JP4204162B2 - バルブタイミング制御装置 - Google Patents

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    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
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    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/3442Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
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    • F01L2001/34479Sealing of phaser devices

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃焼室を開閉する吸気バルブ又は排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを可変制御するバルブタイミング制御装置に関し、特に、相対的な回転移動が許容される2つの回転体同士をロックする機構を備えたバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
4サイクル内燃機関(エンジン)の燃焼室を開閉する吸気バルブ及び排気バルブは、一般にシリンダヘッドに回動自在に配置されたカムシャフトにより駆動され、このカムシャフトは、スプロケット、チェーン等を介してクランクシャフトにより回転駆動されるようになっている。
また、エンジンの運転状態が低速領域あるいは高速領域等のいずれの領域にある場合でも、全域において出力を向上させ、又、有害排出ガス等をできるだけ低減させるべく、吸気カムシャフトあるいは排気カムシャフトの中心角をクランク角に対して可変として、吸気バルブあるいは排気バルブの開閉タイミング(開閉時期)を可変制御するバルブタイミング制御装置が採用されている。
【0003】
この種のバルブタイミング制御装置としては、例えば、特開平10−159515号公報に開示されたものが知られている。この公報に開示されたバルブタイミング制御装置は、図11(a),(b)に示すように、径方向に突出したベーン(羽根)1aを持ちカムシャフト2と一体的に回転するように取り付けられたベーンロータ(羽根車)1、このベーンロータ1を回動自在に収容すると共にスプロケット3に固着されてクランクシャフトに連動させられるハウジングロータ4、これらベーンロータ1とハウジングロータ4との相対的な回転移動を規制するべく回転軸方向に往復動自在に設けられたロックピン5、ロックピン5を突出する向きに付勢するバネ6、ロックピン5の先端部を受け入れるロックピン収容孔7等からなるロックピン機構、ロックピン機構によるロック状態を油圧により解除する油圧解除機構等を備えている。
【0004】
また、このベーンロータ1とハウジングロータ4とは、ベーン1aを境として進角側の第1油圧室8aと遅角側の第2油圧室8bとを画定しており、この第1油圧室8aはロックピン5の外周の一部に形成された受圧面としての溝5aに連通し、又、第2油圧室8bはロックピン5の末端側に形成された受圧面としての拡径部5bに連通するように形成されている。
【0005】
さらに、ロックピン収容孔7は、ロックピン5が嵌合されたロック状態でも、その先端面5cに接する空間9が画定されるように形成されており、ロックピン5とロックピン収容孔7との密着状態が解かれると、第1油圧室8aに導かれた加圧油が、この空間9に入り込むようになっている。
すなわち、上記第1油圧室8aに連通する溝5a、第2油圧室8bに連通する拡径部5b、先端側の空間9等が、ロックピン5によるロック状態を解除する油圧解除機構を形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記油圧解除機構においては、ロックピン5によるロック状態を解除する際に、先ず第1油圧室8a内の加圧油がロックピン5の溝5aに作用し、ロックピン5が埋没方向に後退し始めてロックピン5とロックピン収容孔7との間に隙間ができると、加圧油が空間9にも導かれてロックピン5の先端面5cにも作用し、ロックピン5がさらに後退させられるようになっている。
【0007】
したがって、加圧油がロックピン5の溝5aに作用してから先端面5cに作用するまでには時間的な遅れがあり、解除動作が迅速かつスムーズに行なわれ難い。また、加圧油の圧力が低い場合には、解除動作そのものが確実に行なわれない場合がある。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロックピンによるロック動作及びロックの解除動作を確実にかつ迅速に行なうことのできるバルブタイミング制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のバルブタイミング制御装置は、カムシャフトとクランクシャフトとを連動させると共に同軸にて回転しかつ所定の角度範囲にて相対的な回転移動が許容され得る第1回転体及び第2回転体と、第1回転体及び第2回転体の相対的な回転移動をロックするロック手段と、ロック手段による第1回転体及び第2回転体のロック状態を解除するロック解除手段と、第1回転体及び第2回転体の相対的な角度位置を流体圧にて制御する流体圧制御手段とを備えて、内燃機関の燃焼室を開閉するバルブの開閉タイミングを可変制御するバルブタイミング制御装置であって、上記第1回転体は、回転の中央に位置するハブ部及び前記ハブ部から径方向外側に向けて突出するベーン部からなるベーンロータであり、上記第2回転体は、ベーンロータを回動自在に収容しかつベーン部と協働して第1流体圧室及び第2流体圧室を画定するべく径方向内側に向かって突出する突条部を有するハウジングロータであり、上記ロック手段は、ベーンロータ及びハウジングロータの一方において突出及び埋没自在に設けられたロックピンと、このロックピンを突出する方向に付勢する付勢手段と、ベーンロータ及びハウジングロータの他方においてロックピンの一部を受け入れるべく設けられたロック穴とを有し、上記ロック解除手段は、第1流体圧室の流体圧を埋没方向に受け得るべくロックピンに形成された第1受圧面と、第1流体圧室又は第2流体圧室の流体圧を埋没方向に受け得るべくロックピンに形成された第2受圧面と、第1流体圧室から第1受圧面に常時連通する間隙通路と、第1流体圧室から第2受圧面に連通する第1流体通路と、第2流体圧室から第2受圧面に連通する第2流体通路と、第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差により第1流体通路及び第2流体通路の一方を開放及び他方を閉塞する開閉手段とを有する、ことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、第1流体圧室及び第2流体圧室に圧力流体が導かれない状態では、第1受圧面及び第2受圧面のいずれにも流体圧が作用せず、ロックピンは付勢手段により付勢されて突出しロック穴に嵌合する。これにより、ベーンロータとハウジングロータとの相対的な回転移動がロックされた状態となる。この状態で、ロックピンの第1受圧面は、間隙通路を介して常時第1流体圧室に連通した状態にある。
一方、流体圧制御手段の作動により、第1流体圧室に圧力流体が導かれると、間隙通路を介して、この第1流体圧室の液圧が即座にロックピンの第1受圧面に作用すると共に、第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差により開閉手段が作動して、第1流体通路が開放されると共に第2流体通路が閉塞されて、この第1流体圧室の流体圧が即座にロックピンの第2受圧面に作用する。
これにより、流体の圧力が比較的に低く又不安定な状態であっても、付勢手段の付勢力に抗してロックピンが埋没方向に後退させられ、ロックピンによるロック状態が迅速かつ確実に解除される。そして、ベーンロータとハウジングロータとは相対的に回転移動して位相がずれ、例えば、カムシャフトが進角側に変位することになる。
また、上記の状態から、流体圧制御手段の作動により、第2流体圧室に圧力流体が導かれ、第1流体圧室内の圧力流体が排出されると、第2流体圧室の圧力が第1流体圧室の圧力よりも高くなり、開閉手段は第1流体通路を閉塞すると共に第2流体通路を開放するように作動し、ロックピンの第2受圧面に対して第2流体圧室の流体圧が作用する。
したがって、高負荷高速運転状態等のように流体の圧力が比較的に高い場合においては、流体圧が上記第2受圧面にのみ作用するだけでもロックピンは埋没した状態に維持されて、ハウジングロータの内壁面と衝突することはなく、ベーンロータとハウジングロータとは相対的に回転移動して位相がずれ、例えば、カムシャフトが遅角側に変位することになる。
【0011】
上記構成において、第1流体通路及び第2流体通路はベーン部に形成され、開閉手段は、ベーン部の径方向における外側端部に配置されハウジングロータの内周壁面と密接して第1流体圧室と第2流体圧室とを分離すると共に、ベーンロータの回転方向に移動可能に配置され第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差により移動させられて第1流体通路及び第2流体通路の一方を開放及び他方を閉塞するシール部材からなる、構成を採用することができる。
【0012】
上記構成によれば、ロックピンがハウジングロータ側に配置され、かつ、ロックピンの第1受圧面及び第2受圧面に連通する第1流体通路及び第2流体通路がハウジングロータ側に形成される場合に比べて、第1流体通路及び第2流体通路の通路長を短くすることができ、全体としての小型化が行なえる。
また、ベーン部とハウジングロータとの間のシールの役割をなすシール部材が、開閉手段を兼ねることになり、その分だけ、構造の簡略化、製品の低コスト化が行なえる。
【0013】
上記構成において、第1流体通路及び第2流体通路はベーン部に形成され、開閉手段は、第1流体通路及び第2流体通路内を所定範囲に亘って往復動自在に配置され第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差により移動させられて第1流体通路及び第2流体通路の一方を開放及び他方を閉塞する可動バルブからなる、構成を採用することができる。
【0014】
上記構成によれば、第1流体通路及び第2流体通路の内部を、第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差に基づいて往復動する可動バルブにより、第1流体通路及び第2流体通路の開閉動作が行なわれる。
したがって、可動バルブを、例えば円柱状あるいは球状の簡単な構造に形成して、確実にかつ迅速に通路の開閉動作を行なわせることができる。
【0015】
上記構成において、ロック穴は、ロックピンが嵌合した状態で、ベーンロータの回転方向においてロックピンと密接するように、かつ、他の内壁面領域においてロックピンとの間に間隙通路を画定するように形成された、構成を採用することができる。
【0016】
上記構成によれば、ロックピンがロック穴に嵌合したロック状態において、第1流体圧室は、ベーンロータの回転方向からずれた他の内壁面領域において形成された間隙通路を介してロックピンの第1受圧面に連通させられ、又、ベーンロータの回転方向においてロックピンはロック穴と密接に嵌合することになる。
