JP2001231680A - 調理釜装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食材のカット、攪拌に際し、食材表面からの
空気の引き込みやキャビテーションによる気泡発生の抑
制を可能とする。 【解決手段】 食材を調理する加熱釜１と、該加熱釜１
内に、カッター支持部が上下方向に沿って配置され回転
自在に支持されたカッター軸７と、カッター軸７を、回
転駆動するカッター駆動部３１と、カッター軸７に、一
体回転可能に支持され表面にカッター刃４１ｃ、４３ｃ
を備えて食材をカット、攪拌する回転板状のカッター３
９ａ，３９ｂとを備え、カッター３９ａ，３９ｂを食材
中の上位側となる位置に配置すると共にカッター３９
ａ，３９ｂの上面に平面部４５、４７を設けたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、食材をカット攪拌
調理する調理釜装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の調理釜装置としては、例えば実開
昭６２−４３６２８号公報に記載された加熱攪拌装置が
ある。この加熱攪拌装置では、加熱釜に対して斜めに配
置された攪拌軸に円弧状の支持桿が備えられ、この円弧
状の支持桿に複数の掻取羽根が取り付けられている。ま
た、加熱釜内に、カッターを備えたカッター軸が上下方
向に沿って配置されている。

【０００３】そして、回転駆動部による攪拌軸の駆動に
より支持桿が回転すると共に、掻取羽根が加熱釜の底部
内面を掻き取り摺動する。また、カッター駆動部による
カッター軸の駆動によりカッターが回転する。従って、
加熱釜内の食材は、加熱釜を介して加熱されながら支持
桿の回転及び掻取羽根の掻き取り摺動により攪拌調理さ
れ、加熱釜の底部は、掻取羽根によって十分に掻き取ら
れる。さらに、カッターの回転により、加熱攪拌されて
いる食材をカット、攪拌することができ、水飴等粘性の
高い食材、粉体の混入した食材、固形成分の多い食材等
であっても、食材の攪拌仕上げ状態を適正にすることが
できる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記加
熱攪拌装置に設けられているカッターは、円板状のカッ
ターの上下両面にカッター刃が設けられているため、食
材をカット、攪拌するには適しているが、カッター刃の
動きに伴って負圧を招き、キャビテーションを生ずる恐
れがある。このキャビテーションを生ずると、食材中に
気泡が発生、混在し、加熱攪拌調理された食材の品質を
低下させる恐れがある。

【０００５】又、カッターが、加熱釜内に投入された食
材の上面に対し、近接して配置されている場合には、上
下面のカッター刃の回転による遠心力作用によって、食
材がカッターの回転半径方向へ移動し、この食材の移動
によってカッター直上部の食材表面がカッター刃側に引
き込まれ、同時に空気を引き込んでしまうという問題が
ある。このようにして空気を引き込んでしまうと、前記
キャビテーションと同様に、加熱攪拌調理された食品の
品質を低下させてしまうという問題がある。

【０００６】本発明は、カッターの回転によるキャビテ
ーション発生を抑制することができ、また食材表面から
の空気の引き込みを抑制することのできる調理釜装置の
提供を課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、食材
を投入して調理するための調理釜と、該調理釜内に、カ
ッター支持部が上下方向に沿って配置され回転自在に支
持されたカッター軸と、該カッター軸を、回転駆動する
カッター駆動部と、前記カッター軸に、一体回転可能に
支持され表面にカッター刃を備えて前記食材をカット、
攪拌する回転板状のカッターとを備え、該カッターを前
記食材中の上位側となる位置に配置すると共に該カッタ
ーの上面側に該カッターと一体又は別体の平面部を設け
たことを特徴とする。

【０００８】請求項２の発明は、請求項１記載の調理用
鍋装置であって、前記カッターは、上下所定間隔で複数
段備えられ、該複数段のカッターのうち少なくとも最上
段のカッターを前記食材中の上位側となる位置に配置す
ると共に該最上段のカッターの上面側に該カッターと一
体又は別体の平面部を設けたことを特徴とする。

【０００９】請求項３の発明は、請求項１又は２記載の
調理用鍋装置であって、前記平面部は、前記カッターの
上面であることを特徴とする。

【００１０】請求項４の発明は、食材を投入して調理す
るための調理釜と、該調理釜内に、カッター支持部が上
下方向に沿って配置され回転自在に支持されたカッター
軸と、該カッター軸を、回転駆動するカッター駆動部
と、前記カッター軸に、一体回転可能に支持され表面に
カッター刃を有して前記食材をカット、攪拌する回転板
状のカッターとを備え、該カッターの上面又は下面の一
方を、平面部としたことを特徴とする。

