JP3963410B2 - 位置決め装置およびこれを用いた露光装置 - Google Patents

位置決め装置およびこれを用いた露光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造のリソグラフィ工程で使用する露光装置、あるいは各種精密加工機あるいは各種精密測定器等での位置決めに好適に使用される位置決め装置、またこの位置決め装置を用いた露光装置やデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子製造に用いられる露光装置として、いわゆるステッパと呼ばれる装置が知られている。このステッパは、半導体ウエハを投影レンズ下でステップ移動させながら、レチクル上に形成されているパターン像を投影レンズでウエハ上に縮小投影し、1枚のウエハ上の複数箇所に順次露光していくものである。ステッパは、解像度および重ね合わせ精度の性能面から露光装置の主流と見られている。
【0003】
図24は従来の露光装置における本体構造体およびウエハステージの搭載例を示す正面図である。
同図において、1はレチクルパターンを照明する照明部、2は転写すべきパターンを有するレチクル、3はレチクル2上に形成されたパターンをウエハ上に投影する投影レンズ、4は投影レンズを支持する鏡筒支持体である。5は不図示のウエハを載置するトップステージであり、θ方向、Z方向、α方向およびβ方向に移動可能な機能を有している。6はトップステージ5を搭載しX方向およびY方向に移動可能なXYステージ、8は上面に案内面を有しXYステージ6および可動ガイド7を静圧エア軸受部を介してZ方向に非接触で支持するステージベースである。9はステージベース8を搭載し支持固定する定盤であり、鏡筒支持体4が一体的に結合されている。11は鏡筒支持体4を支持するために4か所に配置されたエアーマウントである。鏡筒支持体4は定盤9を介してエアーマウント11に支持されている。33aは投影レンズ3とXYステージ6との相対位置を計測するためのレーザ干渉計、16aは投影レンズ3の焦点位置とウエハ上面間の距離を計測するフォーカス検出部の投光部、16bは同じくフォーカス検出部の受光部である。
【0004】
このような構成の露光装置で処理される半導体ウエハについては、半導体素子の大面積化およびコスト低減を図るために、大口径、大サイズの半導体ウエハを用いる傾向にある。また、半導体素子の高集積化と共に、高速かつ高精度なウエハステージの位置合わせ、および高スループット化等が切望されている。
【0005】
しかしながら、このような従来の露光装置においては、搭載する半導体ウエハの大口径化に対応し、高速・高精度にXYステージ6を動かすためには、XYステージ6の動特性の向上を図らなければならない。このためガイド剛性を上げる等の必要が生じ、ステージ重量は単にストロークアップによる重量増加分よりさらに増大せざるを得ない。さらに、高スループット化に対応するためにXYステージ6の移動加速度および移動速度のアップを図り移動時間短縮を狙うと、ステージ移動の加速度による加振力は益々大きくなる。投影レンズ3の重量増加によるレンズ保持等の構造体の相対的な剛性の低下と併せて、上記従来例では、
▲1▼構造体強化による装置の大型化、コストアップが生じる。
▲2▼加振力増大に伴い、防振マウント11に支持された装置全体および装置に搭載される機構系の固有振動が励起され、ウエハステージ5やレーザ干渉計33aに外乱振動が伝わり、高速・高精度な位置決めが妨げられる。
▲3▼XYステージ6が移動するとステージ自体の重量で鏡筒支持体4および定盤9で支えられている装置全体のXY方向の重心位置が変化し、複数のエアーマウント11の支持力の配分が変化する。こうした支持力バランスの変化は、XYステージ6の位置および姿勢を計測するレーザ干渉計33aやフォーカスセンサ16a,16bの基準となっている鏡筒支持体4を変形させ、ウエハの重ね合わせ精度等を劣化させる。
等の問題点が生じる。
【0006】
例えばUSP5610686や特開平−335538号公報等に記載された位置決め装置は、基盤上でステージを駆動した時の基盤の揺れに起因する基盤とステージとの相対的なズレを防ぐため、リニアモータが基盤の揺れに対応する加速度をステージに与えている。
【0007】
しかし、ステージが移動するとステージ自体の重量により装置全体のXY方向の重心位置が変化し、位置決め装置全体を支持している複数の支持体の支持力配分が変化する。こうした支持力のバランス変化は、XYステージ位置および姿勢を計測するレーザ干渉計やフォーカスセンサの基準となっている支持体を変形させ、ウエハの重ね合わせ精度等を劣化させるという問題を生じる。
【0008】
また、上記公報に記載された従来例では、ボールネジで駆動しているステージの駆動反力を相殺すべくリニアモータによって加速度を与えているが、同一の固定子もしくはテーブルに2つのアクチュエータ(ボールネジとリニアモータ)を取付けているため、加速度がうまく伝わらず実現が困難である。また、ステージの駆動源(ボールネジ)と異なる種類のアクチュエータ(リニアモータ)を用いているため、ステージの駆動反力によって発生する微小振動を適切に相殺することは非常に困難である。
【0009】
また、特開平3−21894号公報、特開平3−107639号公報、および特開平3−125048号公報等に記載された位置決め装置は、基盤の揺れやステージの振動を防ぐため、バランス部材をボールねじで駆動し、振動に対する加速度を基盤やステージに与えている。
【0010】
しかし、ステージの移動やバランス部材の移動にボールねじを用いているため、ボールねじの軸回りにモーメントが生じる原因となっている。このため、基盤やステージに回転モーメントが働き、外乱振動を引き起こすことになり、ステージの位置決め精度を低下させる原因となる恐れがある。また、ボールねじを用いると潤滑材等が必要になるため、ステージの清浄度やメンテナンス性が低下する。
【0011】
さらに、機械的な接触があるボールねじを用いた系は、固有振動を完全に抑えることができず、残留振動が生じてしまう。したがってバランス部材に対してさらに高度な制御系を構築する必要がある。
【0012】
近年では、半導体ウエハの高集積回路の線幅はサブミクロンのオーダーとなり、このようなボールねじによる振動の励起は、露光装置の性能に大きな悪影響を与える原因となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題に鑑みて成されたものであり、簡単な構成でステージ加振力増大に伴う振動の伝達を防止し、高速かつ高精度な位置決めを可能とすることを目的とする。
【0014】
また、本発明の他の目的は、ステージの移動に伴って生じた慣性力の伝達を打ち消すような慣性力を付与することにより、ステージの移動に伴う振動の伝達を防止することにある。
【0015】
また、本発明の更に他の目的は、ステージの2次元の位置決めを行なう装置において、装置全体の重心を一定に保ち、高速・高精度な位置決めを可能とすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、定盤上で第1方向に移動可能な第1移動体と、第1方向に直交する第2方向に移動可能な第2移動体とを含み、2軸方向に移動可能なステージと、該第1移動体第1方向へ移動させる第1移動手段と、該第2移動体を第2方向に移動させる第2移動手段と、前記定盤に慣性力を発生させ第1慣性力付与手段とを有し、該第1慣性力付与手段は、移動可能に支持された質量体と、該質量体を第1方向に移動させる質量体移動手段と、前記ステージの移動によって生じる慣性力を打ち消すように前記質量体移動手段を制御する制御手段とを備え、前記質量体移動手段の固定子は前記第2移動体に固定されることを特徴とする位置決め装置が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、基準面を有する定盤と、前記基準面に沿って移動可能なステージと、該ステージを移動させる移動手段と、前記定盤に対して並進方向に移動可能に支持された質量体と、前記質量体を移動させる質量体移動手段とを含み、前記質量体移動手段を駆動して前記定盤に並進方向の慣性力を付与する並進慣性力付与手段と、前記定盤に対して回転可能に支持された回転質量体と、前記回転質量体を回転させる回転モータとを含み、前記回転モータを駆動して前記定盤に回転方向の力を付与する回転力付与手段と、前記ステージおよび前記質量体の加減速に応じて前記定盤に作用する回転方向の力を打ち消すように前記回転モータを制御する制御手段とを有することを特徴とする位置決め装置が提供される。
