JPH08121124A - 内燃機関用バルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関用バルブタイミング調整装置

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JPH08121124A
JPH08121124A JP10103795A JP10103795A JPH08121124A JP H08121124 A JPH08121124 A JP H08121124A JP 10103795 A JP10103795 A JP 10103795A JP 10103795 A JP10103795 A JP 10103795A JP H08121124 A JPH08121124 A JP H08121124A
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JP
Japan
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hydraulic chamber
vane
oil
retard
valve
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Application number
JP10103795A
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English (en)
Inventor
Masayasu Ushida
正泰 牛田
Michio Adachi
美智雄 安達
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/34403Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using helically teethed sleeve or gear moving axially between crankshaft and camshaft

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧室間の油漏れを減少させ、吸排気弁開閉
制御の応答性に優れる精度の高いエンジン用バルブタイ
ミング調整装置を提供する。 【構成】 タイミングプーリ1は、エンジンのクランク
シャフトと同期して回転しており、カムシャフトは、タ
イミングプーリ1に対し所定の位相差をおいて回動可能
である。シューハウジング3は、ベーン9を回動可能に
収容している。遅角油圧室10と進角油圧室13、遅角
油圧室11と進角油圧室12との間をそれぞれ軸方向の
両端面でシールするベーン9aおよび9bの最短距離L
1 および横断面積は、遅角油圧室10と進角油圧室1
2、遅角油圧室11と進角油圧室13との間を軸方向の
両端面でシールするシュー3aおよび3bの最短距離L
2 および横断面積とほぼ等しい。このため、遅角油圧室
10と進角油圧室13、遅角油圧室11と進角油圧室1
2との間に生じる油漏れを減少することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関(以下、「内
燃機関」をエンジンという)の吸排気弁の開閉タイミン
グを運転条件に応じて変更するためのバルブタイミング
調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンのクランクシャフトと同
期回転するタイミングプーリやチェーンスプロケットを
介してカムシャフトを駆動し、タイミングプーリやチェ
ーンスプロケットとカムシャフトとの相対回動による位
相差により吸排気弁の開閉を行うベーン式のバルブタイ
ミング調整装置が知られている。このようなベーン式の
バルブタイミング調整装置として、特開平1−9250
4号公報、実開平2−50105号公報、特開平5−1
06412号公報、特開平5−214907号公報に開
示されているものが知られている。このようなベーン式
のバルブタイミング調整装置は、例えばタイミングプー
リの内周壁に圧力室を設けてベーンを収容し、カムシャ
フトとともに回動するベーンを例えば油圧により進角側
または遅角側に回動させて吸排気弁の開閉タイミングを
制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のベーン式のバルブタイミング調整装置では、
ベーンの周方向幅が小さいので、圧力室の遅角側と進角
側との間をベーンの周方向幅でシールすることが困難で
ある。例えば、圧力室の遅角側と進角側との油圧差によ
りベーンを回動させると、ベーンを挟んだ圧力室の遅角
側と進角側との間で油漏れが発生することがある。する
と、圧力室の遅角側と進角側との油圧差を速やかに所定
値に設定できないことにより、高精度な吸排気弁の開閉
制御ができないとう問題がある。
【0004】また、カムシャフトの回転は大小のトルク
が発生するトルク変動を伴い、このようなカムシャフト
の大トルク発生時、ベーンの駆動油圧がトルク反力に負
けてベーンが押し戻されることによりカムシャフトの揺
動振動が発生する場合がある。このように、油圧駆動
時、カムシャフトが揺動振動しながら所望の進角位置ま
たは遅角位置に回動すると、吸排気弁の開閉制御の応答
性が低下するという問題がある。この問題を解決するた
め、ベーンを油圧制御する油通路中に油圧室からの油の
逆流防止用のチェックバルブを設けることにより、カム
シャフトの大トルク発生時、トルク反力による圧力室か
らの油の逆流を防止するベーン式のバルブタイミング調
整装置が考えられる。しかしながら、圧力室の進角側に
油を供給し、遅角側から油を排出してカムシャフトを進
角側に回動させる場合、遅角側から排出される油がチェ
ックバルブにより遮断されて油の排出が困難となる。こ
のため、圧力室の進角側と遅角側との圧力差によるカム
シャフトの回動ができないことがある。また、カムシャ
フトが回動できたとしても緩慢な回動速度のために制御
不能か応答性の低下を招くという問題がある。
【0005】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、油圧室間の油漏れを減少させ、吸
排気弁開閉制御の応答性に優れる精度の高いエンジン用
バルブタイミング調整装置を提供することを目的とす
る。本発明の他の目的は、カムシャフトのトルク変動に
対しても吸排気弁開閉制御の応答性に優れる精度の高い
エンジン用バルブタイミング調整装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の請求項1記載のエンジン用バルブタイミング
調整装置は、エンジンのクランクシャフトと同期して回
転する回転伝達部材と、前記回転伝達部材と相対回動可
能なカムシャフトと、前記カムシャフトとともに回動す
るベーンと、前記ベーンを回動可能に収容する収容室を
有し、前記回転伝達部材とともに回転するハウジング
と、前記収容室の一部であり、前記ハウジングと前記ベ
ーンとの間の周方向に形成され、前記ハウジングに対し
て前記ベーンを油圧によって遅角側に相対回動させる遅
角油圧室と、前記遅角油圧室に連通する第1の油通路
と、前記収容室の他の一部であり、前記ハウジングと前
記ベーンとの間の周方向に形成され、前記ハウジングに
対して前記ベーンを油圧によって進角側に相対回動させ
る進角油圧室と、前記進角油圧室に連通する第2の油通
路と、前記第1の油通路および前記第2の油通路を介し
て前記遅角油圧室および前記進角油圧室に油を供給可能
な油圧供給手段とを備えたエンジン用バルブタイミング
調整装置であって、前記ベーンの個数をn、前記ベーン
の回動角度範囲をA°とすると、前記ベーンは、前記収
容室の(360°/n)−2A°で表される扇形状空間
部をほぼ専有するように形成されることを特徴とする。
【0007】本発明の請求項2記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置は、請求項1記載のエンジン用バル
ブタイミング調整装置において、前記進角油圧室と前記
遅角油圧室との間をシールする前記ベーンの横断面にお
ける最短距離は、前記進角油圧室と前記遅角油圧室との
間をシールする前記ハウジングの横断面における最短距
