JP2001229735A - 複合誘電発泡体及びその製造方法 - Google Patents
複合誘電発泡体及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 各種の誘電体アンテナ等の材料、レーダー
電波反射器およびアンテナなどに応用されるルーネベル
グレンズの原理を利用した球状型誘導体レンズ等の素材
に用いられる、軽量ポリオレフィン系高誘電発泡体およ
びその製造方法の提供。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂、樹脂に対して5
〜50重量%の誘電体セラミックスおよび発泡剤を押出
機に添加し、溶融混練り後、押出ダイスから発泡させな
がら押出し、次いでこれを適宜カットして、嵩比重が
0.5〜0.04g/cm2のポリオレフィン系高誘電
発泡粒子を得、該発泡粒子を成形型内に充填して成形さ
せた、嵩比重が0.5〜0.04g/cm2であること
を特徴とするポリオレフィン系高誘電発泡体の製造方法
であり、該製造方法により得られる、ポリオレフィン系
樹脂に対し、5〜50重量%の誘電体セラミックスを均
一に分散し、発泡してなる嵩比重が0.5〜0.04g
/cm2であることを特徴とするポリオレフィン系高誘
電発泡体である。
電波反射器およびアンテナなどに応用されるルーネベル
グレンズの原理を利用した球状型誘導体レンズ等の素材
に用いられる、軽量ポリオレフィン系高誘電発泡体およ
びその製造方法の提供。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂、樹脂に対して5
〜50重量%の誘電体セラミックスおよび発泡剤を押出
機に添加し、溶融混練り後、押出ダイスから発泡させな
がら押出し、次いでこれを適宜カットして、嵩比重が
0.5〜0.04g/cm2のポリオレフィン系高誘電
発泡粒子を得、該発泡粒子を成形型内に充填して成形さ
せた、嵩比重が0.5〜0.04g/cm2であること
を特徴とするポリオレフィン系高誘電発泡体の製造方法
であり、該製造方法により得られる、ポリオレフィン系
樹脂に対し、5〜50重量%の誘電体セラミックスを均
一に分散し、発泡してなる嵩比重が0.5〜0.04g
/cm2であることを特徴とするポリオレフィン系高誘
電発泡体である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合誘電発泡体に
係り、より詳しくは、ポリオレフィン系樹脂粒子に誘電
体セラミックスを均一に分散し、発泡してなる軽量ポリ
オレフィン系高誘電発泡体、およびその製造方法に関す
る。
係り、より詳しくは、ポリオレフィン系樹脂粒子に誘電
体セラミックスを均一に分散し、発泡してなる軽量ポリ
オレフィン系高誘電発泡体、およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の誘電体アンテナ等の材料、レーダ
ー電波反射器およびアンテナなどに応用されるルーネベ
ルグレンズの原理を利用した球状型誘電体レンズ等の素
材に誘電発泡体が使用されている。これらの部材に使用
される誘電発泡体には、幾つかの品質要求がある。重要
なものとして、例えば以下の品質要求がある。
ー電波反射器およびアンテナなどに応用されるルーネベ
ルグレンズの原理を利用した球状型誘電体レンズ等の素
材に誘電発泡体が使用されている。これらの部材に使用
される誘電発泡体には、幾つかの品質要求がある。重要
なものとして、例えば以下の品質要求がある。
【0003】(1)耐熱性及び寸法安定性 各種の誘電体アンテナ、球状型誘電体レンズを利用した
レーダー反射器やアンテナ等の多くは、屋外のあらゆる
場所で、長期に渡り使用される。この場合、赤道直下で
の炎天下では、誘電体レンズの内部温度は80℃を越え
ることもあり、また高緯度下での真冬には、氷点下以下
の温度状態になる。これらの激しい温度変化の中で、長
期に渡り安定な性能を保持するには、十分な耐熱性能と
寸法安定性能を持ち合わせていなければならない。
レーダー反射器やアンテナ等の多くは、屋外のあらゆる
場所で、長期に渡り使用される。この場合、赤道直下で
の炎天下では、誘電体レンズの内部温度は80℃を越え
ることもあり、また高緯度下での真冬には、氷点下以下
の温度状態になる。これらの激しい温度変化の中で、長
期に渡り安定な性能を保持するには、十分な耐熱性能と
寸法安定性能を持ち合わせていなければならない。
【0004】(2)温度変化による少ない比誘電率変化 上記した使用条件を考慮した厳しい温度範囲(−40〜
80℃)において、非誘電率が変化してしまうと、それ
によりアンテナ、レーダー反射器としての役割が果たせ
なくなってしまう。したがって、このような温度変化に
おいても、比誘電率の変化が小さいものでなければ、安
定した性能を保持することができない。
80℃)において、非誘電率が変化してしまうと、それ
によりアンテナ、レーダー反射器としての役割が果たせ
なくなってしまう。したがって、このような温度変化に
おいても、比誘電率の変化が小さいものでなければ、安
定した性能を保持することができない。
【0005】(3)誘電正接が小さいこと(0.002
以下であること) 誘電体アンテナ、球状型誘電体レンズとしての性能を左
右する大事な特性として、誘電正接(tanδ)の数値
がある。これは、誘電損失を表す指標であり、比誘電率
が所望する値になっているとしても、この誘電正接が大
きいと、ここでの損失(ロス)が多く発生してしまう
為、アンテナ、レーダー反射機としての性能が十分に発
揮できなくなる。したがって、この誘電正接(tan
δ)の値が小さいことが必要であり、具体的には、0.
002以下にする必要がある。
以下であること) 誘電体アンテナ、球状型誘電体レンズとしての性能を左
右する大事な特性として、誘電正接(tanδ)の数値
がある。これは、誘電損失を表す指標であり、比誘電率
が所望する値になっているとしても、この誘電正接が大
きいと、ここでの損失(ロス)が多く発生してしまう
為、アンテナ、レーダー反射機としての性能が十分に発
揮できなくなる。したがって、この誘電正接(tan
δ)の値が小さいことが必要であり、具体的には、0.
