JP3244192B2 - 眼鏡用プラスチックレンズの製造におけるハードコーティング方法およびその装置 - Google Patents

眼鏡用プラスチックレンズの製造におけるハードコーティング方法およびその装置

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JP3244192B2
JP3244192B2 JP14595792A JP14595792A JP3244192B2 JP 3244192 B2 JP3244192 B2 JP 3244192B2 JP 14595792 A JP14595792 A JP 14595792A JP 14595792 A JP14595792 A JP 14595792A JP 3244192 B2 JP3244192 B2 JP 3244192B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は眼鏡用プラスチックレン
ズの製造におけるハードコーティング方法およびその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡用レンズは、近視、遠視、老眼、乱
視のいずれにおいても、検眼に基づく処方にしたがって
その個人用として作成される。
【0003】一方、近時は、在来のガラスレンズに代っ
てプラスチックを素材とする成形レンズが多用化され、
特に遠近両用の累進多焦点レンズにおいて顕著である。
【0004】従来、眼鏡レンズは、予めブランクとして
製造してストックしておき、顧客の処方に合わせて度
数、乱視の角度等必要な条件にしたがって研磨し、その
顧客用の眼鏡レンズとするか、あるいは頻度の高い処方
内容を予測して予め完成品として製作してストックし、
その中から顧客に最も適合するレンズを選択して使用す
ることによっている。このときの顧客の処方データは眼
鏡小売店から所定のレンズメーカーの製造部門へファク
シミリ等でオーダーされ、そこで再度、製造ライン用の
製造データに加工されて管理用コンピュータに入力され
るようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、個々の顧客
の処方にしたがってブランクから研磨してレンズを製作
するには、受注してから顧客の手に渡るまでに早くても
1〜2週間の期間を要し、また、処方データから製造デ
ータの転記ミス等の発生するおそれもある。さらに研磨
加工に高精度の加工機械設備を要するためコストが嵩む
という問題点がある。
【0006】一方、完成品を予め準備しておく場合は、
比較的短時間で顧客の手に渡る利点はあるが、遠近両用
の眼鏡レンズの場合、遠用、近用、乱視等の度数の種類
に加えその組合せ、およびレンズのサイズの種類をすべ
てカバーするには膨大な量のストックが必要となるとい
う問題点がある。
【0007】本発明は上記の点に鑑み、顧客から受注し
たのち製品発送までの工程に要する時間を大幅に短縮
し、迅速かつ正確な仕様の製品を供給可能とするととも
に、製造コストの引下げ、在庫管理の削減を図り、特に
顧客の処方に適合するハードコートレンズを適確に提供
することができる眼鏡用プラスチックレンズの製造にお
けるハードコーティング方法およびその装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記従来の技
術が有する問題点を解決することを課題として本発明
は、顧客の処方データに基づいて光または熱硬化性プラ
スチック素材によりその処方データに対応するレンズを
成形し、成形されたレンズにハードコーティング処理を
行なう工程を含む眼鏡用プラスチックレンズの製造にお
いて、成形されたレンズをその一面の清浄化を行なう清
浄化工程と、ハードコート液を塗布するハードコート液
塗布工程と、ハードコート液を仮焼成する仮焼成工程と
を経由させたのち他面用の清浄化工程へ復帰させるとと
もにレンズを反転させてレンズをその他面用の清浄化工
程、ハードコート液塗布工程、仮焼成工程を経由させ、
ついで焼成炉を通して本焼成することを特徴とする眼鏡
用プラスチックレンズの製造におけるハードコーティン
グ方法を請求項1とするものであり、顧客の処方データ
に基づいて光または熱硬化性プラスチック素材によりそ
の処方データに対応して成形されたレンズの清浄化工程
およびハードコート液塗布工程を行なうレンズの凹面処
理系と凸面処理系との2経路を並設し、このハードコー
ト液塗布後仮焼成する仮焼成炉で一面が仮焼成されたレ
ンズを他面用の清浄化工程へ戻す復路搬送装置と、ハー
ドコート液塗布後のレンズを仮焼成炉へ装入するための
仮焼成用治具へ移載する移載手段と、一面仮焼成済みの
レンズを前記復路搬送装置へ移載する移載手段とを具備
することを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造
におけるハードコーティング装置を請求項2とするもの
である。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例を参照して
説明する。
【0010】本発明による眼鏡用プラスチックレンズの
製造は、例えば図1にブロック図を示すように、顧客か
ら得た処方データが眼鏡小売店に備えられた端末機から
オンラインにより直接レンズメーカーの製造部門のホス
トコンピュータ1へ送信されるか、あるいは小売店から
中継拠点が電話、ファクシミリ等の伝送手段で処方デー
タを受け、この中継拠点からオンライン送信されるよう
になされ、そしてこのホストコンピュータ1で上記処方
データは製造ライン用の製造データに加工され、その製
造データに基づいてレンズを成形する成形工程2を経た
のち、レンズの表面処理加工の仕様に基づいてレンズの
表面にハードコートを施すハードコーティング工程3、
レンズの表面に染色を施す染色工程4、レンズの表面に
反射防止膜を形成する反射防止膜蒸着工程5のすべてま
