JP2001221016A - バルブタイミング制御装置 - Google Patents

バルブタイミング制御装置

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JP2001221016A
JP2001221016A JP2000029973A JP2000029973A JP2001221016A JP 2001221016 A JP2001221016 A JP 2001221016A JP 2000029973 A JP2000029973 A JP 2000029973A JP 2000029973 A JP2000029973 A JP 2000029973A JP 2001221016 A JP2001221016 A JP 2001221016A
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fluid pressure
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    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/3442Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
    • F01L2001/3445Details relating to the hydraulic means for changing the angular relationship
    • F01L2001/34479Sealing of phaser devices

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブタイミング制御装置において、ロック
ピンによるロック動作及びロックの解除動作が確実にか
つ迅速に行なわれるようにする。 【解決手段】 ベーンロータ20とハウジングロータ3
0とをロックするロックピン41を解除する油圧解除機
構50を、ロックピンの端面41a´及び環状面41b
´、進角圧力室ACから端面41a´に常時連通する間
隙通路C3、進角圧力室ACから環状面41b´に連通
する第1オイル通路と、遅角圧力室RCから環状面41
b´に連通する第2オイル通路、進角圧力室AC及び遅
角圧力室RCの圧力差により第1オイル通路及び第2オ
イル通路の一方を開放及び他方を閉塞するシール部材9
1により構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃焼室
を開閉する吸気バルブ又は排気バルブの少なくとも一方
の開閉タイミングを可変制御するバルブタイミング制御
装置に関し、特に、相対的な回転移動が許容される2つ
の回転体同士をロックする機構を備えたバルブタイミン
グ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】4サイクル内燃機関(エンジン)の燃焼
室を開閉する吸気バルブ及び排気バルブは、一般にシリ
ンダヘッドに回動自在に配置されたカムシャフトにより
駆動され、このカムシャフトは、スプロケット、チェー
ン等を介してクランクシャフトにより回転駆動されるよ
うになっている。また、エンジンの運転状態が低速領域
あるいは高速領域等のいずれの領域にある場合でも、全
域において出力を向上させ、又、有害排出ガス等をでき
るだけ低減させるべく、吸気カムシャフトあるいは排気
カムシャフトの中心角をクランク角に対して可変とし
て、吸気バルブあるいは排気バルブの開閉タイミング
(開閉時期)を可変制御するバルブタイミング制御装置
が採用されている。
【0003】この種のバルブタイミング制御装置として
は、例えば、特開平10−159515号公報に開示さ
れたものが知られている。この公報に開示されたバルブ
タイミング制御装置は、図11(a),(b)に示すよ
うに、径方向に突出したベーン(羽根)1aを持ちカム
シャフト2と一体的に回転するように取り付けられたベ
ーンロータ(羽根車)1、このベーンロータ1を回動自
在に収容すると共にスプロケット3に固着されてクラン
クシャフトに連動させられるハウジングロータ4、これ
らベーンロータ1とハウジングロータ4との相対的な回
転移動を規制するべく回転軸方向に往復動自在に設けら
れたロックピン5、ロックピン5を突出する向きに付勢
するバネ6、ロックピン5の先端部を受け入れるロック
ピン収容孔7等からなるロックピン機構、ロックピン機
構によるロック状態を油圧により解除する油圧解除機構
等を備えている。
【0004】また、このベーンロータ1とハウジングロ
ータ4とは、ベーン1aを境として進角側の第1油圧室
8aと遅角側の第2油圧室8bとを画定しており、この
第1油圧室8aはロックピン5の外周の一部に形成され
た受圧面としての溝5aに連通し、又、第2油圧室8b
はロックピン5の末端側に形成された受圧面としての拡
径部5bに連通するように形成されている。
【0005】さらに、ロックピン収容孔7は、ロックピ
ン5が嵌合されたロック状態でも、その先端面5cに接
する空間9が画定されるように形成されており、ロック
ピン5とロックピン収容孔7との密着状態が解かれる
と、第1油圧室8aに導かれた加圧油が、この空間9に
入り込むようになっている。すなわち、上記第1油圧室
8aに連通する溝5a、第2油圧室8bに連通する拡径
部5b、先端側の空間9等が、ロックピン5によるロッ
ク状態を解除する油圧解除機構を形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記油圧解
除機構においては、ロックピン5によるロック状態を解
除する際に、先ず第1油圧室8a内の加圧油がロックピ
ン5の溝5aに作用し、ロックピン5が埋没方向に後退
し始めてロックピン5とロックピン収容孔7との間に隙
間ができると、加圧油が空間9にも導かれてロックピン
5の先端面5cにも作用し、ロックピン5がさらに後退
させられるようになっている。
【0007】したがって、加圧油がロックピン5の溝5
aに作用してから先端面5cに作用するまでには時間的
