JP2001220176A - 紫外線遮蔽用ガラス、紫外線遮蔽ガラス容器、および紫外線遮蔽用ガラスの製造方法 - Google Patents

紫外線遮蔽用ガラス、紫外線遮蔽ガラス容器、および紫外線遮蔽用ガラスの製造方法

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JP2001220176A JP2000032272A JP2000032272A JP2001220176A JP 2001220176 A JP2001220176 A JP 2001220176A JP 2000032272 A JP2000032272 A JP 2000032272A JP 2000032272 A JP2000032272 A JP 2000032272A JP 2001220176 A JP2001220176 A JP 2001220176A
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ultraviolet shielding
ultraviolet
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weight
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Yoshiaki Kamiya
義明 神谷
Shinobu Kanamaru
忍 金丸
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Koa Glass Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線遮蔽性や透明性に優れ、しかも安価で
あって、製造時の発泡が少ない紫外線遮蔽用ガラスおよ
びその製造方法等を提供する。 【解決手段】 ガラス成分としてのSiO2と、紫外線
遮蔽成分と、消色剤とを含んでなる紫外線遮蔽用ガラス
において、紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数を20〜
40の範囲内の値とし、かつ、紫外線遮蔽成分として、
CeO2およびV25あるいはいずれか一方の無機化合
物を含むとともに、消色剤として、MnO2、CoOお
よびNiOからなる群から選択される少なくとも一つの
無機化合物を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線遮蔽用ガラ
ス、紫外線遮蔽ガラス容器、および紫外線遮蔽用ガラス
の製造方法に関する。より詳しくは、紫外線遮蔽性や無
色透明性に優れるとともに、発泡が少なく製造容易な紫
外線遮蔽用ガラス、紫外線遮蔽ガラス容器、および紫外
線遮蔽用ガラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紫外線遮蔽用ガラスやこれから得
られる紫外線遮蔽ガラス容器が知られており、ガラス容
器等の内容物に対する、紫外線劣化、変色、においの発
生等の防止が図られている。そこで、ガラス成分と、紫
外線遮蔽成分とから構成された紫外線遮蔽効果を有する
ガラス容器や紫外線遮蔽ガラス用フリットが、例えば、
特開平2−38339号公報、特開平2−48427号
公報および特公昭44−14824号公報に開示されて
いる。
【0003】また、特公昭45−17794号公報に
は、紫外線遮蔽成分として、0.2〜0.5重量%の範
囲のCeO2を添加する一方、消色剤として、ネオジウ
ム酸化物を0.05〜0.3重量%の範囲で添加した紫
外線遮蔽効果を有するガラス容器が開示されている。さ
らに、特開平11−60269号公報には、紫外線遮蔽
成分として、0.3〜0.6重量%の範囲のCeO2
添加する一方、消色剤として、酸化エルビウムを0.0
2〜0.07重量%の範囲で添加した紫外線遮蔽用ガラ
スが開示されている。一方、従来から、ガラスの透明性
を向上させるために添加される消色剤として、Se(金
属セレン)も広く用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−38339号公報、特開平2−48427号公報お
よび特公昭44−14824号公報に開示された紫外線
遮蔽用のガラス容器や紫外線遮蔽ガラス用フリットは、
それぞれ消色剤を用いていないために、紫外線遮蔽成分
であるV25やCeO2に起因した着色が発生し、紫外
線遮蔽用ガラスの透明性に欠けるという問題が見られ
た。特に、紫外線遮蔽成分としてV25を用いた場合に
は、着色性が大きく、透明性に欠けやすい一方、気泡が
発生しやすく、紫外線遮蔽用ガラスの外観性にも乏しい
という問題が見られた。また、これらに開示された紫外
線遮蔽用ガラスは、紫外線の遮蔽効果に乏しく、紫外線
吸収端が最大で310nm程度であり、したがって、適
用されるガラスの肉厚や、最大長が過度に制限されると
いう問題もあった。
【0005】また、特公昭45−17794号公報に開
示されたガラス容器は、消色剤として、酸化ネオジウム
を用いているものの、透明性が未だ不十分であったり、
透明性を向上させるために酸化ネオジウムを比較的多量
に添加する必要があった。したがって、製造工程におい
て、発泡したり、着色しやすく、生産効率が低いという
問題が見られた。また、消色剤としての酸化ネオジウム
は、比較的高価であるため、得られる紫外線遮蔽用ガラ
スが高価になるという問題も見られた。
【0006】さらに、特開平11−60269号公報に
開示された紫外線遮蔽用ガラスは、紫外線遮蔽成分とし
て、高価な酸化セリウムを、消色剤として、酸化エルビ
ウムをそれぞれ使用しているが、いずれも多量に使用し
ているため得られる紫外線遮蔽用ガラスの製造コストが
高価になるという問題が見られた。また、酸化セリウム
を、全体量に対して0.3重量%以上使用しているた
め、製造工程において、発泡したり、着色しやすという
問題が見られた。特に、同一の溶融炉において、非紫外
線遮蔽用ガラスから紫外線遮蔽用ガラスの製造に切り替
えた場合に紫外線遮蔽成分の濃度むらが生じ、結果とし
て、発泡しやすくなり、紫外線遮蔽用ガラスの生産効率
が低いという問題が見られた。一方、従来から消色剤と
して用いられているSeは、還元雰囲気から弱酸性雰囲
気でのみ消色効果を発揮することができ、紫外線遮蔽成
分であるV25は酸化性であり、CeO2は強酸化性で
あることから、これらを併用した場合に、Seの消色効
果を発揮することができないという問題も見られた。
【0007】このような状況下、発明者らは、上述した
問題を鋭意検討し、ガラス成分のSiO2に対して、C
eO2等の紫外線遮蔽成分を用いた場合であっても、特
定の消色剤を含むとともに、紫外線遮蔽用ガラスの酸化
還元指数を特定範囲内の値に制限することにより、安価
な紫外線遮蔽用ガラスが得られるとともに、紫外線遮蔽
性や透明性が向上し、さらには、製造工程での発泡や着
色を効果的に防止できることを見出し、本発明を完成さ
せたものである。すなわち、本発明の目的は、紫外線遮
蔽性や透明性に優れ、安価であり、しかも生産効率が高
い紫外線遮蔽用ガラスを提供すること、およびこのよう
な紫外線遮蔽用ガラスを用いた紫外線遮蔽ガラス容器を
提供すること、さらにはこのような紫外線遮蔽用ガラス
を効率的に製造することが可能な紫外線遮蔽用ガラスの
製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手投】本発明の紫外線遮蔽用ガ
ラスは、ガラス成分としてのSiO2と、紫外線遮蔽成
分と、消色剤とを含む紫外線遮蔽用ガラスであり、紫外
線遮蔽用ガラスの酸化還元指数を15〜40の範囲内の
値とし、かつ、紫外線遮蔽成分が、CeO2およびV2
5あるいはいずれか一方の無機化合物であるとともに、
消色剤がMnO2、CoO、およびNiOからなる群か
