JP2001232198A - 触媒および触媒の製造方法 - Google Patents

触媒および触媒の製造方法

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JP2001232198A
JP2001232198A JP2000002259A JP2000002259A JP2001232198A JP 2001232198 A JP2001232198 A JP 2001232198A JP 2000002259 A JP2000002259 A JP 2000002259A JP 2000002259 A JP2000002259 A JP 2000002259A JP 2001232198 A JP2001232198 A JP 2001232198A
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metal
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Hiroaki Takahashi
宏明 高橋
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタノールを効率よく改質すると共に得られ
る水素含有ガスに含まれる一酸化炭素濃度を低くする。 【解決手段】 二酸化セリウムや二酸化ジルコニウムな
どの塩基性の金属酸化物を担体として、白金やパラジウ
ム,ロジウム,イリジウム,ルテニウムなどの貴金属を
担持させると共に、亜鉛,ガリウム,インジウムなどの
2B族または3B族の元素を担持させて触媒とする。こ
の触媒を用いることにより、メタノールは高効率に水蒸
気改質反応すると共に、メタノールを改質して得られる
水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を低くすることができ
る。貴金属と2B族または3B族の元素の担持の前にア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属を担持するものとす
れば、得られる水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を更に
低くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒および触媒の
製造方法に関し、詳しくは、水蒸気を用いてメタノール
を水素を含有する水素含有ガスに改質する反応に用いら
れる触媒およびこうした触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水蒸気を用いてメタノールを水素を含有
する水素含有ガスに改質するメタノールの水蒸気改質反
応は次式(1)の分解反応と式(2)のシフト反応とに
よって行なわれる。
【0003】CHOH→CO+2H (1) CO+HO→CO+H (2)
【0004】こうした反応を効率よく行なう触媒として
は、従来、耐熱性多孔質無機化合物と卑金属または貴金
属とアルカリ金属またはアルカリ土類金属との混合物か
らなる触媒(例えば、特開昭62−250948号公報
など)や、希土類元素の酸化物を含有する担体に貴金属
を担持させてなる触媒(例えば、特開平3−45501
号公報など)などが提案されている。これらの触媒は、
メタノールの水蒸気改質反応に高活性を示す銅系の触媒
の耐熱性や耐久性に劣るという問題点を解決するものと
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の触媒では、得られる水素含有ガスが高濃度の一酸化炭
素を含むという問題があった。上述の式(2)のシフト
反応は反応速度が遅いため、一般に水素含有ガスには一
酸化炭素が含まれる。水素を燃料として動作する装置に
供給する目的でメタノールを水蒸気改質して水素含有ガ
スを得る場合には、水素含有ガス中の水素の濃度ができ
る限り高い方がよいから、未反応の一酸化炭素濃度は低
い方がよい。特に水素含有ガスの供給を受ける装置が水
素含有ガスに含まれる一酸化炭素により効率を低下させ
る場合、例えば水素含有ガス中に含まれる一酸化炭素に
より被毒する燃料電池などの場合では、水素含有ガス中
の一酸化炭素濃度を低くしなければならない。
【0006】本発明の触媒は、炭化水素系の燃料の改質
等を効率よく行なうことを目的の一つとする。また、本
発明の触媒は、メタノールを効率よく改質することを目
的の一つとする。本発明の触媒は、得られる水素含有ガ
スに含まれる一酸化炭素濃度を低くすることを目的の一
つとする。本発明の触媒の製造方法は、炭化水素系の燃
料の改質等を効率よく行なうと共に得られる水素含有ガ
スに含まれる一酸化炭素濃度を低くする触媒を製造する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の触媒および触媒の製造方法は、上述の目的の少な
くとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0008】本発明の第1の触媒は、多孔質の金属酸化
物からなる担体に貴金属と2B族および/または3B族
に属する元素の少なくとも一つとを担持してなることを
要旨とする。
【0009】この本発明の第1の触媒では、貴金属だけ
でも炭化水素系の燃料を改質する触媒として機能する
が、多孔質の金属酸化物を担体として用いると共に2B
族および/または3B族に属する元素を貴金属と共に担
持することにより、高効率で炭化水素系の燃料を改質す
ることができると共に得られる水素含有ガスに含まれる
一酸化炭素濃度を低くすることができる。
【0010】本発明の第2の触媒は、多孔質の金属酸化
物からなる担体に、貴金属と、2B族および/または3
B族に属する元素の少なくとも一つと、アルカリ金属お
よび/またはアルカリ土類金属に属する元素の少なくと
も一つとを担持してなることを要旨とする。
【0011】この本発明の第2の触媒では、貴金属だけ
でも炭化水素系の燃料を改質する触媒として機能する
が、多孔質の金属酸化物を担体として用いると共に2B
族および/または3B族に属する元素とアルカリ金属お
よび/またはアルカリ土類金属に属する元素とを貴金属
と共に担持することにより、高効率で炭化水素系の燃料
を改質することができると共に得られる水素含有ガスに
含まれる一酸化炭素濃度をより低くすることができる。
【0012】本発明の第3の触媒は、前記アルカリ金属
および/またはアルカリ土類金属に属する元素の少なく
とも一つを多孔質の金属酸化物からなる担体に担持した