【0017】
また、本発明によれば、上述の位置決め装置を適用した露光装置が提供される。
更に、本発明によれば、上述の露光装置を用いて半導体デバイスの製造を行なう製造方法が提供される。
【0018】
【実施例】
以下、図面を用いて、本発明の他の特徴や利点を説明する。なお、各図面において、共通または対応する部分には同一の符号を付している。
<第1実施例>
以下の実施例では、特に半導体リソグラフィに用いられる投影露光装置の位置決め装置に本発明を適用して説明する。第1実施例の投影露光装置は、図1に示されるように投影光学系3と、半導体ウエハを搭載するステージ6と、該ステージを投影光学系3に対し直交平面上に1次元または2次元に移動させるためのステージ移動機構と、前記投影光学系3を支持する鏡筒支持体4と、前記ステージ移動機構を支持するステージベース8と、このステージベース8に装着された慣性力付与機構とを具備する。
【0019】
鏡筒支持体4とステージベース8は、定盤9を介して一体的に結合されており、定盤9はエアーマウント11に支持される。なお、鏡筒支持体4とステージベース8を搭載する基台12(図8、12または19参照)を設け、エアーマウント11と81により鏡筒支持体4とステージベース8を分離独立させてもよい。この点については第2実施例で説明する。
【0020】
慣性力付与機構は、ステージ6の加減速度に応じた慣性力の作用平面近傍に、すなわち、図2に示すように、ステージベース8または定盤9に4個配置され、前記ステージ6の慣性力を打ち消すように駆動制御する。この慣性力付与機構は、質量体13(13a〜13d)と質量体13を支持案内するガイド14(14a〜14d)と、質量体13を移動させるリニアモータ52,53(図3)と、このリニアモータを制御する制御部(図5で後述のコントローラ153および質量体駆動用ドライバ155)とで構成される。また、ガイド14は図3で説明する静圧空気軸受け51を含む。以下第1実施例を詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の第1実施例による投影露光装置の正面図、図2は図1のステージ部分の上面図である。
【0022】
同図において、2は転写すべきパターンを有するレチクル、1はレチクル2を露光光で照明する照明部であり、光源や照明用レンズを含む。3はレチクル2上に形成されたパターンをウエハ上に投影する投影レンズ、4は投影レンズを支持する鏡筒支持体である。
【0023】
5は不図示のウエハを載置するトップステージであり、θ方向、Z方向、α方向およびβ方向に移動可能な機能を有している。6はトップステージ5を搭載しX方向およびY方向に移動可能なXYステージ、7はXYステージ6を静圧エア軸受部を介してY方向に非接触で支持しX方向に移動可能なように案内する可動ガイド、8は上面に案内面を有しXYステージ6および可動ガイド7を静圧エア軸受部を介してZ方向に非接触で支持するステージベース、21はステージベース8に一体的に取り付けられ可動ガイド7を静圧エア軸受部を介してX方向に非接触で支持しY方向に移動可能なように案内するヨーガイドである。22はXYステージ6をX方向に駆動するリニアモータの固定子である。このリニアモータは固定子22が可動ガイド7に固定され、不図示の可動子はXYステージ6に取り付けられている。23aおよび23bは可動ガイド7をY方向に駆動するリニアモータの固定子であり、相互に対向するようにステージベース8に配置固定されている。24aおよび24bは可動ガイド7をY方向に駆動するリニアモータの可動子であり、相互に対向するように可動ガイド7に取り付けられている。
【0024】
9はステージベース8を搭載する定盤である。定盤9と鏡筒支持体4は一体的に結合されている。また、定盤9とステージベース8も一体的に結合されている。11は鏡筒支持体4および定盤9を支持するために4か所に配置されたエアーマウント(ダンパ)である。エアーマウント11は床から鏡筒支持体4および定盤9に伝わる振動を絶縁する。
【0025】
33aは投影レンズ3とXYステージ6との相対位置を計測するためのレーザ干渉計、16aは投影レンズ3の焦点位置とウエハ上面間の距離を計測するフォーカス検出部の投光部、16bは同じくフォーカス検出部の受光部である。これらの投光部16aと受光部16bは各々投影レンズ3に固定されている。32a,32bはトップステージ5に取り付けられた反射ミラーである。
【0026】
13(13a,13b,13c,13d)は定盤9に慣性力を付与するための質量体、14(14a,14b,14c,14d)は質量体13を支持案内するガイドであり定盤9に固定されている。
【0027】
図3は慣性力付与機構の詳細構成を示す断面図である。同図において、51は質量体13を1軸方向に支持案内する静圧空気軸受けである。52は質量体13を駆動するリニアモータの可動子であり質量体に固定されている。53はリニアモータの固定子でありその両端あるいは一方の端がガイド14に固定されている。
【0028】
このとき、リニアモータの駆動力の作用軸と、質量体の重心位置がほぼ一致していることが望ましい。そのため本実施例では、前記要件を満たすため、筒状の質量体を採用しているが、質量体の形状はこれに限られるものではない。
【0029】
図4は、本実施例の露光装置のXYステージ用測定系(レーザ計測システム)の配置を示す斜視図であり、図1のトップステージ5の周辺のレーザ干渉計33a等の部分を詳細に表わした図である。
【0030】
図4において、31は光源であるレーザヘッド、32aおよび32bは図1のトップステージ5に取り付けられた反射ミラー、33aはX方向を計測する干渉計、33bはY方向を計測する干渉計、33cはトップステージ5のヨーイングすなわち投影レンズの光軸に対するθ方向を計測する干渉計である。34a,34b,34cは干渉縞を電気信号に変換するレシーバであり、34aはX方向用、34bはY方向用、34cはθ方向用である。
【0031】
図5は本実施例の制御系のシステム図である。同図において、151は図4で示したX,Y,θレーザ測定システムであり、トップステージ5が搭載されたXYステージ6の位置を測定する。153はXYステージ6およびトップステージ5の位置信号(x,y,θ)をフィードバックし各駆動軸に所定の動作指令を行なうコントローラである。156はコントローラ153の指令信号を基に図2のリニアモータ固定子22および23a,23bのコイル部に電流を流しXYステージ6をドライブするリニアモータドライバ、155はコントローラ153からの指令により図1中の質量体13(13a,13b,13c,13d)をドライブする質量体駆動用ドライバ、157はトップステージ5の各駆動軸をドライブするトップステージ用ドライバである。質量体13の駆動制御は、質量体13の位置あるいは加速度を計測し(不図示)フィードバックすることで行なわれる。
【0032】
上記構成において、まず露光すべきウエハ(図示しない)をトップステージ5に載置し、コントローラ153(図5)からXYステージ6およびトップステージ5に駆動信号を与え、上記ウエハを投影レンズ3下の所定の位置および姿勢に駆動する。ここで、上記ウエハのX方向、Y方向、Z方向および各軸の回転方向(それぞれα方向、β方向、θ方向)の目標とする位置に対する偏差が、レーザ計測システムおよびフォーカス検出システムの出力を基にコントローラ153および外部のコントローラにより計算され、リニアモータドライバ156やトップステージ用ドライバ157等各々の駆動部にフィードバックされ、ウエハは所定の位置、姿勢に位置決め制御される。そして露光後、次の所定の位置にウエハ(トップステージ5)を移動し露光するという動作を繰り返す。