離とほぼ等しいか長いことを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置は、請求項1または2記載のエンジ
ン用バルブタイミング調整装置において、前記進角油圧
室と前記遅角油圧室との間をシールする前記ベーンの横
断面積は、前記進角油圧室と前記遅角油圧室との間をシ
ールする前記ハウジングの横断面積とほぼ等しいか大き
いことを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置は、エンジンのクランクシャフトと
同期して回転する回転伝達部材と、前記回転伝達部材と
相対回動可能なカムシャフトと、前記カムシャフトとと
もに回動するベーンと、前記回転伝達部材とともに回動
し、前記ベーンを回動可能に収容する収容室を有するハ
ウジングと、前記収容室の一部であり、前記ハウジング
と前記ベーンとの間の周方向に形成され、油圧によって
前記ハウジングに対して前記ベーンを遅角側に相対回動
させる遅角油圧室と、前記遅角油圧室に連通する第1の
油通路と、前記収容室の他の一部であり、前記ハウジン
グと前記ベーンとの間の周方向に形成され、前記ハウジ
ングに対して前記ベーンを進角側に相対回動させる進角
油圧室と、前記進角油圧室に連通する第2の油通路と、
前記第1の油通路および前記第2の油通路を介して前記
遅角油圧室および前記進角油圧室に油を供給可能な油圧
供給手段とを備えたエンジン用バルブタイミング調整装
置であって、前記進角油圧室と前記遅角油圧室との間を
シールする前記ベーンの横断面における最短距離は、前
記進角油圧室と前記遅角油圧室との間をシールする前記
ハウジングの横断面における最短距離とほぼ等しいか長
いことを特徴とする。
【0010】本発明の請求項5記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置は、請求項4記載のエンジン用バル
ブタイミング調整装置において、前記進角油圧室と前記
遅角油圧室との間をシールする前記ベーンの横断面積
は、前記進角油圧室と前記遅角油圧室との間をシールす
る前記ハウジングの横断面積とほぼ等しいか大きいこと
を特徴とする。
【0011】本発明の請求項6記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置は、エンジンのクランクシャフトと
同期して回転する回転伝達部材と、前記回転伝達部材と
相対回動可能なカムシャフトと、前記カムシャフトとと
もに回動するベーンと、前記回転伝達部材とともに回動
し、前記ベーンを回動可能に収容する収容室を有するハ
ウジングと、前記収容室の一部であり、前記ハウジング
と前記ベーンとの間の周方向に形成され、油圧によって
前記ハウジングに対して前記ベーンを遅角側に相対回動
させる遅角油圧室と、前記遅角油圧室に連通する第1の
油通路と、前記収容室の他の一部であり、前記ハウジン
グと前記ベーンとの間の周方向に形成され、前記ハウジ
ングに対して前記ベーンを進角側に相対回動させる進角
油圧室と、前記進角油圧室に連通する第2の油通路と、
前記第1の油通路および前記第2の油通路を介して前記
遅角油圧室および前記進角油圧室に油を供給可能な油圧
供給手段と備えたエンジン用バルブタイミング調整装置
であって、前記進角油圧室と前記遅角油圧室との間をシ
ールする前記ベーンの横断面積は、前記進角油圧室と前
記遅角油圧室との間をシールする前記ハウジングの横断
面積とほぼ等しいか大きいことを特徴とする。
【0012】本発明の請求項7記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置は、請求項1、4または6記載のエ
ンジン用バルブタイミング調整装置において、前記第1
の油通路および前記第2の油通路の少なくともいずれか
一方に設けられるパイロット式逆止弁であって、(1) 前
記第1の油通路に設けられた場合、前記油圧供給手段か
らの油供給圧により開弁して前記遅角油圧室に油を供給
可能であり、前記遅角油圧室の油圧により閉弁して前記
遅角油圧室からの油の逆流を防止可能であり、前記遅角
油圧室の油圧に抗して開弁し前記遅角油圧室の油を排出
可能であり、(2) 前記第2の油通路に設けられた場合、
前記油圧供給手段からの油供給圧により開弁して前記進
角油圧室に油を供給可能であり、前記進角油圧室の油圧
により閉弁して前記進角油圧室からの油の逆流を防止可
能であり、前記進角油圧室の油圧に抗して開弁し前記進
角油圧室の油を排出可能なパイロット式逆止弁を備える
ことを特徴とする。
【0013】本発明の請求項8記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置は、請求項1、4または6記載のエ
ンジン用バルブタイミング調整装置において、前記ベー
ンの軸方向に油圧によって移動可能な移動部材を前記ベ
ーン内に収容することを特徴とする。本発明の請求項9
記載のエンジン用バルブタイミング調整装置は、請求項
8記載のエンジン用バルブタイミング調整装置におい
て、前記移動部材は、前記第1の油通路および前記第2
の油通路の少なくともいずれか一方に設けられるパイロ
ット式逆止弁であって、(1) 前記第1の油通路に設けら
れた場合、前記油圧供給手段からの油供給圧により開弁
して前記遅角油圧室に油を供給可能であり、前記遅角油
圧室の油圧により閉弁して前記遅角油圧室からの油の逆
流を防止可能であり、前記遅角油圧室の油圧に抗して開
弁し前記遅角油圧室の油を排出可能であり、(2) 前記第
2の油通路に設けられた場合、前記油圧供給手段からの
油供給圧により開弁して前記進角油圧室に油を供給可能
であり、前記進角油圧室の油圧により閉弁して前記進角
油圧室からの油の逆流を防止可能であり、前記進角油圧
室の油圧に抗して開弁し前記進角油圧室の油を排出可能
なパイロット式逆止弁であることを特徴とする。
【0014】
【作用および発明の効果】本発明の請求項1記載のエン
ジン用バルブタイミング調整装置によると、ベーンの個
数をn、ベーンの回動角度範囲をA°とすると、収容室
の(360°/n)−2A°で表される扇形状空間部を
ほぼ専有するようにベーンが形成されることにより、ベ
ーンの外周壁によるシール長を長くできるので、周方向
にベーンを挟んだ遅角油圧室と進角油圧室との間の油漏
れを低減することができる。これにより、遅角油圧室お
よび進角油圧室の圧力を速やかに所定圧に設定できるの
で、吸排気弁の高精度な開閉制御が可能である。
【0015】本発明の請求項2記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、請求項1に記載した構成
に加え、進角油圧室と遅角油圧室との間をシールするベ
ーンの横断面における最短距離を、進角油圧室と遅角油
圧室との間をシールするハウジングの横断面における最
短距離とほぼ等しいか長くしている。これにより、ベー
ンの外周壁における局所的な油漏れを防止できるので、
さらに良好に吸排気弁の高精度な開閉制御が可能であ
る。
【0016】本発明の請求項3記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、請求項1または2に記載
した構成に加え、進角油圧室と遅角油圧室との間をシー
ルするベーンの横断面積を、遅角油圧室と遅角油圧室と
の間をシールするハウジングの横断面積とほぼ等しいか
大きくしている。これにより、周方向にベーンを挟んだ
遅角油圧室と進角油圧室との間の油漏れをベーンの外周
壁全体で低減することができるので、さらに良好に吸排
気弁の高精度な開閉制御が可能である。
【0017】本発明の請求項4記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、進角油圧室と遅角油圧室
との間をシールするベーンの横断面における最短距離
を、進角油圧室と遅角油圧室との間をシールするハウジ
ングの横断面における最短距離とほぼ等しいか長くして
いることにより、ベーンの外周壁における局所的な油漏
れを防止できるので、周方向にベーンを挟んだ遅角油圧
室と進角油圧室との間の油漏れを低減することができ
る。これにより、遅角油圧室および進角油圧室の圧力を
速やかに所定圧に設定できるので、吸排気弁の高精度な
開閉制御が可能である。
【0018】本発明の請求項5記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、請求項4に記載した構成
