JP2001229637A - 磁気ヘッド浮上量異常検出方法、データ書込方法およびハード・ディスク・ドライブ装置 - Google Patents

磁気ヘッド浮上量異常検出方法、データ書込方法およびハード・ディスク・ドライブ装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な方法により磁気ヘッドの浮上量の異常
を検出する方法、この検出方法を使用したデータ書込方
法、および、これらの方法を実現するHDD装置を提供
する。 【解決手段】 書込動作が開始されたとき、AGC31
により再生されたサーボ信号の先頭部分(プリアンブ
ル)に基づいて当該サーボ信号のゲインを決定し、後続
する部分のサーボ信号を増幅する。そして、チャネル制
御部36のレジスタに保持されたAGC31のゲインを
基準値と比較して、磁気ヘッド12の浮上量の異常を検
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハード・ディス
ク・ドライブ(HDD;hard disk drive )装置の書込
動作時に磁気ヘッドの浮上量の異常を検出する磁気ヘッ
ド浮上量異常検出方法、この磁気ヘッド浮上量異常検出
方法を使用して書込データの損傷を防止するデータ書込
方法、及び、これらの方法を実現するハード・ディスク
・ドライブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】HDD装置では、磁気ヘッドを有するヘ
ッドスライダをサスペンションアームの先端部分に取り
付け、このサスペンションアームを磁気ディスクの記録
面と平行な平面上で旋回させることで、磁気ヘッドを磁
気ディスクの略半径方向に移動させ、磁気ディスクの任
意の位置のデータをアクセスする。
【0003】ヘッドスライダは、磁気ディスクの回転に
より形成される、いわゆる空気ベアリング(air bearin
g )に乗って浮上する一方、この浮上力に対抗するよう
にサスペンションアームに弾性的に支持される。これに
より、ヘッドスライダおよび磁気ディスクは、互いに接
触せずに近接し、これらの間の距離が略一定に保たれ
る。ヘッドスライダと磁気ディスクとの間の距離は、磁
気ヘッドの浮上量(flyheight)と呼ばれる。
【0004】HDD装置の運転中に磁気ヘッドの浮上量
が異常に高くなる場合がある。この現象は、磁気ディス
クの突起(thermal asperity)や塵埃による空気ベアリ
ングの乱れや、外部からの衝撃等により起こると考えら
れている。磁気ヘッドが異常に高く浮上すると、磁気ヘ
ッドにより再生される信号のレベルが低下する。このと
きに書込動作が行われると、エラーが検出されずに書込
動作が終了したにもかかわらず、データが正しく記録さ
れないこともある。正しく記録されなかったデータは、
読出動作時におけるエラー訂正機能を用いても回復でき
ない場合もある。
【0005】このような書込動作時におけるデータの損
傷を防止するため、サーボ信号の出力波形に基づいて磁
気ヘッドの浮上量の異常を検出する方法が提案されてい
る。磁気ヘッドの浮上量が異常に高くなると、磁気ヘッ
ドにより再生され、増幅器により増幅される再生信号の
高周波特性が悪化する。例えば、サーボ信号の振幅が同
じとすると、図13(a)に示される、浮上量が正常な
ときの出力波形は、図13(b)に示されるように、そ
の幅が大きくなり、面積も増加する。そこで、従来の方
法では、サーボ信号の出力波形のピーク値(振幅)およ
び面積を測定し、これらの値の比をとることで、磁気ヘ
ッドの浮上量の変動を検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにサーボ信号の出力波形のピーク値(振幅)と面積
との比から磁気ヘッドの浮上量の異常を検出する従来の
HDD装置では、出力波形のピーク値を測定する回路お
よび出力波形の面積を測定する回路の両方の回路が新た
に必要になるため、装置が高価になるといった問題があ
った。
【0007】本発明は、かかる問題点を解決するために
なされたものであり、その目的は、簡易な方法により磁
気ヘッドの浮上量の異常を検出する方法、この検出方法
を使用したデータ書込方法、および、これらの方法を実
現するHDD装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る磁気ヘッ
ド浮上量異常検出方法は、磁気ヘッドにより磁気ディス
クにデータを書き込む書込動作が開始されたとき、前記
磁気ディスクにあらかじめ記録されたサーボ信号を前記
磁気ヘッドにより再生する再生工程と、前記再生工程で
前記磁気ヘッドにより再生されたサーボ信号の先頭部分
に基づいて当該サーボ信号のゲインを決定し、決定され
たゲインに従って前記再生工程で再生された前記先頭部
分に後続する部分のサーボ信号を増幅する増幅工程と、
前記増幅工程で増幅されたサーボ信号のゲインまたは振
幅を基準値と比較して、前記磁気ヘッドの浮上量の異常
を検出する浮上量異常検出工程とを含むことを特徴とす
るものである。
【0009】また、この発明に係るデータ書込方法は、