後に、該担体に貴金属と2B族および/または3B族に
属する元素の少なくとも一つとを担持させてなることを
要旨とする。
【0013】この本発明の第3の触媒では、貴金属だけ
でも炭化水素系の燃料を改質する触媒として機能する
が、多孔質の金属酸化物を担体として用いると共に2B
族および/または3B族に属する元素とアルカリ金属お
よび/またはアルカリ土類金属に属する元素とを貴金属
と共に担持することにより、高効率で炭化水素系の燃料
を改質することができると共に得られる水素含有ガスに
含まれる一酸化炭素濃度をより低くすることができる。
さらに、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属
に属する元素を先に担体に担持させるから、貴金属や2
B族および/または3B族に属する元素による機能を損
なうことがない。
【0014】こうした本発明の第2または第3の触媒に
おいて、前記アルカリ金属および/またはアルカリ土類
金属に属する元素としては、いずれの金属を用いてもよ
いが、カリウム,マグネシウム,カルシウムのいずれか
を用いるのが好ましい。
【0015】また、本発明の第1ないし第3のいずれか
の触媒では、2B族および3B族に属する元素として
は、亜鉛,カドミニウム,水銀,アルミニウム,ガリウ
ム,インジウムなどのいずれの元素を用いてもよいが、
亜鉛,ガリウム,インジウムのうちのいずれかを用いる
のが好ましい。貴金属としては、白金,パラジウム,ロ
ジウム,イリジウム,ルテニウムのうちの少なくとも一
つを用いればよいが、白金かパラジウムのいずれかを用
いる方が好ましい。多孔質の金属酸化物としては、如何
なるものを用いてもよいが、塩基性の金属酸化物、特に
二酸化セリウム(CeO),二酸化ジルコニウム(Z
rO),二酸化チタン(TiO)のいずれかを用い
る方が好ましい。これらの組み合わせの中でも、特に2
B族および3B族に属する元素としてインジウムを用い
ると共に貴金属として白金を用い、更に多孔質の金属酸
化物として二酸化ジルコニウム(ZrO)を用いるも
のが好ましい。
【0016】こうした本発明の第1ないし第3のいずれ
の触媒も、水蒸気を用いてメタノールを水素含有ガスに
改質する反応などの水素を製造するための触媒として用
いることができる。貴金属だけでもメタノールを改質す
る触媒として機能するが、多孔質の金属酸化物を担体と
して用いると共に2B族および/または3B族に属する
元素を貴金属と共に担持したり、多孔質の金属酸化物を
担体として用いると共に2B族および/または3B族に
属する元素とアルカリ金属および/またはアルカリ土類
金属に属する元素とを貴金属と共に担持することによ
り、高効率でメタノールを改質することができると共に
得られる水素含有ガスに含まれる一酸化炭素濃度を低く
することができる。
【0017】本発明の第1の触媒の製造方法は、多孔質
の金属酸化物からなる担体にアルカリ金属および/また
はアルカリ土類金属に属する元素の少なくとも一つを担
持させる第1担持工程と、該アルカリ金属および/また
はアルカリ土類金属に属する元素の少なくとも一つを担
持した前記担体に貴金属と2B族および/または3B族
に属する元素の少なくとも一つとを担持させる第2担持
工程とを備えることを要旨とする。
【0018】この本発明の第1の触媒の製造方法によれ
ば、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属に属
する元素の少なくとも一つを多孔質の金属酸化物からな
る担体に担持した後に、該担体に貴金属と2B族および
/または3B族に属する元素の少なくとも一つとを担持
させてなる触媒、即ち貴金属や2B族および/または3
B族に属する元素による機能を損なうことなく高効率で
炭化水素系の燃料を改質すると共に得られる水素含有ガ
スに含まれる一酸化炭素濃度を低くする触媒を製造する
ことができる。
【0019】こうした本発明の第1の触媒の製造方法に
おいて、第1担持工程で用いる多孔質の金属酸化物とし
ては二酸化セリウム(CeO)や二酸化ジルコニウム
(ZrO),二酸化チタン(TiO)などが好適で
あり、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属に
属する元素としてはカリウム,マグネシウム,カルシウ
ムなどが好適である。第2担持工程で用いる貴金属とし
ては白金やパラジウムなどが好適であり、2B族および
/または3B族に属する元素としては亜鉛やガリウム,
インジウムなどが好適である。
【0020】本発明の第2の触媒の製造方法は、多孔質
の金属酸化物からなる担体に貴金属を含浸担持させる第
1担持工程と、該貴金属を担持した担体に2B族および
/または3B族に属する元素の少なくとも一つを吸水担
持させる第2担持工程とを備えることを要旨とする。
【0021】この本発明の第2の触媒の製造方法によれ
ば、多孔質の金属酸化物からなる担体に貴金属を含浸担
持させた後に、この貴金属を担持した担体に2B族およ
び/または3B族に属する元素の少なくとも一つを吸水
担持させることにより、高効率で炭化水素系の燃料を改
質することができると共に得られる水素含有ガスに含ま
れる一酸化炭素濃度を低くする触媒を製造することがで
きる。
【0022】こうした本発明の第2の触媒の製造方法に
おいて、第1担持工程で用いる多孔質の金属酸化物から
なる担体としては二酸化セリウム(CeO)や二酸化
ジルコニウム(ZrO),二酸化チタン(TiO
などが好適であり、貴金属としては白金やパラジウムが
好適である。また、第2担持工程で用いる2B族および
/または3B族に属する元素としては亜鉛やガリウム,
インジウムなどが好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例を用いて説明する。まず、多孔質の金属酸化物からな
る担体に貴金属と2B族または3B族に属する元素の少
なくとも一つとを担持してなる触媒について説明し、そ
の後、更にアルカリ金属またはアルカリ土類金属に属す
る元素の少なくとも一つを担持してなる触媒について説
明する。
【0024】A.貴金属,2B族または3B族の元素を
担持してなる触媒
【0025】1.実施例のメタノール改質触媒と比較例
のメタノール改質触媒の調製 貴金属,2B族または3B族の元素を担持してなる触媒
の調製は、図1に例示する触媒の製造工程に基づいて行
なわれる。まず、二酸化セリウム(CeO)や二酸化
ジルコニウム(ZrO)等の多孔質の金属酸化物から
なる担体としての粉末に貴金属と2B族または3B族に
