JP2001226389A - アンチモン化合物およびその製造方法 - Google Patents

アンチモン化合物およびその製造方法

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/45Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by condensation
    • C07C45/46Friedel-Crafts reactions

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フリーデルクラフツ反応の触媒として有用
な新規なアンチモン化合物を提供すること。 【解決手段】一般式(1) (式中、Aは酸素原子、窒素原子または炭素原子を表わ
す。Aが酸素原子の場合、Rfは炭素数2〜10のペル
フルオロアルキル基を、nは1を表わし、Aが窒素原子
の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル
基を、nは2を表わし、Aが炭素原子の場合、Rfは炭
素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは3をそ
れぞれ表わす。)で示されるアンチモン化合物またはそ
の水和物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアンチモン
化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】スカンジウム トリフルオロメタンスル
ホネート、ハフニウム トリフルオロメタンスルホネー
ト等に代表される希土類金属等のトリフルオロメタンス
ルホン酸塩が、フリーデルクラフツ反応において、触媒
として優れた性能を示すことが知られている。
【0003】しかしながら、かかる希土類金属等のトリ
フルオロメタンスルホン酸塩の製造原料である希土類金
属化合物等は比較的高価であり、また入手性という点で
もやや問題があり、工業的という観点からは、必ずしも
十分満足しうるものではなく、より工業的に有利な触媒
の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、本発明者らは、より工業的に有利なフリーデルクラ
フツ反応の触媒について鋭意検討したところ、アンチモ
ン ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドに代
表される新規なアンチモン化合物が、触媒として優れた
性能を有することを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(1) (式中、Aは酸素原子、窒素原子または炭素原子を表わ
す。Aが酸素原子の場合、Rfは炭素数2〜10のペル
フルオロアルキル基を、nは1を表わし、Aが窒素原子
の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル
基を、nは2を表わし、Aが炭素原子の場合、Rfは炭
素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは3をそ
れぞれ表わす。)で示されるアンチモン化合物またはそ
の水和物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。一般式(1)
【0007】で示される新規なアンチモン化合物の式
中、Aは酸素原子、窒素原子または炭素原子を表わし、
Aが酸素原子の場合、Rfは炭素数2〜10のペルフル
オロアルキル基を、nは1を表わし、Aが窒素原子の場
合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基
を、nは2を表わし、Aが炭素原子の場合、Rfは炭素
数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは3をそれ
ぞれ表わす。
【0008】炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基
としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオ
ロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロ
ブチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基等が挙げられ
る。
【0009】かかる一般式(1)で示される新規なアン
チモン化合物としては、例えばアンチモン ペンタフル
オロエタンスルホネート、アンチモン ヘプタフルオロ
プロパンスルホネート、アンチモン ノナフルオロブタ
ンスルホネート、アンチモンウンデカフルオロペンタン
スルホネート、アンチモン トリデカヘキサンスルホネ
ート、アンチモン ヘプタデカフルオロオクタンスルホ
ネート、アンチモンビス(トリフルオロメタンスルホニ
ル)アミド、アンチモン ビス(ペンタフルオロエタン
スルホニル)アミド、アンチモン ビス(ヘプタフルオ
ロプロパンスルホニル)アミド、アンチモン ビス(ノ
ナフルオロブタンスルホニルン)アミド、アンチモン
ビス(ウンデカフルオロペンタンスルホニルン)アミ
ド、アンチモン ビス(トリデカフルオロヘキサンスル
ホニル)アミド、アンチモンビス(ヘプタデカフルオロ
オクタンスルホニル)アミド、
【0010】アンチモン トリス(トリフルオロメタン
スルホニル)メタイド、アンチモントリス(ペンタフル
オロエタンスルホニル)メタイド、アンチモン トリス
(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)メタイド、アン
チモン トリス(ノナフルオロブタンスルホニル)メタ
