JP2001221519A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP2001221519A
JP2001221519A JP2000033363A JP2000033363A JP2001221519A JP 2001221519 A JP2001221519 A JP 2001221519A JP 2000033363 A JP2000033363 A JP 2000033363A JP 2000033363 A JP2000033363 A JP 2000033363A JP 2001221519 A JP2001221519 A JP 2001221519A
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JP
Japan
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refrigerant
temperature
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closing
refrigeration
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Application number
JP2000033363A
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English (en)
Inventor
Akitoshi Ueno
明敏 上野
Kenji Tanimoto
憲治 谷本
Takemune Mesaki
丈統 目▲崎▼
Takeo Ueno
武夫 植野
Kazuhide Nomura
和秀 野村
Masaaki Takegami
雅章 竹上
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子膨張弁を用いることなく湿り運転や乾き
運転を防止する。 【解決手段】 冷媒熱交換器(26)を介して互いに接続
された高温側冷媒回路(20)及び低温側冷媒回路(50)を備
える。高温側冷媒回路(20)は、圧縮機構(21)、凝縮器(2
3)、キャピラリーチューブ(24)、レシーバ(25)、冷媒熱
交換器(26)、利用側電磁弁(64a,64b)及び冷蔵用蒸発器
(41a,41b)が順に接続されて構成されている。レシーバ
(25)と冷媒熱交換器(26)との間には、液側電磁弁(SV3)
が設けられている。液側電磁弁(SV3)は、圧縮機構(21)
の吐出冷媒過熱度が所定過熱度になるように開閉制御さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧縮機、凝縮器、電子膨張弁
及び蒸発器が順に接続されて成る冷媒回路を備えた冷凍
装置が知られている。この冷凍装置の冷媒回路では、圧
縮機から吐出された冷媒が凝縮器で凝縮し、電子膨張弁
で減圧し、蒸発器で蒸発した後、圧縮機に戻る冷媒循環
が行われている。
【0003】ところで、冷凍装置の運転状態が、圧縮機
の吸入冷媒に液滴が含まれるいわゆる湿り運転や、ある
いは吸入冷媒の過熱度が大きすぎるいわゆる乾き運転に
なると、圧縮機の性能及び信頼性の低下を招くと共に、
運転効率が低下する。そのため、従来は、電子膨張弁を
制御することにより運転状態を調整していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電子膨張弁は
高価な機器であり、装置のコストアップの要因となって
いる。そのため、電子膨張弁を用いることなく湿り運転
や乾き運転を防止する新たな運転制御を実現し得る装置
が待ち望まれていた。
【0005】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、電子膨張弁を用いる
ことなく湿り運転や過熱運転等を防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、冷媒回路に設けた流路開閉手段の開閉制
御によって、湿り運転や過熱運転等を防止することとし
た。
【0007】具体的には、第1の発明は、圧縮機構(21)
と凝縮器(23)と第1減圧機構(24)と蒸発器(41a,41b)と
が順に閉回路に接続されて成る冷媒回路(20)を備えた冷
凍装置であって、上記第1減圧機構(24)と上記蒸発器(4
1a,41b)との間には、間欠的に開閉される流路開閉手段
(SV3)が設けられていることとしたものである。
【0008】上記第1の発明によれば、流路開閉手段が
間欠的に開閉されることにより、冷媒回路の冷媒の循環
量が調節され、湿り運転及び乾き運転の防止等のための
種々の制御が可能となる。流路開閉手段は電子膨張弁と
異なり、開度調節は不要であるので、電子膨張弁に比べ
て安価である。そのため、装置の低コスト化が促進され
る。
【0009】第2の発明は、前記第1の発明において、
流路開閉手段(SV3)と蒸発器(41a、41b)との間に設けられ
たカスケード熱交換器(26)と、上記カスケード熱交換器
(26)と上記蒸発器(41a,41b)との間に設けられた第2減
圧機構(64a、64b)と、上記カスケード熱交換器(26)を介
して前記冷媒回路(20)に接続された低温側冷媒回路(50)
とを備え、上記冷媒回路(20)と上記低温側冷媒回路(50)
とにより2元冷凍サイクルを形成することとしたもので
ある。
【0010】2元冷凍サイクルを形成するいわゆる2元
式の冷凍装置においては、冷凍負荷が大きく変動する場
合が多く、湿り運転や乾き運転を起こしやすい傾向が見
られる。しかし、上記第2の発明によれば、流路開閉手
段は間欠的に開閉され、その際、開状態の時間と閉状態
の時間とを調節することにより、冷媒循環量は迅速に調
節される。そのため、負荷変動に対応した運転が可能と
なり、湿り運転や乾き運転は効果的に防止される。
【0011】第3の発明は、前記第1または第2のいず
れか一の発明において、蒸発器は、互いに並列に設けら
れた複数の蒸発器(41a,41b)によって構成されているこ
ととしたものである。
【0012】蒸発器が複数設けられていると、各蒸発器
の冷凍負荷の変動により、湿り運転や乾き運転を招きや
すくなる。しかし、上記第3の発明によれば、流路開閉
手段の開状態の時間と閉状態の時間とが調節されること
により、冷媒循環量が迅速に調節され、負荷変動に対応
した運転が実現される。
【0013】第4の発明は、前記第1〜第3のいずれか
一の発明において、第1減圧機構(24)と流路開閉手段(S
V3)との間に設けられた受液器(25)と、上記受液器(25)
内のガス冷媒を圧縮機構(21)の吸入側に導くための第1
バイパス通路(34)と、上記第1バイパス通路(34)に設け
られ、間欠的に開閉され且つ上記流路開閉手段(SV3)が
閉鎖されているときには常に開放される第1バイパス通
路開閉手段(SV2)とを備えていることとしたものであ
る。
【0014】上記第4の発明によれば、凝縮器で凝縮し
た冷媒は、第1減圧機構で減圧され、気液二相冷媒とな
って受液器に流入する。ここで、第1バイパス通路開閉
手段は間欠的に開閉されるので、受液器内のガス冷媒は
第1バイパス通路を通じて圧縮機構の吸入側に吸引され
る。これにより、受液器の内部は減圧され、液冷媒の一
部は自然蒸発する。受液器内のガス冷媒は第1バイパス
通路を通じて圧縮機構に吸い込まれるので、受液器から
蒸発器側に向かう冷媒は飽和状態の液冷媒のみとなる。
そのため、蒸発器またはカスケード熱交換器におけるエ
ンタルピ差が大きく確保される。また、冷媒は受液器か
ら液状態で供給されるので、蒸発器が複数設けられてい
る場合であっても、冷媒は均等に分配されやすくなる。
つまり、蒸発器間の偏流が防止される。なお、流路開閉
手段が閉鎖されているときには第1バイパス通路開閉手
段は常に開放されるので、両開閉手段が同時に閉鎖され
ることはない。
【0015】第5の発明は、前記第1〜第4のいずれか
一の発明において、圧縮機構(21)の吐出冷媒の過熱度を
検出する過熱度検出手段(63,65)と、上記吐出冷媒の過
熱度が所定過熱度になるように流路開閉手段(SV3)を開
閉制御する制御手段(70)とを備えていることとしたもの
である。なお、ここでいう所定過熱度は、ある一定値の
過熱度であってもよく、ある一定範囲の過熱度であって
もよい。
【0016】上記第5の発明によれば、過熱度検出手段
によって吐出冷媒の過熱度が検出され、当該過熱度が所
定過熱度(湿り運転や過熱運転ではない通常運転時の適
正な過熱度)よりも小さいときには流路開閉手段を閉鎖
気味にし、当該過熱度が所定過熱度よりも大きいときに
は流路開閉手段を開放気味にする等により、当該過熱度
が所定過熱度になるように流路開閉手段は開閉制御され
る。その結果、湿り運転や過熱運転は防止される。
【0017】第6の発明は、前記第1〜第4のいずれか
一の発明において、圧縮機構(21)の吐出冷媒温度を検出
する温度検出手段(63)と、上記吐出冷媒温度が所定温度
になるように流路開閉手段(SV3)を開閉制御する制御手
段(70)とを備えていることとしたものである。なお、こ
こでいう所定温度は、ある一定値の温度であってもよ
く、ある一定範囲の温度であってもよい。
【0018】上記第6の発明によれば、温度検出手段に
よって吐出冷媒温度が検出され、吐出冷媒温度が所定温
度(湿り運転や過熱運転ではない通常運転時の適正な吐
出冷媒温度)よりも小さいときには流路開閉手段を閉鎖
気味にし、吐出冷媒温度が所定温度よりも大きいときに
は流路開閉手段を開放気味にする等により、吐出冷媒温
度が所定温度になるように流路開閉手段は開閉制御され
る。その結果、湿り運転や過熱運転は防止される。
【0019】第7の発明は、前記第2〜第4のいずれか
一の発明において、カスケード熱交換器(26)から流出し
た冷媒を圧縮機構(21)の吸入側にバイパスする第2バイ
パス通路(35)と、上記第2バイパス通路(35)に設けられ
た第2バイパス通路開閉手段(SV5)とを備えていること
としたものである。
【0020】上記第7の発明によれば、第2バイパス通
路開閉手段の開閉により、蒸発器をバイパスする冷媒の
量が調節され、カスケード熱交換器及び蒸発器の能力調
整が可能となる。そのため、負荷変動に対応した運転が
可能となり、湿り運転や乾き運転は防止される。
【0021】第8の発明は、前記第7の発明において、
圧縮機構(21)の吐出冷媒の過熱度を検出する過熱度検出
手段(63,65)と、上記吐出冷媒の過熱度が所定過熱度に
なるように第2バイパス通路開閉手段(SV5)を開閉制御
する制御手段(70)とを備えていることとしたものであ
る。なお、ここでいう所定過熱度は、ある一定値の過熱
度であってもよく、ある一定範囲の過熱度であってもよ
い。
【0022】上記第8の発明によれば、過熱度検出手段
によって吐出冷媒の過熱度が検出され、当該過熱度が所
定過熱度(湿り運転や過熱運転ではない通常運転時の適
正な過熱度)よりも小さいときには第2バイパス通路開
閉手段を閉鎖気味にし、当該過熱度が所定過熱度よりも
大きいときには第2バイパス通路開閉手段を開放気味に
する等により、当該過熱度が所定過熱度になるように第
2バイパス通路開閉手段は開閉制御される。その結果、
湿り運転や過熱運転は防止される。
【0023】第9の発明は、前記第7の発明において、
圧縮機構(21)の吐出冷媒温度を検出する温度検出手段(6