したがって、ロック状態において、ベーンロータとハウジングロータとが確実に固定され、両者間のガタツキ等が確実に防止される。一方、第1流体圧室に圧力流体が導かれると、その圧力流体の流体圧が、間隙通路を介して即座に第1受圧面に作用し、ロックの解除動作が迅速かつ確実に行なわれる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図3は、本発明に係るバルブタイミング制御装置の一実施形態を示すものであり、図1は全体の概略構成図、図2及び図3は主要部分の構成を示す断面図である。
この実施形態に係るバルブタイミング制御装置は、図1ないし図3に示すように、エンジンの燃焼室を開閉する吸気バルブを駆動するカムシャフト11とクランクシャフト(不図示)とを連動させると共に同軸にて回転しかつ所定の角度範囲にて相対的な回転移動が許容され得る第1回転体としてのベーンロータ20及び第2回転体としてのハウジングロータ30と、これらベーンロータ20及びハウジングロータ30の相対的な回転移動をロックするロック手段としてのロックピン機構40と、このロックピン機構40によるベーンロータ20とハウジングロータ30とのロック状態を解除するロック解除手段としての油圧解除機構50と、これらベーンロータ20とハウジングロータ30との相対的な回転角度位置を流体圧すなわち油圧にて制御する流体圧制御手段としてのオイルコントロールバルブ(OCV)60等を、その基本構成として備えている。
【0018】
また、上記の構成において、オイルコントロールバルブ60には、エンジンのオイルパン12に溜まった潤滑油が、オイルストレーナ(不図示)、オイルポンプ13、オイルフィルタ14等を介して加圧油として供給され、この供給された加圧油が、カムシャフト11の領域に形成されたオイル通路に供給されてさらに装置内に導かれ、又、装置内からこのオイル通路を通り再びオイルコントロールバルブ60を経て、オイルパン12にリターンされるようになっている。
【0019】
尚、エンジンには、クランクシャフトの回転角度を検出するクランク角センサ、カムシャフト11の回転角度を検出するカム角センサ、冷却水の温度を検出する水温センサ、吸気の圧力を検出する吸気圧センサ、吸気の流量を検出するエアフローセンサ等の種々の検出センサが設けられている。
そして、これらのセンサから出力される出力信号が、エンジンコントロールユニット(不図示)により処理されて、エンジンの運転状態が判断され、予め設定された駆動マップに基づく制御信号が、エンジンコントロールユニットからオイルコントロールバルブ60に向けて出力され、その駆動が制御される。
【0020】
ところで、第1回転体としてのベーンロータ20は、図2に示すように、回転の中央に位置するハブ部21と、このハブ部21から径方向外側に向けて突出する3個のベーン部22とにより形成されている。これら3個のベーン部22は、ハブ部の周方向において略120°の角度を隔てて配置されており、その一つにはロックピン機構40及び油圧解除機構50の一部が配置されている。
【0021】
また、このベーンロータ20は、図1に示すように、平坦に形成された前端面23及び後端面24を有し、この前端面23でかつハブ部21の領域には、円柱状の前側凹部23aが形成されており、又、後端面24でかつハブ部21の領域には、カムシャフト11の拡径部11aに嵌合する円柱状の後側凹部24aが形成されている。さらに、これら前側凹部23aと後側凹部24aとには、これらの中央部を貫通する貫通孔25が形成されている。
そして、このベーンロータ20は、その後側凹部24aにカムシャフト11の拡径部11aが嵌合され、鍔付きボルト70が、前側凹部23a側からワッシャー80を介して貫通孔25に通されてカムシャフト11のネジ穴11bに螺合されている。これにより、ベーンロータ20はカムシャフト11に固着されて一体的に回転するようになっている。
【0022】
第2回転体としてのハウジングロータ30は、図1及び図2に示すように、ベーンロータ20を所定の角度範囲(例えば、30°〜45°の範囲)において回動自在に収容するべく、ベーンロータ20の前端面23と密接して相対的に摺動する前壁部31と、ベーンロータ20の後端面24と密接して相対的に摺動する後壁部32と、径方向外側から囲繞する外周壁部33とを有するように形成され、又、ベーン部21と協働して第1流体圧室としての進角圧力室AC及び第2流体圧室としての遅角圧力室RCを画定するべく、径方向内側に向かって突出する3個の突条部34とを有するように形成されている。
【0023】
また、上記前壁部31、外周壁部33、及び突条部34は、一体的に成型されさらに、突条部34の外側には、フランジ部35が一体的に成型されている。そして、このフランジ部35を後壁部32に当接させて、3本の締結ボルト36により両者を締め付けることで、ベーンロータ20がハウジングロータ30の内部に収容されるようになっている。尚、フランジ部35と後壁部32との位置決めは、位置決めピン37を基準に行なわれる。
さらに、上記後壁部32には、その中央部に嵌合孔32aが形成され、この嵌合孔32aには、カムシャフト11の拡径部11aが嵌合されて、加圧油が洩れないシール性を確保しつつ相対的に回転移動し得るようになっている。
また、後壁部32の外周部には、図1に示すように、スプロケット32bが一体的に形成されており、このスプロケット32bには、クランクシャフトのスプロケットに掛けられたチェーンが掛けられており、クランクシャフトの回転に連動して、このハウジングロータ30が回転するようになっている。
【0024】
