JP2002040211A - 光学素子の加工方法 - Google Patents

光学素子の加工方法

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JP2002040211A
JP2002040211A JP2000228148A JP2000228148A JP2002040211A JP 2002040211 A JP2002040211 A JP 2002040211A JP 2000228148 A JP2000228148 A JP 2000228148A JP 2000228148 A JP2000228148 A JP 2000228148A JP 2002040211 A JP2002040211 A JP 2002040211A
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lens
optical element
pallet
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cleaning
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Atsushi Yano
敦 矢野
Kaoru Morimitsu
薫 森光
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Canon Inc
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ等の光学素子の研削研磨加工、心取加
工、コート処理等の各加工処理工程および各工程間の光
学素子の洗浄検査工程において、光学素子の加工処理作
業の効率向上と加工コストを削減することができる光学
素子の加工方法。 【解決手段】 レンズLに対する研削研磨加工、心取加
工、コート処理等の各加工処理や各工程間のレンズの洗
浄、検査を行うレンズの加工方法において、レンズLを
収容可能なレンズ収容孔3aを多数設けたレンズパレッ
ト片2aに多数のレンズLを収納保持して、研削研磨加
工装置や心取加工装置等に投入し、また、レンズの洗浄
検査やコート処理等に際しては、多数のレンズLを収納
したレンズパレット片2aに他のレンズパレット片2b
を重ね合わせて両レンズパレット片2a、2b間に多数
のレンズLを挟み込んで保持固定し、この状態で一括し
てレンズの洗浄、検査やコート処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ、ビデオカ
メラ、ピックアップレンズ、半導体機器等に用いられる
レンズ等の光学素子の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カメラ、ビデオカメラ、ピックアップレ
ンズあるいは半導体機器等に用いられるレンズ等の光学
素子の加工工程あるいは処理工程は、光学素子(以下、
単にレンズともいう)を鏡面に仕上げる研削研磨工程
と、研磨終了後のレンズ両鏡面の曲率中心を結ぶレンズ
光軸を一致させるためにレンズの外径を研削する心取工
程と、レンズの光量制御、表面保護、反射防止等の目的
で表面に薄膜処理を施すコート処理工程と、レンズの光
学設計上の色収差の除去、フレアー、ゴースト防止等の
目的で凹レンズと凸レンズを貼り合わせる接合処理工程
に大別され、これらの研削研磨工程、心取工程、コート
処理工程、接合処理工程の工程間でのレンズの移動やレ
ンズを運搬するときの荷姿は、通常、レンズを直接収納
した部品箱により行われていた。また、レンズの研磨加
工後や心取り加工後、さらにレンズ同士を貼り合わせる
接合前に、レンズを清浄化する目的で、レンズの表面の
脱脂や汚れ等を除去する洗浄工程が必要不可欠であり、
この洗浄工程でのレンズの荷姿は、レンズの形状別に対
応した専用の洗浄用カゴにレンズを直接収容した状態
で、各工程間でレンズの超音波洗浄が実施され、さら
に、洗浄後にレンズの品質を確認する検査が行われてい
る。
【0003】以下に、上述した従来のレンズの加工処理
工程を図5ないし図8を参照してさらに説明する。
【0004】図5にレンズの加工処理工程の概要を示
し、研削研磨工程は、研削装置あるいは研磨装置により
レンズ表面を機械加工する工程であって、レンズプレス
ブランクを投入し、粗研削加工、精研削加工および研磨
(みがき)加工により段階的にレンズの表面を加工し、
各工程によりレンズを所望の形状精度と球面精度、さら
に鏡面精度に仕上げる工程である。レンズプレスブラン
ク投入から粗研削加工、精研削加工、研磨加工の各工程
間におけるレンズの移動時やレンズを運搬する時の荷姿
あるいは各加工を行うときのレンズの荷姿は、図6に示
すようにレンズLを直接収納する部品箱101aにより
行われていた。すなわち、レンズの機械加工に際して
は、レンズLを部品箱101aから直接人手により1つ
1つ取り出し、粗研削装置、精研削装置、研磨装置の各
加工装置それぞれにレンズLを装着して加工を行い、加
工終了後に各加工装置から人手によりレンズLを1つ1
つ部品箱101aに戻されていた。また、半自動化ある
いは自動化された粗研削装置、精研削装置、研磨装置等
の各加工装置においては、オートハンド等により、レン
ズLを部品箱101aから1つ1つ自動的に取り出し、
各加工装置それぞれにレンズLを装着して加工を行い、