【００１１】請求項５の発明は、請求項１〜４のいずれ
かに記載の調理釜装置であって、前記調理釜は、少なく
とも底部内面が球面状に形成され少なくとも底部が加熱
される加熱釜であり、該加熱釜内に作用部が挿入配置さ
れ回転駆動部によって回転駆動される攪拌軸と、該攪拌
軸に取り付けられ前記攪拌軸の回転により前記少なくと
も底部内面を掻き取り摺動する掻取羽根を所定間隔で有
する支持桿とを備えたことを特徴とする。

【００１２】請求項６の発明は、請求項５記載の調理釜
装置であって、前記攪拌軸は、前記加熱釜に対して斜め
に配置されたことを特徴とする。

【００１３】

【発明の効果】請求項１の発明では、調理釜内に食材を
投入して、カッター駆動部によりカッター軸を回転駆動
すると、カッター刃を備えたカッターが一体回転し、食
材をカット、攪拌することができる。そして、カッター
を食材中の上位側に配置しているため、カッターの回転
によって食材の上位側でカット、攪拌することができ
る。この場合、カッターの上面側にカッターと一体又は
別体の平面部を設けたので、カッター上面側の平面部上
側ではカッター回転による食材の遠心力の影響が弱くな
り、カッターによる食材表面の引き込みが抑制され、食
材表面から空気を引き込むのを抑制し、食材の品質を向
上させることができる。

【００１４】請求項２の発明では、請求項１の発明の効
果に加え、カッターは上下所定間隔で複数段備えられ、
複数段のカッターのうち少なくとも最上段のカッターを
食材中の上位側に配置しているため、食材の上位側から
下方にかけて食材をカット、攪拌することができる。し
かも上位側に配置した最上段のカッターの上面側にカッ
ターと一体又は別体の平面部を設けたため、カッターの
回転による食材表面からの空気の引き込みを抑制し、食
材の品質を向上させることができる。

【００１５】請求項３の発明では、請求項１又は２の発
明の効果に加え、平面部はカッターの上面であるため、
カッターの製造が容易であり、部品点数を少なくするこ
とができる。

【００１６】請求項４の発明では、カッターの上面又は
下面の一方を平面部としたため、カッターの回転により
食材のカット、攪拌を行うことができると共に、上面又
は下面の一方において負圧の発生を抑制し、キャビテー
ションを招くことによる気泡の発生を抑制し、食材の品
質向上を図ることができる。

【００１７】請求項５の発明では、請求項１〜４の何れ
かの発明の効果に加え、回転駆動部によって攪拌軸を回
転すると、支持桿が回転し、加熱釜を介して食材を加熱
しながら攪拌することができる。又、掻取羽根が底部内
面を掻き取り摺動し、底部内面に食材が付着するのを抑
制することができる。従って、食材が加熱攪拌され、流
動しやすくキャビテーションによる気泡発生や食材表面
からの空気の引き込みを起こしやすくなっている状態に
おいて、前記カッターの平面部によりこれを確実に抑制
し、全体として食材の品質を大幅に向上することができ
る。

【００１８】請求項６の発明では、請求項５の発明の効
果に加え、攪拌軸は加熱釜に対して斜めに配置され、食
材の流動性がより促進され、キャビテーションによる気
泡発生を招きやすい状態や、食材表面からの空気の引き
込みを起こしやすい状態において、上記カッター上側の
平面部によってこれを確実に抑制し、全体として食材の
品質を大幅に向上することができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】（第１実施形態）図１〜図４は本
発明の第１実施形態を示している。先ず、図１は本発明
の第１実施形態に係る概略断面図、図２は同平面図であ
る。この図１、図２において、調理釜装置は加熱攪拌装
置として構成したもので、この加熱攪拌装置は加熱釜１
と、攪拌軸３と、支持桿５と、カッター軸７とを備えて
いる。