【0033】
XYステージ6の移動は、所定の速度曲線に倣うようにコントローラ153からリニアモータドライバ156に指令信号が与えられ、リニアモータが前記指令信号に応じた駆動力を発生することにより行なわれる。前記駆動力の大きさはXYステージ6の質量と所定の加減速度とで決まる慣性力と等しく、その駆動反力がステージベース8に作用し、定盤9に伝わる。このとき、コントローラ153からは質量体駆動用ドライバ155に前記駆動反力を打ち消すように指令信号が与えられ、質量体13a,13b,13c,13dが定盤9の変位を極力小さくするように駆動される。
【0034】
例えば、前記指令信号は次のように求められる。図6においてX方向駆動時を想定し、XYステージ6とトップステージ5を駆動するときの反力をFx、質量体13a,13bを駆動するときに発生する反力をRa,Rb、可動ガイド7上のリニアモータ固定子22の中心軸と質量体13a,13bの移動軸との距離をLa,Lbとすると、各力の作用点間の距離La,Lbは予め求められ、力の釣り合い式とモーメントの釣り合い式より反力Ra,Rbは以下の式(1)で表わされる。
【0035】
【数1】
Figure 0003963410
【0036】
質量体13a,13bの質量をMa,Mb、トップステージ5とXYステージ6をあわせたX方向の移動体質量をMxとすると、質量体13a,13bの必要な駆動ストロークSa,SbはXYステージのX方向のストロークSxに対する質量比で決まる。必要最大ストロークは以下の式(2)で表わされる。
【0037】
【数2】
Figure 0003963410
【0038】
また、図7に示すように、Y方向駆動時についても同様に、駆動反力をFy1,Fy2、質量体13c,13dを駆動して発生させる反力をRc,Rd、トップステージ5の中心軸とトップステージ5のY方向駆動軸および質量体13c,13dの駆動軸との距離をLy,Ly,Lc,Ldとすると、反力RcおよびRdは以下の式(3)で表わされる。
【0039】
【数3】
Figure 0003963410
【0040】
質量体13c,13dの質量をMc,Md、トップステージ5とXYステージ6と可動ガイド7をあわせたY方向の移動体質量をMyとすると、質量体13c,13dの必要な駆動ストロークSc,SdはXYステージのY方向のストロークSyに対する質量比で決まる。必要最大ストロークは以下の式(4)で表わされる。
【0041】
【数4】
Figure 0003963410
【0042】
以上述べたように、加減速時にステージベース8を介して定盤9に作用するX方向、Y方向およびθ方向の大きな駆動反力は、質量体13a,13b,13c,13dを反対方向に駆動し逆向きの駆動反力を発生させることにより打ち消され、鏡筒支持体4は揺すられない。α方向、β方向のモーメント反力は定盤9に伝わり鏡筒支持体4を揺するが、この反力は他の方向の力に比べ非常に小さい。
【0043】
したがって、エアーマウント11に支持された装置全体および装置に搭載された機構系各部の固有振動が励起されることもなく、ウエハステージやレーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらない。
【0044】
本実施例の特徴は、XYステージ6の加減速時に発生する慣性力に伴い、ステージベース8に伝わる大きな反力(X方向、Y方向、θ方向)を定盤9に取り付けられた質量体13a,13b,13c,13dを駆動し前記反力を打ち消すようにしたことである。これにより、エアーマウント11に支持された装置全体および装置に搭載された機構系各部の固有振動が励起されることなく、ウエハステージやレーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらないため、高速・高精度な位置決めを達成できる。
【0045】
また、本実施例では、ステージおよび質量体の駆動にリニアモータを用いている。そのためボールねじのような、ふれ回りが生じず、定盤やステージに回転モーメントが伝達されず、外乱振動が軽減されるため、高速・高精度な露光を行なうことができる。さらに、ステージおよび質量体とも、非接触駆動が可能であるため、ボールねじの場合に起きがちな固有振動による残留振動を抑えることができる。また、ステージの駆動手段と質量体の駆動手段が、ともにリニアモータであるため、異種の駆動手段では打ち消すことが困難であった微小な振動も容易に相殺することができる。
【0046】
<第2実施例>
図8は本発明の第2の実施例を示す装置の正面図である。同図において、図1〜7に示した第1実施例と同じ部材には同一番号を付けている。図8において、81はステージベース8を支持するために3カ所あるいはそれ以上の箇所に配置されたエアーマウント、12はエアーマウント11を介して鏡筒支持体4を支持し、かつエアーマウント81を介してステージベース8を支持する基台である。慣性力付与機構を構成するところのガイド14a〜14dはステージベース8に固定されている。
【0047】
上記構成の露光装置においても、第1実施例と同様にXYステージ6およびトップステージ5を所定の位置に移動するときの加減速に応じて移動体13(13a,13b,13c,13d)を駆動しステージベース8に直接慣性力を付与することにより、ステージベース8は揺すられない。したがって、エアーマウント81に支持されたウエハステージの固有振動が励起されることはない。また鏡筒支持体4はエアーマウント81およびエアーマウント11によりウエハステージと振動絶縁されているため、装置機構系各部の固有振動が励起されることもなく、レーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらない。
【0048】
本実施例の特徴は、鏡筒支持体とウエハステージが別体で構成されている露光装置において、XYステージ6の加減速時に発生する慣性力が、ステージベース8に伝わって生じる大きな反力(X方向、Y方向、θ方向)を打ち消すようにステージベース8に取り付けられた質量体13(13a,13b,13c,13d)を駆動し、エアーマウント81に支持されたウエハステージの固有振動が励起されないようにしたこと、かつ鏡筒支持体4はエアーマウント81およびエアーマウント11によりウエハステージと振動絶縁して装置機構系各部の固有振動が励起されないようにしたことである。このため、レーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらず、高速・高精度な位置決めを達成することができる。
【0049】
<第3実施例>
図9は本発明の第3の実施例を示すステージ部分の上面図である。図9において、図1〜7に示した第1実施例と同じ部材には同一番号を付けている。図9において、113a,113b,113c,113dはステージベース8に慣性力を付与するための質量体である。また、114a,114b,114c,114dは質量体113a,113b,113c,113dを支持案内するガイドでありステージベース8に固定されている。
【0050】
上記構成において、XYステージをX方向に駆動するときに発生する駆動反力を打ち消すときは、質量体113aおよび113bを駆動し、XYステージをY方向に駆動するときは質量体113cおよび質量体113dを駆動することにより、第2実施例と同等の効果が得られる。
【0051】
第3実施例の特徴は、装置全体の大きさを大きくすることなく、質量体113a,113b,113c,113dの移動ストロークを長くし、質量体113a,113b,113c,113dの質量を軽くし、装置全体の質量を軽量化することができることである。
【0052】