に加え、進角油圧室と遅角油圧室との間をシールするベ
ーンの横断面積を、遅角油圧室と遅角油圧室との間をシ
ールするハウジングの横断面積とほぼ等しいか大きくし
ている。これにより、周方向にベーンを挟んだ遅角油圧
室と進角油圧室との間の油漏れをベーンの外周壁全体で
低減することができるので、さらに良好に吸排気弁の高
精度な開閉制御が可能である。
【0019】本発明の請求項6記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、進角油圧室と遅角油圧室
との間をシールするベーンの横断面積を、進角油圧室と
遅角油圧室との間をシールするハウジングの横断面積と
ほぼ等しいか大きくしていることにより、周方向にベー
ンを挟んだ遅角油圧室と進角油圧室との間の油漏れをベ
ーンの外周壁全体で低減することができる。これによ
り、遅角油圧室および進角油圧室の圧力を速やかに所定
圧に設定できるので、吸排気弁の高精度な開閉制御が可
能である。
【0020】本発明の請求項7記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、第1の油通路および第2
の油通路の少なくともいずれか一方にパイロット逆止弁
を設けることにより、カムシャフトのトルク変動に対し
てもカムシャフトを揺動させることなく回動させるとと
もに、遅角油圧室または進角油圧室から速やかに油を排
出可能である。このため、吸排気弁の高精度な開閉制御
が可能である。
【0021】本発明の請求項8記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、ベーンの軸方向に油圧に
よって移動可能な移動部材をベーン内に収容することに
より、ベーンの回転により発生する遠心力が移動部材の
移動方向に働かないので、移動部材の軸方向の作動精度
が向上する。本発明の請求項9記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、請求項8記載の移動部材
をパイロット式逆止弁にしたことにより、ベーンの回転
により発生する遠心力がパイロット式逆止弁の移動方向
に働かないので、遅角油圧室および進角油圧室の圧力を
所定圧に高精度に設定できる。これにより、ベーンの回
転に影響されない吸排気弁の高精度な開閉制御が可能で
ある。
【0022】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例によるバルブタイミ
ング調整装置を図1〜図6に示す。タイミングプーリ1
は、図示しないタイミングベルトにより駆動力を伝達さ
れ、図示しないエンジンのクランクシャフトと同期して
回転する。カムシャフト2は、回転伝達部材であるタイ
ミングプーリ1から駆動力を伝達され、タイミングプー
リ1に対し所定の位相差をおいて回動可能である。タイ
ミングプーリ1およびカムシャフト2は、図2に示す矢
印A方向からみて時計方向に回転する。以下この回転方
向を進角方向とする。
【0023】図1および図4に示すように、タイミング
プーリ1、シューハウジング3およびフロントプレート
4はボルト14により同軸上に固定されている。タイミ
ングプーリ1、シューハウジング3およびリアプレート
5は4本のボルト6により同軸上に固定されている。図
3に示すように、リアプレート5のボス部5aの内周壁
は後述するカムシャフト2の先端部2aに相対回動可能
に嵌合し、ボス部5aの外周壁はシリンダヘッド7のオ
イルシール8に当接している。
【0024】図1に示すように、シューハウジング3
は、ベーン9を回動可能に収容するハウジングであり、
互いに対向する台形状のシュー3aおよび3bを有して
いる。シュー3aおよび3bのそれぞれの対向面は、断
面円弧状に形成されており、シュー3aおよび3bの周
方向の間隙には収容室である扇状空間部が形成されてい
る。図3に示すように、シューハウジング3のフランジ
部3cはタイミングプーリ1とリアプレート5との間に
挟まれ、ボルト6により固定されている。
【0025】図1および図3に示すように、ベーンロー
タ9は径方向の両端に扇形状のベーン9aおよび9bを
有し、このベーン9aおよび9bがシュー3aおよび3
bの周方向の間隙に形成されている扇状空間部内に回動
可能に収容されている。インロー部9cはカムシャフト
2の先端部2aに同軸に嵌合し、ベーンロータ9は2本
のボルト15によりカムシャフト2に一体に固定されて
いる。ベーンロータ9の円筒突出部9dは、フロントプ
レート4のボス部4aの内周壁に相対回動可能に嵌合し
ている。図1に示すように、ベーンロータ9の外周壁と
シューハウジング3の内周壁との間に微小クリアランス
16および17が設けられており、ベーンロータ9はシ
ューハウジング3と相対回動可能である。クリアランス
16およびクリアランス17は、それぞれシール部材7
2およびシール部材72によりシールされている。シュ
ー3aとベーン9aとの間に遅角油圧室10が形成さ
れ、シュー3bとベーン9bとの間に遅角油圧室11が
形成され、シュー3aとベーン9bとの間に進角油圧室
12が形成され、シュー3bとベーン9aとの間に進角
油圧室13が形成されている。
【0026】以上の構成により、タイミングプーリ1、
シューハウジング3、フロントプレート4およびリアプ
レート5は一体となって回転し、カムシャフト2および
ベーンロータ9は、タイミングプーリ1、シューハウジ
ング3、フロントプレート4およびリアプレート5に対
して同軸に相対回動可能である。シューハウジング3、
フロントプレート4およびリアプレート5が一体となっ
て回転することにより、シューハウジング3と軸方向に
対向するフロントプレート4およびリアプレート5の端
面とシューハウジング3の両端面との当接部は液密にシ
ールできる。一方、ベーンロータ9と軸方向に対向する
フロントプレート4およびリアプレート5の端面とベー
ン9aおよび9bの両端面との間には、ベーン9aおよ
び9bがシューハウジング3に対して相対回動するた
め、摺動クリアランスが設けられている。このため、フ
ロントプレート4とリアプレート5との間に挟まれたベ
ーン9aおよび9bの軸方向長は、シューハウジング3
の軸方向長より僅かに小さく設定されている。このた
め、遅角油圧室10と進角油圧室13、遅角油圧室11
と進角油圧室12との間に生じる油圧差により油漏れが
生じる恐れがあるが、第1実施例では、図1に示すよう
に、遅角油圧室10と進角油圧室13、遅角油圧室11
と進角油圧室12との間をそれぞれ軸方向の両端面でシ
ールするベーン9aおよび9bの最短距離L1 を遅角油
圧室10と進角油圧室12、遅角油圧室11と進角油圧
室13との間を軸方向の両端面でシールするシュー3a
および3bの最短距離L2 とほぼ等しくしたことによ
り、ベーンロータ9とフロントプレート4およびリアプ
レート5との間に若干の摺動クリアランスがあったとし
ても、遅角油圧室10と進角油圧室13、遅角油圧室1
1と進角油圧室12との間に生じる油漏れを減少するこ
とができる。また、ベーン9aおよび9bの図1に示す
扇形状の横断面積は、シュー3aおよび3bの台形状の
横断面積とほぼ等しくなる程度の大きさに形成されてい
る。このため、ベーン9aおよび9bの両端面全体で、
遅角油圧室10と進角油圧室13、遅角油圧室11と進
角油圧室12との間に生じる油漏れを減少することがで
きる。
【0027】図2に示すように、逆止弁20および30
は、ベーンロータ9のベーン9aおよび9bの内部にそ
れぞれ収容されている。逆止弁20は、弁本体21、シ
ールリング22、ガイド部23、圧縮コイルスプリング
24から構成され、逆止弁30は、弁本体31、シール
リング32、ガイド部33、圧縮コイルスプリング34
から構成されている。弁本体21および31は有底円筒
状に形成され、同一周上の側壁に複数の油通孔21aお
よび31aが形成されている。弁本体21および31は
それぞれ圧縮コイルスプリング24および34の付勢力
により底部に設けたシート部がシールリング22および
32に設けた弁座に押圧され、図2に示す状態では閉弁
状態を示している。ガイド部23および33は、弁本体
21および31の開口部と逆方向に開口部を有する有底
円筒状に形成されている。弁本体21および31は、ガ
イド部23および33の内壁によりカムシャフト2の回
