JP2001219899A - 推力発生器の制御方法および制御装置 - Google Patents
推力発生器の制御方法および制御装置Info
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- G05D1/02—Control of position or course in two dimensions
- G05D1/0206—Control of position or course in two dimensions specially adapted to water vehicles
- G05D1/0208—Control of position or course in two dimensions specially adapted to water vehicles dynamic anchoring
Abstract
止処理の影響下で消費エネルギを最小にし得る推力配分
を行う推力発生器の制御方法を提供する。 【解決手段】与えられた全推力X,Yおよび全モーメン
トNの値に基づき、各スラスタにて出力すべき推力を評
価関数の値が最小となるように最適配分処理を行い(ス
テップ2)、得られた最適推力に基づく各スラスタ推力
発生器の方位角が禁止角度範囲内にある場合には、禁止
角度範囲外に設定する角度禁止処理を行った後さらに最
適配分を行い(ステップ4)、この結果、最適推力が定
格推力を越えているスラスタが存在する場合には、コス
トパラメータを増加させて再度最適推力を求め、コスト
パラメータの変更が許容値を超えた場合には、評価関数
が減少するように、上記X,YおよびNの値を変更する
推力制限処理(ステップ6)を、最適出力が定格推力を
越えているスラスタが存在しなくなるまで繰り返し行
う。
Description
掃海艇、オイルリグ等の船舶・海洋構造物における推力
発生器の制御方法およびその制御装置に関するものであ
る。
ルリグ等の船舶・海洋構造物(以下、単に、船舶とい
う)では、作業上の要請から、潮流、風、波等の外乱に
対して海面上で一定の位置、方位または航路を保持する
必要がある。
おいては、船体の運動を制御する動的位置制御システム
[DPS(Dynamic Positioning
System)]により船底に取り付けられた複数のプ
ロペラ、舵、スラスタ等の推力発生器(以下、単に、ス
ラスタという)に対し、推力が制御されている。
置、方位、航路保持に必要な船舶全体の推力およびモー
メントの指令値を受けて、船舶の消費燃料、スラスタの
配置等による制約の下で、如何に各スラスタに対し推力
を配分するかが重要な技術的事項である。
然、その燃料消費は可能な限り少ないことが望ましいこ
とから、上記動的位置制御システムにおいては、制御に
必要な船舶全体の推力およびモーメントを発生させ、か
つ船舶の消費エネルギを最小にするような効率的な各ス
ラスタへの推力配分を決定する必要がある。
を評価関数として設定し、これを最小化する解を求める
ことにより各スラスタへの推力配分を決定する方法が存
在し、例えば特許第2749833号公報に開示された
ものがある。この公報に開示されている制御推力配分装
置は、スラスタの推力成分を評価関数を用いて求める際
に、ラグランジェ未定乗数法を用いるものである。
が存在する場合に、この他のスラスタから出る推力が大
きく低下することから、さらに水中の計測用音響機器は
一般的に船底の前部あるいは船腹に設置するために、ス
ラスタの水流が音響機器の計測に悪影響を及ぼすことか
ら、上記動的位置制御システムにおいては、何らかの回
避策が必要とされる。
を考慮して設定された禁止角度範囲外へ各スラスタの角
度を変更する方法は、従来から行われており、例えば特
公平6−33080号公報に開示されたものがある。
れた首振り式スラスタ付き船舶においては、船体移動方
向設定系からの移動方向信号に基づいて各スラスタの後
流中にスラスタの存在する首振り角範囲を設定禁止区域
として設定しうる禁止区域設定系を具備したものであ
る。
制御推力配分装置においては、以下の問題があった。ま
ず、各スラスタへの推力配分を決定する場合に、個々の
スラスタの定格推力による制限により、船舶全体の推
力、モーメントの指令値に対応した推力配分が不可能な
場合の取り扱いが問題であった。この取り扱いにおいて
は、如何にして、船舶に与える影響を小さくした処理を
行うかが技術的課題であった。
な角度禁止処理を行う場合には、角度禁止処理による各
スラスタの推力変化が与える推力配分処理結果への影響
が問題であった。
推力配分処理後に、上述したような角度禁止処理を行っ
た結果は、消費エネルギを最小化する推力配分とはなら
ない。つまり、単に禁止角度範囲内のスラスタを個々に
禁止角度範囲外に変更するような角度禁止処理を、推力
配分処理後に行うのでは、禁止角度範囲内の全てのスラ
スタについて処理をした結果は、相当に当初の推力配分
結果から変更されるおそれがある。
範囲を拘束条件として評価関数を最小化する推力配分を
厳密に行うことは、スラスタ数が多くなると計算量が膨
大となるため、非現実的な処理である。したがって、如
何にして、消費エネルギを最小化する推力配分結果から
の変化を少なくして現実的な角度禁止処理を行うかが技
術的課題であった。
力発生器の定格推力による制限に対応した推力配分を可
能とし、船舶の制御に与える影響が極めて少ない推力制
限手段を有する推力発生器の制御方法およびその制御装
置を提供するものであり、さらに船舶の消費エネルギを
最小化する推力配分処理結果に対する変動が少ない現実
的な角度禁止処理を行う推力発生器の制御方法およびそ
の制御装置を提供するものである。
め、本発明の第1の推力発生器の制御方法は、複数個の
推力発生器を有する航走体の位置および方位を測定する
とともに、これらの測定値に基づき航走体を、所定位置
若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要
な全推力と全モーメントを演算し、これら求められた全
推力および全モーメントの値に基づき、各推力発生器に
て出力すべき推力を推力配分演算により求めるようにし
た推力発生器の制御方法であって、上記推力配分演算
は、下記式に示す評価関数Jを最小化させる各推力発生
器の推力uを求め、 J=(1/2)utWu (但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力
配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列
である) 上記求められた推力において、定格推力を越えている推
力発生器が存在する場合には、当該推力発生器に対応す
る重み行列のパラメータを増加させて再度推力を求め、
かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推
力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定
格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記
与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数
Jの最小値が減少するように変更する方法である。
置は、複数個の推力発生器を有する航走体の位置および
方位を測定する測定部と、航走体の位置および方位を設
定する設定部と、上記測定部および設定部で得られた測
定値および設定値を入力して、航走体を所定位置若しく
は所定方位または所定航路に保持するために必要な全推
力と全モーメントを演算して出力する制御指定演算器
と、この制御指定演算器で求められた全推力と全モーメ
ントを入力して各推力発生器における推力配分を行いそ
の配分値をそれぞれの駆動部に出力する推力配分演算器
とを具備するとともに、上記推力配分演算器は、下記式
にて示す評価関数Jを最小化させる各推力発生器の推力
uを求める推力演算部と、 J=(1/2)utWu (但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力
配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列
である) 上記求められた推力において、定格推力を超えている推
力発生器が存在する場合には、当該推力発生器に対応す
る重み行列のパラメータを増加させて再度出力を求め、
かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推
力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定
格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記
与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数
Jの最小値が減少するように変更する推力制限処理部と
から構成したものである。
によると、評価関数を用いて推力の配分を行った結果、
定格推力を超えている推力発生器が存在している場合に
は、推力制限処理において、定格推力を超えている推力
発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再
度推力の配分を行うことにより、当該推力発生器の推力
超過分を余裕のある推力発生器へ再配分可能とし、船舶
の制御に影響を与えない処理を行うことができる。さら
に、この推力制限処理を所定の回数行っても依然として
定格推力を超えている推力発生器が存在している場合に
は、定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるま
で、全推力および全モーメントの値を変更して配分を行
うのであるが、この変更の際に、評価関数の最小値を減
少させる変更を行うことにより、船舶の消費エネルギを
減少させる推力制限処理を行うことができる。
法は、複数個の推力発生器を有する航走体の位置および
方位を測定するとともに、これらの測定値に基づき航走
体を、所定位置若しくは所定方位または所定航路に保持
するために必要な全推力と全モーメントを演算し、これ
ら求められた全推力および全モーメントの値に基づき、
各推力発生器にて出力すべき推力を推力配分演算により
求めるようにした推力発生器の制御方法において、上記
推力配分演算は、下記式に示す評価関数Jを最小化させ
る各推力発生器での推力uを求め、 J=(1/2)utWu (但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力
配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列
である) 次に、上記求められた推力に基づく各推力発生器の方位
角が禁止角度範囲内にある場合には、該当する推力発生
器を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を行い、次
に上記角度禁止処理により得られた推力が定格推力を越
えている推力発生器が存在する場合には、当該推力発生
器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度推
力を求め、さらに上記パラメータの変更を許容値まで行
っても定格推力を超えている推力発生器が存在する場合
には、この定格推力を超える推力発生器が存在しなくな
るまで、上記与えられた全推力および全モーメントの値
を、評価関数Jの最小値が減少するように変更する方法
である。
置は、複数個の推力発生器を有する航走体の位置および
方位を測定する測定部と、航走体の位置および方位を設
定する設定部と、上記測定部および設定部で得られた測
定値および設定値を入力して、航走体を所定位置若しく
は所定方位または所定航路に保持するために必要な全推
力と全モーメントを演算して出力する制御指定演算器
と、この制御指定演算器で求められた全推力と全モーメ
ントを入力して各推力発生器における推力配分を行いそ
の配分値をそれぞれの駆動部に出力する推力配分演算器
とを具備するとともに、上記推力配分演算器は、下記式
にて示す評価関数Jを最小化させる各推力発生器の推力
uを求める推力演算部と、 J=(1/2)utWu (但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力
配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列
である) 上記求められた推力を入力して、この推力に基づく推力
発生器の方位角が、予め求められている推力発生器の禁
止角度範囲内にある場合には、禁止角度範囲外に変更す
るための角度禁止処理部と、この角度禁止処理が行われ
た推力を入力して、この推力が、それぞれ推力発生器の
定格推力を越えている場合には、当該推力発生器に対応
する重み行列のパラメータを増加させて再度推力を求
め、かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定
格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、こ
の定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、
上記与えられた全推力および全モーメントの値を、評価