そして、加工終了後にオートハンド等により各加工装置
からレンズLを取り外して1つ1つ自動的に部品箱10
1aに戻されている。
【0005】以上のように研削研磨工程においては、粗
研削加工、精研削加工により、レンズの両曲率面を所望
の形状精度と所望の球面精度に加工し、次いで、研磨加
工によって、レンズの両曲率面を所望の鏡面精度に加工
する。これらの研削研磨加工が終了したレンズLは、研
磨加工直後に、図7に示すような金属製の専用の洗浄用
カゴ102aに人手により1つ1つ収納され、レンズ鏡
面の品質が損なわないように、ある一定量、液中等にて
レンズを一時保管している。あるいは、研磨加工直後
に、レンズ表面をきれいに拭き上げて、綺麗な部品箱等
に一時保管する。
【0006】洗浄用カゴ102aに収納されて液中等に
て一時保管されたレンズL、あるいはレンズ表面をきれ
いに拭き上げられて綺麗な部品箱等に一時保管されたレ
ンズLは、研磨加工時の汚れ等の除去と研磨終了後の品
質確認検査のために、超音波洗浄によりレンズ表面を洗
浄しその後乾燥させている。そして、研磨加工終了後の
検査工程においては、洗浄および乾燥されたレンズLを
洗浄用カゴ102aから人手により1つ1つ取り出し、
研磨加工後の品質確認のための外観上の検査を行ってい
る。外観検査の終了と同時にレンズLを、レンズの外観
上の品質を損なわないように、他の綺麗な部品箱101
b(図6)に人手により1つ1つ移し替え、綺麗な部品
箱101bに収納されたレンズLは、形状精度と曲率精
度の最終的な検査を行う。そして、最終検査がなされ綺
麗な部品箱101bに収納された研磨完了後のレンズL
は、次工程の心取工程へ移動運搬される。
【0007】心取工程は、前工程の研削研磨工程で既に
レンズ両面を鏡面研磨したレンズLを心取加工装置によ
り所望の精度にレンズの外径を研削する工程であって、
心取加工前のレンズLは、外観上の検査後に使用した綺
麗な部品箱101bから、例えば、レンズ形状に合った
専用のレンズ枠等を備えた心取加工専用の部品箱101
c(図6)内に人手により1つ1つ規則正しく並ぶよう
に、移し替えられる。心取加工専用の部品箱101c内
に規則正しく並べ替えられて収納されたレンズLは、自
動化された心取加工装置のオートハンドにより部品箱1
01cからレンズLを取り出し、心取加工装置にレンズ
Lを装着し、レンズLの外径を研削加工する。外径研削
加工すなわち心取加工後に、レンズLは装置から取り出
され、部品箱101cへ自動的に収納される。
【0008】心取加工後の洗浄工程すなわちコート処理
前の洗浄工程は、心取加工時にレンズLに付着する研削
油等の汚れを除去し、次工程のコート処理工程でレンズ
の表面に薄膜処理を施すためにレンズの表面を清浄化す
る工程である。洗浄するレンズLは、心取工程で自動的
に部品箱101cに収納されたレンズLを人手により1
つ1つ(心取加工後の)専用の洗浄用カゴ102b(図
7)へと移し替え、専用の洗浄用カゴ102bに収納さ
れたレンズLを洗浄装置に投入して超音波洗浄し、洗浄
したレンズLを乾燥させて仕上げる。洗浄装置で洗浄お
よび乾燥されたレンズLは、レンズの清浄度やレンズの
品質確認のために人手による検査を行い、同時にコート
装置にレンズLを装着するために、レンズLは人手によ
り1つ1つ専用の洗浄用カゴ102bから図8に示すコ
ート装置の専用ヤトイ(以下、単にヤトイともいう。)
103に移し替えてレンズLを固定する。
【0009】コート処理工程は、前記洗浄工程でヤトイ
103に収納されたレンズLをコート装置に装着し、レ
ンズ表面に所望の薄膜処理を施す工程であり、ヤトイ1
03に固定されたレンズLの片面に薄膜処理を施し、そ
して、コート装置の反転機能によりヤトイ103に固定
されたレンズLが反転され、もう一方のレンズ面に薄膜
処理が施され、レンズL両面の薄膜処理を完了する。薄
膜処理完了後、コート装置からヤトイ103を外し、ヤ
トイ103に固定されたレンズLを人手により部品箱1
01d(図6)に移し替える。
【0010】コート処理後の工程では、接合を必要とす
るレンズLは薄膜処理工程までの品質確認した後に接合
工程前の洗浄工程へ移動運搬され、接合を必要としない
レンズLは薄膜処理工程までの品質確認した後に組み立
て工程へ移動運搬される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
レンズの加工、処理工程においては、研削研磨工程では
レンズを収納するために部品箱101を使用し、レンズ
洗浄時にはレンズ個別の専用の洗浄用カゴ102を使用
しているために、研磨加工終了直後に、レンズを加工装
置から洗浄用カゴ102に人手により1つ1つ移し替え
る作業を必要としている。さらに、洗浄後のレンズは、
レンズ検査のために、洗浄用カゴ102内のレンズを洗
浄用カゴから綺麗な部品箱101に人手により1つ1つ
移し替える作業を必要としている。
【0012】次に、心取加工では、前記綺麗な部品箱1
01から心取専用の部品箱101に人手により1つ1つ
移し替える作業を必要にし、また、心取工程後すなわち
コート処理工程前のレンズ洗浄時には、心取終了のレン
ズを心取専用の部品箱101からレンズ個別の専用の洗
浄用カゴ102に人手により1つ1つ移し替える作業を
必要としている。さらに、レンズ洗浄後には、専用の洗
浄用カゴ102からコート処理工程専用のヤトイ103