002以下にする必要がある。
【0006】(4)軽量化 これらの複合誘電体部材は、高誘電セラミックスと樹脂
により製造されていたが、無機物であるセラミックスの
比重が重いこともあり、重量が大きくなるといった欠点
があった。すなわち、誘電体部材の重量が重いことは、
アンテナ、レーダー反射機とした場合、航空機や小型船
舶にはこれを搭載することが困難であったり、通常の運
搬、設置に関しても多大の労力と費用がかさむ。したが
って、小型化、軽量化が望まれていた。
により製造されていたが、無機物であるセラミックスの
比重が重いこともあり、重量が大きくなるといった欠点
があった。すなわち、誘電体部材の重量が重いことは、
アンテナ、レーダー反射機とした場合、航空機や小型船
舶にはこれを搭載することが困難であったり、通常の運
搬、設置に関しても多大の労力と費用がかさむ。したが
って、小型化、軽量化が望まれていた。
【0007】誘電発泡体には、上記した(1)〜(4)
の要求品質を満足することが必要であるが、もう一つの
重要な課題として、製造工程の短縮化が求められてい
る。すなわち、高誘電複合発泡体を作る従来の製造工程
は、煩雑かつ複雑な方法が多く、製造コストがかかる。
このため、高誘電複合発泡体としては高価なものになっ
てしまい、汎用品として使用されることがなかった。
の要求品質を満足することが必要であるが、もう一つの
重要な課題として、製造工程の短縮化が求められてい
る。すなわち、高誘電複合発泡体を作る従来の製造工程
は、煩雑かつ複雑な方法が多く、製造コストがかかる。
このため、高誘電複合発泡体としては高価なものになっ
てしまい、汎用品として使用されることがなかった。
【0008】ところで、これまでに、高分子の発泡体に
高誘電材料を添加し、軽量の高誘電材料を提供する試み
が種々行われてきている。例えば、特公昭61−211
47及び特開平7−33901には、高分子発泡体とし
て、発泡スチレン系樹脂粒子を用いる方法が開示されて
いる。また、特開平7−320537には、誘電体セラ
ミックス粉体を分散させた発泡ウレタン樹脂からなる軽
量誘電体の製造方法が示されており、さらに、特許第2
979736号には、発泡体でないものの、高周波にお
いて、Q≧1000を示す誘電体アンテナ用複合材料が
提案されている。しかしながら、これらで提案されてい
る複合誘電発泡体、あるいはその製造方法は、上記した
品質要求を満たすものとは言い難い。
高誘電材料を添加し、軽量の高誘電材料を提供する試み
が種々行われてきている。例えば、特公昭61−211
47及び特開平7−33901には、高分子発泡体とし
て、発泡スチレン系樹脂粒子を用いる方法が開示されて
いる。また、特開平7−320537には、誘電体セラ
ミックス粉体を分散させた発泡ウレタン樹脂からなる軽
量誘電体の製造方法が示されており、さらに、特許第2
979736号には、発泡体でないものの、高周波にお
いて、Q≧1000を示す誘電体アンテナ用複合材料が
提案されている。しかしながら、これらで提案されてい
る複合誘電発泡体、あるいはその製造方法は、上記した
品質要求を満たすものとは言い難い。
【0009】すなわち、特公昭61−21147に開示
される方法では、表面処理した金属箔(アルミフレー
ク)と発泡ポリスチレン樹脂を、押出機に添加し混練り
することにより、これらが複合したペレットを得てお
り、最終的に発泡体を得るにはこのペレットを、予備発
泡装置を用いて、所望する発泡倍率に発泡させる工程
と、その予備発泡粒子を型に入れて成形する工程が新た
に必要になり、製造工程として煩雑なものとなってい
る。加えて、高誘電体の原料として金属箔(アルミフレ
ーク)を使用しているが、これは、誘電正接(tan
δ)の値を高くすることとなり好ましくない。また、樹
脂原料として、発泡ポリスチレンを使用するなど、原料
自体の価格が高いものとなってしまう。
される方法では、表面処理した金属箔(アルミフレー
ク)と発泡ポリスチレン樹脂を、押出機に添加し混練り
することにより、これらが複合したペレットを得てお
り、最終的に発泡体を得るにはこのペレットを、予備発
泡装置を用いて、所望する発泡倍率に発泡させる工程
と、その予備発泡粒子を型に入れて成形する工程が新た
に必要になり、製造工程として煩雑なものとなってい
る。加えて、高誘電体の原料として金属箔(アルミフレ
ーク)を使用しているが、これは、誘電正接(tan
δ)の値を高くすることとなり好ましくない。また、樹
脂原料として、発泡ポリスチレンを使用するなど、原料
自体の価格が高いものとなってしまう。
【0010】特開平7−33901では、高誘電体であ
るセラミックス粉末を含んだビニル系樹脂粒子を押出し
て、大きさの揃った非発泡粒子を作り、次いでこの粒子
を水性媒体中に懸濁させて後、この粒子の表面にビニル
系単量体を付着させ、重合させて粒子状に薄膜を作り、
その後粒子に発泡剤を含浸させる方法が開示されてい
る。しかし、この発泡性粒子を作るまでに、押出〜重合
〜発泡剤含浸の3工程が必要になるほか、さらに予備発
泡、成形の2工程が加わらないと、成形品としての発泡
体は得られないなど、極めて多くの工程を必要とする。
るセラミックス粉末を含んだビニル系樹脂粒子を押出し
て、大きさの揃った非発泡粒子を作り、次いでこの粒子
を水性媒体中に懸濁させて後、この粒子の表面にビニル
系単量体を付着させ、重合させて粒子状に薄膜を作り、
その後粒子に発泡剤を含浸させる方法が開示されてい
る。しかし、この発泡性粒子を作るまでに、押出〜重合
〜発泡剤含浸の3工程が必要になるほか、さらに予備発
泡、成形の2工程が加わらないと、成形品としての発泡
体は得られないなど、極めて多くの工程を必要とする。
【0011】特開平7−320537では、これらの欠
点を補うべく、樹脂系として発泡ウレタン樹脂を用いた
軽量誘電体の製造法を開示するが、この方法によれば、
高誘電体セラミックスと発泡ウレタンの主原料の1つで
あるポリオールを攪拌混合したのち、定法にしたがって
発泡すれば良いことから、かなりの工程短縮ができてい
る。しかしながら、この製造方法では、使用する発泡ウ
レタン樹脂の誘電正接(tanδ)の値が、スチレン系
の樹脂に比べて100倍程度高いという致命的な欠陥が
ある。この誘電正接の値が高いと、ここでの誘電損失が
増大することとなり、各種の誘電体アンテナ等の材料、
レーダー電波反射器及びアンテナなどに応用されるルー