関数Jの最小値が減少するように変更する推力制限処理
部とから構成したものである。
によると、上記第1の制御方法および制御装置による推
力の配分後に、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位
角を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を付加する
ことにより、推力発生器の推力の禁止角度範囲を考慮し
た推力配分を行う必要がある場合にも、船舶の消費エネ
ルギが少なく、かつ推力発生器の定格推力による制限に
対応した推力配分を行うことができる。
法は、上記第2の制御方法の角度禁止処理において、該
当する推力発生器の方位角を禁止角度範囲外の値に設定
するとともに、禁止角度範囲外の推力発生器については
その方位角を固定した状態で、評価関数の最小値を該当
する推力発生器ごとに求めた後、この求められた評価関
数の最小値が最大となる場合の推力配分を選択する処理
を、全ての推力発生器が禁止角度範囲外になるまで繰り
返す処理である。
置は、上記第2の制御装置の角度禁止処理部において、
該当する推力発生器の方位角を禁止角度範囲外の値に設
定するとともに、禁止角度範囲外の推力発生器について
はその方位角を固定した状態で、評価関数の最小値を該
当する推力発生器ごとに求めた後、この求められた評価
関数の最小値が最大となる場合の推力配分を選択する処
理を、全ての推力発生器が禁止角度範囲外になるまで繰
り返すように構成したものである。
によると、上記第2の制御方法および制御装置における
推力の配分後に、禁止角度範囲内にある推力発生器の方
位角を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を付加す
る際に、この禁止角度範囲外の値に設定するとともに、
禁止角度範囲外の推力発生器についてはその方位角を固
定した状態で、評価関数の最小値を該当する推力発生器
ごとに求めた後、この求められた評価関数の最小値が最
大となる場合の推力配分を選択する処理を、全ての推力
発生器が禁止角度範囲外になるまで繰り返す処理として
いるため、推力発生器の推力の禁止角度範囲を考慮した
推力配分を行う必要がある場合にも、効率的な手順に
て、船舶の消費エネルギが少なく、かつ推力発生器の定
格推力による制限に対応した推力配分を行うことができ
る。
法は、上記第3の制御方法の角度禁止処理において、禁
止角度範囲内にある推力発生器について、禁止角度範囲
内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定す
る際に、禁止角度範囲の境界値の内、上記方位角に近い
境界値に設定する方法である。
置は、上記第3の制御装置の角度禁止処理部において、
禁止角度範囲内にある推力発生器について、禁止角度範
囲内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定
する際に、禁止角度範囲の境界値の内、上記方位角に近
い境界値に設定するようにしたものである。
によると、推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定
する際に、禁止角度範囲の境界値の内、上記方位角に近
い境界値に設定するようにしたので、禁止角度範囲外へ
の変更に際して、変更による消費エネルギの増加を最小
にすることができる。
法は、第1〜第4の制御方法の推力制限処理において、
航走体の全横方向推力についての評価関数の最小値の微
分値が正の場合には、全横方向推力と全縦方向推力と全
モーメントの絶対値を減少させ、航走体の全横方向推力
についての評価関数の最小値の微分値が負の場合には、
全横方向推力の絶対値を増加させるとともに、全縦方向
推力と全モーメントの絶対値を減少させ、航走体の全横
方向推力についての評価関数の最小値の微分値がゼロの
場合で、かつ全縦方向推力がゼロ以外の場合には、全縦
方向推力と全モーメントとの絶対値を減少させ、全縦方
向推力がゼロの場合には、全モーメントの絶対値を減少
させる方法である。
置は、第1〜第4の制御装置の推力制限処理部におい
て、航走体の全横方向推力についての評価関数の最小値
の微分値が正の場合には、全横方向推力と全縦方向推力
と全モーメントの絶対値を減少させ、航走体の全横方向
推力についての評価関数最小値の微分値が負の場合に
は、全横方向推力の絶対値を増加させるとともに、全縦
方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、航走体の
全横方向推力についての評価関数の最小値の微分値がゼ
ロの場合で、かつ全縦方向推力がゼロ以外の場合には、
全縦方向推力と全モーメントとの絶対値を減少させ、全
縦方向推力がゼロの場合には、全モーメントの絶対値を
減少させるようにしたものである。
によると、推力制限処理を行う際に、制御手順に優先度
を考慮するようにしたので、船舶の運動制御の犠牲を極
力抑えた推力制限処理を行うことができる。
る推力発生器の制御装置および制御方法を、図1〜図6
に基づき説明する。
て、船舶(航走体の一例)の底部に取り付けられて推力
を発生させるスラスタの場合について説明する。まず、
航走体である船舶を、図1のモデル図に基づき説明す
る。
として、縦方向中心線(以下、縦軸という)をx軸、横
方向中心線(以下、横軸という)をy軸とすると、船体
底部に設けられる複数個(例えば、n個)のスラスタ2
の位置は、それぞれ(x1,y1)、(x2,y2)、
・・・・(xn,yn)にて表され、また各スラスタ2
にて出力される推力(推力成分)を、(L1,T1)、
(L2,T2)、・・・・(Ln,Tn)と表す。な
お、各スラスタ2は、任意の角度範囲で旋回自在に設け
られており、必要に応じてその旋回が禁止される範囲
(禁止角度範囲)が決められるとともに、あるものにつ
いては、旋回しないように固定されている(勿論、全て
のスラスタが旋回し得るものであってもよい)。
位、航路などを保持するために、上記各スラスタ2の推
力を最適に調節するための制御装置が具備されている。
図2に示すように、この制御装置3は、船舶1の所定位
置に配置されて現在位置および前進方向である方位を測
定する複数個の測定器11を有する測定部121と、船
舶1側に設けられて船舶1が保持すべき位置、方位、航
路などを設定する設定部13と、これらの測定部12か
らの測定値および設定部13からの設定値を入力すると
ともに、船舶1を、所定位置、所定方位、または所定航
路を維持(保持)するのに必要とされる全推力(X,
Y)および全モーメントNを演算(例えば、PID演算
により行われる)する制御指定演算器14と、この制御
指定演算器14で演算された全推力(X,Y)および全