な遅れがあり、解除動作が迅速かつスムーズに行なわれ
難い。また、加圧油の圧力が低い場合には、解除動作そ
のものが確実に行なわれない場合がある。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、ロック
ピンによるロック動作及びロックの解除動作を確実にか
つ迅速に行なうことのできるバルブタイミング制御装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のバルブタイミン
グ制御装置は、カムシャフトとクランクシャフトとを連
動させると共に同軸にて回転しかつ所定の角度範囲にて
相対的な回転移動が許容され得る第1回転体及び第2回
転体と、第1回転体及び第2回転体の相対的な回転移動
をロックするロック手段と、ロック手段による第1回転
体及び第2回転体のロック状態を解除するロック解除手
段と、第1回転体及び第2回転体の相対的な角度位置を
流体圧にて制御する流体圧制御手段とを備えて、内燃機
関の燃焼室を開閉するバルブの開閉タイミングを可変制
御するバルブタイミング制御装置であって、上記第1回
転体は、回転の中央に位置するハブ部及び前記ハブ部か
ら径方向外側に向けて突出するベーン部からなるベーン
ロータであり、上記第2回転体は、ベーンロータを回動
自在に収容しかつベーン部と協働して第1流体圧室及び
第2流体圧室を画定するべく径方向内側に向かって突出
する突条部を有するハウジングロータであり、上記ロッ
ク手段は、ベーンロータ及びハウジングロータの一方に
おいて突出及び埋没自在に設けられたロックピンと、こ
のロックピンを突出する方向に付勢する付勢手段と、ベ
ーンロータ及びハウジングロータの他方においてロック
ピンの一部を受け入れるべく設けられたロック穴とを有
し、上記ロック解除手段は、第1流体圧室の流体圧を埋
没方向に受け得るべくロックピンに形成された第1受圧
面と、第1流体圧室又は第2流体圧室の流体圧を埋没方
向に受け得るべくロックピンに形成された第2受圧面
と、第1流体圧室から第1受圧面に常時連通する間隙通
路と、第1流体圧室から第2受圧面に連通する第1流体
通路と、第2流体圧室から第2受圧面に連通する第2流
体通路と、第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差によ
り第1流体通路及び第2流体通路の一方を開放及び他方
を閉塞する開閉手段とを有する、ことを特徴としてい
る。
【0010】上記構成によれば、第1流体圧室及び第2
流体圧室に圧力流体が導かれない状態では、第1受圧面
及び第2受圧面のいずれにも流体圧が作用せず、ロック
ピンは付勢手段により付勢されて突出しロック穴に嵌合
する。これにより、ベーンロータとハウジングロータと
の相対的な回転移動がロックされた状態となる。この状
態で、ロックピンの第1受圧面は、間隙通路を介して常
時第1流体圧室に連通した状態にある。一方、流体圧制
御手段の作動により、第1流体圧室に圧力流体が導かれ
ると、間隙通路を介して、この第1流体圧室の液圧が即
座にロックピンの第1受圧面に作用すると共に、第1流
体圧室及び第2流体圧室の圧力差により開閉手段が作動
して、第1流体通路が開放されると共に第2流体通路が
閉塞されて、この第1流体圧室の流体圧が即座にロック
ピンの第2受圧面に作用する。これにより、流体の圧力
が比較的に低く又不安定な状態であっても、付勢手段の
付勢力に抗してロックピンが埋没方向に後退させられ、
ロックピンによるロック状態が迅速かつ確実に解除され
る。そして、ベーンロータとハウジングロータとは相対
的に回転移動して位相がずれ、例えば、カムシャフトが
進角側に変位することになる。また、上記の状態から、
流体圧制御手段の作動により、第2流体圧室に圧力流体
が導かれ、第1流体圧室内の圧力流体が排出されると、
第2流体圧室の圧力が第1流体圧室の圧力よりも高くな
り、開閉手段は第1流体通路を閉塞すると共に第2流体
通路を開放するように作動し、ロックピンの第2受圧面
に対して第2流体圧室の流体圧が作用する。したがっ
て、高負荷高速運転状態等のように流体の圧力が比較的
に高い場合においては、流体圧が上記第2受圧面にのみ
作用するだけでもロックピンは埋没した状態に維持され
て、ハウジングロータの内壁面と衝突することはなく、
ベーンロータとハウジングロータとは相対的に回転移動
して位相がずれ、例えば、カムシャフトが遅角側に変位
することになる。
【0011】上記構成において、第1流体通路及び第2
流体通路はベーン部に形成され、開閉手段は、ベーン部
の径方向における外側端部に配置されハウジングロータ
の内周壁面と密接して第1流体圧室と第2流体圧室とを
分離すると共に、ベーンロータの回転方向に移動可能に
配置され第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差により
移動させられて第1流体通路及び第2流体通路の一方を
開放及び他方を閉塞するシール部材からなる、構成を採
用することができる。
【0012】上記構成によれば、ロックピンがハウジン
グロータ側に配置され、かつ、ロックピンの第1受圧面
及び第2受圧面に連通する第1流体通路及び第2流体通
路がハウジングロータ側に形成される場合に比べて、第
1流体通路及び第2流体通路の通路長を短くすることが
でき、全体としての小型化が行なえる。また、ベーン部
とハウジングロータとの間のシールの役割をなすシール
部材が、開閉手段を兼ねることになり、その分だけ、構
造の簡略化、製品の低コスト化が行なえる。
【0013】上記構成において、第1流体通路及び第2
流体通路はベーン部に形成され、開閉手段は、第1流体
通路及び第2流体通路内を所定範囲に亘って往復動自在
に配置され第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差によ
り移動させられて第1流体通路及び第2流体通路の一方
を開放及び他方を閉塞する可動バルブからなる、構成を
採用することができる。
【0014】上記構成によれば、第1流体通路及び第2
流体通路の内部を、第1流体圧室及び第2流体圧室の圧