ネベルグレンズの原理を利用した球状誘電体レンズ等の
素材としては、まったく不向きなものとなってしまう。
点を補うべく、樹脂系として発泡ウレタン樹脂を用いた
軽量誘電体の製造法を開示するが、この方法によれば、
高誘電体セラミックスと発泡ウレタンの主原料の1つで
あるポリオールを攪拌混合したのち、定法にしたがって
発泡すれば良いことから、かなりの工程短縮ができてい
る。しかしながら、この製造方法では、使用する発泡ウ
レタン樹脂の誘電正接(tanδ)の値が、スチレン系
の樹脂に比べて100倍程度高いという致命的な欠陥が
ある。この誘電正接の値が高いと、ここでの誘電損失が
増大することとなり、各種の誘電体アンテナ等の材料、
レーダー電波反射器及びアンテナなどに応用されるルー
ネベルグレンズの原理を利用した球状誘電体レンズ等の
素材としては、まったく不向きなものとなってしまう。
【0012】特許第2979736号は、この誘電正接
(tanδ)の低い、Q値(1/tanδ)が1000
以上の誘電体アンテナ用複合材料を開示しているが、こ
こで得られるものは、射出成形品による材料であり、発
泡体ではなく、軽量化を満足することはできない。
(tanδ)の低い、Q値(1/tanδ)が1000
以上の誘電体アンテナ用複合材料を開示しているが、こ
こで得られるものは、射出成形品による材料であり、発
泡体ではなく、軽量化を満足することはできない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
各種の誘電体アンテナ等の材料、レーダー電波反射器及
びアンテナなどに応用されるルーネベルグレンズの原理
を利用した球状型誘導体レンズ等の素材に用いられる、
上記した要求品質を満足する、軽量誘電発泡体を提供す
ることを課題とする。また本発明は、製造工程を大幅に
短縮して、製造コストの削減をはかった、軽量誘電発泡
体の製造方法を提供することも課題とする。
各種の誘電体アンテナ等の材料、レーダー電波反射器及
びアンテナなどに応用されるルーネベルグレンズの原理
を利用した球状型誘導体レンズ等の素材に用いられる、
上記した要求品質を満足する、軽量誘電発泡体を提供す
ることを課題とする。また本発明は、製造工程を大幅に
短縮して、製造コストの削減をはかった、軽量誘電発泡
体の製造方法を提供することも課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めの本発明の請求項1に記載の発明は、ポリオレフィン
系樹脂に対し、5〜50重量%の誘電体セラミックスを
均一に分散し、発泡してなる嵩比重が0.5〜0.04
g/cm2であることを特徴とするポリオレフィン系高
誘電発泡体である。
めの本発明の請求項1に記載の発明は、ポリオレフィン
系樹脂に対し、5〜50重量%の誘電体セラミックスを
均一に分散し、発泡してなる嵩比重が0.5〜0.04
g/cm2であることを特徴とするポリオレフィン系高
誘電発泡体である。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、当該誘電体セラミックスが、粉末また
はウイスカーであることを特徴とする。
の発明において、当該誘電体セラミックスが、粉末また
はウイスカーであることを特徴とする。
【0016】また、請求項3記載の発明は、かかるポリ
オレフィン系高誘電発泡体の製造方法であり、該方法
は、ポリオレフィン系樹脂、樹脂に対して5〜50重量
%の誘電体セラミックスおよび発泡剤を押出機に添加
し、溶融混練り後、押出ダイスから発泡させながら押出
し、次いでこれを適宜カットして、嵩比重が0.5〜
0.04g/cm2のポリオレフィン系高誘電発泡粒子
を得、該発泡粒子を成形型内に充填して成形させた、嵩
比重が0.5〜0.04g/cm2であることを特徴と
するポリオレフィン系高誘電発泡体の製造方法である。
オレフィン系高誘電発泡体の製造方法であり、該方法
は、ポリオレフィン系樹脂、樹脂に対して5〜50重量
%の誘電体セラミックスおよび発泡剤を押出機に添加
し、溶融混練り後、押出ダイスから発泡させながら押出
し、次いでこれを適宜カットして、嵩比重が0.5〜
0.04g/cm2のポリオレフィン系高誘電発泡粒子
を得、該発泡粒子を成形型内に充填して成形させた、嵩
比重が0.5〜0.04g/cm2であることを特徴と
するポリオレフィン系高誘電発泡体の製造方法である。
【0017】ところで、高分子材料には、それぞれ固有
の比誘電率と、誘電正接を持ち合わせている。この高分
子材料の中で、低い誘電正接を持ち合わせている樹脂と
しては、ポリオレフィン、ポリスチレンなどが知られて
おり、逆に高い誘電正接を持ち合わせている樹脂として
は、ポリウレタン系樹脂、アクリル、メタクリル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂等があ
る。本発明は、この中で低い誘電正接を持ち合わせてい
る樹脂として、ポリオレフィンに着目し、この特性を十
分に活かしつつ、前記した種々の品質要求を達成させた
高誘電発泡体を提供する点に特徴を有するものである。
の比誘電率と、誘電正接を持ち合わせている。この高分
子材料の中で、低い誘電正接を持ち合わせている樹脂と
しては、ポリオレフィン、ポリスチレンなどが知られて
おり、逆に高い誘電正接を持ち合わせている樹脂として
は、ポリウレタン系樹脂、アクリル、メタクリル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂等があ
る。本発明は、この中で低い誘電正接を持ち合わせてい
る樹脂として、ポリオレフィンに着目し、この特性を十
分に活かしつつ、前記した種々の品質要求を達成させた
高誘電発泡体を提供する点に特徴を有するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】樹脂を発泡体とすると、比誘電率
は低下する。これは、発泡によって樹脂の間に空気層が
入ることによる。空気の比誘電率は1.0であるため、
発泡倍率が高くなればなるほど(すなわち、嵩比重が小
さくなればなるほど)、発泡体の比誘電率は1.0に近
付く結果となる。軽量化のためには、発泡倍率をあげれ
ば良いが、このような発泡倍率を高めた発泡体とした場
合には、所望する高い比誘電率にするためには、高誘電
物質を樹脂に添加しなければならない。したがって、所
望する比誘電率に対する発泡体の嵩比重とは密接な関係
