JP2001221902A - 光学素子の加工方法 - Google Patents

光学素子の加工方法

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JP2001221902A
JP2001221902A JP2000031313A JP2000031313A JP2001221902A JP 2001221902 A JP2001221902 A JP 2001221902A JP 2000031313 A JP2000031313 A JP 2000031313A JP 2000031313 A JP2000031313 A JP 2000031313A JP 2001221902 A JP2001221902 A JP 2001221902A
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lens
pallet
optical element
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cleaning
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Atsushi Yano
敦 矢野
Kaoru Morimitsu
薫 森光
Kazuya Yamada
和也 山田
Taiji Togawa
泰二 外川
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ等の光学素子の研削研磨加工、心取加
工、コート処理、接合処理等の各加工処理工程および各
工程間の光学素子の清浄検査工程において、光学素子の
加工処理作業の効率向上と加工コストを削減する。 【解決手段】 レンズLに対する研削研磨加工、心取加
工、コート処理等の各加工処理や各工程間のレンズの洗
浄、検査を行なうレンズの加工方法において、レンズL
を収容可能なレンズ収容孔3aを多数設けたレンズパレ
ット片2aに多数のレンズLを収納保持して、研削研磨
装置や心取装置等に投入し、また、レンズの洗浄検査や
コート処理等に際しては、多数のレンズLを収納したレ
ンズパレット片2aに他のレンズパレット片2bを重ね
合わせて両レンズパレット片2a、2b間に多数のレン
ズLを保持固定し、この状態で一括してレンズの洗浄、
検査やコート処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ、ビデオカ
メラ、ピックアップレンズ、半導体機器等に用いられる
レンズ等の光学素子の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カメラ、ビデオカメラ、ピックアップレ
ンズあるいは半導体機器等に用いられるレンズ等の光学
素子(以下、単にレンズともいう)の加工工程あるいは
処理工程は、レンズを鏡面に仕上げる研削研磨工程と、
研磨終了後のレンズ両鏡面の曲率中心を結ぶレンズ光軸
を一致させるためにレンズの外径を研削する心取工程
と、レンズの光量制御、表面保護、反射防止等の目的
で、表面に薄膜処理を施すコート処理工程と、レンズの
光学設計上の色収差の除去、フレアー、ゴースト防止等
の目的で凹レンズと凸レンズを貼り合わせる接合処理工
程に大別され、これらの研削研磨工程、心取工程、コー
ト処理工程、接合処理工程の工程間でのレンズの移動や
レンズを運搬するときの荷姿は、通常、レンズを直接収
納した部品箱により行なわれていた。また、レンズの研
磨加工後や心取り加工後、さらにレンズ同士を貼り合わ
せる接合前に、レンズの清浄化の目的で、レンズの表面
の脱脂や汚れ等を除去する洗浄工程が必要不可欠であ
り、この洗浄工程でのレンズの荷姿は、レンズの形状別
に対応した専用の洗浄用カゴにレンズを直接収容した状
態で、各工程間でレンズの超音波洗浄が実施され、さら
に、洗浄後にレンズの品質を確認する検査が行なわれて
いる。
【0003】以下に、上述した従来のレンズの加工処理
工程を図6ないし図9を参照してさらに説明する。
【0004】図6にレンズの加工処理工程の概要を示
し、研削研磨工程は、研削装置あるいは研磨装置により
レンズ表面を機械加工する工程であって、レンズプレス
ブランクを投入し、粗研削加工、精研削加工および研磨
(みがき)加工で段階的にレンズの表面を加工し、各加
工によりレンズを所望の形状精度と球面精度、さらに鏡
面精度に仕上げる工程である。レンズブランク投入から
粗研削加工、精研削加工、研磨加工の各加工間における
レンズの移動やレンズを運搬するときの荷姿あるいは各
加工を行なうときのレンズの荷姿は、図7に示すように
レンズLを直接収納する部品箱101aにより行なわれ
ていた。すなわち、レンズの機械加工に際しては、レン
ズLを部品箱101aから直接人手により1つ1つ取り
出し、粗研削装置、精研削装置、研磨装置の各加工装置
それぞれにレンズLを装着して加工を行ない、加工終了
後に各加工装置から人手によりレンズLを1つ1つ部品
箱101aに戻されていた。また、半自動化さらに自動
化された粗研削装置、精研削装置、研磨装置等の各加工
装置においては、オートハンド等により、レンズLを部
品箱101aから1つ1つ自動的に取り出し、各加工装
置それぞれにレンズLを装着して加工を行ない、そし
て、加工終了後に各加工装置からオートハンド等により
レンズLを取り外して1つ1つ自動的に部品箱101a
に戻されている。以上のように研削研磨工程において
は、粗研削加工、精研削加工により、レンズの両曲率面
を所望の形状精度と所望の球面精度に加工し、次いで、
研磨加工によって、レンズの両曲率面を所望の鏡面精度
に加工する。これらの研削研磨加工が終了したレンズL
は、研磨加工直後に、図8に示すような専用の洗浄用カ
ゴ102aに人手により1つ1つ収納され、レンズ鏡面
の品質が損なわないように、ある一定量、液中等にレン
ズを一時保管している。
【0005】洗浄用カゴ102aに収納されて液中等に
一時保管されたレンズLは、研磨終了後の品質確認と研