へ人手によりレンズを1つ1つ移し替える作業を必要と
し、コート処理工程の薄膜処理後に、専用ヤトイ103
から部品箱101へ人手によりレンズを移し替える作業
が必要となる。
【0013】このように人手によりレンズを1つ1つ移
し替える作業は、作業者の労力と時間を費やし、さら
に、レンズ個別各々に専用の洗浄用カゴや専用のヤトイ
を必要とする。すなわち、各工程において専用の工具を
保有しなくてはならないために、専用工具の保管スペー
スの確保と専用工具の工具費用が膨大なものとなってい
た。
【0014】そこで、本発明は、上記の従来技術の有す
る未解決の課題に鑑みてなされたものであって、レンズ
等の光学素子の加工処理における研削研磨加工、心取加
工、コート処理等の各加工処理工程および各加工処理工
程間の光学素子の洗浄検査工程において、光学素子の加
工処理作業の効率向上と加工コストを削減することがで
きる光学素子の加工方法を提供することを目的とするも
のである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学素子の加工方法は、光学素子に対し
て、研削研磨加工、心取加工およびコート処理を行い、
また、前記各加工処理工程間に光学素子の洗浄、検査を
行うことにより、光学素子を作製する光学素子の加工方
法において、前記光学素子の研削研磨加工および心取加
工に際しては、光学素子をそれぞれ収納保持することが
できる貫通した光学素子収容孔を多数備えた光学素子パ
レット片を用い、該光学素子パレット片の多数の光学素
子収容孔にそれぞれ光学素子を収納し、前記各加工部所
へ移動運搬して、前記光学素子に対して前記加工を行
い、前記光学素子のコート処理および前記各加工処理工
程間の洗浄、検査に際しては、光学素子を前記光学素子
収容孔にそれぞれ収納保持する前記光学素子パレット片
に該光学素子パレット片と略同様に形成された他の光学
素子パレット片を重ね合わせて、前記両光学素子パレッ
ト片間に前記光学素子を挟み込んで保持固定して、該両
光学素子パレット片間に保持固定された光学素子に対し
て前記の処理および前記洗浄、検査を行うことを特徴と
する。
【0016】本発明の光学素子の加工方法において、前
記光学素子パレット片の光学素子収容孔は、収納する光
学素子の心取加工前の外径と心取加工後の外径にそれぞ
れ対応しうる2段溝構造を有していることが好ましい。
【0017】本発明の光学素子の加工方法において、前
記光学素子の洗浄に際して、前記多数の光学素子を挟み
込んで保持固定する両光学素子パレット片を立てた状態
で複数収納できる洗浄用パレットカゴを用いて前記光学
素子の洗浄を行うことが好ましい。
【0018】
【作用】本発明の光学素子の加工方法によれば、レンズ
等の光学素子の研削研磨加工、心取加工等の各加工処理
工程において、レンズをそれぞれ収納保持することがで
きる貫通したレンズ収容孔を多数備えたレンズパレット
片を用い、該レンズパレット片の多数のレンズ収容孔に
それぞれレンズを収納保持し、前記の各加工部所へ移動
運搬して、レンズに対して前記の加工を行い、また、コ
ート処理等の加工処理工程および各加工処理工程間の洗
浄検査工程において、レンズを収納保持するレンズパレ
ット片に他のレンズパレット片を重ね合わせて固定する
ことにより、両レンズパレット片間にレンズを保持固定
し、洗浄検査およびコート処理等を多数のレンズに対し
て一括して行うようにし、レンズの加工処理の各工程で
多数のレンズを収納可能なレンズパレットを共通して使
用する。これにより、レンズの加工処理の各工程におけ
るレンズの移し替え作業および外観検査に関わる作業効
率を大きく向上させることができ、さらに、加工処理工
程で必要とする工具のコストの削減および工具保管スペ
ースの大幅な削減を可能にする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0020】本発明に基づくレンズの加工方法の一実施
例を図1ないし図5を参照して説明する。
【0021】先ず、レンズに対する研削研磨加工、心取
加工、コート処理等の各加工処理工程および各加工処理
工程間において、共通して使用することができるレンズ
パレットについて図1ないし図3を参照して説明する。
【0022】図1において、レンズパレット1は、複数
のレンズを挟み込んで保持固定することができるように
形成された一対のレンズパレット片2a、2bからな
り、レンズパレット片2aは、図2および図3に詳細に
示すように、両凸レンズL1 あるいは形状の異なる凹メ
ニスカスレンズL2 等のレンズ(以下、これらを総称し
て単にレンズLという)をそれぞれ収納保持するための
複数の貫通したレンズ収容孔3aが所望の精度で穿設さ
れた厚み3mmの金属製で110mm×110mmの大
きさに形成され、レンズ収容孔3aは、それぞれ、収容
するレンズLの外径に相当する大きさに形成されたレン
ズ保持部分4aが一方の面に設けられ、このレンズ保持
部分4aから反対側の面に向けてテーパー状に拡開され
ており、レンズ保持部分4aは、外径の異なるレンズL
を収容することができるように、特に、収容するレンズ
Lにおける心取加工前の外径d1 のレンズと心取加工後
の外径d2 のレンズのように外径の違いにも対応できる
ように2段溝構造5aを有している。なお、レンズ収容
孔3aの大きさとその数については、収容するレンズL