3)と、上記吐出冷媒温度が所定温度になるように第2バ
イパス通路開閉手段(SV5)を開閉制御する制御手段(70)
とを備えていることとしたものである。なお、ここでい
う所定温度は、ある一定値の温度であってもよく、ある
一定範囲の温度であってもよい。
【0024】上記第9の発明によれば、温度検出手段に
よって吐出冷媒温度が検出され、吐出冷媒温度が所定温
度(湿り運転や過熱運転ではない通常運転時の適正な吐
出冷媒温度)よりも小さいときには第2バイパス通路開
閉手段を閉鎖気味にし、吐出冷媒温度が所定温度よりも
大きいときには第2バイパス通路開閉手段を開放気味に
する等により、吐出冷媒温度が所定温度になるように第
2バイパス通路開閉手段は開閉制御される。その結果、
湿り運転や過熱運転は防止される。
【0025】第10の発明は、前記第7の発明におい
て、圧縮機構(21)の吐出冷媒の過熱度を検出する過熱度
検出手段(63,65)と、上記吐出冷媒の過熱度が所定過熱
度になるように流路開閉手段(SV3)及び第2バイパス通
路開閉手段(SV5)を開閉制御する制御手段(70)とを備え
ていることとしたものである。なお、ここでいう所定過
熱度は、ある一定値の過熱度であってもよく、ある一定
範囲の過熱度であってもよい。
【0026】上記第10の発明によれば、過熱度検出手
段によって吐出冷媒の過熱度が検出され、当該過熱度が
所定過熱度(湿り運転や過熱運転ではない通常運転時の
適正な過熱度)よりも小さいときには流路開閉手段及び
第2バイパス通路開閉手段を閉鎖気味にし、当該過熱度
が所定過熱度よりも大きいときには流路開閉手段及び第
2バイパス通路開閉手段を開放気味にする等により、当
該過熱度が所定過熱度になるように流路開閉手段及び第
2バイパス通路開閉手段は開閉制御される。その結果、
湿り運転や過熱運転は防止される。
【0027】第11の発明は、前記第7の発明におい
て、圧縮機構(21)の吐出冷媒温度を検出する温度検出手
段(63)と、上記吐出冷媒温度が所定温度になるように流
路開閉手段(SV3)及び第2バイパス通路開閉手段(SV5)を
開閉制御する制御手段(70)とを備えていることとしたも
のである。なお、ここでいう所定温度は、ある一定値の
温度であってもよく、ある一定範囲の温度であってもよ
い。
【0028】上記第11の発明によれば、温度検出手段
によって吐出冷媒温度が検出され、吐出冷媒温度が所定
温度(湿り運転や過熱運転ではない通常運転時の適正な
吐出冷媒温度)よりも小さいときには流路開閉手段及び
第2バイパス通路開閉手段を閉鎖気味にし、吐出冷媒温
度が所定温度よりも大きいときには流路開閉手段及び第
2バイパス通路開閉手段を開放気味にする等により、吐
出冷媒温度が所定温度になるように流路開閉手段及び第
2バイパス通路開閉手段は開閉制御される。その結果、
湿り運転や過熱運転は防止される。
【0029】
【発明の効果】第1〜3の各発明によれば、流路開閉手
段を間欠的に開閉することにより冷媒循環量を調節する
ことができ、湿り運転及び乾き運転等を防止することが
できる。流路開閉手段は電子膨張弁よりも安価であるの
で、装置の低コスト化を図ることができる。
【0030】第4の発明によれば、受液器から蒸発器側
に飽和液冷媒のみを供給することができるので、蒸発器
またはカスケード熱交換器における冷却能力を増大する
ことができ、また、複数の蒸発器間における冷媒の偏流
を抑制することができる。
【0031】第5、第8及び第10の各発明によれば、
吐出冷媒過熱度を所定過熱度に調節することができるの
で、湿り運転や過熱運転を防止することができる。
【0032】第6、第9及び第11の各発明によれば、
吐出冷媒温度を所定温度に調節することができるので、
湿り運転や過熱運転を防止することができる。
【0033】第7の発明によれば、第2バイパス通路開
閉手段の開閉により蒸発器をバイパスする冷媒のバイパ
ス量を調節することによって、カスケード熱交換器及び
蒸発器の能力調整を行うことができる。そのため、負荷
変動に対応した運転が可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0035】−冷凍装置の構成− 図1及び図2に示すように、冷凍装置(10)は、コンビ
ニエンスストアに設置されて冷凍庫と冷蔵庫を同時に冷
却するためのものである。この冷凍装置(10)は、1つ
の室外ユニット(11)と、1つのカスケードユニット
(12)と、2つの冷蔵ユニット(13a,13b)と、1つの
冷凍ユニット(14)とを備えている。
【0036】室外ユニット(11)には、高温側の液側連
絡管(31)及びガス側連絡管(32)を介して、2つの冷
蔵ユニット(13a,13b)が接続されている。各冷蔵ユニ
ット(13a,13b)は、室外ユニット(11)に対して互い
に並列に接続されている。カスケードユニット(12)
は、液側連絡管(31)の途中に設けられている。このカ
スケードユニット(12)には、低温側の液側連絡管(5
4)及びガス側連絡管(55)を介して、冷凍ユニット(1
4)が接続されている。
【0037】そして、室外ユニット(11)、カスケード
ユニット(12)の一部、2つの冷蔵ユニット、液側連絡
管(31)及びガス側連絡管(32)によって高温側冷媒回
路(20)が構成されている。一方、カスケードユニット
(12)、冷凍ユニット(14)、液側連絡管(54)及びガ
ス側連絡管(55)によって低温側冷媒回路(50)が構成
されている。
【0038】上記高温側冷媒回路(20)には、圧縮機構
(21)と、凝縮器(23)と、第1減圧機構としてのキャ
ピラリチューブ(24)と、レシーバ(受液器)(25)
と、カスケードコンデンサとしての冷媒熱交換器(26)
と、2つの冷蔵用蒸発器(41a,41b)とが接続されてい
る。このうち、圧縮機構(21)と、凝縮器(23)と、キ
ャピラリチューブ(24)と、レシーバ(25)とは、室外
ユニット(11)に設けられている。また、冷媒熱交換器
(26)は、カスケードユニット(12)に設けられてい
る。また、冷蔵用蒸発器(41a,41b)は、それぞれ冷蔵
ユニット(13a,13b)に設けられている。なお、第1減
圧機構はキャピラリーチューブ(24)により構成されてい
るので、電子膨張弁と異なり、それ自体では絞りの程度
や冷媒循環量を調整できないものである。
【0039】上記高温側冷媒回路(20)の圧縮機構(2
1)は、5馬力の容量を有する第1圧縮機(22a)と4馬力
の容量を有する第2圧縮機(22b)とを並列に接続して構
成されている。各圧縮機(22a,22b)の吐出側には、そ
れぞれ逆止弁(CV)が設けられている。また、各圧縮機
(22a,22b)の吐出側は、凝縮器(23)の入口端に接続
されている。各圧縮機(22a,22b)の吸入側は、ガス側
連絡管(32)に接続されている。そして、この圧縮機構
(21)は、圧縮機(22a,22b)の運転台数を変更するこ
とによって容量可変に構成されている。圧縮機構(21)
の吐出側配管には、吐出冷媒温度を検出するための温度
センサ(63)と、吐出冷媒圧力を検出するための圧力セン
サ(65)とが設けられている。なお、後述するコントロー
ラ(70)は、これら温度センサ(63)及び圧力センサ(65)の
検出する吐出冷媒温度及び吐出冷媒圧力により、吐出冷
媒の過熱度を検出するように構成されている。
【0040】上記凝縮器(23)は、室外空気との熱交換
により冷媒を凝縮させるものである。室外ユニット(1
1)には室外ファン(15)が設けられ、この室外ファン
(15)によって凝縮器(23)へ室外空気が送られる。こ
の凝縮器(23)の出口端は、キャピラリチューブ(24)
を介してレシーバ(25)に接続されている。凝縮器(23)
の出口端寄りの伝熱管には、凝縮温度を検出するための
温度センサ(67)が取り付けられている。また、凝縮器(2
3)の出口配管には、凝縮器出口冷媒温度を検出するため
の温度センサ(69)が取り付けられている。
【0041】レシーバ(25)は、縦長の円筒容器状に形
成されている。レシーバ(25)の下端部は、冷媒配管
(33)を介して液側連絡管(31)に接続されている。こ
の冷媒配管(33)には、レシーバ(25)の出口冷媒の温度
を検出する温度センサ(62)と、サイトグラス(61)と、流
路開閉手段としての液側電磁弁(SV3)とが設けられて
いる。
【0042】レシーバ(25)の上端部は、第1バイパス
通路としての減圧配管(34)を介して、圧縮機構(21)
の吸入側に接続されている。この減圧配管(34)には、
第1バイパス通路開閉手段としてガス側電磁弁(SV2)
が設けられている。このレシーバ(25)は、ガス側電磁
弁(SV2)を間欠的に開くことにより減圧され、内部の
液冷媒を自己蒸発により冷却するように構成されてい
る。すなわち、減圧配管(34)のガス側電磁弁(SV2)が開
放状態と閉鎖状態とを繰り返すことにより、圧縮機構
(21)の吸入側の低圧圧力がレシーバ(25)に導かれ、当
該低圧圧力によってレシーバ(25)は減圧される。その結
果、レシーバ(25)内の液冷媒の一部は自然蒸発する。
【0043】上記冷媒熱交換器(26)は、一端が室外ユ
ニット(11)側の液側連絡管(31)に接続され、他端が
冷蔵ユニット(13a,13b)側の液側連絡管(31)に接続
されている。また、冷媒熱交換器(26)には、低温側冷
媒回路(50)が接続されている。そして、この冷媒熱交
換器(26)は、いわゆる二元冷凍システムにおけるカス
ケードコンデンサ(カスケード熱交換器)を構成してい
る。
【0044】上記高温側冷媒回路(20)には、第2バイ
パス通路としてバイパス配管(35)が設けられている。
このバイパス配管(35)は、2つの冷蔵ユニット(13a,
13b)をバイパスするように接続されている。具体的
に、バイパス配管(35)は、一端が高温側冷媒回路(2
0)における冷媒熱交換器(26)の直後に接続され、他
端がガス側連絡管(32)に接続されている。また、バイ
パス配管(35)には、第2バイパス通路開閉手段として
バイパス電磁弁(SV5)が設けられている。なお、冷蔵
ユニット(13a,13b)の両方がサーモオフとなった場合
には、バイパス電磁弁(SV5)は開放され、冷媒熱交換
器(26)における冷媒の流通を確保する。
【0045】上記高温側冷媒回路(20)のうち冷蔵ユニ
ット(13a,13b)に設けられた部分は、利用側回路(40
a,40b)を構成している。各利用側回路(40a,40b)は、
一端側で液側連絡管(31)に接続され、他端側でガス側
連絡管(32)に接続されている。また、各利用側回路
(40a,40b)には、利用側熱交換器である冷蔵用蒸発器
(41a,41b)と共に、第2減圧機構としての利用側電磁
弁(64a,64b)が設けられている。この利用側電磁弁(6
4a,64b)は、各利用側回路(40a,40b)における冷蔵用
蒸発器(41a,41b)の一端側に設けられている。即ち、
各利用側回路(40a,40b)では、一端から他端に向かっ
て順に、利用側電磁弁(64a,64b)と冷蔵用蒸発器(41
a,41b)とが配置されている。この利用側電磁弁(64a,64
b)は、開閉動作を繰り返すことにより冷媒を減圧するも
のである。
【0046】上記冷蔵用蒸発器(41a,41b)は、冷蔵庫
の庫内空気との熱交換により冷媒を蒸発させるものであ
る。各冷蔵ユニット(13a,13b)にそれぞれ冷蔵庫内フ
ァン(16a,16b)が設けられ、この冷蔵庫内ファン(16