たは選択して経由し、ついで製品レンズの包装を行なっ
て出荷に備える工程を行ない、顧客個有の処方にしたが
ったプラスチックレンズの一貫生産、または所定時に過
去の受注実績に基づいての作り込みによる製品ストック
が行なわれる。
【0011】上記各工程におけるデータは、ホストコン
ピュータ1から所定の工程ブロックに割り当てられた4
台の工程連絡用のパーソナルコンピュータ(以下、ブロ
ックPC1〜ブロックPC4と記す)に対して上記製造
データのうち、必要なデータを提供するようになされ
る。また、上記ブロックPC−1〜ブロックPC−4の
下位には、合計18台の通信制御用のパーソナルコンピ
ュータ(以下、PC−1〜PC−18と記す)が接続さ
れており、これらPC−1〜PC−18はそれぞれの作
業工程において、ラインを流れるレンズやパレットに付
されたバーコードの製造NO.を参照して上位の対応ブ
ロックPCから所定の製造デーダを受取り、入力された
所定の検査データの合否を直接判定したり、作業員によ
り入力された検査の合否結果や不良項目を上位の対応ブ
ロックPCに送信する等の通信制御機能を果たしてい
る。
【0012】また、各PCでは併せて製品の通過のチェ
ックを実行しているため、所定の製品の現況を即座に確
認することができる。この現況データをもとに小売店か
らの進捗の問い合わせ等に対してオンラインを介して素
早い返答が可能となる。
【0013】次に各工程につきPCによるデータの内容
と併せて説明する。 〔レンズ成形工程〕レンズ成形工程2は、図2に光硬化
性プラスチック原料を用いる場合のブロック図を示して
おり、PC−1からの処方データに基づいてその内容、
すなわち一貫品か作り込み品かの別で分けられ、作り込
み品の場合はブランクストックか、ハードコートストッ
クか、ハードコート+反射防止処理ストックかに分けら
れ、それぞれにおいて必要なデータ(図3)がプリンタ
6により印字された作業ラベル7が発行される。発行さ
れる作業ラベル7としては、図3に示すように「一貫
品」、「作り込み品」、「研磨払い出し品」、「HC
(ハードコート)払い出し品」、「蒸着払い出し品」が
ある。ここに表示されるデータにおいて、「製造No. 」
は受注時の整理No. を基にホストコンピュータ1により
製造No. に置換えて付されるもので、5桁の数列が用い
られる。また「ガラス型(P型)」とは上モールド9を
指し、「ガラス型(A,C型)」とは下モールド10の
2つの種類を指す。使用する光硬化性プラスチック原料
としては、ウレタンアクリル系である。
【0014】一貫品の場合は、PC−2により前記作業
ラベル7に表示されたモールド用のトレー8が照合さ
れ、型出しが行なわれる。このトレー8は、上下一対の
モールド9,10(ガラス製)を個々に収納している型
パレット11,12を個々に受入れることのできる2つ
の受入部8a,8bが隣接された薄箱状のもので、この
トレー8の外側面に前記作業ラベル7が人手または機械
的手段によって貼布される。そしてこれら型パレット1
1,12はトレー8の受入部8a,8bに納められる。
【0015】このトレー8は段積みされて数箇所にセッ
トされ、モールド9,10の組立工程14に入る直前の
洗浄工程13へは段積みされた下側から搬出される。こ
のとき作業ラベル7による指示内容の「加工優先順位」
が特急である場合にはそのトレーが優先的に洗浄工程1
3へ送られる。
【0016】洗浄工程13においては、モールド9,1
0の光透過性を完全にするためその両面、および後工程
におけるテープ貼りを良好にするため周面の洗浄が行な
われる。この洗浄は、図4〜図7にその工程を示すよう
に、第1槽において各モールド9または10の周面に洗
浄液を含むウレタンフォーム等のスポンジロール15の
周面を当て、モールド9,10を保持するチャック16
(吸着パッド)を500〜1000rpm で回転させると
ともにスポンジロール15を同方向に回転させて洗浄す
る。このときモールド9,10の外径計測結果に基づい
てスポンジロール15の押付力が制御される。第2槽で
は、各モールド9,10の使用面側をチャックし、非使
用面にスポンジロール17を200〜500rpm で回転
させながらモールド中心から外側方へ移動させて洗浄す
る。このときモールド9,10は前記と同様の回転が与
えられており、またスポンジロール17の移動距離はモ
ールド9,10の外径データに基づいて制御され、スポ
ンジロール17がモールド9,10の外端に至ったとき
モールド9,10から離間される。第3槽では、第2槽
の場合と同様にして純水により洗浄が行なわれる。こう
して洗浄されたのち第4槽においてモールド9,10の
洗浄面に適量(2〜3cc)のIPA(イソプロピルアル
コール)が塗布され、乾燥させる。この際、チャック1
6の回転数をIPA塗布時には低く、乾燥時には高く
(図8参照)され、サイクルタイムとしては20秒程度
であるが、搬送時間等を差引けば実際の所要時間は13
秒以内で終了することができる。
【0017】こうして非使用面の洗浄および乾燥が完了
したのち第5槽に入る前に各モールド9,10を反転さ
せ、使用面が上側となるようにチャックさせる。
【0018】第5、第6、第7槽においては、前記第
2、第3、第4槽と同様のプロセスによりモールド9,
10の使用面の洗浄および乾燥が行なわれる。但し第7
槽においては、使用面とプラスチック原料との密着性を
コントロールするため、例えばカチオン系の活性剤50
〜3000ppm を添加したIPAを塗布し、乾燥させ
る。これにより光硬化、熱硬化のいずれのプラスチック
原料であっても離型性を良くすることができる。この第
7槽における処理が終了したのちモールド組立工程14
へ移送される。
【0019】モールド組立工程14は、図9〜図11に
その一例を示している。この実施例では、上モールド9
用と下モールド10用との搬送手段18,19(具体的
にはベルトによる)により上下のモールド9,10が搬
送され、これら搬送手段18,19からセット治具2
