JP2001226635A - 塗料、塗膜の形成方法及び該方法により形成された塗膜 - Google Patents

塗料、塗膜の形成方法及び該方法により形成された塗膜

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JP2001226635A JP2000033931A JP2000033931A JP2001226635A JP 2001226635 A JP2001226635 A JP 2001226635A JP 2000033931 A JP2000033931 A JP 2000033931A JP 2000033931 A JP2000033931 A JP 2000033931A JP 2001226635 A JP2001226635 A JP 2001226635A
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Osamu Morita
収 森田
Takeshi Fujita
武 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この塗料を用いることにより、ガラスや鏡等
の基材表面に密着性に優れた塗膜を形成することがで
き、形成された塗膜は、安定的に親水性を示し、防曇機
能を有する塗料を提供する。 【解決手段】 バインダーとして、テトラアルコキシシ
ラン及び前記テトラアルコキシシランの加水分解物から
なる群から選択される少なくとも1種、硬化触媒とし
て、酸、アルカリ、亜鉛化合物、チタン化合物及びジル
コニウム化合物からなる群から選択された少なくとも1
種、並びに、シリカゾル及び/又はアルミナゾルを含む
組成物からなることを特徴とする塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鏡、ガラス、レン
ズ等の表面に塗布することにより密着性に優れた塗膜を
形成することができる塗料、該塗料を用いた塗膜の形成
方法、及び、該塗膜の形成方法により形成された塗膜に
関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷時に、建物の窓ガラス、眼鏡のレン
ズ、各種計器のカバーガラス等に水分が付着して曇るの
は、しばしば経験することである。また、浴室や洗面所
に置かれた鏡や眼鏡のレンズが湯気で曇ることも、よく
経験する。
【0003】このようなガラス等の透明部材の表面に曇
りが生ずるのは、その部材が雰囲気の露点以下の温度で
あるため、雰囲気中の水分が凝縮して表面に結露が生ず
るからである。この場合、透明部材の表面に付着した水
滴の直径が、サブミクロンオーダーの充分に細かいもの
であっても、この水滴は光を散乱するために、この部材
は不透明に見える。
【0004】また、これらの水滴がさらに成長して大き
くなった場合においても、水滴の表面と空気との界面及
び水滴と透明部材の表面との界面おいて光の屈折が生ず
るため、ぼやけや翳り、曇り等の現象が生じ、透視性が
損なわれる。本明細書では、このような部材の表面に水
滴が付着することにより、鏡やガラス等の透明部材の透
視性が失われる種々の現象を総合して曇り現象というこ
ととし、このような曇り現象を防止し、部材の透視性を
確保することを防曇ということとする。
【0005】従来より、このような鏡や透明部材の表面
に防曇機能を有する透明な塗膜を形成する種々の発明が
なされているが、その主なものは、塗膜中にチタニア粒
子等の光触媒を含有する塗膜を形成して、その塗膜に光
触媒機能を付与し、この光触媒機能が発現することによ
りその表面が親水性になることを利用して、防曇機能を
実現させる発明である。
【0006】しかしながら、これらのチタニア粒子を含
有する塗膜は、光触媒機能を有する塗膜であり、紫外線
の照射により、この紫外線を吸収してチタニア粒子に電
子と正孔とが生成し、これにより初めて親水性が発現
し、防曇効果を示す。このため、塗膜を形成する対象と
なる部材の用途が限定されてしまうという問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、ガラスや鏡等の基材表面に密着性に優れた塗膜を形
成することができ、形成された塗膜が安定的に親水性を
示し、防曇機能を有するため、広い用途に適用可能な塗
料、該塗料を用いた塗膜の形成方法、及び、該塗膜の形
成方法により形成された塗膜を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために検討を行った結果、テトラアルコキシ