属する元素との溶液を含浸させて貴金属と2B族または
3B族に属する元素を担持させる(工程S10)。続い
て、これを乾燥の後に焼成し(工程S12)、所定の形
状に成形して(工程S14)、完成する。具体的には、
以下の通りである。
【0026】(1)第1実施例のメタノール改質触媒 二酸化セリウム(CeO)の粉末100gにジニトロ
ジアミン白金硝酸溶液と硝酸インジウム溶液とを含浸さ
せて白金とインジウムとをそれぞれ10wt%担持さ
せ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃
の温度で1時間焼成し、焼成したものを水素還元雰囲気
下に500℃の温度で2時間置いて水素還元する。そし
て得られた粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットと
して第1実施例のメタノール改質触媒を得る。
【0027】(2)第2実施例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末100gにジニ
トロジアミン白金硝酸溶液と硝酸亜鉛溶液とを含浸させ
て白金と亜鉛とをそれぞれ10wt%担持させ、110
℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃の温度で1
時間焼成し、焼成したものを水素還元雰囲気下に500
℃の温度で2時間置いて水素還元する。そして得られた
粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットとして第2実
施例のメタノール改質触媒を得る。
【0028】(3)第3実施例のメタノール改質触媒 二酸化セリウム(CeO)の粉末100gに硝酸パラ
ジウム溶液と硝酸ガリウム溶液とを含浸させてパラジウ
ムとガリウムとをそれぞれ10wt%担持させ、110
℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃の温度で1
時間焼成し、焼成したものを水素還元雰囲気下に400
℃の温度で2時間置いて水素還元する。そして得られた
粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットとして第3実
施例のメタノール改質触媒を得る。
【0029】(4)第4実施例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末100gに硝酸
パラジウム溶液と硝酸インジウム溶液とを含浸させてパ
ラジウムとインジウムとをそれぞれ10wt%担持さ
せ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃
の温度で1時間焼成し、焼成したものを水素還元雰囲気
下に400℃の温度で2時間置いて水素還元する。そし
て得られた粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットと
して第4実施例のメタノール改質触媒を得る。
【0030】(5)第5実施例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末100gにジニ
トロジアミン白金硝酸溶液と硝酸ガリウム溶液とを含浸
させて白金とガリウムとをそれぞれ10wt%担持さ
せ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃
の温度で1時間焼成し、焼成したものを水素還元雰囲気
下に500℃の温度で2時間置いて水素還元する。そし
て得られた粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットと
して第5実施例のメタノール改質触媒を得る。
【0031】(6)第6実施例のメタノール改質触媒 二酸化セリウム(CeO)の粉末100gに硝酸パラ
ジウム溶液と硝酸ガリウム溶液と硝酸アルミニウム溶液
とを含浸させてパラジウムを10wt%、ガリウムとア
ルミニウムとをそれぞれ5wt%担持させ、110℃の
温度で3時間乾燥させた後に、500℃の温度で1時間
焼成し、焼成したものを水素還元雰囲気下に400℃の
温度で2時間置いて水素還元する。そして得られた粉末
を1〜3mm程度の大きさのペレットとして第6実施例
のメタノール改質触媒を得る。
【0032】(7)第7実施例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末100gに硝酸
パラジウム溶液と硝酸インジウム溶液と硝酸アルミニウ
ム溶液とを含浸させてパラジウムを10wt%、インジ
ウムとアルミニウムとをそれぞれ5wt%担持させ、1
10℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃の温度
で1時間焼成し、焼成したものを水素還元雰囲気下に4
00℃の温度で2時間置いて水素還元する。そして得ら
れた粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットとして第
7実施例のメタノール改質触媒を得る。
【0033】(8)第8実施例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末100gにジニ
トロジアミン白金硝酸溶液と硝酸ガリウム溶液と硝酸ア
ルミニウム溶液とを含浸させて白金を10wt%、ガリ
ウムとアルミニウムとをそれぞれ5wt%担持させ、1
10℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃の温度
で1時間焼成し、焼成したものを水素還元雰囲気下に5
00℃の温度で2時間置いて水素還元する。そして得ら
れた粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットとして第
8実施例のメタノール改質触媒を得る。
【0034】(9)第9実施例のメタノール改質触媒 二酸化セリウム(CeO)の粉末100gにジニトロ
ジアミン白金硝酸溶液と硝酸インジウム溶液とを含浸さ
せて白金とインジウムとをそれぞれ10wt%担持さ
せ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃
の温度で1時間焼成する。そして得られた粉末を1〜3
mm程度の大きさのペレットとして第9実施例のメタノ
ール改質触媒を得る。
【0035】(10)第10実施例のメタノール改質触
媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末100gにジニ
トロジアミン白金硝酸溶液と硝酸亜鉛溶液とを含浸させ
て白金と亜鉛とをそれぞれ10wt%担持させ、110
℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃の温度で1
時間焼成する。そして得られた粉末を1〜3mm程度の
大きさのペレットとして第10実施例のメタノール改質
触媒を得る。
【0036】(11)第1比較例のメタノール改質触媒 二酸化セリウム(CeO)の粉末100gにジニトロ
ジアミン白金硝酸溶液を含浸させて白金を10wt%担
持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、50
0℃の温度で1時間焼成し、焼成したものを水素還元雰
囲気下に400℃の温度で2時間置いて水素還元する。
そして得られた粉末を1〜3mm程度の大きさのペレッ
トとして第1比較例のメタノール改質触媒を得る。
【0037】(12)第2比較例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末100gにジニ
トロジアミン白金硝酸溶液を含浸させて白金を10wt
%担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、
500℃の温度で1時間焼成し、焼成したものを水素還
元雰囲気下に400℃の温度で2時間置いて水素還元す
る。そして得られた粉末を1〜3mm程度の大きさのペ
レットとして第2比較例のメタノール改質触媒を得る。
【0038】(13)第3比較例のメタノール改質触媒 二酸化セリウム(CeO)の粉末100gに硝酸パラ
ジウム溶液を含浸させてパラジウムを10wt%担持さ
せ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃
の温度で1時間焼成し、焼成したものを水素還元雰囲気
下に400℃の温度で2時間置いて水素還元する。そし
て得られた粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットと
して第3比較例のメタノール改質触媒を得る。
【0039】(14)第4比較例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末100gに硝酸
パラジウム溶液を含浸させてパラジウムを10wt%担
持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、50
0℃の温度で1時間焼成し、焼成したものを水素還元雰
囲気下に400℃の温度で2時間置いて水素還元する。
そして得られた粉末を1〜3mm程度の大きさのペレッ
トとして第4比較例のメタノール改質触媒を得る。
【0040】2.評価方法と実験結果 上述の第1実施例ないし第10実施例のメタノール改質
触媒と第1比較例ないし第4比較例のメタノール改質触
媒に対して、メタノールのモル数に対する水のモル数の
比(HO/CHOH)が値2.0でメタノール中の
炭素原子の数に対する酸素原子の数の比(O/C)が
0.23となる混合ガスを調製し、この混合ガスをメタ
ノールに対する液空間速度(LHSV)が2[1/h]
となり、改質反応層の流入口の混合ガスの温度が300
℃で出口のガスの温度が250℃となる条件でメタノー
ルを水蒸気改質した。その結果を次表1に示す。なお、
表1中、メタノール改質率は反応層で改質反応を生じた
メタノールの比率であり、CO選択率は生成した一酸化
炭素の量と生成した二酸化炭素の量との和に対する生成
した一酸化炭素の量の比[生成CO量/(生成CO量+
生成CO量)]である。
【0041】
【表1】
【0042】表1から解るように、第1実施例ないし第
10実施例のメタノール改質触媒は、第1比較例ないし
第4比較例と同様に高いメタノール改質率を有し、第1
比較例ないし第4比較例に比して顕著にCO選択率が低
い。したがって、第1実施例ないし第10実施例のメタ
ノール改質触媒は、貴金属と2B族または3B族の元素
とを担持することにより、メタノールの水蒸気改質反応
を高効率で行なうことができると共に、得られる水素含
有ガス中の一酸化炭素濃度を低く抑えることができるの
である。
【0043】第1実施例および第2実施例のメタノール
改質触媒と第9実施例および第10実施例のメタノール
改質触媒とを比較しても差違は認められないから、焼成
した後に水素還元雰囲気に置いて水素還元してもしなく
てもメタノール改質触媒としての機能には影響はないと
言える。
【0044】3.担体,貴金属,2B族または3B族の
元素の比較 次に、多孔質の金属酸化物からなる担体に貴金属と2B
族または3B族の元素とを担持してなるメタノール改質
触媒のうち、多孔質の金属酸化物として二酸化ジルコニ
ウム(ZrO)を用い、貴金属として白金を用い、2
B族または3B族の元素としてインジウムを用いたメタ
ノール改質触媒が特に有効である点について述べる。用
いた実施例のメタノール改質触媒は、以下のように調製
した。
【0045】(1)実施例のメタノール改質触媒の調製 多孔質の金属酸化物として二酸化セリウム(Ce
),二酸化ジルコニウム(ZrO),二酸化チタ
ン(TiO),酸化アルミニウム(Al),二
酸化ケイ素(SiO)を用い、貴金属として白金を用
いると共に2B族または3B族の元素としてインジウム
を用いる各メタノール改質触媒を第11実施例ないし第
15実施例のメタノール改質触媒とした。
【0046】第11実施例のメタノール改質触媒の調製
は、まず、コージュライト製のモノリス担体に二酸化セ
リウム(CeO)のスラリーを240g/lコート
し、110℃で3時間乾燥した後に300℃で1時間焼
成して担体を得る。この担体に硝酸インジウム溶液を吸
水させてインジウムを30g/l担持させ、これを乾燥
し焼成する。その後、この焼成したものにジニトロジア
ミン白金硝酸溶液を吸水させて白金を30g/l担持さ
せ、110℃で3時間乾燥し、300℃で1時間焼成し
て完成する。
【0047】第12実施例ないし第15実施例のメタノ
ール改質触媒は、第11実施例のメタノール改質触媒の
調製における二酸化セリウム(CeO)のスラリーの
モノリス担体へのコーティングを二酸化ジルコニウム
(ZrO),二酸化チタン(TiO),酸化アルミ
ニウム(Al),二酸化ケイ素(SiO)の各
スラリーのモノリス担体へのコーティングに代えた点を
除いて同様に調製した。
【0048】(2)評価方法と実験結果 上述の第11実施例ないし第15実施例のメタノール改