が成り立つ。
は低下する。これは、発泡によって樹脂の間に空気層が
入ることによる。空気の比誘電率は1.0であるため、
発泡倍率が高くなればなるほど(すなわち、嵩比重が小
さくなればなるほど)、発泡体の比誘電率は1.0に近
付く結果となる。軽量化のためには、発泡倍率をあげれ
ば良いが、このような発泡倍率を高めた発泡体とした場
合には、所望する高い比誘電率にするためには、高誘電
物質を樹脂に添加しなければならない。したがって、所
望する比誘電率に対する発泡体の嵩比重とは密接な関係
が成り立つ。
【0019】本発明者の検討によれば、嵩比重0.04
g/cm2以下になると、相当量の高誘電物質を添加し
ても比誘電率があまり高くならないことから、この嵩比
重以上の発泡倍率とすることが望ましいことが判明し
た。また、軽量化を1つの目的とする上では、嵩比重
は、0.5g/cm2以下が望ましいのである。したが
って、本発明においては、嵩比重が0.04〜0.5g
/cm2の範囲内にある発泡体であることが必要であ
る。
g/cm2以下になると、相当量の高誘電物質を添加し
ても比誘電率があまり高くならないことから、この嵩比
重以上の発泡倍率とすることが望ましいことが判明し
た。また、軽量化を1つの目的とする上では、嵩比重
は、0.5g/cm2以下が望ましいのである。したが
って、本発明においては、嵩比重が0.04〜0.5g
/cm2の範囲内にある発泡体であることが必要であ
る。
【0020】本発明で樹脂に均一に分散される高誘電物
質としての誘電体セラミックスは、オレフィン系樹脂の
比誘電率を高くする作用を有するものである。単に比誘
電率を高くするのであれば、金属粉、金属箔(アルミフ
レーク)等の使用も可能であるが、このような金属粉、
金属箔は、誘電正接の値を高くしてしまう一方、温度変
化に伴う比誘電率の変化も大きくなるため、本発明の誘
電発泡体には使用することができない。
質としての誘電体セラミックスは、オレフィン系樹脂の
比誘電率を高くする作用を有するものである。単に比誘
電率を高くするのであれば、金属粉、金属箔(アルミフ
レーク)等の使用も可能であるが、このような金属粉、
金属箔は、誘電正接の値を高くしてしまう一方、温度変
化に伴う比誘電率の変化も大きくなるため、本発明の誘
電発泡体には使用することができない。
【0021】本発明で使用する誘電体セラミックスとし
ては、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン
酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛
等があり、これらを単独または適宜混合して用いること
ができる。本発明で使用するこれらの誘電体セラミック
ス、を添加することで、発泡体の比重が小さい状態で、
所望する比誘電率の素材を得ることができるのである。
これらの誘電体セラミックスは、粉末状であるか、ある
いはウイスカーであることが好ましい。
ては、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン
酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛
等があり、これらを単独または適宜混合して用いること
ができる。本発明で使用するこれらの誘電体セラミック
ス、を添加することで、発泡体の比重が小さい状態で、
所望する比誘電率の素材を得ることができるのである。
これらの誘電体セラミックスは、粉末状であるか、ある
いはウイスカーであることが好ましい。
【0022】この誘電体セラミックスは、発泡オレフィ
ン系樹脂粒子に対して5〜50重量%の範囲内でしよう
するのが望ましい。50重量%を越えて添加されると、
樹脂の発泡が困難となり、所望する発泡密度が得られな
いほか、物性的にも脆くなり使用に耐えられない。ま
た、5重量%以下では、比誘電率の向上効果があまりな
く、したがって発泡体の比重を小さくすることができな
い。
ン系樹脂粒子に対して5〜50重量%の範囲内でしよう
するのが望ましい。50重量%を越えて添加されると、
樹脂の発泡が困難となり、所望する発泡密度が得られな
いほか、物性的にも脆くなり使用に耐えられない。ま
た、5重量%以下では、比誘電率の向上効果があまりな
く、したがって発泡体の比重を小さくすることができな
い。
【0023】本発明で使用される樹脂としては、発泡体
としても80℃の環境温度に耐えられる樹脂であること
が必要となってくる。従来使用されてきた発泡スチレン
系の樹脂では、通常この温度での耐熱性があまり無いた
め、長期の使用によって徐々に寸法が縮小し、所望する
特性が得られなくなるなどの種々の問題を引き起こして
いた。
としても80℃の環境温度に耐えられる樹脂であること
が必要となってくる。従来使用されてきた発泡スチレン
系の樹脂では、通常この温度での耐熱性があまり無いた
め、長期の使用によって徐々に寸法が縮小し、所望する
特性が得られなくなるなどの種々の問題を引き起こして
いた。
【0024】本発明者の検討の結果、80℃の環境温度
下で耐熱性が得られる樹脂として、ポリオレフィン系樹
脂が好ましいものであることが判明した。このような耐
熱特性が確保されるポリオレフィン系樹脂としては、ポ
リプロピレンまたはポリプロピレンを主体とした共重合
体が好ましい。ポリプロピレンを主体とした共重合体と
しては、エチレン−プロピレンランダムコポリマー、エ
チレン−プロピレンブロックコポリマー、プロピレン−
1−ブテンランダムコポリマー、プロピレン−1−ヘキ
セン等のα−オレフィンとのコポリマー、プロピレン−
無水マレイン酸コポリマー等をあげることができる。
下で耐熱性が得られる樹脂として、ポリオレフィン系樹
脂が好ましいものであることが判明した。このような耐
熱特性が確保されるポリオレフィン系樹脂としては、ポ
リプロピレンまたはポリプロピレンを主体とした共重合
体が好ましい。ポリプロピレンを主体とした共重合体と
しては、エチレン−プロピレンランダムコポリマー、エ
チレン−プロピレンブロックコポリマー、プロピレン−
1−ブテンランダムコポリマー、プロピレン−1−ヘキ
セン等のα−オレフィンとのコポリマー、プロピレン−
無水マレイン酸コポリマー等をあげることができる。
【0025】本発明者は、上記した誘電体セラミックス
とポリオレフィン系樹脂との混合および発泡を、いかに
少ない工程で、かつ歩留まり良く生産できるかを検討し