上記構成において、ベーンロータ20を形成するハブ部21の外周面21aは、突条部34の内周面34aと密接して摺動するように、すなわち、ハブ部21と突条部34とは、加圧油が洩れない程度のシール性を保持しつつ相対的に回転移動し得るように嵌合されている。
一方、ベーンロータ20を形成するベーン部22の径方向における外側端部22aは、径方向において外側壁部33の内周壁面33aとの間に所定の間隙(後述する間隙通路C2)を形成して非接触状態を維持しつつ相対的に回転移動し得るように形成されている。
【0025】
これらベーン部22の外側端部22aには、カムシャフト11の回転軸方向に伸長するシール溝22b,22b´が形成され、この溝22b,22b´には、径方向外側に向けて付勢する板バネ90(図1参照)を介して、略矩形断面をなす角柱状の樹脂材料からなるシール部材91が配置されている。
そして、このシール部材91は、内周壁面33aに常時密接するように付勢されるこにより、加圧油が相互に洩れない程度のシール性を保持した状態で、ベーン部22の左側に位置する進角圧力室(第1流体圧室)ACとベーン部22の右側に位置する遅角圧力室(第2流体圧室)RCとを分離しつつ、内周壁面33aを摺動するようになっている。尚、これらシール部材91のうちの一つは、後述する油圧解除機構50の開閉手段としても兼用されるものである。
【0026】
また、一つのベーン部22には、図2及び図3に示すように、当接面22c,22dが形成されており、これら当接面22c,22dが突条部34の側壁面34c,34dにそれぞれ当接することで、ハウジングロータ30に対するベーンロータ20の相対的な回転が所定の角度範囲(例えば、30°〜45°)に規制されるようになっている。
【0027】
上記ベーンロータ20のハブ部21には、図1ないし図3に示すように、その貫通孔25から進角圧力室ACに連通する3本の進角側オイル通路26aが形成されている。そして、この進角側オイル通路26aは、貫通孔25と鍔付きボルト70の外周面との間に画定される環状の隙間通路26bに連通し、この隙間通路26bは、ハブ部21の後側凹部24aの底面に形成された溝通路26cに連通し、この溝通路26cは、カムシャフト11に形成された案内通路26dに連通し、この案内通路26dは、カムシャフト11の外周に形成された環状溝通路26eに連通している。
上記進角側オイル通路26a,隙間通路26b,溝通路26c,案内通路26d,環状溝通路26eを介して、進角圧力室ACに加圧油が導かれ又進角圧力室ACから加圧油が排出される。
【0028】
上記ハウジングロータ30の後壁部32には、図1ないし図3に示すように、遅角圧力室RCに連通する3本の遅角側オイル通路38aが形成されている。そして、この遅角側オイル通路38aは、カムシャフト11の拡径部11aの外周に形成された環状溝通路38bに連通し、この環状溝通路38bは、カムシャフト11に形成された案内通路38cに連通し、この案内通路38cは、カムシャフト11の外周に形成された環状溝通路38dに連通している。
上記遅角側オイル通路38a,環状溝通路38b,案内通路38c,環状溝通路38dを介して、遅角圧力室RCに加圧油が導かれ又遅角圧力室RCから加圧油が排出される。
【0029】
ロック手段としてのロックピン機構40は、図2及び図3に示すように、ベーンロータ20の一つのベーン部22において、その径方向に突出及び埋没自在に設けられたロックピン41と、このロックピン41を突出する方向に付勢する付勢手段としてのコイルスプリング42と、ハウジングロータ30の外周壁部33においてロックピン41の先端部(一部)を受け入れるべく設けられたロック穴43等により構成されている。
【0030】
このロックピン41は、図4に示すように、円柱状に形成された先端部41aと、これに続き拡径して円柱状に形成された拡径部41bと、これら先端部41a及び拡径部41bの内部に形成された空洞部41cとにより構成されている。そして、この先端部41aの端面(突出側端面)41a´は、平坦に形成されて埋没方向に油圧を受け得る第1受圧面を形成している。また、拡径部41bは、その環状面41b´が略平坦に形成されて埋没方向に油圧を受け得る第2受圧面を形成している。さらに、空洞部41cは、コイルスプリング42を収容する空間を形成している。
【0031】
上記ロックピン41は、ベーン部22の円柱穴45に嵌着される円筒部材44により、その脱落が防止されつつ突出及び埋没方向に往復動自在に案内されている。ここで、この円筒部材44は、図4に示すように、ロックピン41の先端部41aを摺動自在に案内する第1案内孔44aと、ロックピン41の拡径部41bを摺動自在に案内する第2案内孔44bと、これら第1案内孔44aより拡径されかつ第2案内孔44bより縮径された中間孔44cと、この中間孔44cの領域において径方向に向かって貫通された複数の貫通孔44dと、これら貫通孔44dが位置する外周面にて形成された環状溝44e等により形成されている。
【0032】
上記円筒部材44を用いたロックピン41の取り付けにおいては、先ず、コイルスプリング42の一端をベーン部22の着座穴46に着座させ、コイルスプリング42の他端側をロックピン41の空洞部41c内に挿入した状態で、このロックピン41に円筒部材44を外嵌させて、コイルスプリング42を圧縮しつつ、円筒部材44をベーン部22の円柱穴45に嵌着する。
これにより、ロックピン41は、ベーン部22に対して突出及び埋没自在に保持されることになる。この際、ロックピン41の拡径部41bの外周縁部が、中間孔44cと第2案内孔44bとの境界をなす段差部44fに当接することにより、ロックピン41の突出量が所定範囲に規制されることになる。
【0033】