シランの部分加水分解物(縮合物)とシリカゾル及び/
又はアルミナゾルとを含む組成物を塗料として用いるこ
とにより、形成された塗膜が周囲の環境に影響を受け
ず、安定的に親水性を示し、防曇効果を示すことを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、バインダーとして、
テトラアルコキシシラン及び上記テトラアルコキシシラ
ンの加水分解物からなる群から選択される少なくとも1
種、硬化触媒として、酸、アルカリ、亜鉛化合物、チタ
ン化合物及びジルコニウム化合物からなる群から選択さ
れる少なくとも1種、並びに、シリカゾル及び/又はア
ルミナゾルを含む組成物からなることを特徴とする塗料
である。以下に本発明を詳述する。
【0010】本発明の塗料は、バインダーとして、テト
ラアルコキシシラン及び上記テトラアルコキシシランの
加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種、
硬化触媒として、酸、アルカリ、亜鉛化合物、チタン化
合物及びジルコニウム化合物からなる群から選択される
少なくとも1種、並びに、シリカゾル及び/又はアルミ
ナゾルを含む組成物からなることを特徴とする塗料であ
る。
【0011】上記バインダーとして使用されるテトラア
ルコキシシランは、下記の一般式(1): (R1 )(R2 )(R3 )(R4 )・Si (1) (式中、R1 〜R4 は、アルコキシル基を表し、これら
4個のアルコキシル基は、同一であっても、それぞれ異
なっていてもよい)で表される。上記アルコキシル基と
しては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0012】上記一般式(1)で表されるテトラアルコ
キシシランとしては特に限定されず、例えば、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロ
ポキシシラン、テトラブトキシシシラン、ジメトキシジ
エトキシシシラン、メトキシトリエトキシシラン、エト
キシトリメトキシシラン、メトキシトリn−プロポキシ
シラン等が挙げられる。
【0013】本明細書では、上記テトラアルコキシシラ
ンの加水分解物とは、テトラアルコキシシランが軽度に
加水分解された縮合物(オリゴマー)と、このオリゴマ
ーがさらに加水分解されたものとの両方を含むものとす
る。この場合、加水分解され、OH基を有するシラン同
士が脱水縮合して、Si−O−Siの形で結合し、縮合
の程度が上がるに伴い、次第に高分子状態となってい
く。この縮合体の末端部分のSiには、アルコキシル基
が結合していてもよく、加水分解されてOH基となって
いてもよい。
【0014】上記テトラアルコキシシランの加水分解縮
合物としては、3〜9の重合度を有し、平均分子量が4
00〜1200のものが好ましい。これらテトラアルコ
キシシラン、上記テトラアルコキシシランの加水分解物
は、それぞれ単独で存在していてもよく、2種以上のも
のが混在していてもよい。また、様々な重合度のものが
混在していてもよい。
【0015】テトラアルコキシシランの加水分解物を用
いる場合には、市販のオリゴマー(メチルシリケート、
エチルシリケート等)を用いてもよく、テトラアルコキ
シシランを加水分解させるか、又は、上記オリゴマーを
さらに加水分解させることにより調製したものを用いて
もよい。
【0016】この際に、テトラアルコキシシランからな
る単量体中、又は、オリゴマー中のSiをSiO2 に換
算した値(以下、「SiO2 換算値」という)が5〜2
0重量%、有機溶媒が90〜65重量%、触媒の酸が
0.05〜0.5重量%、水が4.95〜14.5重量
%の混合液をつくった後、この液を加水分解させればよ
い。加水分解は、30〜60℃、特に35〜55℃の低
温で、2〜5時間行うことが好ましい。触媒としては、
下記する塗料用の硬化触媒と同様のものを用いることが
でき、溶媒としても、下記する塗料調製用の溶媒と同様
のものを用いることができる。
【0017】上記塗料用の硬化触媒としては、例えば、
酢酸、塩酸、硝酸、硫酸等の酸、アンモニア、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ、酸化亜鉛、塩
化亜鉛等の亜鉛化合物、四塩化チタン、チタニウムテト
ラ−n−ブトキシド、チタニウムテトラ−i−プロポキ
シド、チタニル硫酸等のチタン化合物、四塩化ジルコニ
ウム、オキシ塩化ジルコニウム等のジルコニウム化合物
等が挙げられる。これらのなかでは、酸、チタン化合物
が好ましく、硝酸、塩酸、酢酸、四塩化チタンがより好
