JP2001322298A - インクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドのインク状態検知方法 - Google Patents
インクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドのインク状態検知方法Info
- Publication number
- JP2001322298A JP2001322298A JP2000143851A JP2000143851A JP2001322298A JP 2001322298 A JP2001322298 A JP 2001322298A JP 2000143851 A JP2000143851 A JP 2000143851A JP 2000143851 A JP2000143851 A JP 2000143851A JP 2001322298 A JP2001322298 A JP 2001322298A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- recording
- ink jet
- jet recording
- driving
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 記録ヘッド内のインクを検出するインク検出
方式として、きわめて簡単な構成であって、しかも種々
の記録方式に広く適用可能な検出方式を採用した上、記
録ヘッド内におけるインク状態を効率よく検出すること
ができるインクジェット記録装置、およびインクジェッ
ト記録ヘッドのインク状態検知方法を提供すること。 【解決手段】 インクジェット記録ヘッド用基板101
には、インク吐出手段2102とインク状態検知手段2
103が備えられ、記録動作中における前記インク状態
検知手段2103の検知信号2107に基づいて、イン
クジェット記録ヘッド内のインク状態を検知する。
方式として、きわめて簡単な構成であって、しかも種々
の記録方式に広く適用可能な検出方式を採用した上、記
録ヘッド内におけるインク状態を効率よく検出すること
ができるインクジェット記録装置、およびインクジェッ
ト記録ヘッドのインク状態検知方法を提供すること。 【解決手段】 インクジェット記録ヘッド用基板101
には、インク吐出手段2102とインク状態検知手段2
103が備えられ、記録動作中における前記インク状態
検知手段2103の検知信号2107に基づいて、イン
クジェット記録ヘッド内のインク状態を検知する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置、およびインクジェット記録ヘッドのインク状態
検知方法に関するものである。
録装置、およびインクジェット記録ヘッドのインク状態
検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、或いはコンピューターやワードプ
ロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出力機
器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて、
用紙やプラスチック薄板(例えば、OHP等に用いる)
等の記録シートに画像を記録するように構成されてい
る。このような記録装置は、使用する記録手段の記録方
法により、インクジェット式、ワイヤドット式、感熱
式、熱転写式、レーザービーム式等の記録方式に分けら
れる。
能を有する記録装置、或いはコンピューターやワードプ
ロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出力機
器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて、
用紙やプラスチック薄板(例えば、OHP等に用いる)
等の記録シートに画像を記録するように構成されてい
る。このような記録装置は、使用する記録手段の記録方
法により、インクジェット式、ワイヤドット式、感熱
式、熱転写式、レーザービーム式等の記録方式に分けら
れる。
【0003】それらの記録方式の内、インクジェット式
の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段で
あるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドとも
いう)から、記録シートなどの被記録媒体にインクを吐
出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化
が容易であり、高精細な画像を高速で記録することがで
きる。さらには、普通紙に、特別の処理を必要とせずに
記録することができるためランニングコストが安く、ま
た、ノンインパクト方式であるため記録動作時の騒音が
少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像を記
録することが容易である等の利点を有している。
の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段で
あるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドとも
いう)から、記録シートなどの被記録媒体にインクを吐
出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化
が容易であり、高精細な画像を高速で記録することがで
きる。さらには、普通紙に、特別の処理を必要とせずに
記録することができるためランニングコストが安く、ま
た、ノンインパクト方式であるため記録動作時の騒音が
少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像を記
録することが容易である等の利点を有している。
【0004】このようなインクジェット記録方式の中に
もいくつか手法があり、その1つとしては、ノズル内
に、インクに熱エネルギーを与えるための発熱体を設
け、その発熱体の発熱によってノズル内のインクにバブ
ルを発生させたときの発泡エネルギーを用いて、ノズル
からインクを吐出させるバブルジェット(登録商標)記
録方式がある。ここで、インクを吐出するためのエネル
ギーを発生させる記録素子としての発熱体は、半導体製
造プロセスを用いて作製することができる。そのため、
バブルジェット記録方式を利用したインクジェット記録
ヘッドは、シリコン基板からなる素子基板上に記録素子
を形成し、その上に、インク流路を形成するための溝が
形成された天板を接合した構成となっている。その天板
は、ポリサルフォン等の樹脂やガラス等からなる。
もいくつか手法があり、その1つとしては、ノズル内
に、インクに熱エネルギーを与えるための発熱体を設
け、その発熱体の発熱によってノズル内のインクにバブ
ルを発生させたときの発泡エネルギーを用いて、ノズル
からインクを吐出させるバブルジェット(登録商標)記
録方式がある。ここで、インクを吐出するためのエネル
ギーを発生させる記録素子としての発熱体は、半導体製
造プロセスを用いて作製することができる。そのため、
バブルジェット記録方式を利用したインクジェット記録
ヘッドは、シリコン基板からなる素子基板上に記録素子
を形成し、その上に、インク流路を形成するための溝が
形成された天板を接合した構成となっている。その天板
は、ポリサルフォン等の樹脂やガラス等からなる。
【0005】また、素子基板がシリコン基板からなるこ
とを利用し、記録素子を素子基板上に構成するだけでな
く、記録素子を駆動するためのドライバ、記録素子を記
録ヘッドの温度に応じて制御する際に用いられる温度セ
ンサ、および、その温度センサの駆動制御部等を、素子
基板上に構成したものもある。
とを利用し、記録素子を素子基板上に構成するだけでな
く、記録素子を駆動するためのドライバ、記録素子を記
録ヘッドの温度に応じて制御する際に用いられる温度セ
ンサ、および、その温度センサの駆動制御部等を、素子
基板上に構成したものもある。
【0006】特開平7−256883号公報には、上述
したインクジェット記録ヘッド用の基板の一例が開示さ
れている。その公報に開示された従来のインクジェット
記録ヘッド用基板の構成を図9に示す。
したインクジェット記録ヘッド用の基板の一例が開示さ
れている。その公報に開示された従来のインクジェット
記録ヘッド用基板の構成を図9に示す。
【0007】図9において、記録ヘッド用の基板である
素子基板100には、インク吐出用の熱エネルギーをイ
ンクに与えるための記録素子としての発熱体101が配
置されている。また、並列に配列された複数の発熱体
(記録素子)101に対して、各発熱体101を駆動す
るためのパワートランジスタ(ドライバ)102が設け
られている。さらに、素子基板100上には、シフトレ
ジスタ104と、ラッチ回路103と、複数のANDゲ
ート115が形成されている。シフトレジスタ104
は、端子106を介して外部から画像データをシリアル
に入力し、また、これに同期するシリアルクロックを端
子105から入力して、1ライン分の画像データを保持
する。ラッチ回路103は、端子107を介して入力さ
れるラッチ用のクロック(ラッチ信号)に同期して、シ
フトレジスタ104からパラレルに出力された1ライン
分の画像データをラッチし、それをパワートランジスタ
102にパラレルに転送する。複数のANDゲート11
5は、パワートランジスタ102に対応してそれぞれ設
けられ、ラッチ回路103の出力信号を、外部からのイ
ネーブル信号に応じてパワートランジスタ102に印加
する。108は、駆動素子であるパワートランジスタ1
02のオン時間、すなわち発熱体101に電流を流して
駆動する時間を、記録ヘッド部の外部から制御するため
の駆動パルス幅入力(ヒートパルス)端子である。10
9は、ラッチ回路103やシフトレジスタ104等のロ
ジック回路の駆動電源(5V)を入力するための端子で
ある。さらに、接地端子110、およびセンサ114の
駆動やモニタ用の端子112等が設けられている。この
ように、基板100上に形成される端子105〜112
は、画像データや各種信号等を外部から入力するための
入力端子である。
素子基板100には、インク吐出用の熱エネルギーをイ
ンクに与えるための記録素子としての発熱体101が配
置されている。また、並列に配列された複数の発熱体
(記録素子)101に対して、各発熱体101を駆動す
るためのパワートランジスタ(ドライバ)102が設け
られている。さらに、素子基板100上には、シフトレ
ジスタ104と、ラッチ回路103と、複数のANDゲ
ート115が形成されている。シフトレジスタ104
は、端子106を介して外部から画像データをシリアル
に入力し、また、これに同期するシリアルクロックを端
子105から入力して、1ライン分の画像データを保持
する。ラッチ回路103は、端子107を介して入力さ
れるラッチ用のクロック(ラッチ信号)に同期して、シ
フトレジスタ104からパラレルに出力された1ライン
分の画像データをラッチし、それをパワートランジスタ
102にパラレルに転送する。複数のANDゲート11
5は、パワートランジスタ102に対応してそれぞれ設
けられ、ラッチ回路103の出力信号を、外部からのイ
ネーブル信号に応じてパワートランジスタ102に印加
する。108は、駆動素子であるパワートランジスタ1
02のオン時間、すなわち発熱体101に電流を流して
駆動する時間を、記録ヘッド部の外部から制御するため
の駆動パルス幅入力(ヒートパルス)端子である。10
9は、ラッチ回路103やシフトレジスタ104等のロ
ジック回路の駆動電源(5V)を入力するための端子で
ある。さらに、接地端子110、およびセンサ114の
駆動やモニタ用の端子112等が設けられている。この
ように、基板100上に形成される端子105〜112
は、画像データや各種信号等を外部から入力するための
入力端子である。
【0008】また、素子基板100には、その素子基板
100の温度を測定するための温度センサ、あるいは各
発熱体101の抵抗値を測定するための抵抗センサ等の
センサ114が形成される。以上のように、ドライバ、
温度センサ、及びその駆動制御部等を素子基板上に構成
したヘッドは実用に供されており、記録ヘッドの信頼性
の向上、及び装置の小型化に寄与している。
100の温度を測定するための温度センサ、あるいは各
発熱体101の抵抗値を測定するための抵抗センサ等の
センサ114が形成される。以上のように、ドライバ、
温度センサ、及びその駆動制御部等を素子基板上に構成
したヘッドは実用に供されており、記録ヘッドの信頼性
の向上、及び装置の小型化に寄与している。
【0009】このような構成において、シリアル信号と
して入力された画像データは、シフトレジスタ104に
よってパラレル信号に変換され、ラッチ用のクロックに
同期してラッチ回路103に保持される。この状態にお
いて、入力端子107を介して、発熱体101の駆動パ
ルス信号(ANDゲート115に対するイネーブル信
号)が入力されることにより、画像データに応じてパワ
ートランジスタ102がオンされ、対応する発熱体10
1に電流が流れて、熱エネルギーが発生する。素子基板
100には、インク吐出のための液流路(ノズルともい
う)や、その液流路と連通する共通液室を形成するため
に、天板が接合される。このように構成することによ