以上の実施例によれば、XYステージ6の移動加速度による加振力は、慣性力付与手段13,113により打ち消されるため、装置全体および装置に搭載される機構系の固有振動が励起されることがない。したがって、ステージの露光用光学系等に対する高速、 高精度な位置決めを行なうことができる。
【0053】
さらに、XYステージ6が移動するとステージ自体の重量で複数のエアーマウントの支持力の配分が変化するが、本発明による慣性力付与手段としての質量体がステージの重心移動を打ち消す。したがって、鏡筒支持体および定盤(装置本体構造体)を支持するエアーマウントの支持力バランスが変化しない。したがって、定盤および鏡筒支持体等の姿勢変動や構造体変形が生じず高精度な位置決めが行なわれる。
【0054】
また、ステージ移動に伴う装置本体(鏡筒支持体および定盤)の変形を抑えることができるため、ウエハの大型化に伴いウエハステージが大型化されても装置本体の高剛性化、大型化によるコストアップを抑えることができる。
【0055】
<第4実施例>
第4の実施例では、X方向に慣性力を付与するための機構をステージとともにY方向ヘ移動可能とし、より効果的に反力を作用させてステージ移動時の振動を軽減させる。
【0056】
図10は第4実施例による投影露光装置の概観を表わす図である。また、図11は図10のステージ部分の平面図である。図10、図11において、図1および図2と同様の構成には同一の参照番号を付してある。
【0057】
13x,13yは定盤9に慣性力を付与するための質量体、14x,14yは質量体13を支持案内するガイドであり、14xは可動ガイド7に、14yは定盤9にそれぞれ固定されている。ここで、定盤9はステージベース8と一体となっているため、14yはステージベース8に設けても良い。14xは可動ガイド7に固定されているため、質量体13xおよびガイド14x等で構成されるX方向慣性力付与機構は、トップステージ5およびXYステージ6とともにY方向に移動可能である。このとき質量体Ι3xを駆動するときに発生する力の作用軸は、トップステージ5およびXYステージ6をX方向に駆動するときに発生する力の作用軸と、ベースの基準面に垂直な方向から見たときにほぼ一致するように配置されている。また、質量体13yを駆動するときに発生する力の作用軸は、トップステージ5、XYステージ6、可動ガイド7およびX方向慣性力付与手段等をY方向に駆動するときに発生する力の作用軸と、ベースの基準面に垂直な方向から見たときにほぼ一致するように配置されている。どちらの場合も望ましくは、ベースの基準面に水平な方向から見たときにも、ほぼ一致している方が良い。
【0058】
質量体13x,13yおよびガイド14x,14yで構成される慣性力付与機構の構造は第1実施例(図3)で説明したとおりである。また、レーザ計測システム、および制御系についても、第1実施例(図4、図5)で説明したとおりである。ただし、質量体駆動用ドライバ155は図11の質量体13x,13yをドライブすることになる。
【0059】
上記構成において、まず露光すべきウエハ(不図示)をトップステージ5に載置し、不図示の外部コントローラからXYステージ6およびトップステージ5に駆動信号を与え、上記ウエハを投影レンズ3下の所定の位置および姿勢に駆動する。ここで、上記ウエハのX方向、Y方向、Z方向および各軸の回転方向(それぞれα方向、β方向、θ方向)の目標とする位置に対する偏差が、レーザ計測システムの出力を基に外部コントローラにより計算され、各々の駆動部にフィードバックされ、ウエハは所定の位置および姿勢に位置決め制御される。露光後、次の所定の位置に移動し露光する動作を繰り返す。XYステージ6の移動は、所定の速度曲線に倣うようにコントローラ153からリニアモータドライバ156に指令信号が与えられ、リニアモータが前記指令信号に応じた駆動力を発生することにより行なわれる。前記駆動力の大きさはXYステージ6の質量と所定の加減速度とで決まる慣性力と等しく、その駆動反力がステージベース8に作用し定盤9に伝わる。このとき、コントローラ153からは質量駆動用ドライバ155に前記駆動反力を打ち消すように指令信号が与えられ、質量体13x,13yが定盤9の変位を極力抑えて駆動される。
【0060】
例えば前記駆動信号は次のように求められる。図10においてX方向駆動時を想定すると、XYステージ6とトップステージ5を駆動するときの反力をFx、質量体13xを駆動するときに発生する反力をRxとする。力の釣り合い式より反力Rxは以下の式(5)で表わされる。
【0061】
【数5】
Figure 0003963410
このとき、質量体13xは可動ガイド7とともにY方向に移動するため、FxとRxの作用軸はベースの基準面に垂直な方向から見たときにほぼ一致している。そのため、FxとRxの合力による回転トルクは発生しない。質量体13xの質量をmx、トップステージ5とXYステージ6を合わせたX方向の移動体質量をMxとすると、質量体13xの必要な駆動ストロークsxはXYステージのX方向のストロークSxに対してMxとmxの質量比で決まり、以下の式(6)で表わされる。
【0062】
【数6】
Figure 0003963410
このとき、mxを大きくして質量比Mx/mxを小さくし、駆動ストロークsxを小さくするほど、質量体13xを駆動するために必要なエネルギーは小さくすることが可能である。しかし、この場合は質量体13xを含むY方向移動質量は大きくなるため、Y方向の移動に必要なエネルギーは大きくなる。したがって、Mxとmxの質量比はステージの駆動パターンによって最適に決める必要がある。例えば、X方向の移動に対し、Y方向の移動が多い場合には、mxを小さくしてY方向の移動質量を小さくしたほうが、トータルの駆動エネルギーを小さくすることができる。逆に、X方向の移動に対し、Y方向の移動が少ない場合には、mxを大きくして質量比Mx/mxを小さくしたほうが、トータルの駆動エネルギーを小さくすることができる。
【0063】
また、図11に示すように、Y方向駆動についても同様に、駆動反力をFy,Fy、質量体13yを駆動して発生させる反力をRyとする。したがって反力は以下の式(7)で表わされる。
【0064】
【数7】
Figure 0003963410
通常FyとFyの合力の作用軸がY方向の移動質量の重心を通るように、FyとFyの比率が決定される。質量13xを適切に駆動すると、Y方向の移動質量の重心はほぼ一定に保たれる。そのため、FyとFyの比率も一定に保つことができる。このとき、質量体13yを駆動して発生させる反力Ryの作用軸がFyとFyの合力の作用軸と一致するように、質量体13yを配置しておくことにより、Fy、Fy、Ryの合力による回転トルクは発生しない。
【0065】
質量体13yの質量をmy、トップステージ5とXYステージ6と可動ガイド7を合わせたY方向の移動体質量をMyとすると、質量体13yの必要な駆動ストロークsyはXYステージのY方向のストロークSyに対する質量比で決まる。必要最大ストロークは以下の式(8)で表わされる。
【0066】
【数8】
Figure 0003963410
このとき、myを大きくして質量比My/myを小さくし、駆動ストロークsyを小さくするほど、質量体13yを駆動するために必要なエネルギーは小さくすることが可能である。
【0067】
以上述べたように、加減速時にステージベース9に作用するX方向、Y方向およびθ方向の大きな駆動反力は、質量体13x,13yを反対方向に駆動し、逆向きの駆動反力を発生させることにより打ち消され、鏡筒支持体4は揺すられない。また、質量体13x,13yをそれぞれX方向駆動反力、Y方向駆動反力の作用軸上に配置することによって、回転トルクの発生を防止することができる。α方向、β方向のモーメント反力は基盤に伝わり鏡筒支持体を揺するが、この反力は他の方向の力に比べ非常に小さい。
【0068】
したがって、エアーマウント11に支持された装置全体および装置に搭載された機構系各部の固有振動が励起されることなく、ウエハステージやレーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらない。
