JPH10230167A - トリス[ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミド]希土類元素塩からなる触媒 - Google Patents

トリス[ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミド]希土類元素塩からなる触媒

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JPH10230167A
JPH10230167A JP9051102A JP5110297A JPH10230167A JP H10230167 A JPH10230167 A JP H10230167A JP 9051102 A JP9051102 A JP 9051102A JP 5110297 A JP5110297 A JP 5110297A JP H10230167 A JPH10230167 A JP H10230167A
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bis
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salt
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Masahiko Furuya
方彦 古谷
Hitoshi Nakajima
斉 中嶋
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Noguchi Institute
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Noguchi Institute
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来公知のルイス酸触媒よりもさらに高い活
性を有する触媒を提供する。 【解決手段】 次式で示されるトリス[ビス(パーフル
オロアルキルスルホニル)イミド]希土類元素塩を有効
成分とする触媒。 [(RfSO2 2 N]3 M (但し、Rfは炭素数2から8のパーフルオロアルキル
基を表し、Mはスカンジウム、イットリウム、イッテル
ビウムを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機化合物の酸触媒
による転化反応に用いられる触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビスパーフルオロアルキルスルホ
ニルイミドあるいはその金属塩としては、アルルカリ金
属、アルカリ土類金属、希土類元素塩等知られており、
その酸触媒としての利用について特開平7−24633
8号公報には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土
類、遷移金属等の金属塩がルイス酸触媒として有効であ
るとして、ディールス・アルダー反応触媒としてトリフ
ルオロメタンスルホニルイミドのMg,Ba,Caおよ
びZnおよびLa塩触媒が活性を示すことが開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
の特開平7−246338号公報に開示されるルイス酸
触媒よりもさらに高い活性を有する触媒を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、前記の課題は、次式で示されるトリス[ビス(パ
ーフルオロアルキルスルホニル)イミド]希土類元素塩
からなる触媒によって達成されることを見出し本発明を
完成するに至った。 [(RfSO2 2 N]3 M (但し、Rfは炭素数2から8のパーフルオロアルキル
基を表し、Mはスカンジウム、イットリウム、イッテル
ビウムを表す。)
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