一方、ロックピン41を受け入れるロック穴43は、ハウジングロータ30の外側壁部33に嵌着されて外側壁部33の一部をなす嵌着部材47に形成されている。この嵌着部材47は、図4に示すように、その内側壁面47aが、ベーン部22の外側端部22a´との間に間隙通路C1を画定するようにかつベーンロータ20の回転方向においてテーパ面をなすように形成されている。尚、ハウジングロータ30の外側壁部33の内周壁面33aとベーン部22の外側端部22aとの間にも、同様に間隙通路C2が画定されている。
また、ロック穴43は、円柱状の凹部として形成されており、又、その穴の内径はロックピン41の先端部41aの外径よりも若干大きく、例えば0.5mm程度大きく設定されている。したがって、このロック穴43にロックピン41が嵌合した状態でも、図4に示すように、両者の間には間隙通路C3が形成されることになる。
【0034】
このように、ロック状態においても、間隙通路C3が常時確保されているため、進角圧力室AC内に加圧油が充填されたとき、その油圧がロックピン41の端面41a´に即座に作用するようになっている。
また、ハウジングロータ30に結合される嵌着部材47を設け、この嵌着部材47に対してロック穴43を形成することにより、機械加工性あるいは製造性が向上し、その分だけ製造コストの低減等を行なうことができる。
【0035】
以上のような構成からなるロック機構40は、図2に示すように、ベーンロータ20が最遅角位置にあるとき、すなわち、ベーン部22の当接面22cが突条部34の側壁面34cに当接した位置にあるとき、そのロックピン41がロック穴43に嵌合してロック状態を形成するように配置されている。
これにより、エンジン始動時あるいはアイドル運転時等の油圧の低い時、ベーンロータ20とハウジングロータ30とのロック状態が形成されるため、両者の相対的な移動によるガタツキ等を容易に防止できると共に、アイドル運転時の安定性等を確保することができる。
【0036】
ロック解除手段としての油圧解除機構50は、図4に示すように、進角圧力室ACの油圧を埋没方向に受け得るべくロックピン41に形成された第1受圧面としての端面(突出側端面)41a´と、進角圧力室AC又は遅角圧力室RCの油圧を埋没方向に受け得るべくロックピン41に形成された第2受圧面としての環状面41b´と、進角圧力室ACから端面41a´に常時連通する前述の間隙通路C3と、進角圧力室ACから環状面41b´に連通する第1流体通路としての第1オイル通路と、遅角圧力室RCから環状面41b´に連通する第2流体通路としての第2オイル通路と、進角圧力室AC及び遅角圧力室RCの油圧の圧力差により第1オイル通路及び第2オイル通路の一方を開放及び他方を閉塞する開閉手段としてのシール部材91等により構成されている。
【0037】
ここで、シール部材91が収容されたシール溝22´は、図4に示すように、ベーンロータ20の回転方向Rにおいて、シール部材91の幅よりも幅広に形成されており、シール部材91は板バネ90(説明の便宜上図4では省略、図1参照)により径方向外側に向けて付勢された状態で、シール溝22b´の内部を回転方向Rに移動自在となっている。また、このシール溝22b´には、円筒部材44の環状溝44eに連通するオイル通路51が形成されており、シール溝22b´に入り込んだ加圧油が、このオイル通路51を通って、環状溝44e及び貫通孔44dから環状面41b´に導かれるようになっている。
【0038】
したがって、進角圧力室ACの圧力が遅角圧力室RCの圧力よりも高いときは、図4及び図5に示すように、シール部材91は、遅角圧力室RC側に移動させられて、その反対側に間隙通路52を画定する。一方、遅角圧力室RCの圧力が進角圧力室ACの圧力よりも高いときは、図6及び図7に示すように、シール部材91は、進角圧力室AC側に移動させられて、その反対側に間隙通路53を画定する。
【0039】
すなわち、上記間隙通路C1、間隙通路C2、間隙通路52、オイル通路51、環状溝44e、及び貫通孔44dにより、進角圧力室ACから第2受圧面である環状面41b´に連通する第1オイル通路(第1流体通路)が形成されている。また、上記間隙通路C2、間隙通路53、オイル通路51、環状溝44e、及び貫通孔44dにより、遅角圧力室RCから第2受圧面である環状面41b´に連通する第2オイル通路(第2流体通路)が形成されている。
さらに、シール溝22b´に収容されたシール部材91が、進角圧力室AC及び遅角圧力室RCの両油圧の圧力差により、第1オイル通路及び第2オイル通路の一方を開放及び他方を閉塞する開閉手段として機能している。
【0040】
このように、ベーン部22とハウジングロータ30との間のシールの役割をなすシール部材91を、第1オイル通路及び第2オイル通路の一方を開放及び他方を閉塞する開閉手段として兼用することにより、その分だけ部品点数を少なくでき、構造の簡略化、製品の低コスト化が行なえる。
【0041】
次に、上述の実施形態に係るバルブタイミング制御装置の動作について、図4ないし図7を参照しつつ説明する。
先ず、エンジンが停止した状態では、図4に示すように、ベーンロータ20はハウジングロータ30に対して最遅角位置に位置付けられ、コイルスプリング42の付勢力によりロックピン41が突出してロック穴43に嵌合したロック状態にある。
ここで、エンジンが始動されアイドル運転状態にあるときは、図4に示す最遅角位置が保持されて、吸気バルブの開閉タイミングを最も遅くし、これにより、アイドル回転の安定性及び燃費の向上が行なわれる。尚、この運転状態においては、オイルコントロールバルブ60が駆動されて、遅角圧力室RC側に、ロックピン41が押し込まれない程度の加圧油が供給されて、特にエンジン始動時の際のハウジングロータ30に対するベーンロータ20のガタツキ等が防止される。
【0042】
続いて、エンジンが中負荷あるいは高負荷低中速運転状態にあるときは、オイルコントロールバルブ60が駆動されて、進角圧力室AC側に加圧油が供給され、ロックピン機構40によるロック状態が解除され、ベーンロータ20は、ハウジングロータ30に対して、図5に示すような最進角位置に移動させられる。