た結果、後記する押出発泡〜ストランドカット法を採用
することで、製造工程を大幅に短縮でき、製造コストの
削減が図れることを見出したのである。
とポリオレフィン系樹脂との混合および発泡を、いかに
少ない工程で、かつ歩留まり良く生産できるかを検討し
た結果、後記する押出発泡〜ストランドカット法を採用
することで、製造工程を大幅に短縮でき、製造コストの
削減が図れることを見出したのである。
【0026】すなわち、ポリオレフィン系樹脂発泡体を
得る方法として、ポリオレフィン系樹脂発泡性粒子を作
り、これを所定の型に入れ成形する方法が採用される
が、この成形に使用するポリオレフィン系樹脂発泡性粒
子を製造する方法として、以下の放出発泡法および押出
発泡〜ストランドカット法の2方法がある。
得る方法として、ポリオレフィン系樹脂発泡性粒子を作
り、これを所定の型に入れ成形する方法が採用される
が、この成形に使用するポリオレフィン系樹脂発泡性粒
子を製造する方法として、以下の放出発泡法および押出
発泡〜ストランドカット法の2方法がある。
【0027】[放出発泡法]この方法は、例えば特公昭
56−1344に記載されるように、ポリオレフィン系
樹脂粒子と発泡剤を水系の懸濁液中に分散させて、高温
かつ高圧下で発泡剤を含浸させ、その後、この状態を維
持しつつ、含浸槽底部のバルブを解放して、大気中に水
と粒状物の混合物を放出してポリオレフィン系樹脂発泡
粒子を得る方法である。
56−1344に記載されるように、ポリオレフィン系
樹脂粒子と発泡剤を水系の懸濁液中に分散させて、高温
かつ高圧下で発泡剤を含浸させ、その後、この状態を維
持しつつ、含浸槽底部のバルブを解放して、大気中に水
と粒状物の混合物を放出してポリオレフィン系樹脂発泡
粒子を得る方法である。
【0028】[押出発泡〜ストランドカット法]特開昭
61−113627あるいは特許第2641122号に
記載されるように、ポリオレフィン系樹脂粒子と発泡剤
を押し出し機中で溶融混練りし、ダイスから発泡したス
トランドとして押出し、この発泡ストランドを切断し
て、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る方法である。
61−113627あるいは特許第2641122号に
記載されるように、ポリオレフィン系樹脂粒子と発泡剤
を押し出し機中で溶融混練りし、ダイスから発泡したス
トランドとして押出し、この発泡ストランドを切断し
て、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る方法である。
【0029】発泡ポリプロピレン成形品のための発泡樹
脂粒子を得るには、上記の製造法の中でも、いわゆる放
出発泡法が一般的に行われているが、この方法を本発明
の高誘電セラミックス〜樹脂混合系で検討したところ、 1)押出機でポリオレフィン系樹脂と誘電体セラミック
スを溶融混練りして、誘電体セラミックスが入ったポリ
オレフィン系樹脂ペレットを得る工程、 2)該樹脂ペレットを水中に分散安定剤とともに分散さ
せ、発泡剤を添加し含浸する工程、 3)含浸後含浸槽底部より、加圧下で水と一緒に含浸さ
れたペレットを放出〜発泡させる工程、 4)ポリオレフィン系高誘電体発泡樹脂粒子を乾燥する
工程、 5)ポリオレフィン系高誘電体発泡樹脂粒子を所定の成
形型に充填して成形品とする工程、 の少なくとも5つの工程が必要であることが判明した。
脂粒子を得るには、上記の製造法の中でも、いわゆる放
出発泡法が一般的に行われているが、この方法を本発明
の高誘電セラミックス〜樹脂混合系で検討したところ、 1)押出機でポリオレフィン系樹脂と誘電体セラミック
スを溶融混練りして、誘電体セラミックスが入ったポリ
オレフィン系樹脂ペレットを得る工程、 2)該樹脂ペレットを水中に分散安定剤とともに分散さ
せ、発泡剤を添加し含浸する工程、 3)含浸後含浸槽底部より、加圧下で水と一緒に含浸さ
れたペレットを放出〜発泡させる工程、 4)ポリオレフィン系高誘電体発泡樹脂粒子を乾燥する
工程、 5)ポリオレフィン系高誘電体発泡樹脂粒子を所定の成
形型に充填して成形品とする工程、 の少なくとも5つの工程が必要であることが判明した。
【0030】さらにこの方法では、誘電体セラミックス
が入ったポリオレフィン系樹脂ペレットを水中に分散さ
せ、含浸する過程において、誘電体セラミックスが樹脂
表面から離脱して所望する含有量を得ることができない
ばかりか、水中へ誘電体セラミックスが移行するため、
新たに排水の浄化設備が必要となってくることが判明し
た。
が入ったポリオレフィン系樹脂ペレットを水中に分散さ
せ、含浸する過程において、誘電体セラミックスが樹脂
表面から離脱して所望する含有量を得ることができない
ばかりか、水中へ誘電体セラミックスが移行するため、
新たに排水の浄化設備が必要となってくることが判明し
た。
【0031】これに対して、押出発泡〜ストランドカッ
ト法では、 1)押出機でポリオレフィン系樹脂と誘電体セラミック
ス及び発泡剤を溶融混練りして、押出機より発泡した誘
電体セラミックスが入ったポリオレフィン系樹脂を発泡
ストランドとした後、これを連続的にカットすることで
ポリオレフィン系高誘電体発泡粒子を得る工程、 2)ポリオレフィン系高誘電体発泡樹脂粒子を、所定の
成形型に充填して成形品とする工程、のわずか2工程で
所望する成形品を得ることができる。
ト法では、 1)押出機でポリオレフィン系樹脂と誘電体セラミック
ス及び発泡剤を溶融混練りして、押出機より発泡した誘
電体セラミックスが入ったポリオレフィン系樹脂を発泡
ストランドとした後、これを連続的にカットすることで
ポリオレフィン系高誘電体発泡粒子を得る工程、 2)ポリオレフィン系高誘電体発泡樹脂粒子を、所定の
成形型に充填して成形品とする工程、のわずか2工程で
所望する成形品を得ることができる。
【0032】さらに、この方法で得られるポリオレフィ
ン系高誘電体発泡体は、要求品質である(1)耐熱性及
び寸法安定性、(2)温度変化による少ない比誘電率変
化、(3)誘電正接が小さいこと(0.002以下であ
ること)、(4)軽量化の各点を、いずれをも満足する
ことができることが判明した。
ン系高誘電体発泡体は、要求品質である(1)耐熱性及
び寸法安定性、(2)温度変化による少ない比誘電率変
化、(3)誘電正接が小さいこと(0.002以下であ
ること)、(4)軽量化の各点を、いずれをも満足する