の外径寸法あるいは曲率形状の違いに応じてその大きさ
や溝幅等が適宜替えられ、またレンズLの外径寸法の違
いに応じてレンズ収容孔数も異なってそれぞれ設定され
る。
【0023】他方のレンズパレット片2bは、レンズパ
レット片2aと同様に、複数の貫通したレンズ収容孔3
bが所望の精度寸法をもって同じ大きさに穿設されてお
り、レンズ収容孔3bは、レンズパレット片2aのレン
ズ収容孔3aと同様に、2段溝構造5bに形成されたレ
ンズ保持部分4bを有し、そして外方に向けてテーパー
状に拡開されている。なお、レンズ収容孔3bは、収容
するレンズLの表面の曲率半径の違い、あるいは凸レン
ズや凹レンズ等の形状の違いに応じて、レンズパレット
片2aのレンズ収容孔3aの形状と微妙に異なる形状に
適宜形成される。
【0024】また、図1において、7は位置決めピンで
あって、両レンズパレット片2a、2bを重ね合わせた
際に、両レンズパレット片2a、2bのレンズ収容孔3
a、3bがそれぞれ対応するように両レンズパレット片
2a、2bの位置出しをするためのものであり、同時
に、両レンズパレット片2a、2bのずれにより、レン
ズパレット片2a、2bのレンズ収容孔3a、3b以外
の部分でレンズ表面の外傷の発生を防止する。さらに、
両レンズパレット片2a、2bを対応させた状態で固定
させる機能もする。
【0025】以上のように構成されるレンズパレット1
を用いることにより、図2の(a)および図3の(a)
に示すように、レンズパレット片2aの複数のレンズ収
容孔3aのレンズ保持部分4aにそれぞれレンズLを収
容した状態(他方のレンズパレット片2bを用いない状
態)で、研削研磨工程や心取加工工程等における各自動
生産設備へ投入することができる。
【0026】また、図2の(b)および図3の(b)に
示すように、レンズLをレンズ収容孔3aのレンズ保持
部分4aにそれぞれ収容しているレンズパレット片2a
にレンズパレット片2bを被せ、両レンズパレット片2
a、2bのレンズ保持部分4a、4bにそれぞれレンズ
Lを収納して、両レンズパレット片2a、2bでレンズ
Lを挟み込み保持した状態で両レンズパレット片2a、
2bを位置決めピン7で固定することにより、複数のレ
ンズLは、両レンズパレット片2a、2bに確実に挟み
込まれてレンズ収容孔3a、3bにそれぞれ保持され
る。このとき、レンズLの両面はレンズ収容孔3a、3
bを介して外部に露出した状態となり、さらに両レンズ
パレット片2a、2bは、その間に隙間s1 (図2の
(b)、図3の(b)参照)が介在した状態となる。
【0027】このように、両レンズパレット片2a、2
bにより複数のレンズLを保持固定することにより、レ
ンズLの洗浄時等においては、レンズLは両レンズパレ
ット片2a、2bのレンズ収容孔3a、3bで両面を露
出した状態で両レンズパレット片2a、2bに確実に保
持固定されているので、レンズLを脱落させることなく
レンズLの洗浄を行うことができ、さらに、レンズパレ
ット片2a、2bは、レンズLの両表面を露出させた状
態で保持固定できるので、レンズの洗浄後の外観検査に
おいても、レンズLを両レンズパレット片2a、2bに
保持固定した状態で行うことができ、さらに、コート工
程の薄膜処理加工時に使用するヤトイの役割を果たすこ
ともできる。
【0028】レンズパレット片2a、2bは、さらに、
レンズ収容孔3a、3bのレンズ保持部分4a、4bを
2段溝構造5a、5bとすることにより、外径の異なる
レンズLを収容することができ、特に、心取加工前後の
外径の異なるレンズLを保持することができ、心取加工
前後のレンズを同じレンズパレット片2a、2bで保持
することができる。その状態を図2の(c)および図3
の(c)に示す。図2の(c)および図3の(c)にお
いて、L11およびL21(一点鎖線で示す)は心取加工前
の形状すなわち外径研削前のレンズ形状であり、L12
よびL22(実線で示す)は心取加工後の形状すなわち外
径研削後のレンズ形状である。なお、d 1 およびt1
は、心取加工前のレンズL11、L21の外径とその外周部
の厚さを示し、d2 およびt2 は、心取加工後のレンズ
12、L22の外径とその外周部の厚さを示す。また、両
レンズパレット片2a、2bは、心取加工前すなわち外
径研削前のレンズL11、L21を保持する際には、その間
に隙間s1 が介在しているが、心取加工後すなわち外径
研削後のレンズL12、L22を保持する際には、その間に
隙間s2 が介在し、その隙間s2 はs1 より小さくな
る。
【0029】次に、前述したレンズパレットを用いて複
数のレンズを洗浄するレンズパレット専用の洗浄用カゴ
について図4を参照して説明する。
【0030】図4に示すレンズパレット専用の洗浄用カ
ゴ(以下、単にパレットカゴという)11は、レンズパ
レット片2aおよび2bからなるレンズパレット1内に
挟み込んだレンズLを洗浄するときに用いるための洗浄
用カゴであり、パレットカゴ11は、レンズパレット1
を立てた状態で2列に並列して複数収容できる大きさに
形成された矩形状の枠体12と、枠体12の相対向する
両側枠に固定されてレンズパレット1を保持する凹部を
所定の間隔をもって複数形成された保持ガイド13(1
3a、13b)、14(14a、14b)とから構成さ
れ、保持ガイド13(13a、13b)は、レンズパレ
ット1の下面側を保持するためのものであり、レンズパ
