JP2001226318A - 2−フルオロイソ酪酸又はそのエステルの製造方法 - Google Patents

2−フルオロイソ酪酸又はそのエステルの製造方法

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JP2001226318A
JP2001226318A JP2000041696A JP2000041696A JP2001226318A JP 2001226318 A JP2001226318 A JP 2001226318A JP 2000041696 A JP2000041696 A JP 2000041696A JP 2000041696 A JP2000041696 A JP 2000041696A JP 2001226318 A JP2001226318 A JP 2001226318A
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JP
Japan
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ester
acid
fluoroisobutyric
producing
methyl
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JP2000041696A
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Takahisa Muramoto
隆久 村本
Hidehiro Matsunami
秀博 松浪
Izumi Terada
泉 寺田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度の2−フルオロイソ酪酸又はそのエス
テルを工業的規模において効率よく製造すること。 【解決手段】 2−ヒドロキシイソ酪酸又はそのエステ
ルをフッ素化して2−フルオロイソ酪酸又はそのエステ
ルを製造するにあたり、生成するメタクリル酸又はその
エステルをハロゲン化して蒸留等にて分離除去すること
により、高純度の2−フルオロイソ酪酸又はそのエステ
ルを製造する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−フルオロイソ
酪酸又はそのエステルの製造方法に関し、詳しくは、高
純度の2−フルオロイソ酪酸又はそのエステルを工業的
規模において効率よく製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、トリアジン系除草剤として各種の
化合物が知られている。例えば、2−クロロ−4,6−
ビス(アルキルアミノ)−s−トリアジン誘導体は、幅
広い殺草スペクトルを有する除草剤として、アトラジン
(atrazine) を始め、各種の薬剤が上市されている。本
発明者らは、先にトリアジン系除草剤として、下式
【0003】
【化1】
【0004】(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル
基、nは0〜2の整数、R2 は水素原子または炭素数1
〜2のアルキル基、Xはハロゲン原子である。)で表さ
れる、フェノキシアルキルアミノ基がトリアジン環に置
換されたトリアジン系除草剤を開発することに成功した
(国際公開90/09378号公報)。この種のフェノ
キシアルキルアミノ基置換トリアジン系除草剤は、例え
ば2−フルオロイソ酪酸エステルに2−フェノキシ−1
−メチル−エチルビグアニドを反応させることによって
得られる。そしてこの反応原料である2−フルオロイソ
酪酸エステルの製造方法として、2−ヒドロキシイソ酪
酸又はそのエステルを塩化チオニル及びフッ化水素源と
反応させることにより、副生物の生成を抑えて簡易な反
応設備でしかも高収率で製造する方法が開発されている
(特許第2852126号)。この方法によれば、小さ
いスケールではメタクリル酸エステルの副生を抑制して
高収率で2−フルオロイソ酪酸エステルを製造すること
ができる。しかしながら、上記方法は、工業的規模で
は、反応のコントロールを十分に行うことができず、そ
のため、メタクリル酸エステルが副生しやすく、しかも
このメタクリル酸エステルはそのままでは分離が困難で
あり、その結果、得られる2−フルオロイソ酪酸エステ
ルの純度が低下することがある。また、この不純物とし
てのメタクリル酸エステルは、2−フルオロイソ酪酸エ
ステルの類似物質として以降の反応にも関与し、その後