ことができることが判明した。
【0033】すなわち、本発明は、上記した押出発泡〜
ストランドカット法を採用することで、誘電体セラミッ
クスとポリオレフィン系樹脂との混合および発泡を、少
ない工程で、かつ歩留まり良く生産でき、ポリオレフィ
ン系高誘電発泡体の製造工程を大幅な短縮化と、製造コ
ストの削減が図れる点に特徴を有するのである。
ストランドカット法を採用することで、誘電体セラミッ
クスとポリオレフィン系樹脂との混合および発泡を、少
ない工程で、かつ歩留まり良く生産でき、ポリオレフィ
ン系高誘電発泡体の製造工程を大幅な短縮化と、製造コ
ストの削減が図れる点に特徴を有するのである。
【0034】したがって、本発明が提供するポリオレフ
ィン系高誘電発泡体の最も好ましい態様としては、ポリ
オレフィン系樹脂、樹脂に対して5〜50重量%の誘電
体セラミックスおよび発泡剤を押出機に添加し、溶融混
練り後、押出ダイスから発泡させながら押出し、次いで
これを適宜カットして、嵩比重が0.5〜0.04g/
cm2のポリオレフィン系高誘電発泡粒子を得、該発泡
粒子を成形型内に充填して成形させることにより製造さ
れた、ポリオレフィン系樹脂に誘電体セラミックスが均
一に分散され、その嵩比重が0.5〜0.04g/cm
2であるポリオレフィン系高誘電発泡体である。
ィン系高誘電発泡体の最も好ましい態様としては、ポリ
オレフィン系樹脂、樹脂に対して5〜50重量%の誘電
体セラミックスおよび発泡剤を押出機に添加し、溶融混
練り後、押出ダイスから発泡させながら押出し、次いで
これを適宜カットして、嵩比重が0.5〜0.04g/
cm2のポリオレフィン系高誘電発泡粒子を得、該発泡
粒子を成形型内に充填して成形させることにより製造さ
れた、ポリオレフィン系樹脂に誘電体セラミックスが均
一に分散され、その嵩比重が0.5〜0.04g/cm
2であるポリオレフィン系高誘電発泡体である。
【0035】
【実施例】以下に実施例に代わる製造例により、本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0036】製造例1〜5 発泡剤を注入することができる押出機中に、表1で示さ
れる配合物を入れ、溶融混練りし、発泡剤としてペンタ
ンを添加して後押し出した。押出機の先端に穴径が0.
8mmで穴数が50個ある多孔のダイスを装着し、この
面に近接した回転刃を有するカッターでダイスより押し
出されてくる発泡したストランドを切断し、高誘電材料
が均一に分散した、発泡粒子を得た。
れる配合物を入れ、溶融混練りし、発泡剤としてペンタ
ンを添加して後押し出した。押出機の先端に穴径が0.
8mmで穴数が50個ある多孔のダイスを装着し、この
面に近接した回転刃を有するカッターでダイスより押し
出されてくる発泡したストランドを切断し、高誘電材料
が均一に分散した、発泡粒子を得た。
【0037】製造例6 表1で示される配合物を、押出機中で溶融混練りした後
押出し、高誘電材料が均一に分散したペレットを得た。
これをオートクレーブ内に、水200部、ペレット10
0部、リン酸三石灰1.5部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.005部を加えて分散させ、発泡剤
としてペンタンを15部添加した後、145℃まで昇温
させた。この温度で2時間保持した後、窒素で背圧をか
けながら底部バブルを解放して、内容物を放出すると同
時にペレットの発泡を行なった。その後ペレットの乾燥
を行ない、高誘電材料が均一に分散した発泡粒子を得
た。
押出し、高誘電材料が均一に分散したペレットを得た。
これをオートクレーブ内に、水200部、ペレット10
0部、リン酸三石灰1.5部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.005部を加えて分散させ、発泡剤
としてペンタンを15部添加した後、145℃まで昇温
させた。この温度で2時間保持した後、窒素で背圧をか
けながら底部バブルを解放して、内容物を放出すると同
時にペレットの発泡を行なった。その後ペレットの乾燥
を行ない、高誘電材料が均一に分散した発泡粒子を得
た。
【0038】製造例7 製造例1において、チタン酸バリウムを添加しなかった
以外は、製造例1と同じ手法で発泡粒子を得た。
以外は、製造例1と同じ手法で発泡粒子を得た。
【0039】製造例8 製造例1において、チタン酸バリウムを4重量%添加し
た以外は、製造例1と同じ手法で発泡粒子を得た。
た以外は、製造例1と同じ手法で発泡粒子を得た。
【0040】製造例9 製造例1において、チタン酸バリウム60重量%添加し
た以外は、製造例1と同じ手法で発泡粒子を得た。
た以外は、製造例1と同じ手法で発泡粒子を得た。
【0041】製造例10 製造例1において、樹脂をスチレンに代えた以外は製造
例1と同様にして発泡粒子を得た。この発泡粒子は、室
温で1日熟成させた後、自動成形機の300×300×
5cmの金型に充填し、0.7kg/cm2の蒸気圧で
加熱成形し、高誘電材料が均一に分散した発泡体を得
た。
例1と同様にして発泡粒子を得た。この発泡粒子は、室
温で1日熟成させた後、自動成形機の300×300×
5cmの金型に充填し、0.7kg/cm2の蒸気圧で
加熱成形し、高誘電材料が均一に分散した発泡体を得
た。
【0042】製造例11 特開平7−320537号に記載の実施例1に準じて行
なった。すなわち、ポリオール、ウレタン樹脂に対して
20重量%相当になるチタン酸バリウム、水、シリコン
整泡剤、トリエチレンジアミンを攪拌機にて十分混合し
た。次いで、このポリオール混合物に硬化剤として所定
量のイソシアネートを添加し、混合後60℃に加温して
おいた発泡成形用金型に、速やかに流し込み蓋をして成
形を行なった。その後成形用金型を冷却して除圧後、蓋
を開けて発泡成形した軽量誘電体を得た。
なった。すなわち、ポリオール、ウレタン樹脂に対して
20重量%相当になるチタン酸バリウム、水、シリコン
整泡剤、トリエチレンジアミンを攪拌機にて十分混合し
た。次いで、このポリオール混合物に硬化剤として所定
量のイソシアネートを添加し、混合後60℃に加温して
おいた発泡成形用金型に、速やかに流し込み蓋をして成
形を行なった。その後成形用金型を冷却して除圧後、蓋
を開けて発泡成形した軽量誘電体を得た。
【0043】
【表1】
【0044】製造例1〜9で得られた発泡粒子は、2.