り、インクタンク(インク収容部ともいう)に収容され
るインクが共通液室を介して各ノズルへ供給され、イン
クの安定供給が達成されている。前述のように、発熱体
の駆動によって発生した熱エネルギーにより、液流路
(ノズル)内のインクが加熱されて、ノズル先端の吐出
口からインクが液滴として吐出される。
して入力された画像データは、シフトレジスタ104に
よってパラレル信号に変換され、ラッチ用のクロックに
同期してラッチ回路103に保持される。この状態にお
いて、入力端子107を介して、発熱体101の駆動パ
ルス信号(ANDゲート115に対するイネーブル信
号)が入力されることにより、画像データに応じてパワ
ートランジスタ102がオンされ、対応する発熱体10
1に電流が流れて、熱エネルギーが発生する。素子基板
100には、インク吐出のための液流路(ノズルともい
う)や、その液流路と連通する共通液室を形成するため
に、天板が接合される。このように構成することによ
り、インクタンク(インク収容部ともいう)に収容され
るインクが共通液室を介して各ノズルへ供給され、イン
クの安定供給が達成されている。前述のように、発熱体
の駆動によって発生した熱エネルギーにより、液流路
(ノズル)内のインクが加熱されて、ノズル先端の吐出
口からインクが液滴として吐出される。
【0010】ここで、安定した印字等の記録を行なうた
めの重要なポイントの1つとして、ヘッド内の共通液室
や各ノズル内における記録時のインクの有無が挙げられ
る。つまり、インクタンク内のインク量が少なくなった
場合、あるいはノズル先端部からノズルへの空気の混入
や、共通液室内に発生した気泡のノズルへの移動等が生
じた場合には、インクを安定して吐出することが困難と
なり、記録品位を劣化させるおそれがある。例えば、イ
ンクジェット記録ヘッドに設けられている複数のノズル
の内、特定のノズルにのみインクの安定吐出が困難な状
況が発生して、それが不良ノズルとなった場合には、そ
の不良ノズルによる記録が行われなくなるため、記録画
像中に記録が行われない部分がスジ状に発生してしま
う。また、共通液室内のインクが少なくなった場合に
は、一部のノズルに対してのみインクが供給されること
があり得るため、上述のような不良ノズルの発生による
部分的なインクの不吐出と同様に、記録品位を劣化させ
てしまうこととなる。
めの重要なポイントの1つとして、ヘッド内の共通液室
や各ノズル内における記録時のインクの有無が挙げられ
る。つまり、インクタンク内のインク量が少なくなった
場合、あるいはノズル先端部からノズルへの空気の混入
や、共通液室内に発生した気泡のノズルへの移動等が生
じた場合には、インクを安定して吐出することが困難と
なり、記録品位を劣化させるおそれがある。例えば、イ
ンクジェット記録ヘッドに設けられている複数のノズル
の内、特定のノズルにのみインクの安定吐出が困難な状
況が発生して、それが不良ノズルとなった場合には、そ
の不良ノズルによる記録が行われなくなるため、記録画
像中に記録が行われない部分がスジ状に発生してしま
う。また、共通液室内のインクが少なくなった場合に
は、一部のノズルに対してのみインクが供給されること
があり得るため、上述のような不良ノズルの発生による
部分的なインクの不吐出と同様に、記録品位を劣化させ
てしまうこととなる。
【0011】このような、不良ノズルによる部分的なイ
ンクの不吐出の発生状態を検出するために、従来より、
共通液室やノズル内のインクの状態、特にインクの有無
を検出する方法が提案されている。
ンクの不吐出の発生状態を検出するために、従来より、
共通液室やノズル内のインクの状態、特にインクの有無
を検出する方法が提案されている。
【0012】例えば、特開昭58−118267号公報
には、インクジェット記録ヘッドに配列された複数のノ
ズルについて、ノズル毎について、インクの有無を検出
する方法が提案されている。すなわち、その方法の場合
には、各ノズルのインクの有無を検出するために、各ノ
ズル内に、記録素子とは別に、熱によって抵抗が変化す
る温度検出用の素子が配置される。そして、ノズル内の
インクが無くなった場合に、記録素子である発熱体の発
熱によってノズル付近の温度上昇変化の割合が大きくな
ることを利用し、その温度上昇変化を温度検出用の素子
によって検出することにより、インクの有無を検知す
る。
には、インクジェット記録ヘッドに配列された複数のノ
ズルについて、ノズル毎について、インクの有無を検出
する方法が提案されている。すなわち、その方法の場合
には、各ノズルのインクの有無を検出するために、各ノ
ズル内に、記録素子とは別に、熱によって抵抗が変化す
る温度検出用の素子が配置される。そして、ノズル内の
インクが無くなった場合に、記録素子である発熱体の発
熱によってノズル付近の温度上昇変化の割合が大きくな
ることを利用し、その温度上昇変化を温度検出用の素子
によって検出することにより、インクの有無を検知す
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記した特開昭58−
118267号公報に開示される構成においては、ノズ
ル近辺の温度を直接確認するために、各ノズル毎に、温
度を検出可能な素子またはセンサーを配置したり、さら
には、それらの温度検出用の素子やセンサーを駆動する
ための駆動素子についてもノズル内もしくはヘッド用基
板上に配置する必要がある。このような構成は、ノズル
のサイズが大きくて、比較的低い密度でノズルが配列さ
れる記録ヘッドに対しては、有効に適用することができ
る。
118267号公報に開示される構成においては、ノズ
ル近辺の温度を直接確認するために、各ノズル毎に、温
度を検出可能な素子またはセンサーを配置したり、さら
には、それらの温度検出用の素子やセンサーを駆動する
ための駆動素子についてもノズル内もしくはヘッド用基
板上に配置する必要がある。このような構成は、ノズル
のサイズが大きくて、比較的低い密度でノズルが配列さ
れる記録ヘッドに対しては、有効に適用することができ
る。
【0014】しかしながら、近年においては、より高速
かつ高精細な記録の達成が要求されており、このような
要求に応えるべく、インクジェット記録ヘッドに配列す
るノズル数を多くしたり、ノズルを高密度に配列するこ
とによって、高記録密度化が年々進められている。
かつ高精細な記録の達成が要求されており、このような
要求に応えるべく、インクジェット記録ヘッドに配列す
るノズル数を多くしたり、ノズルを高密度に配列するこ
とによって、高記録密度化が年々進められている。
【0015】このような、高密度にノズルを配列したイ
ンクジェット記録ヘッド用基板においては、ノズル内部
やその近辺に、各記録素子に対応させて温度検出用の素
子やセンサーを配置したり、その素子やセンサーを駆動
するための駆動素子を基板上に配置することが困難とな
ってきている。また、ノズル数を増大した場合も同様で
あり、基板上に配置する素子数が増えることとなり、イ
ンクジェット記録ヘッド用基板のチップサイズの大型
化、あるいはセンサー素子とその他の回路等を電気的に
接続するための配線層の多層化につながり、その結果、
基板上の構造の複雑化や、チップの製造コストアップを
招くこととなる。
ンクジェット記録ヘッド用基板においては、ノズル内部
やその近辺に、各記録素子に対応させて温度検出用の素
子やセンサーを配置したり、その素子やセンサーを駆動
するための駆動素子を基板上に配置することが困難とな
ってきている。また、ノズル数を増大した場合も同様で
あり、基板上に配置する素子数が増えることとなり、イ
ンクジェット記録ヘッド用基板のチップサイズの大型
化、あるいはセンサー素子とその他の回路等を電気的に
接続するための配線層の多層化につながり、その結果、
基板上の構造の複雑化や、チップの製造コストアップを
招くこととなる。
【0016】また、特開昭58−118267号公報に
おいては、温度検出用の素子をヘッドの外部に対して電
気的に接続するための検出用端子の構成については明記
されておらず、記録素子毎に対応した検出用端子を基板
上に設けるとすれば、ヘッドに必要な端子の数が増大し
てしまう。さらには、ヘッドと記録装置を電気的に接続
するためのフレキシブル基板等の配線数の増大や、それ
らの配線における信号を個別に制御するための記録装置
本体上の素子の増大など、さまざまな部分において装置
の大型化を招くこととなり、コストアップを避けること
が困難となる。
おいては、温度検出用の素子をヘッドの外部に対して電
気的に接続するための検出用端子の構成については明記
されておらず、記録素子毎に対応した検出用端子を基板
上に設けるとすれば、ヘッドに必要な端子の数が増大し
てしまう。さらには、ヘッドと記録装置を電気的に接続
するためのフレキシブル基板等の配線数の増大や、それ
らの配線における信号を個別に制御するための記録装置
本体上の素子の増大など、さまざまな部分において装置
の大型化を招くこととなり、コストアップを避けること
が困難となる。
【0017】また、特開昭58−118267号公報に
開示される構成においては、温度変化を検知する方式で
あるため、その検知方式を適用可能な記録方式は、熱エ
ネルギーを発生する発熱体を記録素子として用いた記録
方式に限定されるという制約もあった。
開示される構成においては、温度変化を検知する方式で
あるため、その検知方式を適用可能な記録方式は、熱エ
ネルギーを発生する発熱体を記録素子として用いた記録
方式に限定されるという制約もあった。
【0018】本発明の目的は、記録ヘッド内のインクを
検出するインク検出方式として、きわめて簡単な構成で
あって、しかも種々の記録方式に広く適用可能な検出方
式を採用した上、記録ヘッド内におけるインク状態を効
率よく検出することができるインクジェット記録装置、
およびインクジェット記録ヘッドのインク状態検知方法
を提供することにある。
検出するインク検出方式として、きわめて簡単な構成で
あって、しかも種々の記録方式に広く適用可能な検出方
式を採用した上、記録ヘッド内におけるインク状態を効
率よく検出することができるインクジェット記録装置、
およびインクジェット記録ヘッドのインク状態検知方法
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、インクジェット記録ヘッド用基板が搭載さ
れかつ吐出口からインクの吐出が可能なインクジェット
記録ヘッドを用いて、被記録媒体に画像を記録するイン
クジェット記録装置において、前記インクジェット記録
ヘッド用基板には、インクを吐出するためのエネルギー
を供給する記録素子と、前記記録素子を駆動するための
駆動素子と、前記インクジェット記録ヘッド用基板上の
インクを介して、前記記録素子の駆動に応じて発生する
前記記録素子と前記駆動素子との間の電圧変化を検出可
能な検出電極と、が備えられ、駆動情報に基づいて前記
インクジェット記録ヘッドを駆動して行う記録動作中
に、前記検出電極の検出情報に基づいて、前記インクジ
ェット記録ヘッド内におけるインクの状態を検知する手
段を備えたことを特徴とする。
記録装置は、インクジェット記録ヘッド用基板が搭載さ
れかつ吐出口からインクの吐出が可能なインクジェット
記録ヘッドを用いて、被記録媒体に画像を記録するイン
クジェット記録装置において、前記インクジェット記録
ヘッド用基板には、インクを吐出するためのエネルギー
を供給する記録素子と、前記記録素子を駆動するための
駆動素子と、前記インクジェット記録ヘッド用基板上の
インクを介して、前記記録素子の駆動に応じて発生する
前記記録素子と前記駆動素子との間の電圧変化を検出可
能な検出電極と、が備えられ、駆動情報に基づいて前記
インクジェット記録ヘッドを駆動して行う記録動作中
に、前記検出電極の検出情報に基づいて、前記インクジ
ェット記録ヘッド内におけるインクの状態を検知する手
段を備えたことを特徴とする。
【0020】本発明のインクジェット記録ヘッドのイン
ク状態検知方法は、インクジェット記録ヘッド用基板が
搭載されかつ吐出口からインクの吐出が可能なインクジ
ェット記録ヘッドを用いて、被記録媒体に画像を記録す
るインクジェット記録装置において、前記インクジェッ
ト記録ヘッドのインク状態を検知するインク状態検知方
法であって、前記インクジェット記録ヘッド用基板に
は、インクを吐出するためのエネルギーを供給する記録
素子と、前記記録素子を駆動するための駆動素子と、前
記インクジェット記録ヘッド用基板上のインクを介し
て、前記記録素子の駆動に応じて発生する前記記録素子
と前記駆動素子との間の電圧変化を検出可能な検出電極
と、が備えられ、駆動情報に基づいて前記インクジェッ
ト記録ヘッドを駆動して行う記録動作中に、前記検出電
極の検出情報に基づいて、前記インクジェット記録ヘッ
ド内におけるインクの状態を検知することを特徴とす
る。
ク状態検知方法は、インクジェット記録ヘッド用基板が
搭載されかつ吐出口からインクの吐出が可能なインクジ
ェット記録ヘッドを用いて、被記録媒体に画像を記録す
るインクジェット記録装置において、前記インクジェッ
ト記録ヘッドのインク状態を検知するインク状態検知方
法であって、前記インクジェット記録ヘッド用基板に
は、インクを吐出するためのエネルギーを供給する記録
素子と、前記記録素子を駆動するための駆動素子と、前
記インクジェット記録ヘッド用基板上のインクを介し
て、前記記録素子の駆動に応じて発生する前記記録素子
と前記駆動素子との間の電圧変化を検出可能な検出電極
と、が備えられ、駆動情報に基づいて前記インクジェッ
ト記録ヘッドを駆動して行う記録動作中に、前記検出電