質触媒に対して、メタノールのモル数に対する水のモル
数の比(HO/CHOH)が値2.0でメタノール
中の炭素原子の数に対する酸素原子の数の比(O/C)
が0.21となる混合ガスを調製し、この混合ガスをメ
タノールに対する液空間速度(LHSV)が2[1/
h]となり、改質反応層の流入口の混合ガスの温度が2
50℃で出口のガスの温度が250℃となる条件でメタ
ノールを水蒸気改質した。その結果を図2のグラフに示
す。なお、グラフに示された数値は一酸化炭素の排出濃
度を示す。図示するように、多孔質の金属酸化物として
二酸化セリウム(CeO)や二酸化ジルコニウム(Z
rO),二酸化チタン(TiO)を用いた第11実
施例ないし第13実施例のメタノール改質触媒は、多孔
質の金属酸化物として酸化アルミニウム(Al
や二酸化ケイ素(SiO)を用いた第14実施例また
は第15実施例のメタノール改質触媒に比して良好なメ
タノール改質率を示す。この結果、多孔質の金属酸化物
として二酸化セリウム(CeO)や二酸化ジルコニウ
ム(ZrO),二酸化チタン(TiO)を用いるこ
と、特に二酸化セリウム(CeO)か二酸化ジルコニ
ウム(ZrO)を用いることが有効であることが解
る。
【0049】次に多孔質の金属酸化物として二酸化セリ
ウム(CeO)か二酸化ジルコニウム(ZrO)を
用いる第11実施例のメタノール改質触媒と第12実施
例のメタノール改質触媒とに対する耐久性能を考える。
実験としては、両メタノール改質触媒を1:9の比率の
水素と窒素との混合ガスを流通してなる水素還元雰囲気
で400℃,500℃,600℃の温度に8時間処理
し、図2のグラフを得る際の実験条件と同一の条件でメ
タノールの水蒸気改質を行なった。この実験結果を図3
のグラフに示す。なお、比較の対象として水素雰囲気下
における処理を施さなかったもの、即ち図2に示す第1
1実施例のメタノール改質触媒と第12実施例のメタノ
ール改質触媒との値をFreshとして示した。図3の
グラフから解るように、多孔質の金属酸化物として二酸
化ジルコニウム(ZrO)を用いる第12実施例のメ
タノール改質触媒の方が二酸化セリウム(CeO)を
用いる第11実施例のメタノール改質触媒より耐久性能
が高いことが解る。
【0050】以上の結果より、多孔質の金属酸化物とし
て二酸化ジルコニウム(ZrO)を用い、貴金属とし
て白金を用い、2B族または3B族の元素としてインジ
ウムを用いるメタノール改質触媒が特に有効なことが解
る。
【0051】4.製造方法による比較 次に、多孔質の金属酸化物からなる担体に貴金属を含浸
担持させた後に2B族または3B族の元素を吸水担持さ
せてなるメタノール改質触媒が特に有効である点につい
て述べる。
【0052】(1)実施例および比較例のメタノール改
質触媒の調製 図4は、実施例の触媒の製造の様子を例示する製造工程
図である。実施例のメタノール改質触媒の製造は、ま
ず、例えば二酸化セリウム(CeO),二酸化ジルコ
ニウム(ZrO),二酸化チタン(TiO),酸化
アルミニウム(Al),二酸化ケイ素(Si
)などの多孔質の金属酸化物に、例えば白金やパラ
ジウムなどの貴金属を含浸担持させ(工程S20)、乾
燥し、焼成する(工程S22)。次に、この焼成したも
のに亜鉛やガリウム,インジウムなどの2B族または3
B族に属する元素を吸水担持させ(工程S24)、乾燥
し、焼成して(工程S26)、メタノール改質触媒を完
成する。
【0053】具体的な実施例としての第16実施例のメ
タノール改質触媒の調製は、まず、コージュライト製の
モノリス担体に二酸化ジルコニウム(ZrO)のスラ
リーを240g/lコートし、110℃で3時間乾燥し
た後に300℃で1時間焼成して担体を得る。この担体
にジニトロジアミン白金硝酸溶液を含浸させて白金を3
0g/l担持させ、110℃で3時間乾燥し、300℃
で1時間焼成する。その後、この焼成したものに硝酸イ
ンジウム溶液を吸水させてインジウムを30g/l担持
させ、これを110℃で3時間乾燥し、300℃で1時
間焼成して完成する。
【0054】比較例としての第5比較例のメタノール改
質触媒は、同様に調製した担体に硝酸インジウム溶液を
吸水させてインジウムを30g/l担持させ、110℃
で3時間乾燥し300℃で1時間焼成した後に、ジニト
ロジアミン白金硝酸溶液を吸水させて白金を30g/l
担持させ、110℃で3時間乾燥し300℃で1時間焼
成して得られたものを用いる。
【0055】第6比較例のメタノール改質触媒は、同様
に調製した担体に硝酸インジウム溶液を吸水させてイン
ジウムを30g/l担持させ、110℃で3時間乾燥し
300℃で1時間焼成した後に、ジニトロジアミン白金
硝酸溶液を含浸させて白金を30g/l担持させ、11
0℃で3時間乾燥し300℃で1時間焼成して得られた
ものを用いる。
【0056】第7比較例のメタノール改質触媒は、同様
に調製した担体にジニトロジアミン白金硝酸溶液を吸水
させて白金を30g/l担持させ、110℃で3時間乾
燥し300℃で1時間焼成した後に、硝酸インジウム溶
液を吸水させてインジウムを30g/l担持させ、11
0℃で3時間乾燥し300℃で1時間焼成して得られる
ものを用いる。
【0057】(2)評価方法と実験結果 上述の第16実施例のメタノール改質触媒と第5比較例
ないし第7比較例のメタノール改質触媒に対して、メタ
ノールのモル数に対する水のモル数の比(HO/CH
OH)が値2.0でメタノール中の炭素原子の数に対
する酸素原子の数の比(O/C)が0.21となる混合
ガスを調製し、この混合ガスをメタノールに対する液空
間速度(LHSV)が2[1/h]となり、改質反応層
の流入口の混合ガスの温度が250℃で出口のガスの温
度が250℃となる条件でメタノールを水蒸気改質し
た。その結果を表2および図5に示す。図5は、初期に
おけるメタノール改質性能と400℃や500℃で耐久
試験として行なったときのメタノール改質性能とを例示
する説明図である。メタノール改質率は反応層で改質反
応を生じたメタノールの比率である。
【0058】
【表2】
【0059】図5から解るように、第16実施例のメタ
ノール改質触媒は、第5比較例ないし第7比較例のメタ
ノール改質触媒に比して良好なメタノール改質率を示
す。これは、表2から解るように、第16実施例のメタ
ノール改質触媒が担持している白金の粒径が第5比較例
ないし第7比較例のメタノール改質触媒のそれに比して
小さいことに基づくと考えられる。即ち、白金の分散性
を高くすることにより、触媒としての効率が高くなり、
メタノール改質率を向上させることができると考えられ
るからである。