ら選択される少なくとも一つの無機化合物であることを
特徴としている。このように構成することにより、酸化
ネオジウム等の高価な消色剤を用いることなく、少量の
添加で優れた透明性が得られるため、優れた紫外線遮蔽
性を有するとともに、安価な紫外線遮蔽用ガラスを提供
することができる。また、このように酸化還元指数を制
限していることにより、製造工程での発泡や着色を効果
的に防止することができる。
【0009】また、本発明の別の紫外線遮蔽用ガラスの
態様は、ガラス成分としてのSiO 2と、紫外線遮蔽成
分と、Er23とを含んでなる紫外線遮蔽用ガラスにお
いて、紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数を15〜40
の範囲内の値とし、かつ、紫外線遮蔽成分としてCeO
2およびV25あるいはいずれか一方の無機化合物を使
用するとともに、紫外線遮蔽成分の添加量を、全体量に
対して0.1〜0.3重量%未満の範囲内の値とするこ
とを特徴としている。このように構成することにより、
消色剤として、酸化エルビウム(Er23)を用いたと
しても、紫外線遮蔽成分の添加量を0.3重量%未満の
値としているために、安価な上に、透明性や紫外線遮蔽
性に優れた紫外線遮蔽用ガラスを提供することができ
る。また、このように構成することにより、紫外線遮蔽
成分の添加量を低下することができるため、製造工程で
の発泡や着色を効果的に防止することができる。
【0010】また、上述した本発明の紫外線遮蔽用ガラ
スを構成するにあたり、還元剤として、酸化スズ、カー
ボン、イオウ、金属スズ、金属アルミニウム、金属亜
鉛、亜砒酸、弗化カルシウム、食塩、酸化アンチモンお
よび金属シリコンからなる群から選択される少なくとも
一つの化合物を添加することが好ましい。このような還
元剤を添加することにより、紫外線遮蔽用ガラスの酸化
還元指数の調整が容易となりばかりか、気泡等の巻き込
みが少なく、透明性や着色性により優れた紫外線遮蔽用
ガラスを得ることができる。
【0011】また、本発明の別の態様は、上述した紫外
線遮蔽用ガラスからなる紫外線遮蔽ガラス容器である。
このように酸化ネオジウム等の高価な消色剤を用いてい
ないことから、安価で、紫外線遮蔽性や透明性に優れた
紫外線遮蔽ガラス容器を提供することができ、しかも、
製造工程での発泡や着色が少ない紫外線遮蔽ガラス容器
を提供することができる。
【0012】また、本発明のさらに別の態様は、ガラス
成分と、紫外線遮蔽成分と、消色剤と、清澄剤とを、溶
融窯またはカラーフイ−ダーを用いて溶解後、成形して
なる紫外線遮蔽用ガラスの製造方法において、同一製造
装置を用い、非紫外線遮蔽用ガラスから切り替えて紫外
線遮蔽用ガラスを製造する際に、非紫外線遮蔽用ガラス
の酸化還元指数と、紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数
との差を20未満の値とすることを特徴としている。こ
のように製造すると、紫外線遮蔽成分の濃度むらを極め
て抑制することができため、結果として、安価で、発泡
が少ない紫外線遮蔽用ガラスを効率的に得ることができ
る。
【0013】また、本発明のさらに別の態様は、ガラス
成分と、紫外線遮蔽成分と、消色剤とを、溶融窯または
カラーフイ−ダーを用いて溶解後、成形してなる上述し
た紫外線遮蔽用ガラスの製造方法であり、紫外線遮蔽成
分の溶解速度を、0.0075重量%/hr以下の値と
することを特徴としている。このように製造すると、紫
外線遮蔽成分の濃度むらを抑制することができため、結
果として、安価で、発泡が少ない紫外線遮蔽用ガラスを
効率的に得ることができる。
【0014】また、本発明のさらに別の態様は、ガラス
成分と、紫外線遮蔽成分と、消色剤と、清澄剤とを、溶
融窯またはカラーフイ−ダーを用いて溶解後、成形して
なる上述した紫外線遮蔽用ガラスの製造方法であり、清
澄剤としてNa2SO4を使用するとともに、当該清澄剤
の添加量を0.5〜5.0重量%の範囲内の値とするこ
とを特徴としている。このように製造すると、清澄剤に
よる清澄作用により、紫外線遮蔽成分の濃度むらを抑制
することができ、結果として、安価で、発泡が少ない紫
外線遮蔽用ガラスを効率的に得ることができる。
【0015】また、本発明のさらに別の態様は、ガラス
成分と、紫外線遮蔽成分と、消色剤と、清澄剤とを、溶
融窯またはカラーフイ−ダーを用いて溶解後、成形して
なる上述した紫外線遮蔽用ガラスの製造方法であり、紫
外線遮蔽成分をカレット、あるいはカレットとパウダー
の混合物としてとして添加することを特徴としている。
このように製造すると、紫外線遮蔽成分の濃度むらを抑
制することができ、結果として、安価で、発泡が少ない
紫外線遮蔽用ガラスを効率的に得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明における紫外線遮蔽用ガラ
スに関する実施形態(第1および第2の実施形態)、お
よび紫外線遮蔽用ガラスの製造方法に関する実施形態
(第3および第4の実施形態)をそれぞれ具体的に説明
する。
【0017】[第1の実施形態]第1の実施形態は、ガ
ラス成分(ガラス網目成分、およびガラス網目修飾成分
等)と、紫外線遮蔽成分と、MnO2、CoO、および
NiOの少なくとも一つの消色剤とを含んでおり、酸化
還元指数を15〜40の範囲内の値としてある紫外線遮
蔽用ガラスである。以下、第1の実施形態の紫外線遮蔽
用ガラスの構成成分および酸化還元指数等につき、具体
的に説明する。
【0018】(1)ガラス網目成分 ガラス網目成分は、紫外線遮蔽用ガラスの骨格となる構
成物である。このようなガラス網目成分としては、具体
的にSiO2等が挙げられる。また、ガラス網目成分の
添加量を、全体量を100重量%としたときに、40〜
82重量%の範囲内の値とすることが好ましい。この理
由は、ガラス網目成分の添加量が40重量%未満となる
と、耐水性や機械的特性が著しく低下する場合があるた
めであり、一方、ガラス網目成分の添加量が82重量%
を超えると、溶融性が低下して、気泡を巻き込みやすく
なる場合があるためである。したがって、機械的特性や
溶融性のバランスがより良好となることから、ガラス網
目成分の添加量を、全体量に対して、60〜75重量%
の範囲内の値とすることがより好ましく、65〜75重
量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0019】(2)ガラス網目修飾成分 ガラス網目修飾成分として、アルカリ金属酸化物やアル
カリ土類金属酸化物を添加するのが好ましい。具体的
に、Na2O、K2O、Li2O、CaO、MgO、Ba
O、B23、Al23等の一種単独または二種以上のガ
ラス網目修飾成分からなる組み合わせを挙げることがで
きる。
【0020】これらのガラス網目修飾成分のうち、Na
2O、K2OおよびLi2Oは、アルカリ金属酸化物であ
り、融剤として、紫外線遮蔽用ガラス原料の溶解性を向
上させるために添加される。これらのアルカリ金属酸化
物の添加量を、全体量を100重量%としたときに、1
0〜30重量%の範囲内の値とすることが好ましく、1
1〜20重量%の範囲内の値とすることがより好まし
い。この理由は、アルカリ金属酸化物の添加量が10重
量%未満となると、融剤としての効果が発揮されない場
合があるためであり、一方、アルカリ金属酸化物の添加
量が30重量%を超えると、耐水性や耐候性が低下する
場合があるためである。
【0021】また、上述したガラス網目修飾成分のう
ち、CaO、MgOおよびBaOは、アルカリ土類金属
酸化物であり、安定な紫外線遮蔽用ガラスを得るために
添加される。これらのアルカリ土類金属酸化物の添加量
を、全体量を100重量%としたときに、5〜30重量
%の範囲内の値とすることが好ましく、7〜20重量%
の範囲内の値とすることがより好ましい。この理由は、