極の検出情報に基づいて、前記インクジェット記録ヘッ
ド内におけるインクの状態を検知することを特徴とす
る。
【0021】本発明において採用するインク検出方式
は、記録素子の駆動時と非駆動時に、その記録素子と駆
動素子との間に電圧の変化が発生し、その電圧の変化が
交流的にインクに伝達することに着目してなされたもの
である。記録素子と駆動素子との間において電圧が発生
する電圧発生領域と、インクとの間は、例えば保護膜に
よって絶縁する。
は、記録素子の駆動時と非駆動時に、その記録素子と駆
動素子との間に電圧の変化が発生し、その電圧の変化が
交流的にインクに伝達することに着目してなされたもの
である。記録素子と駆動素子との間において電圧が発生
する電圧発生領域と、インクとの間は、例えば保護膜に
よって絶縁する。
【0022】具体的には、基板上の検出電極によって、
電圧発生領域からインクを介して交流的に伝達される電
圧の変化を検出し、そのインクの存在量に応じて検出電
圧が変化することを利用して、インクを検出する。例え
ば、電圧発生領域の電圧変化が交流的に伝達される伝達
部分を各記録素子毎に電気的に分離して備え、その伝達
部分と検出電極との間におけるインクの有無によって電
気抵抗が変化することを利用して、インクの有無をノズ
ル毎に検出することができる。
電圧発生領域からインクを介して交流的に伝達される電
圧の変化を検出し、そのインクの存在量に応じて検出電
圧が変化することを利用して、インクを検出する。例え
ば、電圧発生領域の電圧変化が交流的に伝達される伝達
部分を各記録素子毎に電気的に分離して備え、その伝達
部分と検出電極との間におけるインクの有無によって電
気抵抗が変化することを利用して、インクの有無をノズ
ル毎に検出することができる。
【0023】また、本発明において採用するインク検出
方式では、インクの検出信号の信号源が記録素子そのも
のであり、前述した従来例のように記録素子の熱を利用
しないため、検出電極は、基板上の全記録素子に対して
共通に備えることも可能であり、さらに記録素子が発熱
素子である場合には、その発熱素子上にキャビテーショ
ン保護膜を形成する際に、それと同時に検出電極を形成
することができる。
方式では、インクの検出信号の信号源が記録素子そのも
のであり、前述した従来例のように記録素子の熱を利用
しないため、検出電極は、基板上の全記録素子に対して
共通に備えることも可能であり、さらに記録素子が発熱
素子である場合には、その発熱素子上にキャビテーショ
ン保護膜を形成する際に、それと同時に検出電極を形成
することができる。
【0024】また、本発明において採用するインク検出
方式は、インクの検出に熱を利用しておらず、また記録
素子の駆動に応じて電圧の変化が生じればよいため、種
々の記録素子を用いて多様な記録方式にも応用できる。
方式は、インクの検出に熱を利用しておらず、また記録
素子の駆動に応じて電圧の変化が生じればよいため、種
々の記録素子を用いて多様な記録方式にも応用できる。
【0025】
【発明の実施の形態】まず、本発明において採用するイ
ンク検出方式の形態と、そのインク検出方式を採用した
インクジェット記録装置の基本構成と、について説明す
る。本発明における特徴的な構成は、その後の「インク
ジェット記録装置の特徴的構成」において説明する。
ンク検出方式の形態と、そのインク検出方式を採用した
インクジェット記録装置の基本構成と、について説明す
る。本発明における特徴的な構成は、その後の「インク
ジェット記録装置の特徴的構成」において説明する。
【0026】(インク検出方式の一形態)図1は、イン
ク検出方式の一形態に用いられるインクジェット記録ヘ
ッド用基板の構成を示す図である。なお、この図1は、
インク検出方式の説明に必要な要部構成を示したもので
あり、図1に示す素子や端子の構成、及びその数につい
ては限定されるものではない。
ク検出方式の一形態に用いられるインクジェット記録ヘ
ッド用基板の構成を示す図である。なお、この図1は、
インク検出方式の説明に必要な要部構成を示したもので
あり、図1に示す素子や端子の構成、及びその数につい
ては限定されるものではない。
【0027】図1に示すインクジェット記録ヘッド用基
板の基本的な構成は、従来技術として図9を参照して説
明したインクジェット記録ヘッド用基板100に対し
て、インクの検出に用いる検出電極118を追加した構
成である。従来の構成と比較して、大幅に複雑化させる
ことなく構成可能なことは、図から明らかに分かる。検
出電極118は、後述するように、保護膜405、耐キ
ャビテーション膜205、およびノズル内のインクを介
して、ヒータ101の駆動回路と交流的に結合してい
る。図1中の116は、その交流的な結合部であり、図
11のようにコンデンサとして等価回路を構成する。図
11中の点線Bによって囲まれた部分は、後述するよう
に、インクの存在量に応じて電気抵抗が変化するノズル
内の部分であり、また図11中のDは、ANDゲート1
15からの駆動信号を表す。
板の基本的な構成は、従来技術として図9を参照して説
明したインクジェット記録ヘッド用基板100に対し
て、インクの検出に用いる検出電極118を追加した構
成である。従来の構成と比較して、大幅に複雑化させる
ことなく構成可能なことは、図から明らかに分かる。検
出電極118は、後述するように、保護膜405、耐キ
ャビテーション膜205、およびノズル内のインクを介
して、ヒータ101の駆動回路と交流的に結合してい
る。図1中の116は、その交流的な結合部であり、図
11のようにコンデンサとして等価回路を構成する。図
11中の点線Bによって囲まれた部分は、後述するよう
に、インクの存在量に応じて電気抵抗が変化するノズル
内の部分であり、また図11中のDは、ANDゲート1
15からの駆動信号を表す。
【0028】以下、インク検出方式における基本的構
成、及びノズル毎の検出の原理について、図2、図3、
図4、および図7を参照して詳細に説明する。
成、及びノズル毎の検出の原理について、図2、図3、
図4、および図7を参照して詳細に説明する。
【0029】図2は、図1に示すインクジェット記録ヘ
ッド用基板の概略構成を示す平面図であり、基板上に設
ける素子、電極、端子等のレイアウトの概略が示されて
いる。図3は、図1および図2に示すインクジェット記
録ヘッド用基板に、吐出口およびノズルを構成するため
の天板を接合した状態を示す概略斜視図である。また、
図4は、インクジェット記録ヘッド用基板に天板を接合
した状態において、基板およびノズルの構成を示す断面
図である。なお、この図4は、図3中の矢印a−a線に
沿う断面図である。また、図7は、記録素子である発熱
素子を駆動した時の、インクジェット記録ヘッド用基板
上における各部の電圧の状態を示す図である。
ッド用基板の概略構成を示す平面図であり、基板上に設
ける素子、電極、端子等のレイアウトの概略が示されて
いる。図3は、図1および図2に示すインクジェット記
録ヘッド用基板に、吐出口およびノズルを構成するため
の天板を接合した状態を示す概略斜視図である。また、
図4は、インクジェット記録ヘッド用基板に天板を接合
した状態において、基板およびノズルの構成を示す断面
図である。なお、この図4は、図3中の矢印a−a線に
沿う断面図である。また、図7は、記録素子である発熱
素子を駆動した時の、インクジェット記録ヘッド用基板
上における各部の電圧の状態を示す図である。
【0030】図2は、本例のインクジェット記録ヘッド
用基板を上から平面的に見た図であり、主に、その特徴
的な構成を図示している。図1と同様に、図2に示す1
01は記録素子として用いられる発熱体(以下、ヒータ
と称する)であり、駆動素子であるドライバ102によ
って駆動される。203は、ヒータ101の一端部とド
ライバ102との間を接続する配線であり、111は、
ヒータ101の他端部に電源電圧を供給するための配線
である。また、ヒータ101上には、図4のように、電
気的に絶縁された保護膜405(保護層)が形成されて
おり、この保護膜405を介してヒータ101の上方に
耐キャビテーション膜205が配置されている。なお、
図2においては、ヒータ101、ドライバ102等の配
置を説明するために、保護膜405の図示は省略してい
る。また、本例で説明するインクジェット記録ヘッド
は、ヒータ101が駆動されたときに発生する熱エネル
ギーによって、ノズル内のインクに気泡を生成し、その
気泡の成長圧力によってインクを吐出口310(図3お
よび図4参照)から吐出する、いわゆるバブルジェット
方式を採用するものである。前述の耐キャビテーション
膜205は、インクを吐出する際に発生した気泡が収縮
したときの衝撃が、ヒータ101や保護膜405に伝わ
るのを抑える役割を果たすために設けられるものであ
り、タンタル等の高融点金属で形成されている。118
は、インク検出のために設けた電極配線であり、117
は、電極配線118の端部に設けられて、その電極配線
118を基板外部へ電気的に接続するための外部端子で
ある。
用基板を上から平面的に見た図であり、主に、その特徴
的な構成を図示している。図1と同様に、図2に示す1
01は記録素子として用いられる発熱体(以下、ヒータ
と称する)であり、駆動素子であるドライバ102によ
って駆動される。203は、ヒータ101の一端部とド
ライバ102との間を接続する配線であり、111は、
ヒータ101の他端部に電源電圧を供給するための配線
である。また、ヒータ101上には、図4のように、電
気的に絶縁された保護膜405(保護層)が形成されて
おり、この保護膜405を介してヒータ101の上方に
耐キャビテーション膜205が配置されている。なお、
図2においては、ヒータ101、ドライバ102等の配
置を説明するために、保護膜405の図示は省略してい
る。また、本例で説明するインクジェット記録ヘッド
は、ヒータ101が駆動されたときに発生する熱エネル
ギーによって、ノズル内のインクに気泡を生成し、その
気泡の成長圧力によってインクを吐出口310(図3お
よび図4参照)から吐出する、いわゆるバブルジェット
方式を採用するものである。前述の耐キャビテーション
膜205は、インクを吐出する際に発生した気泡が収縮
したときの衝撃が、ヒータ101や保護膜405に伝わ
るのを抑える役割を果たすために設けられるものであ
り、タンタル等の高融点金属で形成されている。118
は、インク検出のために設けた電極配線であり、117
は、電極配線118の端部に設けられて、その電極配線
118を基板外部へ電気的に接続するための外部端子で
ある。
【0031】本例のインクジェット記録ヘッド用基板の
特徴的な構成は、図2に示すように、耐キャビテーショ
ン膜205を各ヒータ(記録素子)101毎に分割して
配置した構成と、ドライバ102から離れかつヒータ1
01とドライバ102間の配線203から離れた位置
に、検出電極118をレイアウトした構成にある。検出
電極118は、配線パターンとして形成することができ
る。
特徴的な構成は、図2に示すように、耐キャビテーショ
ン膜205を各ヒータ(記録素子)101毎に分割して
配置した構成と、ドライバ102から離れかつヒータ1
01とドライバ102間の配線203から離れた位置
に、検出電極118をレイアウトした構成にある。検出
電極118は、配線パターンとして形成することができ
る。
【0032】この図2に示したインクジェット記録ヘッ
ド用基板の構成において、どのようにしてノズル内のイ
ンクの有無を検出するかについて、図3および図4を参
照し、以下詳細に説明する。
ド用基板の構成において、どのようにしてノズル内のイ
ンクの有無を検出するかについて、図3および図4を参
照し、以下詳細に説明する。
【0033】上述したように、図3は、天板314をイ
ンクジェット記録ヘッド用基板100と接合した状態を
示す概略斜視図であり、それらの天板314と基板10
0とを接合することにより、ノズル部408(図4参
照)と共通液室311が構成される。なお、この図3で
は、ノズル部408、及び共通液室311の構成を説明
するために、天板314の上方の壁部材の構成について
は点線で表している。また、図2に示したように、20
5が耐キャビテーション膜である。また、前述したよう
に、記録素子であるヒータ101が耐キャビテーション
膜205の下に位置し、なおかつヒータ101の上部に
は絶縁保護膜405が形成されているため、図3におい
ては、ヒータ101は図示されていない。また、ヒータ
101を駆動するためのドライバ102についても同様
であり、それも図3において図示されていない。
ンクジェット記録ヘッド用基板100と接合した状態を
示す概略斜視図であり、それらの天板314と基板10
0とを接合することにより、ノズル部408(図4参
照)と共通液室311が構成される。なお、この図3で
は、ノズル部408、及び共通液室311の構成を説明
するために、天板314の上方の壁部材の構成について
は点線で表している。また、図2に示したように、20
5が耐キャビテーション膜である。また、前述したよう
に、記録素子であるヒータ101が耐キャビテーション
膜205の下に位置し、なおかつヒータ101の上部に
は絶縁保護膜405が形成されているため、図3におい
ては、ヒータ101は図示されていない。また、ヒータ
101を駆動するためのドライバ102についても同様
であり、それも図3において図示されていない。
【0034】本例においては、各ノズル毎に分離して配
置された耐キャビテーション膜205を含むヒーター1