モーメントNを入力して各スラスタ2が出力すべき推力
を演算する推力配分演算器15とが具備されている。基
本的には、各スラスタ2の推力(L1,T1)、(L
2,T2)、・・・・(Ln,Tn)の合計が、全推力
(X,Y)および全モーメントNに等しくなる。なお、
上記推力配分演算器15で求められた推力が、スラスタ
駆動部4に出力されて、船舶1における所定の制御が行
われる。
成について説明する。この推力配分演算器15は、上記
制御指定演算器14からの全推力X,Yおよび全モーメ
ントNを入力して、船舶の消費エネルギが最小となるよ
うに、各スラスタ2が出力すべき最適な推力を演算する
推力演算部21と、この推力演算部21で求められた推
力を入力して、この推力に基づくスラスタ2の方位角
が、予め求められているスラスタ2の禁止角度範囲内に
あるか否かをチェックするとともに、禁止角度範囲内に
ある場合には、禁止角度範囲外に変更するための角度禁
止処理部22と、この角度禁止処理が行われた推力を入
力して、この推力が、各スラスタ2の制限推力すなわち
定格推力以下であるか否かをチェックするとともに定格
推力を越える場合には、全推力X,Yおよび/または全
モーメントNの値を変更する推力制限処理部23が具備
されている。
特に、推力配分演算器15にて行われる各スラスタ2へ
の推力配分処理方法について説明する。なお、ここで
は、上述した推力演算部21、角度禁止処理部22およ
び推力制限処理部23での機能についても併せて説明す
る。
ローチャートに基づき説明する。この処理では、船舶1
の制御に必要な全推力(X,Y)および全モーメントN
を求めるステップ1(制御指定演算器にて、X,Y,N
が決定される)と、これらの値から各スラスタ2が出力
すべき推力を評価関数を使用して、消費エネルギが最小
となるように、最適配分を行うステップ2(推力演算部
21にて行われる)と、このステップ2で求められた最
適な推力であっても、あるスラスタ2について、その方
位角[例えば、x方向とy方向の推力成分(L,T)の
比により求められる]が禁止角度範囲内に入っている場
合があるため、その有無をチェックするステップ3(角
度禁止有無のチェック)と、このステップ3により、そ
の方位角が禁止角度範囲内に入っている場合には、スラ
スタ2を禁止角度範囲外に変更処理を行うステップ4
(角度禁止処理)(ステップ3およびステップ4は、角
度禁止処理部22にて行われる)と、上記ステップ3ま
たはステップ4を通過して、全てのスラスタ2が禁止角
度範囲外になった場合に、各スラスタ2に配分された推
力がそれぞれの定格推力内に入っているか否かをチェッ
クするステップ5(推力制限チェック)と、このステッ
プ5において、定格推力を越えているスラスタ2が存在
している場合に、その推力が定格推力内となるために必
要な処理を行うステップ6(推力制限処理)(ステップ
5およびステップ6は、推力制限処理部23にて行われ
る)とから構成されている。
まず、ステップ1では、制御指定演算器14において、
測定部12から入力された位置、方位などの測定値およ
び設定部13から入力された設定位置、設定方位、設定
航路などにより、船舶1の制御に必要な全推力(X,
Y)および全モーメントNの値が決定される。
5において、上記制御指定演算器14で求められた船舶
1に対する全推力(X,Y)および全モーメントNが入
力されて、消費エネルギが最小となる各スラスタ2の最
適な推力が求められる。すなわち、推力の最適配分処理
が行われる。
明する。全推力および全モーメントと、求めるべき各ス
ラスタ2における推力との間には、下記(1)式に示す
関係がある。
配列ベクトル、Tはスラスタ2の位置行列、uは全スラ
スタ2の推力成分(具体的には、xおよびy方向での推
力成分である)を要素とする推力配列ベクトルである。
ことにより、全スラスタ2の推力が得られることになる
が、一般に、uの次元はΓの次元より大きいため、解は
一意には求まらない。
表すと、下記(2)〜(4)式のようになる。
を導入し、これを最小化する条件を与えることによりu
を決定することができる。
れる。 J=(1/2)utWu・・・(5) なお、(5)式中、utはuの転置ベクトル、Wは[p
行×p列]の重み行列であり、pはuの次元である(n
個のスラスタが全て自由に回転し得るものである場合、
p=2n;n個の内、q個のスラスタが角度が固定され
たものである場合、p=2n−qとなる)。推力配分の
際、各スラスタ2に、同じ重みを掛けるとすれば、Wは
対角成分(コストパラメータ)がすべて1となる配列
で、下記(6)式にて表される。
うに、(Moor-Penrosepseudo inverse)T+を用いて与
えられる。
にし得るスラスタ2の最適な推力、すなわち与えられた
全推力および全モーメントに対する最適配分を求めるこ
とができる。
いて説明する。この角度禁止処理は、あるスラスタの下
流側に他のスラスタが存在する場合、下流側のスラスタ
から出る推力が大きく低下すること、およびスラスタの
水流が音響機器の計測に悪影響を及ぼすのを回避するた
めになされるものである。
ついて、図4のフローチャートに基づき説明する。この
角度禁止処理の概略の流れを説明すると、まずステップ
11では、ステップ2で求められた最適配分の結果の中
から、n個のスラスタの内、禁止角度範囲内にあるスラ
スタ1〜mをカウントし、m個の番号を割り当て特定す
る。
(1≦k≦m)についてその角度を禁止角度範囲外に設
定し、この角度を固定した状態で、再度、最適配分処理
を行い、この場合の評価関数Jの最小値Jk(1≦k≦
m)を求める。
求められた最小値Jkの中でも最もJkが大きくなるスラ
スタの最適配分を選択した後、ステップ14において、
その最適配分にて禁止角度のスラスタが存在するか否か
を確認し、存在する場合は、再度、ステップ11に戻
り、上記角度禁止処理を、禁止角度範囲内のスラスタの
個数がゼロになるまで繰り返して行う。
に説明する。なお、スラスタkの禁止角度範囲がak1〜
ak2(境界値)間であるとする。但し、禁止角度範囲は
180度未満である。
タを選択し、カウントを行うため、k=1と設定する。
次に、ステップ22で、そのスラスタkの推力のx成分
Tk、y成分Lkを特定し、ステップ23で、スラスタk
の角度すなわち方位角takを、下記(9)式に基づき
決定する。
k2の間であると判断(検出)されると、ステップ25〜
27にて、スラスタkの方位角takが、角度ak1およ
び角度ak2のいずれか近い角度(境界値)に、すなわち
禁止角度範囲外となるように変更される(角度禁止処
理)。
い境界値に変更するのは、角度禁止処理による消費エネ
ルギの増加を最小にするならば、ステップ2の最適配分
により求められた値からのずれ(角度)を最小にする必