磨加工時の汚れ等の除去のために、超音波洗浄によりレ
ンズ表面を洗浄しその後乾燥させている。そして、研磨
加工終了後の検査工程においては、洗浄および乾燥され
たレンズLを洗浄用カゴ102aから人手により1つ1
つ取り出し、研磨加工後の品質確認のための外観上の検
査を行なっている。外観検査の終了と同時にレンズL
を、レンズの外観上の品質を損なわないように、他の綺
麗な部品箱101b(図7)に人手により1つ1つ移し
替え、綺麗な部品箱101bに収納されたレンズLは、
形状精度と曲率精度の最終的な検査を行なう。そして、
最終検査がなされ綺麗な部品箱101bに収納された研
磨完了後のレンズLは、次工程の心取工程へ移動運搬さ
れる。
【0006】心取工程は、前工程の研削研磨工程で既に
レンズ両面を鏡面研磨したレンズLを、心取加工装置に
より所望の精度にレンズの外径を研削する工程であっ
て、心取加工前のレンズLは、外観上の検査後に使用し
た綺麗な部品箱101bから、心取加工専用の部品箱1
01c(図7)に人手により1つ1つ規則正しく並ぶよ
うに移し替えられる。心取加工専用の部品箱101c内
に規則正しく並べられて収納されたレンズLは、自動化
された心取加工装置のオートハンドにより部品箱101
cからレンズLを取り出し、心取加工装置にレンズLを
装着し、レンズLの外径を研削加工する。外径研削加工
すなわち心取加工後に、レンズLは装置から取り出さ
れ、部品箱101cへ自動的に収納される。
【0007】心取加工後の洗浄工程は、心取加工時にレ
ンズLに付着する研削油等の汚れの除去と次工程のコー
ト処理工程でレンズの表面に薄膜処理を施すためにレン
ズの表面を清浄化する工程である。洗浄するレンズL
は、心取加工で自動的に部品箱101cに収納されたレ
ンズLを人手により1つ1つ(心取加工後の)洗浄用カ
ゴ102b(図8)へと移し替え、専用の洗浄用カゴに
収納されたレンズLを洗浄装置に投入して超音波洗浄
し、洗浄したレンズLを乾燥させて仕上げる。洗浄装置
で洗浄および乾燥されたレンズLは、レンズの清浄度や
レンズの品質確認のために人手による検査を行ない、同
時にコート装置にレンズLを装着するために、レンズL
は人手により1つ1つ専用の洗浄用カゴ102bから図
9に示すコート装置の専用ヤトイ(以下、単にヤトイと
もいう。)103に移し替えてレンズLを固定する。
【0008】コート処理工程は、前記洗浄工程でヤトイ
103に収納されたレンズLをコート装置に装着し、レ
ンズ表面に薄膜処理を施す工程であり、ヤトイ103に
固定されたレンズLの片面に薄膜処理を施し、そして、
コート装置の反転機能によりヤトイ103に固定された
レンズLが反転され、もう一方のレンズ面に薄膜処理が
施される。薄膜処理後、コート装置からヤトイ103を
外し、ヤトイ103に固定されたレンズLを人手により
1つ1つ部品箱101d(図7)に移し替える。
【0009】コート処理工程後の洗浄工程は、薄膜処理
後レンズLに付着した大気中のごみや汚れ等を除去し、
レンズLの接合表面を清浄化する工程である。接合する
レンズLは、凹レンズと凸レンズそれぞれを心取工程で
外径を研削しさらにコート処理工程で薄膜処理後、部品
箱101dに収納されたレンズを、人手により凹レンズ
と凸レンズ1つ1つを組み合わせて洗浄用カゴ102c
(図8)へと移し替え、洗浄用カゴ102cに収納され
たペアの凹レンズと凸レンズを洗浄装置に投入してレン
ズLを超音波洗浄し、レンズLを乾燥させて仕上げてい
る。
【0010】接合処理工程は、洗浄装置で洗浄、乾燥さ
れたペアのレンズLの接合面を、例えば紫外線硬化性の
接着剤等で貼り合わせ、接着剤を硬化させている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
レンズの加工、処理工程においては、研削研磨工程では
レンズを収納するために部品箱101を使用し、レンズ
洗浄時にはレンズ個別の専用の洗浄用カゴ102を使用
しているために、研磨加工終了直後に、レンズを加工装
置から洗浄用カゴ102に人手により1つ1つ移し替え
る作業を必要としている。さらに、コート処理工程の薄
膜処理後にレンズを収納するために部品箱101を使用
し、薄膜処理前あるいは接合処理工程のレンズ同士の貼
り合わせ前のレンズ洗浄時にレンズ個別の専用の洗浄用
カゴ102を使用するために、部品箱101から専用の
洗浄用カゴ102へ人手によりレンズを1つ1つ移し替
える作業を必要としている。また、コート処理工程前の
レンズ洗浄後には、専用の洗浄用カゴ102から専用ヤ
トイ103へ人手によりレンズを1つ1つ移し替える作
業を必要とし、コート処理工程の薄膜処理後に、専用ヤ
トイ103から部品箱101へ人手によりレンズを1つ
1つ移し替える作業が必要となる。
【0012】このように人手によりレンズを1つ1つ移
し替える作業は、作業者の労力と時間を費やし、さら
に、レンズ個別各々に専用の洗浄用カゴや専用のヤトイ
を必要とする。すなわち、各工程において専用の工具を
保有しなくてはならないために、専用工具の保管スペー
スの確保と専用工具の工具費用が膨大なものとなってい
た。
【0013】そこで、本発明は、上記の従来技術の有す
る未解決の課題に鑑みてなされたものであって、レンズ
等の光学素子の加工処理における研削研磨加工、心取加
工、コート処理、接合処理等の各加工処理工程および各
加工処理工程間の光学素子の清浄検査工程において、光
学素子の加工処理作業の効率向上と加工コストを削減す
ることができる光学素子の加工方法を提供することを目
的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学素子の加工方法は、光学素子に対し
て、研削研磨加工、心取加工およびコート処理、さらに
必要に応じて接合処理を行ない、また、前記の各加工処
理工程間に光学素子の洗浄、検査を行なうことにより、
光学素子を作製する光学素子の加工方法において、前記
光学素子の研削研磨加工および心取加工に際しては、多
数の光学素子収容孔を備えた光学素子パレット片の光学
素子収容孔にそれぞれ光学素子を収納して、該光学素子