01(図3では不図示)の部分と、ドライバ102(図
3では不図示)と、ノズル壁312で形成されるノズル
部408と、インク検出のための検出電極118と、の
関係が重要となる。
置された耐キャビテーション膜205を含むヒーター1
01(図3では不図示)の部分と、ドライバ102(図
3では不図示)と、ノズル壁312で形成されるノズル
部408と、インク検出のための検出電極118と、の
関係が重要となる。
【0035】図4において、電源部から電源配線111
を介して供給される駆動電力は、ドライバ102による
スイッチングにしたがってヒータ101へ与えられて熱
エネルギーを発生する。この熱エネルギーによりノズル
内に気泡が発生し、吐出口310からインクが吐出され
る。
を介して供給される駆動電力は、ドライバ102による
スイッチングにしたがってヒータ101へ与えられて熱
エネルギーを発生する。この熱エネルギーによりノズル
内に気泡が発生し、吐出口310からインクが吐出され
る。
【0036】ここで、ドライバ102のスイッチングに
よってヒータ101が駆動される前の段階、つまりドラ
イバ102がOFFの時点においては、そのヒータ10
1の電位と、ヒータ101とドライバ102との間の配
線203の電位と、ドライバ102上の一部配線(ドラ
イバ102内のスイッチとして作用する部分からヒータ
101側の部分)の電位は、それぞれヒータ電源配線1
11の電位と同じとなっている。また、インク(一般的
にインク成分中にはイオンが含まれているため、導電性
がある)が電気的に浮いていることにより、つまりイン
クがGNDに対して直流的にハイインピーダンスの状態
であることにより、電気的に絶縁膜となる保護膜405
上の耐キャビテーション膜205の電位は、インクと同
様に電気的に浮いた状態、つまりGND(グランド)に
対して直流的にハイインピーダンスの状態となってい
る。同様に、検出電極118の電位も基本的には電気的
に浮いた状態となり、その検出電極118の電位を検出
するために接続される装置の入力インピーダンスによっ
て、その電位はほぼ決定する。本例の場合は、検出電極
118の電位を検出するために、図4のように、検出電
極118とGNDとの間に、電圧モニタMと1M〜10
MΩの抵抗を並列に接続した。したがって、ヒータ10
1の駆動前の段階では、検出電位が0Vとなる。
よってヒータ101が駆動される前の段階、つまりドラ
イバ102がOFFの時点においては、そのヒータ10
1の電位と、ヒータ101とドライバ102との間の配
線203の電位と、ドライバ102上の一部配線(ドラ
イバ102内のスイッチとして作用する部分からヒータ
101側の部分)の電位は、それぞれヒータ電源配線1
11の電位と同じとなっている。また、インク(一般的
にインク成分中にはイオンが含まれているため、導電性
がある)が電気的に浮いていることにより、つまりイン
クがGNDに対して直流的にハイインピーダンスの状態
であることにより、電気的に絶縁膜となる保護膜405
上の耐キャビテーション膜205の電位は、インクと同
様に電気的に浮いた状態、つまりGND(グランド)に
対して直流的にハイインピーダンスの状態となってい
る。同様に、検出電極118の電位も基本的には電気的
に浮いた状態となり、その検出電極118の電位を検出
するために接続される装置の入力インピーダンスによっ
て、その電位はほぼ決定する。本例の場合は、検出電極
118の電位を検出するために、図4のように、検出電
極118とGNDとの間に、電圧モニタMと1M〜10
MΩの抵抗を並列に接続した。したがって、ヒータ10
1の駆動前の段階では、検出電位が0Vとなる。
【0037】一方、ヒータ101を駆動した場合、すな
わちドライバ102が配線203をGNDに接続するよ
うにスイッチング(ON)した場合は、当然ながらヒー
タ101に電流が流れる。その際、ヒータ101はドラ
イバ102側に近いほど電位が下がり、ヒータ10とド
ライバ102との間の配線203、及びドライバ102
上の一部配線の電位は、ほぼGNDレベルに急激に降下
する。図4において、点線Aによって囲まれた部分は、
ヒータ101の駆動時に電圧が急激に下がる部分を示し
ている。このように電圧が降下したときに、直流的には
絶縁膜として働いていた保護膜405がコンデンサの誘
電膜として働くことにより、保護膜405を介してヒー
タ101上からドライバ102上に渡って設けられた耐
キャビテーション膜205と、その上に位置するインク
に、交流的に電位変化が伝達されることが分かった。そ
のため、インクがノズル部408および共通液室部31
1に存在する場合は、その電位変化が検出電極118に
伝達されることとなる。また、ノズル部408および/
または共通液室部311にインクが存在しない場合は、
耐キャビテーション膜205の部分には電位変化が伝達
されるものの、その部分と検出電極118との間におけ
るノズル部408および/または共通液室部311内の
電気抵抗が著しく大きくなるため、結果的に、検出電極
118に伝達される電位変化が著しく小さくなったり、
あるいは検出電極118に電位変化が伝達されなくな
る。このように、ノズル部408や共通液室部311内
におけるインクの存在量、極端にはインクの有無に応じ
て、検出電極118の電位変化が異なることから、駆動
したヒータ101の部分と、検出電極118との間にお
けるインクの存在量、極端にはインクの有無を検出する
ことができる。
わちドライバ102が配線203をGNDに接続するよ
うにスイッチング(ON)した場合は、当然ながらヒー
タ101に電流が流れる。その際、ヒータ101はドラ
イバ102側に近いほど電位が下がり、ヒータ10とド
ライバ102との間の配線203、及びドライバ102
上の一部配線の電位は、ほぼGNDレベルに急激に降下
する。図4において、点線Aによって囲まれた部分は、
ヒータ101の駆動時に電圧が急激に下がる部分を示し
ている。このように電圧が降下したときに、直流的には
絶縁膜として働いていた保護膜405がコンデンサの誘
電膜として働くことにより、保護膜405を介してヒー
タ101上からドライバ102上に渡って設けられた耐
キャビテーション膜205と、その上に位置するインク
に、交流的に電位変化が伝達されることが分かった。そ
のため、インクがノズル部408および共通液室部31
1に存在する場合は、その電位変化が検出電極118に
伝達されることとなる。また、ノズル部408および/
または共通液室部311にインクが存在しない場合は、
耐キャビテーション膜205の部分には電位変化が伝達
されるものの、その部分と検出電極118との間におけ
るノズル部408および/または共通液室部311内の
電気抵抗が著しく大きくなるため、結果的に、検出電極
118に伝達される電位変化が著しく小さくなったり、
あるいは検出電極118に電位変化が伝達されなくな
る。このように、ノズル部408や共通液室部311内
におけるインクの存在量、極端にはインクの有無に応じ
て、検出電極118の電位変化が異なることから、駆動
したヒータ101の部分と、検出電極118との間にお
けるインクの存在量、極端にはインクの有無を検出する
ことができる。
【0038】図2および図4において、点線Bによって
囲まれた部分は、インクの存在量によって電気抵抗が変
化する部分、つまり検出電極118の電位変化に大きい
影響を与える部分を示す。また、図2中の点線116に
よって囲まれた部分は、図1および図11中における交
流的な結合部に相当する。
囲まれた部分は、インクの存在量によって電気抵抗が変
化する部分、つまり検出電極118の電位変化に大きい
影響を与える部分を示す。また、図2中の点線116に
よって囲まれた部分は、図1および図11中における交
流的な結合部に相当する。
【0039】図7は、以上のような検出原理を利用した
インクの検出動作を説明するためのタイミングチャート
である。701は、ヒータ101を駆動するタイミング
と駆動時間を決定するイネーブル信号である。ヒータ1
01は、ドライバ駆動制御用の信号(図示せず)に基づ
き、イネーブル信号に同期して順次個別に駆動される。
703は、ヒータ101とドライバ102との間におけ
る配線203の電位であり、この電位703の変化と同
様に、ドライバ102側に近いヒータ101の部分の電
位と、ドライバ102上の一部配線(ドライバ102内
のスイッチとして作用する部分からヒータ101側の部
分)の電位も変化する。これらの部分を含み、電圧が変
化する部分を電圧変化領域ともいう。なお、ヒータ10
1上においては、その位置によって電位の変化の振幅が
異なり、ドライバ102側に近いほど大きくなる。ま
た、絶縁保護膜405の表面電位は、その下の電圧変化
領域の電位とほぼ同一となっていると考えられる。70
4および705は、検出電極118の電位変化によって
得られるインクの検出信号であり、検出信号704は、
図4中の部分Bにインクがある場合の検出信号、検出信
号705は、その部分Bにインクがない場合の検出信号
である。部分Bにインクがある場合は、そのB部分の電
気抵抗が小さいため、検出電極118によって検出され
る電位変化、ひいては検出信号704の変化が大きくな
る。一方、部分Bにインクがない場合は、そのB部分の
電気抵抗が大きいため、検出電極118によって検出さ
れる電位変化、ひいては検出信号704の変化が小さく
なる。このように、部分Bにインクがある場合とない場
合によって、検出電極118によって検出される検出信
号が変化することが分かる。もちろん、部分Bにおける
インクの存在量に応じて、検出電極118によって検出
される検出信号は変化する。
インクの検出動作を説明するためのタイミングチャート
である。701は、ヒータ101を駆動するタイミング
と駆動時間を決定するイネーブル信号である。ヒータ1
01は、ドライバ駆動制御用の信号(図示せず)に基づ
き、イネーブル信号に同期して順次個別に駆動される。
703は、ヒータ101とドライバ102との間におけ
る配線203の電位であり、この電位703の変化と同
様に、ドライバ102側に近いヒータ101の部分の電
位と、ドライバ102上の一部配線(ドライバ102内
のスイッチとして作用する部分からヒータ101側の部
分)の電位も変化する。これらの部分を含み、電圧が変
化する部分を電圧変化領域ともいう。なお、ヒータ10
1上においては、その位置によって電位の変化の振幅が
異なり、ドライバ102側に近いほど大きくなる。ま
た、絶縁保護膜405の表面電位は、その下の電圧変化
領域の電位とほぼ同一となっていると考えられる。70
4および705は、検出電極118の電位変化によって
得られるインクの検出信号であり、検出信号704は、
図4中の部分Bにインクがある場合の検出信号、検出信
号705は、その部分Bにインクがない場合の検出信号
である。部分Bにインクがある場合は、そのB部分の電
気抵抗が小さいため、検出電極118によって検出され
る電位変化、ひいては検出信号704の変化が大きくな
る。一方、部分Bにインクがない場合は、そのB部分の
電気抵抗が大きいため、検出電極118によって検出さ
れる電位変化、ひいては検出信号704の変化が小さく
なる。このように、部分Bにインクがある場合とない場
合によって、検出電極118によって検出される検出信
号が変化することが分かる。もちろん、部分Bにおける
インクの存在量に応じて、検出電極118によって検出
される検出信号は変化する。
【0040】このような検出電極118からの検出信号
は、ヒータ101の駆動タイミングに応じて時分割する
ことにより、駆動ノズル毎に、インクの存在量、極端に
はインクの有無を検出することができる。図7中の検出
信号704は、駆動ノズルの全てにおいてインクがある
場合の検出信号であり、同様に、図7中の検出信号70
5は、駆動ノズルの全てにおいてインクがない場合の検
出信号である。したがって、例えば、1つの駆動ノズル
においてインクがなかった場合には、その駆動ノズルに
対応する検出信号のみが変化の小さい検出信号705と
して現れ、他の駆動ノズルに対応する検出信号は変化の
大きい検出信号705として現れることになる。
は、ヒータ101の駆動タイミングに応じて時分割する
ことにより、駆動ノズル毎に、インクの存在量、極端に
はインクの有無を検出することができる。図7中の検出
信号704は、駆動ノズルの全てにおいてインクがある
場合の検出信号であり、同様に、図7中の検出信号70
5は、駆動ノズルの全てにおいてインクがない場合の検
出信号である。したがって、例えば、1つの駆動ノズル
においてインクがなかった場合には、その駆動ノズルに
対応する検出信号のみが変化の小さい検出信号705と
して現れ、他の駆動ノズルに対応する検出信号は変化の
大きい検出信号705として現れることになる。
【0041】なお、耐キャビテーション膜205を、ヒ
ータ101に対応させて分離していることにより、隣接
するノズルの影響を受けることなく、インクの有無に応
じたノズル毎の電位変化を確実に検出することができ
る。また、このように耐キャビテーション膜205をヒ
ータ101に対応させて分離するとともに、検出側の電
極118を全ノズルに対して共通に用いて、各ノズルを
順次時分割で駆動することにより、配列された複数のノ
ズルの各々におけるインクの有無を1つの検出電極11
8からの検出信号によって検出することができる。
ータ101に対応させて分離していることにより、隣接
するノズルの影響を受けることなく、インクの有無に応
じたノズル毎の電位変化を確実に検出することができ
る。また、このように耐キャビテーション膜205をヒ
