JP2001230178A - 位置決め装置、露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents

位置決め装置、露光装置およびデバイス製造方法

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JP2001230178A
JP2001230178A JP2000036608A JP2000036608A JP2001230178A JP 2001230178 A JP2001230178 A JP 2001230178A JP 2000036608 A JP2000036608 A JP 2000036608A JP 2000036608 A JP2000036608 A JP 2000036608A JP 2001230178 A JP2001230178 A JP 2001230178A
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stage
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fine movement
force
positioning device
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JP2000036608A
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Kotaro Tsui
浩太郎 堆
Kazunori Iwamoto
和徳 岩本
Mitsuru Inoue
充 井上
Hirohito Ito
博仁 伊藤
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Original Assignee
Canon Inc
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステージの駆動反力が他ユニットに影響を与
えず、高精度な位置決め精度を有する位置決め装置を提
供する。 【解決手段】 本発明の位置決め装置は、ベースに設け
られた基準面上を第1方向及び第2方向に移動可能なス
テージと、該ベースと該ステージとの間で駆動力を発生
する駆動装置と、該ベースを前記第1方向に移動可能に
支持する第1構造体と、該第1構造体を前記第2方向に
移動可能に支持する第2構造体とを備えることを特徴と
する。これにより、駆動反力をキャンセルし、高精度な
位置決めを行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目的物を目標位置
に位置決めするための位置決め装置に関する。また、本
発明は、このような位置決め装置を用いた露光装置およ
びデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図13に従来の位置決め装置の概略図を
示す。
【0003】位置決め装置であるXYステージは、Yス
テージ930、Xステージ920および固定ベース90
1からなる。Xステージ920およびYステージ930
は、ともに固定ベース901の基準面901uに対して
Z方向に支持されている。Yステージ930は、固定ベ
ースに設けられたYリニアモータ固定子とYステージに
設けられたYリニアモータ可動子によって発生される駆
動力により、Y方向に移動する。Xステージ920は、
Yステージに設けられたXリニアモータ固定子とXステ
ージに設けられたXリニアモータステージにより、X方
向に移動する。
【0004】上記XYステージは、構造体フレーム90
6に搭載される。構造体フレーム906は、マウント9
07により支持されている。例えば、半導体製造装置で
ある投影露光装置では、投影光学系やレチクル支持系等
は、構造体フレーム906に搭載されている。また、X
Yステージの位置計測にはレーザ干渉系が使用され、レ
ーザ干渉系は、構造体フレームに搭載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の位
置決め装置では、以下のような問題が生じる。 (1)ステージをX方向もしくはY方向に駆動すると
き、その駆動反力が固定ベース901さらには構造体フ
レーム906に伝播し、固定ベース901の振動を励起
する。この振動によって、ステージの位置決め精度が悪
化する。 (2)ステージの移動によりステージ重心が移動し、そ
れにより構造体フレーム6の資性が変動する。結果的に
ステージの位置決め精度が悪化する。 (3)ステージの制御反力が伝わり、構造体フレームに
搭載されている干渉系等にローカルな振動を励起し、干
渉系の出力にノイズが入り、結果的に位置決め精度が悪
化する。
【0006】本発明は、これらの問題に鑑み、ステージ
の駆動反力が他ユニットに影響を与えず、高精度な位置
決め精度を有する位置決め装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の位置決め装置は、ベースに設けられた基準
面上を第1方向及び第2方向に移動可能なステージと、
該ベースと該ステージとの間で駆動力を発生する駆動装
置と、該ベースを前記第1方向に移動可能に支持する第
1構造体と、該第1構造体を前記第2方向に移動可能に
支持する第2構造体とを備えることを特徴とする。
【0008】また、前記駆動装置が前記ベースと前記ス
テージとの間で駆動力を発生するとき、前記ベースは、
前記第2構造体に対して、前記ステージと反対方向に移
動することが望ましい。
【0009】また、前記ステージは、第1ステージと第
2ステージとを備えることが望ましく、前記第1ステー
ジは、前記第2ステージに対して前記第1方向に移動可
能であり、前記第2ステージは、前記ベースに対して前
記第2方向に移動可能であることが好ましい。
【0010】また、前記ステージは、前記ベースに対し
て、非接触で支持され、非接触で駆動されることが望ま
しい。
【0011】また、前記ステージは、微動ステージを搭
載していることが望ましく、前記微動ステージは、前記
ステージに対して6軸方向に移動可能であることが望ま
しい。
【0012】また、前記微動ステージを駆動するアクチ
ュエータに冷却機構を設けることが望ましい。また、前
記微動ステージは、前記ステージからリニアモータによ
り力が与えられても良いし、前記ステージから電磁石に
より力が与えられても良い。
【0013】また、前記第2構造体は、マウントで支持
されていることが望ましい。
【0014】なお、上記の位置決め装置を有する露光装
置や、この露光装置を用いてデバイスを製造するデバイ
ス製造方法も本発明の範疇である。
【0015】
【発明の実施の形態】<実施形態1>図1に、本発明の
第1の実施形態の位置決め装置の概略図を示す。
【0016】本発明の位置決め装置は、XYステージ1
0、ベースXYステージ2、構造体フレーム6より構成
されている。
【0017】XYステージ10(ステージ)は、Yステ
ージ30、Xステージ20およびベース1を有する。ベ
ース1は、Yステージ30およびXステージ20の移動
のための基準となる平面1u、1sを有している。ここ
で、平面1uは、XY平面と平行な面を有している。ま
た、平面1sは、YZ平面と平行な面を有しており、ベ
ース1の片側に1つ設けられている。
【0018】Yステージ30(第2ステージ)は、静圧
軸受35bにより、ベース上面1uに対してZ方向に非
接触に支持されている。また、Yステージ30は、静圧
軸受35sにより、ベース側面に設けられた基準面1s
に対してX方向に非接触に支持されている。さらに、Y
ステージ30は、ベース上面1uおよびベース側面1s
との間で吸引力を発生するための予圧機構を有する。予
圧機構に永久磁石を用いる場合は、ベースは磁性体に限
られるが、予圧機構に真空吸引機構を用いる場合は、ベ
ースの材質は特に限られるものではなく、例えば御影石
を用いても良い。Yステージ30は、XYステージの駆
動機構であるYリニアモータにより発生される駆動力に
より、ベース1に対してY方向に移動する。Yリニアモ
ータは、ベースに設けられたYリニアモータ固定子と、
Yステージに設けられたYリニアモータ可動子からな
る。Yリニアモータ固定子は、コイル列34Rと、この
コイル列を覆うための冷却ジャケットを有する。Yリニ
アモータ可動子は、コイル列34Rと対面する磁石を有
する。
【0019】Xステージ20(第1ステージ)は、静圧
軸受25bにより、ベース上面1uに対してZ方向に非
接触に支持されている。さらに、Xステージ20は、ベ
ース上面との間で吸引力を発生するための予圧機構を有
する。予圧機構の構成は、上述のYステージの場合とほ
ぼ同様である。また、Xステージは、Xステージに設け
られた静圧軸受によって、Yステージに設けられた可動
ガイド31に対してY方向から非接触に支持されてお
り、Yステージに対してX方向に移動可能である。Xス