この位置においては、図3に示すように、ベーン部22の当接面22dが突条部34の側壁面34dに当接して、進角側へのそれ以上の移動が規制された状態となっている。
この進角動作においては、図4に示すように、進角圧力室AC内に供給された加圧油が、間隙通路C3を介してロックピン41の端面(第1受圧面)41a´に即座に作用する。また、シール部材91が遅角圧力室RC側に移動させられることで、供給された加圧油は、間隙通路C1、間隙通路C2、間隙通路52、オイル通路51、環状溝44e、及び貫通孔44dからなる第1オイル通路(第1流体通路)を通ってロックピン41の環状面(第2受圧面)41b´にも作用する。
【0043】
すなわち、エンジンのオイルポンプ13から供給される油圧が比較的低い運転状態であっても、その低い圧力の加圧油が、端面41a´(第1受圧面)だけでなく環状面41b´(第2受圧面)にも作用するため、図5に示すように、ロックピン41は迅速にかつスムーズに埋没方向に押し込まれて後退し、ロック穴43から確実に離脱する。これにより、ロック状態が迅速かつ確実に解除され、進角側へのベーンロータ20の相対的な回転が許容されることになる。
【0044】
また、エンジンが高負荷高速運転状態にあるときは、オイルコントロールバルブ60が駆動されて、今度は遅角圧力室RCに加圧油が供給されると共に進角圧力室AC内の加圧油が一部排出される。この時、ベーンロータ20は、ハウジングロータ30に対して、遅角側に回転移動させられる。
この遅角動作においては、図6に示すように、シール部材91が進角圧力室AC側に移動させられて、遅角圧力室RC内の加圧油が、間隙通路C2、間隙通路53、オイル通路51、環状溝44e、及び貫通孔44dからなる第2オイル通路(第2流体通路)を通って環状面41b´(第2受圧面)に作用する。すなわち、この運転状態においては、遅角圧力室RCから導かれる加圧油の油圧は比較的高く、この環状面41b´のみへ加圧油が作用するだけで、ロックピン41は埋没位置に押し込まれて保持されることになる。
【0045】
尚、仮に遅角圧力室RCに供給される加圧油の圧力が低くてロックピン41が突出した場合でも、図6中の二点鎖線で示すように、ロックピン41の先端部41aはハウジングロータ30の内周壁面33aと接触しない(非接触状態にある)ため、衝突音等の発生を防止できる。さらに、ロックピン41が突出した状態で、ベーンロータ20が最遅角位置に回転移動する場合、ロックピン41の先端部41aは、嵌着部材47の内側壁面47aのテーパ面によりスムーズに案内されてロック穴43に嵌合することになる。
【0046】
また、エンジンが低温状態で運転されるとき、あるいは、エンジンが停止されるときは、オイルコントロールバルブ60が駆動されて、遅角圧力室RC側にさらに加圧油が供給されあるいは進角圧力室AC内の加圧油が排出されることで、ベーンロータ20は、図7に示すように、ハウジングロータ30に対して最遅角位置に位置付けられ、あるいは、この位置にてロック状態とされる。
これにより、ファーストアイドル回転の安定性及び燃費を向上させ、又、次の始動時におけるベーンロータ20のガタツキが防止される。
【0047】
図8及び図9は、本発明に係るバルブタイミング制御装置の他の実施形態を示すものであり、この実施形態においては、前述の実施形態におけるロック解除手段としての油圧解除機構50の一部が変更されている。尚、以下に述べる以外の構成については、前述の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
すなわち、この実施形態に係るバルブタイミング制御装置の油圧解除機構500においては、図8及び図9に示すように、3個のベーン部22の外側端部22a全てに対して、同様のシール溝22bが形成され、このシール溝22b内に板バネ90を介してシール部材91が配置されている。
【0048】
また、このシール部材91を境に、進角圧力室AC側に開口する縮径オイル通路501と、遅角圧力室RC側に開口する縮径オイル通路502とが形成されている。そして、これら縮径オイル通路501及び縮径オイル通路502を直線的に連通させると共に径の大きい拡径オイル通路503が形成され、この拡径オイル通路503の略中央部から円筒部材44の環状溝44eに連通するオイル通路504が形成されている。
すなわち、間隙通路C1、縮径オイル通路501、拡径オイル通路503、オイル通路504、環状溝44e、及び貫通孔44dにより、進角圧力室ACから第2受圧面である環状面41b´に連通する第1オイル通路(第1流体通路)が形成されている。また、縮径オイル通路502、拡径オイル通路503、オイル通路504、環状溝44e、及び貫通孔44dにより、遅角圧力室RCから第2受圧面である環状面41b´に連通する第2オイル通路(第2流体通路)が形成されている。
【0049】
さらに、この拡径オイル通路503の内部には、往復動自在に可動バルブ505が配置されている。この可動バルブ505は、拡径オイル通路503内を密接して摺動するような円柱形状に形成されている。そして、この可動バルブ5050は、図8に示すように、遅角圧力室RC側に移動すると、縮径オイル通路501とオイル通路504とを連通させる(第1オイル通路を開放させる)と共に縮径オイル通路502とオイル通路504との連通を遮断(第2オイル通路を閉塞)し、一方、図9に示すように、進角圧力室AC側に移動すると、縮径オイル通路502とオイル通路504とを連通させる(第2オイル通路を開放させる)と共に縮径オイル通路501とオイル通路504との連通を遮断(第1オイル通路を閉塞)するようになっている。
【0050】