レットの1列に対して2個形成されている。そして、保
持ガイド13a、13bは、図4の(b)に示すよう
に、枠体12に約10mmの高低差をもって取り付けら
れ、レンズパレット1の出し入れを容易にする構成とし
ている。また、保持ガイド14(14a、14b)は、
レンズパレット1の側面を保持するためのものであり、
枠体12の中央部に固定された保持ガイド14aはその
両側にそれぞれレンズパレット1を保持する凹部が形成
され、枠体12の両端部に固定された保持ガイド14
b、14bは保持ガイド14aに形成された凹部にそれ
ぞれ対向するように凹部が形成されている。したがっ
て、パレットカゴ11は、複数のレンズLを挟み込んだ
レンズパレット1を保持ガイド13と14のそれぞれの
凹部に係合させて収納することにより、レンズパレット
1を立てた状態で保持することができ、図4に図示する
例では、11枚のレンズパレット1を2列で合計22枚
のレンズパレット1を収納できるように構成されてい
る。また、保持ガイド凹部の幅は、図2の(c)および
図3の(c)に示すようにレンズパレット片2a、2b
の相対向する面の隙間s1 、s2 が外径研削前後で異な
ってもレンズパレット片2a、2bの幅に対応しうるよ
うに形成されている。
【0031】次に、本発明に基づくレンズの加工方法に
つき、レンズの研削研磨加工工程から心取加工工程、コ
ート処理工程、および各加工処理工程間での洗浄、検査
工程において、前述したレンズパレットおよびパレット
カゴを使用する態様について説明する。なお、レンズL
として、図2に示すような、φ15の両凸レンズを例に
とって説明する。
【0032】φ15の両凸レンズL1 を保持し固定して
収納する110mm×110mmの大きさで金属製のレ
ンズパレット片2aには、図1の(a)に示すように、
φ15の両凸レンズL1 を収容するためのレンズ収容孔
3aが5×5=25個、規則正しく配列されており、収
納できるレンズL1 の数量は25個である。レンズパレ
ット片2bも、同様に、25個のレンズL1 を収容でき
るようにレンズパレット片2aのレンズ収容孔3aに対
応してレンズ収容孔3bが設けられており、レンズパレ
ット片2bは、レンズL1 が収納されたレンズパレット
片2a上に被せられ、レンズパレット片2aとレンズパ
レット片2bは位置決めピン7により確実に位置決めさ
れ、両レンズパレット片2a、2bは合致した状態で固
定される。また、レンズパレット1内に収納されたレン
ズL1 の洗浄は、図4に示すように、レンズパレット1
を22枚収容できるレンズパレット専用のパレットカゴ
11にレンズが収納されたレンズパレット1を立てた状
態で収容して行う。
【0033】先ず、φ15の両凸レンズL1 を研削研磨
する研削研磨加工工程においては、従来の部品箱を使用
してレンズの曲率面を研削研磨加工する自動生産設備を
前述したレンズパレット仕様に置き換えることにより、
レンズパレット片2aを用いたレンズの加工を可能にし
た自動生産設備を用いる。φ15のレンズL1 の収容可
能なレンズ収容孔3aにそれぞれレンズプレスブランク
を収納し、25個のレンズプレスブランクを収納したレ
ンズパレット片2aを前記の自動生産設備に投入し、粗
研削装置および精研削装置でφ15のレンズL1 の両曲
率面をそれぞれの所望の形状精度と曲率精度に仕上げ
る。さらに、研磨装置によりφ15のレンズL1 の両曲
率面を所望の形状精度と曲率精度に仕上げ、研磨加工終
了後、25個収納可能なレンズパレット片2aのレンズ
収容孔3a(レンズ保持部分4a)にレンズL1 が自動
的に戻され、研磨工程を終了する。このとき、研磨加工
の終了したレンズL1 は、研磨加工直後、研磨加工時に
使用した研磨液で濡れており、研磨液に濡れたレンズL
1 は25個加工が終了するまで、大気中に放置される
と、レンズL1 の表面が乾燥し、レンズL1 の表面にヤ
ケ等の欠陥を発生させてしまうため、液中保管する必要
がある。そこで、レンズパレット片2aを腐食等の発生
しにくいあるいは腐食の発生しない金属で作製すること
により、レンズパレット片2aおよびレンズL1 を直接
液中等に浸して保管することを可能にし、レンズL1
表面にヤケ等の欠陥の発生を防止することができる。ま
た、レンズL1 の表面を加工後に綺麗に拭き上げて一時
的に大気中に保管することも可能である。レンズパレッ
ト片2a内の25個のレンズL1 の研磨加工が全て終了
すると、研磨加工を終了したレンズL1 をそれぞれのレ
ンズ収容孔3aに収容しているレンズパレット片2aに
レンズパレット片2bを被せ、レンズパレット片2aと
レンズパレット片2bを合致させた状態で固定する。こ
のとき、両レンズパレット片2a、2bは位置決めピン
7により確実に位置出しできそして固定することができ
る。これによって、研磨加工された複数(25個)のレ
ンズL1 はレンズパレット片2a、2bのレンズ収容孔
3a、3b(レンズ保持部分4a、4b)内にそれぞれ
確実にしっかりと保持固定される。詳しくは、図2の
(c)に示すように、外径d1 と外周部の厚さt1 をも
つレンズL1 (一点鎖線で示すL11)がレンズパレット
片2a(実線で示す)とレンズパレット片2b(一点鎖
線で示す)のレンズ収容孔3a、3b(レンズ保持部分
4a、4b)内にしっかりと保持固定される。このよう
にレンズパレット片2a、2b内に挟み込まれて保持固