アルカリ土類金属酸化物の添加量が5重量%未満となる
と、ガラス安定剤としての効果が発揮されない場合があ
るためであり、一方、アルカリ土類金属酸化物の添加量
が30重量%を超えると、得られる紫外線遮蔽用ガラス
が失透しやすくなる場合があるためである。
【0022】また、上述したガラス網目修飾成分のう
ち、B23およびAl23は、紫外線遮蔽用ガラスの耐
水性や耐候性をより向上させるために添加される。これ
らの無機酸化物の添加量を、全体量を100重量%とし
たときに、0.1〜20重量%の範囲内の値とすること
が好ましく、0.2〜10重量%の範囲内の値とするこ
とがより好ましい。この理由は、これらの無機酸化物の
添加量が0.1重量%未満となると、添加効果が発揮さ
れない場合があるためであり、一方、これらの無機酸化
物の添加量が20重量%を超えると、得られた紫外線遮
蔽用ガラスの透明性が低下する場合があるためである。
【0023】(3)紫外線遮蔽成分 第1の実施形態で使用する紫外線遮蔽成分は、CeO2
およびV25あるいはいずれか一方の無機化合物であ
る。これらの無機化合物は、比較的少量の添加で、優れ
た紫外線遮蔽効果が得られるという特徴がある。
【0024】ただし、CeO2は、より少量の添加で優
れた紫外線遮蔽効果が得られる一方、溶融窯で溶解させ
た場合にも、V25と比較して着色性が少ないことか
ら、第1の実施形態で使用する紫外線遮蔽成分としてよ
り好ましい。具体的に、CeO2の紫外線遮蔽効果につ
いて、図2および図3を参照しながら説明する。図2
は、横軸に紫外線の波長(nm)を採って示してあり、
縦軸に厚さ4mmの紫外線遮蔽用ガラスの透過率(%)
を採って示してある。そして、図2に示すチャート中の
紫外線吸収スペクトルは、後述する実施例1〜5および
比較例1に該当するものである。また、図3は、図2の
データを一部プロットしたものであり、横軸に紫外線遮
蔽用ガラス中のCeO2の添加量(重量%)を採って示
してあり、縦軸に紫外線遮蔽用ガラスの紫外線吸収端
(吸収可能な紫外線の最大波長)の値(nm)を採って
示してある。
【0025】これらの図2および図3から明らかなよう
に、紫外線遮蔽用ガラス中のCeO 2の添加量が多いも
の程、紫外線吸収端(吸収可能な紫外線の最大波長)の
値が大きいことが理解される。また、紫外線遮蔽用ガラ
ス中のCeO2の添加量を0.1〜0.2重量%とする
と、紫外線吸収端の値が急に大きく増加する、すなわ
ち、吸収可能な紫外線領域が著しく広がることになる。
そして、CeO2の添加量を0.3重量%以上の値とす
ることにより、紫外線吸収端の値がさらに増加する一
方、飽和してくる傾向も見られた。よって、CeO
2は、比較的少量の添加で優れた紫外線吸収効果が得ら
れることが確認され、CeO2は、本発明で使用する紫
外線遮蔽成分としてより好ましい材料である。
【0026】また、紫外線遮蔽成分の添加量は、得られ
る紫外線遮蔽用ガラスの紫外線遮蔽効果や、併用する消
色剤の種類等を考慮して定められるが、例えば、Er2
3以外の消色剤を用いた場合、全体量を100重量%
としたときに、0.01〜1.0重量%の範囲内の値と
することが好ましい。この理由は、紫外線遮蔽成分の添
加量が0.01重量%未満となると、紫外線遮蔽効果が
発揮されない場合があるためであり、一方、紫外線遮蔽
成分の添加量が1.0重量%を超えると、得られた紫外
線遮蔽用ガラスが逆に着色したり、あるいは高価となる
場合があるためである。したがって、消色効果やコスト
のバランスがより良好となることから、紫外線遮蔽成分
の添加量を、全体量に対して、0.05〜0.5重量%
の範囲内の値とすることがより好ましく、0.2〜0.
4重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0027】(4)消色剤 第1の実施形態で使用する消色剤は、紫外線遮蔽成分に
間接的に起因したガラスの着色を抑制するために添加す
るが、MnO2、CoOおよびNiOからなる群から選
択される少なくとも一つの無機化合物を添加することが
好ましい。これらのうち、特にMnO2、あるいはMn
2とCoOとの組合わせが好ましい。この理由は、M
nO2は、少量の添加で優れた消色効果が得られるため
であり、しかも、酸化ネオジウムや酸化エルビウム等と
比較して、極めて安価なためである。また、MnO2
CoOとを組合わせて使用すると、さらに優れた消色効
果が得られるためである。
【0028】また、消色剤の添加量は、得られる紫外線
遮蔽用ガラスの透明性を考慮して定められるが、例え
ば、全体量を100重量%としたときに、0.0000
02〜1.0重量%の範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、消色剤の添加量が0.000002重
量%未満となると、消色効果が発揮されない場合がある
ためであり、一方、消色剤の添加量が1.0重量%を超
えると、得られた紫外線遮蔽用ガラスが高価となった
り、あるいは逆に着色する場合があるためである。した
がって、消色効果やコストのバランスがより良好となる
ことから、消色剤の添加量を、全体量に対して、0.0
01〜0.1重量%の範囲内の値とすることがより好ま
しく、0.01〜0.05重量%の範囲内の値とするこ
とがさらに好ましい。
【0029】また、MnO2とCoOとを組合わせて使
用する場合、MnO2の添加量を、全体量を100重量
%としたときに、0.0001〜0.05重量%の範囲
内の値とするとともに、CoOの添加量を、全体量に対
して、1×10-6〜1×10-4重量%の範囲内の値とす
ることが好ましく、2×10-6〜1×10-5重量%の範
囲内の値とすることがより好ましい。すなわち、MnO
2 100重量部に対して、CoOを1/50000重
量部〜1重量部の割合で添加するのが好ましい。
【0030】(5)還元剤 第1の実施形態で使用する還元剤は、後述する酸化還元
指数を調節するため等に添加される。すなわち、還元剤
を添加することにより、酸化還元指数を適正範囲に調節
し、気泡等の巻き込みが少なく、透明性に優れた紫外線
遮蔽用ガラスをより効率的に得るために添加される。こ
こで、好ましい還元剤としては、酸化スズ(SnO)、
カーボン(C)、イオウ(S)、金属スズ(Sn)、金
属アルミニウム(Al)、金属亜鉛(Zn)、亜砒酸、
弗化カルシウム(CaF2)、食塩(NaCl)、酸化
アンチモン(Sb23、Sb24、Sb25)および金
属シリコン(Si)からなる群から選択される少なくと
も一つの化合物が挙げられる。特に、カーボンや弗化カ
ルシウムは、少量の添加で還元効果が得られることから
好ましい。
【0031】また、還元剤の添加量は、酸化還元指数を
考慮して定めることが好ましいが、具体的に、全体量を
100重量%としたときに、0.1〜30重量%の範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、還元剤の添
加量が0.1重量%未満となると、発泡抑制効果が発揮
されない場合があるためであり、一方、還元剤の添加量
が30重量%を超えると、ガラス化するのが困難となる
場合があるためである。したがって、発泡抑制効果やガ
ラス化のバランスがより良好となることから、還元剤の
添加量を、全体量に対して、0.5〜20重量%の範囲
内の値とすることがより好ましく、1〜10重量%の範
囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0032】(6)酸化還元指数 第1の実施形態の紫外線遮蔽用ガラスにおいて、酸化還
元指数を15〜40の範囲内の値とする必要がある。こ
の理由は、かかる酸化還元指数を15未満の値とする
と、使用可能な紫外線遮蔽成分やガラス成分の種類が過
度に制限されるためであり、一方、酸化還元指数を40