ータ101に対応させて分離するとともに、検出側の電
極118を全ノズルに対して共通に用いて、各ノズルを
順次時分割で駆動することにより、配列された複数のノ
ズルの各々におけるインクの有無を1つの検出電極11
8からの検出信号によって検出することができる。
【0042】また、インクの検出信号の信号源として、
ヒーター101そのものを用いることができるため、各
ノズル単位のインクの有無の検出は、従来よりシフトレ
ジスタ等を構成すべく記録ヘッドに設けられているロジ
ック回路を用いて行なうことができ、構造を複雑化する
ことなく、非常に簡易な構成でインクの有無の検出を行
うことが可能となる。
ヒーター101そのものを用いることができるため、各
ノズル単位のインクの有無の検出は、従来よりシフトレ
ジスタ等を構成すべく記録ヘッドに設けられているロジ
ック回路を用いて行なうことができ、構造を複雑化する
ことなく、非常に簡易な構成でインクの有無の検出を行
うことが可能となる。
【0043】(インクジェット記録装置の基本構成)図
8は、このようなインク検出方式を採用可能なインクジ
ェット記録装置IJRAの基本構成を説明するための概
観図である。
8は、このようなインク検出方式を採用可能なインクジ
ェット記録装置IJRAの基本構成を説明するための概
観図である。
【0044】同図において、リードスクリュー84は、
駆動モータ81の正逆回転により、駆動力伝達ギア8
2,83を介して正逆転される。キャリッジHCは、リ
ードスクリュー84の螺旋溝に対して係合するピン(不
図示)を有し、リードスクリュー84の回転方向に応じ
て、図中の矢印a,b方向に往復移動される。このキャ
リッジHCには、インクジェット記録ヘッド85とイン
クタンク86とから構成されるヘッドカートリッジIJ
Hが搭載されている。この図8に示すインクジェット記
録装置IJRAは、一般的にシリアルプリンタと称され
る記録装置であり、キャリッジHCの矢印a,b方向に
沿った主走査と、被記録媒体である記録シート87の副
走査とを繰り返すことにより、記録シート87の全面に
対する記録動作が行われる。
駆動モータ81の正逆回転により、駆動力伝達ギア8
2,83を介して正逆転される。キャリッジHCは、リ
ードスクリュー84の螺旋溝に対して係合するピン(不
図示)を有し、リードスクリュー84の回転方向に応じ
て、図中の矢印a,b方向に往復移動される。このキャ
リッジHCには、インクジェット記録ヘッド85とイン
クタンク86とから構成されるヘッドカートリッジIJ
Hが搭載されている。この図8に示すインクジェット記
録装置IJRAは、一般的にシリアルプリンタと称され
る記録装置であり、キャリッジHCの矢印a,b方向に
沿った主走査と、被記録媒体である記録シート87の副
走査とを繰り返すことにより、記録シート87の全面に
対する記録動作が行われる。
【0045】図10は、図8に示した記録装置の記録制
御を実行するための制御部の要部の構成を示すブロック
図である。
御を実行するための制御部の要部の構成を示すブロック
図である。
【0046】図10において、1000は制御回路、1
100は記録信号を入力するインターフェースであり、
インターフェース1100は、記録装置IJRAの外部
に接続されるホスト機器等から転送されるデータの受信
を行う。1001はMPU、1002はMPU1001
が実行する制御プログラムを格納するプログラムRO
M、1003は各種データ(上記の記録信号やヘッドに
供給される記録データ等)を保存しておくダイナミック
型のRAMである。1004は、ヘッドカートリッジI
JHに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ
であり、インターフェース1100、MPU1001、
RAM1003の間のデータ転送制御も行う。1009
は、ヘッドカートリッジIJHを搭載したキャリッジH
C(図8)を走査するためのキャリアモータ、1008
は、被記録媒体である記録紙87を搬送するための搬送
モータである。また、1006、1007は、それぞれ
搬送モータ1008、キャリアモータ1009を駆動す
るためのモータドライバである。
100は記録信号を入力するインターフェースであり、
インターフェース1100は、記録装置IJRAの外部
に接続されるホスト機器等から転送されるデータの受信
を行う。1001はMPU、1002はMPU1001
が実行する制御プログラムを格納するプログラムRO
M、1003は各種データ(上記の記録信号やヘッドに
供給される記録データ等)を保存しておくダイナミック
型のRAMである。1004は、ヘッドカートリッジI
JHに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ
であり、インターフェース1100、MPU1001、
RAM1003の間のデータ転送制御も行う。1009
は、ヘッドカートリッジIJHを搭載したキャリッジH
C(図8)を走査するためのキャリアモータ、1008
は、被記録媒体である記録紙87を搬送するための搬送
モータである。また、1006、1007は、それぞれ
搬送モータ1008、キャリアモータ1009を駆動す
るためのモータドライバである。
【0047】1117は、図1,図2に示す端子117
に接続される信号線であり、その端子117を介して、
インクジェット記録ヘッド用基板100の検出電極11
8と電気的に接続される。インクの検出時には、インク
量に応じた電圧変化が、端子117から信号線1117
を介して装置本体の制御回路1000へ入力される。1
012は、記録素子であるヒータ101を駆動するため
のイネーブル信号、素子基板100上のロジック回路に
入力するクロック信号、およびラッチ信号等を含む、種
々の信号を出力するための信号線である。また、101
6は、不図示の電源部よりヘッドカートリッジIJHに
対して、記録素子としてのヒータ101を駆動するため
の駆動電力を供給する信号線である。1017は、ヘッ
ドカートリッジIJHに搭載される記録ヘッド用素子基
板100のロジック回路に対して、電力を供給するため
の信号線である。
に接続される信号線であり、その端子117を介して、
インクジェット記録ヘッド用基板100の検出電極11
8と電気的に接続される。インクの検出時には、インク
量に応じた電圧変化が、端子117から信号線1117
を介して装置本体の制御回路1000へ入力される。1
012は、記録素子であるヒータ101を駆動するため
のイネーブル信号、素子基板100上のロジック回路に
入力するクロック信号、およびラッチ信号等を含む、種
々の信号を出力するための信号線である。また、101
6は、不図示の電源部よりヘッドカートリッジIJHに
対して、記録素子としてのヒータ101を駆動するため
の駆動電力を供給する信号線である。1017は、ヘッ
ドカートリッジIJHに搭載される記録ヘッド用素子基
板100のロジック回路に対して、電力を供給するため
の信号線である。
【0048】このような制御部の構成において、任意の
タイミングでヒータ101の駆動を行うとともに、信号
線1117と端子117を介して、素子基板100上の
検出電極118によって得られる検出信号を入力して、
それをモニタすることにより、ノズル内のインクの有無
を検出することができる。なお、このようなインクの有
無の検出を行うタイミングについては、例えば、被記録
媒体に対して記録動作を行っていない時に、各ノズル毎
の駆動を順次行うことにより、各ノズル毎のインクの有
無を検出することができる。一般に、インクジェット記
録装置においては、インクジェット記録ヘッドの吐出状
態を回復させるために、予備的にインクを吐出させる予
備吐出動作、つまり画像の記録に寄与しないインクを記
録ヘッドから吐出させる動作を行うことが知られてお
り、この予備吐出動作を利用することにより、各ノズル
のインクの有無に関する状態を個々に検出することがで
きる。もちろん、記録動作中にインクの検出を行うこと
もできる。
タイミングでヒータ101の駆動を行うとともに、信号
線1117と端子117を介して、素子基板100上の
検出電極118によって得られる検出信号を入力して、
それをモニタすることにより、ノズル内のインクの有無
を検出することができる。なお、このようなインクの有
無の検出を行うタイミングについては、例えば、被記録
媒体に対して記録動作を行っていない時に、各ノズル毎
の駆動を順次行うことにより、各ノズル毎のインクの有
無を検出することができる。一般に、インクジェット記
録装置においては、インクジェット記録ヘッドの吐出状
態を回復させるために、予備的にインクを吐出させる予
備吐出動作、つまり画像の記録に寄与しないインクを記
録ヘッドから吐出させる動作を行うことが知られてお
り、この予備吐出動作を利用することにより、各ノズル
のインクの有無に関する状態を個々に検出することがで
きる。もちろん、記録動作中にインクの検出を行うこと
もできる。
【0049】検出電極118によって得られる信号のモ
ニタについては、制御回路上に設けた制御手段であるM
PU1001によって行うことができる。なお、駆動し
たヒータ101と、検出電極118の電位の変化とを対
応付けることにより、配列されたノズルのそれぞれにつ
いてインクの有無を検出して、インクが無くなってイン
クの吐出が行えない状態が発生しているノズル、あるい
は、そのインク不吐出の可能性があるノズルを特定する
ことができる。
ニタについては、制御回路上に設けた制御手段であるM
PU1001によって行うことができる。なお、駆動し
たヒータ101と、検出電極118の電位の変化とを対
応付けることにより、配列されたノズルのそれぞれにつ
いてインクの有無を検出して、インクが無くなってイン
クの吐出が行えない状態が発生しているノズル、あるい
は、そのインク不吐出の可能性があるノズルを特定する
ことができる。
【0050】このような構成のインクジェット記録装置
に採用された一形態のインク検出方式によれば、耐キャ
ビテーション膜205をヒータ101に対応させて分離
していることにより、隣接するノズルの影響を受けるこ
となく、インクの有無に応じたノズル毎の電位変化を確
実に検出することができる。また、検出電極118を全
ノズルに対して共通に用いて、その検出電極118から
の検出信号を各ノズルの駆動タイミングに対応付けるこ
とにより、複数のノズルの各々におけるインクの有無を
1つの検出電極118からの検出信号によって検出する
ことができる。また、インクの検出信号の信号源とし
て、ヒーター101そのものを用いることにより、各ノ
ズル単位のインクの有無の検出は、シフトレジスタ等を
構成すべく従来より記録ヘッドに設けられているロジッ
ク回路を用いて行なうことができ、構造を複雑化するこ
となく、非常に簡易な構成でインクの有無の検出を行う
ことが可能となる。
に採用された一形態のインク検出方式によれば、耐キャ
ビテーション膜205をヒータ101に対応させて分離
していることにより、隣接するノズルの影響を受けるこ
となく、インクの有無に応じたノズル毎の電位変化を確
実に検出することができる。また、検出電極118を全
ノズルに対して共通に用いて、その検出電極118から
の検出信号を各ノズルの駆動タイミングに対応付けるこ
とにより、複数のノズルの各々におけるインクの有無を
1つの検出電極118からの検出信号によって検出する
ことができる。また、インクの検出信号の信号源とし
て、ヒーター101そのものを用いることにより、各ノ
ズル単位のインクの有無の検出は、シフトレジスタ等を
構成すべく従来より記録ヘッドに設けられているロジッ
ク回路を用いて行なうことができ、構造を複雑化するこ
となく、非常に簡易な構成でインクの有無の検出を行う
ことが可能となる。
【0051】また、ノズルの駆動方式としては種々の方
式を採用することができ、その駆動方式に応じて、検出
電極118からの検出信号を駆動ノズルに対応付けるこ
とにより、駆動ノズル毎におけるインクの有無を検出す
ることができる。ノズルの駆動方式としては、一般に知
られているブロック駆動方式、つまりノズルを複数ずつ
のブロック単位で駆動する方式も採用することができ
る。その場合には、1つの検出電極118からの検出信
号によって、ブロック単位毎に、ノズルにおけるインク
の有無を検出することになる。また、耐キャビテーショ
ン膜205は、所定数のノズルの間においては分離せず
に設けてもよく、例えば、ノズルをブロック駆動する場
合には、同じブロック内の複数のノズル、または異なる
ブロック内における所定数ずつのノズルに関しては、耐
キャビテーション膜205を分離せずに設けてもよい。
また、検出電極118は、基板100上に構成される複
数のノズルの全てに対して共通するように1つ設ける
他、所定数ずつのノズルに対応するように複数設けても
よい。
式を採用することができ、その駆動方式に応じて、検出
電極118からの検出信号を駆動ノズルに対応付けるこ
とにより、駆動ノズル毎におけるインクの有無を検出す
ることができる。ノズルの駆動方式としては、一般に知
られているブロック駆動方式、つまりノズルを複数ずつ
のブロック単位で駆動する方式も採用することができ
る。その場合には、1つの検出電極118からの検出信
号によって、ブロック単位毎に、ノズルにおけるインク
の有無を検出することになる。また、耐キャビテーショ
ン膜205は、所定数のノズルの間においては分離せず
に設けてもよく、例えば、ノズルをブロック駆動する場
合には、同じブロック内の複数のノズル、または異なる