定されたレンズL1 は洗浄工程に搬送される。
【0034】研磨加工後の洗浄工程において、従来は、
研磨加工の終了したレンズはレンズ個別の専用の洗浄用
カゴに人手により1つ1つ入れ替えられていたが、本発
明においては、レンズパレット片2a、2b内に保持固
定されたレンズL1 は、両表面がレンズパレット片2
a、2bのレンズ収容孔3a、3bにより露出して保持
された状態で、図4に示すパレットカゴ11に収納され
る。すなわち、研磨終了後の25個のφ15のレンズL
1 を同時に一括して、レンズパレット片2a、2bを立
てた状態でパレットカゴ11に収納することができる。
研磨完了のレンズを従来のように1つ1つ洗浄カゴへ2
5個移し替えた場合と、本発明の25個収納可能なレン
ズパレット1をパレットカゴ11へ移し替えた場合とを
比較すると、作業効率が約5.5倍(従来技術では30
秒要していたのに対し本発明では5.5秒でおこなうこ
とができる。以下、このような従来技術との対比を、本
発明5.5秒/従来30秒のように記載する。)の向上
となった。
【0035】研磨加工後の洗浄工程は、研磨加工された
レンズLが収納されたパレットカゴ11を洗浄液槽に浸
漬して超音波洗浄により行い、研磨加工時等において汚
れたレンズの表面を綺麗に洗浄し乾燥させて終了する。
このようにパレットカゴ11を用いて洗浄することによ
り、一カゴ当りのレンズの収納数は25個×22=55
0個であるのに対して従来の一カゴ当りの収納数は約8
4個であるから、約6.5倍の洗浄作業効率となる。
【0036】レンズ洗浄後の検査工程は、パレットカゴ
11からレンズパレット1を取り出し、レンズパレット
片2a、2b内に保持固定された25個のレンズL1
を、レンズパレット片2a、2bのレンズ収容孔3a、
3bを介して、同時に検査作業することができる。レン
ズの外観検査作業は、従来のように洗浄用カゴから25
個のレンズを1つ1つ取り出して検査し、別の綺麗な部
品箱に移し替えた場合と、25個のレンズL1 を収容す
る一枚のレンズパレット1をパレットカゴ(洗浄用カ
ゴ)から取り出して同時に25個検査した場合とで比較
すると、従来例では87秒を要していたのに対し、本発
明では約7.5秒で終了し、作業効率が約11.5倍
(本発明7.5秒/従来86秒)の向上となった。
【0037】外観検査終了後、レンズL1 は、形状精度
と球面精度を確認して、研磨完了後の検査を終了する
が、この形状精度と球面精度の検査は、本発明において
は、レンズL1 を保持固定するレンズパレット1からレ
ンズパレット片2bを外し、レンズパレット片2aから
レンズL1 を人手により1つ1つ取り出して検査を行
い、検査終了後、レンズパレット片2aのレンズ収容孔
3aに戻す作業となる。このため、この検査作業につい
ての作業効率は、殆ど従来と同様で変わりはない。
【0038】以上の研削研磨工程後の洗浄および検査が
終了すると、レンズ両鏡面の曲率中心を結ぶレンズ光軸
を一致させるために、外径を研削する心取加工工程を行
う。心取加工工程は、従来の部品箱を用いて外径を研削
する自動生産設備を前述したレンズパレット仕様に置き
換えることにより、レンズパレットを用いたレンズの心
取加工を可能にした自動生産設備を用いる。この自動生
産設備に、研磨終了し洗浄検査を終えたレンズL1 を収
納したレンズパレット片2aを投入する。このとき、レ
ンズL1 は既にレンズパレット片2aのレンズ収容孔3
aにそれぞれ収納されているから、従来の技術で説明し
たように心取加工専用の部品箱にレンズを人手により1
つ1つ移し替える作業は全く必要としない。すなわち、
従来の心取加工専用の部品箱に25個のレンズを移し替
えていた作業(25秒/1箱当り)が、本発明ではゼロ
となる。このように、心取加工はレンズパレット片2a
を用いた加工を可能とした自動生産設備によりレンズL
1 の外径を研削し、心取加工が終了すると、レンズL1
は自動的に再びレンズパレット片2aに戻される。詳し
くは、図2の(c)において、心取加工で外径研削され
て、外径d2 と外周部の厚さt2 をもつレンズL1 (実
線で示すL12)が、レンズ収容孔3aのレンズ保持部分
4aの2段溝構造5a(実線で示す)内に戻される。
【0039】心取加工後のレンズL1 の洗浄工程は、レ
ンズ表面に心取加工時に付着した研削油等の除去と、次
のコート処理工程で薄膜処理を施すためのレンズ表面の
清浄化のための超音波洗浄工程である。超音波洗浄は、
心取加工後にレンズパレット片2aに収納されているレ
ンズL1 にレンズパレット片2bを被せ、心取加工した
レンズL1 をしっかりと保持し固定する。詳しくは、図
2の(c)に示すように、レンズ保持部分4aの2段溝
構造5a内に保持されたレンズL1 (実線で示すL12
上に、実線で示すレンズパレット片2bのレンズ収容孔
3bのレンズ保持部分4bの2段溝構造5bを係合さ
せ、両レンズパレット片2a、2bにより外径研削され
たレンズL1 をしっかりと保持し固定する。このように
レンズL1が収納されたレンズパレット1は、図4に示
すパレットカゴ11に納められ、前述したと同様に超音
波洗浄し、乾燥させて終了する。従来のように洗浄前に
心取加工専用の部品箱からレンズ個別専用の洗浄用カゴ
に25個のレンズを人手により1つ1つ入れた場合と、
本発明の25個収納のレンズパレット2a、2bをパレ