転軸方向に摺動可能に支持されている。
【0028】パイロット弁25および35はそれぞれ逆
止弁20および30に対向して設けられている。パイロ
ット弁25は弁本体26および圧縮コイルスプリング2
7からなり、パイロット弁35は弁本体36および圧縮
コイルスプリング37からなる。弁本体26および36
はカムシャフト2の回転軸方向に往復動可能にベーン9
aおよび9bに収容されている。弁本体26および36
は圧縮コイルスプリング27および37の付勢力により
フロントプレート4の内側面に押圧されている。弁本体
26は、ロッド26aおよび摺動部材26bにより一体
に形成され、弁本体36は、ロッド36aおよび摺動部
材36bにより一体に形成されている。ロッド26aお
よび36aはそれぞれ油通路50aおよび50bの内部
を通って弁本体21および31の近傍まで突出してい
る。摺動部材26bおよび36bは、圧縮コイルスプリ
ング27および37を係止する円板状の係止部と、この
係止部の外周から軸方向に延びる円環状の摺動部とから
なる。ここで逆止弁20とパイロット弁25は移動部材
であるパイロット式逆止弁100aを構成し、逆止弁3
0とパイロット弁35は移動部材であるパイロット式逆
止弁100bを構成している。
【0029】弁本体26の前後には油圧室40および4
1が形成され、弁本体36の前後には油圧室45および
46が形成されている。弁本体21の前後には油圧室4
2、43および44が形成され、弁本体31の前後には
油圧室47、48および49が形成されている。油圧室
41および42は油通路50aで連通し、油圧室46お
よび47は油通路50bで連通している。また、油圧室
43と44とは弁本体21に設けられた油通孔21aで
連通し、油圧室48と49とは弁本体31に設けられた
油通孔31aで連通している。油圧室42および44
は、弁本体21がシールリング22に当接することによ
り遮断され、弁本体21がシールリング22から離れる
ことにより連通する。油圧室47および49は、弁本体
31がシールリング32に当接することにより遮断さ
れ、弁本体31がシールリング32から離れることによ
り連通する。図1に示すように、油圧室43は油通路5
1aにより遅角油圧室10に連通し、油圧室48は油通
路51bにより進角油圧室12に連通している。図2に
示すように、弁本体26および36はそれぞれ、油圧室
40と41との差圧または油圧室45と46との差圧、
すなわち油通路61aと61bとの差圧により圧縮コイ
ルスプリング27および37の付勢力に抗して逆止弁2
0および30の方向へ移動し弁本体21および31に当
接可能である。ロッド26aおよび36aはさらに圧縮
コイルスプリング24および34の付勢力に抗して弁本
体21および31を押圧しシールリング22および32
に対して開弁させる。
【0030】カムシャフト2のジャーナル部52はシリ
ンダヘッド7に設けられた軸受部53により回転可能に
支持されるとともに回転軸方向への移動を規制されてい
る。ジャーナル部52の外周壁の周方向には外周溝54
aおよび54bが設けられている。油タンク55内の油
をポンプ56により圧送する供給油通路57と油タンク
55内へ油を排出する排出油通路58とは、切替バルブ
59の切替操作により外周溝54aおよび54bと選択
的に連通または遮断可能である。本実施例では切替バル
ブ59は周知の4ポート案内弁である。
【0031】外周溝54aはカムシャフト2内部の油通
路60aを介してベーンロータ9内部の油通路61aに
連通し、油通路61aは油通路62aを介してベーン9
aの油圧室42へ連通するとともに油通路63aを介し
てベーン9bの油圧室45に連通している。外周溝54
bはカムシャフト2内部の油通路60bとベーンロータ
9内部の油通路61bに連通し、油通路61bは油通路
62bを介してベーン9bの油圧室47へ連通するとと
もに油通路63bを介してベーン9aの油圧室40に連
通している。図1に示すように、油通路62a、62
b、63a、63bはベーン9aおよび9bの最外径部
近傍でボール71によりクリアランス16との連通を遮
断されている。ベーンロータ9の内部には遅角油圧室1
0と11とを連通する油通路65a、および進角油圧室
12と13とを連通する油通路65bが設けられてい
る。以上の構成により、外周溝54aおよび54bにポ
ンプ56からの圧油を切替バルブ59により選択的に供
給し、逆止弁20および30の開弁により遅角油圧室1
0および11または進角油圧室12および13へポンプ
56からの圧油を供給することができる。
【0032】シューハウジング3とベーンロータ9との
摺動部ににおいて、ベーン9aおよび9bの最外径部に
シール部材72が設けられることにより、遅角油圧室1
0と進角油圧室13、遅角油圧室11と進角油圧室12
がクリアランス16を介して連通することを防止してい
る。また、シュー3aおよび3bの最内径部にシール部
材73が設けられることにより、遅角油圧室10と進角
油圧室12、遅角油圧室11と進角油圧室13がクリア
ランス17を介して連通することを防止している。図4
に示すように、シューハウジング3とフロントプレート
4との間、およびシューハウジング3とリアプレート5
との間にはそれぞれ、遅角油圧室10および11、進角
油圧室12および13内の圧油が径方向外側の外部に漏
れないようにゴムパッキン74、75が圧着されてい
る。フロントプレート4のボス部4aの外周部には雄ね
じが形成され、フロントカバー80の雌ねじが螺合しゴ
ムパッキン76をはさんでフロントプレート4に圧着さ
れている。
【0033】次に、バルブタイミング調整装置の作動を
図1、図2および図5に基づいて説明する。 (1) 切替バルブ59の第1バルブ59aを選択すると、
ポンプ56の吐出する圧油は、外周溝54a、油通路6
0a、61a、62aを通って油圧室42に圧送され
る。そして、圧縮コイルスプリング24の付勢力に抗し
て弁本体21をシールリング22に対して開弁させ、圧
油は油圧室43および油通路51aを通って遅角油圧室
10に圧送され、さらに油通路65aを通って遅角油圧
室11へ圧送される。遅角油圧室10および11内の圧
油はシュー3aおよび3bに対しベーン9aおよび9b
を押してベーンロータ9を反時計方向の遅角方向へ回転
させるように作用する。さらに、油通路61a内の圧油
は油通路63aを通って油圧室45に圧送される。一
方、外周溝54bは排出油通路58と連通しており通常
大気圧相当となる。油通路60b、61b、62bを介
して外周溝54bと連通する油圧室47および46も大
気圧相当となる。油圧室45の油圧は油圧室46の油圧
よりも高いため、弁本体36は圧縮コイルスプリング3
7の付勢力に抗して逆止弁30の方向へ移動し、ロッド
36aが弁本体31を押圧し、さらに圧縮コイルスプリ
ング34の付勢力に抗して弁本体31をシールリング3
2に対して開弁させる。その結果進角油圧室12および
13は、圧力室47、油通路62b、61b、60bを
介して排出油通路58と連通し、ベーンロータ9の遅角
側への回転に伴い進角油圧室12および13内の油が排
出油通路58に排出される。
【0034】(2) 切替バルブ59の第2バルブ59bを
選択すると、ポンプ56の吐出する圧油は、外周溝54
b、油通路60b、61b、62bを通って油圧室47
に圧送される。そして、圧縮コイルスプリング34の付
勢力に抗して弁本体31をシールリング32に対して開
弁させ、圧油は油圧室48および油通路51bを通って
進角油圧室12に圧送され、さらに油通路65bを通っ
て進角油圧室13へ圧送される。進角油圧室12および
13内の圧油はシュー3aおよび3bに対しベーン9a
および9bを押してベーンロータ9を時計方向の進角方
向へ回転させるように作用する。さらに、油通路61b
内の圧油は油通路63bを通って油圧室40に圧送され
る。一方、外周溝54aは排出油通路58と連通してお
り通常大気圧相当となる。油通路60a、61a、62
aを介して外周溝54aと連通する油圧室42および4
1も大気圧相当となる。油圧室40の油圧は油圧室41
の油圧よりも高いため、弁本体26は圧縮コイルスプリ
ング27の付勢力に抗して逆止弁20の方向へ移動し、
ロッド26aが弁本体21を押圧し、さらに圧縮コイル
スプリング24の付勢力に抗して弁本体21をシールリ