0,21によりモールド9,10を把持して位置決め部
22へ移載される。
【0020】この位置決め部22は、図9のように各モ
ールド9,10の直径方向前後端部の下面を支え、かつ
モールド9,10間にモールド保持具23,24が挿入
され得る間隔をおいて完全水平状態に配置されたモール
ド受台25,25および26,26の上面にそっておか
れ、このモールド受台の対向端部に跨って置かれるモー
ルド9,10の直径方向前後端面に向け均等に移動する
一対の芯出し具27,27および28,28を有し、こ
の芯出し具の対向端面はモールド9,10の周面の2点
に接触するよう平面形状が浅いV字状の当接縁27a,
28aとされている。
【0021】したがって上下のモールド9,10がそれ
ぞれのモールド受台25,25,26,26上に置かれ
ることによりその上面でモールド9,10の平行度が出
され、芯出し具27,27,28,28の接近移動でそ
の当接縁27a,27aおよび28a,28a間で挟持
されることによりモールド9,10の光軸が出され、こ
れらによりモールド9,10の位置決めがなされる。
【0022】モールド保持具23,24は、モールド
9,10の背面中心に向けサーボモータにより進退移動
され、その先端はモールド9,10をその平行度を失わ
ないで吸着保持する吸着パッドとされており、これによ
りモールド9,10が吸着保持される。
【0023】なおモールド9,10には、図11に示す
ように乱視軸出しのためにその周面に指標となる刻印2
9a,30aが施されており、この刻印位置を光センサ
で検出し、上下のモールド9,10間における乱視軸を
合わせる。この操作はモールド保持具23,24の回転
によって行なわれる。このとき刻印29a,30a以外
の痕の誤検出を防止するため、基準位置に対し所定角度
ずれた位置にも刻印29b,30bを施しておき、まず
第1の刻印29a,30aを検出したのち所定角度回転
させ、第2の刻印29b,30bを検出したときを正規
の位置(基準位置)とすることが望ましい。
【0024】各モールド9,10の基準位置を検出した
のち下モールド10を乱視軸に相当する角度回転させ、
下モールド10が回転したのち上モールド9に形成され
ている原料注入位置31に対応する下モールド10の縁
厚を光センサによりスキャンして計測する。なおこの原
料注入位置31は、図12に示すように上モールド9の
周辺部半径方向に断面かまぼこ状に凹陥する切欠32か
らなっており、この切欠32の内端は成形されるレンズ
の周辺に若干重なる位置まで延びている。
【0025】前記のように原料注入位置31に対応する
下モールド10の縁厚を計測したのちモールド保持具2
3,24を同一軸線上に移動させ(図9(C)〜
(D))、ついでモールド9,10間が所定の中心厚と
なるよう軸方向に互いに接近移動させて中心厚を決定し
たのちモールド9,10の周面に跨がるようにして接着
テープ33を巻着する。これにより内部にレンズ成形用
キャビティが形成されたモールド組立体34が得られ
る。
【0026】上記乱視軸、中心厚はPC−3により予め
算出されており、モールド保持具23,24の回転用、
厚み制御用のサーボモータを制御することによって行な
われる。
【0027】そして接着テープ33が巻き終る直前に接
着テープ33の外表面に前記トレー8に付したと同じナ
ンバー(照合用)の印字35がインキジェットにより行
なわれる。
【0028】上記洗浄工程13〜組立工程14において
は、モールド9,10はトレー8と分離しているが、ト
レー8は並走する搬送手段(例えばベルトコンベア)に
より同期して移送される。
【0029】原料の注入工程36においては、組立工程
14で定められた注入位置31が崩れないようモールド
組立体34を保持し、その注入位置31の接着テープ3
3に注入ヘッド37の注入ノズルが刺通されてプラスチ
ック原料の注入が行なわれる。
【0030】前記注入ノズル38の挿入位置の両側の接
着テープ33には接着テープ巻着後注入工程へ至る間に
注入位置の両側に空気抜き用の2個の穴39,39があ
けられており、その穴の間に注入ノズル38が挿通され
て原料の注入が行なわれる。原料の注入が進むにつれて
キャビティ内の空気が前記穴39,39から抜ける。こ
のとき原料の流入状況は、原料が粘性を有するのでキャ
ビティの中央から次第に両側方へ流入し、注入ノズル3
8の両側の空間部a,a内の空気が両側の穴39,39
からそれぞれ排気され、この空気が抜けきって原料が穴
39,39から出始めた時点を静電容量センサ40で検
知することにより充満状態を検出して注入が停止され
る。
【0031】ここで、上記PC−3の機能について簡単
に説明すると、上記洗浄工程、組立工程および注入工程
の各作業工程にはすべてパーソナルコンピュータ(セル
PC)が装備され、M/C制御されるようになってい
る。したがって、各セルPCには対応するレンズの加工
データ(例えば、レンズ中心厚設定値、レンズ径、乱視
軸設定値、型寸法および注入情報)を入力する必要があ
る。そこで、PC−3によりレンズやパレットに付され
たバーコードの製造NO.を参照して上位の対応ブロッ
クPCから上記加工データを上記セルPCに送ることが
できるようにしている。このとき、洗浄工程では型のセ
ット状況を判定できるようになっている。そしてこの加
工データは組立工程および注入工程に引き継がれる。最
終的には注入工程が終了すると加工終了情報がPC−3
に送られ、通過チェックが実行され、ブロックPC−1
にその結果が入力される。
【0032】原料の注入が完了したのちは、注入ヘッド
37を後退させて注入ノズル38、を抜き、その刺穴を
図16に示すようなテープ状の治具41を用いてそのテ
ーブ面で押え手段42により押え、光源43(図14)
から光を照射(UV照射)して仮重合させる。上記治具
41はテープ41aを巻取るようにして常に新しいテー
プ面を使用して押えるようにする。
【0033】前記原料の注入に際しては、図15のよう