に得られる生成物の純度低下の一因にもなった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、反応条件等の変動に影響されず、常に高純度
で2−フルオロイソ酪酸又はそのエステルを工業的規模
で効率よく製造する方法を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、2−ヒドロキ
シイソ酪酸又はそのエステルをフッ素化して2−フルオ
ロイソ酪酸又はそのエステルを製造する際に副生するメ
タクリル酸又はそのエステルを臭素化すると、得られる
臭素化物は、目的生成物である2−フルオロイソ酪酸又
はそのエステルより沸点がかなり高くなるので、その分
離が容易になることを見出した。本発明はかかる知見に
基いて完成したものである。すなわち、本発明は、2−
ヒドロキシイソ酪酸又はそのエステルをフッ素化して2
−フルオロイソ酪酸又はそのエステルを製造するにあた
り、生成するメタクリル酸又はそのエステルをハロゲン
化して分離除去することを特徴とする2−フルオロイソ
酪酸又はそのエステルの製造方法を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法において出発原
料として用いられる2−ヒドロキシイソ酪酸又はそのエ
ステルは、例えば一般式(I)
【0008】
【化2】
【0009】(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基を示す。)で表される化合物が挙げられる。
この一般式(I)において、Rが水素原子のときは2−
ヒドロキシイソ酪酸を示し、Rがアルキル基のときは2
−ヒドロキシイソ酪酸エステルを示す。ここで、炭素数
1〜4のアルキル基としては、メチル基,エチル基,n
−プロピル基,i−プロピル基,n−ブチル基,i−ブ
チル基,sec−ブチル基,t−ブチル基を挙げること
ができる。
【0010】上記出発原料である2−ヒドロキシイソ酪
酸又はそのエステルをフッ素化するには、通常は特許第
2852126号に記載の方法に従って、塩化チオニル
及びフッ化水素源と反応させることにより達成される。
この際のフッ素化反応条件やフッ化水素源の種類等につ
いては、特許第2852126号に記載のとおりであ
る。なお、本発明の方法は、上記特許第2852126
号に記載の方法で副生するメタクリル酸又はそのエステ
ルに限らず、2−ヒドロキシイソ酪酸又はそのエステル
を、様々な方法でフッ素化して2−フルオロイソ酪酸又
はそのエステルを得る際に副生するメタクリル酸又はそ
のエステルに対して幅広く適用することができる。
【0011】本発明の方法において、副生するメタクリ
ル酸又はそのエステルをハロゲン化するあたって、その
条件は状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は次の
とおりである。すなわち、ハロゲン化源としては、一般
には臭素(Br2)が用いられるが、そのほか、塩素(C
2)等も使用可能である。ハロゲン化源として臭素を用
いる場合、副生するメタクリル酸又はそのエステル1モ
ルに対して臭素を1〜5モルの割合で使用することが好
ましく、特に1〜3モルが好適である。ここで臭素の使
用量が1モル未満では、メタクリル酸又はそのエステル
に対して化学量論量に達せず臭素化が不十分であり、一
方5モルを超えても、臭素化率の向上は認められずむし
ろ経済的に不利となる。また、臭素化の反応温度として
は、反応を円滑に、かつ臭素化率を高めるために、−5
℃〜80℃の範囲、特に15℃〜55℃の範囲で選定す
ることが好ましい。反応時間は、反応温度等に依存する
が10分〜10時間の範囲を目安に選定すればよい。塩
素の場合も同様の条件でよい。
【0012】本発明の方法で進行するメタクリル酸又は
そのエステルの臭素化反応は、臭素化源として臭素を用
いた場合には、一般には次のような反応式に従って進行
する。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、Rは前記と同じ。) この反応によって、メタクリル酸又はそのエステルの臭
素化物、即ち2,3−ジブロモイソ酪酸又はそのエステ
ル、あるいは場合によってはその類縁物が得られる。本
発明の方法においては、このようなメタクリル酸又はそ
のエステルの臭素化物を分離除去することによって、高
純度の2−フルオロイソ酪酸又はそのエステルを製造す
ることができる。ここで上記臭素化物は、本発明の目的