2kg/cm2のエアー圧を加えることにより、粒子内
部の内圧を2.9kg/cm2とした後、自動成形機の
300×300×5cmの金型に充填し、3.2〜4.
2kg/cm2の蒸気圧で加熱成形し、高誘電材料が均
一に分散した発泡体を得た。
2kg/cm2のエアー圧を加えることにより、粒子内
部の内圧を2.9kg/cm2とした後、自動成形機の
300×300×5cmの金型に充填し、3.2〜4.
2kg/cm2の蒸気圧で加熱成形し、高誘電材料が均
一に分散した発泡体を得た。
【0045】各例で得られた成形品は、その一部を切り
出し、空洞共振法により12GHzでの比誘電率、誘電
正接(tanδ)を測定した。この結果を表2に示し
た。
出し、空洞共振法により12GHzでの比誘電率、誘電
正接(tanδ)を測定した。この結果を表2に示し
た。
【0046】また、上記成形品より、10×10×2.
5cmの大きさの試料を切り出し、これを成形より5日
目に85℃のオーブンに入れ、その状態を1週間保持し
た。その後、試料をオーブンから取出し、その縦、横の
長さ、および厚みを計測し、オーブンに入れる前の寸法
との変化(収縮)を寸法変化率として求めた。寸法変化
率がより小さい程、発泡成形品の寸法収縮が少なく、耐
熱性はより高いと認められる。この時の結果についても
合わせて表2に示した。
5cmの大きさの試料を切り出し、これを成形より5日
目に85℃のオーブンに入れ、その状態を1週間保持し
た。その後、試料をオーブンから取出し、その縦、横の
長さ、および厚みを計測し、オーブンに入れる前の寸法
との変化(収縮)を寸法変化率として求めた。寸法変化
率がより小さい程、発泡成形品の寸法収縮が少なく、耐
熱性はより高いと認められる。この時の結果についても
合わせて表2に示した。
【0047】
【表2】
【0048】製造例1は、樹脂成分としてポリプロピレ
ンホモポリマーを使用した例であるが、嵩比重0.05
〜0.45の範囲で比誘電率が2.83まであげること
ができた。誘電正接の値は低く、損失が少ないものであ
った。また、85℃オーブン中での寸法変化も僅かであ
る。
ンホモポリマーを使用した例であるが、嵩比重0.05
〜0.45の範囲で比誘電率が2.83まであげること
ができた。誘電正接の値は低く、損失が少ないものであ
った。また、85℃オーブン中での寸法変化も僅かであ
る。
【0049】製造例2は、製造例1の樹脂成分を使用
し、製造例1よりチタン酸バリウム添加量を増やした例
であるが、チタン酸バリウムの量が増えると比誘電率の
値が高くなることが判明する。また、誘電正接、寸法変
化の値は良好であった。
し、製造例1よりチタン酸バリウム添加量を増やした例
であるが、チタン酸バリウムの量が増えると比誘電率の
値が高くなることが判明する。また、誘電正接、寸法変
化の値は良好であった。
【0050】製造例3は、樹脂成分としてエチレン−プ
ロピレンランダムコポリマーを使用した例であるが、比
誘電率、誘電正接および寸法変化のいずれも満足する結
果であった。
ロピレンランダムコポリマーを使用した例であるが、比
誘電率、誘電正接および寸法変化のいずれも満足する結
果であった。
【0051】製造例4は、樹脂成分としてエチレン−プ
ロピレンブロックコポリマーを使用した例であるが、比
誘電率、誘電正接、寸法変化のいずれも満足する結果で
あった。
ロピレンブロックコポリマーを使用した例であるが、比
誘電率、誘電正接、寸法変化のいずれも満足する結果で
あった。
【0052】製造例5は、樹脂成分として低密度ポリエ
チレンを使用した例である。比誘電率、誘電正接の値は
良好ではあったが、寸法変化がやや大きい値となった。
これは、低密度ポリエチレンでは、樹脂の融点がやや低
い点と関係するもの推定される。
チレンを使用した例である。比誘電率、誘電正接の値は
良好ではあったが、寸法変化がやや大きい値となった。
これは、低密度ポリエチレンでは、樹脂の融点がやや低
い点と関係するもの推定される。
【0053】製造例6は、発泡粒子を放出発泡法で製造
した例である。この場合、発泡剤を含浸する水系の懸濁
時にチタン酸バリウムの一部が離脱して水系に移行し
た。したがって、樹脂系に含まれるチタン酸バリウムの
量が減少したことにより、やや比誘電率の値が低く出て
いる。ただし、誘電正接、寸法変化に関しては良好な値
を示した。この方法では、製造工程の煩雑さ、水系に移
行したチタン酸バリウムの除去の問題がみられた。
した例である。この場合、発泡剤を含浸する水系の懸濁
時にチタン酸バリウムの一部が離脱して水系に移行し
た。したがって、樹脂系に含まれるチタン酸バリウムの
量が減少したことにより、やや比誘電率の値が低く出て
いる。ただし、誘電正接、寸法変化に関しては良好な値
を示した。この方法では、製造工程の煩雑さ、水系に移
行したチタン酸バリウムの除去の問題がみられた。
【0054】製造例7(比較例)は、チタン酸バリウム
を添加しなかった例である。嵩比重を0.5以上に高く
しても、比誘電率は1.61と低い値しか示さなかっ
た。
を添加しなかった例である。嵩比重を0.5以上に高く
しても、比誘電率は1.61と低い値しか示さなかっ
た。
【0055】製造例8(比較例)は、チタン酸バリウム
の添加量を4重量%と減少させた例である。やはり比誘
電率は低い値であった。
の添加量を4重量%と減少させた例である。やはり比誘
電率は低い値であった。
【0056】製造例9(比較例)は、チタン酸バリウム
の添加量を60重量%と増加した例である。成形品は極
めて脆い状態となり、サンプルを作成することはできな
かった。したがって、データを得ることはできなかっ
た。
の添加量を60重量%と増加した例である。成形品は極
めて脆い状態となり、サンプルを作成することはできな
かった。したがって、データを得ることはできなかっ
た。
【0057】製造例10(比較例)は、樹脂系をスチレ
ンにした例である。比誘電率、誘電正接の値は良好であ
ったが、85℃での寸法変化が大きく、現実での使用は
困難であった。
ンにした例である。比誘電率、誘電正接の値は良好であ
ったが、85℃での寸法変化が大きく、現実での使用は
困難であった。
【0058】製造例11(比較例)は、樹脂系をウレタ
ンにした例である。比誘電率は良好な値を示したが、誘
電正接の値はオレフィン樹脂系の10倍以上の高く、実
際での使用は困難であった。
ンにした例である。比誘電率は良好な値を示したが、誘
電正接の値はオレフィン樹脂系の10倍以上の高く、実