すなわち、上記可動バルブ505は、進角圧力室AC及び遅角圧力室RCの油圧の圧力差により第1オイル通路及び第2オイル通路の一方を開放及び他方を閉塞する開閉手段として機能するものである。
また、この可動バルブ505の両端側でかつ拡径オイル通路503内にそれぞれコイルスプリング(不図示)を配置して、圧力が加わらない状態で、この可動バルブ505が拡径オイル通路503の略中央部に位置付けられる構成を採用することも可能である。この場合、拡径オイル通路503内での可動バルブ505のガタツキを防止できる。
【0051】
図10(a),(b),(c)は、本発明に係るバルブタイミング制御装置のさらに他の実施形態を示すものであり、この実施形態においては、前述の実施形態におけるロック手段としてのロックピン機構40の一部が変更されている。ここで、図10(a)は、本実施形態に係るロックピン機構400の一部を示す断面図、図10(b)は、図10(a)中のE1−E1における断面図、図10(c)は、図10(a)中のE2−E2における断面図である。尚、以下に述べる以外の構成については、前述の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0052】
この実施形態に係るバルブタイミング制御装置のロックピン機構400においては、図10(a),(b),(c)に示すように、ハウジングロータ30の外側壁部33の一部をなす嵌着部材401が嵌着されており、この嵌着部材401には、ロックピン41の先端部41aを受け入れるロック穴402が円形以外の形状に形成されている。
すなわち、図10(c)に示すように、ベーンロータ20の回転方向Rにおいては、ロックピン41の外周面がロック穴402と密接するように、又、ベーンロータ20の回転軸方向S及びその近傍領域においては、ロックピン41の外周面との間に間隙通路C3´を画定するように形成されている。
【0053】
このように、ロック状態では、ベーンロータ20の回転方向Rにおいて、ロックピン41がロック穴402に密接するため、ベーンロータ20とハウジングロータ30との間のガタツキがより一層確実に防止され、一方において、間隙通路C3´が常時確保されているため、進角圧力室AC内に加圧油が充填されたとき、その油圧がロックピン41の端面41a´に即座に作用するようになっている。
【0054】
以上述べた実施形態においては、ロックピン機構40,400におけるロックピン40の往復動方向をベーンロータ20の径方向に設定した構成において、ロック解除手段50,500を設けたが、これに限定されるものではなく、例えばロックピン41の往復動方向をベーンロータ20の回転軸方向に設定した構成において前述のロック解除手段を採用することも可能である。
また、上述の実施形態においては、ロックピン機構40,400におけるロックピン41をベーンロータ20側に設ける構成を採用したが、これに限定されるものではなく、例えばロックピン41をハウジングロータ30側に出没自在に設けると共にベーンロータ20側にロック穴を設け、ハウジングロータ30の外周壁部33に第1流体通路及び第2流体通路並びに可動バルブ等の開閉手段を配置する構成を採用することも可能である。
【0055】
さらに、上述の実施形態においては、ベーンロータ20をカムシャフト11に直付けすると共にベーンロータ20及びハウジングロータ30の回転軸をカムシャフト11の回転軸と同軸とする構成を採用したが、これに限定されるものではなく、例えばカムシャフト11及びクランクシャフトのいずれの回転軸とも一致しない別のところに回転軸を設け、ベーンロータ20に新たに設けたスプロケットとカムシャフト11に新たに設けたスプロケットとをチェーン等で連動するように連結し、又、ハウジングロータ30のスプロケット32bとクランクシャフトのスプロケットとをチェーン等で連動するように連結する構成を採用することも可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のバルブタイミング制御装置によれば、ベーンロータとハウジングロータとがロックピンによりロックされた状態を解除するロック解除手段において、ロックの解除の際に、ロックピンの第1受圧面と第2受圧面とに同時に流体圧を作用させるような構成を採用したことにより、流体の圧力が比較的低く又不安定な状態であっても、迅速かつ確実にロック状態を解除することができる。
また、ロック解除手段を構成する開閉手段として、第1流体圧室と第2流体圧室とを分離するシール部材を兼用することにより、構造の簡略化及び低コスト化を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバルブタイミング制御装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係るバルブタイミング制御装置を構成するベーンロータ及びハウジングロータを示す断面図である。
【図3】ベーンロータがハウジングロータに対して最進角位置に達した状態を示す断面図である。
【図4】ベーンロータがハウジングロータに対して進角側に相対的に回転移動する際の動作を説明する図である。
【図5】ベーンロータがハウジングロータに対して進角側に相対的に回転移動する際の動作を説明する図である。
【図6】ベーンロータがハウジングロータに対して遅角側に相対的に回転移動する際の動作を説明する図である。
【図7】ベーンロータがハウジングロータに対して遅角側に相対的に回転移動する際の動作を説明する図である。