に特に縁厚が薄いレンズの場合、原料がモールド9,1
0の内面に伝わって広がったとき充満状態と誤検出して
しまうことを避けるため、注入初期の注入スピードを遅
くし、原料の流路が形成された時期に速度を早め、充満
状態に近づいたとき再び遅くするようにセッティングす
る。この注入終期に注入速度を遅くすることは検出精度
を高めるためである。そしてこの注入速度の制御は、P
C−3で予めキャビティの体積計算を行ない、注入バル
ブの開度を調整する弁体の移動用サーボモータをコント
ロールすることによって行なわれる。注入終期に注入速
度を遅くする時期は、キャビティの体積の60〜95%
まで原料が達した時点とすることが好ましい。
【0034】注入工程36を経たのちモールド組立体3
4の保持を解き、つぎの重合工程44に搬出される。
【0035】重合工程44における光の照射時間は、レ
ンズの物性確保のため2.5〜4分とされ、このうち2
分に相当する時間は120℃±10℃の雰囲気で行な
い、かつ照射方向はモールド組立体34の両面から行な
われる。
【0036】重合工程44を経たのちの原料温度は16
0℃以上の高温であり、後工程の脱テープ、脱ポリマー
作業が不可能となるため、50℃〜80℃の雰囲気中で
約10分間の冷却期間をおく。
【0037】一方、モールド9,10が前記の洗浄工程
13へ搬入された順序にしたがってトレー8も搬送手段
により搬送されており、モールド組立体34をロボット
によりトレー8に戻す(除材工程45)。トレー8にモ
ールド組立体34を受入れたのち、後工程における手作
業部分のスピードを考慮して、前記50℃〜80℃前後
の雰囲気内にて凡そ15分間のバッファ保温工程46を
おく。このときトレー8に貼布されている作業ラベル7
に表示のナンバーとモールド組立体34の接着テープ3
3に印字されているナンバーとを照合し、その同一性の
確認が行なわれる。
【0038】上記の照合後、接着テープ33を剥ぎとる
脱テープ作業、モールド9,10と接着テープ33との
境界部分に溜りやすいポリマー等の除去作業47が行な
われ、ついで下モールド10と成形されたレンズ48と
の間にくさびを打込んで両者を剥離させ、さらにレンズ
48から上モールド9を剥してレンズ48を取出す(離
型工程49)。これら脱テープ、離型作業は人手により
行なわれるが、これらを自動化することは可能である。
【0039】こうして離型されたのちの上、下のモール
ド9,10は、これと対応して流れていた型パレット1
1,12へそれぞれ戻され、成形されたレンズ48は別
のレンズパレット50へ入れられ、同時にトレー8に貼
布されていた作業ラベル7をこのレンズパレット50の
外側面に貼り替える。空になったトレー8はトレー置場
へ戻され、またモールド9,10が戻された型パレット
11,12は洗浄工程51においてスピン洗浄が行なわ
れ、同時に外観チェックが行なわれたのちPC−18に
より型照合が行なわれ、パスしたものはモールドストッ
カ52の所定の位置へ格納される。
【0040】一方、成形されたレンズ48は、外観検査
工程53で目視により観察して傷や混入物の存否等の欠
陥の有無の判定がなされる。この外観検査により不良品
と判定された場合には、その不良項目を端末でキー入力
し、PC−4を通じ再作指示がなされる。
【0041】外観検査をパスしたレンズ48は、図17
に示す寸度検査工程54への移行と、研磨品としてスト
ックする系55とに分かれる。
【0042】寸度検査工程54では、レンズ48の度
数、中心厚、プリズム、乱視軸のチェックが行なわれ
る。これらのチェックはオートレンズメータとデジタル
ゲージにより行なわれ、このレンズ48のデータを読込
んでPC−5へ転送し、予め作業ラベル7に表示(バー
コード表示)された所期の処方データをブロックPC−
1より受取り、PC−5において実測データと比較して
判定が行なわれる。なおこの工程で不良品と判定された
場合は、不良項目とともに再作指示が出され、不良項目
はその測定データとして蓄積されて技術解析に供され
る。
【0043】こうして外観、寸度ともパスしたレンズ4
8は、レンズパレット50から独立するので、そのレン
ズ個有の識別が可能なようにレンズ自体に表示が施され
る。この表示は必ずしもトレー8(またはレンズパレッ
ト50)に付したナンバーと一致するものでなくともよ
く、それ以後の作業工程において使用し得るものであれ
ばよい。
【0044】このレンズへの表示48aは、モールド組
立体34のキャビティに原料を注入するために上モール
ド9に形成された切欠32によりレンズ48の外周にそ
の切欠32の形状(図18(A)、(B))のかまぼこ
状に形成される凸部56を利用してなされる(マーキン
グ工程57)。したがってこの凸部56を接触式検出手
段により検出し、そのピーク点を中心として刻印するこ
とにより実施することができる。このほか画像処理によ
り凸部56を検出し、刻印するようにしてもよい。そし
てこの刻印にはCOレーザーの使用が適する。この刻
印には、作業ラベル7のバーコードより上位のPC−6
から刻印すべき位置(半径方向位置)の値を受取り、刻
印が行なわれる。これは外周整形工程58時に周辺が削
られる際に影響を受けない位置とするためである。
【0045】こうして刻印がなされたあと、図19のよ
うに周辺部分が乾式または湿式研削により切削されて所
定外径寸法に外周整形がなされる。この外周整形が終了
したのち右眼用と左眼用との一対のレンズのペアリング
59が行なわれ、これによりレンズ成形工程2が完了す
る。
【0046】なお、レンズの成形工程において用いられ
るモールドのうち、凸面用のモールドにその凸面成形用
型部分の輪郭が眼鏡フレームの形状に近い形状としたも
のを用い、これに通常成形用の凹面用モールドを組合わ
せることにより実質的に小径のレンズを成形する手段が
含まれる。 〔ハードコーティング工程〕本実施例では熱硬化タイプ
のハードコート液について説明するが、もちろん熱硬化
タイプのみに限定されるものではない。