a,16b)によって冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ冷蔵庫内の
庫内空気が送られる。
【0047】また、各冷蔵ユニット(13a,13b)には、
第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)、第2温度センサ(Th-
B1,Th-B2)、吸込風温センサ(Th-C1,Th-C2)及び吹出
風温センサ(Th-D1,Th-D2)がそれぞれ設けられてい
る。第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)は、冷蔵用蒸発器
(41a,41b)の伝熱管に対し、該伝熱管の入口端寄りに
位置して取り付けられている。この第1温度センサ(Th
-A1,Th-A2)は、冷蔵用蒸発器(41a,41b)における冷媒
蒸発温度を検出するためのものである。第2温度センサ
(Th-B1,Th-B2)は、利用側回路(40a,40b)における冷
蔵用蒸発器(41a,41b)の下流側に取り付けられてい
る。吸込風温センサ(Th-C1,Th-C2)は、庫内空気の通
路に設けられて、冷蔵用蒸発器(41a,41b)に供給され
る庫内空気の温度を検出する。吹出風温センサ(Th-D1,
Th-D2)は、庫内空気の通路に設けられて、冷蔵用蒸発
器(41a,41b)を通過した後の庫内空気の温度を検出す
る。尚、上記各センサとしては、サーミスタが用いられ
ている。
【0048】上記低温側冷媒回路(50)は、圧縮機(5
1)と、冷媒熱交換器(26)と、膨張弁(52)と、冷凍
用蒸発器(53)とが接続されている。このうち、圧縮機
(51)と、冷媒熱交換器(26)と、膨張弁(52)とは、
カスケードユニット(12)に設けられている。また、冷
凍用蒸発器(53)は、冷凍ユニット(14)に設けられて
いる。
【0049】上記低温側冷媒回路(50)では、圧縮機
(51)の吐出側が冷媒熱交換器(26)の一端に接続され
ている。冷媒熱交換器(26)の他端は、膨張弁(52)に
接続されている。膨張弁(52)は、液側連絡管(54)を
介して冷凍用蒸発器(53)の入口端に接続されている。
冷凍用蒸発器(53)の出口端は、ガス側連絡管(55)を
介して圧縮機(51)の吸入側に接続されている。
【0050】上記冷凍用蒸発器(53)は、冷凍庫庫内空
気との熱交換により冷媒を蒸発させるものである。冷凍
ユニット(14)には冷凍庫内ファン(17)が設けられ、
この冷凍庫内ファン(17)によって冷凍用蒸発器(53)
へ冷凍庫内の庫内空気が送られる。
【0051】上記冷凍装置(10)には、後述する電磁弁
(SV2,SV3,SV5)の各制御を実行する制御手段として、コ
ントローラ(70)が設けられている。また、このコント
ローラ(70)は、各冷蔵ユニット(13a,13b)に設けら
れた第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)(Th-A1,Th-A2)及
び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度に基づい
て制御動作を行い、各利用側回路(40a,40b)の利用側
電磁弁(64a,64b)を開閉操作する制御器をも構成して
いる。そして、このコントローラ(70)と、各利用側回
路(40a,40b)の利用側電磁弁(64a,64b)とにより、高
温側冷媒回路(20)における冷媒の膨張手段が構成され
ている。
【0052】上記コントローラ(70)は、図3に示すよ
うに、判定部(71)、時間決定部(72)、圧力損失検出
部(73)、誤差検出部(74)、異常検出部(75)、ガス
側電磁弁制御部(76)、液側電磁弁制御部(77)、及びバイ
パス電磁弁制御部(78)を備えている。判定部(71)は、
冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口における冷媒が乾き状
態であるか湿り状態であるかの判定を行うように構成さ
れている。時間決定部(72)は、第1温度センサ(Th-A
1,Th-A2)及び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温
度に基づいて、利用側電磁弁(64a,64b)を開放状態に
保持する開放時間と、閉鎖状態に保持する閉鎖時間とを
決定するように構成されている。圧力損失検出部(73)
は、冷蔵用蒸発器(41a,41b)での圧力損失に伴う冷媒
飽和温度の低下度を検出し、検出値を判定部(71)へ出
力するように構成されている。誤差検出部(74)は、第
1温度センサ(Th-A1,Th-A2)と第2温度センサ(Th-B
1,Th-B2)との誤差を温度誤差として検出するように構
成されている。異常検出部(75)は、第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)が異
常か否かを検出するように構成されている。ガス側電磁
弁制御部(76)は、後述するガス側電磁弁(SV2)の開閉
制御を実行するように構成されている。液側電磁弁制御
部(77)は、後述する液側電磁弁(SV3)の開閉制御を実
行するように構成されている。バイパス電磁弁制御部(7
8)は、後述するバイパス電磁弁(SV5)の開閉制御を実
行するように構成されている。
【0053】−冷媒回路の冷凍サイクル動作− 上記冷凍装置(10)の運転動作について説明する。まず
始めに、冷蔵ユニット(13a,13b)及びカスケードユニ
ット(12)の双方を運転させる冷凍冷蔵運転の動作につ
いて説明し、その後に、冷蔵ユニット(13a,13b)の運
転を停止してカスケードユニット(12)を運転させる冷凍
運転の動作について説明する。
【0054】−冷凍冷蔵運転− 先ず、高温側冷媒回路(20)における動作について、図
1及び図4を参照しながら説明する。図4は、高温側冷
媒回路(20)における冷凍サイクルを、モリエル線図
(圧力−エンタルピ線図)上に表したものである。尚、
図4及び図1に付したA〜Jの符号は、それぞれ対応し
ている。
【0055】圧縮機構(21)の圧縮機(22a,22b)に
は、点Aの状態の冷媒が吸入される。点Aの冷媒は、圧
縮機(22a,22b)により圧縮され、点Bの状態となって
吐出される。点Bの冷媒は、凝縮器(23)へ送られる。
凝縮器(23)では、冷媒が室外空気との熱交換により放
熱し、凝縮して点Cの状態となる。
【0056】点Cの状態の冷媒は、キャピラリチューブ
(24)で減圧された後にレシーバ(25)へ流入する。こ
こで、ガス側電磁弁(SV2)が間欠的に開閉され、レシ
ーバ(25)は圧縮機構(21)の吸入側と間欠的に連通さ
れる。そして、キャピラリーチューブ(24)における減圧
と、ガス側電磁弁(SV2)の開閉動作とによって、点C
の冷媒は減圧されて点Dの状態となる。レシーバ(25)
では、点Dの冷媒が、点Eの状態の液冷媒と、点Iの状
態のガス冷媒とに分離される。
【0057】点Eの状態の冷媒は、冷媒熱交換器(26)
へ送られる。冷媒熱交換器(26)では、高温側冷媒回路
(20)の冷媒と低温側冷媒回路(50)の冷媒との熱交換
が行われる。この熱交換によって点Eの冷媒が吸熱し、
点Fの状態となる。
【0058】点Fの状態の冷媒は、各冷蔵ユニット(13
a,13b)の利用側回路(40a,40b)に分配される。各利用
側回路(40a,40b)では、点Fの冷媒が利用側電磁弁(6
4a,64b)を通過して冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ送られ
る。その際、各利用側電磁弁(64a,64b)は、コントロ
ーラ(70)の制御動作によって開閉操作されている。従
って、冷蔵用蒸発器(41a,41b)に対して、間欠的に冷
媒が供給される。そして、利用側電磁弁(64a,64b)を
開閉操作することによって点Fの冷媒が減圧され、点G
の状態となる。尚、利用側電磁弁(64a,64b)に小口径
のものを採用し、利用側電磁弁(64a,64b)の通過時に
おいてもある程度の冷媒の減圧作用を得るようにしても
よい。
【0059】点Gの状態の冷媒は、冷蔵用蒸発器(41a,
41b)へ送られる。冷蔵用蒸発器(41a,41b)では、冷媒
が冷蔵庫の庫内空気から吸熱して蒸発し、点Hの状態と
なる。点Hの状態において、冷媒は飽和蒸気となってい
る。そして、点Hの状態の冷媒が、圧縮機構(21)の吸
入側へ送られる。
【0060】一方、レシーバ(25)で分離された点Iの
状態のガス冷媒は、ガス側電磁弁(SV2)の開閉操作に
よって減圧され、点Jの状態となる。そして、点Jの状
態の冷媒が、圧縮機構(21)の吸入側へ送られる。ここ
で、圧縮機構(21)には、点Hの冷媒と点Jの冷媒とが
送り込まれることとなる。従って、圧縮機構(21)は、
点Hの冷媒と点Jの冷媒とを混合してなる点Aの状態の
冷媒を吸入する。高温側冷媒回路(20)では、以上のサ
イクルを繰り返して冷凍サイクル動作を行う。
【0061】次に、低温側冷媒回路(50)における動作
について説明する。
【0062】低温側冷媒回路(50)の圧縮機(51)から
吐出された冷媒は、冷媒熱交換器(26)へ送られる。上
述のように、冷媒熱交換器(26)はカスケードコンデン
サを構成している。そして、冷媒熱交換器(26)では、
低温側冷媒回路(50)の冷媒は高温側冷媒回路(20)の
冷媒と熱交換を行い、放熱して凝縮する。凝縮した冷媒
は、膨張弁(52)で減圧された後に、冷凍用蒸発器(5
3)へ送られる。冷凍用蒸発器(53)では、冷媒が冷凍
庫の庫内空気と熱交換して蒸発する。蒸発した冷媒は、
圧縮機(51)に吸入され、再び圧縮されてこのサイクル
を繰り返す。
【0063】−冷凍運転− 冷凍運転の際には、冷蔵ユニット(13a,13b)の利用側
電磁弁(64a,64b)は閉鎖され、バイパス配管(35)の
バイパス電磁弁(SV5)は開放される。そして、上記冷
凍冷蔵運転と同様に、圧縮機構(21)から吐出された冷
媒は凝縮器(23)で凝縮し、キャピラリーチューブ(2
4)で減圧され、レシーバ(25)には中間圧の気液二相
冷媒が貯留される。レシーバ(25)は、減圧配管(34)
のガス側電磁弁(SV2)の開閉制御により減圧される。
レシーバ(25)の下端部から流出した液冷媒は、冷媒熱
交換器(26)を介して低温側冷媒回路(50)の冷媒と熱
交換を行い、蒸発する。蒸発した冷媒は、冷蔵ユニット
(13a,13b)を経由することなく、バイパス配管(35)
を通じて圧縮機構(21)の吸入側に吸入される。
【0064】−ガス側電磁弁(SV2)の開閉制御− 次に、図5のフローチャートを参照しながら、ガス側電
磁弁(SV2)の開閉制御について説明する。
【0065】まず、ステップST1において、圧縮機構
(21)が運転中か否か、つまり2台の圧縮機(22a,22b)
の少なくとも一方が運転しているか否かを判定し、YE
Sの場合はステップST2に進み、NOの場合はステッ
プST3に進んでガス側電磁弁(SV2)を閉鎖する。
【0066】ステップST2においては、温度センサ
(62)の検出温度、すなわちレシーバ(25)の出口液冷
媒温度が第1所定温度(例えば15℃)以下か否かを判
定する。判定結果がYESの場合には、湿り運転を防止
するために(また、レシーバ(25)内における冷媒と冷
凍機油との分離を防止するために)、ステップST4以