ットカゴ11へ移し替えた場合とで比較すると、作業効
率が約5.8倍(本発明6秒/従来35秒)の向上とな
った。
【0040】コート処理工程は、前記洗浄後のレンズL
1 の外観上の検査をし、検査後のレンズL1 の両面に薄
膜処理を施す工程である。外観検査は、洗浄後パレット
カゴ11からレンズパレット1を取り出し、レンズパレ
ット片2a、2b内にレンズL1 を挟み込んだ状態で、
レンズパレット片2a、2bのレンズ収容孔3a、3b
を介して、レンズL1 の検査作業を行う。すなわち、レ
ンズパレット片2a、2b内に収納された、心取完了後
のφ15のレンズL1 をレンズ収容孔3a、3bを介し
て25個同時に外観検査することができる。
【0041】検査完了後、レンズパレット片2a、2b
は薄膜処理加工時に使用するヤトイの役割を果たすこと
から、レンズL1 は、レンズパレット片2a、2b内に
挟み込まれた状態で、コート装置のヤトイ取り付け治具
に固定する。レンズL1 の外観検査からコート装置のヤ
トイ取り付け治具に固定するまでの作業について、従来
のように25個のレンズを1つ1つ洗浄カゴから取り出
して検査しその後専用のヤトイに取り付けた場合と、本
発明の25個収納の一枚のレンズパレット1をパレット
カゴ(洗浄用カゴ)11から取り出して同時に検査し、
その後に25個収納の一枚のレンズパレット1をヤトイ
取り付け治具に取り付けた場合とで比較すると、作業効
率が約2.5倍(本発明13.5秒/従来34秒)の向
上となった。
【0042】薄膜処理は、コート装置のヤトイに固定さ
れたレンズL1 の片面に所望の薄膜処理を施し、そし
て、レンズの片面に薄膜処理されたレンズL1 は、コー
ト装置の反転機能によりレンズパレット1内に挟み込ま
れた状態でレンズL1 が反転され、もう一方のレンズ面
の薄膜処理を施し、レンズ両面の薄膜処理を終了する。
薄膜処理終了後、本発明のレンズパレット1内にしっか
りと保持固定され挟み込まれた状態でレンズ両面に薄膜
処理されたレンズL1 をヤトイ取り付け治具から取り出
し、レンズパレット1内にレンズL1 が挟み込まれた状
態で部品箱に移し終了する。前記薄膜処理後に部品箱に
移し替える作業を、従来のレンズを1つ1つヤトイから
部品箱に移し替えた場合と、本発明の25個収納の一枚
のレンズパレット1をヤトイ(取り付け治具)から部品
箱に移し替える場合とで比較すると、作業効率が約5.
6倍(本発明4.8秒/従来27秒)の向上となった。
【0043】以上、本発明のレンズ加工方法に基づい
て、複数のレンズを収納することができるレンズパレッ
ト片を使用し、レンズパレット片に25個のφ15の両
凸レンズを収納して、研削研磨加工工程、心取加工工
程、コート処理工程でそれぞれレンズに対する各種の加
工処理を行い、そして、各加工処理工程間でレンズを超
音波洗浄した場合の各工程におけるレンズの移し替え作
業についての作業効率の向上について説明したけれど
も、本発明は、φ15の両凸レンズに限らず、それ以外
の他の形状のレンズにおいても、レンズの移し替え作業
および検査作業の作業効率の向上を得ることができ、表
1に示すように、種々の形状のレンズの移し替え作業お
よび検査作業においても、レンズ形状別に従来のものに
比較して、数倍から数10倍の作業効率を向上させるこ
とができた。
【0044】さらに、本発明は、研削研磨加工工程から
コート処理工程までの間のレンズ洗浄に際して、前述し
たφ15の両凸レンズに限らず、表2に示すように、そ
れ以外の他の種々の形状のレンズにおいても、洗浄効率
を向上させることができ、レンズ形状別に従来のものに
比較して、約5倍から12倍の洗浄効率を向上させるこ
とができた。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】さらに、本発明においては、レンズ洗浄用
のカゴとして、レンズの収納数を大きく向上させたパレ
ットカゴを用いることにより、従来個別にそれぞれ必要
であった洗浄用カゴを必要とせず、各工程で必要とする
工具費の削減効果を得られ、前述したφ15の両凸レン
ズの加工処理に関しては、約30%の削減効果となり、
表1や表2に示すφ23の凹メニスレンズにおいては、
5%と微少ではあるが工具費の削減となり、φ7の両凸
レンズやφ11の凹メニスレンズにおいても、工具費の
削減は明確であった。また、従来個別に必要であった洗
浄用カゴに代えてレンズの収納数を大きく向上させたパ
レットカゴを用いることにより、工具保管スペースの削
減効果も得られ、前述したφ15の両凸レンズでは、約
1/3の削減効果となり、表1や表2に示すφ23の凹
メニスレンズにおいても同様に1/3の削減となり、φ
7の両凸レンズやφ11の凹メニスレンズにおいても、
工具保管スペースの削減は明確であった。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レンズの加工処理に際して、多数のレンズを収納可能な
レンズパレット片を各加工処理工程で共通して使用しう
るようにし、レンズの研削研磨加工、心取加工等の各加
工処理工程においては、レンズパレット片の多数のレン
ズ収容孔にそれぞれレンズを収納保持し、また、コート
処理等の各加工処理工程および各加工処理工程間の洗浄
検査工程においては、レンズを収納保持するレンズパレ
ット片に他のレンズパレット片を重ね合わせて固定する