【0069】
本実施例によれば、XYステージ6の加減速時に発生する慣性力に伴い、ステージベース8に伝わる大きな反力(X方向、Y方向、θ方向)を質量体13x,13yを駆動し前記反力を打ち消すようにしたことにより、エアーマウント11に支持された装置全体および装置に搭載された機構系各部の固有振動が励起されることなく、ウエハステージやレーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらないため、高速・高精度な位置決めを達成できる。
【0070】
特に、X方向に慣性力を発生させる慣性力付与手段がY方向に移動可能な構成になっているため、ステージ移動時に発生する振動を可動ガイドに直接反力を作用させて軽減させることができる。
【0071】
さらに、XYステージの移動にともない慣性力付与手段の質量が移動するため、エアーマウントで支えられている位置決め装置全体の重心位置が一定に保たれ、ウエハの重ね合わせ精度が向上する。
【0072】
<第5実施例>
図12は本発明の第5の実施例を示す露光装置の正面図である。図13は図12の位置決めステージ装置の上面図である。図中、図10〜11で示す構成と同様のものには同一番号をつけている。
【0073】
図12において、81はステージベースを支持するために3ヶ所あるいはそれ以上の箇所に配置されたエアーマウント(ダンパ)、12はエアーマウント11を介して鏡筒支持体4を支持し、かつエアーマウント81を介してステージベース8を支持する基台である。慣性力付与機構を構成する所のガイドl4xは可動ガイド7に、ガイド14yはステージベース8にそれぞれ固定されている。ガイド14xは可動ガイド7に固定されているため、質量体13xおよび14x等で構成されるX方向の慣性力付与機構は、トップステージ5およびXYステージ6とともにY方向に移動可能である。このとき質量体13xを駆動するときに発生する力の作用軸は、トップステージ5およびXYステージ6をX方向に駆動するときに発生する力の作用軸と、ベースの基準面に垂直な方向から見たときにほぼ一致するように配置されている。また、質量体13yを駆動するときに発生する力の作用軸は、トップステージ5、XYステージ6、可動ガイド7およびX方向慣性力付与手段をY方向に駆動するときに発生する力の作用軸と、ベースの基準面に垂直な方向から見たときにほぼ一致するように配置されている。どちらの場合も、ベースの基準面に水平な方向から見たときにも、ほぼ一致していることが望ましい。
【0074】
上記構成の露光装置においても第4実施例と同様にXYステージ6およびトップステージ5を所定の位置に移動するときに加減速に応じて質量体13(13x,13y)を駆動しステージベース8に直接慣性力を付与することにより、ステージベース8は揺すられない。したがって、エアーマウント81に支持されたウエハステージの固有振動が励起されることはなく、また鏡筒支持体4はエアーマウント81およびエアーマウント11によりウエハステージと振動絶縁されているため、装置機構系各部の固有振動が励起されることもない。このため、レーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらない。
【0075】
本実施例では、鏡筒支持体とウエハステージが別体で構成されている露光装置において、XYステージ6の加減速時に発生する慣性力に伴い、ステージベース8に伝わる大きな反力(X方向、Y方向、θ方向)をステージベース8に取り付けられた質量体13(13x、13y)を駆動し前記反力を打ち消すようにしている。これにより、エアーマウント81に支持されたウエハステージの固有振動が励起されることなく、また鏡筒支持体4はエアーマウント81およびエアーマウント11によりウエハステージと振動絶縁されているため、装置機構系各部の固有振動が励起されることがない。よって、レーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わることがないため、高速・高精度な位置決めを達成できる。
【0076】
さらに、XYステージの移動にともない慣性力付与機構の質量が移動するため、エアーマウントで支えられている位置決め装置全体の重心位置が一定に保たれ、ウエハの重ね合わせ精度が向上する。
【0077】
<第6実施例>
図14は本発明の第6の実施例を示す位置決めステージ装置の上面図である。図中、先の図10、図11の実施例と同じ部材には同一番号をつけている。
【0078】
図14において、13x,13x,13y,3yはステージベース8に慣性力を付与するための質量体、14x,14x,14y,14yはそれぞれ質量体13x,13x,13y,13yを支持案内するガイドである。このうちのガイド14x,14xは可動ガイド7に固定されており、質量体13x,13xおよびガイド14x,14x等で構成されるX方向慣性力付与手段は、トップステージ5およびXYステージ6とともにY方向に移動可能である。
【0079】
質量体13x,13xを移動させるための駆動力の作用軸は、トップステージ5およびXYステージ6をX方向に移動させる駆動力の作用軸と、ベースの基準面に垂直な方向から見たときにほぼ一致するように配置されている。また、質量体13y,13yを移動させるための駆動力の作用軸は、トップステージ5、XYステージ6、可動ガイド7およびX方向慣性力付与機構等をY方向に駆動するときの駆動力の作用軸と、ベースの基準面に垂直な方向から見たときにほぼ一致するように配置されている。どちらの場合も望ましくは、ベースの基準面に水平な方向から見たときにも、ほぼ一致している方が良い。
【0080】
上記構成において、XYステージをX方向に駆動するときに発生する駆動反力を打ち消すために質量体13x,13xを駆動してX方向に沿ってXYステージとは反対方向に移動させる。一方、XYステージをY方向に駆動するときは質量体13y,13yを駆動してY方向に沿ってXYステージとは反対方向に移動させる。
【0081】
本実施例によれば、質量体13x,13xを可動ガイド7の両脇に配置することにより、質量体駆動時の力の作用軸とトップステージ5およびXYステージ6駆動時の力の作用軸とをほぼ一致させることができる。また、複数個の慣性力付与手段によって質量体の配置の制約を軽減させ、設計上の自由度を高めている。
【0082】
さらに、XYステージの移動にともない慣性力付与機構の質量が移動するため、エアーマウントで支えられている位置決め装置全体の重心位置が一定に保たれ、ウエハの重ね合わせ精度が向上する。
【0083】
また、質量体13y,13yを左右対称的に配置することにより、複数の各エアーマウント81にかかる荷重負荷を分散して、特定のエアーマウントに過大な荷重がかかることを防ぐことができる。
【0084】
<第7実施例>
第7の実施例では、前述のX方向およびY方向に慣性力を付与するための直動慣性力付与機構の他に、回転慣性力を付与するための回転慣性力付与機構を設け、より効果的に反力を作用させてステージ移動時の振動を軽減させる。
【0085】
図15は本発明の第7実施例を示す露光装置の正面図である。図16は図15における位置決めステージ装置の上面図である。図中、図1〜4で示す構成と同様のものには同一番号をつけている。
【0086】
図において、13(13x,13y)は定盤9に慣性力を付与するための質量体、14(14x,14y)は質量体13を支持案内するガイドであり、定盤9に固定されている。
【0087】
35は定盤9に回転慣性力を付与するための回転質量体、36は回転質量体35を支持案内するガイドであり、定盤9に固定されている。回転質量体35を駆動するモータ(不図示)は、回転トルクのみを発生させ、並進力は発生させないものが望ましい。そのため、回転質量体35を駆動するモータとしては、例えば電磁力を用いて非接触にトルクを発生させられるものが好ましい。
【0088】