ング22に対して開弁させる。その結果遅角油圧室10
および11は、圧力室42、油通路62a、61a、6
0aを介して排出油通路58と連通し、ベーンロータ9
の進角側への回転に伴い遅角油圧室10および11内の
油が排出油通路58に排出される。
【0035】(3) 切替バルブ59の第3バルブ59cを
選択すると、遅角油圧室10、11、進角油圧室12、
13内の油は流通不可となりタイミングプーリ1に対す
るベーンロータ9およびカムシャフト2の位相差は保持
される。さらに、カムシャフト2のトルク変動に対する
バルブタイミング調整装置の作動について説明する。カ
ムシャフト2は図示しない吸排気バルブの駆動に伴い、
タイミングプーリ1に対しトルクを生じながら、図6の
(A)に示すように、時計方向に回転している。
【0036】(1) 切替バルブ59の第2バルブ59bを
選択し、進角油圧室12および13内の圧油がシュー3
aおよび3bに対してベーン9aおよび9bを押してベ
ーンロータ9を時計方向に回転させようとするとき、図
6の(B)に示す正トルクが反発し、進角油圧室12お
よび13は正トルクの反力に応じた油圧を生じる。ポン
プ56が圧送する油圧が進角油圧室12および13の油
圧より大きいとき、すなわち正トルクが小さいかまたは
負トルクのとき、ポンプ56が圧送する油圧はベーンロ
ータ9をシューハウジング3に対して時計方向へ回転さ
せるように作用する。また、遅角油圧室10および11
は排出油通路58と連通しているため油圧室10および
11内の油を油タンク55へ排出できるので、ベーンロ
ータ9はシューハウジング3に対して時計方向へ回転す
る。つまり、カムシャフト2はタイミングプーリ1に対
して進角側に回転する。進角油圧室12および13の油
圧がポンプ56が圧送する油圧より大きいときすなわち
正トルクが大きいとき、油圧室49の油圧は油圧室47
の油圧よりも大きくなる。この油圧室47と49との差
圧により逆止弁30が閉弁することにより、進角油圧室
12および13内の油がポンプ56側へ逆流することが
防止されるので、進角油圧室12および13の油圧は低
下しない。このため、ベーンロータ9はシューハウジン
グ3に対して反時計方向へ回転することを防止され静止
する。従って、カムシャフト2はタイミングプーリ1に
対して反時計方向に戻ることなく時計方向のみに断続的
に回転し、その結果カムシャフト2が駆動する吸排気バ
ルブの開閉時期が早められる。
【0037】(2) 切替バルブ59の第1バルブ59aを
選択してベーン9aおよび9bを押してベーンロータ9
をシューハウジング3に対して反時計方向に回転させよ
うとするとき、図6の(B)に示す負トルクが反発して
いる。前記同様に負トルクが小さいかまたは正トルクの
とき、ベーンロータ9はシューハウジング3に対して反
時計方向へ回転し、負トルクが大きいときベーンロータ
9は静止する。従ってカムシャフト2はタイミングプー
リ1に対して反時計方向の遅角方向のみに断続的に回転
し、その結果カムシャフト2が駆動する吸排気バルブの
開閉時期が遅められる。
【0038】(3) 切替バルブ59の第3バルブ59cを
選択したとき、遅角油圧室10、11、進角油圧室1
2、13と供給油路57および排出油通路58との連通
が遮断され、遅角油圧室10、11、進角油圧室12、
13内の油は封じ込められてベーンロータ9は任意の位
置で静止する。もし本実施例のパイロット式逆止弁10
0aおよび100bがないと、カムシャフト2のトルク
変動により遅角油圧室10、11、進角油圧室12、1
3に生じる断続的な正油圧または負油圧により、カムジ
ャーナル部52と軸受部53との間のクリアランスから
圧油の漏れおよび空気の吸入が発生するので、ベーンロ
ータ9の揺動振動は除々に増巾しながら発生するように
なる。
【0039】第1実施例では、遅角油圧室10と進角
油圧室13、遅角油圧室11と進角油圧室12との間を
両端面でシールするベーン9aおよび9bの最短距離L
1 を遅角油圧室10と進角油圧室12、遅角油圧室11
と進角油圧室13との間を両端面でシールするシュー3
aおよび3bの最短距離L2 とほぼ等しくし、さらに、
ベーン9aおよび9bの扇形状の横断面積がシュー3
aおよび3bの台形状の横断面積とほぼ等しくなる程度
に形成したことにより、ベーンロータ9とフロントプレ
ート4およびリアプレート5との間に若干の摺動クリア
ランスがあったとしても、遅角油圧室10と進角油圧室
13、遅角油圧室11と進角油圧室12との間に生じる
油漏れを減少することができる。これにより、遅角油圧
室10と進角油圧室12、遅角油圧室11と進角油圧室
13との間に所望の油圧差を応答性良く生じさせること
ができるので、吸排気弁の開閉を高精度に制御できる。
【0040】また第1実施例においては、パイロット式
逆止弁100aおよび100bをベーンロータ9のベー
ン9aおよび9bに収容することにより、遅角油圧室1
0、11、進角油圧室12、13内の圧油のもれる部位
を最小限にすることができる。さらに、弁本体21、2
6、31および36は、往復移動方向がカムシャフト2
の回転軸方向と同一になるようにベーン9aおよび9b
に収容されているため、ベーンロータ9の回転による遠
心力が弁本体21、26、31および36の往復動方向
に働かないので、パイロット式逆止弁100aおよび1
00bによる吸排気弁の開閉制御の精度を向上できる。
【0041】(第2実施例)本発明の第2実施例を図7
および図8に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分
には同一符号を付す。第1実施例では、遅角油圧室10
と11とを油通路65aで連通し、進角油圧室12と1
3とを油通路65bで連通している。これに対し第2実
施例では、図8に示すように、遅角油圧室11は油通路
90aにより油通路62aと連通し、進角油圧室13は
油通路90bにより油通路62bと連通している。これ
により、遅角油圧室10は逆止弁20を介して油通路6
1aと連通し、遅角油圧室11は油通路61aと直接連
通している。一方、進角油圧室12は逆止弁30を介し
て油通路61bと連通し、進角油圧室13は油通路61
bと直接連通している。
【0042】このため、遅角油圧室10および進角油圧
室12への油供給は逆止弁20および30を介して行わ
れるため、正負トルクによるベーンロータ9の揺動振動
を防止できる。さらに、遅角油圧室11および進角油圧
室13はそれぞれ油通路61aおよび61bと直接連通
しているため油の供給排出に伴う圧力損失を低減できる
ので、吸排気弁制御の応答性が向上するという効果があ
る。
【0043】また図7に示すように、遅角油圧室10と
進角油圧室13、遅角油圧室11と進角油圧室12との
間をそれぞれ軸方向の両端面でシールするベーン9aお
よび9bの最短距離L1 は、遅角油圧室10と進角油圧
室12、遅角油圧室11と進角油圧室13との間を軸方
向の両端面でシールするシュー3aおよび3bの最短距
離L2 とほぼ等しくなるように形成されている。また、
ベーン9aおよび9bの扇形状の横断面積は、シュー3
aおよび3bの台形状の横断面積とほぼ等しくなる程度
の大きさに形成されている。
【0044】このため、ベーンロータ9とフロントプレ
ート4およびリアプレート5との間に若干の摺動クリア
ランスがあったとしても、遅角油圧室10と進角油圧室
13、遅角油圧室11と進角油圧室12との間に生じる
油漏れを減少することができるので、所望の圧力に各油
圧室の圧力を応答性良く設定できる。 (第3実施例)本発明の第3実施例を図9、図10およ
び図11に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に
は同一符号を付す。
【0045】カムシャフト102は、回転伝達部材であ
るタイミングプーリ1から駆動力を伝達され、タイミン
グプーリ1に対し所定の位相差をおいて回動可能であ
る。タイミングプーリ1およびカムシャフト102は、
図10に示すA方向からみて時計方向に回転しており、
この方向が進角方向となる。図9および図11に示すよ
うに、タイミングプーリ1と同軸に一体に形成されるシ
ューハウジング103とフロントプレート4はボルト1
4により同軸上に固定されている。タイミングプーリ1
とリアプレート5は4本のボルト6により同軸上に固定
されている。リアプレート5のボス部5aの内周壁はカ