に対して前記加工を行ない、前記光学素子のコート処理
または接合処理、および前記各加工処理工程間の洗浄、
検査に際しては、前記光学素子を前記光学素子収容孔に
それぞれ収納保持する前記光学素子パレット片に該光学
素子パレット片と略同様に形成された他の光学素子パレ
ット片を重ね合わせて、前記両光学素子パレット片間に
前記光学素子を挟み込んで保持固定して、該両光学素子
パレット片間に保持固定された光学素子に対して前記処
理および前記洗浄、検査を行なうことを特徴とする。
【0015】本発明の光学素子の加工方法において、前
記光学素子の洗浄に際して、前記多数の光学素子を挟み
込んで保持固定する両光学素子パレット片を立てた状態
で複数収納できる洗浄用パレットカゴを用いて前記光学
素子の洗浄を行なうことが好ましい。
【0016】本発明の光学素子の加工方法において、接
合処理を行なう対の光学素子の加工に際しては、前記対
の光学素子のそれぞれの心取加工が終了した後に、対と
なる光学素子間に一枚の光学素子パレット片を介装させ
て、前記対の光学素子を三枚の光学素子パレット片の間
に保持固定することが好ましい。
【0017】本発明の光学素子の加工方法において、前
記光学素子パレット片の光学素子収容孔は、収納する光
学素子の心取加工前の外径と心取加工後の外径にそれぞ
れ対応しうる2段溝構造を有していることが好ましい。
【0018】
【作用】本発明の光学素子の加工方法によれば、レンズ
等の光学素子の研削研磨加工、心取加工等の各加工処理
工程において、多数のレンズ収容孔を備えたレンズパレ
ット片のレンズ収容孔にそれぞれレンズを収納保持し、
また、コート処理、接合処理等の各加工処理工程および
各加工処理工程間の洗浄検査工程において、レンズを収
納保持するレンズパレット片に他のレンズパレット片を
重ね合わせて固定することにより、両レンズパレット片
間にレンズを保持固定し、洗浄検査およびコート処理や
接合処理を多数のレンズに対して一括して行なうように
し、レンズの加工処理の各工程で多数のレンズを収納可
能なレンズパレットを共通して使用する。これにより、
レンズの加工処理の各工程におけるレンズの移し替え作
業に関わる作業効率を大きく向上させることができ、さ
らに、加工処理工程で必要とする工具のコストの削減お
よび工具保管スペースの大幅な削減を可能にする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0020】(実施例1)本発明に基づくレンズの加工
方法の一実施例を図1、図2および図6を参照して説明
する。
【0021】先ず、レンズに対する研削研磨加工、心取
加工、コート処理、接合処理等の各加工処理工程および
各加工処理工程間において、共通して使用することがで
きるレンズパレットについて図1を参照して説明する。
【0022】図1において、レンズパレット1は、複数
のレンズLを挟み込んで保持固定することができるよう
に形成された一対のレンズパレット片2a、2bからな
り、レンズパレット片2aは、レンズLを収納保持する
ための複数のレンズ収容孔3aが所望の精度で加工形成
された厚み3mmの金属製で110mm×110mmの
大きさに形成され、レンズ収容孔3aは、それぞれ、収
容するレンズLの外形に相当する大きさに形成されたレ
ンズ保持部分4aが一方の面に設けられ、このレンズ保
持部分4aから反対側の面に向けてテーパー状に拡開さ
れており、レンズ保持部分4aは、収容するレンズLの
心取工程前のレンズ外径d1 とレンズLの心取工程後の
レンズ外径d2 の違いにも対応できるように2段溝構造
5aを有している。なお、レンズ収容孔3aの大きさと
その数については、収容するレンズLの外径寸法の違い
に応じてその大きさが適宜替えられ、またレンズLの外
径寸法の違いに応じてレンズ収容孔数も異なってそれぞ
れ設定される。
【0023】他方のレンズパレット片2bは、レンズパ
レット片2aと同様に、複数のレンズ収容孔3bが所望
の精度寸法をもって同じ大きさに加工形成されており、
レンズ収容孔3bは、レンズパレット片2aのレンズ収
容孔3aと同様に、2段溝構造5bに形成されたレンズ
保持部分4bを有し、そして外方に向けてテーパー状に
拡開されている。なお、レンズ収容孔3bは、収容する
レンズLの表面の曲率半径の違い、あるいは凸レンズや
凹レンズ等の形状の違いに応じて、レンズパレット片2
aのレンズ収容孔3aの形状と微妙に異なる形状に適宜
形成される。
【0024】また、図1の(a)および(b)におい
て、7は位置決めピンであって、両レンズパレット片2
a、2bを重ね合わせた際に、両レンズパレット片2
a、2bのレンズ収容孔3a、3bがそれぞれ対応する
ように両レンズパレット片2a、2bの位置出しをする
ためのものであり、さらに、両レンズパレット片2a、
2bを対応させた状態で固定させる機能もする。
【0025】以上のように形成された両レンズパレット
片2a、2bを用いてレンズLを挟み込み保持した状態
を図1の(c)に図示する。両レンズパレット片2a、
2bのそれぞれのレンズ収容孔3a、3bにレンズLを
収納するようにして両レンズパレット片2a、2bを固
定することにより、レンズLは、両レンズパレット片2
a、2bの間に隙間を介在させて確実に挟み込まれて保
持される。したがって、レンズLの洗浄時等において
も、レンズLは両レンズパレット片2a、2bのレンズ
収容孔3a、3bで両面を露出した状態で両レンズパレ
ット片2a、2bに確実に保持固定されているので、レ
ンズLを脱落させることなくレンズLの洗浄を行なうこ
とができ、さらに、レンズパレット片2a、2bは、レ
ンズLの両表面を露出させた状態で保持固定できるの
で、レンズの洗浄後の外観検査においては、レンズLを
両レンズパレット片2a、2bに保持固定した状態で行
なうことができ、さらに、コート工程の薄膜処理加工時
に使用するヤトイの役割を果たすこともできる。
【0026】図2に示すレンズパレット専用の洗浄用カ
ゴ(以下、単にパレットカゴという。)11は、レンズ
パレット片2aおよび2bからなるレンズパレット1内