テージ20は、XYステージの駆動機構であるXリニア
モータにより発生される駆動力により、Yステージに対
してX方向に移動する。Xリニアモータは、Yステージ
に設けられたXリニアモータ固定子と、Xステージ20
に設けられたXリニアモータ可動子からなる。Xリニア
モータ固定子は、コイル列と、このコイル列を覆うため
の冷却ジャケットを有する。Xリニアモータ可動子は、
コイル列と対面する磁石を有する。
【0020】ベースXYステージ2は、ベース搭載台
3、ベースY移動体4(第1構造体)および固定部5
(第2構造体)から構成される。ベース搭載台3は、ベ
ース1を搭載し、ボルト締結などによってベース1を固
定する。または、ベース搭載台3とベース1とを一体的
な構造としても良い。固定部5は、構造体フレーム6に
搭載され、ボルト締結などによって構造体フレーム6を
固定する。または固定部5と構造体フレーム6とを一体
的な構造としても良い。
【0021】ベース搭載台3は、ベースXガイド3gに
より、ベースY移動体4に対してX方向に滑らかに移動
可能である。また、ベースY移動体4は、ベースYガイ
ド4gにより、固定部5に対してY方向に滑らかに移動
可能である。ベースXガイド3gおよびベースYガイド
4gは、一般的なリニアモーションガイドを使用して構
わない。ただし、負荷がかかるので、耐久性、メンテナ
ンス性を考慮したものが望ましく、非接触軸受であれば
好ましい。また、構造体フレーム6は、マウント7上に
設けられている。
【0022】さらに、ベースXYステージ2は、ベース
Y移動体4に対するベース搭載台のX方向の位置を計測
するリニアセンサ(不図示)、ベースY移動体4に対し
てベース搭載台3にX方向の駆動力を付与するアクチュ
エータ(不図示)を有している。また、ベースXYステ
ージ2は、固定部5に対してベースY移動体の位置を計
測するリニアセンサ8、固定部5に対してベースY移動
体4にY方向の駆動力を付与するアクチュエータ9を有
している。リニアセンサ8とアクチュエータ9によりベ
ースXYステージの位置制御や駆動制御を行うためのベ
ースXY方向制御系を構成することができる。この制御
系は、XYステージ10の位置制御や駆動制御を行うた
めのXYステージ制御系とは独立に制御することも可能
であり、例えば、ステージ初期化のときに、XYステー
ジ10を固定したまま、アクチュエータによってベース
XYステージ2を動かしたり、あるいはXYステージ1
0の駆動時でもベースXYステージ2を固定した状態に
することもできる。
【0023】XYステージ10には、XYステージ10
の位置を計測するのに設けられる計測ミラー(不図示)
が設けられている。この計測ミラーにレーザ光を照射す
るレーザ干渉計は、構造体フレームと一体的に設けても
良いし、位置決め装置とは除振された構造体に設けても
良い。
【0024】次に、図2を用いて、ベースXYステージ
の基本動作を説明する。同図において、(a)はXYス
テージおよびベースXYステージがともに中心にある状
態を示した図、(b)はXYステージがX方向に移動し
た状態を示した図、(c)はXYステージがY方向に移
動した状態を示した図である。
【0025】図2(a)から(b)において、XYステ
ージのXステージ20がX方向に移動すると、Xリニア
モータによる反力は、以下のように表される。
【0026】Xステージ質量 ×X方向の加速度 このXリニアモータ反力が、Yステージ30、静圧軸受
35sを介して、ベース1に伝達される。このとき、ベ
ース1とベース搭載台3は、一体的にXステージの移動
と反対方向に移動する。このときのベース1とベース搭
載台3の加速度は、以下のように表される。
【0027】Xステージ質量×X方向の加速度/(ベー
スとベース搭載台の質量) 結果的に、Xステージ移動量Xsに対して、ベース1と
ベース搭載台3は、一体的にXbだけ移動する。この移
動量は、各質量比で決まる。例えば、Xステージ質量に
対するベース・ベース搭載台質量との質量比が1:10
であるときは、Xs=50mmだとすると、Xb=5m
mとなる。
【0028】図2(a)から(c)において、XYステ
ージがY方向に移動すると、Yリニアモータによる反力
は、以下のように表される。
【0029】(Xステージ質量+Yステージ質量) ×
Y方向の加速度 このYリニアモータ反力が、ベース1に伝達される。こ
のとき、ベース1、ベース搭載台3さらにはベースY移
動体4は、一体的にXYステージの移動と反対方向に移
動する。このときのベース1、ベース搭載台3とベース
移動体4の加速度は、以下のように表される。
【0030】(Xステージ質量+Yステージ質量)×Y
加速度/(ベース、ベース搭載台とベースY移動体の質
量) 結果的に、XYステージ移動量Ysに対して、ベース
1、ベース搭載台3さらにはベースY移動体4は、一体
的にYbだけ移動する。この移動量は、各質量比で決ま
る。例えば、XYステージに対するベース、ベース搭載
台とベースY移動体の質量が1:10であるときは、Y
s=50mmだとすると、Yb=5mmである。
【0031】本実施形態によれば、ベースXYステージ
により、XYステージをXY方向に駆動するときの駆動
反力がキャンセルされるので、基本構造体である構造体
フレーム6が大きく振動されることはない。また、構造
体フレームに搭載されたベースXYステージ2とXYス
テージ10とのトータルの重心位置はXY方向に移動し
ないので、構造体フレーム6の姿勢変動は軽減される。
これらの効果が有機的に作用することで、目的物を搭載
するXYステージの位置決め精度を飛躍的に向上させる
ことができる。
【0032】このベースXYステージにより、XYステ
ージの加減速反力はもとより、XYステージ移動による
重心変動、さらにXYステージ制御反力は構造体フレー
ムに作用しない。
【0033】また、本発明によれば、XYステージのX
方向およびY方向に働く反力を、ベースXYステージが
XY方向の各方向にそれぞれキャンセルしているので、
ベースXYステージのXYステージに対するθz方向の
回転ずれを考慮することなく、構造を簡略化することが
できる。
【0034】<実施形態2>図3は、第2実施形態の位
置決め装置を示している。
【0035】本実施形態では、前述のXYステージ上に
XYステージに対して6軸方向に非接触で運動可能な微
動ステージを搭載している。
【0036】微動ステージ41は、前述のXYステージ
のXステージ天板21に対して4軸もしくは6軸方向に
移動可能に搭載されている。ここで、6軸方向とは、X
YZ方向とXYZ軸周りの回転方向を意味し、4軸方向
とは、前記6軸方向からXY方向を除いた方向を意味す
る。
【0037】アクチュエータ43は、微動ステージ41
をXステージ天板21に対して駆動するための駆動機構
である。ここで、アクチュエータとしては、微動ステー
ジ41をX方向に駆動するためのXアクチュエータ43
xと、微動ステージ41をY方向に駆動するためのYア
クチュエータ43yと、微動ステージ41をZ方向に駆
動するためのZアクチュエータとを有する。Xアクチュ
エータ43xおよびYアクチュエータ43Yのうち、少
なくとも一方は複数個設けられている。ここで、例えば
Yアクチュエータが2個ある場合、これらのYアクチュ
エータを用いることで、微動ステージ41をY方向だけ
でなく、Z軸周りの回転方向(θ)にも駆動することが
できる。また、Zアクチュエータは、少なくとも3個設
けられている。これら3個以上のZアクチュエータによ
り、微動ステージをZ方向だけでなく、チルト方向(X
Y軸まわりの回転方向)にも駆動することができる。
【0038】ここで、XYステージに対して微動ステー
ジ41を6軸方向に非接触で支持する場合、アクチュエ
ータ43は、要求されるだけの加速度で微動ステージ4
1を加速できるだけの性能が必要である。そのため、ア
クチュエータ43には、微動ステージを駆動する際に発
熱が起こることが予想される。そこで、アクチュエータ
43には、冷却機構45を設けることで、発熱が外部に
漏れることを抑制することができる。
【0039】アクチュエータ43としては、非接触の駆
動機構であるリニアモータが望ましい。この場合、配線
などの都合上、固定子としてコイルをXYステージ側、
可動子として永久磁石を可動子側に設けることが望まし
い。この場合、前述した冷却機構45は、コイルを冷却
するのに用いられる。冷却機構45は、コイルをジャケ
ットで覆い、ジャケット内部に冷却液を供給し、コイル
の冷却を行う。微動を行うためのリニアモータにジャケ
ットを用いた冷却機構を設ければ、コイルの切換などが
ないため、比較的簡単な構成でコイルを冷却することが
できる。
【0040】微動ステージ41には、微動ステージの位
置を計測するのに設けられる計測ミラー42が設けられ
ている。この計測ミラーにレーザ光を照射するレーザ干
渉計は、構造体フレームと一体的に設けても良いし、位
置決め装置とは除振された構造体に設けても良い。