ましい。これらの触媒は、単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0018】本発明の塗料では、組成物中にシリカゾル
及び/又はアルミナゾルを含む。上記シリカゾルとして
は、数nm〜数十nmの平均粒径を有する微粒子状のシ
リカを含むものであれば特に限定されず、例えば、種々
の市販のシリカゾルを用いることができるが、これらの
なかでは、日産化学工業社製のスノーテックスO、スノ
ーテックスC、スノーテックスN、スノーテックスIP
A−ST等を好適に使用することができる。但し、使用
する場合には、硝酸を添加した状態で使用することが好
ましい。
【0019】上記アルミナゾルとしては、数nm〜数十
nmの平均粒径を有する微粒子状のアルミナを含むもの
であれば特に限定されず、例えば、日産化学工業社製の
アルミナゾル−520、アルミナゾル−100、アルミ
ナゾル−200等、種々の市販のアルミナゾルを用いる
ことができるが、これらのなかでは、アルミナゾル−5
20が好ましい。なお、アルミナゾル−100を用いる
場合には、塩酸を添加した状態で使用することが好まし
く、アルミナゾル−200を用いる場合には、酢酸を添
加した状態で使用することが好ましい。これらのシリカ
ゾル、アルミナゾルは、それぞれ単独で用いてもよく、
併用してもよい。
【0020】上記塗料は、通常、上記バインダー、上記
硬化触媒、上記アルミナゾル等のほかに溶剤を含む。上
記溶剤としては特に限定されず、例えば、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n
−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、ペン
タノール等のアルカノール類、2−メトキシエタノー
ル、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコキシア
ルカノール類等が挙げられる。これら溶剤のなかでは、
室温でも比較的大きな蒸気圧を有し、乾燥時に蒸発し易
いものが好ましく、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、i−プロパノール等が好ましい。これら溶剤
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】上記塗料中には、塗膜を形成した際に塗膜
の透明性が阻害しない範囲で、例えば、タルク、硫酸バ
リウム、炭酸カルシウム、マイカ、アルミナ等の体質顔
料が含まれていてもよい。これら体質顔料は、単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。塗膜中にこれ
らの顔料が含まれていると、基材に対する密着性が向上
する。
【0022】上記塗料において、硬化触媒(硝酸を使用
した場合)の量は、全塗料中、0.05重量%以上が好
ましい。
【0023】上記アルミナゾルとバインダーとの比は、
(アルミナゾル中のAl23 換算値)/(バインダー
のSiO2 換算値)で、95/5〜50/50(重量
比)の範囲が好ましい。この比は、上記シリカゾルとバ
インダーとの比についても、同様である。
【0024】この重量比が50/50より小さいと、塗
膜中のアルミナ(シリカ)の量が少なくなるため塗膜の
防曇性が不充分となり、一方、95/5を超えると、バ
インダ量が少なすぎるため、塗膜の強度が不充分とな
る。
【0025】上記塗料を用いて基材表面に塗膜を形成す
る際には、バインダー、硬化触媒、シリカゾル(アルミ
ナゾル)等を配合した混合物をよく攪拌して塗料組成物
を調製した後、該塗料組成物をガラス等の基材に塗布
し、被膜を形成する。その後、常温〜300℃の温度範
囲で数十分間〜数十時間乾燥させるとともに、被膜を硬
化させて塗膜とする。乾燥温度は、100〜200℃が
より好ましい。これにより、べたつきがなく、基材との
密着性に優れた塗膜を形成することができる。
【0026】上記塗料を用いた塗膜の形成方法としては
特に限定されず、例えば、スプレーコーティング法、デ
ィップコーティング法、フローコーティング法、ロール
コーティング法、スピンコーティング法、刷毛塗り、ス
ポンジ塗り等の方法が挙げられる。
【0027】このような方法により形成した塗膜は、塗
膜自体の親水性が大きく、防曇効果を示す。上記塗膜が
防曇効果を示す理由は明らかではないが、テトラアルコ
キシシランの加水分解物とアルミナゾル(シリカゾル)
に含有されていた極めて微細なアルミナ粒子(シリカ粒
子)又はその凝集体とを含む塗膜表面の化学的性質に起
因しているものと考えられる。