【００２０】前記加熱釜１は、食材を投入して調理する
ための調理釜を構成するもので、少なくとも底部内面が
球面状に形成され、少なくとも底部が加熱される構成と
なっている。すなわち、加熱釜１は筒状の胴部９と、半
球状の底部１１とが一体に構成され、底部１１側の外面
周囲に例えばジャケット（図示せず）が閉断面で設けら
れている。ジャケットには、外部から加熱用の蒸気が給
排されるようになっている。但し、ジャケットを設けず
に電気あるいはガス等によって底部９を加熱する構成に
することもできる。又、加熱釜１は例えば脚などを介し
てベース状に支持されている。

【００２１】前記加熱釜１の上端には、蓋体１３が取り
つけられている。蓋体１３は中央で分割され、固定部１
５と、可動部１７とで構成され、両者がヒンジ部１９で
結合されている。可動部１７には取手２１ａ，２１ｂが
取り付けられ、この取手２１ａ，２１ｂを把持して可動
部１７をヒンジ１９を支点にして上方へ開くことができ
る。

【００２２】前記攪拌軸３は、その作用部が前記加熱釜
１内に挿入配置され、回転駆動部２３によって回転駆動
される構成となっている。この攪拌軸３は、加熱釜１に
対して斜めに配置され、その上端は回転駆動部２３に連
動連結されている。回転駆動部２３は、例えば電動モー
タによって構成され、前記蓋体１３の固定部１５に支持
されている。

【００２３】前記支持桿５は前記攪拌軸３に取り付けら
れ、該攪拌軸３の回転により少なくとも底部９内面を掻
き取り摺動する複数の掻取羽根２５を所定間隔で規定位
置に備えている（図４参照）。但し、図１では１組の掻
取羽根２５のみを示している。

【００２４】前記カッター軸７は、前記加熱釜１内にカ
ッター支持部が上下方向、例えば鉛直方向に沿って配置
され、回転自在に支持されている。なお、カッター軸７
は上下方向に沿って配置されるものであれば、多少斜め
に配置することも可能である。

【００２５】前記カッター軸７の支持は、その上部が軸
受体２７に回転自在に支持されたものである。軸受体２
７は、前記蓋体１３の固定部１５に取り付けられた伝導
ケース２９に支持されている。

【００２６】前記カッター軸７は、カッター駆動部３１
によって回転駆動されるようになっている。カッター駆
動部３１は、前記伝導ケース２９に支持されたモータ３
３を備えている。モータ３３には駆動プーリ３５が取り
付けられ、前記カッター軸７の上端に取り付けられた従
動プーリ３６との間にＶベルトなどの伝導ベルト３７が
巻き回されている。

【００２７】前記カッター軸７には、カッター３９ａ，
３９ｂが備えられている。カッター３９ａ，３９ｂは、
上下所定間隔で複数段、例えば２段備えられている。こ
の２段のカッター３９ａ，３９ｂのうち最上段のカッタ
ー３９ａは、食材中の上位側となる位置に配置する構成
となっている。例えば本実施形態において、最上段のカ
ッター３９ａは、底部１１の半球の曲率中心と略同一の
上下位置の配置となっている。

【００２８】前記下段のカッター３９ｂは、加熱釜１の
底部１１内下部に配置され、支持桿５に近接配置されて
いる。

【００２９】前記カッター３９ａ，３９ｂは、図３のカ
ッター軸及びカッター刃の説明図及び図４の駆動部を省
略した概略断面図のようになっている。すなわち、前記
カッター３９ａ，３９ｂはボス部４１ａと回転板部とし
ての円板部４１ｂとを備え、円板部４１ｂの下面に複数
のカッター刃４１ｃが突設されている。前記カッター３
９ｂも上段のカッター３９ａと略同様に構成され、ボス
部４３ａと円板部４３ｂとからなり、円板部４３ｂの下
面にカッター刃４３ｃを備えている。前記上段のカッタ
ー３９ａは、下段のカッター３９ｂよりも直径が若干大
きく形成されている。具体的には、カッター３９ａの直
径は、１００ｍｍ〜３００ｍｍに形成され、カッター３
９ｂの直径はこれよりも小さく形成されている。但し、
カッター３９ａ，３９ｂの大きさの関係は特に限定され
ず、下段のカッター３９ｂの直径を、上段のカッター３
９ａの直径よりも若干大きく形成することもでき、また
両者同一径に形成することもできる。また、カッター３
９ａ，３９ｂの回転数は１０００〜３０００ｒｐｍに設
定されている。なお、円板部４１ｂ，４３ｂは、必ずし
も円板に限らず、三角形板、四角形板など、多角形板と
して構成することもできる。かかる多角形板の場合は、
外周部においても食材をカット、攪拌することが可能と
なる。