【0047】成形工程2において成形されたレンズ48
がコーティング処理される場合は、図20のようにその
工程に移行する前にハードコートのみを施すハードコー
トタイプ(DC)仕様品と、ハードコートと反射防止処
理を施すハードマルチタイプ(DMC)仕様品とに分か
れるため、工程選択指示(ノズル変換指示)をブロック
PC−1から受け、DMCの場合はDip伝票60が発
行される。
【0048】ここでハードコート液の塗布方法として、
DCタイプはスピン方式、DMCタイプは浸漬(Di
p)方式を例とする。
【0049】ハードコートDCの工程に移行する場合
は、レンズ拭き工程61においてUV照射むらをなくす
めにレンズの表面をアセトン等により手拭きする。つい
でUV照射工程62によりレンズの表面にUV照射が行
なわれ、レンズ基材とハードコートとの密着性を良くす
るための処理がなされる。このUV照射は、高圧水銀灯
により行なわれるが、このほか酸、アリカリ、有機溶剤
による処理、プラズマ処理、マイクロ波照射、電子線E
Bによる処理などの処理方法を用いてもよい。
【0050】上記処理後、スピンハードコートSHC工
程63に入る。このSHC工程63では、図21に工程
内容を示し、図22に工程配置例を示すように、成形さ
れたレンズを搬送する搬送装置164からトラックの凹
面処理系の第1槽165へレンズの凹面を上向きとして
供給し、この凹面の清浄化、改質、表面研磨が行なわれ
る。すなわち第1槽165において、吸着パッドにより
支持されて500〜1000rpm で回転するレンズの表
面(凹面側)に、アルミナ系の研磨剤を含浸させつつ2
00〜500rpm で回転するスポンジロールを400g
程度の負荷を与えて押し当てながら拭過し、レンズの表
面を物理的に剥離除去し、表面の汚れを完全に除去する
とともに表面の不均質層を除去して均質化する。なおこ
の処理としては、他に砥粒の吹付けによる表面剥離手
段、あるいはドライアイス、氷の細粒を吹付けるアイス
クリーニングによる表面剥離手段等の採用も可能であ
る。この表面処理により、外観の品質向上と、コーティ
ング層の密着性、後工程に染色がある場合にはその染色
特性を高めることになる。なお上記の処理条件は、レン
ズ基材の材質に応じ選定される。
【0051】上記工程が終了したのち第2槽166に移
される。この第2槽においては、第1槽165での処理
時に付着した研磨剤を純水とスポンジによるスクラブに
より完全に除去させる。この除去についても、上記研磨
時と同様なレンズの回転数、スポンジロールの回転数、
負荷の条件下で行なわれる。
【0052】ついで第3槽167へ移され、この第3槽
においてレンズを500〜1500rpm 程度で回転させ
ながらIPAによりリンスを行ない、ハードコート液の
塗布直前にレンズ面を清浄化させる。ついで2000rp
m 以上で3〜5秒間スピンさせ、IPAを蒸発させる。
その後ハードコート液を塗布し、スピンを加えることに
より膜厚が一定なハードコート層が形成される。このハ
ードコート液塗布時には、レンズを500rpm 以上の程
度で回転させながらハードコート液を塗布するとレンズ
の裏面側へのハードコート液の廻り込みがなく、均一膜
厚層を形成することができる。またハードコート液の塗
布には、レンズの外周近くでノズルからの吐出を開始
し、レンズの中心へと移行させる。こうすることにより
ハードコート液の吐出初期に発生するハードコート液中
の気泡が遠心力によりレンズの外周から飛散し、レンズ
上に気泡が残らないので、外観、歩留りとも良好とな
る。なお、ハードコート液の塗布手段は、ノズル以外に
スプレー方式によってもよい。
【0053】上記ハードコート液の塗布が完了したレン
ズは、移載手段としての移載ロボット168により仮焼
成炉169への供給用治具170へ移載され、ここで4
〜5分間経過したのち仮焼成炉169へ搬送し、この仮
焼成炉169内を移行する間に135℃で約20〜30
分間加熱することによりハードコート液を反応、硬化さ
せる仮焼成が行なわれる。この仮焼成の加熱手段はハー
ドコート液の種類によって選択されるが、熱風によるも
の、赤外線によるものなどがある。このハードコート液
としては、他にUV硬化型ハードコート、EB硬化型ハ
ードコート、マイクロ波硬化型ハードコートなどがある
が、なかでもUV硬化型ハードコートを用いることが実
用的である。すなわちこのUV硬化型ハードコートを用
いれば、熱硬化型ハードコート使用の場合に較べハード
コート液塗布時におけるスピン条件の制約が少なく、如
何ような回転数であってもよく、またセッティング条件
を高温(40〜60℃)にして粘度を低下させ、表面を
平滑化しやすくできるなどの有利性がある。さらに硬化
におけるUV照射は5〜20秒で完了し、仮焼成を不要
にできる利点があるからである。
【0054】仮焼成炉169から出たレンズは移載手段
としての移載ロボット171により復路搬送装置172
へ移載され、さらに搬送装置173へ前記の移載ロボッ
ト168により反転して移載され、第4槽174へ凸面
が上向きとなって供給される。この第4槽174をはじ
め第5槽175、第6槽176で前記凹面に対すると同
様な工程が行なわれ、治具170へ移載されて仮焼成炉
169へ送られ、仮焼成される。
【0055】こうして仮焼成炉169を出たレンズは外
観検査64を経て仮焼成完成品搬送装置177により焼
成炉(アニール炉)178へ送られ、焼成炉65で本焼
成65に入る。この本焼成65は135℃で約3時間行
なわれ、これによりレンズ両面のハードコート液の反応
が完結する。
【0056】なお移載ロボット168,171はクリー
ンブース179,180内に設置され、またスピンハー
ドコートに係わる装置は室181内に設置される。18
2はその出入口を示す。
【0057】一方、ハードコートの表面に反射防止膜を
形成するDMC系の場合については、図20に工程内容
を示すように表面研磨工程66においてスピンハードコ