【0028】本発明の塗料が対象とする基材は特に限定
されるものではないが、例えば、室内の浴室、洗面所、
寝室等に置かれる鏡、その他の建物内部の化粧鏡等の
鏡、建物の内部や外側の窓、ショーウインドウ、乗物等
の窓材等、眼鏡のレンズ、各種計器のカバー部材(カバ
ーガラス)、温室の屋根材や壁材に好適に使用すること
ができ、これらの基材上に塗膜を形成することにより基
材に防曇効果を付与することができる。なお、上記した
部材の材質は、ガラス製、その他のセラミック製、プラ
スチック製のいずれであってもよい。上記した塗膜の形
成方法及び該塗膜の形成方法により形成された塗膜も本
発明の一つである。
【0029】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0030】実施例1 まず、日産化学工業社製のアルミナゾル(アルミナゾル
−520、粒子径:10〜20nm、アルミナ含有量:
20〜21重量%、pH2〜5)20.0重量部に純水
28.5重量部を加え、攪拌した。
【0031】次に、このアルミナゾルの希釈液に、メタ
ノールと2−プロパノールとを重量比1:1の割合で混
合したアルコール混合液48重量部と、テトラメトキシ
シランが部分加水分解したメチルポリシロキサン(Mシ
リケート51、多摩化学工業社製、平均分子量:47
0、SiO2 換算濃度:50.7〜51.3重量%)
2.0重量部を加えてよく攪拌し、最後に10重量%の
硝酸1.5重量部を加えてさらによく攪拌した。
【0032】このようにして塗料組成物を調製した後、
ガラス板の表面に塗膜を形成した。すなわち、この塗料
組成物に、アセトンで表面を脱脂、洗浄したガラス板
(70×150×1.2mm)を侵漬した後引き上げ、
室温で30分間放置後、乾燥器中で110℃、30分間
乾燥、硬化させることにより、塗膜を形成した。この
後、以下の方法により、塗膜の密着性及び親水性の評価
を行った。また、上記ガラス板と同じ寸法の鏡を用い、
同様の方法により鏡面が形成された面の反対側面に塗膜
を形成し、防曇性の評価を行った。その結果を表2に示
した。
【0033】評価方法 (1)密着性 塗膜にセロハンテープを圧着した後、一気にセロハンテ
ープを剥がし、セロハンテープへの塗膜の付着具合によ
り、塗膜の密着性を評価した。 ○:セロハンテープに塗膜がほとんど付着しない △:セロハンテープに塗膜が少し付着する ×:セロハンテープに塗膜がほぼ全部付着する
【0034】(2)親水性 乾燥、硬化により塗膜が形成されたガラス板表面の水と
の接触角を測定した。
【0035】(3)防曇性 鏡に息を吹きかけた後、鏡面を目視により観察し、表面
の曇り具合により、防曇性を評価した。 ○:表面が全く曇らない △:表面がわずかに曇り、鏡に写る像が少しぼやける ×:表面が完全に曇り、鏡に写る像を観察することがで
きない
【0036】実施例2〜3 バインダー、硬化触媒、溶媒及び表1に示したアルミナ
ゾル又はシリカゾルを、表1に示した割合(重量部)で
添加したほかは、実施例1と同様に塗料組成物を調製
し、ガラス板及び鏡に塗膜を形成し、塗膜の評価を行っ
た。その結果を下記の表2に示した。
【0037】なお、実施例2では、バインダーとして、
テトラメトキシシラン(信越化学工業社製)を用い、実
施例3では、テトラエトキシシラン(信越化学工業社
製)を用いた。また、実施例2では、アルミナゾルとし
て、アルミナゾル−100(日産化学工業社製、Al2
3 濃度:10〜11重量%、粒径:10nm×100
nm、pH:2.5〜4.5)100重量部に10重量
%の塩酸を7.5重量部添加したものを用い、実施例3
では、シリカゾルとして、スノーテックスO(日産化学
工業社製、SiO2 濃度:20〜21重量%、粒径:1
0〜20nm、pH:2〜4)100重量部に10重量
%の硝酸7.5重量部を添加したものを用いた。
【0038】実施例4 まず、メトキシポリシロキサン(Mシリケート51)の
加水分解を行ってバインダー液を調製した。すなわち、
Mシリケート51:8.0重量部にエタノール59.6
重量部および10重量%の硝酸12.4重量部を加え、
35℃で5時間反応させ、バインダーを調製した。この
ときのSiO2 濃度は、5重量%である。この後、調製
したバインダー、硬化触媒、溶媒及びシリカゾルを、表
1に示した割合で添加したほかは、実施例1と同様に塗
料組成物を調製し、ガラス板及び鏡に塗膜を形成し、塗
膜の評価を行った。その結果を下記の表2に示した。
【0039】なお、本実施例では、シリカゾルとして、
スノーテックスC(日産化学工業社製、SiO2 濃度:
20〜21重量%、粒径:10〜20nm、pH:8.