【００３０】そして、前記最上段のカッター３９ａの上
面側には、カッター３９ａと一体の平面部４５が形成さ
れている。すなわち、カッター３９ａの円板部４１ｂの
上面が平面部４５として構成されている。但し、平面部
４５はカッター３９ａの円板部４１ｂ上面に直接設ける
ことなく、カッター３９ａの上面にカッター刃４１ｃと
同様なカッター刃を突設し、さらにその上に円板を設
け、該円板の上面で前記平面部４５を構成することもで
きる。この場合、円板とカッター刃は近接させ、あるい
は若干離すこともできる。前記上段のカッター３９ａと
食材４９の表面４９ａとの関係は、表面４９ａとカッタ
ー３９ａの平面部４５との距離がほぼ１００ｍｍとなる
ように設定されている。前記下段のカッター３９ｂの上
面である円板部４３ｂ上面は、カッター３９ａと同様に
平面部４７として構成されている。

【００３１】そして、回転駆動部２３によって攪拌軸３
を回転させると、支持桿５が回転し、加熱釜１内の食材
は加熱釜１を介した加熱を受けながら攪拌調理される。

【００３２】一方、カッター駆動部３１のモータ３３の
回転駆動によって、駆動プーリ３５が回転し、ベルト３
７を介し従動プーリ３６が回転する。この従動プーリ３
６の回転によって、カッター軸７が回転し、例えば３０
００ｒｐｍなどの回転数によって駆動される。かかる回
転駆動によって、カッター３９ａ，３９ｂも一体回転
し、前記加熱攪拌調理とともにカッター刃４１ｃ，４３
ｃの作用により、食材４９はさらにカット、攪拌される
ことになる。このカッター３９ａ，３９ｂのカット、攪
拌により、粉体の混入した食材４９中のいわゆる「だ
ま」の発生などを抑制し、また水飴等粘性の高い食材４
９、固形成分の多い食材４９等であっても十分にカッ
ト、攪拌することができ、食材の品質をより向上させる
ことができる。しかも、上段のカッター３９ａと下段の
カッター３９ｂとにより、食材４９の上下においてカッ
ト、攪拌することができ、食材４９の品質を全体的に向
上させることができる。

【００３３】ここで、上段のカッター３９ａの回転によ
って、カッター刃４１ｃの作用により、食材４９が遠心
力によって横方向への移動力を受けることになるが、カ
ッター３９ａの上面が平面部４５として構成されている
ため、平面部４５上では遠心力の作用が極めて少なくな
る。このためカッター３９ａの回転によって食材４９の
表面４９ａがカッター３９ａに向かって下方へ引き込ま
れるのが抑制され、表面４９ａから空気を引き込むのを
抑制することができる。従って、食材４９に空気の混入
を招くのを抑制し、品質のさらなる向上を図ることがで
きる。

【００３４】又、下段のカッター３９ｂの上面を平面部
４７としているため、カッター刃４３ｃの回転によっ
て、カット、攪拌を促進しながら上面では平面部４７が
回転するだけであるため、カッター刃の回転による負圧
の発生がなく、キャビテーションによる気泡の混在を招
くのを抑制することができる。従って、食材４９の内部
においても気泡発生を抑制し、全体として加熱攪拌調理
される食材４９の品質を大幅に向上することができる。

【００３５】しかも、攪拌軸３が斜めに配置されて加熱
攪拌される場合、食材４９の攪拌流動が高く、キャビテ
ーションが起こりやすいと共に、表面４９ａがカッター
３９ａ側に引き込まれやすくなる。しかし、上記構造に
よってこれを確実に抑制し、品質を確実に向上すること
ができる。従って、全体として加熱攪拌調理における食
材４９の品質を大幅に向上することができる。