磁気ヘッドにより磁気ディスクにデータを書き込む書込
動作が開始されたとき、前記磁気ディスクにあらかじめ
記録されたサーボ信号を前記磁気ヘッドにより再生する
再生工程と、前記再生工程で前記磁気ヘッドにより再生
されたサーボ信号の先頭部分に基づいて当該サーボ信号
のゲインを決定し、決定されたゲインに従って前記再生
工程で再生された前記先頭部分に後続する部分のサーボ
信号を増幅する増幅工程と、前記増幅工程で増幅された
サーボ信号のゲインまたは振幅を基準値と比較して、前
記磁気ヘッドの浮上量の異常を検出する浮上量異常検出
工程と、前記浮上量異常検出工程で磁気ヘッドの浮上量
の異常が検出されたとき、前記書込動作を中止させる書
込動作中止制御工程とを含むことを特徴とするものであ
る。
【0010】また、この発明に係るハード・ディスク・
ドライブ装置は、回転駆動される磁気ディスクと、前記
磁気ディスクにデータを記録するとともに、前記磁気デ
ィスクに記録されたデータを再生する磁気ヘッドと、前
記磁気ヘッドにより前記磁気ディスクにデータを書き込
む書込動作が開始されたとき、前記磁気ヘッドにより前
記磁気ディスクにあらかじめ記録されたサーボ信号を再
生させるサーボ信号再生制御手段と、前記サーボ信号再
生制御手段からの制御命令に従って前記磁気ヘッドによ
り再生されたサーボ信号の先頭部分に基づいて当該サー
ボ信号のゲインを決定し、決定されたゲインに従って前
記先頭部分に後続する部分のサーボ信号を増幅する増幅
器と、前記増幅器により増幅されたサーボ信号のゲイン
または振幅を基準値と比較して、磁気ヘッドの浮上量の
異常を検出する浮上量異常検出手段とを備えたことを特
徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るHDD(hard
disk drive )装置の好ましい実施の形態を図面を参照
して説明する。 実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1のHD
D装置の概略構成図である。また、図2は、図1に示さ
れたHDD装置の駆動機構の断面図である。図1に示さ
れるように、このHDD装置は、その上面および下面に
データが記録される記録面11aが形成された2枚の磁
気ディスク11と、これら2枚の磁気ディスク11によ
り構成される4つの記録面11aのそれぞれに対応して
設けられた4つの磁気ヘッド12とを備える。4つの磁
気ヘッド12のそれぞれには、それぞれを識別するため
の識別符号Head0〜Head3が割り当てられている。
【0012】磁気ヘッド12は、例えば、対応する記録
面11aにデータを記録する図示しない記録ヘッドと、
対応する記録面11aに記録されたデータを再生する図
示しない再生ヘッドとを有する複合ヘッドから構成され
る。記録ヘッドは、インダクタンス型の素子からなり、
再生ヘッドは、MR(magnetoregistive)素子もしくは
GMR(giant magnetoregistive)素子からなる。な
お、磁気ディスク11は、1枚以上あればよく、記録面
11aは、磁気ディスク11の片面および両面の何れか
にあればよい。
【0013】2枚の磁気ディスク11は、図2に示すよ
うに、スピンドルモータ15の回転軸15aに固定して
取り付けられ、スピンドルモータ15により回転駆動さ
れる。4つの磁気ヘッド12は、それぞれのヘッドスラ
イダ13に設けられる。4つのヘッドスライダ13は、
それぞれのサスペンション・アーム14の先端部分に固
定される。これら4本のサスペンション・アーム14
は、それぞれのヘッドスライダ13がそれぞれの記録面
11aに対向するようにVCM(voice coil motor)1
6に取り付けられ、それぞれのヘッドスライダ13を弾
性的に支持するとともに、VCM16により一体的に旋
回駆動される。これにより、磁気ヘッド12(ヘッドス
ライダ13)は、磁気ディスク11の略半径方向に移動
し、磁気ディスク11の記録面11aの任意の位置のデ
ータがアクセスされる。
【0014】磁気ディスク11、スピンドルモータ1
5、ヘッドスライダ13、サスペンション・アーム14
およびVCM16から構成される駆動機構は、図1に示
されるAE(arm electronics;アーム電子回路)17
とともに筐体(DISK ENCLOSURE)10内
に収納されている。駆動機構は、筐体10外の回路基板
(CARD)からなる制御回路20により制御される。
制御回路20は、R/W(read/write )チャネル2
1、ドライバ22、HDC(hard disk controller)/
MPU(micro processing unit)23およびDRAM
24を備える。
【0015】AE17は、4つの磁気ヘッド12の中か
らデータアクセスが行われる1つの磁気ヘッド12を選
択し、選択された磁気ヘッド12により再生される再生
信号を一定のゲインで増幅(プリアンプ)し、R/Wチ
ャネル21に送るとともに、R/Wチャネル21からの
記録信号を選択された磁気ヘッド12に送る。
【0016】R/Wチャネル21は、磁気ディスク11
に記録すべき書込データを磁気ヘッド12の記録信号に