【0041】なお、本実施形態では、微動用のアクチュ
エータは、前述のXYステージを駆動するリニアモータ
よりも高精度な位置決め性能が求められる。また、XY
ステージを駆動するリニアモータは、微動用のアクチュ
エータよりも大出力であることが求められる。
【0042】この本実施形態により、前述の実施形態に
より得られる効果のほか、XYステージの挙動が微動ス
テージに伝わらない構成にすることで、XYステージの
位置決めが多少粗くても、その影響が微動ステージには
及ばなくすることができる。
【0043】<実施形態3>図4〜図6は、第3実施形
態の位置決め装置を示している。
【0044】本実施形態では、前述の微動ステージの駆
動系と、XYステージと微動ステージの制御系とを改良
している。詳細を以下に述べる。
【0045】微動ステージ41は、前述のXYステージ
のXステージ天板21に対して4軸もしくは6軸方向に
移動可能に搭載されている。ここで、6軸方向とは、X
YZ方向とXYZ軸周りの回転方向(θx、θy、θ
z)を意味し、4軸方向とは、前記6軸方向からXY方
向を除いた方向を意味する。
【0046】微動ステージ41は、矩形の板状の形をし
ており中央に窪み272が設けられ、窪み部分272に
ウエハを載置するためのウエハチャック271が設けら
れている。微動ステージ41の側面には干渉計(第1の
計測器)のレーザーを反射するためのミラー529が設
けられ微動ステージ41の位置を計測できるようになっ
ている。
【0047】次に、図4を用いて、Xステージ20の位
置計測と微動ステージ41の位置計測について説明す
る。
【0048】Xステージ20の天板21の側面には、X
ステージ20の位置計測を行う干渉計(第2の計測器)
の計測光を反射するための計測ミラーが形成されてい
る。X方向およびY方向からレーザ干渉計の計測光がX
ステージ側面ミラー239に照射され、Xステージ20
のXY方向の位置をレーザ干渉計で精密に計測できるよ
うになっている。
【0049】微動ステージ41の側面には、干渉計のレ
ーザーを反射するための計測ミラー42が設けられ、微
動ステージ41の位置を計測できるようになっている。
微動ステージ41には6本の光ビームが照射され、微動
ステージ41の6自由度の位置を計測している。X軸に
平行でZ位置の異なる2本の干渉計ビームにより、微動
ステージ41のX方向の位置およびθy方向の回転量が
計測できる。また、Y軸に平行でX位置およびZ位置の
異なる3本の干渉計ビームにより、Y方向の位置および
θxθy方向の回転量が計測できる。さらにウエハチャ
ック271に載置されたウエハに斜めに計測光を入射
し、この計測光の反射位置を計測することにより、ウエ
ハのZ方向の位置(つまり微動ステージのZ方向の位
置)が計測できる。
【0050】以上のように、Xステージ20及び微動ス
テージ41の位置を計測することにより、Xステージ2
0の位置計測と微動ステージ41の位置計測は、互いに
独立して位置をレーザ干渉計で精密に計測できるように
なっている。
【0051】次に、図5を用いて、Xステージ20と微
動ステージ41との間で駆動力を発生する微動アクチュ
エータユニットの説明を行う。図5は、Xステージ20
と微動ステージ41との間に設けられた微動リニアモー
タ203および電磁石208等を用いたアクチュエータ
の分解図を表している。
【0052】微動ステージ41の下方には微動ステージ
41に推力や吸引力を作用する基準となる前述のXYス
テージが配置される。
【0053】微動ステージ41の下面には8個の微動リ
ニアモータ可動子204が取り付けられている。各可動
子204は、厚み方向に着磁された2極の磁石274お
よびヨーク275を2組み有している。この2組の磁石
274およびヨーク275は、側板276で連結して箱
状の構造を形成し、後述の微動リニアモータ固定子20
5を非接触で挟み込むように対面する。
【0054】8個の可動子204のうちの4個の可動子
205Zは、微動ステージ41の辺のほぼ中央部に配置
され、微動ステージ41をXステージ20に対してZ方
向に微動駆動するためのZ可動子を形成する。Z可動子
205Zにおいては、前記2極の磁石274ZがZ方向
に沿って配列されており、後述のZ方向に直角な直線部
をもつZ固定子205Zの長円コイル278Zに流れる
電流と相互作用してZ方向の推力を発生する。これをZ
1〜Z4可動子と名づける。
【0055】残りの4個の可動子204Xのうち微動ス
テージの対角の隅部に配置される2個の可動子は、微動
ステージ41をXステージ20に対してX方向に微動駆
動するためのX可動子を形成する。X可動子204Xに
おいては、前記2極の磁石274XがX方向に沿って配
列されており、後述のX方向に直角な直線部をもつX固
定子205Xの長円コイル278Xに流れる電流と相互
作用してX方向の推力を発生する。これをX1、X2可
動子と名づける。
【0056】残りの2個の可動子204Yもまた微動ス
テージ41の対角の隅部に配置され、微動ステージ41
をXステージ20に対してY方向に微動駆動するための
Y可動子を形成する。Y可動子204Yにおいては、前
記2極の磁石274がY方向に沿って配列されており、
後述のY方向に直角な直線部をもつY固定子205Yの
長円コイル278Yに流れる電流と相互作用してY方向
の推力を発生する。これをY1、Y2可動子と名づけ
る。
【0057】また、微動ステージ41の下面のほぼ中央
部には、円筒形状の磁性体支持筒280が設けられてい
る。そしてこの磁性体支持筒280の外周部には4つの
円弧状の磁性体ブロック207が固定されている。この
うち2個の円弧状磁性体ブロック207Xは、X方向に
沿うように配置され、やはりX方向に沿うように配置さ
れた後述のE形状電磁石208Xと非接触で対面し、E
形状電磁石208XからX方向の大きな吸引力を受けら
れるようになっている。この、X方向に沿って配置され
た円弧状の磁性体ブロック207XをX1、X2ブロッ
クと名づける。
【0058】残りの2個の円弧状磁性体ブロック207
Yは、Y方向に沿うように配置され、やはりY方向に沿
うように配置された後述のE形状電磁石208Yと非接
触で対面し、E形状電磁石208YからY方向の大きな
吸引力を受けられるようになっている。この、Y方向に
沿って配置された円弧状の磁性体ブロック207YをY
1、Y2ブロックと名づける。
【0059】円筒形状の磁性体支持筒280の中空部分
には、自重補償ばね281が配置され、その上端が微動
ステージ41の下面中央部と結合され、微動ステージ4
1の自重を支持するようになっている。自重補償ばね2
81は自重支持方向および他の5自由度方向のばね定数
が極めて小さく設計されており、ばね281を介してX
ステージ20から微動ステージ41への振動伝達がほぼ
無視できるようになっている。
【0060】X1X2可動子204Xが発生する力の作
用線のZ座標は概ね一致している。X1X2可動子20
4Xが発生する力の作用線のZ座標は、X1X2可動子
204X、Y1Y2可動子204Y、Z1Z2Z3Z4
可動子204Zおよび磁性体支持筒280および4つの
円弧状磁性体ブロック207を含む微動ステージ41の
重心のZ座標と概ね一致するようになっている。このた
めX1X2可動子204Xに発生するX方向の推力によ
って、Y軸まわりの回転力がほとんど微動ステージ41
に作用しないようになっている。
【0061】Y1Y2可動子204Yが発生する力の作
用線のZ座標は概ね一致している。Y1Y2可動子20
4Yが発生する力の作用線のZ座標は、X1X2可動子
204Y、Y1Y2可動子204Y、Z1Z2Z3Z4
可動子204Zおよび磁性体支持筒280および4つの
円弧状磁性体ブロック207を含む微動ステージ41の
重心のZ座標と概ね一致するようになっている。このた
めY1Y2可動子204Yに発生するY方向の推力によ
って、X軸まわりの回転力がほとんど微動ステージ41
に作用しないようになっている。
【0062】X1X2ブロック207Xに作用する吸引
力の作用線のZ座標は概ね一致している。X1X2ブロ
ック207Xに作用する吸引力の作用線のZ座標は、X
1X2可動子204X、Y1Y2可動子204Y、Z1
Z2Z3Z4可動子204Zおよび磁性体支持筒280
および4つの円弧状磁性体ブロック207を含む微動ス
テージ41の重心のZ座標と概ね一致するようになって
いる。このためX1X2ブロック207Xに作用するX
方向の吸引力によって、Y軸まわりの回転力がほとんど
微動ステージ41に作用しないようになっている。
【0063】また、このX1X2ブロック207Xに作
用するX方向の吸引力の作用線のX座標は、X1X2可
動子204X、Y1Y2可動子204Y、Z1Z2Z3
Z4可動子204Zおよび磁性体支持筒280および4
つの円弧状磁性体ブロック207を含む微動ステージ4
1の重心のX座標と概ね一致するようになっている。こ
のためX1X2ブロックに作用するX方向の吸引力によ