【００３６】図５は、上記実施形態の変形例に係る実施
形態を示す概略断面図である。本実施形態においては、
攪拌軸３を垂直方向に配置し、支持桿５をこれに合わせ
て形成したものである。従って、本実施形態において
も、攪拌軸３の回転による加熱攪拌と、カッター軸７の
回転によるカット、攪拌により食材を調理することがで
きると共に、平面部４５，４７によって空気の引き込
み、気泡発生を抑制し、上記同様の効果を奏することが
できる。 （第２実施形態）図６〜図８は本発明の第２実施形態を
示し、図６は斜め軸の場合の概略断面図、図７は垂直軸
の場合の概略断面図、図８はカッターを説明する拡大図
である。なお、第１実施形態と対応する構成部分には同
符号を付して説明し、重複した説明は省略する。

【００３７】本実施形態においては、図６の攪拌軸３が
加熱釜１に対し斜めに配置された場合、図７の鉛直方向
に配置された場合のいずれにおいても、カッター軸７に
上記第１実施形態の下段に相当するカッター３９ｂのみ
を設けたものである。そして、カッター３９ｂの上面は
平面部４７となっている。

【００３８】本実施形態においても、カッター軸７が高
速で回転することによって発生しようとするキャビテー
ションによる気泡が、平面部４７によって上記同様に抑
制され、食材の品質向上を図ることができる。

【００３９】なお、キャビテーションによる気泡発生の
抑制は、上面の平面部４７に限らず、カッター３９ｂの
下面を平面部４７として構成し、上面にカッター刃４３
ｃを設ける構成にすることもできる。この場合でも上面
のカッター刃４３ｃによって食材をカット、攪拌するこ
とができると共に、下面の平面部４７によってキャビテ
ーションによる気泡発生を抑制し、食材の品質向上を図
ることができる。又、カッター３９ｂが食材４９の表面
４９ａから十分離れた位置に配置されているため、上面
側にカッター刃４３ｃを設けても表面４９ａの引き込み
を招くことはない。 （第３実施形態）図９は、本発明の第３実施形態に係る
概略断面図を示している。なお、第１実施形態と対応す
る構成部分には同符号を付し、また重複した説明は省略
する。

【００４０】本実施形態は、前記図７の実施形態と同様
のカッター軸７、カッター３９ｂを備えている。カッタ
ー軸７の上端には、前記同様に蓋体１３に取り付けられ
たカッター駆動部が連動連結されている。

【００４１】一方、本実施形態では攪拌軸３が加熱釜１
の底部１１から外部に突出している。この攪拌軸３は加
熱釜１内の軸支部５１に回転自在に支持されている。軸
支部５１は、底部１１内面に一体的に設けられている。
攪拌軸３と軸支部５１内面との間は、例えば軸支部５１
上下部においてシール部材が介設され、加熱釜１内の食
材が軸支部５１内に入り込まないようにしている。

【００４２】前記攪拌軸３の上端には連結ブロック５３
が取り付けられている。連結ブロック５３には支持桿５
５の上端が結合され、支持桿５５の下部側端部には紙面
直行方向の断面がコの字状の支持ブラケット５７にテフ
ロンなどで形成された攪拌羽根５９が取り付けられてい
る。

【００４３】前記攪拌軸３の下端には、電動モータなど
で構成された回転駆動部２３が連動連結されている。回
転駆動部２３は、図示しないベースなどに固定され、加
熱釜１の底部１１に対し若干の間隔を有している。従っ
て、加熱釜の底部１１外面に加熱用のジャケットなどを
設ける場合、回転駆動部２３が邪魔になることはない。

【００４４】そして、回転駆動部２３の駆動によって攪
拌軸３が回転し、支持桿５５，攪拌羽根５９が一体に回
転する。また、上記同様、カッター軸７の回転によりカ
ッター３９ｂが回転する。こうして、本実施形態におい
ても加熱釜１内の食材の加熱攪拌、カット、攪拌調理を
上記実施形態同様に行うことができる。また本実施形態
では加熱釜１の上部が簡素化され、カッター軸７の配
置、カッター駆動部３１の大きさ及び配置等の自由度が
大きくなる。

【００４５】図１０は、本実施形態の変形例にかかる実
施形態を示す概略断面図である。本実施形態では、図９
の実施形態に対し、カッター軸７を若干傾斜して配置し
たものである。このようにカッター軸７を若干傾斜して
配置しても上記同様の効果を得ることができる。

【００４６】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではない。例えば、調理釜装置としては、加熱攪拌
装置に適用するものに限らず、食材を投入して調理する
ための調理釜に、カッター軸７及びカッター３９ａ，３
９ｂを設け、あるいはカッター軸７及びカッター３９ｂ
を設ける構成にすることもできる。この場合、調理釜を
加熱しない場合も存在するが、空気の引き込み、キャビ
テーションの抑制を図ることができるのは同様である。
この場合、カッターが若干大型にされるか、複数本のカ
ッター軸が設けられる場合もある。