力差に基づいて往復動する可動バルブにより、第1流体
通路及び第2流体通路の開閉動作が行なわれる。したが
って、可動バルブを、例えば円柱状あるいは球状の簡単
な構造に形成して、確実にかつ迅速に通路の開閉動作を
行なわせることができる。
【0015】上記構成において、ロック穴は、ロックピ
ンが嵌合した状態で、ベーンロータの回転方向において
ロックピンと密接するように、かつ、他の内壁面領域に
おいてロックピンとの間に間隙通路を画定するように形
成された、構成を採用することができる。
【0016】上記構成によれば、ロックピンがロック穴
に嵌合したロック状態において、第1流体圧室は、ベー
ンロータの回転方向からずれた他の内壁面領域において
形成された間隙通路を介してロックピンの第1受圧面に
連通させられ、又、ベーンロータの回転方向においてロ
ックピンはロック穴と密接に嵌合することになる。した
がって、ロック状態において、ベーンロータとハウジン
グロータとが確実に固定され、両者間のガタツキ等が確
実に防止される。一方、第1流体圧室に圧力流体が導か
れると、その圧力流体の流体圧が、間隙通路を介して即
座に第1受圧面に作用し、ロックの解除動作が迅速かつ
確実に行なわれる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しつつ説明する。図1ないし図3
は、本発明に係るバルブタイミング制御装置の一実施形
態を示すものであり、図1は全体の概略構成図、図2及
び図3は主要部分の構成を示す断面図である。この実施
形態に係るバルブタイミング制御装置は、図1ないし図
3に示すように、エンジンの燃焼室を開閉する吸気バル
ブを駆動するカムシャフト11とクランクシャフト(不
図示)とを連動させると共に同軸にて回転しかつ所定の
角度範囲にて相対的な回転移動が許容され得る第1回転
体としてのベーンロータ20及び第2回転体としてのハ
ウジングロータ30と、これらベーンロータ20及びハ
ウジングロータ30の相対的な回転移動をロックするロ
ック手段としてのロックピン機構40と、このロックピ
ン機構40によるベーンロータ20とハウジングロータ
30とのロック状態を解除するロック解除手段としての
油圧解除機構50と、これらベーンロータ20とハウジ
ングロータ30との相対的な回転角度位置を流体圧すな
わち油圧にて制御する流体圧制御手段としてのオイルコ
ントロールバルブ(OCV)60等を、その基本構成と
して備えている。
【0018】また、上記の構成において、オイルコント
ロールバルブ60には、エンジンのオイルパン12に溜
まった潤滑油が、オイルストレーナ(不図示)、オイル
ポンプ13、オイルフィルタ14等を介して加圧油とし
て供給され、この供給された加圧油が、カムシャフト1
1の領域に形成されたオイル通路に供給されてさらに装
置内に導かれ、又、装置内からこのオイル通路を通り再
びオイルコントロールバルブ60を経て、オイルパン1
2にリターンされるようになっている。
【0019】尚、エンジンには、クランクシャフトの回
転角度を検出するクランク角センサ、カムシャフト11
の回転角度を検出するカム角センサ、冷却水の温度を検
出する水温センサ、吸気の圧力を検出する吸気圧セン
サ、吸気の流量を検出するエアフローセンサ等の種々の
検出センサが設けられている。そして、これらのセンサ
から出力される出力信号が、エンジンコントロールユニ
ット(不図示)により処理されて、エンジンの運転状態
が判断され、予め設定された駆動マップに基づく制御信
号が、エンジンコントロールユニットからオイルコント
ロールバルブ60に向けて出力され、その駆動が制御さ
れる。
【0020】ところで、第1回転体としてのベーンロー
タ20は、図2に示すように、回転の中央に位置するハ
ブ部21と、このハブ部21から径方向外側に向けて突
出する3個のベーン部22とにより形成されている。こ
れら3個のベーン部22は、ハブ部の周方向において略
120°の角度を隔てて配置されており、その一つには
ロックピン機構40及び油圧解除機構50の一部が配置
されている。
【0021】また、このベーンロータ20は、図1に示
すように、平坦に形成された前端面23及び後端面24
を有し、この前端面23でかつハブ部21の領域には、
円柱状の前側凹部23aが形成されており、又、後端面
24でかつハブ部21の領域には、カムシャフト11の
拡径部11aに嵌合する円柱状の後側凹部24aが形成
されている。さらに、これら前側凹部23aと後側凹部
24aとには、これらの中央部を貫通する貫通孔25が
形成されている。そして、このベーンロータ20は、そ
の後側凹部24aにカムシャフト11の拡径部11aが
嵌合され、鍔付きボルト70が、前側凹部23a側から
ワッシャー80を介して貫通孔25に通されてカムシャ
フト11のネジ穴11bに螺合されている。これによ
り、ベーンロータ20はカムシャフト11に固着されて
一体的に回転するようになっている。
【0022】第2回転体としてのハウジングロータ30
は、図1及び図2に示すように、ベーンロータ20を所
定の角度範囲(例えば、30°〜45°の範囲)におい
て回動自在に収容するべく、ベーンロータ20の前端面
23と密接して相対的に摺動する前壁部31と、ベーン
ロータ20の後端面24と密接して相対的に摺動する後
壁部32と、径方向外側から囲繞する外周壁部33とを
有するように形成され、又、ベーン部21と協働して第
1流体圧室としての進角圧力室AC及び第2流体圧室と
しての遅角圧力室RCを画定するべく、径方向内側に向
かって突出する3個の突条部34とを有するように形成
されている。
【0023】また、上記前壁部31、外周壁部33、及
び突条部34は、一体的に成型されさらに、突条部34
の外側には、フランジ部35が一体的に成型されてい
る。そして、このフランジ部35を後壁部32に当接さ
せて、3本の締結ボルト36により両者を締め付けるこ
とで、ベーンロータ20がハウジングロータ30の内部
に収容されるようになっている。尚、フランジ部35と
後壁部32との位置決めは、位置決めピン37を基準に
行なわれる。さらに、上記後壁部32には、その中央部
に嵌合孔32aが形成され、この嵌合孔32aには、カ