降の処理に進む。一方、NOの場合には、過熱運転を防
止するために、ステップST7以降の処理に進む。
【0067】ステップST4においては、液側電磁弁
(SV3)が開放されているか否かを判定し、YESの場
合には、圧縮機構(21)の吐出冷媒及び吸入冷媒の過熱
度を増加させるように、ステップST5に進んでガス側
電磁弁(SV2)を閉鎖する。一方、NOの場合には、液
側電磁弁(SV3)とガス側電磁弁(SV2)の双方を閉鎖す
ることによる高圧圧力の過上昇等を防止するために、ス
テップST6に進んでガス側電磁弁(SV2)を開放させ
る。つまり、ガス側電磁弁(SV2)の閉鎖指令と液側電
磁弁(SV3)の閉鎖指令とが競合したときは、液側電磁
弁(SV3)の閉鎖指令の方を優先する。
【0068】ステップST7においては、レシーバ(2
5)の出口液冷媒温度が上記第1所定温度よりも高い第
2所定温度(例えば18℃)以上か否かを判定し、YE
Sの場合には、圧縮機構(21)の吐出冷媒及び吸入冷媒
の過熱度を減少させるように、ステップST8に進んで
ガス側電磁弁(SV2)を開放する。ここで、第2所定温
度を第1所定温度よりも高い温度に設定した理由は、こ
れら第1及び第2所定温度に温度差(ディファレンシャ
ル)を設けることにより、開閉動作の過度の繰り返し
(ハンチング)を防止するためである。ただし、ハンチ
ングの影響が少ない場合には、第1所定温度と第2所定
温度とを等しい温度に設定してもよい。一方、上記ステ
ップST7の判定結果がNOの場合には、運転状態は適
正であるので、ガス側電磁弁(SV2)の現在の開閉状態
(開状態または閉状態)を維持する。
【0069】なお、上記開閉制御は、所定周期毎に繰り
返される。
【0070】−液側電磁弁(SV3)の開閉制御− 次に、図6及び図7のフローチャートを参照しながら、
液側電磁弁(SV3)の制御について説明する。まず、図
6を参照しながら、液側電磁弁(SV3)の制御の全体フ
ローについて説明する。始めに、ステップST11にお
いて、圧縮機構(21)が運転中か否かを判定し、NOの
場合には、ステップST14に進んで液側電磁弁(SV
3)を閉鎖する。一方、YSEの場合には、ステップS
T12に進み、運転モードが冷凍運転か否かを判定す
る。その結果、YESの場合には、ステップST20に
進み、後述するSV3開閉制御を実行する。一方、上記
判定結果がNOの場合には、液側電磁弁(SV3)を開放
する。
【0071】ここで、図7を参照しながら、上記ステッ
プST20におけるSV3開閉制御の具体的内容を説明
する。本制御は、圧縮機構(21)の吐出冷媒の過熱度を
所定範囲内の値に維持する制御である。具体的には、ま
ず、ステップST21において、圧縮機構(21)の吐出
冷媒過熱度が第1所定過熱度(例えば25℃)以上か否
かを判定する。その結果、YESの場合にはステップS
T22に進み、NOの場合には、吐出冷媒過熱度を増加
させて湿り運転を回避するように、ステップST24に
進んで液側電磁弁(SV3)を閉鎖する。ステップST2
2では、吐出冷媒過熱度が上記第1所定過熱度よりも大
きな第2所定過熱度(例えば30℃)以上か否かを判定
する。その結果、YESの場合には、吐出冷媒過熱度を
減少させて過熱運転を回避するように、ステップST2
3に進んで液側電磁弁(SV3)を開放する。ステップS
T22の判定結果がNOの場合には、吐出冷媒過熱度は
適正範囲内にあるので、液側電磁弁(SV3)の現在の開
閉状態(開状態または閉状態)を維持する。なお、この
開閉制御は所定周期毎に繰り返される。
【0072】−バイパス電磁弁(SV5)の開閉制御− 次に、図8及び図9を参照しながら、バイパス電磁弁
(SV5)の開閉制御について説明する。まずステップS
T31において、運転モードが冷凍冷蔵運転か否かを判
定し、YESの場合はステップST32に進む一方、N
Oの場合(冷凍運転の場合)には、ステップST33に
進んでバイパス電磁弁(SV5)を開放する。
【0073】ステップST32では、圧縮機(22a,22
b)の運転台数が1台か否かを判定し、YESの場合は
ステップST34に進み、NOの場合はステップST3
6に進む。ステップST34及びST36では、それぞ
れ圧縮機の駆動台数毎に定められた制御開始条件を満た
すか否かが判定される。すなわち、運転開始直後からバ
イパス電磁弁(SV5)の開閉制御を実行したとすると、
能力が不十分な状態で冷媒の一部をバイパスさせること
になり、迅速な立ち上がりが困難となる。そこで、本実
施形態では、能力が安定するまではバイパス電磁弁(SV
5)の開閉制御を実行しないようにしている。具体的に
は、ステップST34においては、冷凍冷蔵運転の開始
後に圧縮機(22a)の吐出冷媒温度Tdが120℃以上に
まで上昇し、更に低圧圧力Lpが3kg/cm2以上且つ4kg
/cm2以下の条件に該当するか否かを判定する。一方、ス
テップST36においては、冷凍冷蔵運転の開始後に圧
縮機(22a,22b)の吐出冷媒温度Tdが120℃以上に
まで上昇し、更に低圧圧力Lpが4kg/cm2よりも大きい
か否かを判定する。これらステップST34またはST
36の判定結果がYESの場合にはステップST35に
進み、後述のSV5開閉制御を実行する。一方、ステッ
プST34またはST36の判定結果がNOの場合に
は、ステップST37に進み、能力の上昇を優先するた
めにバイパス電磁弁(SV5)を閉鎖しておく。つまり、
ステップST35のSV5開閉制御は、冷却能力が足り
ている場合にのみ行われる。
【0074】次に、図9を参照しながら、SV5開閉制
御について説明する。まず、ステップST41におい
て、吐出冷媒温度Tdが120℃以上か否かを判定し、
YESの場合はステップST42に進み、吐出冷媒温度
を低下させて過熱運転を防止すべく、バイパス電磁弁
(SV5)を開放する。一方、判定結果がNOの場合に
は、ステップST43に進み、吐出冷媒温度Tdが10
0℃以下か否かを判定する。ステップST43の判定の
結果、YESの場合には、吐出冷媒温度を上昇させて湿
り運転を防止すべく、ステップST44に進んでバイパ
ス電磁弁(SV5)を閉鎖する。一方、判定結果がNOの
場合には、吐出冷媒温度は適正範囲にあるので、バイパ
ス電磁弁(SV5)の現在の開閉状態(開状態または閉状
態)を維持する。
【0075】−利用側電磁弁(64a,64b)の開閉制御− また、上記コントローラ(70)は、冷凍冷蔵運転の際に
所定の制御動作を行い、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出
口で冷媒が飽和蒸気となるように、各利用側回路(40a,
40b)の利用側電磁弁(64a,64b)を開閉操作する。その
際、コントローラ(70)の制御動作は、各利用側回路
(40a,40b)の運転状態に応じて、各利用側電磁弁(64
a,64b)に対して個別に行われる。
【0076】ここで、冷媒の飽和状態においては飽和蒸
気と飽和液とが共存し得る。このため、従来のような蒸
発器へ連続して冷媒を供給するものにおいては、冷媒の
温度や圧力を測定したとしても、湿り飽和蒸気の湿り
度、即ち湿り飽和蒸気における飽和蒸気と飽和液の混合
割合を知ることはできない。
【0077】これに対し、本実施形態に係る高温側冷媒
回路(20)では、利用側電磁弁(64a,64b)を開閉する
ことによって冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ間欠的に冷媒
を供給している。従って、本実施形態においては、第1
温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第2温度センサ(Th-B
1,Th-B2)の検出温度に基づいて湿り飽和蒸気の湿り度
を知ることが可能である。以下、この点について、図1
0を参照しながら説明する。
【0078】図10において、TAは第1温度センサ(T
h-A1,Th-A2)の検出温度を、TBは第2温度センサ(Th-
B1,Th-B2)の検出温度を、TCは吸込風温センサ(Th-C
1,Th-C2)の検出温度を、TDは吹出風温センサ(Th-D1,
Th-D2)の検出温度をそれぞれ表している。そして、図
10は、時刻Z1において利用側電磁弁(64a,64b)を閉
じた場合における、上記各検出温度TA〜TDの経時変化
を示している。
【0079】利用側電磁弁(64a,64b)を開いた状態で
は、冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ冷媒が導入され、この
冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発している。従って、上
記各検出温度TA〜TDの値は、ほぼ一定となる。また、
利用側電磁弁(64a,64b)を開いた状態では、第1温度
センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度TA及び第2温度セン
サ(Th-B1,Th-B2)の検出温度TBは、ほぼ冷媒温度と等
しくなっている。
【0080】その後、時刻Z1において利用側電磁弁(6
4a,64b)を閉じると、冷蔵用蒸発器(41a,41b)に対す
る冷媒の供給が遮断される。一方、冷蔵用蒸発器(41a,
41b)は、圧縮機構(21)の吸入側に接続されている。
このため、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の内圧が低下し、
これに伴って冷蔵用蒸発器(41a,41b)内に存在する冷
媒の蒸発温度も低下する。ところが、冷蔵用蒸発器(41
a,41b)内の液冷媒が全て蒸発すると、冷蔵用蒸発器(4
1a,41b)における庫内空気の冷却は、ほとんど行われな
くなる。従って、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖後に
おいて、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第2温度
センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度TA,TBは、一旦低
下した後に上昇してゆく。ちなみに、利用側電磁弁(64
a,64b)を閉じたままにすると、両検出温度TA,TB
上昇を続け、やがては吸込風温センサの検出温度TC
一致する。
【0081】ここで、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)
の検出温度TAについて、利用側電磁弁(64a,64b)の開
放中における値と、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖後
における最低値との差を、検出温度TAの温度低下度Y1
とする。また、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出
温度TBについて、利用側電磁弁(64a,64b)の開放中に
おける値と、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖後におけ
る最低値との差を、検出温度TBの温度低下度Y2とす
る。更に、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖後は、第2
温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度TBが次第に上昇