触媒である、トリス[ビス(パーフルオロアルキルスル
ホニル)イミド]希土類元素塩([(RfSO2
2 N]3 M:但し、Rfは炭素数2から8のパーフルオ
ロアルキル基を表し、Mはスカンジウム、イットリウ
ム、イッテルビウムを表す。)は有機化合物の酸触媒に
よる転化反応において極めて高い活性を示す。
【0006】本発明のビス(パ−フルオロアルキルスル
ホニル)イミドとは、次式で示される化合物であって、
具体的には、ペンタフルオロエタンスルホニル基、ヘプ
タフルオロプロパンスルホニル基、ノナフルオロブタン
スルホニル基、ウンデカフルオロペンタンスルホニル
基、トリデカフルオロヘキサンスルホニル基、ペンタデ
カフルオロヘプタンスルホニル基、ヘプタデカフルオロ
オクタンスルホニル基から選ばれた同一あるいは異なっ
たパーフルオロアルキル基置換のビス(スルホニル)イ
ミドを挙げることができる。本発明の希土類元素として
は、スカンジウム、イットリウム、イッテルビウムから
選ばれた少なくとも1種である。 (RfSO2 2 NH (但し、Rfは炭素数2から8のパーフルオロアルキル
基を表す。) 本発明の化合物の合成法を以下に述べるが本発明はこれ
により何等限定されるものではない。
【0007】本発明化合物の前駆体であるビス(パーフ
ルオロアルキルスルホニル)イミドは、パーフルオロア
ルキルスルホニルフロライドとアルカリ金属ービス(ト
リメチルシリル)アミドとの下記反応(1)によりビス
(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドアルカリ金
属塩を合成し、次いで該アルカリ金属塩を濃硫酸を用い
た処理、あるいは該アルカリ金属塩の水性溶液を水素型
の強酸性イオン交換樹脂等を用いたイオン交換で処理す
る下記反応(2)によりビス(パーフルオロアルキルス
ルホニル)イミドとする。次いで該ビス(パーフルオロ
アルキルスルホニル)イミドを水性溶媒中で希土類金属
酸化物と下記反応(3)させることで本発明の化合物は
合成することができる。
【0008】具体的な反応条件としては、(1)の反応
は通常シリルイミドに対して過剰量のスルホニルハロゲ
ナイドを用い、反応温度として−10℃〜130℃、1
0〜120時間反応させる。更に、前段を−10℃〜3
0℃で、後段を80℃〜130℃と反応温度を制御する
のが好ましい。(2)の反応は濃硫酸で処理する場合は
過剰量の硫酸下、反応温度0℃〜100℃、1〜10時
間反応することで、イオン交換法で行う場合はイオン交
換体を充填したカラムに通常室温下、0.5〜5cc/
cm2 /min程度の流速でイオン交換処理すること
で、イミドに変換させる。(3)の反応は通常イミドに
対して希土類金属酸化物を理論反応量の1.1〜1.3
倍用い、室温〜還流条件下、0.5〜20時間反応する
ことで合成することができる。
【0009】(1) 2RfSO2 F+[(CH3 3
Si]2 NNa→(RfSO2 2NNa+2(C
3 3 SiF (2) (RfSO2 2 NNa+H+ →(RfS
2 2 NH +Na+ (3) 6(RfSO2 2 NH+M2 3 →2[(R
fSO2 2 N]3 M+3H2 O (ただし、Rfは炭素数2から8のパーフルオロアルキ
ル基、Mはスカンジウム、イットリウム、イッテルビウ
ムを表す。)
【0010】本発明の触媒を触媒として適用する反応は
酸性物質が触媒として有効であることが知られている反
応である。例えば、フリーデル・クラフツ反応、ディー
ルス・アルダー反応、異性化、不均化、オレフィンなど
の水和反応、アルコールなどの脱水反応、O−グリコシ
ド化などの脱水縮合反応、重縮合反応などが挙げられ
る。特に、本発明の触媒は、フリーデル・クラフツ反応
触媒として有効である。フリーデル・クラフツ反応には
アルキル化、アシル化、トランスアルキル化、ハロアル
キル化、シクロアルキル化、ガッターマンのアルデヒド
合成反応、スルホニル化、スルホン化、ニトロ化、ハロ
ゲン化などが挙げられる。重縮合反応にはオレフィン類
の重合、ジアシルハライドを用いるポリケトン合成、ポ