【0060】以上説明した第16実施例のメタノール改
質触媒では、貴金属として白金を用い2B族または3B
族の元素としてインジウムを用いたが、パラジウムなど
の他の貴金属を用いたり、亜鉛やガリウムなどの他の2
B族または3B族の元素を用いるものとしても同様であ
る。
【0061】B.貴金属,2B族または3B族の元素,
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の元素を担持して
なる触媒
【0062】1.実施例のメタノール改質触媒と比較例
のメタノール改質触媒の調製 貴金属,2B族または3B族の元素,アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の元素を担持してなる触媒の調製
は、図6に例示する触媒の製造工程に基づいて行なわれ
る。まず、二酸化セリウム(CeO)や二酸化ジルコ
ニウム(ZrO)等の多孔質の金属酸化物からなる担
体としての粉末にアルカリ金属またはアルカリ土類金属
に属する元素を含む溶液を含浸させてアルカリ金属また
はアルカリ土類金属を担持させ(工程S30)、これを
乾燥の後に焼成する(工程S32)。こうして得られた
焼成粉末に貴金属と2B族または3B族に属する元素と
の溶液を含浸させて貴金属と2B族または3B族に属す
る元素を担持させ(工程S34)、これを乾燥の後に焼
成し(工程S36)、所定の形状に成形して(工程S3
8)、完成する。具体的には、以下の通りである。
【0063】(1)第17実施例のメタノール改質触媒 二酸化セリウム(CeO)の粉末240gに硝酸カリ
ウム水溶液を含浸させてカリウムを0.05mol担持
させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、300
℃で1時間焼成する。この焼成粉末にジニトロジアミン
白金硝酸溶液と硝酸インジウム溶液とを含浸させて白金
とインジウムとをそれぞれ30g(10wt%相当)担
持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、50
0℃の温度で1時間焼成する。そして得られた粉末を1
〜3mm程度の大きさのペレットとして第17実施例の
メタノール改質触媒を得る。
【0064】(2)第18実施例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末240gに硝酸
カルシウム水溶液を含浸させてカルシウムを0.05m
ol担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後
に、300℃で1時間焼成する。この焼成粉末にジニト
ロジアミン白金硝酸溶液と硝酸インジウム溶液とを含浸
させて白金とインジウムとをそれぞれ30g(10wt
%相当)担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた
後に、500℃の温度で1時間焼成する。そして得られ
た粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットとして第1
8実施例のメタノール改質触媒を得る。
【0065】(3)第19実施例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末240gに硝酸
マグネシウム水溶液を含浸させてマグネシウムを0.0
5mol担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた
後に、300℃で1時間焼成する。この焼成粉末に硝酸
パラジウム溶液と硝酸亜鉛溶液とを含浸させてパラジウ
ムと亜鉛とをそれぞれ30g(10wt%相当)担持さ
せ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、500℃
の温度で1時間焼成する。そして得られた粉末を1〜3
mm程度の大きさのペレットとして第19実施例のメタ
ノール改質触媒を得る。
【0066】(4)第20実施例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末240gに硝酸
カリウム水溶液を含浸させてカリウムを0.05mol
担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、3
00℃で1時間焼成する。この焼成粉末にジニトロジア
ミン白金硝酸溶液と硝酸インジウム溶液とを含浸させて
白金とインジウムとをそれぞれ30g(10wt%相
当)担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後
に、500℃の温度で1時間焼成する。そして得られた
粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットとして第20
実施例のメタノール改質触媒を得る。
【0067】(5)第21実施例のメタノール改質触媒 二酸化セリウム(CeO)の粉末240gに硝酸カル
シウム水溶液を含浸させてカルシウムを0.05mol
担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、3
00℃で1時間焼成する。この焼成粉末にジニトロジア
ミン白金硝酸溶液と硝酸ガリウム溶液とを含浸させて白
金とガリウムとをそれぞれ30g(10wt%相当)担
持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後に、50
0℃の温度で1時間焼成する。そして得られた粉末を1
〜3mm程度の大きさのペレットとして第21実施例の
メタノール改質触媒を得る。
【0068】(6)第8比較例のメタノール改質触媒 二酸化セリウム(CeO)の粉末240gにジニトロ
ジアミン白金硝酸溶液と硝酸インジウム溶液とを含浸さ
せて白金とインジウムとをそれぞれ30g(10wt%
相当)担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後
に、500℃の温度で1時間焼成する。そして得られた
粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットとして第8比
較例のメタノール改質触媒を得る。
【0069】(7)第9比較例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末240gにジニ
トロジアミン白金硝酸溶液と硝酸インジウム溶液とを含
浸させて白金とインジウムとをそれぞれ30g(10w