要があるからである。
kがak1およびak2のどちらに近いかを判断し、ak1に
近い場合は、ステップ26でak1をスラスタkの方位角
と設定し、ak2に近い場合には、ステップ27でak2を
スラスタkの方位角と設定する。
範囲内のスラスタについて、個々に消費エネルギの増加
が最小になるような角度禁止処理を行っても、必ずしも
スラスタ全体を考えた場合に最適な処理とはならないと
いうことである。言い換えれば、一つのスラスタの処理
は他のスラスタの処理に影響する。
0,Y=200,N=−1000であり、3個のスラス
タ11,12,13の位置を、(0,0),(−5,−
1),(−5,1)とすれば、ステップ2による最適配
分の結果、スラスタ12とスラスタ13との角度は、と
もに90度で、推力もともに100に配分されたとす
る。また、スラスタ12の禁止角度範囲は80度から1
10度であり、スラスタ12の禁止角度範囲は70度か
ら120度であるとする。
行った結果、スラスタ12の角度は80度に変更される
(90度と80度の差は10度、90度と110度の差
は20度)。しかし、スラスタ13についてのみ角度禁
止処理を行った結果は、スラスタ13の角度は70度に
なる(70度と90度の差が20度、120度と90度
の差が30度)。
スタ13には、プラスX方向に推力が発生するため、入
力値であるX=0を満足するためには、スラスタ11で
は、マスナスX方向の推力を発生させて、スラスタ12
およびスラスタ13のX方向の推力キャンセルする。最
終的には、各スラスタ11〜13の推力は、図6の破線
に示すようなものとなり、最適配分とは言い難い。
た場合には、より合理的な角度禁止処理が得られる。し
たがって、禁止角度範囲内のスラスタについて、個々に
禁止角度範囲外に変更した後、全体的な処理を行う必要
がある。このため、ステップ28においては、禁止角度
範囲外のスラスタの角度を固定するとともに、スラスタ
kについてこの角度を禁止角度範囲外に変更した後の角
度に固定し、他の禁止角度範囲内の(n−1)個のスラ
スタが自由回転可能とし、上述した(3)式および
(4)式を用いて最適配分処理を行い、その最適配分結
果から(2)式を用いて評価関数の最小値Jkを求め
る。
m個のスラスタの個々について評価関数の最小値J
k(k=1〜m)が求められる。ところで、ステップ1
3において、評価関数の最小値Jk(k=1〜m)の最
大値MAX(Jk)を選択した理由は、下記の通りであ
る。
をとる最適配分では、ステップ2の最適配分で求められ
た消費エネルギの最小値に対し、最も大きいエネルギ増
加をもたらすことになり、したがって他の禁止角度範囲
内に存在するスラスタのいくつかが禁止角度範囲外に抜
け出す可能性がある。しかし、k=m以外の角度禁止処
理では、k=mのスラスタが禁止角度範囲内から抜け出
すことはないからである。
止角度範囲外になった場合の推力について検討を行う必
要がある。すなわち、演算により求められた推力が、ス
ラスタ2の推力制限値である定格推力を越えている場合
には、その値を採用することができないので、そのスラ
スタ2については、ステップ5および6により、推力を
制限する必要がある。
限処理を、図3および図5に示すフローチャートに基づ
き説明する。すなわち、ステップ5において、その推力
が定格推力を越えているスラスタ2が存在するか否かが
判断され、存在しない場合には、そのままの推力が、各
スラスタ駆動部4に出力されることになる。
存在する場合には、ステップ6にて、該当するスラスタ
2の推力が制限される。すなわち、まずステップ31に
おいて、コストパラメータ自身が所定範囲にあるかどう
かが判断される。なお、コストパラメータαkについて
は、少なくと初回の判断時に、全てが1に設定されてい
る。
いる場合(適している場合)には、ステップ32に進
み、該当するスラスタ2の重み行列Wの値であるコスト
パラメータαkが増加されて、このスラスタ2に配分さ
れる推力を相対的に低下させる。そして、再度、ステッ
プ2に戻り、以下、最適配分、角度禁止チェック、推力
制限チェックが行われ、全てのスラスタ2の推力が推力
制限内に納まれば、その推力に基づき各スラスタ2が制
御されることになる。
も、定格推力を越えているスラスタ2が存在する場合
は、再度、ステップ6のステップ31に進み、さらにそ
のコストパラメータαが増加されて上記と同様の処理が
行われる。
正範囲を越えた場合、すなわちコストパラメータの変更
により、当該スラスタに配分される推力が相対に低下す
ることが得られない場合には、ステップ33に進み、全
推力(X,Y)および全モーメントNが変更されて、再
度、ステップ2に戻り、ステップ3〜5までの処理が行
われる。なお、ステップ33の変更処理を行う場合に
は、最適配分を行う際のコストパラメータαの値は、初
期値に戻される。
限内に入った場合には、その処理は終了するが、入らな
い場合には、入るまで、ステップ33の全推力(X,
Y)および全モーメントNの変更が行われた後、ステッ
プ2〜5の処理が繰り返し行われる。
理を、図5に基づき説明する。ステップ6の推力制限処
理では、船舶1の制御に極力小さい影響で、かつその変
更による消費エネルギの変化が極力小さくなるように全
推力(X、Y)および全モーメントN(以下、この説明
では、単に、X,Y,Nとだけ記述する場合もある)の
変更を行うのがよい。
る全推力およびモーメントの指令値(X、Y、N)を変
更するのであるから、当然、制御への影響が生じるた
め、その変更は重要である。
物理的状況を考慮し、変更の際のY,XおよびNの優先
順位を設定することにした。まず、定点保持、定方位移
動制御を行う場合、船舶の方位が変動すると船体に働く
潮流力モーメントや風力モーメントが大きく変わり、船
の動きが予想以上に急変する恐れがあるため、方位の制
御は優先すべきであって、モーメントNが最も優先度の
高い成分である。
り小さいので、横方向推力Yに十分な推力を配分しない
と制御の効果が出てこないため、優先度は横方向推力Y
が縦方向推力Xより高くなる。
由により、まずモーメントNの優先度を高くする必要が
ある。そして、船舶を指定した速度で航路保持を行わな
ければならないので、Xの優先度がYより高く設定すれ
ばよい。
の優先度は、N→Y→Xとなったり、N→X→Yになっ
たりする。しかしながら、実際には、船舶の横運動抵抗
が縦運動抵抗よりはるかに大きいため、同じ量のXとY
を調整すれば、Xの方が船の運動に対する影響がはるか
に大きくなる。また、高速航路保持を除いて、殆どの操
船では、船舶の前進速度が低いため、Xの値に起因して
ステップ5の処理(定格推力を越えたスラスタが存在す
るか否かの判断)が「いいえ」となることはない。
おいては、まずY、次にX、最後にNという順序で変更