ムシャフト11の拡径部11aが嵌合されて、加圧油が
洩れないシール性を確保しつつ相対的に回転移動し得る
ようになっている。また、後壁部32の外周部には、図
1に示すように、スプロケット32bが一体的に形成さ
れており、このスプロケット32bには、クランクシャ
フトのスプロケットに掛けられたチェーンが掛けられて
おり、クランクシャフトの回転に連動して、このハウジ
ングロータ30が回転するようになっている。
【0024】上記構成において、ベーンロータ20を形
成するハブ部21の外周面21aは、突条部34の内周
面34aと密接して摺動するように、すなわち、ハブ部
21と突条部34とは、加圧油が洩れない程度のシール
性を保持しつつ相対的に回転移動し得るように嵌合され
ている。一方、ベーンロータ20を形成するベーン部2
2の径方向における外側端部22aは、径方向において
外側壁部33の内周壁面33aとの間に所定の間隙(後
述する間隙通路C2)を形成して非接触状態を維持しつ
つ相対的に回転移動し得るように形成されている。
【0025】これらベーン部22の外側端部22aに
は、カムシャフト11の回転軸方向に伸長するシール溝
22b,22b´が形成され、この溝22b,22b´
には、径方向外側に向けて付勢する板バネ90(図1参
照)を介して、略矩形断面をなす角柱状の樹脂材料から
なるシール部材91が配置されている。そして、このシ
ール部材91は、内周壁面33aに常時密接するように
付勢されるこにより、加圧油が相互に洩れない程度のシ
ール性を保持した状態で、ベーン部22の左側に位置す
る進角圧力室(第1流体圧室)ACとベーン部22の右
側に位置する遅角圧力室(第2流体圧室)RCとを分離
しつつ、内周壁面33aを摺動するようになっている。
尚、これらシール部材91のうちの一つは、後述する油
圧解除機構50の開閉手段としても兼用されるものであ
る。
【0026】また、一つのベーン部22には、図2及び
図3に示すように、当接面22c,22dが形成されて
おり、これら当接面22c,22dが突条部34の側壁
面34c,34dにそれぞれ当接することで、ハウジン
グロータ30に対するベーンロータ20の相対的な回転
が所定の角度範囲(例えば、30°〜45°)に規制さ
れるようになっている。
【0027】上記ベーンロータ20のハブ部21には、
図1ないし図3に示すように、その貫通孔25から進角
圧力室ACに連通する3本の進角側オイル通路26aが
形成されている。そして、この進角側オイル通路26a
は、貫通孔25と鍔付きボルト70の外周面との間に画
定される環状の隙間通路26bに連通し、この隙間通路
26bは、ハブ部21の後側凹部24aの底面に形成さ
れた溝通路26cに連通し、この溝通路26cは、カム
シャフト11に形成された案内通路26dに連通し、こ
の案内通路26dは、カムシャフト11の外周に形成さ
れた環状溝通路26eに連通している。上記進角側オイ
ル通路26a,隙間通路26b,溝通路26c,案内通
路26d,環状溝通路26eを介して、進角圧力室AC
に加圧油が導かれ又進角圧力室ACから加圧油が排出さ
れる。
【0028】上記ハウジングロータ30の後壁部32に
は、図1ないし図3に示すように、遅角圧力室RCに連
通する3本の遅角側オイル通路38aが形成されてい
る。そして、この遅角側オイル通路38aは、カムシャ
フト11の拡径部11aの外周に形成された環状溝通路
38bに連通し、この環状溝通路38bは、カムシャフ
ト11に形成された案内通路38cに連通し、この案内
通路38cは、カムシャフト11の外周に形成された環
状溝通路38dに連通している。上記遅角側オイル通路
38a,環状溝通路38b,案内通路38c,環状溝通
路38dを介して、遅角圧力室RCに加圧油が導かれ又
遅角圧力室RCから加圧油が排出される。
【0029】ロック手段としてのロックピン機構40
は、図2及び図3に示すように、ベーンロータ20の一
つのベーン部22において、その径方向に突出及び埋没
自在に設けられたロックピン41と、このロックピン4
1を突出する方向に付勢する付勢手段としてのコイルス
プリング42と、ハウジングロータ30の外周壁部33
においてロックピン41の先端部(一部)を受け入れる
べく設けられたロック穴43等により構成されている。
【0030】このロックピン41は、図4に示すよう
に、円柱状に形成された先端部41aと、これに続き拡
径して円柱状に形成された拡径部41bと、これら先端
部41a及び拡径部41bの内部に形成された空洞部4
1cとにより構成されている。そして、この先端部41
aの端面(突出側端面)41a´は、平坦に形成されて
埋没方向に油圧を受け得る第1受圧面を形成している。
また、拡径部41bは、その環状面41b´が略平坦に
形成されて埋没方向に油圧を受け得る第2受圧面を形成
している。さらに、空洞部41cは、コイルスプリング
42を収容する空間を形成している。
【0031】上記ロックピン41は、ベーン部22の円
柱穴45に嵌着される円筒部材44により、その脱落が
防止されつつ突出及び埋没方向に往復動自在に案内され
ている。ここで、この円筒部材44は、図4に示すよう
に、ロックピン41の先端部41aを摺動自在に案内す
る第1案内孔44aと、ロックピン41の拡径部41b
を摺動自在に案内する第2案内孔44bと、これら第1
案内孔44aより拡径されかつ第2案内孔44bより縮
径された中間孔44cと、この中間孔44cの領域にお
いて径方向に向かって貫通された複数の貫通孔44d
と、これら貫通孔44dが位置する外周面にて形成され
た環状溝44e等により形成されている。
【0032】上記円筒部材44を用いたロックピン41
の取り付けにおいては、先ず、コイルスプリング42の
一端をベーン部22の着座穴46に着座させ、コイルス
プリング42の他端側をロックピン41の空洞部41c
内に挿入した状態で、このロックピン41に円筒部材4
4を外嵌させて、コイルスプリング42を圧縮しつつ、
円筒部材44をベーン部22の円柱穴45に嵌着する。
これにより、ロックピン41は、ベーン部22に対して
突出及び埋没自在に保持されることになる。この際、ロ