リオキシメチレン合成反応などが挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に実施例などを挙げて本発明
を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定
されるものではない。実施例中の赤外吸収スペクトルは
パーキンエルマ社製の1600型赤外分光光度計を、N
MRスペクトルは日本電子社製JNN−EX400型核
磁気共鳴装置を、組成分析は理学電機製のRIX−30
00型蛍光X線分析装置あるいはJY−138型プラズ
マ発光分析装置等を用いて測定した。
【0012】(実施例1) 1.N−トリメチルシリルパーフルオロブタンスルホニ
ルアミドNa塩(A)の合成 滴下ロート付きの300mlのビーカーに窒素置換後パ
ーフルオロブタンスルホニルフロライド36.2g(1
20mmol)を入れ、撹拌、氷冷下にビストリメチル
シリルアミドナトリウム塩の1モル濃度のテトラヒドロ
フラン(THF)溶液60mlを30分間で滴下し、氷
冷下3時間、次いで室温下で一中夜反応させた。反応液
から未反応のノナフルオロブタンスルホニルフロライド
およびTHF溶媒等を減圧下(60℃、30mmHg〜
>1mmHg)に除去し、粗N−トリメチルシリルパー
フルオロブタンスルホニルアミドナトリウム塩(A)を
得た。
【0013】2.ビス(パーフルオロブタンスルホニ
ル)イミドNa塩(B)の合成 次いでこの得られた(A)およびパーフルオロブタンス
ルホニルフロライド26g(90mmol)、ジオキサ
ン35mlをドライボックスを用いて窒素雰囲気下に2
00mlのオートクレーブ(テフロン内筒入り)に仕込
み撹拌下120℃、8時間反応させた。この反応液から
未反応のパーフルオロブタンスルホニルフロライド、ジ
オキサン溶媒等を減圧下(80℃、40mmHg〜>1
mmHg)で除去し薄茶色固体(B)25gを得た。固
体(B)の赤外吸収スペクトルは1358cm-1、11
40cm-1、1083cm-1近辺にSO2 基に起因する
吸収ピークが見られた。
【0014】3.ビス(パーフルオロブタンスルホニ
ル)イミド(C)への転化 この固体(B)の10gを水500mlに溶解させ、強
酸性イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B:
商品名)20mlを充填したイオン交換カラム(20m
mφガラスカラム)に流し粗イミドの水溶液を得た。こ
の流出液のpHは2.4を示した。この水溶液をロータ
リーエバポレーターを用いウォータバス温度80℃,1
60mmHg〜60mmHgの減圧下で水を留去し、
8.6gの薄茶色の固体(C)を得た。(C)の0.1
gを水に溶解し0.1規定の苛性ソーダ水溶液で滴定し
たところ強酸成分は1.7×10-1meqであった。
【0015】4.高純度精製 固体Cを真空乾燥機を用い60℃、1mmHg下、1時
間処理し、次いで高真空下(105℃、6×10-2mm
Hg)にて昇華させ白色結晶を得た。この結晶の赤外吸
収スペクトルには1358cm-1、1140cm-1、1
083cm-1近辺にSO2 基に起因する吸収ピークが見
られた。この結晶の重水素化ジオキサン溶液のH−NM
R測定結果は高周波数側へのケミカルシフト12.8p
pm(TMS基準)にイミドのプロトンに帰属される吸
収が見られた。また19F−NMRの測定結果、−4.9
ppm(CF3 )、−37.8ppm(3位のC
2 )、−45ppm(2位のCF2 )、−49.9p
pm(1位のCF2 )にFの吸収ピークが確認された
(CFCl3 基準)。
【0016】5.該イミドのイッテルビウム塩の合成 上記方法により合成したビスパーフルオロブタンスルホ
ニルイミド5gを蒸留水20mlとアセトニトリル80
mlの混合溶媒に溶解させた溶液に酸化イッテルビウム
0.63g添加し撹拌下60℃、1時間反応させた。次
いで濾過により未反応の酸化イッテルビウムを除去し濾
液からロータリーエバポレータを用い溶媒を除去後12