って、Z軸まわりの回転力がほとんど微動ステージ41
に作用しないようになっている。
【0064】Y1Y2ブロック207Yに作用する吸引
力の作用線のZ座標は概ね一致している。Y1Y2ブロ
ック207Yに作用する吸引力の作用線のZ座標は、X
1X2可動子204X、Y1Y2可動子204Y、Z1
Z2Z3Z4可動子204Zおよび磁性体支持筒280
および4つの円弧状磁性体ブロック207を含む微動ス
テージ41の重心のZ座標と概ね一致するようになって
いる。このためY1Y2ブロック207Yに作用するY
方向の吸引力によって、X軸まわりの回転力がほとんど
微動ステージ41に作用しないようになっている。
【0065】また、このY1Y2ブロック207Yに作
用するY方向の吸引力の作用線のX座標は、X1X2可
動子204X、Y1Y2可動子204Y、Z1Z2Z3
Z4可動子204Zおよび磁性体支持筒280および4
つの円弧状磁性体ブロック207を含む微動ステージ4
1の重心のX座標と概ね一致するようになっている。こ
のためY1Y2ブロック207Yに作用するY方向の吸
引力によって、Z軸まわりの回転力がほとんど微動ステ
ージ41に作用しないようになっている。
【0066】Xステージ天板21の上部には、微動ステ
ージ41を6軸方向に位置制御するための8個の微動リ
ニアモータ203の固定子205、微動ステージ41に
XY方向の加速度を与えるための電磁石支持円筒283
に支持された4個のE形電磁石208、微動ステージ4
1の自重を支持するための自重支持ばねの一端が固定さ
れている。
【0067】各固定子205は、長円形のコイル278
をコイル固定枠579で支持する構造になっており、前
述の微動ステージ41下面に固定されたリニアモータ可
動子204と非接触で対面するようになっている。
【0068】8個の固定子205のうちの4個の固定子
205Zは、矩形状のXステージ天板21の辺のほぼ中
央部に配置され、微動ステージ41をXステージ20に
対してZ方向に微動駆動するためのZ固定子を形成す
る。Z固定子205Zは、前記長円コイル278Zの直
線部がZ方向と直角になるように配置されており、前記
Z可動子204ZのZ方向に沿って配置された2極の磁
石274ZにZ方向の推力を作用できるようになってい
る。このコイルをZ1〜Z4コイルと名づける。
【0069】残りの4個の固定子のうち2個の固定子2
05Xは、矩形状のXステージ天板21の対角の隅部に
配置され、X固定子を形成する。X固定子205Xで
は、前記長円コイル278Xの2つの直線部がX方向と
直角になり、2つの直線部がX方向に沿うように配置さ
れており、前記X可動子204XのX方向に沿って配置
された2極の磁石274XにX方向の推力を作用できる
ようになっている。このコイルをX1X2コイルと名づ
ける。
【0070】残りの2個の固定子205Yも矩形状のX
ステージ天板21の対角の隅部に配置され、Y固定子を
形成する。Y固定子205Yでは、前記長円コイル27
8Yの2つの直線部がY方向と直角になり、2つの直線
部がY方向に沿うように配置されており、前記Y可動子
204YのY方向に沿って配置された2極の磁石204
YにY方向の推力を作用できるようになっている。この
コイルをY1Y2コイルと名づける。
【0071】また、電磁石支持円筒283は、矩形状の
Xステージ天板21のほぼ中央部に配置され、電磁石支
持円筒283の内部には4つのE形電磁石208が設け
られている。E形電磁石208は、Z方向からみたとき
概ねE形の断面を有する磁性体ブロック285と、コイ
ル286とを具備している。コイル285は、Eの字の
中央の突起の周りに巻きまわされる。Eの字の3つの突
起部の端面は、直線ではなく円弧になっている。このE
形電磁石208の3つの突起部の端面は、前記微動ステ
ージ41に固定された円弧状磁性体ブロック207と数
十ミクロン程度以上の空隙を介して非接触で対面し、コ
イルに電流を流すことによって円弧状磁性体ブロック2
85に吸引力を作用するようになっている。
【0072】4個のE形電磁石208のうち2個は、X
1X2ブロック207Xに対面するようにX方向に沿っ
て配置され、X1X2ブロック207XにそれぞれX方
向および−X方向の吸引力を与える。これをX1X2電
磁石208Xと名づける。
【0073】E形電磁石208のうち残りの2個は、Y
1Y2ブロック207Yに対面するようにY方向に沿っ
て配置され、Y1Y2ブロック207YにそれぞれY方
向および−Y方向の吸引力を与える。これをY1Y2電
磁石208Yと名づける。
【0074】電磁石208は吸引力しか発生できないの
で、XYそれぞれの駆動方向について+方向に吸引力を
発生する電磁石208と−方向に吸引力を発生する電磁
石208を設けているのである。
【0075】また、磁性体ブロック207およびE形電
磁石の各々の対向面をZ軸まわりの円筒面とし、4つの
磁性体ブロックと4つのE形電磁石208が、Z軸周り
(θx方向)に互いに接触することなく、自由に回転で
きるようにしている。つまり、微動ステージ41とXス
テージ20が、θx方向に相対移動可能となる。また、
θx方向に回転しても、E形電磁石208の端面と磁性
体ブロック207との間の空隙に変化がなく、同一電流
に対して電磁石208の発生する吸引力が変化しない。
【0076】本実施形態では、4つの磁性体ブロックと
4つのE形電磁石の各々の対向面は円筒面としたが、こ
れに対向面の形状はこれに限るものではなく、球面形状
や、椀形状にしても良い。磁性体ブロックと電磁石の対
抗面を球面形状や椀形状にしても、θxθyθzの回転
3軸方向について相対回転自在となり、相対回転しても
対向する面の空隙に変化がなく、電磁石の吸引力が変化
することもない。
【0077】また、円弧状磁性体ブロック207および
E形磁性体ブロック285は層間が電気的に絶縁された
薄板を積層して形成されており、磁束変化にともなって
ブロック内に渦電流が流れることを防止しており、E形
電磁石208の吸引力を高い周波数まで制御することが
できる。
【0078】以上の構成により、Xステージ20から微
動ステージ41に対して、リニアモータにより6軸方向
の推力を与えることができ、電磁石208によりXY方
向の大きな吸引力を与えることができる。
【0079】並進Z方向および回転θxθyθz方向は
長いストロークを動かす必要はないが、XY方向は長い
ストロークにわたって推力や吸引力を作用させる必要が
ある。しかし、リニアモータ203も電磁石208もX
Y方向のストロークが極めて短い。一方、Xステージ2
0はXY方向に長いストロークを有する。そこで、Xス
テージ20をXY方向に移動させながら微動ステージ4
1にXY方向の推力や吸引力を作用させることにより、
XY方向の長きにわたって微動ステージ41にXY方向
の推力や吸引力を作用させるようにしている。
【0080】一例として、図6に、Y方向にのみ長距離
移動し、他の5軸方向は現在位置に保持するような動作
を行う場合の制御ブロック図を示す。
【0081】移動目標指示手段221は、微動ステージ
41の6軸方向の位置等の目標値を位置プロファイル生
成手段222と加速プロファイル生成手段223に出力
する。位置プロファイル生成手段222は、目標指示手
段221からの目標値に基いて、時間と微動ステージ4
1がいるべき位置との関係を、並進XYZ方向および回
転θxθyθz方向の6軸方向についてそれぞれ生成す
る。加速プロファイル生成手段223は、目標指示手段
221からの目標値に基いて、時間と発生すべき加速度
の関係を、並進XY方向の2軸についてそれぞれ生成す
る。これらのプロファイルは、微動ステージ41を剛体
とみなしてその代表位置に対して与えられる。代表位置
としては、微動ステージ41の重心を用いるのが一般的
である。
【0082】つまり本実施形態の場合、時間と微動ステ
ージ41がいるべき重心の位置および重心周りの回転の
関係が位置プロファイル生成手段222により与えら
れ、微動ステージ41の重心のXY方向の加速プロファ
イルについては加速プロファイル生成手段223により
与えられる。
【0083】本実施形態では、Y軸方向のみ長距離移動
するので、Y軸に関してのみ目標位置まで移動する位置
プロファイルが与えられ、他の軸に関しては現在位置に
とどまるよう一定値の位置プロファイルがあたえられ
る。また加速プロファイルもY軸は移動に伴う加減速パ
ターンが加速プロファイル生成手段により与えられ、移
動のないX軸は常にゼロである。
【0084】6軸方向の微動ステージ41の重心位置お
よび重心周りの回転の位置プロファイル生成手段222
の出力は、微動リニアモータ203を制御する微動LM
位置サーボ系に入力される。このうちの重心のX位置プ
ロファイル生成手段222Xの出力とY位置プロファイ
ル生成手段222Yの出力は、Xステージ20をXY方
向に移動させるXYステージの長距離リニアモータ21
0の電流をフィードバック制御する長距離LM位置サー
ボ系235にも入力される。