ブロック内における所定数ずつのノズルに関しては、耐
キャビテーション膜205を分離せずに設けてもよい。
また、検出電極118は、基板100上に構成される複
数のノズルの全てに対して共通するように1つ設ける
他、所定数ずつのノズルに対応するように複数設けても
よい。
【0052】また、基板100と天板314は、記録素
子毎あるいは複数の記録素子毎にノズルを形成するもの
であればよい。また、インクジェット記録装置は、イン
クの検出信号に応じて記録動作を制限する等、そのイン
ク検出信号を記録動作の制御に利用することができる。
子毎あるいは複数の記録素子毎にノズルを形成するもの
であればよい。また、インクジェット記録装置は、イン
クの検出信号に応じて記録動作を制限する等、そのイン
ク検出信号を記録動作の制御に利用することができる。
【0053】(インク検出方式の他の形態)前述したイ
ンク検出方式の一形態では、図4のように、ヒータ10
1の駆動により電位が変化する部分Aと、検出電極11
8との位置関係において、検出電極118がドライバ1
02から離れた位置に配備されている。また、その図4
の構成においては、保護膜405がほぼ均一に形成され
ている。インク検出方式の形態は、このような図4に示
した構成に限られるものではなく、ヒータ101の駆動
によってノズル内に電位変化をもたらす信号源となる部
位に関しては、その構成を変更したものであってもよ
い。
ンク検出方式の一形態では、図4のように、ヒータ10
1の駆動により電位が変化する部分Aと、検出電極11
8との位置関係において、検出電極118がドライバ1
02から離れた位置に配備されている。また、その図4
の構成においては、保護膜405がほぼ均一に形成され
ている。インク検出方式の形態は、このような図4に示
した構成に限られるものではなく、ヒータ101の駆動
によってノズル内に電位変化をもたらす信号源となる部
位に関しては、その構成を変更したものであってもよ
い。
【0054】図5(a)は、図4に示す構成において、
ヒータ101上の部分Eに位置する保護膜405の厚さ
を、保護膜405の他の部分よりも薄くした場合の構成
例を示している。この図5(a)の構成によれば、保護
膜405の厚さを薄くした部分Eの静電容量を大きくす
ることができ、結果的に、ノズル内のインクに伝わる電
位変化を大きくして、検出電極118からの検出信号に
よるインクの検出感度を高めることができる。したがっ
て、部分Eは、その静電容量が大きいために、インクの
検出信号を発生させるための信号源F中において特に強
い信号源となる。信号源Fは、ヒータ101におけるド
ライバー102寄りの部分と、配線203と、ドライバ
102上の一部配線(ドライバ102内のスイッチとし
て作用する部分からヒータ101側の部分)と、を含
み、電圧変化領域を構成する。これらの結果、ノズル内
における部分Eと検出電極118との間の部分Bに、イ
ンクがあるか否かを確実に検出することができる。
ヒータ101上の部分Eに位置する保護膜405の厚さ
を、保護膜405の他の部分よりも薄くした場合の構成
例を示している。この図5(a)の構成によれば、保護
膜405の厚さを薄くした部分Eの静電容量を大きくす
ることができ、結果的に、ノズル内のインクに伝わる電
位変化を大きくして、検出電極118からの検出信号に
よるインクの検出感度を高めることができる。したがっ
て、部分Eは、その静電容量が大きいために、インクの
検出信号を発生させるための信号源F中において特に強
い信号源となる。信号源Fは、ヒータ101におけるド
ライバー102寄りの部分と、配線203と、ドライバ
102上の一部配線(ドライバ102内のスイッチとし
て作用する部分からヒータ101側の部分)と、を含
み、電圧変化領域を構成する。これらの結果、ノズル内
における部分Eと検出電極118との間の部分Bに、イ
ンクがあるか否かを確実に検出することができる。
【0055】また、図5(b)は、ヒータ101上の部
分Eに位置する保護膜405の厚さを、保護膜405の
他の部分よりも薄くするとともに、検出電極118をド
ライバ102の上方に配置した構成を示している。な
お、部分Eにおける保護膜405の厚さは、図5(a)
の場合に比較して、さらに薄くされている。この図5
(b)の構成によれば、ヒータ101上の部分Eにおけ
る保護層405を薄くすることにより、その部分Eにお
ける静電容量は、ヒータ101とドライバ102との間
の配線203部分における静電容量よりも大きくするこ
とができる。図5(b)中のGは、配線203部分によ
って成る信号源である。また、検出電極118をドライ
バ102上に配置して、検出電極118を部分Eに近づ
けることにより、それらの間の局所的な部分Bにおける
インクの有無を検出することができる。
分Eに位置する保護膜405の厚さを、保護膜405の
他の部分よりも薄くするとともに、検出電極118をド
ライバ102の上方に配置した構成を示している。な
お、部分Eにおける保護膜405の厚さは、図5(a)
の場合に比較して、さらに薄くされている。この図5
(b)の構成によれば、ヒータ101上の部分Eにおけ
る保護層405を薄くすることにより、その部分Eにお
ける静電容量は、ヒータ101とドライバ102との間
の配線203部分における静電容量よりも大きくするこ
とができる。図5(b)中のGは、配線203部分によ
って成る信号源である。また、検出電極118をドライ
バ102上に配置して、検出電極118を部分Eに近づ
けることにより、それらの間の局所的な部分Bにおける
インクの有無を検出することができる。
【0056】また、図6は、ヒータ101上の部分Eの
保護膜405を薄くした場合において、さらなる他の構
成例を示すものである。この図6においては、保護膜4
05を保護膜405a、405bの2層で構成するとと
もに、ヒータ101上の耐キャビテーション膜205を
保護膜405aの上に形成し、さらに、保護膜405a
と405bの比誘電率を異ならせている。詳細には、保
護膜405aを保護膜405bよりも誘電率が高い部材
とした。このように、ヒータ101上の保護膜405a
が薄くかつ高い誘電率となることにより、部分Eがより
強い信号源となって、検出感度をさらに高めることが可
能となる。
保護膜405を薄くした場合において、さらなる他の構
成例を示すものである。この図6においては、保護膜4
05を保護膜405a、405bの2層で構成するとと
もに、ヒータ101上の耐キャビテーション膜205を
保護膜405aの上に形成し、さらに、保護膜405a
と405bの比誘電率を異ならせている。詳細には、保
護膜405aを保護膜405bよりも誘電率が高い部材
とした。このように、ヒータ101上の保護膜405a
が薄くかつ高い誘電率となることにより、部分Eがより
強い信号源となって、検出感度をさらに高めることが可
能となる。
【0057】以上のように、ヒータ上部の保護膜を薄く
したり、さらに、その部分の保護膜の誘電率を高くする
ことにより、ヒーター上の保護膜のエネルギー伝達効率
をあげることができる。このような構成により、ヒータ
部分が信号源として大きく働くため、必然的に、信号源
となる位置をヒータ上の特定の位置に限定することがで
きる。さらには、ヒータ上部を除く他の部分を信号源と
して作用しにくくして、インク検出の際に、その誤検出
を招くノイズの影響を小さくすることができ、結果とし
て、インクの検出感度を高めて精度良くインクの有無を
検出することが可能となる。また、上記のように、信号
源となる位置を限定することにより、検出電極をドライ
バ上などにフレキシブルに配置することも可能となる。
したり、さらに、その部分の保護膜の誘電率を高くする
ことにより、ヒーター上の保護膜のエネルギー伝達効率
をあげることができる。このような構成により、ヒータ
部分が信号源として大きく働くため、必然的に、信号源
となる位置をヒータ上の特定の位置に限定することがで
きる。さらには、ヒータ上部を除く他の部分を信号源と
して作用しにくくして、インク検出の際に、その誤検出
を招くノイズの影響を小さくすることができ、結果とし
て、インクの検出感度を高めて精度良くインクの有無を
検出することが可能となる。また、上記のように、信号
源となる位置を限定することにより、検出電極をドライ
バ上などにフレキシブルに配置することも可能となる。
【0058】なお、上述したインク検出方式の形態にお
いては、記録素子として発熱体を用いてインクを吐出す
るバブルジェット記録方式を例に説明した。しかし、記
録素子を駆動した場合に発生する電圧変化をインクを介
して検出することは、他の記録方式においても可能であ
る。したがって、このようなインク検出方式は、バブル
ジェット記録方式に限らず、他の記録方式にも広く適用
することができる。
いては、記録素子として発熱体を用いてインクを吐出す
るバブルジェット記録方式を例に説明した。しかし、記
録素子を駆動した場合に発生する電圧変化をインクを介
して検出することは、他の記録方式においても可能であ
る。したがって、このようなインク検出方式は、バブル
ジェット記録方式に限らず、他の記録方式にも広く適用
することができる。
【0059】また、上述した構成においては、インクジ
ェット記録ヘッド用基板として、ヒータ上部に、気泡が
収縮する消泡時の衝撃を抑えるための耐キャビテーショ
ン膜を形成した例に挙げて説明した。しかし、導電性を
有するインクを用いるのであれば、耐キャビテーション
膜が無い場合においても、上述したようなインク検出方
式を適用することが可能である。
ェット記録ヘッド用基板として、ヒータ上部に、気泡が
収縮する消泡時の衝撃を抑えるための耐キャビテーショ
ン膜を形成した例に挙げて説明した。しかし、導電性を
有するインクを用いるのであれば、耐キャビテーション
膜が無い場合においても、上述したようなインク検出方
式を適用することが可能である。
【0060】(インクジェット記録装置の特徴的構成)
図12および図13は、本発明に係るインクジェット記
録装置の特徴的構成を説明するための図である。
図12および図13は、本発明に係るインクジェット記
録装置の特徴的構成を説明するための図である。
【0061】本発明に係るインクジェット記録装置は、
上述したインク検出方法を採用するものである。上述の
インク検出方法によれば、記録ヘッドの駆動信号によ
り、各ノズル単位で吐出状態やインクの有無を検出する
ことが可能である。本発明に係るインクジェット記録装
置は、このようなインク検出方式を採用することによ
り、駆動データに基づいて記録ヘッドを駆動して記録動
作を行っている間に、記録ヘッドの各ノズルの吐出状態
を判断することを可能とするものである。
上述したインク検出方法を採用するものである。上述の
インク検出方法によれば、記録ヘッドの駆動信号によ
り、各ノズル単位で吐出状態やインクの有無を検出する
ことが可能である。本発明に係るインクジェット記録装
置は、このようなインク検出方式を採用することによ
り、駆動データに基づいて記録ヘッドを駆動して記録動
作を行っている間に、記録ヘッドの各ノズルの吐出状態
を判断することを可能とするものである。
【0062】図12は、インクジェット記録装置におけ
るインクジェット記録ヘッドのインク不吐出検出システ
ムの概略構成を説明するためのブロック図である。図1
2において、100は、インクジェット記録ヘッドを構
成する基板である。その基板100には、前述したよう
に、ヒータ101やドライバ102などを含み、ヒータ
101の熱エネルギーを利用して吐出口310からイン
ク滴を吐出する機構部分が構成されており、図12にお
いては、その機構部分がインク吐出手段2102として
表されている。また、基板100には、前述したよう
に、検出電極118や保護膜205などを含み、インク
の存在量に応じて検出電極118の電位が変化する機構
部分が構成されており、図12においては、その機構部
分がインク状態検知手段2103として表され、その検
出電極118からの検出信号が検知情報2107として
表されている。2110は、前述した図10の制御回路
1000に相当する上位システムであり、記録画像デー
タに基づいて、インク吐出手段2102のヒータ101
を駆動するための駆動データ2104を生成する。20
15は駆動情報生成手段、2108は識別手段、210
9は識別結果格納手段であり、これらは上位システム2
110または基板100に組み込むことができる。
るインクジェット記録ヘッドのインク不吐出検出システ
ムの概略構成を説明するためのブロック図である。図1
2において、100は、インクジェット記録ヘッドを構
成する基板である。その基板100には、前述したよう
に、ヒータ101やドライバ102などを含み、ヒータ
101の熱エネルギーを利用して吐出口310からイン
ク滴を吐出する機構部分が構成されており、図12にお
いては、その機構部分がインク吐出手段2102として
表されている。また、基板100には、前述したよう
に、検出電極118や保護膜205などを含み、インク
の存在量に応じて検出電極118の電位が変化する機構
部分が構成されており、図12においては、その機構部
分がインク状態検知手段2103として表され、その検
出電極118からの検出信号が検知情報2107として
表されている。2110は、前述した図10の制御回路
1000に相当する上位システムであり、記録画像デー
タに基づいて、インク吐出手段2102のヒータ101
を駆動するための駆動データ2104を生成する。20
15は駆動情報生成手段、2108は識別手段、210
9は識別結果格納手段であり、これらは上位システム2