変換するとともに、磁気ヘッド12により磁気ディスク
11から再生された再生信号を読出データに変換する。
ドライバ22は、スピンドルモータ15およびVCM1
6をそれぞれ駆動する。
【0017】HDC/MPU23には、このHDD装置
にデータをアクセスする図示しないホスト装置が接続さ
れている。HDC/MPU23は、内部に図示しないR
OMを有し、このROMおよび磁気ディスク11に記憶
された制御プログラムおよび制御データに基づいて、ホ
スト装置との間でデータを送受するとともに、サーボ制
御やデータ誤り制御のための演算処理を実行し、AE1
7、R/Wチャネル21およびドライバ22を制御す
る。
【0018】DRAM24には、磁気ディスク11から
読み出された制御プログラムおよび制御データが記憶さ
れるとともに、ホスト装置から受信され、磁気ディスク
11に記録される書込データおよび磁気ディスク11か
ら読み出され、ホスト装置に送信される読出データが一
時的に記憶される。
【0019】図3は、磁気ディスクの記録面の構成図で
ある。図3に示されるように、磁気ディスク11の記録
面11aには、磁気ディスク11の中心から半径方向に
放射状に延びる境界線で区画される複数のサーボ領域5
0(図3中、斜線で示される)およびデータ領域60が
所定の角度で交互に設けられている。言い換えれば、所
定の角度毎にサーボ領域50が設けられ、隣合う2つの
サーボ領域50の間にデータ領域60が設けられてい
る。これらのサーボ領域50は、例えば、360°に対
し60〜80個程度設けられている。各サーボ領域50
には、磁気ヘッド12の位置決め制御を行うためのサー
ボデータが記録される。各データ領域60には、ユーザ
データ(以下、単にデータともいう。)が記録される。
【0020】また、磁気ディスク11の記録面11aに
は、半径方向の所定幅を有し、同心円状に区画される複
数本のトラック40が形成される。サーボデータおよび
ユーザデータは、トラック40に沿って記録される。こ
れらのトラック40は、さらに、磁気ディスク11の半
径方向の位置(シリンダの位置)に基づいて区画される
複数のシリンダ領域41にグループ化されている。1つ
のシリンダ領域41は、例えば、約1000本のトラッ
ク40から構成される。これらのシリンダ領域41に
は、それぞれを識別するための識別符号Zone0、Zone
1、Zone2、・・・が外周側のシリンダ領域41から順
次に割り当てられている。
【0021】データ領域60内のトラック40は、さら
に、複数のセクタ61に区画されている。データは、こ
のセクタ61を単位に記録/再生が行われる。1つのセ
クタ61には、例えば、512byteのデータが記録され
る。1つのトラック40に含まれるセクタ61の数は、
シリンダ領域41のそれぞれに設定されている。内周側
のシリンダ領域41のトラック40の円周は短いため、
トラック40に含まれるセクタ61の数は少ない。これ
に対し、外周側のシリンダ領域41のトラック40の円
周は長いため、トラック40に含まれるセクタ61の数
は多い。
【0022】トラック40の1つのデータ領域60内に
含まれるセクタ数は、整数に限らない。例えば、Zone0
のシリンダ領域41に含まれるトラック40の1つのデ
ータ領域60には、2.5個のセクタ61が設定され、
Zone1のシリンダ領域41に含まれるトラック40の1
つのデータ領域60には、2個のセクタ61が設定さ
れ、Zone2のシリンダ領域41に含まれるトラック40
の1つのデータ領域60には、1.5個のセクタ61が
設定されている。1つのセクタ61が部分61aおよび
部分61bに分割され、サーボ領域50を飛び越えて2
つのデータ領域60に記憶される場合もある。
【0023】さらに、磁気ディスク11の記録面11a
には、このHDD装置の制御プログラムおよび制御デー
タを記憶する、図示しないシステム領域が設けられてい
る。また、各シリンダ領域41の内周部には、データの
記録/再生を行うことができなくなった欠陥セクタの代
わりとなる、図示しない代替セクタが設けられている。
【0024】図4は、図1に示されたR/Wチャネルの
構成図である。また、図5は、サーボデータの再生信号
の説明図である。前述のように、R/Wチャネル21
は、磁気ディスク11に記録すべき書込データを磁気ヘ
ッド12の記録信号に変換するとともに、磁気ヘッド1
2により磁気ディスク11から再生された再生信号を読
出データに変換するものであり、図4に示されるよう
に、AGC(automatic gain controller)31、整形
フィルタ32、シリアル/パラレル変換部33、データ
・コーデック34、グレー・コード・デコーダ35およ
びチャネル制御部36を備える。
【0025】AGC31は、磁気ヘッド12により再生
され、AE17により一定のゲインで増幅(プリアン
プ)された再生信号をHDC/MPU23で処理される
信号レベルに増幅する。AGC31は、再生信号がユー
ザデータのときには、増幅された再生信号の振幅が一定
範囲になるように、デジタル的な処理に基づくフィード
バック制御により再生信号の信号レベルの変化に追従し