を超えた値とすると、製造工程において、気泡が発生し
やすくなり、生産効率が著しく低下するためである。具
体的に、表1および2に示すように、酸化還元指数が4
0を超えた比較例3〜5において、それぞれ発泡性1が
△評価であり、発泡性2が×評価されているのは、この
ことを示している。したがって、ガラス成分の選択性
と、気泡発生防止とのバランスがより良好となることか
ら、表1および2の実施例の発泡性評価が示すように、
紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数を18〜35の範囲
内の値とすることがより好ましく、20〜30の範囲内
の値とすることがさらに好ましい。
【0033】また、紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数
(Re)は、n個(nは1〜100の整数)の各構成成
分のシンプソン−メイヤーの酸化還元指数(Re1〜R
n)を、対応する各構成成分のケイ砂2000Kgに
対する重量%(W1〜Wn)とともに、下式(1)に代入
して、算出することができる。 Re=Re11+Re22+Re33・・・+Renn (1)
【0034】なお、図6に、紫外線遮蔽用ガラスにおけ
るCeO2の添加量と、酸化還元指数との関係を示す
が、このように紫外線遮蔽成分の添加量を適宜調整する
ことにより、紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数の値を
容易に調節することができる。より具体的に言えば、紫
外線遮蔽用ガラスにおける紫外線遮蔽成分以外のガラス
成分における酸化還元指数(Re)を式(1)から算出
しておき、紫外線遮蔽成分については、分光光度計でそ
の濃度を検量線と対比して測定し、それらの値から紫外
線遮蔽用ガラスの酸化還元指数を推定することが可能で
ある。このような分光光度計による紫外線遮蔽成分の濃
度を組み合わせた酸化還元指数(Re)の推定方法によ
れば、ガラスの製造工程において、紫外線遮蔽用ガラス
の酸化還元指数(Re)を連続的に管理できることを意
味する。
【0035】(7)その他の添加剤 第1の実施形態における紫外線遮蔽用ガラスには、用途
等に応じて、抗菌剤、防カビ剤、電磁波遮蔽剤、清澄
剤、発泡剤、還元剤等を添加することも好ましい。特に
清澄剤を添加することにより、気泡の巻き込みが少な
く、透明性により優れた紫外線遮蔽用ガラスが得られる
ことから好ましい。このような清澄剤としては、硫酸
塩、例えば、Na2SO4、K2SO4、BaSO4、Ca
SO4等や、弗化物、例えば、蛍石、ケイフッ素化合物
等が挙げられる。また、これらの清澄剤の添加量を、全
体量に対して、0.5〜5.0重量%の範囲内の値とす
ることが好ましい。なお、一般に、このような清澄剤の
添加量を調節し、酸化還元指数を10以下の値にしなけ
れば、製造工程時に発泡しやすいと言われている。しか
しながら、本発明においては、酸化還元指数を15〜4
0の範囲内の値にした場合であっても、後述するよう
に、紫外線遮蔽成分の添加方法や、添加回数、還元剤の
種類、添加量等を調節すれば、製造時における発泡を効
率的に抑制できることが判明している。
【0036】さらに、第1の実施形態における紫外線遮
蔽用ガラスには、Fe23が含まれる場合があるが、そ
の場合でも透明性を向上させるため、Fe23の含有量
を全体量に対して、0.5重量%以下の値とすることが
好ましく、0.4重量%以下の値とすることがより好ま
しい。この理由は、Fe23が多量に含まれていると、
紫外線遮蔽成分と反応し、より大きく着色する場合があ
るためである。
【0037】(8)紫外線遮蔽用ガラス 第1の実施形態における紫外線遮蔽用ガラスの基本組成
として、例えば、SiO2、Na2O、K2O、CaO、
MgO、B23、Al23、CeO2およびMnO2の組
み合わせや、SiO2、Na2O、K2O、CaO、Mg
O、B23、Al 23、CeO2、MnO2およびCoO
の組み合わせが挙げられる。このように組み合わせるこ
とにより、安価で、しかも優れた紫外線遮蔽性や透明性
を有する紫外線遮蔽用ガラスを得ることができる。
【0038】また、紫外線遮蔽用ガラスの形態について
も任意であり、例えば、板状、球状、多角形状、円柱
状、棒状あるいは異型状とすることが好ましい。さらに
は、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
カーボーネート系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系
樹脂等の高分子に分散させるのが容易なように、紫外線
遮蔽用ガラスの形態を、平均粒子径が0.001〜1m
mの範囲内の粒子状とすることも好ましい。
【0039】[第2の実施形態]第2の実施形態は、ガ
ラス成分(ガラス網目成分およびガラス網目修飾成分
等)と、紫外線遮蔽成分としてのCeO2等と、消色剤
としてのEr23とを含み、酸化還元指数が15〜40
の範囲内の値である紫外線遮蔽用ガラスである。したが
って、以下、第2の実施形態と、第1の実施形態の紫外
線遮蔽用ガラスとで異なる点を中心に説明し、同様の点
については、適宜省略するする。
【0040】(1)紫外線遮蔽成分 消色剤として、後述するEr23を用いた場合、紫外線
遮蔽成分としてのCeO2およびV25あるいはいずれ
か一方の無機化合物の添加量を、全体量に対して、0.
01〜0.3重量%未満の範囲内の値とすることが必要
である。この理由は、かかる紫外線遮蔽成分の添加量が
0.01重量%未満となると紫外線遮蔽効果が著しく低
下するためであり、一方、0.3重量%以上の値となる
と、製造工程において、発泡したり、着色しやすくなる
ためである。したがって、紫外線遮蔽成分の添加量を、
全体量に対して、0.05〜0.29重量%の範囲内の
値とすることがより好ましく、0.1〜0.28重量%
の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0041】なお、特開平11−60269号公報にお
いて、紫外線遮蔽成分としてCeO 2を用い、消色剤と
してEr23を用いた紫外線遮蔽用ガラスにおいて、C
eO2の添加量が0.3重量%未満では、優れた紫外線
遮蔽効果が得られないと指摘しているが、本発明におい
て、このような条件であっても、330nmの吸収端に
おいて優れた紫外線遮蔽効果が得られることを確認して
いる。また、CeO2の添加量の上限を0.3重量%未
満とすることにより、製造工程時の、発泡や着色を有効
に防止することができ、後述するEr23の使用量を低
下できることも確認している。
【0042】(2)消色剤 第2の実施形態では、消色剤として、Er23を用いる
ことが必要である。この理由は、Er23を用いること
により、紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数にかかわら
ず、適当な消色効果を発揮させることができるためであ
る。よって、同一の溶融炉において、非紫外線遮蔽用ガ
ラスから紫外線遮蔽用ガラスの製造に切り替えた場合に
おいて、酸化還元指数がばらついたとしても、発泡を有
効に防止して、紫外線遮蔽用ガラスの生産効率を高める
ことができる。また、Er23の添加量を、全体量を1
00重量%としたときに、0.0005〜0.08重量
%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、E
23の添加量が0.0005重量%未満となると、消
色効果を発揮させることが困難となる場合があるためで
あり、一方、Er23の添加量が0.08重量%を超え
ると、ガラスが着色し、赤味がかる傾向があるためであ
る。したがって、消色効果と、着色性とのバランスがよ
り良好となることから、Er23の添加量を、0.00