ートSHCにおけると同様にアルミナ系の研磨剤をスポ
ンジに含ませて表面を拭過し、レンズ表面の剥離除去を
行なう。これにより前洗の浸漬洗浄では落ちない固着し
た汚れの除去、および表面の不均質層の除去がなされ
る。ついで拭き上げ工程67でアセトン等によりレンズ
を拭き、ごみ等を除去する。
【0058】続いて治具セット工程68において所定枚
数を一括して収納する治具にレンズを間隔をおいてセッ
トし、バッチ処理準備を行なう。こうしてレンズをセッ
トした治具を前洗69によりレンズ表面の界面活性剤等
による清浄化、アルカリ溶液等による表面改質、温純水
引上げ、乾燥が13〜16槽に分けて行なわれる。前洗
69が完了したのちDip工程70においてレンズをハ
ードコート液中に浸漬し、等速乃至は引上げ速度を制御
して所望の膜厚となるように引上げる。
【0059】ついで仮焼成工程71において70〜10
0℃の比較的低温下(例えば熱風炉)でハードコート液
を半硬化させる。焼成後、レンズを治具から取出し、そ
のレンズを外観検査工程72を経てパレットに平置きに
し、本焼成工程73に入る。この本焼成工程73では、
135℃で約3時間加熱し、ハードコート液の反応が完
結する。これによりハードコーティング工程3が終了す
る。なお、外観検査64、72で不良が発生した場合
は、ハードコート仕様(DC)、ハードコートと反射防
止処理仕様(DMC)のいずれの工程も、その不良項目
がPC−7を介してブロックPC−1に送られ、再作指
示が出される。
【0060】ここで図23へ移行し、必要に応じ品質保
証マークの刻印74が行なわれる。そしてPC−8に製
造ナンバー、染色の有無、カラー、見本色到着情報、蒸
着の有無、加工優先順位、出荷か在庫かの区別、レンズ
径、納期等のデータがキー入力され、これに基づいて新
たな作業ラベル75が発行される。そしてこの作業ラベ
ル75は以後の工程へ流れるパレット76に貼布され
る。
【0061】続いて度数検査工程77において、ハード
コーティング後の中心厚を除く度数の変化がないか否か
が測定され、その測定データとPC−9からの処方デー
タとが比較されて度数に関しての最終チェックがなされ
る。その結果不良品と判定された場合は、不良項目と測
定データとが入力され、再作指示が出される。
【0062】この度数のチェックをパスした場合、その
レンズが染色を要する仕様であるか否か、また反射防止
膜の蒸着の要否、ストックか否かの判別が作業ラベル7
5のバーコードの読取りにより仕分けされる。
【0063】染色工程4に移行する場合は、予め染色仕
分け78が行なわれる。この染色仕分け78は、DC用
かDMC用かを作業ラベル75の表示にしたがって選別
され、DC用カラー(DCC)、DMC用カラー(DM
CC)が選択される。この選別後、PCより色選別、染
色時間等が算出表示され、その指示にしたがって染色が
行なわれることになる。 〔染色工程〕レンズの染色は、水に分散染料を分散さ
せ、助剤等の添加剤を加えて70〜90℃に加熱した染
浴中にレンズを浸漬することによって行なわれる。染色
濃度は浸漬時間に比例する。予め定められた色調の染色
の場合は標準カラーとして調色、染色時間が決められて
おり、見本色のある場合はその見本色を分光光度計で解
析して調色を行なう。この調色に際しては、分光光度計
で測定して得られた目的色のデータをコンピュータ処理
し、適切な染浴と染色時間とを求めることによって行な
うことができる。
【0064】染色が行なわれたレンズは、工程79によ
おいて目視により色差検査が行なわれ、また染色検査工
程80において色抜けやハーフ染色(レンズの半分の領
域のみの染色)の寸法ずれ、外観不良などがチェックさ
れる。不良品と判定された場合はPC−10に不良項目
がキー入力され、再作指示が出される。
【0065】ストック81の系に移行するレンズは、染
色処理をされず、または反射防止膜の蒸着処理をされな
いレンズが入庫処理83(PC−17)に廻されてスト
ックされる。この系は顧客からの注文の少ない時期(例
えば1週間の中頃から週末にかけて)の稼働率低下時
に、過去の受注データに基づいて最も受注頻度の高い度
数、乱視軸(90°、180°)を予測し、その予測し
たレンズをハードコート済みのレンズとして作り込みさ
れる。同処方のレンズを受注したとき直ちに出庫処理8
2により出庫処理され、または染色を要する場合は染色
工程4へ廻され、それまでの前工程を省略して対応する
に用いられる。
【0066】また、前記ハードコーティング工程3を終
了したのち染色を要しない仕様である場合であって反射
防止膜の蒸着を要するレンズは、染色工程4をパスして
次工程の蒸着工程5(図24)へ移行する。 〔反射防止膜蒸着工程〕この蒸着工程5では、蒸着の要
否の照合と、それに基づく仕分けが行なわれ、蒸着を要
するレンズは前洗工程84(フロンレス洗浄)を経たの
ち篭120に立てて並べて納められ、外観検査85を経
る。この外観検査85により不良品と判定された場合
は、不良項目がPC−11にキー入力され、再作指示が
出される。
【0067】外観検査でパスしたレンズはドーム86に
セットされ、真空チャンバ内で蒸着される。この蒸着
は、凹面蒸着87、返しセット88、凸面蒸着89の順
に行なわれるが、このチャンバは、5槽タイプ、3槽タ
イプのいずれかが用いられる。5槽タイプの場合は、図
25のように荒引チャンバ90、凹面蒸着チャンバ9
1、返しチャンバ92、凸面蒸着チャンバ93、取出し
チャンバ94からなり、3槽タイプの場合は、図26の
ように荒引チャンバ95、両面蒸着チャンバ96、取出
しチャンバ97からなる。前記荒引チャンバでは10-4
Torr程度、蒸着チャンバでは10-5Torr程度とされ、膜
厚の制御は反射光の光量制御により行なわれる。なお前
記5槽タイプの場合は、ドーム86上のレンズを自動的
に反転させる反転機構を有している。この反転機構は、
図27に部分的に示すように、例えば2枚のレンズを1
組として保持するホルダ98を中央の軸99によりドー