110または基板100に組み込むことができる。
【0063】図13は、このようなインク不吐出検出シ
ステムによるインク不吐出の検出動作を説明するための
フローチャートである。
ステムによるインク不吐出の検出動作を説明するための
フローチャートである。
【0064】まず、上位システム2110は、生成した
駆動データ2104をインク吐出手段2102と駆動情
報生成手段2105に送る(ステップS201)。駆動
情報生成手段2105は、駆動データ2104に基づ
き、インク吐出手段2102において複数の記録素子を
構成する複数のヒータ101について、それらの駆動順
序に関する駆動情報2106を生成する(ステップS2
02)。この駆動情報2106は、どの位置のヒータ1
01がどのような順番で駆動されるかを表すことにな
る。この駆動情報2106は、インク吐出手段2102
が駆動データ2104に基づいて、その駆動データ21
04単位等の一連のインク吐出動作を行う前、または、
その一連のインク吐出動作を行う毎に生成されて、識別
手段2108に送られる。その後、駆動データ2104
に基づいて、インク吐出手段2102がインクを吐出す
る(ステップS203)。この吐出動作に合わせて、前
述したようにインク状態検知手段2103が機能し、駆
動されるノズル毎のインクの存在量に応じた検知情報2
107を出力して、識別手段2108に送出する。この
ように、インク状態検知手段2103は、画像の記録動
作中に、駆動されるノズル内におけるインクの状態をリ
アルタイムに検知する。
駆動データ2104をインク吐出手段2102と駆動情
報生成手段2105に送る(ステップS201)。駆動
情報生成手段2105は、駆動データ2104に基づ
き、インク吐出手段2102において複数の記録素子を
構成する複数のヒータ101について、それらの駆動順
序に関する駆動情報2106を生成する(ステップS2
02)。この駆動情報2106は、どの位置のヒータ1
01がどのような順番で駆動されるかを表すことにな
る。この駆動情報2106は、インク吐出手段2102
が駆動データ2104に基づいて、その駆動データ21
04単位等の一連のインク吐出動作を行う前、または、
その一連のインク吐出動作を行う毎に生成されて、識別
手段2108に送られる。その後、駆動データ2104
に基づいて、インク吐出手段2102がインクを吐出す
る(ステップS203)。この吐出動作に合わせて、前
述したようにインク状態検知手段2103が機能し、駆
動されるノズル毎のインクの存在量に応じた検知情報2
107を出力して、識別手段2108に送出する。この
ように、インク状態検知手段2103は、画像の記録動
作中に、駆動されるノズル内におけるインクの状態をリ
アルタイムに検知する。
【0065】識別手段2108は、インク状態検知手段
2103から送られてくる検知情報2107と、それよ
りも前に駆動情報生成手段2105から送られてきてい
る駆動情報2106とを照合して、複数のノズルの内に
インク不吐出のノズルがあるか否かを識別し、さらに、
インク不吐出のノズルがある場合には、そのインク不吐
出のノズルを識別する(ステップS204)。すなわ
ち、識別手段2108は、駆動情報2106と検知情報
2107とを照合して、駆動されたノズルと検知情報2
107とを対応付けることにより、駆動されたノズルの
それぞれについてインクの有無を識別し、さらに、イン
クが無くなってインクの吐出が行えないインク不吐出の
ノズルを識別する。識別手段2108は、このようにイ
ンク不吐出のノズルをも識別する場合には、インク不吐
出ノズル識別手段として機能する。また、識別手段21
08は、駆動されたノズルの中にインク不吐出のノズル
があるか否かを識別するだけでもよく、その場合には、
インク不吐出識別手段として機能することになる。
2103から送られてくる検知情報2107と、それよ
りも前に駆動情報生成手段2105から送られてきてい
る駆動情報2106とを照合して、複数のノズルの内に
インク不吐出のノズルがあるか否かを識別し、さらに、
インク不吐出のノズルがある場合には、そのインク不吐
出のノズルを識別する(ステップS204)。すなわ
ち、識別手段2108は、駆動情報2106と検知情報
2107とを照合して、駆動されたノズルと検知情報2
107とを対応付けることにより、駆動されたノズルの
それぞれについてインクの有無を識別し、さらに、イン
クが無くなってインクの吐出が行えないインク不吐出の
ノズルを識別する。識別手段2108は、このようにイ
ンク不吐出のノズルをも識別する場合には、インク不吐
出ノズル識別手段として機能する。また、識別手段21
08は、駆動されたノズルの中にインク不吐出のノズル
があるか否かを識別するだけでもよく、その場合には、
インク不吐出識別手段として機能することになる。
【0066】識別手段2108の識別結果は、識別結果
格納手段2109に順次格納される(ステップS20
5)。上位システム2110は、一連の画像記録動作を
終了した時点、つまり次の記録画像データがないとき
に、格納手段2109に格納された識別結果をチェック
する(ステップS206、S207)。上位システム2
110は、その識別結果をチェックすることによって、
一連の記録動作中にノズルのインク不吐出が生じたか否
か、つまり一連の記録動作が正常に行われた否かを判定
し、さらに、インク不吐出のノズルを特定する。このよ
うな上位システム2110による識別結果のチェック情
報は、必要に応じて表示したり、記録動作を制限する等
の記録動作の制御に利用することができる。
格納手段2109に順次格納される(ステップS20
5)。上位システム2110は、一連の画像記録動作を
終了した時点、つまり次の記録画像データがないとき
に、格納手段2109に格納された識別結果をチェック
する(ステップS206、S207)。上位システム2
110は、その識別結果をチェックすることによって、
一連の記録動作中にノズルのインク不吐出が生じたか否
か、つまり一連の記録動作が正常に行われた否かを判定
し、さらに、インク不吐出のノズルを特定する。このよ
うな上位システム2110による識別結果のチェック情
報は、必要に応じて表示したり、記録動作を制限する等
の記録動作の制御に利用することができる。
【0067】このように、本例の場合は、一連の記録動
作終了後に、識別結果格納手段2109に格納された識
別結果をチェックするシステム構成とされている。ま
た、識別結果格納手段2109を備えずに、識別手段2
108の識別結果を上位システム2110に順次送出す
ることにより、上位システム2110において、画像の
記録動作中におけるインクの吐出状態を検知することも
可能である。しかし、この場合には、上位システム21
10の負担が大きくなってしまう。上位システム211
0に充分な処理能力がないシステムにおいては、識別結
果格納手段2109を備えて利用することがきわめて有
利となる。
作終了後に、識別結果格納手段2109に格納された識
別結果をチェックするシステム構成とされている。ま
た、識別結果格納手段2109を備えずに、識別手段2
108の識別結果を上位システム2110に順次送出す
ることにより、上位システム2110において、画像の
記録動作中におけるインクの吐出状態を検知することも
可能である。しかし、この場合には、上位システム21
10の負担が大きくなってしまう。上位システム211
0に充分な処理能力がないシステムにおいては、識別結
果格納手段2109を備えて利用することがきわめて有
利となる。
【0068】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0069】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4747
96号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行
うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コ
ンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4747
96号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行
うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コ
ンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0070】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0071】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0072】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0073】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0074】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0075】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0076】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、記録素
子の駆動に応じて発生する記録素子と駆動素子との間の
電圧変化をインクを介して検出することにより、記録動
作中に、余分な時間を費やすことなく記録ヘッド内のイ
ンク状態を検知することができ、さらに、インクジェッ
ト記録ヘッドからのインクの吐出状態をリアルタイムに
検知することができる。
子の駆動に応じて発生する記録素子と駆動素子との間の
電圧変化をインクを介して検出することにより、記録動
作中に、余分な時間を費やすことなく記録ヘッド内のイ
ンク状態を検知することができ、さらに、インクジェッ
ト記録ヘッドからのインクの吐出状態をリアルタイムに
検知することができる。
【図1】本発明において採用可能なインク検出方式の一
形態を説明するためのインクジェット記録ヘッド用基板
の概略平面図である。
形態を説明するためのインクジェット記録ヘッド用基板
の概略平面図である。
【図2】図1のインクジェット記録ヘッド用基板の要部
の概略構成を示す平面図である。
の概略構成を示す平面図である。
【図3】図1のインクジェット記録ヘッド用基板に天板
を接合してノズルを構成した状態を示す概略斜視図であ
る。
を接合してノズルを構成した状態を示す概略斜視図であ
る。
【図4】図3のa−a線に沿うノズル周辺部分の断面図
である。
である。
【図5】(a),(b)は、本発明において採用可能な
インク検出方式の他の形態を説明するためのインクジェ
ット記録ヘッドのノズル周辺の断面図である。
インク検出方式の他の形態を説明するためのインクジェ
ット記録ヘッドのノズル周辺の断面図である。
【図6】本発明において採用可能なインク検出方式のさ
らに他の形態を説明するためのインクジェット記録ヘッ
ドのノズル周辺の断面図である。
らに他の形態を説明するためのインクジェット記録ヘッ
ドのノズル周辺の断面図である。
【図7】本発明において採用可能なインク検出方式の検
出動作を説明するためのタイムチャートである。
出動作を説明するためのタイムチャートである。
【図8】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の
基本構成を説明するための斜視図である。
基本構成を説明するための斜視図である。
【図9】従来のインクジェット記録ヘッド用素子基板の
電気的な概略構成を説明するための平面図である。
電気的な概略構成を説明するための平面図である。
【図10】図8に示すインクジェット記録装置の制御シ
ステムを示すブロック図である。
ステムを示すブロック図である。
【図11】図1のインクジェット記録ヘッド用基板に形
成されるインクの検出回路の概念図である。
成されるインクの検出回路の概念図である。
【図12】本発明のインクジェット記録装置の特徴的構
成を説明するための要部のブロック構成図である。
成を説明するための要部のブロック構成図である。
【図13】図12のインクジェット記録装置の動作を説
明するためのフローチャートである。
明するためのフローチャートである。
100 インクジェット記録ヘッド用基板(素子基板) 101 記録素子(発熱体) 102 駆動素子(ドライバ) 103 ラッチ回路 104 シフトレジスタ 116 交流的結合部 118 検出用電極 203 配線部 205 耐キャビテーション膜 310 吐出口 311 共通液室 312 ノズル壁 314 天板 405 保護膜(絶縁性保護膜) 408 ノズル部 2102 インク吐出手段 2103 インク状態検知手段 2104 駆動データ 2105 駆動情報生成手段 2106 駆動情報 2107 検知情報 2108 識別手段 2109 識別結果格納手段 2110 上位システム 2111 識別結果データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 智則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 ▲高▼橋 勝彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齋藤 謙一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 矢野 健太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 加藤 真夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 乾 利治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA29 EB03 EB08 EB40 EB51 FA03 HA05 2C057 AG46 AK10 AL03 AL17 BA03 BA13