生成物である2−フルオロイソ酪酸又はそのエステルに
比べて沸点がかなり高いので、蒸留等によって容易に分
離除去することができる。つまり、2−フルオロイソ酪
酸又はそのエステルと副生物であるメタクリル酸又はそ
のエステルとの沸点差は、数℃程度であるが、上記臭素
化物とすることによって、その沸点差を数十℃〜百数十
℃に広げることができ、その結果、既存の蒸留塔でも容
易に分離することができる。
【0015】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明
するが、本発明はこの例によって何ら制限されるもので
はない。 比較例 反応槽を0℃付近に冷却しながらその中に塩化チオニル
80kgを加え、これに2−ヒドロキシイソ酪酸メチル
75kgを定量ポンプで滴下した。滴下後、0〜10℃
において3時間攪拌を続けた。その後、反応槽をアルゴ
ンで置換して、無水フッ化水素130kgを投入した。
この無水フッ化水素の投入は10℃を越えない範囲で行
い、さらに投入後、20℃で18時間攪拌した。しかる
後に、反応槽に水100リットル投入して1時間攪拌し
た。静置分離後、塩化メチレン40リットルで抽出処理
を2回繰り返し行った。さらに、炭酸水素ナトリウムの
懸濁液を加えてpH8以上とし、水20リットルで洗浄
した。得られた生成物である2−フルオロイソ酪酸メチ
ルの塩化メチレン溶液約150kgを蒸留装置に仕込ん
で塩化メチレンを留出させ、装置内の2−フルオロイソ
酪酸メチルを十分に濃縮させた後、さらに2−フルオロ
イソ酪酸メチルを留出させて、主留分48kgと中留分
21kgの二つの画分を得た。これらの画分を分析した
ところ、主留分は、塩化メチレン0.3重量%、メタク
リル酸メチル1.6重量%、2−フルオロイソ酪酸メチ
ル98.4重量%及び2−ヒドロキシイソ酪酸メチル
0.16重量%であり、中留分は、塩化メチレン14.
9重量%、メタクリル酸メチル13.5重量%、2−フ
ルオロイソ酪酸メチル71.4重量%及び2−ヒドロキ
シイソ酪酸メチル0.02重量%であった。この主留分
は、2−フルオロイソ酪酸メチルの純度が高いので以降
の反応に使用することができるが、中留分については、
2−フルオロイソ酪酸メチルの純度が71.4重量%と
低いので、そのままでは以降の反応に使用することがで
きない。
【0016】実施例 上記比較例で得た中留分21kgを反応槽に入れ、臭素
5kgをゆっくり滴下した。滴下後、1時間攪拌を続け
た。その後、亜硫酸ナトリウム1kgを水10リットル
に懸濁させ、これを上記反応槽に反応液が透明になるま
で(約7.5リットル)加えた。ヨウ化カリウムでんぷ
ん紙で反応液中に残留する臭素をチェックし、1時間静
置して水層と有機層を分離した。回収した有機層24k
gを反応槽に戻して水5リットルで洗浄し、有機層23
kgを回収した。しかる後に、この有機層を蒸留し、2
−フルオロイソ酪酸メチルを留出させて、主留分9kg
を得た。この主留分は、塩化メチレン0.03重量%、
メタクリル酸メチル0.58重量%及び2−フルオロイ
ソ酪酸メチル98.9重量%であり、2−フルオロイソ
酪酸メチルの純度が高いので以降の反応に使用すること
ができた。この結果、以降の反応に使用できる2−フル
オロイソ酪酸メチルの収率は、10%以上向上した。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によれば、副生物を既存の
蒸留塔などの装置によって容易に分離することができる
ので、工業的な規模において、反応条件等の変動に影響
されず、高純度の2−フルオロイソ酪酸又はそのエステ
ルを、効率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/63 C07C 69/63

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−ヒドロキシイソ酪酸又はそのエステ
    ルをフッ素化して2−フルオロイソ酪酸又はそのエステ
    ルを製造するにあたり、生成するメタクリル酸又はその
    エステルをハロゲン化して分離除去することを特徴とす
    る2−フルオロイソ酪酸又はそのエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 分離除去が、蒸留により行うものである
    請求項1記載の製造方法。
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