ム86に反転可能に支持し、このホルダ98に反転用突
起100を設けておき、レンズの片面の蒸着が完了した
時点でドーム86の回転数を30秒/1回転程度に落
し、チャンバ外から反転用シリンダ101(図28)で
前記反転用突起100を押し、90°以上回転したとき
自重で反転するようになっている。ドーム86が1回転
以上回転したことを確認したのちシリンダ101を短縮
させる。
【0068】蒸着終了後、PC−11により干渉色検査
102が行なわれ、ここで不良品と判定された場合は不
良項目がインプットされ、再作指示が出される。
【0069】干渉色検査102をパスしたレンズは、前
記の篭85に再び納められ、CF処理103が行なわれ
る。このCF処理はバッチ処理とされ、焼成(50℃程
度の熱風で15〜20分処理)を行ない、洗浄を行なっ
て色差検査104へ移行する。この色差検査104で
は、主として前洗工程によりコーティングの抜けが生じ
ていないか否かが分光光度計を用いて行なわれ、PC−
12により要求透過量と色抜けによる透過量とを比較演
算してチェックされる。ここで不良品と判定された場合
は、分光光度計による測定データ、要求色データ(見本
色データを含む)、不良項目がキー入力され、再作(染
色前工程への戻し)指示が出される。
【0070】この色差検査104をパスしたレンズは、
最終外径検査105へ移行し、ここで最終的な外観検査
が行なわれる。この検査結果は、PC−13にキー入力
され、不良品の場合は不良項目が入力される。この最終
検査を通過した良品のうち、出荷品は以後、包装袋印字
工程に回される。
【0071】一方、染色工程4へ移行する際、染色無し
の仕様のレンズである場合には、ケース106内にペア
の状態で平置きにより収納され、前記の最終外観検査1
05へ廻される。
【0072】最終外観検査105を終了したレンズは、
直ちに出荷する系と、ストック107する系とに仕分け
される。このストック107に至る系は、前述のハード
コーティング工程3の終了段階における場合と同様に稼
働率の低下時に作り込みし、出荷に備えるものである。
【0073】以上でレンズの製造工程がすべて完了し、
包装工程へ入る。 〔包装工程〕この包装工程108では、左右のレンズを
入れる外装袋109に所要の印刷110がプリンタ11
1により施され、レンズには眼鏡店で枠嵌めカットの際
の目安となる直径方向の水平線印刷112が施される。
そしてレンズと外装袋109とが照合113され、レン
ズが一対として納められる。ついで仕分け・包装114
が行なわれ、出荷処理115(PC−14)がなされて
発送される。この出荷処理115は、所定の製品が所定
の行先に出荷されるか否かがPC−14によってチェッ
クされる。
【0074】一方、ストック107の系は、在庫品とし
てワディング包装117(レンズ1個単位での包装)を
経て入庫処理118がなされる。このワディング包装1
17には、PC−16から印字データを受け、これに基
づきワディング包装機において袋119にプリントされ
る。そのプリントの内容は、製造日付、製品名、度数
(S.C.軸、加入度)、蒸着の有無等がバーコードタ
イプとして印刷される。
【0075】レンズ成形工程2後の研磨工程121(図
29)は、レンズ成形工程2において成形されたレンズ
をブランクとしてこれを研磨することにより眼鏡レンズ
とするもので、ブロックPC−2により管理され、バー
コードの読み込みにより所定の仕様が印字された作業ラ
ベル122がラベルプリンタ123から発行(作業票発
行124)され、同時にSS加工(眼鏡フレームに近い
形状への加工仕様)の確認図125が与えられる。
【0076】上記作業ラベル122の内容にしたがって
それに適合するブランク126,126の払い出し12
7が行なわれ、ブランクの表面をテープ貼りによりブロ
ッキング128し、外径の指定品については外周整形1
29が行なわれる。ついでCGカット130、スムージ
ング131、ポリッシング132を経てデブロック13
3でブロックが解除され、必要により面とり134が行
なわれて洗浄135、レンズマーキング136が行なわ
れる。ついで寸法検査137、ボケ検査138、外径検
査139がPC−15を通じてチェックされ、前述のマ
ーキング工程57またはそのあとのペアリング59へ供
給される。
【0077】なお、本実施例ではホストコンピュータの
負荷を軽減するために4台の工程連絡用のブロックPC
を用い、さらにその下位に通信制御用のPCを複数台配
置し、垂直分散を図っているが、ホストコンピュータの
容量が十分大きければ、ホストコンピュータと作業工程
に配置された各端末機とを接続してホストコンピュータ
内のデータに直接アクセスすることも可能である。ま
た、上述の機器構成に代えてエンジニアリングワークス
テーション(EWS)をローカルエリアネットワーク
(LAN)で接続し、EWSからLAN中に設けられた
データ記憶用のデータサーバにアクセスして所定のデー
タを得ることができる。
【0078】いずれの場合にも提供されるデータは最新
の更新データであり、ホストコンピュータでは常に新規
オーダー品の製造データの蓄積、設定データの更新、お
よび加工完了後の製造データの削除等を管理できるよう
になされている。
【0079】また、ホストコンピュータでは各工程で発
生した不良項目データ等を蓄積しており、使用材料、作
業手順の見直しのための技術解析用のデータを採取でき
るようになっている。またハードコーティング工程3、
染色工程4、反射防止膜蒸着工程5の配列は、必ずしも
実施例の順序でなくとも実施可能であり、他の工程につ
いても同様である。この工程の順序について前記実施例
において用いた符号により配列すると図30のような組
合せを実現することができる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、顧
客から得た処方データあるいはオプションデータをコン
ピュータに入力して加工情報に変換し、加工された処方