08〜0.04重量%の範囲内の値とすることがより好
ましく、0.0009〜0.02重量%の範囲内の値と
することがさらに好ましい。
【0043】なお、第2の実施形態において、消色剤と
して、Er23のみならず、第1の実施形態で使用した
MnO2、CoOおよびNiOからなる群から選択され
る少なくとも一つの無機化合物をそれぞれ併用すること
も好ましい。このように組み合わせて使用することによ
り、さらに優れた消色効果を得ることができる。また、
消色剤として、Er23と、Seとを併用することも好
ましい。このように組み合わせて使用することにより、
同一の溶融窯を用いた製造工程において、紫外線遮蔽用
ガラスから非紫外線遮蔽用ガラスに切り変えた場合に、
早期に透明性に優れた非紫外線遮蔽用ガラスを得ること
ができる。なお、消色剤としてのSeの併用効果は、第
2の実施形態ばかりでなく、同様に、第1の実施形態に
おいても得られるものである。
【0044】(3)酸化還元指数 第2の実施形態の紫外線遮蔽用ガラスにおいても、第1
の実施形態と同様に、酸化還元指数を15〜40の範囲
内の値とする必要がある。この理由は、消色剤として、
酸化還元指数に拠らないEr23を使用しているもの
の、同一の溶融炉において、非紫外線遮蔽用ガラスから
紫外線遮蔽用ガラスの製造に切り替えた場合において、
非紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数と、紫外線遮蔽用
ガラスの酸化還元指数との差が大きくなると、やはり、
製造工程において、気泡が発生しやすくなり、生産効率
が著しく低下するためである。また、かかる酸化還元指
数が15未満の値とすると、使用可能な紫外線遮蔽成分
やガラス成分の種類が過度に制限されるためである。し
たがって、第2の実施形態においても、紫外線遮蔽用ガ
ラスの酸化還元指数を15〜35の範囲内の値とするこ
とがより好ましく、15〜30の範囲内の値とすること
がさらに好ましい。
【0045】[第3の実施形態]第3の実施形態は、紫
外線遮蔽用ガラスの製造方法であり、紫外線遮蔽用ガラ
ス原料を溶解させて、紫外線遮蔽用ガラス融液を作成す
る工程(第1の工程)と、紫外線遮蔽用ガラス融液を移
送する移送工程(第2の工程)と、紫外線遮蔽用ガラス
融液からガラスを成形する成形工程(第3の工程)とを
含んでいる。以下、図1を参照しながら、第3の実施形
態の紫外線遮蔽用ガラスの製造方法を具体的に説明す
る。なお、紫外線遮蔽用ガラスの構成成分等について
は、第1および第2の実施形態でそれぞれ説明した内容
と同様とすることができるため、ここでの説明は省略す
る。
【0046】(1)第1の工程 第1の工程は、SiO2等のガラス網目成分、Na2Oや
2O等のガラス網目修飾成分、CeO2等の紫外線遮蔽
成分、およびMnO2やCoO等の消色剤等の紫外線遮
蔽用ガラス原料を加熱溶融させて、紫外線遮蔽用ガラス
用融液を作成する工程である。この溶解工程は、図1に
示す溶解炉12およびそれに連結された作業室14にお
いて行われる。具体的には、断熱部材(図示せず。)で
覆われた溶解炉12の、例えば側方に設けられた投入口
10から、矢印Aで示すように、紫外線遮蔽用ガラス原
料を投入し、次いで、これらのガラス原料を加熱部材
(図示せず。)で加熱することにより、均一に溶解させ
て、紫外線遮蔽用ガラス融液を得ることができる。ま
た、具体的な紫外線遮蔽用ガラス原料としては、けい
砂、ソーダ灰、石灰、カレット、清澄剤、CeO2、お
よびMnO2等を使用することが好ましい。ここで、紫
外線遮蔽用ガラス原料の下記〜のように添加方法を
改良し、発泡を抑制することが好ましい。
【0047】同一製造装置を用いて、非紫外線遮蔽用
ガラスと、紫外線遮蔽用ガラスとを、切り替えて作製す
る場合には、非紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数と、
紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数との差を20以内の
値とする。この理由は、紫外線遮蔽成分を含まないガラ
スの酸化還元指数と、紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指
数との差(以下、落差と称する場合がある。)が20を
超えると、紫外線遮蔽成分の濃度むらが大きくなり、発
泡しやすくなるためである。したがって、非紫外線遮蔽
用ガラスの酸化還元指数と、紫外線遮蔽用ガラスの酸化
還元指数との落差を、15以内の値とすることがより好
ましく、10以内の値とすることがさらに好ましい。
【0048】この点、図4および図5を参照して、さら
に詳細に説明する。図4は、実施例および比較例のデー
タをもとにして作成したものであり、横軸に落差を採っ
て示してあり、縦軸に紫外線遮蔽用ガラスにおける気泡
の発生性を4段階で評価した結果を示してある。なお、
かかる評価基準は、実施例1における発泡性1の評価基
準と同様であって、◎を評価点0、〇を評価点1、△を
評価点2、×を評価点4として、グラフ化したものであ
る。この図4から理解されるように、落差が20を超え
ると、気泡の発生が急に多くなり、一方、落差が15以
上〜20未満となると、気泡の発生が少なくなり、落差
が15未満となると、気泡の発生が見られない傾向があ
る。
【0049】また、図5は、図1に示す溶解炉12を用
いた場合の、CeO2を含む紫外線遮蔽用ガラス原料を
三段階で投入してから、所定時間が経過した後の出口で
の紫外線遮蔽用ガラス融液におけるCeO2濃度、すな
わちこの融液を採取し、紫外線遮蔽用ガラスとして測定
したCeO2濃度を濃度変化曲線Aで示している。一
方、濃度変化曲線Bは、CeO2を含む紫外線遮蔽用ガ
ラス原料を一段階で添加した場合の紫外線遮蔽用ガラス
融液におけるCeO2濃度変化を示している。なお、図
5中、記号Cで表される時間は、溶融炉におけるリード
タイムであって、また、記号Dは、紫外線遮蔽用ガラス
用原料から非紫外線遮蔽用ガラス用原料に供給を切り替
えた時点に対応したCeO2濃度を示している。
【0050】この濃度変化曲線Aから理解されるよう
に、紫外線遮蔽用ガラス原料をA1(CeO2カレッ
ト)、A2(CeO2カレットおよびパウダー)および
A3(CeO2パウダー)の三段階で投入することによ
り、徐々に、紫外線遮蔽用ガラス中のCeO2濃度が上
昇するとともに、CeO2濃度の濃度を所望値、この場
合、0.29重量%に正確に制御できることを示してい
る。また、この濃度変化曲線Aに沿って得られた紫外線
遮蔽用ガラスにおいては、泡が全く観察されず、着色も
ほとんど見られなかった。一方、紫外線遮蔽用ガラス原
料を一段階(CeO2はパウダーのみ)で投入した場合
の濃度変化曲線Bにおいては、CeO2濃度を制御でき
ずに、所望値を超えていることが理解される。また、濃
度変化曲線Bに沿って得られた紫外線遮蔽用ガラスにお
いては、泡が多量に発生していることが確認された。
【0051】紫外線遮蔽成分の溶解速度を、0.00
75重量%/hr以下の値とする。この理由は、紫外線
遮蔽成分の溶解速度が、0.0075重量%/hrを超
えると、急激に濃度むらが生じて、著しく発泡しやすく
なるためである。特に、この発泡は、同一の溶解炉(溶
解窯)を用い、非紫外線遮蔽用ガラスを作製した後に、
連続的に切り替えてから、本発明の紫外線遮蔽用ガラス
を作製する場合に頻繁に見られる傾向であり、酸化度が
急激に上昇し、泡層が形成されるためと考えられる。た
だし、紫外線遮蔽成分の溶解速度を過度に遅くすると、
泡層の形成は防止することができるものの、紫外線遮蔽
用ガラスの生産効率が著しく低下するという問題が生じ
る場合がある。したがって、紫外線遮蔽成分の溶解速度
を、0.0001〜0.006重量%/hrの範囲内の
値とすることがより好ましく、0.0001〜0.00