【００４７】さらに、複数段のカッターを上下所定間隔
で設ける場合には２段に限らず、それ以上の多数段に構
成することもできる。又、カッターを複数段備える場
合、必ずしも同軸上に配置する必要はなく、それぞれ別
に設けられた長さの異なる複数本のカッター軸にそれぞ
れのカッターを別々に取り付け、各別に回転駆動する構
成にすることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態に係る概略断面図であ
る。

【図２】第１実施形態に係り、平面図である。

【図３】第１実施形態に係り、カッター軸及びカッター
刃の説明図である。

【図４】第１実施形態に係り、駆動部を省略した概略断
面図である。

【図５】第１実施形態の変形例に係る実施形態であり、
駆動部を省略した概略断面図である。

【図６】本発明の第２実施形態に係る駆動部を省略した
概略断面図である。

【図７】本発明の第２実施形態に係る駆動部を省略した
概略断面図である。

【図８】本発明の第２実施形態に係り、カッター軸とカ
ッター刃との説明図である。

【図９】本発明の第３実施形態に係る概略断面図であ
る。

【図１０】本発明の第３実施形態の変形例の実施形態に
係る概略断面図である。

【符号の説明】

１ 加熱釜（調理釜） ３ 攪拌軸 ５ 支持桿 ７ カッター軸 １１ 底部 ３１ カッター駆動部 ３９ａ，３９ｂ カッター ４１ｃ，４３ｃ カッター刃 ４５，４７ 平面部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） // Ａ４７Ｊ 44/02 Ａ４７Ｊ 44/02 Ｆターム(参考） 4B053 BA03 BA04 BB01 BC12 BD03 BD12 4B054 AA02 AA06 AC13 BA08 BA12 CA15 CD03 CD07 CE05 CE15 CE20 4G037 CA11 4G078 AA13 AB09 BA03 DA06 DA26 DA28 EA03

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 食材を投入して調理するための調理釜
   と、 該調理釜内に、カッター支持部が上下方向に沿って配置
   され回転自在に支持されたカッター軸と、 該カッター軸を、回転駆動するカッター駆動部と、 前記カッター軸に、一体回転可能に支持され表面にカッ
   ター刃を備えて前記食材をカット、攪拌する回転板状の
   カッターとを備え、 該カッターを前記食材中の上位側となる位置に配置する
   と共に該カッターの上面側に該カッターと一体又は別体
   の平面部を設けたことを特徴とする調理釜装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の調理釜装置であって、 前記カッターは、上下所定間隔で複数段備えられ、 該複数段のカッターのうち少なくとも最上段のカッター
   を前記食材中の上位側となる位置に配置すると共に該最
   上段のカッターの上面側に該カッターと一体又は別体の
   平面部を設けたことを特徴とする調理釜装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載の調理釜装置であっ
   て、 前記平面部は、前記カッターの上面であることを特徴と
   する調理釜装置。
4. 【請求項４】 食材を投入して調理するための調理釜
   と、 該調理釜内に、カッター支持部が上下方向に沿って配置
   され回転自在に支持されたカッター軸と、 該カッター軸を、回転駆動するカッター駆動部と、 前記カッター軸に、一体回転可能に支持され表面にカッ
   ター刃を有して前記食材をカット、攪拌する回転板状の
   カッターとを備え、 該カッターの上面又は下面の一方を、平面部としたこと
   を特徴とする調理釜装置。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかに記載の調理釜
   装置であって、 前記調理釜は、少なくとも底部内面が球面状に形成され
   少なくとも底部が加熱される加熱釜であり、 該加熱釜内に作用部が挿入配置され回転駆動部によって
   回転駆動される攪拌軸と、 該攪拌軸に取り付けられ前記攪拌軸の回転により前記少
   なくとも底部内面を掻き取り摺動する掻取羽根を所定間
   隔で有する支持桿とを備えたことを特徴とする調理釜装
   置。
6. 【請求項６】 請求項５記載の調理釜装置であって、 前記攪拌軸は、前記加熱釜に対して斜めに配置されたこ
   とを特徴とする調理釜装置。