ムシャフト102の先端部102aに相対回動可能に嵌
合し、ボス部5aの外周壁はシリンダヘッド7のオイル
シール8に当接している。
【0046】図9に示すように、シューハウジング10
3は互いに対向する台形状のシュー103aおよび10
3bを有している。シュー103aおよび103bのそ
れぞれの対向面は、断面円弧状に形成されており、シュ
ー103aおよび103bの周方向の間隙には扇状空間
部が形成されている。図9および図11に示すように、
ベーンロータ109は径方向の両端に扇形状のベーン1
09aおよび109bを有し、このベーン109aおよ
び109bがシュー103aおよび103bの周方向の
間隙に形成されている扇状空間部内に回動可能に収容さ
れている。インロー部109cはカムシャフト102の
先端部102aに同軸に嵌合し、ベーンロータ109は
2本のボルト15によりカムシャフト102に一体に固
定されている。ベーンロータ109と一体に形成される
円筒突出部109dは、フロントプレート4のボス部4
aの内周壁に相対回動可能に嵌合している。図9に示す
ように、ベーンロータ109の外周壁とシューハウジン
グ103の内周壁との間に微少クリアランス16および
17が設けられており、ベーンロータ109はシューハ
ウジング103と相対回動可能である。シュー103a
とベーン109a、シュー103bとベーン109b、
シュー103aとベーン109b、シュー103bとベ
ーン109aの間にはそれぞれ遅角油圧室10、11、
進角油圧室12、13が形成されている。ベーンロータ
109の軸方向両端面は、ベーンロータ109がシュー
ハウジング103に対して相対回動するように、フロン
トプレート4およびリアプレート5のベーンロータ10
9との対向面と所定の摺動クリアランスを形成している
ので、ベーン109aおよび109bの軸方向の長さ
は、フロントプレート4とリアプレート5との間に挟ま
れたシューハウジング103の軸方向の長さより僅かに
小さくなっている。このような構成により、カムシャフ
ト102およびベーンロータ109は、タイミングプー
リ1、シューハウジング103、フロントプレート4お
よびリアプレート5に対して同軸に相対回動可能であ
る。
【0047】ベーン109aの遅角室10側端面、ベー
ン109bの進角室12側端面にはそれぞれストッパ7
7aおよび77bが形成されている。シュー103aの
遅角室10側端面および進角室12側端面にはそれぞれ
係止部78aおよび78bが形成されている。ベーン
ロータ109が進角側に回転するとき、ストッパ77b
が係止部78bに係止されることにより、ベーンロータ
109の進角側の回転が規制される。ベーンロータ10
9が進角側に回転しストッパ77bが係止部78bに近
付くと、ベーン109aの進角室13側に形成された突
出部111aは、シュー103bの進角室13側の端面
79aと所定の微小間隔を形成したまま進角側に回転し
ようとする。この微小間隔を流れようとする油によりダ
ンパ効果が発生し、ストッパ77bが係止部78bに緩
やかに当接可能である。また、ベーンロータ109が
遅角側に回転するとき、ストッパ77aが係止部78a
に係止されることにより、ベーンロータ109の遅角側
の回転が規制される。ベーンロータ109が遅角側に回
転しストッパ77aが係止部78aに近付くと、ベーン
109bの遅角室11側に形成された突出部111b
は、シュー103bの遅角室11側の端面79bと所定
の微小間隔を形成したまま遅角側に回転しようとする。
この微小間隔を流れようとする油によりダンパ効果が発
生し、ストッパ77aが係止部78aに緩やかに当接可
能である。
【0048】図9に示すように、遅角油圧室10と進
角油圧室13、遅角油圧室11と進角油圧室12との間
をそれぞれ軸方向の両端面でシールするベーン109a
および109bの最短距離L1 は、遅角油圧室10と進
角油圧室12、遅角油圧室11と進角油圧室13との間
を軸方向の両端面でシールするシュー103aおよび1
03bの最短距離L2 よりも長くなるように形成されて
いる。また、ベーン109aおよび109bの扇形状
の横断面積は、シュー103aおよび103bの台形状
の横断面積よりも大きくなるように形成されている。
さらに図9において、ストッパ77aが係止部78aに
係止されてから、ストッパ77bが係止部78bに係止
されるまでの角度がベーン109の回動角度範囲A°で
ある。シール部材73はベーンロータ109側に取付け
られているので、シール部材73が良好にベーンロータ
109の外周壁とシューハウジング103の内周壁とを
シールするためのシュー103aおよび103bの形成
角度B°は、B°=A°+(シール部材73の形成角
度)となる。形成角度B°はシール部材73の脱落等を
考慮して数値に余裕をもたせてあるので、近似的には、
B°≒A°と見なしてもよい。従って、C°=180°
−(A°+B°)≒180°−2A°の角度範囲に形成
される扇形状空間部を極力専有するように扇形状のベー
ン109aおよび109bを形成すれば、ベーンロータ
109の外周壁とシューハウジング103の内周壁との
摺動クリアランス、特にクリアランス16におけるシー
ル長が長くなる。すると、第1実施例および第2実施例
で用いたシール部材72を取付けなくても、ベーンロー
タ109の最外径部における遅角油圧室10と進角油圧
室13、遅角油圧室11と進角油圧室12との間の油漏
れを低減することができる。また、フロントプレート4
およびリアプレート5がベーンロータ109と軸方向に
対向する端面とベーンロータ109の両端面との間に形
成される摺動クリアランスを、ベーン109aおよびベ
ーン109bの軸方向の両端面により良好にシールでき
る。このため、各油圧室間の油漏れが低減されることに
より、応答性の良い高精度な吸排気弁の開閉制御が可能
である。
【0049】図10に示すように、逆止弁120および
130は、ベーンロータ109のベーン109aおよび
109bの内部にそれぞれ収容されている。逆止弁12
0は、弁本体121、バルブシート122、ガイド部1
23、圧縮コイルスプリング124から構成され、逆止
弁130は、弁本体131、バルブシート132、ガイ
ド部133、圧縮コイルスプリング134から構成され
ている。弁本体121および131は有底円筒状に形成
され、同一周上の側壁に複数の油通孔121aおよび1
31aが形成されている。弁本体121および131は
それぞれ圧縮コイルスプリング124および134の付
勢力により底部に設けたシート部がバルブシート122
および132に設けた弁座に押圧され、図10に示す状
態では閉弁状態を示している。ガイド部123および1
33は、弁本体121および131の開口部と逆方向に
開口部を有する有底円筒状に形成されている。弁本体1
21および131は、ガイド部123および133の内
壁によりカムシャフト102の回転軸方向に摺動可能に
支持されている。バルブシート122および132には
油通孔50aおよび50bが形成されている。
【0050】パイロット弁125および135はそれぞ
れ逆止弁120および130に対向して設けられてい
る。パイロット弁125は弁本体126および圧縮コイ
ルスプリング127からなり、パイロット弁135は弁
本体136および圧縮コイルスプリング137からな
る。弁本体126および136はカムシャフト102の
回転軸方向に往復動可能にベーン109aおよび109
bに収容されている。弁本体126および136は圧縮
コイルスプリング127および137の付勢力によりフ
ロントプレート4の内側面に押圧されている。弁本体1
26は、ロッド126aおよび摺動部材126bにより
一体に形成され、弁本体136は、ロッド136aおよ
び摺動部材136bにより一体に形成されている。ロッ
ド126aおよび136aはそれぞれバルブシート12
2および132の内部を通って弁本体121および13
1の近傍まで突出している。摺動部材126bおよび1
36bは、圧縮コイルスプリング127および137を
係止する円板状の係止部と、この係止部の外周から軸方
向に延びる円環状の摺動部とからなる。ここで逆止弁1
20およびパイロット弁125は第1実施例の図5に示
すパイロット式逆止弁100aを構成し、逆止弁130
およびパイロット弁135は第1実施例の図5に示すパ
イロット式逆止弁100bを構成している。