5重量%/hrの範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
【0052】清澄剤としてNa2SO4を使用するとと
もに、全体量に対して、Na2SO4の添加量を0.5〜
5.0重量%の範囲内の値とする。この理由は、Na2
SO4は、使用実績がある清澄剤であるためであり、ま
た、当該Na2SO4の添加量が、0.5重量%未満の値
になると、清澄効果が発揮できない場合があるためであ
る。一方、かかるNa2SO4の添加量が、5重量%を超
えると、ガラス化が困難となる場合があるためである。
したがって、清澄効果と、ガラス化とのバランスがより
良好となることから、Na2SO4の添加量を0.7〜
3.0重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、
1.0〜2.0重量%の範囲内の値とすることがさらに
好ましい。ただし、清澄剤としてNa2SO4は、気泡の
発生の直接的要因となることから、上記、の手法に
より、気泡が発生しにくい場合には、むしろNa2SO4
の添加量を減少させることが好ましい。より具体的に言
えば、Na2SO4の添加量を0.1〜1.0重量%の範
囲内の値とすることがより好ましく、0.2〜0.5重
量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0053】紫外線遮蔽成分を、カレットあるいはカ
レットとパウダーの混合物として添加する。この理由
は、紫外線遮蔽成分の溶解速度、すなわち濃度むらが発
泡に影響しているため、紫外線遮蔽成分を、カレットと
して添加することにより、紫外線遮蔽成分の濃度むらが
発生するのを効果的に抑制できるためである。ただし、
紫外線遮蔽成分の全量をカレットとして添加する必要は
なく、例えば、紫外線遮蔽成分の全量の1/3をカレッ
トとして添加し、残りの2/3については、パウダー状
のガラス原料として、原料口から投入することも好まし
い。
【0054】次ぎに、第1の工程における溶解炉(溶解
窯)の溶解条件について説明する。すなわち、溶解炉1
2の加熱温度を加熱部材で調節し、1300〜1800
℃の範囲内の温度とするのが好ましく、1400〜16
00℃の範囲内の温度とするのがより好ましい。このよ
うな加熱温度とすることにより、比較的短時間に、か
つ、均一に溶融した紫外線遮蔽用ガラスを作成すること
ができる。また、溶解炉12における溶解時間について
も特に制限されるものではないが、例えば、5〜120
時間の範囲内の値とするのが好ましく、10〜72時間
の範囲内の値とするのがより好ましく、20〜48時間
の範囲内の値とするのがさらに好ましい。さらに、紫外
線遮蔽用ガラス原料からなる融液を溶解炉12中で、攪
拌、循環させながら溶解させるとともに、融液が作業室
14に到達したときには、通常、すでにガラス化されて
いる状態とするのが好ましく、また、融液の温度を、例
えば、1200〜1300℃の範囲内の値に制御するこ
とが好ましい。
【0055】なお、溶解炉12と作業室14との間に
は、スロート16を設けることが好ましい。この理由
は、紫外線遮蔽用ガラス原料融液を、上下方向に屈曲さ
せたスロート16を通過させることにより、未溶解物に
ついては流出させないとともに、内部で発生した気泡等
を効率的に脱泡できるためである。したがって、紫外線
遮蔽成分として、CeO2等の気泡が発生しやすい材料
を用いたとしても、次々工程のガラス成形工程におい
て、透明性や外観性に優れた紫外線遮蔽用ガラスを得る
ことができる。
【0056】(2)第2の工程 第2の工程は、得られた紫外線遮蔽用ガラス融液を、温
度を所定範囲に制御しながらガラス成形機(金型等)ま
で移送する移送工程である。この移送工程には、通常、
図1に示すようなフォアハース18が用いられている。
このフォアハ−ス18は、第1工程における作業室14
に連結されており、通常、5〜20mの長さを有してい
る。そして、このフォアハ−ス18には、バーナー等の
加熱装置や温度制御装置(それぞれ図示せず。)が設け
てあり、第3の工程において容易に成形できるように、
例えば1000〜1400℃の範囲内の温度に制御する
ことが可能である。なお、このフォアハ−ス18の例で
は、カラーフィーダー方式に適用可能に、フリット投入
口20と、3セットの一対の攪拌装置22とが設けられ
ているが、このような設備については、第2実施形態で
は省略することができる。また、フォアハ−ス18にお
ける紫外線遮蔽用ガラス融液の移送速度についても調節
可能であり、成形するガラス容器の種類によるが、例え
ば、0.1〜20m/分の範囲内の値とすることが好ま
しい。
【0057】(3)第3の工程 第3の工程は、フォアハ−ス18から、紫外線遮蔽用ガ
ラス融液を取り出し、ガラス成形機(図示せず。)を用
いて、直接的に所望形状のガラス容器あるいはガラス板
等に成形する工程である。第2の実施形態において、か
かるガラス成形機としては、一般的に常用されているも
のを用いることができる。なお、第2の実施形態におい
て、図1に示すように、フォアハ−ス18から紫外線遮
蔽用ガラス融液を取り出し、次いで、ゴブカットしたの
ち、矢印Bで示す方向に移送させ、ガラス成形機によ
り、間接的にガラス容器等を成形することも好ましい。
ただし、ゴブカットする場合には、ガラス成形機におい
て気泡を発生しやすい場合があるため、成形温度を厳格
に調整等する必要がある。
【0058】[第4の実施形態]第4の実施形態は、第
3の実施形態における紫外線遮蔽用ガラスの製造方法の
変形例であり、カラーフィーダー方式と、溶解窯方式を
組み合わせた紫外線遮蔽用ガラスの製造方法である。よ
り具体的には、紫外線遮蔽成分の一部を含んで紫外線遮
蔽用ガラス融液を作成した後(第1の工程)、図1に示
すように、紫外線遮蔽用ガラス融液を移送するフォアハ
−ス18に、紫外線遮蔽成分の残りの一部をフリットと
して添加するとともに、フォアハ−ス18の後端に設け
たカラーフィーダー28により、紫外線遮蔽用ガラス融
液をゴブカットし(第2の工程)、さらに、得られたゴ
ブを用いてガラス成形機により間接的にガラス容器等を
成形する(第3の工程)製造方法である。このように紫
外線遮蔽成分を第1の工程と、第2の工程とに分けて添
加することにより、紫外線遮蔽成分に起因した第2の工
程での発泡を効率的に低下させることができる。したが
って、カラーフィーダー方式と、溶解窯方式を組み合わ
せることにより、少量ロット品であっても、ガラス容器
等を経済的に成形することができる。また、このように
紫外線遮蔽成分を第1の工程と、第2の工程とに分けて
添加することにより、紫外線遮蔽成分の添加量の制御が
さらに容易となるという利点もあり、その他、消色剤の
添加量を出来る限り少なくできるという利点もある。
【0059】ここで、カラーフィーダー方式とは、ガラ
ス容器等に用いられる着色ガラス等の連続的製造方法の
一つとして知られているものであり、一般に、溶解炉に
接続されたフォアハースにおいて、高濃度の着色成分を
含む、粉末、粒子、粉砕物状等のフリットを元素地ガラ
スに添加し、次いで、ゴブカットおよび成形して、少量
多品種の着色ガラスを製造する生産方式である。また、
溶解窯方式とは、無色透明ガラス等の連続的製造方法の
一つとして知られているものであり、一般に、溶解炉に
おいて、元素地ガラスとともに、他の添加成分を予め添
加し、多量少品種の無色透明ガラスを製造する生産方式
である。
【0060】そして、第4の実施形態において、紫外線
遮蔽成分の添加量を、第1の実施形態で説明したのと同
様に、紫外線遮蔽用ガラスの全体量に対して、0.1〜
1.0重量%の範囲内の値とすることが好ましいが、そ
のうち、第1の工程では、10〜90重量%の割合を添
加することが好ましく、20〜80重量%の割合を添加
することがより好ましく、30〜70重量%の割合を添