ックピン41の拡径部41bの外周縁部が、中間孔44
cと第2案内孔44bとの境界をなす段差部44fに当
接することにより、ロックピン41の突出量が所定範囲
に規制されることになる。
【0033】一方、ロックピン41を受け入れるロック
穴43は、ハウジングロータ30の外側壁部33に嵌着
されて外側壁部33の一部をなす嵌着部材47に形成さ
れている。この嵌着部材47は、図4に示すように、そ
の内側壁面47aが、ベーン部22の外側端部22a´
との間に間隙通路C1を画定するようにかつベーンロー
タ20の回転方向においてテーパ面をなすように形成さ
れている。尚、ハウジングロータ30の外側壁部33の
内周壁面33aとベーン部22の外側端部22aとの間
にも、同様に間隙通路C2が画定されている。また、ロ
ック穴43は、円柱状の凹部として形成されており、
又、その穴の内径はロックピン41の先端部41aの外
径よりも若干大きく、例えば0.5mm程度大きく設定
されている。したがって、このロック穴43にロックピ
ン41が嵌合した状態でも、図4に示すように、両者の
間には間隙通路C3が形成されることになる。
【0034】このように、ロック状態においても、間隙
通路C3が常時確保されているため、進角圧力室AC内
に加圧油が充填されたとき、その油圧がロックピン41
の端面41a´に即座に作用するようになっている。ま
た、ハウジングロータ30に結合される嵌着部材47を
設け、この嵌着部材47に対してロック穴43を形成す
ることにより、機械加工性あるいは製造性が向上し、そ
の分だけ製造コストの低減等を行なうことができる。
【0035】以上のような構成からなるロック機構40
は、図2に示すように、ベーンロータ20が最遅角位置
にあるとき、すなわち、ベーン部22の当接面22cが
突条部34の側壁面34cに当接した位置にあるとき、
そのロックピン41がロック穴43に嵌合してロック状
態を形成するように配置されている。これにより、エン
ジン始動時あるいはアイドル運転時等の油圧の低い時、
ベーンロータ20とハウジングロータ30とのロック状
態が形成されるため、両者の相対的な移動によるガタツ
キ等を容易に防止できると共に、アイドル運転時の安定
性等を確保することができる。
【0036】ロック解除手段としての油圧解除機構50
は、図4に示すように、進角圧力室ACの油圧を埋没方
向に受け得るべくロックピン41に形成された第1受圧
面としての端面(突出側端面)41a´と、進角圧力室
AC又は遅角圧力室RCの油圧を埋没方向に受け得るべ
くロックピン41に形成された第2受圧面としての環状
面41b´と、進角圧力室ACから端面41a´に常時
連通する前述の間隙通路C3と、進角圧力室ACから環
状面41b´に連通する第1流体通路としての第1オイ
ル通路と、遅角圧力室RCから環状面41b´に連通す
る第2流体通路としての第2オイル通路と、進角圧力室
AC及び遅角圧力室RCの油圧の圧力差により第1オイ
ル通路及び第2オイル通路の一方を開放及び他方を閉塞
する開閉手段としてのシール部材91等により構成され
ている。
【0037】ここで、シール部材91が収容されたシー
ル溝22´は、図4に示すように、ベーンロータ20の
回転方向Rにおいて、シール部材91の幅よりも幅広に
形成されており、シール部材91は板バネ90(説明の
便宜上図4では省略、図1参照)により径方向外側に向
けて付勢された状態で、シール溝22b´の内部を回転
方向Rに移動自在となっている。また、このシール溝2
2b´には、円筒部材44の環状溝44eに連通するオ
イル通路51が形成されており、シール溝22b´に入
り込んだ加圧油が、このオイル通路51を通って、環状
溝44e及び貫通孔44dから環状面41b´に導かれ
るようになっている。
【0038】したがって、進角圧力室ACの圧力が遅角
圧力室RCの圧力よりも高いときは、図4及び図5に示
すように、シール部材91は、遅角圧力室RC側に移動
させられて、その反対側に間隙通路52を画定する。一
方、遅角圧力室RCの圧力が進角圧力室ACの圧力より
も高いときは、図6及び図7に示すように、シール部材
91は、進角圧力室AC側に移動させられて、その反対
側に間隙通路53を画定する。
【0039】すなわち、上記間隙通路C1、間隙通路C
2、間隙通路52、オイル通路51、環状溝44e、及
び貫通孔44dにより、進角圧力室ACから第2受圧面
である環状面41b´に連通する第1オイル通路(第1
流体通路)が形成されている。また、上記間隙通路C
2、間隙通路53、オイル通路51、環状溝44e、及
び貫通孔44dにより、遅角圧力室RCから第2受圧面
である環状面41b´に連通する第2オイル通路(第2
流体通路)が形成されている。さらに、シール溝22b
´に収容されたシール部材91が、進角圧力室AC及び
遅角圧力室RCの両油圧の圧力差により、第1オイル通
路及び第2オイル通路の一方を開放及び他方を閉塞する
開閉手段として機能している。
【0040】このように、ベーン部22とハウジングロ
ータ30との間のシールの役割をなすシール部材91
を、第1オイル通路及び第2オイル通路の一方を開放及
び他方を閉塞する開閉手段として兼用することにより、
その分だけ部品点数を少なくでき、構造の簡略化、製品
の低コスト化が行なえる。
【0041】次に、上述の実施形態に係るバルブタイミ
ング制御装置の動作について、図4ないし図7を参照し
つつ説明する。先ず、エンジンが停止した状態では、図
4に示すように、ベーンロータ20はハウジングロータ
30に対して最遅角位置に位置付けられ、コイルスプリ
ング42の付勢力によりロックピン41が突出してロッ
ク穴43に嵌合したロック状態にある。ここで、エンジ
ンが始動されアイドル運転状態にあるときは、図4に示
す最遅角位置が保持されて、吸気バルブの開閉タイミン
グを最も遅くし、これにより、アイドル回転の安定性及
び燃費の向上が行なわれる。尚、この運転状態において
は、オイルコントロールバルブ60が駆動されて、遅角
圧力室RC側に、ロックピン41が押し込まれない程度
の加圧油が供給されて、特にエンジン始動時の際のハウ
ジングロータ30に対するベーンロータ20のガタツキ