に挟み込んだレンズLを洗浄するときに用いるための洗
浄用カゴであり、パレットカゴ11は、レンズパレット
1を立てた状態で2列に並列して複数収容できる大きさ
に形成された矩形状の枠体12と、枠体12の相対向す
る両側枠に固定されてレンズパレット1を保持する凹部
を所定の間隔をもって複数形成された保持ガイド13、
14とから構成され、保持ガイド13はレンズパレット
1の下面側を保持するためのものであり、レンズパレッ
トの1列に対して2個形成され、また、保持ガイド14
はレンズパレット1の側面を保持するためのものであ
り、枠体12の中央部に固定された保持ガイド14aは
その両側にそれぞれレンズパレット1を保持する凹部が
形成され、枠体12の両端部に固定された保持ガイド1
4b、14bは保持ガイド14aに形成された凹部にそ
れぞれ対向するように凹部が形成されている。したがっ
て、パレットカゴ11は、複数のレンズLを挟み込んだ
レンズパレット1を保持ガイド13と14のそれぞれの
凹部に係合させて収納することにより、レンズパレット
1を立てた状態で保持することができ、図示する例で
は、11枚のレンズパレット1を2列で合計22枚のレ
ンズパレット1を収納できるように構成されている。
【0027】次に、本発明に基づくレンズの加工方法に
つき、接合処理を必要としない単体レンズの加工処理に
ついて、レンズの研削研磨加工工程から心取加工工程、
コート処理工程、および各加工処理工程間での洗浄検査
工程において、前述したレンズパレットおよびパレット
カゴを使用する態様について説明する。なお、接合処理
を必要としない単体レンズLとして、図1の(c)に示
すような、Φ5の両凸レンズを例にとって説明する。
【0028】Φ5の両凸レンズLを保持し固定して収納
する110mm×110mmの大きさで金属製のレンズ
パレット片2aには、図1の(a)に示すように、Φ5
の両凸レンズLを収容するためのレンズ収容孔3aが8
×8=64個、規則正しく配列されており、収納できる
レンズLの数量は64個である。レンズパレット片2b
も、同様に、64個のレンズLを収容できるようにレン
ズパレット片2aのレンズ収容孔3aに対応してレンズ
収容孔3bが設けられており、レンズパレット片2b
は、レンズLが収納されたレンズパレット片2a上に被
せられ、レンズパレット片2aとレンズパレット片2b
は位置決めピン7により確実に位置決めされ、両レンズ
パレット片2a、2bは合致した状態で固定される。ま
た、レンズパレット1内に収納されたレンズLの洗浄
は、図2に示すように、レンズパレット1を22枚収容
できるレンズパレット専用のパレットカゴ11にレンズ
が収納されたレンズパレット1を立てた状態で収容して
行なう。
【0029】先ず、Φ5の両凸レンズLを研削研磨する
研削研磨加工工程においては、従来の部品箱を使用して
レンズの曲率面を研削研磨加工する自動生産設備を前述
したレンズパレット仕様に置き換えることにより、レン
ズパレット片2aを用いたレンズの加工を可能にした自
動生産設備を用いる。Φ5の両凸レンズLの収容可能な
レンズ収容孔3aにそれぞれレンズブランクを収納し、
64個のレンズブランクを収納したレンズパレット片2
aを前記の自動生産設備に投入し、粗研削装置および精
研削装置でΦ5の両凸レンズLの両曲率面をそれぞれの
所望の形状精度と曲率精度に仕上げる。さらに、研磨装
置によりΦ5の両凸レンズLの両曲率面を所望の形状精
度と曲率精度に仕上げ、研磨加工終了後、64個収納可
能なレンズパレット片2aのレンズ収容孔3aにレンズ
Lが自動的に戻され、研磨工程を終了する。このとき、
研磨加工の終了したレンズLは、研磨加工直後、研磨加
工時に使用した研磨液で濡れており、研磨液に濡れたレ
ンズLは64個加工が終了するまで、大気中に放置され
ると、レンズLの表面が乾燥し、レンズLの表面に欠陥
を発生させてしまうため、液中保管する必要がある。レ
ンズパレット片2aは金属製であることから、レンズパ
レット片2aおよびレンズLを直接液中等に浸して保管
することが可能であるため、レンズLの表面に欠陥を発
生させることがない。液中等に浸されたレンズパレット
片2a内の64個のレンズLの研磨加工が全て終了する
と、研磨加工を終了したレンズLをそれぞれのレンズ収
容孔3aに収容しているレンズパレット片2aにレンズ
パレット片2bを被せ、レンズパレット片2aとレンズ
パレット片2bを合致させた状態で固定する。このと
き、両レンズパレット片2a、2bは位置決めピン7に
より確実に位置出しできそして固定することができる。
これによって、研磨加工された複数(64個)のレンズ
Lはレンズパレット片2a、2bのレンズ収容孔3a、
3b内にそれぞれ確実にしっかりと保持固定され、レン
ズパレット片2a、2b内に挟み込まれて保持固定され
たレンズLは、洗浄工程に搬送される。
【0030】研磨加工後の洗浄工程において、従来は、
研磨加工の終了したレンズはレンズ個別の専用の洗浄用
カゴに人手により1つ1つ入れ替えられていたが、本発
明においては、レンズパレット片2a、2b内に保持固
定されたレンズLは、レンズパレット片2a、2bに保
持固定された状態で、図2に示すパレットカゴ11に収
納される。すなわち、研磨終了後の64個のΦ5の両凸
レンズLを同時に一括して、レンズパレット片2a、2
bを立てた状態でパレットカゴ11に収納することがで
きる。研磨完了のレンズを従来のように1つ1つ洗浄カ
ゴへ64個移し替えた場合と、本発明の64個収納可能
なレンズパレットをパレットカゴ11へ移し替えた場合
とを比較すると、作業効率が約25倍(従来技術では1
40秒要していたのに対し本発明では5.5秒でおこな
うことができる。以下、これを本発明5.5秒/従来1
40秒のように記載する。)の向上となった。
【0031】研磨加工後の洗浄工程は、研磨加工された
レンズLが収納されたパレットカゴ11を洗浄液槽に浸
漬して超音波洗浄により行ない、研磨加工時等において
汚れたレンズの表面を綺麗に洗浄し乾燥させて終了す
る。このようにパレットカゴ11を用いて洗浄すること