加することがさらに好ましい。よって、第2の工程にお
いては、その第1の工程で添加した残りの割合の紫外線
遮蔽成分を添加することが好ましい。なお、第4の実施
形態における、紫外線遮蔽用ガラスの構成成分や溶融条
件等については、第1〜第3の実施形態で説明した内容
と同様とすることができる。また、第4の実施形態にお
いては、紫外線遮蔽用ガラスの製造にあたり、カラーフ
ィーダー方式と、溶解窯方式を組み合わせているが、第
4の実施形態の変形として、カラーフィーダー方式単独
で、紫外線遮蔽用ガラスを製造することも好ましい。そ
の場合、紫外線遮蔽成分をフリットおよびペレット、あ
るいはいずれか一方の形態において添加することが好ま
しい。このように添加すると、紫外線遮蔽用ガラスにお
ける酸化還元指数の調整や、製造工程中の紫外線遮蔽成
分の濃度容易に制御することができる。
【0061】
【実施例】以下、実施例をもとに、さらに本発明を説明
する。ただし、言うまでもなく、本発明の範囲は、実施
例の記載に制限されるものではない。
【0062】[実施例1] (1)紫外線遮蔽用ガラスの作成 第1の工程において、溶解炉に、全体量に対して、Si
2の添加量が73重量%、Na2O+K2Oの添加量が
14重量%、CaO+MgOの添加量が11重量%、A
23の添加量が2重量%、CeO2の添加量が0.3
重量%、MnO2の添加量が0.0078重量%、Co
Oの添加量が0.00002重量%、Seの添加量が
0.00002重量%となるように、けい砂、ソーダ
灰、石灰、カレット、Na2SO4、CeO2、MnO2
SeおよびCoO等の紫外線遮蔽用ガラス原料をそれぞ
れ溶解炉に投入した。
【0063】また、発泡を抑制するために、以下に示す
ように、CeO2を三段階に分けてCeO2の濃度が最終
的に0.30重量%になるように添加するとともに、清
澄剤としてのNa2SO4の添加量を1重量%とした。 1段階:CeO2のカレット、CeO2の濃度0.13重量%、 Re23、添加速度0.0065重量%/hr 2段階:CeO2のカレット及びパウダー、CeO2の濃度0.23重量% Re28、添加速度0.0328重量%/hr 3段階:CeO2のパウダー、CeO2の濃度0.30重量% Re33、添加速度0.0121重量%/hr
【0064】また、これらの紫外線遮蔽用ガラス原料
を、1段階では、温度1470℃、20時間の条件で溶
解させて、2段階では、温度1470℃、7時間の条件
で溶解させて、3段階では、温度1470℃、48時間
の条件で溶解させて、3段階で得られた融液のみを紫外
線遮蔽用ガラス融液とした。この3段階の時点で、Ce
2の濃度を分光光度計で間接的にモニターし、上述し
た式(1)から酸化還元指数を算出したところ、33で
あった。また、1段階で得られた融液の酸化還元指数を
同様に算出したところ、23であり、これは紫外線遮蔽
用ガラス融液として使用せず、紫外線遮蔽用ガラス原料
用の希薄カレットとした。さらに、2段階で得られた融
液の酸化還元指数を同様に算出したところ、28であ
り、これは紫外線遮蔽用ガラス融液として使用せず、紫
外線遮蔽用ガラス原料用の濃厚カレットとした。
【0065】なお、紫外線遮蔽用ガラス融液を開始する
にあたり、非紫外線遮蔽用ガラス融液の作成から切替え
て行った。その際、非紫外線遮蔽用ガラス融液の酸化還
元指数を算出したところ、14であった。したがって、
非紫外線遮蔽用ガラス融液の酸化還元指数と、1段階で
得られた融液の酸化還元指数との差は9であり、また1
段階で得られた融液の酸化還元指数と、2段階で得られ
た融液の酸化還元指数との差は5であり、さらに、2段
階で得られた融液の酸化還元指数と、3段階で得られた
融液の酸化還元指数との差は5であった。よって、この
ようにガラス原料を切替える際に得られる融液間の酸化
還元指数の差を20未満としてあるため、第1の実施例
では、気泡の発生は全く見られなかった。
【0066】次いで、3段階で得られた紫外線遮蔽用ガ
ラス融液を、溶解炉およびこれに連結された作業室か
ら、フォアハ−スである第2の工程に供した。この第2
の工程において、長さ約10mのフォアハ−ス内に紫外
線遮蔽用ガラス融液を供給し、その後、紫外線遮蔽用ガ
ラス融液の温度を、バーナーを用いて1250〜130
0℃に保持しながら、移送速度10m/分で、ガラス成
形機まで移送した。
【0067】また、第2の工程から移送された紫外線遮
蔽用ガラス用融液を、第3の工程としての、紫外線遮蔽
ガラス容器の成形工程に供した。そして、ガラス成形機
を用い、一例として、胴部高さ80mm、首部高さ20
mm、胴直径40mm、首部直径20mm、厚さ4mm
のボトルネック型の紫外線遮蔽ガラス容器を成形し、以
下の評価に提供した。
【0068】なお、上記3段階において、紫外線遮蔽用
ガラス融液を約48時間作成した後、同一の溶解炉を用
いて、非紫外線遮蔽用ガラス融液を再び作成した。具体
的には、上述した紫外線遮蔽用ガラス原料から切替え
て、紫外線遮蔽成分を取り除いたガラス原料を、連続的
に溶解炉に投入し、CeO2の濃度が低下する様子を分
光光度計で間接的にモニターした。その結果、図5に示
すように、約48時間経過した時点で、紫外線遮蔽成分
の濃度が0.1重量%未満になることが確認された。ま
た、紫外線遮蔽成分の濃度が低下するにつれて、酸性雰
囲気でなくなり、Seの消色効果が発揮されたためと推
定されるが、急激に着色が少なくなり、紫外線遮蔽用ガ
ラス融液の透明性が向上した。
【0069】(2)紫外線遮蔽ガラス容器の評価 紫外線遮蔽性1 得られた紫外線遮蔽ガラス容器の紫外線遮蔽性を、フェ
ードメーター(スガ試験機製)を用いて測定した。具体
的に、紫外線遮蔽ガラス容器の内部に、濃度が0.00
04重量%(pH=3)となるように青色1号と水を収
用した後、波長628nmの紫外線を4時間照射した。
そして、青色1号の残存率(残存重量/初期重量×10
0)を測定し、以下の基準で評価した。評価した結果を
表1に示す。 ◎:残存率が90%以上である。 〇:残存率が80%以上である。 △:残存率が50%以上である。 ×:残存率が50%未満である。
【0070】紫外線遮蔽性2 得られた紫外線遮蔽ガラス容器の一部を板状(厚さ4m
m)に切り出し、その光透過率(波長250〜450n
m)を、分光光度計を用いて測定した。図2に得られた
紫外線吸収スペクトルを示す。そして、この紫外線吸収
スペクトルから、紫外線吸収端を算出し、以下の基準で
評価した。評価した結果を表1に示す。 ◎:紫外線吸収端が330nm以上である。 〇:紫外線吸収端が310nm以上である。 △:紫外線吸収端が300nm以上である。 ×:紫外線吸収端が300nm未満である。
【0071】透明性 得られた紫外線遮蔽ガラス容器の着色に関する透明性
を、以下の基準により、目視にて評価した。評価した結
果を表1に示す。 ◎:無色透明である。 〇:わずかに着色している。 △:着色している。 ×:顕著に着色している。
【0072】発泡性1 得られた紫外線遮蔽ガラス容器の発泡性を、以下の基準
により、目視にて評価した。評価した結果を表1に示
す。 ◎:直径0.1mm以上の気泡が0個/10cm2であ
る。 〇:直径0.1mm以上の気泡が5個以下/10cm2
である。 △:直径0.1mm以上の気泡が10個以下/10cm
2である。 ×:直径0.1mm以上の気泡が10個超/10cm2
である。
【0073】発泡性2 第1の工程において、紫外線遮蔽用ガラス原料を、温度
1470℃、48時間の条件の代りに、温度1470
℃、24時間の条件で溶解させて、紫外線遮蔽用ガラス
融液が不均一となりやすい条件で溶解した以外は、同様
の条件で紫外線遮蔽ガラス容器を得て、発泡性1と同様
の基準で評価した。評価した結果を表1に示す。
【0074】[実施例2〜5]実施例1におけるCeO
2の添加量を、全体量に対して0.3重量%から、0.