5〜9.0)100重量部に10重量%の硝酸7.5重
量部を添加したものを用いた。
【0040】実施例5 まず、エトキシポリシロキサン(シリケート40、多摩
化学工業社製、平均分子量:745、SiO2 濃度:3
9.0〜42.0重量%)の加水分解を行ってバインダ
ー液を調製した後に使用した。すなわち、シリケート4
0:10.0重量部にエタノール57.6重量部及び1
0重量%の硝酸12.4重量部を加え、35℃で5時間
反応させ、バインダー液を調製した。
【0041】この後、調製したバインダー、硬化触媒、
溶媒及びシリカゾルを、表1に示した割合で添加したほ
かは、実施例1と同様に塗料組成物を調製し、ガラス板
及び鏡に塗膜を形成し、塗膜の評価を行った。その結果
を下記の表2に示した。なお、本実施例では、シリカゾ
ルとして、スノーテックスN(日産化学工業社製、Si
2 濃度:20〜21重量%、粒径:10〜20nm、
pH:9.0〜10)100重量部に10重量%の硝酸
7.5重量部を添加したものを用いた。
【0042】実施例6 まず、日産化学工業社製のシリカゾル(スノーテックス
IPA−ST、粒子径:10〜20nm、SiO2
有量:30〜31重量%、分散媒:2−プロパノール)
20.0重量部に、メタノールと2−プロパノールとを
重量比1:1の割合で混合したアルコール混合液350
重量部と、メチルポリシロキサン(Mシリケート51)
3.0重量部を加えてよく攪拌し、最後に10重量%の
硝酸2.0重量部を加えてさらによく攪拌した。このよ
うにして塗料組成物を調製した後、ガラス板及び鏡に塗
膜を形成し、塗膜の評価を行った。その結果を下記の表
2に示した。
【0043】比較例1〜2 バインダー、硬化触媒、溶媒及び表1に示した粉末を含
む液を、表1に示した割合で添加したほかは、実施例1
と同様に塗料組成物を調製し、ガラス板及び鏡に塗膜を
形成し、塗膜の評価を行った。その結果を、下記の表2
に示した。
【0044】なお、比較例1では、シリガゾル(アルミ
ナゾル)の代わりに、住友化学社製のアルミナ粉末(A
KP−20、中心粒径:0.4〜0.6μm)100重
量部を10重量%の硝酸38重量部と純水546重量部
との混合物に添加し、直径が1mmのガラスビーズ68
4重量部を加えてペイントシェーカーで5時間分散して
調製したアルミナ粉末を含む液を用いた。また、比較例
2では、超微粒子シリカ(日本アエロジル社製、AER
OSIL200、粒子径:12nm、pH=4.0〜
4.5)100重量部と10重量%の硝酸38重量部と
純水546重量部との混合物に添加し、直径が1mmの
ガラスビーズ684重量部を加えてペイントシェーカー
で5時間分散して調製したシリカ粉末を含む液を用い
た。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】表2に示した評価結果より明らかなよう
に、本発明の塗料を用いることにより、ガラスやプラス
チック等の基材に透明な塗膜を形成することができ、形
成された塗膜は、安定的に親水性を示し、防曇効果を示
す。
【0048】
【発明の効果】本発明の塗料は、上述の構成よりなるの
で、ガラスや鏡等の基材の表面に密着性に優れた透明な
塗膜を形成することができ、形成された塗膜は周囲の環
境に影響を受けず、安定的に親水性を示し、防曇効果を
示す。このため、本発明の塗料は、広範囲の用途に好適
に使用することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 BB24Z BB26Z CA13 CA37 CA39 DA06 DB13 DC24 EB01 EB02 EC37 4J038 DL021 HA096 HA116 HA176 HA216 HA336 HA366 HA446 JA36 JA38 KA04 LA03 MA08 MA10 MA14 NA12 PA19 PB01 PB05 PB07 PC03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダーとして、テトラアルコキシシ
    ラン及び前記テトラアルコキシシランの加水分解物から
    なる群から選択される少なくとも1種、硬化触媒とし
    て、酸、アルカリ、亜鉛化合物、チタン化合物及びジル
    コニウム化合物からなる群から選択される少なくとも1
    種、並びに、シリカゾル及び/又はアルミナゾルを含む
    組成物からなることを特徴とする塗料。
  2. 【請求項2】 基材上に、請求項1記載の塗料を塗布し
    た後、室温〜300℃の温度で乾燥、硬化させることを
    特徴とする塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の塗膜の形成方法により形
    成されたことを特徴とする塗膜。
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