により、一カゴ当りのレンズの収納数は64個×22=
1408個であるのに対して従来の一カゴ当りの収納数
は約120個であるから、約11.7倍の洗浄作業効率
となる。
【0032】レンズ洗浄後の検査工程は、パレットカゴ
11からレンズパレット1を取り出し、レンズパレット
片2a、2b内に保持固定された64個のΦ5の両凸レ
ンズLを、レンズパレット片2a、2bのレンズ収容孔
3a、3bを介して、同時に検査作業することができ
る。レンズの外観検査作業は、従来のように洗浄用カゴ
から64個のレンズを1つ1つ取り出して検査し、別の
綺麗な部品箱に移し替えた場合と、64個のレンズを収
容する一枚のレンズパレット1をパレットカゴ(洗浄用
カゴ)から取り出して同時に64個検査した場合とで比
較すると、従来例では224秒を要していたのに対し、
本発明では約7.5秒で終了し、作業効率が約30倍
(本発明7.5秒/従来224秒)の向上となった。
【0033】外観検査終了後、レンズLは、形状精度と
球面精度を確認して、研磨完了後の検査を終了するが、
この形状精度と球面精度の検査は、本発明においては、
レンズLを保持固定するレンズパレット1からレンズパ
レット片2bを外し、レンズパレット片2aからレンズ
Lを人手により1つ1つ取り出して検査を行ない、検査
終了後、レンズパレット2aのレンズ収容孔3aに戻す
作業となる。このため、この検査作業についての作業効
率は、殆ど従来と同様で変わりはない。
【0034】以上の研削研磨工程後の洗浄および検査が
終了すると、レンズ両鏡面の曲率中心を結ぶレンズ光軸
を一致させるために、外径を研削する心取加工工程を行
なう。心取加工工程は、従来の部品箱を用い外径を研削
する自動生産設備を前述したレンズパレット仕様に置き
換えることにより、レンズパレットを用いたレンズの心
取加工を可能にした自動生産設備を用いる。この自動生
産設備に、研磨終了し洗浄検査を終えたレンズLを収納
したレンズパレット2aを投入する。このとき、レンズ
Lは既にレンズパレット2aのレンズ収容孔3aにそれ
ぞれ収納されているから、従来の技術で説明したように
心取加工専用の部品箱にレンズを人手により1つ1つ移
し替える作業は全く必要としない。すなわち、従来の心
取加工専用の部品箱に64個のレンズを移し替えていた
作業(48秒/1箱当り)が、本発明ではゼロとなる。
このように、心取加工はレンズパレット片2aを用いた
加工を可能とした自動生産設備によりレンズLの外径を
研削し、心取加工が終了すると、レンズLは自動的に再
びレンズパレット片2aに戻される。
【0035】心取加工後のレンズLの洗浄工程は、レン
ズ表面に心取加工時に付着した研削油等の除去と、次の
コート処理工程で薄膜処理を施すためのレンズ表面の清
浄化のための超音波洗浄工程である。超音波洗浄は、心
取加工後にレンズパレット片2aに収納されているレン
ズLにレンズパレット片2bを被せ、心取加工したレン
ズLをしっかりと保持し固定する。レンズパレット1内
に収納されたレンズLを図2に示すパレットカゴ11に
納め、同様に超音波洗浄し、乾燥させて終了する。従来
のように洗浄時前に心取加工専用の部品箱からレンズ個
別専用の洗浄用カゴに64個のレンズを人手により1つ
1つ入れた場合と、本発明の64個収納のレンズパレッ
ト2a、2bをパレットカゴ11へ移し替えた場合とで
比較すると、作業効率が約11.5倍(本発明5.3秒
/従来61秒)の向上となった。
【0036】コート処理工程は、前記洗浄後のレンズL
の外観上の検査をし、検査後のレンズL両面に薄膜処理
を施す工程である。外観検査は、洗浄後パレットカゴ1
1からレンズパレット1を取り出し、レンズパレット片
2a、2b内にレンズLを挟み込んだ状態で、レンズパ
レット片2a、2bのレンズ収容孔3a、3bを介し
て、レンズLの検査作業を行なう。すなわち、レンズパ
レット片2a、2b内に収納された、心取完了後のΦ5
の両凸レンズLをレンズ収容孔3a、3bを介して64
個同時に外観検査することができる。
【0037】検査完了後、レンズLは、レンズパレット
片2a、2b内に挟み込まれた状態で、コート装置のヤ
トイに固定する。レンズLの外観検査からコート装置の
ヤトイに固定するまでの作業について、従来のように6
4個のレンズを1つ1つ洗浄カゴから取り出して検査し
その後ヤトイに取り付けた場合と、本発明の64個収納
の一枚のレンズパレット1をパレットカゴ(洗浄カゴ)
11から取り出し同時に検査しその後にヤトイに取り付
けた場合とで比較すると、作業効率が約6.4倍(本発
明13.5秒/従来87秒)の向上となった。
【0038】薄膜処理は、コート装置のヤトイに固定さ
れたレンズLの片面に所望の薄膜処理を施し、そして、
レンズの片面に薄膜処理されたレンズLは、コート装置
の反転機能によりレンズパレット1内に挟み込まれた状
態でレンズLが反転され、もう一方のレンズ面の薄膜処
理を施し、レンズ両面の薄膜処理を終了する。薄膜処理
終了後、本発明のレンズパレット1内にしっかりと保持
固定され挟み込まれた状態でレンズ両面に薄膜処理され
たレンズLをヤトイから取り出し、レンズパレット1内
にレンズLが挟み込まれた状態で部品箱に移し終了す
る。前記薄膜処理後に部品箱に移し替える作業を、従来
のレンズを1つ1つヤトイから部品箱に移し替えた場合
と、本発明の64個収納の一枚のレンズパレット1をヤ
トイから部品箱に移し替える場合とで比較すると、作業
効率が約13倍(本発明4.8秒/従来61秒)の向上
となった。
【0039】以上、本発明のレンズ加工方法に基づい
て、複数のレンズを収納することができるレンズパレッ
ト片を使用し、レンズパレット片に64個のΦ5の両凸
レンズを収納して、研削研磨加工工程、心取加工工程、
コート処理工程でそれぞれレンズに対する各種の加工処
理を行ない、そして、各加工処理工程間でレンズを超音
波洗浄した場合の各工程におけるレンズの移し替え作業
についての作業効率の向上について説明したけれども、
本発明は、Φ5の両凸レンズに限らず、それ以外の他の
形状のレンズにおいても、レンズの移し替え作業の作業