【0051】弁本体126の前後には油圧室40および
41が形成され、弁本体136の前後には油圧室45お
よび46が形成されている。弁本体121の前後には油
圧室42、43および44が形成され、弁本体131の
前後には油圧室47、48および49が形成されてい
る。油圧室41および42はバルブシート122内部で
連通し、油圧室46および47はバルブシート132内
部で連通している。また、油圧室43と44とは弁本体
121に設けられた油通孔121aで連通し、油圧室4
8と49とは弁本体131に設けられた油通孔131a
で連通している。油圧室42および44は、弁本体12
1がバルブシート122に当接することにより遮断さ
れ、弁本体121がバルブシート122から離れること
により油通路43、油通孔121aを介して連通する。
油圧室47および49は、弁本体131がバルブシート
132に当接することにより遮断され、弁本体131が
バルブシート132から離れることにより油通路48、
油通孔131aを介して連通する。油圧室42は、油通
孔50aおよび油通路62aにより油通路61aと連通
し、油圧室47は、油通孔50bおよび油通路62bに
より油通路61bと連通している。また、油圧室40は
油通路63bを介して油通路61bと連通し、油圧室4
5は油通路63aを介して油通路61aと連通してい
る。油圧室43は、図9に示す油通路51aにより遅角
油圧室10に連通し、油圧室48は、図9に示す油通路
51bにより進角油圧室12に連通している。図10に
示すように、弁本体126および136はそれぞれ、油
圧室40と41との差圧または油圧室45と46との差
圧、すなわち油通路61aと61bとの差圧により圧縮
コイルスプリング127および137の付勢力に抗して
逆止弁120および130の方向へ移動し弁本体121
および131に当接可能である。ロッド126aおよび
136aは、それぞれ弁本体121および131に当接
後、さらに圧縮コイルスプリング124および134の
付勢力に抗して弁本体121および131を押圧してバ
ルブシート122および132からそれぞれ弁本体12
1および131を離座させ、逆止弁120および130
を開弁させる。
【0052】カムシャフト102内部の第1の油通路で
ある油通路60aは外周溝54aと連通するとともにカ
ムシャフト102とベーンロータ109との軸方向にお
ける当接部70でベーンロータ109内部の油通路61
aに連通し、油通路61aは油通路62aを介してベー
ン109aの油圧室42に連通するとともに油通路63
aを介してベーン109bの油圧室45に連通してい
る。カムシャフト102内部の第2の油通路である油通
路60bは外周溝54bと連通するとともに当接部70
でベーンロータ109内部の油通路61bに連通し、油
通路61bは油通路62bを介してベーン109bの油
圧室47に連通するとともに油通路63bを介してベー
ン109aの油圧室40に連通している。図9に示すよ
うに、油通路62a、62bは、バルブシート122、
132によりクリアランス16との連通を遮断されてい
る。ベーンロータ109の内部には遅角油圧室10と1
1とを連通する油通路65a、および進角油圧室12と
13とを連通する油通路65bが設けられている。以上
の構成により、外周溝54aおよび54bにポンプ56
からの圧油を切替バルブ59により選択的に供給し、逆
止弁120および130の開弁により遅角油圧室10お
よび11または進角油圧室12および13へポンプ56
からの圧油を供給することができる。
【0053】第3実施例では、角度範囲C°で示される
扇状空間部を極力専有するようにベーン109aおよび
109bを形成したことにより、ベーン109aおよび
109b内に第1実施例におけるパイロット式逆止弁1
00aおよび100bを容易に収容することができる。 (第4実施例)本発明の第4実施例を図12に示す。第
3実施例と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
【0054】ベーンロータ209のベーン209aおよ
び209bには、第3実施例において形成したような突
出部111a、111bは形成されておらず、図12に
示す横断面の直径を軸としてベーンロータ209はほぼ
左右対称に形成されている。シューハウジング203の
シュー203aおよび203bも、図12に示す横断面
の直径を軸として左右対称に形成されている。
【0055】第4実施例でも第3実施例と同様に、C°
=180°−(A°+B°)≒180°−2A°の角度
範囲に形成される扇形状空間部を極力専有するように扇
形状のベーン209aおよび209bを形成している。
これにより、各油圧室間の油漏れが低減されるので、応
答性の良い高精度な吸排気弁の開閉制御が可能である。
【0056】以上説明した本発明の実施例では、パイロ
ット式逆止弁を構成する逆止弁およびパイロット弁を両
方のベーンに収容して遅角油圧室10および11、進角
油圧室12および13の油圧を制御したが、本発明で
は、いずれか一方のベーンだけにパイロット式逆止弁を
備えてタイミングプーリに対するカムシャフトの位相差
を制御することは可能である。また、パイロット式逆止
弁はベーン内だけではなく、例えばカムシャフト内に収
容することも可能である。
【0057】また本実施例では、移動部材としてパイロ
ット式逆止弁を用い、ベーンの軸方向に移動可能にパイ
ロット式逆止弁をベーン内に収容したが、本発明では、
パイロット式逆止弁とは別に、ベーンの軸方向に移動可
能に移動部材、例えばスプールをベーン内に収容するこ
とも可能である。また本実施例では、第1の油通路と第
2の油通路との差圧により遅角油圧室10、11または
進角油圧室12、13の油圧に抗してパイロット式逆止
弁100aおよび100bを開弁したが、本発明では、
第1の油通路の油圧だけで第2のパイロット式逆止弁を
開弁し、第2の油通路の油圧だけで第1のパイロット式
逆止弁を開弁することは可能である。
【0058】さらに本実施例では、シューハウジングに
2個のシューを設け、ベーンロータに2個のベーンを設
けることにより、それぞれ2室の遅角油圧室10および
11、進角油圧室12および13を形成したが、本発明
では、遅角油圧室および進角油圧室は2室に限るもので
はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるエンジン用バルブタ
イミング調整装置を示す図2のI−I線断面図である。
【図2】本発明の第1実施例によるエンジン用バルブタ
イミング調整装置を示す断面図である。
【図3】図1のIII-III 線断面図である。
【図4】本発明の第1実施例によるシューハウジングの
固定状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施例の油圧回路を示す模式図で
ある。
【図6】(A)は、本発明の第1実施例のカムシャフト
とタイミングプーリとの回転方向を示す模式図である。
(B)は、本発明の第1実施例のカムシャフトのトルク
変動を示す説明図である。
【図7】本発明の第2実施例によるエンジン用バルブタ
イミング調整装置を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施例の油圧回路を示す模式図で
ある。
【図9】本発明の第3実施例によるエンジン用バルブタ
イミング調整装置を示す図10のIX−IX線断面図であ
る。
【図10】本発明の第3実施例によるエンジン用バルブ
タイミング調整装置を示す断面図である。
【図11】第3実施例の各部材の固定状態を示す断面図
である。
【図12】本発明の第4実施例によるエンジン用バルブ
タイミング調整装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 タイミングプーリ(回転伝達部材) 2 カムシャフト 3 シューハウジング 3a、3b シュー 9 ベーンロータ 9a、9b ベーン 20 逆止弁(パイロット式逆止弁) 25 パイロット弁(パイロット式逆止弁) 30 逆止弁(パイロット式逆止弁) 35 パイロット弁(パイロット式逆止弁) 56 ポンプ(油圧供給手段) 60a 油通路(第1の油通路) 60b 油通路(第2の油通路) 61a 油通路(第1の油通路) 61b 油通路(第2の油通路) 62a 油通路(第1の油通路) 62b 油通路(第2の油通路) 100a パイロット式逆止弁 100b パイロット式逆止弁 102、202 カムシャフト 103、103 シューハウジング 103a、103b、203a、203b シュー 109、209 ベーンロータ 109a、109b,209a、209b ベーン 120 逆止弁(パイロット式逆止弁) 125 パイロット弁(パイロット式逆止弁) 130 逆止弁(パイロット式逆止弁) 135 パイロット弁(パイロット式逆止弁)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランクシャフトと同期して