0℃、1mmHg、1時間真空乾燥し、白色粉末状の該
イミドのイッテルビウム塩4.6gを得た。この化合物
は吸湿性を有しているが水に対する溶解性は小さい。
【0017】合成したトリス[ビス(パーフルオロブタ
ンスルホニル)イミド]イッテルビウムの赤外吸収スペ
クトルは1140cm-1近辺にSO2 基に帰属する、1
085cm-1近辺にC−F基に帰属する吸収ピークが見
られた。また19F−NMRの測定結果、−4.9ppm
(CF3 )、−35.9ppm(3位のCF2 )、−4
4.3ppm(2位のCF2 )、−49.7ppm(1
位のCF2 )にFの吸収ピークが確認された(CFCl
3 基準)。蛍光X線分析による組成分析(括弧内は理論
値)結果は、F/S/Yb=57/5.6/1;原子比
(54/6/1)であった。
【0018】(実施例2)実施例1と同様に、但し、酸
化イッテルビウムに替えて酸化イットリウム0.36g
を用い反応させ、同様に処理し、白色粉末状の該イミド
のイットリウム塩4.6gを得た。この化合物は著しい
吸湿性を有していた。合成したトリス[ビス(パーフル
オロブタンスルホニル)イミド]イットリウム塩の赤外
吸収スペクトルは1142cm-1近辺にSO2 基に帰属
する、1086cm-1近辺にC−F基に帰属する吸収ピ
ークが見られた。
【0019】(実施例3)参考例1と同様に、合成した
ビス(パーフルオロブタンスルホニル)イミド4gを酸
化イッテルビウムに替えて酸化スカンジウム0.1gを
用い還流条件下で5時間反応させ、実施例1と同様に処
理し、白色粉末状の該イミドのスカンジウム塩3.9g
を得た。この化合物は著しい吸湿性を有していた。合成
したトリス[ビス(パーフルオロブタンスルホニル)イ
ミド]スカンジウム塩の赤外吸収スペクトルはイッテル
ビウム塩と同様に、1330、1140、1055cm
-1近辺にSO2 基に帰属する、1198cm-1近辺にC
−F基に帰属する吸収ピークが見られた。
【0020】(実施例4) アシル化反応 実施例1で合成したトリス[ビス(パーフルオロブタン
スルホニル)イミド]イッテルビウム塩を触媒に用いて
アニソールの無水酢酸によるアセチル化反応を行った。
冷却管を取り付けた50mlの三口フラスコにアニソー
ル2.16g、無水酢酸4.12g、溶媒としてアセト
ニトリルを20ml加えスターラー付きオイルバスに設
置した。オイルバスを加熱し所定温度に達した時点で触
媒をアニソールの5mol%を添加し、アセチル化反応
を行った。反応温度70℃で1時間反応のアニソールの
転化率75%でメトキシアセトフェノンが得られ、その
収率は73%と極めて高い活性を示した。
【0021】(実施例5)実施例4と同様に、但し、ト
リス[ビス(パーフルオロブタン)スルホニルイミド]
のイッテルビウム塩に替えて実施例2で合成したトリス
[ビス(パーフルオロブタン)スルホニルイミド]のイ
ットリウム塩を触媒に用い、反応温度70℃、アニソー
ルに対する触媒比5mol%としてアセチル化反応を行
った。1時間反応のアニソールの転化率は72%と高い
活性を示した。
【0022】(実施例6)実施例4と同様に、但し、ト
リス[ビス(パーフルオロブタン)スルホニルイミド]
のイッテルビウム塩に替えて実施例3で合成したトリス
[ビス(パーフルオロブタンスルホニル)]イミドスカ
ンジウム塩を触媒に用い、反応温度70℃、アニソール
に対する触媒比を5mol%としてアセチル化反応を行
った。2時間反応のアニソールの転化率は62%と高い
活性を示した。
【0023】(実施例7) 1.N−トリメチルシリルパーフルオロオクタンスルホ
ニルアミドNa塩(A)の合成 実施例1と同様に、但し、パーフルオロブタンスルホニ
ルフロライドに替えて、パーフルオロオクタンスルホニ
ルフロライド40g(80mmol)を用い、撹拌、氷
冷下にビストリメチルシリルアミドナトリウム塩の1モ
ル濃度のテトラヒドロフラン溶液30mlを30分間で
滴下し、氷冷下3時間、次いで室温下で一中夜反応させ
た。反応液から未反応のパーフルオロオクタンスルホニ