質量体13x,13yおよびガイド14x,14yで構成される慣性力付与機構の構造は第1実施例(図3)で説明した通りである。また、レーザ計測システム、および制御系についても、第1実施例(図4、図5)で説明した通りである。ただし、質量体駆動用ドライバによる質量体13x,13yおよび35のドライブ方法については後述する。
【0089】
上記構成において、まず露光すべきウエハ(不図示)をトップステージ5に載置し、不図示の外部のコントローラからXYステージ6およびトップステージ5に駆動信号を与え、上記ウエハを投影レンズ3下の所定の位置および姿勢に駆動する。ここで、上記ウエハのX方向、Y方向、Z方向および各軸の回転方向(それぞれα方向、β方向、θ方向)の目標とする位置に対する偏差が、レーザ計測システムの出力を基に外部のコントローラにより計算され、各々の駆動部にフィードバックされ、ウエハは所定の位置、姿勢に位置決め制御される。そして露光後、次の所定の位置に移動し露光するという動作を繰り返す。XYステージ6の移動は、所定の速度曲線に倣うように図5のコントローラ153からリニアモータドライバ156に指令信号が与えられ、リニアモータが前記指令信号に応じた駆動力を発生することにより行なわれる。前記駆動力の大きさはXYステージ6の質量と所定の加減速度とで決まる慣性力と等しく、その駆動反力がステージベース8に作用し定盤9に伝わる。このとき、コントローラ153からは質量体駆動用ドライバ155に前記駆動反力を打ち消すように指令信号が与えられ、質量体13x,13y,35が定盤9の変位を極力小さくなるように駆動される。
【0090】
例えば、前記駆動信号(駆動反力を打ち消すための指令信号)は次のように求められる。図17において、X方向駆動時を想定する。XYステージ6とトップステージ5を駆動するときの反力をFx、質量体13xを駆動するときに発生する反力をRx、質量体35を回転させるときに発生する反力トルクをTθとし、定盤9と定盤9上に設置されて駆動反力を受けるすべてのものを合わせた重心をGとし、重心Gから可動ガイド上のリニアモータ固定子22の中心までの距離をLx、重心Gから質量体13xを駆動するリニアモータ固定子53の中心までの距離をlxとすると、各力の作用点間の距離Lx、lxは予め求められ、力の釣合い式とモーメントの釣合い式より反力Rx、Tθは次式(9)で表わされる。
【0091】
【数9】
Figure 0003963410
質量体13xの質量をmx、トップステージ5とXYステージ6を合わせたX方向の移動体質量をMxとすると、質量体13xの必要な駆動ストロークsxはXYステージ6のX方向のストロークSxに対する質量比で決まる。必要最大ストロークは次式(10)で表わされる。
【0092】
【数10】
Figure 0003963410
また、図18に示すように、Y方向駆動についても同様に、駆動反力をFy、Fy、質量体13yを駆動して発生させる反力をRy、重心Gから各力の作用点までの距離をLy、Ly、lyとする。質量体35を回転させるときに発生する反力トルクをTθとすると、反力Ry、Tθは次式(11)で表わされる。
【0093】
【数11】
Figure 0003963410
質量体13yの質量をmy、トップステージ5とXYステージ6と可動ガイド7をあわせたY方向の移動体質量をMyとすると、質量体13yの必要な駆動ストロークsyはXYステージ6のY方向のストロークSyに対する質量比で決まる。必要最大ストロークは次式(12)で表わされる。
【0094】
【数12】
Figure 0003963410
また、質量体13x,13yの作用軸が重心G上にあると、lx、lyが0となり、反力トルクTθの計算が容易となる。
【0095】
以上述べたように、加減速時にステージベース9に作用するX方向、Y方向およびθ方向の大きな駆動反力は、質量体13x,13y,35を反対方向に駆動し逆向きの駆動反力を発生させることにより打ち消され、鏡筒支持体4は揺すられない。α方向、β方向のモーメント反力は定盤9に伝わり鏡筒支持体4を揺するが、この反力は他の方向の力に比べ非常に小さい。
【0096】
したがって、エアーマウント11に支持された装置全体および装置に搭載された機構系各部の固有振動が励起されることなく、ウエハステージやレーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらない。
【0097】
本実施例によれば、XYステージ6の加減速時に発生する慣性力に伴い、ステージベース8に伝わる大きな反力(X方向、Y方向、θ方向)を、定盤9に取り付けられた質量体13x,13y,35を駆動し前記反力を打ち消すようにしたことにある。これによれば、エアーマウント11に支持された装置全体および装置に搭載された機構系各部の固有振動が励起されることなく、ウエハステージやレーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらないため、高速・高精度な位置決めを達成できる。
【0098】
さらに、XYステージ6が移動するとステージ自体の重量で、複数のエアーマウント11の支持力の配分が変化するが、慣性力付与手段の質量体がステージの重心移動を打ち消す。したがって、鏡筒支持体4および定盤9(装置本体構造体)を支持するエアーマウント11の支持力バランスが変化しない。したがって、定盤9および鏡筒支持体4の姿勢変動や構造体変形が生じず高精度な位置決めが行なわれる。
【0099】
また、ステージ移動に伴う装置本体(鏡筒支持体および定盤)の変形を抑えることができるため、ウエハの大型化に伴いウエハステージが大型化されても装置本体の高剛性化、大型化によるコストアップを抑えることができる。
【0100】
<第8実施例>
図19は本発明の第8の実施例に係る露光装置の正面図である。同図において、前述の第7実施例と同じ部材には同一番号をつけている。図19において、81はステージベース8を支持するために3ヵ所あるいはそれ以上の箇所に配置されたエアーマウント、12はエアーマウント11を介して鏡筒支持体4を支持し、且つエアーマウント81を介してステージベース8を支持する基台である。慣性力付与手段を構成するところのガイド14x,14y,36はステージベース8に固定されている。
【0101】
上記構成の露光装置においても、第7実施例と同様にXYステージ6およびトップステージ5を所定の位置に移動するときの加減速に応じて質量体13(13x,13y)、35を駆動しステージベース8に直接慣性力を付与することにより、ステージベース8は揺すられない。したがって、エアーマウント81に支持されたウエハステージの固有振動が励起されることはなく、また鏡筒支持体4はエアーマウント81およびエアーマウント11によりウエハステージと振動絶縁されているため、装置機構系各部の固有振動が励起されることもない。このため、レーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらない。
【0102】
本実施例によれば、鏡筒支持体4とウエハステージ8が別体で構成構成されている露光装置において、XYステージ6の加減速時に発生する慣性力に伴い、ステージベース8に伝わる大きな反力(X方向、Y方向、θ方向)を、ステージベース8に取り付けられた質量体13(13x,13y)、35を駆動して打ち消すようにしたことにある。これによれば、エアーマウント81に支持されたウエハステージの固有振動が励起されることがない。また鏡筒支持体4はエアーマウント81およびエアーマウント11によりウエハステージと振動絶縁されているため、装置機構系各部の固有振動が励起されることがない。したがって、レーザ計測システムおよびフォーカス検出システムに外乱振動が伝わらず、高速・高精度な位置決めを達成できる。
【0103】
<第9実施例>
図20は本発明の第9の実施例に係る露光装置のステージ部分の上面図である。この図において、前述の実施例と同じ部材には同一番号をつけている。図20において、13x1,13x2,13y1,13y2,35はステージべース8に慣性力を付与するための質量体、14x1,14x2,14y1,14y2,36は質量体13x1、13x2、13y1、13y2、35を支持案内するガイドでありステージべース8に固定されている。