ことにより、両レンズパレット片間にレンズを保持固定
し、洗浄検査およびコート処理等を一括して行うことが
できる。これにより、レンズの加工処理の各工程におけ
るレンズの移し替え作業に関わる作業効率を大きく向上
させることができ、さらに、加工処理工程で必要とする
工具コストの削減および工具保管スペースの大幅な削減
を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズの加工方法に用いるレンズパレ
ットの一例を示す図であり、(a)はレンズパレットの
平面図、(b)はレンズパレットのA−A線に沿った断
面図である。
【図2】本発明のレンズの加工方法に用いるレンズパレ
ットにおいて、凸レンズを保持する状態を示す図であ
り、(a)はレンズパレット片により凸レンズを保持す
る状態の部分拡大図であり、(b)は両レンズパレット
片により凸レンズを挟み込んで保持する状態の部分拡大
図であり、(c)は心取研削前後の凸レンズをレンズ収
容孔の2段溝構造で保持する状態を模式的に示す部分拡
大図である。
【図3】本発明のレンズの加工方法に用いるレンズパレ
ットにおいて、凹メニスカスレンズを保持する状態を示
す図であり、(a)はレンズパレット片により凹メニス
カスレンズを保持する状態の部分拡大図であり、(b)
は両レンズパレット片により凹メニスカスレンズを挟み
込んで保持する状態の部分拡大図であり、(c)は心取
研削前後の凹メニスカスレンズをレンズ収容孔の2段溝
構造で保持する状態を模式的に示す部分拡大図である。
【図4】本発明のレンズの加工方法に用いる(洗浄用)
パレットカゴの一例を示す図であり、(a)はパレット
カゴの平面図、(b)はパレットカゴの一部を破断して
示す側面図である。
【図5】レンズの加工処理工程の概要を示す図である。
【図6】従来のレンズ加工処理に際して用いられている
部品箱を示し、(a)は概略的な平面図、(b)は概略
的な断面図である。
【図7】従来のレンズ加工処理に際して用いられている
洗浄用カゴを示し、(a)は概略的な平面図、(b)は
一部を破断して示す概略的な側面図である。
【図8】従来のレンズ加工処理に際して用いられている
ヤトイの概略的な平面図である。
【符号の説明】
L レンズ L1 レンズ(両凸レンズ) L11 心取加工前のレンズ(両凸レンズ) L12 心取加工後のレンズ(両凸レンズ) L2 レンズ(凹メニスカスレンズ) L21 心取加工前のレンズ(凹メニスカスレンズ) L22 心取加工後のレンズ(凹メニスカスレンズ) 1 レンズパレット 2a、2b レンズパレット片 3a、3b レンズ収容孔 4a、4b レンズ保持部分 5a、5b 2段溝構造 7 位置決めピン 11 (洗浄用)パレットカゴ 12 枠体 13(13a、13b) 保持ガイド 14(14a、14b) 保持ガイド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子に対して、研削研磨加工、心取
    加工およびコート処理を行い、また、前記各加工処理工
    程間に光学素子の洗浄、検査を行うことにより、光学素
    子を作製する光学素子の加工方法において、 前記光学素子の研削研磨加工および心取加工に際して
    は、光学素子をそれぞれ収納保持することができる貫通
    した光学素子収容孔を多数備えた光学素子パレット片を
    用い、該光学素子パレット片の多数の光学素子収容孔に
    それぞれ光学素子を収納保持し、前記の各加工部所へ移
    動運搬して、前記光学素子に対して前記の加工を行い、 前記光学素子のコート処理および前記各加工処理工程間
    の洗浄、検査に際しては、光学素子を前記光学素子収容
    孔にそれぞれ収納保持する前記光学素子パレット片に該
    光学素子パレット片と略同様に形成された他の光学素子
    パレット片を重ね合わせて、前記両光学素子パレット片
    間に前記光学素子を挟み込んで保持固定して、該両光学
    素子パレット片間に保持固定された光学素子に対して前
    記の処理および前記洗浄、検査を行うことを特徴とする
    光学素子の加工方法。
  2. 【請求項2】 前記光学素子パレット片の光学素子収容
    孔は、収納する光学素子の心取加工前の外径と心取加工
    後の外径にそれぞれ対応しうる2段溝構造を有している
    ことを特徴とする請求項1記載の光学素子の加工方法。
  3. 【請求項3】 前記光学素子の洗浄に際して、前記多数
    の光学素子を挟み込んで保持固定する両光学素子パレッ
    ト片を立てた状態で複数収納できる洗浄用パレットカゴ
    を用いて前記光学素子の洗浄を行うことを特徴とする請
    求項1または2記載の光学素子の加工方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5078881B2 (ja) * 2006-04-21 2012-11-21 Hoya株式会社 レンズ加工装置及びレンズの加工方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5078881B2 (ja) * 2006-04-21 2012-11-21 Hoya株式会社 レンズ加工装置及びレンズの加工方法

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