ルフロライドおよびTHF溶媒等を減圧下(60℃、3
0mmHg〜>1mmHg)に除去し、粗N−トリメチ
ルシリルパーフルオロオクタンスルホニルアミドナトリ
ウム塩(A)を得た。
【0024】2.ビス(パーフルオロオクタンスルホニ
ル)イミドNa塩(B)の合成 次いでこの得られた(A)およびパーフルオロオクタン
スルホニルフロライド20g(40mmol)、ジオキ
サン25mlをドライボックスを用いて窒素雰囲気下に
200mlのオートクレーブ(テフロン内筒入り)に仕
込み撹拌下120℃、8時間反応させた。この反応液か
ら未反応のパーフルオロオクタンスルホニルフロライ
ド、ジオキサン溶媒等を減圧下(80℃、40mmHg
〜>1mmHg)に除去し、薄茶色固体(B)21gを
得た。収率は70%であった。この固体の赤外吸収スペ
クトルには1343cm-1、1150cm-11 近辺にS
2 基に起因する吸収ピークが見られた。
【0025】3.ビス(パーフルオロオクタンスルホニ
ル)イミド(C)への転化 この固体(B)の5gを水150mlとエタノール15
0mlの混合溶媒に溶解させ、水素型の強酸性イオン交
換樹脂(アンバーライトIR−120B:商品名)20
mlを充填したイオン交換カラム(20mmφガラスカ
ラム)に3cc/minの速度で流し粗イミドの水溶液
を得た。この流出液のpHは2.0を示した。この水溶
液をロータリーエバポレーターを用いウォータバス温度
80℃、160mmHg〜6OmmHgの減圧下で溶媒
を留去し、次いで80℃、1mmHg下で真空乾燥し、
薄茶色の固体(C)2.4gを得た。
【0026】固体(C)54mgを蒸留水10mlに溶
解させ0.01Nのカセイソーダ水溶液を用いた中和滴
定による滴定の変曲点は強酸に基ずく1箇所しか見られ
ず滴定等量は5.6ccであった。また、固体(C)を
重水素化アセトン溶媒中で 1H−NMR、19F−NMR
の測定をした結果、10.5ppm(TMS基準)にイ
ミドのプロトンに対応するピークが、−4.9ppm
(CF3 )、−36.9ppm(1位のCF2 )、−4
3.7〜−46.5ppm(2〜6位のCF2 )、−5
0ppm(7位のCF2 )に帰属される吸収ピークが見
られた(CFCl3 基準)。
【0027】4.ビス(パーフルオロオクタンスルホニ
ル)イミドのイッテルビウム塩の合成 上記方法により合成したビス(パーフルオロオクタンス
ルホニル)イミド3gを蒸留水24mlに溶解させた溶
液に酸化イッテルビウム0.39gを添加し撹拌下60
℃、1時間反応させた。ゲル状沈澱が生成した。次いで
エバポレータを用い濃縮(70℃,200mmHg)し
た後、アセトニトリル80mlを添加、加温(70℃)
し、濾過により未反応の酸化イッテルビウムを除去し、
濾液からロータリーエバポレータを用い溶媒を除去後1
20℃、1mmHg、1時間真空乾燥し2.9gの白色
粉末状の該イミドのイッテルビウム塩を得た。この化合
物は殆ど水に溶解しない。合成したトリス[ビス(パー
フルオロオクタンスルホニル)イミド]イッテルビウム
の赤外吸収スペクトルは1338、1150cm-1近辺
にSO2 基に、1085cm-1近辺にC−F基に帰属す
る吸収ピークが見られた。蛍光X線分析による組成分析
(括弧内は理論値)の結果は、F/S/Yb=98/
6.1/1;原子比(102/6/1)を示した。
【0028】(実施例8)実施例7と同様に、但し、該
イミド5gと酸化イッテルビウムに替えて酸化イットリ
ウム0.34gを用い反応させ、同様に処理し、白色粉
末状の該イミドのイットリウム塩5.0gを得た。収率
97%であった。 (実施例9)実施例4と同様に、但し、パーフルオロブ
タンスルホニルイミドのイッテルビウム塩に替えて実施
例7で合成したパーフルオロオクタンスルホニルイミド
のイッテルビウム塩を触媒に用い、反応温度70℃、ア
ニソールに対する触媒比を5mol%としてアセチル化
反応を行った。1時間反応した後のアニソールの転化率
は70%を示した。
【0029】(実施例10)実施例4と同様に、但し、
パーフルオロブタンスルホニルイミドのイッテルビウム