【0085】またX加速プロファイル生成手段223X
の出力とY加速プロファイル生成手段223Yの出力
は、電磁石208の吸引力をフィードフォワード制御す
る吸引FF系231に入力される。
【0086】微動LM位置サーボ系225は、差分器2
41と、演算部226と、出力座標変換部242と、微
動電流アンプ227と、微動ステージ位置計測系228
と、入力座標変換部243とを有する。差分器241
は、上記位置プロファイル生成手段222が出力する微
動ステージ41の重心の現在いるべきXYZθxθyθ
z位置(目標位置)と微動ステージ41の重心が実際に
いるXYZθxθyθz位置(計測位置)との偏差を出
力する。演算部226は、差分器241からの偏差信号
に基いて、PID等に代表される制御演算を施し、6軸
分の駆動指令を計算する。出力座標変換部242は、6
軸分の駆動指令をX1X2Y1Y2Z1Z2Z3Z4リ
ニアモータ203に分配する演算を行い、その結果をア
ナログ電圧で出力する。微動電流アンプ227は、該ア
ナログ出力電圧に比例する電流をX1X2Y1Y2Z1
Z2Z3Z4リニアモータ203に供給する。微動ステ
ージ41位置計測系は、微動ステージ41の概ね露光点
のXYZθxθyθzの位置を計測する干渉計等を備え
た前述の計測手段を有する。入力座標変換部243は、
微動ステージ位置計測系からの信号に基いて、微動ステ
ージ41の概ね露光点のXYZθxθyθzの位置を微
動ステージ41の重心のXYZθxθyθz位置に換算
する。
【0087】微動LM位置サーボ系225は、各軸ごと
にみると、位置プロファイル生成手段222の出力を指
令値とする通常の位置サーボ系であるが、大推力が必要
なときは、後述の吸引FF系231から力をもらうよう
になっている。また、上述のように電磁石208の吸引
力は、その作用線と微動ステージ41の重心を一致させ
ることにより、微動ステージ41に回転力を発生しない
ように構成されている。そのため、微動リニアモータ2
03は、目標位置とのわずかな位置偏差を解消するため
の小さい推力を発生するだけでよいので、発熱が問題に
なるような電流が流れないようになっている。またソフ
ト的またはハード的にリニアモータの電流を制限して吸
引FF系231との連動が誤動作した場合でも発熱が問
題になるような電流が流れないようにすることもでき
る。
【0088】吸引FF系231は、1対のX1X2電磁
石208XとX1X2ブロック207Xとの間に加速プ
ロファイル生成手段223の出力に比例したX方向の合
成推力を発生させるための制御系と、1対のY1Y2電
磁石208YとY1Y2ブロック207Yとの間に加速
プロファイル生成手段223の出力に比例したY方向の
合成推力を発生させるための制御系とを有する。各制御
系は、補正手段232と、調整手段233と、1対の電
磁石208のコイル286を各々独立に駆動する2つの
電磁石用電流アンプ234とから構成される。
【0089】補正手段232は、電磁石208の電流と
推力の非線型関係を補正するためのものである。多くの
場合、補正手段232は符号を保存する平方根演算器で
ある。一般に電磁石の吸引力は電磁石の電流の二乗に比
例する。要求される力は、加速プロファイル生成手段2
23の出力に比例する力であるから、この出力の平方根
をとってそれを電流指令とすれば、加速プロファイル生
成手段223の出力の平方根の2乗に比例する吸引力が
働く。つまり加速プロファイル生成手段223の出力に
比例した吸引力が働く。また、加速プロファイル生成手
段223の出力は、符号を含んでいるが、平方根演算は
出力の絶対値に対して行い、演算後に符号を付加して調
整手段に出力するようになっている。
【0090】また、調整手段233は、1対の電磁石2
08を構成する各々の電磁石208と磁性体207の間
に働く吸引力を調整し、両者の合力の大きさと向きを所
望のものにするためのものである。電磁石208は電流
の向きによらず磁性体207を吸引する力しか出せな
い。そこで、1対の電磁石208で磁性体207を挟
み、各々の電磁石208で磁性体板に対して逆向きの力
を発生するようにし、その2つの力を調整することで磁
性体207に働く合力の大きさと方向を制御するように
している。前記補正手段232の出力の符号に基いて、
1対の電磁石208のうちのどちらに電流を与えるかを
選択し、前記補正手段232の出力に比例した値を電流
アンプ234に入力し、他方の電磁石208の電流はゼ
ロに制御するようにするのがもっとも簡単な構成であ
る。補正手段232の出力がゼロの場合は、どちらの電
磁石208の電流もゼロに制御される。この結果、1対
の電磁石208から磁性体207に対して、加速プロフ
ァイル生成手段223の出力の大きさに比例した推力が
所望の方向に付与されることになる。また、補正手段2
32の出力がゼロのときに2つの電磁石208に等しい
バイアス電流を流しておくこともできる。これは電磁石
208のBH曲線の動作中心を電流すなわち磁界の強さ
と磁束密度の関係をより線形にする効果がある。この場
合、補正手段と調整手段は一体となって、加速プロファ
イル出力に基いて、2つの電磁石208に適当な電流を
指令する動作をする。
【0091】具体的には加速プロファイル生成手段22
3の出力がプラス移動方向にVa、バイアス電流がIbのと
き、プラス移動方向に吸引力を発生する電磁石208の
コイル電流をIp、マイナス移動方向に吸引力を発生する
電磁石208のコイル電流をImとすると、あらかじめ定
めた比例定数Kに対してVa=K((Ip-Ib)^2-(Im-Ib)^2)を満
たすようなIp、Imを出力する動をする。電磁石208は
小さいアンペアターンで大きな推力を得ることができ発
熱はほとんど問題にならない。
【0092】また、一定速度で走行中は電磁石208の
電流はゼロに制御する。このため床振動等の外乱が電磁
石208を通して微動ステージ41側に伝わることはな
い。この状態においては、微動リニアモータを用いて微
動ステージ41の6軸方向の位置決めを高精度に制御す
る。
【0093】本実施形態において、微動ステージ41に
連結された微動リニアモータおよび電磁石208はスト
ロークが短いので、そのままでは長距離にわたって力を
付与することができない。そこで、微動ステージ41に
力を付与する基準となるXステージ20をXY方向に移
動させながら微動ステージ41にXY方向の推力や吸引
力を作用させることにより、XY方向の長きにわたって
微動ステージ41にXY方向の推力や吸引力を作用させ
るようにしている。これを実現するために、長距離LM
位置サーボ系と、それに接続される2本のYリニアモー
タおよび1本のXリニアモータが設けられている。
【0094】長距離LM位置サーボ系235は、X制御
系とY制御系とを有する。X制御系は、1本のXリニア
モータによってXステージ20のX位置をX位置プロフ
ァイルにならうように制御する。Y制御系は、2本のY
リニアモータによってXステージ20およびYステージ
10のY位置をY位置プロファイルに基いて制御する。
【0095】長距離LM位置サーボ系235のXおよび
Y制御系は、XまたはY方向の位置プロファイルと、X
ステージ天板21の側面に構成された反射ミラーに照射
した干渉計ビームにより計測されるXまたはY方向のX
ステージ20の現在位置との差分を出力し、この偏差信
号にPID等に代表される制御演算を施し、XまたはY
方向の加速指令を計算し、これをXまたはYリニアモー
タ電流アンプ537を介してXリニアモータ210Xま
たはYリニアモータ210Yに出力するようになってい
る。
【0096】この結果、Yリニアモータ210YはYス
テージ10、Xステージ20、および微動ステージ41
等の全体質量をY方向に加速するための推力を発生し、
Xリニアモータ210XはXステージ20および微動ス
テージ41等の全体質量をX方向に加速するための推力
を発生する。
【0097】本実施形態では、加速プロファイル生成手
段222の出力を、長距離LM位置サーボ系の制御演算
器の出力に加算してモータ電流アンプに入力することに
よって、加速度をフィードフォワード的に長距離リニア
モータ210に指令し、加速中に位置偏差がたまらない
ようにしている。
【0098】本実施形態では、加速プロファイルは吸引
FF系231と長距離LM位置サーボ系235にフィー
ドフォワード的に与えているが、これに加えて、微動L
M位置サーボ系225にフィードフォワード的に与える
ようにしてもよい。また、加速プロファイルをXY方向
だけでなく6軸方向すべて生成し、微動LM位置サーボ
系225にフィードフォワード的に与えるようにしても
よい。
【0099】Xステージ20や微動ステージ41の加速
終了後も、Xステージ20およびYステージ10はX位
置およびY位置プロファイルに基いて移動する。加速終
了後は2本のYリニアモータと1本のXリニアモータは
X1X2Y1Y2の微動リニアモータが発生する推力の
反力を発生しているだけである。