てゲインを自動的に調整する。AGC31は、再生信号
がサーボデータのときには、サーボ信号の先頭部分に基
づいてゲインを決定し、決定された一定のゲインに従っ
て先頭部分に後続する部分のサーボ信号を増幅する。
【0026】図5に示されるように、サーボ信号(サー
ボデータの再生信号)は、プリアンブル(preamble)、
グレー・コード(gray code)およびバースト・パター
ン(burst pattern )を含む。プリアンブルは、先頭部
分の信号に相当する。プリアンブルは、サーボ信号の同
期を取ってグレー・コードを読み取るとともに、サーボ
信号のゲインを決定するために使用される。グレー・コ
ードは、例えば、シリンダ識別符号、PHSN(physic
al sector number;物理サーボセクタ番号)等の位置情
報を巡回2進符号で表したものである。バースト・パタ
ーンは、再生信号の振幅の変化を数値化し、磁気ヘッド
12のトラッキング制御を行うために使用される。
【0027】プリアンブルが再生されるときには、AG
C・HOLD信号がL(low )レベルに立ち下がり、A
GC31によりゲイン調整が行われる。次いで、所定の
タイミングでAGC・HOLD信号がH(high)レベル
に立ち上がり、AGC31によりサーボ信号のゲインが
決定されて、一定に保持される(AGC・HOLD状態
になる)。グレー・コードおよびバースト・パターン
は、AGC31により一定のゲインで増幅される。
【0028】図4に戻り、整形フィルタ32は、AGC
31により増幅された再生信号の波形整形を行う。シリ
アル/パラレル変換部33は、整形フィルタ32により
波形整形が行われたユーザデータの再生信号(シリアル
信号)を読出データ(パラレル信号)に変換するととも
に、データ・コーデック34からの書込データ(パラレ
ル信号)を記録信号(シリアル信号)に変換する。
【0029】データ・コーデック34は、シリアル/パ
ラレル変換部33により変換された読出データ(ユーザ
データ)を復号し、HDC/MPU23に出力するとと
もに、HDC/MPU23からの書込データを符号化
し、シリアル/パラレル変換部33に出力する。グレー
・コード・デコーダ35は、整形フィルタ32により波
形整形が行われたサーボ信号のグレー・コードを復号
し、HDC/MPU23に出力する。
【0030】チャネル制御部36は、HDC/MPU2
3からの制御信号に従ってこれらの各部を制御する。チ
ャネル制御部36は、内部に図示しないレジスタを有
し、このレジスタにAGC31で設定されたゲインを記
憶する。
【0031】図6は、磁気ヘッドの浮上量とサーボ信号
の振幅との関係を示す図である。磁気ヘッドが異常に高
く浮上すると、磁気ヘッドにより再生される信号のレベ
ルが低下することは、従来良く知られている。実際に、
磁気ヘッドA、BおよびCの浮上量(fly height)とA
E(arm electronics;アーム電子回路)により増幅
(プリアンプ)されたそれぞれの再生信号の振幅(ampl
itude )との関係を調べると、図6に示されるように、
磁気ヘッド間の再生信号レベルのばらつきがあるもの
の、いずれも直線的な関係にあることが確認された。
【0032】このことから、再生信号の振幅を測定する
ことにより磁気ヘッドの浮上量を検出することができ、
また、測定された振幅を基準値と比較することで、磁気
ヘッドの浮上量の異常を検出することができることが判
明した。
【0033】なお、複数の磁気ヘッドの再生信号レベル
には、ばらつきがあるが、そもそもAGC(automatic
gain controller)は、これらのばらつきを吸収しなが
ら、出力信号が一定範囲になるように再生信号を増幅す
るために設けられている。
【0034】実施の形態1のHDD装置では、磁気ヘッ
ド12の再生信号の振幅を直接測定する代わりにAGC
31により設定されるゲインを利用する。前述のよう
に、AGC31は、デジタル的な処理に基づくフィード
バック制御により再生信号の信号レベルの変化に追従し
てゲインを自動的に調整する。AGC31により設定さ
れたゲインは、チャネル制御部36の図示しないレジス
タに逐次書き込まれる。
【0035】サーボ信号のプリアンブルが再生されると
きには、AGC・HOLD信号がL(low )レベルに立
ち下がり、AGC31によりゲイン調整が行われ、次い
で、AGC・HOLD信号がH(high)レベルに立ち上
がり、サーボ信号のゲインが決定されて保持される。こ
の決定されたゲインを基準値と比較することで、磁気ヘ
ッド12の浮上量の異常を検出する。
【0036】ゲインの基準値は、磁気ヘッドの浮上量が
正常なときのAGC31のゲインの実測データに基づい
て、あらかじめ設定される。この基準値は、各磁気ヘッ
ド12のそれぞれの磁気ディスク11のシリンダ領域4
1毎(シリンダ領域Zone0、Zone1、Zone2、・・・)
に設定される。
【0037】これにより、各磁気ヘッド12のそれぞれ
に最適な基準値を設定することができる。また、磁気デ
ィスク11の半径方向の位置による磁気ヘッド12の浮
上量の変化を考慮し、シリンダ領域41毎に最適な基準