t%相当)担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させ
た後に、500℃の温度で1時間焼成する。そして得ら
れた粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットとして第
9比較例のメタノール改質触媒を得る。
【0070】(8)第10比較例のメタノール改質触媒 二酸化セリウム(CeO)の粉末240gにジニトロ
ジアミン白金硝酸溶液と硝酸インジウム溶液とを含浸さ
せて白金とインジウムとをそれぞれ30g(10wt%
相当)担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後
に、500℃の温度で1時間焼成する。この焼成粉末に
硝酸カリウム水溶液を含浸させてカリウムを0.05m
ol担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させた後
に、300℃で1時間焼成する。そして得られた粉末を
1〜3mm程度の大きさのペレットとして第10比較例
のメタノール改質触媒を得る。
【0071】(9)第11比較例のメタノール改質触媒 二酸化ジルコニウム(ZrO)の粉末240gにジニ
トロジアミン白金硝酸溶液と硝酸インジウム溶液とを含
浸させて白金とインジウムとをそれぞれ30g(10w
t%相当)担持させ、110℃の温度で3時間乾燥させ
た後に、500℃の温度で1時間焼成する。この焼成粉
末に硝酸カルシウム水溶液を含浸させてカルシウムを
0.05mol担持させ、110℃の温度で3時間乾燥
させた後に、300℃で1時間焼成する。そして得られ
た粉末を1〜3mm程度の大きさのペレットとして第1
1比較例のメタノール改質触媒を得る。
【0072】2.評価方法と実験結果 上述の第17実施例ないし第21実施例のメタノール改
質触媒と第8比較例ないし第11比較例のメタノール改
質触媒に対して、メタノールのモル数に対する水のモル
数の比(HO/CHOH)が値2.0でメタノール
中の炭素原子の数に対する酸素原子の数の比(O/C)
が0.23となる混合ガスを調製し、この混合ガスをメ
タノールに対する液空間速度(LHSV)が2[1/
h]となり、改質反応層の流入口の混合ガスの温度およ
び出口のガスの温度が共に250℃となる条件でメタノ
ールを水蒸気改質した。その結果を次表3に示す。な
お、表3中、メタノール改質率は反応層で改質反応を生
じたメタノールの比率である。
【0073】
【表3】
【0074】表から解るように、第17実施例ないし第
21実施例のメタノール改質触媒は、第8比較例および
第9比較例の貴金属と2B族または3B族の元素とを担
持してなる触媒(第1実施例ないし第16実施例に相当
する触媒)と同様に高いメタノール改質率を有し、第8
比較例および第9比較例に比してCO濃度が低い。した
がって、第17実施例ないし第21実施例のメタノール
改質触媒は、貴金属や2B族または3B族の元素に加え
てアルカリ金属やアルカリ土類金属を担持することによ
り、メタノールの水蒸気改質反応を高効率で行なうこと
ができると共に、得られる水素含有ガス中の一酸化炭素
濃度を低く抑えることができると言える。
【0075】また、貴金属や2B族または3B族の元素
に加えてアルカリ金属やアルカリ土類金属を担持してな
る触媒としても第10比較例や第11比較例のメタノー
ル改質触媒のように、貴金属や2B族または3B族の元
素を担持してからアルカリ金属やアルカリ土類金属を担
持すると、メタノール改質率の低下が認められる。これ
は、後から担持したアルカリ金属やアルカリ土類金属が
貴金属や2B族または3B族の元素のメタノール改質触
媒としての機能を阻害しているものと考えられる。これ
に比して、第17実施例ないし第21実施例のメタノー
ル改質触媒のように、アルカリ金属やアルカリ土類金属
を担持した後に貴金属や2B族または3B族の元素を担
持すれば、アルカリ金属やアルカリ土類金属による貴金
属や2B族または3B族の元素のメタノール改質触媒と
しての機能の阻害は生じることなく良好なメタノール改
質率を呈し、アルカリ金属やアルカリ土類金属を担持す
ることにより得られる水素含有ガス中の一酸化炭素濃度
をより低く抑えることができる。
【0076】各実施例のメタノール改質触媒は、水蒸気
を用いてメタノールを改質する触媒として用いたが、メ
タノール以外の炭化水素系の燃料(例えば、メタンな
ど)を改質する触媒として用いるものとしてもよい。
【0077】以上、本発明の実施の形態について実施例
を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 貴金属と2B族または3B族の元素とを担持
してなる触媒の製造工程の様子を例示する工程図であ
る。
【図2】 第11実施例ないし第15実施例のメタノー
ル改質触媒の初期のメタノール改質率を例示するグラフ
である。
【図3】 第11実施例ないし第15実施例のメタノー
ル改質触媒の耐久性能試験の結果を例示するグラフであ
る。
【図4】 多孔質の金属酸化物からなる担体に貴金属を
含浸担持させた後に2B族または3B族の元素を吸水担
持させてなる触媒の製造の様子を例示する製造工程図で
ある。
【図5】 初期におけるメタノール改質性能と400℃
や500℃で耐久試験として行なったときのメタノール
改質性能とを例示する説明図である。
【図6】 貴金属,2B族または3B族の元素,アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の元素を担持してなる触
媒の製造工程の様子を例示する工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G040 EA02 EA06 EB22 EC03 EC04 EC05 EC08 4G069 AA03 AA08 AA15 BB12B BC01A BC01B BC01C BC03A BC03B BC03C BC08A BC08B BC08C BC09A BC09B BC09C BC10A BC10B BC10C BC15A BC15B BC15C BC17A BC17B BC17C BC18A BC18B BC18C BC34A BC34B BC34C BC35A BC35B BC35C BC43A BC43B BC43C BC50A BC50B BC50C BC51A BC51B BC51C BC69A BC69B BC69C BC72A BC72B BC72C BC75A BC75B BC75C CC25 EA02Y EA18 EA19 EB18Y EE08 FA01 FB14 FB30 FB44