等が防止される。
【0042】続いて、エンジンが中負荷あるいは高負荷
低中速運転状態にあるときは、オイルコントロールバル
ブ60が駆動されて、進角圧力室AC側に加圧油が供給
され、ロックピン機構40によるロック状態が解除さ
れ、ベーンロータ20は、ハウジングロータ30に対し
て、図5に示すような最進角位置に移動させられる。こ
の位置においては、図3に示すように、ベーン部22の
当接面22dが突条部34の側壁面34dに当接して、
進角側へのそれ以上の移動が規制された状態となってい
る。この進角動作においては、図4に示すように、進角
圧力室AC内に供給された加圧油が、間隙通路C3を介
してロックピン41の端面(第1受圧面)41a´に即
座に作用する。また、シール部材91が遅角圧力室RC
側に移動させられることで、供給された加圧油は、間隙
通路C1、間隙通路C2、間隙通路52、オイル通路5
1、環状溝44e、及び貫通孔44dからなる第1オイ
ル通路(第1流体通路)を通ってロックピン41の環状
面(第2受圧面)41b´にも作用する。
【0043】すなわち、エンジンのオイルポンプ13か
ら供給される油圧が比較的低い運転状態であっても、そ
の低い圧力の加圧油が、端面41a´(第1受圧面)だ
けでなく環状面41b´(第2受圧面)にも作用するた
め、図5に示すように、ロックピン41は迅速にかつス
ムーズに埋没方向に押し込まれて後退し、ロック穴43
から確実に離脱する。これにより、ロック状態が迅速か
つ確実に解除され、進角側へのベーンロータ20の相対
的な回転が許容されることになる。
【0044】また、エンジンが高負荷高速運転状態にあ
るときは、オイルコントロールバルブ60が駆動され
て、今度は遅角圧力室RCに加圧油が供給されると共に
進角圧力室AC内の加圧油が一部排出される。この時、
ベーンロータ20は、ハウジングロータ30に対して、
遅角側に回転移動させられる。この遅角動作において
は、図6に示すように、シール部材91が進角圧力室A
C側に移動させられて、遅角圧力室RC内の加圧油が、
間隙通路C2、間隙通路53、オイル通路51、環状溝
44e、及び貫通孔44dからなる第2オイル通路(第
2流体通路)を通って環状面41b´(第2受圧面)に
作用する。すなわち、この運転状態においては、遅角圧
力室RCから導かれる加圧油の油圧は比較的高く、この
環状面41b´のみへ加圧油が作用するだけで、ロック
ピン41は埋没位置に押し込まれて保持されることにな
る。
【0045】尚、仮に遅角圧力室RCに供給される加圧
油の圧力が低くてロックピン41が突出した場合でも、
図6中の二点鎖線で示すように、ロックピン41の先端
部41aはハウジングロータ30の内周壁面33aと接
触しない(非接触状態にある)ため、衝突音等の発生を
防止できる。さらに、ロックピン41が突出した状態
で、ベーンロータ20が最遅角位置に回転移動する場
合、ロックピン41の先端部41aは、嵌着部材47の
内側壁面47aのテーパ面によりスムーズに案内されて
ロック穴43に嵌合することになる。
【0046】また、エンジンが低温状態で運転されると
き、あるいは、エンジンが停止されるときは、オイルコ
ントロールバルブ60が駆動されて、遅角圧力室RC側
にさらに加圧油が供給されあるいは進角圧力室AC内の
加圧油が排出されることで、ベーンロータ20は、図7
に示すように、ハウジングロータ30に対して最遅角位
置に位置付けられ、あるいは、この位置にてロック状態
とされる。これにより、ファーストアイドル回転の安定
性及び燃費を向上させ、又、次の始動時におけるベーン
ロータ20のガタツキが防止される。
【0047】図8及び図9は、本発明に係るバルブタイ
ミング制御装置の他の実施形態を示すものであり、この
実施形態においては、前述の実施形態におけるロック解
除手段としての油圧解除機構50の一部が変更されてい
る。尚、以下に述べる以外の構成については、前述の実
施形態と同様であるため、その説明は省略する。すなわ
ち、この実施形態に係るバルブタイミング制御装置の油
圧解除機構500においては、図8及び図9に示すよう
に、3個のベーン部22の外側端部22a全てに対し
て、同様のシール溝22bが形成され、このシール溝2
2b内に板バネ90を介してシール部材91が配置され
ている。
【0048】また、このシール部材91を境に、進角圧
力室AC側に開口する縮径オイル通路501と、遅角圧
力室RC側に開口する縮径オイル通路502とが形成さ
れている。そして、これら縮径オイル通路501及び縮
径オイル通路502を直線的に連通させると共に径の大
きい拡径オイル通路503が形成され、この拡径オイル
通路503の略中央部から円筒部材44の環状溝44e
に連通するオイル通路504が形成されている。すなわ
ち、間隙通路C1、縮径オイル通路501、拡径オイル
通路503、オイル通路504、環状溝44e、及び貫
通孔44dにより、進角圧力室ACから第2受圧面であ
る環状面41b´に連通する第1オイル通路(第1流体
通路)が形成されている。また、縮径オイル通路50
2、拡径オイル通路503、オイル通路504、環状溝
44e、及び貫通孔44dにより、遅角圧力室RCから
第2受圧面である環状面41b´に連通する第2オイル
通路(第2流体通路)が形成されている。
【0049】さらに、この拡径オイル通路503の内部
には、往復動自在に可動バルブ505が配置されてい
る。この可動バルブ505は、拡径オイル通路503内
を密接して摺動するような円柱形状に形成されている。
そして、この可動バルブ5050は、図8に示すよう
に、遅角圧力室RC側に移動すると、縮径オイル通路5
01とオイル通路504とを連通させる(第1オイル通
路を開放させる)と共に縮径オイル通路502とオイル
通路504との連通を遮断(第2オイル通路を閉塞)
し、一方、図9に示すように、進角圧力室AC側に移動
すると、縮径オイル通路502とオイル通路504とを
連通させる(第2オイル通路を開放させる)と共に縮径
オイル通路501とオイル通路504との連通を遮断
(第1オイル通路を閉塞)するようになっている。
【0050】すなわち、上記可動バルブ505は、進角