効率の向上を得ることができ、表1に示すように、種々
の形状のレンズの移し替え作業においても、レンズ形状
別に従来のものに比較して、数倍から10数倍の作業効
率を向上させることができた。
【0040】さらに、本発明は、研削研磨加工工程から
コート処理工程までの間のレンズ洗浄に際して、前述し
たΦ5の両凸レンズに限らず、表2に示すように、それ
以外の他の種々の形状のレンズにおいても、洗浄効率を
向上させることができ、レンズ形状別に従来のものに比
較して、約5倍から12倍の洗浄効率を向上させること
ができた。
【0041】さらに、本発明においては、レンズ洗浄用
のカゴとして、レンズの収納数を大きく向上させたパレ
ットカゴを用いることにより、従来個別にそれぞれ必要
であった洗浄用カゴを必要とせず、各工程で必要とする
工具費の削減効果を得られ、前述したΦ5の両凸レンズ
の加工処理に関しては、約1/3の削減効果となり、表
1や表2に示すΦ23の凹メニスレンズにおいては、5
%と微少ではあるが工具費の削減となり、Φ15の凸メ
ニスレンズやΦ11の凹メニスレンズにおいても、工具
費の削減は明確であった。また、従来個別に必要であっ
た洗浄用カゴに代えてレンズの収納数を大きく向上させ
たパレットカゴを用いることにより、工具保管スペース
の削減効果も得られ、前述したΦ5の両凸レンズでは、
約1/4の削減効果となり、前記表1や表2に示すΦ2
3の凹メニスレンズにおいても同様に1/4の削減とな
り、Φ15の凸メニスレンズやΦ11の凹メニスレンズ
においても、工具保管スペースの削減は明確であった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】(実施例2)次に、接合処理工程を必要と
する凹レンズと凸レンズの加工処理工程につき、レンズ
の研削研磨工程から心取工程、コート処理工程、接合処
理工程、さらに工程間の洗浄工程について、本発明のレ
ンズパレットを使用した場合の実施例について詳細に説
明する。本実施例において接合処理を必要とするレンズ
として、図3の(c)に示すような、Φ15の凹メニス
カスレンズL1 とΦ12の凸レンズL2 を例にとって説
明する。
【0045】Φ15の凹メニスカスレンズL1 とΦ12
の凸レンズL2 を保持固定し収納する110mm×11
0mmの大きさに形成されたレンズパレット21は、金
属製の3枚のレンズパレット片22a、22b、22c
からなり、レンズパレット片22a、22b、22cに
は、レンズを収容するためのレンズ収容孔23a、23
b、23cがそれぞれ対応するように規則正しく配列し
て形成され、図示する例では、レンズを収納できるレン
ズ収容孔23a、23b、23cは5×5=25個それ
ぞれ形成されている。レンズパレット片22a、22b
のレンズ収容孔23a、23bは、前述した実施例1に
おけるレンズパレット片2a、2bのレンズ収容孔3
a、3bと同様に、収容するレンズLの外形に相当する
大きさに形成されたレンズ保持部分24a、24bが一
方の面に設けられ、このレンズ保持部分24a、24b
から反対側の面に向けてテーパー状に拡開されており、
レンズ保持部分24a、24bは、それぞれに収容する
レンズL1 、L2 の心取工程前のレンズ外径とレンズL
1 、L2 の心取工程後のレンズ外径の違いにも対応でき
るように2段溝構造25a、25bを有している。ま
た、レンズパレット片22cは、両レンズパレット片2
2a、22bの間に挿入されて、レンズパレット片22
aとの間にレンズL1 を保持し、レンズパレット片22
bとの間にレンズL2 を保持するためのものであり、レ
ンズ収容孔23cの両側面にレンズ保持部分24c、2
4cが設けられている。また、図3の(a)において、
27は位置決めピンであって、レンズパレット片22
a、22b、22cを重ね合わせた際に、レンズパレッ
ト片22a、22b、22cのレンズ収容孔23a、2
3b、23cがそれぞれ対応するようにレンズパレット
片22a、22b、22cの位置出しをするためのもの
であり、さらに、レンズパレット片22a、22b、2
2cを対応させた状態で固定させる機能もする。
【0046】前述したレンズパレット片22a、22
b、22cにおいて、レンズパレット片22a、22b
は、Φ15の凹メニスカスレンズL1 とΦ12の凸レン
ズL2のそれぞれの研削研磨工程、研磨加工後の洗浄検
査、心取工程、心取加工後の洗浄工程において、レンズ
形状の違いはあるものの前述した実施例1で説明したの
と同様にΦ15の凹メニスカスレンズL1 とΦ12の凸
レンズL2 をそれぞれ保持固定するために用いられ、ま
た、3枚のレンズパレット片22a、22b、22c
は、心取加工後の洗浄工程からコート工程の薄膜処理時
あるいは接合工程でのレンズ同士の貼り合わせ時に、Φ
15の凹メニスカスレンズL1 およびΦ12の凸レンズ
2 を同時に確実に保持固定する役割をする。
【0047】レンズL1 とレンズL2 のそれぞれの研削
研磨工程、研磨加工後の洗浄検査、心取加工工程、心取
加工後の洗浄工程等の加工処理方法においては、レンズ
形状の違いはあるものの前述した実施例1で説明したの
と同様であるのでその説明は省略するが、いずれのレン
ズL1 とレンズL2 もレンズパレット片22a、22b
を使用した場合、研磨終了レンズを洗浄用カゴへ移し替
えの作業の作業効率は約8.5倍(本発明13秒/従来
110秒)、検査時レンズを洗浄用カゴから綺麗な部品
箱への移し替えの作業効率は約11.3倍(本発明16
秒/従来180秒)、心取加工時にレンズを綺麗な部品
箱から心取専用箱への移し替えは1箱当り40秒である
が、本発明ではゼロとなった。このように、本実施例に
おいても、従来のレンズを人手により1つ1つ移し替え
ていた場合と比較して、前述した実施例1と同様に作業
効率を向上させることができた。
【0048】心取加工後の洗浄に際しては、図3の
(c)に示すように、Φ15の凹メニスカスレンズL1
とΦ12の凸レンズL2 は、レンズパレット片22aと
22cの間とレンズパレット片22bと22cの間にそ