【0104】
上記構成において、XYステージをX方向に駆動するときに発生する駆動反力を打ち消すときは、質量体13x1、13x2および35を駆動し、XYステージをY方向に駆動するときは質量体13y1、13y2および35を駆動することにより、第8実施例と同等の効果が得られる。
【0105】
本実施例によれば、質量体13x1,13x2,13y1,13y2を対称に配置したことにあり、これによれば、エアーマウント8にかかる負荷を一定にし、特定のエアーマウントに過大な荷重が架かるのを防ぐことができる。
【0106】
<第10実施例>
図21は、本発明の第10の実施例に係る露光装置のステージ部分の上面図である。同図において、前述の実施例と同じ部材には同一番号をつけている。図21において、13x1,13x2,13y1,13y2,35はステージべース8に慣性力を付与するための質量体、14x1,14x2,14y1,14y2,36は質量体13x1,13x2,13y1,13y2,35を支持案内するガイドでありステージべース8に固定されている。
【0107】
上記構成において、XYステージをX方向に駆動するときに発生する駆動反力を打ち消すときは、質量体13x1、13x2および35を駆動し、XYステージをY方向に駆動するときは質量体13y1、13y2および35を駆動することにより、第8実施例と同等の効果が得られる。
【0108】
本実施例によれば、装置全体の大きさを大きくすることなく、質量体13x1,13x2,13y1,13y2の移動ストロークを長くし、質量体13x1,13x2,13y1,13y2質量を軽くしたことにある。これによれば、装置全体の質量を軽量化することができる。
【0109】
【デバイス生産方法の実施例】
次に上記説明した露光装置を利用したデバイスの生産方法の実施例を説明する。
図22は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)ではデバイスのパターン設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計したパターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコンやガラス等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0110】
図23は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明したアライメント装置を有する露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施例ではこの繰り返しの各プロセスにおいて、上記述べたように慣性力付与手段を適切に駆動制御するすることで、プロセスに影響を受けず正確な位置合わせを可能としている。
本実施例の生産方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度のデバイスを低コストに製造することができる。
【0111】
【効果の説明】
以上のように、上記各実施例によれば、ステージの移動加速度による加振力は、リニアモータを用いた慣性力付与機構により打ち消されるため、装置全体および装置に搭載される機構系の固有振動が励起されることがない。したがって、ステージに搭載されたウエハの投影レンズに対する位置決めを高速、 高精度に行なうことができる。
【0112】
また、上記実施例では、ステージおよび質量体の駆動にリニアモータを用いている。そのためボールねじのような、ふれ回りが生じず、定盤やステージに回転モーメントが伝達されず、外乱振動が軽減されるため、高速・高精度な露光を行なうことができる。さらに、ステージおよび質量体とも、非接触駆動が可能であるため、ボールねじの場合に起きがちな固有振動による残留振動を抑えることができる。また、ステージの駆動手段と質量体の駆動手段が、ともにリニアモータであるため、異種の駆動手段では打ち消すことが困難であった微小な振動も容易に相殺することができる。
【0113】
また、ステージが移動するとステージ自体の重量で複数の振動除去機構の支持力の配分が変化するが、慣性力付与機構の質量体がステージの重心移動を打ち消す。したがって、定盤を支持する振動除去機構の支持力バランスが変化しない。したがって、定盤およびそれらに搭載されているウエハや投影光学系の姿勢変動や構造体変形が生じず高精度な位置決めが行なわれる。
【0114】
また、ステージ移動に伴う装置本体の変形を抑えることができるため、ウエハの大型化に伴いステージが大型化されても装置本体の高剛性化、大型化によるコストアップを抑えることができる。
以上のように、所定の方向に所望の慣性力を発生させる慣性力付与機構により、ステージの移動加速度による振動の励起を当該所定方向に関して打ち消すことができる。また、慣性力付与機構に質量体の移動を利用しているため、ステージの移動加速度による慣性力を軽減するほかに、ステージの重心位置の変化も打ち消す効果がある。特に、第4〜6実施例によれば、第2方向に慣性力を発生させる慣性力付与機構がステージとともに第1の方向に移動可能な構成になっている。このため、ステージの第2方向への移動時に発生する振動を可動ガイドに直接反力を作用させて軽減させることができる。したがって、位置決め装置の高速・高精度な位置決めを行なうことができる。
【0115】
また、回転モーメントを発生するための回転慣性力付与手段により、モーメント反力を容易に打ち消すことができる。したがって、エアーマウントに支持された装置全体および装置に搭載された機構系各部の固有振動が励起されることなく、ウエハステージやレーザ計測システムおよびフォーカスシステムに外乱が伝達されないため、高速・高精度な位置決めを達成できる。
【0116】
また、二次元のステージの移動加速度による加振力は、慣性力付与機構により打ち消されるため、装置全体および装置に搭載される機構系の固有振動が励起されることがない。したがって、ステージの露光用光学系等に対する高速・高精度な位置決めを行なうことができる。
【0117】
また、慣性力付与機構を複数設置することで、慣性力付与機構の配置に対する設計上の自由度を上げることができ、ステージ駆動機構の力作用軸と慣性力付与機構の力作用軸とを略一致させることが容易になる。
【0118】
さらに、慣性力付与機構の質量体がステージの重心移動を打ち消すので、鏡筒支持体および基盤(装置本体構造)を支持するエアーマウントの支持力のバランスが変化しない。したがって、位置決め装置全体および鏡筒支持体の姿勢変動や構造体変形が生じず、高精度な半導体露光装置が実現する。
本発明は、本発明の精神と観点を外れない範囲で種々変更することができ、クレームに限定される以外、特定の実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る投影露光装置を表わす正面図である。
【図2】 図1に示した投影露光装置におけるウエハ搭載ステージ部分の上面図である。
【図3】 図1に示した投影露光装置の質量体およびそのガイド部分の詳細構成を示す図である。
【図4】 図1に示した投影露光装置におけるレーザ計測システムの配置を説明する図である。
【図5】 図1に示した投影露光装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】 図1に示した投影露光装置のウエハ搭載ステージ部分における、X方向の作用、反作用を説明する図である。
【図7】 図1に示した投影露光装置のウエハ搭載ステージ部分における、Y方向の作用、反作用を説明する図である。
【図8】 本発明の第2の実施例に係る投影露光装置を表わす正面図である。
【図9】 本発明の第3の実施例に係るウエハ搭載ステージ部分の上面図である。
【図10】 本発明の第4の実施例に係る投影露光装置を表わす正面図である。
【図11】 図10に示した投影露光装置におけるウエハ搭載ステージ部分の上面図である。