圧力室AC及び遅角圧力室RCの油圧の圧力差により第
1オイル通路及び第2オイル通路の一方を開放及び他方
を閉塞する開閉手段として機能するものである。また、
この可動バルブ505の両端側でかつ拡径オイル通路5
03内にそれぞれコイルスプリング(不図示)を配置し
て、圧力が加わらない状態で、この可動バルブ505が
拡径オイル通路503の略中央部に位置付けられる構成
を採用することも可能である。この場合、拡径オイル通
路503内での可動バルブ505のガタツキを防止でき
る。
【0051】図10(a),(b),(c)は、本発明
に係るバルブタイミング制御装置のさらに他の実施形態
を示すものであり、この実施形態においては、前述の実
施形態におけるロック手段としてのロックピン機構40
の一部が変更されている。ここで、図10(a)は、本
実施形態に係るロックピン機構400の一部を示す断面
図、図10(b)は、図10(a)中のE1−E1にお
ける断面図、図10(c)は、図10(a)中のE2−
E2における断面図である。尚、以下に述べる以外の構
成については、前述の実施形態と同様であるため、その
説明は省略する。
【0052】この実施形態に係るバルブタイミング制御
装置のロックピン機構400においては、図10
(a),(b),(c)に示すように、ハウジングロー
タ30の外側壁部33の一部をなす嵌着部材401が嵌
着されており、この嵌着部材401には、ロックピン4
1の先端部41aを受け入れるロック穴402が円形以
外の形状に形成されている。すなわち、図10(c)に
示すように、ベーンロータ20の回転方向Rにおいて
は、ロックピン41の外周面がロック穴402と密接す
るように、又、ベーンロータ20の回転軸方向S及びそ
の近傍領域においては、ロックピン41の外周面との間
に間隙通路C3´を画定するように形成されている。
【0053】このように、ロック状態では、ベーンロー
タ20の回転方向Rにおいて、ロックピン41がロック
穴402に密接するため、ベーンロータ20とハウジン
グロータ30との間のガタツキがより一層確実に防止さ
れ、一方において、間隙通路C3´が常時確保されてい
るため、進角圧力室AC内に加圧油が充填されたとき、
その油圧がロックピン41の端面41a´に即座に作用
するようになっている。
【0054】以上述べた実施形態においては、ロックピ
ン機構40,400におけるロックピン40の往復動方
向をベーンロータ20の径方向に設定した構成におい
て、ロック解除手段50,500を設けたが、これに限
定されるものではなく、例えばロックピン41の往復動
方向をベーンロータ20の回転軸方向に設定した構成に
おいて前述のロック解除手段を採用することも可能であ
る。また、上述の実施形態においては、ロックピン機構
40,400におけるロックピン41をベーンロータ2
0側に設ける構成を採用したが、これに限定されるもの
ではなく、例えばロックピン41をハウジングロータ3
0側に出没自在に設けると共にベーンロータ20側にロ
ック穴を設け、ハウジングロータ30の外周壁部33に
第1流体通路及び第2流体通路並びに可動バルブ等の開
閉手段を配置する構成を採用することも可能である。
【0055】さらに、上述の実施形態においては、ベー
ンロータ20をカムシャフト11に直付けすると共にベ
ーンロータ20及びハウジングロータ30の回転軸をカ
ムシャフト11の回転軸と同軸とする構成を採用した
が、これに限定されるものではなく、例えばカムシャフ
ト11及びクランクシャフトのいずれの回転軸とも一致
しない別のところに回転軸を設け、ベーンロータ20に
新たに設けたスプロケットとカムシャフト11に新たに
設けたスプロケットとをチェーン等で連動するように連
結し、又、ハウジングロータ30のスプロケット32b
とクランクシャフトのスプロケットとをチェーン等で連
動するように連結する構成を採用することも可能であ
る。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のバルブタイ
ミング制御装置によれば、ベーンロータとハウジングロ
ータとがロックピンによりロックされた状態を解除する
ロック解除手段において、ロックの解除の際に、ロック
ピンの第1受圧面と第2受圧面とに同時に流体圧を作用
させるような構成を採用したことにより、流体の圧力が
比較的低く又不安定な状態であっても、迅速かつ確実に
ロック状態を解除することができる。また、ロック解除
手段を構成する開閉手段として、第1流体圧室と第2流
体圧室とを分離するシール部材を兼用することにより、
構造の簡略化及び低コスト化を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバルブタイミング制御装置の一実
施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係るバルブタイミング制御装置を構成
するベーンロータ及びハウジングロータを示す断面図で
ある。
【図3】ベーンロータがハウジングロータに対して最進
角位置に達した状態を示す断面図である。
【図4】ベーンロータがハウジングロータに対して進角
側に相対的に回転移動する際の動作を説明する図であ
る。
【図5】ベーンロータがハウジングロータに対して進角
側に相対的に回転移動する際の動作を説明する図であ
る。
【図6】ベーンロータがハウジングロータに対して遅角
側に相対的に回転移動する際の動作を説明する図であ
る。
【図7】ベーンロータがハウジングロータに対して遅角
側に相対的に回転移動する際の動作を説明する図であ
る。
【図8】本発明に係るバルブタイミング制御装置の一部
を構成するロック解除手段の他の実施形態を示す断面図
である。
【図9】本発明に係るバルブタイミング制御装置の一部
を構成するロック解除手段の他の実施形態を示す断面図
である。
【図10】本発明に係るバルブタイミング制御装置の一
部を構成するロック手段の他の実施形態を示す断面図で
あり、(a)はロック手段の概略断面図、(b)は
(a)中のE1−E1部における断面図、(c)は
(a)中のE2−E2部における断面図である。
【図11】従来のバルブタイミング制御装置を示すもの