データに基づいて各製造工程を管理して一貫生産により
製造を行なうライン中においてハードコートを要する仕
様の場合にレンズの凹面側および凸面側のハードコーテ
ィングを一つの仮焼成炉で個別に行なうことにより両面
とも最良の状態にハードコートを施すことができ、その
実施装置も小スペースでの設置が可能となり、ライン全
体に占めるスペースが少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における眼鏡用プラスチックレンズの製
造工程の一例を示すブロック図。
【図2】図1におけるレンズ成形工程の詳細を示す工程
図。
【図3】図2において用いられる作業ラベルの表示デー
タの内容例を示す説明図。
【図4】図2の洗浄工程におけるモールドの周面洗浄の
一手段を示す説明図。
【図5】同、表面洗浄の一手段を示す説明図。
【図6】IPA塗布状態を示す説明図。
【図7】モールドの反転支持状態を示す説明図。
【図8】IPA塗布時とスピン乾燥時との回転数と時間
を示すグラフ。
【図9】(A)〜(F)は図2のモールド組立工程の一
例を示す説明図。
【図10】図9の各工程時における上下のモールドの位
置関係を示す平面図。
【図11】(A)、(B)は上下モールドの乱視軸検出
用指標を示す説明図。
【図12】上モールドに形成される切欠を示す斜視図。
【図13】プラスチック原料の注入ヘッドの一例を示す
正面図。
【図14】モールド組立体に注入ヘッドによりプラスチ
ック原料を注入する状態を示す断面図。
【図15】同、正面からみた内部の状況を示す説明図。
【図16】プラスチック原料注入後、注入口部を封止す
る一手段を示す説明図。
【図17】レンズ成形工程後の工程を示す工程図。
【図18】(A)、(B)は成形されたレンズへのマー
キングの位置関係を示す正面図。
【図19】外周整形後のレンズを示す正面図。
【図20】ハードコーティング工程の詳細を示す工程
図。
【図21】図20におけるスピンハードコーティングの
工程内容の詳細を示すブロック図。
【図22】その装置の一実施例を示す平面図。
【図23】ハードコーティング工程から移行する染色工
程の詳細を示す工程図。
【図24】反射防止膜蒸着工程および包装工程の詳細を
示す工程図。
【図25】図24における蒸着チャンバが5槽の場合の
内容を示すブロック図。
【図26】同、3槽の場合の内容を示すブロック図。
【図27】ドーム上のレンズホルダの反転機構の一例を
示す一部の平面図。
【図28】同、側面図。
【図29】レンズ成形工程で研磨用ブランクを成形した
場合の研磨工程を示す工程図。
【図30】図1の各工程の配置変更例を示す説明図。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ 2 レンズ成形工程 3 ハードコーティング工程 4 染色工程 5 反射防止膜蒸着工程 7,75 作業ラベル 8 トレー 9 上モールド 10 下モールド 11,12 型パレット 15,17 スポンジロール 16 チャック 22 位置決め部 23,24 モールド保持具 25,26 モールド受台 27,28 芯出し具 31 原料注入位置 32 切欠 33 接着テープ 34 モールド組立体 37 注入ヘッド 39 注入ノズル 40 検出センサ 41 押え用治具 48 成形されたレンズ 50 レンズパレット 52 モールドストッカ 56 凸部 60 Dip伝票 63 スピンハードコーティング工程 76 パレット 85 篭 86 ドーム 109 外装袋 117 ワディング包装袋 168 移載ロボット 169 仮焼成炉 170 仮焼成用治具 171 移載ロボット 172 復路搬送装置 178 焼成炉(アニール炉)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−267609(JP,A) 特開 昭60−150001(JP,A) 特開 昭60−171115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02C 7/02 C08J 7/04 G02B 1/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顧客の処方データに基づいて光または熱硬
    化性プラスチック素材によりその処方データに対応する
    レンズを成形し、成形されたレンズにハードコーティン
    グ処理を行なう工程を含む眼鏡用プラスチックレンズの
    製造において、成形されたレンズをその一面の清浄化を
    行なう清浄化工程と、ハードコート液を塗布するハード
    コート液塗布工程と、ハードコート液を仮焼成する仮焼
    成工程とを経由させたのち他面用の清浄化工程へ復帰さ
    せるとともにレンズを反転させてレンズをその他面用の
    清浄化工程、ハードコート液塗布工程、仮焼成工程を経
    由させ、ついで焼成炉を通して本焼成することを特徴と
    する眼鏡用プラスチックレンズの製造におけるハードコ
    ーティング方法。
  2. 【請求項2】顧客の処方データに基づいて光または熱硬
    化性プラスチック素材によりその処方データに対応して
    成形されたレンズの清浄化工程およびハードコート液塗
    布工程を行なうレンズの凹面処理系と凸面処理系との2
    経路を並設し、このハードコート液塗布後仮焼成する仮
    焼成炉で一面が仮焼成されたレンズを他面用の清浄化工
    程へ戻す復路搬送装置と、ハードコート液塗布後のレン
    ズを仮焼成炉へ装入するための仮焼成用治具へ移載する
    移載手段と、一面仮焼成済みのレンズを前記復路搬送装
    置へ移載する移載手段とを具備することを特徴とする眼
    鏡用プラスチックレンズの製造におけるハードコーティ
    ング装置。
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