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質の金属酸化物からなる担体に貴金
    属と2B族および/または3B族に属する元素の少なく
    とも一つとを担持してなる触媒。
  2. 【請求項2】 多孔質の金属酸化物からなる担体に、貴
    金属と、2B族および/または3B族に属する元素の少
    なくとも一つと、アルカリ金属および/またはアルカリ
    土類金属に属する元素の少なくとも一つとを担持してな
    る触媒。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ金属および/またはアルカ
    リ土類金属に属する元素の少なくとも一つを多孔質の金
    属酸化物からなる担体に担持した後に、該担体に貴金属
    と2B族および/または3B族に属する元素の少なくと
    も一つとを担持させてなる触媒。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ金属および/またはアルカ
    リ土類金属に属する元素は、カリウム,マグネシウム,
    カルシウムのうち少なくとも一つである請求項2または
    3記載の触媒。
  5. 【請求項5】 前記2B族および/または3B族に属す
    る元素は、亜鉛,ガリウム,インジウムのうち少なくと
    も一つである請求項1ないし4いずれか記載の触媒。
  6. 【請求項6】 前記貴金属は、白金またはパラジウムの
    いずれか一方である請求項1ないし5いずれか記載の触
    媒。
  7. 【請求項7】 前記多孔質の金属酸化物は、塩基性の金
    属酸化物である請求項1ないし6いずれか記載の触媒。
  8. 【請求項8】 前記塩基性の金属酸化物は、二酸化セリ
    ウム(CeO),二酸化ジルコニウム(ZrO),
    二酸化チタン(TiO)のいずれかである請求項7記
    載の触媒。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし4いずれか記載の触媒で
    あって、 前記2B族および/または3B族に属する元素はインジ
    ウムであり、 前記貴金属は白金である触媒。
  10. 【請求項10】 前記多孔質の金属酸化物は、二酸化セ
    リウム(CeO),二酸化ジルコニウム(Zr
    ),二酸化チタン(TiO)のいずれかである請
    求項9記載の触媒。
  11. 【請求項11】 前記多孔質の金属酸化物は二酸化ジル
    コニウム(ZrO)である請求項9記載の触媒。
  12. 【請求項12】 前記触媒は、水蒸気を用いてメタノー
    ルを水素含有ガスに改質する反応に用いられる触媒であ
    る請求項1ないし11いずれか記載の触媒。
  13. 【請求項13】 前記触媒は、水素を製造するための触
    媒である請求項1ないし11いずれか記載の触媒。
  14. 【請求項14】 触媒の製造方法であって、 多孔質の金属酸化物からなる担体にアルカリ金属および
    /またはアルカリ土類金属に属する元素の少なくとも一
    つを担持させる第1担持工程と、 該アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属に属す
    る元素の少なくとも一つを担持した前記担体に貴金属と
    2B族および/または3B族に属する元素の少なくとも
    一つとを担持させる第2担持工程とを備える触媒の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の触媒の製造方法であ
    って、 前記第1担持工程は、前記多孔質の金属酸化物からなる
    担体として二酸化セリウム(CeO),二酸化ジルコ
    ニウム(ZrO),二酸化チタン(TiO)のいず
    れかからなる担体に、前記アルカリ金属および/または
    アルカリ土類金属に属する元素としてカリウム,マグネ
    シウム,カルシウムのうち少なくとも一つを担持させる
    工程であり、 前記第2担持工程は、前記貴金属として白金またはパラ
    ジウムのいずれか一方を前記2B族および/または3B
    族に属する元素として亜鉛,ガリウム,インジウムのう
    ち少なくとも一つと共に担持させる工程である触媒の製
    造方法。
  16. 【請求項16】 触媒の製造方法であって、 多孔質の金属酸化物からなる担体に貴金属を含浸担持さ
    せる第1担持工程と、 該貴金属を担持した担体に2B族および/または3B族
    に属する元素の少なくとも一つを吸水担持させる第2担
    持工程とを備える触媒の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の触媒の製造方法であ
    って、 前記第1担持工程は、前記多孔質の金属酸化物からなる
    担体として二酸化セリウム(CeO),二酸化ジルコ
    ニウム(ZrO),二酸化チタン(TiO)のいず
    れかからなる担体に、前記貴金属として白金またはパラ
    ジウムのいずれか一方を担持させる工程であり、 前記第2担持工程は、前記2B族および/または3B族
    に属する元素として亜鉛,ガリウム,インジウムのうち
    少なくとも一つを担持させる工程である触媒の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100579945B1 (ko) * 2004-02-06 2006-05-15 (주)에너피아 일산화탄소의 수성반응용 촉매
KR100651785B1 (ko) 2005-12-22 2006-12-01 재단법인 포항산업과학연구원 일산화탄소 제거용 산화 촉매 및 이를 이용한 일산화탄소제거 방법
KR100723392B1 (ko) 2006-02-02 2007-05-30 삼성에스디아이 주식회사 복합 산화물 담지체, 저온 쉬프트 반응 촉매 및 그의 제조방법
JP2012528007A (ja) * 2009-05-26 2012-11-12 ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション メタノール水蒸気改質触媒

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