れぞれ位置付けられるように、そして、両レンズL1
2 のそれぞれの接合面Li、Liを内側に向けて互い
に対向するように、レンズパレット21内に挟み込まれ
保持固定される。これらのペアのレンズL1 、L2 を、
レンズパレット21内に挟み込まれ保持固定された状態
で、図4に示すパレットカゴ31に収納し、レンズL
1 、L2 を超音波洗浄および乾燥して仕上げる。なお、
図4に示すパレットカゴ31は、レンズパレット片22
a、22bおよび22cからなるレンズパレット21内
に挟み込んだレンズL1 、L2 を洗浄するときに用いる
ためのレンズパレット専用の洗浄用カゴであり、パレッ
トカゴ31は、前述したレンズパレット11と略同様に
形成されており、レンズパレット21を立てた状態で2
列に並列して複数収容できる大きさに形成された矩形状
の枠体32と、枠体32の相対向する両側枠に固定され
てレンズパレット21を保持する凹部を所定の間隔をも
って複数形成された保持ガイド33、34とから構成さ
れ、保持ガイド33はレンズパレット21の下面側を保
持するためのものであり、レンズパレットの1列に対し
て2個形成され、また、保持ガイド34はレンズパレッ
ト21の側面を保持するためのものであり、枠体32の
中央部に固定された保持ガイド34aはその両側にそれ
ぞれレンズパレット21を保持する凹部が形成され、枠
体32の両端部に固定された保持ガイド34b、34b
は保持ガイド34aに形成された凹部にそれぞれ対向す
るように凹部が形成されている。したがって、パレット
カゴ31は、複数のレンズL1、L2 を挟み込んだレン
ズパレット21を保持ガイド33と34のそれぞれの凹
部に係合させて収納することにより、レンズパレット2
1を立てた状態で保持することができ、図示する例で
は、9枚のレンズパレット21を2列で合計18枚のレ
ンズパレット21を収納できるように構成されている。
このようなパレットカゴ31にペアのレンズL1 、L2
を保持固定するレンズパレット21を収納してレンズL
1 、L2 を洗浄することにより、従来レンズ個別に部品
箱から洗浄用カゴにレンズを1つ1つ移し替えていた場
合と比較して、作業効率は約4.2倍(本発明12秒/
従来50秒)の向上となった。
【0049】コート処理前の検査は、レンズパレット2
1内に挟み込まれ洗浄、乾燥されたペアのレンズL1
2 を外観検査するが、従来レンズを1つ1つ洗浄カゴ
から取り出して検査しそしてコート装置のヤトイに取り
付けた場合と、本発明の25対のレンズがペアで収納さ
れた一枚のレンズパレット21をパレットカゴ31から
取り出して検査しコート装置のヤトイに取り付けた場合
とで比較すると、作業効率が約6.4倍(本発明11秒
/従来70秒)の向上となった。
【0050】外観検査後、コート装置のヤトイに固定
し、レンズの一方のコート面、例えばレンズL1 の外側
の面Loに薄膜処理を施し、コート装置の反転機能によ
りレンズを保持固定するレンズパレット21を反転し、
もう一方のレンズL2 のコート面Loに薄膜処理を施
し、ペアのレンズの凹メニスカスレンズL1 と凸レンズ
2 のコート面(Lo、Lo)の薄膜処理が終了する。
薄膜処理終了後、レンズパレット21内にしっかりと保
持固定され挟み込まれた状態でレンズ両面に薄膜処理さ
れたレンズL1 、L2 をヤトイから取り外し、レンズパ
レット片22a、22b、22c内にレンズL1 、L2
が挟み込まれた状態で部品箱に移し終了するが、従来レ
ンズを1つ1つヤトイから部品箱に移し替えた場合と、
本発明の25対のレンズがペアで収納された一枚のレン
ズパレット21をヤトイから部品箱に移し替えた場合と
で比較すると、作業効率が約13倍(本発明4.8秒/
従来61秒)の向上となった。
【0051】コート処理後の洗浄は、ペアのレンズL
1 、L2 のそれぞれの接合面Li、Liに付着した汚れ
等を除去し清浄化するために、コート完了後のペアのレ
ンズL 1 、L2 が収納されたレンズパレット21をパレ
ットカゴ31に移し替えて、レンズL1 、L2 を超音波
洗浄し乾燥して仕上げる。従来のように部品箱からペア
のレンズを1つ1つ専用の洗浄用カゴに収納した場合
と、本発明の25対のレンズがペアで収納されたレンズ
パレット21を部品箱からパレットカゴ31に移し替え
た場合とで比較すると、作業効率が約14.5倍(本発
明4.8秒/従来70秒)の向上となった。コート処理
後の接合処理は、凹メニスカスレンズL1 と凸レンズL
2 のペアのレンズが収納されたレンズパレット21をパ
レットカゴ31から取り出し、自動化された接合装置に
装着し、レンズL1 、L2 のそれぞれの接合面Li、L
iに接着剤を吐出し、25対のレンズL1 、L2 を同時
に貼り付けられることのできる接合装置でレンズを貼り
合わせ、貼付後、接着剤を硬化させて終了する。従来の
ようにレンズを1つ1つ洗浄用カゴから取り出し人手に
よってレンズを貼り付けた場合と、本発明の25ペアの
レンズが収納された一枚のレンズパレットを自動化され
た接合装置に装着し貼付した場合と比較し、作業効率が
約9.7倍(本発明18秒/従来175秒)の向上とな
った。
【0052】以上、実施例1および2で説明したよう
に、110mm×110mmのレンズパレット1、21
を使用した場合の加工方法について述べたが、本発明の
レンズパレットを実状に合わせて自由に設計し各工程で
使用することも可能である。例えば、110mm四方形
状のレンズパレットの他に、図5に示すように六角形の
形状をしたレンズパレット41と六角形状のレンズパレ
ット41を収納することができるように形成されたパレ
ットカゴ51を使用してレンズの加工を実施しても、前
述した実施例1および2と同様の効果を得ることができ
る。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レンズの加工処理に際して、多数のレンズを収納可能な
レンズパレット片を各加工処理工程で共通して使用しう
るようにし、レンズの研削研磨加工、心取加工等の各加
