては、インクを液体として説明しているが、室
温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化も
しくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範
囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲に
あるように温度制御するものが一般的であるから、使用
記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0114】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0115】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ノズル内の記録素子を駆動素子によって駆動
したときに、例えば、これら記録素子などの上層で絶縁
層をなす保護膜を介して保護膜上のインクに生じる電位
の変化を、その存在が検出される箇所のインクを介して
電極等の検出手段によって検出する構成において、リフ
ァレンスとして上記と同様のリファレンス素子群もしく
はリファレンスユニットを設け、その検出構成を上記検
出箇所のインクの所定の状態とした検出を行うものと
し、上記検出手段によって検出される検出信号と上記リ
ファレンスの検出信号との差をとり、それに基づいて上
記検出箇所のインクの有無等を判断することができる。
これにより、上記検出におけるノイズの影響は上記差に
よって除去され、インクの有無等の検出においてノイズ
の影響を排除することができる。
【0116】この結果、インクジェットヘッドにおい
て、簡易な構成で、ノズル内のインク量、特にインクの
有無をノズル単位で精度よく検出することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一従来例に係るインクジェットヘッド用基板を
示す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッ
ド用基板を示す平面図である。
【図3】上記実施形態の記録ヘッドにおけるインク検出
に関する基本的形態の等価回路を示す図である。
【図4】上記基本的形態の主に基板上の電極等の配置を
示す図である。
【図5】図4に示した構成の斜視図である。
【図6】図4におけるa−a線の縦断面図である。
【図7】上記基本的形態のインク検出に関する検出信号
等を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録
装置を示す斜視図である。
【図9】上記装置における制御構成を示すブロック図で
ある。
【図10】本発明の第一の実施形態に係る記録ヘッドの
縦断面図である。
【図11】上記第一の実施形態に係るインク検出に係る
等価回路を示す図である。
【図12】本発明の第二の実施形態に係るインク検出に
係る等価回路を示す図である。
【図13】本発明の第三の実施形態に係るインク検出に
係る等価回路を示す図である。
【図14】本発明の第四の実施形態に係るインク検出に
係る等価回路を示す図である。
【図15】本発明の第五の実施形態に係るインク検出に
係る等価回路を示す図である。
【図16】本発明の第六の実施形態に係るインク検出に
係る等価回路を示す図である。
【符号の説明】
101 ヒータ 102 ドライバ 118 検出電極 401 リファレンス抵抗素子 402 リファレンスドライバ 403 A/Dコンバータ 404 メモリ制御ロジック 405 メモリ 406 D/Aコンバータ 407 差動回路 418 リファレンス検出電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今仲 良行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 望月 無我 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高木 真二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA23 EA24 EA29 EB08 EB09 EB51 FA03 HA05 2C057 AF99 AG46 AG83 AK07 AK20 AL17

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するためのインクジェット
    ヘッドを構成するインクジェットヘッド用基板におい
    て、 インクを吐出するためのエネルギーを発生する記録素子
    およびそれを駆動する駆動素子と、 該記録素子および駆動素子と絶縁層を介し、かつこれら
    素子から所定の離れた箇所に設けられる検出電極と、 前記記録素子、前記駆動素子および前記検出電極と同一
    の関係を有した素子群であって、該記録素子、駆動素子
    および検出電極とは別に設けられたリファレンス素子群
    と、を具えたことを特徴とするインクジェットヘッド用
    基板。
  2. 【請求項2】 前記検出電極を介した検出信号と前記リ
    ファレンス素子群からの検出信号との比較に基づいて、
    インクジェットへッド内のインクの存在について検出が
    行われることを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ットヘッド用基板。
  3. 【請求項3】 前記記録素子は発熱抵抗素子であり、お
    よび前記リファレンス素子群はリファレンス抵抗素子お
    よびこれを駆動するリファレンス駆動素子を有し、それ
    ぞれの前記検出信号は、これら発熱抵抗素子およびリフ
    ァレンス抵抗素子をそれぞれ前記駆動素子およびリファ
    レンス駆動素子によって駆動したときに検出される電圧
    変化であることを特徴とする請求項2に記載のインクジ
    ェットヘッド用基板。
  4. 【請求項4】 前記リファレンス素子群は、当該インク
    ジェットヘッド用基板においてインクジェットヘッドを
    構成したときインクが存在する箇所に設けられることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインク
    ジェットヘッド用基板。
  5. 【請求項5】 前記リファレンス素子群は、当該インク
    ジェットヘッド用基板においてインクジェットヘッドを
    構成したときインクが存在しない箇所に設けられること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッド用基板。
  6. 【請求項6】 前記リファレンス素子群の検出電極はイ
    ンクに相当する抵抗を有した部材を介して前記電圧変化
    を検出することを特徴とする請求項3に記載のインクジ
    ェットヘッド用基板。
  7. 【請求項7】 インクを吐出するためのノズルを有した
    インクジェットヘッドにおいて、 ノズル内に配され、インクを吐出するためのエネルギー
    を発生する記録素子およびそれを駆動する駆動素子と、 前記記録素子を前記駆動素子によって駆動したとき、該
    駆動によって当該記録素子および/または駆動素子に発