【図8】本発明に係るバルブタイミング制御装置の一部を構成するロック解除手段の他の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明に係るバルブタイミング制御装置の一部を構成するロック解除手段の他の実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明に係るバルブタイミング制御装置の一部を構成するロック手段の他の実施形態を示す断面図であり、(a)はロック手段の概略断面図、(b)は(a)中のE1−E1部における断面図、(c)は(a)中のE2−E2部における断面図である。
【図11】従来のバルブタイミング制御装置を示すものであり、(a)はベーンロータとハウジングロータとの関係を示す断面図、(b)は(a)中のE3−E3部における断面図である。
【符号の説明】
11 カムシャフト
AC 進角圧力室(第1流体圧室)
RC 遅角圧力室(第2流体圧室)
20 ベーンロータ(第1回転体)
21 ハブ部
22 ベーン部
22a 外側端部
22b,22b´ シール溝
22c,22d 当接面
23 前端面
24 後端面
25 貫通孔
26a 進角側オイル通路
30 ハウジングロータ(第2回転体)
31 前壁部
32 後壁部
32b スプロケット
33 外側壁部
33a 内周壁面
34 突条部
34c,34d 側壁面
38a 遅角側オイル通路
40 ロックピン機構(ロック手段)
41 ロックピン
41a´ 端面(突出側端面、第1受圧面)
C1 間隙通路
C2 間隙通路
C3 間隙通路
41b 拡径部
41b´ 環状面(第2受圧面)
42 コイルスプリング(付勢手段)
44 円筒部材
44a 第1案内孔
44b 第2案内孔
44c 中間孔
44d 貫通孔
44e 環状溝
43 ロック穴
47 嵌着部材
50 油圧解除機構(ロック解除手段)
51 オイル通路
52 間隙通路
53 間隙通路
60 オイルコントロールバルブ(流体圧制御手段)
70 鍔付きボルト
90 板バネ
91 シール部材(開閉手段)
400 ロックピン機構(ロック手段)
401 嵌着部材
402 ロック穴
C3´ 間隙通路
500 油圧解除機構(ロック解除手段)
501,502 縮径オイル通路
503 拡径オイル通路
504 オイル通路
505 可動バルブ(開閉手段)

Claims (4)

  1. カムシャフトとクランクシャフトとを連動させると共に同軸にて回転しかつ所定の角度範囲にて相対的な回転移動が許容され得る第1回転体及び第2回転体と、第1回転体及び第2回転体の相対的な回転移動をロックするロック手段と、ロック手段による第1回転体及び第2回転体のロック状態を解除するロック解除手段と、第1回転体及び第2回転体の相対的な角度位置を流体圧にて制御する流体圧制御手段とを備えて、内燃機関の燃焼室を開閉するバルブの開閉タイミングを可変制御するバルブタイミング制御装置であって、
    前記第1回転体は、回転の中央に位置するハブ部及び前記ハブ部から径方向外側に向けて突出するベーン部からなるベーンロータであり、
    前記第2回転体は、前記ベーンロータを回動自在に収容しかつ前記ベーン部と協働して第1流体圧室及び第2流体圧室を画定するべく径方向内側に向かって突出する突条部を有するハウジングロータであり、
    前記ロック手段は、前記ベーンロータ及びハウジングロータの一方において突出及び埋没自在に設けられたロックピンと、前記ロックピンを突出する方向に付勢する付勢手段と、前記ベーンロータ及びハウジングロータの他方において前記ロックピンの一部を受け入れるべく設けられたロック穴と、を有し、
    前記ロック解除手段は、前記第1流体圧室の流体圧を埋没方向に受け得るべく前記ロックピンに形成された第1受圧面と、前記第1流体圧室又は第2流体圧室の流体圧を埋没方向に受け得るべく前記ロックピンに形成された第2受圧面と、前記第1流体圧室から前記第1受圧面に常時連通する間隙通路と、前記第1流体圧室から前記第2受圧面に連通する第1流体通路と、前記第2流体圧室から前記第2受圧面に連通する第2流体通路と、前記第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差により前記第1流体通路及び第2流体通路の一方を開放及び他方を閉塞する開閉手段と、を有する、
    ことを特徴とするバルブタイミング制御装置。
  2. 前記第1流体通路及び第2流体通路は、前記ベーン部に形成され、
    前記開閉手段は、前記ベーン部の径方向における外側端部に配置され前記ハウジングロータの内周壁面と密接して前記第1流体圧室と第2流体圧室とを分離すると共に、前記ベーンロータの回転方向に移動可能に配置され前記第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差により移動させられて前記第1流体通路及び第2流体通路の一方を開放及び他方を閉塞するシール部材からなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング制御装置。
  3. 前記第1流体通路及び第2流体通路は、前記ベーン部に形成され、
    前記開閉手段は、前記第1流体通路及び第2流体通路内を所定範囲に亘って往復動自在に配置され前記第1流体圧室及び第2流体圧室の圧力差により移動させられて前記第1流体通路及び第2流体通路の一方を開放及び他方を閉塞する可動バルブからなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング制御装置。
  4. 前記ロック穴は、前記ロックピンが嵌合した状態で、前記ベーンロータの回転方向において前記ロックピンと密接するように、かつ、他の内壁面領域において前記ロックピンとの間に前記間隙通路を画定するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のバルブタイミング制御装置。
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