し、時刻Z2において検出温度TBの値が利用側電磁弁
(64a,64b)の開放中における第1温度センサ(Th-A1,T
h-A2)の検出温度TAの値と一致する。そして、利用側
電磁弁(64a,64b)を閉じた時刻Z1から上記時刻Z2ま
での経過時間をXとする。
【0082】図10において、(a)は冷蔵用蒸発器(41
a,41b)の出口における冷媒の湿り度が小さい場合を示
し、(b)は冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口における冷
媒の湿り度が大きい場合を示している。そして、湿り度
が大きいほど、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖直後に
おいて冷蔵用蒸発器(41a,41b)内に存在する液冷媒の
量が多いため、上記経過時間Xが長くなる。また、湿り
度が大きいほど、冷蔵用蒸発器(41a,41b)内の液冷媒
が蒸発しきるまでの時間が長くなることから、冷蔵用蒸
発器(41a,41b)の圧力がより低くなって温度低下度Y
1,Y2も大きくなる。従って、利用側電磁弁(64a,64
b)の閉鎖中における第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及
び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度を検出す
ることによって、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口にお
ける冷媒の湿り度を知ることが可能となる。
【0083】そこで、上記コントローラ(70)は、経過
時間Xと、温度低下度Y1,Y2とに基づいて制御動作を
行う。ここで、上記経過時間Xは、冷媒の湿り度だけに
対応して変化するのではなく、例えば一方の冷蔵ユニッ
ト(13b)だけがサーモオフしたような場合にも変化す
る。このため、上記コントローラ(70)は、経過時間X
だけでなく温度低下度Y1,Y2をも考慮して制御動作を
行う。ただし、温度低下度については、第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の
何れか一方のものを考慮すれば充分である。従って、本
実施形態に係るコントローラ(70)では、経過時間X
と、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)についての温度低
下度Y1とを考慮するようにしている。尚、以下では、
温度低下度Y1を単に温度低下度Yと表す。
【0084】次に、利用側電磁弁(64a,64b)の開閉制
御の具体例について、図11〜図16のフローチャート
を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、
第1冷蔵ユニット(13a)に対する制御動作について説
明する。ただし、上記コントローラ(70)は、第2冷蔵
ユニット(13b)に対しても同様の制御動作を行う。ま
た、以下に示す数値は全て例示である。
【0085】上記冷凍装置(10)をコンビニエンススト
アに設置した後、最初に電源が投入されると、先ずコン
トローラ(70)の誤差検出部(74)が所定の動作を行
う。具体的に、誤差検出部(74)は、冷却運転に先立っ
て第1冷蔵ユニット(13a)の冷蔵庫内ファン(16a)を
運転する。その後、所定時間が経過すると、第1温度セ
ンサ(Th-A1)の検出温度と第2温度センサ(Th-B1)の
検出温度とを取り込み、両検出温度の差を温度誤差とし
て検出する。つまり、この状態では両検出温度が一致す
るはずであるが、実際にはセンサの個体差等によって両
検出温度が完全に一致するのは希である。
【0086】そこで、誤差検出部(74)は、予め第1温
度センサ(Th-A1)と第2温度センサ(Th-B1)の個体差
を温度誤差として検出し、これを記憶する。コントロー
ラ(70)は、この温度誤差を用いて第2温度センサ(Th
-B1)の実測を補正し、補正後の値を第2温度センサ(T
h-B1)の検出温度TBとして以下の動作を行う。
【0087】冷却運転が開始されると、高温側冷媒回路
(20)及び低温側冷媒回路(50)では、上述のように冷
媒が循環して冷凍サイクル動作が行われる。その際、コ
ントローラ(70)は、第1冷蔵ユニット(13a)の利用
側電磁弁(64a)を開閉操作する。具体的に、この利用
側電磁弁(64a)が開放されている状態から説明を始め
る。
【0088】図11に示すように、ステップST101
では、利用側電磁弁(64a)の開放時間が経過したか否
かを判断する。開放時間が経過していなければステップ
ST102へ移り、冷蔵用蒸発器(41a)の出口におけ
る冷媒が乾き状態であるか湿り状態であるかの判定を行
う。この判定は、判定部(71)が行う。具体的には、
(TB−TA+Δt)の値が5以上か否かによって判定を
行う。即ち、冷蔵用蒸発器(41a)の出口における冷媒
の過熱度が5℃以上か否かによって判定を行う。
【0089】ここで、TAは第1温度センサ(Th-A1)の
検出温度であり、TBは第2温度センサ(Th-B1)の検出
温度である。また、Δtは、冷蔵用蒸発器(41a)での
圧力損失に伴う冷媒飽和温度の低下度であり、後述する
圧力損失検出部(73)の動作によって所定時間ごとに更
新される。そして、(TB−TA+Δt)の値が5未満で
あれば、湿り状態と判断して再びステップST101へ
戻る。一方、(TB−TA+Δt)の値が5以上であれ
ば、乾き状態と判断してステップST103へ移り、利
用側電磁弁(64a)を開いた状態に保持する。
【0090】つまり、冷蔵用蒸発器(41a)の出口にお
ける冷媒が乾き状態ということは、この冷蔵用蒸発器
(41a)で蒸発させ得る冷媒量に対して、冷蔵用蒸発器
(41a)への冷媒供給量が過少であることを意味してい
る。このため、利用側電磁弁(64a)を開き続け、冷蔵
用蒸発器(41a)に対する冷媒供給量の増大を図る。
【0091】一方、ステップST101において開放時
間が経過した場合には、ステップST104に移って利
用側電磁弁(64a)を閉鎖する。その後、ステップST
105に移り、開放時間を決定するための動作を開始す
る。ステップST105からステップST108までの
動作は、時間決定部(72)が行う。
【0092】具体的に、ステップST105では、経過
時間Xと温度低下度Yとを測定する(図10参照)。そ
の後、ステップST106に移り、(−3X+Y/2+
α)の値を演算する。ただし、α=80〜100であ
る。そして、得られた演算値が5以上であれば、ステッ
プST107へ移って開放時間を(−3X+Y/2+
α)秒に設定する。一方、得られた演算値が5未満であ
れば、ステップST108へ移って開放時間を5秒に設
定する。つまり、時間決定部(72)では基準値として5
秒が設定され、利用側電磁弁(64a)の開放時間が基準
値(5秒)以下に設定されることはない。
【0093】ステップST107又はステップST10
8において開放時間を設定すると、ステップST109
に移る。ステップST109では、閉鎖時間が経過する
まで待機する。閉鎖時間が経過するとステップST11
0に移り、利用側電磁弁(64a)を開く。その後は再び
ステップST101に戻り、ステップST107又はス
テップST108で設定した開放時間が経過したか否か
の判断を行う。以上の動作によって、コントローラ(7
0)は利用側電磁弁(64a)の開放時間を決定する。
【0094】上記の動作において、利用側電磁弁(64
a)の閉鎖時間は、原則として一定に保持される。とこ
ろが、上述のように、利用側電磁弁(64a)の開放時間
について5秒を下限としている。従って、冷蔵用蒸発器
(41a)で蒸発させ得る冷媒量に対して冷蔵用蒸発器(4
1a)への冷媒供給量が過大であるにも拘わらず、冷媒供
給量が削減されない状態が続く場合がある。そこで、コ
ントローラ(70)の時間決定部(72)は、図12に示す
ような動作を行って利用側電磁弁(64a)の閉鎖時間を
適宜補正する。
【0095】具体的に、ステップST121では、利用
側電磁弁(64a)が閉鎖されているか否かを判断する。
利用側電磁弁(64a)が閉じている場合にはそのまま待
機し、開いていればステップST122へ移る。ステッ
プST122では、経過時間X及び温度低下度Yを測定
する(図10参照)。尚、この経過時間X及び温度低下
度Yの値としては、図11におけるステップST105
で測定した値を用いればよい。
【0096】次に、ステップST123へ移り、(−3
X+Y/2)の値を演算し、得られた演算値が5未満か
否かを判断する。上述のように、(−3X+Y/2)<5
の状態においては、冷蔵用蒸発器(41a)で蒸発させ得
る冷媒量に対して冷蔵用蒸発器(41a)への冷媒供給量
が過大となっている。そこで、このような状態が30分
間継続した場合は、ステップST124に移って利用側
電磁弁(64a)の閉鎖時間をそれまでの2倍の値に設定
する。つまり、利用側電磁弁(64a)の閉鎖時間を延長
し、冷蔵用蒸発器(41a)への冷媒供給量を削減する。
一方、(−3X+Y/2)<5の状態が30分間継続しな
ければ、利用側電磁弁(64a)の閉鎖時間は変更しな
い。
【0097】上述のように、判定部(71)の動作にはΔ
tの値、即ち冷蔵用蒸発器(41a)での圧力損失に伴う
冷媒飽和温度の低下度が用いられるが(図6のステップ
ST102参照)、このΔtの値は圧力損失検出部(7
3)によって所定時間ごとに更新される。つまり、冷蔵
用蒸発器(41a)での圧力損失に伴う冷媒飽和温度の低
下度Δtは、冷媒流量等の運転条件によって変化する。
一方、この冷媒飽和温度の低下度Δtを正確に特定しな
ければ、冷蔵用蒸発器(41a)の出口における冷媒の状
態を的確に判断できない。そこで、圧力損失検出部(7
3)は、図13に示すフローに従って所定の動作を行
い、冷媒飽和温度の低下度Δtの更新を行う。
【0098】ステップST131で1時間タイマをスタ
ートさせ、ステップST132でΔTmaxをゼロにリセ
ットする。その後、ステップST133からステップS
T135に亘って、タイマスタート後1時間における第
1温度センサ(Th-A1)の検出温度TAと第2温度センサ
(Th-B1)の検出温度TBとの差の最大値を求める。
【0099】具体的に、ステップST133で1時間経
過していなければ、ステップST134に移る。ステッ
プST134では、TA−TB>ΔTmaxか否かを判断す
る。尚、ステップST134で用いる検出温度TA及び
検出温度TBの値は、利用側電磁弁(64a)が開いている
状態における値を用いる。そして、(TA−TB)がΔTm
axよりも大きければ、ステップST135に移ってΔT
maxの値を(TA−TB)に更新する。一方、(TA−TB)が
ΔTmaxよりも小さければ、ステップST133に戻
る。
【0100】ステップST133で1時間経過すると、
ステップST136に移る。この時点で、ΔTmaxの値
は、(TA−TB)の最大値となっている。ステップST1
36では、ΔTmaxが4℃未満か否かを判断する。そし
て、ΔTmaxが4℃以上であれば、ステップST137
に移ってΔtを4℃に設定する。一方、ΔTmaxが4℃
未満であれば、ステップST138に移る。
【0101】ステップST138では、ΔTmaxが1.