【図12】 本発明の第5の実施例に係る投影露光装置を表わす正面図である。
【図13】 図12に示した投影露光装置におけるウエハ搭載ステージ部分の上面図である。
【図14】 本発明の第6の実施例に係る投影露光装置のウエハ搭載ステージ部分の上面図である。
【図15】 本発明の第7の実施例に係る投影露光装置を表わす正面図である。
【図16】 図15に示した投影露光装置におけるウエハ搭載ステージ部分の上面図である。
【図17】 図15に示した投影露光装置のウエハ搭載ステージ部分における、X方向の作用、反作用を説明する図である。
【図18】 図15に示した投影露光装置のウエハ搭載ステージ部分における、Y方向の作用、反作用を説明する図である。
【図19】 本発明の第8の実施例に係る投影露光装置を表わす正面図である。
【図20】 本発明の第9の実施例に係る投影露光装置を表わすウエハ搭載ステージ部分の上面図である。
【図21】 本発明の第10の実施例に係る投影露光装置を表わすウエハ搭載ステージ部分の上面図である。
【図22】 第1〜10実施例で説明した投影露光装置を適用できるデバイス製造工程を説明する図である。
【図23】 第1〜10実施例で説明した投影露光装置を適用できるデバイス製造工程を説明する図である。
【図24】 従来の投影露光装置を表わす上面図である。
【符号の説明】
1:照明部、2:レチクル、3:投影レンズ、4:鏡筒支持体、5:トップステージ、6:XYステージ、7:可動ガイド、8:ステージベース、9:定盤、11,81:エアーマウント、12:基台、13(13a,13b,13c,13d),113(113a,113b,113c,113d):質量体、14(14a,14b,14c,14d),114(114a,114b,114c,114d):ガイド、16a:フォーカス検出部の投光部、16b:フォーカス検出部の受光部、22,22a,22b,53:リニアモータ固定子、24a,24b,52:リニアモータ可動子、35:回転質量体、36:回転質量体ガイド、155:質量体駆動用ドライバ、156:リニアモータドライバ。

Claims (24)

  1. 定盤上で第1方向に移動可能な第1移動体と、第1方向に直交する第2方向に移動可能な第2移動体とを含み、2軸方向に移動可能なステージと、
    該第1移動体を第1方向へ移動させる第1移動手段と、
    該第2移動体を第2方向に移動させる第2移動手段と、
    前記定盤に慣性力を発生させる第1慣性力付与手段とを有し、
    該第1慣性力付与手段は、移動可能に支持された質量体と、該質量体を第1方向に移動させる質量体移動手段と、前記ステージの移動によって生じる慣性力を打ち消すように前記質量体移動手段を制御する制御手段とを備え、前記質量体移動手段の固定子は前記第2移動体に固定されることを特徴とする位置決め装置。
  2. 前記第1慣性力付与手段は、前記質量体を支持案内するガイドを備え、該ガイドは前記第2移動体に固定されることを特徴とする請求項記載の位置決め装置。
  3. 前記ガイドが静圧軸受を有することを特徴とする請求項または記載の位置決め装置。
  4. 前記移動手段はリニアモータを有し、該リニアモータの固定子は前記定盤に固定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の位置決め装置。
  5. 前記第2移動手段の力作用軸と、前記第1慣性力付与手段の力作用軸とが、前記定盤の基準面に垂直な方向から見た時にほぼ一致していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の位置決め装置。
  6. 前記定盤に配置され、前記第1方向への所望の慣性力を付与するための第2慣性力付与手段を更に含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の位置決め装置。
  7. 前記第1移動手段の力作用軸と、前記第2慣性力付与手段の力作用軸とが、前記基準面に垂直な方向から見た時にほぼ一致していることを特徴とする請求項記載の位置決め装置。
  8. 前記第1および第2慣性力付与手段は、前記第1もしくは第2移動体の移動に伴う重心位置変化または慣性力が軽減するように、該第1もしくは第2移動体の移動とほぼ同時に、慣性力付与のための質量体を移動させることを特徴とする請求項または記載の位置決め装置。
  9. 前記第1および第2慣性力付与手段の少なくとも一方が複数の質量体を含むことを特徴とする請求項のいずれか1つに記載の位置決め装置。
  10. 前記第1および第2移動体の位置情報または加速度情報を得るための計測手段を更に備え、
    前記第1および第2慣性力付与手段は、前記計測手段で得られた情報に基づいて慣性力を付与するための質量体の移動を制御することを特徴とする請求項のいずれか1つに記載の位置決め装置。
  11. 前記計測手段は、レーザ干渉計を有することを特徴とする請求項10に記載の位置決め装置。
  12. 基準面を有する定盤と、
    前記基準面に沿って移動可能なステージと、
    該ステージを移動させる移動手段と、
    前記定盤に対して並進方向に移動可能に支持された質量体と、前記質量体を移動させる質量体移動手段とを含み、前記質量体移動手段を駆動して前記定盤に並進方向の慣性力を付与する進慣性力付与手段と、
    前記定盤に対して回転可能に支持された回転質量体と、前記回転質量体を回転させる回転モータとを含み、前記回転モータを駆動して前記定盤に回転方向の力を付与する回転力付与手段と、
    前記ステージおよび前記質量体の加減速に応じて前記定盤に作用する回転方向の力を打ち消すように前記回転モータを制御する制御手段と
    を有することを特徴とする位置決め装置
  13. 前記並進慣性力付与手段は、前記質量体を支持案内するガイド具備し、該ガイドは定盤に固定されることを特徴とする請求項12に記載の位置決め装置。
  14. 前記並進慣性力付与手段のガイドは、静圧空気軸受を有することを特徴とする請求項13に記載の位置決め装置。
  15. 前記制御手段は、前記ステージの並進方向における駆動反力を打ち消すように、前記質量体移動手段を制御することを特徴とすることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1つに記載の位置決め装置。
  16. 前記移動手段はリニアモータであり、前記リニアモータの固定子が前記定盤に固定されることを特徴とする請求項1215のいずれか1つに記載の位置決め装置。
  17. 前記回転力付与手段は、前記回転質量体を支持案内するガイドを備え、前記ガイドは前記定盤に固定されることを特徴とする請求項1216のいずれか1つに記載の位置決め装置。
  18. 前記回転力付与手段のガイドは、静圧軸受を有することを特徴とする請求項17に記載の位置決め装置。
  19. 前記回転質量体の回転軸は、前記定盤の基準面と直交することを特徴とする請求項1218のいずれか1つ記載の位置決め装置。
  20. 請求項1〜19のいずれか1つに記載の位置決め装置をウエハステージに用いたことを特徴とする露光装置。
  21. 前記定盤が、床に除振手段を介して配置され、該定盤上に投影光学系が搭載されていることを特徴とする請求項20記載の露光装置。
  22. 前記定盤が、床に除振手段を介して配置され、投影光学系は該除振手段とは別の除振手段を介して床に設置されたほかの定盤上に搭載されていることを特徴とする請求項21記載の露光装置。
  23. 請求項2022のいずれか1つに記載の露光装置を用意するステップと、ウエハにレチクルパターンを転写するステップを有することを特徴とするデバイス製造方法。
  24. ウエハに露光された部分を現像するステップと、ウエハ上に形成されたチップを切り離すステップとを更に有することを特徴とする請求項23記載のデバイス製造方法。
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