値を設定することができる。なお、基準値は、必ずしも
各シリンダ領域41のそれぞれに設ける必要はない、例
えば、隣合う2つ、あるいは、3つのシリンダ領域41
毎に1つの基準値を対応付けてもよい。これにより、基
準値を記憶するメモリ容量を小さくすることができる。
【0038】図7は、シリンダ領域毎のサーボ信号のゲ
インの実測値テーブルを示す図である。また、図8は、
シリンダ領域毎のサーボ信号のゲインの基準値テーブル
を示す図である。図7に示されるように、各磁気ヘッド
12(Head0、Head1、Head2および〜Head3)のそれ
ぞれのシリンダ領域41(シリンダ領域Zone0、Zone
1、Zone2、・・・)毎に、磁気ヘッドの浮上量が正常
なときのゲインが実測され、実測値テーブルが構成され
る。この実測値テーブルの各値を1.1倍したものが図
8に示される基準値テーブルである。
【0039】磁気ヘッドの浮上量が高くなると、サーボ
信号の振幅は小さくなる。サーボ信号の振幅が小さくな
ると、AGC31により保持されるゲインは大きくな
る。したがって、磁気ヘッドの浮上量の異常を検出する
ための基準値は、磁気ヘッドの浮上量が正常なときのA
GC31のゲインの実測値より大きくなる。実測値に対
する基準値の比率1.1倍は、実験から経験的に見いだ
された値である。
【0040】図8に示される基準値テーブルは、磁気デ
ィスク11のシステム領域に記録されている。基準値テ
ーブルは、このHDD装置が起動されると、磁気ディス
ク11から読み出され、制御回路20のDRAM24
(図1)に記憶される。なお、基準値テーブルを、HD
C/MPU23の内蔵ROMに記憶するようにしてもよ
い。また、基準値テーブルの代わりに実測値テーブルを
記憶しておき、必要な基準値を演算により求めることも
できる。
【0041】HDC/MPU23の内蔵ROMには、磁
気ヘッド12により磁気ディスク11にデータを書き込
む書込動作が開始されたとき、AGC31によりサーボ
信号のプリアンブルに基づいて設定されたゲインと該当
する磁気ヘッド12のシリンダ領域41の基準値とを比
較して、磁気ヘッド12の浮上量の異常を検出するため
の磁気ヘッド浮上量異常検出プログラムが記憶されてい
る。
【0042】また、HDC/MPU23の内蔵ROMに
は、磁気ヘッド浮上量異常検出プログラムの実行によ
り、磁気ヘッド12の浮上量の異常が検出されたとき、
当該書込動作を中止し、AE17、R/Wチャネル21
等の信号処理パラメータの設定を変更し、再び書込動作
を行うリトライ制御プログラムおよび書込領域を代替セ
クタに変更して書込動作を行うための書込領域変更プロ
グラムが記憶されている。なお、これらのプログラムを
磁気ディスク11のシステム領域に記憶しておき、この
HDD装置が起動されたとき、DRAM24に読み出す
ようにすることもできる。
【0043】図9は、磁気ヘッド浮上量異常検出処理の
フローチャートである。HDD装置において、データ書
込動作が開始され、HDC/MPU23のROMに記憶
された磁気ヘッド浮上量異常検出プログラムが起動され
る。そして、磁気ヘッド12により磁気ディスク11に
記録されたサーボデータが再生される。
【0044】磁気ヘッド12により再生されたサーボ信
号の先頭部分(プリアンブル)がAE17を介してAG
C31に入力されると、AGC・HOLD信号がLレベ
ルに立ち下げられ(ステップS1)、AGC31により
再生信号のゲイン調整が行われる(ステップS2)。次
いで、所定のタイミングでAGC・HOLD信号がHレ
ベルに立ち上げられ(ステップS3)、AGC31によ
りサーボ信号のゲインが決定されて保持される(ステッ
プS4)。
【0045】次いで、AGC31により保持されたゲイ
ン(チャネル制御部36のレジスタに保持されている)
は、HDC/MPU23により、該当する磁気ヘッド1
2のシリンダ領域41の基準値と比較される。例えば、
Head2の磁気ヘッド12により、Zone2のシリンダ領域
41のcyl2500に対しデータを書き込むとする
と、基準値は216となる(ステップS5)。
【0046】ゲインが基準値より大きい場合には(ステ
ップS5、YES)、当該磁気ヘッド12の浮上量は異
常と判定され、リトライ制御プログラムが実行される。
一方、ゲインが基準値以下の場合には(ステップS5、
NO)、当該磁気ヘッド12の浮上量が正常と判定さ
れ、ステップS1に戻る。そして、次のサーボ信号に対
し同様の動作が繰り返される。
【0047】図10は、データ書込動作のフローチャー
トである。HDD装置において、データ書込動作が開始
され、HDC/MPU23のROMに記憶された磁気ヘ
ッド浮上量異常検出プログラムが起動される。そして、
磁気ヘッド12により磁気ディスク11に記録されたサ
ーボデータが再生される。
【0048】磁気ヘッド12の浮上量の異常が検出され
ると(ステップS11)、リトライ制御プログラムが実
行され、まず、当該書込動作が中止される(ステップS
12)。次いで、リトライ回数が1インクリメントされ
(ステップS13)、リトライ回数が最大値MAXを超
えたか否かが判定される(ステップS14)。