【0100】以上のように本実施形態によれば、リニア
モータで移動されるXステージ20およびYステージ1
0とXステージ20を基準とする電磁石208の吸引力
によって微動ステージ41を加速し、微動ステージ41
の加速が終了したら電磁石は電流をゼロにして床振動を
絶縁し、長距離LM位置サーボ系はXステージ20およ
びYステージ10をXおよびYの位置プロファイルに基
いて移動させ、電磁石208や微動リニアモータの可動
子固定子が接触しないようにしつつ、これらの動作と平
行して微動リニアモータによって常時高精度な位置制御
を行うようにすることにより、大推力と低発熱と微動ス
テージ41に対する高精度6軸位置制御を同時に達成す
るようにした。
【0101】なお、本実施形態では、電磁石208や微
動リニアモータの推力発生の基準であるXステージ20
の位置を微動ステージ41の位置とは全く独立に計測
し、全く独立した制御系で位置制御している。
【0102】このようなXステージ20位置の独立計測
独立制御は、相対センサを用いた制御と比較して、以下
のような利点がある。
【0103】まず第1の利点は、実装上の不利益が多い
相対位置センサを用いないで済むことが挙げられる。X
ステージ20と微動ステージ41の相対位置を計測する
相対位置センサを設ける場合、Xステージ20または微
動ステージ41に固定しなければならない。センサ取り
付け部が振動しないように強固に固定しようとすると、
取り付け部の寸法が増加し、周囲の部品との干渉や質量
の増加が懸念される。またプリアンプも近くに搭載する
必要があり、これも周囲の空間を圧迫し質量増加を招
く。また、センサのケーブルをXステージ20や微動ス
テージ41がひきずることになり、ケーブルの引き回し
による外乱力が増加する。つまり、本実施形態のXステ
ージ20と微動ステージ41の計測および制御を独立に
することによって、微動ステージ41の質量を軽減させ
ることができるので、微動ステージ41に駆動力を与え
たときの応答が速くなり、微動ステージ41の高速な位
置決めに有利である。また、ケーブルの引き回しがな
く、高精度な位置決めに適している。
【0104】第2の利点は、演算の負荷が減ることであ
る。これは、上記の実装の問題とも関わっている。ギャ
ップセンサ等の相対位置センサでXY方向だけの相対変
位を計測しようとした場合、微動ステージ41の重心に
相当する位置をXステージ20から相対的に測定できる
ようにセンサを配置するのは困難である。例えば、本実
施形態では重心の付近には電磁石208や磁性体ブロッ
クがあり、相対位置センサを設けるとするとこれを避け
て配置しなければならない。すると、微動ステージ41
の回転に起因するいわゆるアッベ誤差が相対センサに入
ってくる。この誤差を取り除くためには、前記微動ステ
ージ41の重心位置計測結果のθxθyθxの値と、相
対位置センサの取付位置と微動ステージ41の重心位置
との隔たり量からXY方向の変位を計算し、または相対
位置センサを6個設けて座標変換を行うことによりXY
方向の変位を計算したりしなければならず、演算の負荷
が増える。本実施形態では、このような演算の負荷が軽
減されているため、高速な位置決めには非常に適してい
る。
【0105】第3の利点は、Xステージ20および微動
ステージ41の制御系に入る外乱を減らすことができ
る。相対位置センサを用いた制御方式では、長距離LM
位置サーボ系に入る外乱が増える。相対位置センサを用
いた制御方式では、長距離LM位置サーボ系に対する位
置指令は常にゼロであり、微動ステージ41とXステー
ジ20が相対変位するとそれが外乱となる。つまり、微
動ステージ41の応答遅れがあると外乱がふえる。さら
に、相対位置センサを用いた制御方式では、微動ステー
ジ41の微動LMサーボが有効でないとXYステージを
駆動することができない。そのため相対位置センサを用
いた制御方式では、例えば試験のためにXYステージ位
置のみを移動させることはできない。一方、本実施形態
の独立計測独立制御方式では、Xステージ20の位置計
測に干渉計を用いており、これはXステージ20の側面
にミラーを形成するだけですむ。
【0106】つまり、本実施形態の独立計測独立制御に
より、微動ステージ41周辺の空間を圧迫したり、ケー
ブルを引きまわしたり、相対位置センサのアンプを搭載
することによって質量が増加することもない。また、本
実施形態の独立計測独立制御方式では、干渉計で計測し
たXYの位置信号に、微動ステージ41の回転量は混入
してこないので、位置信号に対して複雑な演算を施す必
要もない。また、微動ステージ41に応答遅れがあって
も長距離LM位置サーボ系には混入してこないので無用
の外乱が増えることもない。また、微動ステージ41の
微動LMサーボ系を立ち上げることなく長距離LM位置
サーボ系に位置指令を与えることでXステージ20を任
意位置に移動させることができる。
【0107】本実施形態では、微動ステージ41の6軸
方向の微動制御に8個の微動リニアモータを用いる例を
示したが、これに限るものではなく、微動リニアモータ
は6軸方向の推力が出せるように最低6個のアクチュエ
ータがあればよい。アクチュエータの配置も本実施形態
のものに限定されないことは言うまでもない。また、前
述の実施形態と同様に、微動リニアモータに冷却装置を
設けても良い。
【0108】電磁石208は吸引力しか出せないので、
本実施形態ではXY方向の加速減速を行うのに4個の電
磁石208を必要とした。しかし、電磁石208の数
も、XY方向に区別することを考慮に入れなければ、少
なくとも3個の電磁石208があればXY方向の駆動を
行うことができる。また、電磁石208は、コイルに電
流を流したとき磁性体に吸引力を発生できるものであれ
ばなんでもよく、本実施形態のようなE形状に限定され
るものではない。
【0109】また独立計測独立制御において、Xステー
ジ20位置計測を行うのにXステージ20の側面ミラー
を利用して干渉計で計測したが、これに限るものではな
く、XおよびYリニアモータにリニアエンコーダを設
け、これによりXステージ20位置を計測してもよい。
また、リニアエンコーダのかわりに長尺を測定できる任
意のセンサを使うこともできる。
【0110】また、本実施形態では、Xステージ20を
XY方向に長ストローク駆動するためにリニアモータを
用いたが、これに限るものではなく、ボールネジ、ピス
トン、ロボットアーム等を用いても良い。
【0111】また、本実施形態では、微動ステージ41
の自重支持に自重補償ばねを用いたが、これに限るもの
ではなく、エアによる浮上力を利用したり、磁石の反発
力を利用したり、Z方向に力を発生するアクチュエータ
を利用しても良い。Z方向に力を発生させるアクチュエ
ータとして、前述の微動リニアモータを用いても良い
が、リニアモータの発熱は大きいため、発熱の小さなア
クチュエータを微動リニアモータとは別に設けても良
い。
【0112】上記の微動ステージ41を搭載したXYス
テージは、前述の実施形態のベース1上を移動可能に支
持される。また、前述の実施形態と同様に、ベース1
は、ベース搭載台3にボルト締結などによって固定され
る。固定部5は、構造体フレーム6に搭載され、ボルト
締結などによって構造体フレーム6を固定する。
【0113】ベース搭載台3は、ベースXガイド3gに
より、ベースY移動体4に対してX方向に滑らかに移動
可能である。また、ベースY移動体4は、ベースYガイ
ド4gにより、固定部5に対してY方向に滑らかに移動
可能である。また、構造体フレーム6は、マウント7上
に設けられている。
【0114】本実施形態により、XYステージの加減速
反力はもとより、XYステージ移動による重心変動、さ
らにXYステージ制御反力は構造体フレームに作用しな
い。
【0115】さらに、本実施形態により、XYステージ
の挙動が微動ステージに伝わらない構成にすることで、
XYステージの位置決めが多少粗くても、その影響が微
動ステージには及ばなくすることができる。
【0116】<実施形態4>図7は、第4実施形態の位
置決め装置を示している。
【0117】本実施形態では、前述のベースY移動体4
のY方向ストロークを長く設定している。
【0118】前述の実施形態におけるベースXYステー
ジ2の基本動作のストロークは、慣性質量比で決まり、
XYステージ10のストロークと比べて小さいストロー
クで十分であった。しかし、図7中のベースXYステー
ジ2’のようにベースY移動体4の固定部5に対するY
方向ストロークを大きく採ることにより、装置内よりX
Yステージを自動もしくは手動で引き出すことが可能と
なり、メンテナンス性を向上させることができる。
【0119】<実施形態5>上述の実施形態の基本動作
においては、ベースXYステージによって、XYステー
ジのXY方向の並進方向の駆動反力をキャンセルでき
る。しかし、XYステージとベースXYステージのZ方
向の重心が一致しないので、並進方向の駆動反力をキャ
ンセルする際に、X軸周りの回転方向とY軸周りの回転