イド、アンチモン トリス(ウンデカフルオロペンタン
スルホニル)メタイド、アンチモン トリス(トリデカ
フルオロヘキサンスルホニル)メタイド、アンチモン
トリス(ヘプタデカフルオロオクタンスルホニル)メタ
イド等が挙げられる。
【0011】かかる一般式(1)で示されるアンチモン
化合物は、一般式(2) (式中、Xはハロゲン原子、アセチル基、トリフルオロ
アセチル基、フェニル基またはナフチル基を表わす。)
で示されるアンチモン類と一般式(3) (式中、A、Rfおよびnはそれぞれ上記と同一の意味
を表わす。)で示される化合物を反応させることにより
製造することができる。
【0012】上記一般式(2)で示されるアンチモン類
としては、例えばトリフルオロアンチモン、トリクロロ
アンチモン、トリブロモアンチモン、トリヨードアンチ
モン、アンチモン アセテート、アンチモン トリフル
オロアセテート、トリフェニルアンチモン、トリナフチ
ルアンチモン等が挙げられる。
【0013】上記一般式(3)で示される化合物として
は、例えばペンタデカフルオロメタンスルホン酸、ヘプ
タデカフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタ
ンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、
トリデカフルオロヘキサンスルホン酸、ヘプタデカフル
オロオクタンスルホン酸、ビス(トリフルオロメタンス
ルホニル)イミド、ビス(ペンタデカフルオロエタンス
ルホニル)イミド、ビス(ヘプタデカフルオロプロパン
スルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホ
ニル)イミド、ビス(ウンデカフルオロペンタンスルホ
ニル)イミド、ビス(トリデカフルオロヘキサンスルホ
ニル)イミド、ビス(ヘプタデカフルオロオクタンスル
ホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホ
ン)メタン、トリス(ペンタフルオロエタンスルホン)
メタン、トリス(ヘプタフルオロプロパンスルホン)メ
タン、トリス(ノナフルオロブタンスルホン)メタン、
トリス(ウンデカフルオロペンタンスルホン)メタン、
トリス(トリデカフルオロヘキサンスルホン)メタン、
トリス(ヘプタデカフルオロオクタンスルホン)メタン
等が挙げられる。
【0014】一般式(3)で示される化合物の使用量
は、特に制限されない。
【0015】一般式(2)で示されるアンチモン類と一
般式(3)で示される化合物の反応は、無溶媒で行って
もよいが、通常は溶媒の存在下に実施される。溶媒とし
ては、例えばヘキサン、へプタン等の脂肪族炭化水素系
溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、
ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,2,2−テト
ラフルオロ−1,2−ジブロモエタン、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、t
ert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等
のエステル系溶媒、メチルイソブチルケトン等のケトン
系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等の非プロトン性極性溶媒等の単独または混合
溶媒が挙げられる。かかる溶媒の使用量は特に制限され
ないが、実用的には、一般式(2)で示されるアンチモ
ン類に対して、100重量倍以下である。
【0016】本反応は、一般式(2)で示されるアンチ
モン類と一般式(3)で示される化合物を混合すればよ
く、その混合順序は特に限定されない。
【0017】反応温度は、通常−100〜200℃であ
る。
【0018】上記反応は、例えば窒素ガス、アルゴンガ
ス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
【0019】反応終了後、濾過、濃縮、抽出等の通常の
後処理を行うことにより、一般式(1)で示されるアン
チモン化合物を取り出すことができる。
【0020】かかる一般式(1)で示されるアンチモン
化合物は、その製造条件により、無水物または水和物と
して得られる。
【0021】かかる一般式(1)で示されるアンチモン
化合物は、芳香族化合物とアシル化剤との反応(いわゆ
るフリーデルクラフツ反応)の有効な触媒であり、例え
ば芳香族化合物、アシル化剤および一般式(1)で示さ
れるアンチモン化合物を混合し、所定温度で反応させる
ことにより、芳香族ケトン類が得られる。
【0022】
【発明の効果】本発明の新規なアンチモン化合物は、フ
リーデルクラフツ反応において優れた触媒活性を示すた
め、有機合成上極めて有用である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0024】実施例1 アルゴン雰囲気下、反応容器に、ノナフルオロブタンス
ルホン酸1.46gおよびジクロロメタン14mLを加
えた後、内温−78℃に冷却し、攪拌しながらトリフェ
ニルアンチモン0.61gを加えた。徐々に室温まで昇
温し、室温で4.5時間攪拌、保持した。その後、減圧
下で溶媒留去し、薄褐色粘ちょうな物質を得た。該物質
をジクロロメタン5mLで溶解させ、ヘキサン10mL
を加えて、再沈殿させた。析出した固体を濾別し、ヘキ
サン5mLで洗浄し、減圧下、室温で2時間乾燥させ、
アンチモン ノナフルオロブタンスルホネートの灰白色
粉体1.10gを得た(元素分析にて、2.87水和物
として検出された)。 元素分析値:Calcd.;C:13.46%,H:
0.54%、Found;C:13.39%,H:0.