を行えば船舶の制御面での影響が小さくて済む。また、
推力制限処理は、消費エネルギである評価関数Jの最小
値を低下させるように行う必要がある。
般的な船舶の場合は、NとYとが独立でないことから、
単純に、Yの絶対値の低下が、評価関数Jの最小値の低
下につながらない場合が生じ得る。これを考慮するに
は、評価関数Jの最小値のYによる微分値の正負を判断
し、これが負の場合は、Yを増加させる変更を行えばよ
い。X、Nについては、単純に絶対値が減少すれば評価
関数Jの最小値が減少すると考えればよい。
処理のフローチャートで、以下、ステップ33における
変更処理について、詳細に説明する。まず、ステップ4
1では、評価関数Jの最小値のYによる微分値がゼロか
ゼロでないかを判断し、ゼロでない場合には、ステップ
42でその微分値の正負を判断する。
43に進み、評価関数Jの最小値が減少するように、
Y、X、Nの絶対値を減少させる。一方、微分値が負の
場合には、ステップ44に進み、評価関数Jの最小値が
減少するように、Yの絶対値を増加させ、X、Nの絶対
値を減少させる。
微分値がゼロの場合は、ステップ45で、Xがゼロかゼ
ロでないかを判断する。ゼロでない場合には、ステップ
46に進み、評価関数Jの最小値が減少するように、X
とNの絶対値を減少させる。
に進み、Nの絶対値を減少させる。上記各ステップ4
3、44、46、47の処理では、Y、X、Nの絶対値
を必要に応じて変更させるが、先に述べたY、X、Nの
制御への影響の度合いを考慮して変更させる必要があ
る。
a、b、cを導入し、ステップ43では、下記(10)
〜(12)式のように変更を加える。 |Y|=|Y|−a・Δ・|Y|・・・(10) |X|=|X|−b・Δ・|X|・・・(11) |N|=|N|−c・Δ・|N|・・・(12) ここで、a,b,cはa>b≧c≧o,a+b+c=1
の関係を有する分配パラメータである。また、Δは調整
パラメータであり、具体的数値としては、0.01〜
0.05の値に設定される(この調整パラメータについ
ては、以下同じ)。
(15)式のように変更を加える。 |Y|=|Y|+a・Δ・|Y|・・・(13) |X|=|X|−b・Δ・|X|・・・(14) |N|=|N|−c・Δ・|N|・・・(15) この場合も、a,b,cはa>b≧c≧o,a+b+c
=1の関係を有する分配パラメータである。
よび(17)式のように変更を加える。 |X|=|X|−a・Δ・|X|・・・(16) |N|=|N|−b・Δ・|N|・・・(17) ここでは、a,bはa>b≧o,a+b=1の関係を有
する分配パラメータである。
のように変更を加える。 |N|=|N|−a・Δ・|N|・・・(18) ここでは、aはa=1なる関係を有する分配パラメータ
である。
およびスラスタの角度禁止処理が行われた後に、スラス
タ2における推力制限処理を行い、しかもこの推力制限
処理においては、まずコストパラメータにより調整が行
われ、このコストパラメータの調整でも行い得なかった
場合には、コストパラメータを元の値に戻すとともに、
初めに設定された全推力および全モーメントを変更して
推力制限処理を行うようにしており、さらにこの推力制
限処理においては、船舶の物理的状況を考慮して変更を
加える優先度を導入して行うようにしているので、最適
な推力配分を確実に得ることができる。
法によると、評価関数を用いて推力の最適配分を行った
後、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を禁止角
度範囲外に設定する角度禁止処理を行い、さらにこの結
果、定格推力を超えているスラスタが存在している場合
には、まず推力制限処理において、定格推力を超えてい
るスラスタに対応する重み行列のパラメータを増加させ
て再度最適配分を行うことにより、当該スラスタの推力
超過分を余裕のあるスラスタへ再配分可能とし、船舶の
制御に影響を与えない処理を行うことができる。また、
上記最適配分後に、禁止角度範囲内にあるスラスタの方
位角を禁止角度範囲外に設定するようにしているため、
スラスタの推力の禁止角度範囲を考慮した推力配分を行
う必要がある場合にも、船舶の消費エネルギが少ない、
かつスラスタの定格推力による制限に対応した推力配分
を行うことができる。
スラスタの方位角を禁止角度範囲外の値に設定するとと
もに、禁止角度範囲外の推力発生器についてはその方位
角を固定した状態で、評価関数の最小値を該当する推力
発生器ごとに求めた後、この求められた評価関数の最小
値が最大となる場合の最適配分を選択する処理を、全て
のスラスタが禁止角度範囲外になるまで繰り返す処理と
しているため、スラスタの推力の禁止角度範囲を考慮し
た推力配分を行う必要がある場合にも、効率的な手順に
て、船舶の消費エネルギが少なく、かつスラスタの定格
推力による制限に対応した推力配分を行うことができ
る。
に優先度を考慮するようにしたので、船舶の運動制御の
犠牲を極力抑えた推力制限処理を行うことができる。と
ころで、上記実施の形態においては、最適配分により各
スラスタの推力を求める際に、角度禁止処理を行った後
の推力に、各スラスタの推力が定格推力内となるような
制限処理を行うようにしているが、角度禁止処理を行な
わない制御であってもよい。
上記実施の形態において説明した角度禁止処理のための
ステップ3およびステップ4が省略されたものである。
この制御方法および制御装置によると、評価関数を用い
て、各スラスタの最適な推力を求めた後、各スラスタに
おける推力が定格推力を超えている場合には、当該推力
発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させると
ともに、パラメータの変更でも対処し得ない場合には、
評価関数が減少するように、全推力および全モーメント
を変更させる処理を、定格推力を超えるスラスタが存在
しなくなるまで繰り返し行うようにしたので、最適な推
力配分を行うことができる。
の制御方法および制御装置によると、評価関数を用いて
推力の配分を行った結果、定格推力を超えている推力発
生器が存在している場合には、まず推力制限処理におい
て、定格推力を超えている推力発生器に対応する重み行
列のパラメータを増加させて再度推力の配分を行うこと
により、当該推力発生器の推力超過分を余裕のある推力
発生器へ再配分可能とし、船舶の制御に影響を与えない
処理を行うことができる。さらに、この推力制限処理を
所定の回数行っても依然として定格推力を超えている推
力発生器が存在している場合には、定格推力を超える推
力発生器が存在しなくなるまで、全推力および全モーメ
ントの値を変更して配分を行うのであるが、この変更の
際に、評価関数の最小値を減少させる変更を行うことに