方向(θx、θy方向)にモーメントが生じる。
【0120】そこで、このモーメントの発生を抑制する
ために、ベース1もしくはベースY移動体4におもり等
を付加し、積極的にZ方向の重心を一致させることも可
能である。また、ベース1もしくはベースY移動体4の
あおり方向にアクチュエータを付加することで、ベース
1のθx、θyの挙動を抑えることは可能である。
【0121】図8に、上記の具体的手法を示す。
【0122】同図は、モーメント補償機構を具備したベ
ースXYステージ2”を示している。分かりやすくする
ため、同図において、ベース搭載面に搭載されるベース
および固定部が搭載される構造体フレームは省略してあ
り、かつモーメントのうちθxを対象として補償機構の
みを図示している。
【0123】109は、モーメント補償用アクチュエー
タであり、例えばZ方向に力を発生するzリニアモータ
である。
【0124】108は、固定部5に対するベースY移動
体4のθx変動を計測するための変位計である。変位計
108は、ベースY移動体4もしくは搭載されるベース
1の挙動が検出できれば良いので、加速度計や速度計を
用いても良い。なお、ベースY移動体が固定部に対して
所定量動くので、上記のモーメント補償用アクチュエー
タや検出計は、十分なストロークで機能が確保されてい
る必要がある。
【0125】モーメント補償用アクチュエータ109の
動作について以下に説明する。XYステージがY方向に
駆動されると、その駆動反力がベースとベース搭載台3
およびベースY移動体4に生じる。しかし、XYステー
ジのZ方向の重心位置とベース+ベース搭載台+ベース
Y移動体のZ方向の重心位置とが一致していないので、
ベースにはθx方向にモーメント力がかかるが、そのモ
ーメント力を打消すようにモーメント補償手段109が
働く。これにより、モーメントを原因とするベースの振
動を軽減することができる。上記の手段は、当然θy方
向にも同様に適用されうる。
【0126】重心ずれに対する補償を上記実施例におい
ては、θx方向に関しては、ベースY移動体4と固定部
5との間に、さらに図示していないが、θy方向に関し
ては、ベース搭載台3とベースY移動体との間に設けて
いる。また、例えば、モーメント補償用アクチュエータ
であるzリニアモータを適用し、構造体フレーム6から
ベースに直接作用するアクチュエータにより、モーメン
ト反力を構造体フレームにも伝えなくすることも可能で
ある。このとき、高精度なモーメント補償が可能である
が、ベース1が構造体フレーム6に対してXY方向に所
定量動くため、上記のアクチュエータや変位計等の検出
計は、十分なストロークで機能が確保されている必要が
ある。
【0127】さらに、重心ずれに対する補償を上記実施
例においては、構造体フレーム基準に発生するアクチュ
エータにより実現したが、例えば、ベースに回転運動可
能なカウンタローラを付加し、モーメント反力を構造体
フレームにも伝えなくすることも可能である。
【0128】また、上述したようなモーメント補償機構
をマウント7に設けることも可能である。例えば、マウ
ントにエアマウントを採用し、エアマウントの内圧を制
御したり、もしくはエアマウントとリニアモータを併用
し、リニアモータの力制御をすることでベースの傾きを
補償することは可能である。
【0129】<実施形態6>上述の実施形態では、ベー
スXYステージがXY方向に動くことを特徴としてきた
が、選択的に1軸ずつ作動させることも可能である。
【0130】<実施形態7>本発明のXYステージの形
態は、上述の実施形態に限られるものではない。例え
ば、図9のようなXYステージ10’と組合せても効果
を発揮することができる。
【0131】以下に図9のXYステージ10’を簡単に
説明する。
【0132】XYステージ10’は、XY可動部50、
X方向のみに運動するXバー52x、Y方向のみに運動
するYバー52yおよびベース1を有する。
【0133】Xバー52xの両側にはx運動機構53x
が固定されている。x運動機構53xは、ベース1に対
してX方向に滑らかに動くことのできる案内と、ベース
1に対してX方向に駆動力を与えるアクチュエータとを
内蔵している。同様に、Yバー52yは、両側にはy運
動機構53yが固定されている。y運動機構53yは、
ベース1に対してY方向に滑らかに動くことのできる案
内と、ベース1に対してY方向に駆動力を与えるアクチ
ュエータとを内蔵している。また、XY可動部50は、
X力支持部51x、Y力支持部51yと一体であり、ぞ
れぞれXバー52x、Yバー52yにより駆動力を受け
る。また、XY可動部50のZ方向は、ベース1を基準
に静圧軸受によって非接触支持されている。
【0134】以上の構成により、XY可動部50は、ベ
ース1上のXY平面を自由に移動することができる。
【0135】上述のXYステージ10’のベース1をこ
れまで説明してきたベースXYステージ2のベース搭載
台3に搭載することで、XY可動部の駆動反力をキャン
セルでき、XY可動部の位置決め性能を向上させること
ができる。
【0136】<実施形態8>次に前述した実施形態の位
置決め装置装置をウエハステージもしくはレチクルステ
ージとして搭載した走査型露光装置の実施形態を、図1
0を用いて説明する。
【0137】鏡筒定盤396は床または基盤391から
ダンパ398を介して支持されている。また鏡筒定盤3
96は、レチクル定盤394を支持すると共に、レチク
ルステージ395とウエハステージ393の間に位置す
る投影光学系397を支持している。
【0138】ウエハステージは、床または基盤から支持
された構造体フレーム6上に支持され、ウエハを載置し
て位置決めを行う。また、レチクルステージは、鏡筒定
盤に支持されたレチクルステージ定盤上に支持され、回
路パターンが形成されたレチクルを搭載して移動可能で
ある。レチクルステージ395上に搭載されたレチクル
をウエハステージ393上のウエハに露光する露光光
は、照明光学系399から発生される。
【0139】なお、ウエハステージ393は、レチクル
ステージ395と同期して走査される。レチクルステー
ジ395とウエハステージ393の走査中、両者の位置
はそれぞれ干渉計によって継続的に検出され、レチクル
ステージ395とウエハステージ393の駆動部にそれ
ぞれフィードバックされる。これによって、両者の走査
開始位置を正確に同期させるとともに、定速走査領域の
走査速度を高精度で制御することができる。投影光学系
に対して両者が走査している間に、ウエハ上にはレチク
ルパターンが露光され、回路パターンが転写される。
【0140】本実施形態では、前述の実施形態のステー
ジ装置をウエハステージもしくはレチクルステージとし
て用いているため、ステージの移動による反力や重心位
置の変化の影響を受けることなくウエハの露光を行うこ
とが可能となり、高速・高精度な露光が可能となる。
【0141】なお、本実施形態において、構造体フレー
ム6と鏡筒定盤396をダンパ398を介して振動的に
独立に支持しているが、構造体フレーム6と鏡筒定盤3
96を一体的に設け、この一体構造体をダンパで支持す
るようにしても良い。
【0142】<実施形態9>次に上記説明した露光装置
を利用した半導体デバイスの製造方法の実施例を説明す
る。図11は半導体デバイス(ICやLSI等の半導体
チップ、あるいは液晶パネルやCCD等)の製造フロー
を示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの
回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計
した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステッ
プ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエ
ハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程
と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソ
グラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成す
る。ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステッ
プ14によって作製されたウエハを用いて半導体チップ
化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボ
ンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の
工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製
された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト
等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイス
が完成し、これが出荷(ステップS7)される。
【0143】図12は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸
化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶
縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ
上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオ
ン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ1
5(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ス
テップ16(露光)では上記説明した露光装置によって
マスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステッ
プ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステッ
プ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部
分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッ
チングが済んで不要となったレジストを取り除く。これ
らのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上
に多重に回路パターンが形成される。本実施例の製造方
法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導
体デバイスを製造することができる。
【0144】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の位置決め装置に
よれば、ステージを第1方向および大2方向に駆動する
ときの駆動反力がキャンセルされるので、第2構造体が
大きく振動されることはない。また、第2構造体に搭載
された第1構造体、ベースおよびステージのトータルの
重心位置は第1方向および第2方向に移動しないので、
第2構造体の姿勢変動は軽減される。これらの効果が有
機的に作用することで、目的物を搭載するXYステージ
の位置決め精度を飛躍的に向上させることができる。
【0145】また、本発明によれば、ステージの第1方
向および第2方向に働く反力を、ベースおよび第1構造
体が各方向に移動してキャンセルしているので、回転ず
れを考慮することなく、構造を簡略化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の位置決め装置の概略図
【図2】第1実施形態の位置決め装置の基本動作の説明
【図3】第2実施形態の位置決め装置の概略図
【図4】第3実施形態の位置決め装置に用いられる微動
ステージの概略図
【図5】第3実施形態の位置決め装置に用いられる微動
ステージの分解図
【図6】第3実施形態の位置決め装置の制御図
【図7】第4実施形態の位置決め装置の概略図
【図8】第5実施形態の位置決め装置の概略図
【図9】第7実施形態の位置決め装置の概略図
【図10】第8実施形態の走査型露光装置の概略図
【図11】半導体デバイス製造方法のフロー図
【図12】ウエハプロセスフロー図
【図13】従来の位置決め装置の概略図
【符号の説明】
1 ベース 2 ベースXYステージ 3 ベース搭載台 4 ベースY移動台 5 固定部 6 構造体フレーム 8 リニアセンサ 9 アクチュエータ 10 XYステージ 20 Xステージ 21 天板 25 静圧軸受 30 Yステージ 35 静圧軸受 41 微動ステージ 43 アクチュエータ 45 冷却機構 221 目標値指示手段 222 位置プロファイル生成手段 223 加速プロファイル生成手段 225 微動LM位置サーボ系 226 演算部 227 微動電流アンプ 228 ウエハ天板位置計測系 229 ウエハ天板側面ミラー 231 吸引FF系 232 補正手段 233 調整手段 234 電磁石用電流アンプ 235 長距離LM位置サーボ系 237 リニアモータ電流アンプ 238 ステージ位置計測器 239 Xステージ側面ミラー 241 差分器 242 出力座標変換部 243 入力座標変換部 250 Yヨーガイド 251 Yステージ 252 Xヨーガイド 253 Yスライダ大 254 Yスライダ小 255 連結板 261 Xステージ 262 Xステージ側板 263 Xステージ上板 264 Xステージ下板 271 ウエハチャック 272 窪み 274 磁石 275 ヨーク 276 側板 278 コイル 279 コイル固定枠 280 磁性体支持筒 281 自重補償ばね 283 電磁石支持円筒 285 E形磁性体 286 コイル 391 床・基盤 392 ステージ定盤 393 ウエハステージ 394 レチクル定盤 395 レチクルステージ 396 鏡筒定盤 397 投影光学系 398 ダンパ 399 照明光学系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 充 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 伊藤 博仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 5F046 CC03 CC05 CC06 CC16 CC19

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースに設けられた基準面上を第1方向
    及び第2方向に移動可能なステージと、 該ベースと該ステージとの間で駆動力を発生する駆動装
    置と、 該ベースを前記第1方向に移動可能に支持する第1構造
    体と、 該第1構造体を前記第2方向に移動可能に支持する第2
    構造体とを備えることを特徴とする位置決め装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動装置が前記ベースと前記ステー
    ジとの間で駆動力を発生するとき、 前記ベースは、前記第2構造体に対して、前記ステージ
    と反対方向に移動することを特徴とする請求項1記載の
    位置決め装置。
  3. 【請求項3】 前記ステージは、第1ステージと第2ス
    テージとを備えることを特徴とする請求項1または2記
    載の位置決め装置。
  4. 【請求項4】 前記第1ステージは、前記第2ステージ
    に対して前記第1方向に移動可能であり、 前記第2ステージは、前記ベースに対して前記第2方向
    に移動可能であることを特徴とする請求項3記載の位置
    決め装置。
  5. 【請求項5】 前記ステージは、前記ベースに対して、
    非接触で支持され、非接触で駆動されることを特徴とす
    る請求項1〜4いずれかに記載の位置決め装置。
  6. 【請求項6】 前記ステージは、微動ステージを搭載し
    ていることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の
    位置決め装置。
  7. 【請求項7】 前記微動ステージは、前記ステージに対
    して6軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項
    6記載の位置決め装置。
  8. 【請求項8】 前記微動ステージを駆動するアクチュエ
    ータに冷却機構を設けることを特徴とする請求項6また
    は7に記載の位置決め装置。
  9. 【請求項9】 前記微動ステージは、前記ステージから
    リニアモータにより力が与えられることを特徴とする請
    求項6〜8いずれかに記載の位置決め装置。
  10. 【請求項10】 前記微動ステージは、前記ステージか
    ら電磁石により力が与えられることを特徴とする請求項
    6〜9いずれかに記載の位置決め装置。
  11. 【請求項11】 前記第2構造体は、マウントで支持さ
    れていることを特徴とする請求項1〜10いずれかに記
    載の位置決め装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11いずれかに記載の位置
    決め装置を有することを特徴とする露光装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の露光装置を用いてデ
    バイスを製造することを特徴とするデバイス製造方法。
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