    回転する回転伝達部材と、 前記回転伝達部材と相対回動可能なカムシャフトと、 前記カムシャフトとともに回動するベーンと、 前記ベーンを回動可能に収容する収容室を有し、前記回
    転伝達部材とともに回転するハウジングと、 前記収容室の一部であり、前記ハウジングと前記ベーン
    との間の周方向に形成され、前記ハウジングに対して前
    記ベーンを油圧によって遅角側に相対回動させる遅角油
    圧室と、 前記遅角油圧室に連通する第1の油通路と、 前記収容室の他の一部であり、前記ハウジングと前記ベ
    ーンとの間の周方向に形成され、前記ハウジングに対し
    て前記ベーンを油圧によって進角側に相対回動させる進
    角油圧室と、 前記進角油圧室に連通する第2の油通路と、 前記第1の油通路および前記第2の油通路を介して前記
    遅角油圧室および前記進角油圧室に油を供給可能な油圧
    供給手段とを備えた内燃機関用バルブタイミング調整装
    置であって、 前記ベーンの個数をn、前記ベーンの回動角度範囲をA
    °とすると、前記ベーンは、前記収容室の(360°/
    n)−2A°で表される扇形状空間部をほぼ専有するよ
    うに形成されることを特徴とする内燃機関用バルブタイ
    ミング調整装置。
  2. 【請求項2】 前記進角油圧室と前記遅角油圧室との間
    をシールする前記ベーンの横断面における最短距離は、
    前記進角油圧室と前記遅角油圧室との間をシールする前
    記ハウジングの横断面における最短距離とほぼ等しいか
    長いことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用バルブ
    タイミング調整装置。
  3. 【請求項3】 前記進角油圧室と前記遅角油圧室との間
    をシールする前記ベーンの横断面積は、前記進角油圧室
    と前記遅角油圧室との間をシールする前記ハウジングの
    横断面積とほぼ等しいか大きいことを特徴とする請求項
    1または2記載の内燃機関用バルブタイミング調整装
    置。
  4. 【請求項4】 内燃機関のクランクシャフトと同期して
    回転する回転伝達部材と、 前記回転伝達部材と相対回動可能なカムシャフトと、 前記カムシャフトとともに回動するベーンと、 前記回転伝達部材とともに回動し、前記ベーンを回動可
    能に収容する収容室を有するハウジングと、 前記収容室の一部であり、前記ハウジングと前記ベーン
    との間の周方向に形成され、油圧によって前記ハウジン
    グに対して前記ベーンを遅角側に相対回動させる遅角油
    圧室と、 前記遅角油圧室に連通する第1の油通路と、 前記収容室の他の一部であり、前記ハウジングと前記ベ
    ーンとの間の周方向に形成され、前記ハウジングに対し
    て前記ベーンを進角側に相対回動させる進角油圧室と、 前記進角油圧室に連通する第2の油通路と、 前記第1の油通路および前記第2の油通路を介して前記
    遅角油圧室および前記進角油圧室に油を供給可能な油圧
    供給手段とを備えた内燃機関用バルブタイミング調整装
    置であって、 前記進角油圧室と前記遅角油圧室との間をシールする前
    記ベーンの横断面における最短距離は、前記進角油圧室
    と前記遅角油圧室との間をシールする前記ハウジングの
    横断面における最短距離とほぼ等しいか長いことを特徴
    とする内燃機関用バルブタイミング調整装置。
  5. 【請求項5】 前記進角油圧室と前記遅角油圧室との間
    をシールする前記ベーンの横断面積は、前記進角油圧室
    と前記遅角油圧室との間をシールする前記ハウジングの
    横断面積とほぼ等しいか大きいことを特徴とする請求項
    4記載の内燃機関用バルブタイミング調整装置。
  6. 【請求項6】 内燃機関のクランクシャフトと同期して
    回転する回転伝達部材と、 前記回転伝達部材と相対回動可能なカムシャフトと、 前記カムシャフトとともに回動するベーンと、 前記回転伝達部材とともに回動し、前記ベーンを回動可
    能に収容する収容室を有するハウジングと、 前記収容室の一部であり、前記ハウジングと前記ベーン
    との間の周方向に形成され、油圧によって前記ハウジン
    グに対して前記ベーンを遅角側に相対回動させる遅角油
    圧室と、 前記遅角油圧室に連通する第1の油通路と、 前記収容室の他の一部であり、前記ハウジングと前記ベ
    ーンとの間の周方向に形成され、前記ハウジングに対し
    て前記ベーンを進角側に相対回動させる進角油圧室と、 前記進角油圧室に連通する第2の油通路と、 前記第1の油通路および前記第2の油通路を介して前記
    遅角油圧室および前記進角油圧室に油を供給可能な油圧
    供給手段と備えた内燃機関用バルブタイミング調整装置
    であって、 前記進角油圧室と前記遅角油圧室との間をシールする前
    記ベーンの横断面積は、前記進角油圧室と前記遅角油圧
    室との間をシールする前記ハウジングの横断面積とほぼ
    等しいか大きいことを特徴とする内燃機関用バルブタイ
    ミング調整装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の油通路および前記第2の油通
    路の少なくともいずれか一方に設けられるパイロット式
    逆止弁であって、 (1) 前記第1の油通路に設けられた場合、前記油圧供給
    手段からの油供給圧により開弁して前記遅角油圧室に油
    を供給可能であり、前記遅角油圧室の油圧により閉弁し
    て前記遅角油圧室からの油の逆流を防止可能であり、前
    記遅角油圧室の油圧に抗して開弁し前記遅角油圧室の油
    を排出可能であり、 (2) 前記第2の油通路に設けられた場合、前記油圧供給
    手段からの油供給圧により開弁して前記進角油圧室に油
    を供給可能であり、前記進角油圧室の油圧により閉弁し
    て前記進角油圧室からの油の逆流を防止可能であり、前
    記進角油圧室の油圧に抗して開弁し前記進角油圧室の油
    を排出可能なパイロット式逆止弁を備えることを特徴と
    する請求項1、4または6記載の内燃機関用バルブタイ
    ミング調整装置。
  8. 【請求項8】 前記ベーンの軸方向に油圧によって移動
    可能な移動部材を前記ベーン内に収容することを特徴と
    する請求項1、4または6記載の内燃機関用バルブタイ
    ミング調整装置。
  9. 【請求項9】 前記移動部材は、前記第1の油通路およ
    び前記第2の油通路の少なくともいずれか一方に設けら
    れるパイロット式逆止弁であって、 (1) 前記第1の油通路に設けられた場合、前記油圧供給
    手段からの油供給圧により開弁して前記遅角油圧室に油
    を供給可能であり、前記遅角油圧室の油圧により閉弁し
    て前記遅角油圧室からの油の逆流を防止可能であり、前
    記遅角油圧室の油圧に抗して開弁し前記遅角油圧室の油
    を排出可能であり、 (2) 前記第2の油通路に設けられた場合、前記油圧供給
    手段からの油供給圧により開弁して前記進角油圧室に油
    を供給可能であり、前記進角油圧室の油圧により閉弁し
    て前記進角油圧室からの油の逆流を防止可能であり、前
    記進角油圧室の油圧に抗して開弁し前記進角油圧室の油
    を排出可能なパイロット式逆止弁であることを特徴とす
    る請求項8記載の内燃機関用バルブタイミング調整装
    置。
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