    生する電圧変化をインクを介して検出する検出手段と、 前記記録素子および前記駆動素子と同一の関係を有した
    リファレンス素子群および該素子群において同様の駆動
    によって生じる電圧変動を前記検出手段が検出する際の
    インクの所定の状態で検出する検出手段を有したリファ
    レンスユニットと、を具えたことを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  8. 【請求項8】 前記検出手段によって検出された検出信
    号と前記リファレンスユニットの検出手段からの検出信
    号との比較に基づいて、当該ノズル内のインクの存在に
    ついて検出が行われることを特徴とする請求項7に記載
    のインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 前記記録素子は発熱抵抗素子であり、お
    よび前記リファレンスユニットはリファレンス抵抗素子
    およびこれを駆動するリファレンス駆動素子を有し、そ
    れぞれの前記検出信号は、これら発熱抵抗素子およびリ
    ファレンス抵抗素子をそれぞれ前記駆動素子およびリフ
    ァレンス駆動素子によって駆動したときに検出される電
    圧変化であることを特徴とする請求項7に記載のインク
    ジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 前記リファレンスユニットは、当該イ
    ンクジェットヘッドにおいてインクが存在する箇所に設
    けられることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか
    に記載のインクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 前記リファレンスユニットは、当該イ
    ンクジェットヘッドにおいてインクが存在しない箇所に
    設けられることを特徴とする請求項7ないし9のいずれ
    かに記載のインクジェットヘッド。
  12. 【請求項12】 前記リファレンスユニットの検出手段
    はインクに相当する抵抗を有した部材を介して前記電圧
    変化を検出することを特徴とする請求項9に記載のイン
    クジェットヘッド。
  13. 【請求項13】 前記リファレンスユニットは、当該他
    のノズル内に設けられる記録素子、駆動素子および検出
    手段であることを特徴とする請求項7ないし9のいずれ
    かに記載のインクジェットヘッド。
  14. 【請求項14】 前記リファレンスユニットは、当該ノ
    ズル内に設けられる同一の記録素子、駆動素子および検
    出手段であり、これらについて時間差を持ってそれぞれ
    の検出信号を得ることを特徴とする請求項7ないし9の
    いずれかに記載のインクジェットヘッド。
  15. 【請求項15】 インクを吐出するためのノズルを有し
    たインクジェットヘッドを用い被記録媒体にインクを吐
    出して記録を行うインクジェット記録装置において、 前記用いられるインクジェットヘッドは、当該ノズル内
    に配され、インクを吐出するためのエネルギーを発生す
    る記録素子およびそれを駆動する駆動素子と、前記記録
    素子を前記駆動素子によって駆動したとき、該駆動によ
    って当該記録素子および/または駆動素子に発生する電
    圧変化をインクを介して検出する検出手段と、前記記録
    素子および前記駆動素子と同一の関係を有したリファレ
    ンス素子群および該素子群において同様の駆動によって
    生じる電圧変動を前記検出手段が検出する際のインクの
    所定の状態で検出する検出手段を有したリファレンスユ
    ニットと、を有し、 前記インクジェット記録装置は、前記検出手段によって
    検出された検出信号と前記リファレンスユニットの検出
    手段からの検出信号との比較に基づいて、当該ノズル内
    のインクの存在について検出を行う手段を具えたことを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  16. 【請求項16】 前記記録素子は発熱抵抗素子であり、
    および前記リファレンスユニットはリファレンス抵抗素
    子およびこれを駆動するリファレンス駆動素子を有し、
    それぞれの前記検出信号は、これら発熱抵抗素子および
    リファレンス抵抗素子をそれぞれ前記駆動素子およびリ
    ファレンス駆動素子によって駆動したときに検出される
    電圧変化であることを特徴とする請求項15に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 前記リファレンスユニットは、当該イ
    ンクジェットヘッドにおいてインクが存在する箇所に設
    けられることを特徴とする請求項15または16に記載
    のインクジェット記録装置。
  18. 【請求項18】 前記リファレンスユニットは、当該イ
    ンクジェットヘッドにおいてインクが存在しない箇所に
    設けられることを特徴とする請求項15または16に記
    載のインクジェット記録装置。
  19. 【請求項19】 前記リファレンスユニットの検出手段
    はインクに相当する抵抗を有した部材を介して前記電圧
    変化を検出することを特徴とする請求項16に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  20. 【請求項20】 前記リファレンスユニットは、当該他
    のノズル内に設けられる記録素子、駆動素子および検出
    手段であることを特徴とする請求項15または16に記
    載のインクジェット記録装置。
  21. 【請求項21】 前記リファレンスユニットは、当該ノ
    ズル内に設けられる同一の記録素子、駆動素子および検
    出手段であり、これらについて時間差を持ってそれぞれ
    の検出信号を得ることを特徴とする請求項15または1
    6に記載のインクジェット記録装置。
  22. 【請求項22】 インクを吐出するためのノズルを有し
    たインクジェットヘッドと該インクジェットへッドに供
    給するインクを貯留したインクタンクとを一体に構成し
    たインクジェットカートリッジにおいて、 ノズル内に配され、インクを吐出するためのエネルギー
    を発生する記録素子およびそれを駆動する駆動素子と、 前記記録素子を前記駆動素子によって駆動したとき、該
    駆動によって当該記録素子および/または駆動素子に発
    生する電圧変化をインクを介して検出する検出手段と、 前記記録素子および前記駆動素子と同一の関係を有した
    リファレンス素子群および該素子群において同様の駆動
    によって生じる電圧変動を前記検出手段が検出する際の
    インクの所定の状態で検出する検出手段を有したリファ
    レンスユニットと、を具えたことを特徴とするインクジ
    ェットカートリッジ。
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