1重量%(実施例2)、0.2重量%(実施例3)、
0.3重量%(実施例4)、および0.4重量%(実施
例5)に変化させるとともに、還元剤濃度を倍にしたほ
かは、実施例1と同様に紫外線遮蔽用ガラス容器を作成
して、紫外線遮蔽性等を評価した。得られた結果を表1
および図1に示す。
【0075】[比較例1]実施例1において紫外線遮蔽
成分としてのCeO2を添加しなかったほかは、実施例
1と同様にガラス容器を作成するとともに、紫外線遮蔽
性等を評価した。得られた結果を、表1および図1に示
す。
【0076】[比較例2]実施例1において消色剤とし
てのMnO2およびCoOをそれぞれ添加しなかったほ
かは、実施例1と同様にガラス容器を作成するととも
に、紫外線遮蔽性等を評価した。得られた結果を、表1
に示す。
【0077】[比較例3]実施例1において紫外線遮蔽
成分としてのCeO2を0.5重量%添加するととも
に、還元剤濃度を倍にしたほかは、実施例1と同様にガ
ラス容器を作成するとともに、紫外線遮蔽性等を評価し
た。得られた結果を、表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】[実施例6〜11]実施例6〜8では、実
施例1における紫外線遮蔽成分としてのCeO2の添加
量を0.29重量%とするとともに、消色剤としてのM
nO2およびCoO2を、ErO2に変え、当該ErO2
添加量を、全体量に対して0.01重量%(実施例
8)、0.02重量%(実施例9)、および0.04重
量%(実施例10)に変化させるとともに、還元剤濃度
を倍にしたほかは、実施例1と同様に紫外線遮蔽用ガラ
ス容器を作成して、紫外線遮蔽性等を評価した。得られ
た結果を表2に示す。また、実施例9〜11では、実施
例1における紫外線遮蔽成分としてのCeO 2の添加量
を0.29重量%とし、消色剤としてのMnO2および
CoO2を、Er23に変え、当該Er23の添加量
を、全体量に対して0.01重量%(実施例10)、
0.02重量%(実施例11)、および0.04重量%
(実施例12)に変化させるとともに、還元剤濃度を倍
にし、さらにカーボン1.6×10-2重量%を、CaF
20.9重量%に変えたほかは、実施例1と同様に紫外
線遮蔽用ガラス容器を作成し、紫外線遮蔽性等を評価し
た。得られた結果を表2に示す。
【0080】[比較例4および5]比較例4および5で
は、実施例6および9におけるCeO2の添加量を0.
5重量%としたほかは、同様に紫外線遮蔽ガラス容器を
作成するとともに、紫外線遮蔽性等を評価した。それぞ
れ得られた結果を、表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】本発明の紫外線遮蔽用ガラスおよびそれ
から得られる紫外線遮蔽ガラス容器によれば、発泡が少
なく、紫外線遮蔽性や透明性に優れており、しかも安価
に提供できるようになった。また、本発明の紫外線遮蔽
用ガラスの製造方法によれば、紫外線遮蔽性や透明性に
優れ、しかも安価な紫外線遮蔽用ガラスを、発泡を抑制
しながら効率的に製造することが可能となった。特に、
同一の溶解窯を用いて、紫外線遮蔽成分を含まないガラ
スと、紫外線遮蔽用ガラスとを切り替えて作製したとし
ても、発泡を効果的に抑制することができるようになっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】紫外線遮蔽用ガラスの製造方法を説明するため
に供する図である。
【図2】紫外線遮蔽用ガラスにおける紫外線吸収スペク
トルを示す図である。
【図3】紫外線遮蔽用ガラスにおけるCeO2の添加量
と、紫外線吸収端との関係を示す図である。
【図4】紫外線遮蔽用ガラスの製造工程における酸化還
元指数の落差と、気泡の発生性との関係を示す図であ
る。
【図5】紫外線遮蔽用ガラスの製造工程における経過時
間と、CeO2の濃度との関係を示す図である。
【図6】紫外線遮蔽用ガラスにおけるCeO2の添加量
と、酸化還元指数との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 投入口 11 仕切り板 12 溶解炉(溶解窯) 14 作業室 16 スロート 18 フォアハース 20 フリット投入口 22 攪拌装置 24 ガラス流動部 26 底部 28 カラーフィーダー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス成分としてのSiO2と、紫外線
    遮蔽成分と、消色剤とを含んでなる紫外線遮蔽用ガラス
    において、 当該紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数を15〜40の
    範囲内の値とし、 かつ、前記紫外線遮蔽成分が、CeO2およびV25
    るいはいずれか一方の無機化合物であるとともに、前記
    消色剤がMnO2、CoO、およびNiOからなる群か
    ら選択される少なくとも一つの無機化合物であることを
    特徴とする紫外線遮蔽用ガラス。
  2. 【請求項2】 ガラス成分としてのSiO2と、紫外線
    遮蔽成分と、消色剤としてのEr23とを含んでなる紫
    外線遮蔽用ガラスにおいて、 当該紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数を15〜40の
    範囲内の値とし、 かつ、前記紫外線遮蔽成分がCeO2およびV25ある
    いはいずれか一方の無機化合物であるとともに、当該紫
    外線遮蔽成分の添加量を、全体量に対して0.1〜0.
    3重量%未満の範囲内の値とすることを特徴とする紫外
    線遮蔽用ガラス。
  3. 【請求項3】 還元剤として、酸化スズ、カーボン、イ
    オウ、金属スズ、金属アルミニウム、金属亜鉛、亜砒
    酸、弗化カルシウム、食塩、酸化アンチモンおよび金属
    シリコンからなる群から選択される少なくとも一つの化
    合物を添加することを特徴とする請求項1または2に記
    載の紫外線遮蔽用ガラス。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の紫
    外線遮蔽用ガラスからなる紫外線遮蔽ガラス容器。
  5. 【請求項5】 ガラス成分と、紫外線遮蔽成分と、消色
    剤と、清澄剤とを、溶融窯またはカラーフイ−ダーを用
    いて溶解後、成形してなる請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の紫外線遮蔽用ガラスの製造方法において、 同一製造装置を用い、非紫外線遮蔽用ガラスから切り替
    えて紫外線遮蔽用ガラスを製造する際に、 非紫外線遮蔽用ガラスの酸化還元指数と、紫外線遮蔽用
    ガラスの酸化還元指数との差を20未満の値とすること
    を特徴とする紫外線遮蔽用ガラスの製造方法。
  6. 【請求項6】 ガラス成分と、紫外線遮蔽成分と、消色
    剤と、清澄剤とを、溶融窯またはカラーフイ−ダーを用
    いて溶解後、成形してなる請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の紫外線遮蔽用ガラスの製造方法において、 前記紫外線遮蔽成分の溶解速度を、0.0075重量%
    /hr以下の値とすることを特徴とする紫外線遮蔽用ガ
    ラスの製造方法。
  7. 【請求項7】 ガラス成分と、紫外線遮蔽成分と、消色
    剤と、清澄剤とを、溶融窯またはカラーフイ−ダーを用
    いて溶解後、成形してなる請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の紫外線遮蔽用ガラスの製造方法において、 前記清澄剤としてNa2SO4を使用するとともに、当該
    清澄剤の添加量を0.5〜5.0重量%の範囲内の値と
    することを特徴とする紫外線遮蔽用ガラスの製造方法。
  8. 【請求項8】 ガラス成分と、紫外線遮蔽成分と、消色
    剤と、清澄剤とを、溶融窯またはカラーフイ−ダーを用
    いて溶解後、成形してなる請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の紫外線遮蔽用ガラスの製造方法において、 前記紫外線遮蔽成分をカレット、あるいはカレットとパ
    ウダーの混合物として添加することを特徴とする紫外線
    遮蔽用ガラスの製造方法。
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