工処理工程においては、レンズパレット片の多数のレン
ズ収容孔にそれぞれレンズを収納保持し、また、コート
処理、接合処理等の各加工処理工程および各加工処理工
程間の洗浄検査工程においては、レンズを収納保持する
レンズパレット片に他のレンズパレット片を重ね合わせ
て固定することにより、両レンズパレット片間にレンズ
を保持固定し、洗浄検査およびコート処理や接合処理を
一括して行なうことができる。これにより、レンズの加
工処理の各工程におけるレンズの移し替え作業に関わる
作業効率を大きく向上させることができ、さらに、加工
処理工程で必要とする工具コストの削減および工具保管
スペースの大幅な削減を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズの加工方法に用いるレンズパレ
ットの一例を示す図であり、(a)はレンズパレットの
平面図、(b)はレンズパレットのA−A線に沿った断
面図、(c)はレンズパレットの部分拡大断面図であ
る。
【図2】本発明のレンズの加工方法に用いるパレットカ
ゴの一例を示す図であり、(a)はパレットカゴの平面
図、(b)はパレットカゴの一部を破断して示す側面図
である。
【図3】本発明のレンズの加工方法に用いるレンズパレ
ットの他の例を示す図であり、(a)はレンズパレット
の平面図、(b)はレンズパレットのB−B線に沿った
断面図、(c)はレンズパレットの部分拡大断面図であ
る。
【図4】本発明のレンズの加工方法に用いるパレットカ
ゴの他の例を示す図であり、(a)はパレットカゴの平
面図、(b)はパレットカゴの一部を破断して示す側面
図である。
【図5】本発明のレンズの加工方法に用いるレンズパレ
ットおよびパレットカゴの他の例を示す図であり、
(a)はパレットカゴにレンズパレットを収納した状態
を示す平面図、(b)はパレットカゴにレンズパレット
を収納した状態を示す側面図である。
【図6】レンズの加工処理工程の概要を示す図である。
【図7】従来のレンズ加工処理に際して用いられている
部品箱を示し、(a)は概略的な平面図、(b)は概略
的な断面図である。
【図8】従来のレンズ加工処理に際して用いられている
洗浄用カゴを示し、(a)は概略的な平面図、(b)は
一部を破断して示す概略的な側面図である。
【図9】従来のレンズ加工処理に際して用いられている
ヤトイの概略的な平面図である。
【符号の説明】
L レンズ(両凸レンズ) L1 レンズ(凹メニスカスレンズ) L2 レンズ(両凸レンズ) 1 レンズパレット 2a、2b レンズパレット片 3a、3b レンズ収容孔 4a、4b レンズ保持部分 5a、5b 2段溝構造 7 位置決めピン 11 パレットカゴ 12 枠体 13 保持ガイド 14(14a、14b) 保持ガイド 21 レンズパレット 22a、22b、22c レンズパレット片 23a、23b、23c レンズ収容孔 24a、24b、24c レンズ保持部分 25a、25b 2段溝構造 27 位置決めピン 31 パレットカゴ 32 枠体 33 保持ガイド 34(34a、34b) 保持ガイド 41 レンズパレット 51 パレットカゴ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 和也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 外川 泰二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H006 DA06 3B201 AA03 AB44 BB02 BB83 3C049 AB04 AB08 AC01 CA01 CB03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子に対して、研削研磨加工、心取
    加工およびコート処理、さらに必要に応じて接合処理を
    行ない、また、前記の各加工処理工程間に光学素子の洗
    浄、検査を行なうことにより、光学素子を作製する光学
    素子の加工方法において、 前記光学素子の研削研磨加工および心取加工に際して
    は、多数の光学素子収容孔を備えた光学素子パレット片
    の光学素子収容孔にそれぞれ光学素子を収納して、該光
    学素子に対して前記加工を行ない、 前記光学素子のコート処理または接合処理、および前記
    各加工処理工程間の洗浄、検査に際しては、前記光学素
    子を前記光学素子収容孔にそれぞれ収納保持する前記光
    学素子パレット片に該光学素子パレット片と略同様に形
    成された他の光学素子パレット片を重ね合わせて、前記
    両光学素子パレット片間に前記光学素子を挟み込んで保
    持固定して、該両光学素子パレット片間に保持固定され
    た光学素子に対して前記処理および前記洗浄、検査を行
    なうことを特徴とする光学素子の加工方法。
  2. 【請求項2】 前記光学素子の洗浄に際して、前記多数
    の光学素子を挟み込んで保持固定する両光学素子パレッ
    ト片を立てた状態で複数収納できる洗浄用パレットカゴ
    を用いて前記光学素子の洗浄を行なうことを特徴とする
    請求項1記載の光学素子の加工方法。
  3. 【請求項3】 接合処理を行なう対の光学素子の加工に
    際しては、前記対の光学素子のそれぞれの心取加工が終
    了した後に、対となる光学素子間に一枚の光学素子パレ
    ット片を介装させて、前記対の光学素子を三枚の光学素
    子パレット片の間に保持固定することを特徴とする請求
    項1または2記載の光学素子の加工方法。
  4. 【請求項4】 前記光学素子パレット片の光学素子収容
    孔は、収納する光学素子の心取加工前の外径と心取加工
    後の外径にそれぞれ対応しうる2段溝構造を有している
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の光学素子の加工方法。
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