であり、(a)はベーンロータとハウジングロータとの
関係を示す断面図、(b)は(a)中のE3−E3部に
おける断面図である。
【符号の説明】
11 カムシャフト AC 進角圧力室(第1流体圧室) RC 遅角圧力室(第2流体圧室) 20 ベーンロータ(第1回転体) 21 ハブ部 22 ベーン部 22a 外側端部 22b,22b´ シール溝 22c,22d 当接面 23 前端面 24 後端面 25 貫通孔 26a 進角側オイル通路 30 ハウジングロータ(第2回転体) 31 前壁部 32 後壁部 32b スプロケット 33 外側壁部 33a 内周壁面 34 突条部 34c,34d 側壁面 38a 遅角側オイル通路 40 ロックピン機構(ロック手段) 41 ロックピン 41a´ 端面(突出側端面、第1受圧面) C1 間隙通路 C2 間隙通路 C3 間隙通路 41b 拡径部 41b´ 環状面(第2受圧面) 42 コイルスプリング(付勢手段) 44 円筒部材 44a 第1案内孔 44b 第2案内孔 44c 中間孔 44d 貫通孔 44e 環状溝 43 ロック穴 47 嵌着部材 50 油圧解除機構(ロック解除手段) 51 オイル通路 52 間隙通路 53 間隙通路 60 オイルコントロールバルブ(流体圧制御手段) 70 鍔付きボルト 90 板バネ 91 シール部材(開閉手段) 400 ロックピン機構(ロック手段) 401 嵌着部材 402 ロック穴 C3´ 間隙通路 500 油圧解除機構(ロック解除手段) 501,502 縮径オイル通路 503 拡径オイル通路 504 オイル通路 505 可動バルブ(開閉手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムシャフトとクランクシャフトとを連
    動させると共に同軸にて回転しかつ所定の角度範囲にて
    相対的な回転移動が許容され得る第1回転体及び第2回
    転体と、第1回転体及び第2回転体の相対的な回転移動
    をロックするロック手段と、ロック手段による第1回転
    体及び第2回転体のロック状態を解除するロック解除手
    段と、第1回転体及び第2回転体の相対的な角度位置を
    流体圧にて制御する流体圧制御手段とを備えて、内燃機
    関の燃焼室を開閉するバルブの開閉タイミングを可変制
    御するバルブタイミング制御装置であって、 前記第1回転体は、回転の中央に位置するハブ部及び前
    記ハブ部から径方向外側に向けて突出するベーン部から
    なるベーンロータであり、 前記第2回転体は、前記ベーンロータを回動自在に収容
    しかつ前記ベーン部と協働して第1流体圧室及び第2流
    体圧室を画定するべく径方向内側に向かって突出する突
    条部を有するハウジングロータであり、 前記ロック手段は、前記ベーンロータ及びハウジングロ
    ータの一方において突出及び埋没自在に設けられたロッ
    クピンと、前記ロックピンを突出する方向に付勢する付
    勢手段と、前記ベーンロータ及びハウジングロータの他
    方において前記ロックピンの一部を受け入れるべく設け
    られたロック穴と、を有し、 前記ロック解除手段は、前記第1流体圧室の流体圧を埋
    没方向に受け得るべく前記ロックピンに形成された第1
    受圧面と、前記第1流体圧室又は第2流体圧室の流体圧
    を埋没方向に受け得るべく前記ロックピンに形成された
    第2受圧面と、前記第1流体圧室から前記第1受圧面に
    常時連通する間隙通路と、前記第1流体圧室から前記第
    2受圧面に連通する第1流体通路と、前記第2流体圧室
    から前記第2受圧面に連通する第2流体通路と、前記第
    1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差により前記第1流
    体通路及び第2流体通路の一方を開放及び他方を閉塞す
    る開閉手段と、を有する、ことを特徴とするバルブタイ
    ミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1流体通路及び第2流体通路は、
    前記ベーン部に形成され、 前記開閉手段は、前記ベーン部の径方向における外側端
    部に配置され前記ハウジングロータの内周壁面と密接し
    て前記第1流体圧室と第2流体圧室とを分離すると共
    に、前記ベーンロータの回転方向に移動可能に配置され
    前記第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差により移動
    させられて前記第1流体通路及び第2流体通路の一方を
    開放及び他方を閉塞するシール部材からなる、ことを特
    徴とする請求項1に記載のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1流体通路及び第2流体通路は、
    前記ベーン部に形成され、 前記開閉手段は、前記第1流体通路及び第2流体通路内
    を所定範囲に亘って往復動自在に配置され前記第1流体
    圧室及び第2流体圧室の圧力差により移動させられて前
    記第1流体通路及び第2流体通路の一方を開放及び他方
    を閉塞する可動バルブからなる、ことを特徴とする請求
    項1に記載のバルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ロック穴は、前記ロックピンが嵌合
    した状態で、前記ベーンロータの回転方向において前記
    ロックピンと密接するように、かつ、他の内壁面領域に
    おいて前記ロックピンとの間に前記間隙通路を画定する
    ように形成されている、ことを特徴とする請求項1ない
    し3いずれか一つに記載のバルブタイミング制御装置。
JP2000029973A 2000-02-08 2000-02-08 バルブタイミング制御装置 Expired - Fee Related JP4204162B2 (ja)

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