【0049】リトライ回数が最大値MAX以下の場合に
は(ステップS14、NO)、AE17、R/Wチャネ
ル21等の信号処理パラメータの設定が変更されて、再
び書込動作を行うリトライ動作が開始され(ステップS
15)、ステップS11に戻る。
【0050】一方、リトライ回数が最大値MAXを超え
た場合には(ステップS13、YES)、書込データが
記録されるべき磁気ディスク11上のセクタ61が欠陥
セクタに認定され(ステップS16)、書込領域変更プ
ログラムが実行される。欠陥セクタに代わる代替セクタ
が決定されて、当該代替セクタに対しデータの書込が行
われる(ステップS17)。そして、ステップS18に
進み、データの書込が終了すると、書込動作が終了す
る。一方、ステップS11で、磁気ヘッド12の浮上量
の異常が検出されない場合には、データの書込が終了す
ると(ステップS18)、書込動作が終了する。
【0051】以上のように、実施の形態1によれば、書
込動作が開始されたとき、AGC31により再生された
サーボ信号の先頭部分(プリアンブル)に基づいて当該
サーボ信号のゲインを決定し、後続する部分のサーボ信
号を増幅する。そして、チャネル制御部36のレジスタ
に保持されたAGC31のゲインを基準値と比較して、
磁気ヘッド12の浮上量の異常を検出する。したがっ
て、従来のHDD装置のように、サーボ信号の出力波形
を測定するための測定回路を必要としないので、装置を
安価に構成することができる。
【0052】また、磁気ヘッド12の浮上量の異常が検
出されたとき、リトライ制御プログラムを実行し、書込
動作を中止することができる。したがって、従来のよう
に、書込動作が終了したにもかかわらず、正しいデータ
が記録されないような磁気ディスクのデータの損傷を防
止することができる。また、書込動作が中止されたと
き、再度、書込動作を行うことができるので、磁気ディ
スクのデータの信頼性を向上させることができる。
【0053】さらに、リトライ動作が所定回数繰り返さ
れたとき、書込領域変更プログラムを実行し、当初の領
域の代わりに代替セクタにデータを書き込むことができ
るので、磁気ディスクのデータの信頼性をいっそう向上
させることができる。
【0054】実施の形態2.実施の形態2のHDD装置
は、実施の形態1のHDD装置と同様の構成であるが、
基準値の設定方法が異なる。実施の形態2のHDD装置
は、図8に示された基準値テーブルを記憶する代わり
に、AGC31により決定された前回のサーボ信号のゲ
インを利用する。
【0055】図11は、実施の形態2のHDD装置の基
準値の設定方法の説明図である。図11に示されるよう
に、n−1番目、n番目、n+1番目およびn+2番の
に再生されたサーボ信号に基づいて、AGC31のゲイ
ン G(n−1)=176、 G(n) =187、 G(n+1)=181、 G(n+2)=169 がそれぞれ得られたものとする。
【0056】これらのゲインの基準値は、それぞれの前
回のサーボ信号のゲインに適当な係数、例えば、1.1
をかけて算出される。なお、係数1.1は、実験から経
験的に見いだされた値である。例えば、n番目のゲイン
の基準値は、n−1番目のサーボ信号のゲインG(n−
1)=176を1.1倍した194となり、n+1番目
のゲインの基準値は、n番目のサーボ信号のゲイン18
7を1.1倍した206となる。
【0057】基準値は、各磁気ヘッド12のそれぞれに
別々に管理し、同じ磁気ヘッド12の前回のサーボ信号
のゲインを利用するようにするとよい。これにより、各
磁気ヘッド12の再生特性のばらつきの影響を排除する
ことができる。
【0058】また、基準値は、各磁気ヘッド12のそれ
ぞれの磁気ディスク11のシリンダ領域41毎(シリン
ダ領域Zone0、Zone1、Zone2、・・・)に管理し、同
じシリンダ領域41のサーボ信号のゲインを利用するよ
うにすることもできる。
【0059】なお、基準値は、必ずしも各シリンダ領域
41のそれぞれに設ける必要はない、例えば、近くにあ
る複数のシリンダ領域41毎に1つの基準値を対応付け
てもよい。これにより、基準値を記憶するメモリ容量を
小さくすることができる。
【0060】以上のように、実施の形態2によれば、A
GC31により決定された前回のサーボ信号のゲインを
利用して基準値を更新する。したがって、製品(HDD
装置)毎に、いちいち図8に示される基準値テーブルを
作成する手間をなくすことができる。
【0061】なお、実施の形態1および2では、AGC
31により設定されたゲインを基準値と比較するように
しているが、AE17から出力された再生信号の振幅
(ピーク値)を測定する回路を設け、この回路により測
定された振幅と基準値とを比較するようにHDD装置を
構成することもできる。これにより、従来のHDD装置
に設けられたサーボ信号の面積測定回路が不要となるた
め、比較的安価にHDD装置を構成することができる。
【0062】図12は、サーボ信号の振幅を測定する測
定回路の要部構成図である。図12に示されるように、
この測定回路は、全波整流回路71、サンプル・ホール
ド回路72、コンデンサ73およびリセットスイッチ7
4を備える。全波整流回路71の2つの入力端は、入力