より、船舶の消費エネルギを減少させる推力制限処理を
行うことができる。
装置の構成によると、上記第1の制御方法および制御装
置による推力の配分後に、禁止角度範囲内にある推力発
生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理
を付加することにより、推力発生器の推力の禁止角度範
囲を考慮した推力配分を行う必要がある場合にも、船舶
の消費エネルギが少なく、かつ推力発生器の定格推力に
よる制限に対応した推力配分を行うことができる。
装置の構成によると、上記第2の制御方法および制御装
置による推力の配分後に、禁止角度範囲内にある推力発
生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理
を付加する際に、該当する推力発生器の方位角を禁止角
度範囲外の値に設定するとともに、禁止角度範囲外の推
力発生器についてはその方位角を固定した状態で、評価
関数の最小値を該当する推力発生器ごとに求めた後、こ
の求められた評価関数の最小値が最大となる場合の推力
配分を選択する処理を、全ての推力発生器が禁止角度範
囲外になるまで繰り返す処理としているため、推力発生
器の推力の禁止角度範囲を考慮した推力配分を行う必要
がある場合にも、効率的な手順にて、船舶の消費エネル
ギが少なく、かつ推力発生器の定格推力による制限に対
応した推力配分を行うことができる。
装置の構成によると、推力発生器の方位角を禁止角度範
囲外に設定する際に、禁止角度範囲の境界値の内、上記
方位角に近い境界値に設定するようにしたので、禁止角
度範囲外への変更に際して、変更による消費エネルギの
増加を最小にすることができる。
御装置の構成によると、推力制限処理を行う際に、制御
手順に優先度を考慮するようにしたので、船舶の運動制
御の犠牲を極力抑えた推力制限処理を行うことができ
る。
の模式図である。
概略構成を示すブロック図である。
手順を示すフローチャートである。
フローチャートである。
を示すフローチャートである。
めの船舶の模式図である。
Claims (10)
- 【請求項1】複数個の推力発生器を有する航走体の位置
および方位を測定するとともに、これらの測定値に基づ
き航走体を、所定位置若しくは所定方位または所定航路
に保持するために必要な全推力と全モーメントを演算
し、 これら求められた全推力および全モーメントの値に基づ
き、各推力発生器にて出力すべき推力を推力配分演算に
より求めるようにした推力発生器の制御方法であって、 上記推力配分演算は、下記式に示す評価関数Jを最小化
させる各推力発生器の推力uを求め、 J=(1/2)utWu (但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力
配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列
である) 上記求められた推力において、定格推力を越えている推
力発生器が存在する場合には、当該推力発生器に対応す
る重み行列のパラメータを増加させて再度推力を求め、 かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推
力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定
格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記
与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数
Jの最小値が減少するように変更することを特徴とする
推力発生器の制御方法。 - 【請求項2】複数個の推力発生器を有する航走体の位置
および方位を測定するとともに、これらの測定値に基づ
き航走体を、所定位置若しくは所定方位または所定航路
に保持するために必要な全推力と全モーメントを演算
し、 これら求められた全推力および全モーメントの値に基づ
き、各推力発生器にて出力すべき推力を推力配分演算に
より求めるようにした推力発生器の制御方法において、 上記推力配分演算は、下記式に示す評価関数Jを最小化
させる各推力発生器での推力uを求め、 J=(1/2)utWu (但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力
配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列
である) 次に、上記求められた推力に基づく各推力発生器の方位
角が禁止角度範囲内にある場合には、該当する推力発生
器を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を行い、 次に上記角度禁止処理により得られた推力が定格推力を
越えている推力発生器が存在する場合には、当該推力発
生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度
推力を求め、 さらに上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格
推力を超えている推力発生器が存在する場合には、この
定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上
記与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関
数Jの最小値が減少するように変更することを特徴とす
る推力発生器の制御方法。 - 【請求項3】角度禁止処理は、該当する推力発生器の方
位角を禁止角度範囲外の値に設定するとともに、禁止角
度範囲外の推力発生器についてはその方位角を固定した
状態で、評価関数の最小値を該当する推力発生器ごとに
求めた後、この求められた評価関数の最小値が最大とな
る場合の推力配分を選択する処理を、全ての推力発生器
が禁止角度範囲外になるまで繰り返す処理であることを
特徴とする請求項2に記載の推力発生器の制御方法。 - 【請求項4】角度禁止処理において、禁止角度範囲内に
ある推力発生器について、禁止角度範囲内にある推力発
生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する際に、禁止角
度範囲の境界値の内、上記方位角に近い境界値に設定す
ることを特徴とする請求項3に記載の推力発生器の制御
方法。 - 【請求項5】推力制限処理において、航走体の全横方向
推力についての評価関数の微分値が正の場合には、全横
方向推力と全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少