塩に替えて実施例7で合成したパーフルオロオクタンス
ルホニルイミドのイットリウム塩を触媒に用い、反応温
度70℃、アニソールに対する触媒比を5mol%とし
てアセチル化反応を行った。1時間反応した後のアニソ
ールの転化率は63%と高い活性を示した。 (実施例11)実施例4と同様に、但し、反応条件を触
媒モル比を1mol%、反応温度を50℃でおこなっ
た。1時間反応した後のメトキシアセトフェノンの収率
は28%であった。
【0030】(実施例12)実施例9と同様に、但し、
溶媒をアセトニトリルに替えて酢酸を用い、反応条件を
触媒モル比を1mol%、反応温度を50℃でおこなっ
た。2時間反応した後のメトキシアセトフェノンの収率
は20%であった。 (実施例13)実施例4と同様の方法で実施例12と同
様に、但し、反応系に生成物であるメトキシアセトフェ
ノンを触媒の20モル倍添加し反応させた。2時間反応
した後のアニソールの転化率は14%であった。
【0031】(実施例14)実施例4と同様の装置を用
い、酢酸とエタノールから酢酸エチルエステルを合成す
る触媒に実施例1で合成したパーフルオロブタンスルホ
ニルイミドのイッテルビウム塩を用い行った。酢酸10
mmolを99.5vol%のエタノール10mlに添
加し、50℃に昇温加熱し、該イミドのイッテルビウム
塩触媒を酢酸に対して0.5mol%添加し、反応させ
た。反応時間2時間での酢酸エチルの収率は45%,4
時間反応では70%であった。
【0032】(比較例1) アシル化反応 触媒として実施例1の合成中間体であるビス(パーフル
オロブタンスルホニルイミド)ナトリウム塩を用いた以
外は実施例4と同様の反応条件でアシル化反応を行っ
た。2時間反応した後の結果はアニソールの転化率は1
%未満であり、メトキシアセトフェノンの生成は認めら
れなかった。
【0033】(比較例2)実施例1と同様に、但し、酸
化イッテルビウムに替えて酸化ランタン0.52gを用
い反応させ、同様に処理し、5.3gの該イミドのラン
タン塩を得た。次いで実施例4と同様に、但し、トリス
[ビス(パーフルオロブタン)スルホニルイミドのイッ
テルビウム塩に替えてランタン塩を触媒に用い、反応温
度70℃、アニソールに対する触媒比を5mol%とし
てアセチル化反応を行った。2時間反応した後のアニソ
ールの転化率は40%であった。
【0034】(比較例3)実施例7と同様に、但し、酸
化イッテルビウムに替えて酸化ランタン0.14gを用
い反応させ、同様に処理し、2.4gの該イミドのラン
タン塩を得た。次いで実施例4と同様に、但し、トリス
[ビス(パーフルオロオクタン)スルホニルイミドのイ
ッテルビウム塩に替えてランタン塩を触媒に用い、反応
温度70℃、アニソールに対する触媒比を5mol%と
してアセチル化反応を行った。2時間反応した後のアニ
ソールの転化率は35%であった。
【0035】(比較例4)実施例4と同様に、但し、触
媒をアシル化触媒として通常用いられる無水塩化アルミ
ニウムをアニソールと等モル用い、50℃で反応させ
た。2時間反応した後のアニソールの転化率は20%で
あった。 (比較例5)比較例4と同様に、但し、メトキシアセト
フェノンを触媒の2倍量添加した系でアシル化反応を行
った。4時間反応した後のアニソールの転化は認められ
なかった。
【0036】
【発明の効果】本発明のパーフルオロアルキルスルホニ
ルイミド希土類元素の塩触媒は、例えば有機化合物の酸
触媒転化反応において非常に高い活性を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式で示されるトリス[ビス(パーフル
    オロアルキルスルホニル)イミド]希土類元素塩からな
    る触媒。 [(RfSO2 2 N]3 M (但し、Rfは炭素数2から8のパーフルオロアルキル
    基を表し、Mはスカンジウム、イットリウム、イッテル
    ビウムを表す。)
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