線81aおよび81bを介してAE17の正極側および
負極側の出力端にそれぞれ接続されている。サンプル・
ホールド回路72の出力端は、出力線82を介して図示
しないA/D変換器に接続されている。出力線82に
は、一端が接地されたコンデンサ73が接続されるとと
もに、リセットスイッチ74が接続されている。
【0063】全波整流回路71は、AE17により出力
される再生信号(交流信号)を直流に変換するものであ
る。サンプル・ホールド回路72は、直流信号に変換さ
れた再生信号をサンプリングし、再生信号の振幅を求め
るものである。リセットスイッチ74がON/OFF制
御されると、ある一定時間における再生信号の最大電圧
が、サンプル・ホールド回路72によりコンデンサ73
に充電され、これにより再生信号のピーク値が得られ
る。このピーク値は、図示しないA/D変換器によりデ
ジタル値に変換され、基準値と比較される。
【0064】なお、磁気ヘッドの浮上量が高くなると、
サーボ信号の振幅は小さくなるため、再生信号のピーク
値(振幅)に対する基準値は、磁気ヘッドの浮上量が正
常なときのAE17の振幅の実測値より小さくなる。実
測値に対する基準値の比率は、約0.9が望ましい。
【0065】
【発明の効果】この発明によれば、書込動作が開始され
たとき、磁気ヘッドにより再生されたサーボ信号の先頭
部分に基づいて当該サーボ信号のゲインを決定し、決定
されたゲインに従って前記先頭部分に後続する部分のサ
ーボ信号を増幅する。そして、この増幅されたサーボ信
号のゲインまたは振幅を基準値と比較して、磁気ヘッド
の浮上量の異常を検出する。
【0066】サーボ信号のゲインを基準値と比較する場
合には、R/Wチャネルの増幅器のゲインが記憶される
レジスタにアクセスし、基準値と比較することができ
る。したがって、新たな回路を必要としないので、装置
を安価に構成することができる。サーボ信号の振幅を基
準値と比較する場合には、サーボ信号の振幅を測定する
回路を設ければよく、サーボ信号の面積値を測定する回
路が不要となる。したがって、装置を比較的安価に構成
することができる。
【0067】また、この発明によれば、磁気ヘッドの浮
上量の異常が検出されたとき、書込動作を中止すること
ができる。したがって、従来のように、書込動作が終了
したにもかかわらず、正しいデータが記録されないよう
な磁気ディスクのデータの損傷を防止することができ
る。また、書込動作が中止されたとき、再度、書込動作
を行うことができるので、磁気ディスクのデータの信頼
性を向上させることができる。さらに、書込動作が所定
回数繰り返されたとき、当初の領域の代わりに代替領域
にデータを書き込むことができるので、磁気ディスクの
データの信頼性をいっそう向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のHDD装置の概略
構成図である。
【図2】 図1に示されたHDD装置の駆動機構の断面
図である。
【図3】 磁気ディスクの記録面の構成図である。
【図4】 R/Wチャネルの構成図である。
【図5】 サーボデータの再生信号の説明図である。
【図6】 磁気ヘッドの浮上量とサーボ信号の振幅との
関係を示す図である。
【図7】 シリンダ領域毎のサーボ信号のゲインの実測
値テーブルを示す図である。
【図8】 シリンダ領域毎のサーボ信号のゲインの基準
値テーブルを示す図である。
【図9】 磁気ヘッド浮上量異常検出動作のフローチャ
ートである。
【図10】 データ書込動作のフローチャートである。
【図11】 実施の形態2のHDD装置の基準値の設定
方法の説明図である。
【図12】 サーボ信号の振幅を測定する測定回路の要
部構成図である。
【図13】 サーボ信号の出力波形を示す図であり、図
11(a)は、磁気ヘッドの浮上量が正常なときの出力
波形を示す図、図11(b)は、磁気ヘッドの浮上量が
異常に高いときの出力波形を示す図である。
【符号の説明】
10 筐体、11 磁気ディスク、12 磁気ヘッド、
13 ヘッドスライダ、14 サスペンション・アー
ム、15 スピンドルモータ、16 VCM、17 A
E、20 制御回路、21 ドライバ、22 R/Wチ
ャネル、23 HDC/MPU、24 DRAM、31
AGC、32 整形フィルタ、33 シリアル/パラ
レル変換部、34 データ・コーデック、35 グレー
・コード・デコーダ、36 チャネル制御部、40 ト
ラック、41 シリンダ領域、50サーボ領域、60
データ領域、61 セクタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 哲生 神奈川県藤沢市桐原町1番地 日本アイ・ ビー・エム株式会社 藤沢事業所内 (72)発明者 馬場 幸代 神奈川県藤沢市桐原町1番地 日本アイ・ ビー・エム株式会社 藤沢事業所内 (72)発明者 田中 秀継 神奈川県藤沢市桐原町1番地 日本アイ・ ビー・エム株式会社 藤沢事業所内 Fターム(参考) 5D091 AA10 CC30 FF05 HH20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドにより磁気ディスクにデータ