させ、 航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値が負
の場合には、全横方向推力の絶対値を増加させるととも
に、全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、 航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値がゼ
ロの場合で、かつ全縦方向推力がゼロ以外の場合には、
全縦方向推力と全モーメントとの絶対値を減少させ、全
縦方向推力がゼロの場合には、全モーメントの絶対値を
減少させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
記載の推力発生器の制御方法。 - 【請求項6】複数個の推力発生器を有する航走体の位置
および方位を測定する測定部と、航走体の位置および方
位を設定する設定部と、上記測定部および設定部で得ら
れた測定値および設定値を入力して、航走体を所定位置
若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要
な全推力と全モーメントを演算して出力する制御指定演
算器と、この制御指定演算器で求められた全推力と全モ
ーメントを入力して各推力発生器における推力配分を行
いその配分値をそれぞれの駆動部に出力する推力配分演
算器とを具備するとともに、 上記推力配分演算器は、下記式にて示す評価関数Jを最
小化させる各推力発生器の推力uを求める推力演算部
と、 J=(1/2)utWu (但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力
配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列
である) 上記求められた推力において、定格推力を超えている推
力発生器が存在する場合には、当該推力発生器に対応す
る重み行列のパラメータを増加させて再度出力を求め、
かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推
力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定
格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記
与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数
Jの最小値が減少するように変更する推力制限処理部と
から構成したことを特徴とする推力発生器の制御装置。 - 【請求項7】複数個の推力発生器を有する航走体の位置
および方位を測定する測定部と、航走体の位置および方
位を設定する設定部と、上記測定部および設定部で得ら
れた測定値および設定値を入力して、航走体を所定位置
若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要
な全推力と全モーメントを演算して出力する制御指定演
算器と、この制御指定演算器で求められた全推力と全モ
ーメントを入力して各推力発生器における推力配分を行
いその配分値をそれぞれの駆動部に出力する推力配分演
算器とを具備するとともに、 上記推力配分演算器は、下記式にて示す評価関数Jを最
小化させる各推力発生器の推力uを求める推力演算部
と、 J=(1/2)utWu (但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力
配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列
である) 上記求められた推力を入力して、この推力に基づく推力
発生器の方位角が、予め求められている推力発生器の禁
止角度範囲内にある場合には、禁止角度範囲外に変更す
るための角度禁止処理部と、 この角度禁止処理が行われた推力を入力して、この推力
が、それぞれ推力発生器の定格推力を越えている場合に
は、当該推力発生器に対応する重み行列のパラメータを
増加させて再度推力を求め、かつ上記パラメータの変更
を許容値まで行っても定格推力を超えている推力発生器
が存在する場合には、この定格推力を超える推力発生器
が存在しなくなるまで、上記与えられた全推力および全
モーメントの値を、評価関数Jの最小値が減少するよう
に変更する推力制限処理部とから構成したことを特徴と
する推力発生器の制御装置。 - 【請求項8】角度禁止処理部において、該当する推力発
生器の方位角を禁止角度範囲外の値に設定するととも
に、禁止角度範囲外の推力発生器についてはその方位角
を固定した状態で、評価関数の最小値を該当する推力発
生器ごとに求めた後、この求められた評価関数の最小値
が最大となる場合の推力配分を選択する処理を、全ての
推力発生器が禁止角度範囲外になるまで繰り返すように
構成したことを特徴とする請求項7に記載の推力発生器
の制御装置。 - 【請求項9】角度禁止処理部において、禁止角度範囲内
にある推力発生器について、禁止角度範囲内にある推力
発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する際に、禁止
角度範囲の境界値の内、上記方位角に近い境界値に設定
するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の推力
発生器の制御装置。 - 【請求項10】推力制限処理部において、航走体の全横
方向推力についての評価関数の微分値が正の場合には、
全横方向推力と全縦方向推力と全モーメントの絶対値を
減少させ、 航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値が負
の場合には、全横方向推力の絶対値を増加させるととも
に、全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、 航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値がゼ
ロの場合で、かつ全縦方向推力がゼロ以外の場合には、
全縦方向推力と全モーメントとの絶対値を減少させ、 全縦方向推力がゼロの場合には、全モーメントの絶対値
を減少させることを特徴とする請求項6〜9のいずれか
に記載の推力発生器の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000029854A JP4570192B2 (ja) | 2000-02-08 | 2000-02-08 | 推力発生器の制御方法および制御装置 |
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