Claims (10)
- 【請求項1】 インクジェット記録ヘッド用基板が搭載
されかつ吐出口からインクの吐出が可能なインクジェッ
ト記録ヘッドを用いて、被記録媒体に画像を記録するイ
ンクジェット記録装置において、 前記インクジェット記録ヘッド用基板には、インクを吐
出するためのエネルギーを供給する記録素子と、前記記
録素子を駆動するための駆動素子と、前記インクジェッ
ト記録ヘッド用基板上のインクを介して、前記記録素子
の駆動に応じて発生する前記記録素子と前記駆動素子と
の間の電圧変化を検出可能な検出電極と、が備えられ、 駆動情報に基づいて前記インクジェット記録ヘッドを駆
動して行う記録動作中に、前記検出電極の検出情報に基
づいて、前記インクジェット記録ヘッド内におけるイン
クの状態を検知する手段を備えたことを特徴とするイン
クジェット記録装置。 - 【請求項2】 前記インクジェット記録ヘッド用基板に
は、前記検出電極が前記記録素子の複数に対して共通に
備えられ、 前記複数の記録素子の駆動情報に基づいて、前記検出電
極の検出情報を前記複数の記録素子に対応付ける識別手
段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインクジ
ェット記録装置。 - 【請求項3】 前記インクジェット記録ヘッドを用いて
記録すべき画像の画像データに基づいて、前記複数の記
録素子の駆動情報を生成する駆動情報生成手段を備えた
ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録
装置。 - 【請求項4】 前記識別手段は、前記検出電極の検出情
報を前記複数の記録素子に対応付けて、前記インクジェ
ット記録ヘッドにおけるインク不吐出の発生の有無を識
別することを特徴とする請求項2または3に記載のイン
クジェット記録装置。 - 【請求項5】 前記識別手段は、前記検出電極の検出情
報を前記複数の記録素子に対応付けて、前記複数の記録
素子に対応する前記吐出口の中から、インク不吐出が発
生したものを識別することを特徴とする請求項2または
3に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項6】 前記識別手段は、記録動作中に機能する
ことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のイ
ンクジェット記録装置。 - 【請求項7】 前記識別手段の識別結果を格納可能な識
別結果格納手段を備えたことを特徴とする請求項2から
6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項8】 前記記録素子と前記駆動素子との間の電
圧変化領域と、前記インクとの間における電圧変化の伝
達は、容量結合によってなされることを特徴とする請求
項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装
置。 - 【請求項9】 前記記録素子は、前記インク中に気泡を
発生させることによって、前記インクを吐出させる発熱
素子であることを特徴とする請求項1から8のいずれか
に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項10】 インクジェット記録ヘッド用基板が搭
載されかつ吐出口からインクの吐出が可能なインクジェ
ット記録ヘッドを用いて、被記録媒体に画像を記録する
インクジェット記録装置において、前記インクジェット
記録ヘッドのインク状態を検知するインク状態検知方法
であって、 前記インクジェット記録ヘッド用基板には、インクを吐
出するためのエネルギーを供給する記録素子と、前記記
録素子を駆動するための駆動素子と、前記インクジェッ
ト記録ヘッド用基板上のインクを介して、前記記録素子
の駆動に応じて発生する前記記録素子と前記駆動素子と
の間の電圧変化を検出可能な検出電極と、が備えられ、 駆動情報に基づいて前記インクジェット記録ヘッドを駆
動して行う記録動作中に、前記検出電極の検出情報に基
づいて、前記インクジェット記録ヘッド内におけるイン
クの状態を検知することを特徴とするインクジェット記
録ヘッドのインク状態検知方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000143851A JP2001322298A (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | インクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドのインク状態検知方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000143851A JP2001322298A (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | インクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドのインク状態検知方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001322298A true JP2001322298A (ja) | 2001-11-20 |
Family
ID=18650606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000143851A Pending JP2001322298A (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | インクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドのインク状態検知方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001322298A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014524857A (ja) * | 2011-10-24 | 2014-09-25 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. | インクジェットプリントヘッド装置、流体噴射装置、及びその方法 |
JP2020172113A (ja) * | 2015-04-10 | 2020-10-22 | 船井電機株式会社 | 流体プリントヘッドおよび流体プリンタシステム |
-
2000
- 2000-05-16 JP JP2000143851A patent/JP2001322298A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014524857A (ja) * | 2011-10-24 | 2014-09-25 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. | インクジェットプリントヘッド装置、流体噴射装置、及びその方法 |
US9327512B2 (en) | 2011-10-24 | 2016-05-03 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Inkjet printhead device, fluid ejection device, and method thereof |
US9862186B2 (en) | 2011-10-24 | 2018-01-09 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Inkjet printhead device, fluid ejection device, and method thereof |
US10369785B2 (en) | 2011-10-24 | 2019-08-06 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Inkjet printhead device, fluid ejection device, and method thereof |
JP2020172113A (ja) * | 2015-04-10 | 2020-10-22 | 船井電機株式会社 | 流体プリントヘッドおよび流体プリンタシステム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3487584B2 (ja) | インクジェット記録装置、および該装置における記録ヘッドの吐出状態を回復させる方法 | |
EP1125745B1 (en) | Substrate for ink-jet printing head, ink-jet printing head, ink-jet cartridge, ink-jet printing apparatus, and method for detecting ink in ink-jet printing head | |
KR100442515B1 (ko) | 프린트 헤드와 이 프린트 헤드를 사용하는 인쇄 장치 | |
JP2001322277A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP4995150B2 (ja) | インクジェット記録ヘッド基板、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 | |
JP2001315318A (ja) | インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 | |
US6039438A (en) | Limiting propagation of thin film failures in an inkjet printhead | |
JP7344669B2 (ja) | 素子基板、液体吐出ヘッド、及び記録装置 | |
JP3200098B2 (ja) | インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 | |
JP2001315363A (ja) | インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 | |
JP2001232814A (ja) | インクジェットヘッド用基板、インクジェットヘッド、インクジェットカートリッジおよびインクジェット記録装置 | |
JP2001322298A (ja) | インクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドのインク状態検知方法 | |
JP4447723B2 (ja) | インクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッド、およびインクジェット記録装置 | |
US20020024562A1 (en) | Inkjet printhead | |
JP2001315347A (ja) | インクジェット記録装置、回復方法、および記録方法 | |
JP4458616B2 (ja) | インクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッド内のインクの検出方法 | |
JP2001232796A (ja) | インクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッド、インクジェットカートリッジ、およびインクジェット記録装置 | |
JP2001232797A (ja) | インクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッド内のインク検出方法 | |
JPH1034971A (ja) | インクジェット記録装置の液室内インク有無検出機構および同機構を搭載するインクジェット記録装置 | |
JP2021094805A (ja) | 素子基板、液体吐出ヘッド、及び記録装置 | |
US20240300240A1 (en) | Liquid ejection apparatus and liquid ejection head | |
JP3517612B2 (ja) | インクジェット記録ヘッド及び記録装置 | |
JPH1086349A (ja) | 印字装置に搭載された印字ヘッドの特性ランク識別方法及びそれを用いた印字装置 | |
JP2020023077A (ja) | 素子基板、記録ヘッド、及び記録装置 | |
JPH03284946A (ja) | インクジェット記録装置 |