    を書き込む書込動作が開始されたとき、前記磁気ディス
    クにあらかじめ記録されたサーボ信号を前記磁気ヘッド
    により再生する再生工程と、 前記再生工程で前記磁気ヘッドにより再生されたサーボ
    信号の先頭部分に基づいて当該サーボ信号のゲインを決
    定し、決定されたゲインに従って前記再生工程で再生さ
    れた前記先頭部分に後続する部分のサーボ信号を増幅す
    る増幅工程と、 前記増幅工程で増幅されたサーボ信号のゲインまたは振
    幅を基準値と比較して、前記磁気ヘッドの浮上量の異常
    を検出する浮上量異常検出工程とを含むことを特徴とす
    る磁気ヘッド浮上量異常検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気ヘッド浮上量異常
    検出方法において、 前記基準値は、磁気ヘッドの浮上量が正常なときに前記
    増幅工程で増幅されたサーボ信号のゲインまたは振幅の
    実測データに基づいてあらかじめ設定されることを特徴
    とする磁気ヘッド浮上量異常検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の磁気ヘッド浮上量異常
    検出方法において、 前記基準値は、当該サーボ信号より先に再生工程で再生
    されて増幅工程で増幅されたサーボ信号のゲインまたは
    振幅に基づいて設定されることを特徴とする磁気ヘッド
    浮上量異常検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の磁気ヘッド浮上量異常
    検出方法において、 前記基準値は、磁気ディスクの記録面内の所定のシリン
    ダ領域毎に設定されることを特徴とする磁気ヘッド浮上
    量異常検出方法。
  5. 【請求項5】 磁気ヘッドにより磁気ディスクにデータ
    を書き込む書込動作が開始されたとき、前記磁気ディス
    クにあらかじめ記録されたサーボ信号を前記磁気ヘッド
    により再生する再生工程と、 前記再生工程で前記磁気ヘッドにより再生されたサーボ
    信号の先頭部分に基づいて当該サーボ信号のゲインを決
    定し、決定されたゲインに従って前記再生工程で再生さ
    れた前記先頭部分に後続する部分のサーボ信号を増幅す
    る増幅工程と、 前記増幅工程で増幅されたサーボ信号のゲインまたは振
    幅を基準値と比較して、前記磁気ヘッドの浮上量の異常
    を検出する浮上量異常検出工程と、 前記浮上量異常検出工程で磁気ヘッドの浮上量の異常が
    検出されたとき、前記書込動作を中止させる書込動作中
    止制御工程とを含むことを特徴とするデータ書込方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のデータ書込方法におい
    て、 さらに、前記書込動作中止制御工程で前記書込動作が中
    止されたとき、再度、前記書込動作を行わせる書込動作
    リトライ制御工程を含むことを特徴とするデータ書込方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のデータ書込方法におい
    て、 さらに、前記書込動作リトライ制御工程が所定回数繰り
    返されたとき、データが書き込まれるべき記録領域をあ
    らかじめ設けられた代替領域に変更し、変更された代替
    領域に対し前記書込動作を行わせる書込領域変更工程を
    含むことを特徴とするデータ書込方法。
  8. 【請求項8】 回転駆動される磁気ディスクと、 前記磁気ディスクにデータを記録するとともに、前記磁
    気ディスクに記録されたデータを再生する磁気ヘッド
    と、 前記磁気ヘッドにより前記磁気ディスクにデータを書き
    込む書込動作が開始されたとき、前記磁気ヘッドにより
    前記磁気ディスクにあらかじめ記録されたサーボ信号を
    再生させるサーボ信号再生制御手段と、 前記サーボ信号再生制御手段からの制御命令に従って前
    記磁気ヘッドにより再生されたサーボ信号の先頭部分に
    基づいて当該サーボ信号のゲインを決定し、決定された
    ゲインに従って前記先頭部分に後続する部分のサーボ信
    号を増幅する増幅器と、 前記増幅器により増幅されたサーボ信号のゲインまたは
    振幅を基準値と比較して、磁気ヘッドの浮上量の異常を
    検出する浮上量異常検出手段とを備えたことを特徴とす
    るハード・ディスク・ドライブ装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のハード・ディスク・ド
    ライブ装置において、 さらに、前記浮上量異常検出手段により磁気ヘッドの浮
    上量の異常が検出されたとき、前記書込動作を中止させ
    る書込動作中止制御手段を備えたことを特徴とするハー
    ド・ディスク・ドライブ装置。
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