際での使用は困難であった。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、各
種の誘電体アンテナ等の材料、レーダー電波反射器およ
びアンテナなどに応用されるルーネベルグレンズの原理
を利用した球状型誘電体レンズ等の素材に使用されるポ
リオレフィン系高誘電発泡体を、短工程で生産でき、製
造工程を大幅な短縮化と、製造コストの削減が図れる利
点を有する。
種の誘電体アンテナ等の材料、レーダー電波反射器およ
びアンテナなどに応用されるルーネベルグレンズの原理
を利用した球状型誘電体レンズ等の素材に使用されるポ
リオレフィン系高誘電発泡体を、短工程で生産でき、製
造工程を大幅な短縮化と、製造コストの削減が図れる利
点を有する。
【0060】また、本発明が提供するポリオレフィン系
高誘電発泡体は、(1)耐熱性及び寸法安定性、(2)
温度変化による少ない比誘電率変化、(3)誘電正接が
小さいこと(0.002以下であること)、(4)軽量
化の各点の品質要求を満たすものであり、その応用性は
きわめて高いものである。
高誘電発泡体は、(1)耐熱性及び寸法安定性、(2)
温度変化による少ない比誘電率変化、(3)誘電正接が
小さいこと(0.002以下であること)、(4)軽量
化の各点の品質要求を満たすものであり、その応用性は
きわめて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01S 7/03 G01S 7/03 Q Fターム(参考) 4F074 AA16 AA17 AA24 AA25A AA25B AC23 AE04 AE06 BA39 CA22 DA02 DA59 4J002 BB001 BB121 BB141 BB151 BP021 DE186 FD206 GQ00 GR00 5G305 AA09 AA14 AB08 AB36 AB40 BA14 CA01 CC11 CD20
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂に対し、5〜50
重量%の誘電体セラミックスを均一に分散し、発泡して
なる嵩比重が0.5〜0.04g/cm2であることを
特徴とするポリオレフィン系高誘電発泡体。 - 【請求項2】 誘電体セラミックスが、粉末またはウイ
スカーである請求項1記載のポリオレフィン系誘電発泡
体。 - 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂、樹脂に対して5
〜50重量%の誘電体セラミックスおよび発泡剤を押出
機に添加し、溶融混練り後、押出ダイスから発泡させな
がら押出し、次いでこれを適宜カットして、嵩比重が
0.5〜0.04g/cm2のポリオレフィン系高誘電
発泡粒子を得、該発泡粒子を成形型内に充填して成形さ
せた、嵩比重が0.5〜0.04g/cm2であること
を特徴とするポリオレフィン系高誘電発泡体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000039704A JP2001229735A (ja) | 2000-02-17 | 2000-02-17 | 複合誘電発泡体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000039704A JP2001229735A (ja) | 2000-02-17 | 2000-02-17 | 複合誘電発泡体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001229735A true JP2001229735A (ja) | 2001-08-24 |
Family
ID=18563226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000039704A Pending JP2001229735A (ja) | 2000-02-17 | 2000-02-17 | 複合誘電発泡体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001229735A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004086563A1 (ja) * | 2003-03-11 | 2004-10-07 | Sumitomo Electric Industries Ltd. | ルーネベルグレンズおよびその製造方法 |
WO2018056106A1 (ja) * | 2016-09-26 | 2018-03-29 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ミリ波反射用樹脂組成物、それを用いた樹脂シート、繊維及びミリ波反射用物品 |
CN113105665A (zh) * | 2021-04-29 | 2021-07-13 | 华东理工大学 | 一种介电材料及其制造方法 |
CN113185750A (zh) * | 2021-04-26 | 2021-07-30 | 中国工程物理研究院流体物理研究所 | 一种微波介质材料及其制备方法、应用 |
-
2000
- 2000-02-17 JP JP2000039704A patent/JP2001229735A/ja active Pending
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WO2018056106A1 (ja) * | 2016-09-26 | 2018-03-29 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ミリ波反射用樹脂組成物、それを用いた樹脂シート、繊維及びミリ波反射用物品 |
JPWO2018056106A1 (ja) * | 2016-09-26 | 2019-06-24 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ミリ波反射用樹脂組成物、それを用いた樹脂シート、繊維及びミリ波反射用物品 |
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CN113105665B (zh) * | 2021-04-29 | 2022-05-31 | 华东理工大学 | 一种介电材料及其制造方法 |
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