54%
【0025】実施例2 アルゴン雰囲気下、反応容器に、ビス(トリフルオロメ
タンスルホニル)イミド0.90gおよびジクロロメタ
ン8mLを加えた後、内温0℃に冷却し、攪拌しながら
トリフェニルアンチモン0.40gを加えた。徐々に内
温40℃まで昇温した後、同温度で4時間攪拌、保持し
た。その後、室温まで冷却し、減圧下で溶媒留去した。
得られた固体を減圧下、室温で1時間乾燥させ、アンチ
モン ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドの
淡黄色粉体0.97gを得た。13 C−NMR(CD2Cl2):δ=119.1ppm
(q,J=321.4Hz)
【0026】実施例3 実施例2において、ビス(トリフルオロメタンスルホニ
ル)イミド0.90gに代えて、等モルのトリス(トリ
フルオロメタンスルホニル)メタンを用いる以外は実施
例2と同様に実施することにより、アンチモン トリス
(トリフルオロメタンスルホニル)メタイドを得ること
ができる。
【0027】参考例1 アルゴン雰囲気下、反応容器に、m−キシレン2.61
g、n−ヘキサノイルクロリド0.11gおよびアンチ
モン ノナフルオロブタンスルホネート0.083gを
加え、内温100℃で24時間攪拌、保持した。室温ま
で冷却し、飽和食塩水およびジエチルエーテルを加え、
抽出処理した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し
た。洗浄で得られた水層は先の抽出処理で得られた水層
と混合し、ジエチルエーテルで抽出処理した。得られた
エーテル層を先の有機層と混合し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥させた。硫酸マグネシウムを濾別後、濃縮処理
し、黄色オイル4.53gを得た。ガスクロマトグラフ
ィにより分析したところ、1−(2,4−ジメチルフェ
ニル)−ヘキサ−1−オンが収率76%で生成してい
た。
【0028】参考例2 参考例1において、m−キシレン4.05g、n−ヘキ
サノイル クロリド0.17gおよびアンチモン ノナ
フルオロブタンスルホネート0.122gを用いた以外
は、参考例1と同様に実施して、1−(2,4−ジメチ
ルフェニル)−ヘキサ−1−オンを収率69%で得た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、Aは酸素原子、窒素原子または炭素原子を表わ
    す。Aが酸素原子の場合、Rfは炭素数2〜10のペル
    フルオロアルキル基を、nは1を表わし、Aが窒素原子
    の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル
    基を、nは2を表わし、Aが炭素原子の場合、Rfは炭
    素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは3をそ
    れぞれ表わす。)で示されるアンチモン化合物またはそ
    の水和物。
  2. 【請求項2】一般式(2) (式中、Xはハロゲン原子、アセチル基、トリフルオロ
    アセチル基、フェニル基またはナフチル基を表わす。)
    で示されるアンチモン類と一般式(3) (式中、A、Rfおよびnはそれぞれ上記と同一の意味
    を表わす。)で示される化合物を反応させることを特徴
    とする一般式(1)で示されるアンチモン化合物の製造
    方法。
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Title
JPN6010002026, Bulletin of the Chemical Society of Japan, Vol.70, No.6, p.1421−1426 (1997). *

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