5℃より大きいか否かを判断する。そして、ΔTmax
1.5℃以下であれば、ステップST139に移ってΔ
tを1.5℃に設定する。一方、ΔTmaxが1.5℃よ
りも大きければ、ステップST140に移ってΔtをΔ
maxに設定する。
【0102】つまり、圧力損失検出部(73)は、過去1
時間における(TA−TB)の最大値ΔTmaxについて、
1.5<ΔTmax<4であればΔt=ΔTmaxとし、ΔT
max≧4であればΔTmax=4とし、ΔTmax≦1.5で
あればΔTmax=1.5とする。そして、圧力損失検出
部(73)は、1時間ごとにΔtの値を更新し、更新した
値を判定部(71)に対して出力する。
【0103】−センサ異常時の対応− 以上説明したように、コントローラ(70)は、第1温度
センサ(Th-A1)の検出温度TAと第2温度センサ(Th-B
1)の検出温度TBとに基づいて、利用側電磁弁(64a)
に対する開閉操作を行う。その一方、第1温度センサ
(Th-A1)又は第2温度センサ(Th-B1)が故障して検出
温度TA又は検出温度TBが出力されなくなる場合もあ
り、このような場合には上述の制御動作が出来なくな
る。しかしながら、温度センサの故障のような軽微なト
ラブルで冷却運転を停止するのは、冷蔵庫内の貯蔵物の
損傷を招くことから望ましくない。そこで、本実施形態
では、第1温度センサ(Th-A1)又は第2温度センサ(T
h-B1)が故障した場合であっても、以下の動作によって
冷却運転を継続するようにしている。
【0104】コントローラ(70)の異常検出部(75)
は、第1温度センサ(Th-A1)と第2温度センサ(Th-B
1)について、異常か否かを検出している。具体的に、
温度センサが短絡状態又は開放状態となって検出温度が
出力されなくなると、異常検出部(75)が温度センサの
異常を検出する。
【0105】異常検出部(75)が第1温度センサ(Th-A
1)の異常を検出すると、図14に示すように、時間決
定部(72)は、ステップST151において所定の動作
に用いるTAの値を−5℃に固定する。即ち、第1温度
センサ(Th-A1)の検出温度に代えて、所定の設定値
(−5℃)を用いて利用側電磁弁(64a)の開閉操作を
行う。このような動作を行うのは、冷却運転中において
冷蔵用蒸発器(41a)における冷媒蒸発温度はそれほど
大きく変動しないことから、TAの値を一定に固定して
冷却運転を継続するためである。
【0106】異常検出部(75)が第2温度センサ(Th-B
1)の異常を検出すると、時間決定部(72)は、図15
に示すフローチャートに従って利用側電磁弁(64a)の
開放時間及び閉鎖時間を決定する。即ち、第1温度セン
サ(Th-A1)の検出温度TA及び吸込風温センサ(Th-C
1)の検出温度TCだけに基づいて、利用側電磁弁(64
a)の開放時間及び閉鎖時間を決定する。
【0107】具体的に、ステップST152において、
(TC−TA)の値を演算する。尚、ステップST152で
用いる検出温度TA及び検出温度TCの値は、利用側電磁
弁(64a)が開いている状態における値を用いる。そし
て、(TC−TA)の値が10℃以下であればステップST
153に移り、利用側電磁弁(64a)の開放時間を20
秒に設定し、閉鎖時間を5秒に設定する。一方、(TC
A)の値が10℃より大きければステップST154に
移り、利用側電磁弁(64a)の開放時間を10秒に設定
し、閉鎖時間を5秒に設定する。
【0108】つまり、冷蔵用蒸発器(41a)における冷
媒蒸発温度が冷蔵用蒸発器(41a)に送られる庫内空気
の温度よりもある程度低ければ、利用側電磁弁(64a)
の開放時間を短く設定する。これは、冷蔵用蒸発器(41
a)の出口において冷媒に過熱度がつくように利用側電
磁弁(64a)の開放時間を短縮し、冷蔵用蒸発器(41a)
への冷媒供給量を低く抑えるためである。これによっ
て、正常に運転をしている第2冷蔵ユニット(13b)に
対する冷媒供給量が確保され、当該第2冷蔵ユニット
(13b)における冷却運転を確実に行うことができる。
【0109】以上、第1冷蔵ユニット(13a)の利用側
回路(40a)に対するコントローラ(70)の動作につい
て説明したが、コントローラ(70)は、これと同様の動
作を第2冷蔵ユニット(13b)の利用側回路(40b)に対
しても並行して行う。つまり、コントローラ(70)は、
各冷蔵ユニット(13a,13b)の利用側回路(40a,40b)に
設けられた利用側電磁弁(64a,64b)に対して、それぞ
れ個別に所定の制御動作を行う。
【0110】尚、異常検出部(75)が第1温度センサ
(Th-A1)と第2温度センサ(Th-B1)の両方について異
常を検出した場合、時間決定部(72)は、利用側電磁弁
(64a)の開放時間を10秒に設定し、閉鎖時間を5秒
に設定する。つまり、利用側電磁弁(64a)の開放時間
及び閉鎖時間を固定して、冷凍サイクル動作を続行す
る。
【0111】−実施形態の効果− 以上のように、本実施形態によれば、圧縮機構(21)の
吐出冷媒の過熱度が所定範囲の値になるように液側電磁
弁(SV3)及びバイパス電磁弁(SV5)を制御することと
したので、吐出冷媒過熱度を常に適正な値に保つことが
できる。そのため、過熱運転及び湿り運転を防止するこ
とができ、効率的な運転が可能となる。
【0112】特に、冷蔵ユニット(13a,13b)の運転台
数の変更や各冷蔵ユニット(13a,13b)の冷媒流量の変
動等により、装置全体の負荷が急激に変動する場合があ
るが、本実施形態によれば、液側電磁弁(SV3)の開閉
動作によって冷媒流量が即座に調整されるので、大きな
負荷変動にも迅速に対応することができ、湿り運転及び
乾き運転を防止することができる。
【0113】また、このように液側電磁弁(SV3)の開
閉制御により、高温側冷媒回路(20)の全体の冷媒循環量
を調節することができ、バイパス電磁弁(SV5)の開閉
制御により、冷媒のバイパス量を調節することができる
ので、ガス側電磁弁(SV2)とバイパス電磁弁(SV5)の
各開閉制御を組み合わせることにより、全体の能力調整
に加えて、カスケードユニット(12)と冷蔵ユニット
(13a,13b)との能力バランスの調整等を行うことも可
能である。
【0114】圧縮機構(21)の吸入側の低圧圧力を利用
してレシーバ(25)を減圧し、レシーバ(25)のガス冷
媒を圧縮機構(21)の吸入側に戻す一方、レシーバ(2
5)から冷媒熱交換器(26)には飽和液状態の冷媒を供
給することとしたので、冷媒熱交換器(26)及び冷蔵用
蒸発器(41a,41b)における冷媒のエンタルピ差を大き
く確保することができる。また、冷媒熱交換器(26)の
熱交換能力を迅速に大きくすることができるので、装置
起動直後のカスケードユニット(12)の高圧上昇(つま
り、低温側冷媒回路(50)の高圧の過上昇)を防止する
ことができる。
【0115】レシーバ(25)の出口液冷媒の温度が所定
範囲内の温度になるようにガス側電磁弁(SV2)を制御
することとしたので、レシーバ(25)の冷媒温度を常に
適正な温度に保つことができる。そのため、過熱運転及
び湿り運転の防止や、レシーバ(25)における冷媒と冷
凍機油との分離等を防止することができ、効率的な運転
が可能となる。また、圧縮機構(21)への液バックが防
止され、信頼性が向上する。
【0116】本実施形態では、利用側電磁弁(64a,64
b)及びコントローラ(70)によって冷媒の膨張手段を
構成し、利用側電磁弁(64a,64b)の操作によって冷蔵
用蒸発器(41a,41b)へ間欠的に冷媒を送り込むように
している。つまり、従来のように連続的に冷媒を供給す
るのではなく、断続的に冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ冷
媒を供給している。このため、利用側電磁弁(64a,64
b)の閉鎖中における第1温度センサ(Th-A1)及び第2
温度センサ(Th-B1)の検出温度の変化を考慮すること
によって、冷蔵用蒸発器(41a,41b)に対する冷媒供給
量が冷蔵用蒸発器(41a,41b)で蒸発させ得る冷媒量に
対して過少であるか過多であるかを検出することが可能
となる。
【0117】従って、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口
において冷媒が飽和状態となる様な運転を行っても、冷
蔵用蒸発器(41a,41b)から多量の飽和液が流出して圧
縮機(22a,22b)の破損に至るといった事態を回避でき
る。つまり、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口において
冷媒が飽和蒸気となるような運転が可能となる。
【0118】この結果、従来のように蒸発器である冷蔵
用蒸発器(41a,41b)において冷媒に過熱度をつける必
要がなくなり、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の全伝熱面積
を有効に利用して庫内空気からの吸熱を行うことが可能
となる。そして、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の熱交換能
力を充分に発揮させることができ、更には冷蔵用蒸発器
(41a,41b)における熱交換量が増大することから、冷
凍装置(10)の冷却能力を最大限に発揮させることが可
能となる。
【0119】特に、本実施形態では複数の冷蔵ユニット
(13a,13b)を設けているが、この場合には各冷蔵ユニ
ット(13a,13b)の利用側回路(40a,40b)に対して適切
な量の冷媒を確実に供給することが可能となる。即ち、
各利用側回路(40a,40b)の運転条件等が異なる場合で
あっても、各利用側回路(40a,40b)における冷蔵用蒸
発器(41a,41b)の出口で冷媒が飽和蒸気となるよう
に、各利用側電磁弁(64a,64b)の制御が行われる。こ
のため、各利用側回路(40a,40b)への冷媒供給量を適
切に維持することができ、確実な冷却運転が可能とな
る。
【0120】更に、本実施形態では、利用側電磁弁(64
a,64b)の開閉操作によって冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ
の冷媒供給量を変更している。従って、利用側電磁弁
(64a,64b)に送られる冷媒が気液二相の状態となる本
実施形態においても(図4参照)、冷媒供給量の調節を
確実に行うことが可能である。
【0121】また、上記コントローラ(70)の時間決定
部(72)では、経過時間Xと温度低下度Yの両方に基づ
いて(図10参照)、利用側電磁弁(64a,64b)の開放
時間を決定している。このため、本実施形態のように複
数の冷蔵ユニット(13a,13b)を備える冷凍装置(10)
において、サーモオフ等によって冷蔵ユニット(13a,13
b)の運転台数が変化した場合であっても、利用側電磁
弁(64a,64b)の開放時間を適切に導出することが可能
となる。
【0122】また、上記コントローラ(70)の時間決定
部(72)では、利用側電磁弁(64a,64b)の開放時間に
ついて、所定の基準値(5秒)を下限としている。ここ
で、開放時間があまりに短くなると、利用側電磁弁(64
a,64b)が頻繁に開閉されることとなり、利用側電磁弁
(64a,64b)の耐久性が不足して利用側電磁弁(64a,64
b)の破損に至るおそれがある。これに対し、上記時間
決定部(72)では、利用側電磁弁(64a,64b)の開放時
間について所定の下限を設けているため、利用側電磁弁
(64a,64b)の開閉回数が過大となるのを防止すること
ができる。従って、利用側電磁弁(64a,64b)の破損を
回避することができ、信頼性を向上させることが可能と
なる。
【0123】また、上記コントローラ(70)は、初回の
電源投入時において所定の動作を行い、第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)との
個体差を温度誤差として検出している。この結果、両温
度センサの個体差をも考慮して時間決定部(72)又は判
定部(71)における動作を行うことができ、コントロー
ラ(70)による利用側電磁弁(64a,64b)の開閉操作を
的確に行うことが可能となる。
【0124】また、本実施形態によれば、第1温度セン
サ(Th-A1)又は第2温度センサ(Th-B1)が異常となっ
た場合の対策を講じることができる。従って、万一、第
1温度センサ(Th-A1)又は第2温度センサ(Th-B1)の
検出温度が得られない事態に陥ったとしても、冷凍サイ
クル動作を継続して庫内空気の冷却を行うことが可能と
なる。この結果、温度センサの異常があっても庫内空気
の冷却を継続でき、この点で冷凍装置(10)の信頼性を
向上させることができる。
【0125】−SV2制御の変形例− 上記実施形態のガス側電磁弁(SV2)の開閉制御(図5
参照)を、図17のフローチャートに示す開閉制御に置
き換えてもよい。上記実施形態の開閉制御は、レシーバ
(25)出口の液冷媒温度のみに基づいてガス側電磁弁
(SV2)を開閉するものであったが、本変形例に係る開
閉制御は、上記液冷媒温度に加え、凝縮器(23)出口の
冷媒のサブクール(過冷却度)SCをも考慮したもので
ある。
【0126】本開閉制御では、まずステップST51に
おいて、レシーバ(25)の出口液冷媒温度が所定温度
(例えば15℃)以上か否かを判定する。その判定結果
がYESの場合には、運転は湿り運転にはないと判断
し、ステップST52に進む。一方、上記判定結果がN
Oの場合には、ステップST62においてガス側電磁弁
(SV2)を閉鎖した後、ステップST63において、ガ
ス側電磁弁(SV2)を閉鎖してからの経過時間T3の測
定を開始する。
【0127】ステップST52では、凝縮器(23)出口
のサブクールSCが第1所定過冷却度(例えば3℃)以
下か否かを判定する。判定結果がYESの場合には、当
該サブクールSCは小さすぎると判断し、ステップST
53に進む。一方、判定結果がNOの場合には、ステッ
プST57に進み、当該サブクールSCが上記第1所定
過冷却度よりも大きな第2所定過冷却度(例えば7℃)
以上か否かを判定し、YESの場合には当該サブクール
SCは大きすぎると判断し、ステップST58に進む。
一方、判定結果がNOの場合には、当該サブクールSC
は適正な範囲内にあると判断し、ガス側電磁弁(SV2)
の現在の開閉状態(開状態または閉状態)を維持する。
【0128】凝縮器出口サブクールSCが小さすぎる場
合、ステップST53において、ガス側電磁弁(SV2)
の開放後の経過時間T1が所定時間(例えば1分)以上
であるか否かを判定する。その結果、NOの場合には、
ガス側電磁弁(SV2)が頻繁に開閉動作を繰り返すこと
がないように、ガス側電磁弁(SV2)の現在の開閉状態
を維持する。一方、判定結果がYESの場合には、ステ
ップST54に進んでガス側電磁弁(SV2)を閉鎖し、
ステップST55に進む。
【0129】ステップST55では、その時点において
ガス側電磁弁(SV2)の閉鎖後の経過時間T1を測定中
か否かを判定し、YESの場合は当該経過時間T1の測
定を継続し、NOの場合はステップST56に進み、ス
テップST54におけるガス側電磁弁(SV2)の閉鎖時
点を基準にして、閉鎖時からの経過時間T1の測定を開
始する。
【0130】凝縮器出口サブクールSCが大きすぎる場
合、ステップST58において、ステップST63にお
けるガス側電磁弁(SV2)の閉鎖からの経過時間T3
と、ステップST56におけるガス側電磁弁(SV2)の
閉鎖からの経過時間T1とについて、T3が所定時間
(例えば5分)以上であり且つT1が所定時間(例えば
1分)以上であるか否かを判定する。当該判定結果がN
Oの場合には、ガス側電磁弁(SV2)が頻繁に開閉動作
を繰り返さないように、ガス側電磁弁(SV2)の現在の
開閉状態を維持する。一方、上記判定結果がYESの場
合には、ステップST59に進んでガス側電磁弁(SV
2)を開放する。
【0131】そして、ステップST59でガス側電磁弁
(SV2)を開放した後は、ステップST60において、
ガス側電磁弁(SV2)の開放時点からの経過時間T2を
測定中か否かを判定する。YESの場合は、当該経過時
間の測定を継続する。一方、NOの場合には、ステップ
ST59におけるガス側電磁弁(SV2)の開放時点を基
準として、開放時からの経過時間T2の測定を開始す
る。
【0132】本変形例によれば、冷媒と油が分離しない
ようにレシーバ(25)の温度を所定温度(15℃)以上
に保ちつつ、凝縮器出口サブクールを常に所定範囲内の
値に維持することができるので、凝縮器(23)の能力を
最大限に発揮させることができる。
【0133】なお、上記実施形態及びその変形例では、
ガス側電磁弁(SV2)の開閉制御は、レシーバ(25)の
出口側の液冷媒温度に基づいて行われていたが、レシー
バ(25)の内部の冷媒温度に基づいて行ってもよいこと
は勿論である。
【0134】また、ガス側電磁弁(SV2)の開閉制御
は、圧縮機構(21)の吐出冷媒温度に基づいて行っても
よい。例えば、吐出冷媒温度が所定温度(または所定範
囲の温度)になるように、ガス側電磁弁(SV2)を開閉
させるようにしてもよい。
【0135】また、ガス側電磁弁(SV2)の開閉制御
は、圧縮機構(21)の吐出冷媒の過熱度に基づいて行っ
てもよい。例えば、吐出冷媒の過熱度が所定値(または
所定範囲の値)になるように、ガス側電磁弁(SV2)を
開閉させるようにしてもよい。
【0136】−SV3開閉制御の変形例− 前記実施形態の液側電磁弁(SV3)の開閉制御(図7参
照)は、吐出冷媒の過熱度に基づいて液側電磁弁(SV
3)の開閉状態を変更するものであったが、上記開閉制
御を、図18のフローチャートに示す開閉制御に置き換
えてもよい。図18に示すように、本変形例に係るSV
3開閉制御は、圧縮機構(21)の吐出冷媒温度Tdに基
づくものである。
【0137】本制御では、まずステップST71におい
て、吐出冷媒温度Tdが第1所定温度(例えば60℃)
以下か否かを判定する。その結果、YESの場合には、
湿り運転を回避するため、ステップST72に進んで液
側電磁弁(SV3)を閉鎖する。一方、上記判定結果がN
Oの場合には、ステップST73に進む。ステップST
73においては、経過時間T4を測定中か否かを判定
し、NOの場合にはステップST75に進み、経過時間
T4の測定を開始する。ステップST73の判定結果が
YESの場合またはステップST75における経過時間
T4の測定開始後は、ステップST74に進み、経過時
間T4が所定時間(例えば20秒)以上であり且つ吐出
冷媒温度Tdが第2所定温度(例えば70℃)よりも高
いか否かを判定する。その結果、YESの場合には、過
熱運転を回避するため、ステップST76に進んで液側
電磁弁(SV3)を開放する。一方、上記判定結果がNO
の場合には、液側電磁弁(SV3)の現在の開閉状態を維
持する。なお、ステップST74において、経過時間T
4が所定時間以上であることを判定条件の一つとした理
由は、液側電磁弁(SV3)の開閉動作の頻繁な繰り返し
を避けるためである。
【0138】以上のように本変形例においても、過熱運
転及び湿り運転を防止することができる。
【0139】なお、図6のステップST12及びST1
3に示すように、上記実施形態及び上記変形例において
は、運転モードが冷凍冷蔵運転の場合には液側電磁弁
(SV3)を常時開放することとしていたが、冷凍冷蔵運
転の際に上記実施形態または上記変形例におけるSV3
開閉制御(図7のステップST21〜ST24、または
図18のステップST71〜ST76)を実行するよう
にしてもよい。
【0140】また、液側電磁弁(SV3)の制御は、吐出
冷媒過熱度や吐出冷媒温度に基づくものに限定される訳
ではなく、他のパラメータ(例えば、吐出冷媒圧力、吸
入冷媒圧力、吸入冷媒温度、凝縮器出口サブクール、蒸
発器出口スーパーヒート等)に基づいて実行されるもの
であってもよい。
【0141】−バイパス電磁弁(SV5)の制御の変形例
− 上記実施形態では、バイパス電磁弁(SV5)の開閉制御
は、吐出冷媒温度が所定範囲内の温度になるように行わ
れていたが、バイパス電磁弁(SV5)の開閉制御は、吐
出冷媒過熱度を所定範囲内の過熱度にするものであって
もよい。また、他のパラメータ(例えば、吐出冷媒圧
力、吸入冷媒圧力、吸入冷媒温度、凝縮器出口サブクー
ル、蒸発器出口スーパーヒート等)に基づいて実行され
るものであってもよい。
【0142】−高温側冷媒回路(20)の変形例− 各冷蔵ユニット(13a,13b)の冷蔵用蒸発器(41a,41b)の
熱交換効率を向上するためには、これら冷蔵用蒸発器(4
1a,41b)をできるだけ湿り状態、すなわち出口スーパー
ヒートができるだけ小さい状態で使うことが効果的であ
る。しかし、蒸発器出口スーパーヒートが小さいと、圧
縮機構(21)に湿り気味の冷媒が吸入されるため、運転
は湿り運転となって好ましくない。そこで、高温側冷媒
回路(20)の構成を、冷蔵用蒸発器(41a,41b)を湿った状
態にしつつ湿り運転を招かないように、以下のように変
形してもよい。
【0143】すなわち、図19に示すように、高温側冷
媒回路(20)に、凝縮器(23)出口の高温冷媒と冷蔵用蒸
発器(41a,41b)出口の低温冷媒とを熱交換させる熱回収
熱交換器(68)を設けるようにしてもよい。
【0144】本変形例では、温度センサ(67)により検出
される凝縮温度Tcと、温度センサ(69)により検出され
る熱回収熱交換器(68)の出口冷媒温度TCLとにより、過
冷却度SC=Tc−TCLを検出し、この過冷却度SCが
所定の過冷却度(または所定範囲内の過冷却度)になる
ように、ガス側電磁弁(SV2)の開閉制御を行う。本変
形例では、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口冷媒が湿っ
た状態にあっても、当該冷媒は熱回収熱交換器(68)にお
いて加熱されるので、圧縮機構(21)に対しては乾いた
状態で流入することになる。
【0145】従って、本変形例によれば、冷蔵用蒸発器
(41a,41b)及び凝縮器(23)のそれぞれについて、出
口冷媒を熱伝達性に優れる二相冷媒にすることができる
ので、両熱交換器(41a,41b,23)の能力を最大限に発揮
させることができる。
【0146】−その他の実施形態− 上記実施形態に係る冷凍装置は2元式冷凍装置であった
が、本発明の適用対象は1元式の冷凍装置であってもよ
い。また、冷蔵ユニットの個数は複数に限らず、一つで
あってもよい。
【0147】液側電磁弁(SV3)は、単に一定周期毎に
開閉されるものであってもよい。開閉周期を装置の容量
に応じて設定することにより、複雑な制御を伴うことな
く、湿り運転や乾き運転を簡易に防止することも可能で
ある。開閉周期としては、例えば9馬力程度の冷凍装置
に対しては、10秒〜30秒程度が好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】高温側冷媒回路の配管系統図である。
【図2】低温側冷媒回路の配管系統図である。
【図3】コントローラのブロック図である。
【図4】高温側冷媒回路での冷凍サイクルを示すモリエ
ル線図である。
【図5】ガス側電磁弁の制御フローチャートである。
【図6】液側電磁弁の制御フローチャートである。
【図7】液側電磁弁の制御フローチャートである。
【図8】バイパス電磁弁の制御フローチャートである。
【図9】バイパス電磁弁の制御フローチャートである。
【図10】実施形態に係るコントローラでの動作を説明
するための温度と時間の関係図である。
【図11】実施形態に係るコントローラの制御動作を示
すフローチャートである。
【図12】実施形態に係るコントローラの制御動作を示
すフローチャートである。
【図13】実施形態に係るコントローラの制御動作を示
すフローチャートである。
【図14】実施形態に係るコントローラが温度センサの
異常を検出した場合の動作を示すフローチャートであ
る。
【図15】実施形態に係るコントローラが温度センサの
異常を検出した場合の動作を示すフローチャートであ
る。
【図16】その他の実施形態に係るコントローラが温度
センサの異常を検出した場合の動作を示すフローチャー
トである。
【図17】変形例に係るガス側電磁弁の制御フローチャ
ートである。
【図18】変形例に係る液側電磁弁の制御フローチャー
トである。
【図19】変形例に係る高温側冷媒回路の配管系統図で
ある。
【符号の説明】
(20) 高温側冷媒回路 (21) 圧縮機構 (23) 凝縮器 (24) キャピラリーチューブ(第1減圧機構) (25) レシーバ(受液器) (26) 冷媒熱交換器(カスケード熱交換器) (34) 減圧通路(第1バイパス通路) (35) バイパス配管(第2バイパス通路) (40a,40b) 利用側回路 (41a,41b) 冷蔵用蒸発器(蒸発器) (50) 低温側冷媒回路 (64a,64b) 利用側電磁弁(第2減圧機構) (70) コントローラ(制御手段) (SV2) ガス側電磁弁(第1バイパス通路開閉手
段) (SV3) 液側電磁弁(流路開閉手段) (SV5) バイパス電磁弁(第2バイパス通路開閉手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 目▲崎▼ 丈統 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 植野 武夫 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 野村 和秀 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 竹上 雅章 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 3L045 AA03 BA01 CA02 DA02 EA01 HA07 JA01 JA04 JA14 MA06 PA02 PA03 PA05 3L092 GA12 HA00 HA10 HA12 JA14 KA06 LA03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機構(21)と凝縮器(23)と第1減圧機
    構(24)と蒸発器(41a,41b)とが順に閉回路に接続されて
    成る冷媒回路(20)を備えた冷凍装置であって、 上記第1減圧機構(24)と上記蒸発器(41a,41b)との間に
    は、間欠的に開閉される流路開閉手段(SV3)が設けられ
    ている冷凍装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の冷凍装置において、 流路開閉手段(SV3)と蒸発器(41a、41b)との間に設けられ
    たカスケード熱交換器(26)と、 上記カスケード熱交換器(26)と上記蒸発器(41a,41b)と
    の間に設けられた第2減圧機構(64a、64b)と、 上記カスケード熱交換器(26)を介して前記冷媒回路(20)
    に接続された低温側冷媒回路(50)とを備え、 上記冷媒回路(20)と上記低温側冷媒回路(50)とにより2
    元冷凍サイクルを形成する冷凍装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれか一つに記載
    の冷凍装置において、 蒸発器は、互いに並列に設けられた複数の蒸発器(41a,4
    1b)によって構成されている冷凍装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載の冷
    凍装置において、 第1減圧機構(24)と流路開閉手段(SV3)との間に設けら
    れた受液器(25)と、 上記受液器(25)内のガス冷媒を圧縮機構(21)の吸入側に
    導くための第1バイパス通路(34)と、 上記第1バイパス通路(34)に設けられ、間欠的に開閉さ
    れ且つ上記流路開閉手段(SV3)が閉鎖されているときに
    は常に開放される第1バイパス通路開閉手段(SV2)とを
    備えている冷凍装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の冷
    凍装置において、 圧縮機構(21)の吐出冷媒の過熱度を検出する過熱度検出
    手段(63,65)と、 上記吐出冷媒の過熱度が所定過熱度になるように流路開
    閉手段(SV3)を開閉制御する制御手段(70)とを備えてい
    る冷凍装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の冷
    凍装置において、 圧縮機構(21)の吐出冷媒温度を検出する温度検出手段(6
    3)と、 上記吐出冷媒温度が所定温度になるように流路開閉手段
    (SV3)を開閉制御する制御手段(70)とを備えている冷凍
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項2〜4のいずれか一つに記載の冷
    凍装置において、 カスケード熱交換器(26)から流出した冷媒を圧縮機構(2
    1)の吸入側にバイパスする第2バイパス通路(35)と、 上記第2バイパス通路(35)に設けられた第2バイパス通
    路開閉手段(SV5)とを備えている冷凍装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の冷凍装置において、 圧縮機構(21)の吐出冷媒の過熱度を検出する過熱度検出
    手段(63,65)と、 上記吐出冷媒の過熱度が所定過熱度になるように第2バ
    イパス通路開閉手段(SV5)を開閉制御する制御手段(70)
    とを備えている冷凍装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の冷凍装置において、 圧縮機構(21)の吐出冷媒温度を検出する温度検出手段(6
    3)と、 上記吐出冷媒温度が所定温度になるように第2バイパス
    通路開閉手段(SV5)を開閉制御する制御手段(70)とを備
    えている冷凍装置。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の冷凍装置において、 圧縮機構(21)の吐出冷媒の過熱度を検出する過熱度検出
    手段(63,65)と、 上記吐出冷媒の過熱度が所定過熱度になるように流路開
    閉手段(SV3)及び第2バイパス通路開閉手段(SV5)を開閉
    制御する制御手段(70)とを備えている冷凍装置。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載の冷凍装置において、 圧縮機構(21)の吐出冷媒温度を検出する温度検出手段(6
    3)と、 上記吐出冷媒温度が所定温度になるように流路開閉手段
    (SV3)及び第2バイパス通路開閉手段(SV5)を開閉制御す
    る制御手段(70)とを備えている冷凍装置。
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